JP3278669B2 - 受信機の復調装置 - Google Patents

受信機の復調装置

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JP3278669B2 JP04911899A JP4911899A JP3278669B2 JP 3278669 B2 JP3278669 B2 JP 3278669B2 JP 04911899 A JP04911899 A JP 04911899A JP 4911899 A JP4911899 A JP 4911899A JP 3278669 B2 JP3278669 B2 JP 3278669B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は受信機の復調装置に
係り、とくに、階層化伝送方式などで、2相、4相、8
相のPSK変調方式により変調されたディジタル信号が
時間多重されたPSK被変調信号を、搬送波再生手段で
再生された搬送波を用いて復調し、I、Qシンボルスト
リームデータを出力する受信機の復調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】必要とするC/Nが異なる複数の変調方
式、例えば8PSK被変調波、QPSK被変調波、BP
SK被変調波を時間多重し、フレーム毎に繰り返し伝送
するようにした階層化伝送方式によるディジタル衛星T
V放送の実用化が進められている。
【0003】図8は階層化伝送方式における1フレーム
分の伝送フレーム構成例を示す説明図である。1フレー
ムは、BPSK変調された32シンボルから成るフレー
ム同期信号パターン(32シンボル内で実際にフレーム
同期信号として使うのは後半の20シンボル)、BPS
K変調された128シンボルから成る伝送多重構成識別
のためのTMCC(Transmission and Multiplexing Co
nfiguration Control)パターン、32シンボルから成
るスーパーフレーム識別信号パターン(32シンボル内
で実際にスーパーフレーム識別信号として使うのは後半
の20シンボル)、8PSK(トレリスコーディック8
PSK)変調された203シンボルの主信号、擬似ラン
ダム雑音(PN)信号がBPSK変調された4シンボル
のバーストシンボル信号(BS)、8PSK(トレリス
コーディック8PSK)変調された203シンボルの主
信号、擬似ランダム雑音(PN)信号がBPSK変調さ
れた4シンボルのバーストシンボル信号(BS)、・
・、QPSK変調された203シンボルの主信号、擬似
ランダム雑音(PN)信号がBPSK変調された4シン
ボルのバーストシンボル信号(BS)、QPSK変調さ
れた203シンボルの主信号、BPSK変調された4シ
ンボルのバーストシンボル信号(BS)の順序で構成さ
れている。
【0004】ここで、送信側における各変調方式毎のマ
ッピングについて図9を用いて説明する。図9(1)は
変調方式に8PSKを用いた場合のI−Q位相面(I−
Qベクトル面またはI−Q信号スペースダイアグラムと
もいう)での信号点配置を示す。8PSK変調方式は3
ビットのディジタル信号(abc)を1シンボルで伝送
できて、1シンボルを構成するビットの組み合わせは
(000)、(001)、(010)、(011)、
(100)、(101)、(110)、(111)の8
通りである。これら3ビットのディジタル信号は図9
(1)の送信側I−Q位相面上における信号点配置
“0”〜“7”に変換され、この変換を8PSKマッピ
ングと呼んでいる。
【0005】図9(1)に示す例ではビット列(00
0)を信号点配置“0”に、ビット列(001)を信号
点配置“1”に、ビット列(011)を信号点配置
“2”に、ビット列(010)を信号点配置“3”に、
ビット列(100)を信号点配置“4”に、ビット列
(101)を信号点配置“5”に、ビット列(111)
を信号点配置“6”に、ビット列(110)を信号点配
置“7”に変換している。
【0006】図9(2)は変調方式にQPSKを用いた
場合のI−Q位相面での信号点配置を示し、QPSK変
調方式では2ビットのディジタル信号(de)を1シン
ボルで伝送できて、該シンボルを構成するビットの組み
合わせは(00)、(01)、(10)、(11)の4
通りである。図9(2)の例では例えばビット列(0
0)を信号点配置“1”に、ビット列(01)を信号点
配置“3”に、ビット列(11)を信号点配置“5”
に、ビット列(10)を信号点配置“7”に変換する。
【0007】図9(3)は変調方式にBPSKを用いた
場合の信号点配置を示し、BPSK変調方式では1ビッ
トのディジタル信号(f)を1シンボルで伝送する。デ
ィジタル信号(f)は例えばビット(0)を信号点配置
“0”に、ビット(1)を信号点配置“4”に変換され
る。なお、各変調方式の信号点配置と配置番号の関係
は、8BPSKを基準にして信号点配置と配置番号との
関係を同一にしてある。階層化伝送方式におけるQPS
KとBPSKのI軸及びQ軸は8PSKのI軸及びQ軸
と一致している。
【0008】図8に示すフレームが8つ集まって1スー
パーフレームが構成される。各フレームともフレーム同
期信号パターンの後半の20シンボルの区間は、20ビ
ット既知のディジタル信号パターン(W1 と称せられ
る)をBPSKマッピングしたものである。また、1ス
ーパーフレーム内の先頭フレームのスーパーフレーム識
別信号パターンの後半の20シンボルの区間は、W1
は異なる20ビット既知のディジタル信号パターン(W
2 と称せられる)をBPSKマッピングしたものであ
り、1スーパーフレーム内で先頭フレーム以外の各フレ
ームのスーパーフレーム識別信号パターンの後半の20
シンボルの区間は、20ビット既知のディジタル信号パ
ターン(W3 と称せられ、W2 の各ビットを反転したも
