JP2004204177A - 溶融プラスチック冷却固化方法及び溶融プラスチック冷却固化装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】溶融したプラスチック60を保持する容器12と、溶融したプラスチック60を容器12から供給される搬送装置24と、搬送装置24から溶融したプラスチック60を供給されるベルトクーラー48とから、溶融プラスチック冷却固化装置10を構成する。そして、容器12を出るプラスチックから異物をストレーナ22で除去し、搬送装置24からベルトクーラー48への供給量を供給量制御装置32で制御し、加熱冷却装置33によりベルトクーラー48へ供給されるプラスチック60の温度を流動性を維持可能な範囲に維持する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、加熱処理して溶融状態となったプラスチックを冷却し固化させる溶融プラスチック冷却固化方法及び溶融プラスチック冷却固化装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、廃プラスチックの有効利用が求められている。廃プラスチックを有効利用する方法の一つとして、廃プラスチックを微紛化して固体還元剤や固体燃料に転化することが検討されている。廃プラスチックを微紛化するとその燃焼性が飛躍的に向上し、燃料資源として有効利用可能となる。
【0003】
廃プラスチックを固体燃料に転化する技術として、廃プラスチックを粉砕機により直接微粉砕する方法がある(従来技術1)(例えば、非特許文献1を参照)。
また、一般家庭等から排出される廃プラスチック(以下、一般家庭等から排出される廃プラスチックを「一廃プラ」という。)には、ポリ塩化ビニル(PVC)等の塩素含有プラスチックが混入している。かかる一廃プラをそのまま高炉用の固体還元剤や固体燃料として燃焼させると、塩素含有プラスチックが熱分解して塩化水素等を生じ、高炉内の耐火物内壁に腐食を生じたり、高炉から生産されるスラグ中に塩素が混入する等の問題を生じる。
【0004】
このため、廃プラスチックを加熱して脱塩素処理を施した上で、冷却固化して固体燃料を得、この固体燃料を炉内で燃焼させて、廃プラスチックを有効利用する方法がある(従来技術2)(例えば、特許文献1を参照)。
また、溶融させた廃プラスチックに脱塩素処理を施してから、溶融状態にある廃プラスチックを押し出し機により多数の円筒状に押し出して冷却固化し、これを剪断して粒状体の固体燃料を造粒する方法がある(従来技術3)(例えば、特許文献2を参照)。
【0005】
さらに、溶融させた廃プラスチックに脱塩素処理を施してから、溶融状態の廃プラスチックを棒状体として押し出し、この棒状体を円筒状の回転カッターで切断するとともに冷却し、粒状体の固体燃料を造粒する方法がある(従来技術4)(例えば、特許文献3を参照)。
ここで、溶融状態の廃プラスチックを冷却し固化させる装置の一つとしてベルトクーラーを挙げることができる。ベルトクーラーは無限循環可能なベルトを有し、このベルト面上に溶融状態のプラスチックを供給して堆積させて搬送する。プラスチックがベルト面上で搬送されている間に、ベルトへの熱伝導によりプラスチックの温度が低下するとともに、ベルト上のプラスチックへ噴出される水等によってプラスチックから熱が奪われる。このようにして、ベルトクーラーの出口まで搬送されたプラスチックは冷却されて固化するものである。
【0006】
ベルトクーラーは一廃プラに異物が含まれる場合でも比較的トラブルなく冷却固化が可能であり、より効率的に操業できる装置として、本願発明者らは既に、ベルトの上方に可動堰を設けた装置(従来技術5;特許文献4を参照)や、ベルトの走行方向に沿った回転可能な回転部材を設けた装置(従来技術6;特許文献5を参照)を提案している。
【0007】
【非特許文献1】
村田勝英、平野義直著、「ここまですすんだプラスチックリサイクル技術「粉体燃料化」」、プラスチックス、日本、株式会社工業調査会、1996年7月1日、第47巻、第7号、p.60
【特許文献1】
特開平11―292976号公報(第2〜19頁)
【特許文献2】
特開平10―305430号公報(第2〜3頁、第1〜4図、第6図)
【特許文献3】
特開平10―315236号公報(第2〜4頁、第1〜9図、第11図)
【特許文献4】
特願2001―180513号明細書
【特許文献5】
特願2001―180514号明細書
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術1の方法では、硬い廃プラスチックを粉砕機で粉砕しても、1〜2mm程度の粒度にまでしか粉砕できないという不都合があった。また、粉砕機で廃プラスチックを直接粉砕するには多大な時間と費用がかかり、廃プラスチックの形状によっては粉砕機による直接粉砕が困難な場合もある。
【0009】
例えば、繊維状やフィルム状の廃プラスチックについては、これらを溶融して固化させた後に改めて粉砕機で粉砕しなければならず、処理工程が複雑化し、処理コストも大きくなってしまう。
また、一廃プラはその性質上組成が安定しておらず、平均的な融点や粘度の変動幅が大きい。このため、従来技術3及び4の方法では、溶融状態の廃プラスチックの押し出しを安定して行うことが困難となり、さらに、廃プラスチック中に金属やガラス等の異物が含まれる場合にしばしば閉塞等を引き起こし、操業安定性が低下するなどの不都合もあった。
