JP2004207288A - テラヘルツ光発生器及びテラヘルツ光検出器 - Google Patents
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Abstract
【課題】組立時におけるテラヘルツ光素子部の破損を防止する。
【解決手段】テラヘルツ光検出器は、基板を有し光スイッチ素子を含むテラヘルツ光検出素子部1と、基板保持部材8とを備える。基板保持部材8は、テラヘルツ光検出素子部1の基板を、前記基板の面方向に対して保持するが前記基板の面方向と垂直な方向に対して保持しない。テラヘルツ光検出素子部1の前記基板の一方の面側には、テラヘルツ光集光レンズ2が配置される。テラヘルツ光検出素子部1の基板は、押し付け部材13によって、テラヘルツ光集光レンズ2に押し付けられる。
【選択図】 図13
【解決手段】テラヘルツ光検出器は、基板を有し光スイッチ素子を含むテラヘルツ光検出素子部1と、基板保持部材8とを備える。基板保持部材8は、テラヘルツ光検出素子部1の基板を、前記基板の面方向に対して保持するが前記基板の面方向と垂直な方向に対して保持しない。テラヘルツ光検出素子部1の前記基板の一方の面側には、テラヘルツ光集光レンズ2が配置される。テラヘルツ光検出素子部1の基板は、押し付け部材13によって、テラヘルツ光集光レンズ2に押し付けられる。
【選択図】 図13
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光スイッチ素子を用いたテラヘルツ光発生器及びテラヘルツ光検出器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
周波数が0.01THzから10THzの電磁波はテラヘルツ光と呼ばれ、その応用がさかんに研究されている。それとともに、テラヘルツ光発生器及びテラヘルツ光検出器の開発が進められ、例えば下記特許文献1に記載されているように、光スイッチ素子の発明以来、テラヘルツ光発生器及びテラヘルツ光検出器では光スイッチ素子(光伝導アンテナとも呼ばれる。)が多く利用されている。周知のように、光スイッチ素子は、テラヘルツ光の発生及び検出の両方に用いることができるため、光スイッチ素子を用いたテラヘルツ光発生器及びテラヘルツ光検出器は、基本的に同じ構成を有している。
【0003】
特許文献1に記載されているように、光スイッチ素子を含むテラヘルツ光素子部(テラヘルツ光発生素子部又はテラヘルツ光検出素子部)は、例えば、GaAs等の基板と、該基板の一方の面に形成された低温成長GaAs等の光伝導膜と、該光伝導膜上に形成された2つの金属膜等の導電膜と、を有している。これらの2つの導電膜が所定形状にパターニングされることにより、ダイポールアンテナやボウタイアンテナなどが形成される。ダイポールアンテナやボウタイアンテナの場合、2つの導電膜間の一部同士が微小な間隔(例えば、数μm程度の間隔)があけられている。2つの導電膜間の間隔が数mm乃至数cm程度とされる場合もあり、この光スイッチ素子は大口径の光スイッチ素子と呼ばれている。また、前記各導電膜の一部は、電極部となるようにその面積が拡大されている。
【0004】
このテラヘルツ光素子部をテラヘルツ光発生素子部として用いる場合、前記電極部間にバイアス電圧を印加した状態で、前記2つの導電膜間の前記間隔付近にフェムト秒パルスレーザ光等の励起パルス光を照射する。その結果、励起パルス光の照射により光伝導膜中で励起された自由キャリア(電子と正孔)がバイアス電圧による印加電場によって加速されることで電流が流れ、このパルス状の電流によってテラヘルツ光が発生する。
【0005】
一方、前記テラヘルツ光素子部をテラヘルツ光検出素子部として用いる場合、フェムト秒パルスレーザ光等のサンプリングパルス光を前記2つの導電膜間の前記間隔付近に照射する。このパルス光の照射によって、光伝導膜中に自由キャリアが生成され、このときに入射したテラヘルツ光の電場の大きさにほぼ比例した電流が2つの導電膜間に流れる。したがって、この電流を検出することで、テラヘルツ光を検出することができる。
【0006】
特許文献1に記載されているように、前記テラヘルツ光素子部を用いたテラヘルツ光発生器及びテラヘルツ光検出器では、一般的に、テラヘルツ光素子部の基板の一方側にシリコンレンズ等の平凸状のテラヘルツ光集光レンズが配置される。この集光レンズが用いられる理由は、テラヘルツ光発生器の場合には、発生したテラヘルツ光の利用効率を高めるためであり、テラヘルツ光検出器の場合には、検出すべきテラヘルツ光を効率良く前記2つの導電膜間の前記間隔付近に集光して、テラヘルツ光の検出感度を高めるためである。
【0007】
このようなテラヘルツ光発生器及びテラヘルツ光検出器では、従来は、次のような構造が採用されていた。すなわち、当該発生器又は検出器の基体をなす本体ブロックにあけられた穴にテラヘルツ光集光レンズを組み込み、該集光レンズの平面部に真空グリースを薄く塗布した後、その上に前記テラヘルツ光素子部の基板を密着させるようにして置き、板バネをなす金属板で樹脂材を介してテラヘルツ光素子部を集光レンズに押し付けるという構造が採用されていた。テラヘルツ光素子部の基板は、この押し付けのみによって、集光レンズに対して保持されていた。
【0008】
また、前述したようなテラヘルツ光発生器及びテラヘルツ光検出器では、前記バイアス電圧を供給するためあるいは前記電流を取り出すためのコネクタが設けられている。そして、従来は、テラヘルツ光素子部の前記電極部から当該コネクタまでのリード線が前記電極部に直付けされていた。このように直付けを行うために、リード線として細い金線が用いられ、この金線が銀ペーストを用いて前記電極部に接続されていた。これは、前記電極部に半田付けができないためである。
【0009】
【特許文献1】
特開2002−223017号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
前述したようなテラヘルツ光発生器及びテラヘルツ光検出器では、テラヘルツ光集光レンズとテラヘルツ光素子部との、テラヘルツ光素子部の基板の面方向の相対的な位置を、所定の位置に位置合わせする必要がある。これは、テラヘルツ光集光レンズの光軸とテラヘルツ光素子部の前記間隔の中心との位置を合わせることで、テラヘルツ光の利用効率や検出感度を高めるためである。
【0011】
従来のテラヘルツ光発生器及びテラヘルツ光検出器では、前述したように、テラヘルツ光素子部の基板が前記押し付けのみによって集光レンズに対して保持されていたので、テラヘルツ光素子部の基板の面方向の位置合わせは、ピンセット等でテラヘルツ光素子部の基板の端面を直接に押すことによって行われていた。このとき、テラヘルツ光素子部の基板に不用意な力が加わってしまい、テラヘルツ光素子部が破損してしまう場合があった。テラヘルツ光素子部は、わずかな力で破損し易く、しかも非常に高価である。
【0012】
また、従来のテラヘルツ光発生器及びテラヘルツ光検出器では、前述したように、細い金線が銀ペーストを用いてテラヘルツ光素子部の電極部に直付けされていたので、細いために当該金線の取り扱いが困難であるとともに当該金線が切れ易く、その接続作業には熟練を要していた。
【0013】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、組立時におけるテラヘルツ光発生素子部又はテラヘルツ光検出素子部の破損を防止することができるテラヘルツ光発生器及びテラヘルツ光検出器を提供することを目的とする。
【0014】
また、本発明は、テラヘルツ光発生素子部又はテラヘルツ光検出素子部の電極部に対するリード線の電気的な接続のための作業を容易に行うことができるテラヘルツ光発生器及びテラヘルツ光検出器を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明の第1の態様によるテラヘルツ光発生器は、励起パルス光に反応してテラヘルツ光を発生するテラヘルツ光発生素子基板と、前記テラヘルツ光発生素子基板からのテラヘルツ光を出射し、前記テラヘルツ光発生素子基板が当接されるテラヘルツ光用光学部材と、前記テラヘルツ光発生素子基板と前記テラヘルツ光用光学部材との位置合わせを行うために、前記テラヘルツ光発生素子基板を前記テラヘルツ光発生素子基板の面方向に対して保持する基板保持部材と、を備えたものである。
【0016】
本発明の第2の態様によるテラヘルツ光発生器は、前記第1の態様において、前記テラヘルツ光発生素子基板を前記テラヘルツ光用光学部材に押し付ける部材を、備えたものである。
【0017】
本発明の第3の態様によるテラヘルツ光発生器は、前記第1又は第2の態様において、前記基板保持部材の組み付け時に前記テラヘルツ光用光学部材に対する前記基板保持部材の前記面方向への位置決めを行うための位置決め構造を、備えたものである。
【0018】
本発明の第4の態様によるテラヘルツ光発生器は、一方の面上に形成された電極部とを有し光スイッチ素子を含むテラヘルツ光発生素子基板と、前記電極部に接触した導電部材と、を備え、リード線が前記導電部材を介して前記電極部と電気的に接続されるように、前記リード線が前記導電部材に電気的及び機械的に接続されたものである。
【0019】
本発明の第5の態様によるテラヘルツ光発生器は、前記第4の態様において、前記導電部材を前記電極部に押し付ける部材を備えたものである。
【0020】
本発明の第6の態様によるテラヘルツ光発生器は、前記第4又は第5の態様において、前記テラヘルツ光発生素子基板をその基板の面方向に対して保持するがその基板の面方向と垂直な方向に対して保持しない基板保持部材を、備えたものである。
【0021】
本発明の第7の態様によるテラヘルツ光検出器は、サンプリングパルス光に反応してテラヘルツ光を検出するテラヘルツ光検出素子基板と、前記テラヘルツ光検出素子基板へテラヘルツ光を導くテラヘルツ光用光学部材と、前記テラヘルツ光検出素子基板と前記テラヘルツ光用光学部材との位置合わせを行うために、前記テラヘルツ光検出素子基板を前記テラヘルツ光検出素子基板の面方向に対して保持する基板保持部材と、を備えたものである。
【0022】
本発明の第8の態様によるテラヘルツ光検出器は、前記第7の態様において、前記テラヘルツ光検出素子基板を前記テラヘルツ光用光学部材に押し付ける部材を、備えたものである。
【0023】
本発明の第9の態様によるテラヘルツ光検出器は、前記第7又は第8の態様において、前記基板保持部材の組み付け時に前記テラヘルツ光用光学部材に対する前記基板保持部材の前記面方向への位置決めを行うための位置決め構造を、備えたものである。
【0024】
本発明の第10の態様によるテラヘルツ光検出器は、一方の面上に形成された電極部とを有し光スイッチ素子を含むテラヘルツ光検出素子基板と、前記電極部に接触した導電部材と、を備え、リード線が前記導電部材を介して前記電極部と電気的に接続されるように、前記リード線が前記導電部材に電気的及び機械的に接続されたものである。
【0025】
本発明の第11の態様によるテラヘルツ光検出器は、前記第10の態様において、前記導電部材を前記電極部に押し付ける部材を備えたものである。
【0026】
本発明の第12の態様によるテラヘルツ光検出器は、前記第10又は第11の態様において、前記テラヘルツ光検出素子基板をその基板の面方向に対して保持するがその基板の面方向と垂直な方向に対して保持しない基板保持部材を、備えたものである。
【0027】
