JP3811440B2 - セラミックヒータ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、石油ファンヒータ等の各種燃焼機器の点火用ヒータ、酸素センサ等の各種センサや測定機器の加熱用ヒータ、自動車用グロープラグなどに利用されるセラミックヒータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より各種電子部品の絶縁基体として利用されてきた酸化物系のセラミックスに加え、近年、耐熱性及び耐食性、耐摩耗性、電気絶縁性により優れた、高強度でかつ比重が小さいという顕著な特徴を有する非酸化物系セラミックスが、化学プラントや工作機械をはじめとする各種産業機械装置や、自動車用のディーゼルエンジン等の内燃機関部品として多用されるようになっている。
【0003】
例えば、ディーゼル機関の始動時やアイドリング時に、副燃焼室内を急速に予熱するために用いられる内燃機関用グロープラグや、内燃機関の排気ガス中の酸素濃度を検知し、排気ガス制御を行うための酸素センサ素子の活性化を促進するために内装されるヒータ等の各種補助加熱用ヒータとしては、従来の急速昇温特性や、耐摩耗性、耐食性等の耐久性に劣る、発熱抵抗線と耐熱絶縁粉末とを耐熱金属製筒内に埋設したシーズヒータに代わり、熱伝導性が良好な電気絶縁性セラミック焼結体に、高融点金属やその化合物、及びそれらを主成分とする各種無機導電材から成る発熱抵抗体を担持したり、接合したり、あるいは埋設したりして一体化したセラミックヒータが広く利用されるようになっている。
【0004】
しかしながら、セラミック部材と金属部材の接合体においては、両部材の熱膨張率が大きく異なることから、該熱膨張差に起因する歪み、即ち、残留応力が両部材の接合部近辺、例えば、前記各種ヒータでは、セラミック発熱抵抗体の電極取り出し部と電極金具との接合部、とりわけその接合界面に発生し、セラミック部材と金属部材との接合強度の低下や、金属部材の収縮力によるセラミック部材あるいは金属部材自体の破壊や、接合界面からの剥離を招きやすいという欠点があった。
【0005】
従来のセラミックヒータの構造を図1を用いて説明する。たとえば、特許文献1や特許文献2に示されているように、不図示のセラミックグリーンシートの上面に発熱部2と電極取り出し部4をプリント形成し、これらの間を接続するようにタングステンリード9を載置し、前述と同様のセラミックグリーンシートを重ねて、ホットプレス焼成し、セラミックヒータ1の焼結体を得る。その後、電極取り出し部4の端面が露出するようにセラミックヒータ1焼結体の端面を研磨した後、ロウ材5をプリント形成し、真空中800〜1300℃で焼き付けする。その上に、リード線7を接合した応力緩和材6を載置してロウ付けすることにより、セラミック体3とリード線7との熱膨張差を解消し、高温まで接合強度を維持することができる。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−21556号公報
【特許文献2】
特開平2−78174号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記応力緩和材6を介してセラミック体3と金属のリード線7を接合し、ロウ材5として接合強度が高い活性金属を含有するロウ材を用いて接合したとしても、セラミック体3にマイクロクラックが発生することは防げず、このマイクロクラックは、電極引き出し部4に達して抵抗変化を引き起こすという問題があった。また、応力緩和材6の端部の厚みが中央部の厚みと同等もしくは厚い状態であったため、残留応力が大きくマイクロクラックの発生に繋がる原因となっていた。
【0008】
従来は、一般家庭用電気製品等の数十Ωのヒータにおいてこのマイクロクラックによる抵抗変化は微少で発熱に影響を与えるものではなかった。近年、低電圧で用いる低抵抗のヒータにおいてはこのマイクロクラックによる抵抗変化がヒータ全体抵抗に対して占める割合は大きく、その結果、電極取り出し部4が発熱し、耐久性が低くなるという問題点が発生するようになった。
【0009】