【0010】
一方、ベルトクーラーでは平均融点や粘度の変動、異物の存在に対してはある程度許容範囲が広いが、ベルト上に載置された溶融プラスチックの固化過程において、必要十分な除熱を行うためには、溶融プラスチックの幅、厚み、ベルトの回転速度を制御し、必要除熱量と装置の大きさとから計算される必要除熱時間を満足する必要がある。従来技術5、6の装置によればある程度の供給量の変動に対応することができるが、供給量が大きく変動した場合に吸収できる変動には自ずと限界がある。すなわち、ベルトクーラーに供給される溶融プラスチックの量が変動し、計算値以上の溶融プラスチックがベルトクーラーに供給されたときには充分冷却固化できない恐れが生じる。このため、変動幅の最大供給量を元にベルトクーラーの性能や大きさを決定する必要が生じ、装置サイズが必要以上に大きくなるという不都合も生じる。
【0011】
特に、廃プラスチックにビン、缶等の異物が多量に含まれる場合、閉塞等のために溶融プラスチックの供給速度に変動を生じやすく、これらの異物によってベルトが損傷しやすくなるという問題もある。
また、従来技術2に示されるように、一廃プラを加熱、脱塩素処理する場合、処理温度は一般に200〜400℃であるが、処理後の溶融プラスチックを固化するためには平均的に100〜120℃まで冷却する必要があり、ベルトクーラーの除熱能力を相対的に高め、結果的に装置が巨大化し、処理コストの肥大化、操業安定性の低下等の問題が発生する。
【0012】
本発明は、上記した従来の技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、処理対象のプラスチックの形状や種類により処理方法を変更する必要がなく、冷却固化装置が大型化することを抑制でき、冷却固化装置の操業安定性を向上させることができ、処理コストの低減を図ることができる溶融プラスチック冷却固化方法及び溶融プラスチック冷却固化装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、その課題を解決するために以下のような構成をとる。請求項1の発明は、容器内で溶融状態にあるプラスチックを、前記容器から取り出して冷却し固化させる溶融プラスチック冷却固化方法であって、前記容器内からプラスチックを溶融状態のまま搬送装置へ供給し、前記搬送装置からプラスチックを溶融状態のままベルトクーラーへ供給するとともに、前記搬送装置から当該ベルトクーラーへのプラスチックの供給量を制御し、前記ベルトクーラーにおいて溶融状態にあるプラスチックを冷却して固化させる溶融プラスチック冷却固化方法である。
【0014】
請求項1の発明によると、ベルトクーラーへ供給されるプラスチックの量は制御されており、ベルトクーラーの冷却能力を効率的に発揮させることが可能な量のプラスチックをベルトクーラーへ連続して供給できる。
搬送装置として、例えば、ギアポンプやスクリューフィーダー等を挙げることができる。
【0015】
請求項2の発明は、請求項1に記載の溶融プラスチック冷却固化方法であって、前記搬送装置内で溶融状態にあるプラスチックを、このプラスチックが流動性を維持可能な温度範囲内において冷却する溶融プラスチック冷却固化方法である。
請求項2の発明によると、搬送装置内でプラスチックは流動性を維持可能な温度範囲内で冷却されるので、ベルトクーラーで冷却固化されるために必要な除熱量は減少する。したがって、ベルトクーラーに求められる除熱能力を小さくすることができる。また、ベルトクーラーの除熱能力を増大させることなく処理可能なプラスチックの量を増大させることも可能である。
【0016】
搬送装置内のプラスチックを冷却する方法として、例えば、水やジベンジルトルエン等の冷却用熱媒体を使用して冷却する方法や、空気冷却により冷却する方法等を挙げることができる。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の溶融プラスチック冷却固化方法であって、溶融状態のプラスチックが前記ベルトクーラーへ供給される前に、この溶融状態のプラスチックから異物を分別する溶融プラスチック冷却固化方法である。
【0017】
請求項3の発明によると、溶融状態のプラスチックから異物が分別されるので、搬送装置やベルトクーラーに異物が送られることは防止される。したがって、搬送装置が異物によって閉塞したり、ベルトクーラーのベルトが異物によって損傷することも防止される。
異物を分別する方法として、例えば、ストレーナーやフィルター等に溶融状態のプラスチックを通す方法等を挙げることができる。
【0018】
請求項4の発明は、溶融状態にあるプラスチックを保持する容器と、当該容器から溶融状態にあるプラスチックの供給を受ける搬送装置と、当該搬送装置から溶融状態にあるプラスチックの供給を受けるベルトクーラーとからなり、前記搬送装置は供給量制御手段を有し、当該供給量制御手段により前記搬送装置から前記ベルトクーラーへ供給されるプラスチックの供給量を制御可能とする構成を有する溶融プラスチック冷却固化装置である。
【0019】
請求項4の発明により、請求項1に記載の方法が実施される。例えば、搬送装置として、ギアポンプやスクリューフィーダー等を挙げることができる。
