JP2004207083A - セラミックヒータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】セラミック体の半径をR1(mm)とし、前記金属板の内周面の曲率半径をR2(mm)とし、前記金属層の平均厚みをt(mm)としたとき、−0.1≦(R1−R2)<tとする。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は耐熱衝撃性、高温安定性に優れ、昇温特性及び耐久性の良好な石油ファンヒータ等の各種燃焼機器の点火用又は気化用ヒータや、酸素センサー等の各種センサーや測定機器、電子部品、産業機器、あるいは温水ヒータ、半田ごて等の一般家庭用電気製品等の加熱用ヒータ、更にはディーゼルエンジン等の始動時やアイドリング時に副燃焼室内を急速に予熱する内燃機関用グロープラグ等に適用される直流あるいは交流電源で使用される高温用のセラミックヒータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ディーゼルエンジンの始動促進に用いられるグロープラグをはじめとする各種点火並びに加熱用ヒータとしては、耐熱金属製のシース内に高融点金属線等から成る発熱抵抗体を埋設した各種シーズヒータや、火花放電を利用した各種点火装置が多用されていたが、それらはいずれも急速昇温が困難であり、その上、耐摩耗性や耐久性に劣り、とりわけ前記各種点火装置においては、点火時に雑音等の電波障害が発生し易い他、確実な点火という点からの信頼性に欠ける等の欠点があった。
【0003】
そこで熱伝達効率が優れ、急速昇温が可能で電波障害が発生せず、しかも確実に点火して安全性も高く、耐摩耗性や耐久性に優れた信頼性の高い発熱体として、セラミック焼結体と高融点金属やその化合物、及びそれらを主成分とする各種無機導電材から成る発熱部を担持または接合、あるいは埋設したセラミック発熱体が、内燃機関のグロープラグをはじめ、各種加熱用ヒータとして広く利用されるようになってきた。
【0004】
一般に、セラミック発熱体としては、アルミナセラミックスの表面や内部に高融点金属の発熱部を設けたセラミックヒータが知られているが、電気絶縁材料として用いられるアルミナ(Al2O3)は耐熱衝撃性や高温強度に劣ることから、セラミック発熱体のセラミック体には耐熱性や耐熱衝撃性、耐酸化性に優れた非酸化物系セラミックス、とりわけ耐熱性に優れ、高温強度も高く、熱容量が小さく、電気絶縁性が良好な窒化珪素質セラミックスが、急速昇温可能な高温用のセラミック発熱体のセラミック体として広く採用されている。
【0005】
次に、窒化珪素質セラミックスを用いた従来のセラミックヒータ1を図面に基づき説明する。図1において、セラミックヒータ1は、円筒状もしくは円柱状の窒化珪素質焼結体から成るセラミック体4の一方の端部に埋設されたWCを主成分とする略U字状の発熱部2と、該発熱部2の両端部に接続された第2リード3、リード線5、該リード線5および電極引出部6が内蔵され、該電極引出部6の端部はセラミック体4の表面に露出するように形成されている。これらは、電気的に接続した構造となっている。
【0006】
かかるセラミック体4の端部側面に露出した電極引出部6には、特許文献1に示されているように、その上に金属層7が被着形成され、外部電源に接続されるリード金具9が接合されたNiの金属板8が前記金属層7により接合されていた。
【0007】
【特許文献1】
特開平7−25674号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このように前記接合応力緩和材を成す金属板8を介してセラミック体4とリード金具9を接合したとしても、電極取り出し部6の温度を40℃と450℃の温度に繰り返し加熱冷却する耐久試験で500サイクルを越える長期的な加熱冷却の反復に対しては、金属板8のロウ付け部周辺に残留応力が発生し、クラックが成長して接合強度が低下するという問題があった。
