JP2004201378A - 遮水チューブ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ゴム又はプラスチックフィルムが積層された金属箔を両側縁がオーバラップするように円筒状に形成してそのオーバラップ部分を融着又は接着してなる遮水層11を備えた遮水チューブ10において、前記遮水層11の内面にオレフィン系発泡材料からなる非透過性のクッション層13が積層され、遮水チューブ10の端部におけるクッション層13の内面に粘着シール層15が設けられ、ケーブル接続部17の外周に装着されて使用される。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電力ケーブルや通信ケーブルの接続部或いはパイプの接続部等に使用される遮水チューブに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、ケーブル接続部を遮水処理する手段としては、熱収縮ゴム又はプラスチックチューブ層の内部に、ゴム又はプラスチックフィルムを積層させた薄肉の金属箔を両側縁がオーバラップするように筒状に形成してそのオーバラップ部分を融着してなる遮水層が内蔵され、ケーブル接続部の上に設けられる遮水チューブが使用されている(特許文献1参照)。
【0003】
また、ケーブル接続部の絶縁補強体の上に接地線を巻き付け、絶縁補強体及び接地線の上に、ゴム又はプラスチックフィルムを積層させた薄肉の金属箔を両側縁がオーバラップするように筒状に形成してそのオーバラップ部分を融着又は接着してなる遮水層を設け、この遮水層の上にケーブルシースに跨るようにして熱収縮チューブ層を設けるようにした遮水チューブも使用されている(特許文献2参照)。
【0004】
更に、他の遮水チューブとして、解体可能な筒状コアと、筒状コアの外方に弾性的に拡径された状態で支持される常温収縮性チューブ層と、金属箔を周方向へ筒状に巻いて、その相対向する両側縁をオーバーラップさせて形成され、筒状コアと常温収縮性チューブ層との間に介在される遮水層と、遮水層の内外周面に付着して形成され、遮水層と常温収縮性チューブ層とを密着させる粘着層とを有するものが知られている(特許文献3参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開昭58−29659号公報(特許請求の範囲、第2頁上左欄P7−19、下左欄P4−19、図1)
【特許文献2】
特開昭57−156614号公報(第2頁上左欄P5−20、上右欄P1−8、図面)
【特許文献3】
特開2001−231150号公報(要約の解決手段及び図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記特許文献1、2に示す熱収縮チューブ層を有する遮水チューブは、熱収縮チューブ層内にゴム又はプラスチックフィルムを積層させた薄肉の金属箔が埋め込まれているため、工程数が多く、加工費が嵩み生産性が低くなる問題がある。
【0007】
また、ケーブル接続部等に取り付ける場合には熱収縮チューブ層を熱収縮させる必要があり、加熱工具を必要とする。このため、火気或いは電源等の使用が制限される場所や狭い場所では使用することが難しい。また、接続部、パイプ等の遮水保護対象物の外径が大きい場合には、熱収縮チューブ層の収縮に時間がかかり作業性が低下する。更に、熱収縮チューブ層を均等に加熱することが容易でないため、該チューブの収縮開始時間及び収縮速度が周方向の位置で不揃いになり易い。このため、金属箔が局部的に伸びてこれに亀裂が入ったり、逆に金属箔にしわが生じて遮水保護対象物との密着性が悪くなり、遮水チューブの遮水保護機能が低下する恐れがある。
【0008】
前記特許文献3に示す遮水チューブは、前記熱収縮チューブ層に代えて常温収縮性チューブ層を用いるため、前記熱収縮チューブ層を用いることによる問題はおおよそ解決されるが、遮水層に付着する粘着層が強過ぎると逆に遮水層の均一な収縮を阻害し、遮水保護対象物との密着性が悪くなって、前記同様に遮水保護機能が低下する恐れがある。
