JP2004203147A - ハイブリッドコンプレッサ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】大型のモータを用いずともエンジン停止時の冷房能力をまかない、車両の省燃費効果を向上可能とするハイブリッドコンプレッサ装置を提供する。
【解決手段】走行状態に応じてエンジン10が停止される車両に適用されるものであって、エンジン10からの駆動力を受けて回転駆動するプーリ110と、電源20の電力を受けて回転駆動するモータ120と、冷凍サイクル装置200内の冷媒を圧縮する圧縮機130と、プーリ110およびモータ120の少なくとも一方の駆動力を選択して圧縮機130を作動させる制御装置160とを有するハイブリッドコンプレッサ装置において、制御装置160によってエンジン10が停止に至ると予測される減速時に、圧縮機130の回転数が減速時前の回転数よりも増加するように、圧縮機130を作動させる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、走行状態に応じてエンジンが停止させるいわゆるアイドルストップ車両やハイブリッド車両に搭載される冷凍サイクル装置に適用して好適なハイブリッドコンプレッサ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、省燃費の観点よりいわゆるアイドルストップ車両やハイブリッド車両が市場に投入される例が有る。これらの車両においては、走行状態(アイドルストップ車両では一時停車時、ハイブリッド車両では一時停車時、発進時、低速走行時、減速時等)に応じてエンジンを停止させるようにしているため、エンジンの駆動力を受けて作動する冷凍サイクル装置内の圧縮機はエンジン停止中に共に停止することになり、冷凍サイクル装置として機能しないことになる。
【0003】
この解決策として、例えば特許文献1に示されるように、エンジンの回転が伝達されるプーリと圧縮機とを電磁クラッチを介して連結させ、更に圧縮機の駆動軸にモータを連結させたハイブリッドコンプレッサが知られている。これにより、エンジン停止時には、電磁クラッチを切断して、モータによって圧縮機を作動させることができ、エンジンの作動、停止にかかわらず冷凍サイクル装置の冷房機能を果たすようにしている。尚、ここでは、電磁クラッチの回転部材にモータのロータ部を形成することで、モータによる駆動軸の回転が圧縮機にできる限り近い部分で伝達されると共に、駆動部分の小型化を図るものとしている。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−140757号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、エンジン停止時において冷凍サイクル装置に必要とされる最大冷房能力まで考えて、モータによって圧縮機の作動をまかなおうとすれば、モータは非常に大型のものが必要となり、合わせて電力供給用の外部電源も大型のものが必要となる。現実的には搭載性やコスト面を考慮して、ある程度のモータ体格で対応する必要が生じ、冷房能力が不足となるとやむなくエンジンの始動を必要とし、本来の省燃費効果が薄れることになる。
【0006】
本発明の目的は、上記問題に鑑み、大型のモータを用いずともエンジン停止時の冷房能力をまかない、車両の省燃費効果を向上可能とするハイブリッドコンプレッサ装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、以下の技術的手段を採用する。
【0008】
請求項1に記載の発明では、走行状態に応じてエンジン(10)が停止される車両に適用されるものであって、エンジン(10)からの駆動力を受けて回転駆動するプーリ(110)と、電源(20)の電力を受けて回転駆動するモータ(120)と、冷凍サイクル装置(200)内の冷媒を圧縮する圧縮機(130)と、プーリ(110)およびモータ(120)の少なくとも一方の駆動力を選択して圧縮機(130)を作動させる制御装置(160)とを有するハイブリッドコンプレッサ装置において、制御装置(160)は、エンジン(10)が停止に至ると予測される減速時に、圧縮機(130)の回転数が減速時前の回転数よりも増加するように、圧縮機(130)を作動させることを特徴としている。
【0009】
これにより、減速時において圧縮機(130)の吐出量を増大させ、蓄冷することができる。そして、この蓄冷分を停車後のエンジン(10)停止中に放冷することで、大型のモータ(120)を用いずともエンジン(10)停止中における冷房をまかなうことができ、やむなくエンジン(10)を始動させることが無くなるので、省燃費効果を向上させることができる。
【0010】