のである)をBPSKマッピングしたものである。
【0009】階層化伝送方式によるディジタル被変調波
(PSK被変調波)を受信する受信機では、受信回路で
受信した受信信号の中間周波信号が復調回路で直交検波
により復調されて、互いに直交関係にあるI軸とQ軸の
シンボル毎の瞬時値を表す2系列のI、Qベースバンド
信号( 以下、I、Qベースバンド信号をI、Qシンボル
ストリームデータとも記す) が得られる。但し、受信搬
送波と、復調回路内で再生した基準搬送波の位相にずれ
が有るとき、復調後のI、Qベースバンド信号の示す受
信信号点が送信側に対し位相回転し、そのままデコーダ
に入力してPSKデマッピングを行うと、送信側で送信
したディジタル信号を正しく復元できない。
【0010】図8の各バーストシンボル信号(BS)
は、送信側において、所定構成のPN符号発生器を1フ
レーム内の最初のバーストシンボル信号(BS)の開始
位置でリセットしたのち、伝送フレーム構成中の該当す
る各区間でシンボルクロックに従い出力を推移させBP
SKマッピングしたものである。復調回路はバーストシ
ンボル信号(BS)を基準搬送波の位相を修正するため
のパイロット信号に利用し、受信搬送波と、基準搬送波
の位相を一致させることで、復調回路から出力される
I、Qベースバンド信号の信号点が送信側と同一となる
ように絶対位相化している。
【0011】図10に従来の階層化伝送方式によるPS
K被変調波を受信する受信機の復調回路の構成を示す。
図10の復調回路1は受信信号の中間周波信号を直交検
波してI、Qベースバンド信号を得るものである。10
は搬送波再生回路であり、受信搬送波に周波数と位相が
同期し、互いに位相が90°ずれて直交関係にある2つ
の基準搬送波fC1(=cos ωt)、 fC2(=sin ω
t)を再生する。2、3は中間周波信号IFとfC1、f
C2を乗算する乗算器、4、5は乗算器2、3の出力をシ
ンボルレートの2倍のサンプリングレートでA/D変換
するA/D変換器、6、7はA/D変換器4、5の出力
に対しディジタル信号処理で帯域制限を行うディジタル
フィルタ、8、9は間引き回路であり、ディジタルフィ
ルタ7、8の出力を1/2のサンプリングレートに間引
きし、I軸及びQ軸のシンボル毎の瞬時値を表す2系列
のI、Qベースバンド信号( I、Qシンボルストリーム
データ) を出力する。間引き回路8、9は量子化ビット
数8ビット(2の補数系)のI、Qベースバンド信号I
(8)、Q(8)(括弧内の数字は量子化ビット数を示
し、以下、量子化ビット数を省略して単に、I、Qとも
記す)を送出する。
【0012】受信搬送波の位相と搬送波再生回路10で
再生した基準搬送波fC1、fC2の位相とが一致していれ
ば、送信側でのI−Q位相面上の信号点配置“0”〜
“7”に対応付けたディジタル信号を受信した時の受信
側のI、Qベースバンド信号I(8)、Q(8)による
I−Q位相面上の受信信号点の位相は送信側と一致す
る。よって、送信側での信号点配置とディジタル信号と
の対応関係(図9参照)をそのまま用いて、受信信号点
の信号点配置から受信したディジタル信号を正しく識別
できる。
【0013】ところが、実際には基準搬送波fC1、fC2
は、受信搬送波に対し種々の位相状態をとり得るので、
受信側の受信信号点は送信側に対し或る角度θだけ回転
した位相位置となる。そして、復調回路1の入力におけ
る変調前の形で見た搬送波の位相が変動すればθも変動
する。受信信号点の位相が送信側に対しランダムに回転
すると受信したディジタル信号の識別が出来なくなる。
例えば、θ=π/8のとき、送信側の8PSK変調方式
での信号点配置“0”のディジタル信号(000)は受
信側で信号点配置“0”と“1”の真ん中に受信信号点
が来るため、信号点配置“0”で受信されたと見做せば
ディジタル信号(000)が正しく受信されたことにな
るが、信号点配置“1”で受信されたと見做せばディジ
タル信号(001)が受信されたと間違える。そこで、
受信信号点が送信側と一致するように搬送波再生回路1
0が基準搬送波 fC1、fC2の位相修正をし、ディジタ
ル信号の識別を正しく行えるようにしている。
【0014】具体的には、搬送波再生回路10のVCO
(電圧制御発振器)11を送信搬送波周波数で発振させ
ることで基準搬送波fC1を作成し、またVCO11の発
振信号を90°移相器12で位相を90°遅らせて基準
搬送波fC2を作成する。そして、VCO11の制御電圧
を可変することで、基準搬送波fC1,fC2の位相を可変
できるようにしてある。
【0015】搬送波再生回路10の内、13、14は復
調回路1から出力されたI、Qベースバンド信号の符号
を後述する既知パターンの再生を行うパターン再生回路
の出力値に基づき選択的に反転する反転回路、15は反
転回路13、14の出力で見た種々の受信信号点に対す
る絶対位相からの位相誤差をデータテーブルにした位相
誤差テーブルであり、ROMで構成されている。ここで
は、後述するように絶対位相は0(=2π)に固定して
ある。反転回路13、14の出力で見たI、Q位相面上
の受信信号点がI軸の正方向と成す位相角φと位相誤差
データΔφとの関係を図11に示す。ここでは、位相誤
差データΔφは、量子化ビット数8ビット(2の補数
系)で表現するものとする。図11中、+FS/2は位
相誤差+πに相当し、−FS/2は位相誤差−πに相当
する。
【0016】16は位相誤差検出処理回路であり、反転
回路13、14の出力に対応する位相誤差データΔφ
(8)を位相誤差テーブル15から読み出し、D/A変
換器17へ出力する。位相誤差データΔφ(8)はD/
A変換器17で位相誤差電圧に変換されたあと、LPF
18で低域成分が取り出されて制御電圧としてVCO1
1に印加される。位相誤差データΔφ(8)が0であれ
ば、LPF18の出力は変化せず、基準搬送波fC1,f
c2の位相は変化しないが、位相誤差データΔφ(8)が