【0009】
前記熱収縮チューブ層又は常温収縮性チューブ層を用いず、ゴム又はプラスチックフィルムを積層させた薄肉の金属箔だけで構成される遮水チューブも考えられるが、機械的強度が弱いため、取り扱いにくい。また、遮水保護対象物に取り付ける際、金属箔が該対象物のエッジ、凸部、凹凸面等と接触して損傷する恐れがある。更に、遮水チューブが曲げられると、不均等にしわが生じて遮水保護対象物との密着性が低下し、長期間安定して使用することが難しいという問題がある。
【0010】
本発明は上記の問題を解決し、火気あるいは電源等の使用が制限される場所や狭い場所でも使用することができ、また、作業性が良好で遮水保護機能に優れた遮水チューブを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載された遮水チューブは、ゴム又はプラスチックフィルムが積層された金属箔を両側縁がオーバラップするように筒状に形成してそのオーバラップ部分を融着又は接着してなる遮水層を備えた遮水チューブにおいて、前記遮水層の内面に非透過性のクッション層が積層され、遮水チューブの端部におけるクッション層の内面に粘着シール層が設けられていることを特徴とするものである。
【0012】
このような構成によると、熱収縮チューブ層を有しないので、熱源を必要とせず、火気あるいは電源等の使用が制限される場所や熱源を設置するスペースのない狭い場所でも使用することができるので作業性が良好である。
【0013】
また、遮水チューブのクッション層が非透過性で気密、液密性があり、遮水層を機械的に支持する補強材になるため、機械的強度が強くなり、取り扱いが容易になる。また、遮水保護対象物に取り付ける際、遮水層の金属箔がクッション層を介して該対象物のエッジ、凸部、凹凸面等にじかに接触することになるので、金属箔が損傷する恐れがなくなる。更に、遮水チューブの遮水層が曲げられたり、収縮作用を受けたりして、金属箔にしわが生じても、クッション層の端部を除く部分が粘着シール層で固定されておらず、非粘着性(滑り性)及び柔軟性により分散され比較的均等なしわになって、遮水保護対象物との密着性が良くなり、遮水機能が向上して遮水チューブを長期間安定して使用することができる。
【0014】
更に、端部におけるクッション層の内面に粘着シール層が設けられるので、熱収縮チューブ層を用いる場合と同様な遮水機能を得ることができる。
【0015】
本発明の請求項2に記載された遮水チューブは、請求項1記載のものにおいて、前記クッション層がオレフィン系発泡材料からなることを特徴とするものである。
【0016】
このような構成によると、オレフィン系発泡材料の溶融温度が金属箔に積層されるゴム又はプラスチックフィルムの溶融温度に近くなるため、金属箔の両側縁をオーバラップさせて確実に融着させることができ、遮水層の形成が容易になる。
【0017】
本発明の請求項3に記載された遮水チューブは、請求項1又は2記載のものにおいて、内面にクッション層が積層された遮水層の端部が外側に折り返されて、粘着シール層が遮水層の外側に位置することを特徴とするものである。
【0018】
このような構成によると、遮水チューブを遮水保護対象物に取り付ける際、粘着シール層が遮水保護対象物の外面に粘着する恐れがなく、その遮水チューブを遮水保護対象物の所定位置に円滑に配置することができ、遮水チューブの取付け性が向上する。
【0019】
本発明の請求項4に記載された遮水チューブは、請求項1又は2記載のものにおいて、解体可能な筒状拡径コアの外周に、内面にクッション層が積層された遮水層が被包され、その遮水層の外周に、粘着シール層の上に被らないように遮水層よりも長さが短く、筒状拡径コアの外径よりも内径の小さな常温収縮性のゴム弾性チューブが拡径状態で支持されていることを特徴とするものである。
【0020】