請求項2に記載の発明では、プーリ(110)からの駆動力をモータ(120)および圧縮機(130)に分配すると共に、モータ(120)から入力される駆動力をプーリ(110)および圧縮機(130)に伝達する変速機構(150)を有し、制御装置(160)は、減速時におけるプーリ(110)の回転数に対しモータ(120)の駆動力によって圧縮機(130)の回転数を増加させることを特徴としている。
【0011】
これにより、圧縮機(120)の回転数を容易に増加させることができ、吐出量増加による蓄冷が効果的に行える。尚、減速時にモータ(120)で使用される電力は、減速エネルギーを用いて(回生して)供給できるので、エンジン(10)に対して余分な燃料を消費することは無い。
【0012】
そして、請求項3に記載の発明では、制御装置(160)は、電源(20)の充電量に応じて、モータ(120)による圧縮機(130)の回転数の増加分を調整することを特徴としている。
【0013】
これにより、電源(20)の充電量が不足状態にある場合は、モータ(120)の作動を控えて、電源(20)側へ減速エネルギーを供給することで、電源(20)の充電量枯渇を防止することができる。
【0014】
また、請求項4に記載の発明では、制御装置(160)は、冷凍サイクル装置(200)の熱負荷に応じて、モータ(120)による圧縮機(130)の回転数の増加分を調整することを特徴としている。
【0015】
これにより、熱負荷が高い時には圧縮機(130)の回転数の増加分を大きくして、蓄冷量を増加させエンジン(10)停止後の冷房性能を充分に確保することができる。
【0016】
更に、請求項5に記載の発明では、制御装置(160)は、減速して停車した後の平均的なエンジン(10)停止時間中に必要とされる冷房能力に対応する吐出量が得られるように、モータ(120)による圧縮機(130)の回転数の増加を所定時間だけ行うことを特徴としている。
【0017】
これにより、減速時において電力を無駄に使用すること無く、モータ(120)の作動を行うことができると共に、繰り返されるエンジン(10)停止時における平均的な冷房性能を確保できる。
【0018】
請求項6に記載の発明のように、変速機構(150)は、遊星歯車(150)を用いて、プーリ(110)、モータ(120)、圧縮機(130)を、遊星歯車(150)を構成するサンギヤ(151)、プラネタリーキャリヤ(152)、リングギヤ(153)のいずれかに対応して連結するようにしてやれば、変速機構(150)を有するハイブリッドコンプレッサ(101)を容易に構成することができる。
【0019】
尚、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態を図1〜図4に示し、まず、具体的な構成について図1、図2を用いて説明する。図1に示すように、ハイブリッドコンプレッサ装置100は、走行状態に応じてエンジン10が停止されるいわゆるハイブリッド車両に搭載される冷凍サイクル装置200に適用されるものとしており、ハイブリッドコンプレッサ101と制御装置160とから成る。
【0021】
ここで、ハイブリッド車両は、シリーズハイブリッド方式のものとしており、エンジン10によって作動される図示しない発電機が設けられ、この発電機によって得られた電力がバッテリ(電源)20に充電される。そして、図示しない走行用モータが設けられており、バッテリ20からの電力によって作動し、車輪を駆動させる。エンジン10は、所定車速以上で作動され、発進時、低速走行時、減速時、停車時等には停止される。
【0022】
また、冷凍サイクル装置200は、周知の冷凍サイクルを形成するものであり、後述するハイブリッドコンプレッサ101を構成する圧縮機130が配設されている。圧縮機130は、この冷凍サイクル内の冷媒を高温高圧に圧縮するものであり、以下、圧縮された冷媒を凝縮液化する凝縮器210、液化された冷媒を断熱膨張させる膨張弁220、膨張した冷媒を蒸発させ、その蒸発潜熱により自身を通過する空気を冷却する蒸発器230が冷媒配管240によって順次接続され閉回路を形成している。尚、蒸発器230の空気流れ下流側には、冷却された実際の空気温度(蒸発器後方空気温度Te)を検出するための蒸発器温度センサ231が設けられている。
【0023】
そして、ハイブリッドコンプレッサ101は、主にプーリ110、電磁クラッチ170、モータ120、圧縮機130および遊星歯車150から成り、以下、その詳細について図2を用いて説明する。
【0024】
プーリ110は、フロントハウジング141に固定されたプーリ軸受け112によって回転可能に支持され、エンジン10の駆動力がベルト11(図1)を介して伝達され回転駆動するようにしている。プーリ回転軸111は、プーリ110の中心部に設けられ、フロントハウジング141に固定された軸受け113によって回転可能に支持されている。
