JP4073575B2 - 車両用空気調和装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンとモータにより選択的に駆動されるハイブリッドコンプレッサを備えた車両用空気調和装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近の車両用空気調和装置、特に、冷凍車、活魚搬送車あるいはハイブリッド車等に搭載される車両用空気調和装置は、エンジンとモータにより選択的に駆動されるハイブリッドコンプレッサを有している(例えば、実開平6−87678号公報等参照)。
【0003】
このハイブリッドコンプレッサ1は、例えば、図6に示すように、圧縮部2とモータ3が1つのケース内に一体的に設けられ、モータにより直接作動されるとともに、エンジンEによりベルトV及び電磁クラッチ4等を介して作動されるようになっている(例えば、実開平4−16469号公報等参照)。
【0004】
なお、車両用空気調和装置は、一般的には、前記コンプレッサ1に、コンデンサ5、リキッドタンク6、膨張弁7及びエバポレータ8等が接続され、全体として冷凍サイクルが構成されている。そして、エバポレータ8の温度が所定温度になると、制御装置CによりエンジンEとハイブリッドコンプレッサ1とを連結している電磁クラッチ4を断状態(「オフ状態」)とし、バッテリBからのモータ3への給電も停止する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、バッテリBのみにより圧縮部2をモータ駆動することは、バッテリBの充電容量に限界があることから、長時間の運転は好ましくない。
【0006】
特に、バッテリBにより圧縮部2をモータ駆動する場合の初期作動は、多量の電力を消費するので、頻繁に行うことは避けることが好ましい。
【0007】
近年、環境保護の観点から、アイドリング時にはエンジンEを停止する、いわゆるアイドルストップ車が提案されている。このアイドルストップ車に搭載された車両用空気調和装置おいても、バッテリBによる圧縮部2のモータ駆動は前記一般の車両と同様避けることが好ましい。
【0008】
ところが、このアイドルストップ車では、走行中車両が停止するとエンジンEも停止するので、車両に搭載されている車両用空気調和装置も運転が停止することになる。
【0009】
このため、例えば、冷房運転しているときにエンジンEが停止すると、冷房運転も停止し、車室内の温度が上昇することから、一時的にバッテリBのみにより圧縮部2をモータ駆動し、冷房運転を継続することもある。
【0010】
このようにエンジンの停止と始動が頻繁に繰り返されると、バッテリBの電力消費は著しく、実用上大きな問題となる。
【0011】
また、最近では、パラレル方式のハイブリッド車が使用されるようになっている。このパラレルハイブリッド車は、図7に示すように、車両走行用の駆動源としてエンジンEとメインモータM1 とを有している。なお、図中「I」はインバータ、「D」は変速機、「T」はタイヤである。
【0012】
このエンジンEとメインモータM1 は、これら駆動源の状況に応じて使い分けられるが、一般的には、車速により適宜選択的に使用される。
【0013】
車速が30Km/h以下の場合には、駆動源はメインモータM1 であり、車速が30Km/h以上の場合には、エンジンEが使用される。これは、エンジンEとメインモータM1 の動力特性を考慮しもので、エンジンEは、高負荷状態では効率が良いが、低負荷状態では効率が低下し、メインモータM1 は逆に低負荷状態では効率が良いが、高負荷状態では効率が低下するからである。
【0014】
ところが、このパラレルハイブリッド車も、エンジンEとメインモータM1 を選択的に使用する関係上、前述したアイドルストップ車と同様の問題がある。
【0015】
