JP2004205827A - 熱転写型画像保護シート - Google Patents
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Abstract
【課題】非銀塩写真方式のカラーハードコピー記録方式で得られた記録物の画像を保護し、耐光性、耐オゾン性等をもたせ、また表面の粗い被転写紙に対しても良好な定着性を示し、保護層の転写後の転写物を丸めても保護層の表面にクラックが生じることなく、外観が損ねずに(耐屈曲性に優れる)、また、被転写紙との位置合わせの作業性が良好である熱転写型画像保護シートを提供する。
【解決手段】支持体上に該支持体表面から剥離可能な少なくとも1層以上の熱転写性樹脂層が積層された熱転写型画像保護シートにおいて、該熱転写型画像保護シートの熱転写性樹脂層側表面がディレードタック性を示すものである。すなわち、熱転写性樹脂層側表面において、塗液を調製して塗工後は、塗工表面に粘着性を生じていないが、該樹脂層の転写時のラミネータ等の加熱により、該樹脂層表面に粘弾性、粘着性が発現する。
【選択図】 図1
【解決手段】支持体上に該支持体表面から剥離可能な少なくとも1層以上の熱転写性樹脂層が積層された熱転写型画像保護シートにおいて、該熱転写型画像保護シートの熱転写性樹脂層側表面がディレードタック性を示すものである。すなわち、熱転写性樹脂層側表面において、塗液を調製して塗工後は、塗工表面に粘着性を生じていないが、該樹脂層の転写時のラミネータ等の加熱により、該樹脂層表面に粘弾性、粘着性が発現する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真記録方式、インクジェット記録方式、熱転写記録方式等の非銀塩写真方式のカラーハードコピー記録方式で得られた記録物の画像を保護し、耐光性等をもたせ、また表面の粗い被転写紙に対しても良好な定着性を示し、転写後の転写物の耐屈曲性に優れ、また、被転写紙との位置合わせの作業性が良好な熱転写型画像保護シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近のデジタルカメラやカラーハードコピー技術の進歩により、電子写真記録方式、インクジェット記録方式、熱転写記録方式等の非銀塩写真方式で、フルカラーの画像形成された印画物を、現像所に依頼して後で受け取るようなものでなく、必要な時に、その場で、即時に作製できるようになってきた。
しかし、これらのカラーコピーの印画物は、身近にある水や薬品等との接触により画像が滲んだり、また硬い材質の物と擦れたりすると、画像が剥がれたり汚れたりしてしまう。
【0003】
例えば、電子写真記録方式は、受像体にトナー像を転写し、熱ロールにより該トナーを溶融し、自然冷却で受像体に接着固定するものであるが、得られる記録物において、イエローのトナーによる画像の耐光性が十分ではない。
また、インクジェット記録方式によって得られる記録物は、インクジェットインキによる画像の耐光性、耐オゾン性が低い点がある。
それに対し、例えば特許文献1では、熱溶融性接着剤からなるラミネート材を被記録材と加熱して貼り付ける記録装置の提案が行われている。
また、特許文献2で、昇華型熱転写やインクジェット法などの転写記録法により得られる印画物の画像を保護するために、基材上に剥離可能に保護層を設けた保護層転写シートを用いて、印画物上に保護層を熱転写することが提案されている。
【0004】
しかし、従来公知の保護層転写シートでは、転写後の被記録材上に転写された後の保護層は耐屈曲性が低く、保護層転写シートを転写した後の被記録材を丸めると保護層の表面にクラックが生じ、外観を損ねるだけではなく、インクジェット法により画像を形成した場合は、クラック部分の耐オゾン性が損なわれる為、クラック状に画像が退色してしまうことがあった。
【0005】
これを解決する為の方法として、保護層中の接着層として、1)ブチラールを用いた保護層転写シート(特許文献3、4、5、6参照)、2)ポリスチレンとポリオレフィンのブロックポリマーからなる保護層転写シート(特許文献7参照)が提案されている。
しかし、接着層としてブチラールを用いた場合、耐屈曲性も不十分であり、また、コピー用紙、ハガキ又は、インクジェットのマット紙などの表面の粗い被転写紙への定着性が不十分であり、被転写紙表面の凹凸に保護層が追従できず、凹部に泡が混入する(泡かみを生じる)ため、被転写紙と保護層との間に白濁を生じる。
【0006】
接着層としてポリスチレンとポリオレフィンのブロックポリマーを用いた場合は、通常剥離層として使用されるアクリル系樹脂、ポリアミド樹脂との接着性が低く、転写後、粘着テープなどで剥離試験を行うと接着層と剥離層との間で界面剥離を生じてしまう。このため、特許文献7の実施例中においては、接着層と剥離層との間に中間層を設けているが、塗工工程が多くなり、コスト高となる。
また、基材上に剥離可能に転写層を設けた保護部材において、弱粘着性の粘着剤を使用した粘着層を転写層上に設けたことが、特許文献8、9に記載されているが、画像形成物と保護材との位置合わせが簡便に行え、保護層転写後の転写物の耐屈曲性も良好であるが、保護層の転写される、表面の粗い被転写紙に対して接着性が十分では無い。
【0007】
【特許文献1】
特開昭58−224779号公報
【特許文献2】
特開平10−315641号公報
【特許文献3】
特開昭62−060683号公報
【特許文献4】
特開昭62−130875号公報
【特許文献5】
特開昭62−130876号公報
【特許文献6】
特開昭62−202794号公報
【特許文献7】
特開平07−117367号公報
【特許文献8】
特開昭62−263091号公報
【特許文献9】
特開昭62−273890号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、上記のような問題を解決するため、本発明は、非銀塩写真方式のカラーハードコピー記録方式で得られた記録物の画像を保護し、耐光性、耐オゾン性等をもたせ、また表面の粗い被転写紙に対しても良好な定着性を示し、保護層の転写後の転写物を丸めても保護層の表面にクラックが生じることなく、外観が損ねずに(耐屈曲性に優れる)、また、被転写紙との位置合わせの作業性が良好である熱転写型画像保護シートを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、支持体上に該支持体表面から剥離可能な少なくとも1層以上の熱転写性樹脂層が積層された熱転写型画像保護シートにおいて、該熱転写型画像保護シートの熱転写性樹脂層側表面がディレードタック性を示すことを特徴とし、好ましくは、熱転写性樹脂層が、支持体側から少なくとも剥離層、ディレードタック層の順からなることを特徴とする。
【0010】
本発明は、支持体上に該支持体表面から剥離可能な少なくとも1層以上の熱転写性樹脂層が積層された熱転写型画像保護シートにおいて、該熱転写型画像保護シートの熱転写性樹脂層側表面がディレードタック性を示すものである。すなわち、熱転写性樹脂層側表面において、塗液を調製して塗工後は、塗工表面に粘着性を生じていないが、該樹脂層の転写時のラミネータ等の加熱により、該樹脂層表面に粘弾性、粘着性が発現する。
したがって、該樹脂層の転写前は、塗工表面に粘着性を生じていない為、被転写紙との位置合わせを容易に行える。被転写物への転写中と転写後は粘着剤並みの粘弾性、粘着性が発現する為、コピー用紙、ハガキ又は、インクジェットのマット紙などの粗い表面に対して、容易にその表面形状に追従して密着でき、表面凹部に泡が混入することがなく、また樹脂層の転写後の印画物の耐屈曲性に優れる。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、発明の実施の形態について、詳述する。
以下、本発明の熱転写型画像保護シート及び保護層形成方法及びそれによって得られる記録物について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明における熱転写型画像保護シート1の一つの実施形態を示す概略断面図である。支持体2上に熱転写性樹脂層3を直接設けたもので、該熱転写性樹脂層3は加熱により、支持体2から剥離可能なものであり、この場合は熱転写性樹脂層3が単層で構成されている。
【0012】
また、図2は本発明における熱転写型画像保護シートの他の実施形態を示す概略断面図であり、支持体2上に剥離層4、主保護層5、接着層6の順に形成し、この場合、熱転写型画像保護シートを加熱すると、剥離層4、主保護層5、接着層6の3層が支持体2から剥離する。したがって、この場合、熱転写性樹脂層3は3層構成である。剥離層4を設けたため、加熱の際に、支持体2から熱転写性樹脂層3を剥離し易くしている。また、熱転写性樹脂層3は、熱転写型画像保護シート1の最表面に接着層6を有するために、印画物と熱転写性樹脂層3との転写性、接着性を高めている。また支持体2の他方の面には、背面層7を設けて、サーマルヘッド等の加熱手段に対するスティッキングやシワなどの悪影響を防止することができる。
【0013】