本発明の第13の態様によるテラヘルツ光検出器は、前記第10乃至第12のいずれかの態様において、前記電極部を流れる電流を電圧に変換し増幅する回路が搭載されかつ前記導電部材の付近に配置された回路基板を備え、前記リード線が前記回路基板に電気的に接続されたものである。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明によるテラヘルツ光発生器及びテラヘルツ光検出器について、図面を参照して説明する。
【0029】
[第1の実施の形態]
【0030】
図1は、本発明の第1の実施の形態によるテラヘルツ光検出器を示す平面図である。図2は、図1に示すテラヘルツ光検出器の正面図である。図2では、レンズホルダ本体5の図示は省略している。図3は、一部を切り欠いた図2中のA矢視図である。図4は、図3中のB部の拡大図である。図5は、一部を切り欠いた図3中のC−C’矢視図である。ただし、図5は、サンプリングパルス光集光レンズ3及びこれを保持するための部材等を取り除いた状態を示している。図6は、図5中のD部の拡大図である。
【0031】
本実施の形態によるテラヘルツ光検出器は、図1乃至図6に示すように、テラヘルツ光検出素子部1と、テラヘルツ光検出素子部1の基板21の一方の面側に配置されたテラヘルツ光集光レンズ(テラヘルツ光用光学部材)2と、テラヘルツ光検出素子部1の基板21の他方の面側に配置されたサンプリングパルス光集光レンズ3と、テラヘルツ光検出素子部1及びテラヘルツ光集光レンズ2を取り付ける基体となる金属製等の本体ブロック4と、サンプリングパルス光集光レンズ3を取り付ける基体となるレンズホルダ本体5と、を備えている。
【0032】
図7はテラヘルツ光検出素子部1を示す図であり、図7(a)は図5及び図6と同じ向きで見た正面図、図7(b)は図7(a)中のE−E’矢視図である。
【0033】
テラヘルツ光検出素子部1は、図7に示すように、GaAs等の基板21と、基板21上に形成された低温成長GaAs等の光伝導膜22と、膜22上に形成された2つの導電膜としての金属膜23,24とから構成されている。金属膜23,24は、膜22上において互いに分離されており、平行伝送線路を形成する伝送線路部23a,24aと、それらの両端に形成された電極部23b,23c,24b,24cと、を有している。伝送線路部23a,24aの中央部分が内側に突出し、その間に基板21の面に沿った方向に微小な間隔(例えば、数μm程度の間隔)dがあけられている。この間隔dの付近の部分によって光スイッチ素子が構成され、また、伝送線路部23a,24aにおける間隔dの付近の部分によりダイポールアンテナが構成されている。本実施の形態では、基板21は、長方形状とされ、例えば6mm(短辺)×10mm(長辺)の寸法を有しているが、その形状及び寸法はこれに限定されるものではない。また、本実施の形態では、間隔dの部分の中心(光スイッチ素子の中心)が基板21の外形の中心と一致しているが、両者は必ずしも一致する必要はない。
【0034】
本実施の形態では、テラヘルツ光検出素子部1は前述したようにダイポールアンテナを用いた構成を有しているが、金属膜23,24によってボウタイアンテナなどの他のアンテナを構成してもよい。また、テラヘルツ光検出素子部1は、例えば、2つの金属膜導電膜間の間隔が例えば数mm乃至数cm程度とされるいわゆる大口径の光スイッチ素子を構成してもよい。さらに、基板21を半絶縁性GaAs等で構成して光伝導膜22に代わる光伝導部とし、基板21上に光伝導膜22を形成することなく、基板21上に金属膜23,24を形成してもよい。更にまた、ダイポールアンテナに代えて、ZnTeなどの電気光学結晶素子を基板21と同形状に形成したものであってもよい。このように、テラヘルツ光検出素子部1の具体的な構成は、何ら限定されるものではない。
【0035】
テラヘルツ光集光レンズ2及びサンプリングパルス光集光レンズ3は、後述する構造により位置合わせされて、レンズの光軸がテラヘルツ光検出素子部1の間隔dの部分の中心と実質的に一致している。検出すべきテラヘルツ光は、図4中の左側から集光レンズ2に入射し、テラヘルツ光検出素子部1の間隔dの部分に集光される。一方、フェムト秒パルスレーザ光等のサンプリングパルス光は、図4中の右側から集光レンズ3に入射し、テラヘルツ光検出素子部1の間隔dの部分に集光される。なお、図面には示していないが、本体ブロック4及びレンズホルダ本体5が取り付けベース(図示せず)に固定されることによって、テラヘルツ光検出素子部1及びテラヘルツ光集光レンズ2とサンプリングパルス光集光レンズ3との位置関係が図4に示すような位置関係に設定されている。
【0036】
本実施の形態では、テラヘルツ光集光レンズ2として、シリコンレンズからなる半球レンズが用いられているが、材質や形状はこれに限定されるものではなく、例えば、半球レンズ以外の平凸レンズを用いてもよい。また、本実施の形態では、サンプリングパルス光集光レンズ3として、球面収差によるボケが発生せずに球面レンズに比べてサンプリングパルス光をより小さい径に焦点を結ぶ非球面レンズが用いられている。もっとも、レンズ3として球面レンズを用いてもよい。
【0037】
図8は本体ブロック4を示す図であり、図8(a)は図3と同じ向きで見た正面図、図8(b)は平面図、図8(c)は左側面図、図8(d)は右側面図、図8(e)は図8(d)中のF−F’矢視図である。
【0038】
本体ブロック4は、図8に示すように、脚部31と、脚部31から立ち上がった肉厚の起立板部32とを有している。脚部31には、前記取り付けベースに固定するためのネジ(図示せず)が挿通される孔33が形成されている。起立板部32の両面の相対する位置には、後述するレンズ保持板6及び基板保持部材8がそれぞれ適合して嵌め込まれる角穴状の位置決め用凹所34,35が形成されている。凹所34,35は、それらの中心位置が互いに一致するように加工されている。テラヘルツ光集光レンズ2が挿通し得る円形の孔36が、凹所34,35間を貫通させるように形成されている。孔36の中心位置は、凹所34,35の中心位置と一致している。
【0039】
また、図8に示すように、本体ブロック4には、レンズ保持板6を固定するためのネジ孔37、基板保持部材8を固定するためのネジ孔38、後述する押し付け部材13を固定するためのネジ孔39、後述するコネクタ15を固定するためのネジ孔40、後述する回路基板14を固定するためのネジ孔41、後述する金属カバー16を固定するためのネジ孔42、及び、コネクタ15の一部を挿入する溝43も、形成されている。
【0040】
図2乃至図4に示すように、テラヘルツ光集光レンズ2の球面側を保持するレンズ保持板6が、本体ブロック4の凹所34に適合されて嵌め込まれ、図8中のネジ孔37に螺合されたネジ7で本体ブロック4に固定されている。図9はレンズ保持板6を示す図であり、図9(a)は図2と同じ向きで見た正面図、図9(b)は右側面図である。レンズ保持板6は、例えばプラスチック材からなり、その外形を基準にして中心に、テラヘルツ光集光レンズ2より小径の円形の孔51が形成されている。図3及び図4に示すように、テラヘルツ光集光レンズ2の球面側の一部が孔51に収められ、孔51の周囲がテラヘルツ光集光レンズ2の球面部に当接することにより、テラヘルツ光集光レンズ2の球面側がレンズ保持板6により保持されている。レンズ保持板6によって、テラヘルツ光集光レンズ2の中心位置が決定されている。レンズ保持板6の外周が凹所34の周壁で規制されて、レンズ保持板6の中心位置が凹所34の中心位置と精度良く一致しているため、集光レンズ2の光軸も凹所34の中心位置と精度良く一致している。なお、レンズ保持板6には、図9に示すように、ネジ7が挿通される挿通孔52も形成されている。
【0041】
また、図3乃至図6に示すように、基板保持部材8が、本体ブロック4の凹所35に適合されて嵌め込まれ、図8中のネジ孔38に螺合されたネジ9で本体ブロック4に固定されている。本実施の形態では、凹所35が、基板保持部材8の基板21面方向への位置決めを行うための位置決め構造を構成している。基板保持部材8の外周が凹所35の周壁で規制されて、基板保持部材8の中心位置が凹所35の中心位置と精度良く一致している。基板保持部材8は、テラヘルツ光検出素子部1の基板21を、基板21の面方向(図6中の紙面内の方向)に対して保持するが前記基板21の面方向と垂直な方向(図6中の紙面と垂直な方向)に対して保持しないように構成されている。具体的には、本実施の形態では図10に示すように構成されている。
【0042】
図10は基板保持部材8を示す図であり、図10(a)は図5及び図6と同じ向きで見た正面図、図10(b)は右側面図、図10(c)は図10(a)中のG−G’矢視図である。図10(a)には、テラヘルツ光検出素子部1の基板21との位置関係を示すため、テラヘルツ光検出素子部1の基板21の外形を想像線で示している。ただし、図面表記の便宜上、この想像線を明確にするため、基板21の外形を実際より若干小さいものとして示している。
【0043】
基板保持部材8は、プラスチック材又は金属等で板状に構成されている。図10に示すように、基板保持部材8の中央部には、孔61が形成されている。この孔61は、テラヘルツ光検出素子部1の基板21に適合する長方形状の領域61aと、後述する導電部材11a,11bの一部を収める領域61b,61cと、組立時にテラヘルツ光検出素子部1を図10(a)に示す位置に収める際に検出素子部1を摘むピンセット等に対する逃げとなる領域61d,61eと、を合わせたものとなっている。孔61の周壁の一部がテラヘルツ光検出素子部1の基板21の外周の一部と適合することで、基板21がその面方向に対して保持される。孔61は、孔61により保持された基板21の中心(テラヘルツ光検出素子部1の前記間隔dの部分の中心)が基板保持部材8の中心と精度良く一致するように、加工されている。
【0044】
また、図10に示すように、基板保持部材8には、後述する押し付け部材13による押し付け力を設定するため、周りより一段低い部分(図10(a)中の斜線部)62,63が形成されている。この部分62,63には、押し付け部材13を本体ブロック4に固定するためのネジ10が挿通される挿通孔64が、それぞれ形成されている。なお、ネジ10は、本体ブロック4のネジ孔39に螺合されている。また、基板保持部材8には、基板保持部材8を本体ブロック4に固定するためのネジ9が挿通される挿通孔65も形成されている。
【0045】
なお、図4及び図6からわかるように、基板保持部材8は、組立時にテラヘルツ光集光レンズ2の平面部を比較的ラフに保持する(すなわち、テラヘルツ光集光レンズ2の平面部と基板保持部材8との間にわずかな隙間があき得る程度に保持する)ようになっている。テラヘルツ光集光レンズ2の平面部の最終的な保持は、後述する押し付け部材13による押し付けにより行われている。
【0046】
図4及び図6に示すように、テラヘルツ光検出素子部1の基板21が、基板保持部材8の孔61に収められてその面方向に対して保持されるとともに、テラヘルツ光集光レンズ2の平面部に密着している。その密着性を高めるため、図面には示していないが、テラヘルツ光集光レンズ2と基板21との間に真空グリースが薄く塗布されている。テラヘルツ光検出素子部1の電極部23b,23c,24b,24cは、基板21におけるテラヘルツ光集光レンズ2とは反対側の面に位置している。
【0047】
また、図4及び図6に示すように、2つの導電部材11a,11bが、テラヘルツ光検出素子部1の基板21の一部及び基板保持部材8の低い部分63(図10参照)の一部と重なるように、配置されている。導電部材11aの一部がテラヘルツ光検出素子部1の電極部24bと接触し、導電部材11bの一部がテラヘルツ光検出素子部1の電極部23bと接触し、これによりそれぞれの間が電気的に接続されている。図面には示していないが、この電気的な接続を良好にするため、電極部23b,24cと導電部材11a,11bとの間にはそれぞれ銀ペーストが塗布されている。この銀ペーストは両者の間の機械的な接続を行うものではなく、両者の間の機械的な接続は、後述する押し付け部材13による押し付けにより行われている。