つまり、このパラレルハイブリッド車が、エンジンEを駆動源として走行しているとき、走行速度が30Km/h以下の低速走行になると、駆動源がメインモータM1 に切り替わるが、このとき、コンプレッサ1の駆動にはバッテリBの電源が使用される。この切り替わり時に、コンプレッサ1をメインモータM1 により始動すると、バッテリBは大きな電力消費を強いられることになる。
【0016】
また、この低速走行中に、コンプレッサ1が頻繁にオン−オフするときも、バッテリBの電力消費は大きなものとなる。
【0017】
本発明は、このような従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、バッテリのみにより圧縮部をモータ駆動するときでも、消費電力が大幅に低減できる実用性のある車両用空気調和装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、下記する手段により達成される。
【0019】
バッテリにより駆動されるモータのロータと圧縮部の回転軸が同軸的に連結され、当該ロータの反圧縮部側に設けられた電磁クラッチを介してエンジンと連結された容量可変斜板式でハイブリッドのコンプレッサを有し、制御手段からの制御信号により前記電磁クラッチを繋ぐことにより前記コンプレッサを前記モータのロータを介して前記エンジンにより駆動し、前記電磁クラッチを断つことにより前記モータにより駆動するように、前記コンプレッサを前記モータと前記エンジンという2つの駆動源により選択的に駆動制御するようにした車両用空気調和装置において、
前記制御手段は、車速値、エンジン回転数、サイドブレーキ状態、ウインカーの状態あるいはトランスミッションのレバーの設定位置のいずれかに基づいてエンジンが停止される時点を予測し、この停止時点より前に、前記電磁クラッチがオン状態で前記エンジンにより回転されている前記コンプレッサの回転軸を前記モータによっても回転させるように構成したことを特徴とする車両用空気調和装置。
【0022】
(2) 前記電磁クラッチ、モータ及び圧縮部は、同一軸線上に直列に配置し、前記モータのロータの両端にそれぞれ支持板を固着し、当該支持板の中心孔の一方に前記圧縮部の第1回転軸の端部を、他方の支持板の中心孔に前記電磁クラッチと連結された第2回転軸の端部をそれぞれ回転伝達可能に連結したことを特徴とする車両用空気調和装置。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0029】
図1は本発明に係る車両用空気調和装置の概略説明図、図2は同車両用空気調和装置に組み込まれているコンプレッサの駆動状態を示す説明図、図3は同コンプレッサの制御手段の制御状態を示すフローチャート、図4は一般的なモータ効率等を示すグラフ、図5は本発明の他の実施の形態を示す概略説明図であり、図6に示す部材と共通する部材には同一符号を付し、一部説明を省略する。
【0030】
本発明に係る車両用空気調和装置は、ハイブリッドコンプレッサが使用されるので、まず、ハイブリッドコンプレッサについて概説する。
【0031】
図1に示すように、当該ハイブリッドコンプレッサ10は、中央仕切壁12aにより左右に区画された密閉ケース12の右半部のケース12R 内に圧縮部2が、左半部のケース12L 内にサブモータM2 が設けられ、このサブモータM2 の端部に設けられたプーリ40に電磁クラッチ4が取り付けられ、プーリ40に卷回されたベルトVを介してエンジンEからの動力が伝達されるようになっている。ここに、コンプレッサ10を駆動するモータは、ハイブリッド車の駆動走行用のメインモータM1 に対して「サブモータ」と称する。
【0032】
また、バッテリBからの電力がサブモータM2 及び電磁クラッチ4に給電されるようになっているが、ここに設けられた制御装置CよりサブモータM2 への給電量が制御されたり、前記電磁クラッチ4を断続する制御信号も出力され、サブモータM2 とエンジンEという両駆動源により前記圧縮部2が選択的に駆動されるようになっている。
【0033】