図3は、本発明で利用する保護層形成方法の一つの実施形態を示す説明図であり、電子写真記録方式、インクジェット記録方式、熱転写記録方式のいずれかにより画像形成した印画物8に、支持体2上に熱転写性樹脂層3を剥離可能に設けた熱転写型画像保護シート1を用いて、印画物8と熱転写型画像保護シート1を重ね、印画物8の画像9上に、ヒートロールの熱転写手段10により、熱転写性樹脂層3を熱転写し、その後に支持体2を剥離するプロセスである。
【0014】
(熱転写型画像保護シート)
本発明の熱転写型画像保護シート1は、支持体の一方の面に少なくとも1層以上の熱転写性樹脂層が積層されたものである。熱転写型画像保護シートは、支持体上に熱転写性樹脂層を単層で設けたり、また、主保護層(剥離層)/接着層、主保護層(剥離層)/接着層/帯電防止層、剥離層/主保護層/接着層等の支持体から剥離可能な熱転写性樹脂層を2層や3層等の複層にすることができる。
以下に熱転写型画像保護シートを構成する各層毎に、詳しく説明する。
【00015】
(支持体)
本発明の熱転写型画像保護シートにおける支持体2としては、従来から公知のある程度の耐熱性と強度を有するものであれば、いずれのものでもよく、例えば、グラシン紙、コンデンサ紙、パラフイン紙等の薄葉紙、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリプロピレン、セロハン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ナイロン、ポリイミド、ポリ塩化ビニリデン、アイオノマー等のプラスチック或いはこれらと前記の紙とを複合したもの等が挙げられる。特に、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルムが好ましく、用いられる。
【0016】
この支持体の厚さは、その強度及び耐熱性等が適切になる様に、材料に応じて適宜変更することが出来るが、その厚さは、好ましくは、2〜200μm程度である。支持体の厚さが、2μm未満であると、熱転写型画像保護シートを印画物と合わせてラミネータ等の加熱装置に通す際に、熱転写型画像保護シートがシワになりやすく好ましくない。また、その厚さが200μmを超えると、熱転写性樹脂層の転写に必要な熱が熱転写性樹脂層の最表面まで伝わりにくくなり、印画物に転写し難くなり好ましくない。
上記の支持体表面は熱転写性樹脂層を設ける側と逆側の面にコロナ処理等が施されていても良い。
【0017】
(背面層)
本発明で使用する熱転写型画像保護シートは、上記の支持体の熱転写性樹脂層の設けている側と反対面に、必要に応じて、熱転写手段10としてのサーマルヘッドやヒートロール等の熱によるスティッキングやシワ及び転写層面側とのブロッキングなどの悪影響を防止するため、背面層7を設けることができる。
上記の背面層7を形成する樹脂としては、従来公知のものであればよく、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリルポリオール、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタン又はエポキシのプレポリマー、ニトロセルロース樹脂、セルロースナイトレート樹脂、セルロースアセトプロピオネート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、セルロースアセテートヒドロジエンフタレート樹脂、酢酸セルロース樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。
【0018】
これらの樹脂からなる背面層に添加、あるいは上塗りする滑り性付与剤としては、燐酸エステル、シリコーンオイル、グラファイトパウダー、シリコーン系グラフトポリマー、フッ素系グラフトポリマー、アクリルシリコーングラフトポリマー、アクリルシロキサン、アリールシロキサン等のシリコーン重合体が挙げられるが、好ましくは、ポリオール、例えば、ポリアルコール高分子化合物とポリイソシアネート化合物及び燐酸エステル系化合物からなる層であり、更に充填剤を添加することがより好ましい。
背面層は、上記に記載した樹脂、滑り性付与剤、更に充填剤を、適当な溶剤により、溶解又は分散させて、背面層形成用インキを調製し、これを、上記の基材シートの裏面に、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースコーティング法等の形成手段により塗布し、乾燥して形成することができる。背面層の塗工量は、固形分で、0.1g/m2〜3.0g/m2が好ましい。
【0019】
(剥離層)
本発明の熱転写型画像保護シートは、支持体上に剥離可能に少なくとも1層以上の熱転写性樹脂層を積層した構成で、支持体と接する層として、剥離層4を用い、その上にさらに主保護層や接着層等を設け、加熱の際に、支持体から熱転写性樹脂層3を剥離し易くすることができる。
この剥離層は、加熱の際に支持体から剥離して、被転写体の印画物に転写され、印画物の保護層としての最表面層となる。
【0020】
剥離層に用いるバインダーは、具体的には、セルロース系樹脂、メラミン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエンゴム等の熱可塑性エラストマーが挙げられる。このほかに必要に応じて、紫外線吸収剤、有機フィラー及び/又は無機フィラーを適宜添加することが出来る。
【0021】
剥離層の形成は、剥離層形成用塗工液を、従来公知のグラビアダイレクトコート、グラビアリバースコート、ナイフコート、エアコート、ロールコート等の方法により、乾燥状態で厚さ0.05〜5g/m2程度を設けるものである。乾燥塗膜の厚さが、0.05g/m2未満の場合、支持体と熱転写性樹脂層の接着性が向上し、良好な剥離効果が得られない。また、厚さが5g/m2を越えた場合、印字時の転写感度が低下するため好ましくない。
【0022】
(主保護層)
本発明で使用する熱転写型画像保護シートの支持体上に設ける少なくとも1層以上の熱転写性樹脂層を構成する主保護層5は、従来から保護層形成用樹脂として知られている各種の樹脂で形成することができる。保護層形成用樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂として、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、エポキシ系樹脂、フェノキシ樹脂、これらの各樹脂をシリコーン変性させた樹脂、これらの各樹脂の混合物や、電離放射線硬化性樹脂、紫外線遮断性樹脂等を例示することができる。このほかに必要に応じて、紫外線吸収剤、有機フィラー及び/又は無機フィラーを適宜添加することが出来る。
【0023】
電離放射線硬化性樹脂を含有する場合の主保護層は、耐可塑剤性や耐擦過性が特に優れている。電離放射線硬化性樹脂としては公知のものを使用することができ、例えば、ラジカル重合性のポリマー又はオリゴマーを電離放射線照射により架橋、硬化させ、必要に応じて光重合開始剤を添加し、電子線や紫外線によって重合架橋させたものを使用することができる。尚、上記の電離放射線硬化性樹脂は、熱転写型画像保護シートの剥離層や接着層にも、添加することができる。
紫外線遮断性樹脂や、紫外線吸収剤を含有する主保護層は、印画物に耐光性を付与することを主目的とする。紫外線遮断性樹脂としては、例えば、反応性紫外線吸収剤を熱可塑性樹脂又は上記の電離放射線硬化性樹脂に反応、結合させて得た樹脂を使用することができる。より具体的には、サリシレート系、フェニルアクリレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、クマリン系、トリアジン系、ニッケルキレート系の様な従来公知の非反応性の有機系紫外線吸収剤に、付加重合性二重結合(例えばビニル基、アクリロイル基、メタアクリロイル基など)、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基のような反応性基を導入したものを例示することができる。
【0024】
紫外線吸収剤は、従来公知の非反応性の有機系紫外線吸収剤で、サリシレート系、フェニルアクリレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、クマリン系、トリアジン系、ニッケルキレート系が挙げられる。
また、上記の紫外線遮断性樹脂や、紫外線吸収剤を熱転写型画像保護シートの剥離層や接着層にも、添加することができる。
紫外線遮断性樹脂や、紫外線吸収剤の添加量としては、バインダー樹脂の1〜30%(重量)、好ましくは5〜20%程度である。
有機フィラー及び/又は無機フィラーとしては、具体的にはポリエチレンワックス、ビスアマイド、ナイロン、アクリル樹脂、架橋ポリスチレン、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、タルク、炭酸カルシウム、酸化チタン、マイクロシリカ、コロイダルシリカ等のシリカ微粉末等が挙げられるが、特に限定はされず何でも使用できる。但し、滑り性が良く、粒径は、10μm以下好ましくは0.1〜3μmの範囲のものが好ましい。フィラーの添加量は、上記のような樹脂分100重量部に対して、0〜100重量部の範囲で、主保護層の転写した時に透明性が保たれる程度が好ましい。
【0025】
