JP2004208237A - 圧電デバイスと圧電デバイスを利用した携帯電話装置および圧電デバイスを利用した電子機器 - Google Patents

圧電デバイスと圧電デバイスを利用した携帯電話装置および圧電デバイスを利用した電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】外部からの衝撃により、内蔵した圧電振動片が損傷しにくく、しかも低背化を実現できる圧電デバイスと、この圧電デバイスを利用した携帯電話と電子機器を提供すること。
【解決手段】上端と下端とが開放された枠体51と、この枠体の内側に、前記枠体と一体に設けられ、駆動用の励振電極が形成された圧電振動片52と、前記枠体を挟み込むようにして固定される上ケース31及び下ケース41とを備えており、前記圧電振動片52は、前記枠体の一端部の内側に対して一体に固定された固定部56を備える基部53と、この基部から、前記枠体の他端部に向かって平行に延びる一対の振動腕54,55とを有し、前記基部に、前記基部の両側面と枠体の枠部に対して一体に接続された支持部63,63を設けた。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電振動片を気密に収容した圧電デバイスとその製造方法、ならびに、圧電デバイスを利用した携帯電話と電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
HDD(ハード・ディスク・ドライブ)、モバイルコンピュータ、あるいはICカード等の小型の情報機器や、携帯電話、自動車電話、またはページングシステム等の移動体通信機器において、パッケージ内に圧電振動片を収容した圧電振動子や圧電発振器等の圧電デバイスが広く使用されている。
図9は、従来の圧電デバイスの構成例を示す概略断面図である(特許文献1参照)。
図において、圧電デバイス1は、上ケース2及び下ケース3の間に枠体4を挟み込み、固定している。この枠体4は、図10に示すように、矩形の枠部5の内側に、所謂音叉型の圧電振動片6を一体に形成したものである。
これにより、図9において、上ケース2及び下ケース3の各内側を合わせたことで形成される内部空間S1内に枠体4と一体になった圧電振動片6を収容している。
【0003】
【特許文献1】特開昭53−98793号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような構造の圧電デバイス1では、この圧電デバイス1を実装した機器が落下する等の外部からの衝撃が加えられると、圧電振動片6が撓むことで、先端部6aが図9の矢印に示すように変位する。
圧電振動片6の先端部6aが、上ケース2または下ケース3の内面に衝突すると、先端部6aが損傷するので、振動性能に悪影響を与える。
【0005】
このような弊害に対する対策として、例えば、図9の内部空間S1内において、上ケース2と下ケース3との間隔G1を比較的大きく確保し、圧電振動片6が撓んでも圧電振動片6の先端部6aが、上ケース2または下ケース3の内面に衝突しないようにする手法もある。
この場合には、例えば、図10の圧電振動片6の厚みを100μm程度、全長L1を2200μmとすると、間隔G1の寸法としては、250μm程度を必要としていた。
【0006】
しかしながら、上ケース2と下ケース3との間の間隔G1にこのような大きな寸法を必要とすることは、なによりも、圧電振動片6を枠部5と一体に設けて、ケース内における圧電振動片のマウント構造を不要にし、薄型を図った効果を生かせないことから、必要とされる圧電デバイス1の低背化の大きな障害となっていた。
【0007】
本発明は、外部からの衝撃により、内蔵した圧電振動片が損傷しにくく、しかも低背化を実現できる圧電デバイスと、この圧電デバイスを利用した携帯電話と電子機器を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述の目的は、第1の発明によれば、上端と下端とが開放された枠体と、この枠体の内側に、前記枠体と一体に設けられ、駆動用の励振電極が形成された圧電振動片と、前記枠体を挟み込むようにして固定される上ケース及び下ケースとを備えており、前記圧電振動片は、前記枠体の一端部の内側に対して一体に固定された固定部を備える基部と、この基部から、前記枠体の他端部に向かって平行に延びる一対の振動腕とを有し、前記基部に、前記基部の両側面と前記枠体の枠部に対して一体に接続された支持部を設けた、圧電デバイスにより達成される。