【0048】
ここで、導電部材11aを図11に示す。図11(a)は図5及び図6と同じ向きで見た導電部材11aの正面図、図11(b)はその右側面図である。本実施の形態では、導電部材11aは金属板で構成され、テラヘルツ光検出素子部1の電極部24bに対応しかつ電極部24bとは反対側の箇所に、ゴム又は樹脂等からなる弾性部材12が接着されている。導電部材11bは、導電部材11aと同様に構成され弾性部材12が接着されているが、図6に示すように、導電部材11aと左右対称に構成されている。
【0049】
そして、図4及び図6に示すように、図12に示す押し付け部材13が、導電部材11a,11bの弾性部材12に当接し、当該弾性部材12を所定の押し付け力でテラヘルツ光集光レンズ2側へ押し付けるように、基板保持部材8の低い部分62,63を介して本体ブロック4に対して固定されている。図12(a)は図5及び図6と同じ向きで見た押し付け部材13の正面図、図12(b)はその右側面図である。
【0050】
本実施の形態では、押し付け部材13は、図12に示すように、プラスチック材、ゴム材、金属製の板ばねに絶縁性のコーティング(塗装を含む)されたものなどからなる、絶縁性を有する十字状の板で構成されている。押し付け部材13の両端付近には、ネジ10が挿通される挿通孔71が形成されている。押し付け部材13の中央付近には、サンプリングパルス光を通過させる孔72が形成されている。
【0051】
図4及び図6に示すように、ネジ10を押し付け部材13の孔71及び基板保持部材8の孔64(図10参照)を挿通させて本体ブロック4の孔39(図8参照)に螺合することにより、押し付け部材13の両端付近が、基板保持部材8の低い部分62,63を介して本体ブロック4に対して固定されている。これにより、図4に示すように、押し付け部材13が弾性部材12に当接して撓み、押し付け部材13が弾性部材12を押し付けている。
【0052】
押し付け部材13が弾性部材12を押し付ける結果、導電部材11a,11bがテラヘルツ光検出素子部1の電極部23b,24bに押し付けられ、テラヘルツ光検出素子部1の基板21がテラヘルツ光集光レンズ2に押し付けられ、テラヘルツ光集光レンズ2がレンズ保持板6に押し付けられ、これらが保持されている。
【0053】
本実施の形態では、図6に示すように、導電部材11a,11bの間に絶縁性を有する押し付け部材13の端部付近の部分が配置されているので、導電部材11a,11bが互いに接触するようなおそれがなく、両者の間が確実に電気的に絶縁される。
【0054】
なお、導電部材11a,11bにおいて、テラヘルツ光検出素子部1の電極部23b,24bと対面する領域に、電極部23側にわずかに突出する突出部を形成しておき、導電部材11a,11bがテラヘルツ光検出素子部1に対して電極部23b,24bでのみ接触するようにしておいてもよい。
【0055】
ここで、本体ブロック4に対する前述した部材等の組立方法について、説明する。
【0056】
まず、レンズ保持板6を本体ブロック4の凹所34に嵌合し、レンズ保持板6をネジ7で本体ブロック4に固定する。次に、テラヘルツ光集光レンズ2の球面側の一部を孔51に収める。その結果、本体ブロック4に対するテラヘルツ光集光レンズ2の中心位置が決定される。その後、基板保持部材8を本体ブロック4の凹所35に嵌合し、基板保持部材8をネジ9で本体ブロック4に固定する。
【0057】
次いで、テラヘルツ光集光レンズ2とテラヘルツ光検出素子部1の基板21との間に真空グリースを薄く塗布し、基板21をテラヘルツ光集光レンズ2の平面部に密着させる。このとき、基板21を基板保持部材8の孔61に収める。基板保持部材8が凹所35により位置決めされており、基板21がその面方向に対して基板保持部材8により保持されるので、自動的に、テラヘルツ光検出素子部1の基板21の中心(テラヘルツ光検出素子部1の前記間隔dの部分の中心)が、テラヘルツ光集光レンズ2の中心と一致する。したがって、従来のように基板21の位置の微調整を行う必要がない。
【0058】
その後、基板保持部材8の電極部23b,24b上に銀ペーストを塗布した後、弾性部材12が予め接着された導電部材11a,11bを前述した図6に示す位置に置く。なお、実際の組立では、この段階の前に、リード線18a,18bが既に半田付けされている状態とされる。その後、押し付け部材13をネジ10で基板保持部材8を介して本体ブロック4に固定する。これにより、本体ブロック4に対する前述した部材等の組立が完了する。
【0059】
また、本実施の形態によるテラヘルツ光検出器は、導電部材11aの付近に配置された回路基板14と、外部に対する電気的な接続を行うための市販のコネクタ15と、回路基板14を覆う電磁シールドをなす金属カバー16と、を備えている。
【0060】
回路基板14は、図5に示すように、本体ブロック4のネジ孔41(図8参照)に螺合されたネジ17で、本体ブロック4に固定されている。回路基板14には、電極部23b,24b間に流れる電流を電圧に変換し増幅する回路が搭載されている。図5において、斜線部14aは回路基板14上のパターン形成領域を示している。前記回路を構成する回路部品等の図示は省略している。図5に示すように、導電部材11a,11bと回路基板の所定箇所との間が、リード線18a,18bでそれぞれ電気的に接続されている。リード線18a,18bは、半田付けによって、導電部材11a,11bにそれぞれ電気的及び機械的に接続されている。これにより、リード線18a,18bは、導電部材11a,11bをそれぞれ経由して、テラヘルツ光検出素子部1の電極部23b,23cにそれぞれ電気的に接続されている。導電部材11a,11bに対して半田付けが可能であるため、リード線18a,18bとして、金線ではなく、通常の線材(被覆付きの線材)をツイストしたものやシールド線を使用することが可能である。
【0061】
コネクタ15は、図1乃至図3及び図5に示すように、本体ブロック4のネジ孔40(図8参照)に螺合されたネジ19で、本体ブロック4に固定されている。図5に示すように、コネクタ15と回路基板14の所定箇所との間が、リード線18c,18dで接続され、前記回路により増幅された後の信号がコネクタ15に導かれるようになっている。
【0062】
金属カバー16は、図1乃至図5に示すように、本体ブロック4のネジ孔42(図8参照)に螺合されたネジ20で、本体ブロック4に固定されている。金属カバー16で回路基板14が覆われているので、金属カバー16の磁気シールド効果により、回路基板14に搭載された回路が外部からのノイズの影響を受け難くなり、SN比が向上する。
【0063】
次に、本実施の形態で採用されているサンプリングパルス光集光レンズ3の保持構造について、説明する。本実施の形態では、図1及び図3に概略を示すレンズホルダ本体5として、シグマ光機株式会社製の3軸レンズホルダー(品番:ALH−30−3RO)が用いられている。このレンズホルダ本体5は、図3に示すように、雌ネジ部81を有する可動部材を有し、水平方向調整ネジ82、垂直方向調整ネジ83及び光軸方向調整レバー84をそれぞれ調整することで、前記可動部材を3軸方向にそれぞれ独立して調整して位置決めすることができるようになっている。
【0064】
図3に示すように、レンズホルダ本体5の雌ネジ部81には、筒状部材85の基端側の大径部が螺着されている。図3及び図4に示すように、筒状部材85の先端側の小径部内には、当該小径部に形成された段部に係合したレンズ保持筒86が設けられている。また、筒状部材85の小径部の外周に、押さえ部材87が螺着されている。押さえ部材87の内側に、レンズ保持リング88が当接して嵌っている。サンプリングパルス光集光レンズ3は、レンズ保持筒86とレンズ保持リング88との間に挟み込まれて保持されている。図3及び図4に示すように、サンプリングパルス光集光レンズ3及びその周辺の部材が、金属カバー16に穿設された孔16aからその内部に挿入されて、前述した押し付け部材13等に臨んでいる。
【0065】
なお、サンプリングパルス光集光レンズ3の保持構造は、前述した例に限定されるものではなく、例えば、サンプリングパルス光集光レンズ3も本体ブロック4に対して固定するような構造を採用してもよい。
【0066】
本実施の形態によれば、前述したように、テラヘルツ光検出素子部1の基板21をその面方向に保持する基板保持部材8が設けられ、基板保持部材8の前記面方向の位置が本体ブロック4の凹所35により位置決めされるので、したがって、従来のように基板21の位置の微調整を行う必要がない。このため、組立時にテラヘルツ光検出素子部1の基板21に不用意な力が加わるおそれがなくなり、テラヘルツ光検出素子部1の破損を防止することができる。また、基板21の位置の微調整を行う必要がないので、組立作業が容易となる。
【0067】
もっとも、本発明では、例えば、凹所35を基板保持部材8の外形に対して大きくすることによって、凹所35に位置決め機能を持たせないようにしてもよい。この場合、組立時にテラヘルツ光検出素子部1の基板21の位置を、その面方向に対して微調整する必要がある。しかしながら、基板保持部材8によって基板21がその面方向に保持されているので、基板保持部材8を前記面方向へ移動させることでテラヘルツ光検出素子部1の基板21を前記面方向へ移動させることができる。したがって、テラヘルツ光検出素子部1に直接に力を加えずに基板保持部材8に力を加えて前記微調整を行うことができる。このため、組立時にテラヘルツ光検出素子部1に不用意な力が加わるおそれがなくなり、テラヘルツ光検出素子部1の破損を防止することができる。
【0068】
また、本実施の形態によれば、導電部材11a,11bが用いられているので、リード線18a,18bを導電部材11a,11bに半田付けすることで、リード線18a,18bをテラヘルツ光検出素子部1の電極部23b,24bに電気的に接続することができ、リード線18a,18bとして通常の線材を用いることができる。したがって、本実施の形態によれば、細い金線を直接にテラヘルツ光検出素子部の電極部に接続していた従来技術に比べて、テラヘルツ光検出素子部1の電極部23b,24bに対するリード線18a,18bの電気的な接続のための作業を、容易に行うことができる。また、リード線18a,18bとして、通常の線材(被覆付きの線材)をツイストしたものやシールド線を用いることができるので、金線(被覆なし)を用いる場合に比べて、ノイズの影響を受け難くなる。
【0069】
従来は、回路基板14に相当する回路基板は、テラヘルツ光検出器の外部に配置されていたため、テラヘルツ光検出素子部1の電極部23b,23cから当該回路基板までの配線長(微弱な検出電流が流れる配線長)が長くならざるを得なかった。これに対し、本実施の形態では、回路基板14が、当該テラヘルツ光検出器内に搭載されて導電部材11a,11bの付近に配置されているので、電極部23b,24bから回路基板14までの配線長(リード線18a,18bの長さに相当)を極めて短くすることができる。したがって、本実施の形態によれば、微弱な検出電流に対するノイズの影響を低減することができ、SN比を向上させることができる。
【0070】
また、本実施の形態によれば、前述したように、金属カバー16が、回路基板14に搭載された回路に対する磁気シールドとして作用することからも、SN比を向上させることができる。
