JP2011254351A - 圧電振動片、圧電振動子および圧電発振器 - Google Patents
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Abstract
【課題】小型な振動片であっても静電容量を大きくし、負荷容量の変化に対して発振周波数感度の低い圧電振動片、圧電振動子、および圧電発振器を提供する。
【解決手段】基部と、前記基部より延伸して形成され屈曲振動する振動腕とを備え、圧電材料からなる振動片であって、前記振動腕の表裏面に形成された非駆動電極と、前記振動腕の先端方向に前記非駆動電極から離間して前記振動腕の前記表裏面と側面とに形成された駆動電極と、を備える圧電振動片。
【選択図】図1
【解決手段】基部と、前記基部より延伸して形成され屈曲振動する振動腕とを備え、圧電材料からなる振動片であって、前記振動腕の表裏面に形成された非駆動電極と、前記振動腕の先端方向に前記非駆動電極から離間して前記振動腕の前記表裏面と側面とに形成された駆動電極と、を備える圧電振動片。
【選択図】図1
Description
本発明は、圧電振動片、圧電振動子および圧電発振器に関する。
HDD(ハード・ディスク・ドライブ)、モバイルコンピューター、あるいはICカード等の小型の情報機器や、携帯電話、自動車電話、またはページングシステム等の移動体通信機器や圧電ジャイロセンサー等において、圧電振動子や圧電発振器等の圧電デバイスが広く使用されている。これら圧電デバイスは、近年、機器の小型化に合わせて、より小型・薄型の圧電デバイスの要求が大きくなってきている。
従来、圧電デバイスには音叉型振動片が多く用いられ、小型・薄型の振動片を実現してきた。また、より小型化・薄型化の要望に対して、振動片の基部形状を改良することで圧電デバイスの性能、特にCI(クリスタルインピーダンス)値の素子間のばらつき低減を図り小型化する技術が開示されている(特許文献1)。
また、特許文献1に開示された振動片をさらに小型化するために、振動片が持つ静電容量を大きくすることで、負荷容量に対する発振周波数感度を小さくすることに効果があることが分かった。その手段として基部電極間の隙間を小さくすることが有効であり、基部電極間の隙間を小さくすることで生じる、パッケージへの振動片のマウント時に起こり易い電気的な短絡を防止するため、基部に連結して設けた支持アームにマウント部を設けた振動片が開示されている(特許文献2)。
しかし、上述の特許文献1では、振動片の小型化が目的であっても、支持アームを備えなければならず、小型化を阻害するものであった。そこで、小型な振動片であっても静電容量を大きくし、負荷容量の変化に対して発振周波数感度の低い圧電振動片、圧電振動子、および圧電発振器を提供する。
本発明は、少なくとも上述の課題の一つを解決するように、下記の形態または適用例として実現され得る。
〔適用例1〕本適用例による圧電振動片は、基部と、前記基部より延伸して形成され屈曲振動する振動腕とを備え、圧電材料からなる振動片であって、前記振動腕の表裏面に形成された非駆動電極と、前記振動腕の先端方向に前記非駆動電極から離間して前記振動腕の前記表裏面と側面とに形成された駆動電極と、を備えることを特徴とする。
上述の適用例によれば、小型の振動片であっても、振動腕に非駆動電極を備えることにより、振動片の静電容量を大きくすることができる。従って、負荷容量のばらつきによる周波数変化の変動を抑えることができる。
〔適用例2〕上述の適用例において、前記振動腕の前記表裏面に、少なくとも1本の溝部が形成され、前記溝部に前記非駆動電極または前記駆動電極を形成することを特徴とする。
〔適用例3〕上述の適用例において、前記振動腕の前記表裏面に、少なくとも1本の溝部が形成され、前記溝部に前記非駆動電極と前記駆動電極と、を形成することを特徴とする。
上述の適用例によれば、溝部に駆動電極を形成した場合には振動損失が少なく、またCI値も低く抑えることができる。
〔適用例4〕上述の適用例において、前記振動腕の前記表裏面に、少なくとも1本の第1溝部が形成され、前記振動腕の前記第1溝部の形成面の前記先端方向に、前記第1溝部から離間して形成された第2溝部を備え、前記第1溝部に前記非駆動電極を形成し、前記第2溝部に前記駆動電極を形成することを特徴とする。
上述の適用例によれば、上述の効果に加え第1溝部と第2溝部によりタイバー部が形成され、このタイバー部が振動腕の捻り強度を高め、屈曲振動以外の振動モードの発生を抑制することができ、更に薄型の振動片を得ることができる。
〔適用例5〕上述の適用例において、前記圧電振動片が水晶からなることを特徴とする。
上述の適用例によれば、安定して低いCI値を有する振動片を得ることができる。
