JP2004201131A - 無線装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】強力な誤り訂正符号を適用出来ない3kHz程度の狭帯域通信路でデータ/音声の同時通信を行う際、各情報源の要求回線品質に応じた変調方法を提供する。
【解決手段】雑音耐性が弱いデータに対し信号間距離を広く、雑音耐性が強い音声に対し信号間距離を狭く設定する。例えば、8PSKの信号点配置において、データビット列と符号化音声情報ビット列の通信速度の比を2:1とし、上位2ビットをデータに、下位1ビットを音声の信号系列に夫々に割り当てる。また、データ通信を行わないときは変調方式をBPSKに切替えて音声の通信を行い、逆に音声通信を行わないときは変調方式を例えばπ/4シフトQPSKに切り替えてデータの通信を行う。受信側での変調方式の切替えの検出は、フレーム先頭にありBPSKで変調されるユニークワードに含まれる切替え制御情報により行う。
【選択図】図1
【解決手段】雑音耐性が弱いデータに対し信号間距離を広く、雑音耐性が強い音声に対し信号間距離を狭く設定する。例えば、8PSKの信号点配置において、データビット列と符号化音声情報ビット列の通信速度の比を2:1とし、上位2ビットをデータに、下位1ビットを音声の信号系列に夫々に割り当てる。また、データ通信を行わないときは変調方式をBPSKに切替えて音声の通信を行い、逆に音声通信を行わないときは変調方式を例えばπ/4シフトQPSKに切り替えてデータの通信を行う。受信側での変調方式の切替えの検出は、フレーム先頭にありBPSKで変調されるユニークワードに含まれる切替え制御情報により行う。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はディジタル移動体通信を行う無線装置に関し、特に有効帯域幅3kHz程度の狭帯域にて、データと音声の多重通信を可能とした無線装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来例として3kHzの狭帯域の1回線でデータと音声を多重化して通信するシステムについて説明する。その仕様の例を図2に示す。情報速度4.8kbpsのうち、データ(静止画等)に3.2kbpsと音声に1.6kbpsを割当てている。
【0003】
従来例の変調機の構成を図3に示す。3.2kbpsのデータのビット列(a1)及び1.6kbpsの音声情報のビット列(b1)が多重化部101に入力され、多重化された情報ビット列(c1)が出力される。劣悪な無線伝搬路で使用されることを想定し、データおよび音声情報ビットは誤り訂正符号化されている。フレーム生成部102は、情報ビット列(c1)を入力し、396ビット(3ビット/シンボルであるため132シンボル)毎に99ビット(33シンボル分)のユニークワード(UW)(d1)を付与し、フレーム化する(フレーム長は82.5ms)。UWパターン発生器103からの出力であるUW(d1)は送受間で既知のパターンであり、同期処理及び波形等化でのトレーニング信号として使用される。フレーム化の結果、冗長信号であるUWを付与することにより伝送速度は6kbpsとなる。フレーム構成の例を図8に示す。同図では、先頭にUW33シンボル、続いてデータ(DATA)88シンボル、音声情報(SPEECH)44シンボルを配置している。
【0004】
図3に戻ると、フレーム化されたシンボル列(e1)は、信号空間マッピング部104に入力され、シンボル(3ビット)毎に8相PSK(8PSK)の信号空間にマッピングされる。図9に8PSKの信号点配置図(グレイ配置)を示す。8PSKの信号点配置(図9)は、円周上に等間隔に8個の信号点を配置している。図3においてマッピングの結果、I相信号(f1)およびQ相信号(g1)が出力され、それぞれロールオフフィルタリング部105によりフィルタリングされ(ロールオフ率0.25)、帯域制限されたI相信号(h1)およびQ相信号(i1)が出力される。次にI相信号(h1)およびQ相信号(i1)に直交変調が施される。搬送波発生部106からは搬送波周波数を持つ正弦波(j4)が出力され、乗算器108によりI相信号(h1)に乗算される。また、正弦波(j4)は、90度移相部107により、90度移相された後(k1)、乗算器109により、Q相信号(i1)に乗算される。乗算結果である搬送波周波数にシフトされたI相信号(l1)およびQ相信号(m1)は、加算器110により加算され、送信信号(n1)が出力される。送信信号(n1)は、送信機、通信路、受信機を経由して図4に示す復調機に入力される。
【0005】
図4に示す復調機では、受信信号(a2)を入力し、初めに直交検波を行う。搬送波発生部201からは搬送波周波数を持つ正弦波(b2)が出力される。正弦波(b2)は、乗算器203により受信信号(a2)に乗算され、I相信号(d2)が得られる。また、正弦波(b2)は、90度移相部202により、90度移相された後、乗算器204により受信信号(a2)に乗算され、Q相信号(e2)が得られる。I相信号(d2)及びQ相信号(e2)はローパスフィルタ205によりそれぞれフィルタリングされ、帯域制限されたI相信号(f2)、Q相信号(g2)が出力される。
【0006】
帯域制限されたI相信号(f2)、Q相信号(g2)は、同期部206に入力され、UWパターンの相関演算・最大相関値探索によりシンボル同期、及びフレーム同期処理が行われ、最適シンボル点、フレーム開始位置が検出される。同期部206からは、フレーム単位に最適シンボル点でのI相信号(h2)、Q相信号(i2)が出力され、波形等化部207に入力される。
【0007】