さらに詳述する。前記圧縮部2は、密閉ケース12R の一部を構成するシリンダ14を有し、このシリンダ14に開設された複数個のボア15内にそれぞれピストン16が摺動自在に設けられている。各ピストン16はピストンロッド17を介して非回転のウォブル板18と連結され、ウォブル板18は軸受19,20を介して斜板21に支持されており、当該斜板21の回転により前記ピストン16が往復直線動するようになっている。
【0034】
斜板21は、背面側にリンク21aが突設され、このリンク21aと、密閉ケース12R の中心部分を貫通して伸延されている第1回転軸11aより半径方向に突出された突出部22の先端が、ピン23を介して連結されており、第1回転軸11aの回転によりリンク21a及びピン23を介して回転されるようになっている。
【0035】
第1回転軸11aは、右端が前記シリンダ14の中心部分に軸受J1 により、その左端部位が前記中央仕切壁12aに設けられた軸受J2 によりそれぞれ回転可能に支持され、左端部が後述するロータ32の中心孔32a内に嵌挿されているが、この第1回転軸11aの左端は、後述する端板34と連結されているので、この端板34を介してロータ32の回転が第1回転軸11aに直接伝達されるようになっている。
【0036】
なお、実施の形態の圧縮部2は、ピストン16の往復動ストロークを調節して吐出冷媒量を変化させる容量可変斜板式のものであるため、密閉ケース12の右端側外部には、斜板21の傾斜状態を調節する制御弁13が設けられている。
【0037】
前記サブモータM2 は、前記密閉ケース12L 内に多数積層された磁性板よりなるステータ33が収納され、このステータ33内には、鉄芯のロータ32が小許の間隙S1 を介して設けられている。このステータ33は、導線34により後述する制御手段Cを介してバッテリBと接続されている。
【0038】
当該サブモータM2 は、いわゆるリアクタンスモータの如きブラシレスでかつセンサレスのモータであるが、このようにブラシレスとしたのは、圧縮部2内で圧縮される冷媒の一部を、当該サブモータM2 内にも流しサブモータM2 の冷却を行なうことが容易にでき、メンテナンスフリーとなるからであり、また、センサレスとしたのは、制御手段Cと接続する線材が少なくてすみ、しかもエンジン等からのノイズの影響を排除でき、運転状態が安定するからである。
【0039】
前記ロータ32は、軸方向両端にそれぞれ支持板34,35が固着されている。この支持板34は、第1回転軸11aの中央仕切壁12aより突出した突出部分と連結され、他方の支持板35は、第1回転軸11aと同軸的に設けられた第2回転軸11bの内端部と連結されている。なお、この連結手段としては、スプライン嵌合を行なうことが好ましい。
【0040】
このようにロータ32の軸方向両端に設けた支持板34,35の中心孔34a,35aに、別体に構成された第1回転軸11aと第2回転軸11bの端部を嵌挿することにより連結すれば、電磁クラッチ4、サブモータM2 及び圧縮部2を同一軸線上に直列に配置するとき、組付時に軸心を出しやすく、しかもサブモータM2 の全長が異なるものを製造する場合も他の部分を変更することはなく、製造が容易でコスト的に極めて有利となる。また両回転軸11a,11bの中間を省略することにより軽量化を図ることができるという利点もある。
【0041】
この第2回転軸11bは、密閉ケース12の端部に形成された減径突部12bに軸受J3 により回転可能に支持され、この減径突部12bの外周面には軸受J4 を介してプーリ40が回転自在に設けられている。
【0042】
このプーリ40は、内リング41と外リング42とからなる2重リング構造をしており、この内リング41は、前記軸受J4 により回転可能に支持され、外リング42には、溝部44が形成されている。そして、この溝部44にはベルトVが嵌合するように取り付けられ、このベルトVによりエンジンEからの動力が伝達されるようになっている。
【0043】
両リング41,42の間は中空部43とされているが、この中空部43内には、両リング41,42間に小許の間隙S2 を隔てて電磁クラッチ4のマグネット部51が設けられている。このマグネット部51は、支持板52を介して前記減径突部12bの基部に支持されているが、電気的には導線34により制御手段C及びバッテリBと直列的に接続されている。