【0071】
さらに、本実施の形態によれば、サンプリングパルス光集光レンズ3として非球面レンズが用いられているので、サンプリングパルス光がより小さい径に焦点を結ぶので、より大きな検出電流を得ることができ、テラヘルツ光の検出感度が高まる。
【0072】
[第2の実施の形態]
【0073】
図13は、本発明の第2の実施の形態によるテラヘルツ光検出器の要部を示す断面図であり、図4に対応している。図13において、図4中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
【0074】
本実施の形態によるテラヘルツ検出器が前記第1の実施の形態によるテラヘルツ検出器と異なる所は、組立の安定性をより向上させるべく、第1の実施の形態で用いられているレンズ保持板6の代わりに、図13に示すように、金属、プラスチック、セラミック等からなる支持板91、金属、プラスチック、セラミック等からなる押さえリング部材92及びプラスチック材等のレンズ保持リング93が用いられている点のみであり、他の点は前記第1の実施の形態と同一である。
【0075】
図14は支持板91を示す図であり、図14(a)は図13中の左側から見た正面図、図14(b)は図14(a)の右側面図である。支持板91は、前述した図9に示すレンズ保持板6と同一の外形を有し、その外形を基準にして中心に、押さえリング部材92が螺合されるネジ孔101が形成されている。支持板91には、レンズ保持6の挿通孔52に相当する挿通孔(ネジ7が挿通される挿通孔)102も形成されている。
【0076】
図15は押さえリング部材92を示す図であり、図15(a)は図13中の左側から見た正面図、図15(b)は図15(a)中のH−H’矢視図である。押さえリング部材92の外周には、図14(a)のネジ孔101の雌ネジ部に螺合される雄ねじ部111が形成されている。押さえリング部材92の内周部には、レンズ保持リング93が係合する段部112が形成されている。また、押さえリング部材92には、支持板91のネジ孔101への螺合時に押さえリング部材92を回動させるために用いるすり割り113も形成されている。なお、押さえリング部材92は、支持板91に螺合したときにそれらの中心同士が精度良く一致するように、加工されている。
【0077】
図16はレンズ保持リング93を示す図であり、図16(a)は図13中の左側から見た正面図、図16(b)は図16(a)中のJ−J’矢視図である。レンズ保持リング93は、押さえリング部材92の段部112に係合しかつ押さえリング部材92の内周と適合し、このときレンズ保持リング93の中心が押さえリング部材92の中心と精度良く一致するようになっている。レンズ保持リング93の内径は、テラヘルツ光集光レンズ2の外径より小さくされ、テラヘルツ光集光レンズ2の球面部に当接するようになっている。レンズ保持リング93は、テラヘルツ光集光レンズ2が破損するのを防止するための緩衝用部材となっている。
【0078】
本実施の形態では、図13に示すように、支持板91が、本体ブロック4の凹所34に適合されて嵌め込まれ、図8中のネジ孔37に螺合されたネジ7で本体ブロック4に固定されている。そして、図15(b)の段部112にレンズ保持リング93が係合された押さえリング部材92が、支持板91のネジ孔101に螺合され、テラヘルツ光集光レンズ2の平面部が基板保持部材8に完全に当接するまで締め付けられている。テラヘルツ光集光レンズ2は、このようにして、レンズ保持リング93と基板保持部材8との間に挟持されることで、保持されている。したがって、本実施の形態では、押し付け部材13は、導電部材11a,11b及びテラヘルツ光検出素子部1をテラヘルツ光集光レンズ2へ押し付けるのみであり、前記第1の実施の形態と異なり、テラヘルツ光集光レンズ2の平面部を保持する力を付与するわけではない。
【0079】
ここで、本実施の形態によるテラヘルツ検出器について、本体ブロック4に対するテラヘルツ光集光レンズ2及びテラヘルツ光検出素子部1等の組立方法を説明する。
【0080】
まず、支持板91を本体ブロック4の凹所34に嵌合し、支持板91をネジ7で本体ブロック4に固定する。次に、レンズ保持リング93を押さえリング部材92の段部112に適合させ、この押さえリング部材92を、支持板91のネジ孔101に螺合する。このとき、押さえリング部材92の螺合の程度は、図13に示す正規の位置より余裕を持って図13中の左側に位置する程度(例えば、2回転螺合した程度)とする。次いで、テラヘルツ光集光レンズ2の球面側をレンズ保持リング93の孔に収めた後、基板保持部材8を本体ブロック4の凹所35に嵌合し、基板保持部材8をネジ9で本体ブロック4に固定する。その後、押さえリング部材92を更に螺合していき、テラヘルツ光集光レンズ2の平面部が基板保持部材8に当接して固定されるまで、押さえリング部材92を締め付ける。その結果、レンズ保持リング93と基板保持部材8との間に挟持されることで、完全に保持され、本体ブロック4に対してがたつくようなことがない。
【0081】
次いで、前記第1の実施の形態と同様に、テラヘルツ光集光レンズ2とテラヘルツ光検出素子部1の基板21との間に真空グリースを薄く塗布し、基板21をテラヘルツ光集光レンズ2の平面部に密着させ、基板21を基板保持部材8の孔61に収める。このとき、前記第1の実施の形態の場合と異なりテラヘルツ光集光レンズ2が既に完全に保持されているので、テラヘルツ光検出素子部1の基板21をテラヘルツ光集光レンズ2の平面部へ載せる際の不安定さが生ずることがない。
【0082】
その後、基板保持部材8の電極部23b,24b上に銀ペーストを塗布した後、弾性部材12が予め接着された導電部材11a,11bを前述した図6に示す位置に置く。その後、押し付け部材13をネジ10で基板保持部材8を介して本体ブロック4に固定する。これにより、本体ブロック4に対する前述した部材等の組立が完了する。
【0083】
本実施の形態によれば、前述したように、支持板91、押さえリング部材92及びレンズ保持リング93を用いることにより、テラヘルツ光検出素子部1の基板21をテラヘルツ光集光レンズ2の平面部へ載せる前に、テラヘルツ光集光レンズ2を完全に保持しておくことができる。したがって、テラヘルツ光検出素子部1の基板21をテラヘルツ光集光レンズ2の平面部へ載せる際の不安定さが生ずることがなく、前記第1の実施の形態と比べて、組立の安定性が更に向上する。これ以外の点については、本実施の形態によっても、前記第1の実施の形態と同様の利点が得られる。
【0084】
以上説明した第1及び第2の実施の形態によるテラヘルツ光検出器は、基本的にそのままの構造で、テラヘルツ光発生器として用いることができる。この場合、素子部1はテラヘルツ光発生素子部となり、集光レンズ2は励起パルス光集光レンズとなる。素子部1から発生したテラヘルツ光は集光レンズ2を経て外部へ放射される。
【0085】
ただし、前述したテラヘルツ光検出器をテラヘルツ光発生器として用いる場合、通常は、素子部1の電極部23b,24b間にバイアス電圧として不変の直流電圧を印加するので、回路基板14を取り除き、導電部材11a,11bとコネクタ15との間をリード線で接続しておけばよい。もっとも、バイアス電圧として、変調した電圧を印加するような場合には、回路基板14を取り除くことなく、回路基板14に搭載する回路を当該変調のための回路に置き換えてもよい。
【0086】
以上説明した実施の形態ではダイポールアンテナの基板21を保持する部材として基板保持部材8を別設していたが、例えば、基板保持部材8に代えてテラヘルツ光集光レンズ2の平面部(基板21が当接する面)に、基板保持部材8の孔61と同形状の孔を形成してもよい。具体的には、テラヘルツ光集光レンズ2の平面部にほぼ基板21と同じ厚さ程度の凹部を形成し、その凹部の内部に基板21を落とし込む孔を形成すればよい。
【0087】
以上、本発明の各実施の形態及びその変形例について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0088】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、組立時におけるテラヘルツ光発生素子部又はテラヘルツ光検出素子部の破損を防止することができるテラヘルツ光発生器及びテラヘルツ光検出器を提供することができる。
【0089】
また、本発明によれば、テラヘルツ光発生素子部又はテラヘルツ光検出素子部の電極部に対するリード線の電気的な接続のための作業を容易に行うことができるテラヘルツ光発生器及びテラヘルツ光検出器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるテラヘルツ光検出器を示す平面図である。
【図2】図1に示すテラヘルツ光検出器の正面図である。
【図3】一部を切り欠いた図2中のA矢視図である。
【図4】図3中のB部の拡大図である。
【図5】一部を切り欠いた図3中のC−C’矢視図である。
【図6】図5中のD部の拡大図である。
【図7】図1乃至図6示すテラヘルツ光検出器で用いられているテラヘルツ光検出素子部を示す図である。
【図8】図1乃至図6示すテラヘルツ光検出器で用いられている本体ブロックを示す図である。
【図9】図1乃至図6示すテラヘルツ光検出器で用いられているレンズ保持板を示す図である。
【図10】図1乃至図6示すテラヘルツ光検出器で用いられている基板保持部材を示す図である。
【図11】図1乃至図6示すテラヘルツ光検出器で用いられている導電部材を示す図である。
【図12】図1乃至図6示すテラヘルツ光検出器で用いられている押し付け部材を示す図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態によるテラヘルツ光検出器の要部を示す断面図である。
【図14】図13に示すテラヘルツ検出器で用いられている支持板を示す図である。
【図15】図13に示すテラヘルツ検出器で用いられている押さえリング部材を示す図である。
【図16】図13に示すテラヘルツ検出器で用いられているレンズ保持リングを示す図である。
【符号の説明】
1 テラヘルツ光検出素子部(テラヘルツ光発生素子部)
2 テラヘルツ光集光レンズ
3 サンプリングパルス光集光レンズ(励起パルス光集光レンズ)
4 本体ブロック
5 レンズホルダ本体
6 レンズ保持板
8 基板保持部材
11a,11b 導電部材
12 弾性部材
13 押し付け部材
14 回路基板
15 コネクタ
16 金属カバー
91 支持板
92 押さえリング部材
93 レンズ保持リング
【発明の属する技術分野】
本発明は、光スイッチ素子を用いたテラヘルツ光発生器及びテラヘルツ光検出器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
周波数が0.01THzから10THzの電磁波はテラヘルツ光と呼ばれ、その応用がさかんに研究されている。それとともに、テラヘルツ光発生器及びテラヘルツ光検出器の開発が進められ、例えば下記特許文献1に記載されているように、光スイッチ素子の発明以来、テラヘルツ光発生器及びテラヘルツ光検出器では光スイッチ素子(光伝導アンテナとも呼ばれる。)が多く利用されている。周知のように、光スイッチ素子は、テラヘルツ光の発生及び検出の両方に用いることができるため、光スイッチ素子を用いたテラヘルツ光発生器及びテラヘルツ光検出器は、基本的に同じ構成を有している。
【0003】
