JP2004201683A - フライ調理品の製造方法、フライ具材保持具、フライ具材キャリヤー、およびフライ調理器 - Google Patents
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Abstract
【課題】標章が付され、および/または少なくとも一部が特定形状に成形されたフライ調理品の製造方法を提供する。
【解決手段】フライ油層中で浮揚性および/または膨張性のフライ具材をフライ調理することを包含し、前記フライ具材が前記フライ油層中で浮揚および/または膨張する際に前記フライ具材の浮揚および/または膨張を拘束し、前記拘束部において前記フライ具材を賦形することを特徴とするフライ調理品の製造方法。
【選択図】 図1
【解決手段】フライ油層中で浮揚性および/または膨張性のフライ具材をフライ調理することを包含し、前記フライ具材が前記フライ油層中で浮揚および/または膨張する際に前記フライ具材の浮揚および/または膨張を拘束し、前記拘束部において前記フライ具材を賦形することを特徴とするフライ調理品の製造方法。
【選択図】 図1
Description
本発明は、フライ調理品の製造方法、フライ具材保持具、フライ具材キャリヤー、およびフライ調理器に関する。
従来のフライ調理方法においては、フライ調理において、フライ調理品に文字等の標章を付与する方法やフライ調理品を特定形状に成形する方法は存在しなかった。
例えば、フライ調理前のフライ具材に標章を付しても、フライ調理中のフライ具材の膨張や変形により、付された標章は変形し、消えてしまう。また、フライ調理前のフライ具材を特定の形状に成形したとしても、同様に、フライ具材の膨張や変形により、目的とする特定の形状に維持することができず、特に、詳細な形状に成形することができないという問題があった。さらには、フライ具材をフライ調理前に同一の形状に成形しても、個々に異なった変形・膨張をするため、得られるフライ調理品の形状は同一形状にならないという問題もある。
したがって、本発明は、フライ具材の浮揚性、膨張性を利用することにより、標章が付されたフライ調理品や、少なくとも一部が特定の形状に成形されたフライ調理品を製造する方法を提供することを目的とする。また、本発明は、かかるフライ調理品を製造するためのフライ具材保持具、フライ具材キャリヤー、およびフライ調理器等を提供することを目的する。
本発明によれば、フライ油層中で浮揚性および/または膨張性のフライ具材をフライ調理することを包含し、前記フライ具材が前記フライ油層中で浮揚および/または膨張する際に前記フライ具材の浮揚および/または膨張を拘束し、前記拘束部において前記フライ具材を賦形することを特徴とするフライ調理品の製造方法が提供される。
以下の記述において、「浮揚性および/または膨張性」を「浮揚性/膨張性」と略記し、「浮揚および/または膨張」を「浮揚/膨張」と略記する。
以下の記述において、「浮揚性および/または膨張性」を「浮揚性/膨張性」と略記し、「浮揚および/または膨張」を「浮揚/膨張」と略記する。
本発明において、賦形は、フライ具材への標章の刻印およびフライ具材の少なくとも一部の成形を含み、標章は、文字、図形(模様を含む)、記号またはこれらの結合を含む。本発明において、少なくとも1つの標章は、意図的に付したものであり、以下詳述する、少なくとも1つの標章が設けられる面体、フライ具材当接面等を構成する部材が普通に有する模様(地模様)を含まない。すなわち、例えば、面体やフライ具材が網状体(メッシュ体)で構成されている場合、その網状体が普通に有する同一形状の繰り返しメッシュパターンは地模様に該当し、本発明における標章には含まれない。
また、本発明において、拘束は、フライ調理中にフライ油層中で自然に浮揚/膨張するフライ具材の浮揚/膨張を抑制することを含む。例えば、浮揚の拘束は、フライ油層中でフライ油面に向かうフライ具材の浮揚を途中で止めることを含み、また膨張の拘束は、フライ油層中で自然に膨張するフライ具材の少なくとも一部の周りを囲い体で囲包し、そのフライ具材の少なくとも一部の自然膨張を抑制することを含む。
本発明の1つの態様において、上記拘束を、少なくとも1つの標章を有する面体に前記フライ具材を当接させることにより行うことができる。その場合、賦形は、フライ調理中に少なくとも1つの標章に対応する標章を前記フライ具材に付すことを含む。少なくとも1つの標章は、面体に対し凸状および/または凹状に設けることもできるし、面体を貫通して設けることもできる。面体は、1つの形態において、フライ油層中でのフライ具材の浮揚を途中で止め得るものであり、浮揚止め部材ということができる。
本発明の1つの態様において、上記拘束を、少なくとも1つの標章を有する面体に前記フライ具材を当接させることにより行うことができる。その場合、賦形は、フライ調理中に少なくとも1つの標章に対応する標章を前記フライ具材に付すことを含む。少なくとも1つの標章は、面体に対し凸状および/または凹状に設けることもできるし、面体を貫通して設けることもできる。面体は、1つの形態において、フライ油層中でのフライ具材の浮揚を途中で止め得るものであり、浮揚止め部材ということができる。
本発明において、上記面体は、通油性部材で構成することができ、また少なくとも1つの標章は、非通油性部材で構成することができる。
本発明の他の態様において、フライ具材の少なくとも一部の浮揚/膨張を、型キャビティ内で拘束することができ、その場合、賦形は、フライ調理中に型キャビティに対応する形状をフライ具材に付形することを含む。
また、本発明のさらなる態様において、フライ具材の全体の浮揚/膨張を、型キャビティ内で拘束することもできる。その場合、賦形は、フライ調理中にフライ具材の全体を型キャビティに対応する形状に成形することを含む。
これら型キャビティを使用する態様において、複数の同一形状の型キャビティを用いることができ、その場合、複数の同一形状に成形されたフライ調理品を同時に製造することができる。また、これら型キャビティを使用する態様において、複数の異なる形状の型キャビティを用いることができ、その場合、複数の異なる形状に成形されたフライ調理品を同時に製造することができる。
また、本発明のさらなる態様において、フライ具材の全体の浮揚/膨張を、型キャビティ内で拘束することもできる。その場合、賦形は、フライ調理中にフライ具材の全体を型キャビティに対応する形状に成形することを含む。
これら型キャビティを使用する態様において、複数の同一形状の型キャビティを用いることができ、その場合、複数の同一形状に成形されたフライ調理品を同時に製造することができる。また、これら型キャビティを使用する態様において、複数の異なる形状の型キャビティを用いることができ、その場合、複数の異なる形状に成形されたフライ調理品を同時に製造することができる。
本発明において、上記型キャビティは、通油性部材で構成することができる。
また、本発明によれば、浮揚性/膨張性のフライ具材がフライ油層中で浮揚/膨張する際に前記フライ具材と当接し、かつ前記浮揚/膨張を拘束するフライ具材当接面を有し、前記フライ具材当接面に前記フライ具材への賦形手段が設けられていることを特徴とするフライ具材保持具が提供される。ここで、フライ具材保持具は、フライ調理中に浮揚/膨張するフライ具材をフライ油層の油面下に留めておく器具であり、例えば、前記面体に相当し得るものである。いいかえると、前記面体は、このフライ具材保持具で構成することができる。従って、上記フライ具材保持具におけるフライ具材当接面に設けられた賦形手段は、少なくとも1つの標章を含むことができ、その少なくとも1つの標章はフライ具材当接面に対し凸状および/または凹状に設けることもできるし、フライ具材当接面を貫通して設けることもできる。また、上記フライ具材保持具におけるフライ具材当接面に設けられた賦形手段は、型キャビティを含むことができる。その場合、フライ具材保持具は、複数の同一形状の型キャビティを有することもできるし、複数の異なる形状の型キャビティを有することもできる。いうまでもなく、フライ具材保持具のフライ具材当接面に設けられる少なくとも1つの標章は、非通油性部材で構成することができ、フライ具材当接面は、通油性部材で構成することができる。また、型キャビティは、通油性部材で構成することができる。