【0009】
その結果、リード金具9の剥離や、前記クラックが内部のリード線5に伸び、リード線5の周囲の隙間から酸素が侵入し発熱体2が酸化してセラミックヒータ1の耐久性が劣化し、長期的な信頼性に欠けるという課題があった。
【0010】
本発明は前記課題に鑑み成されたもので、その目的は、リード金具を接合した電極取り出し金属板の接合部が長期的な加熱冷却の反復に耐える強度を有し、クラック等が発生せず、かつ耐熱衝撃性、高温安定性に優れ、昇温特性の良好な各種燃焼機器の点火用又は気化用ヒータや、各種センサーや測定機器、電子部品、産業機器、一般家庭用電気製品等の加熱用ヒータ、更には内燃機関用グロープラグ等に好適な高温用のセラミックヒータを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明のセラミックヒータは、円筒状または円柱状のセラミック体に、通電により発熱する無機導電材からなる発熱部を埋設し、該発熱部に通電するための電極取り出し部に、リード金具を配設した曲面状の金属板を金属層を介して接続したセラミックヒータにおいて、前記電極取り出し部におけるセラミック体の曲率半径をR1(mm)とし、前記金属板の内周面の曲率半径をR2(mm)とし、前記金属層の平均厚みをt(mm)としたとき、−0.1≦(R1−R2)<tであることを特徴とする。
【0012】
また、本発明のセラミックヒータは、前記金属層が、Au−Cu合金、もしくはAg−Cu合金、Au−Ni合金を主成分とするロウ材からなることを特徴とする。
【0013】
そして、本発明のセラミックヒータは、前記金属層が、活性金属としてバナジウム(V)又はチタン(Ti)を含有することを特徴とする
さらに、本発明のセラミックヒータは、前記金属板の周辺部とセラミック基体との間に形成される金属層の厚みが30〜150μmであることを特徴とする。
【0014】
【作用】
本発明のセラミックヒータは、稼働時の加熱冷却の反復によるセラミック発熱体のセラミック体と、前記電極取出用の金属板との熱膨張差で発生する応力により、活性金属を含有した金属層と電極取り出し部及びセラミック体、曲面電極取り出し金属板等との接合強度を損なうことを防止し、セラミックヒータを構成する円筒状もしくは円柱状セラミック発熱体のロウ付け部周辺のクラック発生を防止して耐久性を向上させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のセラミックヒータについて詳述する。図1(a)は、本発明のセラミックヒータ1の一実施形態を示す斜視図であり、図1(b)はそのX−X断面図である。
【0016】
セラミックヒータ1は、円柱状の窒化珪素質焼結体から成るセラミック体4の一方の端部に埋設されたWCを主成分とする略U字状の発熱部2と、これに接続される第2リード部3、該第2リード部の両端部と電気的に接続されたリード部5と、該リード部5に接続し他端側面で露出した電極取出部6と、金属層7にリード金具9が接続された金属板8で構成された略円柱状を成すものであり、リード部5は、WCを主成分とする導電体、またはW線、あるいはそれらを組み合わせて構成されるもので、抵抗値を下げて通電による発熱を発熱部2より小さくなるように調整している。
【0017】
図2は、セラミック体4の製法を示す展開図である。セラミック生成形体4aの表面に順次発熱体2、第2リード部3、リード線5、電極引出部6を設置し、これを2層重ね、さらにその上に別のセラミック成形体4aを重ねて、ホットプレス焼成により一体焼成する。その後、焼結体を円柱加工してセラミック体4とする。
【0018】
尚、本発明のセラミックヒータを構成するセラミック体4は、ブロック状又は層状の発熱部2を平面視した時にU字状やW字状等、任意の形状を成すもので、該発熱体2をセラミック体4にプリントや転写等の手法により形成したり、あるいは、線状の発熱部2をコイル状に巻回したり、屈曲させたりしたものをセラミック体4に埋設したりし、かかる発熱部2の両端にW材等から成るリード線5を電気的に接続したものでも良い。