特許文献1に記載されているように、光スイッチ素子を含むテラヘルツ光素子部(テラヘルツ光発生素子部又はテラヘルツ光検出素子部)は、例えば、GaAs等の基板と、該基板の一方の面に形成された低温成長GaAs等の光伝導膜と、該光伝導膜上に形成された2つの金属膜等の導電膜と、を有している。これらの2つの導電膜が所定形状にパターニングされることにより、ダイポールアンテナやボウタイアンテナなどが形成される。ダイポールアンテナやボウタイアンテナの場合、2つの導電膜間の一部同士が微小な間隔(例えば、数μm程度の間隔)があけられている。2つの導電膜間の間隔が数mm乃至数cm程度とされる場合もあり、この光スイッチ素子は大口径の光スイッチ素子と呼ばれている。また、前記各導電膜の一部は、電極部となるようにその面積が拡大されている。
【0004】
このテラヘルツ光素子部をテラヘルツ光発生素子部として用いる場合、前記電極部間にバイアス電圧を印加した状態で、前記2つの導電膜間の前記間隔付近にフェムト秒パルスレーザ光等の励起パルス光を照射する。その結果、励起パルス光の照射により光伝導膜中で励起された自由キャリア(電子と正孔)がバイアス電圧による印加電場によって加速されることで電流が流れ、このパルス状の電流によってテラヘルツ光が発生する。
【0005】
一方、前記テラヘルツ光素子部をテラヘルツ光検出素子部として用いる場合、フェムト秒パルスレーザ光等のサンプリングパルス光を前記2つの導電膜間の前記間隔付近に照射する。このパルス光の照射によって、光伝導膜中に自由キャリアが生成され、このときに入射したテラヘルツ光の電場の大きさにほぼ比例した電流が2つの導電膜間に流れる。したがって、この電流を検出することで、テラヘルツ光を検出することができる。
【0006】
特許文献1に記載されているように、前記テラヘルツ光素子部を用いたテラヘルツ光発生器及びテラヘルツ光検出器では、一般的に、テラヘルツ光素子部の基板の一方側にシリコンレンズ等の平凸状のテラヘルツ光集光レンズが配置される。この集光レンズが用いられる理由は、テラヘルツ光発生器の場合には、発生したテラヘルツ光の利用効率を高めるためであり、テラヘルツ光検出器の場合には、検出すべきテラヘルツ光を効率良く前記2つの導電膜間の前記間隔付近に集光して、テラヘルツ光の検出感度を高めるためである。
【0007】
このようなテラヘルツ光発生器及びテラヘルツ光検出器では、従来は、次のような構造が採用されていた。すなわち、当該発生器又は検出器の基体をなす本体ブロックにあけられた穴にテラヘルツ光集光レンズを組み込み、該集光レンズの平面部に真空グリースを薄く塗布した後、その上に前記テラヘルツ光素子部の基板を密着させるようにして置き、板バネをなす金属板で樹脂材を介してテラヘルツ光素子部を集光レンズに押し付けるという構造が採用されていた。テラヘルツ光素子部の基板は、この押し付けのみによって、集光レンズに対して保持されていた。
【0008】
また、前述したようなテラヘルツ光発生器及びテラヘルツ光検出器では、前記バイアス電圧を供給するためあるいは前記電流を取り出すためのコネクタが設けられている。そして、従来は、テラヘルツ光素子部の前記電極部から当該コネクタまでのリード線が前記電極部に直付けされていた。このように直付けを行うために、リード線として細い金線が用いられ、この金線が銀ペーストを用いて前記電極部に接続されていた。これは、前記電極部に半田付けができないためである。
【0009】
【特許文献1】
特開2002−223017号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
前述したようなテラヘルツ光発生器及びテラヘルツ光検出器では、テラヘルツ光集光レンズとテラヘルツ光素子部との、テラヘルツ光素子部の基板の面方向の相対的な位置を、所定の位置に位置合わせする必要がある。これは、テラヘルツ光集光レンズの光軸とテラヘルツ光素子部の前記間隔の中心との位置を合わせることで、テラヘルツ光の利用効率や検出感度を高めるためである。
【0011】
従来のテラヘルツ光発生器及びテラヘルツ光検出器では、前述したように、テラヘルツ光素子部の基板が前記押し付けのみによって集光レンズに対して保持されていたので、テラヘルツ光素子部の基板の面方向の位置合わせは、ピンセット等でテラヘルツ光素子部の基板の端面を直接に押すことによって行われていた。このとき、テラヘルツ光素子部の基板に不用意な力が加わってしまい、テラヘルツ光素子部が破損してしまう場合があった。テラヘルツ光素子部は、わずかな力で破損し易く、しかも非常に高価である。
【0012】
また、従来のテラヘルツ光発生器及びテラヘルツ光検出器では、前述したように、細い金線が銀ペーストを用いてテラヘルツ光素子部の電極部に直付けされていたので、細いために当該金線の取り扱いが困難であるとともに当該金線が切れ易く、その接続作業には熟練を要していた。
【0013】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、組立時におけるテラヘルツ光発生素子部又はテラヘルツ光検出素子部の破損を防止することができるテラヘルツ光発生器及びテラヘルツ光検出器を提供することを目的とする。
【0014】
また、本発明は、テラヘルツ光発生素子部又はテラヘルツ光検出素子部の電極部に対するリード線の電気的な接続のための作業を容易に行うことができるテラヘルツ光発生器及びテラヘルツ光検出器を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明の第1の態様によるテラヘルツ光発生器は、励起パルス光に反応してテラヘルツ光を発生するテラヘルツ光発生素子基板と、前記テラヘルツ光発生素子基板からのテラヘルツ光を出射し、前記テラヘルツ光発生素子基板が当接されるテラヘルツ光用光学部材と、前記テラヘルツ光発生素子基板と前記テラヘルツ光用光学部材との位置合わせを行うために、前記テラヘルツ光発生素子基板を前記テラヘルツ光発生素子基板の面方向に対して保持する基板保持部材と、を備えたものである。
【0016】
本発明の第2の態様によるテラヘルツ光発生器は、前記第1の態様において、前記テラヘルツ光発生素子基板を前記テラヘルツ光用光学部材に押し付ける部材を、備えたものである。
【0017】
本発明の第3の態様によるテラヘルツ光発生器は、前記第1又は第2の態様において、前記基板保持部材の組み付け時に前記テラヘルツ光用光学部材に対する前記基板保持部材の前記面方向への位置決めを行うための位置決め構造を、備えたものである。
【0018】
本発明の第4の態様によるテラヘルツ光発生器は、一方の面上に形成された電極部とを有し光スイッチ素子を含むテラヘルツ光発生素子基板と、前記電極部に接触した導電部材と、を備え、リード線が前記導電部材を介して前記電極部と電気的に接続されるように、前記リード線が前記導電部材に電気的及び機械的に接続されたものである。
【0019】
本発明の第5の態様によるテラヘルツ光発生器は、前記第4の態様において、前記導電部材を前記電極部に押し付ける部材を備えたものである。
【0020】
本発明の第6の態様によるテラヘルツ光発生器は、前記第4又は第5の態様において、前記テラヘルツ光発生素子基板をその基板の面方向に対して保持するがその基板の面方向と垂直な方向に対して保持しない基板保持部材を、備えたものである。
【0021】
本発明の第7の態様によるテラヘルツ光検出器は、サンプリングパルス光に反応してテラヘルツ光を検出するテラヘルツ光検出素子基板と、前記テラヘルツ光検出素子基板へテラヘルツ光を導くテラヘルツ光用光学部材と、前記テラヘルツ光検出素子基板と前記テラヘルツ光用光学部材との位置合わせを行うために、前記テラヘルツ光検出素子基板を前記テラヘルツ光検出素子基板の面方向に対して保持する基板保持部材と、を備えたものである。
【0022】
本発明の第8の態様によるテラヘルツ光検出器は、前記第7の態様において、前記テラヘルツ光検出素子基板を前記テラヘルツ光用光学部材に押し付ける部材を、備えたものである。
【0023】
本発明の第9の態様によるテラヘルツ光検出器は、前記第7又は第8の態様において、前記基板保持部材の組み付け時に前記テラヘルツ光用光学部材に対する前記基板保持部材の前記面方向への位置決めを行うための位置決め構造を、備えたものである。
【0024】
本発明の第10の態様によるテラヘルツ光検出器は、一方の面上に形成された電極部とを有し光スイッチ素子を含むテラヘルツ光検出素子基板と、前記電極部に接触した導電部材と、を備え、リード線が前記導電部材を介して前記電極部と電気的に接続されるように、前記リード線が前記導電部材に電気的及び機械的に接続されたものである。
【0025】
本発明の第11の態様によるテラヘルツ光検出器は、前記第10の態様において、前記導電部材を前記電極部に押し付ける部材を備えたものである。
【0026】
本発明の第12の態様によるテラヘルツ光検出器は、前記第10又は第11の態様において、前記テラヘルツ光検出素子基板をその基板の面方向に対して保持するがその基板の面方向と垂直な方向に対して保持しない基板保持部材を、備えたものである。
【0027】
本発明の第13の態様によるテラヘルツ光検出器は、前記第10乃至第12のいずれかの態様において、前記電極部を流れる電流を電圧に変換し増幅する回路が搭載されかつ前記導電部材の付近に配置された回路基板を備え、前記リード線が前記回路基板に電気的に接続されたものである。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明によるテラヘルツ光発生器及びテラヘルツ光検出器について、図面を参照して説明する。
【0029】
[第1の実施の形態]
【0030】
図1は、本発明の第1の実施の形態によるテラヘルツ光検出器を示す平面図である。図2は、図1に示すテラヘルツ光検出器の正面図である。図2では、レンズホルダ本体5の図示は省略している。図3は、一部を切り欠いた図2中のA矢視図である。図4は、図3中のB部の拡大図である。図5は、一部を切り欠いた図3中のC−C’矢視図である。ただし、図5は、サンプリングパルス光集光レンズ3及びこれを保持するための部材等を取り除いた状態を示している。図6は、図5中のD部の拡大図である。
【0031】
本実施の形態によるテラヘルツ光検出器は、図1乃至図6に示すように、テラヘルツ光検出素子部1と、テラヘルツ光検出素子部1の基板21の一方の面側に配置されたテラヘルツ光集光レンズ(テラヘルツ光用光学部材)2と、テラヘルツ光検出素子部1の基板21の他方の面側に配置されたサンプリングパルス光集光レンズ3と、テラヘルツ光検出素子部1及びテラヘルツ光集光レンズ2を取り付ける基体となる金属製等の本体ブロック4と、サンプリングパルス光集光レンズ3を取り付ける基体となるレンズホルダ本体5と、を備えている。
【0032】
図7はテラヘルツ光検出素子部1を示す図であり、図7(a)は図5及び図6と同じ向きで見た正面図、図7(b)は図7(a)中のE−E’矢視図である。
【0033】
テラヘルツ光検出素子部1は、図7に示すように、GaAs等の基板21と、基板21上に形成された低温成長GaAs等の光伝導膜22と、膜22上に形成された2つの導電膜としての金属膜23,24とから構成されている。金属膜23,24は、膜22上において互いに分離されており、平行伝送線路を形成する伝送線路部23a,24aと、それらの両端に形成された電極部23b,23c,24b,24cと、を有している。伝送線路部23a,24aの中央部分が内側に突出し、その間に基板21の面に沿った方向に微小な間隔(例えば、数μm程度の間隔)dがあけられている。この間隔dの付近の部分によって光スイッチ素子が構成され、また、伝送線路部23a,24aにおける間隔dの付近の部分によりダイポールアンテナが構成されている。本実施の形態では、基板21は、長方形状とされ、例えば6mm(短辺)×10mm(長辺)の寸法を有しているが、その形状及び寸法はこれに限定されるものではない。また、本実施の形態では、間隔dの部分の中心(光スイッチ素子の中心)が基板21の外形の中心と一致しているが、両者は必ずしも一致する必要はない。