さらにまた、本発明によれば、浮揚性/膨張性フライ具材を載置する少なくとも1つの載置面、およびフライ調理中にフライ油層中で前記フライ具材が浮揚/膨張する際に前記フライ具材と当接し、かつ前記浮揚/膨張を拘束する少なくとも1つのフライ具材当接面を有し、前記フライ具材当接面に前記フライ具材への賦形手段が設けられていることを特徴とするフライ具材キャリヤーが提供される。
また、本発明によれば、上下方向に互いに離間して設けられた複数の棚部材を有し、前記棚部材の少なくとも1つが、浮揚性および/または膨張性フライ具材がフライ油層中で浮揚/膨張する際に前記フライ具材と当接し、かつ前記浮揚/膨張を拘束するフライ具材当接面を有し、前記フライ具材当接面に前記フライ具材への賦形手段が設けられていることを特徴とするフライ具材キャリヤーが提供される。フライ具材キャリヤーは、フライ具材を載置し、フライ具材のフライ油層への出し入れや持ち運びを容易にする器具である。フライ具材キャリヤーにおいて、フライ具材当接面は、上記フライ具材保持具のフライ具材当接面に相当するものであり、従って、フライ具材当接面に設けられた賦形手段は、少なくとも1つの標章を含むことができ、その少なくとも1つの標章はフライ具材当接面に対し凸状および/または凹状に設けることもできるし、フライ具材当接面を貫通して設けることもできる。また、フライ具材キャリヤーにおけるフライ具材当接面に設けられた賦形手段は、型キャビティを含むことができる。その場合、フライ具材保持具は、複数の同一形状の型キャビティを有することもできるし、複数の異なる形状の型キャビティを有することもできる。いうまでもなく、フライ具材キャリヤーにおけるフライ具材当接面に設けられる少なくとも1つの標章は、非通油性部材で構成することができ、フライ具材当接面は、通油性部材で構成することができる。また、型キャビティは、通油性部材で構成することができる。
また、本発明によれば、上下方向に互いに離間して設けられた複数の棚部材を有し、前記棚部材の少なくとも1つが、浮揚性および/または膨張性フライ具材がフライ油層中で浮揚/膨張する際に前記フライ具材と当接し、かつ前記浮揚/膨張を拘束するフライ具材当接面を有し、前記フライ具材当接面に前記フライ具材への賦形手段が設けられていることを特徴とするフライ具材キャリヤーが提供される。フライ具材キャリヤーは、フライ具材を載置し、フライ具材のフライ油層への出し入れや持ち運びを容易にする器具である。フライ具材キャリヤーにおいて、フライ具材当接面は、上記フライ具材保持具のフライ具材当接面に相当するものであり、従って、フライ具材当接面に設けられた賦形手段は、少なくとも1つの標章を含むことができ、その少なくとも1つの標章はフライ具材当接面に対し凸状および/または凹状に設けることもできるし、フライ具材当接面を貫通して設けることもできる。また、フライ具材キャリヤーにおけるフライ具材当接面に設けられた賦形手段は、型キャビティを含むことができる。その場合、フライ具材保持具は、複数の同一形状の型キャビティを有することもできるし、複数の異なる形状の型キャビティを有することもできる。いうまでもなく、フライ具材キャリヤーにおけるフライ具材当接面に設けられる少なくとも1つの標章は、非通油性部材で構成することができ、フライ具材当接面は、通油性部材で構成することができる。また、型キャビティは、通油性部材で構成することができる。
また、本発明によれば、フライ油槽と、フライ調理中にフライ具材を賦形する賦形機構とを有することを特徴とするフライ調理器が提供される。ここで、賦形機構には、前記少なくとも1つの標章および前記型キャビティが含まれる。
さらに、本発明によれば、フライ油槽と、本発明のフライ具材保持具とを有することを特徴とするフライ調理器が提供される。
また、本発明によれば、フライ油槽と、本発明のフライ具材キャリヤーとを有することを特徴とするフライ調理器が提供される。
さらにまた、本発明によれば、フライ油槽と、浮揚性/膨張性フライ具材がフライ油層中で浮揚/膨張する際に前記フライ具材と当接し、かつ前記浮揚/膨張を拘束する面を有し、前記面に前記フライ具材を賦形する賦形手段が設けられたコンベアとを有することを特徴とする連続式フライ調理器。ここで、賦形手段には、前記少なくとも1つの標章と型キャビティが含まれる。
さらにまた、本発明によれば、フライ油槽と、浮揚性/膨張性フライ具材がフライ油層中で浮揚/膨張する際に前記フライ具材と当接し、かつ前記浮揚/膨張を拘束する面を有し、前記面に前記フライ具材を賦形する賦形手段が設けられたコンベアとを有することを特徴とする連続式フライ調理器。ここで、賦形手段には、前記少なくとも1つの標章と型キャビティが含まれる。
本発明によれば、少なくとも1つの標章が付され、および/または少なくとも一部が特定形状に成形されたフライ調理品を安定に製造することができる。
以下、本発明をより詳しく説明する。
本発明は、フライ調理中にフライ油層中で浮揚/膨張する浮揚性/膨張性フライ具材の浮揚/膨張を利用して、フライ調理中に、フライ具材に標章を付し、および/またはフライ具材の少なくとも一部を特定形状に成形し、それにより標章が付された、および/または少なくとも一部が特定形状に成形されたフライ調理品を製造するものである。
本発明において、浮揚性/膨張性フライ具材は、フライ調理中にフライ油層中でフライ油面に向かって浮揚してくるものおよび/またはフライ調理中にフライ油層中で膨張するものであれば、特に限定されない。フライ具材としては、フライ調理開始後すぐに浮揚し始めるフライ具材でもよく、フライ調理開始直後にはフライ油底に沈んでいるが、フライ調理中に次第にフライ油面に向かって浮揚してくるフライ具材でもよい。後者のフライ具材の例としては、膨張性フライ具材や、フライ調理前後における水分量の差異が大きいフライ具材を挙げることできる。より具体的には、浮揚性および/または膨張性フライ具材としては、カレードーナツ、あんドーナツ、イーストドーナツ、ケーキドーナツ等のドーナツ類、ピロシキ等の揚げパン類、中華饅頭等の饅頭類、揚げ菓子類、スナック類、たこ焼き、ハンバーク、シュウマイ等の惣菜類、コロッケ、トンカツ、から揚げ、フリッター等のフライ類、えび天等の天ぷら類を例示することができるが、これらに限定されるものではない。膨張性であるフライ具材は、通常、浮揚性でもある。
本発明では、1つの側面において、フライ調理中に浮揚性/膨張性フライ具材がフライ油層中で浮揚/膨張する際にフライ具材の浮揚/膨張を拘束し、この拘束部においてフライ具材を賦形することができる。
より具体的には、本発明の1つの態様において、フライ油層中で浮揚/膨張するフライ具材を、少なくとも1つの標章を有する面体(またはフライ具材保持具)にフライ具材を当接させてフライ具材の浮揚/膨張を拘束することができる。調理中にフライ油層中で浮揚/膨張しようとするフライ具材は、その浮揚/膨張が面体またはフライ具材保持具により拘束される結果、面体またはフライ具材保持具の面(フライ具材当接面)に強く押し付けられる結果、面体または保持具に設けられた少なくとも1つの標章に対応する標章が明瞭に刻印される。
上記面体またはフライ具材保持具のフライ具材当接面は、その形状に特に制限はなく、フライ具材当接面は平面状ばかりでなく、非平面状(例えば、凹または凸面状、球面状、波型状等)とすることができる。フライ具材が膨張性である場合、非平面状のフライ具材当接面に当接したフライ具材は、フライ具材当接面に当接した面が非平面状の面に対応した面に成形されるとともに少なくとも1つの標章が付されることとなる。
本発明において、標章は、既述のとおり、文字、図形、記号またはそれらの結合であり、例えば、商品名、ブランド、商標、商号、事業者名、フランチャイズ名、品質表示、製造年月日、賞味期限、キャラクター、メッセージのいずれか1以上を含む。面体やフライ具材保持具に設ける標章は、あらかじめ反転させた形態で設ける場合もある。
かかる標章は、面体またはフライ具材保持具のフライ具材当接面に対して凸状に、すなわちフライ具材が当接する側において凸状に設けることができる。その場合、フライ具材当接面に標章形状の非通油性部材、例えば、標章形状のプレートを少なくとも1つ溶接したり、フライ具材当接面自体を標章の形状に突出させたりすることができる。凸状の標章は、フライ具材に凹状の標章を刻印し得る。
また、標章は、フライ具材当接面に対して凹状に、すなわちフライ具材が当接する側とは反対側において凸状に設けることができる。その場合、フライ具材当接面自体を標章の形状に陥没させることができる。凹状の標章は、フライ具材に凸状の標章を刻印し得る。