波形等化部207では、UWパターンを基にトレーニングされた等化係数により歪み成分が除去されて、等化後のI相信号(j2)およびQ相信号(k2)が出力される。等化後のI相信号(j2)およびQ相信号(k2)は、信号空間デマッピング208に入力され、図4に示す信号点配置に基づきデマッピングされ、復調ビット列(l2)が出力される。このデマッピングでは、8個の信号点の中から、等化後のI相信号(j2)およびQ相信号(k2)から求めた位相と、距離が最短となる信号点を選び、その信号点に対応する3ビットのビット列を出力する。復調ビット列(l2)は図8でのDATA及びSPEECHの部分に対応する。復調ビット列(l2)は、分離部209により、データのビット列(m2)及び音声情報のビット列(n2)に分離され出力される。
【0008】
また、本発明に関連する技術として、データの重要度が異なる情報源に対し、信号点の不均一なマッピングを用い、重要度の高いデータに伝送誤りの確率の低いシンボルを割り当てるものがある(例えば、特許文献1参照)。また誤り訂正能力を備えた符号化を用いて、同様に重要度の高いデータの誤りを優先的に防ぐ不均一誤り保護方法も知られている。
【0009】
また、スターQAM等におけるリング比についても最適値が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
【0010】
【特許文献1】
特開平11-177648号公報
【非特許文献1】
町田正信、他2名、「振幅位相変調方式の多シンボル遅延検波と(M,L)アルゴリズムを用いた探索パス数の低減」、電子情報通信学会論文誌、平成12年1月、第J88B巻、第1号、p.22−30
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術の変調方法では、信号空間へのマッピングにおいて、静止画等のデータと音声の情報ビットに対し等しい信号間距離を与えている。すなわち、データ用情報ビットと音声用情報ビットに対する雑音耐性は等しく設計されている。しかし、一般にディジタル音声通信に要求される回線の品質はビットエラーレート(BER)が10-3以下、データ通信では10-5以下といわれており、両者の要求品質の差があるため、従来技術では、回線状態が劣悪になると(雑音が大きくなると)、音声通信は可能であるがデータ通信が不可能となり、目的の機能であるデータ/音声の同時通信が使用できなくなるという問題が生じる。対策としては、十分に広い帯域を持つ通信路で使用する場合には、データに対して強力な誤り訂正を施すことが考えられるが、3kHz程度の狭帯域通信では、伝送速度が低いため、付加できる冗長ビットには制限があり、強力な誤り訂正符号を適用することは出来ない。また、自動再送請求(ARQ)機能を用いたとしても、回線状態が劣悪になるとスループットは低下してしまう。
【0012】
これに対し特許文献1の技術は、音声、画像などの単一の情報源において、低周波数成分、パワーの大きい成分など重要度の高い情報に誤り率の低いシンボルを割り当てているが、情報源が複数あって情報源の数が変化する場合に最適な通信方式を提供するものにはなっていない。
【0013】
本発明の目的は、狭帯域通信路で1回線を使用してデータ/音声通信を行う際、データ/音声の同時通信を可能にし、更にデータ、音声それぞれの要求回線品質に合致した変復調を行う無線装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目標を達成するため、1回線でデータビット列及び符号化音声情報ビット列を多重して伝送する無線装置であって、入力されるデータビット列及び符号化音声情報ビット列を多重して出力する多重手段と、該多重手段の出力である多重化されたビット列を所定の長さに区切った後、送受間にて既知のパターンを挿入してフレームを構成するフレーム生成手段と、該フレーム毎に前記ビット列をシンボル列に変換した後、送受間で所定のマッピングパターンにて信号空間にマッピングしI相、Q相の信号を出力する信号空間マッピング手段と、上記信号空間マッピング手段の出力であるI相、Q相の信号にそれぞれロールオフフィルタリングまたはルートロールオフフィルタリングを施すフィルタ手段と、該フィルタリングされたI相、Q相の信号に所定の周波数の正弦波と余弦波をそれぞれ乗算した後、加算し変調信号を生成する直交変調手段と、を備え、前記信号空間マッピングパターンは、前記データビット列の相違に対しては信号間距離を大きく、前記符号化音声情報ビット列の相違にしては信号間距離を小さく配置することを特徴とする無線装置を提案する。
【0015】
また、上記の変調方法に対応する復調を行う無線装置として、上記変調方法により生成される信号を受信し、該受信信号に、上記変調方法にて乗じた所定の周波数の正弦波とそれを90度移相した信号を乗算することで、I相、Q相信号への分離を行う直交検波手段と、該I相、Q相信号に対し各々にローパスフィルタリングまたはルートロールオフフィルタリングを行うフィルタ手段と、該フィルタリングされたI相、Q相信号に対し、送受間にて既知のパターンと相関演算を行い、最適シンボル位置及びフレーム開始位置を検出し、フレーム毎に最適シンボル位置でサンプリングされたI相、Q相のシンボル列を出力する同期手段と、該フレーム毎に同期手段からの出力に含まれる送受間にて既知のパターンを使用して、フレーム内のシンボル列から位相・振幅歪みを予測・除去する波形等化手段と、該波形等化手段により位相・振幅歪みを除去したシンボル列を、上記変調方法で使用した送受間で既知のマッピングパターンによりデマッピングし、シンボル列をビット列に変換する信号空間デマッピング手段と、該信号空間デマッピング手段からの出力であるビット列をデータビット列及び符号化音声情報ビット列に分離し出力する分離手段と、を備え、前記信号空間マッピングパターンは、前記データビット列の相違に対しては信号間距離を大きく、前記符号化音声情報ビット列の相違にしては信号間距離を小さく配置することを特徴とする無線装置を提案する。
