JP2004208468A - 電動機駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ラジオ放送又はテレビジョン放送等の搬送波の周波数帯域において、電動機駆動装置のPWM信号の高次の周波数の振幅を低減することにより、ノイズそのものを低減することを可能とした電動機駆動制御装置を提供する。
【解決手段】電動機駆動装置1は、ラジオ受信機又はテレビジョン受信機を搭載した車両に配設された電動機2と、電動機2を駆動する電動機駆動手段31と、変調部323にて変調周波数を生成し、この変調周波数及びデューティー制御信号に基づきデューティー制御回路324にて変調PWM信号を生成し、この変調PWM信号に基づき電動機駆動手段31を制御する電動機制御手段32と、電動機制御手段32を介して電動機2へ駆動用電力を供給する電力供給源4とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】電動機駆動装置1は、ラジオ受信機又はテレビジョン受信機を搭載した車両に配設された電動機2と、電動機2を駆動する電動機駆動手段31と、変調部323にて変調周波数を生成し、この変調周波数及びデューティー制御信号に基づきデューティー制御回路324にて変調PWM信号を生成し、この変調PWM信号に基づき電動機駆動手段31を制御する電動機制御手段32と、電動機制御手段32を介して電動機2へ駆動用電力を供給する電力供給源4とを備える。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラジオ受信機又はテレビジョン受信機を搭載した車両に配設された電動機駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両に配設された電動機はPWM信号により駆動しており、このPWM信号の高次の高調波がラジオ放送やテレビジョン放送にノイズとして混入する問題があった。この問題を解決するために、例えば、電動機駆動制御装置(電動機駆動部、電動機制御部)をシールドケースにより被覆して遮蔽することにより、電動機駆動制御装置の外部に漏れるノイズを抑制する方法がある。しかし、シールドケースにより被覆することは、電動機駆動制御装置の大型化につながる。さらに、電動機駆動制御装置と電動機とを接続する電線及び電動機は、シールドケースにより被覆されないため、この電線又は電動機部分から発生したノイズがラジオ放送等に混入することになる。また、電動機へ駆動用電力を供給する電力供給源及びこの電力供給源と電動機駆動制御装置とを接続する電線もシールドケースにより被覆されないため、電力供給源及びその接続電線部分から発生したノイズがラジオ放送等に混入することになる。
【0003】
そこで、シールドケースを使用することなくノイズを低減する方法が、特開平5−211451号公報や特開平11−49001号公報に開示されている。これらの公報には、PWM信号の周波数の整数倍をラジオ放送の搬送波の周波数と一致させるか若しくは大きくずらす方法が記載されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−211451号公報
【特許文献2】
特開平11−49001号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、AMラジオ放送は、搬送波の周波数は9kHzの整数倍となる単一周波数であるが、実際には多くの周波数成分を含んでいる。具体的には、AMラジオ放送の搬送波は、搬送波周波数を中心とする所定の周波数帯域幅を有する上側波及び下側波とを含んでいる。すなわち、PWM信号の周波数をラジオ放送の搬送波の周波数から大きくずらしたとしても、PWM信号の周波数が所定の帯域幅を有する上側波及び下側波の中に含まれる場合にはノイズが発生する。なお、PWM信号の周波数をすべてのラジオ放送の搬送波に常に一致させるのは困難である。また、FMラジオ放送も、PWM信号の周波数の整数倍が放送帯域に混入すると、上記同様ノイズが発生する場合がある。
【0006】
また、自動選局機能を備えたラジオ受信機等の場合には、PWM信号の周波数の整数倍の周波数を検出して同調するという問題もあった。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みて為されたものであり、ラジオ等の搬送波周波数帯域において、PWM信号の周波数の整数倍の振幅を低減することにより、ノイズそのものを低減することを可能とした電動機駆動制御装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
そこで、本発明者はこの課題を解決すべく鋭意研究し、試行錯誤を重ねた結果、周波数を変調させた変調周波数からなる変調PWM信号に基づき電動機駆動手段を駆動することを思いつき、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明の電動機駆動装置は、ラジオ受信機又はテレビジョン受信機を搭載した車両に配設された電動機と、該電動機を駆動する電動機駆動手段と、PWM信号を発生させると共に該PWM信号に基づき前記電動機駆動手段を制御する電動機制御手段と、該電動機制御手段を介して前記電動機へ駆動用電力を供給する電力供給源とを備えた電動機駆動装置において、前記PWM信号は、周波数の所定帯域幅内を変調させた変調周波数からなる変調PWM信号であることを特徴とする。
