JP2004205118A - 空気調和装置の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】異常状態が検知されて空気調和装置の運転が停止しても、軽微な異常である場合には再運転し、空調環境の劣化を防止することができる空気調和装置の制御装置を提供する。
【解決手段】圧縮機1、凝縮器2、絞り手段3、蒸発器4およびこれらを連通する冷媒配管5を有する冷媒回路6と、上記圧縮機1に交流電圧を供給するインバータ11と、上記圧縮機の温度、圧力検出手段14〜16および上記インバータ11の電圧、電流検出手段18〜20を有し、各検出手段の検出値から異常を検知して上記冷媒回路6の運転を停止する異常検知手段22と、上記異常検知手段22によって検知された異常部位の動作を確認すると共に、確認結果にもとづいて異常状態の内容を判定する異常部位動作確認手段23と、上記判定結果を表示する異常表示手段26とを備えた構成とする。
【選択図】 図1
【解決手段】圧縮機1、凝縮器2、絞り手段3、蒸発器4およびこれらを連通する冷媒配管5を有する冷媒回路6と、上記圧縮機1に交流電圧を供給するインバータ11と、上記圧縮機の温度、圧力検出手段14〜16および上記インバータ11の電圧、電流検出手段18〜20を有し、各検出手段の検出値から異常を検知して上記冷媒回路6の運転を停止する異常検知手段22と、上記異常検知手段22によって検知された異常部位の動作を確認すると共に、確認結果にもとづいて異常状態の内容を判定する異常部位動作確認手段23と、上記判定結果を表示する異常表示手段26とを備えた構成とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、空気調和装置の制御装置、特に異常検知後に異常部位を特定すると共に、空気調和装置の運転を極力継続するための判断制御を行なう制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、空気調和装置において、異常検知時に要因の自己診断を行なうことができる装置が種々提案されている。例えば、圧縮機用電動機の駆動用インバータのスイッチング素子について、チェック対象のスイッチング素子と同相のアームを構成するスイッチング素子に外部から信号を与えてONさせる作業を各相について繰り返し行ない、インバータに流入する過電流の有無を検知することによって、各スイッチング素子のショート破壊による故障診断を行なうと共に、結果を記憶および表示させるものがある。(例えば特許文献1参照)。
また、圧縮機用電動機を駆動するインバータに故障診断モード設定手段を設け、このモードの設定時に圧縮機の圧縮部が回転駆動しないような電圧を印加し、この時の電流を検出することによって圧縮機の異常または圧縮機とインバータとの結線異常を診断できるようにしたものがある。(例えば特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−71805号公報(段落0034−0035、図2、図3)
【特許文献2】
特開平7−67248号公報(段落0014−0019、図1、図3)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の空気調和装置による異常自己診断は、上記のように行なわれていたので以下のような問題点があった。即ち、故障復旧作業の効率化を主目的として外部信号またはモード切り替えにもとづいて故障判定を実施しており、故障発生後に要因の解明と復旧作業を行なっているため、故障発生時に機器が機能停止するという状況は従来どおり発生し、空気調和装置の空調環境の劣化が避けられないという問題点があった。
また、異常状態の連続発生を前提として故障診断を自動判定する場合でも、部品の正常判定が得られた時に自動的に機器の運転を再開し、元の正常な運転状態に復帰する手段を備えておらず、故障が復旧した旨の情報提供に止まっていたという問題点があった。
【0005】
この発明は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、異常状態が検知されて空気調和装置の運転が停止しても、軽微な異常である場合には再運転し、空調環境の劣化を防止することができる空気調和装置の制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る空気調和装置の制御装置は、圧縮機、凝縮器、絞り手段、蒸発器およびこれらを連通する冷媒配管を有する冷媒回路と、上記圧縮機に交流電圧を供給するインバータと、上記圧縮機の温度、圧力検出手段および上記インバータの電圧、電流検出手段を有し、各検出手段の検出値から異常を検知して上記冷媒回路の運転を停止する異常検知手段と、上記異常検知手段によって検知された異常部位の動作を確認すると共に、確認結果にもとづいて異常状態の内容を判定する異常部位動作確認手段と、上記判定結果を表示する異常表示手段とを備えたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図にもとづいて説明する。図1は、実施の形態1の構成を示す概略図である。この図において、圧縮機1と凝縮器2と絞り手段3と蒸発器4はそれぞれ冷媒配管5で連通され、冷媒回路6を構成している。圧縮機1は交流電源7を整流する整流回路8、直流リアクトル9、直流平滑コンデンサ10による直流化を経てインバータ11で交流に再変換された電圧により駆動されるものである。インバータ11の冷却用として、ヒートシンク12および冷却ファン13が配設されている。
また、制御用のセンサとして、圧縮機1の吐出側に接続された高圧圧力(Pd)センサ14、吐出温度(Td)センサ15、圧縮機1の吸入側に接続された低圧圧力(Ps)センサ16、ヒートシンク12の温度センサ17、インバータ11の直流側に接続された直流母線電圧センサ18、直流電流(Id)センサ19、インバータ11の交流側に接続され、U相およびW相の電流を検知する交流電流センサ20が設けられている。
【0008】
更に、制御用のアクチュエータとしては、圧縮機1の速度制御用としてインバータ11、冷媒回路中で冷媒を減圧する絞り手段3、のほか凝縮器2および蒸発器4用の送風機(図示せず)などが設けられている。
上述した各種センサの検出値は、センサ検出手段21に集約され、異常検知手段22においてそれぞれの値が異常値かどうかを判断し、異常の場合は冷媒回路6の運転を一旦停止する。異常検知手段22の異常判定に伴い、異常部位動作確認手段23により、センサ検出手段21の検出値を確認しつつアクチュエータ動作手段24により上述した各種アクチュエータに所望の動作をさせると共に、異常の状態について「異常」「軽微な異常」「異常なし」の判定を行なう。
また、軽微な異常の場合には、計数手段25により軽微な異常としての判定回数を数え、所定時間内に何回発生したかを確認する。軽微な異常の発生頻度が大になり、所定時間内に所定回数以上発生した場合は、異常判定されたものと同等に扱い、異常表示手段26に異常表示を行なう。この場合、冷媒回路6はそのまま運転を停止する。異常部位動作確認手段23による判定が「異常なし」および「軽微な異常」で計数手段25の計数値が所定頻度以下の場合は、第1の再運転手段27により冷媒回路6は通常の運転状態に復帰する。
【0009】
この制御動作を図2に示すフローチャートにもとづき更に詳細に説明する。
ステップS1で各センサのセンサ入力値をセンサ検出手段21に取り込み、ステップS2へ進む。ステップS2では、異常検知手段22による異常判定を行ない、異常があればステップS3へ進み、異常がなければ本制御を終了する。
なお、ここで異常判定した場合には、冷媒回路6の運転を一旦停止させる。
ステップS3では、異常部位動作確認手段23によって異常部位の動作を後述する判定手段と手順によって確認し、その判定情報を生成してステップS4に進む。ステップS4では、異常部位動作確認手段23によって生成された判定結果情報を判別し、異常が確認できた場合はステップS8へ進み、軽微な異常と判定された場合にはステップS6へ進み、異常なし(正常)と判定された場合にはステップS5へ進む。ステップS5では、第1の再運転手段27によって冷媒回路6を通常の運転状態に復旧させ、本制御を終了する。
【0010】
ステップS6では、計数手段25によって軽微な異常の発生回数を加算し、ステップS7へ進む。ステップS7では、軽微な異常の発生回数の加算値が所定値を超えているかどうかを判定し、超えておればステップS8へ進み、超えていなければステップS5へ進む。ステップS8では、冷媒回路6を異常停止状態とし、ステップS9へ進む。ステップS9では、異常表示手段26に異常表示をし、ステップS10へ進む。ステップS10では、計数手段25の軽微な異常の発生回数の加算値を0クリアし、本制御を終了する。
【0011】
実施の形態1は、以上のような構成と制御手順を有するため、センサの検出値によって異常検知をした場合でも異常部位動作確認手段23による確認作業を実施することにより軽微な異常の場合には、異常停止状態に至るのを抑制することができる。センサの検出値による異常停止後、異常部位動作確認手段23による再確認で異常なし、と判定されるケースは外乱などによる一過性の異常検知と考えられ、冷媒回路6を再運転しても問題はないと考えられる。
また、センサの検出値による異常検知後、異常部位動作確認手段23による再確認で軽微な異常、と判定されるケースは異常内容が、空調機の運転環境による特異な不具合状況による異常検知であり、再度起動から運転再開した場合、再発の可能性が低いと考えられるもので、例えば夏の昼間の過負荷運転など、時間の経過と共に発生の可能性が変化する場合である。
なお、本フローチャートでは、軽微な異常の加算計数において、時間管理を実施していないが、上述のように、所定時間内の加算計数値による判定を行なうことで、具体的には最初の異常判定からの経過時間により、計数値を0クリアすることで、異常の最終判定による空調機の停止状態の発生を一層抑制することができる。
【0012】
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2を図にもとづいて説明する。図3は、実施の形態2の構成を示す概略図である。この図において、図1と同一または相当部分にはそれぞれ同一符号を付して説明を省略する。図1と異なる点は、異常部位動作確認手段23による「異常」「軽微な異常」「異常なし」の判定に対し、「異常」および「軽微な異常」の場合には、リセット手段29により制御回路(具体的にはマイクロコンピュータ)または制御用電源をリセットした後、計数手段25による計数を行ない、計数値によるその後の制御に移行するようにした点である。