即ち、電極取り出し部4の温度を想定した40℃と350℃の温度に繰り返し加熱冷却する耐久試験では短期的な試験には耐えるものの、10,000サイクルを越える長期的な加熱冷却の反復に対しては、セラミックヒータ1のろう付け部周辺に残留応力が発生し、前記加熱冷却の繰り返しによりクラックが成長して接合強度が低下し、その結果、接合した応力緩和材6の剥離や、前記クラックから発熱部2が酸化してセラミックヒータ1自体の抵抗変化等を生じて、耐久性が劣化して長期的な信頼性に欠けるという問題点があった。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題について調査した結果、電極取り出し部と応力緩和材との接続部において、応力緩和材の中央部に対する周辺部の厚み及び側端部の形状が抵抗変化、耐久性を左右している一つの要因であることを突き止めた。そこで、応力緩和材の周辺部及び側端部の厚み、形状を制御することにより、前記問題点を解消できることを見いだした。これにより、抵抗変化の少ない優れた耐久性を有するセラミックヒ−タを得ることが可能になった。
【0011】
すなわち、本発明のセラミックヒータは、セラミック体の内部に発熱部とこれに連続する電極取り出し部を備え、該電極取り出し部の端部を表面に露出させるとともに、この露出部に応力緩和材をロウ材を用いて接合したセラミックヒータにおいて、前記応力緩和材の表面から前記セラミック体の表面までの距離が、中央部よりも側端部の方が短くなっていることを特徴とする。なお、ここでいう「応力緩和材の表面」とは、応力緩和材の主面のうち、セラミック体に対向する側の主面(ロウ材によりセラミック体に接合された接合面)と反対側の主面のことをいう。具体的には、後述する図2,3に記載されたセラミックヒータの場合、応力緩和材6の上面のことをいう。
【0012】
また、本発明のセラミックヒータは、前記応力緩和材の側端部の稜線が曲面状であることを特徴とする。さらに、本発明における前記応力緩和材には、中央部側から側端部側に向かって前記距離が漸次短くなるように傾斜面が形成されていることを特徴とする。また、本発明における前記応力緩和材には、前記距離が、中央部よりも側端部の方が短くなるように段差が形成されていることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のセラミックヒータについて、図面に基づき説明する。
【0014】
図1において、セラミックヒータ1は、セラミック体3に発熱部2と電極取り出し部4を埋設し、電極取り出し部4の一端を露出させて、この露出部にロウ材5を備え、リード線7と応力緩和材6を接合した電極金具8をロウ付け等により接合したものである。
【0015】
また、図2は図1(b)の拡大図である。図2で示すように、応力緩和材6の中央部の厚みT2に対して、側端部の厚みT1を小さくし、両者の割合T1/T2を95%以下としてある。これにより、応力緩和材6の表面(上面)からセラミック体3の表面までの距離が、中央部よりも側端部の方が短くなっている。そのため、詳細を後述するようにリ−ド線7より通電し、加熱冷却を繰り返しても、耐久性を向上させることができる。
【0016】
セラミック体3にロウ材5を介して、電極金具8を接合した場合、応力緩和材6の側端部にはロウ材5のはい上がりが見られる。そのことにより、ロウ材5が応力緩和材6とセラミック体3の間にメニスカスを形成する。メニスカスが大きければ、残留応力が大きく、クラックが入ってしまい、電極部2への熱サイクル負荷をかけることにより、セラミックヒ−タ1自体の抵抗変化を生じて耐久性が劣化し、長期的な信頼性に欠けるものになっていた。
【0017】
そこで、応力緩和材6の中央部に対する側端部の厚みの割合T1/T2を小さくすることにより、応力緩和材6の表面からセラミック体3の表面までの距離を、中央部よりも側端部の方が短くなるようにして、メニスカスの形成を小さくし、残留応力を抑制することにより、常温付近から高温まで急速に昇温する事を長時間にわたり反復したり、高温下で発熱させて飽和状態で長時間連続稼働させたりしても、リード線7を接続した応力緩和材6との接合部が長期的な加熱冷却(40℃→350℃)の反復に耐える強度を有し、且つ耐熱衝撃性、高温安定性に優れ、昇温特性の良好な耐久性に優れたセラミックヒータ1が得られる。