【0010】
なお、電動機駆動手段とは、スイッチング素子を含む回路である。このスイッチング素子は、例えば、パワーMOSFET、バイポーラトランジスタ等である。そして、このスイッチング素子が、電動機制御手段から出力された変調PWM信号に基づきON・OFF動作を行う。つまり、このスイッチング素子のON・OFF動作の周波数信号がノイズとなり得るものである。
【0011】
そして、変調PWM信号は、上述したように周波数の所定帯域幅内を変調させた変調周波数からなる信号である。この変調PWM信号の振幅が最大となる周波数が基本周波数である。つまり、変調PWM信号は、基本周波数を含む所定帯域幅内を変調させた信号である。
【0012】
そして、電動機制御手段は、変調PWM信号に基づき電動機駆動手段を制御することにより、変調PWM信号の基本周波数の整数倍の周波数の振幅、すなわち変調PWM信号の高次の高調波の振幅が低減する。なお、一般に、フーリエ変換の理論より、高次の高調波ほど振幅は低減するものである。すなわち、従来のように、電動機駆動手段を駆動するPWM信号の周波数を一定にした場合であっても高次の高調波ほど振幅は低減する。しかし、電動機駆動手段を駆動するPWM信号の周波数を一定にした場合に比べて、電動機駆動手段を駆動するPWM信号の周波数を変調させた場合は、高次の高調波ほど振幅はより低減することになる。なお、ラジオ放送やテレビジョン放送の周波数帯域に比べて、前記PWM信号の周波数は非常に低いものであるため、該放送の周波数帯域における高調波の振幅の差は著しい。
【0013】
つまり、ラジオ放送やテレビジョン放送の周波数帯域において、電動機駆動手段を駆動するPWM信号の周波数の高次の高調波の振幅は非常に小さくなる。このことは、ラジオ放送やテレビジョン放送に混入するノイズそのものを低減することになる。従って、ラジオ放送等の搬送波の周波数とPWM信号の周波数の高次の高調波とが一致していない場合であっても、ノイズそのものを低減することができる。このことは、従来のように、シールドケースを使用しなくてもノイズを低減できるため、装置の高コスト化及び大型化することがなくなる。なお、シールドケースも併せて使用することにより、よりノイズを低減させることになることは明らかである。また、特開平5−211451号公報や特開平11−49001号公報に記載された方法のように、PWM信号の周波数をラジオ放送の搬送波と一致させる等、複雑な設定を行う必要がなく、任意にPWM信号の周波数を設定することができる。
【0014】
さらに、PWM信号の周波数の高次の高調波の振幅が小さいため、自動選局機能を備えたラジオ受信機等の場合であっても、PWM信号の周波数の高次の高調波を検出して同調することを抑制することになる。
【0015】
また、前記電動機は、前記車両に配設された車両用空調装置の空調ファン駆動用電動機であるようにするとよい。一般に、車両用空調装置は、ラジオ受信機又はテレビジョン受信機の近傍に配設される。すなわち、車両用空調装置の空調ファン駆動用電動機のPWM信号の周波数がラジオ放送又はテレビジョン放送のノイズとして混入するおそれが高い。そこで、本発明の電動機駆動装置の電動機を車両用空調装置の空調ファン駆動用電動機とすることにより、より効果的にラジオ放送等のノイズを低減することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、実施形態を挙げ、本発明を図面を参照してより詳しく説明する。
【0017】
(電動機駆動装置の構成)
図1に示すように、本発明の電動機駆動装置1は、電動機2と、電動機駆動制御部3と、バッテリ(電力供給源)4とから構成される。なお、電動機駆動制御部3は、電動機駆動部(電動機駆動手段)31と、電動機制御部(電動機制御手段)32とから構成される。
【0018】
電動機2は、車両用空調装置の空調ファン、電動パワーステアリング装置、又はパワーウインドウ装置等に使用される電動機である。この電動機2と電動機駆動制御部3とは、電線により接続されている。
【0019】
電動機駆動部31は、パワーMOSFET(スイッチング素子)311と、フライホイールダイオード312と、キャパシタ313、インダクタ314とから構成される。まず、パワーMOSFET311のゲート端子には、後述するデューティー制御回路から出力された所定のPWM信号が入力される。この入力されるPWM信号に基づきパワーMOSFET311がON・OFF動作を行う。パワ−MOSFET311のソ−ス端子は接地され、ドレイン端子はフライホイ−ルダイオ−ド312のアノ−ド側、及び端子33を介して電動機2の一方側の端子に接続されている。フライホイ−ルダイオ−ド312のカソ−ド側は、端子34を介して電動機2の他方側の端子に、及びキャパシタ313の一方側の端子、及びインダクタ314の一方側の端子に接続されている。キャパシタ313の他方側の端子は接地されている。インダクタ314の他方側の端子は、端子35を介してバッテリ4の正極端子に接続されている。なお、バッテリ4の負極端子は接地されている。