主保護層は、上記に記載した保護層形成用樹脂と必要に応じて、紫外線吸収剤、有機フィラー及び/又は無機フィラー等の添加剤を加え、適当な溶剤により、溶解又は分散させて、主保護層形成用インキを調製し、これを、上記の支持体上に、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースコーティング法等の形成手段により塗布し、乾燥して形成することができる。
本発明で使用する熱転写型画像保護シートの転写される層(熱転写性樹脂層)全体の塗布量が、乾燥状態で2〜30g/m2程度、好ましくは3〜20g/m2に、形成するものである。
主保護層が剥離層や接着層の機能を有していれば、主保護層の単層で熱転写性樹脂層を構成したり、適宜、熱転写性樹脂層の層構成を変更することができる。
【0026】
(接着層)
本発明で使用する熱転写型画像保護シートは、支持体表面から剥離可能な少なくとも1層以上の熱転写性樹脂層が積層された構成で、該熱転写性樹脂層側表面にディレードタック性を有することを特徴とする。熱転写性樹脂層を構成する主保護層や剥離層の表面に、接着層としてディレードタック剤を用いることが好ましい。尚、主保護層が剥離層や接着層の機能を有していれば、主保護層の単層で熱転写性樹脂層を構成する場合は、主保護層にディレードタック剤を使用すればよい。
【0027】
ディレードタック剤は、一般的には、熱可塑性樹脂と、タッキファイヤー(粘着付与剤とも言う)と固体可塑剤からなり、本発明におけるディレードタック性を発揮させることができる。
本発明におけるディレードタック性とは、塗液を調製して塗工、可塑剤の融点未満で乾燥させることにより得られる塗膜の表面は、指で触ってもベトツキがないが、転写時のラミネータ等の加熱により、一旦、添加されている可塑剤の融点以上に加熱すると、可塑剤が溶融し、熱可塑性樹脂を膨潤、溶解して粘弾性、粘着性が発現する性質をいう。
ディレードタック剤を塗工後は、塗工表面に粘着性を生じていない為、被転写紙との位置合わせを容易に行える。被転写物への転写中と転写後は粘着剤並みの粘弾性、粘着性が発現する為、コピー用紙、ハガキ又は、インクジェットのマット紙などの粗い表面に対して、容易にその表面形状に追従して密着でき、表面凹部に泡が混入する(泡かみを生じる)ことがない。
【0028】
また、被転写物への転写後は粘着剤並みの粘弾性を有する為、保護層転写シートを転写した後の被記録材を丸めても、保護層の表面にクラックが生じない。これは、通常の粘着剤が塗工直後から粘弾性、粘着性を帯びている点とは、被転写紙と保護層との位置合わせで、両者を接触させて位置の調整を行う際、一旦接触すると両者を離すには力が必要となったり、位置合わせで両者を接触したり、離したりしている時、粘着剤が被転写体に転移したりして、位置合わせの作業性が悪い点とは、異なるものである。
【0029】
本発明で用いられるディレードタック剤中の熱可塑性樹脂としては、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン/アクリル共重合系樹脂、スチレン/ブタジエン共重合樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂などが挙げられる。
タッキファイヤーとしては、ロジン誘導体、テルペン樹脂系、石油樹脂系、フェノール樹脂系、キシレン樹脂系などが挙げられ、熱可塑性樹脂100重量部に対して、10〜600重量部程度の割合で加えて使用する。
固体可塑剤としては、ジシクロヘキシルフタレート、ジフェニルフタレート、N−シクロヘキシル−p−トルエンスルホンアミド、o/p−トルエンスルホンアミドなどが挙げられ、熱可塑性樹脂100重量部に対して、30〜1000重量部程度の割合で使用する。
市販されているディレードタック剤としては、東洋インキ製造株式会社製「ヒートマジックDW2000」、「ヒートマジックDW1000」、昭和高分子株式会社製「PSA DT−1000」、ダイセル化学工業株式会社製「エコブリットTM100」などが挙げられ、これらを使用することができる。
【0030】
ディレードタック剤は、結晶性固体可塑剤を使用する為、基材に塗工するした際は通常、塗膜が白濁を生じているが、印画物に転写した後に、下に位置する画像を観察する際に、支障の無いように、ラミネータなどで転写時に、可塑剤の融点以上に加熱後に透明性を有するものを選択する必要がある。
保護層転写後の転写物の耐屈曲性を向上するには、転写後の保護層が屈曲に耐えられるような柔軟性のある粘弾性を持たなくてはならない。塗工直後から常温で柔軟性のある粘弾性を有する粘着剤を接着層として用いても耐屈曲性は良好となるが、ラミネータによる加熱以前より粘着性を有する為、印画物と保護層転写シートを重ねあわせ位置合わせを行っている最中に、誤った位置で保護層が転写されてしまうという不具合が生じる。
【0031】
接着層は、必要に応じて、紫外線吸収剤、有機フィラー及び/又は無機フィラー等の添加剤を加え、適当な溶剤により、溶解又は分散させて、主保護層形成用インキを調製し、これを、上記の支持体上に、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースコーティング法等の形成手段により塗布し、乾燥して形成することができる。
【0032】
上記の紫外線遮断性樹脂は、主保護層で説明したものと同様のものである。
上記のような接着層を構成する樹脂に必要に応じて、紫外線吸収剤や、無機または有機フィラー等の添加剤を加えた塗工液を塗布及び乾燥することによって、好ましくは乾燥時で0.5〜30g/m2程度の厚みに形成する。接着層の厚さが少なすぎると、印画物と熱転写性樹脂層との接着性が劣り、印字の際に転写不良となりやすい。また、その厚さが多すぎる場合、保護層の熱転写の際に、転写感度が低下し、均一な保護層の熱転写が行なわれにくくなる。
【0033】
(印画物)
本発明で使用する印画物8は、電子写真記録方式、インクジェット記録方式、熱転写記録方式のいずれかによる非銀塩写真方式のカラーハードコピー記録方式を用いて出力したものであり、基材上に直接、画像を形成してもよいし、必要に応じて、記録材を受容、定着しやすいように、用いる記録方式に適する受容層を基材上に設けたものでもよい。
【0034】
印画物の基材としては、例えば、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系等)、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、壁紙、裏打ち用紙、合成樹脂又はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、板紙等のセルロース繊維紙、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリレート等の各種のプラスチックフィルムまたはシート等が使用でき、また、これらの合成樹脂に白色顔料や充填剤を加えて成膜した白色不透明フィルム、あるいは基材内部に微細空隙(ミクロボイド)を有するフィルム等も使用でき、特に限定されない。また、上記基材の任意の組合せによる積層体も使用できる。
これらの基材の厚みは任意でよく、例えば、10〜300μm程度の厚みが一般的である。
【0035】
上記の印画物に画像を形成する際に用いる記録方式の一つに電子写真記録方式があり、この記録方式は、感光体が帯電器を通過するとき、コロナ放電で発生するイオンを一様に感光体面に帯電させ、露光部で感光体表面を画像状に露光し、光導電現象により光の当たった部分の帯電電荷を除去し、光の当たらない部分の電荷で潜像を形成させる。次に、現像部で潜像に帯電したトナーを静電的に付着させ可視像を得て、転写部でその可視像を印画物に転写し、定着部の熱と圧力で転写像を印画物に定着させるものである。
そして、フルカラーの画像形成を行うには、上記のトナーをイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーを用いて、各々のトナーで上記に説明した工程を繰り返し行う。
【0036】
また、印画物への画像形成する記録方式の一つとして、インクジェット記録方式を用いることができ、この方式は、インク液滴を記録媒体に直接吹き付けて文字や画像を形成するもので、例えば、画像信号に対応してインクを液滴化し記録を行うオンデマンド型では、ピエゾ素子に通電することにより、インク室の体積を変化させ、ノズルよりインクを噴射する電気・機械変換型と、ノズル内に発熱素子を埋め込み、これに通電することによりインクを瞬時に加熱・沸騰させて、インク中に泡をつくり、急激な体積変化によって、インクをノズルから噴出させる電気・熱変換方式等がある。フルカラーの画像形成を行うには、上記のインクをイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のインクを用いて、各々のインクで上記に説明した工程を繰り返し行う。
【0037】