【0016】
また、前記データビット列と前記符号化音声情報ビット列の情報量の比を2:1とし、変調方式として、前記データビット列に対応する信号間距離を大きく、前記符号化音声情報ビット列に対応する信号間距離を小さく信号空間配置した8相位相シフトキーイング(8PSK)を用いることを特徴とする無線装置を提案する。
【0017】
また、前記データビット列と前記符号化音声情報ビット列の情報量の比を2:1とし、変調方式として、前記データビット列に対応する信号間距離を大きく、前記符号化音声情報ビット列に対応する信号間距離を小さく信号空間配置した8値直交振幅変調(8QAM)を用いることを特徴とする無線装置を提案する。
【0018】
さらに、前記符号化音声情報ビットのみ通信する場合には変調方式を2相位相シフトキーイング(BPSK)に切替え、前記データビット列のみ通信する場合には変調方式を4相位相シフトキーイング(QPSK)に切替えることを特徴とする無線装置を提案する。
【0019】
【発明の実施の形態】
<実施例1>本実施例の変調機及び復調機のハードウェアの構成は、従来例のハードウェアの構成(図3、図4)と同様である。また、諸元も表1と同様である。違いは、変調機でのフレーム生成部102でのフレーム構成方法と、信号空間マッピング部104 及び復調機での信号空間デマッピング部208で使用する信号点配置方法にある。以下に従来技術同様、情報速度4.8kbpsのうち、データ(静止画等)に3.2kbpsと音声に1.6kbpsを割当てることを想定して説明する。
【0020】
図6に本実施例でのフレーム構成例を示す。従来の技術と同様に1フレーム当りUW33シンボル(99ビット)及び情報シンボル132シンボル(396ビット)分のビット列で構成される。情報シンボルは、データ88シンボル(264ビット:図6ではD0、D1,,D263と記す)、音声44シンボル(132ビット:図6ではV0,V1,,V131と記す)で構成される。フレームの先頭には、UW33シンボル(99ビット)を配置し、続いて情報シンボル132シンボル(396ビット)を配置する。各情報シンボルはデータ2ビットと音声1ビットの3ビットから成り、図6に示すように、b2(最上位)とb1はデータ用ビット、b0(最下位)は音声用ビットを配置する。
【0021】
次に図1に本発明の8PSK信号点配置を示す。同図に示すように、各信号点に3ビットの情報(b2 b1 b0)をマッピングしている。例えば、信号点aには(000)、信号点bには(001)をマッピングしている。信号点配置方法としては、データ用ビットb2,b1に対応する信号間距離を音声用ビットb0に対応する信号間距離より大きくなるように配置している。これにより、伝送路の雑音の影響で、信号点a(000)が信号点b(001)に誤っても、データ用ビットb2,b1はどちらも(00)なので誤りは発生しない。また例えば、信号点b(001)と信号点c(011)の距離は大きく配置しているため、この両者間で誤りが発生する確率は低くなる。すなわち、データ用ビットb2,b1に誤りが発生する確率は低くなる。音声についてはデータに比べ伝送路誤りに対し頑健なため(誤り感度が低いため)、誤りが発生しやすくても実用上問題がない。
【0022】
<実施例2>本実施例は信号点配置に8値直交振幅変調(8QAM)を用いた点で実施例1と異なる。その他の構成、諸元は実施例1と同様である。本実施例では、図5に示すように各信号点に3ビットの情報(b2 b1 b0)をマッピングしている。例えば、信号点aには(000)、信号点bには(001)をマッピングしている。信号点配置方法としては、データ用ビットb2,b1に対応する信号間距離を音声用ビットb0に対応する信号間距離より大きくなるように配置している。
【0023】
これにより、伝送路の雑音の影響で、信号点a(000)が信号点b(001)に誤っても、データ用ビットb2,b1はどちらも(00)なので誤りは発生しない。また例えば、信号点b(001)と信号点c(011)の距離は大きく配置しているため、この両者は誤りが発生する確率は低くなる。すなわち、データ用ビットb2,b1に誤りが発生する確率は低くなる。このような信号点配置は同心円配置QAMで特にスター型QAMと呼ばれ、或いは2値振幅変調とQPSKの組合わせ(2ASK+QPSK)でもある。同図において、内側の振幅レベルをL、外側の振幅レベルをHで示しているが、通常の2ASK+QPSKでは、同期検波の場合、最適なリング比(H/L)は約1.8であることが知られている。本実施例では、リング比(H/L)を1.8より小さく設定する。
【0024】
<実施例3>本実施例は、UW内に変調方式判定用のビットを設け、音声若しくはデータの少なくとも一方が使用されていない場合に、変調方式を変更してビットエラーレートを更に改善するようにした点で実施例1、2と異なる。本実施例ではUWの33シンボルはBPSKで変調し、その33ビットの内、任意の2ビットを変調方式判定用ビットにする。例えば、データのみならば01、音声のみならば10、両方使用している場合は11、の三種類を割り当てる。変調器は、使用されるのが音声のみの場合、変調方式判定用ビットを01にすると共に、BPSKのマッピングを用いて音声情報を変調する。また、使用されるのがデータのみの場合は、π/4シフトQPSKのマッピングを用いてデータを変調する。復調器は、受信した変調方式判定用ビットを参照し対応する復調方式で復調する。
【0025】