【0019】
図3は、図1の円筒状もしくは円柱状セラミックヒータ1の要部断面図であり、セラミック体4の曲率半径をR1(mm)、金属板8の曲率半径をR2(mm)、金属層7の平均厚みをt(mm)としたとき、−0.1≦(R1−R2)<tの関係を満足すれば、金属層7を介してセラミック体4に金属板8を接合する際に、溶融した金属層7がその表面張力により、金属板8をセラミック体2側に引っ張るような力が働くので、金属板8の外周部で金属層7の厚みが薄くなり、金属層7および金属板8とセラミック体4との熱膨張差による応力を緩和し、使用中の熱サイクルに対し良好な耐久性を示す。
【0020】
このためには、金属層7の量の調整も必要である。(金属層7の平均厚み)×(金属層7の面積)で示される容積に対して、±15%以内のバラツキ範囲内に収まるように金属層7の塗布量を調整することが好ましい。
【0021】
ここで金属層7の平均厚みtとは、金属板8外周部の厚みと金属板8中央の厚みを平均したものとする。
【0022】
これに対し、(R1−R2)が−0.1(mm)より小さい場合は、金属板8全面に金属層7が形成されにくくなり金属層7中に巣が発生して、応力集中によりクラックが発生するという不具合がある。また(R1−R2)がt(mm)以上となると、金属板8の端とセラミック体4との隙間が大となり、金属板8端部の金属層7の厚みが厚くなり、セラミック体4と金属層7間の熱膨張差による残留応力によりクラックが発生するという不具合が発生する。
【0023】
本発明のリード金具9を接合した電極取出用の金属板8は、活性金属を含有した金属層7で加熱接合した後の冷却過程や、稼働時の加熱冷却で発生するセラミック体と4の熱膨張差を緩和するものであれば、いずれの材質でも適用可能であるが、前記セラミック体4の熱膨張率3.0〜5.4×10-6/℃に近似した3.0〜7.5×10-6/℃の金属板8が望ましい。
【0024】
また、前記金属板8は、塑性変形し易いという点からは、ヤング率が14〜15×103kg/mm2を示すFe−Ni−Co合金やFe−Ni合金等の鉄(Fe)基合金が最適であり、前記金属板8自体の塑性変形で前記熱膨張差により発生する応力を十分吸収できるという点からは、金属板8の角部は応力集中を回避するために面取りや丸く曲面加工を施しておくことはより好ましい。
【0025】
また、前記金属層7と接着する電極取り出し部の金属板8は、熱膨張差による応力が狭い範囲に集中するのを回避するため、金属板8が接合される前記金属層7の表面積に対して20%以上の接合面積で接合することが好ましいが、逆に、80%を越えると応力が集中する金属板8の外周部と金属層7の外周が接近し応力が集中してクラックが発生しやすくなることから、前記接合面積は金属層7の表面積の20〜80%とすることが好ましく、しかも前記金属板8の外周部は金属層7の外周部のいずれの縁とも重ならないことが望ましい。
【0026】
一方、前記電極引出部6は削り出した露出面のままでも良いが、Ni等の金属被覆を施し、その上に金属層7を形成すれば、さらに接続の信頼性を向上させることができる。また、金属板8に接続するリード金具9としては低熱膨張率のNi線等も適用できる。
【0027】
また、前記金属板8の周囲における金属層7の厚みは30〜150μmとすることが好ましい。前記金属層7の厚みが150μmを越えると、金属層7の厚みが大きくなり熱膨張差に起因する熱応力によりクラックが発生しやすくなるので好ましくない。また、前記金属層7の厚みが30μm未満であると、金属層7を形成する金属の量が少なくなるので金属層7中に巣が発生し、リード金具9接合部が金属板8から浮いていた場合に、リード金具9に対する応力によりリード金具9引き千切れてしまうといった問題が発生するので好ましくない。
【0028】