このような構成によると、遮水チューブを遮水保護対象物に取り付ける際、遮水層の外周に設けられた常温収縮性のゴム弾性チューブで遮水層を内方に収縮させるので、遮水チューブを遮水保護対象物の外形状に合わせてその外周面に密着させることが容易になり、遮水機能をより向上させることができる。
【0021】
本発明の請求項5に記載された遮水チューブは、請求項1又は2に記載されたものにおいて、解体可能な筒状拡径コアの外周に、内面にクッション層が積層された遮水層が被包され、その遮水層の外周に、筒状拡径コアの外径よりも内径の小さな常温収縮性のゴム弾性チューブが拡径状態で支持され、前記遮水層がゴム弾性チューブの端部から延出され、ゴム弾性チューブの外側に折り返されて、粘着シール層が遮水層の外側に位置することを特徴とするものである。
【0022】
このような構成によると、常温収縮性のゴム弾性チューブを有する遮水チューブを遮水保護対象物に取り付ける際、粘着シール層が遮水保護対象物の外面に粘着する恐れがなく、その遮水チューブを遮水保護対象物の所定位置に円滑に配置することができ、遮水チューブの取付け性が向上する。
【0023】
本発明の請求項6に記載された遮水チューブは、請求項1乃至5のいずれか1項記載のものにおいて、内面にクッション層が積層された遮水層の少なくとも一方の端部が複数の筒状に分岐してなることを特徴とするものである。
【0024】
このような構成によると、遮水保護対象物が直線形状でなく、Y、T型等に分岐されたケーブル接続部等のような異形状のものに対しても、これに遮水チューブを取り付けて該対象物を確実、容易に遮水保護することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面により詳細に説明する。図1は、本発明の遮水チューブ10の第1実施形態を示す側面図、図2は図1のX−X線矢視断面図である。本実施形態の遮水チューブ10は、例えば、円筒状の遮水層11と、その少なくとも一方の面、図示のものでは、遮水層11の内面に積層される非透過性のクッション層13と、該チューブ10の両端部におけるクッション層13の内面に設けられた粘着シール層15とから構成され、その内径が遮水保護対象物の外径より若干大きくなるように形成されている。
【0026】
更に詳細に説明すると、遮水層11は、鉛やアルミニウム等(これらの合金を含む)の薄肉の金属箔の例えば両面に、ポリエチレン、導電性ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリプロピレン、クロロプレンゴム等のゴム又はプラスチックフィルムを全体厚さ10〜100μmとなるように積層させたものを、両側縁がオーバラップするように円筒状に形成して、そのオーバラップ部分を融着又は接着してなるものである。遮水層11の内面に積層されるクッション層13は非透過性、非粘着性及び柔軟性に富む架橋発泡ポリエチレン等のオレフィン系発泡材料からなる。粘着シール層15は、ブチルゴム、アクリルゴム等のゴム系、ポリ酢酸ビニル等の樹脂系の粘着材料からなる。
【0027】
前記ゴム又はプラスチックフィルムが積層された金属箔を円筒状に形成する前に、予めクッション層13が金属箔の一方の面(内面)に積層され、粘着シール層15がクッション層13の遮水チューブ端部における内面に塗布又は貼付け等により設けられる。クッション層13がオレフィン系発泡材料よりなると、オレフィン系発泡材料の溶融温度が金属箔に積層されるゴム又はプラスチックフィルムの溶融温度に近くなるため、金属箔の両側縁をオーバラップさせて確実に融着させることができ、遮水層11の形成が容易になる。
【0028】
第1実施形態の遮水チューブ10は上記のような構成になっている。この遮水チューブ10によると、熱収縮チューブ層を有しないので、熱源を必要とせず、火気あるいは電源等の使用が制限される場所や熱源を設置するスペースのない狭い場所でも使用することができるので、作業性が良好である。また、遮水チューブ10のクッション層13が非透過性で気密、液密性があり、遮水層11を機械的に支持する補強材になるため、機械的強度が強くなり、取り扱いが容易になる。更に、端部におけるクッション層13の内面に粘着シール層15が設けられるので、熱収縮チューブ層を用いる場合と同様な遮水機能を得ることができる。