計数値が少ない場合(計数累積の期間を設定する場合もあり)および「異常なし」の判定の場合は再運転するが、その動作は第2の再運転手段28で実施する。
第2の再運転手段28と第1の再運転手段27とは同一構成による同一制御動作でもよいが、第2の再運転手段28では、リセット手段29によるリセット動作後の運転になる場合があることから初期設定動作等が必要になる場合があるため第1の再運転手段27とは区別した。
【0013】
実施の形態2の制御動作を図4に示すフローチャートにもとづき、更に詳細に説明する。ステップS21で各センサの入力値をセンサ検出手段21に取り込み、ステップS22に進む。ステップS22では、センサ入力値にもとづき異常検知手段22による異常判定を実施し、異常があればステップS23に進み、異常がなければ本制御を終了する。
なお、ここで異常判定した場合には、冷媒回路6の運転を一旦停止させる。
ステップS23では、異常部位動作確認手段23によって異常部位の動作を後述する判定手段と手順によって確認し、その判定結果情報を生成してステップS24に進む。ステップS24では、異常部位動作確認手段23によって生成された判定結果情報を判別し、異常ありと認めた場合および軽微な異常と認めた場合にはステップS25に進み、異常部位はなく正常と認めた場合にはステップS28に進む。
【0014】
ステップS25では、制御回路マイコンのリセット動作を実施し、ステップS26に進む。ステップS26では、リセット動作が実施されたことに対応して計数手段25の計数を1加算し、ステップS27に進む。ステップS27では、計数手段25の計数値が所定値以上かどうかを判定し、所定値以上であればステップS29へ進み、そうでなければステップS28へ進む。ステップS28では、冷媒回路6を再運転し、本制御を終了する。ステップS29では、冷媒回路6を異常停止状態とし、ステップS30に進む。ステップS30では、異常表示手段26に異常表示をし、ステップS31に進む。ステップS31では、計数手段25の計数値を0クリアし、本制御を終了する。
なお、本フローチャートでは、異常および軽微な異常の加算計数において、時間管理を実施していないが、上述のように、所定時間内の加算計数値による判定を行なうことで、具体的には最初の異常判定からの経過時間により、計数値を0クリアすることで、異常の最終判定による空調機の停止状態の発生を一層抑制することができる。
【0015】
実施の形態2は以上のような構成と制御手順を有するため、センサの検出値によって異常検知をした場合でも異常部位動作確認手段23による確認作業を実施することにより軽微な異常の場合には異常停止状態に至るのを抑制することができる。センサの検出値による異常検知後、異常部位動作確認手段23による再確認で異常なし、と判定されるケースは外乱などによる一過性の異常検知と考えられ、冷媒回路6を再運転しても問題はないと考えられる。
また、センサ検出値による異常停止後、異常部位動作確認手段23による再確認で軽微な異常、と判定されるケースは異常内容が、空調機の運転環境による特異な不具合状況による異常検知であり、再度起動から運転再開した場合、再発の可能性が低いと考えられるもので、例えば夏の昼間の過負荷運転など、時間の経過と共に発生の可能性が変化する場合である。
更に、この実施の形態では、外来ノイズ等の影響でメモリ記憶内容が変化してしまったケースなどの要因で、制御動作が不調になったことにより異常検知に至った場合などにも、空調機の制御を司るマイクロコンピュータを一旦リセットすることにより制御を初期状態から再起動することができ、異常動作の再発を予防した状態で再起動し、空調機の運転を正常復旧することができる。
【0016】
次に、実施の形態1および2における異常部位動作確認手段23のうちの判定機能の処理手順の具体例を図5〜図8のフローチャートに示す。
先ず、図5に示す例について動作を説明する。ステップS41で異常検知直後のセンサ入力値を再確認し、ステップS42に進む。ステップS42では、センサ入力値が正常値かどうかを判定し、正常であればステップS43に進み、異常であればステップS44に進む。ステップS43では、異常検知直後に異常が解消した状態と判定し、トータルとして軽微な異常と判定して本制御を終了する。
ステップS44では、異常と判定して本制御を終了する。
このように判定することで、異常検知時の一過性のセンサ入力値の異常値を識別し、一過性の異常の場合に空調機が異常停止に至ることを抑制することができる。この動作は、異常検知時のセンサ入力と再確認時のセンサ入力値が通常のセンサ検出値の変動では変化が少ないことを前提としているが、一般に空調機の圧力および温度はその変化時定数が充分長く、この条件を満たすことができる。
【0017】
次に、図6に示す例について動作を説明する。ステップS51でタイマ値を0クリアし、ステップS52へ進む。ステップS52では、センサ入力値を再確認し、ステップS53へ進む。ステップS53では、センサ入力値が正常かどうかを判定し、正常であればステップS54へ進み、そうでなければステップS55へ進む。ステップS54では、異常検知直後に異常が解消した状態と判定し、トータルとして軽微な異常と判定して本制御を終了する。
ステップS55では、タイマ値が所定時間を経過しているかどうかを判定し、所定時間を過ぎている場合はステップS56で異常と判定して本制御を終了し、所定時間を過ぎていなければステップS52へ戻る。
このように判定することで、センサ入力値が所定時間以内に正常復帰すれば軽微な異常として空調機の運転を復帰させ、異常判定は所定時間超の確実なセンサ入力異常時に限ることで、空調機が異常停止状態に至ることを極力抑制することができる。なお、この制御は、センサ入力部の外乱防止のフィルタ回路の時定数によって一旦取り込んだ異常値が保持されてしまう保持時間に対する配慮であり、図5における制御の補強である。
【0018】
次に、図7に示す例について動作を説明する。ステップS61で異常検知に対して、異常検知手段22が常時保持している1回前(異常前)のセンサ入力値データを取り出し、ステップS62へ進む。ステップS62では、S61において取り込んだ異常前のデータと異常検知時の値との差の絶対値が第1の所定範囲を超えているかどうかを判定し、超えていればステップS63へ進み、超えていなければステップS64へ進む。ステップS63では、異常判定時のデータが外乱等による一過性のものであると判定して軽微な異常と判定し、本制御を終了する。
ステップS64では、特異な変化とは判定できないため異常と判定し、本制御を終了する。このように判定することで、異常検知時のセンサ入力値が特異な変化による値であるかどうかを確認し、外乱等による一過性の異常検知を排除することができる。
【0019】
次に、図8に示す例について動作を説明する。ステップS71でセンサ等の入力値とH/Wでの設定値の比較により異常検知するH/W異常検知に対して、異常検知手段22が常時保持している1回前(異常前)のセンサ入力値データを取り出し、ステップS72へ進む。ステップS72では、S71において取り込んだ異常前のデータとH/W異常検知の異常判定設定値との差の絶対値が第2の所定範囲を超えているかどうかを判定し、超えていればステップS73へ進み、超えていなければステップS74へ進む。ステップS73では、異常時のデータが外乱等による一過性のものであると判定して軽微な異常と判定し、本制御を終了する。ステップS74では、特異な変化とは判定できないため異常と判定し、本制御を終了する。このように判定することで、アナログ値による異常判定ではなく、H/W的に異常判定する場合でも、異常検知時のセンサ入力値が特異な変化による値であるかどうかを確認し、外乱等による一過性の異常検知を排除することができる。なお、H/W異常検知は、具体的には、電圧・電流等のように高速で変化し、それに応じた高速応答を要求されるセンサ値に対する異常判定に用いられている。また、機器の安全確保上の保護協調のため、マイコン等の制御を介在させずに運転を停止させる必要性から、高圧圧力などにもH/W異常検知とそれにもとづくH/W的な運転停止手段が備えられている。
【0020】
次に、実施の形態1および2における異常検知手段22の処理手順の具体例を図9〜図13のフローチャートに示す。
先ず、図9に示す例について動作を説明する。ステップS81でセンサ入力値を取り込み、ステップS82へ進む。ステップS82では、空調機が運転中かどうかを判定し、運転中であればステップS85へ進み、そうでなければステップS83へ進む。ステップS83では、センサ初期値に今回の入力取り込み値を代入し、ステップS84へ進む。ステップS84では、タイマ値を0クリアし、本制御を終了する。ステップS85では、センサ入力取り込み値が異常値かどうかを判定し、異常値であればステップS88へ進み、そうでなければステップS86へ進む。ステップS86では、タイマ値が第1の所定期間を超えているかどうかを判定し、超えておればステップS87へ進み、そうでなければ本制御を終了する。ステップS87では、センサ初期値と今回入力取り込み値との差の絶対値が第3の所定範囲を超えているかどうかを判定し、超えていれば本制御を終了し、そうでなければステップS88へ進む。ステップS88では、センサ異常と判定し、本制御を終了する。
【0021】
このように異常判定をすることで、センサ値が異常値であることだけでなく、空調機動作に応じて通常では値が変化するはずのセンサ値が変化しないことによるセンサの異常も判定することができ、異常状況をより正確に把握できる。
センサ値が変化しないことによるセンサの異常としては、センサの故障、抜け、測定位置違い、および圧縮機、凝縮器ファン(図示せず)、蒸発器ファン(図示せず)、インバータ冷却ファン13などのアクチュエータ動作不良が考えられる。
なお、ここでは「運転」の判定を空調機全体の運転として説明したが、個々のアクチュエータの運転を起点とすれば、対応するセンサの入力取り込み値の変化の判定を、より正確に行なうことができる。この場合、初期値としても個々のアクチュエータの動作直前の値を用いることになる。
具体的な例としては、インバータ冷却ファン13とそれに対応するヒートシンク温度センサ17、圧縮機1とそれに対応する高圧圧力センサ14および低圧圧力センサ16および吐出温度センサ15の関係などがある。