+であればLPF18の出力が大きくなり、基準搬送波
C1、fc2の位相が遅れ、逆に、位相誤差データΔφ
(8)が−であればLPF18の出力が小さくなり、基
準搬送波fC1、fc2の位相が進む。
【0017】復調回路1の出力側にはタイミング回路3
0が設けられており、I、Qベースバンド信号の送信側
に対する位相回転の有無に関わらず、フレーム同期信号
パターンW1 、スーパーフレーム識別信号パターン
2 、W3 に相当する各シンボル区間の開始タイミング
を検出し、タイミング信号T1 〜T3 を出力する。ま
た、フレーム内の最初のバーストシンボル信号(BS)
の開始タイミングを検出し、タイミング信号T4 を出力
する。また、バーストシンボル信号(BS)の区間を検
出し、バーストシンボル信号の区間は「H」、他の区間
は「L」となる区間信号T5 を出力する。更に、フレー
ム同期信号パターンW1 に相当するシンボル区間と、ス
ーパーフレーム識別信号パターンW2 、W3 に相当する
シンボル区間を検出し、これらの区間とバーストシンボ
ル信号(BS)の区間は「H」となり、他の区間は
「L」となる区間信号T6 を出力する(図12、図13
参照)。
【0018】40はパターン再生回路であり、この内、
41はT1 の入力されたタイミングから20シンボル分
の期間、20ビットのフレーム同期信号パターンW1
出力するフレーム同期信号パターン出力回路、42はT
2 の入力されたタイミングから20シンボル分の期間、
20ビットのスーパーフレーム識別信号パターンW2
出力する第1スーパーフレーム識別信号パターン出力回
路、43はT3 の入力されたタイミングから20シンボ
ル分の期間、20ビットのスーパーフレーム識別信号パ
ターンW3 を出力する第2スーパーフレーム識別信号パ
ターン出力回路、44はPN符号発生器であり、送信側
でバーストシンボル信号(BS)用のPN符号列を発生
するPN符号発生器と同一構成を有し、T4 に基づきフ
レーム内の最初のバーストシンボル信号(BS)の開始
タイミングでリセットされたあと、区間信号T5
「H」となっている間、シンボルクロックに従い出力を
推移し、復調回路1の出力中の各バーストシンボル信号
(BS)のBPSKマッピング前のPN符号パターンと
同一のパターンをバーストシンボル信号(BS)と同一
のタイミングで出力する。
【0019】45はOR回路であり、フレーム同期信号
パターン出力回路41、第1スーパーフレーム識別信号
パターン出力回路42、第2スーパーフレーム識別信号
パターン出力回路43、PN符号発生器44の出力の論
理和を出力する。46はOR回路45と区間信号T6
論理積を取るAND回路である。
【0020】このように構成されたパターン再生回路4
0により、復調回路1から出力されるI、Qシンボルス
トリーム中に現れた20ビットのフレーム同期信号パタ
ーンW1 に相当するシンボル部分、20ビットのスーパ
ーフレーム識別信号パターンW2 とW3 に相当するシン
ボル部分、バーストシンボル信号(BS)の部分につい
て、対応するビット列パターンが再生される。W1 、W
2 、W3 と、バーストシンボル信号(BS)の部分のB
PSKマッピング前のPN符号は送信側で既知のビット
列パターンであり、いずれもBPSKマッピングされて
いる。図9(3)に示した如く、ビット「0」は送信側
で信号点配置“0”(絶対位相0)にマッピングされ、
ビット「1」は送信側で信号点配置“1”(絶対位相
π)にマッピングされている。
【0021】前述した反転回路13、14は、パターン
再生回路40の出力がビット「0」のときは復調回路1
から出力されたI、Qベースバンド信号I(8)、Q
(8)をそのまま出力する。このとき、反転回路13、
14の出力RI(8)=I(8)、RQ(8)=Q
(8)の示す受信信号点の送信側で見た元々の絶対位相
は0である。逆に、反転回路13、14は、パターン再
生回路40の出力がビット「1」のときは復調回路1か
ら出力されたI、Qベースバンド信号の符号を反転して
出力する。符号を反転することは、受信信号点の位相を
π進めることに等しく、これにより、反転回路13、1
4の出力RI(8)=−I(8)、RQ(8)=−Q
(8)の示す受信信号点の送信側で見た元々の絶対位相
も0(=2π)と見做すことができる。
【0022】パターン再生回路40の出力が「0」のと
きに、位相誤差テーブル15から反転回路13、14の
出力に対応する位相誤差データΔφ(8)を読み出し、
該位相誤差データΔφ(8)が零となるように基準搬送
波fC1、fC2の位相を修正することで、送信側でビット
「0」にBPSKマッピングされている送信信号を受信
し、復調したあとの受信信号点の位相が0に修正され
る。また、パターン再生回路40の出力が「1」のとき
に、位相誤差テーブル15から反転回路13、14の出
力に対応する位相誤差データΔφ(8)を読み出し、該
位相誤差データΔφ(8)が零となるように基準搬送波
C1、fC2の位相を修正することで、送信側でビット
「1」にBPSKマッピングされている送信信号を受信
し、復調したあとの受信信号点の位相がπに修正され
る。よって、復調回路1からは絶対位相化されたI、Q
ベースバンド信号を出力させることができ、後段のデコ
ーダでPSKデマッピングを誤りなく行うことができ
る。
【0023】なお、D/A変換器17はタイミング回路
30から「H」レベルの区間信号T6 を入力している間
だけ入力位相誤差データΔφ(8)をD/A変換して出
力し、T6 が「L」レベルの間は、直前にT6 が「H」
レベルとなっていたときの最後の出力値を保持する。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
の受信機では、位相誤差テーブルは、反転回路13、1
4の出力の示すI、Q位相面上の第1象現から第4象現