〔適用例6〕上述の適用例において、前記圧電振動片が音叉型振動片であることを特徴とする。
上述の適用例によれば、小型且つ薄型の振動片を得ることができる。
〔適用例7〕上述の適用例のいずれかに記載の圧電振動片と、前記圧電振動片を収納するパッケージと、を有することを特徴とする圧電振動子。
〔適用例8〕上述の適用例のいずれかに記載の圧電振動片と、前記圧電振動片を駆動させる機能を有する回路部と、を有することを特徴とする圧電発振器。
上述の適用例によれば、負荷容量のばらつきによる周波数変動の小さい振動子、および発振器を得ることができる。
以下、図面を参照して、本発明に係る実施形態を説明する。
(第1実施形態)
図1は第1実施形態に係る圧電振動片を示し、図1(a)は表平面図、図1(b)は裏平面図、図1(c)は図1(a)におけるA−A’部の断面図、図1(d)は図1(a)におけるB−B’部の断面図、図1(e)は図1(a)におけるC−C’部の断面図であり、図1(c)、(d)、(e)はそれぞれ、拡大断面図である。圧電振動片100は、圧電材料から形成され、基部より2本の振動腕が延出した、いわゆる音叉型圧電振動片である。本実施形態では水晶を用いて形成された水晶振動片100により説明するが、その他の圧電材料として、例えばタンタル酸リチウム(LiTaO3)、四ホウ酸リチウム(Li2B4O7)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、酸化亜鉛(ZnO)、窒化アルミニウム(AlN)などの圧電体、または、シリコンなどの半導体であっても適用できる。
図1は第1実施形態に係る圧電振動片を示し、図1(a)は表平面図、図1(b)は裏平面図、図1(c)は図1(a)におけるA−A’部の断面図、図1(d)は図1(a)におけるB−B’部の断面図、図1(e)は図1(a)におけるC−C’部の断面図であり、図1(c)、(d)、(e)はそれぞれ、拡大断面図である。圧電振動片100は、圧電材料から形成され、基部より2本の振動腕が延出した、いわゆる音叉型圧電振動片である。本実施形態では水晶を用いて形成された水晶振動片100により説明するが、その他の圧電材料として、例えばタンタル酸リチウム(LiTaO3)、四ホウ酸リチウム(Li2B4O7)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、酸化亜鉛(ZnO)、窒化アルミニウム(AlN)などの圧電体、または、シリコンなどの半導体であっても適用できる。
図1(a)、(b)に示すように水晶振動片100は、基部10と、基部10から延出する2本の振動腕20、30と、水晶振動片基板100aの表面に形成された電極40、50とを備えている。振動腕20の表裏には第1溝部20a、20cと第2溝部20b、20dが形成されている。また、振動腕30にも同様に第1溝部30a、30cと第2溝部30b、30dが形成されている。
図1(a)のC−C’部の断面図である図1(e)で示すように、第1溝部20a、20cおよび30a、30cによって、振動腕20、30は第1溝部形成領域では略H型の断面形状となっている。また、振動腕20、30の先端側には第2溝部20b、20d、30b、30dが表裏に形成されている。第2溝部形成領域も図1(a)のB−B’部の断面図である図1(d)に示すように、略H型の断面形状となっている。
また、例えば振動腕20の場合、第1溝部20aと第2溝部20bとの間、第1溝部20cと第2溝部20dとの間にはタイバー20e、20fが形成されている。同様に振動腕30にもタイバー30e、30fが形成されている。タイバー20e、20f、30e、30fは、後述する第1溝部に形成される非励振電極と第2溝部に形成される励振電極とを確実に離間する作用だけでなく、振動腕20、30の屈曲振動における捩れ剛性を高め、不要な振動モードの発生を抑制する効果を持ち、薄型の振動片を安定して振動させることができる。
次に電極40、50の形態について説明する。図1(a)および図1(b)に示すように、基部10に、後述する振動子あるいは発振器へ実装する際の、パッケージ接続電極と導電性接着剤を介して電気的な接続がされる、基部電極40a、50aが形成されている。この基部電極40a、50aから振動腕20、30の励振電極、非励振電極へ延伸されている。本実施形態では、基部電極40a、50aは表裏両面に形成された形態であるが、どちらか一方の面を実装の際の接続電極とするのであれば、例えば図1(a)に示す面側を実装の接続側とする場合には、図1(b)で示す基部電極40a、50aは形成しなくても良い。また、例えば図1(b)に示す面側を実装の接続側とする場合には、図1(a)で示す基部電極40a、50aは形成しなくても良い。