【0025】
また、プーリ回転軸111の略中央部には、外周側がフロントハウジング141に固定された一方向クラッチ180が設けられている。一方向クラッチ180は、プーリ回転軸111のプーリ回転方向の回転駆動を許容し、その逆回転方向に対しては噛み合いにより回転駆動を阻止する。
【0026】
電磁クラッチ170は、プーリ110から後述する圧縮機130に伝達される駆動力を断続するものであり、フロントハウジング141に固定されたコイル171とプーリ回転軸111に固定されたハブ172とから成る。周知のように電磁クラッチ170は、コイル171に通電されるとハブ172がプーリ110に吸着されプーリ110の駆動力をプーリ回転軸111に伝達する(クラッチON)。逆にコイル171への通電を遮断するとハブ172はプーリ110から離れ、プーリ110の駆動力は切断される(クラッチOFF)。
【0027】
モータ120は、主にロータ部120aおよびステ−タ部123から成り、中間ハウジング142内に収容されている。このモータ120は、ロータ部120aの外周部にマグネット(永久磁石)122が設けられるいわゆるSPモ−タ(Surface Permanent−magnet Motor)としており、ロータ部120aの内周側のスペースを活用して後述する遊星歯車150を収容している。尚、モータ回転軸121は、サンギヤ151の中心部に一点鎖線で示される架空上のものとなっている。
【0028】
ステ−タ部123にはコイル123aが設けられており、このステータ部123は中間ハウジング142の内周面に圧入により固定されている。そして、バッテリ20からの電力がインバータ30(図1)を介してコイル123aに供給されることによりロータ部120aは回転駆動される。
【0029】
圧縮機130は、ここでは固定容量型のスクロール式圧縮機としており、モータ120の反プーリ側となるエンドハウジング143内に固定される固定スクロール134と、圧縮機回転軸131の偏心シャフト133によって公転する可動スクロール135とを有している。
【0030】
この固定スクロール134と可動スクロール135との噛み合わせによって、外周部に吸入室136が形成され、また中心側に圧縮室137が形成される。そして、エンドハウジング143の側壁に設けられた吸入口136aから吸入室136に吸入された冷媒は、圧縮室137で圧縮され、吐出室138を経てエンドハウジング143の底壁に設けられた吐出口138aから吐出されるようにしている。
【0031】
圧縮機回転軸131は、中間ハウジング142の反プーリ側で内側に突出する突出壁142aに固定された軸受け132によって回転可能に支持されている。尚、圧縮機回転軸131にはプーリ回転軸111の一端側が嵌入され、圧縮機回転軸131およびプーリ回転軸111は、軸受け115によって互いに独立して回転可能としている。
【0032】
そして、上記プーリ110、モータ120、圧縮機130の各回転軸111、121、131は、上述したようにロータ部120a内に設けられた変速機構としての遊星歯車150に連結される構成としている。
【0033】
遊星歯車150は、周知のように、中心部に設けられたサンギヤ151と、サンギヤ151の外周で自転しつつ公転するピニオンギヤ152aに連結されるプラネタリーキャリヤ152と、ピニオンギヤ152aのさらに外周に設けられたリング状のリングギヤ153とから成る。
【0034】
ここでは、プーリ回転軸111はプラネタリーキャリヤ152に接続され、モータ回転軸121(実体としてはロータ部120a)はサンギヤ151に接続され、圧縮機回転軸131はリングギヤ153に接続されるようにしている。尚、サンギヤ151は、軸受け114によってプーリ回転軸111に対して独立して回転可能に支持されている。
【0035】
一方、図1に戻って、制御装置160は、A/C要求信号、車速信号、エンジン回転数信号、アイドルストップ要求信号、乗員の設定する設定温度信号、内気(室内)温度信号、外気(室外)温度信号、蒸発器温度センサ231からの蒸発器後方空気温度(Te)信号等が入力されて、これらの信号に基づいて上記モータ120の作動および電磁クラッチ170の断続を制御するものとしている。
【0036】
具体的には、インバータ30内のスイッチ素子のON−OFFによりバッテリ20からの電力を可変して、モータ120の作動回転数を可変させる。尚、後述するようにプーリ110の駆動力によってロータ部120aが回転されてモータ120が発電機として作動する時には、発生する電力をインバータ30を介してバッテリ20に充電する。また、電磁クラッチ170のコイル171への通電をON−OFFすることで、プーリ110とプーリ回転軸111間の断続を行う。