そして、本発明における金属層7としては、Au−Cu合金、もしくはAu−Cu合金、Au−Ni合金を主成分とし、合計量が90〜99重量%で、残部1〜10重量%がV、Mo、Ti、Zr、Hf、Mnのいずれか一種以上の活性金属を含有するもの等が挙げられ、前記活性金属は窒化物や炭化物、水素化物等の形態で含有させても良い。これにより、使用中の熱サイクルに対するセラミックヒータ1の耐久性を向上させることができる。また、前記金属層7は、活性金属としてバナジウム(V)又はチタン(Ti)を含有することが好ましい。
【0029】
前記活性金属の量が1重量%未満では接合強度の向上効果が見られず、10重量%を越えると前記金属層7の焼き付け温度が高くなるとともに、冷却時に大きな残留応力を生じてクラックの原因となるため前記範囲に限定され、1〜5重量%が最も望ましい。また、マイグレーション等による短絡の防止という点からは、金属層7としては貴金属の主成分としてAuを含有するものが最も望ましい。
【0030】
なお、前記金属層7は、電極取り出し部と電気的に接続しておれば、電極取り出し部より引き出して設けることも可能であり、該金属層7の表面積の20〜80%の範囲内に曲面電極取り出し用の金属板8が実質的に接着した面積を有しておれば良い。
【0031】
本発明のセラミックヒータ1におけるセラミック体4の材料としては、窒化珪素質セラミックス、窒化アルミニウム質セラミックス等の非酸化物セラミックスや、アルミナ、ムライト等々の酸化物セラミックスのセラミック焼結体から成るセラミック体4で構成される。特に、非酸化物セラミックスにおいて、金属層7、金属板8とセラミック体4との熱膨張差による応力のために、使用中の熱サイクルによる疲労によりセラミック体4にクラックが発生することを防止するために有効である。
【0032】
例えば、窒化珪素質セラミックスとしては、その粒界相が焼結助剤成分の周期律表3a族元素や珪素等を含む結晶相あるいはガラス相で構成されるが、望ましくは粒界にモノシリケート(RE2SiO5)やダイシリケート(RE2Si2O7)からなる結晶相を主相として析出させたものが好適である。それは、前記モノシリケートやダイシリケートの析出がセラミック体4の高温における耐酸化性を高めるからである。また、セラミック体4の粒界相にダイシリケートを析出させることと関連して、セラミック体4中の全希土類元素の酸化物換算量と、不純物的酸素のSiO2換算量とのモル比は、耐酸化性の点からは2以上であることが好ましく、また焼結体の緻密化という点からは5以下に制御することが望ましい。
【0033】
また、酸化物セラミックスの一例としてのアルミナとしては、アルミナ88〜95重量%に対し、シリカ(SiO2)2〜6重量%、マクネシア(MgO)1〜3重量%、カルシア(CaO)1〜3重量%を含むようなものを使用することができる。
【0034】
尚、前記発熱体2を成す無機導電材の構成成分を、セラミック体4である非酸化物系セラミック焼結体中に少量添加して発熱体2とセラミック体4との熱膨張差や反応性を調整しても良い。
【0035】
また、前記無機導電材の主成分に対して、その粒成長を制御してセラミック体4との熱膨張差によるクラックを防止し、かつ抵抗を増大させないようにするために、窒化珪素、窒化硼素、窒化アルミニウムあるいは炭化珪素の一種以上を発熱体2中に含有させても良く、その量は主成分100重量部に対して、例えば、窒化珪素は5〜30重量部、窒化硼素(BN)は1〜20重量部、窒化アルミニウムは1〜15重量部、炭化珪素は3〜15重量部の割合であることが望ましい。
【0036】
また、前記発熱体2の無機導電材は、W、Mo、Ti等の高融点金属、あるいはWCやMoSi2、TiN等の高融点金属の炭化物や珪化物、窒化物等を主成分とする抵抗体が挙げられ、望ましくはセラミック体4をなすセラミックスとの熱膨張差、及び高温度下でもそれらと反応し難いという点からは、WCあるいはWを主成分とするものが好適である。
【0037】
【実施例】