電極40の場合、基部電極40aから振動腕20の第1溝部20aの非励振電極40bと、タイバー20eを跨いで第2溝部20bの溝励振電極40cと、更に振動腕30の第1溝部30aの非励振電極40dへ延伸されて繋がる。振動腕20の第2溝部20bの溝励振電極40cは更に延伸され、振動腕20の側面を引き回される引き回し電極40eとなって、図1(b)に示す振動腕30の裏面の第2溝部20dの溝励振電極40fへ繋がっている。また、振動腕30の第1溝部30aの非励振電極はタイバー30eまで延伸され、振動腕30の側面の側面励振電極40gへ繋がっている。
電極50は、図1(b)に示すように、基部電極50aから振動腕30の第1溝部30cの非励振電極50bと、タイバー30fを跨いで第2溝部30dの溝励振電極50cと、更に振動腕20の第1溝部20cの非励振電極50dと、へ延伸されて繋がる。振動腕30の第2溝部30dの溝励振電極50cは更に延伸され、振動腕30の側面を引き回される引き回し電極50eとなって、図1(a)に示す振動腕30の表面の第2溝部30bの溝励振電極50fへ繋がっている。また、振動腕20の第1溝部20cの非励振電極はタイバー20fまで延伸され、振動腕20の側面の側面励振電極50gへ繋がっている。
上述の電極40、50は、振動腕20、30の先端側のB−B’部断面である図1(d)に示すように、振動腕20、30はH型断面を有しており、振動腕20は第2溝部20b、20dに設けた溝励振電極40c、40fと、側面励振電極50gと、を備える。また、振動腕30は第2溝部30b、30dに設けた溝励振電極50c、50fと、側面励振電極40gと、を備える。従って、電極40と50との間に、図示しない発振回路から交番電流が入力されると、溝励振電極40c、40fと側面励振電極50gとの間、溝励振電極50c、50fと側面励振電極40gとの間、に電界が生じ、振動腕20、30を屈曲振動させる屈曲振動部を構成する。
しかし、振動腕20、30の基部10側のC−C’部断面である図1(e)に示すように、第1溝部20a、20c、30a、30cに設けた非励振電極40b、40d、50b、50dは、振動腕20、30の側面部には電極は配置されず、振動腕20、30の表裏方向だけの電界が生じているため、屈曲振動には寄与しない電極となる。
以上、説明した実施形態の水晶振動片100では、屈曲振動のための励振電極に加えて、屈曲振動には寄与しない電極を付加した。これにより、周波数変動の小さい水晶振動片を得ることができる。
水晶振動片100を実装する場合、図2に示すように負荷容量CLを決めて使用され、負荷容量CLの値(大きさ)は、多少の変動を持って決定され、使用することが実務的である。この負荷容量CLと、水晶振動片100の電極によって圧電体を挟んだことによる誘電体としての容量である静電容量C0とによって、次式(式1)に表されるように周波数変動の度合い(周波数変動率)が求められる。
Δf/f=C1/{2(C0+CL)}…式1
ここで、Δfは周波数変化量、fは周波数、C1は水晶振動片固有の容量である。
Δf/f=C1/{2(C0+CL)}…式1
ここで、Δfは周波数変化量、fは周波数、C1は水晶振動片固有の容量である。
本発明の上述の実施形態において、C0は励振電極により構成されるC01と、非励振電極により構成される静電容量C02を含むものである。すなわち、従来の特許文献1に開示されている水晶振動片の静電容量C0に対応するものが、本実施形態の静電容量C01であり、実質的に静電容量C02分の容量が大きい静電容量を作り出すことができる。すなわち、式1に本願発明の静電容量を代入すると、
Δf/f=C1/{2(C01+C02+CL)}…式2
と表すことができ、負荷容量CLの変動に対しても周波数変動率の小さい水晶振動片を得ることができる。
Δf/f=C1/{2(C01+C02+CL)}…式2
と表すことができ、負荷容量CLの変動に対しても周波数変動率の小さい水晶振動片を得ることができる。
更に、屈曲振動部を基部10より離間した、振動腕20、30の先端側に設け、非励振部を基部10側に設けたことにより、振動片固有の容量C1が大きくなり負荷容量CLの変化に対して、より周波数変動率の小さい水晶振動片を得ることができる。
上述の圧電(水晶)振動片100は、屈曲振動の振動モードを前提に説明したが、屈曲振動以外の振動モードを含んでいても、屈曲振動を主体とする振動片であれば、上述の効果を得ることができる。
本実施形態の水晶振動片100では、励振電極と非励振電極とは1対の主面に設けた溝に形成したが、以下の形態においても上述の実施形態同様の効果を得ることができる。図3、4に、本発明の水晶振動片のその他の形態を示す。