【0029】
次に、この遮水チューブ10を遮水保護対象物であるケーブル接続部17に被せて遮水保護する方法を説明する。先ず、ケーブル接続部17を組み立てる前に、左右のケーブル17a、17bのいずれか一方に、遮水チューブ10、絶縁補強筒、接地用シールドメッシュ、防護チューブ等を仮挿入しておく。
【0030】
次に、両ケーブル17a、17bの導体相互を圧縮スリーブ、雌雄端子差込式により接続して導体接続部を設け、一方のケーブル17a、17bに仮挿入された絶縁補強筒を導体接続部上に移動させて、差込型(プレハブ型)又は常温収縮型により装着して直線状のケーブル接続部17を組み立てる。
【0031】
次に、一方のケーブル17a、17bに仮挿入された接地用シールドメッシュをケーブル接続部17の上に移動させて装着し、その接地線19とケーブル17a、17bの遮蔽線17cとをハンダ付け等の適当な方法で接続する。
【0032】
次に、ケーブル17a、17bの遮水チューブ10の端部が位置する個所におけるシースの外周に、図3に示すように、所定厚さにゴム系粘着テープを巻き付けて粘着テープ巻層21を設ける。その後、一方のケーブル17a、17bに仮挿入された遮水チューブ10をケーブル接続部17の上に移動させて位置決めし、遮水チューブ10の粘着シール層15とケーブル側の粘着テープ巻層21とを粘着シールする。このようにして、図3に示すように、ケーブル接続部17の外周に遮水チューブ10を装着し、ケーブル接続部17の遮水処理を終了する。
【0033】
このように、遮水チューブ10をケーブル接続部17に取り付ける際、遮水層11の金属箔がクッション層13を介してケーブル接続部17のエッジ、凸部、凹凸面等にじかに接触することになるので、金属箔が損傷する恐れがなくなる。また、遮水チューブ10の遮水層11が曲げられたり、収縮作用を受けたりして、金属箔にしわが生じても、クッション層の端部を除く部分が粘着シール層15で固定されておらず、非粘着性及び柔軟性により分散され比較的均等なしわになって、ケーブル接続部17との密着性が良くなり、遮水機能が向上して遮水チューブ10を長期間安定して使用することができる。
【0034】
本発明の遮水チューブは前記遮水チューブ10のほかに種々の変形例が考えられる。例えば、図4に示すものは、本発明の第2実施形態の遮水チューブ23である。なお、遮水チューブ10と同一構成のものには同一符号を付してある。
【0035】
この遮水チューブ23は、内面にクッション層13が積層された遮水層11の両端部が外側に折り返されて、粘着シール層15が遮水層11の外側に位置するように構成されるものである。遮水層11は薄肉材であるが、遮水層11を小さな曲げ半径で折り返しても、クッション層13のクッション(緩衝)作用により、その折り返し部分にピンホールやクラックが生じるようなことがない。
【0036】
この遮水チューブ23を遮水保護対象物に取り付ける際は、これを遮水保護対象物の所定取付け位置に位置決めした後、遮水層11の両端部の外側に折り返された部分をチューブ長手方向に沿って相互に離反するようにスライド移動させ、粘着シール層15をクッション層13の内側に戻して遮水保護対象物の外周面に粘着シールする。なお、前記遮水層11の折り返し部分のスライド移動を円滑に行うために、遮水層11の折り返し部分における内外周面間に、予めシリコングリース等のグリース状滑材を介在させておくことが望ましい。
【0037】
このような遮水チューブ23を使用すると、これを遮水保護対象物に取り付ける際、粘着シール層15が遮水保護対象物の外面に粘着する恐れがなく、その遮水チューブ23を遮水保護対象物の所定位置に円滑に配置することができ、遮水チューブ23の取付け性が向上する。