【0034】
本実施の形態では、テラヘルツ光検出素子部1は前述したようにダイポールアンテナを用いた構成を有しているが、金属膜23,24によってボウタイアンテナなどの他のアンテナを構成してもよい。また、テラヘルツ光検出素子部1は、例えば、2つの金属膜導電膜間の間隔が例えば数mm乃至数cm程度とされるいわゆる大口径の光スイッチ素子を構成してもよい。さらに、基板21を半絶縁性GaAs等で構成して光伝導膜22に代わる光伝導部とし、基板21上に光伝導膜22を形成することなく、基板21上に金属膜23,24を形成してもよい。更にまた、ダイポールアンテナに代えて、ZnTeなどの電気光学結晶素子を基板21と同形状に形成したものであってもよい。このように、テラヘルツ光検出素子部1の具体的な構成は、何ら限定されるものではない。
【0035】
テラヘルツ光集光レンズ2及びサンプリングパルス光集光レンズ3は、後述する構造により位置合わせされて、レンズの光軸がテラヘルツ光検出素子部1の間隔dの部分の中心と実質的に一致している。検出すべきテラヘルツ光は、図4中の左側から集光レンズ2に入射し、テラヘルツ光検出素子部1の間隔dの部分に集光される。一方、フェムト秒パルスレーザ光等のサンプリングパルス光は、図4中の右側から集光レンズ3に入射し、テラヘルツ光検出素子部1の間隔dの部分に集光される。なお、図面には示していないが、本体ブロック4及びレンズホルダ本体5が取り付けベース(図示せず)に固定されることによって、テラヘルツ光検出素子部1及びテラヘルツ光集光レンズ2とサンプリングパルス光集光レンズ3との位置関係が図4に示すような位置関係に設定されている。
【0036】
本実施の形態では、テラヘルツ光集光レンズ2として、シリコンレンズからなる半球レンズが用いられているが、材質や形状はこれに限定されるものではなく、例えば、半球レンズ以外の平凸レンズを用いてもよい。また、本実施の形態では、サンプリングパルス光集光レンズ3として、球面収差によるボケが発生せずに球面レンズに比べてサンプリングパルス光をより小さい径に焦点を結ぶ非球面レンズが用いられている。もっとも、レンズ3として球面レンズを用いてもよい。
【0037】
図8は本体ブロック4を示す図であり、図8(a)は図3と同じ向きで見た正面図、図8(b)は平面図、図8(c)は左側面図、図8(d)は右側面図、図8(e)は図8(d)中のF−F’矢視図である。
【0038】
本体ブロック4は、図8に示すように、脚部31と、脚部31から立ち上がった肉厚の起立板部32とを有している。脚部31には、前記取り付けベースに固定するためのネジ(図示せず)が挿通される孔33が形成されている。起立板部32の両面の相対する位置には、後述するレンズ保持板6及び基板保持部材8がそれぞれ適合して嵌め込まれる角穴状の位置決め用凹所34,35が形成されている。凹所34,35は、それらの中心位置が互いに一致するように加工されている。テラヘルツ光集光レンズ2が挿通し得る円形の孔36が、凹所34,35間を貫通させるように形成されている。孔36の中心位置は、凹所34,35の中心位置と一致している。
【0039】
また、図8に示すように、本体ブロック4には、レンズ保持板6を固定するためのネジ孔37、基板保持部材8を固定するためのネジ孔38、後述する押し付け部材13を固定するためのネジ孔39、後述するコネクタ15を固定するためのネジ孔40、後述する回路基板14を固定するためのネジ孔41、後述する金属カバー16を固定するためのネジ孔42、及び、コネクタ15の一部を挿入する溝43も、形成されている。
【0040】
図2乃至図4に示すように、テラヘルツ光集光レンズ2の球面側を保持するレンズ保持板6が、本体ブロック4の凹所34に適合されて嵌め込まれ、図8中のネジ孔37に螺合されたネジ7で本体ブロック4に固定されている。図9はレンズ保持板6を示す図であり、図9(a)は図2と同じ向きで見た正面図、図9(b)は右側面図である。レンズ保持板6は、例えばプラスチック材からなり、その外形を基準にして中心に、テラヘルツ光集光レンズ2より小径の円形の孔51が形成されている。図3及び図4に示すように、テラヘルツ光集光レンズ2の球面側の一部が孔51に収められ、孔51の周囲がテラヘルツ光集光レンズ2の球面部に当接することにより、テラヘルツ光集光レンズ2の球面側がレンズ保持板6により保持されている。レンズ保持板6によって、テラヘルツ光集光レンズ2の中心位置が決定されている。レンズ保持板6の外周が凹所34の周壁で規制されて、レンズ保持板6の中心位置が凹所34の中心位置と精度良く一致しているため、集光レンズ2の光軸も凹所34の中心位置と精度良く一致している。なお、レンズ保持板6には、図9に示すように、ネジ7が挿通される挿通孔52も形成されている。
【0041】
また、図3乃至図6に示すように、基板保持部材8が、本体ブロック4の凹所35に適合されて嵌め込まれ、図8中のネジ孔38に螺合されたネジ9で本体ブロック4に固定されている。本実施の形態では、凹所35が、基板保持部材8の基板21面方向への位置決めを行うための位置決め構造を構成している。基板保持部材8の外周が凹所35の周壁で規制されて、基板保持部材8の中心位置が凹所35の中心位置と精度良く一致している。基板保持部材8は、テラヘルツ光検出素子部1の基板21を、基板21の面方向(図6中の紙面内の方向)に対して保持するが前記基板21の面方向と垂直な方向(図6中の紙面と垂直な方向)に対して保持しないように構成されている。具体的には、本実施の形態では図10に示すように構成されている。
【0042】
図10は基板保持部材8を示す図であり、図10(a)は図5及び図6と同じ向きで見た正面図、図10(b)は右側面図、図10(c)は図10(a)中のG−G’矢視図である。図10(a)には、テラヘルツ光検出素子部1の基板21との位置関係を示すため、テラヘルツ光検出素子部1の基板21の外形を想像線で示している。ただし、図面表記の便宜上、この想像線を明確にするため、基板21の外形を実際より若干小さいものとして示している。
【0043】
基板保持部材8は、プラスチック材又は金属等で板状に構成されている。図10に示すように、基板保持部材8の中央部には、孔61が形成されている。この孔61は、テラヘルツ光検出素子部1の基板21に適合する長方形状の領域61aと、後述する導電部材11a,11bの一部を収める領域61b,61cと、組立時にテラヘルツ光検出素子部1を図10(a)に示す位置に収める際に検出素子部1を摘むピンセット等に対する逃げとなる領域61d,61eと、を合わせたものとなっている。孔61の周壁の一部がテラヘルツ光検出素子部1の基板21の外周の一部と適合することで、基板21がその面方向に対して保持される。孔61は、孔61により保持された基板21の中心(テラヘルツ光検出素子部1の前記間隔dの部分の中心)が基板保持部材8の中心と精度良く一致するように、加工されている。
【0044】
また、図10に示すように、基板保持部材8には、後述する押し付け部材13による押し付け力を設定するため、周りより一段低い部分(図10(a)中の斜線部)62,63が形成されている。この部分62,63には、押し付け部材13を本体ブロック4に固定するためのネジ10が挿通される挿通孔64が、それぞれ形成されている。なお、ネジ10は、本体ブロック4のネジ孔39に螺合されている。また、基板保持部材8には、基板保持部材8を本体ブロック4に固定するためのネジ9が挿通される挿通孔65も形成されている。
【0045】
なお、図4及び図6からわかるように、基板保持部材8は、組立時にテラヘルツ光集光レンズ2の平面部を比較的ラフに保持する(すなわち、テラヘルツ光集光レンズ2の平面部と基板保持部材8との間にわずかな隙間があき得る程度に保持する)ようになっている。テラヘルツ光集光レンズ2の平面部の最終的な保持は、後述する押し付け部材13による押し付けにより行われている。
【0046】
図4及び図6に示すように、テラヘルツ光検出素子部1の基板21が、基板保持部材8の孔61に収められてその面方向に対して保持されるとともに、テラヘルツ光集光レンズ2の平面部に密着している。その密着性を高めるため、図面には示していないが、テラヘルツ光集光レンズ2と基板21との間に真空グリースが薄く塗布されている。テラヘルツ光検出素子部1の電極部23b,23c,24b,24cは、基板21におけるテラヘルツ光集光レンズ2とは反対側の面に位置している。
【0047】
また、図4及び図6に示すように、2つの導電部材11a,11bが、テラヘルツ光検出素子部1の基板21の一部及び基板保持部材8の低い部分63(図10参照)の一部と重なるように、配置されている。導電部材11aの一部がテラヘルツ光検出素子部1の電極部24bと接触し、導電部材11bの一部がテラヘルツ光検出素子部1の電極部23bと接触し、これによりそれぞれの間が電気的に接続されている。図面には示していないが、この電気的な接続を良好にするため、電極部23b,24cと導電部材11a,11bとの間にはそれぞれ銀ペーストが塗布されている。この銀ペーストは両者の間の機械的な接続を行うものではなく、両者の間の機械的な接続は、後述する押し付け部材13による押し付けにより行われている。
【0048】
ここで、導電部材11aを図11に示す。図11(a)は図5及び図6と同じ向きで見た導電部材11aの正面図、図11(b)はその右側面図である。本実施の形態では、導電部材11aは金属板で構成され、テラヘルツ光検出素子部1の電極部24bに対応しかつ電極部24bとは反対側の箇所に、ゴム又は樹脂等からなる弾性部材12が接着されている。導電部材11bは、導電部材11aと同様に構成され弾性部材12が接着されているが、図6に示すように、導電部材11aと左右対称に構成されている。
【0049】
そして、図4及び図6に示すように、図12に示す押し付け部材13が、導電部材11a,11bの弾性部材12に当接し、当該弾性部材12を所定の押し付け力でテラヘルツ光集光レンズ2側へ押し付けるように、基板保持部材8の低い部分62,63を介して本体ブロック4に対して固定されている。図12(a)は図5及び図6と同じ向きで見た押し付け部材13の正面図、図12(b)はその右側面図である。
【0050】
本実施の形態では、押し付け部材13は、図12に示すように、プラスチック材、ゴム材、金属製の板ばねに絶縁性のコーティング(塗装を含む)されたものなどからなる、絶縁性を有する十字状の板で構成されている。押し付け部材13の両端付近には、ネジ10が挿通される挿通孔71が形成されている。押し付け部材13の中央付近には、サンプリングパルス光を通過させる孔72が形成されている。
【0051】
図4及び図6に示すように、ネジ10を押し付け部材13の孔71及び基板保持部材8の孔64(図10参照)を挿通させて本体ブロック4の孔39(図8参照)に螺合することにより、押し付け部材13の両端付近が、基板保持部材8の低い部分62,63を介して本体ブロック4に対して固定されている。これにより、図4に示すように、押し付け部材13が弾性部材12に当接して撓み、押し付け部材13が弾性部材12を押し付けている。
【0052】
押し付け部材13が弾性部材12を押し付ける結果、導電部材11a,11bがテラヘルツ光検出素子部1の電極部23b,24bに押し付けられ、テラヘルツ光検出素子部1の基板21がテラヘルツ光集光レンズ2に押し付けられ、テラヘルツ光集光レンズ2がレンズ保持板6に押し付けられ、これらが保持されている。