【0009】
第1の発明の構成によれば、圧電振動片が、枠体と一体に設けられているから、ケース内で圧電振動片をマウントする構造を必要とせず、その分圧電デバイス全体の厚さを薄くできるので、低背化をはかることができる。
しかも、枠体と一体に設けた圧電振動片が、その基部の両側面と枠体の枠部に対して一体に接続された支持部を備えていることから、枠体の枠部と圧電振動片との固定箇所が、従来よりも圧電振動片の先端部よりに設けられることになる。このため、圧電振動片が撓みにくくなり、外部から衝撃が加えられた場合に、圧電振動片の先端部における大きな変位を抑制できる。ケースの厚み方向の大きさを小さくしても、圧電振動片の先端部が、上ケースまたは下ケースの内面に衝突することがなく、このため、ケース内に圧電振動片の先端部の変位を見込んで比較的大きな間隔を形成する必要がないので、低背化を実現できる。
以上により、本発明の効果として、外部からの衝撃により、内蔵した圧電振動片が損傷しにくく、しかも低背化を実現できる圧電デバイスを提供することができる。
尚、この発明で、「上ケース」と表現した場合の「上」は、圧電デバイスを実装基板等に実装した状態で基板側と反対の側を意味し、「下ケース」と表現した場合の「下」は、圧電デバイスを実装基板等に実装した状態の基板側を意味する。
【0010】
第2の発明は、第1の発明の構成において、前記固定部が、前記基部の幅よりも小さい幅を備えるように形成されていることを特徴とする。
第2の発明の構成によれば、圧電振動片を枠体に対して一体に固定するための固定部が、圧電振動片の基部の幅よりも小さい幅を備えることにより、圧電振動片から枠体への振動漏れの流路(振動が伝わる通路)の断面積が小さくなる。これにより、圧電振動片から枠体への振動漏れを抑制することができる。
【0011】
第3の発明は、第1または第2の発明のいずれかの構成において、前記支持部の少なくとも一部が、前記基部の厚みよりも小さい厚みを備えるように形成されていることを特徴とする。
第3の発明の構成によれば、前記支持部の少なくとも一部を基部の厚みよりも小さい厚みを備えるようにしたので、圧電振動片から枠体への振動漏れの流路の断面積をさらに小さくでき、圧電振動片から枠体への振動漏れを有効に抑制することができる。
【0012】
第4の発明は、第1ないし第3の発明のいずれかの構成において、前記支持部が、前記基部の各側面において、複数の細い支持部として形成されていることを特徴とする。
第4の発明によれば、前記支持部が細い形状とされているので、圧電振動片からひとつひとつの支持部を介して枠体へ振動が漏れる流路の断面積を小さくすることになる。これにより、圧電振動片全体として枠体への振動漏れを有効に抑制できる。しかも、このような支持部を複数もしくは多数形成することにより、全体として圧電振動片を枠部に対して支持する強度を確保することができ、支持構造を強化することができる。
【0013】
また、上述の目的は、第5の発明によれば、内部に圧電振動片を気密に収容する構成とした圧電デバイスを利用した携帯電話装置であって、上端と下端とが開放された枠体と、この枠体の内側に、前記枠体と一体に設けられ、駆動用の励振電極が形成された圧電振動片と、前記枠体を挟み込むようにして固定される上ケース及び下ケースとを備えており、前記圧電振動片は、前記枠体の一端部の内側に対して一体に固定された固定部を備える基部と、この基部から、前記枠体の他端部に向かって平行に延びる一対の振動腕とを有し、前記基部に、前記基部の両側面と前記枠体の枠部に対して一体に接続された支持部を設けた圧電デバイスにより、制御用のクロック信号を得るようにした、携帯電話装置により、達成される。
【0014】
また、上述の目的は、第6の発明によれば、内部に圧電振動片を気密に収容する構成とした圧電デバイスを利用した電子機器であって、上端と下端とが開放された枠体と、この枠体の内側に、前記枠体と一体に設けられ、駆動用の励振電極が形成された圧電振動片と、前記枠体を挟み込むようにして固定される上ケース及び下ケースとを備えており、前記圧電振動片は、前記枠体の一端部の内側に対して一体に固定された固定部を備える基部と、この基部から、前記枠体の他端部に向かって平行に延びる一対の振動腕とを有し、前記基部に、前記基部の両側面と前記枠体の枠部に対して一体に接続された支持部を設けた圧電デバイスにより、制御用のクロック信号を得るようにした、電子機器により、達成される。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1ないし図3は、本発明の圧電デバイスの実施の形態を示しており、図1はその概略分解斜視図、図2は図1の圧電デバイスの長手方向に沿った断面を示す概略断面図、図3は図1のA−A線切断端面図である。