【0020】
電動機制御部32は、基本クロック発生部321と、ランダムクロック発生部322と、変調部323と、デューティー制御回路324とから構成される。基本クロック発生部321は、上述したパワーMOSFET311に入力するPWM信号の周波数の基本となる基本周波数f0からなる信号を発生させる。この基本周波数f0は、例えば20kHzである。なお、基本クロック発生部321は、例えば水晶振動子を含む水晶発信回路等からなる。ランダムクロック発生部322は、基本周波数f0を変調するための変調用周波数f1からなる信号を発生させる。この変調用周波数f1は、例えば100Hzである。なお、ランダムクロック発生部322は、例えば水晶振動子を含む水晶発振回路等からなる。
【0021】
変調部323は、基本周波数f0と変調用周波数f1とに基づき、PWM信号の周波数(変調周波数)Fを決定する。具体的には、所定時間毎に、PWM信号の変調周波数Fを数1〜数3に示すF1からF3の間をランダムに変化させる。例えば、変調周波数Fの値をF1→F2→F3→F2→F1の順に変化させて、これを繰り返す。この場合は、基本周波数f0が20kHzとなり、変調周波数Fの周波数帯域幅は20kHzを中心とした±100Hzとなる。すなわち、変調周波数Fの周波数帯域幅は200Hzとなる。
【0022】
【数1】
F1=f0+f1
【0023】
【数2】
F2=f0
【0024】
【数3】
F3=f0−f1
【0025】
デューティー制御回路324は、デューティー設定端子36から入力されたデューティー制御信号及び変調部323から出力された変調周波数Fに基づき、変調PWM信号を生成する。デューティー設定端子36から入力されるデューティー制御信号は、例えばデューティー比である。デューティー比とは、PWM信号の1周期におけるON時間の割合を示すものである。例えば、デューティー比が0.5の場合は、ON時間とOFF時間の割合が等しいことになる。変調PWM信号とは、ON・OFF信号であって、デューティー制御信号及び変調周波数Fから算出される。そして、変調周波数Fは、F1〜F3に変調されるため、例えばデューティー比が一定であった場合でも、僅かにON時間及びOFF時間は変更することになる。ただし、周波数帯域幅は基本周波数f0に対して僅かであるのでほとんど影響を及ぼさない。
【0026】
さらに、デューティー制御回路324は、生成した変調PWM信号をパワーMOSFET311に出力する。すなわち、パワーMOSFET311のゲート端子は、この変調PWM信号に基づき動作することになる。つまり、変調PWM信号がON信号の場合にはパワーMOSFET311のゲート端子はON動作し、変調PWM信号がOFF信号の場合にはパワーMOSFET311のゲート端子はOFF動作する。なお、電動機2を車両用空調装置の空調ファンに使用される電動機の場合とすると、デューティー制御信号は、設定風量や設定温度に基づき設定されるものである。
【0027】
(電動機駆動装置の動作)
次に、上述した構成からなる電動機駆動装置1の動作について説明する。まず、電動機制御部32にて変調PWM信号が決定される。すなわち、デューティー設定端子36から入力されたデューティー制御信号及び変調部323から出力された変調周波数Fに基づき変調PWM信号が決定される。そして、変調PWM信号がON信号のときには、パワーMOSFET311のゲート端子のゲート電圧が10Vとなりゲート端子がON動作する。一方、変調PWM信号がOFF信号のときには、パワーMOSFET311のゲート端子のゲート電圧が0Vとなりゲート端子がOFF動作する。
【0028】
ゲート端子がON動作した場合には、パワーMOSFET311のドレイン端子には、バッテリ4から供給され、インダクタンス314を通り、電動機2を通った電圧12Vがかかり、ドレイン端子にドレイン電流Idが流れる。このドレイン電流Idの電流値は、ON時間の経過に伴い減少する。一方、ゲート端子がOFF動作した場合には、パワーMOSFET311のドレイン端子にドレイン電流Idは流れない。この場合は、フライホイールダイオード312にフライホイール電流Ifが流れる。このフライホイール電流Ifの電流値は、OFF時間の経過に伴い増加する。なお、ゲート端子がON動作する場合には、フライホイール電流Ifは流れない。
【0029】
従って、電動機2に流れる電流値Imは、ドレイン電流Idとフライホイール電流Ifとを合成した値となる。すなわち、電動機2に流れる電流値Imは、ゲート端子がON動作の場合はドレイン電流Idの電流値となり、ゲート端子がOFF動作の場合はフライホイール電流Ifの電流値となる。
【0030】
(ラジオ放送等に混入するノイズ)
次に、上述した本実施形態の電動機駆動装置1を適用した場合におけるラジオ放送又はテレビジョン放送に混入するノイズについて、従来の電動機駆動装置を適用した場合と比較して説明する。
【0031】
