JP2004200492A - 収納ラックの連結構造 - Google Patents

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Tatsuya Okawa
竜也 大川
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Abstract

【課題】電子機器の取外し、再実装を伴わず、簡単に収納ラックの分離、連結を可能とした収納ラックの連結構造を提供する。
【解決手段】複数の収納ラック2a,2b,2c,2dが連結して設置される収納ラックの連結構造に於いて、隣接する少なくとも1組の収納ラック2b,2cの一方に凹部を設け、他方に凸部を設け、該凸部と前記凹部を嵌合可能とし、前記収納ラック間に締結解除可能な締結具13を設けた。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は放送設備、通信設備、試験装置設備等に於いて、複数の通信機器、測定機器等の電子機器を収納し、システムを構成する為に使用される収納ラックが複数ある場合の収納ラックの連結構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
通信設備等では、図7に示される様に電源装置、増幅装置等電子機器1が多数ある場合は、収納ラック2a,2b,2c,2dが複数隣接配置され、前記電子機器1は複数の前記収納ラック2a,2b,2c,2dに分散して収納される。該収納ラック2a,2b,2c,2dに収納された電子機器1は信号線及び電源線により前記収納ラック2a,2b,2c,2d間を掛渡って接続される。
【0003】
該収納ラック2a,2b,2c,2dは地震等耐震性が考慮され、設置場所にアンカボルト等により固定される場合が一般的であるが、必要に応じて通信設備の設置場所を移動する必要がある場合は固定されない。
【0004】
前記収納ラック2a,2b,2c,2dをアンカボルト等で固定しない場合、地震等の外力が作用し、該収納ラック2a,2b,2c,2dが個別に離反すると、前記電子機器1を接続している信号線、電源線等が切断されるので、通常前記収納ラック2a,2b,2c,2d間はボルトにより連結されている。
【0005】
ボルトで連結することで、前記収納ラック2a,2b,2c,2d間の前後左右の動きが抑止され、地震等が起きても該収納ラック2a,2b,2c,2d間が離反することがない様にされている。
【0006】
尚、図中4は前記収納ラック2a,2b,2c,2dの水平を調整する為のアジャスタである。
【0007】
図8により従来の前記収納ラック2a,2b,2c,2dの連結構造について説明する。尚、図8は内部を省略して示している。
【0008】
図中、前記収納ラック2a,2b,2c,2dの4隅には強度部材である柱5,6が配置されている。
【0009】
該柱5,6には押出し材等が使用され、該柱5,6の断面形状は同一であり、直角2方向にフランジ5a,5b,6a,6bが突設されている。
【0010】
同一の収納ラック2a,2b,2c,2dについては前側左右、後側左右の柱5,6から内側に突出した前記フランジ5a,5b、又はフランジ6a,6b間に前記電子機器1がボルト等の係着具により取付けられる様になっており、隣接する前記収納ラック2a,2b,2c,2dについては隣接する前記柱5、柱6間で対峙する前記フランジ5b,6b間がボルト7、ナット8により固定され、前記ボルト7により隣接する前記収納ラック2a,2b,2c,2dが連結される。連結されることで、地震等の外力が作用しても該収納ラック2a,2b,2c,2dが個々に分離することがなく、信号線、電源線が切断されることがない。
【0011】
連結する手順は、前記ボルト7が内部にある為、前記電子機器1を前記収納ラック2a,2b,2c,2dに取付ける前に連結作業が行われる。即ち、該収納ラック2a,2b,2c,2dの連結後、前記電子機器1の収納が行われる。又、前記収納ラック2a,2b,2c,2dの設置場所を移動する場合、一度に移動できる該収納ラック2a,2b,2c,2dの数は、移動経路のスペース又は運搬装置の能力で制限される。従って、適宜該収納ラック2a,2b,2c,2dの連結を解除して、分離して運搬する必要がある。
【0012】