【0053】
本実施の形態では、図6に示すように、導電部材11a,11bの間に絶縁性を有する押し付け部材13の端部付近の部分が配置されているので、導電部材11a,11bが互いに接触するようなおそれがなく、両者の間が確実に電気的に絶縁される。
【0054】
なお、導電部材11a,11bにおいて、テラヘルツ光検出素子部1の電極部23b,24bと対面する領域に、電極部23側にわずかに突出する突出部を形成しておき、導電部材11a,11bがテラヘルツ光検出素子部1に対して電極部23b,24bでのみ接触するようにしておいてもよい。
【0055】
ここで、本体ブロック4に対する前述した部材等の組立方法について、説明する。
【0056】
まず、レンズ保持板6を本体ブロック4の凹所34に嵌合し、レンズ保持板6をネジ7で本体ブロック4に固定する。次に、テラヘルツ光集光レンズ2の球面側の一部を孔51に収める。その結果、本体ブロック4に対するテラヘルツ光集光レンズ2の中心位置が決定される。その後、基板保持部材8を本体ブロック4の凹所35に嵌合し、基板保持部材8をネジ9で本体ブロック4に固定する。
【0057】
次いで、テラヘルツ光集光レンズ2とテラヘルツ光検出素子部1の基板21との間に真空グリースを薄く塗布し、基板21をテラヘルツ光集光レンズ2の平面部に密着させる。このとき、基板21を基板保持部材8の孔61に収める。基板保持部材8が凹所35により位置決めされており、基板21がその面方向に対して基板保持部材8により保持されるので、自動的に、テラヘルツ光検出素子部1の基板21の中心(テラヘルツ光検出素子部1の前記間隔dの部分の中心)が、テラヘルツ光集光レンズ2の中心と一致する。したがって、従来のように基板21の位置の微調整を行う必要がない。
【0058】
その後、基板保持部材8の電極部23b,24b上に銀ペーストを塗布した後、弾性部材12が予め接着された導電部材11a,11bを前述した図6に示す位置に置く。なお、実際の組立では、この段階の前に、リード線18a,18bが既に半田付けされている状態とされる。その後、押し付け部材13をネジ10で基板保持部材8を介して本体ブロック4に固定する。これにより、本体ブロック4に対する前述した部材等の組立が完了する。
【0059】
また、本実施の形態によるテラヘルツ光検出器は、導電部材11aの付近に配置された回路基板14と、外部に対する電気的な接続を行うための市販のコネクタ15と、回路基板14を覆う電磁シールドをなす金属カバー16と、を備えている。
【0060】
回路基板14は、図5に示すように、本体ブロック4のネジ孔41(図8参照)に螺合されたネジ17で、本体ブロック4に固定されている。回路基板14には、電極部23b,24b間に流れる電流を電圧に変換し増幅する回路が搭載されている。図5において、斜線部14aは回路基板14上のパターン形成領域を示している。前記回路を構成する回路部品等の図示は省略している。図5に示すように、導電部材11a,11bと回路基板の所定箇所との間が、リード線18a,18bでそれぞれ電気的に接続されている。リード線18a,18bは、半田付けによって、導電部材11a,11bにそれぞれ電気的及び機械的に接続されている。これにより、リード線18a,18bは、導電部材11a,11bをそれぞれ経由して、テラヘルツ光検出素子部1の電極部23b,23cにそれぞれ電気的に接続されている。導電部材11a,11bに対して半田付けが可能であるため、リード線18a,18bとして、金線ではなく、通常の線材(被覆付きの線材)をツイストしたものやシールド線を使用することが可能である。
【0061】
コネクタ15は、図1乃至図3及び図5に示すように、本体ブロック4のネジ孔40(図8参照)に螺合されたネジ19で、本体ブロック4に固定されている。図5に示すように、コネクタ15と回路基板14の所定箇所との間が、リード線18c,18dで接続され、前記回路により増幅された後の信号がコネクタ15に導かれるようになっている。
【0062】
金属カバー16は、図1乃至図5に示すように、本体ブロック4のネジ孔42(図8参照)に螺合されたネジ20で、本体ブロック4に固定されている。金属カバー16で回路基板14が覆われているので、金属カバー16の磁気シールド効果により、回路基板14に搭載された回路が外部からのノイズの影響を受け難くなり、SN比が向上する。
【0063】
次に、本実施の形態で採用されているサンプリングパルス光集光レンズ3の保持構造について、説明する。本実施の形態では、図1及び図3に概略を示すレンズホルダ本体5として、シグマ光機株式会社製の3軸レンズホルダー(品番:ALH−30−3RO)が用いられている。このレンズホルダ本体5は、図3に示すように、雌ネジ部81を有する可動部材を有し、水平方向調整ネジ82、垂直方向調整ネジ83及び光軸方向調整レバー84をそれぞれ調整することで、前記可動部材を3軸方向にそれぞれ独立して調整して位置決めすることができるようになっている。
【0064】
図3に示すように、レンズホルダ本体5の雌ネジ部81には、筒状部材85の基端側の大径部が螺着されている。図3及び図4に示すように、筒状部材85の先端側の小径部内には、当該小径部に形成された段部に係合したレンズ保持筒86が設けられている。また、筒状部材85の小径部の外周に、押さえ部材87が螺着されている。押さえ部材87の内側に、レンズ保持リング88が当接して嵌っている。サンプリングパルス光集光レンズ3は、レンズ保持筒86とレンズ保持リング88との間に挟み込まれて保持されている。図3及び図4に示すように、サンプリングパルス光集光レンズ3及びその周辺の部材が、金属カバー16に穿設された孔16aからその内部に挿入されて、前述した押し付け部材13等に臨んでいる。
【0065】
なお、サンプリングパルス光集光レンズ3の保持構造は、前述した例に限定されるものではなく、例えば、サンプリングパルス光集光レンズ3も本体ブロック4に対して固定するような構造を採用してもよい。
【0066】
本実施の形態によれば、前述したように、テラヘルツ光検出素子部1の基板21をその面方向に保持する基板保持部材8が設けられ、基板保持部材8の前記面方向の位置が本体ブロック4の凹所35により位置決めされるので、したがって、従来のように基板21の位置の微調整を行う必要がない。このため、組立時にテラヘルツ光検出素子部1の基板21に不用意な力が加わるおそれがなくなり、テラヘルツ光検出素子部1の破損を防止することができる。また、基板21の位置の微調整を行う必要がないので、組立作業が容易となる。
【0067】
もっとも、本発明では、例えば、凹所35を基板保持部材8の外形に対して大きくすることによって、凹所35に位置決め機能を持たせないようにしてもよい。この場合、組立時にテラヘルツ光検出素子部1の基板21の位置を、その面方向に対して微調整する必要がある。しかしながら、基板保持部材8によって基板21がその面方向に保持されているので、基板保持部材8を前記面方向へ移動させることでテラヘルツ光検出素子部1の基板21を前記面方向へ移動させることができる。したがって、テラヘルツ光検出素子部1に直接に力を加えずに基板保持部材8に力を加えて前記微調整を行うことができる。このため、組立時にテラヘルツ光検出素子部1に不用意な力が加わるおそれがなくなり、テラヘルツ光検出素子部1の破損を防止することができる。
【0068】
また、本実施の形態によれば、導電部材11a,11bが用いられているので、リード線18a,18bを導電部材11a,11bに半田付けすることで、リード線18a,18bをテラヘルツ光検出素子部1の電極部23b,24bに電気的に接続することができ、リード線18a,18bとして通常の線材を用いることができる。したがって、本実施の形態によれば、細い金線を直接にテラヘルツ光検出素子部の電極部に接続していた従来技術に比べて、テラヘルツ光検出素子部1の電極部23b,24bに対するリード線18a,18bの電気的な接続のための作業を、容易に行うことができる。また、リード線18a,18bとして、通常の線材(被覆付きの線材)をツイストしたものやシールド線を用いることができるので、金線(被覆なし)を用いる場合に比べて、ノイズの影響を受け難くなる。
【0069】
従来は、回路基板14に相当する回路基板は、テラヘルツ光検出器の外部に配置されていたため、テラヘルツ光検出素子部1の電極部23b,23cから当該回路基板までの配線長(微弱な検出電流が流れる配線長)が長くならざるを得なかった。これに対し、本実施の形態では、回路基板14が、当該テラヘルツ光検出器内に搭載されて導電部材11a,11bの付近に配置されているので、電極部23b,24bから回路基板14までの配線長(リード線18a,18bの長さに相当)を極めて短くすることができる。したがって、本実施の形態によれば、微弱な検出電流に対するノイズの影響を低減することができ、SN比を向上させることができる。
【0070】
また、本実施の形態によれば、前述したように、金属カバー16が、回路基板14に搭載された回路に対する磁気シールドとして作用することからも、SN比を向上させることができる。
【0071】
さらに、本実施の形態によれば、サンプリングパルス光集光レンズ3として非球面レンズが用いられているので、サンプリングパルス光がより小さい径に焦点を結ぶので、より大きな検出電流を得ることができ、テラヘルツ光の検出感度が高まる。
【0072】
[第2の実施の形態]
【0073】
図13は、本発明の第2の実施の形態によるテラヘルツ光検出器の要部を示す断面図であり、図4に対応している。図13において、図4中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
【0074】
本実施の形態によるテラヘルツ検出器が前記第1の実施の形態によるテラヘルツ検出器と異なる所は、組立の安定性をより向上させるべく、第1の実施の形態で用いられているレンズ保持板6の代わりに、図13に示すように、金属、プラスチック、セラミック等からなる支持板91、金属、プラスチック、セラミック等からなる押さえリング部材92及びプラスチック材等のレンズ保持リング93が用いられている点のみであり、他の点は前記第1の実施の形態と同一である。
【0075】
図14は支持板91を示す図であり、図14(a)は図13中の左側から見た正面図、図14(b)は図14(a)の右側面図である。支持板91は、前述した図9に示すレンズ保持板6と同一の外形を有し、その外形を基準にして中心に、押さえリング部材92が螺合されるネジ孔101が形成されている。支持板91には、レンズ保持6の挿通孔52に相当する挿通孔(ネジ7が挿通される挿通孔)102も形成されている。
【0076】
図15は押さえリング部材92を示す図であり、図15(a)は図13中の左側から見た正面図、図15(b)は図15(a)中のH−H’矢視図である。押さえリング部材92の外周には、図14(a)のネジ孔101の雌ネジ部に螺合される雄ねじ部111が形成されている。押さえリング部材92の内周部には、レンズ保持リング93が係合する段部112が形成されている。また、押さえリング部材92には、支持板91のネジ孔101への螺合時に押さえリング部材92を回動させるために用いるすり割り113も形成されている。なお、押さえリング部材92は、支持板91に螺合したときにそれらの中心同士が精度良く一致するように、加工されている。
【0077】