【0022】
次に、図10に示す例について動作を説明する。ステップS91でセンサ入力、ここではヒートシンク温度センサ17の入力値を取り込み、ステップS92に進む。ステップS92では、ヒートシンクの冷却ファン13の運転状態を確認し、運転であればステップS95へ進み、停止であればステップS93へ進む。
ステップS93では、初期値に今回の入力取り込み値を代入し、ステップS94へ進む。ステップS94では、タイマ値を0クリアし、本制御を終了する。
ステップS95では、タイマ値が第2の所定期間より短いかどうかを判定し、短ければステップS96へ進み、そうでなければステップS97へ進む。
ステップS96では、起動時値に今回の入力取り込み値を代入し、本制御を終了する。ステップS97では、入力取り込み値が異常値かどうかを判定し、異常値であればステップS98へ進み、そうでなければ本制御を終了する。
ステップS98では、初期値と起動時値との差の絶対値が第4の所定範囲より小さいかどうかを判定し、小さければステップS99へ進み、そうでなければステップS100へ進む。ステップS99では、冷却ファンの異常と判定し、本制御を終了する。ステップS100では、電源電圧値を確認して所定電圧値より小さいかどうかを判定し、小さければステップS101で軽微な異常と判定し、そうでなければステップS102で過負荷異常と判定する。
【0023】
このような異常検知判定をすることで、ヒートシンク12の温度が上昇し異常検知した場合に、冷却ファン13の動作に伴ってヒートシンク12の温度が低下するという効果が得られたかどうかの判定により、冷却ファン13が機能しているかどうかを判定し、冷却ファン13の異常状態を明確化することができる。
ただし、この場合も、冷却ファン13そのものの異常と共に風路の詰り等も考慮する必要がある。また、冷却ファン13は異常でないと判定した場合に、電源電圧値を確認することで、電源電圧が低いことによる空調機およびインバータの効率低下によるヒートシンク12の温度上昇と判定できた場合は、再運転により空調機の運転状況が変化することも期待できるため異常検知時点で軽微な異常と判定して再運転を促すことができる。
【0024】
次に、図11に示す例について動作を説明する。ステップS111で直流母線電圧センサ18の前回取り込み値を前回値データとして保持し、ステップS112へ進む。ステップS112では、新たに直流母線電圧センサ18の入力値を取り込み、ステップS113へ進む。ステップS113では、空調機、より正確にはインバータ11の運転状態を確認し、運転しておればステップS115へ進み、停止であればステップS114へ進む。ステップS114では、センサ入力取り込み値が異常値かどうかを判定し、異常値であればステップS121へ進み、そうでなければ本制御を終了する。
ステップS115では、センサ入力取り込み値が異常値かどうかを判定し、異常値であればステップS116へ進み、そうでなければ本制御を終了する。
ステップS116では、前回値と今回の取り込み値との差の絶対値が第5の所定範囲より小さいかどうかを判定し、小さければステップS120へ進み、そうでなければステップS117へ進む。ステップS117では、一旦空調機(インバータ)の運転を停止し、ステップS118へ進む。ステップS118では、再度直流母線電圧のセンサ18の入力値を取り込み、ステップS119へ進む。
ステップS119では、異常検知時のセンサ入力取り込み値と再度取り込んだ値との差の絶対値が第6の所定範囲を超えているかどうかを判定し、超えていればステップS120へ進み、そうでなければステップS121へ進む。
ステップS120では、インバータへの入力電源回路を開閉する電源開閉部(図示せず)の不良と判定し、本制御を終了する。ステップS121では、電源の不良と判定し、本制御を終了する。
【0025】
このように、異常判定をすることで、停止中の直流母線電圧の異常および運転中の定常的な直流母線電圧の異常時に電源の不良と判定し、異常要因の絞り込みを実施できる。また、運転中の過渡的な直流母線電圧の異常検知に関しては電源開閉部の異常として識別することができる。
このように、1つのセンサによる異常検知に対して、要因をさらに識別することで不具合状況の修正作業に対して便宜を図ることができる。
なお、過渡的な直流母線電圧の異常検知に関しては、図5〜図7のアルゴリズムとの組合せにより軽微な異常と判定され、所定回数以下であれば再運転されることになる。
【0026】
次に、図12に示す例について動作を説明する。ステップS131で電流センサ入力値を取り込み、ステップS132へ進む。ステップS132では、空調機(インバータ)の運転状態を確認し、運転しておればステップS136へ進み、停止しておればステップS133へ進む。ステップS133では、初期値に今回入力取り込み値を代入し、ステップS134へ進む。ステップS134では、入力取り込み値が異常値かどうかを判定し、異常値であればステップS135へ進み、そうでなければ本制御を終了する。ステップS135では、センサ異常と判定し、本制御を終了する。
ステップS136では、初期値と今回入力取り込み値との差の絶対値が第7の所定範囲より小さいかどうかを判定し、小さければステップS137へ進み、そうでなければ本制御を終了する。ステップS137では、インバータ出力配線不良と判定し、本制御を終了する。
このように異常検知をすることで、電流センサ入力取り込み値に関する異常において、不具合点の分類を実施することができる。なお、図9のアルゴリズムとの併用により、電流センサのセンサ異常判定と配線不良判定が共存することになり、不具合時の確認ポイントを指摘するという意味で絞り込みとは相反するが実メンテナンス作業時には有効な情報が提供できる。
【0027】
次に、図13に示す例について動作を説明する。ステップS141でセンサ入力、ここでは圧縮機1の高圧圧力(Pd)、低圧圧力(Ps)、吐出温度(Td)、インバータの電流等のセンサ入力を取り込み、ステップS142へ進む。
ステップS142では、空調機が運転しているかどうかを判定し、運転しておればステップS144へ進み、そうでなければステップS143へ進む。
ステップS143では、各入力取り込み値を初期値に代入し、本制御を終了する。ステップS144では、電流取り込み値が所定値より大きいかどうかを判定し、大きければステップS147へ進み、そうでなければステップS145へ進む。ステップS145では、Pd,Ps,Tdの各々が初期値と今回取り込み値との差の絶対値として高圧圧力、低圧圧力、吐出温度にそれぞれ設定された第8〜第10の所定範囲より小さいかどうか(AND条件)を判定し、そうであればステップS146へ進み、そうでなければ本制御を終了する。
ステップS146では、配線又は圧縮機不良と判定し、本制御を終了する。
ステップS147では、過電流異常と判定し、本制御を終了する。
【0028】
このように異常判定することで、空調機の起動時に過電流であれば過電流異常とするが、そうでない場合に圧縮機の動作に伴って変化するはずの諸センサ値の変化が小さいことにより起動不良と判断し、そのことを配線または圧縮機不良として絞り込むことで、メンテナンスサービスの利便性を向上することができる。
なお、この場合も図12と同様に、図9のアルゴリズムとの併用により、各センサのセンサ異常判定と圧縮機不良判定が共存することになり、不具合時の確認ポイントを指摘するという意味で絞り込みとは相反するが実メンテナンス作業時には有効な情報が提供できる。
【0029】
次に、実施の形態1および2における第1および第2の再運転手段27、28の特殊な処理手順の具体例を図14および図15のフローチャートに示す。
再運転の手順は、通常の運転と同様であってもよいが、以下に示すような工夫を施すことでさらに改善することができる。
先ず、図14に示す再運転の手順について説明する。ステップS151で異常判定が電流センサ異常(過電流異常)であったかどうかを判定し、そうであればステップS152へ進み、そうでなければステップS153へ進む。
ステップS152では、インバータ11の運転に用いる出力周波数と出力電圧の関係の設定値(v/f設定値)を出力電圧が高めになるように変更し、ステップS153へ進む。ステップS153では、v/f設定値を用いて空調機を再起動し、本制御を終了する。ここで、v/f設定値を高めに変更する場合、出力電圧設定値を上昇するやり方のほかにインバータ11の出力電圧歪み軽減のために用いられるTd補正量(詳細説明せず)を大きくすることでも対応できる。
つまり、インバータ11による圧縮機起動時に制御パラメータのばらつきなどにより起動トルクが不足して電流センサ異常(過電流異常)となった場合に、再起動に際してv/f設定値に制御パラメータのばらつきを集約して補正することで運転状態を正常に近づけることができ、異常の再発を抑制することができる。
【0030】
次に、図15に示す再運転の手順について説明する。ステップS161で異常判定が電流センサ異常(過電流異常)であったかどうかを判定し、そうであればステップS162へ進み、そうでなければステップS165へ進む。
ステップS162では、ヒートシンク12の温度が所定値より高いかどうかを判定し、高ければステップS163へ進み、そうでなければステップS164へ進む。ステップS163では、v/f設定値を2段階上昇させ、ステップS165へ進む。ステップS164では、v/f設定値をステップS163より小さい1段階上昇させ、ステップS165へ進む。ステップS165では、v/f設定値を用いて空調機を再起動し、本制御を終了する。
ここで、1段階、2段階と説明しているv/f設定値の変更は、例えば段階を1V刻みとして、1段階なら1V、2段階なら2Vだけv/f設定値を変更することを示している。このように制御することで図14に対してヒートシンク温度が高い、即ち、インバータ主回路素子温度が高いことによる出力電圧ズレ分も補正して、より安定に再起動し、異常の再発を抑制することができる。
【0031】
次に、実施の形態1および2における異常部位動作確認手段の処理手順の他の具体例を図16および図17のフローチャートに示す。この例では、より積極的に各アクチュエータを動作させることで判定を行なうようにしている。
先ず、図16に示す異常部位動作確認運転の手順について説明する。