【0037】
また、制御装置160は、冷凍サイクル装置200の熱負荷に応じた必要冷房能力を満たす圧縮機130の冷媒吐出量を決定し、この冷媒吐出量を確保するための圧縮機130の回転数を決定する。因みに、冷媒吐出量は圧縮機130の1回転当りの吐出容量に回転数を乗じて得られる時間当たりの吐出量であり、回転数が増加するに従って吐出量も増加する。更には図3に示す遊星歯車150における共線図に基づいて、プーリ110の回転数(エンジン回転数にプーリ比を乗じた値)と圧縮機130の回転数(上記冷媒吐出量を吐出容量で除した値)とからモータ120の回転数を決定する。
【0038】
そして、本発明の特徴部として車両の減速時においては、逆にモータ120の回転数を調整することで、圧縮機130の回転数を増加させるようにしている(共線図に基づく詳細作動については後述する)。
【0039】
尚、ここでは冷凍サイクル装置200の必要冷房能力は、設定温度、内気温度、外気温度から予め定めた演算式によって算出される目標蒸発器温度Teoと蒸発器後方空気温度Teとの差として得られるものとしている(必要冷房能力=Te−Teo)。
【0040】
次に、上記構成に基づく作動について、図3に示す共線図および図4に示すタイムチャートを用いて説明する。尚、図4(d)中の符号(ア)〜(オ)は、図3中の符号(ア)〜(オ)に対応している。因みに、図3中の共線図は、遊星歯車150にそれぞれ連結されたプーリ110、モータ120、圧縮機130の回転数の関係を示すものである。周知のように横軸に各ギヤ、キャリヤ(左からサンギヤ151、プラネタリーキャリヤ152、リングギヤ153)の座標位置が示され、各座標位置には、上記したようにそれぞれのギヤ、キャリヤ151、152、153に連結されるモータ120、プーリ110、圧縮機130が対応している。また、横軸座標の間隔はサンギヤ151とリングギヤ153とのギヤ比λによって決定される。ここではギヤ比λを0.5と設定している。そして、縦軸には、各ギヤ、キャリヤ151、152、153の回転数が示され、各回転数は3者が直線で結ばれる関係となる。
【0041】
このハイブリッドコンプレッサ101おいては、遊星歯車150の各ギヤ151、153およびキャリヤ152に各回転軸111、121、131が接続されることによって、図3の共線図に示すように、冷凍サイクル装置200の必要冷房能力やエンジン10の作動状態に応じて、モータ120作動時のモータ回転数が調整され、プーリ回転数に対する圧縮機回転数が増減されるようにしている。
【0042】
即ち、エンジン10始動後、最も冷房能力が必要とされるクールダウン時においては、所定車速以上で電磁クラッチ170はONされ、プーリ110の駆動力はプーリ回転軸111から遊星歯車150を介して圧縮機回転軸131に伝達され、圧縮機130が作動される(一方向クラッチ180は空転する)。この時、図3中(ア)に示すように、モータ120(ロータ部120a)がプーリ110の回転方向とは逆回転方向に駆動されることによって、圧縮機回転数がプーリ回転数よりも高回転側となり、冷媒吐出量が増加される。尚、モータ回転数をマイナス側に上げるように作動させてやると、圧縮機回転数は上昇する。
【0043】
クールダウンの後の通常冷房時においては、電磁クラッチ170はONの状態とされ、主にプーリ110の駆動力でモータ120および圧縮機130が作動される(一方向クラッチ180は空転する)。この時、モータ120と圧縮機130とでは、遊星歯車150のサンギヤ151がモータ120に、リングギヤ153が圧縮機130に接続されているため、両ギヤ151、153の歯数により圧縮機130の方が作動トルクが大きくなる。このため、図3中(イ)に示すように、プーリ回転数に対して、圧縮機130は低回転側となり冷媒吐出量が減少される。一方、モータ120は、プーリ回転数に対して高回転側で発電機として作動されることになり、バッテリ20への充電を可能とする。尚、モータ回転数を下げるように作動させてやると、圧縮機回転数は上昇する。
【0044】
更に、エンジン10が停止された場合(発進時、低速走行時、減速時、停車時等)は、電磁クラッチ170がOFFされ、モータ120の駆動力によって圧縮機130が作動される。この時は、図3中(ウ)に示すように、モータ120が逆回転方向に駆動されることで、プーリ回転軸111が同様に逆回転方向に作動しようとし、一方向クラッチ180によってロックされ、モータ120の駆動力は圧縮機130に伝達される。ここではモータ回転数を増減することで圧縮機回転数は増減する。
【0045】
尚、エンジン10が作動中であっても、電磁クラッチ170をOFFすることで、上記エンジン10停止時と同様にモータ120を逆回転方向に駆動させることによって、圧縮機130を作動させることができる(図3中(ウ))。
