JP2004198854A - 光量調整カバー、撮像装置、撮像装置設置方法 - Google Patents
光量調整カバー、撮像装置、撮像装置設置方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】撮像装置の設置作業の容易かつ効率化を図る。
【解決手段】光量調整カバー7は、撮像装置1を設置する際に、撮像装置1に入射される光の量を調整する。これにより所定の光量に基づいてフォーカスを適切に調整することができ、撮像装置1の効率的な設置をおこなうことができる。また、光量調整カバー7は合成樹脂により形成してもよい。これによれば、安価な光量調整カバー7を提供できる。更に光量調整カバー7は、撮像装置1に対し着脱自在な構成としてもよい。これにより設置前において撮像装置1を保護することができ、設置後は容易に取り外すことができる。
【選択図】 図5
【解決手段】光量調整カバー7は、撮像装置1を設置する際に、撮像装置1に入射される光の量を調整する。これにより所定の光量に基づいてフォーカスを適切に調整することができ、撮像装置1の効率的な設置をおこなうことができる。また、光量調整カバー7は合成樹脂により形成してもよい。これによれば、安価な光量調整カバー7を提供できる。更に光量調整カバー7は、撮像装置1に対し着脱自在な構成としてもよい。これにより設置前において撮像装置1を保護することができ、設置後は容易に取り外すことができる。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、CCDやC−MOS等の撮像素子を備えた監視カメラや監視テレビカメラ等の撮像装置、特に監視用撮像装置を設置する際に用いられる光量調整カバー、撮像装置、撮像装置設置方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、防犯目的のために多くの箇所に監視カメラ、監視テレビカメラなどの撮像装置が設置されている。撮像装置を屋内外に設置する際に必要な作業は、通常日中の明るい時間帯に行われる。このとき重要なのは良好な画像を得るために行われる撮像装置の調整である。この調整は、目標とする物体の距離に合わせて撮像装置の撮影レンズを調整し、最適なフォーカス位置(バックフォーカス)を設定することにより行われる。具体的には、テレビモニタに映し出された目標とする物体の画像を目視にて観察し、その画像がベスト解像となるようなフォーカス位置を設定する。
【0003】
また、撮像装置には、通常、自動明るさ絞りが内蔵されている場合が多い。自動明るさ絞りは、撮像装置の撮影レンズを透過する光量(露出量)とCCDやC−MOS等の撮像素子の受光感度を考慮し、絞り径の大きさ(最大絞り径から最小絞り径まで)が自動的に決定する。自動明るさ絞りは、撮像装置の撮影レンズを透過する光量が多い(明るい)場合は、最小絞り径に近い大きさになる。一方、透過する光量が少ない(暗い)場合は、最大絞り径に近い大きさとなる。
【0004】
撮像装置の撮影レンズは、最適な画像を得るためには、自動明るさ絞りの口径の大きさに応じて、随時フォーカス調整を行わなければならない。明るい時間帯に撮像装置の調整をおこなう場合、自動明るさ絞りの口径は最小に近い大きさに設定される。このような自動明るさ絞りの口径の大きさで最適な画像を得るフォーカス位置を探し、バックフォーカス位置が撮像素子面上に位置するように撮影レンズを調整する。すなわち、自動明るさ絞りが最小絞り径で、かつ、バックフォーカス位置が長くなる方向(オーバー側)で監視カメラの調整が終了することになる。
【0005】
また、レンズを傷や汚れなどから防ぐためレンズキャップであって、入射光量を調整する機能を備えていないものは、従来から存在する(たとえば、特許文献1〜特許文献3を参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−136977号公報
【特許文献2】
特開平10−268383号公報
【特許文献3】
特開2000−305130号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、撮像装置は昼間時よりも夜間の暗い状況下において作動させることが多い一方、撮像装置の設置作業は夜間の暗い状況下において行なおうとすると設置場所や設置するための部品が見づらくなるなど、撮像装置の設置が昼間の作業に比べて困難である。このため設置作業に時間と手間がかかることとなる。
【0008】
また、夜間の作業において電灯などの照明により設置箇所を照らすことにより明るい状況下を作ることも考えられるが、昼間の自然光と比較すると非常に暗く、設置作業に支障がない程度の明るさを提供することができない。したがって、この状況下で設置作業を継続すると、結局上記と同様、設置作業が困難であり時間と手間がかかることとなる。また、ある程度手探り状態で作業をすることになるため設置場所との撮像装置の接続が甘くなる場合があり、撮像装置の落下及びこれによる故障,破損が生じる場合がある。このように、撮像装置の設置作業は、昼間の時間帯に行なうのが望ましい。
【0009】
一方で、昼間時など周囲が明るい状態での撮影に適応した絞り径で撮像装置の撮影レンズの調整を行った場合には、夜間撮影に最適な被写界深度が得づらい。このように、昼間時に調整された状態の撮像装置を夜間作動させた場合、撮影レンズのピント位置にずれが生じるおそれがある。したがって、昼間時に調整を行った撮像装置で夜間撮影すると、得られる画像の品質が劣化したものになる場合がある。
【0010】
ところで、昼間時など周囲が明るい状態で夜間撮影に最適な絞り値やフォーカスを設定することは、素人又は設置業者であっても経験不足の者の場合は、最適な状態に調整するまでに何度も繰り返して操作しなければならず、調整に多大な時間と手間がかかることとなる。また、熟練者であれば経験や勘に頼って最適な状態に調整することが可能であるが、このような熟練者であっても、昼間時に夜間撮影を想定して調整するには何度か操作をしなければならない場合もあり、やはり、ある程度調整に時間と手間がかかることとなる。したがって、設置者の熟練度にかかわらず、夜間撮影に最適な絞り値やフォーカスの設定を一度で済ませることは非常に困難である。