ここで、仮変数iを用いるが、iはインバータ11のスイッチング素子(モジュール)と対応しており、i=1はU相上アームのモジュール、2はV相上アームのモジュール、3はW相上アームのモジュール、4はU相下アームのモジュール、5はV相下アームのモジュール、6はW相下アームのモジュールをそれぞれ示す。また、電流センサ20としては、U相およびW相にインバータ11から圧縮機1に向かう方向を正としている。
【0032】
ステップS171では、異常検知が直流部電流(Idc)異常であったかどうかを判定し、そうであればステップS172へ進み、そうでなければ本制御を終了する。ステップS172では、仮変数iを1とし、ステップS173へ進む。
ステップS173では、仮変数iの値に応じて、インバータ11のスイッチング素子(モジュール)のモジュールiをONし、ステップS174へ進む。
ステップS174では、Idc異常が発生したかどうかを判定し、発生しておればステップS188へ進み、発生していなければステップS175へ進む。
ステップS175では、モジュールiをOFFし、ステップS176へ進む。
ステップS176では、仮変数iを1加算し、ステップS177へ進む。
ステップS177では、仮変数iが6を超えたかどうかを判定し、超えておればステップS178へ進み、そうでなければステップS173へ戻る。
ステップS178では、U相上アームとV相下アームのモジュールをONし、ステップS179へ進む。ステップS179では、U相電流センサ20が正で、かつW相電流センサ20が0であるかどうかを判定し、そうであればステップS180へ進み、そうでなければステップS188へ進む。
ステップS180では、U相上アームとV相下アームのモジュールをOFFし、ステップS181へ進む。ステップS181では、V相上アームとW相下アームのモジュールをONし、ステップS182へ進む。ステップS182では、U相電流センサ20が0で、かつW相電流センサ20が負であるかどうかを判定し、そうであればステップS183へ進み、そうでなければステップS188へ進む。
ステップS183では、V相上アームとW相下アームのモジュールをOFFし、ステップS184へ進む。ステップS184では、W相上アームとU相下アームのモジュールをONし、ステップS185へ進む。ステップS185では、U相電流センサ20が負で、かつW相電流センサ20が正であるかどうかを判定し、そうであればステップS186へ進み、そうでなければステップS188へ進む。
ステップS186では、W相上アームとU相下アームのモジュールをOFFし、ステップS187へ進む。ステップS187では、軽微な異常であり、かつインバータモジュールを正常と判定し、本制御を終了する。ステップS188では、インバータ11の6つのモジュールを全てOFFとし、ステップS189へ進む。
ステップS189では、異常であり、かつインバータモジュールを不良と判定し、本制御を終了する。このように制御することで、インバータモジュールの不良判定ができ、不良時には再起動なしに異常表示し、早期の正常復旧を促すことができる。
【0033】
次に、図17に示す異常部位動作確認運転の手順について説明する。
ステップS191で異常検知が直流部電流(Idc)異常であったかどうかを判定し、そうであればステップS192へ進み、そうでなければ本制御を終了する。ステップS192では、インバータ出力のv/fを調整することにより圧縮機1が回転しない程度の低トルクを与え圧縮機モータを発熱させる周知の「拘束通電」運転を実施し、ステップS193へ進む。ステップS193では、Idc異常を検知したかどうかを判定し、検知しておればステップS199へ進み、そうでなければステップS194へ進む。ステップS199では、異常かつモジュールまたは圧縮機の不良と判定し、本制御を終了する。ステップS194では、所定期間の拘束通電運転を実施したかどうかを判定し、そうであればステップS195へ進み、そうでなければステップS193に戻る。ステップS195では、空調機を再運転し、ステップS196へ進む。ステップS196では、Idc異常が発生するかどうかを確認し、発生すればステップS197へ進み、発生しなければステップS198へ進む。ステップS197では、異常かつ圧縮機不良と判定し、本制御を終了する。ステップS198では、軽微な異常と判定し、本制御を終了する。このように制御することで、Idc異常に際し、より詳細な不具合部位を特定し、メンテナンスサービスをより迅速に実施することができる。
【0034】
【発明の効果】
この発明に係る空気調和装置の制御装置は、圧縮機、凝縮器、絞り手段、蒸発器およびこれらを連通する冷媒配管を有する冷媒回路と、上記圧縮機に交流電圧を供給するインバータと、上記圧縮機の温度、圧力検出手段および上記インバータの電圧、電流検出手段を有し、各検出手段の検出値から異常を検知して上記冷媒回路の運転を停止する異常検知手段と、上記異常検知手段によって検知された異常部位の動作を確認すると共に、確認結果にもとづいて異常状態の内容を判定する異常部位動作確認手段と、上記判定結果を表示する異常表示手段とを備えたものであるため、軽微な異常である場合には再運転し、空調環境の劣化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1の構成を示す概略図である。
【図2】実施の形態1の制御手順を示すフローチャートである。
【図3】この発明の実施の形態2の構成を示す概略図である。
【図4】実施の形態2の制御手順を示すフローチャートである。
【図5】実施の形態1および2における異常部位動作確認手段の処理手順の具体例を示すフローチャートである。
【図6】実施の形態1および2における異常部位動作確認手段の処理手順の具体例を示すフローチャートである。
【図7】実施の形態1および2における異常部位動作確認手段の処理手順の具体例を示すフローチャートである。
【図8】実施の形態1および2における異常部位動作確認手段の処理手順の具体例を示すフローチャートである。
【図9】実施の形態1および2における異常検知手段の処理手順の具体例を示すフローチャートである。
【図10】実施の形態1および2における異常検知手段の処理手順の具体例を示すフローチャートである。
【図11】実施の形態1および2における異常検知手段の処理手順の具体例を示すフローチャートである。
【図12】実施の形態1および2における異常検知手段の処理手順の具体例を示すフローチャートである。
【図13】実施の形態1および2における異常検知手段の処理手順の具体例を示すフローチャートである。
【図14】実施の形態1および2における再運転手段の処理手順の具体例を示すフローチャートである。
【図15】実施の形態1および2における再運転手段の処理手順の具体例を示すフローチャートである。
【図16】実施の形態1および2における異常部位動作確認手段の処理手順の他の具体例を示すフローチャートである。
【図17】実施の形態1および2における異常部位動作確認手段の処理手順の他の具体例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 圧縮機、 2 凝縮器、 3 絞り手段、 4 蒸発器、6 冷媒回路、 7 交流電源、 11 インバータ、12 ヒートシンク、 13 冷却ファン、 14 高圧圧力センサ、15 吐出温度センサ、 16 低圧圧力センサ、 17 温度センサ、 18 直流母線電圧センサ、 19 直流電流センサ、20 交流電流センサ、 21 センサ検出手段、 22 異常検知手段、 23 異常部位動作確認手段、 24 アクチュエータ動作手段、 25 計数手段、 26 異常表示手段、 27 第1の再運転手段、 28 第2の再運転手段。
【発明の属する技術分野】
この発明は、空気調和装置の制御装置、特に異常検知後に異常部位を特定すると共に、空気調和装置の運転を極力継続するための判断制御を行なう制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、空気調和装置において、異常検知時に要因の自己診断を行なうことができる装置が種々提案されている。例えば、圧縮機用電動機の駆動用インバータのスイッチング素子について、チェック対象のスイッチング素子と同相のアームを構成するスイッチング素子に外部から信号を与えてONさせる作業を各相について繰り返し行ない、インバータに流入する過電流の有無を検知することによって、各スイッチング素子のショート破壊による故障診断を行なうと共に、結果を記憶および表示させるものがある。(例えば特許文献1参照)。
また、圧縮機用電動機を駆動するインバータに故障診断モード設定手段を設け、このモードの設定時に圧縮機の圧縮部が回転駆動しないような電圧を印加し、この時の電流を検出することによって圧縮機の異常または圧縮機とインバータとの結線異常を診断できるようにしたものがある。(例えば特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−71805号公報(段落0034−0035、図2、図3)
【特許文献2】
特開平7−67248号公報(段落0014−0019、図1、図3)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の空気調和装置による異常自己診断は、上記のように行なわれていたので以下のような問題点があった。即ち、故障復旧作業の効率化を主目的として外部信号またはモード切り替えにもとづいて故障判定を実施しており、故障発生後に要因の解明と復旧作業を行なっているため、故障発生時に機器が機能停止するという状況は従来どおり発生し、空気調和装置の空調環境の劣化が避けられないという問題点があった。
また、異常状態の連続発生を前提として故障診断を自動判定する場合でも、部品の正常判定が得られた時に自動的に機器の運転を再開し、元の正常な運転状態に復帰する手段を備えておらず、故障が復旧した旨の情報提供に止まっていたという問題点があった。
【0005】