ラジオ放送等に混入するノイズは、パワーMOSFET311のPWM信号の周波数Fの高調波が影響を及ぼす。具体的には、上述したドレイン電流Id、フライホイール電流If又は電動機電流Imの高調波が影響を及ぼす。ここで、図2に、フーリエ変換により得られたPWM信号の周波数(Hz)に対する信号強度(振幅)を示す。図2(a)は本実施形態の電動機駆動装置の場合を示し、図2(b)は従来の電動機駆動装置の場合を示す。なお、本実施形態の電動機駆動装置における変調PWM信号の周波数Fは基本周波数f0(=20kHz)に変調用周波数f1(=100Hz)を加減等した値である。一方、従来の電動機駆動装置におけるPWM信号の周波数Fは一定値の20kHzである。そして、図2(a)(b)に示すスペクトルのうち最左側に示すスペクトルが基本波、すなわちPWM信号又は変調PWM信号の周波数Fを示す。そして、基本波の右側の複数のスペクトルは、高調波を示す。
【0032】
図2(a)(b)から明らかなように、何れの場合も、基本波の信号強度が最も高く、高調波の周波数が高い程信号強度は減少している。これは、フーリエ変換の理論により明らかである。そして、図2(b)に示すように、従来の場合は、PWM信号の周波数Fが一定値の20kHzであるので、その整数倍となる周波数に高い信号強度を示しており、その他の周波数においては信号強度はほぼ0である。
【0033】
一方、図2(a)に示すように、本実施形態の場合は、基本波は、周波数Fが基本周波数f0である20kHzを中心として周波数の上下方向に変調用周波数f1である100Hzの周波数帯域幅を有している。この基本波は、基本周波数f0の周波数20kHzの位置の信号強度が最も高く、周波数が基本周波数f0の周波数20kHzから周波数の上下方向に遠ざかるにつれて信号強度が減少している。そして、周波数帯域幅を超えた周波数における信号強度はほぼ0となる。また、高調波は、基本波の基本周波数f0の整数倍の周波数を信号強度の最大値として、その周波数の上下方向にある周波数帯域幅を有している。この周波数帯域幅は、高次の高調波ほど基本周波数f0の整数倍の周波数から広がっている。例えば、100次の高調波の場合には、基本周波数f0の整数倍の周波数が2000kHzとなり、周波数帯域幅が上下方向に約10kHzとなる。
【0034】
そして、図2(a)(b)を比較すると、高調波の信号強度の最大値が、従来の場合に比べて本実施形態の場合は低減していることが分かる。さらに、高次の高調波ほど信号強度の最大値が従来に比べてより低減している。なお、図2(a)の下側の一点鎖線は本実施形態の高調波の信号強度の最大値を繋いだ線であり、上側の一点鎖線は従来の高調波の信号強度の最大値(図2(b)に示す)を繋いだ線である。これは、本実施形態の場合は、基本波の周波数を変調したことにより、高次の高調波における周波数が大きく分散されたためである。
【0035】
ここで、AMラジオ放送は、531〜1602kHzの周波数帯域における搬送波を有してる。また、FMラジオ放送は、76〜90MHzの周波数帯域の搬送波を有している。すなわち、搬送波の周波数が低いAMラジオ放送の場合に、基本周波数f0の周波数を20kHzとすると、約26〜80倍の高調波となる。例えば、基本周波数f0の周波数の15倍以上、好ましくは20倍以上の高調波帯域がラジオ放送の周波数帯域となるようにすることで、確実にノイズを低減することができる。従って、基本周波数f0の周波数は20kHzに限られず、16〜35kHz、好ましくは16〜20kHzであればよい。なお、16kHz以下の周波数帯域は、可聴周波数帯域となるため、基本周波数f0の周波数は16kHz以上とする方がよい。また、ラジオ放送のうち周波数の最も低いAMラジオの531kHzの場合であっても十分にノイズを低減することができるようにするために、基本周波数f0の周波数の上限値は、最も低いラジオ放送の周波数531kHzの35分の1以下、好ましくは25分の1以下とするとよい。
【0036】
また、高次の高調波帯域における信号強度の最大値は、変調用周波数f1によって変化するものである。例えば、変調用周波数f1を200Hzとした場合には、100Hzの場合に比べてより高次の高調波の信号強度の最大値は低減する。また、高次の高調波帯域における信号強度の最大値は、変調部323の変調方法によっても変化するものである。例えば、本実施形態では、F1→F2→F3→F2→F1の順に繰り返したが、この順序を変更することによっても前記信号強度の最大値は変化する。例えば、F1→F2→F3→F1→F2→F3の順にした場合等である。その他、変調PWM周波数Fを上述の3段階でなく、4段階や5段階、好ましくは無段階等とすることによっても、前記信号強度の最大値は変化する。
【0037】
なお、本実施形態では、電動機駆動制御装置3をシールドケースにより被覆していないが、このように行うことでよりノイズを低減することができる。さらに、電動機2、電動機2と電動機駆動制御装置3とを接続する電線、及びバッテリ4と電動機駆動制御装置3とを接続する電線をシールドケースやシールド材等により被覆することにより、よりノイズを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電動機駆動装置の構成を示す図である。
【図2】PWM信号の周波数に対する信号強度を示す図である。
【符号の説明】
1 ・・・ 電動機駆動装置
2 ・・・ 電動機
3 ・・・ 電動機駆動制御部
4 ・・・ バッテリ(電力供給源)