図16はレンズ保持リング93を示す図であり、図16(a)は図13中の左側から見た正面図、図16(b)は図16(a)中のJ−J’矢視図である。レンズ保持リング93は、押さえリング部材92の段部112に係合しかつ押さえリング部材92の内周と適合し、このときレンズ保持リング93の中心が押さえリング部材92の中心と精度良く一致するようになっている。レンズ保持リング93の内径は、テラヘルツ光集光レンズ2の外径より小さくされ、テラヘルツ光集光レンズ2の球面部に当接するようになっている。レンズ保持リング93は、テラヘルツ光集光レンズ2が破損するのを防止するための緩衝用部材となっている。
【0078】
本実施の形態では、図13に示すように、支持板91が、本体ブロック4の凹所34に適合されて嵌め込まれ、図8中のネジ孔37に螺合されたネジ7で本体ブロック4に固定されている。そして、図15(b)の段部112にレンズ保持リング93が係合された押さえリング部材92が、支持板91のネジ孔101に螺合され、テラヘルツ光集光レンズ2の平面部が基板保持部材8に完全に当接するまで締め付けられている。テラヘルツ光集光レンズ2は、このようにして、レンズ保持リング93と基板保持部材8との間に挟持されることで、保持されている。したがって、本実施の形態では、押し付け部材13は、導電部材11a,11b及びテラヘルツ光検出素子部1をテラヘルツ光集光レンズ2へ押し付けるのみであり、前記第1の実施の形態と異なり、テラヘルツ光集光レンズ2の平面部を保持する力を付与するわけではない。
【0079】
ここで、本実施の形態によるテラヘルツ検出器について、本体ブロック4に対するテラヘルツ光集光レンズ2及びテラヘルツ光検出素子部1等の組立方法を説明する。
【0080】
まず、支持板91を本体ブロック4の凹所34に嵌合し、支持板91をネジ7で本体ブロック4に固定する。次に、レンズ保持リング93を押さえリング部材92の段部112に適合させ、この押さえリング部材92を、支持板91のネジ孔101に螺合する。このとき、押さえリング部材92の螺合の程度は、図13に示す正規の位置より余裕を持って図13中の左側に位置する程度(例えば、2回転螺合した程度)とする。次いで、テラヘルツ光集光レンズ2の球面側をレンズ保持リング93の孔に収めた後、基板保持部材8を本体ブロック4の凹所35に嵌合し、基板保持部材8をネジ9で本体ブロック4に固定する。その後、押さえリング部材92を更に螺合していき、テラヘルツ光集光レンズ2の平面部が基板保持部材8に当接して固定されるまで、押さえリング部材92を締め付ける。その結果、レンズ保持リング93と基板保持部材8との間に挟持されることで、完全に保持され、本体ブロック4に対してがたつくようなことがない。
【0081】
次いで、前記第1の実施の形態と同様に、テラヘルツ光集光レンズ2とテラヘルツ光検出素子部1の基板21との間に真空グリースを薄く塗布し、基板21をテラヘルツ光集光レンズ2の平面部に密着させ、基板21を基板保持部材8の孔61に収める。このとき、前記第1の実施の形態の場合と異なりテラヘルツ光集光レンズ2が既に完全に保持されているので、テラヘルツ光検出素子部1の基板21をテラヘルツ光集光レンズ2の平面部へ載せる際の不安定さが生ずることがない。
【0082】
その後、基板保持部材8の電極部23b,24b上に銀ペーストを塗布した後、弾性部材12が予め接着された導電部材11a,11bを前述した図6に示す位置に置く。その後、押し付け部材13をネジ10で基板保持部材8を介して本体ブロック4に固定する。これにより、本体ブロック4に対する前述した部材等の組立が完了する。
【0083】
本実施の形態によれば、前述したように、支持板91、押さえリング部材92及びレンズ保持リング93を用いることにより、テラヘルツ光検出素子部1の基板21をテラヘルツ光集光レンズ2の平面部へ載せる前に、テラヘルツ光集光レンズ2を完全に保持しておくことができる。したがって、テラヘルツ光検出素子部1の基板21をテラヘルツ光集光レンズ2の平面部へ載せる際の不安定さが生ずることがなく、前記第1の実施の形態と比べて、組立の安定性が更に向上する。これ以外の点については、本実施の形態によっても、前記第1の実施の形態と同様の利点が得られる。
【0084】
以上説明した第1及び第2の実施の形態によるテラヘルツ光検出器は、基本的にそのままの構造で、テラヘルツ光発生器として用いることができる。この場合、素子部1はテラヘルツ光発生素子部となり、集光レンズ2は励起パルス光集光レンズとなる。素子部1から発生したテラヘルツ光は集光レンズ2を経て外部へ放射される。
【0085】
ただし、前述したテラヘルツ光検出器をテラヘルツ光発生器として用いる場合、通常は、素子部1の電極部23b,24b間にバイアス電圧として不変の直流電圧を印加するので、回路基板14を取り除き、導電部材11a,11bとコネクタ15との間をリード線で接続しておけばよい。もっとも、バイアス電圧として、変調した電圧を印加するような場合には、回路基板14を取り除くことなく、回路基板14に搭載する回路を当該変調のための回路に置き換えてもよい。
【0086】
以上説明した実施の形態ではダイポールアンテナの基板21を保持する部材として基板保持部材8を別設していたが、例えば、基板保持部材8に代えてテラヘルツ光集光レンズ2の平面部(基板21が当接する面)に、基板保持部材8の孔61と同形状の孔を形成してもよい。具体的には、テラヘルツ光集光レンズ2の平面部にほぼ基板21と同じ厚さ程度の凹部を形成し、その凹部の内部に基板21を落とし込む孔を形成すればよい。
【0087】
以上、本発明の各実施の形態及びその変形例について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0088】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、組立時におけるテラヘルツ光発生素子部又はテラヘルツ光検出素子部の破損を防止することができるテラヘルツ光発生器及びテラヘルツ光検出器を提供することができる。
【0089】
また、本発明によれば、テラヘルツ光発生素子部又はテラヘルツ光検出素子部の電極部に対するリード線の電気的な接続のための作業を容易に行うことができるテラヘルツ光発生器及びテラヘルツ光検出器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるテラヘルツ光検出器を示す平面図である。
【図2】図1に示すテラヘルツ光検出器の正面図である。
【図3】一部を切り欠いた図2中のA矢視図である。
【図4】図3中のB部の拡大図である。
【図5】一部を切り欠いた図3中のC−C’矢視図である。
【図6】図5中のD部の拡大図である。
【図7】図1乃至図6示すテラヘルツ光検出器で用いられているテラヘルツ光検出素子部を示す図である。
【図8】図1乃至図6示すテラヘルツ光検出器で用いられている本体ブロックを示す図である。
【図9】図1乃至図6示すテラヘルツ光検出器で用いられているレンズ保持板を示す図である。
【図10】図1乃至図6示すテラヘルツ光検出器で用いられている基板保持部材を示す図である。
【図11】図1乃至図6示すテラヘルツ光検出器で用いられている導電部材を示す図である。
【図12】図1乃至図6示すテラヘルツ光検出器で用いられている押し付け部材を示す図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態によるテラヘルツ光検出器の要部を示す断面図である。
【図14】図13に示すテラヘルツ検出器で用いられている支持板を示す図である。
【図15】図13に示すテラヘルツ検出器で用いられている押さえリング部材を示す図である。
【図16】図13に示すテラヘルツ検出器で用いられているレンズ保持リングを示す図である。
【符号の説明】
1 テラヘルツ光検出素子部(テラヘルツ光発生素子部)
2 テラヘルツ光集光レンズ
3 サンプリングパルス光集光レンズ(励起パルス光集光レンズ)
4 本体ブロック
5 レンズホルダ本体
6 レンズ保持板
8 基板保持部材
11a,11b 導電部材
12 弾性部材
13 押し付け部材
14 回路基板
15 コネクタ
16 金属カバー
91 支持板
92 押さえリング部材
93 レンズ保持リング
Claims (13)
- 励起パルス光に反応してテラヘルツ光を発生するテラヘルツ光発生素子基板と、前記テラヘルツ光発生素子基板からのテラヘルツ光を出射し、前記テラヘルツ光発生素子基板が当接されるテラヘルツ光用光学部材と、前記テラヘルツ光発生素子基板と前記テラヘルツ光用光学部材との位置合わせを行うために、前記テラヘルツ光発生素子基板を前記テラヘルツ光発生素子基板の面方向に対して保持する基板保持部材と、を備えたことを特徴とするテラヘルツ光発生器。
- 前記テラヘルツ光発生素子基板を前記テラヘルツ光用光学部材に押し付ける部材を、備えたことを特徴とする請求項1記載のテラヘルツ光発生器。
- 前記基板保持部材の組み付け時に前記テラヘルツ光用光学部材に対する前記基板保持部材の前記面方向への位置決めを行うための位置決め構造を、備えたことを特徴とする請求項1又は2記載のテラヘルツ光発生器。
- 一方の面上に形成された電極部とを有し光スイッチ素子を含むテラヘルツ光発生素子基板と、前記電極部に接触した導電部材と、を備え、リード線が前記導電部材を介して前記電極部と電気的に接続されるように、前記リード線が前記導電部材に電気的及び機械的に接続されたことを特徴とするテラヘルツ光発生器。
- 前記導電部材を前記電極部に押し付ける部材を備えたことを特徴とする請求項4記載のテラヘルツ光発生器。
- 前記テラヘルツ光発生素子基板をその基板の面方向に対して保持するがその基板の面方向と垂直な方向に対して保持しない基板保持部材を、備えたことを特徴とする請求項4又は5記載のテラヘルツ光発生器。
- サンプリングパルス光に反応してテラヘルツ光を検出するテラヘルツ光検出素子基板と、前記テラヘルツ光検出素子基板へテラヘルツ光を導くテラヘルツ光用光学部材と、前記テラヘルツ光検出素子基板と前記テラヘルツ光用光学部材との位置合わせを行うために、前記テラヘルツ光検出素子基板を前記テラヘルツ光検出素子基板の面方向に対して保持する基板保持部材と、を備えたことを特徴とするテラヘルツ光検出器。
- 前記テラヘルツ光検出素子基板を前記テラヘルツ光用光学部材に押し付ける部材を、備えたことを特徴とする請求項7記載のテラヘルツ光検出器。
- 前記基板保持部材の組み付け時に前記テラヘルツ光用光学部材に対する前記基板保持部材の前記面方向への位置決めを行うための位置決め構造を、備えたことを特徴とする請求項7又は8記載のテラヘルツ光検出器。
- 一方の面上に形成された電極部とを有し光スイッチ素子を含むテラヘルツ光検出素子基板と、前記電極部に接触した導電部材と、を備え、リード線が前記導電部材を介して前記電極部と電気的に接続されるように、前記リード線が前記導電部材に電気的及び機械的に接続されたことを特徴とするテラヘルツ光検出器。
- 前記導電部材を前記電極部に押し付ける部材を備えたことを特徴とする請求項10記載のテラヘルツ光検出器。
- 前記テラヘルツ光検出素子基板をその基板の面方向に対して保持するがその基板の面方向と垂直な方向に対して保持しない基板保持部材を、備えたことを特徴とする請求項10又は11記載のテラヘルツ光検出器。
- 前記電極部を流れる電流を電圧に変換し増幅する回路が搭載されかつ前記導電部材の付近に配置された回路基板を備え、前記リード線が前記回路基板に電気的に接続されたことを特徴とする請求項10乃至12のいずれかに記載のテラヘルツ光検出器。
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