さらに、印画物への画像形成する記録方式の一つとして、熱転写記録方式が挙げられ、この方式は、画像信号により制御された熱エネルギーをサーマルヘッドで発生させ、インク等の記録材料の活性化エネルギーとして用いて記録する方式で、インクリボンを記録紙に重ね、適度な加圧状態にあるサーマルヘッドとプラテンとの間を通し、通電により昇温したサーマルヘッドにより、記録材は活性化され、プラテンの圧力に助けられて、記録紙に転写される。この方式の転写記録方式には、熱溶融型と熱昇華型があり、いずれのものでも、本発明の印画物の画像形成に用いることができる。
【0038】
以上説明してきた非銀塩写真方式のカラーハードコピー記録方式である電子写真記録方式、インクジェット記録方式、熱転写記録方式のいずれか、一つの記録方式で記録紙に画像形成したり、あるいは上記の記録方式を複数組合わせて、例えば、階調画像部を電子写真記録方式で行い、文字部分を熱溶融型熱転写記録方式で行う等を実施することができる。
受容層は、用いる記録方式に適した樹脂に必要に応じて添加剤を加え、適当な溶剤に溶解または分散して調整した塗工液を、基材上に、グラビア印刷、シルクスクリーン印刷等の公知の印刷手段、あるいは、グラビアコート等の公知の塗工手段により形成し、厚さは乾燥時で0.5〜10μm程度である。
【0039】
(保護層形成方法)
本発明で利用する保護層形成方法は、上記に説明した熱転写型画像保護シートと印画物とを、熱転写性樹脂層と印画物の画像面とを接するように重ね合せて、印画物の画像上に、少なくとも印画された部分を覆うように熱転写性樹脂層を熱転写して形成し、その後に支持体を剥離して、印画物の画像上に保護層を形成するものである。この保護層形成方法において、非銀塩写真方式のカラーハードコピー記録方式で画像形成された印画物に、支持体上に熱転写性樹脂層を剥離可能に設けた熱転写型画像保護シートを用いて、印画物の画像上に、熱転写性樹脂層の保護層を熱転写する手段は、サーマルヘッドとプラテンの間に印画物と熱転写型画像保護シートを挟み込み、サーマルヘッドからの加熱を行ったり、図3に示すようなヒートロール方式(市販されているラミネーターがこのタイプのものが多く、一対のヒートロール、または一本のみのヒートロールで熱プレスする方式)や、加熱した平板と平板で挟み込んだり、加熱した平板とロールで挟んで、熱プレスしたりすることができる。また、レーザー照射による加熱の熱転写手段でも適用可能である。
【0040】
本発明の保護層形成方法は、上記に説明した電子写真記録方式、インクジェット記録方式、熱転写記録方式の非銀塩写真方式のカラーハードコピー記録方式による印画物の画像形成手段と、支持体上に熱転写性樹脂層を剥離可能に設けた熱転写型画像保護シートを用いて、印画物の画像上に、保護層を熱転写する手段とが、インラインで実施されたり、オフラインで行ったり、自由に指定することができる。また、上記の手段をインラインで行うにも、画像形成手段と保護層熱転写手段を同一の装置で行ったり、別個の装置を連結して行うことも可能である。
【0041】
本発明の保護層形成方法では、電子写真記録方式で印画物の画像形成を行い、保護層の熱転写手段を用いて、印画物のトナー画像上に保護層を形成することができ、イエロー、マゼンタ、シアン等のトナーによる画像の耐光性等の耐久性を向上させることができる。
また、インクジェット記録方式の印画物は、大気放置下でオゾンや酸素等の影響で、色相が変化しやすい。これを防止するために、本発明で使用される熱転写性樹脂層の保護層がガスバリアーとしての機能も発揮し、印画物の画像の耐久性を向上させることができる。
【0042】
【実施例】
次に実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。尚、文中、部または%とあるのは、特に断りのない限り、重量基準である。
(実施例1)
以下の条件にて、各例の熱転写型画像保護シートを作製した。
支持体として、東レ株式会社製ポリエチレンテレフタレートフィルム「ルミラーT−60」厚さ50μmを使用し、該支持体上に(プライマー処理等を行なわず、支持体上に直接)、下記組成からなる剥離層をグラビアコートにより、乾燥時1.5g/m2で塗工後、110℃、1分間乾燥し、剥離層を形成した。
【0043】
<剥離層用塗工液>
BR−87(アクリル樹脂、三菱レイヨン(株)製) 100部
RV220(ポリエステル樹脂、東洋紡績(株)製) 0.5部
TINUVIN900
(ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、チバガイギー社製) 10部
メチルエチルケトン 200部
トルエン 200部
【0044】
次に、剥離層上に下記組成からなる接着層をグラビアコートにより、乾燥時8g/m2で塗工後、40℃、2分間乾燥し、接着層を形成して、実施例1の熱転写型画像保護シートを得た。
<接着層用塗工液>
TM−100(ディレードタック剤、ダイセル化学工業株式会社) 100部
水 10部
【0045】
(実施例2)
接着層用塗工液のディレードタック剤をTM−120(ディレードタック剤、ダイセル化学工業株式会社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例2の熱転写型画像保護シートを得た。
【0046】
(実施例3)
接着層の塗工量を3.5g/m2にした以外は、実施例1と同様にして実施例3の熱転写型画像保護シートを得た。
【0047】
(実施例4)
接着層の塗工量を15g/m2にした以外は、実施例1と同様にして実施例4の熱転写型画像保護シートを得た。
【0048】
(比較例1)
実施例と同様にして設けた剥離層上に下記組成からなる接着層をグラビアコートにより、乾燥時8g/m2で塗工後、100℃、1分間乾燥し、接着層を形成して、比較例1の熱転写型画像保護シートを得た。
<接着層用塗工液>
【0049】
(比較例2)
実施例と同様にして設けた剥離層上に下記組成からなる接着層をグラビアコートにより、乾燥時8g/m2で塗工後、100℃、1分間乾燥し、接着層を形成して、比較例2の熱転写型画像保護シートを得た。
<接着層用塗工液>
【0050】
(比較例3)
実施例と同様にして設けた剥離層上に下記組成からなる接着層をグラビアコートにより、乾燥時8g/m2で塗工後、100℃、1分間乾燥し、接着層を形成して、比較例3の熱転写型画像保護シートを得た。
<接着層用塗工液>
RV600(ポリエステル樹脂、東洋紡績(株)製) 100部
メチルエチルケトン 200部
トルエン 200部
【0051】
<熱転写型画像保護シートの受像シートへの転写>
上記のように作製した熱転写型画像保護シートをA4にカットし、接着層面と、キャノン(株)製インクジェットプリンターにて100%黒ベタを印画済みのキャノン(株)製インクジェット受像シートHR−101S(A4)の受像面側を重ね合せ、保護シートと受像シートの端面を合わせるように位置合わせを行った後に、フジプラ(株)製ラミネータLamipacker LPD3204にて、加熱温度130℃、速度5mm/sの条件で加熱後、支持体を剥がし、保護層転写物(保護層の転写された印画物)を得た。
【0052】
<位置合わせの際の作業性>
上記ラミネータにて転写する直前に、熱転写型画像保護シートと受像シートの端面を合わせるように位置合わせを行った際の作業性について、下記の評価基準にて評価した。その結果を表1に示す
○:熱転写型画像保護シートと受像シートの間で貼りつくことは無く、問題無く位置合わせを行えた。
×:熱転写型画像保護シートと受像シートの間で貼りつきが生じ、正確な位置合わせが完了する前に、受像シート側に保護層が一部又は全部転写されてしまった。
【0053】
<保護層の定着性>
上記条件で得られた転写物表面の泡かみの状態を目視で観察し、下記の評価基準にて評価した。その結果を表1に示す
○:保護層転写範囲内において、泡かみが生じていない。
△:保護層転写範囲内において、わずかに泡かみが生じている。
×:保護層転写範囲内において、多々泡かみが生じている。
【0054】
<耐屈曲性>
上記条件で得られた転写物を幅50mm×500mmの長方形にカットし、直径が15mm、26mm、及び33mmの円筒状の棒に、保護層転写面外側で長辺方向に一回巻き付けた後、保護層表面上のクラックの有無を目視で観察し、各棒の直径別に下記の評価基準にて評価した。その結果を表1に示す。
○:準備したすべての巻き付け棒においてクラックが生じていない
15:巻き付け棒の直径が15mmではクラックが生じるが、26mm及び33mmではクラックは生じない
26:巻き付け棒の直径が15mm及び26mmではクラックが生じるが、33mmではクラックは生じない
×:準備したすべての巻き付け棒においてクラックが生じる。
【0055】
【表1】
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、支持体上に該支持体表面から剥離可能な少なくとも1層以上の熱転写性樹脂層が積層された熱転写型画像保護シートにおいて、該熱転写型画像保護シートの熱転写性樹脂層側表面がディレードタック性を示すことを特徴とし、好ましくは、熱転写性樹脂層が、支持体側から少なくとも剥離層、ディレードタック層の順からなることにより、表面の粗い被転写紙に対しても良好な定着性を示し、転写後の転写物の耐屈曲性に優れ、また、被転写紙との位置合わせの作業性が良好となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における熱転写型画像保護シート1の一つの実施形態を示す概略断面図である。