【0044】
このマグネット部51は、バッテリBからの給電を受けて第2回転軸11bの端部に取り付けられたクラッチ板54を吸着することにより、プーリ40の回転を第2回転軸11bに伝達するようになっている。
【0045】
つまり、クラッチ板54は、第2回転軸11bの端部にセンターボルト55により取り付けられた基部54aと、この基部54aと板ばね54bを介して連結された吸着板54cとから構成され、前記マグネット部51が励磁され吸着板54cをマグネット部側に引くことにより吸着板54cの一部が両リング41,42に圧着され、両リング41,42の回転力を第2回転軸11bに伝達するようになっている。
【0046】
特に、本実施の形態に係る制御手段Cは、エバポレータ8に取り付けられた温度センサからの信号により電磁クラッチ4を断続する制御信号を出力するのみでなく、サブモータM2 による圧縮部2の初期駆動の消費電力を大幅に低減するために、エンジンEとサブモータM2 の両駆動源を一時的に併用するように制御するものである(図2参照)。
【0047】
つまり、例えば、アイドルストップ車の場合には、エンジンEが停止される時点を予測し、この時点に至る所定時間(例えば、数秒〜数十秒)前から予めサブモータM2 を稼働状態とし、このオーバーラップ時間Tだけ一時的にエンジンEとサブモータM2 の両駆動源を併用して圧縮部2を駆動し、電力消費の著じるしいサブモータM2 による圧縮部の初期駆動をエンジンEにより補助し、消費電力を低減するようにしている。
【0048】
このエンジンEが停止される時点の予測は、例えば、車速値、エンジン回転数、サイドブレーキ状態、ウインカーの状態あるいはトランスミッションのレバーの設定位置等のような車両の作動あるいは制御状態に基づいて行なうようにすれば、簡単な構成で予測を行なうことができる。
【0049】
また、パラレルハイブリッド車の場合には、車速が、例えば、30Km/hになると、駆動源がメインモータM1 からエンジンEに、あるいはエンジンEからメインモータM1 に切り替わるので、この30Km/hという車速を感知して、当該車速に至る所定時間(例えば、数秒〜数十秒)前から圧縮部2を駆動状態とする。
【0050】
特に、このパラレルハイブリッド車の場合は、減速して30Km/hになる場合が問題となる。つまり、所定の速度から減速する場合に、駆動源がエンジンEからメインモータM1 に切り替わると、コンプレッサの駆動源もエンジンEからメインモータM1 が使用され、バッテリに思わぬ負荷を掛けることになる。
【0051】
このため、エンジンEが切り替わる時点を予測し、この時点に至る前から予めサブモータM2 を稼働状態とし、一時的に両駆動源を併用して圧縮部2を駆動し、圧縮部2の初期駆動をエンジンEにより補助するようにしている。
【0052】
ただし、このパラレルハイブリッド車の場合も、例えば、車速値のみでなく、エンジン回転数、サイドブレーキ状態、ウインカーの状態あるいはトランスミッションのレバーの設定位置等のような車両の作動あるいは制御状態に基づいて、駆動源が切り替わる時点を予測するようにしてもよい。
【0053】
次に、実施の形態の作用を説明する。
【0054】
例えば、夏季等のように外気温度が高い場合には、エアコンスイッチをオンして、冷房運転を行なう。この場合は、制御手段Cによりマグネット部51を励磁し、プーリ40と第2回転軸11bとを機械的に連結することによりエンジンEの回転を、ベルトV、プーリ40、第2回転軸11b、ロータ部32及び第1回転軸11aを介して圧縮部2に伝達し、コンプレッサ10を回転する。
【0055】
この第1回転軸11aの回転により斜板21が作動し、ピストンロッド17を介してピストン16を往復動させ、冷媒を圧縮する。
【0056】
この冷媒は、通常の冷房運転に供されるが、一部は、圧縮部2より中央仕切壁12aに形成された通路や軸受J2 を通ってサブモータM2 内に入り、当該サブモータM2 を冷却する。