この発明は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、異常状態が検知されて空気調和装置の運転が停止しても、軽微な異常である場合には再運転し、空調環境の劣化を防止することができる空気調和装置の制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る空気調和装置の制御装置は、圧縮機、凝縮器、絞り手段、蒸発器およびこれらを連通する冷媒配管を有する冷媒回路と、上記圧縮機に交流電圧を供給するインバータと、上記圧縮機の温度、圧力検出手段および上記インバータの電圧、電流検出手段を有し、各検出手段の検出値から異常を検知して上記冷媒回路の運転を停止する異常検知手段と、上記異常検知手段によって検知された異常部位の動作を確認すると共に、確認結果にもとづいて異常状態の内容を判定する異常部位動作確認手段と、上記判定結果を表示する異常表示手段とを備えたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図にもとづいて説明する。図1は、実施の形態1の構成を示す概略図である。この図において、圧縮機1と凝縮器2と絞り手段3と蒸発器4はそれぞれ冷媒配管5で連通され、冷媒回路6を構成している。圧縮機1は交流電源7を整流する整流回路8、直流リアクトル9、直流平滑コンデンサ10による直流化を経てインバータ11で交流に再変換された電圧により駆動されるものである。インバータ11の冷却用として、ヒートシンク12および冷却ファン13が配設されている。
また、制御用のセンサとして、圧縮機1の吐出側に接続された高圧圧力(Pd)センサ14、吐出温度(Td)センサ15、圧縮機1の吸入側に接続された低圧圧力(Ps)センサ16、ヒートシンク12の温度センサ17、インバータ11の直流側に接続された直流母線電圧センサ18、直流電流(Id)センサ19、インバータ11の交流側に接続され、U相およびW相の電流を検知する交流電流センサ20が設けられている。
【0008】
更に、制御用のアクチュエータとしては、圧縮機1の速度制御用としてインバータ11、冷媒回路中で冷媒を減圧する絞り手段3、のほか凝縮器2および蒸発器4用の送風機(図示せず)などが設けられている。
上述した各種センサの検出値は、センサ検出手段21に集約され、異常検知手段22においてそれぞれの値が異常値かどうかを判断し、異常の場合は冷媒回路6の運転を一旦停止する。異常検知手段22の異常判定に伴い、異常部位動作確認手段23により、センサ検出手段21の検出値を確認しつつアクチュエータ動作手段24により上述した各種アクチュエータに所望の動作をさせると共に、異常の状態について「異常」「軽微な異常」「異常なし」の判定を行なう。
また、軽微な異常の場合には、計数手段25により軽微な異常としての判定回数を数え、所定時間内に何回発生したかを確認する。軽微な異常の発生頻度が大になり、所定時間内に所定回数以上発生した場合は、異常判定されたものと同等に扱い、異常表示手段26に異常表示を行なう。この場合、冷媒回路6はそのまま運転を停止する。異常部位動作確認手段23による判定が「異常なし」および「軽微な異常」で計数手段25の計数値が所定頻度以下の場合は、第1の再運転手段27により冷媒回路6は通常の運転状態に復帰する。
【0009】
この制御動作を図2に示すフローチャートにもとづき更に詳細に説明する。
ステップS1で各センサのセンサ入力値をセンサ検出手段21に取り込み、ステップS2へ進む。ステップS2では、異常検知手段22による異常判定を行ない、異常があればステップS3へ進み、異常がなければ本制御を終了する。
なお、ここで異常判定した場合には、冷媒回路6の運転を一旦停止させる。
ステップS3では、異常部位動作確認手段23によって異常部位の動作を後述する判定手段と手順によって確認し、その判定情報を生成してステップS4に進む。ステップS4では、異常部位動作確認手段23によって生成された判定結果情報を判別し、異常が確認できた場合はステップS8へ進み、軽微な異常と判定された場合にはステップS6へ進み、異常なし(正常)と判定された場合にはステップS5へ進む。ステップS5では、第1の再運転手段27によって冷媒回路6を通常の運転状態に復旧させ、本制御を終了する。
【0010】
ステップS6では、計数手段25によって軽微な異常の発生回数を加算し、ステップS7へ進む。ステップS7では、軽微な異常の発生回数の加算値が所定値を超えているかどうかを判定し、超えておればステップS8へ進み、超えていなければステップS5へ進む。ステップS8では、冷媒回路6を異常停止状態とし、ステップS9へ進む。ステップS9では、異常表示手段26に異常表示をし、ステップS10へ進む。ステップS10では、計数手段25の軽微な異常の発生回数の加算値を0クリアし、本制御を終了する。
【0011】
実施の形態1は、以上のような構成と制御手順を有するため、センサの検出値によって異常検知をした場合でも異常部位動作確認手段23による確認作業を実施することにより軽微な異常の場合には、異常停止状態に至るのを抑制することができる。センサの検出値による異常停止後、異常部位動作確認手段23による再確認で異常なし、と判定されるケースは外乱などによる一過性の異常検知と考えられ、冷媒回路6を再運転しても問題はないと考えられる。
また、センサの検出値による異常検知後、異常部位動作確認手段23による再確認で軽微な異常、と判定されるケースは異常内容が、空調機の運転環境による特異な不具合状況による異常検知であり、再度起動から運転再開した場合、再発の可能性が低いと考えられるもので、例えば夏の昼間の過負荷運転など、時間の経過と共に発生の可能性が変化する場合である。
なお、本フローチャートでは、軽微な異常の加算計数において、時間管理を実施していないが、上述のように、所定時間内の加算計数値による判定を行なうことで、具体的には最初の異常判定からの経過時間により、計数値を0クリアすることで、異常の最終判定による空調機の停止状態の発生を一層抑制することができる。
【0012】
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2を図にもとづいて説明する。図3は、実施の形態2の構成を示す概略図である。この図において、図1と同一または相当部分にはそれぞれ同一符号を付して説明を省略する。図1と異なる点は、異常部位動作確認手段23による「異常」「軽微な異常」「異常なし」の判定に対し、「異常」および「軽微な異常」の場合には、リセット手段29により制御回路(具体的にはマイクロコンピュータ)または制御用電源をリセットした後、計数手段25による計数を行ない、計数値によるその後の制御に移行するようにした点である。
計数値が少ない場合(計数累積の期間を設定する場合もあり)および「異常なし」の判定の場合は再運転するが、その動作は第2の再運転手段28で実施する。
第2の再運転手段28と第1の再運転手段27とは同一構成による同一制御動作でもよいが、第2の再運転手段28では、リセット手段29によるリセット動作後の運転になる場合があることから初期設定動作等が必要になる場合があるため第1の再運転手段27とは区別した。
【0013】
実施の形態2の制御動作を図4に示すフローチャートにもとづき、更に詳細に説明する。ステップS21で各センサの入力値をセンサ検出手段21に取り込み、ステップS22に進む。ステップS22では、センサ入力値にもとづき異常検知手段22による異常判定を実施し、異常があればステップS23に進み、異常がなければ本制御を終了する。
なお、ここで異常判定した場合には、冷媒回路6の運転を一旦停止させる。
ステップS23では、異常部位動作確認手段23によって異常部位の動作を後述する判定手段と手順によって確認し、その判定結果情報を生成してステップS24に進む。ステップS24では、異常部位動作確認手段23によって生成された判定結果情報を判別し、異常ありと認めた場合および軽微な異常と認めた場合にはステップS25に進み、異常部位はなく正常と認めた場合にはステップS28に進む。
【0014】
ステップS25では、制御回路マイコンのリセット動作を実施し、ステップS26に進む。ステップS26では、リセット動作が実施されたことに対応して計数手段25の計数を1加算し、ステップS27に進む。ステップS27では、計数手段25の計数値が所定値以上かどうかを判定し、所定値以上であればステップS29へ進み、そうでなければステップS28へ進む。ステップS28では、冷媒回路6を再運転し、本制御を終了する。ステップS29では、冷媒回路6を異常停止状態とし、ステップS30に進む。ステップS30では、異常表示手段26に異常表示をし、ステップS31に進む。ステップS31では、計数手段25の計数値を0クリアし、本制御を終了する。
なお、本フローチャートでは、異常および軽微な異常の加算計数において、時間管理を実施していないが、上述のように、所定時間内の加算計数値による判定を行なうことで、具体的には最初の異常判定からの経過時間により、計数値を0クリアすることで、異常の最終判定による空調機の停止状態の発生を一層抑制することができる。
【0015】
実施の形態2は以上のような構成と制御手順を有するため、センサの検出値によって異常検知をした場合でも異常部位動作確認手段23による確認作業を実施することにより軽微な異常の場合には異常停止状態に至るのを抑制することができる。センサの検出値による異常検知後、異常部位動作確認手段23による再確認で異常なし、と判定されるケースは外乱などによる一過性の異常検知と考えられ、冷媒回路6を再運転しても問題はないと考えられる。
また、センサ検出値による異常停止後、異常部位動作確認手段23による再確認で軽微な異常、と判定されるケースは異常内容が、空調機の運転環境による特異な不具合状況による異常検知であり、再度起動から運転再開した場合、再発の可能性が低いと考えられるもので、例えば夏の昼間の過負荷運転など、時間の経過と共に発生の可能性が変化する場合である。
更に、この実施の形態では、外来ノイズ等の影響でメモリ記憶内容が変化してしまったケースなどの要因で、制御動作が不調になったことにより異常検知に至った場合などにも、空調機の制御を司るマイクロコンピュータを一旦リセットすることにより制御を初期状態から再起動することができ、異常動作の再発を予防した状態で再起動し、空調機の運転を正常復旧することができる。
【0016】
次に、実施の形態1および2における異常部位動作確認手段23のうちの判定機能の処理手順の具体例を図5〜図8のフローチャートに示す。
先ず、図5に示す例について動作を説明する。ステップS41で異常検知直後のセンサ入力値を再確認し、ステップS42に進む。ステップS42では、センサ入力値が正常値かどうかを判定し、正常であればステップS43に進み、異常であればステップS44に進む。ステップS43では、異常検知直後に異常が解消した状態と判定し、トータルとして軽微な異常と判定して本制御を終了する。
ステップS44では、異常と判定して本制御を終了する。