【図2】本発明における熱転写型画像保護シートの他の実施形態を示す概略断面図である。
【図3】本発明で利用する保護層形成方法の一つの実施形態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 熱転写型画像保護シート
2 支持体
3 熱転写性樹脂層
4 剥離層
5 主保護層
6 接着層
7 背面層
8 印画物
9 画像
10 熱転写手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真記録方式、インクジェット記録方式、熱転写記録方式等の非銀塩写真方式のカラーハードコピー記録方式で得られた記録物の画像を保護し、耐光性等をもたせ、また表面の粗い被転写紙に対しても良好な定着性を示し、転写後の転写物の耐屈曲性に優れ、また、被転写紙との位置合わせの作業性が良好な熱転写型画像保護シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近のデジタルカメラやカラーハードコピー技術の進歩により、電子写真記録方式、インクジェット記録方式、熱転写記録方式等の非銀塩写真方式で、フルカラーの画像形成された印画物を、現像所に依頼して後で受け取るようなものでなく、必要な時に、その場で、即時に作製できるようになってきた。
しかし、これらのカラーコピーの印画物は、身近にある水や薬品等との接触により画像が滲んだり、また硬い材質の物と擦れたりすると、画像が剥がれたり汚れたりしてしまう。
【0003】
例えば、電子写真記録方式は、受像体にトナー像を転写し、熱ロールにより該トナーを溶融し、自然冷却で受像体に接着固定するものであるが、得られる記録物において、イエローのトナーによる画像の耐光性が十分ではない。
また、インクジェット記録方式によって得られる記録物は、インクジェットインキによる画像の耐光性、耐オゾン性が低い点がある。
それに対し、例えば特許文献1では、熱溶融性接着剤からなるラミネート材を被記録材と加熱して貼り付ける記録装置の提案が行われている。
また、特許文献2で、昇華型熱転写やインクジェット法などの転写記録法により得られる印画物の画像を保護するために、基材上に剥離可能に保護層を設けた保護層転写シートを用いて、印画物上に保護層を熱転写することが提案されている。
【0004】
しかし、従来公知の保護層転写シートでは、転写後の被記録材上に転写された後の保護層は耐屈曲性が低く、保護層転写シートを転写した後の被記録材を丸めると保護層の表面にクラックが生じ、外観を損ねるだけではなく、インクジェット法により画像を形成した場合は、クラック部分の耐オゾン性が損なわれる為、クラック状に画像が退色してしまうことがあった。
【0005】
これを解決する為の方法として、保護層中の接着層として、1)ブチラールを用いた保護層転写シート(特許文献3、4、5、6参照)、2)ポリスチレンとポリオレフィンのブロックポリマーからなる保護層転写シート(特許文献7参照)が提案されている。
しかし、接着層としてブチラールを用いた場合、耐屈曲性も不十分であり、また、コピー用紙、ハガキ又は、インクジェットのマット紙などの表面の粗い被転写紙への定着性が不十分であり、被転写紙表面の凹凸に保護層が追従できず、凹部に泡が混入する(泡かみを生じる)ため、被転写紙と保護層との間に白濁を生じる。
【0006】
接着層としてポリスチレンとポリオレフィンのブロックポリマーを用いた場合は、通常剥離層として使用されるアクリル系樹脂、ポリアミド樹脂との接着性が低く、転写後、粘着テープなどで剥離試験を行うと接着層と剥離層との間で界面剥離を生じてしまう。このため、特許文献7の実施例中においては、接着層と剥離層との間に中間層を設けているが、塗工工程が多くなり、コスト高となる。
また、基材上に剥離可能に転写層を設けた保護部材において、弱粘着性の粘着剤を使用した粘着層を転写層上に設けたことが、特許文献8、9に記載されているが、画像形成物と保護材との位置合わせが簡便に行え、保護層転写後の転写物の耐屈曲性も良好であるが、保護層の転写される、表面の粗い被転写紙に対して接着性が十分では無い。
【0007】
【特許文献1】
特開昭58−224779号公報
【特許文献2】
特開平10−315641号公報
【特許文献3】
特開昭62−060683号公報
【特許文献4】
特開昭62−130875号公報
【特許文献5】
特開昭62−130876号公報
【特許文献6】
特開昭62−202794号公報
【特許文献7】
特開平07−117367号公報
【特許文献8】
特開昭62−263091号公報
【特許文献9】
特開昭62−273890号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、上記のような問題を解決するため、本発明は、非銀塩写真方式のカラーハードコピー記録方式で得られた記録物の画像を保護し、耐光性、耐オゾン性等をもたせ、また表面の粗い被転写紙に対しても良好な定着性を示し、保護層の転写後の転写物を丸めても保護層の表面にクラックが生じることなく、外観が損ねずに(耐屈曲性に優れる)、また、被転写紙との位置合わせの作業性が良好である熱転写型画像保護シートを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、支持体上に該支持体表面から剥離可能な少なくとも1層以上の熱転写性樹脂層が積層された熱転写型画像保護シートにおいて、該熱転写型画像保護シートの熱転写性樹脂層側表面がディレードタック性を示すことを特徴とし、好ましくは、熱転写性樹脂層が、支持体側から少なくとも剥離層、ディレードタック層の順からなることを特徴とする。
【0010】
本発明は、支持体上に該支持体表面から剥離可能な少なくとも1層以上の熱転写性樹脂層が積層された熱転写型画像保護シートにおいて、該熱転写型画像保護シートの熱転写性樹脂層側表面がディレードタック性を示すものである。すなわち、熱転写性樹脂層側表面において、塗液を調製して塗工後は、塗工表面に粘着性を生じていないが、該樹脂層の転写時のラミネータ等の加熱により、該樹脂層表面に粘弾性、粘着性が発現する。
したがって、該樹脂層の転写前は、塗工表面に粘着性を生じていない為、被転写紙との位置合わせを容易に行える。被転写物への転写中と転写後は粘着剤並みの粘弾性、粘着性が発現する為、コピー用紙、ハガキ又は、インクジェットのマット紙などの粗い表面に対して、容易にその表面形状に追従して密着でき、表面凹部に泡が混入することがなく、また樹脂層の転写後の印画物の耐屈曲性に優れる。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、発明の実施の形態について、詳述する。
以下、本発明の熱転写型画像保護シート及び保護層形成方法及びそれによって得られる記録物について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明における熱転写型画像保護シート1の一つの実施形態を示す概略断面図である。支持体2上に熱転写性樹脂層3を直接設けたもので、該熱転写性樹脂層3は加熱により、支持体2から剥離可能なものであり、この場合は熱転写性樹脂層3が単層で構成されている。
【0012】
また、図2は本発明における熱転写型画像保護シートの他の実施形態を示す概略断面図であり、支持体2上に剥離層4、主保護層5、接着層6の順に形成し、この場合、熱転写型画像保護シートを加熱すると、剥離層4、主保護層5、接着層6の3層が支持体2から剥離する。したがって、この場合、熱転写性樹脂層3は3層構成である。剥離層4を設けたため、加熱の際に、支持体2から熱転写性樹脂層3を剥離し易くしている。また、熱転写性樹脂層3は、熱転写型画像保護シート1の最表面に接着層6を有するために、印画物と熱転写性樹脂層3との転写性、接着性を高めている。また支持体2の他方の面には、背面層7を設けて、サーマルヘッド等の加熱手段に対するスティッキングやシワなどの悪影響を防止することができる。
【0013】
図3は、本発明で利用する保護層形成方法の一つの実施形態を示す説明図であり、電子写真記録方式、インクジェット記録方式、熱転写記録方式のいずれかにより画像形成した印画物8に、支持体2上に熱転写性樹脂層3を剥離可能に設けた熱転写型画像保護シート1を用いて、印画物8と熱転写型画像保護シート1を重ね、印画物8の画像9上に、ヒートロールの熱転写手段10により、熱転写性樹脂層3を熱転写し、その後に支持体2を剥離するプロセスである。
【0014】
(熱転写型画像保護シート)
本発明の熱転写型画像保護シート1は、支持体の一方の面に少なくとも1層以上の熱転写性樹脂層が積層されたものである。熱転写型画像保護シートは、支持体上に熱転写性樹脂層を単層で設けたり、また、主保護層(剥離層)/接着層、主保護層(剥離層)/接着層/帯電防止層、剥離層/主保護層/接着層等の支持体から剥離可能な熱転写性樹脂層を2層や3層等の複層にすることができる。
以下に熱転写型画像保護シートを構成する各層毎に、詳しく説明する。
【00015】
(支持体)