【0038】
図5に示すものは、本発明の第3実施形態の遮水チューブ25である。この遮水チューブ25は、解体可能な筒状拡径コア27の外周に、内面にクッション層13が積層された遮水層11が被包され、その遮水層11の外周に、粘着シール層15の上に被らないように遮水層11よりも長さが短く、筒状拡径コア27の外径よりも内径の小さな常温収縮性のゴム弾性チューブ29が拡径状態で支持されているものである。
【0039】
筒状拡径コア27は、例えばポリプロピレン製の断面角形の紐状体をスパイラル状に巻回して円筒状に形成し、隣接する紐状体の側面同士を溶着等して接合したものや断面角形の紐状体の側端縁同士が嵌合し易い形状にされたものを嵌合させて円筒状に一体形成したもの等が使用される。従って、この紐状体を筒状拡径コア27の一端側から内側に引っ張って筒状拡径コア27内を通して他端側に引き出すことにより、筒状拡径コア27を一端側から徐々に解体除去することが可能で、前記ゴム弾性チューブ29を遮水層11及びクッション層13と共に縮径させることができる。
【0040】
ゴム弾性チューブ29は、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、シリコーンゴム等のゴム材料を主体とし、必要に応じて加硫剤、充填剤、軟化材、酸化防止剤等を配合したものを円筒状に成形して形成され、筒状拡径コア27を解体することにより、常温で収縮して縮径される。その他の構成は遮水チューブ10のものと同一である。この遮水チューブ25を遮水保護対象物に取り付ける際は、これを遮水保護対象物の所定取付け位置に位置決めした後、筒状拡径コアを27を一方の端部側から徐々に解体してゴム弾性チューブ29を一方の端部側から徐々に収縮させ、遮水層11及びクッション層13と共に縮径させて遮水保護対象物に装着し、ゴム弾性チューブ29による収縮作用と粘着シール層15による粘着作用により遮水保護対象物を遮水保護する。
【0041】
このような遮水チューブ25を使用すると、遮水チューブを遮水保護対象物に取り付ける際、遮水層11の外周に設けられた常温収縮性のゴム弾性チューブ29で遮水層11を内方に収縮させるので、遮水チューブ25を遮水保護対象物の外形状に合わせてその外周面に密着させることが容易になり、遮水機能をより向上させることができる。
【0042】
図6に示すものは、本発明の第4実施形態の遮水チューブ31である。この遮水チューブ31は、解体可能な筒状拡径コア27の外周に、内面にクッション層13が積層された遮水層11が被包され、その遮水層11の外周に、筒状拡径コア27の外径よりも内径の小さな常温収縮性のゴム弾性チューブ29が拡径状態で支持され、前記遮水層11がゴム弾性チューブ29の両端部から延出され、ゴム弾性チューブ29の外側に折り返されて、粘着シール層15が遮水層11の外側に位置するように構成されるものであり、その他の構成は遮水チューブ25のものと同一である。
【0043】
この遮水チューブ31を遮水保護対象物に取り付ける際は、これを遮水保護対象物の所定取付け位置に位置決めした後、筒状拡径コア27を一方の端部側から徐々に解体してゴム弾性チューブ29を一方の端部側から徐々に収縮させ、遮水層11及びクッション層13と共に縮径させる。これと同時に、筒状拡径コア27が解体される側に位置する遮水層11の外側に折り返された部分を遮水チューブ31の長手方向に沿って外側へ徐々にスライド移動させてその折り返された部分を徐々に少なくし、粘着シール層15をクッション層13の内側に戻して遮水保護対象物の外周面に粘着シールする。このようにして、筒状拡径コア27の解体、ゴム弾性チューブ29の縮径、遮水層11の折り返し部分の戻し作業を続行し、遮水チューブ31を遮水保護対象物に装着して、ゴム弾性チューブ29による収縮作用と粘着シール層15による粘着作用により遮水保護対象物を遮水保護する。
【0044】