このように判定することで、異常検知時の一過性のセンサ入力値の異常値を識別し、一過性の異常の場合に空調機が異常停止に至ることを抑制することができる。この動作は、異常検知時のセンサ入力と再確認時のセンサ入力値が通常のセンサ検出値の変動では変化が少ないことを前提としているが、一般に空調機の圧力および温度はその変化時定数が充分長く、この条件を満たすことができる。
【0017】
次に、図6に示す例について動作を説明する。ステップS51でタイマ値を0クリアし、ステップS52へ進む。ステップS52では、センサ入力値を再確認し、ステップS53へ進む。ステップS53では、センサ入力値が正常かどうかを判定し、正常であればステップS54へ進み、そうでなければステップS55へ進む。ステップS54では、異常検知直後に異常が解消した状態と判定し、トータルとして軽微な異常と判定して本制御を終了する。
ステップS55では、タイマ値が所定時間を経過しているかどうかを判定し、所定時間を過ぎている場合はステップS56で異常と判定して本制御を終了し、所定時間を過ぎていなければステップS52へ戻る。
このように判定することで、センサ入力値が所定時間以内に正常復帰すれば軽微な異常として空調機の運転を復帰させ、異常判定は所定時間超の確実なセンサ入力異常時に限ることで、空調機が異常停止状態に至ることを極力抑制することができる。なお、この制御は、センサ入力部の外乱防止のフィルタ回路の時定数によって一旦取り込んだ異常値が保持されてしまう保持時間に対する配慮であり、図5における制御の補強である。
【0018】
次に、図7に示す例について動作を説明する。ステップS61で異常検知に対して、異常検知手段22が常時保持している1回前(異常前)のセンサ入力値データを取り出し、ステップS62へ進む。ステップS62では、S61において取り込んだ異常前のデータと異常検知時の値との差の絶対値が第1の所定範囲を超えているかどうかを判定し、超えていればステップS63へ進み、超えていなければステップS64へ進む。ステップS63では、異常判定時のデータが外乱等による一過性のものであると判定して軽微な異常と判定し、本制御を終了する。
ステップS64では、特異な変化とは判定できないため異常と判定し、本制御を終了する。このように判定することで、異常検知時のセンサ入力値が特異な変化による値であるかどうかを確認し、外乱等による一過性の異常検知を排除することができる。
【0019】
次に、図8に示す例について動作を説明する。ステップS71でセンサ等の入力値とH/Wでの設定値の比較により異常検知するH/W異常検知に対して、異常検知手段22が常時保持している1回前(異常前)のセンサ入力値データを取り出し、ステップS72へ進む。ステップS72では、S71において取り込んだ異常前のデータとH/W異常検知の異常判定設定値との差の絶対値が第2の所定範囲を超えているかどうかを判定し、超えていればステップS73へ進み、超えていなければステップS74へ進む。ステップS73では、異常時のデータが外乱等による一過性のものであると判定して軽微な異常と判定し、本制御を終了する。ステップS74では、特異な変化とは判定できないため異常と判定し、本制御を終了する。このように判定することで、アナログ値による異常判定ではなく、H/W的に異常判定する場合でも、異常検知時のセンサ入力値が特異な変化による値であるかどうかを確認し、外乱等による一過性の異常検知を排除することができる。なお、H/W異常検知は、具体的には、電圧・電流等のように高速で変化し、それに応じた高速応答を要求されるセンサ値に対する異常判定に用いられている。また、機器の安全確保上の保護協調のため、マイコン等の制御を介在させずに運転を停止させる必要性から、高圧圧力などにもH/W異常検知とそれにもとづくH/W的な運転停止手段が備えられている。
【0020】
次に、実施の形態1および2における異常検知手段22の処理手順の具体例を図9〜図13のフローチャートに示す。
先ず、図9に示す例について動作を説明する。ステップS81でセンサ入力値を取り込み、ステップS82へ進む。ステップS82では、空調機が運転中かどうかを判定し、運転中であればステップS85へ進み、そうでなければステップS83へ進む。ステップS83では、センサ初期値に今回の入力取り込み値を代入し、ステップS84へ進む。ステップS84では、タイマ値を0クリアし、本制御を終了する。ステップS85では、センサ入力取り込み値が異常値かどうかを判定し、異常値であればステップS88へ進み、そうでなければステップS86へ進む。ステップS86では、タイマ値が第1の所定期間を超えているかどうかを判定し、超えておればステップS87へ進み、そうでなければ本制御を終了する。ステップS87では、センサ初期値と今回入力取り込み値との差の絶対値が第3の所定範囲を超えているかどうかを判定し、超えていれば本制御を終了し、そうでなければステップS88へ進む。ステップS88では、センサ異常と判定し、本制御を終了する。
【0021】
このように異常判定をすることで、センサ値が異常値であることだけでなく、空調機動作に応じて通常では値が変化するはずのセンサ値が変化しないことによるセンサの異常も判定することができ、異常状況をより正確に把握できる。
センサ値が変化しないことによるセンサの異常としては、センサの故障、抜け、測定位置違い、および圧縮機、凝縮器ファン(図示せず)、蒸発器ファン(図示せず)、インバータ冷却ファン13などのアクチュエータ動作不良が考えられる。
なお、ここでは「運転」の判定を空調機全体の運転として説明したが、個々のアクチュエータの運転を起点とすれば、対応するセンサの入力取り込み値の変化の判定を、より正確に行なうことができる。この場合、初期値としても個々のアクチュエータの動作直前の値を用いることになる。
具体的な例としては、インバータ冷却ファン13とそれに対応するヒートシンク温度センサ17、圧縮機1とそれに対応する高圧圧力センサ14および低圧圧力センサ16および吐出温度センサ15の関係などがある。
【0022】
次に、図10に示す例について動作を説明する。ステップS91でセンサ入力、ここではヒートシンク温度センサ17の入力値を取り込み、ステップS92に進む。ステップS92では、ヒートシンクの冷却ファン13の運転状態を確認し、運転であればステップS95へ進み、停止であればステップS93へ進む。
ステップS93では、初期値に今回の入力取り込み値を代入し、ステップS94へ進む。ステップS94では、タイマ値を0クリアし、本制御を終了する。
ステップS95では、タイマ値が第2の所定期間より短いかどうかを判定し、短ければステップS96へ進み、そうでなければステップS97へ進む。
ステップS96では、起動時値に今回の入力取り込み値を代入し、本制御を終了する。ステップS97では、入力取り込み値が異常値かどうかを判定し、異常値であればステップS98へ進み、そうでなければ本制御を終了する。
ステップS98では、初期値と起動時値との差の絶対値が第4の所定範囲より小さいかどうかを判定し、小さければステップS99へ進み、そうでなければステップS100へ進む。ステップS99では、冷却ファンの異常と判定し、本制御を終了する。ステップS100では、電源電圧値を確認して所定電圧値より小さいかどうかを判定し、小さければステップS101で軽微な異常と判定し、そうでなければステップS102で過負荷異常と判定する。
【0023】
このような異常検知判定をすることで、ヒートシンク12の温度が上昇し異常検知した場合に、冷却ファン13の動作に伴ってヒートシンク12の温度が低下するという効果が得られたかどうかの判定により、冷却ファン13が機能しているかどうかを判定し、冷却ファン13の異常状態を明確化することができる。
ただし、この場合も、冷却ファン13そのものの異常と共に風路の詰り等も考慮する必要がある。また、冷却ファン13は異常でないと判定した場合に、電源電圧値を確認することで、電源電圧が低いことによる空調機およびインバータの効率低下によるヒートシンク12の温度上昇と判定できた場合は、再運転により空調機の運転状況が変化することも期待できるため異常検知時点で軽微な異常と判定して再運転を促すことができる。
【0024】
次に、図11に示す例について動作を説明する。ステップS111で直流母線電圧センサ18の前回取り込み値を前回値データとして保持し、ステップS112へ進む。ステップS112では、新たに直流母線電圧センサ18の入力値を取り込み、ステップS113へ進む。ステップS113では、空調機、より正確にはインバータ11の運転状態を確認し、運転しておればステップS115へ進み、停止であればステップS114へ進む。ステップS114では、センサ入力取り込み値が異常値かどうかを判定し、異常値であればステップS121へ進み、そうでなければ本制御を終了する。
ステップS115では、センサ入力取り込み値が異常値かどうかを判定し、異常値であればステップS116へ進み、そうでなければ本制御を終了する。
ステップS116では、前回値と今回の取り込み値との差の絶対値が第5の所定範囲より小さいかどうかを判定し、小さければステップS120へ進み、そうでなければステップS117へ進む。ステップS117では、一旦空調機(インバータ)の運転を停止し、ステップS118へ進む。ステップS118では、再度直流母線電圧のセンサ18の入力値を取り込み、ステップS119へ進む。
ステップS119では、異常検知時のセンサ入力取り込み値と再度取り込んだ値との差の絶対値が第6の所定範囲を超えているかどうかを判定し、超えていればステップS120へ進み、そうでなければステップS121へ進む。
ステップS120では、インバータへの入力電源回路を開閉する電源開閉部(図示せず)の不良と判定し、本制御を終了する。ステップS121では、電源の不良と判定し、本制御を終了する。
【0025】
このように、異常判定をすることで、停止中の直流母線電圧の異常および運転中の定常的な直流母線電圧の異常時に電源の不良と判定し、異常要因の絞り込みを実施できる。また、運転中の過渡的な直流母線電圧の異常検知に関しては電源開閉部の異常として識別することができる。
このように、1つのセンサによる異常検知に対して、要因をさらに識別することで不具合状況の修正作業に対して便宜を図ることができる。
なお、過渡的な直流母線電圧の異常検知に関しては、図5〜図7のアルゴリズムとの組合せにより軽微な異常と判定され、所定回数以下であれば再運転されることになる。
【0026】