本発明の熱転写型画像保護シートにおける支持体2としては、従来から公知のある程度の耐熱性と強度を有するものであれば、いずれのものでもよく、例えば、グラシン紙、コンデンサ紙、パラフイン紙等の薄葉紙、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリプロピレン、セロハン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ナイロン、ポリイミド、ポリ塩化ビニリデン、アイオノマー等のプラスチック或いはこれらと前記の紙とを複合したもの等が挙げられる。特に、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルムが好ましく、用いられる。
【0016】
この支持体の厚さは、その強度及び耐熱性等が適切になる様に、材料に応じて適宜変更することが出来るが、その厚さは、好ましくは、2〜200μm程度である。支持体の厚さが、2μm未満であると、熱転写型画像保護シートを印画物と合わせてラミネータ等の加熱装置に通す際に、熱転写型画像保護シートがシワになりやすく好ましくない。また、その厚さが200μmを超えると、熱転写性樹脂層の転写に必要な熱が熱転写性樹脂層の最表面まで伝わりにくくなり、印画物に転写し難くなり好ましくない。
上記の支持体表面は熱転写性樹脂層を設ける側と逆側の面にコロナ処理等が施されていても良い。
【0017】
(背面層)
本発明で使用する熱転写型画像保護シートは、上記の支持体の熱転写性樹脂層の設けている側と反対面に、必要に応じて、熱転写手段10としてのサーマルヘッドやヒートロール等の熱によるスティッキングやシワ及び転写層面側とのブロッキングなどの悪影響を防止するため、背面層7を設けることができる。
上記の背面層7を形成する樹脂としては、従来公知のものであればよく、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリルポリオール、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタン又はエポキシのプレポリマー、ニトロセルロース樹脂、セルロースナイトレート樹脂、セルロースアセトプロピオネート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、セルロースアセテートヒドロジエンフタレート樹脂、酢酸セルロース樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。
【0018】
これらの樹脂からなる背面層に添加、あるいは上塗りする滑り性付与剤としては、燐酸エステル、シリコーンオイル、グラファイトパウダー、シリコーン系グラフトポリマー、フッ素系グラフトポリマー、アクリルシリコーングラフトポリマー、アクリルシロキサン、アリールシロキサン等のシリコーン重合体が挙げられるが、好ましくは、ポリオール、例えば、ポリアルコール高分子化合物とポリイソシアネート化合物及び燐酸エステル系化合物からなる層であり、更に充填剤を添加することがより好ましい。
背面層は、上記に記載した樹脂、滑り性付与剤、更に充填剤を、適当な溶剤により、溶解又は分散させて、背面層形成用インキを調製し、これを、上記の基材シートの裏面に、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースコーティング法等の形成手段により塗布し、乾燥して形成することができる。背面層の塗工量は、固形分で、0.1g/m2〜3.0g/m2が好ましい。
【0019】
(剥離層)
本発明の熱転写型画像保護シートは、支持体上に剥離可能に少なくとも1層以上の熱転写性樹脂層を積層した構成で、支持体と接する層として、剥離層4を用い、その上にさらに主保護層や接着層等を設け、加熱の際に、支持体から熱転写性樹脂層3を剥離し易くすることができる。
この剥離層は、加熱の際に支持体から剥離して、被転写体の印画物に転写され、印画物の保護層としての最表面層となる。
【0020】
剥離層に用いるバインダーは、具体的には、セルロース系樹脂、メラミン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエンゴム等の熱可塑性エラストマーが挙げられる。このほかに必要に応じて、紫外線吸収剤、有機フィラー及び/又は無機フィラーを適宜添加することが出来る。
【0021】
剥離層の形成は、剥離層形成用塗工液を、従来公知のグラビアダイレクトコート、グラビアリバースコート、ナイフコート、エアコート、ロールコート等の方法により、乾燥状態で厚さ0.05〜5g/m2程度を設けるものである。乾燥塗膜の厚さが、0.05g/m2未満の場合、支持体と熱転写性樹脂層の接着性が向上し、良好な剥離効果が得られない。また、厚さが5g/m2を越えた場合、印字時の転写感度が低下するため好ましくない。
【0022】
(主保護層)
本発明で使用する熱転写型画像保護シートの支持体上に設ける少なくとも1層以上の熱転写性樹脂層を構成する主保護層5は、従来から保護層形成用樹脂として知られている各種の樹脂で形成することができる。保護層形成用樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂として、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、エポキシ系樹脂、フェノキシ樹脂、これらの各樹脂をシリコーン変性させた樹脂、これらの各樹脂の混合物や、電離放射線硬化性樹脂、紫外線遮断性樹脂等を例示することができる。このほかに必要に応じて、紫外線吸収剤、有機フィラー及び/又は無機フィラーを適宜添加することが出来る。
【0023】
電離放射線硬化性樹脂を含有する場合の主保護層は、耐可塑剤性や耐擦過性が特に優れている。電離放射線硬化性樹脂としては公知のものを使用することができ、例えば、ラジカル重合性のポリマー又はオリゴマーを電離放射線照射により架橋、硬化させ、必要に応じて光重合開始剤を添加し、電子線や紫外線によって重合架橋させたものを使用することができる。尚、上記の電離放射線硬化性樹脂は、熱転写型画像保護シートの剥離層や接着層にも、添加することができる。
紫外線遮断性樹脂や、紫外線吸収剤を含有する主保護層は、印画物に耐光性を付与することを主目的とする。紫外線遮断性樹脂としては、例えば、反応性紫外線吸収剤を熱可塑性樹脂又は上記の電離放射線硬化性樹脂に反応、結合させて得た樹脂を使用することができる。より具体的には、サリシレート系、フェニルアクリレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、クマリン系、トリアジン系、ニッケルキレート系の様な従来公知の非反応性の有機系紫外線吸収剤に、付加重合性二重結合(例えばビニル基、アクリロイル基、メタアクリロイル基など)、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基のような反応性基を導入したものを例示することができる。
【0024】
紫外線吸収剤は、従来公知の非反応性の有機系紫外線吸収剤で、サリシレート系、フェニルアクリレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、クマリン系、トリアジン系、ニッケルキレート系が挙げられる。
また、上記の紫外線遮断性樹脂や、紫外線吸収剤を熱転写型画像保護シートの剥離層や接着層にも、添加することができる。
紫外線遮断性樹脂や、紫外線吸収剤の添加量としては、バインダー樹脂の1〜30%(重量)、好ましくは5〜20%程度である。
有機フィラー及び/又は無機フィラーとしては、具体的にはポリエチレンワックス、ビスアマイド、ナイロン、アクリル樹脂、架橋ポリスチレン、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、タルク、炭酸カルシウム、酸化チタン、マイクロシリカ、コロイダルシリカ等のシリカ微粉末等が挙げられるが、特に限定はされず何でも使用できる。但し、滑り性が良く、粒径は、10μm以下好ましくは0.1〜3μmの範囲のものが好ましい。フィラーの添加量は、上記のような樹脂分100重量部に対して、0〜100重量部の範囲で、主保護層の転写した時に透明性が保たれる程度が好ましい。
【0025】
主保護層は、上記に記載した保護層形成用樹脂と必要に応じて、紫外線吸収剤、有機フィラー及び/又は無機フィラー等の添加剤を加え、適当な溶剤により、溶解又は分散させて、主保護層形成用インキを調製し、これを、上記の支持体上に、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースコーティング法等の形成手段により塗布し、乾燥して形成することができる。
本発明で使用する熱転写型画像保護シートの転写される層(熱転写性樹脂層)全体の塗布量が、乾燥状態で2〜30g/m2程度、好ましくは3〜20g/m2に、形成するものである。
主保護層が剥離層や接着層の機能を有していれば、主保護層の単層で熱転写性樹脂層を構成したり、適宜、熱転写性樹脂層の層構成を変更することができる。
【0026】
(接着層)