また、標章は、フライ具材当接面を貫通して設けることもできる。その場合、面体またはフライ具材保持具の一部を標章の形状に切り取ることができる。貫通形状の標章は、フライ具材に突出した標章を刻印し得る。
いずれの場合にも、大きな標章をフライ調理品の一定範囲の部位に付すことができるように設けることができ、また、小さな標章を多数、規則的または不規則に設けることにより、どのような態様で調理しても標章を付与できるようにすることもできる。標章が模様である場合には、フライ具材当接面が、例えば網状である場合を想定すると、例えば網のパターンを調整することにより模様を付すことができる。
上記面体およびフライ具材保持具のフライ具材当接面は、フライ油が自由に通過し得る通油性部材で構成されることが好ましく、例えば、網状体で構成することもできるし、複数の棒状体を互いに交差するように組み合わせて構成することもできる。しかしながら、作業性や汎用性の観点から、上記面体およびフライ具材保持具は、油切れがよい網状体であることが好ましく、実用面からは20〜2メッシュの網状体であることがより好ましいが、これに制限されない。傾向として、20メッシュより小さいと油切れが悪くなり、2メッシュよりも大きいとフライ調理品に地模様のメッシュ跡がつくという傾向がある。
本発明の他の態様において、フライ具材の少なくとも一部の浮揚および/または膨張を、型キャビティ内で拘束することができる。浮揚/膨張しようとするフライ具材は、その少なくとも一部の浮揚/膨張が型キャビティ(一定の立体形状を有する成形凹部)内で拘束される結果、型キャビティの形状に対応する形状に成形される。型キャビティは、面体またはフライ具材保持具のフライ具材当接面に、上記少なくとも1つの標章に代えて、または上記少なくとも1つの標章に加えて、設けることができる。型キャビティは、フライ調理中にフライ油層中で浮揚/膨張するフライ具材の一部または全部が収容されるように、フライ具材当接面に対して外側(フライ具材が接触する側とは反対側)に突出するように設けることができる。あるいは、型キャビティは、フライ具材の一部または全部が収容されるような囲い体により構成することもできる。いうまでもなく、型キャビティを規定する型部材に上記少なくとも1つの標章を設けておけば、成形と同時に標章の刻印を行うことができる。この型キャビティを用いる形態は、いうまでもなく、膨張性フライ具材に対し最も好ましく適用される。フライ調理中にフライ具材に付与される形状は型キャビティの内部形状で構成されるので、繰り返し連続して実質的に同一形状を有するフライ調理品が得られる。
型キャビティの内部形状としては、幾何学的な形状、動植物の形状、建物の形状、シンボルマークの形状、キャラクターの形状、ブランドの形状等を例示することができるが、これらに限定されない。
型キャビティは、上記と同様、油切れがよい網状体で構成することが好ましく、実用面からは20〜2メッシュの網状体で構成することがより好ましいが、これに制限されない。
上記面体およびフライ具材保持具は、フライ調理に使用するフライ油槽に着脱自在に設けることができる。例えば、網状メッシュの枠体の一辺にフック部材を設け、このフック部材をフライ油槽に引っ掛けることができる。また、上記面体およびフライ具材保持具は、持ち運びのための取っ手を設けることもできる。
フライ調理に際し、同一内部形状の複数の型キャビティを同時に用いれば、実質的に同一形状を有するフライ調理品が同時に得られる。また、フライ調理に際し、異なる内部形状の複数の型キャビティを同時に用いれば、異なる形状を有するフライ調理品が同時に得られる。
なお、上記面体、フライ具材保持具等は、フライ調理中のフライ油の温度に耐える耐熱性を有する材料であれば、いずれの材料によっても形成することができる。金属(ステンレス鋼等)が好ましい材料である。
以上の説明からもわかるように、本発明のフライ具材保持具は、浮揚性および/または膨張性のフライ具材がフライ油層中で浮揚および/または膨張する際に前記フライ具材と当接し、かつ前記浮揚および/または膨張を拘束するフライ具材当接面を有し、前記フライ具材当接面に前記フライ具材への賦形手段が設けられていることを特徴とする。ここで、フライ具材への賦形手段は、上記少なくとも1つの標章および/または少なくとも1つの型キャビティを含む。
本発明は、他の側面において、フライ具材を収容して持ち運び、フライ油層への出し入れを容易にするためのフライ具材キャリヤーを提供する。いうまでもなく、本発明のフライ具材キャリヤーは、上記フライ具材への賦形手段(少なくとも1つの標章および/または少なくとも1つの型キャビティ)を含む。より具体的には、フライ具材キャリヤーは、1つの態様において、浮揚性/膨張性フライ具材を載置する少なくとも1つの載置面、およびフライ調理中にフライ油層中で前記フライ具材が浮揚/膨張する際に前記フライ具材と当接し、かつ前記浮揚および/または膨張を拘束する少なくとも1つのフライ具材当接面を有し、前記フライ具材当接面に前記フライ具材への賦形手段が設けられていることを特徴とする。
このフライ具材キャリヤーのフライ具材当接面については、上記面体およびフライ具材保持具についてのフライ具材当接面に関して説明した事項が全て適用され得る。フライ具材載置面は、通常、フライ具材を下側から支持する面であり、フライ調理中には、通常、実質的に水平の位置に存在する面である。
このフライ具材キャリヤーのフライ具材当接面については、上記面体およびフライ具材保持具についてのフライ具材当接面に関して説明した事項が全て適用され得る。フライ具材載置面は、通常、フライ具材を下側から支持する面であり、フライ調理中には、通常、実質的に水平の位置に存在する面である。
かかるフライ具材キャリヤーは、フライ具材を出し入れ可能な開口部を有する筺体に構成することができる。この筺体状フライ具材キャリヤーは、全体を上記通油性部材で構成することが好ましい。筺体状フライ具材キャリヤーは、開口部を上部、側部または底部に有することができる。特に上部または側部に設けられた開口には、開閉式の蓋体を設けることができる。いずれの場合にも、筺体内を通油性部材で2つ以上のセクションに仕切り、各セクションにフライ具材を収容するようにしてもよい。さらに、複数の筺体状フライ具材キャリヤーを上下に積み重ねて使用することもできる。さらにまた、棚を多段に設け、各棚間に上面開口筺体状フライ具材キャリヤーを出し入れ自在に設けることもできる。このいわば整理ダンス式のフライ具材キャリヤー器具によれば、より一層多数のフライ具材を一度に一様にフライ調理することができる。この場合、各棚を通油性部材で構成することができる。
この筺体状フライ具材キャリヤーは、フライ具材の浮揚をもっぱら利用する場合には、少なくともその上部がフライ具材当接面となるので、少なくともその上部に上記賦形手段を設けることができる。また、筺体状フライ具材キャリヤーの内部空間の容積が、フライ調理前の膨張性フライ具材の体積よりも大きいが少なくとも完全膨張後のフライ具材の体積よりも小さい場合には、フライ具材を前記筺体の内部空間に対応する形状に成形することができ、その場合筺体状フライ具材キャリヤーの一部に少なくとも1つの標章を設けておけば、成形と同時に標章の付与を行うことができる。
本発明のフライ具材キャリヤーは、他の態様において、上下方向に互いに離間して設けられた複数の棚部材を有し、前記棚部材の少なくとも1つが、浮揚性/膨張性フライ具材がフライ油層中で浮揚/膨張する際に前記フライ具材と当接し、かつ前記浮揚/膨張を拘束するフライ具材当接面を有し、前記フライ具材当接面に前記フライ具材への賦形手段が設けられていることを特徴とする。
この多段棚式フライ具材キャリヤーのフライ具材当接面についても、上記面体およびフライ具材保持具についてのフライ具材当接面に関して説明した事項が全て適用され得る。
上記複数の棚部材においては、通常、最上段の棚部材を除く各棚部材の上面が上記載置面となる。各棚部材は、上記のとおりの、網状体、このましくは20〜2メッシュの網状体によって構成することができる。また、棚部材は、着脱自在に設けることができる。
さらに本発明において、フライ具材キャリヤーには、持ち運びのために、あるいはフライ調理器に設けられたフライ具材キャリヤーのリフト機構に設置するために、アームや取っ手を設けることができる。
また、本発明において、上記面体、フライ具材保持具およびフライ具材キャリヤーは、フライ調理中にいずれのフライ具材もその上面がフライ油面または油面よりも下に維持されるような位置に設定される。従って、面体、フライ具材保持具およびフライ具材キャリヤー自体の設定位置は、油面より上にあってもよい。このようにフライ具材をその上面がフライ油面以下の位置にあるようにフライ調理することにより、フライ具材は、表裏をひっくり返すことなく一様にフライ調理することが可能となり、生産性が向上する。