次に、図12に示す例について動作を説明する。ステップS131で電流センサ入力値を取り込み、ステップS132へ進む。ステップS132では、空調機(インバータ)の運転状態を確認し、運転しておればステップS136へ進み、停止しておればステップS133へ進む。ステップS133では、初期値に今回入力取り込み値を代入し、ステップS134へ進む。ステップS134では、入力取り込み値が異常値かどうかを判定し、異常値であればステップS135へ進み、そうでなければ本制御を終了する。ステップS135では、センサ異常と判定し、本制御を終了する。
ステップS136では、初期値と今回入力取り込み値との差の絶対値が第7の所定範囲より小さいかどうかを判定し、小さければステップS137へ進み、そうでなければ本制御を終了する。ステップS137では、インバータ出力配線不良と判定し、本制御を終了する。
このように異常検知をすることで、電流センサ入力取り込み値に関する異常において、不具合点の分類を実施することができる。なお、図9のアルゴリズムとの併用により、電流センサのセンサ異常判定と配線不良判定が共存することになり、不具合時の確認ポイントを指摘するという意味で絞り込みとは相反するが実メンテナンス作業時には有効な情報が提供できる。
【0027】
次に、図13に示す例について動作を説明する。ステップS141でセンサ入力、ここでは圧縮機1の高圧圧力(Pd)、低圧圧力(Ps)、吐出温度(Td)、インバータの電流等のセンサ入力を取り込み、ステップS142へ進む。
ステップS142では、空調機が運転しているかどうかを判定し、運転しておればステップS144へ進み、そうでなければステップS143へ進む。
ステップS143では、各入力取り込み値を初期値に代入し、本制御を終了する。ステップS144では、電流取り込み値が所定値より大きいかどうかを判定し、大きければステップS147へ進み、そうでなければステップS145へ進む。ステップS145では、Pd,Ps,Tdの各々が初期値と今回取り込み値との差の絶対値として高圧圧力、低圧圧力、吐出温度にそれぞれ設定された第8〜第10の所定範囲より小さいかどうか(AND条件)を判定し、そうであればステップS146へ進み、そうでなければ本制御を終了する。
ステップS146では、配線又は圧縮機不良と判定し、本制御を終了する。
ステップS147では、過電流異常と判定し、本制御を終了する。
【0028】
このように異常判定することで、空調機の起動時に過電流であれば過電流異常とするが、そうでない場合に圧縮機の動作に伴って変化するはずの諸センサ値の変化が小さいことにより起動不良と判断し、そのことを配線または圧縮機不良として絞り込むことで、メンテナンスサービスの利便性を向上することができる。
なお、この場合も図12と同様に、図9のアルゴリズムとの併用により、各センサのセンサ異常判定と圧縮機不良判定が共存することになり、不具合時の確認ポイントを指摘するという意味で絞り込みとは相反するが実メンテナンス作業時には有効な情報が提供できる。
【0029】
次に、実施の形態1および2における第1および第2の再運転手段27、28の特殊な処理手順の具体例を図14および図15のフローチャートに示す。
再運転の手順は、通常の運転と同様であってもよいが、以下に示すような工夫を施すことでさらに改善することができる。
先ず、図14に示す再運転の手順について説明する。ステップS151で異常判定が電流センサ異常(過電流異常)であったかどうかを判定し、そうであればステップS152へ進み、そうでなければステップS153へ進む。
ステップS152では、インバータ11の運転に用いる出力周波数と出力電圧の関係の設定値(v/f設定値)を出力電圧が高めになるように変更し、ステップS153へ進む。ステップS153では、v/f設定値を用いて空調機を再起動し、本制御を終了する。ここで、v/f設定値を高めに変更する場合、出力電圧設定値を上昇するやり方のほかにインバータ11の出力電圧歪み軽減のために用いられるTd補正量(詳細説明せず)を大きくすることでも対応できる。
つまり、インバータ11による圧縮機起動時に制御パラメータのばらつきなどにより起動トルクが不足して電流センサ異常(過電流異常)となった場合に、再起動に際してv/f設定値に制御パラメータのばらつきを集約して補正することで運転状態を正常に近づけることができ、異常の再発を抑制することができる。
【0030】
次に、図15に示す再運転の手順について説明する。ステップS161で異常判定が電流センサ異常(過電流異常)であったかどうかを判定し、そうであればステップS162へ進み、そうでなければステップS165へ進む。
ステップS162では、ヒートシンク12の温度が所定値より高いかどうかを判定し、高ければステップS163へ進み、そうでなければステップS164へ進む。ステップS163では、v/f設定値を2段階上昇させ、ステップS165へ進む。ステップS164では、v/f設定値をステップS163より小さい1段階上昇させ、ステップS165へ進む。ステップS165では、v/f設定値を用いて空調機を再起動し、本制御を終了する。
ここで、1段階、2段階と説明しているv/f設定値の変更は、例えば段階を1V刻みとして、1段階なら1V、2段階なら2Vだけv/f設定値を変更することを示している。このように制御することで図14に対してヒートシンク温度が高い、即ち、インバータ主回路素子温度が高いことによる出力電圧ズレ分も補正して、より安定に再起動し、異常の再発を抑制することができる。
【0031】
次に、実施の形態1および2における異常部位動作確認手段の処理手順の他の具体例を図16および図17のフローチャートに示す。この例では、より積極的に各アクチュエータを動作させることで判定を行なうようにしている。
先ず、図16に示す異常部位動作確認運転の手順について説明する。
ここで、仮変数iを用いるが、iはインバータ11のスイッチング素子(モジュール)と対応しており、i=1はU相上アームのモジュール、2はV相上アームのモジュール、3はW相上アームのモジュール、4はU相下アームのモジュール、5はV相下アームのモジュール、6はW相下アームのモジュールをそれぞれ示す。また、電流センサ20としては、U相およびW相にインバータ11から圧縮機1に向かう方向を正としている。
【0032】
ステップS171では、異常検知が直流部電流(Idc)異常であったかどうかを判定し、そうであればステップS172へ進み、そうでなければ本制御を終了する。ステップS172では、仮変数iを1とし、ステップS173へ進む。
ステップS173では、仮変数iの値に応じて、インバータ11のスイッチング素子(モジュール)のモジュールiをONし、ステップS174へ進む。
ステップS174では、Idc異常が発生したかどうかを判定し、発生しておればステップS188へ進み、発生していなければステップS175へ進む。
ステップS175では、モジュールiをOFFし、ステップS176へ進む。
ステップS176では、仮変数iを1加算し、ステップS177へ進む。
ステップS177では、仮変数iが6を超えたかどうかを判定し、超えておればステップS178へ進み、そうでなければステップS173へ戻る。
ステップS178では、U相上アームとV相下アームのモジュールをONし、ステップS179へ進む。ステップS179では、U相電流センサ20が正で、かつW相電流センサ20が0であるかどうかを判定し、そうであればステップS180へ進み、そうでなければステップS188へ進む。
ステップS180では、U相上アームとV相下アームのモジュールをOFFし、ステップS181へ進む。ステップS181では、V相上アームとW相下アームのモジュールをONし、ステップS182へ進む。ステップS182では、U相電流センサ20が0で、かつW相電流センサ20が負であるかどうかを判定し、そうであればステップS183へ進み、そうでなければステップS188へ進む。
ステップS183では、V相上アームとW相下アームのモジュールをOFFし、ステップS184へ進む。ステップS184では、W相上アームとU相下アームのモジュールをONし、ステップS185へ進む。ステップS185では、U相電流センサ20が負で、かつW相電流センサ20が正であるかどうかを判定し、そうであればステップS186へ進み、そうでなければステップS188へ進む。
ステップS186では、W相上アームとU相下アームのモジュールをOFFし、ステップS187へ進む。ステップS187では、軽微な異常であり、かつインバータモジュールを正常と判定し、本制御を終了する。ステップS188では、インバータ11の6つのモジュールを全てOFFとし、ステップS189へ進む。
ステップS189では、異常であり、かつインバータモジュールを不良と判定し、本制御を終了する。このように制御することで、インバータモジュールの不良判定ができ、不良時には再起動なしに異常表示し、早期の正常復旧を促すことができる。
【0033】
次に、図17に示す異常部位動作確認運転の手順について説明する。
ステップS191で異常検知が直流部電流(Idc)異常であったかどうかを判定し、そうであればステップS192へ進み、そうでなければ本制御を終了する。ステップS192では、インバータ出力のv/fを調整することにより圧縮機1が回転しない程度の低トルクを与え圧縮機モータを発熱させる周知の「拘束通電」運転を実施し、ステップS193へ進む。ステップS193では、Idc異常を検知したかどうかを判定し、検知しておればステップS199へ進み、そうでなければステップS194へ進む。ステップS199では、異常かつモジュールまたは圧縮機の不良と判定し、本制御を終了する。ステップS194では、所定期間の拘束通電運転を実施したかどうかを判定し、そうであればステップS195へ進み、そうでなければステップS193に戻る。ステップS195では、空調機を再運転し、ステップS196へ進む。ステップS196では、Idc異常が発生するかどうかを確認し、発生すればステップS197へ進み、発生しなければステップS198へ進む。ステップS197では、異常かつ圧縮機不良と判定し、本制御を終了する。ステップS198では、軽微な異常と判定し、本制御を終了する。このように制御することで、Idc異常に際し、より詳細な不具合部位を特定し、メンテナンスサービスをより迅速に実施することができる。
【0034】
【発明の効果】