までの全ての範囲についてテーブルを定義する必要が有
り、必要なメモリ容量が大規模になるという問題があっ
た。本発明は、回路規模が小さくて済む受信機の復調装
置を提供することを、その目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
受信機の復調装置では、2相、4相、8相のPSK変調
方式により変調されたディジタル信号が時間多重された
PSK被変調信号を、搬送波再生手段で再生された搬送
波を用いて復調し、シンボル単位のI、Qシンボルスト
リームデータを出力する復調手段を備えた受信機におい
て、復調手段の出力の内、送信側で既知パターンのディ
ジタル信号を2相変調した部分について、当該既知パタ
ーンを再生する再生手段と、送信側で既知パターンのデ
ィジタル信号を2相変調した部分について、再生手段で
再生された既知パターンの値に応じて、復調手段から出
力されたI、Qシンボルストリームデータを選択的に符
号反転する反転手段と、送信側で既知パターンのディジ
タル信号を2相変調した部分について、反転手段の出力
の示すI、Q位相面上の所定の1つの象限内の受信信号
点に対する絶対位相からの位相誤差をテーブルにした位
相誤差テーブルと、反転手段の出力の示すI、Q位相面
上での受信信号点を、存在象限に応じて、無変換、I軸
に対する対象変換、Q軸に対する対象変換、I=Q軸に
対する対象変換、I=−Q軸に対する対象変換の各変換
を任意に組み合わせ、前記位相誤差テーブルの定義域と
なっている所定の1つの象限内に変換した受信信号点に
対応する位相誤差データを読み出し、該読み出した位相
誤差データを、変換の組み合わせに応じて調整し、反転
手段の出力の示すI、Q位相面上の受信信号点に対する
絶対位相からの位相誤差データを求める位相誤差検出処
理手段と、を備え、搬送波再生手段は、位相誤差検出処
理手段で検出された位相誤差データに基づき再生搬送波
の位相を修正するように構成したこと、を特徴としてい
る。
【0026】2相、4相、8相のPSK変調方式により
変調されたディジタル信号が時間多重されたPSK被変
調信号は、搬送波再生手段で再生された搬送波を用いて
復調され、シンボル単位のI、Qシンボルストリームデ
ータとして復調手段から出力される。再生手段により、
復調手段の出力の内、送信側で既知パターンのディジタ
ル信号を2相変調した部分について、当該既知パターン
を再生し、反転手段により、既知パターンの値に応じて
復調手段から出力されたI、Qシンボルストリームデー
タを選択的に符号反転する。位相誤差テーブルには、反
転手段の出力の示すI、Q位相面上の所定の1つの象限
内の受信信号点に対する絶対位相からの位相誤差をテー
ブルにしてある。位相誤差検出処理手段は、反転手段の
出力の示すI、Q位相面上での受信信号点を、存在象限
に応じて、無変換、I軸に対する対象変換、Q軸に対す
る対象変換、I=Q軸に対する対象変換、I=−Q軸に
対する対象変換の各変換を任意に組み合わせ、位相誤差
テーブルで定義された前記所定の象限内に変換した受信
信号点に対応する位相誤差データを当該位相誤差テーブ
ルから読み出し、該読み出した位相誤差データを、変換
の組み合わせに応じて調整することで、反転手段の出力
の示すI、Q位相面上の受信信号点に対する絶対位相か
らの位相誤差データを求める。搬送波再生手段は、位相
誤差検出処理手段で検出された位相誤差データに基づき
再生搬送波の位相を修正する。
【0027】本発明によれば、位相誤差テーブルには、
I、Q位相面上の第1〜第4象限の内、所定の1つの象
限内の受信信号点に対する絶対位相からの位相誤差をテ
ーブルにしておけば良く、回路構成の大幅な簡略化が可
能となる。
【0028】
【発明の実施の形態】次に、図1を参照して本発明の一
つの実施の形態を説明する。図1は本発明に係る放送受
信機(PSK被変調波受信機)の要部の構成を示すブロ
ック図であり、図10と同一の構成部分には同一の符号
が付してある。図10では、ROMで構成された位相誤
差テーブル15には、反転回路13、14の出力の示す
I、Q位相面上の第1〜第4象限の全ての受信信号点に
対して絶対位相からの位相誤差をテーブルにしたが、図
1のROMで構成された位相誤差テーブル15Aでは、
反転回路13、14の出力の示すI、Q位相面上の第1
象限内の受信信号点だけに対して絶対位相0(=2π)
からの位相誤差をテーブルにしてある。
【0029】位相誤差テーブル15Aでの定義域はI、
Q位相面上でI≧0、Q≧0の範囲であり(図2で斜線
以外の範囲参照)、反転回路13、14の出力で見た
I、Q位相面上の受信信号点PがI軸の正方向と成す位
相角φ(図2参照)と位相誤差データとの関係を図3に
示す。図3では定義域はφ=0〜π/2の範囲となる。
図10の位相誤差テーブル15では、φ=0〜2πの範
囲で定義したため位相誤差データを8ビットの2の補数
系で表現したが(図11参照)、反転回路13、14の
出力の示すI、Q位相面上の第1象限内の受信信号点
は、位相誤差が0か正なので、図1の位相誤差テーブル
15Aでは位相誤差データは、図11のAの部分である
自然2進数を用いて6ビットで表現してある(この位相
誤差データをΔφ(6)で表す)。このとき、φ=0に
相当する位相誤差データΔφ(6)は「00000
0」、φ=π/2に相当する位相誤差データΔφ(6)
は「111111」である。
【0030】図1において、復調回路1Aの搬送波再生
回路10Aに設けられた位相誤差検出処理回路16Aの
内、20、21は各々、反転回路13、14から出力さ
れたI、QシンボルストリームデータRI(8)、RQ
(8)の絶対値を求めて第1象限内に入るように変換
し、量子化ビット数7ビットの自然2進数で表現された
I軸とQ軸の変換データAI(7)、AQ(7)を出力
する絶対値回路である。絶対値回路20、21によれ
ば、反転回路13、14の出力の示すI、Q位相面上の