いうまでもなく、本発明において、フライ具材が膨張性フライ具材である場合、フライ具材の浮揚を利用しなくても、膨張により自然にフライ具材キャリヤーの少なくとも1面に接触させることができるため、標章や型キャビティの上面に代えて、または上面に加えて、側面および/または底面にも設けることができる。すなわち、フライ具材キャリヤーの底面および/または側面に上記のように賦形手段を設けておけば、フライ具材はフライ調理中にフライ具材キャリヤーのかかる底面や側面に当接し、所望の標章が刻印され、および/または成形される。
本発明のフライ具材保持具またはフライ具材キャリヤーを用いたフライ調理品の製造方法に係る実施の形態として、標章、または標章と型キャビティとの組み合わせが設けられたフライ具材保持具またはフライ具材キャリヤーを複数準備し、順次フライ具材キャリヤーを交換して使用することにより、一つのフライ調理器で、簡易に、異なる形態のフライ調理品を製造することができる。フライ具材には、予め、特定の標章を刻印したり、通常のフライ具材の形状と異なる形状に成形する必要もないため、フライ具材自体の製造工程においても、特に成形のために型や機器を必要とせず、また、フライ調理段階においても特別な機器を必要とせず、極めて簡易に、異なる形態のフライ調理品を適宜製造することができる。
さらに、本発明において、前記浮揚防止部材やフライ具材キャリヤーの、フライ具材が接する面に該標章が付与された通油性面状部材が着脱自在に設けられていれば、これを設置または差し換えて設置することで、異なる標章を簡易に付与することができる。また、通常のフライ具材キャリヤー等に設置することにより、本発明のフライ調理品の製造をすることができるようになる。
さらに本発明の浮揚性/膨張性フライ具材を調理するために使用されるフライ調理器としては、本発明のフライ具材保持具やフライ具材キャリヤーをセットしたフライ調理器や、これらが予め設けられているフライ調理器を例示できる。また、下記に説明する、賦形手段を有する連続ネット、コンベア等の機構を有するフライ調理器も例示することができる。
本発明により提供される浮揚性/膨張性フライ具材を調理するために使用される連続式フライ調理器は、フライ油槽と、浮揚性/膨張性フライ具材がフライ油層中で浮揚/膨張する際に前記フライ具材と当接し、かつ前記浮揚および/または膨張を拘束する面を有し、前記面に前記フライ具材を賦形する賦形手段が設けられたコンベアとを有することを特徴とする。この場合、連続式フライ調理器は、前記コンベアがフライ具材の搬送機構を兼ね、かつ、フライ油槽中にフライ具材を搬送する搬送用コンベアを有することができる。かかるコンベアも本発明の範囲内のものである。
以上のように、本発明によれば、フライ調理品に標章を付すことができるため、ブランド名等が付されたフライ調理パンやドーナツ等を得ることができる。また、フライ調理品の少なくとも一部を所望の特定形状に形成することができるとともに同一形状を再現することができ、また複雑な形状も形成することができる。これらのことから、製造者から見れば特定者が製造したフライ調理品であることを明示できることや、特徴的な製品を作ることができ、外観の商品設計の幅が広がり、商品価値を著しく向上させることができる等のメリットがあり、また、購入者からは魅力的なフライ調理品が増えること等のメリットがある。また、包装に入れなくても(ブランド名が記載された包装に入っていなくても)識別性があるというメリットもある。さらに、これまで少なかったフライ調理品のブランド化が進行する可能性がある。さらには、食生活が楽しくなるという、食文化への寄与もある。このような標章の刻印や成形は、従来では行えなかったものである。例えば、フライ調理品の形状を工夫するとしても、そのフライ調理前に整えた形状は、フライ調理品後の形状に直結するわけではなく、フライ調理により膨張・変形するため、所望の形状にすることはできず、また、同一な形状を再現することができなかった。また、調理後に形成する方法はフライ調理品においては取りえない方法である。
以下、図面を参照して本発明をさらに説明する。図中同様の要素には同様の符号が付されている。
図1は、本発明の1実施の形態により、浮揚止め部材とも称され得るフライ具材保持具(面体)をフライ油槽に取り付けてフライ調理品を製造する様態を示す概略断面図である。フライ油FOを収容したフライ油槽11に、例えば平面状の網状体(通油性部材)からなるフライ具材保持具12が設置されている。フライ具材保持具12には、その両端にフック部材13,13が設けられ、これらフック部材13,13がフライ油槽11の上端に掛けられている。フライ具材保持具12の下面は、フライ油FOの油面OSよりも下の位置に設定されていることが好ましい。フライ具材保持具12には、上に詳述したように少なくとも1つの標章(図示せず)が設けられている。
浮揚性フライ具材14は、フライ調理中に油面OSに向かって浮揚するが、フライ具材保持具12により浮揚を阻止(拘束)され、フライ具材保持具12の下面(フライ具材当接面)に強く当接した状態でフライ具材保持具12により保持され、フライ調理される。こうして、フライ具材保持具12に設けられた標章に対応する標章がフライ具材に刻印される。フライ具材保持具12は、通油性であるので、フライ具材の上面にもフライ油が十分に接触し、一様にフライ調理が行える。
図2は、フライ具材の一部が収容される型キャビティを有するフライ具材保持具を用いてフライ調理品を製造する様態を示す概略断面図である。ここでは、図1に示すフライ具材保持具12の代わりに、フライ具材14’の一部が収容される型キャビティ151を有する、例えば平面状の網状体(通油性部材)からなるフライ具材保持具15が設置されている。膨張性フライ具材14’の一部は、フライ調理中に膨張により金型キャビティ内に入り、金型キャビティの内部形状に対応する形状に成形される。
図3は、フライ具材の全体が収容される型キャビティを有するフライ具材保持具を用いてフライ調理品を製造する様態を示す概略断面図である。ここでは、図1に示すフライ具材保持具12の代わりに、フライ具材14”の全体が収容される型キャビティ161を有する、例えば平面状の網状体(通油性部材)からなるフライ具材保持具16が設置されている。膨張性フライ具材14”は、全体が型キャビティに収容され、フライ調理中に膨張により金型キャビティ内面に強く当接し、金型キャビティの内部形状に対応する形状に成形される。
図4は、少なくとも1つの標章を有するフライ具材保持具の一例を示す概略斜視図である。このフライ具材保持具17は、図示しない枠体に張設された平面状網状体171を有し、例えばその下面に標章172、例えばABCの文字が設けられている。この網状体171の両側には、フライ具材保持具を持ち運ぶための一対の取っ手173,173が設けられている。このフライ具材保持具17は、フライ調理中に平面状網状体部が油面下になるように、フライ調理器に設置するか、手で保持することができる。また、このフライ具材保持具17は、フライ油槽の底面にフライ具材を押し付けるように自重によりフライ具材の上に置くことができる。その状態でフライ具材をフライ調理することにより、図5に示すようなABCの文字が刻印されたフライ調理品141を製造することができる。
図6は、型キャビティを有するフライ具材保持具の一例を示す概略斜視図である。このフライ具材保持具18は、図示しない枠体に張設された平面状網状体181を有し、その一部が立体形状(図では、星型)に突出し、型キャビティ182を構成している。このフライ具材保持具18も、図4に示すフライ具材保持具17と同様、平面状網状体181の両側に一対の取っ手183が設けられている。このフライ具材保持具18も、フライ調理中に平面状網状体部が油面下になるように、フライ調理器に設置するか、手で保持することができる。また、このフライ具材保持具18は、フライ油槽の底面にフライ具材を押し付けるように自重によりフライ具材の上に置くことができる。その状態でフライ具材をフライ調理する。その場合、フライ具材が型キャビティ182よりも大きく、フライ具材の一部のみが型キャビティに収容されるものであるときには、図7(a)に示すように、一部が星型に盛り上がった形状に成形されたフライ調理品が製造できる。他方、フライ具材がフライ調理の初めから型キャビティに収容される大きさである場合、図7(b)に示すように、全体が星型の形状に成形されたフライ調理品141”が得られる。