31 ・・・ 電動機駆動部(電動機駆動手段)
32 ・・・ 電動機制御部(電動機制御手段)
36 ・・・ デューティー設定端子
311 ・・・ パワーMOSFET
321 ・・・ 基本クロック発生部
322 ・・・ ランダムクロック発生部
323 ・・・ 変調部
324 ・・・ デューティー制御回路
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラジオ受信機又はテレビジョン受信機を搭載した車両に配設された電動機駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両に配設された電動機はPWM信号により駆動しており、このPWM信号の高次の高調波がラジオ放送やテレビジョン放送にノイズとして混入する問題があった。この問題を解決するために、例えば、電動機駆動制御装置(電動機駆動部、電動機制御部)をシールドケースにより被覆して遮蔽することにより、電動機駆動制御装置の外部に漏れるノイズを抑制する方法がある。しかし、シールドケースにより被覆することは、電動機駆動制御装置の大型化につながる。さらに、電動機駆動制御装置と電動機とを接続する電線及び電動機は、シールドケースにより被覆されないため、この電線又は電動機部分から発生したノイズがラジオ放送等に混入することになる。また、電動機へ駆動用電力を供給する電力供給源及びこの電力供給源と電動機駆動制御装置とを接続する電線もシールドケースにより被覆されないため、電力供給源及びその接続電線部分から発生したノイズがラジオ放送等に混入することになる。
【0003】
そこで、シールドケースを使用することなくノイズを低減する方法が、特開平5−211451号公報や特開平11−49001号公報に開示されている。これらの公報には、PWM信号の周波数の整数倍をラジオ放送の搬送波の周波数と一致させるか若しくは大きくずらす方法が記載されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−211451号公報
【特許文献2】
特開平11−49001号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、AMラジオ放送は、搬送波の周波数は9kHzの整数倍となる単一周波数であるが、実際には多くの周波数成分を含んでいる。具体的には、AMラジオ放送の搬送波は、搬送波周波数を中心とする所定の周波数帯域幅を有する上側波及び下側波とを含んでいる。すなわち、PWM信号の周波数をラジオ放送の搬送波の周波数から大きくずらしたとしても、PWM信号の周波数が所定の帯域幅を有する上側波及び下側波の中に含まれる場合にはノイズが発生する。なお、PWM信号の周波数をすべてのラジオ放送の搬送波に常に一致させるのは困難である。また、FMラジオ放送も、PWM信号の周波数の整数倍が放送帯域に混入すると、上記同様ノイズが発生する場合がある。
【0006】
また、自動選局機能を備えたラジオ受信機等の場合には、PWM信号の周波数の整数倍の周波数を検出して同調するという問題もあった。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みて為されたものであり、ラジオ等の搬送波周波数帯域において、PWM信号の周波数の整数倍の振幅を低減することにより、ノイズそのものを低減することを可能とした電動機駆動制御装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
そこで、本発明者はこの課題を解決すべく鋭意研究し、試行錯誤を重ねた結果、周波数を変調させた変調周波数からなる変調PWM信号に基づき電動機駆動手段を駆動することを思いつき、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明の電動機駆動装置は、ラジオ受信機又はテレビジョン受信機を搭載した車両に配設された電動機と、該電動機を駆動する電動機駆動手段と、PWM信号を発生させると共に該PWM信号に基づき前記電動機駆動手段を制御する電動機制御手段と、該電動機制御手段を介して前記電動機へ駆動用電力を供給する電力供給源とを備えた電動機駆動装置において、前記PWM信号は、周波数の所定帯域幅内を変調させた変調周波数からなる変調PWM信号であることを特徴とする。
【0010】
なお、電動機駆動手段とは、スイッチング素子を含む回路である。このスイッチング素子は、例えば、パワーMOSFET、バイポーラトランジスタ等である。そして、このスイッチング素子が、電動機制御手段から出力された変調PWM信号に基づきON・OFF動作を行う。つまり、このスイッチング素子のON・OFF動作の周波数信号がノイズとなり得るものである。
【0011】
そして、変調PWM信号は、上述したように周波数の所定帯域幅内を変調させた変調周波数からなる信号である。この変調PWM信号の振幅が最大となる周波数が基本周波数である。つまり、変調PWM信号は、基本周波数を含む所定帯域幅内を変調させた信号である。
【0012】