請求項5の発明は、請求項4に記載の溶融プラスチック冷却固化装置であって、前記搬送装置は冷却装置を有し、前記搬送装置内でプラスチックを、そのプラスチックの流動性が維持される温度範囲内において冷却可能とする構成を有する溶融プラスチック冷却固化装置である。
【0020】
請求項5の発明により、請求項2に記載の方法が実施される。例えば、冷却装置として、搬送装置に装着された熱媒体ジャケットであって内部を冷却用熱媒体が循環するものや、空気冷却装置等を挙げることができる。
請求項6の発明は、請求項4又は請求項5に記載の溶融プラスチック冷却固化装置であって、前記容器と前記搬送装置との間及び前記搬送装置と前記ベルトクーラーとの間の少なくともいずれか一方に、溶融状態にあるプラスチックから異物を除去する異物除去装置を有する溶融プラスチック冷却固化装置である。
請求項6の発明により、請求項3に記載の方法が実施される。例えば、異物除去装置として、ストレーナーやフィルター等を挙げることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
まず、図1を参照して本実施の形態の構成を説明する。
図1に示すように、溶融プラスチック冷却固化装置10は、容器12、搬送装置24、加熱冷却装置33及びベルトクーラー48とから構成されている。
【0022】
容器12は、この容器内部を200℃〜400℃まで加熱可能な図示しない加熱装置と、モータ駆動の攪拌機15を有し、容器12内で溶融状態にあるプラスチック60に脱塩素処理を施すことが可能に構成されている。
容器12へ供給されるプラスチック60は、いわゆるバージン材プラスチック及び廃プラスチックのいずれであってもよい。例えば、廃プラスチックとして、都市ごみ、産業廃棄物及び一般廃棄物等に含まれるプラスチックを挙げることができ、都市ごみ中のプラスチックとして包装容器材料、産業廃棄物中のプラスチックとして電気製品や自動車等の解体過程で生じるプラスチックを挙げることができる。また、プラスチック60は、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂のいずれであってもよく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアミド等を挙げることができる。さらに、プラスチック60を構成するプラスチックの種類は、これら各種プラスチックのうちのいずれか1種類だけであってもよく、2種類以上のものが混合したものであってもよい。
【0023】
容器12に投入される前のプラスチック60の形状は、塊状、フィルム状、シート状、繊維状のいずれであってもよく、塊の径は10cm程度以下とすることが好ましい。塊の径が10cm程度を超えると、容器12内での加熱溶融に時間がかかり好ましくない。
容器12内の上部空間は塩酸回収装置14に連なっており、脱塩素処理されるプラスチック60から熱分解して発生する塩酸を回収可能に構成されている。
【0024】
容器12の下部には容器出口16が形成されており、容器出口16から搬送装置24まで配管18が連なっている。容器出口16は容器出口弁20により開閉可能となっており、容器出口16下流の配管18にはストレーナ22が異物除去装置として設けられている。
搬送装置24はモータ30によって駆動されるスクリューフィーダー26からなり、スクリューフィーダー26はジャケット28を有する。モータ30は、供給量制御装置32によってその回転数を制御されており、モータ30の回転数を制御してスクリューフィーダー26からベルトクーラー48へ供給されるプラスチック60の量を制御可能な構成となっている。
【0025】
ジャケット28内には、加熱冷却装置33の一部をなす熱媒体の配管34が通っており、この熱媒体配管34中を流れる熱媒体によってスクリューフィーダー26内の加熱と冷却とを可能に構成されている。
加熱冷却装置33は熱媒体配管34及び熱媒体加熱冷却装置35とから形成されている。熱媒体配管34は熱媒体加熱冷却装置35とジャケット28とをループをなしてつないでいる。熱媒体配管34内には、例えばジベンジルトルエン等の熱媒体が充填されている。熱媒体加熱冷却装置35の前後の熱媒体配管34上には切換弁42a、42bがそれぞれ設けられており、熱媒体加熱冷却装置35からジャケット28へ熱媒体が送られる熱媒体配管34上の切換弁42aの下流側には、ポンプ43及び流量コントロール弁44が設けられている。
【0026】
熱媒体加熱冷却装置35内には並列してボイラー36と水冷式の熱交換器38とがあり、切換弁42a、42bを切り換えることによってボイラー36と熱交換器38とを適宜熱媒体配管34に接続可能になっている。ボイラー36が熱媒体配管34に接続されているときは、ボイラー36により熱媒体を加熱可能であり、熱交換器38が熱媒体配管34に接続されているときは、熱交換器38により熱媒体を冷却可能に構成されている。
【0027】
さらに、ベルトクーラー48がスクリューフィーダー26の下流にあり、スクリューフィーダー26からプラスチック60の供給を受ける構成となっている。スクリューフィーダー26の出口には温度計46が設けられており、スクリューフィーダー26の出口におけるプラスチック60の温度Tsを測定可能に構成されている。
【0028】