図8は、標章を有するフライ具材保持具の別の例を示す概略斜視図である。このフライ具材保持具19は、図示しない枠体に張設された平面状網状体191を有する。この網状体191の一部は切り取られ、そこに標章形状(図ではCの文字形状)のプレート192が針金などにより固定・保持されている。このフライ具材保持具19も、フライ調理中に平面状網状体部が油面下になるように、フライ調理器に設置するか、手で保持することができる。また、このフライ具材保持具119は、フライ油槽の底面にフライ具材を押し付けるように自重によりフライ具材の上に置くことができる。その状態でフライ具材をフライ調理すると、図示しないが、文字Cが刻印されたフライ調理品が得られる。この文字Cの部分はフライ油と十分に接触しないのでフライ調理前のフライ具材の色がほぼそのまま残るが、フライ調理中のフライ油の熱によりいわゆる火が通されているので、特に問題はない。
図9は、フライ具材をフライ具材キャリヤーに収容してフライ調理する方法を示す概略図である。中空直方体形状の筺体21により構成されるフライ具材キャリヤー20は、6面が網により形成され、上面(蓋体)20aは、開閉式となっている。この上面20aには、標章、例えばABCの文字22が形成されている。このフライ具材キャリヤー20の一側面には、取っ手23が取り付けられている。図9(a)に示すように上面20aを開放し、フライ具材24を入れて上面20aを閉じる(図9(b)、図9(c))。この状態でフライ具材キャリヤー20をフライ油槽に投入し、フライ具材24がフライ油面より下の位置になるように設定する。フライ具材24が膨張性であり、その膨張後の体積がフライ具材キャリヤー20の内容積よりも十分に大きい場合は、フライ調理中に膨張して、例えばフライ具材24は、フライ具材キャリヤー20の上面および底面に押し付けられる(図9(d))。他方、フライ具材24が浮揚し得るものであり、フライ具材キャリヤー20の内容積がフライ具材が浮揚するに十分なものである場合には、フライ具材24は浮揚し、その上面がフライ具材キャリヤー20の上面20aに当接する(図9(e))。フライ調理後は、フライ具材キャリヤー20の上面に接した面に反転文字22が反転して正常文字として刻印された状態でフライ調理品25が得られる(図9(f))。
図10は、フライ具材キャリヤー上面に付された標章の形態を示す図である。図10(a)および10(c)は平面図であり、図10(b)および10(d)は、それぞれの断面図である。図10(a)および10(b)に示す態様は、標章22がフライ具材キャリヤー上面20aから内側に突出するように設けられたものであり、図10(c)および10(d)に示す態様は、標章22がフライ具材キャリヤー上面20aを構成する網を打ち抜いた形で設けられたものである。
図11は、フライ具材キャリヤー上面に設けられた標章が星型等の図形22’である以外は図9に示すフライ具材キャリヤーと同様のフライ具材キャリヤー20を示す。
図12は、フライ具材キャリヤー底面20bにも標章22が設けられている以外は、図9に示すフライ具材キャリヤーと同様のフライ具材キャリヤー20を示す。
図13は、フライ具材キャリヤー内が、1つの通油性仕切り部材31により2つのセクション201および202に仕切られており、各セクションに対応するフライ具材キャリヤー上面20aにそれぞれ標章22が付されている以外は、図9に示すフライ具材キャリヤーと同様のフライ具材キャリヤー20を示す。上面20aに付される標章は、同じであっても異なっていてもよい。
図14は、1側面が開口し、他の5面が網で構成された直方体形状の中空筺状体41からなるフライ具材キャリヤー40を示す。フライ具材キャリヤー40の内部は、通油性仕切り部材42で上下2つのセクション401および402に仕切られている。標章22は、フライ具材キャリヤー40の上面40aおよび仕切り部材42にそれぞれ設けることができる。
図15は、上面が開口し、他の5面が網で構成された直方体形状の中空筺状体からなるフライ具材キャリヤー50を複数積み重ねた状態を示している。この場合、各筺状体からなるフライ具材キャリヤー50の底面に文字22を設けることができる。
図16は、上下両面61a、61bを網で構成した枠体61に複数の通油性部材からなる棚62,63を設け、棚間のスペースにフライ具材キャリヤー65を出し入れ自在に収容するようにしたものである。浮揚性フライ具材が調理中に当接する61a、62、63の下面には、標章が設けられている。
図17は、底面が開口し、他の5面が網で構成されたフライ具材キャリヤー(フライ具材保持具)70を示す。このフライ具材キャリヤー70は、フライ具材24を被せるようにして使用する。
図18は、多段棚式フライ具材キャリヤーの一例を示す。この多段棚式フライ具材キャリヤー80は、立体の枠体801に複数の棚部材802を上下方向に互いに離間して設けたものである。各棚部材802は、上記通油性部材で構成することが好ましい。最上段の棚部材を除く各棚部材の上面は、フライ具材の載置面を提供し、最下段の棚部材を除く各棚部材の下面は、フライ具材当接面を提供し得る。フライ具材当接面には、標章および/または金型キャビティを設けることができる(図18では、ABCの文字からなる標章が設けられている)。フライ具材が膨張性であって、相隣る2つの棚部材間の間隔が、フライ調理前のフライ具材の大きさよりも大きいがフライ調理後(膨張後)のフライ調理品の大きさよりも小さい場合には、フライ具材は膨張により相隣る2つの棚部材の両者に強く当接するため、最上段の棚部材を除く各棚部材の上面に標章および/または型キャビティを設けておけば、上下両面に標章が付され、および/または少なくとも一部が成形されたフライ調理品を製造することができる。
本発明のフライ調理方法は、比較的縦長の油槽を用いて行うことが好ましい。特に、本出願人が特願2001−165762に開示したフライ調理方法およびフライ調理器を用いる場合が最も好適である。特願2001−165762に開示したフライ調理方法は、フライ油面の面積SAと油底から油面までの高さHAについて、HA/SA1/2=0.6〜3.5、好ましくは0.65〜3.0、より好ましくは0.7〜2.75、さらに好ましくは0.75〜2.5、特に好ましくは0.8〜2.25、最も好ましくは0.9〜2.0となる条件で行うことを特徴とするものである。この条件でフライ調理を行うと、油脂の劣化を抑制し、高い回転率を達成し、油脂中に存在する劣化物を一定量以下に抑制することができる。
上に述べたように、本発明のフライ具材キャリヤーを用いてフライ調理する場合、例えば比較的縦長の直方体や円柱等の油層を用いることが好ましいが、実際の作業を想定した場合、油面から油底(平均値)までの距離は、10〜200cm、好ましくは10〜100cm、さらに好ましくは10〜40cmである。また、上記表面積SAについても、30〜30,000cm2、好ましくは30〜3,000cm2、さらに好ましくは30〜1,000cm2である場合が好ましい。
図19は、特願2001−165762に開示したフライ調理器の一例を示す斜視図であり、図20は、図19に示すフライヤー装置のフライ調理器110の概略断面図である。これらの図に示すように、本発明のフライヤー装置は、本発明のフライ調理器110とこれに並設された給油機構を備えたコントロールボックス140を備える。
フライ調理器110は、縦長の有底筒状油槽1101を備える。図19および図20において、油槽1101は、4つの側壁と1つの底壁で構成される実質的に直方体の形状を有する。この油槽1101は、一定の間隔を隔てて、筺体1102により囲まれており、全体として油槽1101の形状を有する。油槽1101の外側側面は、油槽1101に充填されるフライ油脂を加熱するためのヒーターユニット1103により囲包されている。また、フライ油槽1101の内面上部にフッ素樹脂コート層1107を設けると、フッ素樹脂の有する低い伝熱性のために、油面付近の過加熱が抑制され、油脂の劣化が抑制され、油槽1101からの放熱が抑制され、熱エネルギー使用量が低減されるので好ましい。