図7に本実施例の復調機の構成例を示す。同図は上記機能を実現するために図4の復調機の構成に切替え制御信号抽出部210を付加した構成となっている。波形等化部206から出力されたI相信号(j2)とQ相信号(k2)は、切替え制御信号抽出部に入力される。切替え制御信号抽出部では、I相信号(j2)とQ相信号(k2)から変調方式切替え用ビット(2ビット)をBPSK復調し、その結果が01ならばデータ(QPSK)、10ならば音声(BPSK)、11ならばデータ/音声両方(8PSK(図1)または8QAM(図5))と判定し、切替え制御信号を波形等化部207、信号空間デマッピング部208、及び分離部209に入力する。波形等化部207、及び信号空間デマッピング部208では、情報シンボルに対し切替え制御信号で示される変調方式の信号点配置に基づいた動作を行う。分離部209では、切替え制御信号がデータ/音声両方を示す場合のみデータ/音声の分離処理を行う。
【0026】
本実施例において、変調方式判定用ビットを送信する方法は上記に限定されず、UWそのものを3種類用意し、受信側でUW相関計算結果に基き3種類を判定するようにしてもフレーム中の別の部分に2ビットを割り当てても良く、あるいはフレーム中の別の部分に2ビットを割り当ててもよいも良い。また、切替え制御信号抽出部210への入力には、等化前の同期部206から出力されたI相信号(h2)とQ相信号(i2)を用いても良い。
【0027】
本実施例によれば、音声或いはデータの一方のみの通信時は不要な信号点を用いない変調方式に切り替わるので、信号間距離が最適化され最善の通信品質を提供できる。
【0028】
<実施例4>本実施例は、データのみ伝送する場合の変調方式にQPSKを用いた点で、実施例3と異なる。信号空間デマッピング部208において音声信号のデマッピングは、切替え制御信号抽出部210の出力がデータ/音声両方を示すときは、I相信号(j2) とQ送信号(k2)の夫々の絶対値を比較し、I相<Q相の時に1、I相>Q相の時に0を出力する。音声のみを示すときは、I相信号(j2)の正負を判定するBPSK復調を行う。一方データのデマッピングは、音声通信の使用/不使用に関わらずQPSKで復調を行う。つまり位相が0〜90度ならば00、90〜180度ならば01、−180〜90度ならば11、−90〜0度ならば10を出力するような動作をする。
【0029】
本実施例によればデータの復調方式は音声情報の有無に関わらず変わらないので、復調器の構成(複数の復調をソフトウェアで実現する場合はソフトウェア規模)を簡素にできる。また本実施例は、実施例2の2ASK+QPSKにも同様に適用できることは明らかである。
【0030】
上記の4つの実施例によれば、データと音声がフレーム内で同時に通信されるので、フレーム構成による遅延を低減でき、スムーズな音声通話が可能となる。また、いずれの実施例もDSP(デジタルシグナルプロセッサ)、FPGA(Field Programmable Gate Array)により容易に実現可能である。DSPで変復調を行う場合はそれを動作させるプログラムを各変復調方式ごとにサブルーチン化しておけば、変復調方式ごとに複数のハードウェアを備えることなく瞬時に変復調方式の切り替えができる。ただしこれに限らず、構成の各機能部はソフトウェア、ハードウェアのいずれの手段で実現してもよく、また機能部を複数の手段で実現してもよく、複数の機能部を単一の手段で実現しても良い。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、1回線を使用してデータ、音声情報を多重して通信を行うシステムにおいて、本発明の信号空間マッピングを用いることにより、雑音耐性が弱いデータに対し信号間距離を広く、雑音耐性が強い音声に対し信号間距離を狭く設定することで、データに対するシンボル間干渉を優先的に防止し、それぞれの要求回線品質に合致した通信が可能となり、回線状態が劣悪になってもデータ/音声の同時通信が維持できるという効果がある。特に、伝送速度が低いため強力な誤り訂正符号を適用出来ない狭帯域通信において有効な技術である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の8PSK信号点配置。
【図2】本発明の実施例1乃至4における変復調方式の緒元例。
【図3】変調機の構成図。
【図4】復調機の構成図。
【図5】本発明の2ASK+QPSK信号点配置。
【図6】本発明のフレーム構成図。
【図7】本発明の実施例3乃至4における復調機の構成図。
【図8】従来のフレーム構成図。
【図9】従来の8PSK信号点配置。
【符号の説明】
1 変調器
101 多重化部
102 フレーム生成部
103 UWパターン発生部
104 信号空間マッピング部
105 ロールオフフィルタリング部
106 搬送波発生部
107 90度位相部
108 乗算器
109 乗算器
110 加算器
2 復調機
201 搬送波発生部
202 90度位相部
203 乗算器
204 乗算器
205 ローパスフィルタ
206 同期部
207 波形等化部
208 信号空間デマッピング部
209 分離部
【発明の属する技術分野】
本発明はディジタル移動体通信を行う無線装置に関し、特に有効帯域幅3kHz程度の狭帯域にて、データと音声の多重通信を可能とした無線装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来例として3kHzの狭帯域の1回線でデータと音声を多重化して通信するシステムについて説明する。その仕様の例を図2に示す。情報速度4.8kbpsのうち、データ(静止画等)に3.2kbpsと音声に1.6kbpsを割当てている。
【0003】