図3に励振電極の形成領域だけに溝部を形成する形態を示す。図3(a)は平面図、図3(b)は図3(a)に示すD−D’断面を示す断面図、図3(c)は図3(b)のP方向矢視図、すなわち図3(a)の裏平面図であり、図3(d)は図3(a)に示すE−E’断面の断面図、図3(e)は図3(a)に示すF−F’断面の断面図である。
図3(a)、(b)および(c)に示すように、水晶振動片101の振動腕21、31の表裏面には基部10から離間した振動腕21、31の先端方向に溝部21a、21bおよび31a、31bが形成されている。電極41は、図3(a)に示すように、振動腕21の基部10側に非励振電極41aと、非励振電極41aから繋がり溝部21aに形成される励振電極41bと、励振電極41bから延伸される引き回し電極41cにより図3(c)に示す裏面の溝部21bに形成される励振電極41dに繋がっている。更に、電極41は振動腕31の基部10側に非励振電極41eと、側面励振電極41fへも繋がっている。
また電極51は、図3(c)に示すように、振動腕31の基部10側に非励振電極51aと、非励振電極51aから繋がり溝部31bに形成される励振電極51bと、励振電極51bから延伸される引き回し電極51cにより図3(a)に示す表面の溝部31aに形成される励振電極51dに繋がっている。更に、電極51は振動腕31の基部10側に非励振電極51eと、側面励振電極51fへも繋がっている。
本実施形態では、励振電極41b、41d、および51b、51dは、振動腕21、31の溝部21a、21b、31a、31bの中に形成され、非励振電極41a、41e、51a、51eの形成領域には振動腕21、31に溝を設けず、振動腕21、31の表裏面に非励振電極41a、41e、51a、51eを形成する。このように構成しても、静電容量C0を実質的に大きくすることができ、負荷容量CLの変動に対して周波数変動率の小さい水晶振動片を得ることができる。
上述の形態では、励振電極41b、41d、および51b、51dを、振動腕21、31の溝部21a、21b、31a、31bの中に形成したが、非励振電極41a、41e、51a、51eの形成領域に溝部を形成し、励振電極41b、41d、51b、51dの形成領域には溝部を設けない構成としても良い。このように構成しても、静電容量C0を実質的に大きくすることができ、負荷容量CLの変動に対して周波数変動率の小さい水晶振動片を得ることができる。
図4に励振電極と非励振電極を一つの溝部に形成する形態を示す。図4(a)は平面図、図4(b)は図4(a)に示すG−G’断面を示す断面図、図4(c)は図4(b)のQ方向の矢視図、すなわち図4(a)の裏面平面図である。
水晶振動片102は、図4(a)、(b)に示す通り振動腕22、32の表面に溝部22a、32aを備え、この溝部22aには励振電極と非励振電極とをかねる溝電極42aが形成され、溝部32aには励振電極52cと非励振電極42bが形成されている。また、図4(b)、(c)に示す通り振動腕22、32の裏面に溝部22b、32bを備え、この溝部22bには励振電極42cと非励振電極52bが形成され、溝部32bには励振電極と非励振電極とをかねる溝電極52aが形成されている。
また、振動腕22の側面には側面励振電極52dが、振動腕32の側面には側面励振電極42dが基部10から離間した領域に形成されている。従って、振動腕22の溝電極42aは、側面励振電極52dの形成領域に対応する領域は励振電極として機能し、側面励振電極52dの形成領域に対応しない、基部10に近い領域の溝電極42aは非励振電極として機能する。同様に、振動腕32の溝電極52aも、側面励振電極42dに対応する領域の励振電極と、対応しない領域の非励振電極の機能を備えている。
また、振動腕32の溝部32a、振動腕22の溝部22bに形成される電極は励振電極52c、42cと、非励振電極42b、52bに分離して形成され、励振電極52cは側面励振電極42dと対応し、励振電極42cは側面励振電極52dと対応して配置されている。
すなわち、振動腕22、32において、図4(a)に示す領域R1、R2の範囲が振動領域であり、領域S1、S2が非振動領域の静電容量を付加する領域である。この様に、励振電極と非励振電極を1本の溝部に形成することでも、静電容量C0を実質的に大きくすることができ、負荷容量CLの変動に対して周波数変動率の小さい水晶振動片を得ることができる。
上述の第1実施形態において、水晶振動片の表裏面に溝部を形成し、励振電極あるいは励振電極と非励振電極とを溝部に形成する構成を説明したが、溝部を設けずに励振電極および非励振電極を振動腕表面に設ける構成としても良い。