また、筺体1102には、好ましくは、フライ調理の際にフライ具材を収容して油層中に設置するためのフライ具材キャリヤー160を昇降させるための昇降機構30が設けられている。フライ具材キャリヤー160は、昇降する支持部材131に懸垂されて油層中を昇降される。電源141をオンにし、スイッチ142を押すことにより、支持部材131とともにフライ具材キャリヤーが下降し、油層中に浸漬されるとともに、ヒーターユニット1103が駆動され、フライ調理を開始することができる。フライ設定時間が経過すると、フライ具材キャリヤー160は上昇され、フライ作業が完了する。なお、油槽1101の外側には、油槽1101の内面に至るまで温度センサー1104が挿通され、油槽1101内のフライ油脂温度を検出するように設定されている。既述のように、本発明のフライ調理器において、油槽1101は、油面OSに対応するその開口部の面積SBの平方根と開口部から底までの深さHBとが、HB/SB1/2=0.8〜4.0なる関係を満たす。ここで、油面OSに対応する開口部とは、通常、油槽1101容積の約70%の油脂を油槽1101に充填したときに油脂により形成される油面における開口部である。先に述べたように、HB/SB1/2は、好ましくは0.9〜3.5、より好ましくは1.0〜3.25、さらに好ましくは1.1〜3.0である。
さて、フライ油槽1101の底部には、廃油となったフライ油脂を油槽1101から排出されるための排出ポート1105が設けられ、これには開閉コック1106が設けられている。
フライ調理器110は、図19に示すように、油槽1101の開口を開閉するための開閉蓋120を備えることが好ましい。このような蓋120を備えることで、蓋120で油槽1101を閉じることにより、放熱量を抑制し、熱エネルギーを削減することができる。また、臭気放散もより一層軽減されるとともに、蓋120を閉じることにより、酸素との接触が抑制されてフライ油脂の劣化が抑制される。この蓋120の開閉に連動して、蓋120を閉じるとフライ油脂設定温度を低下(例えば30℃低下)させてフライ油脂の不要な加熱を防止し、他方蓋120を開けると、設定温度が元に戻り、フライ油脂の温度を急激に上昇させ、フライ開始に備えることができるように、以下述べる温度調節機を駆動させるための蓋連動スイッチ121を設けることがさらに好ましい。
次に、フライ調理器110に並設される、給油機構を備えたコントロールボックス140は、上記各種動作を自動制御するものであり、例えば、図21に示す回路構成を有する。すなわち、コントロールボックス140内には、電源スイッチ141に接続された半導体無接点リレー1401と、スタート/リセットスイッチ1142に接続されたデジタルタイマー1402が設けられている。半導体無接点リレー1401は、コントロールボックス140内でデジタル温度調節機1403に接続され、このデジタル温度調節機1403には温度センサー1104からの信号と蓋連動スイッチ121からの信号が入力されて、半導体無接点リレー1401を介してフライ調理器110のヒーターユニット1103を前述の如く駆動する。他方、デジタルタイマー1402は、昇降機構130の支持部材131に接続された昇降装置1201を上述のように駆動する。
コントロールボックス140に設けられた給油機構150は、例えば石油ストーブのカートリッジタンクによる給油機構と同じ原理のものである。
上記のような縦長のフライ油槽を有するフライ調理器を用いて上記フライ具材保持具にセットした状態でフライ具材をフライ調理すれば、フライ具材をフライ油中のより深い位置に保持することができるので、フライ具材の浮揚力がより一層増大し、標章の刻印および/またはフライ具材の成形をより十分に行うことができる。
図22は、本発明に係る連続式フライ調理器の一例を示す概略図であり、図23は、上段搬送コンベアを構成する金属ネットの一部を部分的に示す平面図である。
本発明によれば、フライ具材の性状により、油槽に投入した際に油槽中にフライ具材が沈む場合と初めから油面付近に浮揚している場合があるが、ここでは、例えば、コロッケ等投入当初においてフライ具材が沈む場合の例を説明する。
図22に示す連続式フライ調理器は、フライ油FOを収容する油収容部2011を構成する油槽201を備える。油収容部2011の底部には、フライ油FOを所定のフライ温度に加熱するためのヒーターユニット202が設置されている。このヒーターユニット202の上方には、複数の駆動ローラ203a〜203dに掛け渡された金属ネット2041からなる無端ベルトで構成される下段搬送コンベア204がフライ油FOに浸漬された状態で設けられている。
フライ油FOの油面近傍には、複数の駆動ローラ205a〜205cに掛け渡された金属ネット2061からなる無端ベルトで構成される上段搬送コンベア206が設けられている。上段搬送コンベア206は、金属ネット2061が下側に位置するときに、フライ油FOの油面と実質的に同じ位置に位置するように設けられている。上段搬送ベルト206を構成する金属ネット2061には、図23に示すように、標章、例えば、ABCの文字プレート207が所定の間隔で連続的に設けられている。
フライ調理に当り、油槽201のフライ具材投入口(下降傾斜部)2012から、フライ具材300、例えばコロッケを油槽201中のフライ油FO内に投入する。すると、フライ具材300がフライ油FO中に沈降し、下段搬送用コンベア204上に乗る。フライ具材300はフライ調理されながら、一定速度で下段搬送用ベルト204によりフライ油FO中を搬送される。フライ調理が進行すると、フライ具材300の水分が蒸発したり、フライ具材300が膨張する結果、フライ具材が浮揚する。この浮揚したフライ具材は、油面より下の高さに設置された文字ABCが付された浮揚防止部材を兼ねた上段搬送用コンベア206を構成する金属ネット2061の下面に押し付けられた状態で搬送される。このときに、文字ABCが付された上段搬送用コンベア206により、フライ具材300に文字ABC207が付される。
上段搬送コンベア206による搬送後、フライ具材300は下段搬送コンベア204と連接され、フライ油槽の傾斜面2012に沿って設けられたフライ調理品取り出し用コンベア208により、油槽から取り出される。コンベア208は、駆動ローラ203aと駆動ローラ203eに掛け渡されている。
以上のようにして、文字ABC207が付されたフライ調理品300’を連続的に得ることができる(図24)。
なお、図22に示す連続式フライ調理器において、下段搬送コンベア204と上段搬送コンベア206との間隔を、フライ調理前のフライ具材の大きさよりも大きいがフライ調理後(膨張後)のフライ調理品の大きさよりも小さい場合には、フライ具材は膨張により両コンベアに強く当接するため、両コンベアに標章および/または型キャビティを設けておけば、上下両面に標章が付され、および/または少なくとも一部が成形されたフライ調理品を製造することができる。
以下本発明を実施例により説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
実施例1
幅10cm×奥行20cm×高さ5cmの箱型フライ具材キャリヤーであって、全面が10メッシュのステンレス鋼メッシュで構成されたフライ具材キャリヤーを用いた。このフライ具材キャリヤーの上面メッシュ部材は開閉式にフライ具材キャリヤーに取り付けられている。この上面の内側には、フライ調理中に浮上したフライ具材と接するように「ABCベーカリー」の文字を左右反転させた反転文字突起を有するものであった。この突起は線径2mmのステンレス鋼ワイヤーで構成され、フライ具材キャリヤーの上面内側に溶接した。文字の大きさは20ポイント相当であった。
幅10cm×奥行20cm×高さ5cmの箱型フライ具材キャリヤーであって、全面が10メッシュのステンレス鋼メッシュで構成されたフライ具材キャリヤーを用いた。このフライ具材キャリヤーの上面メッシュ部材は開閉式にフライ具材キャリヤーに取り付けられている。この上面の内側には、フライ調理中に浮上したフライ具材と接するように「ABCベーカリー」の文字を左右反転させた反転文字突起を有するものであった。この突起は線径2mmのステンレス鋼ワイヤーで構成され、フライ具材キャリヤーの上面内側に溶接した。文字の大きさは20ポイント相当であった。
市販の業務用冷凍カレードーナツ生地を室温で1時間放置して解凍した後、ガス式ホイロ機により37℃で60分間発酵させた(底面が長径10cmで短径7cmの楕円状で、高さ4cm)。この発酵済のフライ具材をフライ具材キャリヤーに投入し、フライ具材キャリヤー上面を閉じて固定した後、170℃のフライ油を張り込んだ市販業務用フライヤー(18リットル型)にフライ具材キャリヤーを投入し、4分間フライした。フライ調理中の生地は、浮力によりフライ具材キャリヤー上面内側に強く押し付けられていた。