【0057】
ここにおいて、例えば、アイドルストップ車の場合には、車両が停止するとエンジンEも停止するが、本実施の形態では、制御手段Cにより、エンジン停止前にサブモータM2 によっても圧縮部2が駆動し、両駆動源が一時的に併用される。
【0058】
つまり、図3に示すように、車速値又はトランスミッションのレバーの設定位置等、車両自体の作動状態あるいは制御状態に基づいて車両のエンジンEがアイドルストップすることを事前に感知する(ステップ1)。
【0059】
例えば、車速センサが5Km/hを感知したときあるいはトランスミッションのレバーがDレンジからNレンジに設定されたときには、車両は数秒〜数十秒後に停止すると予測されることから、これによりアイドルストップ直前の状態であると判断できる。アイドルストップが感知されない場合には、通常の冷房運転が継続的に行われる。
【0060】
また、パラレルハイブリッド車の場合は、車速が高速から、例えば、30Km/hまで低下してくると、駆動源がエンジンEからメインモータM1 に切り替わるので、この車速を事前に感知する。
【0061】
前記アイドルストップ時点あるいは駆動源の切り替わる時点が予知されると、オーバーラップ時間Tが設定され(ステップ2)、直ちに圧縮部2の斜板21がディストロークされる(ステップ3)。圧縮部2の斜板21が傾斜した状態で回転すると、起動時のトルク負荷が大きいので、予め斜板21を立った状態(ディストロークの状態)として起動時のトルク負荷を極力少なくする。
【0062】
このディストロークは、制御弁13を外部からコントロールし、ピストン16の前面側であるシリンダ室側に加わる圧力(シリンダ内圧)よりも、ピストン16の後面側であるクランク室側に加わる圧力(クランク内圧)を大きくすることにより行う。
【0063】
斜板21がディストロークされると、サブモータM2 のステータ33にバッテリBから給電し、サブモータM2 を起動する(ステップ4)。
【0064】
このサブモータM2 は、ブラシレスでかつセンサレスのモータであることから給電しても当該サブモータM2 が確実に回転しているか否か不明なことがある。このため、本実施形態ではエンジンEを数秒〜数十秒間一定回転させ、極性変換等が正常に行なわれ、正常な回転に移行したか否か判断する(ステップ5)。なお、サブモータM2 が正常回転に移行しないならば、再度ステップ4に戻り、サブモータM2 を再起動する。
【0065】
サブモータM2 が正常回転に移行すると、電磁クラッチ4を「オフ」する(ステップ6)。この時点で、アイドルストップ車ではアイドルストップ機能が作動し、パラレルハイブリッド車では駆動源が切り換わり、エンジンEが停止し(ステップ7)、サブモータM2 のみによる圧縮部2の駆動を開始する。
【0066】
この結果、圧縮部2は、オーバーラップ時間Tだけ一時的にエンジンEとサブモータM2 によって駆動されることになるので、サブモータM2 のみにより圧縮部2を初期駆動する場合に比し消費電力は大幅に低減することになる。
【0067】
ただし、サブモータM2 に加わるトルク負荷が大きいと消費電力も大きくなり、また、真夏の昼間のような高熱負荷時に圧縮部を長時間モータ駆動することも消費電力が大きくなり好ましくないことから、本実施の形態では、サブモータM2 の状態、特にトルク負荷が所定値を越えるか否かを判断する(ステップ8)。
【0068】
このサブモータM2 の状態の検知は、例えば、トルク検知、回転数、出力、電流等を測定することにより行なうことができるが、サブモータM2 を直接検知するのみでなく、圧縮部2から吐出される冷媒の吐出圧力、室内温度、車両用空気調和装置の吹出し温度、日射量あるいはファンモータの入力電圧等の内の少なくともいずれか1つを検知することにより行うこともできる。
【0069】
ここにおいて、一般にモータは、図4のa線で示されるようなモータ効率(Ef)を示すことから、これのピークに対応するようにb線から電流値(I)を、c線から出力(Po)を、d線から回転数(N)を適宜設定すれば、効率よく運転できる。