図1において、圧電デバイス30は、圧電振動子を構成した例を示している。この圧電デバイス30は、枠体51の上下の開口を、それぞれ上ケース31と下ケース41とで塞ぐように固定して形成されている。
【0016】
上ケース31と下ケース41は、圧電振動片(後述)を収容するためのケースもしくはパッケージを構成するものである。上ケース31が蓋側であり、リッドである。下ケース41がベースとなる。
上ケース31と下ケース41は、本実施形態では、同じ寸法及び形状とされており、かつ上ケース31と下ケース41の各外形は、枠体51の外形と一致するように形成されている。この実施形態では、上ケース31と下ケース41及び枠体51の外形は同一形状の矩形であるが、図示以外の幾何学形状または楕円形状等製品に求められる外形形状に適合させて選択することができる。
【0017】
上ケース31と下ケース41は、図2に示されているように、凹部31a,41aを有し、これらの上ケース31と下ケース41は、互いの凹部31a,41aを対向させることで、内側に厚み方向がG2の隙間を有する内部空間S2を形成するようにされている。
上ケース31と下ケース41は、後述するように、セラミックスや光透過性の材料、例えばガラスを用いて形成されている。上ケース31は、光ビームによる周波数調整を考慮して、光透過性の材料で形成することが好ましい。この実施形態では、下ケース41を後述するセラミックスで、上ケース31をホウ珪酸ガラス等で形成している。
【0018】
また、上ケース31と下ケース41は、それぞれ凹部31a,41aを設けることで、所定の深さの内部空間S2を形成するようにされているが、内部空間S2は、厚み方向の隙間G2ができるだけ小さいことが好ましく、例えば、リッド側である上ケース31及び/またはベース側である下ケース41について、凹部を形成せずに、平板な板体で形成してもよい。この場合、必要とする内部空間S2に所定の厚み方向の隙間G2を形成するためには、上ケース31と下ケース41を枠体51に接合するための図2に示すロウ材もしくは封止材61に、所定のフィラー等を混入することでスペーサとして機能させることで実現できる。
あるいは、枠体51の枠部59に対して、その内側の圧電振動片52の厚みを薄く形成することでも実現できる。このためには、製造工程において、枠体51をエッチングにより形成する際に、枠体51の外形をエッチングした後で、圧電振動片52の部分をハーフエッチングすること等により実現できる。
【0019】
枠体51は、図1に示されているように、上端と下端とが開放され、周囲を囲む枠部59を有する矩形形状に形成されている。枠体51は、開放された上端と下端とに、封止材61を介在させて、真空雰囲気内で、図2に示されているように上ケース31と下ケース41とを固定することで、内部空間S2が密閉された空間となるようにされている。
この枠体51は、特に、内部に圧電振動片52を形成するために、圧電材料が使用されている。使用される圧電材料としては、例えば、本実施形態のように水晶が適しており、水晶以外にもタンタル酸リチウム,ニオブ酸リチウム等の圧電材料を利用することができる。枠体51は、本実施形態の場合、水晶の薄板をフッ酸液等を用いてエッチングすることにより、内部空間S2と圧電振動片52の外形を形成している。
【0020】
圧電振動片52は、枠体51と同じ材料により一体に形成された固定部56を介して枠部59と一体に形成されており、本実施形態の場合、圧電振動片52は、小型に形成して必要な性能を得るために、特に図示する形状とされている。
すなわち、圧電振動片52は、図1において、枠体51の一端部の内側と一体とされている基部53と、この基部53を基端として、先端に向かって二股に別れて平行に延びる一対の振動腕54,55を備えており、全体が音叉のような形状とされた、所謂、音叉型圧電振動片とされている。そして、固定部56は、基部53の幅W1よりも細い幅となるようにされている。
【0021】
さらに、図1に示すように、基部53の両側面と枠体51の枠部59に対して幅方向に一体に延びて接続された支持部63,63を設けている。この支持部63,63は、例えば、リードフレームのタイバーのような構成であり、枠体51の材料と同一の材料で一体に形成されている。このような支持部63,63は、枠体51の形成の際に、製造工程において、支持部63,63及び上述した固定部56の部分を残すようにして、フォトリソグラフィーにより、圧電材料をエッチングすることにより形成することができる。