受信信号点が第1象限(RI(8)≧0、RQ(8)≧
0)に存在するときは無変換のままMSBを除く7ビッ
トが出力される。
【0031】一方、反転回路13、14の出力の示す
I、Q位相面上の受信信号点が図4のP0 (RI
(8),RQ(8))に示す如く、第2象限(RI
(8)<0、RQ(8)≧0)に存在するときは、絶対
値回路20、21によりQ軸に対して対象変換されて第
1象限内のP1 (AI(7),AQ(7))に来る(な
お、P0 が、I軸に対する対象変換でP2 に移動したの
ちQ軸に対する対象変換でP3 に移動し、更にI軸に対
する対象変換でP1 に移動したと考えることもでき
る)。
【0032】また、反転回路13、14の出力の示す
I、Q位相面上の受信信号点が図5のR0 (RI
(8),RQ(8))に示す如く、第3象限(RI
(8)<0、RQ(8)<0)に存在するときは、絶対
値回路20、21により、原点に対し点対象に変換され
て第1象限内のR1 (AI(7),AQ(7))に来
る。(なお、R0 が、Q軸に対する対象変換でR2 に移
動したのちI軸に対する対象変換でR1 に移動すると考
えることもでき、或いは、R0 が、I軸に対する対象変
換でR3 に移動したのちQ軸に対する対象変換でR1
移動したと考えることもでき、更には、R0 が原点を中
心に反時計方向へπだけ回転移動したとも考えられ
る)。
【0033】また、反転回路13、14の出力の示す
I、Q位相面上の受信信号点が図6のS0 (RI
(8),RQ(8))に示す如く、第4象限(RI
(8)≧0、RQ(8)<0)に存在するときは、絶対
値回路20、21により、I軸に対して対象変換されて
第1象限内のS1 (AI(7),AQ(7))に来る
(なお、S0が、Q軸に対する対象変換でS2 に移動し
たのちI軸に対する対象変換でS3 に移動し、更にQ軸
に対する対象変換でS1 に移動したと考えることもでき
る)。
【0034】22は、絶対値回路20、21から出力さ
れたI軸とQ軸の変換データAI(7)、AQ(7)に
対応する位相誤差データΔφ(6)を位相誤差テーブル
15Aから読み出す読み出し回路である。23は調整手
段としての演算回路であり、反転回路13、14の出力
の示す受信信号点を第1象限に入れる変換の組み合わせ
に応じて、位相誤差データΔφ(6)を調整し、反転回
路13、14の出力の示すI、Q位相面上の第1〜第4
象限の受信信号点に対する絶対位相からの位相誤差デー
タを求める。
【0035】演算回路23は具体的には、I、Qシンボ
ルストリームデータRI(8)、RQ(8)のMSBで
ある符号ビットRi(1)、Rq(1)の示す符号の組
み合わせがI、Q位相面上での受信信号点の存在象限を
示し、該存在象限が第1象限〜第4象限のいずれである
かによって変換の組み合わせが定まっていることから、
Ri(1)、Rq(1)に応じて、位相誤差データΔφ
(6)に所定の演算を施すことで、反転回路13、14
の出力の示すI、Q位相面上の第1〜第4象限の受信信
号点に対する絶対位相からの位相誤差データを求めてD
/A変換器17へ出力する。
【0036】演算回路23は量子化ビット数8ビットの
2の補数系の形で位相誤差データΔφ(8)を出力す
る。演算回路23の動作を説明すると、Ri(1)、R
q(1)がいずれも「0」であり、反転回路13、14
の出力で見た受信信号点がI、Q位相面上の第1象限内
に存在していて、絶対値回路20、21で無変換処理が
されていたとき、位相誤差は0〜+π/2の範囲なの
で、位相誤差データΔφ(6)の上位側に「00」を付
加し、8ビットの形にして出力する(この8ビットはD
/A変換器17で2の補数系として扱われ、最上位の
「0」は位相誤差が正であることを示すことになる)。
【0037】Ri(1)が「1」、Rq(1)が「0」
であり、反転回路13、14の出力で見た受信信号点が
図4のP0 に示す如くI、Q位相面上の第2象限内に存
在していて、絶対値回路20、21でQ軸に対して対象
変換されていたとき、P0 の位相誤差は+π/2〜+π
の範囲である。図4によるとI軸の負方向とP0 の成す
角度はI軸の正方向とP1 の成す角度ψ1 と同じであ
り、P0 の位相誤差は+(π−ψ1 )なので、位相誤差
πに相当する「1111111」の上位側に「0」を付
加した8ビット2進数から、位相誤差データΔφ(6)
(=ψ1 )の上位側に「00」を付加した8ビット2進
数を減算し、8ビットの形で出力する(この8ビットも
D/A変換器17で2の補数系として扱われ、最上位の
「0」は位相誤差が正であることを示すことになる)。
【0038】Ri(1)とRq(1)がともに「1」で
あり、反転回路13、14の出力で見た受信信号点が図
5のR0 に示す如くI、Q位相面上の第3象限内に存在
していて、絶対値回路20、21でQ軸に対し対象変換
されたあと更にI軸に対して対象変換されていたとき、
0 の位相誤差は−π/2〜−πの範囲である。図5に
よるとI軸の負方向とR0 の成す角度はI軸の正方向と
1 の成す角度ψ3 と同じであり、R0 の位相誤差は−
(π−ψ3 )なので、位相誤差πに相当する「1111
111」の上位側に「0」を付加した8ビット2進数か
ら、位相誤差データΔφ(6)(=ψ3 )の上位側に
「00」を付加した8ビット2進数を減算した8ビット
に対し、更に28 に対する補数を求めて8ビットの形で
出力する(この8ビットもD/A変換器17で2の補数
系として扱われ、最上位の「1」は位相誤差が負である
ことを示すことになる)。
【0039】Ri(1)が「0」、Rq(1)が「1」
であり、反転回路13、14の出力で見た受信信号点が
図6のS0 に示す如くI、Q位相面上の第4象限内に存
在していて、絶対値回路20、21でI軸に対して対象
変換されていたとき、S0 の位相誤差は0〜−π/2の
範囲である。図6によるとI軸の正方向とS0 の成す角