本発明で使用する熱転写型画像保護シートは、支持体表面から剥離可能な少なくとも1層以上の熱転写性樹脂層が積層された構成で、該熱転写性樹脂層側表面にディレードタック性を有することを特徴とする。熱転写性樹脂層を構成する主保護層や剥離層の表面に、接着層としてディレードタック剤を用いることが好ましい。尚、主保護層が剥離層や接着層の機能を有していれば、主保護層の単層で熱転写性樹脂層を構成する場合は、主保護層にディレードタック剤を使用すればよい。
【0027】
ディレードタック剤は、一般的には、熱可塑性樹脂と、タッキファイヤー(粘着付与剤とも言う)と固体可塑剤からなり、本発明におけるディレードタック性を発揮させることができる。
本発明におけるディレードタック性とは、塗液を調製して塗工、可塑剤の融点未満で乾燥させることにより得られる塗膜の表面は、指で触ってもベトツキがないが、転写時のラミネータ等の加熱により、一旦、添加されている可塑剤の融点以上に加熱すると、可塑剤が溶融し、熱可塑性樹脂を膨潤、溶解して粘弾性、粘着性が発現する性質をいう。
ディレードタック剤を塗工後は、塗工表面に粘着性を生じていない為、被転写紙との位置合わせを容易に行える。被転写物への転写中と転写後は粘着剤並みの粘弾性、粘着性が発現する為、コピー用紙、ハガキ又は、インクジェットのマット紙などの粗い表面に対して、容易にその表面形状に追従して密着でき、表面凹部に泡が混入する(泡かみを生じる)ことがない。
【0028】
また、被転写物への転写後は粘着剤並みの粘弾性を有する為、保護層転写シートを転写した後の被記録材を丸めても、保護層の表面にクラックが生じない。これは、通常の粘着剤が塗工直後から粘弾性、粘着性を帯びている点とは、被転写紙と保護層との位置合わせで、両者を接触させて位置の調整を行う際、一旦接触すると両者を離すには力が必要となったり、位置合わせで両者を接触したり、離したりしている時、粘着剤が被転写体に転移したりして、位置合わせの作業性が悪い点とは、異なるものである。
【0029】
本発明で用いられるディレードタック剤中の熱可塑性樹脂としては、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン/アクリル共重合系樹脂、スチレン/ブタジエン共重合樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂などが挙げられる。
タッキファイヤーとしては、ロジン誘導体、テルペン樹脂系、石油樹脂系、フェノール樹脂系、キシレン樹脂系などが挙げられ、熱可塑性樹脂100重量部に対して、10〜600重量部程度の割合で加えて使用する。
固体可塑剤としては、ジシクロヘキシルフタレート、ジフェニルフタレート、N−シクロヘキシル−p−トルエンスルホンアミド、o/p−トルエンスルホンアミドなどが挙げられ、熱可塑性樹脂100重量部に対して、30〜1000重量部程度の割合で使用する。
市販されているディレードタック剤としては、東洋インキ製造株式会社製「ヒートマジックDW2000」、「ヒートマジックDW1000」、昭和高分子株式会社製「PSA DT−1000」、ダイセル化学工業株式会社製「エコブリットTM100」などが挙げられ、これらを使用することができる。
【0030】
ディレードタック剤は、結晶性固体可塑剤を使用する為、基材に塗工するした際は通常、塗膜が白濁を生じているが、印画物に転写した後に、下に位置する画像を観察する際に、支障の無いように、ラミネータなどで転写時に、可塑剤の融点以上に加熱後に透明性を有するものを選択する必要がある。
保護層転写後の転写物の耐屈曲性を向上するには、転写後の保護層が屈曲に耐えられるような柔軟性のある粘弾性を持たなくてはならない。塗工直後から常温で柔軟性のある粘弾性を有する粘着剤を接着層として用いても耐屈曲性は良好となるが、ラミネータによる加熱以前より粘着性を有する為、印画物と保護層転写シートを重ねあわせ位置合わせを行っている最中に、誤った位置で保護層が転写されてしまうという不具合が生じる。
【0031】
接着層は、必要に応じて、紫外線吸収剤、有機フィラー及び/又は無機フィラー等の添加剤を加え、適当な溶剤により、溶解又は分散させて、主保護層形成用インキを調製し、これを、上記の支持体上に、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースコーティング法等の形成手段により塗布し、乾燥して形成することができる。
【0032】
上記の紫外線遮断性樹脂は、主保護層で説明したものと同様のものである。
上記のような接着層を構成する樹脂に必要に応じて、紫外線吸収剤や、無機または有機フィラー等の添加剤を加えた塗工液を塗布及び乾燥することによって、好ましくは乾燥時で0.5〜30g/m2程度の厚みに形成する。接着層の厚さが少なすぎると、印画物と熱転写性樹脂層との接着性が劣り、印字の際に転写不良となりやすい。また、その厚さが多すぎる場合、保護層の熱転写の際に、転写感度が低下し、均一な保護層の熱転写が行なわれにくくなる。
【0033】
(印画物)
本発明で使用する印画物8は、電子写真記録方式、インクジェット記録方式、熱転写記録方式のいずれかによる非銀塩写真方式のカラーハードコピー記録方式を用いて出力したものであり、基材上に直接、画像を形成してもよいし、必要に応じて、記録材を受容、定着しやすいように、用いる記録方式に適する受容層を基材上に設けたものでもよい。
【0034】
印画物の基材としては、例えば、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系等)、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、壁紙、裏打ち用紙、合成樹脂又はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、板紙等のセルロース繊維紙、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリレート等の各種のプラスチックフィルムまたはシート等が使用でき、また、これらの合成樹脂に白色顔料や充填剤を加えて成膜した白色不透明フィルム、あるいは基材内部に微細空隙(ミクロボイド)を有するフィルム等も使用でき、特に限定されない。また、上記基材の任意の組合せによる積層体も使用できる。
これらの基材の厚みは任意でよく、例えば、10〜300μm程度の厚みが一般的である。
【0035】
上記の印画物に画像を形成する際に用いる記録方式の一つに電子写真記録方式があり、この記録方式は、感光体が帯電器を通過するとき、コロナ放電で発生するイオンを一様に感光体面に帯電させ、露光部で感光体表面を画像状に露光し、光導電現象により光の当たった部分の帯電電荷を除去し、光の当たらない部分の電荷で潜像を形成させる。次に、現像部で潜像に帯電したトナーを静電的に付着させ可視像を得て、転写部でその可視像を印画物に転写し、定着部の熱と圧力で転写像を印画物に定着させるものである。
そして、フルカラーの画像形成を行うには、上記のトナーをイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーを用いて、各々のトナーで上記に説明した工程を繰り返し行う。
【0036】
また、印画物への画像形成する記録方式の一つとして、インクジェット記録方式を用いることができ、この方式は、インク液滴を記録媒体に直接吹き付けて文字や画像を形成するもので、例えば、画像信号に対応してインクを液滴化し記録を行うオンデマンド型では、ピエゾ素子に通電することにより、インク室の体積を変化させ、ノズルよりインクを噴射する電気・機械変換型と、ノズル内に発熱素子を埋め込み、これに通電することによりインクを瞬時に加熱・沸騰させて、インク中に泡をつくり、急激な体積変化によって、インクをノズルから噴出させる電気・熱変換方式等がある。フルカラーの画像形成を行うには、上記のインクをイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のインクを用いて、各々のインクで上記に説明した工程を繰り返し行う。
【0037】
さらに、印画物への画像形成する記録方式の一つとして、熱転写記録方式が挙げられ、この方式は、画像信号により制御された熱エネルギーをサーマルヘッドで発生させ、インク等の記録材料の活性化エネルギーとして用いて記録する方式で、インクリボンを記録紙に重ね、適度な加圧状態にあるサーマルヘッドとプラテンとの間を通し、通電により昇温したサーマルヘッドにより、記録材は活性化され、プラテンの圧力に助けられて、記録紙に転写される。この方式の転写記録方式には、熱溶融型と熱昇華型があり、いずれのものでも、本発明の印画物の画像形成に用いることができる。
【0038】
以上説明してきた非銀塩写真方式のカラーハードコピー記録方式である電子写真記録方式、インクジェット記録方式、熱転写記録方式のいずれか、一つの記録方式で記録紙に画像形成したり、あるいは上記の記録方式を複数組合わせて、例えば、階調画像部を電子写真記録方式で行い、文字部分を熱溶融型熱転写記録方式で行う等を実施することができる。
受容層は、用いる記録方式に適した樹脂に必要に応じて添加剤を加え、適当な溶剤に溶解または分散して調整した塗工液を、基材上に、グラビア印刷、シルクスクリーン印刷等の公知の印刷手段、あるいは、グラビアコート等の公知の塗工手段により形成し、厚さは乾燥時で0.5〜10μm程度である。
【0039】
(保護層形成方法)