【0022】
また、好ましくは、図1に示すように、各振動腕54,55には、それぞれ長手方向に延びる溝54a,55aを設けている。この溝54a,55aは、図3に示されているように、各振動腕54,55の表面と裏面とのそれぞれ溝54a,54a、溝55a,55aとして形成されている。これにより、各54a,55aの側壁に図示しない励振電極を形成し、各振動腕54,55の側面にも対応した励振電極を形成することで、駆動電圧を印加した際に効率よく電界を形成して、各振動腕54,55を振動させることができる。
【0023】
すなわち、圧電振動片52の表面には、図示しない励振電極が形成されており、各振動腕54,55を構成する材料について、駆動電圧に基づいて適切な電界を形成して振動させるようになっている。これらの励振電極は、ケース内部を引き回されて、下ケース41の底面に形成した実装電極42,43(図2参照)と接続されている。これにより、圧電デバイス30は、実装基板等に対して、この実装電極42,43を利用して半田実装することができるようになっている。
【0024】
このような構造でなる枠体51は、図2に示すように、その枠部59の上面及び下面が、それぞれロウ材もしくは封止材61,61を介して、上ケース31及び下ケース41と接合されることで、内部空間S2内に圧電振動片52が気密に密閉されている。封止材61としては、上ケース31及び下ケース41と、図1の枠体51に対して、濡れ性のよい封止材を選択することが好ましい。上ケース31及び下ケース41として、ガラス材料を使用する場合には、封止材61は低融点ガラスを用いることが好ましい。低融点ガラスは、300度ないし700度程度で溶融・軟化するガラスであり、封止材としての操作を行うために、所定のフィラーを混入したペーストとして使用し、ケース側もしくは枠体側に塗布後、これらを重ねた状態で加熱することで硬化される。
【0025】
本実施形態は以上のように構成されており、圧電デバイス30では、次の理由により低背化を実現できる。
つまり、圧電振動片52が、枠体51と一体に設けられているから、ケース内で圧電振動片52をマウントする構造を必要とせず、その分圧電デバイス全体の厚さを薄くできる。
さらに、枠体51と一体に設けた圧電振動片52が、その基部53に支持部63,63を備えていることから、枠体51の枠部59と圧電振動片52との固定箇所が、従来よりも圧電振動片52の先端部52aよりに設けられることになる。このため、圧電振動片52が撓みにくくなり、図2に示すように、外部から衝撃が加えられた場合に、圧電振動片52の先端部52aにおける矢印B方向の大きな変位を抑制できる。
【0026】
例えば、図1の圧電振動片52の厚みを従来と同じ100μm程度とすると、支持部63から圧電振動片52の先端部52aまでの全長L2が1600μmとなる。これは、圧電振動片52の支持構造としての片持ち梁の構造において、圧電振動片52に支持部63を設けた結果、固定箇所が圧電振動片52の先端部側に移動したことによる。このため、図2の間隔G2の寸法としては、170μm程度としても、従来と同様の外部からの衝撃に対して、圧電振動片52の損傷はみられなかった。
【0027】
これにより、図2において、上ケース31と下ケース41の対向する内面の間に設けるギャップである内部空間S2の厚み方向の間隔G2を小さくして、ケースの厚み方向の大きさを小さくしても、圧電振動片52の先端部52aが、上ケース31または下ケース41の内面に衝突することがなく、このため、ケース内に圧電振動片の先端部の変位を見込んで比較的大きな間隔を形成する必要がないので、この点においても圧電デバイス30の低背化を確実に実現できる。
【0028】
図4ないし図7は、圧電デバイス30の圧電振動片を形成した枠体部分の各変形例を示しており、図4は枠体の第1の変形例を示す概略平面図、図5は枠体の第2の変形例を示す概略平面図、図7は枠体の第3の変形例を示す概略平面図である。これらの変形例において、図1ないし図3と同一の符号を付した箇所は共通する構成であるから、重複する説明は省略し、相違点を中心に説明する。
【0029】
図4において、枠体71の枠部59と圧電振動片52を固定している固定部76は、図1の場合と異なり、基部53と同じ幅となっている。つまり、枠部59の内側の一端から、圧電振動片52の基部53が一体に延長されている構造となっている。