フライ調理後のカレードーナツは、フライ具材キャリヤー上面と接した面に「ABCベーカリー」の文字がくぼみとして明瞭に刻印されていた。また、カレードーナツは、全体の揚げ色や食感が良好であった。
実施例2
幅10cm×奥行20cm×高さ4cmの箱型フライ具材キャリヤーであって、1側面が開口し、他の5面が10メッシュのステンレス鋼メッシュで構成されたフライ具材キャリヤーを用いた。このフライ具材キャリヤーの上面の内側には、フライ調理中に浮上したフライ具材と接するように「ABCベーカリー」の文字を左右反転させた反転文字突起を有すし、かつ底面の内側には、フライ中に浮揚したフライ具材と接すように「製造日」の文字を左右反転させた反転文字突起を有するものであった。各突起は線径2mmのステンレス鋼ワイヤーで構成され、フライ具材キャリヤーの上面内側に溶接した。文字の大きさは20ポイント相当であった。
幅10cm×奥行20cm×高さ4cmの箱型フライ具材キャリヤーであって、1側面が開口し、他の5面が10メッシュのステンレス鋼メッシュで構成されたフライ具材キャリヤーを用いた。このフライ具材キャリヤーの上面の内側には、フライ調理中に浮上したフライ具材と接するように「ABCベーカリー」の文字を左右反転させた反転文字突起を有すし、かつ底面の内側には、フライ中に浮揚したフライ具材と接すように「製造日」の文字を左右反転させた反転文字突起を有するものであった。各突起は線径2mmのステンレス鋼ワイヤーで構成され、フライ具材キャリヤーの上面内側に溶接した。文字の大きさは20ポイント相当であった。
実施例1と同様の発酵済のカレードーナツ生地をフライ具材キャリヤーの開放側面からフライ具材キャリヤーに投入し、170℃のフライ油を張り込んだ市販業務用フライヤー(18リットル型)にフライ具材キャリヤーを投入し、4分間フライした。フライ調理中の生地は膨張し、フライ具材キャリヤー上面と底面とに強く押し付けられていた。
フライ調理後のカレードーナツは、フライ具材キャリヤー上面と接した面に「ABCベーカリー」の文字が、またフライ具材キャリヤー底面と接した面に「製造日」の文字が、いずれもくぼみとして明瞭に刻印されていた。また、カレードーナツは、全体の揚げ色や食感が良好であった。
実施例3
幅10cm×奥行20cm×高さ4cmの箱型フライ具材キャリヤーであって、1側面が開口し、他の5面が10メッシュのステンレス鋼メッシュで構成されたフライ具材キャリヤーを用いた。このフライ具材キャリヤーの上面の内側には、フライ調理中に浮上したフライ具材と接するように「ABCベーカリー」の文字を左右反転させた反転文字突起を有すし、かつ底面の内側には、フライ中に浮揚したフライ具材と接すように長径20mmのハート型のマークを有するものであった。各突起は線径2mmのステンレス鋼ワイヤーで構成され、フライ具材キャリヤーの上面内側に溶接した。文字の大きさは20ポイント相当であった。
幅10cm×奥行20cm×高さ4cmの箱型フライ具材キャリヤーであって、1側面が開口し、他の5面が10メッシュのステンレス鋼メッシュで構成されたフライ具材キャリヤーを用いた。このフライ具材キャリヤーの上面の内側には、フライ調理中に浮上したフライ具材と接するように「ABCベーカリー」の文字を左右反転させた反転文字突起を有すし、かつ底面の内側には、フライ中に浮揚したフライ具材と接すように長径20mmのハート型のマークを有するものであった。各突起は線径2mmのステンレス鋼ワイヤーで構成され、フライ具材キャリヤーの上面内側に溶接した。文字の大きさは20ポイント相当であった。
実施例1と同様の発酵済のカレードーナツ生地をフライ具材キャリヤーの開放側面からフライ具材キャリヤーに投入し、170℃のフライ油を張り込んだ市販業務用フライヤー(18リットル型)にフライ具材キャリヤーを投入し、4分間フライした。フライ調理中の生地は膨張し、フライ具材キャリヤー上面と底面とに強く押し付けられていた。
フライ調理後のカレードーナツは、フライ具材キャリヤー上面と接した面に「ABCベーカリー」の文字が、またフライ具材キャリヤー底面と接した面にハート型のマークが、いずれもくぼみとして明瞭に刻印されていた。また、カレードーナツは、全体の揚げ色や食感が良好であった。
実施例4
幅10cm×奥行20cm×高さ6cmの箱型フライ具材キャリヤーであって、全面が10メッシュのステンレス鋼メッシュで構成されたフライ具材キャリヤーを用いた。このフライ具材キャリヤーの上面メッシュ部材は開閉式にフライ具材キャリヤーに取り付けられている。このフライ具材キャリヤーの上面の内側には、フライ調理中に浮上したフライ具材と接するように唐草模様の突起を全体に有するものであった。この突起は線径0.5mmのステンレス鋼ワイヤーで構成され、フライ具材キャリヤーの上面内側に溶接した。
幅10cm×奥行20cm×高さ6cmの箱型フライ具材キャリヤーであって、全面が10メッシュのステンレス鋼メッシュで構成されたフライ具材キャリヤーを用いた。このフライ具材キャリヤーの上面メッシュ部材は開閉式にフライ具材キャリヤーに取り付けられている。このフライ具材キャリヤーの上面の内側には、フライ調理中に浮上したフライ具材と接するように唐草模様の突起を全体に有するものであった。この突起は線径0.5mmのステンレス鋼ワイヤーで構成され、フライ具材キャリヤーの上面内側に溶接した。
実施例1と同様の発酵済のカレードーナツ生地をフライ具材キャリヤーの上面からフライ具材キャリヤーに投入し、170℃のフライ油を張り込んだ市販業務用フライヤー(18リットル型)にフライ具材キャリヤーを投入し、4分間フライした。フライ調理中の生地は浮力によりフライ具材キャリヤー上面内側に強く押し付けられていた。
フライ調理後のカレードーナツは、フライ具材キャリヤー上面と接した面に唐草模様が明瞭に刻印されていた。また、カレードーナツは、全体の揚げ色や食感が良好であった。
実施例5
幅10cm×奥行15cm×高さ3cmの箱型フライ具材キャリヤーであって、全面が10メッシュのステンレス鋼メッシュで構成されたフライ具材キャリヤーを用いた。このフライ具材キャリヤーの上面メッシュ部材は開閉式にフライ具材キャリヤーに取り付けられている。このフライ具材キャリヤーの上面および底面には、それぞれ鯛焼きの半面の形状が凹凸状に立体的に形成されている。
幅10cm×奥行15cm×高さ3cmの箱型フライ具材キャリヤーであって、全面が10メッシュのステンレス鋼メッシュで構成されたフライ具材キャリヤーを用いた。このフライ具材キャリヤーの上面メッシュ部材は開閉式にフライ具材キャリヤーに取り付けられている。このフライ具材キャリヤーの上面および底面には、それぞれ鯛焼きの半面の形状が凹凸状に立体的に形成されている。
実施例1と同様の発酵済のカレードーナツ生地をフライ具材キャリヤーの上面からフライ具材キャリヤーに投入し、170℃のフライ油を張り込んだ市販業務用フライヤー(18リットル型)にフライ具材キャリヤーを投入し、4分間フライした。フライ調理中の生地は膨張し、フライ具材キャリヤー内側に強く押し付けられていた。
フライ調理後のカレードーナツは、全体として鯛焼きの形状を有しており、魚のうろこ状の模様および目玉状の模様が明瞭に刻印されていた。この鯛焼き形状のカレードーナツは、全体の揚げ色や食感が良好であった。
実施例6
幅10cm×奥行20cm×高さ5cmの箱型フライ具材キャリヤーであって、上面が20メッシュのステンレス鋼メッシュで構成され、その他の側面が10メッシュのステンレス鋼メッシュで構成されたフライ具材キャリヤーを用いた。このフライ具材キャリヤーの上面メッシュ部材は開閉式にフライ具材キャリヤーに取り付けられている。この上面の内側には、フライ調理中に浮上したフライ具材と接するように「ABC」の文字を左右反転させた反転文字状のくぼみを有するものであった。このくぼみは、メッシュを文字型にくぼませることにより作製した。文字の大きさは40ポイント相当であった。
幅10cm×奥行20cm×高さ5cmの箱型フライ具材キャリヤーであって、上面が20メッシュのステンレス鋼メッシュで構成され、その他の側面が10メッシュのステンレス鋼メッシュで構成されたフライ具材キャリヤーを用いた。このフライ具材キャリヤーの上面メッシュ部材は開閉式にフライ具材キャリヤーに取り付けられている。この上面の内側には、フライ調理中に浮上したフライ具材と接するように「ABC」の文字を左右反転させた反転文字状のくぼみを有するものであった。このくぼみは、メッシュを文字型にくぼませることにより作製した。文字の大きさは40ポイント相当であった。