又、収納ラック2a,2b,2c,2dの分離は、該収納ラック2a,2b,2c,2dを連結した逆の手順によって行われ、先ず前記電子機器1を取外し、前記ボルト7、前記ナット8の着脱作業の作業空間を確保し、更に前記ボルト7、前記ナット8を取外し、連結を解除していた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
前記収納ラック2a,2b,2c,2dに前記電子機器1は信号線、電源線等で複雑に接続されており、前記収納ラック2a,2b,2c,2dに対する電子機器1の引出し、収納は容易に行えない場合が多く、該電子機器1の取外し、再実装作業を伴う従来の収納ラックの連結構造では作業性が悪く、手間と多くの時間を要するという問題があった。
【0014】
本発明は斯かる実情に鑑み、電子機器の取外し、再実装を伴わず、簡単に収納ラックの分離、連結を可能とした収納ラックの連結構造を提供するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数の収納ラックが連結して設置される収納ラックの連結構造に於いて、隣接する少なくとも1組の収納ラックの一方に凹部を設け、他方に凸部を設け、該凸部と前記凹部を嵌合可能とし、前記収納ラック間に締結解除可能な締結具を設けた収納ラックの連結構造に係るものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態を説明する。
【0017】
図1中、図7中で示したものと同等のものには同符号を付してある。
【0018】
複数の収納ラック2a,2b,2c,2dに複数の電子機器1が分散して収納される。前記収納ラック2a,2b,2c,2dは所要の設置場所に連設され、該収納ラック2a,2b,2c,2d間は所要の連結手段より連結される。
【0019】
以下、連結手段について説明する。
【0020】
前記収納ラック2a,2b,2c,2dは、設置後に運搬、再設置が可能な様に、適宜な位置で容易に分離、再連結を可能としている。図示では、前記収納ラック2b,2c間で容易に分離、再連結ができる様になっており、前記収納ラック2a,2bと収納ラック2c,2dとは連結された状態で運搬される。
【0021】
図中、前記収納ラック2a,2b,2c,2dの4隅には強度部材である柱11,12が、配置されている。
【0022】
図2に於いて、前記収納ラック2b,2cの柱11,12について説明する。
【0023】
前記収納ラック2bに用いられている前記柱11は、上記従来例に用いられた前記柱5,6と同一の断面形状を有しており、押出し材等が使用されている。
【0024】
前記柱11の断面の基本形状は矩形であり、該柱11の一面には凹部11cが形成され、該凹部11cは隣接する前記収納ラック2cに面している。前記凹部11cと平行に突出するフランジ11b、前記凹部11cに対峙する面から該凹部11cと直交する方向に突出するフランジ11aがそれぞれ形成されている。
【0025】
前記収納ラック2cに用いられている前記柱12は、押出し材等が使用されている。
【0026】
該柱12の断面の基本形状は矩形であり、該柱12の一面には凸部12cが形成され、該凸部12cは隣接する前記収納ラック2bに面している。前記凸部12cと平行に突出するフランジ12b、前記凸部12cに対峙する面から該凸部12cと直交する方向に突出するフランジ12aがそれぞれ形成されている。
【0027】
前記凸部12cは前記凹部11cに嵌合可能であり、該凹部11cに前記凸部12cが嵌合した状態では、前記フランジ11bと前記フランジ12bとが相対向する様になっている。
【0028】
前記収納ラック2bと収納ラック2cとの間に締結具13が設けられる。該締結具13は、前記収納ラック2bと収納ラック2cの接合面以外の露出した面、即ち前記収納ラック2bと収納ラック2cの前面及び後面の所要箇所に設けられる。図1では、前記締結具13は、前記収納ラック2bの前記柱11と前記収納ラック2cの前記柱12間の4箇所に設けられている。
【0029】
前記締結具13について図3〜図6を参照して説明する。
【0030】
前記柱11の前面には被係合フック14が固着され、該被係合フック14に対向し、前記柱12の前面にはレバー支持金具15が固着され、該レバー支持金具15にピン16を介してクランプレバー17の先端が枢着され、該クランプレバー17の中途部にはコの字状のクランプリンク18がピン19を介して枢着されている。