従来例の変調機の構成を図3に示す。3.2kbpsのデータのビット列(a1)及び1.6kbpsの音声情報のビット列(b1)が多重化部101に入力され、多重化された情報ビット列(c1)が出力される。劣悪な無線伝搬路で使用されることを想定し、データおよび音声情報ビットは誤り訂正符号化されている。フレーム生成部102は、情報ビット列(c1)を入力し、396ビット(3ビット/シンボルであるため132シンボル)毎に99ビット(33シンボル分)のユニークワード(UW)(d1)を付与し、フレーム化する(フレーム長は82.5ms)。UWパターン発生器103からの出力であるUW(d1)は送受間で既知のパターンであり、同期処理及び波形等化でのトレーニング信号として使用される。フレーム化の結果、冗長信号であるUWを付与することにより伝送速度は6kbpsとなる。フレーム構成の例を図8に示す。同図では、先頭にUW33シンボル、続いてデータ(DATA)88シンボル、音声情報(SPEECH)44シンボルを配置している。
【0004】
図3に戻ると、フレーム化されたシンボル列(e1)は、信号空間マッピング部104に入力され、シンボル(3ビット)毎に8相PSK(8PSK)の信号空間にマッピングされる。図9に8PSKの信号点配置図(グレイ配置)を示す。8PSKの信号点配置(図9)は、円周上に等間隔に8個の信号点を配置している。図3においてマッピングの結果、I相信号(f1)およびQ相信号(g1)が出力され、それぞれロールオフフィルタリング部105によりフィルタリングされ(ロールオフ率0.25)、帯域制限されたI相信号(h1)およびQ相信号(i1)が出力される。次にI相信号(h1)およびQ相信号(i1)に直交変調が施される。搬送波発生部106からは搬送波周波数を持つ正弦波(j4)が出力され、乗算器108によりI相信号(h1)に乗算される。また、正弦波(j4)は、90度移相部107により、90度移相された後(k1)、乗算器109により、Q相信号(i1)に乗算される。乗算結果である搬送波周波数にシフトされたI相信号(l1)およびQ相信号(m1)は、加算器110により加算され、送信信号(n1)が出力される。送信信号(n1)は、送信機、通信路、受信機を経由して図4に示す復調機に入力される。
【0005】
図4に示す復調機では、受信信号(a2)を入力し、初めに直交検波を行う。搬送波発生部201からは搬送波周波数を持つ正弦波(b2)が出力される。正弦波(b2)は、乗算器203により受信信号(a2)に乗算され、I相信号(d2)が得られる。また、正弦波(b2)は、90度移相部202により、90度移相された後、乗算器204により受信信号(a2)に乗算され、Q相信号(e2)が得られる。I相信号(d2)及びQ相信号(e2)はローパスフィルタ205によりそれぞれフィルタリングされ、帯域制限されたI相信号(f2)、Q相信号(g2)が出力される。
【0006】
帯域制限されたI相信号(f2)、Q相信号(g2)は、同期部206に入力され、UWパターンの相関演算・最大相関値探索によりシンボル同期、及びフレーム同期処理が行われ、最適シンボル点、フレーム開始位置が検出される。同期部206からは、フレーム単位に最適シンボル点でのI相信号(h2)、Q相信号(i2)が出力され、波形等化部207に入力される。
【0007】
波形等化部207では、UWパターンを基にトレーニングされた等化係数により歪み成分が除去されて、等化後のI相信号(j2)およびQ相信号(k2)が出力される。等化後のI相信号(j2)およびQ相信号(k2)は、信号空間デマッピング208に入力され、図4に示す信号点配置に基づきデマッピングされ、復調ビット列(l2)が出力される。このデマッピングでは、8個の信号点の中から、等化後のI相信号(j2)およびQ相信号(k2)から求めた位相と、距離が最短となる信号点を選び、その信号点に対応する3ビットのビット列を出力する。復調ビット列(l2)は図8でのDATA及びSPEECHの部分に対応する。復調ビット列(l2)は、分離部209により、データのビット列(m2)及び音声情報のビット列(n2)に分離され出力される。
【0008】
また、本発明に関連する技術として、データの重要度が異なる情報源に対し、信号点の不均一なマッピングを用い、重要度の高いデータに伝送誤りの確率の低いシンボルを割り当てるものがある(例えば、特許文献1参照)。また誤り訂正能力を備えた符号化を用いて、同様に重要度の高いデータの誤りを優先的に防ぐ不均一誤り保護方法も知られている。
【0009】
また、スターQAM等におけるリング比についても最適値が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
【0010】
【特許文献1】
特開平11-177648号公報
【非特許文献1】
町田正信、他2名、「振幅位相変調方式の多シンボル遅延検波と(M,L)アルゴリズムを用いた探索パス数の低減」、電子情報通信学会論文誌、平成12年1月、第J88B巻、第1号、p.22−30
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術の変調方法では、信号空間へのマッピングにおいて、静止画等のデータと音声の情報ビットに対し等しい信号間距離を与えている。すなわち、データ用情報ビットと音声用情報ビットに対する雑音耐性は等しく設計されている。しかし、一般にディジタル音声通信に要求される回線の品質はビットエラーレート(BER)が10-3以下、データ通信では10-5以下といわれており、両者の要求品質の差があるため、従来技術では、回線状態が劣悪になると(雑音が大きくなると)、音声通信は可能であるがデータ通信が不可能となり、目的の機能であるデータ/音声の同時通信が使用できなくなるという問題が生じる。対策としては、十分に広い帯域を持つ通信路で使用する場合には、データに対して強力な誤り訂正を施すことが考えられるが、3kHz程度の狭帯域通信では、伝送速度が低いため、付加できる冗長ビットには制限があり、強力な誤り訂正符号を適用することは出来ない。また、自動再送請求(ARQ)機能を用いたとしても、回線状態が劣悪になるとスループットは低下してしまう。