本発明で利用する保護層形成方法は、上記に説明した熱転写型画像保護シートと印画物とを、熱転写性樹脂層と印画物の画像面とを接するように重ね合せて、印画物の画像上に、少なくとも印画された部分を覆うように熱転写性樹脂層を熱転写して形成し、その後に支持体を剥離して、印画物の画像上に保護層を形成するものである。この保護層形成方法において、非銀塩写真方式のカラーハードコピー記録方式で画像形成された印画物に、支持体上に熱転写性樹脂層を剥離可能に設けた熱転写型画像保護シートを用いて、印画物の画像上に、熱転写性樹脂層の保護層を熱転写する手段は、サーマルヘッドとプラテンの間に印画物と熱転写型画像保護シートを挟み込み、サーマルヘッドからの加熱を行ったり、図3に示すようなヒートロール方式(市販されているラミネーターがこのタイプのものが多く、一対のヒートロール、または一本のみのヒートロールで熱プレスする方式)や、加熱した平板と平板で挟み込んだり、加熱した平板とロールで挟んで、熱プレスしたりすることができる。また、レーザー照射による加熱の熱転写手段でも適用可能である。
【0040】
本発明の保護層形成方法は、上記に説明した電子写真記録方式、インクジェット記録方式、熱転写記録方式の非銀塩写真方式のカラーハードコピー記録方式による印画物の画像形成手段と、支持体上に熱転写性樹脂層を剥離可能に設けた熱転写型画像保護シートを用いて、印画物の画像上に、保護層を熱転写する手段とが、インラインで実施されたり、オフラインで行ったり、自由に指定することができる。また、上記の手段をインラインで行うにも、画像形成手段と保護層熱転写手段を同一の装置で行ったり、別個の装置を連結して行うことも可能である。
【0041】
本発明の保護層形成方法では、電子写真記録方式で印画物の画像形成を行い、保護層の熱転写手段を用いて、印画物のトナー画像上に保護層を形成することができ、イエロー、マゼンタ、シアン等のトナーによる画像の耐光性等の耐久性を向上させることができる。
また、インクジェット記録方式の印画物は、大気放置下でオゾンや酸素等の影響で、色相が変化しやすい。これを防止するために、本発明で使用される熱転写性樹脂層の保護層がガスバリアーとしての機能も発揮し、印画物の画像の耐久性を向上させることができる。
【0042】
【実施例】
次に実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。尚、文中、部または%とあるのは、特に断りのない限り、重量基準である。
(実施例1)
以下の条件にて、各例の熱転写型画像保護シートを作製した。
支持体として、東レ株式会社製ポリエチレンテレフタレートフィルム「ルミラーT−60」厚さ50μmを使用し、該支持体上に(プライマー処理等を行なわず、支持体上に直接)、下記組成からなる剥離層をグラビアコートにより、乾燥時1.5g/m2で塗工後、110℃、1分間乾燥し、剥離層を形成した。
【0043】
<剥離層用塗工液>
BR−87(アクリル樹脂、三菱レイヨン(株)製) 100部
RV220(ポリエステル樹脂、東洋紡績(株)製) 0.5部
TINUVIN900
(ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、チバガイギー社製) 10部
メチルエチルケトン 200部
トルエン 200部
【0044】
次に、剥離層上に下記組成からなる接着層をグラビアコートにより、乾燥時8g/m2で塗工後、40℃、2分間乾燥し、接着層を形成して、実施例1の熱転写型画像保護シートを得た。
<接着層用塗工液>
TM−100(ディレードタック剤、ダイセル化学工業株式会社) 100部
水 10部
【0045】
(実施例2)
接着層用塗工液のディレードタック剤をTM−120(ディレードタック剤、ダイセル化学工業株式会社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例2の熱転写型画像保護シートを得た。
【0046】
(実施例3)
接着層の塗工量を3.5g/m2にした以外は、実施例1と同様にして実施例3の熱転写型画像保護シートを得た。
【0047】
(実施例4)
接着層の塗工量を15g/m2にした以外は、実施例1と同様にして実施例4の熱転写型画像保護シートを得た。
【0048】
(比較例1)
実施例と同様にして設けた剥離層上に下記組成からなる接着層をグラビアコートにより、乾燥時8g/m2で塗工後、100℃、1分間乾燥し、接着層を形成して、比較例1の熱転写型画像保護シートを得た。
<接着層用塗工液>
【0049】
(比較例2)
実施例と同様にして設けた剥離層上に下記組成からなる接着層をグラビアコートにより、乾燥時8g/m2で塗工後、100℃、1分間乾燥し、接着層を形成して、比較例2の熱転写型画像保護シートを得た。
<接着層用塗工液>
【0050】
(比較例3)
実施例と同様にして設けた剥離層上に下記組成からなる接着層をグラビアコートにより、乾燥時8g/m2で塗工後、100℃、1分間乾燥し、接着層を形成して、比較例3の熱転写型画像保護シートを得た。
<接着層用塗工液>
RV600(ポリエステル樹脂、東洋紡績(株)製) 100部
メチルエチルケトン 200部
トルエン 200部
【0051】
<熱転写型画像保護シートの受像シートへの転写>
上記のように作製した熱転写型画像保護シートをA4にカットし、接着層面と、キャノン(株)製インクジェットプリンターにて100%黒ベタを印画済みのキャノン(株)製インクジェット受像シートHR−101S(A4)の受像面側を重ね合せ、保護シートと受像シートの端面を合わせるように位置合わせを行った後に、フジプラ(株)製ラミネータLamipacker LPD3204にて、加熱温度130℃、速度5mm/sの条件で加熱後、支持体を剥がし、保護層転写物(保護層の転写された印画物)を得た。
【0052】
<位置合わせの際の作業性>
上記ラミネータにて転写する直前に、熱転写型画像保護シートと受像シートの端面を合わせるように位置合わせを行った際の作業性について、下記の評価基準にて評価した。その結果を表1に示す
○:熱転写型画像保護シートと受像シートの間で貼りつくことは無く、問題無く位置合わせを行えた。
×:熱転写型画像保護シートと受像シートの間で貼りつきが生じ、正確な位置合わせが完了する前に、受像シート側に保護層が一部又は全部転写されてしまった。
【0053】
<保護層の定着性>
上記条件で得られた転写物表面の泡かみの状態を目視で観察し、下記の評価基準にて評価した。その結果を表1に示す
○:保護層転写範囲内において、泡かみが生じていない。
△:保護層転写範囲内において、わずかに泡かみが生じている。
×:保護層転写範囲内において、多々泡かみが生じている。
【0054】
<耐屈曲性>
上記条件で得られた転写物を幅50mm×500mmの長方形にカットし、直径が15mm、26mm、及び33mmの円筒状の棒に、保護層転写面外側で長辺方向に一回巻き付けた後、保護層表面上のクラックの有無を目視で観察し、各棒の直径別に下記の評価基準にて評価した。その結果を表1に示す。
○:準備したすべての巻き付け棒においてクラックが生じていない
15:巻き付け棒の直径が15mmではクラックが生じるが、26mm及び33mmではクラックは生じない
26:巻き付け棒の直径が15mm及び26mmではクラックが生じるが、33mmではクラックは生じない
×:準備したすべての巻き付け棒においてクラックが生じる。
【0055】
【表1】
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、支持体上に該支持体表面から剥離可能な少なくとも1層以上の熱転写性樹脂層が積層された熱転写型画像保護シートにおいて、該熱転写型画像保護シートの熱転写性樹脂層側表面がディレードタック性を示すことを特徴とし、好ましくは、熱転写性樹脂層が、支持体側から少なくとも剥離層、ディレードタック層の順からなることにより、表面の粗い被転写紙に対しても良好な定着性を示し、転写後の転写物の耐屈曲性に優れ、また、被転写紙との位置合わせの作業性が良好となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における熱転写型画像保護シート1の一つの実施形態を示す概略断面図である。
【図2】本発明における熱転写型画像保護シートの他の実施形態を示す概略断面図である。
【図3】本発明で利用する保護層形成方法の一つの実施形態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 熱転写型画像保護シート
2 支持体
3 熱転写性樹脂層
4 剥離層
5 主保護層
6 接着層
7 背面層
8 印画物
9 画像
10 熱転写手段
Claims (2)
- 支持体上に該支持体表面から剥離可能な少なくとも1層以上の熱転写性樹脂層が積層された熱転写型画像保護シートにおいて、該熱転写型画像保護シートの熱転写性樹脂層側表面がディレードタック性を示すことを特徴とする熱転写型画像保護シート。
- 前記の熱転写性樹脂層が、支持体側から少なくとも剥離層、ディレードタック層の順からなることを特徴とする請求項1の熱転写型画像保護シート。
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