【0070】
例えば、モータ効率(Ef)がピーク値である65%程度の効率が得られるようにするには、電流値(I)は13.2A、出力(Po)は500W、回転数(N)は4300rpmとすることが好ましい。
【0071】
熱負荷あるいはトルク負荷が設定値を越えると、サブモータM2 のみによる圧縮部2の駆動は好ましくないので、直ちにエンジンEにより圧縮部2を駆動させるように、エンジンEを再始動させ(ステップ9)、電磁クラッチを「オン」し(ステップ10)、サブモータM2 への給電を停止する(ステップ11)。
【0072】
なお、サブモータM2 の状態を検知し、負荷が設定値を越えない場合には、通常の冷房運転が行なわれる。
【0073】
このように、本実施の形態では、サブモータM2 の始動をエンジンによりサポートするので、バッテリBのみによりサブモータM2 を駆動する場合でも、省電力で行なうことができることになる。
【0074】
本発明は、上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲の範囲内で種々改変することができる。前記実施の形態では、メインモータM1 とサブモータM2 を区別して説明したが、本発明は、必ずしもこれらを区別して使用することはなく、コンプレッサ10の回転軸11を、エンジンEが停止する前に、モータMによっても回転することができればよい。
【0075】
前記実施の形態は、圧縮部2を冷媒の圧縮容量が調節可能とされた容量可変斜板式のものを使用したが、本発明は、これのみでなく、駆動するときのトルク負荷を簡単に軽減できるものであれば、通常の斜板式のものあるいはロータリ式のもの等でもよい。
【0076】
つまり、本実施の形態は、予め斜板21をディストロークした後に、サブモータM2 により圧縮部2を駆動しているが、通常の固定斜板式のものは、外部に設けられた制御部材により冷媒の圧縮容量を調節し、起動時のトルク負荷を極力少なくする。また、ロータリ式のものは、圧縮領域と吸入領域とを連通する回路を設け、この回路中に開閉弁を設置し、外部に設けられた制御部材により当該開閉弁を開閉することにより冷媒の圧縮容量を調節し、起動時のトルク負荷を極力少なくする。ただ、これら固定斜板式あるいはロータリ式のものは、冷媒の圧縮容量の調節を行なうには複雑な構成となるので、前記容量可変斜板式のものを使用することが好ましい。
【0077】
前記実施の形態のサブモータM2 は、メンテナンスフリーや、冷却容易性からブラシレスであってセンサレスのものを使用しているが、本発明はこれのみでなく、ブラシレスであってセンサを有するもの、ブラシもセンサも有するモータであっても良い。
【0078】
前記実施の形態に係る車両用空気調和装置は、通常の冷凍サイクルにハイブリッドコンプレッサを組み込んだものであるが、これのみでなく、いわゆるヒートポンプ式の冷凍サイクルにハイブリッドコンプレッサを組み込んでも良い。
【0079】
前記実施の形態は、圧縮部2とサブモータM2 を密閉ケース12に一体的に組み込み、端部に電磁クラッチ4を取り付け、圧縮部2、サブモータM2 及び電磁クラッチ4を一直線に直列に連結したものであるが、本発明は、これのみでなく、図5に示すように、圧縮部2とサブモータM2 を別体とし、電磁クラッチ4によりサブモータM2 とエンジンEとを選択的に使用するようにしたものであってもよい。
【0080】
前記実施の形態では、パラレル式ハイブリッド車は、駆動源の切り換えの車速が30Km/hであるが、この速度は、10Km/h,20Km/h,40Km/h,50Km/h,60Km/hなど適宜選択することができるものであることは言うまでもない。
【0081】
【発明の効果】