実施例1と同様の発酵済のフライ具材をフライ具材キャリヤーに投入し、フライ具材キャリヤー上面を閉じたて固定した後、170℃のフライ油を張り込んだ市販業務用フライヤー(18リットル型)にフライ具材キャリヤーを投入し、4分間フライした。フライ調理中の生地は、浮力によりフライ具材キャリヤー上面内側に強く押し付けられていた。
フライ調理後のカレードーナツは、フライフライ具材キャリヤー上面と接した面に「ABC」の文字が表面から盛り上がるように(凸状に)刻印されていた。また、カレードーナツは、全体の揚げ色や食感が良好であった。
11…油槽、12…フライ具材保持具、13…フック部材、14…フライ具材、20,40,50,70…フライ具材キャリヤー、21…フライ具材キャリヤーを構成する筺体、22…標章、23…取っ手、110…フライ調理器、120…開閉蓋、130…昇降機、131…支持部材、140…コントロールボックス、141…電源スイッチ、1101…油槽、1102…筺体、1103…ヒーターユニット、1104…温度センサー、1401…無接点リレー、142…スタート/リセットスイッチ、1402…デジタルタイマー、1403…デジタル温度調節機
Claims (37)
- フライ油層中で浮揚性および/または膨張性のフライ具材をフライ調理することを包含し、
前記フライ具材が前記フライ油層中で浮揚および/または膨張する際に前記フライ具材の浮揚および/または膨張を拘束し、
前記拘束部において前記フライ具材を賦形すること
を特徴とするフライ調理品の製造方法。 - 前記拘束を、少なくとも1つの標章を有する面体に前記フライ具材を当接させることにより行い、
前記賦形が、フライ調理中に前記少なくとも1つの標章に対応する標章を前記フライ具材に付すことを含むこと
を特徴とする請求項1に記載のフライ調理品の製造方法。 - 前記少なくとも1つの標章が、前記面体に対し凸状および/または凹状に設けられていることを特徴とする請求項2に記載のフライ調理品の製造方法。
- 前記少なくとも1つの標章が、前記面体を貫通して設けられていることを特徴とする請求項2に記載のフライ調理品の製造方法。
- 前記少なくとも1つの標章が、非通油性部材で構成されていることを特徴とする請求項2または3に記載のフライ調理品の製造方法。
- 前記面体が、通油性部材で構成されていることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載のフライ調理品の製造方法。
- 前記フライ具材の少なくとも一部の浮揚および/または膨張を、型キャビティ内で拘束し、
前記賦形が、フライ調理中に前記型キャビティに対応する形状を前記フライ具材に付することを含むこと
を特徴とする請求項1に記載のフライ調理品の製造方法。 - 前記フライ具材の全体の浮揚および/または膨張を、型キャビティ内で拘束し、
前記賦形が、フライ調理中に前記フライ具材の全体を前記型キャビティに対応する形状に成形することを含むこと
を特徴とする請求項1に記載のフライ調理品の製造方法。 - 複数の同一形状の型キャビティを用いることを特徴とする請求項7または8に記載のフライ調理品の製造方法。
- 複数の異なる形状の型キャビティを用いることを特徴とする請求項7または8に記載のフライ調理品の製造方法。
- 前記型キャビティが、通油性部材で構成されていることを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載のフライ調理品の製造方法。
- 浮揚性および/または膨張性のフライ具材がフライ油層中で浮揚および/または膨張する際に前記フライ具材と当接し、かつ前記浮揚および/または膨張を拘束する少なくとも1つのフライ具材当接面を有し、
前記フライ具材当接面に前記フライ具材への賦形手段が設けられていること
を特徴とするフライ具材保持具。 - 前記賦形手段が、前記フライ具材当接面に設けられた少なくとも1つの標章を含むことを特徴とする請求項12に記載のフライ具材保持具。
- 前記少なくとも1つの標章が、前記フライ具材当接面に対し凸状および/または凹状に設けられていることを特徴とする請求項13に記載のフライ具材保持具。
- 前記少なくとも1つの標章が、前記フライ具材当接面を貫通して設けられていることを特徴とする請求項13に記載のフライ具材保持具。
- 前記少なくとも1つの標章が、非通油性部材で構成されていることを特徴とする請求項13または14に記載のフライ具材保持具。
- 前記フライ具材当接面が、通油性部材で構成されていることを特徴とする請求項13〜16のいずれか1項に記載のフライ具材保持具。
- 前記賦形手段が、型キャビティを含むことを特徴とする請求項12に記載のフライ具材保持具。
- 複数の同一形状の型キャビティを有する請求項18に記載のフライ具材保持具。
- 複数の異なる形状の型キャビティを有する請求項18に記載のフライ具材保持具。
- 前記型キャビティが、通油性部材で構成されていることを特徴とする請求項18〜20のいずれか1項に記載のフライ具材保持具。
- 浮揚性および/または膨張性フライ具材を載置する少なくとも1つの載置面、および
前記フライ具材がフライ油層中で浮揚および/または膨張する際に前記フライ具材と当接し、かつ前記浮揚および/または膨張を拘束する少なくとも1つのフライ具材当接面を有し、
前記フライ具材当接面に前記フライ具材への賦形手段が設けられていること
を特徴とするフライ具材キャリヤー。 - 上下方向に互いに離間して設けられた複数の棚部材を有し、
前記棚部材の少なくとも1つが、浮揚性および/または膨張性フライ具材がフライ油層中で浮揚および/または膨張する際に前記フライ具材と当接し、かつ前記浮揚および/または膨張を拘束する少なくとも1つのフライ具材当接面を有し、
前記フライ具材当接面に前記フライ具材への賦形手段が設けられていること
を特徴とするフライ具材キャリヤー。 - 前記賦形手段が、前記フライ具材当接面に設けられた少なくとも1つの標章を含むことを特徴とする請求項22または23に記載のフライ具材キャリヤー。
- 前記少なくとも1つの標章が、前記フライ具材当接面に対し凸状および/または凹状に設けられていることを特徴とする請求項24に記載のフライ具材キャリヤー。
- 前記少なくとも1つの標章が、前記フライ具材当接面を貫通して設けられていることを特徴とする請求項24に記載のフライ具材キャリヤー。
- 前記少なくとも1つの標章が、非通油性部材で構成されていることを特徴とする請求項24または25に記載のフライ具材キャリヤー。
- 前記フライ具材当接面が、通油性部材で構成されていることを特徴とする請求項24〜27のいずれか1項に記載のフライ具材キャリヤー。
- 前記賦形手段が、型キャビティを含むことを特徴とする請求項22または23に記載のフライ具材キャリヤー。
- 複数の同一形状の型キャビティを有する請求項29に記載のフライ具材キャリヤー。
- 複数の異なる形状の型キャビティを有する請求項29に記載のフライ具材キャリヤー。
- 前記型キャビティが、通油性部材で構成されていることを特徴とする請求項29〜31のいずれか1項に記載のフライ具材キャリヤー。
- 前記棚部材が、着脱自在に設けられていることを特徴とする請求項23〜32のいずれか1項に記載のフライ具材キャリヤー。
- フライ油槽と、フライ調理中にフライ具材を賦形する賦形機構とを有することを特徴とするフライ調理器。
- フライ油槽と、請求項12〜21のいずれか1項に記載のフライ具材保持具とを有することを特徴とするフライ調理器。
- フライ油槽と、請求項22〜33のいずれか1項に記載のフライ具材キャリヤーとを有することを特徴とするフライ調理器。
- フライ油槽と、
浮揚性および/または膨張性フライ具材がフライ油層中で浮揚および/または膨張する際に前記フライ具材と当接し、かつ前記浮揚および/または膨張を拘束する面を有し、
前記面に前記フライ具材を賦形する賦形手段が設けられたコンベアとを有すること
を特徴とする連続式フライ調理器。
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- 2003-12-12 JP JP2003414636A patent/JP2004201683A/ja active Pending
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