【0030】
第1の変形例は、以上のような構成とされており、図1の場合と比較すると、振動腕54,55から基部53側への振動漏れの点ではやや不利であるが、圧電振動片53を枠部59に対して固定する固定構造の点では、構造的により強固なものとなる利点がある。
この枠体71を使用した圧電デバイス30は、上記の点を除き、図1ないし図3のものと同一の作用効果を発揮することができる。
【0031】
図5の第2の変形例では、枠体81の枠部59と圧電振動片52を固定している固定部は、図1の場合と異なり、固定部86,86として示すように、複数、例えば2つ設けられている。各固定部86は、基部53の幅よりもはるかに細く形成されており、図1の固定部56よりも細い。これにより圧電振動片52から枠体81への振動漏れの流路(振動が伝わる通路)の断面積を小さくすることになり、圧電振動片52から枠体81への振動漏れがより有効に抑制されるようになっている。
一方、固定部は86,86として示すように、複数形成されることで、これらを合わせて、圧電振動片52を支持固定する構造であるから、固定強度が向上されている。
【0032】
さらに、図6に示すように、第2の変形例においては、枠体81の枠部59に対する支持部83,83は、基部53の厚みよりも小さい厚みを備えるように構成されている。これにより、圧電振動片52から枠体81への振動漏れの流路の断面積を小さくすることになり、圧電振動片52から枠体81への振動漏れを有効に抑制できる。
この第2の変形例の枠体81を使用した圧電デバイス30は、上記の点を除き、図1ないし図3のものと同一の作用効果を発揮することができる。
尚、枠体81の枠部59と圧電振動片52を固定している固定部は、固定部86,86のように2つに限るものではなく、より多数の固定部を設けるようにしてもよい。
【0033】
図7の第3の変形例においては、枠体91の枠部59に対して圧電振動片52を支持する支持部は、図1の場合と異なり、支持部93,93,93,93として示すように、基部53の片側の側面に複数、例えば2つ設けられている。これらの支持部93,93,93,93は複数もしくは多数形成されることで、これらを合わせて、圧電振動片52を支持固定する構造であるから、固定強度が向上されている。
また、各支持部93は、図6の支持部83と同様に、基部53の厚みよりも小さい厚みを備えるように構成することもできる。これにより、圧電振動片52から枠体91への振動漏れの流路の断面積を小さくなり、圧電振動片52から枠体91への振動漏れを有効に抑制できる。
この第3の変形例の枠体91を使用した圧電デバイス30は、上記の点を除き、図1ないし図3のものと同一の作用効果を発揮することができる。
尚、枠体91の枠部59に対して圧電振動片52を支持する支持部は、支持部93,93,93,93のように、基部53の片側の側面に2つ設ける場合に限るものではなく、より多数の支持部を設けるようにしてもよい。
【0034】
図8は、本発明の上述した実施形態に係る圧電デバイスを利用した電子機器の一例としてのデジタル式携帯電話装置の概略構成を示す図である。
図において、送信者の音声を受信するマイクロフォン308及び受信内容を音声出力とするためのスピーカ309を備えており、さらに、送受信信号の変調及び復調部に接続された制御部としての集積回路等でなるコントローラ(CPU)301を備えている。
コントローラ301は、送受信信号の変調及び復調の他に画像表示部としてのLCDや情報入力のための操作キー等でなる情報の入出力部302や、RAM,ROM等でなる情報記憶手段303の制御を行うようになっている。このため、コントローラ301には、圧電デバイス30が取り付けられて、その出力周波数をコントローラ301に内蔵された所定の分周回路(図示せず)等により、制御内容に適合したクロック信号として利用するようにされている。このコントローラ301に取付けられる圧電デバイス30は、圧電デバイス30等単体でなくても、圧電デバイス30等と、所定の分周回路等とを組み合わせた発振器であってもよい。
【0035】
このように、制御部を備えた携帯電話装置300のような電子機器に、上述した実施形態に係る圧電デバイス30を利用することにより、外部からの衝撃により損傷しにくいため、動作品質を損なうことなく、正確なクロック信号を生成することができ、圧電デバイス30の低背化により、携帯電話装置300全体を小型に形成することができる。
【0036】