温度計46は、切換弁42a、42b及び流量コントロール弁44と温度制御部40を介してつながっている。温度制御部40が温度計46から温度Tsを検知し、検知した温度Tsに応じて切換弁42a、42bの切り換え信号及び流量コントロール弁44の開度調整信号をそれぞれ切換弁42a、42b、流量コントロール弁44へ送信し、切換弁42a、42b、流量コントロール弁44の制御を可能とする構成となっている。
【0029】
ベルトクーラー48は無限循環するベルト50とこのベルト50上に水を散布する冷却水散布装置54とを有する。ベルト50は図示しないモータにより回転移動し、このモータを制御してベルト50の移動速度を制御可能に構成されている。
ベルトクーラー48の下流側には、ジョークラッシャーからなる粉砕機56が設置されており、ベルトクーラー48から供給されるプラスチック60を粉砕機56が粉砕可能な構成となっている。
【0030】
本実施の形態は上記のように構成されており、次にその作用について説明する。
原料のプラスチック60が容器12内へ連続供給されて加熱溶融され、攪拌機15により溶融状態にあるプラスチック60の攪拌がなされる。同時に、プラスチック60の脱塩素処理が容器12内で行われる。プラスチック60を加熱溶融し脱塩素処理する温度Tm1はプラスチック60の融点よりも高い温度であり、後述の温度Tm2+ΔTmよりも高い温度となっている。一廃プラを処理するために、温度Tm1を200℃〜400℃とすることが好ましく、250℃〜340℃とすることがより好ましい。
【0031】
脱塩素処理されるプラスチック60からは、プラスチック60が含有する塩素が熱分解により塩酸となって遊離し、この塩酸は塩酸回収装置14により回収される。加熱溶融して脱塩素処理する時間は10分〜30時間とすることが好ましい。この時間が10分未満であると、容器12内の温度管理が困難となるとともに脱塩素率が低下して好ましくない。この時間が30時間を超えると、溶融プラスチック冷却固化装置10の処理効率が低下して好ましくない。容器12内でプラスチック60を加熱溶融させているので、プラスチック60の形状を問わず処理可能となる。
【0032】
容器12内でプラスチック60の加熱溶融を開始してから、スクリューフィーダー26内の加熱を開始する。容器12から溶融状態のプラスチック60がスクリューフィーダー26に供給される前の状態では、スクリューフィーダー26内の温度は常温Tnとなっており、スクリューフィーダー26の出口の温度Tsも常温Tnとなっている。
【0033】
温度制御部40は温度計46からの信号により温度Tsが常温Tnであることを判断し、切換弁42a、42bに切り換え信号を送り、ボイラー36を熱媒体配管34につなぎ、熱交換器38を熱媒体配管34から切り離す。ボイラー36により熱媒体は加熱され、加熱された熱媒体は加熱用熱媒体としてポンプ43によりジャケット28へ送られ、スクリューフィーダー26内は加熱される。そして、スクリューフィーダー26内の温度がプラスチック60の融点よりもやや高い温度Tm2に達するまで、スクリューフィーダー26内の加熱は続けられる。ジャケット28において熱を失った熱媒体はボイラー36へ戻って加熱された後、再び、ポンプ43によりジャケット28へ送られる。
【0034】
スクリューフィーダー26の出口の温度Tsが温度Tm2に達したら、温度制御部40は流量コントロール弁44の流量を調整してスクリューフィーダー26の出口の温度Tsを温度Tm2±ΔTmの範囲内に維持する。なお、温度Tm2−ΔTmはプラスチック60の融点よりも高い温度である。
スクリューフィーダー26の出口の温度Tsが温度Tm2±ΔTmの範囲内になったら、容器出口弁20を開き溶融状態のプラスチック60をスクリューフィーダー26へ流す。容器12を出たプラスチック60はストレーナ22を通り、プラスチック60中に含まれる異物はストレーナ22により除去される。したがって、プラスチック60中の異物がスクリューフィーダー26中で詰まったりして、溶融プラスチック冷却固化装置10の安定した操業が妨げられることは防止されている。
【0035】
スクリューフィーダー26内に溶融状態のプラスチック60が入ると、モータ30が供給量制御装置32により制御されて一定の回転数で回転し、スクリューフィーダー26からベルトクーラー48へプラスチック60が一定の供給量で供給される。スクリューフィーダー26出口の温度Tsは温度Tm2±ΔTmの範囲内にあるので、スクリューフィーダー26内でプラスチック60の溶融状態は維持されており、プラスチック60は流動性を有した状態でスクリューフィーダー26からベルトクーラー48へ送られることとなる。したがって、プラスチック60がスクリューフィーダー26内で流動性を失うことはなく、スクリューフィーダー26内に固化したプラスチック60が詰まることも防止されている。
【0036】
また、供給量制御装置32がモータ30の回転数を制御し、下流のベルトクーラー48へ供給されるプラスチック60の供給量を制御し、ベルトクーラー48の冷却能力を効率よく発揮させることができる量のプラスチック60がベルトクーラー48へ供給されている。供給量制御装置32によるモータ30の回転数の制御は、ベルトクーラー48へ供給されるプラスチック60の供給量の変動幅が±20%となるようにすることが好ましい。
【0037】