振動片のその他の実施形態を図5に示す。図5に示す水晶振動片103は、上述の実施形態における水晶振動片100、101、102に対して、基部10より支持アーム60a、60bが延出している点が異なる。水晶振動片103は、後述するパッケージへ実装する際、基部10から延出した支持アーム60a、60bを導電性接着剤によって、詳細は図示しないが、固定領域70a、70b領域のパッケージに接着固定し、振動子に形成される。従って、電極43、53の基部10に形成される基部電極53a、43aは支持アーム60a、60bまで延伸されている。
支持アーム60a、60bを備える水晶振動片103は、基部10においてパッケージ固定されないため、基部10での基部電極43aと基部電極53aとの距離δを最小値で形成することで、更に水晶振動片103の静電容量C0を大きくすることができる。従って、負荷容量CLの変動に対して、更に周波数変動率の小さい水晶振動片を得ることができる。
(第2実施形態)
上述の第1実施形態による水晶振動片100を用いた振動子について説明する。図6(a)は、蓋体を除いて内部を露出させた状態での振動子1000の平面図、図6(b)は図6(a)におけるH−H’部の断面を示す断面図である。
上述の第1実施形態による水晶振動片100を用いた振動子について説明する。図6(a)は、蓋体を除いて内部を露出させた状態での振動子1000の平面図、図6(b)は図6(a)におけるH−H’部の断面を示す断面図である。
水晶振動片100は、第1基板201、第2基板202、第3基板203を積層し形成したパッケージ200の内部に、第2基板202上に備えた電極部500に、水晶振動片100の基部10の基部電極40a、50aを対向させて導電性接着剤600により電気的に接続し、パッケージ200に固定される。電極部500は図示しないパッケージ200内の経路を経て、パッケージ200の外部に形成された実装端子501と繋がっている。
水晶振動片100が固定されたパッケージ200の開口の端部に蓋体300を封止材400によって、減圧チャンバー内でパッケージ200に固定され、水晶振動片100の内部が減圧状態に保たれる。こうして得られた振動子1000は、実装端子501を介して図示しない発振回路からの交番電流により水晶振動片100を屈曲振動させる。
第1実施形態の水晶振動片100を振動子1000に用いたことにより、Q値の低下防止と、負荷容量CLのばらつきに対しても周波数変動率の小さい振動子を得ることができる。
図7は、第1実施形態におけるその他の形態である図5に示す水晶振動片103を用いた水晶振動子1001を説明する図である。水晶振動片103は、支持アーム60a、60bをパッケージ200の水晶振動片103を載置固定する電極部500に導電性接着剤600によって固着し、図示しない蓋体により密封され水晶振動子1001となる。こうして得られる水晶振動子1001は、支持アーム60a、60b部分においてパッケージ200に固定されるので、Q値の低下防止と、負荷容量CLのばらつきに対しても周波数変動率の小さい水晶振動子を得ることができる。
(第3実施形態)
第3実施形態として、上述の第1実施形態による水晶振動片100を用いた発振器について説明する。図8は、第3実施形態の発振器2000を示す断面図である。本実施形態は、第2実施形態の振動子1000に対して、水晶振動片100を駆動させる駆動回路を含むICチップを備えた点で、第2実施形態と異なるため、第2実施形態と同様の構成の説明は省略し、同じ構成には同一の符号を付与する。
第3実施形態として、上述の第1実施形態による水晶振動片100を用いた発振器について説明する。図8は、第3実施形態の発振器2000を示す断面図である。本実施形態は、第2実施形態の振動子1000に対して、水晶振動片100を駆動させる駆動回路を含むICチップを備えた点で、第2実施形態と異なるため、第2実施形態と同様の構成の説明は省略し、同じ構成には同一の符号を付与する。
図8に示すように、発振器2000はパッケージ200の内部に水晶振動片100が第2基板202上の電極部500に固定されている。さらに、第1基板201にはICチップ700が接着剤などにより固定され、ICチップ700の上面に形成されたIC接続パッド701と第1基板201上に形成された内部接続端子502とを金属ワイヤー800で電気的に接続している。
第1実施形態の水晶振動片100を発振器2000に用いたことにより、Q値の低下防止と、負荷容量CLのばらつきに対しても周波数変動率の小さい発振器を得ることができる。
10…基部、20,30…振動腕、40,50…電極、100…水晶振動片。
Claims (8)
- 基部と、前記基部より延伸して形成され屈曲振動する振動腕とを備え、圧電材料からなる振動片であって、
前記振動腕の表裏面に形成された非駆動電極と、
前記振動腕の先端方向に前記非駆動電極から離間して前記振動腕の前記表裏面と側面とに形成された駆動電極と、を備える、
ことを特徴とする圧電振動片。 - 前記振動腕の前記表裏面に、少なくとも1本の溝部が形成され、