次に、本発明のセラミックヒータ1を以下に詳述するようにして評価した。
【0038】
先ず、比表面積が7〜15m2/gのSi3N4粉末に、希土類元素の酸化物としてYb2O3を10〜15重量%、及びMoSi2を5重量%未満と、Al2O3を適量、それぞれ焼結助剤として添加し、必要に応じて着色剤や熱膨張率調整剤としてMoSi2、Mo2C、WSi2、WO3、WC等を適宜含有させて24時間ボールミルで湿式混合した。
【0039】
その後、得られた前記泥漿をそれぞれ噴霧乾燥して造粒し、該造粒体を用いてプレス成形法により平板状の生成形体4aを作製した。
【0040】
次に、WCの微粉末80重量%とSi3N4の微粉末20重量%の混合粉末に溶媒を加えて調製したペーストを使用して、スクリーン印刷法等によりU字状のパターンで、最終的に焼結体の先端より約5mm以内に位置するように前記生成形体4aの表面に発熱体2を形成した。
【0041】
更に、92重量%のWCと8重量%のBNの各微粉末から成るペーストを使用して、前記発熱体2の両端と一部が重なるようにして第2リード3を所定の位置に形成する。
【0042】
その際、電極引出部6を前記第2リード3と同一組成のペーストで生成形体4aの他端に、前記同様にして矩形状のパターンを2か所、生成形体4aの側面まで平行に所定の配置でそれぞれ形成した。
【0043】
次に、前記発熱体2部及び第2リード3、電極取引出部6をそれぞれ印刷形成した各生成形体4aに、直径0.3mmのW線を前記リード部及び電極取り出し部のパターンとそれぞれ電気的に接続するように載置し、その上に別の生成形体4aを重ねた後、む還元性の雰囲気下1780℃の温度で1時間以上、ホットプレス焼成して略直方体形状のセラミック体4を得た。
【0044】
そして、略直方体形状のセラミック体4をセンタレスにより円柱状に加工した。
【0045】
その後、前記セラミック体4の電極引出部6の露出部と接続するように、金属層7をそれぞれスクリーン印刷法で3mm角の正方形状に被着し、真空炉中1000℃の温度で金属層7を焼き付けた。
【0046】
次いで、前記金属層7上に表1に示すようにセラミック体4の曲率半径をR1とし、金属板8の内周面の曲率半径をR2とし、金属板8の厚みを0.20mmとしたとき、(R1−R2)を種々設定し、その上に直径0.6mmのNi製のリード金具9を溶接したFe−Ni−Co合金から成る前記金属板8を載置し、真空炉中、900〜1200℃の温度で接続した。
【0047】
また、アルミナからなるセラミックヒータとして、Wからなる発熱体を内蔵し、電極引出部にWからなる電極パッドと、平均厚み50μmのAu−Cuロウからなる金属層と厚み200μmのFe−Ni−Co合金からなる金属板を有し、(R1−R2)が0mmであるセラミックヒータを作製した。
【0048】
かくして得られた評価用のセラミックヒータ1を用いて、600℃の温度で1000時間暴露する連続放置の耐久試験後、及び40℃と450℃の両温度に暴露する工程を1サイクルとする冷熱サイクルを10000サイクル実施する耐久試験後のそれぞれの電極取り出し用の金属板8の接続状態を以下のような方法で評価した。
【0049】
先ず、前記セラミックヒータ1の耐久試験前後の抵抗値を測定し、抵抗変化率の最大値を求めると共に、冷熱サイクル耐久試験後の電極取り出し用の金属板8の接続部周辺を浸透探傷試験法と顕微鏡による検査を行い、クラックの有無を確認した。
【0050】
【表1】
【0051】
表1から明らかなように、本発明の範囲外である試料番号1、2、8、9、14、15は耐久試験前後の抵抗変化率が13.3%以上と大きく、しかもいずれも耐久試験後にはセラミック体4にクラックが認められた。なお、従来例は試料番号1、2に相当する。
【0052】