度はI軸の正方向とS1 の成す角度ψ5 と同じであり、
0 の位相誤差は−ψ5 なので、位相誤差データΔφ
(6)(=ψ5 )の上位側に「00」を付加した8ビッ
ト2進数に対し、28 に対する補数を求めて8ビットの
形で出力する(この8ビットもD/A変換器17で2の
補数系として扱われ、最上位の「1」は位相誤差が負で
あることを示す)。
【0040】このようにして、演算回路23からは、反
転回路13、14の出力の示すI、Q位相面上の受信信
号点に対する絶対位相からの位相誤差データΔφ(8)
が8ビットの2の補数系で出力されることになる(図1
1参照)。
【0041】図1のその他の構成部分は、図10と全く
同一に構成されており、タイミング回路30が復調回路
1Aの出力から4つのタイミング信号T1 〜T4 と2つ
の区間信号T5 、T6 を作成し(図12、図13参
照)、これらのT1 〜T6 を用いてパターン再生回路4
0により、復調回路1Aから出力されるI、Qシンボル
ストリーム中に現れた20ビットのフレーム同期信号パ
ターンW1 に相当するシンボル部分、20ビットのスー
パーフレーム識別信号パターンW2 とW3 に相当するシ
ンボル部分、バーストシンボル信号(BS)の部分につ
いて、対応するビット列パターンが再生される。W1
2 、W3 と、バーストシンボル信号(BS)の部分の
BPSKマッピング前のPN符号は送信側で既知のビッ
ト列パターンであり、いずれもBPSKマッピングされ
ている。図9(3)に示した如く、ビット「0」は送信
側で信号点配置“0”(絶対位相0)にマッピングさ
れ、ビット「1」は送信側で信号点配置“1”(絶対位
相π)にマッピングされている。
【0042】反転回路13、14は、パターン再生回路
40の出力がビット「0」のときは復調回路1Aから出
力されたI、Qベースバンド信号I(8)、Q(8)を
そのまま出力する。このとき、反転回路13、14の出
力RI(8)=I(8)、RQ(8)=Q(8)の示す
受信信号点の送信側で見た元々の絶対位相は0である。
逆に、反転回路13、14は、パターン再生回路40の
出力がビット「1」のときは復調回路1Aから出力され
たI、Qベースバンド信号の符号を反転して出力する。
符号を反転することは、受信信号点の位相をπ進めるこ
とに等しく、これにより、反転回路13、14の出力R
I(8)=−I(8)、RQ(8)=−Q(8)の示す
受信信号点の送信側で見た元々の絶対位相も0(=2
π)と見做すことができる。
【0043】パターン再生回路40の出力が「0」のと
きに、位相誤差検出処理回路16Aは位相誤差テーブル
15Aから、反転回路13、14の出力の示すI、Q位
相面上での受信信号点を、存在象限に応じて、無変換、
I軸に対する対象変換、Q軸に対する対象変換を任意に
組み合わせ、第1象限内に変換した受信信号点に対応す
る位相誤差データΔφ(6)を読み出し、該読み出した
位相誤差データΔφ(6)を、変換の組み合わせに応じ
て調整することで、反転回路13、14の出力の示す
I、Q位相面上の受信信号点に対する絶対位相からの位
相誤差データΔφ(8)を求めてD/A変換器17へ出
力し、該位相誤差データΔφ(8)が零となるように基
準搬送波fC1、fC2の位相を修正させる。これにより、
送信側でビット「0」にBPSKマッピングされている
送信信号を復調したあとの受信信号点の位相が0を目標
収束点にして修正される。
【0044】パターン再生回路40の出力が「1」のと
きに、位相誤差検出処理回路16Aは位相誤差テーブル
15Aから、反転回路13、14の出力の示すI、Q位
相面上での受信信号点を、存在象限に応じて、無変換、
I軸に対する対象変換、Q軸に対する対象変換を任意に
組み合わせ、第1象限内に変換した受信信号点に対応す
る位相誤差データΔφ(6)を読み出し、該読み出した
位相誤差データΔφ(6)を、変換の組み合わせに応じ
て調整することで、反転回路13、14の出力の示す
I、Q位相面上の受信信号点に対する絶対位相からの位
相誤差データΔφ(8)を求めてD/A変換器17へ出
力し、該位相誤差データΔφ(8)が零となるように基
準搬送波fC1、fC2の位相を修正させる。これにより、
送信側でビット「1」にBPSKマッピングされている
送信信号を復調したあとの受信信号点の位相がπを目標
収束点にして修正される。よって、復調回路1Aからは
絶対位相化されたI、Qベーズバンド信号を出力させる
ことができ、後段のデコーダでPSKデマッピングを誤
りなく行うことができる。
【0045】上記した実施の形態によれば、位相誤差テ
ーブル15AはI、Q位相面上の第1象限だけを定義域
とすれば良いので、第1〜第4象限の全てを定義域とす
るのに比べて1/4以下の容量のROMで構成でき、回
路構成を大幅に簡略化できる。
【0046】図7は本発明の変形例に係る位相誤差検出
処理回路の構成を示すブロック図であり、図1と同一の
構成部分には同一の符号が付してある。図7の位相誤差
検出処理回路16Bの内、24は反転回路13、14か
ら出力されたI、QシンボルストリームデータRI
(8)、RQ(8)を、RI(8)、RQ(8)の示す
受信信号点の存在象限に応じて、無変換、I軸に対する
対象変換、Q軸に対する対象変換、I=Q軸に対する対
象変換、I=−Q軸に対する対象変換の各変換を任意に
組み合わせ、位相誤差テーブル15Aの定義域となって
いる第1象限内に入るように変換し、量子化ビット数7
ビットの自然2進数で表現された変換データAI
(7)、AQ(7)を出力する変換回路である。
【0047】変換回路24は、反転回路13、14の出
力の示すI、Q位相面上の受信信号点が第1象限(RI
(8)≧0、RQ(8)≧0)に存在するときは無変換
のままMSBを除く7ビットを出力する。
【0048】一方、反転回路13、14の出力の示す
I、Q位相面上の受信信号点が図4のP0 (RI