そして、電動機制御手段は、変調PWM信号に基づき電動機駆動手段を制御することにより、変調PWM信号の基本周波数の整数倍の周波数の振幅、すなわち変調PWM信号の高次の高調波の振幅が低減する。なお、一般に、フーリエ変換の理論より、高次の高調波ほど振幅は低減するものである。すなわち、従来のように、電動機駆動手段を駆動するPWM信号の周波数を一定にした場合であっても高次の高調波ほど振幅は低減する。しかし、電動機駆動手段を駆動するPWM信号の周波数を一定にした場合に比べて、電動機駆動手段を駆動するPWM信号の周波数を変調させた場合は、高次の高調波ほど振幅はより低減することになる。なお、ラジオ放送やテレビジョン放送の周波数帯域に比べて、前記PWM信号の周波数は非常に低いものであるため、該放送の周波数帯域における高調波の振幅の差は著しい。
【0013】
つまり、ラジオ放送やテレビジョン放送の周波数帯域において、電動機駆動手段を駆動するPWM信号の周波数の高次の高調波の振幅は非常に小さくなる。このことは、ラジオ放送やテレビジョン放送に混入するノイズそのものを低減することになる。従って、ラジオ放送等の搬送波の周波数とPWM信号の周波数の高次の高調波とが一致していない場合であっても、ノイズそのものを低減することができる。このことは、従来のように、シールドケースを使用しなくてもノイズを低減できるため、装置の高コスト化及び大型化することがなくなる。なお、シールドケースも併せて使用することにより、よりノイズを低減させることになることは明らかである。また、特開平5−211451号公報や特開平11−49001号公報に記載された方法のように、PWM信号の周波数をラジオ放送の搬送波と一致させる等、複雑な設定を行う必要がなく、任意にPWM信号の周波数を設定することができる。
【0014】
さらに、PWM信号の周波数の高次の高調波の振幅が小さいため、自動選局機能を備えたラジオ受信機等の場合であっても、PWM信号の周波数の高次の高調波を検出して同調することを抑制することになる。
【0015】
また、前記電動機は、前記車両に配設された車両用空調装置の空調ファン駆動用電動機であるようにするとよい。一般に、車両用空調装置は、ラジオ受信機又はテレビジョン受信機の近傍に配設される。すなわち、車両用空調装置の空調ファン駆動用電動機のPWM信号の周波数がラジオ放送又はテレビジョン放送のノイズとして混入するおそれが高い。そこで、本発明の電動機駆動装置の電動機を車両用空調装置の空調ファン駆動用電動機とすることにより、より効果的にラジオ放送等のノイズを低減することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、実施形態を挙げ、本発明を図面を参照してより詳しく説明する。
【0017】
(電動機駆動装置の構成)
図1に示すように、本発明の電動機駆動装置1は、電動機2と、電動機駆動制御部3と、バッテリ(電力供給源)4とから構成される。なお、電動機駆動制御部3は、電動機駆動部(電動機駆動手段)31と、電動機制御部(電動機制御手段)32とから構成される。
【0018】
電動機2は、車両用空調装置の空調ファン、電動パワーステアリング装置、又はパワーウインドウ装置等に使用される電動機である。この電動機2と電動機駆動制御部3とは、電線により接続されている。
【0019】
電動機駆動部31は、パワーMOSFET(スイッチング素子)311と、フライホイールダイオード312と、キャパシタ313、インダクタ314とから構成される。まず、パワーMOSFET311のゲート端子には、後述するデューティー制御回路から出力された所定のPWM信号が入力される。この入力されるPWM信号に基づきパワーMOSFET311がON・OFF動作を行う。パワ−MOSFET311のソ−ス端子は接地され、ドレイン端子はフライホイ−ルダイオ−ド312のアノ−ド側、及び端子33を介して電動機2の一方側の端子に接続されている。フライホイ−ルダイオ−ド312のカソ−ド側は、端子34を介して電動機2の他方側の端子に、及びキャパシタ313の一方側の端子、及びインダクタ314の一方側の端子に接続されている。キャパシタ313の他方側の端子は接地されている。インダクタ314の他方側の端子は、端子35を介してバッテリ4の正極端子に接続されている。なお、バッテリ4の負極端子は接地されている。
【0020】
電動機制御部32は、基本クロック発生部321と、ランダムクロック発生部322と、変調部323と、デューティー制御回路324とから構成される。基本クロック発生部321は、上述したパワーMOSFET311に入力するPWM信号の周波数の基本となる基本周波数f0からなる信号を発生させる。この基本周波数f0は、例えば20kHzである。なお、基本クロック発生部321は、例えば水晶振動子を含む水晶発信回路等からなる。ランダムクロック発生部322は、基本周波数f0を変調するための変調用周波数f1からなる信号を発生させる。この変調用周波数f1は、例えば100Hzである。なお、ランダムクロック発生部322は、例えば水晶振動子を含む水晶発振回路等からなる。
【0021】
変調部323は、基本周波数f0と変調用周波数f1とに基づき、PWM信号の周波数(変調周波数)Fを決定する。具体的には、所定時間毎に、PWM信号の変調周波数Fを数1〜数3に示すF1からF3の間をランダムに変化させる。例えば、変調周波数Fの値をF1→F2→F3→F2→F1の順に変化させて、これを繰り返す。この場合は、基本周波数f0が20kHzとなり、変調周波数Fの周波数帯域幅は20kHzを中心とした±100Hzとなる。すなわち、変調周波数Fの周波数帯域幅は200Hzとなる。