【0031】
前記締結具13により前記収納ラック2bと前記収納ラック2cとを連結する場合は、前記クランプレバー17を起すと共に前記クランプリンク18を起した状態で、前記凹部11cに前記凸部12cを嵌合させる。前記クランプリンク18を前記被係合フック14に引掛け、前記クランプレバー17を前記柱12側に倒す。
【0032】
前記クランプレバー17を完全に倒した状態では、前記クランプリンク18と被係合フック14との係合点と前記ピン19を結ぶ力の作用線が、前記ピン16より柱11,12側を通過するので、前記クランプレバー17には倒伏方向の回転力が生じ、前記締結具13のクランプ状態は安定し、前記クランプレバー17に引起し方向の力を作用させない限り、前記締結具13の締結状態は解除されることがない。
【0033】
上記した様に前記柱11と前記柱12とは、前記凹部11cと前記凸部12cとが嵌合するので、前後方向(図4中、上下方向)の相対変位が規制され、又前記締結具13で締結することで、左右方向(図4中、左右方向)の相対変位が規制される。
【0034】
尚、前記収納ラック2aと前記収納ラック2b及び前記収納ラック2cと前記収納ラック2dとの連結は、従来と同様に例えば前記フランジ11bとフランジ12bをボルトで固定する等の方法が採用される。
【0035】
前記収納ラック2a,2b,2c,2dの設置の際のレベル調整で、前記柱11と柱12は嵌合状態で上下方向に変位可能であるので、設置場所の床面の凹凸、傾斜等で、前記収納ラック2bと前記収納ラック2c間で上下方向のレベルが異なっている場合でも対応が可能である。
【0036】
又、前記収納ラック2bと収納ラック2cの連結解除は前記クランプレバー17を起し、前記クランプリンク18と前記被係合フック14との係合を解除することで容易に行え、前記収納ラック2b,2cに実装されている前記電子機器1の取外しは必要ない。
【0037】
尚、前記柱11と前記柱12との嵌合を前記凹部11cと前記凸部12cにより行ったが、前記柱11にピン穴を穿設し、前記柱12にピンを突設し、該ピンが前記ピン穴に嵌合する様にしてもよい。
【0038】
又、図4では分離可能とする収納ラック2bと収納ラック2cの隣接する柱11,12のみを嵌合可能としたが、収納ラック2a,2b,2c,2dのそれぞれの隣接する柱を嵌合可能としてもよい。
【0039】
更に、収納ラック2a,2b,2c,2dが4隅に柱を有する構造を具備していないものであっても、同様に隣接する収納ラック間で嵌合構造を設け、隣接する収納ラックを締結する締結具13を設ければ同様の効果がある。
【0040】
【発明の効果】
以上述べた如く本発明によれば、複数の収納ラックが連結して設置される収納ラックの連結構造に於いて、隣接する少なくとも1組の収納ラックの一方に凹部を設け、他方に凸部を設け、該凸部と前記凹部を嵌合可能とし、前記収納ラック間に締結解除可能な締結具を設けたので、該締結具の解除により容易に隣接する収納ラックの分離が行え、電子機器の取外し、再実装を伴わず、作業性が著しく向上するという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す外観図である。
【図2】本発明の実施の形態に於ける柱の構造を示す拡大図である。
【図3】本発明の実施の形態に於ける締結具の斜視図である。
【図4】図1の内部を省略したA−A矢視図である。
【図5】本発明の実施の形態の作動を示す要部拡大図である。
【図6】本発明の実施の形態の作動を示す要部拡大図である。
【図7】従来例の外観図である。
【図8】図7のB−B矢視図である。
【符号の説明】
1 電子機器
2a 収納ラック
2b 収納ラック
2c 収納ラック
2d 収納ラック
11 柱
11c 凹部
12 柱
12c 凸部
13 締結具

Claims (1)

  1. 複数の収納ラックが連結して設置される収納ラックの連結構造に於いて、隣接する少なくとも1組の収納ラックの一方に凹部を設け、他方に凸部を設け、該凸部と前記凹部を嵌合可能とし、前記収納ラック間に締結解除可能な締結具を設けたことを特徴とする収納ラックの連結構造。
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