このような遮水チューブ31を使用すると、これを遮水保護対象物に取り付ける際、粘着シール層15が遮水保護対象物の外面に粘着する恐れがなく、その遮水チューブ31を遮水保護対象物の所定位置に円滑に配置することができ、遮水チューブ31の取付け性が向上する。
【0045】
図7に示すものは、本発明の第5実施形態の遮水チューブ33である。この遮水チューブ33は、内面にクッション層13が積層された遮水層11の少なくとも一方の端部、例えば、図示のように、右端部がU形状(音叉又は十手形状)になるように二つの筒状に分岐して全体的にY型に形成してなるものである。なお、一方の端部をV形状になるように二つの筒状に分岐して全体的にY型に形成したり、二つの筒状に分岐される分岐角度を90度にして全体的にT型に形成したり、一方の端部を三つ以上の筒状に分岐したり、或いは、一方の端部ばかりでなく、両端部を複数の筒状に分岐するようにしてもよい。その他の構成は遮水チューブ10、23、25、31を用いることができる。
【0046】
このような遮水チューブ33を使用すると、遮水保護対象物が直線形状でなく、Y、T型等に分岐されたケーブル接続部等のような異形状のものに対しても、これに遮水チューブ33を取り付けて該対象物を確実、容易に遮水保護することができる。
【0047】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の請求項1記載の遮水チューブによると、遮水層の内面に非透過性のクッション層が積層され、遮水チューブの端部におけるクッション層の内面に粘着シール層が設けられているので、熱源を必要とせず、火気あるいは電源等の使用が制限される場所や熱源を設置するスペースのない狭い場所でも使用することができるので作業性が良好である。
【0048】
また、遮水チューブのクッション層が非透過性で気密、液密性があり、遮水層を機械的に支持する補強材になるため、機械的強度が強くなり、取り扱いが容易になる。また、遮水保護対象物に取り付ける際、遮水層の金属箔がクッション層を介して該対象物のエッジ、凸部、凹凸面等にじかに接触することになるので、金属箔が損傷する恐れがなくなる。更に、遮水チューブの遮水層が曲げられたり、収縮作用を受けたりして、金属箔にしわが生じても、クッション層の端部を除く部分が粘着シール層で固定されておらず、非粘着性及び柔軟性により分散され比較的均等なしわになって、遮水保護対象物との密着性が良くなり、遮水機能が向上して遮水チューブを長期間安定して使用することができる。
【0049】
更に、端部におけるクッション層の内面に粘着シール層が設けられるので、熱収縮チューブ層を用いる場合と同様な遮水機能を得ることができる。
【0050】
本発明の請求項2に記載された遮水チューブによると、クッション層がオレフィン系発泡材料からなるので、オレフィン系発泡材料の溶融温度が金属箔に積層されるゴム又はプラスチックフィルムの溶融温度に近くなるため、金属箔の両側縁をオーバラップさせて確実に融着させることができ、遮水層の形成が容易になる。
【0051】
本発明の請求項3に記載された遮水チューブによると、内面にクッション層が積層された遮水層の端部が外側に折り返されて、粘着シール層が遮水層の外側に位置するので、遮水チューブを遮水保護対象物に取り付ける際、粘着シール層が遮水保護対象物の外面に粘着する恐れがなく、その遮水チューブを遮水保護対象物の所定位置に円滑に配置することができ、遮水チューブの取付け性が向上する。
【0052】
本発明の請求項4に記載された遮水チューブによると、解体可能な筒状拡径コアの外周に、内面にクッション層が積層された遮水層が被包され、その遮水層の外周に、粘着シール層の上に被らないように遮水層よりも長さが短く、筒状拡径コアの外径よりも内径の小さな常温収縮性のゴム弾性チューブが拡径状態で支持されているので、遮水チューブを遮水保護対象物に取り付ける際、遮水層の外周に設けられた常温収縮性のゴム弾性チューブで遮水層を内方に収縮させることになり、遮水チューブを遮水保護対象物の外形状に合わせてその外周面に密着させることが容易になって遮水機能をより向上させることができる。