容器12からスクリューフィーダー26内に温度Tm1のプラスチック60が入ると、プラスチック60の熱によってスクリューフィーダー26内の温度は上昇し、スクリューフィーダー26出口の温度Tsも温度Tm2+ΔTmを超えて上昇する。温度Tsが温度Tm2+ΔTmを超えると、温度制御部40は切換弁42a、42bに切り換え信号を送り、ボイラー36を熱媒体配管34から切り離し、熱交換器38を熱媒体配管34につなぐ。
【0038】
スクリューフィーダー26内には、容器12から温度Tm1のプラスチック60が連続して供給され、このプラスチック60の熱によりスクリューフィーダー26内の温度は常に温度Tm2+ΔTmを超えようとしている。これに対し、熱交換器38から低温となった熱媒体が冷却用熱媒体としてポンプ43によりジャケット28へ送られ、ジャケット28で熱媒体がスクリューフィーダー26内のプラスチック60から熱を奪い、スクリューフィーダー26の出口の温度Tsは温度Tm2±ΔTmの範囲内に維持される。温度Tsが温度Tm2と乖離している量に応じて、温度制御部40は制御信号を流量コントロール弁44へ送り熱媒体の流量を調整し、熱媒体がスクリューフィーダー26内のプラスチック60から奪う熱量を調整する。
【0039】
スクリューフィーダー26からベルトクーラー48へのプラスチック60の供給量は、供給量制御装置32により一定に制御されており、ベルト50の移動速度も一定に制御されており、溶融状態のプラスチック60はベルト50上で一定の厚さと幅で広がる。ストレーナ22によりベルト50上のプラスチック60から異物が既に分別されるので、ベルト50が異物によって損傷することは防止されている。
【0040】
ベルト50が移動するに連れて、ベルト50上のプラスチック60には冷却水散布装置54から水が散布される。プラスチック60はベルト50と散布された水とによって熱を奪われて融点以下まで冷却し固化する。
ベルトクーラー48へ供給されるプラスチック60は、スクリューフィーダー26内で熱を既に除熱されており、プラスチック60の融点よりもやや高い温度Tm2±ΔTmの範囲内にあるにすぎないので、ベルトクーラー48でプラスチック60を固化させるために必要な除熱量は、容器12内で溶融状態にあるプラスチック60をそのまま直接冷却して固化させる場合に必要な除熱量よりも少ない。すなわち、ベルトクーラー48において必要となる除熱能力を必要最小量まで低減可能となり、ベルトクーラー48が大型化することを防止できる。
【0041】
ベルト50上で固化したプラスチック60は粉砕機56に供給されて所定の粒径に粉砕される。ベルトクーラー48から供給されるプラスチック60は、冷却されて固化しているので、半溶融状態の部分を有するプラスチック60を粉砕機56に供給されることは防止される。このため、半溶融状態のプラスチック60が粉砕機56に付着して溶融プラスチック冷却固化装置10の安定した連続運転が妨げられることも防止される。
【0042】
次に、溶融プラスチック冷却固化装置10で処理するプラスチック60がポリエチレンである場合を例にとって、スクリューフィーダー26におけるプラスチック60からの除熱量とベルトクーラー48における除熱量との関係について、図2を参照しつつ具体的に説明する。
ポリエチレンの融点範囲は140℃〜150℃であり、ポリエチレンを300℃まで加熱すると溶融する。その後、溶融したポリエチレンを150℃まで冷却し、顕熱Q1をポリエチレンから除去していくと、温度が低下するにつれてその粘度が増大するが流動性は保たれている。ポリエチレンの冷却が進み温度が150℃〜140℃まで低下すると、結晶化がポリエチレン内で起こる。150℃〜140℃の間では、融解潜熱Q2がポリエチレンから除去されている。温度が140℃以下となるとポリエチレンは固化し始め、120℃まで冷却されると均一な固化体となる。140℃〜120℃の間では、顕熱Q3がポリエチレンから除去されている。
【0043】
したがって、溶融プラスチック冷却固化装置10でポリエチレンを処理することとし、容器12内においてポリエチレンを300℃で加熱溶融し、スクリューフィーダー26を通さずに、容器12から直接ベルトクーラー48へ溶融状態にあるポリエチレンを供給し、ベルトクーラー48から粉砕機56へ供給されるポリエチレンの温度を120℃まで冷却する場合を考える。この場合、ベルトクーラー48における必要な除熱量QtはQ1+Q2+Q3である。
【0044】
しかし、ベルトクーラー48においてQ1+Q2+Q3の熱量Qtを除熱する必要はなく、ベルトクーラー48と容器12との間で熱量Qtの一部を予め除熱しておくことが可能である。ベルトクーラー48と容器12との間で、ポリエチレンをスクリューフィーダー26に通し、スクリューフィーダー26において熱量Qtの一部を除熱しておくことが可能である。
【0045】
例えば、スクリューフィーダー26においてポリエチレンを160℃まで予め冷却しておき、160℃のポリエチレンをベルトクーラー48に供給し、ベルトクーラー48から120℃に冷却したポリエチレンを粉砕機56へ供給することとする。この場合、スクリューフィーダー26における除熱量Qsは次式(1)で表される値となり、
Qs=Q1×(300−160)/(300−150) ・・・(1)
ベルトクーラー48におけるポリエチレンから除熱量Qbは次式(2)で表される値となる。
【0046】