【0018】
次に、本発明の他の実施形態を説明する。
【0019】
図3は、図2と同じく図1(b)の拡大図であり、応力緩和材6の側端部が曲面となっている。前記応力緩和材6の中央部に対する側端部の厚みの割合を95%以下にして側端部を曲面にすることにより、側端部の厚みをさらに小さくすることによりメニスカスの形成を小さくし、残留応力を抑制することにより、使用中の長期的な加熱冷却(40℃→350℃)の繰り返しにおいても、抵抗変化が小さくセラミックヒータ1の信頼性が大幅に改善することができる。この曲面の曲率半径は、0.5mm以上とすることが好ましい。この曲率半径が0.5mm未満ではロウ材5のせり上がりを防止する効果がなくなるからである。
【0020】
また、応力緩和材6の中央部の厚みは、0.05〜1mm、さらに好ましくは0.1〜0.5mmとすることが好ましい。応力緩和材6の厚みが0.05mm未満ではリード線7を接合する際に応力緩和材6が変形し、その部分のロウ材5の量が増加して、ロウ付け部の強度が低下する恐れがある。また、応力緩和材6の厚みが1.0mmを越えると効力緩和材6とセラミック体3の熱膨張差によりセラミック体3に引張応力が発生しクラックが発生するようになるので好ましくない。
【0021】
また、応力緩衝材6の形状としては、長辺×短辺で1mm×2mm〜4mm×5mm程度とすることが好ましい。応力緩衝材6の寸法が1mm×2mmより小さいと、応力緩衝材6にリード線7を接合する作業性が悪くなる。また、応力緩衝材6の寸法が4mm×5mmを越えると、応力緩衝材6とセラミック体3との熱膨張差によりセラミック体3にクラックが発生しやすくなるので好ましくない。
【0022】
また、応力緩衝材6の端部は、方形ではなく略長円形となるように、角部を1mm以上の曲率半径の曲面となるように加工することが望ましい。これにより、端部への応力集中を防止し、ロウ付け部の耐久性を向上させることができる。
【0023】
また、応力緩衝材6の材質としては、熱膨張率と耐熱性を考慮して、Fe−Ni−Co合金や4−2アロイ、インコネル、ハステロイB等の金属材料からなるものを使用することが好ましい。
【0024】
また、ロウ材と応力緩衝材6との濡れを良くするために、応力緩衝材6の表面にNi等の金属からなるメッキ層を形成しても構わない。
【0025】
また、応力緩和材6の外周は、その全周において上記のように中央部の厚みを側端部の厚みの95%以下とすることが好ましく、より好ましくは80%以下とする。但し、側端部の強度が低下して変形し、ロウ材のメニスカスが大きくなることを防止するために、前記厚みの下限としては30%以上とすることが好ましい。また、側端部の加工については、図2、図3に示したように斜面形状にしたり曲面形状にしたりする以外に、段差を形成して側端部の厚みを小さくすることにより、応力緩和材6の表面からセラミック体3の表面までの距離を、中央部よりも側端部の方が短くなるようにしても構わない。
【0026】
また、図2や図3のような応力緩和材6の側端部の加工は、切削加工やプレス加工もしくは鍛造により加工することができる。
【0027】
本発明のセラミックヒータ1に用いるセラミック体3としては、非酸化物系セラミックスである窒化珪素(Si3N4)や炭化珪素(SiC)、サイアロン、窒化アルミニウム(AlN)等を主成分とし、それぞれ所定の焼結助剤を含有するものを用いることができる。これらのセラミックスはビッカース硬度10GPa以上であり、このような硬度を有する非酸化物系セラミックスを用いれば好適である。
【0028】
また、発熱部2、電極取り出し部4に適用可能な無機導電材としては、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)等の高融点金属、あるいはタングステンカーバイト(WC)、珪化モリブデン(MoSi2)、窒化チタン(TiN)等の高融点金属の炭化物や珪化物、窒化物等を主成分とする抵抗体が挙げられる。非酸化物系のセラミック体3との熱膨張差、及び高温度下でもそれらと反応しがたいという点からは、WCあるいはWを主成分とするものが好適である。
【0029】