【0012】
これに対し特許文献1の技術は、音声、画像などの単一の情報源において、低周波数成分、パワーの大きい成分など重要度の高い情報に誤り率の低いシンボルを割り当てているが、情報源が複数あって情報源の数が変化する場合に最適な通信方式を提供するものにはなっていない。
【0013】
本発明の目的は、狭帯域通信路で1回線を使用してデータ/音声通信を行う際、データ/音声の同時通信を可能にし、更にデータ、音声それぞれの要求回線品質に合致した変復調を行う無線装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目標を達成するため、1回線でデータビット列及び符号化音声情報ビット列を多重して伝送する無線装置であって、入力されるデータビット列及び符号化音声情報ビット列を多重して出力する多重手段と、該多重手段の出力である多重化されたビット列を所定の長さに区切った後、送受間にて既知のパターンを挿入してフレームを構成するフレーム生成手段と、該フレーム毎に前記ビット列をシンボル列に変換した後、送受間で所定のマッピングパターンにて信号空間にマッピングしI相、Q相の信号を出力する信号空間マッピング手段と、上記信号空間マッピング手段の出力であるI相、Q相の信号にそれぞれロールオフフィルタリングまたはルートロールオフフィルタリングを施すフィルタ手段と、該フィルタリングされたI相、Q相の信号に所定の周波数の正弦波と余弦波をそれぞれ乗算した後、加算し変調信号を生成する直交変調手段と、を備え、前記信号空間マッピングパターンは、前記データビット列の相違に対しては信号間距離を大きく、前記符号化音声情報ビット列の相違にしては信号間距離を小さく配置することを特徴とする無線装置を提案する。
【0015】
また、上記の変調方法に対応する復調を行う無線装置として、上記変調方法により生成される信号を受信し、該受信信号に、上記変調方法にて乗じた所定の周波数の正弦波とそれを90度移相した信号を乗算することで、I相、Q相信号への分離を行う直交検波手段と、該I相、Q相信号に対し各々にローパスフィルタリングまたはルートロールオフフィルタリングを行うフィルタ手段と、該フィルタリングされたI相、Q相信号に対し、送受間にて既知のパターンと相関演算を行い、最適シンボル位置及びフレーム開始位置を検出し、フレーム毎に最適シンボル位置でサンプリングされたI相、Q相のシンボル列を出力する同期手段と、該フレーム毎に同期手段からの出力に含まれる送受間にて既知のパターンを使用して、フレーム内のシンボル列から位相・振幅歪みを予測・除去する波形等化手段と、該波形等化手段により位相・振幅歪みを除去したシンボル列を、上記変調方法で使用した送受間で既知のマッピングパターンによりデマッピングし、シンボル列をビット列に変換する信号空間デマッピング手段と、該信号空間デマッピング手段からの出力であるビット列をデータビット列及び符号化音声情報ビット列に分離し出力する分離手段と、を備え、前記信号空間マッピングパターンは、前記データビット列の相違に対しては信号間距離を大きく、前記符号化音声情報ビット列の相違にしては信号間距離を小さく配置することを特徴とする無線装置を提案する。
【0016】
また、前記データビット列と前記符号化音声情報ビット列の情報量の比を2:1とし、変調方式として、前記データビット列に対応する信号間距離を大きく、前記符号化音声情報ビット列に対応する信号間距離を小さく信号空間配置した8相位相シフトキーイング(8PSK)を用いることを特徴とする無線装置を提案する。
【0017】
また、前記データビット列と前記符号化音声情報ビット列の情報量の比を2:1とし、変調方式として、前記データビット列に対応する信号間距離を大きく、前記符号化音声情報ビット列に対応する信号間距離を小さく信号空間配置した8値直交振幅変調(8QAM)を用いることを特徴とする無線装置を提案する。
【0018】
さらに、前記符号化音声情報ビットのみ通信する場合には変調方式を2相位相シフトキーイング(BPSK)に切替え、前記データビット列のみ通信する場合には変調方式を4相位相シフトキーイング(QPSK)に切替えることを特徴とする無線装置を提案する。
【0019】
【発明の実施の形態】
<実施例1>本実施例の変調機及び復調機のハードウェアの構成は、従来例のハードウェアの構成(図3、図4)と同様である。また、諸元も表1と同様である。違いは、変調機でのフレーム生成部102でのフレーム構成方法と、信号空間マッピング部104 及び復調機での信号空間デマッピング部208で使用する信号点配置方法にある。以下に従来技術同様、情報速度4.8kbpsのうち、データ(静止画等)に3.2kbpsと音声に1.6kbpsを割当てることを想定して説明する。
【0020】
図6に本実施例でのフレーム構成例を示す。従来の技術と同様に1フレーム当りUW33シンボル(99ビット)及び情報シンボル132シンボル(396ビット)分のビット列で構成される。情報シンボルは、データ88シンボル(264ビット:図6ではD0、D1,,D263と記す)、音声44シンボル(132ビット:図6ではV0,V1,,V131と記す)で構成される。フレームの先頭には、UW33シンボル(99ビット)を配置し、続いて情報シンボル132シンボル(396ビット)を配置する。各情報シンボルはデータ2ビットと音声1ビットの3ビットから成り、図6に示すように、b2(最上位)とb1はデータ用ビット、b0(最下位)は音声用ビットを配置する。
【0021】