Qb=Qt−Qs
=Q1×(160−150)/(300−150)+Q2+Q3 ・・・(2)
したがって、スクリューフィーダー26においてプラスチック60を予め冷却しておくことにより、ベルトクーラー48における除熱量を大幅に小さくすることができ、ベルトクーラー48のサイズを縮小化したり、ベルトクーラー48における処理量を増大させることが可能となる。これにより、固体燃料や固体還元材の生産性を向上させてその製造コストを低減させることができる。
【0047】
また、溶融プラスチック冷却固化装置10により、粉砕機56で容易に粉砕可能に固化されたプラスチック60を製造でき、この固化したプラスチック60を粉砕機56で粉砕して燃焼性に優れる微粉状の固体燃料や固体還元材を得ることができる。
さらに、プラスチック60を最初に加熱溶融して脱塩素処理を施しているので、実質的に塩素を含有しない安全性の高い固体燃料や固体還元材を製造できる。このような実質的に塩素を含有しない固体燃料や固体還元材を、高炉、ボイラ、キルン、キュポラ、コークス炉等の炉内で燃焼させることにより、炉内の内壁耐火物が塩素又は塩素化合物による化学的浸食を受けることを防止できる。
【0048】
なお、本実施の形態において、容器12内へプラスチック60を連続供給して連続運転することとしたが、替わりに、バッチ運転により溶融プラスチック冷却固化装置10を稼動させることも可能である。
また、熱媒体配管34中を流れる熱媒体をジベンジルトルエンとしたが、熱媒体がジベンジルトルエンに限定されるものではないことは勿論である。ボイラー36と熱交換器38とでそれぞれ異なる種類の加熱用熱媒体と冷却用熱媒体を加熱、冷却し、切換弁42を切り換えて異なる種類の熱媒体をそれぞれ熱媒体配管34中に流すことも可能である。例えば、加熱用熱媒体としてジベンジルトルエンを使用し、冷却用熱媒体として水を使用することもできる。ただし、溶融プラスチック冷却固化装置10の運転、保守等を簡便化する観点から、単一種類の熱媒体を加熱用熱媒体及び冷却用熱媒体として使用することが望ましい。
【0049】
さらに、スクリューフィーダー26内の加熱と冷却とをジャケット28中の熱媒体配管34中を流れる熱媒体により行うこととしたが、スクリューフィーダー26を電気ヒータで加熱するとともに、空気冷却機で冷却することも可能である。
また、切換弁42a、42b、流量コントロール弁44を温度制御部40が制御する構成としたが、切換弁42a、42b、流量コントロール弁44の開閉をオペレータが手動により行うことが可能であることは勿論である。
【0050】
また、異物除去装置としてのストレーナ22を容器出口弁20の下流に設けたが、替わりに、スクリューフィーダー26とベルトクーラー48との間にストレーナ22を設けることも可能であり、容器出口弁20の下流及びスクリューフィーダー26とベルトクーラー48との間の両方の位置にそれぞれ設けることも可能である。ストレーナ22の替わりにフィルターを設置することも可能である。
【0051】
また、粉砕機56をジョークラッシャーにより形成したが、ジョークラッシャーに限定されるものではなく、ロールクラッシャー、ボールミル、遠心ミル等により粉砕機56を形成可能であることは勿論である。
(実施例)
次に、本実施の形態に係る溶融プラスチック冷却固化装置10を用いて行った検証試験1〜3及び参考試験について説明する。
【0052】
検証試験1において使用した溶融プラスチック冷却固化装置10は、切換弁42a、42b及び流量コントロール弁44の制御操作を手動で行う構成とした他は、本実施の形態で説明したものと同様の構成を有する。
処理対象のプラスチック60は神奈川県で分別収集された150kgの一廃プラとし、このプラスチック60を内容積500リットルの容器12内において320℃で加熱溶融し、1時間にわたって脱塩素処理を施した。そして、容器12内で脱塩素処理後のプラスチック60を320℃に維持するとともに、ボイラー36で340℃とした熱媒体によってスクリューフィーダー26内の温度をほぼ320℃まで上昇させた。その後も、スクリューフィーダー26内を340℃の熱媒体によって連続して加熱し続けた。
【0053】
そして、スクリューフィーダー26を稼動させてから容器出口弁20を開き、スクリューフィーダー26へ容器12から溶融状態にあるプラスチック60を供給した。供給量制御装置32によりスクリューフィーダー26からベルトクーラー48へのプラスチック60の供給量を50kg/時に制御し、ベルトクーラー48のベルト50上へプラスチック60を連続供給した。スクリューフィーダー26からのプラスチック60の供給量とベルト50の移動速度を一定に維持し、ベルト50上に堆積するプラスチック60の厚さを7mmに維持した。このとき、ベルト50上でプラスチック60を冷却する時間は平均160秒であった。ベルト50上で冷却され固化したプラスチック60をそのまま粉砕機56で粉砕し、固体燃料を製造した。
【0054】
本検証試験1により、以下の結果が得られた。スクリューフィーダー26の出口におけるプラスチック60の温度Tsは312℃であり、溶融状態にあるプラスチック60をスクリューフィーダー26からベルトクーラー48へ連続供給することができた。また、3時間にわたってプラスチック60を連続処理して粉砕することができ、この間に溶融プラスチック冷却固化装置10の稼動を妨げる問題は何ら発生しなかった。