【0022】
【数1】
F1=f0+f1
【0023】
【数2】
F2=f0
【0024】
【数3】
F3=f0−f1
【0025】
デューティー制御回路324は、デューティー設定端子36から入力されたデューティー制御信号及び変調部323から出力された変調周波数Fに基づき、変調PWM信号を生成する。デューティー設定端子36から入力されるデューティー制御信号は、例えばデューティー比である。デューティー比とは、PWM信号の1周期におけるON時間の割合を示すものである。例えば、デューティー比が0.5の場合は、ON時間とOFF時間の割合が等しいことになる。変調PWM信号とは、ON・OFF信号であって、デューティー制御信号及び変調周波数Fから算出される。そして、変調周波数Fは、F1〜F3に変調されるため、例えばデューティー比が一定であった場合でも、僅かにON時間及びOFF時間は変更することになる。ただし、周波数帯域幅は基本周波数f0に対して僅かであるのでほとんど影響を及ぼさない。
【0026】
さらに、デューティー制御回路324は、生成した変調PWM信号をパワーMOSFET311に出力する。すなわち、パワーMOSFET311のゲート端子は、この変調PWM信号に基づき動作することになる。つまり、変調PWM信号がON信号の場合にはパワーMOSFET311のゲート端子はON動作し、変調PWM信号がOFF信号の場合にはパワーMOSFET311のゲート端子はOFF動作する。なお、電動機2を車両用空調装置の空調ファンに使用される電動機の場合とすると、デューティー制御信号は、設定風量や設定温度に基づき設定されるものである。
【0027】
(電動機駆動装置の動作)
次に、上述した構成からなる電動機駆動装置1の動作について説明する。まず、電動機制御部32にて変調PWM信号が決定される。すなわち、デューティー設定端子36から入力されたデューティー制御信号及び変調部323から出力された変調周波数Fに基づき変調PWM信号が決定される。そして、変調PWM信号がON信号のときには、パワーMOSFET311のゲート端子のゲート電圧が10Vとなりゲート端子がON動作する。一方、変調PWM信号がOFF信号のときには、パワーMOSFET311のゲート端子のゲート電圧が0Vとなりゲート端子がOFF動作する。
【0028】
ゲート端子がON動作した場合には、パワーMOSFET311のドレイン端子には、バッテリ4から供給され、インダクタンス314を通り、電動機2を通った電圧12Vがかかり、ドレイン端子にドレイン電流Idが流れる。このドレイン電流Idの電流値は、ON時間の経過に伴い減少する。一方、ゲート端子がOFF動作した場合には、パワーMOSFET311のドレイン端子にドレイン電流Idは流れない。この場合は、フライホイールダイオード312にフライホイール電流Ifが流れる。このフライホイール電流Ifの電流値は、OFF時間の経過に伴い増加する。なお、ゲート端子がON動作する場合には、フライホイール電流Ifは流れない。
【0029】
従って、電動機2に流れる電流値Imは、ドレイン電流Idとフライホイール電流Ifとを合成した値となる。すなわち、電動機2に流れる電流値Imは、ゲート端子がON動作の場合はドレイン電流Idの電流値となり、ゲート端子がOFF動作の場合はフライホイール電流Ifの電流値となる。
【0030】
(ラジオ放送等に混入するノイズ)
次に、上述した本実施形態の電動機駆動装置1を適用した場合におけるラジオ放送又はテレビジョン放送に混入するノイズについて、従来の電動機駆動装置を適用した場合と比較して説明する。
【0031】
ラジオ放送等に混入するノイズは、パワーMOSFET311のPWM信号の周波数Fの高調波が影響を及ぼす。具体的には、上述したドレイン電流Id、フライホイール電流If又は電動機電流Imの高調波が影響を及ぼす。ここで、図2に、フーリエ変換により得られたPWM信号の周波数(Hz)に対する信号強度(振幅)を示す。図2(a)は本実施形態の電動機駆動装置の場合を示し、図2(b)は従来の電動機駆動装置の場合を示す。なお、本実施形態の電動機駆動装置における変調PWM信号の周波数Fは基本周波数f0(=20kHz)に変調用周波数f1(=100Hz)を加減等した値である。一方、従来の電動機駆動装置におけるPWM信号の周波数Fは一定値の20kHzである。そして、図2(a)(b)に示すスペクトルのうち最左側に示すスペクトルが基本波、すなわちPWM信号又は変調PWM信号の周波数Fを示す。そして、基本波の右側の複数のスペクトルは、高調波を示す。
【0032】
図2(a)(b)から明らかなように、何れの場合も、基本波の信号強度が最も高く、高調波の周波数が高い程信号強度は減少している。これは、フーリエ変換の理論により明らかである。そして、図2(b)に示すように、従来の場合は、PWM信号の周波数Fが一定値の20kHzであるので、その整数倍となる周波数に高い信号強度を示しており、その他の周波数においては信号強度はほぼ0である。
【0033】