これに対し、本発明のセラミックヒータ1はいずれも抵抗変化率が6.0%以下と小さく、セラミック体4にもクラックは発生しなかった。抵抗変化率が6.0%以下のものは耐久評価後のクラックは発生しておらず、セラミック体4の半径R1と、金属板8の内周面の曲率半径R2の差(R1−R2)が本発明の範囲内であれば応力の集中が回避され、その結果、電極取り出し用の金属板8の接続強度が大幅に改善されていることが確認できた。
【0053】
尚、本発明のセラミックヒータ1は前記実施例に限定されるものではなく、前記金属層7及び金属板8の形状は、本発明の主旨を逸脱しないものであればいかなる形状でも良く、またセラミック体4の断面形状も用途に応じて種々の変更が可能であり、また発熱体2を平行に複数配設して多層構造とし、各発熱体2を直列にあるいは並列に接続した構造としたものに適用しても同様の効果を奏するものである。
【0054】
【発明の効果】
上記のように、本発明のセラミックヒータは、円筒状または円柱状のセラミック体に、通電により発熱する無機導電材からなる発熱部を埋設し、該発熱部に通電するための電極取り出し部に、リード金具を配設した曲面状の金属板を金属層を介して接続したセラミックヒータにおいて、前記電極取り出し部におけるセラミック体の曲率半径をR1(mm)とし、前記金属板の内周面の曲率半径をR2(mm)とし、前記金属層の平均厚みをt(mm)としたとき、−0.1≦(R1−R2)<tとなるようにしたことから、常温付近から高温まで急速に昇温することを長時間にわたり反復したり、高温下で発熱させて飽和状態で長時間、連続稼働したりしても、リード線を接続した電極取り出し金属板との接合部が長期的な加熱冷却の反復に耐える強度を有し、かつ耐熱衝撃性、高温安定性に優れ、昇温特性の良好な耐久性に優れたセラミックヒータが得られる。
【0055】
また、前記金属層が、Au−Cu合金、もしくはAg−Cu合金、Au−Ni合金を主成分とするロウ材とすれば、使用中の熱サイクルに対して耐久性良好なセラミックヒータとすることができる。
【0056】
そして、前記金属層が、活性金属としてバナジウム(V)又はチタン(Ti)を含有することによりセラミック体に対する前記金属層の接合強度をさらに向上させることができる。
【0057】
また、前記金属板の周辺部とセラミック基体との間に形成される金属層の厚みを30〜150μmとすることにより金属層とセラミック基体の合いだの熱膨張差による応力を低減させ、耐久性をさらに改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明のセラミックヒータの斜視図であり、(b)はそのX−X線断面図である。
【図2】本発明のセラミックヒータにおけるセラミック体の製造工程を説明するための図である。
【図3】本発明のセラミックヒータの要部断面図である。
【符号の説明】
1:セラミックヒータ
2:発熱部
3:第2リード部
4:セラミック体
5:リード部
6:電極引出部
7:金属層
8:金属板
9:リード金具
Claims (4)
- 円筒状または円柱状のセラミック体に、通電により発熱する無機導電材からなる発熱部を埋設し、該発熱部に通電するための電極取り出し部に、リード金具を配設した曲面状の金属板を金属層を介して接続したセラミックヒータにおいて、前記電極取り出し部におけるセラミック体の曲率半径をR1(mm)とし、前記金属板の内周面の曲率半径をR2(mm)とし、前記金属層の平均厚みをt(mm)としたとき、−0.1≦(R1−R2)<tであることを特徴とするセラミックヒータ。
- 前記金属層が、Au−Cu合金、もしくはAg−Cu合金、Au−Ni合金を主成分とするロウ材からなることを特徴とする請求項1記載のセラミックヒータ。
- 前記金属層が、活性金属としてバナジウム(V)又はチタン(Ti)を含有することを特徴とする請求項1記載のセラミックヒータ。
- 前記金属板の周辺部とセラミック体との間に形成される金属層の厚みが30〜150μmであることを特徴とする請求項1記載のセラミックヒータ。
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