【0055】
また、処理前のプラスチック60に含有されていた塩素濃度は3.5%であったが、ベルトクーラー48を出たプラスチック60中に含有される塩素濃度は0.3%に減少していた。したがって、プラスチック60を容器12中で加熱溶融して脱塩素処理することにより、実質的に塩素を含有しない安全性の高い固体燃料や固体還元材を製造できることが確認された。また、処理した廃プラスチック中には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンが合計で70%程度含まれていた。
【0056】
次に、検証試験2について説明する。本検証試験2で使用した溶融プラスチック冷却固化装置10の構成は検証試験1におけるものと同様とした。そして、溶融プラスチック冷却固化装置10の運転条件は、以下の点を除いて、検証試験1における運転条件と同様とした。すなわち、スクリューフィーダー26からベルトクーラー48へのプラスチック60の供給量を100kg/時とした。
【0057】
スクリューフィーダー26からベルトクーラー48へのプラスチック60の供給開始から25分後に、粉砕機56の粉砕用の刃に溶融状態のプラスチック60が付着し、以後の溶融プラスチック冷却固化装置10の連続稼動が不可能となった。この時点で、ベルトクーラー48を出たプラスチック60の状態を調べたところ、プラスチック60の上下表面は固化していたが、中心部には厚さ3mmにわたって半溶融状態の部分が存在していた。
【0058】
本検証試験2において、ベルトクーラー48を出たプラスチック60が部分的に半溶融状態であったのは、ベルト50上へのプラスチック60の供給量がベルトクーラー48の冷却能力を超えてしまったからである。したがって、この供給量を適正に調整し制御することが溶融プラスチック冷却固化装置10の連続稼動には必要であり、供給量制御装置32の有用性が確かめられた。
【0059】
次に、検証試験3について説明する。本検証試験3で使用した溶融プラスチック冷却固化装置10の構成は検証試験1におけるものと同様とした。そして、溶融プラスチック冷却固化装置10の運転条件は、以下の点を除いて、検証試験1における運転条件と同様とした。
すなわち、ベルトクーラー48においてプラスチック60の冷却固化を開始してから、切換弁42a、42bを切り換えてボイラー36を熱媒体配管34から切り離し、熱交換器38を熱媒体配管34につないだ。熱交換器38で50℃とした熱媒体によってスクリューフィーダー26内のプラスチック60を冷却し、流量コントロール弁44の開度を調節して、熱交換器38の切り換えてから20分後に、スクリューフィーダー26の出口におけるプラスチック60の温度Tsを230℃で安定させた。
【0060】
本検証試験3の結果、溶融状態にあるプラスチック60をスクリューフィーダー26からベルトクーラー48へ連続供給することができた。また、3時間にわたってプラスチック60を連続処理して粉砕することができ、この間に溶融プラスチック冷却固化装置10の稼動を妨げる問題は何ら発生しなかった。
次に、検証試験4について説明する。本検証試験4で使用した溶融プラスチック冷却固化装置10の構成は検証試験1におけるものと同様とした。そして、溶融プラスチック冷却固化装置10の運転条件は、以下の点を除いて、検証試験1における運転条件と同様とした。
【0061】
すなわち、ベルトクーラー48においてプラスチック60の冷却固化を開始してから、切換弁42a、42bを切り換えてボイラー36を熱媒体配管34から切り離し、熱交換器38を熱媒体配管34につないだ。ボイラー36から熱交換器38へ切り換えるのと同時に、スクリューフィーダー26からベルトクーラー48へのプラスチック60の供給量を100kg/時とした。熱交換器38で50℃に冷却した熱媒体によってスクリューフィーダー26内のプラスチック60を冷却し、流量コントロール弁44の開度を調節して、熱交換器38へ切り換えてから20分後に、スクリューフィーダー26の出口におけるプラスチック60の温度Tsを260℃で安定させた。また、ベルト50の移動量を調整して、ベルト50上に堆積するプラスチック60の厚さを7mmに維持し、このときのベルト50の移動量を維持した。ベルト50上でプラスチック60を冷却する時間は平均80秒であった。
【0062】
本検証試験4の結果、溶融状態にあるプラスチック60をスクリューフィーダー26からベルトクーラー48へ連続供給することができた。また、1時間30分にわたってプラスチック60を連続処理して粉砕することができ、この間に溶融プラスチック冷却固化装置10の稼動を妨げる問題は何ら発生しなかった。
本検証試験4の結果を検証試験3の結果と比較することにより、スクリューフィーダー26内でプラスチック60の温度を熱交換器38から送られる熱媒体により予め冷却して除熱しておき、ベルトクーラー48における除熱量を減少させると、溶融プラスチック冷却固化装置10の処理能力を向上可能であることが確認された。
【0063】
次に、参考のために行った比較試験について説明する。本参考試験で使用した溶融プラスチック冷却固化装置10の構成は、以下の点を除いて検証試験1におけるものと同様とした(図3を参照)。