一方、図2(a)に示すように、本実施形態の場合は、基本波は、周波数Fが基本周波数f0である20kHzを中心として周波数の上下方向に変調用周波数f1である100Hzの周波数帯域幅を有している。この基本波は、基本周波数f0の周波数20kHzの位置の信号強度が最も高く、周波数が基本周波数f0の周波数20kHzから周波数の上下方向に遠ざかるにつれて信号強度が減少している。そして、周波数帯域幅を超えた周波数における信号強度はほぼ0となる。また、高調波は、基本波の基本周波数f0の整数倍の周波数を信号強度の最大値として、その周波数の上下方向にある周波数帯域幅を有している。この周波数帯域幅は、高次の高調波ほど基本周波数f0の整数倍の周波数から広がっている。例えば、100次の高調波の場合には、基本周波数f0の整数倍の周波数が2000kHzとなり、周波数帯域幅が上下方向に約10kHzとなる。
【0034】
そして、図2(a)(b)を比較すると、高調波の信号強度の最大値が、従来の場合に比べて本実施形態の場合は低減していることが分かる。さらに、高次の高調波ほど信号強度の最大値が従来に比べてより低減している。なお、図2(a)の下側の一点鎖線は本実施形態の高調波の信号強度の最大値を繋いだ線であり、上側の一点鎖線は従来の高調波の信号強度の最大値(図2(b)に示す)を繋いだ線である。これは、本実施形態の場合は、基本波の周波数を変調したことにより、高次の高調波における周波数が大きく分散されたためである。
【0035】
ここで、AMラジオ放送は、531〜1602kHzの周波数帯域における搬送波を有してる。また、FMラジオ放送は、76〜90MHzの周波数帯域の搬送波を有している。すなわち、搬送波の周波数が低いAMラジオ放送の場合に、基本周波数f0の周波数を20kHzとすると、約26〜80倍の高調波となる。例えば、基本周波数f0の周波数の15倍以上、好ましくは20倍以上の高調波帯域がラジオ放送の周波数帯域となるようにすることで、確実にノイズを低減することができる。従って、基本周波数f0の周波数は20kHzに限られず、16〜35kHz、好ましくは16〜20kHzであればよい。なお、16kHz以下の周波数帯域は、可聴周波数帯域となるため、基本周波数f0の周波数は16kHz以上とする方がよい。また、ラジオ放送のうち周波数の最も低いAMラジオの531kHzの場合であっても十分にノイズを低減することができるようにするために、基本周波数f0の周波数の上限値は、最も低いラジオ放送の周波数531kHzの35分の1以下、好ましくは25分の1以下とするとよい。
【0036】
また、高次の高調波帯域における信号強度の最大値は、変調用周波数f1によって変化するものである。例えば、変調用周波数f1を200Hzとした場合には、100Hzの場合に比べてより高次の高調波の信号強度の最大値は低減する。また、高次の高調波帯域における信号強度の最大値は、変調部323の変調方法によっても変化するものである。例えば、本実施形態では、F1→F2→F3→F2→F1の順に繰り返したが、この順序を変更することによっても前記信号強度の最大値は変化する。例えば、F1→F2→F3→F1→F2→F3の順にした場合等である。その他、変調PWM周波数Fを上述の3段階でなく、4段階や5段階、好ましくは無段階等とすることによっても、前記信号強度の最大値は変化する。
【0037】
なお、本実施形態では、電動機駆動制御装置3をシールドケースにより被覆していないが、このように行うことでよりノイズを低減することができる。さらに、電動機2、電動機2と電動機駆動制御装置3とを接続する電線、及びバッテリ4と電動機駆動制御装置3とを接続する電線をシールドケースやシールド材等により被覆することにより、よりノイズを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電動機駆動装置の構成を示す図である。
【図2】PWM信号の周波数に対する信号強度を示す図である。
【符号の説明】
1 ・・・ 電動機駆動装置
2 ・・・ 電動機
3 ・・・ 電動機駆動制御部
4 ・・・ バッテリ(電力供給源)
31 ・・・ 電動機駆動部(電動機駆動手段)
32 ・・・ 電動機制御部(電動機制御手段)
36 ・・・ デューティー設定端子
311 ・・・ パワーMOSFET
321 ・・・ 基本クロック発生部
322 ・・・ ランダムクロック発生部
323 ・・・ 変調部
324 ・・・ デューティー制御回路
Claims (2)
- ラジオ受信機又はテレビジョン受信機を搭載した車両に配設された電動機と、
該電動機を駆動する電動機駆動手段と、
PWM信号を発生させると共に該PWM信号に基づき前記電動機駆動手段を制御する電動機制御手段と、
該電動機制御手段を介して前記電動機へ駆動用電力を供給する電力供給源とを備えた電動機駆動装置において、
前記PWM信号は、周波数の所定帯域幅内を変調させた変調周波数からなる変調PWM信号であることを特徴とする電動機駆動装置。 - 前記電動機は、前記車両に配設された車両用空調装置の空調ファン駆動用電動機であることを特徴とする請求項1記載の電動機駆動装置。
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