【0053】
本発明の請求項5に記載された遮水チューブによると、解体可能な筒状拡径コアの外周に、内面にクッション層が積層された遮水層が被包され、その遮水層の外周に、筒状拡径コアの外径よりも内径の小さな常温収縮性のゴム弾性チューブが拡径状態で支持され、前記遮水層がゴム弾性チューブの端部から延出され、ゴム弾性チューブの外側に折り返されて、粘着シール層が遮水層の外側に位置するので、常温収縮性のゴム弾性チューブを有する遮水チューブを遮水保護対象物に取り付ける際、粘着シール層が遮水保護対象物の外面に粘着する恐れがなく、その遮水チューブを遮水保護対象物の所定位置に円滑に配置することができ、遮水チューブの取付け性が向上する。
【0054】
本発明の請求項6に記載された遮水チューブによると、内面にクッション層が積層された遮水層の少なくとも一方の端部が複数の筒状に分岐してなるので、遮水保護対象物が直線形状でなく、Y、T型等に分岐されたケーブル接続部等のような異形状のものに対しても、これに遮水チューブを取り付けて該対象物を確実、容易に遮水保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の遮水チューブの第1実施形態を示す側面図である。
【図2】図1のX−X線矢視断面図である。
【図3】図1、2の遮水チューブの使用状態を示す縦断面図である。
【図4】本発明の遮水チューブの第2実施形態を示す上半部縦断面図である。
【図5】本発明の遮水チューブの第3実施形態を示す上半部縦断面図である。
【図6】本発明の遮水チューブの第4実施形態を示す上半部縦断面図である。
【図7】本発明の遮水チューブの第5実施形態を示す左斜面図である。
【符号の説明】
10 遮水チューブ
11 遮水層
13 クッション層
15 粘着シール層
17 ケーブル接続部
17a ケーブル
17b ケーブル
17c 遮蔽線
19 接地線
21 ゴム系粘着テープ
23 遮水チューブ
25 遮水チューブ
27 筒状拡径コア
29 ゴム弾性チューブ
31 遮水チューブ
33 遮水チューブ
Claims (6)
- ゴム又はプラスチックフィルムが積層された金属箔を両側縁がオーバラップするように筒状に形成してそのオーバラップ部分を融着又は接着してなる遮水層を備えた遮水チューブにおいて、前記遮水層の内面に非透過性のクッション層が積層され、遮水チューブの端部におけるクッション層の内面に粘着シール層が設けられていることを特徴とする遮水チューブ。
- 前記クッション層がオレフィン系発泡材料からなることを特徴とする請求項1記載の遮水チューブ。
- 内面にクッション層が積層された遮水層の端部が外側に折り返されて、粘着シール層が遮水層の外側に位置することを特徴とする請求項1又は2記載の遮水チューブ。
- 解体可能な筒状拡径コアの外周に、内面にクッション層が積層された遮水層が被包され、その遮水層の外周に、粘着シール層の上に被らないように遮水層よりも長さが短く、筒状拡径コアの外径よりも内径の小さな常温収縮性のゴム弾性チューブが拡径状態で支持されていることを特徴とする請求項1又は2記載の遮水チューブ。
- 解体可能な筒状拡径コアの外周に、内面にクッション層が積層された遮水層が被包され、その遮水層の外周に、筒状拡径コアの外径よりも内径の小さな常温収縮性のゴム弾性チューブが拡径状態で支持され、前記遮水層がゴム弾性チューブの端部から延出され、ゴム弾性チューブの外側に折り返されて、粘着シール層が遮水層の外側に位置することを特徴とする請求項1又は2記載の遮水チューブ。
- 内面にクッション層が積層された遮水層の少なくとも一方の端部が複数の筒状に分岐してなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の遮水チューブ。
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