【0046】
本発明においては、更にエンジン10が停止に至ると予測される減速時のモータ120の作動制御に特徴を持たせている。具体的には、ここでは減速時における車速信号に基づいて行うものとしており、この車速信号が予め定めた所定の車速を下回った時、あるいは車速信号が所定時間連続的に低下していく時に、エンジン10が停止に至ると予測(判定)するようにしている。そして、このエンジン10停止を予測した時には、圧縮機回転数が減速時前の回転数よりも増加するように、モータ120を駆動させる。即ち、このハイブリッド車両においては減速時にはエンジン10は停止状態となるので、ここでは図3中の(ウ)に対して(エ)に示すように、モータ回転数が更にマイナス側に大きくなるようにモータ120を駆動させて圧縮機130の回転数を増加させるようにしている。
【0047】
以上の構成および作動説明より、本発明においては、減速時において圧縮機130の吐出量を増大させ、蓄冷することができる。そして、この蓄冷分を停車後のエンジン10停止中に放冷することで、図3中の(ウ)に対して(オ)に示すようにモータ120の負荷を低減して(回転数を低下させて)対応が可能となる。蓄冷分の効果によっては、モータ120の作動を停止させることも可能である。即ち、大型のモータ120を用いずともエンジン10停止中における冷房をまかなうことができ、やむなくエンジン10を始動させることが無くなるので、省燃費効果を向上させることができる。尚、減速時にモータ120で使用される電力は、減速エネルギーを用いて(回生して)供給できるので、エンジン10に対して余分な燃料を消費することは無い。
【0048】
また、遊星歯車150を用いることで変速機構を有するハイブリッドコンプレッサ101を容易に構成することができる。
【0049】
尚、ハイブリッドコンプレッサ101は、プーリ回転軸111にモータ回転軸121、圧縮機回転軸131がそれぞれ直結され、変速機構を有さないもので対応するようにしても良く、減速時にモータ回転数を増加させることで圧縮機回転数を直接的に増加させるようにしてやれば同様の効果を得ることができる。
【0050】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態を図5に示す。第2実施形態は、上記第1実施形態に対して、アイドルストップ車両やパラレルハイブリッド方式の車両に適用したものとしている。因みに、アイドルストップ車両は停車時にエンジン10が停止されるものである。また、パレレルハイブリッド車両は、エンジン10と走行用モータが車輪を駆動し、状況に応じて両者の使い分けを可能とするものであり、エンジン10は、所定車速以上で作動され、発進時、低速走行時、減速時、停車時等には停止される。
【0051】
減速時においては、アイドルストップ車両のエンジン10は減速しながら作動回転しており、またパラレルハイブリッド車両のエンジン10は停止するものの惰力回転しており、プーリ110は駆動状態となる。
【0052】
よって、本第2実施形態においては減速時に、図3中の(ア)に対して(カ)に示すように、プーリ回転数に対しモータ120の駆動力によって圧縮機回転数を増加させるようにしている(図5(d)中の(カ)に対応)。
【0053】
これにより、アイドルストップ車両やパラレルハイブリッド車両の場合には、減速時においてもエンジン10によるプーリ回転数にモータ120の駆動力によって圧縮機回転数を容易に増加させることができ、吐出量増加による蓄冷が効果的に行える。
【0054】
(その他の実施形態)
上記第1、第2実施形態に対して、減速時における圧縮機回転数の増加量は、バッテリ20の充電量に応じて調整するようにしても良い。即ち、バッテリ20の充電量が不足状態にある場合は、モータ120の作動を控えて、バッテリ20側へ減速エネルギーを供給することで、バッテリ上がり防止することができる。
【0055】
また、減速時における圧縮機回転数の増加量は、冷凍サイクル装置200の熱負荷(必要冷房能力)に応じて調整するようにしても良い。これにより、熱負荷が高い時には圧縮機回転数の増加量を大きくして、蓄冷量を増加させエンジン10停止後の冷房性能を充分に確保することができる。
【0056】
更に、減速して停車した後の平均的なエンジン10の停止時間を予め把握しておき、その間に必要とされる冷房能力に対応する吐出量が得られるように、モータ120による圧縮機回転数の増加を、減速時に所定時間だけ行うようにしても良い。これにより、減速時において電力を無駄に使用すること無く、モータ120の作動を行うことができると共に、繰り返されるエンジン10停止時における平均的な冷房性能を確保できる。
【0057】