一方、前記無機導電材の主成分に対して、その成長を制御してセラミック体3との熱膨張差によるクラックを防止し、かつ電極取り出し部4においては金属部材によるクラックの進展を防止するために窒化珪素(Si3N4)、窒化硼素(BN)、窒化アルミニウム(AlN)あるいは炭化珪素(SiC)の1種以上からなる無機絶縁材を含有させることが望ましい。
【0030】
なお、上記無機導電材の含有率は10〜20重量%、無機導電材の平均粒径は0.1〜1.3μm、とりわけ0.2〜1.0μmの範囲が好ましく、この範囲内でその硬度が11.5GPa以上となるようにすれば良い。
【0031】
ロウ材5としては、主成分が金(Au)またはニッケル(Ni)、銅(Cu)、銀(Ag)パラジウム(Pd)のいずれか一種以上から成るもので、400℃以上の高温で使用しても酸化による劣化がないものを用いる。例えば、直流電源の通電が関与する使用条件下でのマイグレーションの防止を考慮すると、前記ロウ材5は金(Au)が50〜99重量%、ニッケル(Ni)が1〜50重量%の金(Au)とニッケル(Ni)の合金が最適である。
【0032】
また、前記ロウ材5には、活性金属として周期律表第4a族元素のチタン(Ti)、バナジウム(V)、マンガン(Mn)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)や、モリブデン(Mo)、シリコン(Si)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)のいずれか1種以上を含有することが好ましい。とりわけ、前記ロウ材5のセラミック体3への濡れ性が良く、セラミック体3の強度を劣化させないという点からは、バナジウム(V)またはモリブデン(Mo)の一種以上を活性金属として含有させることが最適であり、かかる活性金属は窒化物や炭化物、水酸化物等の形態で含有させても良い。
【0033】
前記セラミック体3と接合する応力緩和材6としては、該セラミック体3の熱膨張率と近似した値を有する金属、例えば、モリブデン(Mo)やタングステン(W)等の低熱膨張金属や、Fe−Ni系のインバー型合金、あるいはFe−P系のエリンバー型合金、WC−TiC−Co系の超硬合金等が挙げられ、耐酸化性や加工性、及びコストという観点からはFe−Ni−Co系合金あるいはFe−Ni系合金が望ましい。
【0034】
【実施例】
本発明を以下に詳述するようにして評価した。
【0035】
先ず、窒化珪素(Si3N4)粉末にイッテルビウム(Yb)やイットリウム(Y)等の希土類元素の酸化物から成る焼結助剤を添加したセラミック原料粉末を周知のプレス成形法等で平板状の成形体に成形し、該成形体の一端側の表面にWCを主成分とするペーストを用いてスクリーン印刷法によりU字状のパターンで発熱部2を形成し、同様にしてセラミック成形体の他端側から側面にかけて無機導電材と無機絶縁材の混合体からなる電極取り出し部4を形成した。
【0036】
次に、前記発熱部2と電極取り出し部4を電気的に接続するようにリード部を載置し、その上に別のセラミック成形体を重ねた後、還元性雰囲気下、1700〜1900℃の温度で焼成一体化してセラミックヒータ1を作製した。
【0037】
その後、前記セラミックヒータ1を研削することにより、露出した電極取り出し部4にAu、Ni、Vを含有したペーストを用いてスクリーン印刷法によりロウ材5を塗布し、800〜1300℃の真空雰囲気中で焼き付け処理を行って、ロウ材5を被着形成した。
【0038】
次にセラミックヒータ1に、幅2mm×長さ3mm×厚さ0.2mmのFe−Ni−Co合金からなる応力緩和材6に予めNiのリード線7をスポット溶接により接続した電極金具8を800〜1300℃の真空雰囲気中でロウ付けした。
【0039】
かくして得られたセラミックヒータ1の応力緩和材6の中央部の厚みT2に対する側端部の厚みT1の割合T1/T2を種々変化させてテストサンプルを作製し、室温と350℃雰囲気に繰り返し曝す冷熱サイクル試験を10,000サイクル行い抵抗変化率を測定した。その結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