(8),RQ(8))に示す如く、第2象限(RI
(8)<0、RQ(8)≧0)に存在するときは、変換
回路24は、I=Q軸に対する対象変換でP4 に移動し
たのちI軸に対する対象変換で第1象限内のP5 に移動
する(なお、P0 を、I=−Q軸に対する対象変換でP
6 に移動したのちQ軸に対する対象変換でP5 に移動す
るようにしても良い)。
【0049】また、反転回路13、14の出力の示す
I、Q位相面上の受信信号点が図5のR0 (RI
(8),RQ(8))に示す如く、第3象限(RI
(8)<0、RQ(8)<0)に存在するときは、変換
回路24は、I=−Q軸に対する対象変換で第1象限内
のR4 に移動する(なお、R0 を、I軸に対する対象変
換でR3 に移動したのちI=−Q軸に対する対象変換で
5 に移動し、更に、Q軸に対する対象変換でR4 に移
動するようにしても良く、或いは、R0 を、I=Q軸に
対する対象変換でR6 に移動したのちQ軸に対する対象
変換でR7 に移動し、更に、I軸に対する対象変換でR
4 に移動するようにしても良い)。
【0050】また、反転回路13、14の出力の示す
I、Q位相面上の受信信号点が図6のS0 (RI
(8),RQ(8))に示す如く、第4象限(RI
(8)≧0、RQ(8)<0)に存在するときは、変換
回路24は、S0 をI=Q軸に対して対象変換してS4
に移動したのちQ軸に対して対象変換して第1象限内の
5 に移動する(なお、S0 を、I=−Q軸に対する対
象変換でS6 に移動したのちI軸に対する対象変換でS
5 に移動するようにしても良い)。
【0051】22は、変換回路24から出力されたI軸
とQ軸の変換データAI(7)、AQ(7)に対応する
位相誤差データΔφ(6)を位相誤差テーブル15Aか
ら読み出す読み出し回路である。23Bは調整手段とし
ての演算回路であり、反転回路13、14の出力の示す
受信信号点を第1象限に入れる変換の組み合わせに応じ
て、位相誤差データΔφ(6)を調整し、反転回路1
3、14の出力の示すI、Q位相面上の受信信号点に対
する絶対位相からの位相誤差データを求める。
【0052】演算回路23Bは具体的には、I、Qシン
ボルストリームデータRI(8)、RQ(8)のMSB
である符号ビットRi(1)、Rq(1)の示す符号の
組み合わせがI、Q位相面上での受信信号点の存在象限
を示し、該存在象限が第1象限〜第4象限のいずれであ
るかによって変換の組み合わせが定まっていることか
ら、Ri(1)、Rq(1)に応じて、位相誤差データ
Δφ(6)に所定の演算を施すことで、反転回路13、
14の出力の示すI、Q位相面上の第1象限〜第4象限
の受信信号点に対する絶対位相からの位相誤差データを
求めてD/A変換器17へ出力する。
【0053】演算回路23Bは量子化ビット数8ビット
の2の補数系の形で位相誤差データΔφ(8)を出力す
る。演算回路23Bの動作を説明すると、Ri(1)、
Rq(1)がいずれも「0」であり、反転回路13、1
4の出力で見た受信信号点がI、Q位相面上の第1象限
内に存在していて、変換回路24で無変換処理がされて
いたとき、位相誤差は0〜+π/2の範囲なので、位相
誤差データΔφ(6)の上位側に「00」を付加し、8
ビットの形にして出力する(この8ビットはD/A変換
器17で2の補数系として扱われ、最上位の「0」は位
相誤差が正であることを示すことになる)。
【0054】Ri(1)が「1」、Rq(1)が「0」
であり、反転回路13、14の出力で見た受信信号点が
図4のP0 に示す如くI、Q位相面上の第2象限内に存
在しているとき、P0 の位相誤差は+π/2〜+πの範
囲である。図4によるとP0−原点−P5 の成す角度は
π/2であり、I軸の正方向とP5 の成す角度をψ2
すると、P0 の位相誤差は+(π/2+ψ2 )なので、
位相誤差π/2に相当する「111111」の上位側に
「00」を付加した8ビット2進数と、位相誤差データ
Δφ(6)(=ψ2 )の上位側に「00」を付加した8
ビット2進数を加算した8ビットを出力する(この8ビ
ットもD/A変換器17で2の補数系として扱われ、最
上位の「0」は位相誤差が正であることを示すことにな
る)。
【0055】Ri(1)とRq(1)がともに「1」で
あり、反転回路13、14の出力で見た受信信号点が図
5のR0 に示す如くI、Q位相面上の第3象限内に存在
しているとき、R0 の位相誤差は−π/2〜−πの範囲
である。図5によるとI軸の負方向とR0 の成す角度は
Q軸の正方向とR4 の成す角度と同じであり、I軸の正
方向とR4 の成す角度を ψ4 とすると、R0 の位相誤
差は−(π/2+ψ4)なので、位相誤差π/2に相当
する「111111」の上位側に「00」を付加した8
ビット2進数と、位相誤差データΔφ(6)(=ψ4
の上位に「00」を付加した8ビット2進数を加算した
8ビットに対し、更に28 に対する補数を求めて8ビッ
トの形で出力する(この8ビットもD/A変換器17で
2の補数系として扱われ、最上位の「1」は位相誤差が
負であることを示すことになる)。
【0056】Ri(1)が「0」、Rq(1)が「1」
であり、反転回路13、14の出力で見た受信信号点が
図6のS0 に示す如くI、Q位相面上の第4象限内に存
在しているとき、S0 の位相誤差は0〜−π/2の範囲
である。図6によるとI軸の正方向とS0 の成す角度は
Q軸の正方向とS5 の成す角度と同じであり、I軸の正
方向とS5 の成す角度を ψ6 とすると、S0 の位相誤
差は−(π/2−ψ6)なので、位相誤差π/2に相当
する「111111」の上位側に「00」を付加した8
ビット2進数から、位相誤差データΔφ(6)(=
ψ6 )の上位側に「00」を付加した8ビット2進数
(=ψ6 )を減算した8ビットに対し、更に28 に対す
る補数を求めて8ビットの形で出力する(この8ビット
もD/A変換器17で2の補数系として扱われ、最上位