また、エンジン10停止予測を減速時における車速信号に基づいて予測するものとして説明したが、他にもエンジン回転数、ブレーキ作動状況、アクセル開度等の信号を用いるようにしても良く、いずれの場合も容易にエンジン10停止予測を行うことができる。
【0058】
また、変速機構としては、遊星歯車150に代えて遊星ローラやディファレンシャルギヤ等としても良い。上記実施形態のように遊星歯車150を用いる場合、各ギヤ151、153、キャリヤ152に対するプーリ110、モータ120、圧縮機130の接続は、他の組み合わせに成るようにしても良い。
【0059】
また、圧縮機130は、スクロール式に限らず、他のロータリ式やスルーベーン式等を用いるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を冷凍サイクル装置に適用した全体構成を示す模式図である。
【図2】図1における第1実施形態のハイブリッドコンプレッサを示す断面図である。
【図3】モータ、プーリ、圧縮機の作動回転数を示す共線図である。
【図4】第1実施形態のモータ作動制御における(a)は車速、(b)はエンジン作動状況、(c)は電磁クラッチ作動状況、(d)は圧縮機回転数、(e)は吹出し温度を示すタイムチャートである。
【図5】第2実施形態のモータ作動制御における(a)は車速、(b)はエンジン作動状況、(c)はエンジン回転数、(d)は圧縮機回転数、(e)は吹出し温度を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
10 エンジン
20 バッテリ(電源)
100 ハイブリッドコンプレッサ装置
101 ハイブリッドコンプレッサ
110 プーリ
120 モータ
130 圧縮機
150 遊星歯車(変速機構)
160 制御装置
200 冷凍サイクル装置

Claims (6)

  1. 走行状態に応じてエンジン(10)が停止される車両に適用されるものであって、
    前記エンジン(10)からの駆動力を受けて回転駆動するプーリ(110)と、
    電源(20)の電力を受けて回転駆動するモータ(120)と、
    冷凍サイクル装置(200)内の冷媒を圧縮する圧縮機(130)と、
    前記プーリ(110)および前記モータ(120)の少なくとも一方の駆動力を選択して前記圧縮機(130)を作動させる制御装置(160)とを有するハイブリッドコンプレッサ装置において、
    前記制御装置(160)は、前記エンジン(10)が停止に至ると予測される減速時に、前記圧縮機(130)の回転数が前記減速時前の回転数よりも増加するように、前記圧縮機(130)を作動させることを特徴とするハイブリッドコンプレッサ装置。
  2. 前記プーリ(110)からの駆動力を前記モータ(120)および前記圧縮機(130)に分配すると共に、前記モータ(120)から入力される駆動力を前記プーリ(110)および前記圧縮機(130)に伝達する変速機構(150)を有し、
    前記制御装置(160)は、前記減速時における前記プーリ(110)の回転数に対し前記モータ(120)の駆動力によって前記圧縮機(130)の回転数を増加させることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッドコンプレッサ装置。
  3. 前記制御装置(160)は、前記電源(20)の充電量に応じて、前記モータ(120)による前記圧縮機(130)の回転数の増加分を調整することを特徴とする請求項2に記載のハイブリッドコンプレッサ装置。
  4. 前記制御装置(160)は、前記冷凍サイクル装置(200)の熱負荷に応じて、前記モータ(120)による前記圧縮機(130)の回転数の増加分を調整することを特徴とする請求項2に記載のハイブリッドコンプレッサ装置。
  5. 前記制御装置(160)は、減速して停車した後の平均的なエンジン(10)停止時間中に必要とされる冷房能力に対応する吐出量が得られるように、前記モータ(120)による前記圧縮機(130)の回転数の増加を所定時間だけ行うことを特徴とする請求項2に記載のハイブリッドコンプレッサ装置。
  6. 前記変速機構(150)は、遊星歯車(150)であり、
    前記プーリ(110)、前記モータ(120)、前記圧縮機(130)は、前記遊星歯車(150)を構成するサンギヤ(151)、プラネタリーキャリヤ(152)、リングギヤ(153)のいずれかに対応して連結されるようにしたことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載のハイブリッドコンプレッサ装置。
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