次に図1に本発明の8PSK信号点配置を示す。同図に示すように、各信号点に3ビットの情報(b2 b1 b0)をマッピングしている。例えば、信号点aには(000)、信号点bには(001)をマッピングしている。信号点配置方法としては、データ用ビットb2,b1に対応する信号間距離を音声用ビットb0に対応する信号間距離より大きくなるように配置している。これにより、伝送路の雑音の影響で、信号点a(000)が信号点b(001)に誤っても、データ用ビットb2,b1はどちらも(00)なので誤りは発生しない。また例えば、信号点b(001)と信号点c(011)の距離は大きく配置しているため、この両者間で誤りが発生する確率は低くなる。すなわち、データ用ビットb2,b1に誤りが発生する確率は低くなる。音声についてはデータに比べ伝送路誤りに対し頑健なため(誤り感度が低いため)、誤りが発生しやすくても実用上問題がない。
【0022】
<実施例2>本実施例は信号点配置に8値直交振幅変調(8QAM)を用いた点で実施例1と異なる。その他の構成、諸元は実施例1と同様である。本実施例では、図5に示すように各信号点に3ビットの情報(b2 b1 b0)をマッピングしている。例えば、信号点aには(000)、信号点bには(001)をマッピングしている。信号点配置方法としては、データ用ビットb2,b1に対応する信号間距離を音声用ビットb0に対応する信号間距離より大きくなるように配置している。
【0023】
これにより、伝送路の雑音の影響で、信号点a(000)が信号点b(001)に誤っても、データ用ビットb2,b1はどちらも(00)なので誤りは発生しない。また例えば、信号点b(001)と信号点c(011)の距離は大きく配置しているため、この両者は誤りが発生する確率は低くなる。すなわち、データ用ビットb2,b1に誤りが発生する確率は低くなる。このような信号点配置は同心円配置QAMで特にスター型QAMと呼ばれ、或いは2値振幅変調とQPSKの組合わせ(2ASK+QPSK)でもある。同図において、内側の振幅レベルをL、外側の振幅レベルをHで示しているが、通常の2ASK+QPSKでは、同期検波の場合、最適なリング比(H/L)は約1.8であることが知られている。本実施例では、リング比(H/L)を1.8より小さく設定する。
【0024】
<実施例3>本実施例は、UW内に変調方式判定用のビットを設け、音声若しくはデータの少なくとも一方が使用されていない場合に、変調方式を変更してビットエラーレートを更に改善するようにした点で実施例1、2と異なる。本実施例ではUWの33シンボルはBPSKで変調し、その33ビットの内、任意の2ビットを変調方式判定用ビットにする。例えば、データのみならば01、音声のみならば10、両方使用している場合は11、の三種類を割り当てる。変調器は、使用されるのが音声のみの場合、変調方式判定用ビットを01にすると共に、BPSKのマッピングを用いて音声情報を変調する。また、使用されるのがデータのみの場合は、π/4シフトQPSKのマッピングを用いてデータを変調する。復調器は、受信した変調方式判定用ビットを参照し対応する復調方式で復調する。
【0025】
図7に本実施例の復調機の構成例を示す。同図は上記機能を実現するために図4の復調機の構成に切替え制御信号抽出部210を付加した構成となっている。波形等化部206から出力されたI相信号(j2)とQ相信号(k2)は、切替え制御信号抽出部に入力される。切替え制御信号抽出部では、I相信号(j2)とQ相信号(k2)から変調方式切替え用ビット(2ビット)をBPSK復調し、その結果が01ならばデータ(QPSK)、10ならば音声(BPSK)、11ならばデータ/音声両方(8PSK(図1)または8QAM(図5))と判定し、切替え制御信号を波形等化部207、信号空間デマッピング部208、及び分離部209に入力する。波形等化部207、及び信号空間デマッピング部208では、情報シンボルに対し切替え制御信号で示される変調方式の信号点配置に基づいた動作を行う。分離部209では、切替え制御信号がデータ/音声両方を示す場合のみデータ/音声の分離処理を行う。
【0026】
本実施例において、変調方式判定用ビットを送信する方法は上記に限定されず、UWそのものを3種類用意し、受信側でUW相関計算結果に基き3種類を判定するようにしてもフレーム中の別の部分に2ビットを割り当てても良く、あるいはフレーム中の別の部分に2ビットを割り当ててもよいも良い。また、切替え制御信号抽出部210への入力には、等化前の同期部206から出力されたI相信号(h2)とQ相信号(i2)を用いても良い。
【0027】
本実施例によれば、音声或いはデータの一方のみの通信時は不要な信号点を用いない変調方式に切り替わるので、信号間距離が最適化され最善の通信品質を提供できる。
【0028】
<実施例4>本実施例は、データのみ伝送する場合の変調方式にQPSKを用いた点で、実施例3と異なる。信号空間デマッピング部208において音声信号のデマッピングは、切替え制御信号抽出部210の出力がデータ/音声両方を示すときは、I相信号(j2) とQ送信号(k2)の夫々の絶対値を比較し、I相<Q相の時に1、I相>Q相の時に0を出力する。音声のみを示すときは、I相信号(j2)の正負を判定するBPSK復調を行う。一方データのデマッピングは、音声通信の使用/不使用に関わらずQPSKで復調を行う。つまり位相が0〜90度ならば00、90〜180度ならば01、−180〜90度ならば11、−90〜0度ならば10を出力するような動作をする。
【0029】
本実施例によればデータの復調方式は音声情報の有無に関わらず変わらないので、復調器の構成(複数の復調をソフトウェアで実現する場合はソフトウェア規模)を簡素にできる。また本実施例は、実施例2の2ASK+QPSKにも同様に適用できることは明らかである。
【0030】