本発明は上述の実施形態に限定されない。実施形態や各変形例の各構成はこれらを適宜組み合わせたり、省略し、図示しない他の構成と組み合わせることができる。
また、この発明は、パッケージ内に圧電振動片を収容するものであれば、圧電振動子、圧電発振器等の名称にかかわらず、全ての圧電デバイスに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の圧電デバイスの実施形態を示す概略分解斜視図。
【図2】図1の圧電デバイスの長手方向に沿った断面を示す概略断面図。
【図3】図1のA−A線切断端面図。
【図4】本発明の実施形態に係る圧電デバイスの圧電振動片を形成した枠体部分の第1の変形例を示す概略平面図。
【図5】本発明の実施形態に係る圧電デバイスの圧電振動片を形成した枠体部分の第2の変形例を示す概略平面図。
【図6】図5のC−C線概略断面図。
【図7】本発明の実施形態に係る圧電デバイスの圧電振動片を形成した枠体部分の第3の変形例を示す概略平面図。
【図8】本発明の実施形態に係る圧電デバイスを利用した電子機器の一例としてのデジタル式携帯電話装置の概略構成を示す図。
【図9】従来の圧電デバイスの一例を示す概略断面図。
【図10】図9の圧電デバイスの圧電振動片(枠体)を示す概略平面図。
【符号の説明】
30・・・圧電デバイス、31・・・上ケース、42,43・・・実装電極、51・・・枠体、52・・・圧電振動片、59・・・枠部、63,63,83,83,93,93,93,93・・・支持部、56,76,86,86・・・固定部

Claims (6)

  1. 上端と下端とが開放された枠体と、
    この枠体の内側に、前記枠体と一体に設けられ、駆動用の励振電極が形成された圧電振動片と、
    前記枠体を挟み込むようにして固定される上ケース及び下ケースとを備えており、
    前記圧電振動片は、前記枠体の一端部の内側に対して一体に固定された固定部を備える基部と、この基部から、前記枠体の他端部に向かって平行に延びる一対の振動腕とを有し、
    前記基部に、前記基部の両側面と前記枠体の枠部に対して一体に接続された支持部を設けた
    ことを特徴とする、圧電デバイス。
  2. 前記固定部が、前記基部の幅よりも小さい幅を備えるように形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の圧電デバイス。
  3. 前記支持部の少なくとも一部が、前記基部の厚みよりも小さい厚みを備えるように形成されていることを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載の圧電デバイス。
  4. 前記支持部が、前記基部の各側面において、複数の細い支持部として形成されていることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の圧電デバイス。
  5. 内部に圧電振動片を気密に収容する構成とした圧電デバイスを利用した携帯電話装置であって、
    上端と下端とが開放された枠体と、
    この枠体の内側に、前記枠体と一体に設けられ、駆動用の励振電極が形成された圧電振動片と、
    前記枠体を挟み込むようにして固定される上ケース及び下ケースとを備えており、
    前記圧電振動片は、前記枠体の一端部の内側に対して一体に固定された固定部を備える基部と、この基部から、前記枠体の他端部に向かって平行に延びる一対の振動腕とを有し、
    前記基部に、前記基部の両側面と前記枠体の枠部に対して一体に接続された支持部を設けた圧電デバイスにより、制御用のクロック信号を得るようにしたことを特徴とする、携帯電話装置。
  6. 内部に圧電振動片を気密に収容する構成とした圧電デバイスを利用した電子機器であって、
    上端と下端とが開放された枠体と、
    この枠体の内側に、前記枠体と一体に設けられ、駆動用の励振電極が形成された圧電振動片と、
    前記枠体を挟み込むようにして固定される上ケース及び下ケースとを備えており、
    前記圧電振動片は、前記枠体の一端部の内側に対して一体に固定された固定部を備える基部と、この基部から、前記枠体の他端部に向かって平行に延びる一対の振動腕とを有し、
    前記基部に、前記基部の両側面と前記枠体の枠部に対して一体に接続された支持部を設けた圧電デバイスにより、制御用のクロック信号を得るようにしたことを特徴とする、電子機器。
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