すなわち、容器出口弁20の下流で溶融状態にあるプラスチック60を直接ベルトクーラー48へ供給する構成とし、ストレーナ22、スクリューフィーダー26、加熱冷却装置33を取り外した。
【0064】
容器12内でのプラスチック60の加熱溶融、脱塩素処理は検証試験1と同様とし、320℃のプラスチック60を容器出口弁20からベルトクーラー48へ連続供給した。容器出口弁20の開閉を間欠的に行い、ベルトクーラー48へのプラスチック60の供給量を50kg/時に調整した。そして、ベルトクーラー48のベルト50上でプラスチック60を冷却、固化し、粉砕機56で固化したプラスチック60を粉砕した。
【0065】
本比較試験において、ベルト50上に堆積するプラスチック60の厚さは2〜12mmの間で変動し、7mmの一定厚さに維持することができなかった。また、ベルト50の移動速度は、ベルト50上でプラスチック60を冷却する時間が平均160秒となるように維持した。
比較試験の結果、1時間にわたって溶融プラスチック冷却固化装置10を稼動させた間に、粉砕機56の粉砕用の刃に溶融状態のプラスチック60が付着して溶融プラスチック冷却固化装置10の連続稼動が不可能となる事態が3回発生した。
【0066】
これらの連続稼動が不可能となったときに、ベルトクーラー48を出たプラスチック60の状態を観察したところ、プラスチック60の上下表面は固化していたが、中心部には半溶融状態の部分が存在していた。ベルト50上で厚さが12mmとなっているプラスチック60の部分では、半溶融状態の部分の厚さは4mmであった。
【0067】
したがって、本比較試験より、スクリューフィーダーによりプラスチック60をベルトクーラー48へ一定の制御された供給量で供給しないと、溶融プラスチック冷却固化装置10を安定して連続稼動させることができないことが確認された。
【0068】
【発明の効果】
本発明は、上記のような溶融プラスチック冷却固化方法及び溶融プラスチック冷却固化装置であるので、処理対象のプラスチックの形状により処理方法を変更する必要がなく、溶融プラスチックを冷却固化する冷却固化装置が大型化することを抑制でき、冷却固化装置の操業安定性を向上させることができ、処理コストの低減を図ることができる溶融プラスチック冷却固化方法及び溶融プラスチック冷却固化装置を提供できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る溶融プラスチック冷却固化装置の構成図である。
【図2】ポリエチレンの除熱量の説明図である。
【図3】比較試験で使用した溶融プラスチック冷却固化装置の構成図である。
【符号の説明】
10 溶融プラスチック冷却固化装置
12 容器
14 塩酸回収装置
15 攪拌機
16 容器出口
18 配管
20 容器出口弁
22 ストレーナ
24 搬送装置
26 スクリューフィーダー
28 ジャケット
30 モータ
32 供給量制御装置
33 加熱冷却装置
34 熱媒体配管
36 ボイラー
38 熱交換器
40 温度制御部
42a、42b 切換弁
43 ポンプ
44 流量コントロール弁
46 温度計
48 ベルトクーラー
50 ベルト
54 冷却水散布装置
56 粉砕機
60 プラスチック
Claims (6)
- 容器内で溶融状態にあるプラスチックを、前記容器から取り出して冷却し固化させる溶融プラスチック冷却固化方法であって、
前記容器内からプラスチックを溶融状態のまま搬送装置へ供給し、
前記搬送装置からプラスチックを溶融状態のままベルトクーラーへ供給するとともに、前記搬送装置から当該ベルトクーラーへのプラスチックの供給量を制御し、
前記ベルトクーラーにおいて溶融状態にあるプラスチックを冷却して固化させることを特徴とする溶融プラスチック冷却固化方法。 - 請求項1に記載の溶融プラスチック冷却固化方法であって、前記搬送装置内で溶融状態にあるプラスチックを、このプラスチックが流動性を維持可能な温度範囲内において冷却することを特徴とする溶融プラスチック冷却固化方法。
- 請求項1又は請求項2に記載の溶融プラスチック冷却固化方法であって、溶融状態のプラスチックが前記ベルトクーラーへ供給される前に、この溶融状態のプラスチックから異物を分別することを特徴とする溶融プラスチック冷却固化方法。
- 溶融状態にあるプラスチックを保持する容器と、当該容器から溶融状態にあるプラスチックの供給を受ける搬送装置と、当該搬送装置から溶融状態にあるプラスチックの供給を受けるベルトクーラーとからなり、
前記搬送装置は供給量制御手段を有し、当該供給量制御手段により前記搬送装置から前記ベルトクーラーへ供給されるプラスチックの供給量を制御可能とする構成を有することを特徴とする溶融プラスチック冷却固化装置。 - 請求項4に記載の溶融プラスチック冷却固化装置であって、前記搬送装置は冷却装置を有し、前記搬送装置内でプラスチックを、そのプラスチックの流動性が維持される温度範囲内において冷却可能とする構成を有することを特徴とする溶融プラスチック冷却固化装置。
- 請求項4又は請求項5に記載の溶融プラスチック冷却固化装置であって、前記容器と前記搬送装置との間及び前記搬送装置と前記ベルトクーラーとの間の少なくともいずれか一方に、溶融状態にあるプラスチックから異物を除去する異物除去装置を有することを特徴とする溶融プラスチック冷却固化装置。
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