この発明に係る空気調和装置の制御装置は、圧縮機、凝縮器、絞り手段、蒸発器およびこれらを連通する冷媒配管を有する冷媒回路と、上記圧縮機に交流電圧を供給するインバータと、上記圧縮機の温度、圧力検出手段および上記インバータの電圧、電流検出手段を有し、各検出手段の検出値から異常を検知して上記冷媒回路の運転を停止する異常検知手段と、上記異常検知手段によって検知された異常部位の動作を確認すると共に、確認結果にもとづいて異常状態の内容を判定する異常部位動作確認手段と、上記判定結果を表示する異常表示手段とを備えたものであるため、軽微な異常である場合には再運転し、空調環境の劣化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1の構成を示す概略図である。
【図2】実施の形態1の制御手順を示すフローチャートである。
【図3】この発明の実施の形態2の構成を示す概略図である。
【図4】実施の形態2の制御手順を示すフローチャートである。
【図5】実施の形態1および2における異常部位動作確認手段の処理手順の具体例を示すフローチャートである。
【図6】実施の形態1および2における異常部位動作確認手段の処理手順の具体例を示すフローチャートである。
【図7】実施の形態1および2における異常部位動作確認手段の処理手順の具体例を示すフローチャートである。
【図8】実施の形態1および2における異常部位動作確認手段の処理手順の具体例を示すフローチャートである。
【図9】実施の形態1および2における異常検知手段の処理手順の具体例を示すフローチャートである。
【図10】実施の形態1および2における異常検知手段の処理手順の具体例を示すフローチャートである。
【図11】実施の形態1および2における異常検知手段の処理手順の具体例を示すフローチャートである。
【図12】実施の形態1および2における異常検知手段の処理手順の具体例を示すフローチャートである。
【図13】実施の形態1および2における異常検知手段の処理手順の具体例を示すフローチャートである。
【図14】実施の形態1および2における再運転手段の処理手順の具体例を示すフローチャートである。
【図15】実施の形態1および2における再運転手段の処理手順の具体例を示すフローチャートである。
【図16】実施の形態1および2における異常部位動作確認手段の処理手順の他の具体例を示すフローチャートである。
【図17】実施の形態1および2における異常部位動作確認手段の処理手順の他の具体例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 圧縮機、 2 凝縮器、 3 絞り手段、 4 蒸発器、6 冷媒回路、 7 交流電源、 11 インバータ、12 ヒートシンク、 13 冷却ファン、 14 高圧圧力センサ、15 吐出温度センサ、 16 低圧圧力センサ、 17 温度センサ、 18 直流母線電圧センサ、 19 直流電流センサ、20 交流電流センサ、 21 センサ検出手段、 22 異常検知手段、 23 異常部位動作確認手段、 24 アクチュエータ動作手段、 25 計数手段、 26 異常表示手段、 27 第1の再運転手段、 28 第2の再運転手段。
Claims (19)
- 圧縮機、凝縮器、絞り手段、蒸発器およびこれらを連通する冷媒配管を有する冷媒回路と、上記圧縮機に交流電圧を供給するインバータと、上記圧縮機の温度、圧力検出手段および上記インバータの電圧、電流検出手段を有し、各検出手段の検出値から異常を検知して上記冷媒回路の運転を停止する異常検知手段と、上記異常検知手段によって検知された異常部位の動作を確認すると共に、確認結果にもとづいて異常状態の内容を判定する異常部位動作確認手段と、上記判定結果を表示する異常表示手段とを備えたことを特徴とする空気調和装置の制御装置。
- 圧縮機、凝縮器、絞り手段、蒸発器およびこれらを連通する冷媒配管を有する冷媒回路と、上記圧縮機に交流電圧を供給するインバータと、上記圧縮機の温度、圧力検出手段および上記インバータの電圧、電流検出手段を有し、各検出手段の検出値から異常を検知して上記冷媒回路の運転を停止する異常検知手段と、上記異常検知手段によって検知された異常部位の動作を確認すると共に、確認結果にもとづいて異常状態の内容を判定する異常部位動作確認手段と、上記判定結果が異常なしまたは軽微な異常の場合には上記冷媒回路を再運転する再運転手段とを備えたことを特徴とする空気調和装置の制御装置。
- 圧縮機、凝縮器、絞り手段、蒸発器およびこれらを連通する冷媒配管を有する冷媒回路と、上記圧縮機に交流電圧を供給するインバータと、上記圧縮機の温度、圧力検出手段および上記インバータの電圧、電流検出手段を有し、各検出手段の検出値から異常を検知して上記冷媒回路の運転を停止する異常検知手段と、上記異常検知手段によって検知された異常部位の動作を確認すると共に、確認結果にもとづいて異常状態の内容を判定する異常部位動作確認手段と、上記判定結果が異常または軽微な異常の場合には、上記冷媒回路の制御手段の制御回路をリセットするリセット手段と、リセット後に上記冷媒回路を再運転する再運転手段とを備えたことを特徴とする空気調和装置の制御装置。
- 上記再運転手段による再運転回数をカウントする再運転回数カウント手段と、所定期間中の再運転回数が所定回数以上の場合には異常と判断して上記冷媒回路の運転を停止すると共に、異常内容を表示する異常表示手段とを設けたことを特徴とする請求項2または請求項3記載の空気調和装置の制御装置。
- 上記異常検知手段による異常検知後に上記温度および圧力検出手段の検出値を再確認し、正常値であれば上記異常部位動作確認手段による判定を軽微な異常とすることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の空気調和装置の制御装置。
- 上記異常検知手段による異常検知後に上記温度および圧力検出手段の検出値を再確認し、所定期間内に正常値に復帰すれば上記異常部位動作確認手段による判定を軽微な異常とすることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の空気調和装置の制御装置。
- 上記異常検知手段による異常検知後に上記各検出手段の異常前の検出値と異常判定時の検出値との乖離を求め、各乖離が所定値以上である場合は上記異常部位動作確認手段による判定を軽微な異常とすることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の空気調和装置の制御装置。
- 上記異常部位動作確認手段が上記各検出手段からの検出値とH/Wでの設定値との比較により異常を検知するものにおいて、異常検知後に上記各検出手段の異常前の検出値と異常判定時の検出値との乖離を求め、各乖離が所定値以上である場合は上記異常部位動作確認手段による判定を軽微な異常とすることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の空気調和装置の制御装置。
- 上記異常検知手段は、上記冷媒回路の動作中における上記各検出手段の検出値の経時変化を確認し、経時変化が所定値以下の場合は上記検出手段の異常と判定することを特徴とする請求項1記載の空気調和装置の制御装置。
- 上記異常検知手段は、上記圧縮機、凝縮器、蒸発器およびインバータの冷却用送風機の運転中における上記各検出手段の検出値の経時変化を確認し、経時変化が所定値以下の場合は上記冷却用送風機の異常と判定することを特徴とする請求項1記載の空気調和装置の制御装置。
- 上記異常検知手段は、上記インバータのヒートシンク用冷却ファンの駆動前後における上記ヒートシンクの温度検出手段の検出値および上記インバータの電源電圧または直流母線電圧の電圧検出手段の検出値をそれぞれ確認し、温度検出値の変化が所定値以下の場合は上記冷却ファンの異常と判定し、上記温度検出値の変化が所定値以上で、かつ電圧検出値が所定値以下の場合は軽微な異常と判定することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の空気調和装置の制御装置。
- 上記異常検知手段は、上記インバータの運転中における上記インバータの直流母線電圧の電圧検出手段の検出値が所定値以下となった時、上記検出値の経時変化を確認し、経時変化が所定値以下の場合、または上記インバータの運転停止後における上記電圧検出手段の検出値が所定時間以内に復帰した場合は電源の開閉器部の不良と判定することを特徴とする請求項1記載の空気調和装置の制御装置。
- 上記異常検知手段は、上記冷媒回路の動作中に上記インバータの電流検出手段の検出値の経時変化を確認し、経時変化が所定範囲以下の場合は圧縮機入力部の配線不良と判定することを特徴とする請求項1記載の空気調和装置の制御装置。
- 上記異常検知手段は、上記冷媒回路の動作中で上記インバータの電流検出手段の検出値が所定値以下である場合において、上記圧縮機の圧力および温度検出手段の検出値の経時変化を確認し、各検出手段の検出値の経時変化がそれぞれ所定範囲以下の場合は圧縮機入力部の配線不良または圧縮機不良と判定することを特徴とする請求項1記載の空気調和装置の制御装置。
- 上記再運転手段による再運転は、上記異常部位動作確認手段による異常判定が過電流にもとづく異常であった場合は、上記インバータの出力電圧を高めに変更して行なわれることを特徴とする請求項2または請求項3記載の空気調和装置の制御装置。
- 上記再運転手段による再運転は、上記異常部位動作確認手段による異常判定が過電流にもとづく異常であった場合は、上記インバータのヒートシンク温度に応じて上記インバータの出力電圧を高めに変更して行なわれることを特徴とする請求項2または請求項3記載の空気調和装置の制御装置。
- 上記インバータの出力電圧の変更は、上記圧縮機の吐出温度の補正量を大きくすることによって行なうことを特徴とする請求項15または請求項16記載の空気調和装置の制御装置。
- 上記冷媒回路の運転時に上記インバータの電流検出手段の検出値が所定値以上となった場合は、上記冷媒回路の運転を停止し、上記異常部位動作確認手段において、上記インバータの各相アームを構成するスイッチング素子を個別に順次ONするか、または所定相の上アームと隣接相の下アームを構成する2個のスイッチング素子を順次ONすることを特徴とする請求項1記載の空気調和装置の制御装置。
- 上記冷媒回路の運転時に上記インバータの電流検出手段の検出値が所定値以上となった場合は、上記冷媒回路の運転を停止し、上記再運転手段において、上記圧縮機が回転しない程度の低トルクを与える拘束通電運転を実施した後、再運転を実施するようにし、上記拘束通電運転時に異常が発生せず、再運転時に異常が発生した場合は圧縮機不良と判定することを特徴とする請求項2または請求項3記載の空気調和装置の制御装置。
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