以上のように、請求項1の発明では、バッテリにより駆動されるモータのロータと圧縮部の回転軸が同軸的に連結され、当該ロータとエンジンが電磁クラッチを介して連結された容量可変斜板式でハイブリッドのコンプレッサを、制御手段が、車速等の車両側の状態によりエンジンが停止される時点を予測し、この停止時点より前にモータにより圧縮部の回転軸を回転させるようにしたので、アイドルストップ車あるいはハイブリッド車においても、モータによる圧縮部の初期駆動の消費電力を大幅に低減し、長期にわたりバッテリの蓄電量を維持することができ、実用性を高めることができる。また、車速等の車両側の状態によりエンジンが停止される時点を予測するので、簡単な構成で予測可能となる。さらに、コンプレッサは、モータのロータと圧縮部の回転軸を同軸的に連結し、当該ロータの反圧縮部側に電磁クラッチを設け、この電磁クラッチを介してエンジンと連結しているので、いわゆるハイブリッドコンプレッサとしての構成がコンパクトとなる。
【0084】
請求項の発明では、電磁クラッチ、モータ及び圧縮部を同一軸線上に直列に配置し、ロータの両端に固着された支持板に第1回転軸と第2回転軸を回転伝達可能に連結したので、軸心を出しやすく、モータの変更使用が容易で、コスト的にも有利となるのみでなく、全体の軽量化も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態を示す概略説明図である。
【図2】 ハイブリッドコンプレッサの駆動状態を示す説明図である。
【図3】 制御手段の制御状態を示すフローチャートである。
【図4】 一般的なモータ効率等を示すグラフである。
【図5】 本発明の他の実施の形態を示す概略説明図である。
【図6】 従来のハイブリッドコンプレッサを示す概略説明図である。
【図7】 従来のハイブリッド車を示す概略説明図である。
【符号の説明】
2…圧縮部、
4…電磁クラッチ、
10…コンプレッサ、
11…回転軸、
11a…第1回転軸、
11b…第2回転軸、
13…制御部材、
21…斜板、
32…ロータ、
34,35…支持板、
34a,35a…中心孔、
40…プーリ、
32…ロータ、
B…バッテリ、
C…制御手段、
E…エンジン、
M…モータ、
M1 …メインモータ、
M2 …サブモータ。

Claims (2)

  1. バッテリ (B) により駆動されるモータ (M) のロータ (32) と圧縮部 (2) の回転軸 (11) が同軸的に連結され、当該ロータ (32) の反圧縮部側に設けられた電磁クラッチ (4) を介してエンジン (E) 連結された容量可変斜板式でハイブリッドのコンプレッサ(10)を有し、制御手段 (C) からの制御信号により前記電磁クラッチ (4) を繋ぐことにより前記コンプレッサ (10) を前記モータ (M) のロータ (32) を介して前記エンジン (E) により駆動し、前記電磁クラッチ (4) を断つことにより前記モータ (M) により駆動するように、前記コンプレッサ (10) を前記モータ (M) と前記エンジン (E) という2つの駆動源により選択的に駆動制御するようにした車両用空気調和装置において、
    前記制御手段(C)は、車速値、エンジン回転数、サイドブレーキ状態、ウインカーの状態あるいはトランスミッションのレバーの設定位置のいずれかに基づいてエンジン (E) が停止される時点を予測し、この停止時点より前に、前記電磁クラッチ(4)がオン状態で前記エンジン(E)により回転されている前記コンプレッサ(10)の回転軸(11)を前記モータ(M)によっても回転させるように構成したことを特徴とする車両用空気調和装置。
  2. 前記電磁クラッチ(4)、モータ(M)及び圧縮部(2)は、同一軸線上に直列に配置し、前記モータ(M)のロータ(32)の両端にそれぞれ支持板(34,35)を固着し、当該支持板(34,35)の中心孔(34a,35a)の一方(34a)に前記圧縮部(2)の第1回転軸(11a)の端部を、他方の支持板(35)の中心孔(35a)に前記電磁クラッチ(4)と連結された第2回転軸(11b)の端部をそれぞれ回転伝達可能に連結したことを特徴とする請求項1に記載の車両用空気調和装置。
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