表1から判るように、本発明の範囲内であるテストサンプルNo.11〜40は抵抗変化率がおおむね2%以下と極めて小さく、且つバラツキも非常に小さい。対して、応力緩和材6の中央部の厚みT2に対する側端部の厚みT1の割合T1/T2が105%又は100%のもの(テストサンプルNo.1〜10)は抵抗変化率が極めて大きく、なおバラツキも非常に大きいことがわかった。上記結果より、応力緩和材6の中央部の厚みT2に対する側端部の厚みT1の割合T1/T2を95%以下とすることにより、セラミックヒータ1の信頼性が大幅に改善されることが確認できた。
【0042】
続いて、前記同様にして得られたセラミックヒ−タ1において、図3の如く、応力緩和材6の側端部の形状を曲率半径1.5mmの曲面とした上で、応力緩和材6の中央部の厚みT2に対する側端部の厚みT1の割合T1/T2を種々変化させてテストサンプルを作製し、室温と350℃雰囲気に繰り返し曝す冷熱サイクル試験を10,000サイクル行い抵抗変化率を測定した。
【0043】
その結果を表2に示す。
【0044】
【表2】
【0045】
表2から判るように、本発明の範囲内であるテストサンプルNo.51〜80は抵抗変化率がおおむね2%以下と極めて小さく、且つバラツキも非常に小さい。対して、応力緩和材6の中央部の厚みT2に対する側端部の厚みT1の割合T1/T2が105%又は100%のもの(サンプルNo.41〜50)は応力緩和材6の側端部が曲面ではないものの結果(表1)と比較すると、抵抗変化率は多少小さくなっているが、2%を超えるものもあり、なおバラツキも大きく、不安定な結果である。上記結果より、応力緩和材6の側端部の面を曲面にすることにより、よりいっそうセラミックヒータ1の信頼性が大幅に改善されることが確認できた。
【0046】
尚、本発明のセラミックヒータ1は前記実施例に限定されるものでなく、前記応力緩和材6の形状は、本発明の主旨を逸脱しないものであればいかなる形状でもよく同様の効果を奏するものである。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、セラミック体の内部に発熱部とこれに連続する電極取り出し部を備え、該電極取り出し部の端部を表面に露出させるとともに、応力緩和材をロウ材を用いて接合したセラミックヒータにおいて、上記応力緩和材の厚みを、中央部より側端部を薄くしたことによって、応力緩和材の表面からセラミック体の表面までの距離を、中央部よりも側端部の方が短くなるようにしているので、ロウ付け部のセラミック体へのクラックの発生及び進展をくいとめ、抵抗変化の少ない優れた耐久性をもったセラミックヒータを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明のセラミックヒータを示す斜視図であり、(b)はその電極取り出し部の断面図である。
【図2】本発明のセラミックヒータの電極取り出し部の拡大図である。
【図3】本発明のセラミックヒータの電極取り出し部の拡大図である。
【符号の説明】
1 セラミックヒータ
2 発熱部
3 セラミック体
4 電極取り出し部
5 金属層
6 応力緩和材
7 リード線
8 電極金具
9 タングステンリ−ド
T1 応力緩和材の中央部の厚み
T2 応力緩和材の側端部の厚み
Claims (4)
- セラミック体の内部に発熱部とこれに連続する電極取り出し部を備え、該電極取り出し部の端部を表面に露出させるとともに、この露出部に応力緩和材をロウ材を用いて接合したセラミックヒータにおいて、前記応力緩和材の表面から前記セラミック体の表面までの距離が、中央部よりも側端部の方が短くなっていることを特徴とするセラミックヒータ。
- 前記応力緩和材の側端部の稜線が曲面状であることを特徴とする請求項1記載のセラミックヒータ。
- 前記応力緩和材には、中央部側から側端部側に向かって前記距離が漸次短くなるように傾斜面が形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のセラミックヒータ。
- 前記応力緩和材には、前記距離が、中央部よりも側端部の方が短くなるように段差が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のセラミックヒータ。
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