の「1」は位相誤差が負であることを示すことにな
る)。
【0057】このようにして、演算回路23Bからは、
反転回路13、14の出力の示すI、Q位相面上の受信
信号点に対する絶対位相からの位相誤差データΔφ
(8)が8ビットの2の補数系で出力されることになる
(図11参照)。この図7の例によっても、位相誤差テ
ーブル15AはI、Q位相面上の第1象限だけを定義域
とすれば良いので、第1〜第4象限の全てを定義域とす
るのに比べて1/4以下の容量のROMで構成でき、回
路構成を大幅に簡略化できる。
【0058】図1の絶対値回路13、14と、図7の変
換回路24による変換の組み合わせはほんの一例を挙げ
たに過ぎず、本発明は何らこれに限定されず、要は、反
転手段の出力の示すI、Q位相面上での受信信号点を、
存在象限に応じて、無変換、I軸に対する対象変換、Q
軸に対し対象変換、I=Q軸に対し対象変換、I=−Q
軸に対する対象変換の各変換を任意に組み合わせ、位相
誤差テーブル15Aの定義域である第1象限内に変換し
た受信信号点に対応する位相誤差データを読み出し、該
読み出した位相誤差データを、変換の組み合わせに応じ
て調整し、反転手段の出力の示すI、Q位相面上の受信
信号点に対する絶対位相からの位相誤差データを求める
ようにすれば良い。また、位相誤差テーブル15Aの定
義域も第1象限に何ら限定されず、第2象限または第3
象限または第4象限としても良く、これに対応するよう
に図1の絶対値回路13、14、図7の変換回路24に
よる変換の組み合わせを変更すれば良い。
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、位相誤差テーブルに
は、I、Q位相面の所定の1つの象限内の受信信号点に
対する絶対位相からの位相誤差をテーブルにしておけば
良く、回路構成の大幅な簡略化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一つの実施の形態に係るPSK被変調
波受信機の要部の構成を示すブロック図である。
【図2】図1中の位相誤差テーブルの定義域の説明図で
ある。
【図3】図1中の位相誤差テーブルにおける受信信号点
の位相角と位相誤差データの関係を示す説明図である。
【図4】図1中の絶対値回路の動作を示す説明図であ
る。
【図5】図1中の絶対値回路の動作を示す説明図であ
る。
【図6】図1中の絶対値回路の動作を示す説明図であ
る。
【図7】本発明の変形例に係る位相誤差検出処理回路の
構成を示すブロック図である。
【図8】階層化伝送方式における伝送フレーム構成例を
示す説明図である。
【図9】PSKマッピングにおける信号点配置を示す説
明図である。
【図10】従来の階層化伝送方式によるPSK被変調波
受信機の復調回路周辺の構成を示すブロック図である。
【図11】図10中の位相誤差テーブルにおける受信信
号点の位相角と位相誤差データの関係を示す説明図であ
る。
【図12】図10中のタイミング回路の動作を示す説明
図である。
【図13】図10中のタイミング回路の動作を示す説明
図である。
【符号の説明】
1A 復調回路 10A 搬送波再生回路 11 VCO 12 90°移相器 13、14 反転回路 15A 位相誤差テーブル 16A、16B 位相誤差検出処理回路 17 D/A変換器 18 LPF 20、21 絶対値回路 22 読み出し回路 23、23B 演算回路 24 変換回路 30 タイミング回路 40 パターン再生回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀井 昭浩 東京都渋谷区道玄坂1丁目14番6号 株 式会社ケンウッド内 (72)発明者 松田 昇治 東京都渋谷区道玄坂1丁目14番6号 株 式会社ケンウッド内

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2相、4相、8相のPSK変調方式によ
    り変調されたディジタル信号が時間多重されたPSK被
    変調信号を、搬送波再生手段で再生された搬送波を用い
    て復調し、シンボル単位のI、Qシンボルストリームデ
    ータを出力する復調手段を備えた受信機において、 復調手段の出力の内、送信側で既知パターンのディジタ
    ル信号を2相変調した部分について、当該既知パターン
    を再生する再生手段と、送信側で既知パターンのディジタル信号を2相変調した
    部分について、 再生手段で再生された既知パターンの値
    に応じて、復調手段から出力されたI、Qシンボルスト
    リームデータを選択的に符号反転する反転手段と、 反転手段の出力の示すI、Q位相面上の所定の1つの象
    限内の受信信号点に対する絶対位相からの位相誤差をテ
    ーブルにした位相誤差テーブルと、送信側で既知パターンのディジタル信号を2相変調した
    部分について、 反転手段の出力の示すI、Q位相面上で
    の受信信号点を、存在象限に応じて、無変換、I軸に対
    する対象変換、Q軸に対する対象変換、I=Q軸に対す
    る対象変換、I=−Q軸に対する対象変換の各変換を任
    意に組み合わせ、前記位相誤差テーブルの定義域となっ
    ている所定の1つの象限内に変換した受信信号点に対応
    する位相誤差データを読み出し、該読み出した位相誤差
    データを、変換の組み合わせに応じて調整し、反転手段
    の出力の示すI、Q位相面上の受信信号点に対する絶対
    位相からの位相誤差データを求める位相誤差検出処理手
    段と、を備え、 搬送波再生手段は、位相誤差検出処理手段で検出された
    位相誤差データに基づき再生搬送波の位相を修正するよ
    うに構成したこと、 を特徴とする受信機の復調装置。
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