上記の4つの実施例によれば、データと音声がフレーム内で同時に通信されるので、フレーム構成による遅延を低減でき、スムーズな音声通話が可能となる。また、いずれの実施例もDSP(デジタルシグナルプロセッサ)、FPGA(Field Programmable Gate Array)により容易に実現可能である。DSPで変復調を行う場合はそれを動作させるプログラムを各変復調方式ごとにサブルーチン化しておけば、変復調方式ごとに複数のハードウェアを備えることなく瞬時に変復調方式の切り替えができる。ただしこれに限らず、構成の各機能部はソフトウェア、ハードウェアのいずれの手段で実現してもよく、また機能部を複数の手段で実現してもよく、複数の機能部を単一の手段で実現しても良い。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、1回線を使用してデータ、音声情報を多重して通信を行うシステムにおいて、本発明の信号空間マッピングを用いることにより、雑音耐性が弱いデータに対し信号間距離を広く、雑音耐性が強い音声に対し信号間距離を狭く設定することで、データに対するシンボル間干渉を優先的に防止し、それぞれの要求回線品質に合致した通信が可能となり、回線状態が劣悪になってもデータ/音声の同時通信が維持できるという効果がある。特に、伝送速度が低いため強力な誤り訂正符号を適用出来ない狭帯域通信において有効な技術である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の8PSK信号点配置。
【図2】本発明の実施例1乃至4における変復調方式の緒元例。
【図3】変調機の構成図。
【図4】復調機の構成図。
【図5】本発明の2ASK+QPSK信号点配置。
【図6】本発明のフレーム構成図。
【図7】本発明の実施例3乃至4における復調機の構成図。
【図8】従来のフレーム構成図。
【図9】従来の8PSK信号点配置。
【符号の説明】
1 変調器
101 多重化部
102 フレーム生成部
103 UWパターン発生部
104 信号空間マッピング部
105 ロールオフフィルタリング部
106 搬送波発生部
107 90度位相部
108 乗算器
109 乗算器
110 加算器
2 復調機
201 搬送波発生部
202 90度位相部
203 乗算器
204 乗算器
205 ローパスフィルタ
206 同期部
207 波形等化部
208 信号空間デマッピング部
209 分離部
Claims (5)
- 1回線でデータビット列及び符号化音声情報ビット列を多重化して伝送する無線装置であって、
入力されるデータビット列及び符号化音声情報ビット列を多重化して出力する多重化手段と、
該多重化手段で多重化されたビット列を所定の長さに区切り、送受間にて既知のパターンを挿入してフレームを構成するフレーム生成手段と、
該フレーム毎に前記ビット列をシンボル列に変換した後、送受間で所定のマッピングパターンにて信号空間にマッピングしI相、Q相の信号を出力する信号空間マッピング手段と、
上記信号空間マッピング手段の出力であるI相、Q相の信号にそれぞれフィルタリングを施すフィルタ手段と、
該フィルタリングされたI相、Q相の信号に所定の周波数の正弦波とそれを90度移相した信号をそれぞれ乗算した後、加算し送信信号を生成する直交変調手段と、を備え、
前記マッピングパターンは、前記データビット列の相違に対しては信号間距離を大きく、前記符号化音声情報ビット列の相違にしては信号間距離を小さく配置することを特徴とする無線装置。 - 1回線でデータビット列及び符号化音声情報ビット列を多重化して伝送する無線装置であって、
該受信信号に、所定の周波数の正弦波とそれを90度移相した信号を乗算することで、I相、Q相信号への分離を行う直交検波手段と、
該I相、Q相信号に対し各々にフィルタリングを行うフィルタ手段と、
該フィルタリングされたI相、Q相信号に対し、送受間にて既知のパターンと相関演算を行い、最適シンボル位置及びフレーム開始位置を検出し、フレーム毎に最適シンボル位置でサンプリングされたI相、Q相のシンボル列を出力する同期手段と、
該フレーム毎に同期手段からの出力に含まれる送受間にて既知のパターンを使用して、フレーム内のシンボル列から位相・振幅歪みを除去する波形等化手段と、
該波形等化手段により位相・振幅歪みを除去したシンボル列を、送受間で既知のマッピングパターンによりデマッピングし、シンボル列をビット列に変換する信号空間デマッピング手段と、
該信号空間デマッピング手段からの出力である前記ビット列をデータビット列及び符号化音声情報ビット列に分離し出力する分離手段と、を備え、
前記マッピングパターンは、前記データビット列の相違に対しては信号間距離を大きく、前記符号化音声情報ビット列の相違にしては信号間距離を小さく配置することを特徴とする無線装置。 - 前記データビット列と前記符号化音声情報ビット列の情報量の比を2:1とし、変調方式として、前記データビット列に対応する信号間距離を大きく、前記符号化音声情報ビット列に対応する信号間距離を小さく信号空間配置した8相位相シフトキーイングを用いることを特徴とする、請求項1乃至2記載の無線装置。
- 前記データビット列と前記符号化音声情報ビット列の情報量の比を2:1とし、変調方式として、前記データビット列に対応する信号間距離を大きく、前記符号化音声情報ビット列に対応する信号間距離を小さく信号空間配置した8値直交振幅変調を用いることを特徴とする、請求項1乃至2記載の無線装置。
- 前記符号化音声情報ビット列のみ通信する場合には変調方式を2相位相シフトキーイングに切替え、前記データビット列のみ通信する場合には変調方式を4相位相シフトキーイングに切替えることを特徴とする請求項3乃至4記載の無線装置。
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