前記溝部に前記非駆動電極または前記駆動電極を形成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の圧電振動片。 - 前記振動腕の前記表裏面に、少なくとも1本の溝部が形成され、
前記溝部に前記非駆動電極と前記駆動電極と、を形成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の圧電振動片。 - 前記振動腕の前記表裏面に、少なくとも1本の第1溝部が形成され、
前記振動腕の前記第1溝部の形成面の前記先端方向に、前記第1溝部から離間して形成された第2溝部を備え、
前記第1溝部に前記非駆動電極を形成し、前記第2溝部に前記駆動電極を形成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の圧電振動片。 - 前記圧電振動片が水晶からなることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の圧電振動片。
- 前記圧電振動片が音叉型振動片であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の圧電振動片。
- 請求項1から6のいずれか一項に記載の圧電振動片と、
前記圧電振動片を収納するパッケージと、を有する、
ことを特徴とする圧電振動子。 - 請求項1から6のいずれか一項に記載の圧電振動片と、
前記圧電振動片を駆動させる機能を有する回路部と、を有する
ことを特徴とする圧電発振器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010127579A JP2011254351A (ja) | 2010-06-03 | 2010-06-03 | 圧電振動片、圧電振動子および圧電発振器 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010127579A JP2011254351A (ja) | 2010-06-03 | 2010-06-03 | 圧電振動片、圧電振動子および圧電発振器 |
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Publication Number | Publication Date |
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ID=45417903
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JP2010127579A Withdrawn JP2011254351A (ja) | 2010-06-03 | 2010-06-03 | 圧電振動片、圧電振動子および圧電発振器 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2011254351A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20120075962A1 (en) * | 2010-09-29 | 2012-03-29 | Daishi Arimatsu | Piezoelectric vibration piece, piezoelectric vibrator, oscillator, electronic device and radio-controlled timepiece |
JP2017046157A (ja) * | 2015-08-26 | 2017-03-02 | シチズン時計株式会社 | 圧電振動子 |
JP2017076912A (ja) * | 2015-10-15 | 2017-04-20 | エスアイアイ・クリスタルテクノロジー株式会社 | 圧電振動子 |
-
2010
- 2010-06-03 JP JP2010127579A patent/JP2011254351A/ja not_active Withdrawn
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US20120075962A1 (en) * | 2010-09-29 | 2012-03-29 | Daishi Arimatsu | Piezoelectric vibration piece, piezoelectric vibrator, oscillator, electronic device and radio-controlled timepiece |
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