【0011】
また、設置作業終了後にピントずれが判明又は発生した場合、再度ピント合わせをするためには、撮像装置の設置業者に再調整を依頼しなければならず、設置作業に多大な時間と手間を費やすこととなる。
【0012】
特に、上述のように設置作業は昼間の時間帯におこなうものであるから、ピントずれが判明又は発生するのは早くても設置された当日の夜である。したがって、その後から設置業者に依頼しようとしても設置業者が再調整できる日は設置日の翌日以降となり、設置作業が完了するまで数日かかることとなる。このため、ユーザーは再調整が完了するまでの間、夜間撮影が実質的に行なえないこととなり、防犯上問題である。
【0013】
そこで、本発明は、上記のような従来技術の有する問題点を解消するため、撮像装置の設置作業の容易かつ効率化を図ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の光量調整カバーは、撮像装置を設置する際に、前記撮像装置に入射される光の量を調整することを特徴とする。
【0015】
この請求項1に記載の発明によれば、所定の入射光量に基づいてフォーカスを適切に調整することができる。また、同様に、所定の入射光量に基づいて適切に絞り調整をすることもできる。
【0016】
また、請求項2に記載の光量調整カバーは、請求項1に記載の光量調整カバー7において、前記光量調整カバーは合成樹脂により形成されていることを特徴とする。
【0017】
この請求項2に記載の発明によれば、廉価で所定の入射光量でフォーカスを調整することができる。また、同様に、廉価で所定の入射光量に基づいて適切に絞り調整をすることもできる。
【0018】
また、請求項3に記載の光量調整カバーは、請求項1または2に記載の光量調整カバーにおいて、前記光量調整カバーは、前記撮像装置に対し着脱自在な構成であることを特徴とする。
【0019】
この請求項3に記載の発明によれば、所定の入射光量に基づいてフォーカスを適切に調整することができる。また、同様に、所定の入射光量に基づいて適切に絞り調整をすることもできる。更に、設置前において光量調整カバーを撮像装置に保持しておくことで、撮像装置を保護することができ、設置後は容易に取り外すことができる。また、再度簡単に取り付けることができるため、取り外した後であっても容易に再調整することができる。
【0020】
また、請求項4に記載の光量調整カバーは、請求項1または2に記載の光量調整カバーにおいて、前記光量調整カバーは、前記撮像装置への光の入射口を開閉自在に構成したことを特徴とする。
【0021】
この請求項4に記載の発明によれば、所定の入射光量に基づいてフォーカスを適切に調整することができる。また、同様に、所定の入射光量に基づいて適切に絞り調整をすることもできる。更に、撮像装置の設置時には光量調整カバーを閉鎖し、監視時には開放することができる。これにより、設置前において光量調整カバーを閉鎖しておくことで、撮像装置を保護することができる。また、設置後は開放しておくことにより、入射光をそのまま入射させて監視することができる。更に、開放した後であっても閉鎖することで容易に再調整することができる。
【0022】
また、請求項5に記載の撮像装置は、請求項1〜4のいずれか一つに記載の光量調整カバーを光の入射口に設けたことを特徴とする。
【0023】
この請求項5に記載の発明によれば、光の入射口から入射された光を光量調整することにより適切にフォーカス調整をすることができる。また、同様に、光の入射口から入射された光を光量調整することにより適切に絞り調整をすることもできる。
【0024】
請求項6に記載の撮像装置は、請求項5に記載の撮像装置において、前記光の入射口は撮影レンズを保持する鏡筒の開口部であり、前記光量調整カバーは前記撮影レンズを覆うように前記開口部に設けられていることを特徴とする。
【0025】
この請求項6に記載の発明によれば、撮影レンズの表出を防止しつつ、鏡筒の開口部からの入射光の光量を調整することにより適切にフォーカス調整をすることができる。また、同様に、撮影レンズの表出を防止しつつ、鏡筒の開口部からの入射光の光量を調整することにより適切に絞り調整をすることもできる。
【0026】
また、請求項7に記載の撮像装置は、請求項5または6に記載の撮像装置において、監視用の撮像装置であることを特徴とする。
【0027】
この請求項7に記載の発明によれば、撮像装置の設置の際に、撮像装置の設置時に入射される光の量と実際に撮像装置を監視用として使用する時に入射される光の量との違いから生ずるフォーカスずれが発生することなく、適切に調整することができる。
【0028】
また、請求項8に記載の撮像装置設置方法は、撮像装置を設置する撮像装置設置方法であって、前記撮像装置に入射される光の量を調整する光量調整カバーによって、前記撮像装置に入射される光の量を調整した状態において、前記撮像装置の絞りまたはフォーカスの少なくとも一方を調整することを特徴とする。
【0029】
この請求項8に記載の発明によれば、所定の入射光量に基づいてフォーカスを適切に調整することができる。また、同様に、所定の入射光量に基づいて適切に絞り調整をすることもできる。
【0030】
また、請求項9に記載の撮像装置設置方法は、請求項8に記載の撮像装置設置方法において、前記撮像装置に入射される光の量を調整する光量調整カバーによって、前記撮像装置に入射される光の量を調整した状態において、前記撮像装置の絞りまたはフォーカスの少なくとも一方を調整した後に、前記光量調整カバーを除去することによって、前記光の量の調整を解除することを特徴とする。
【0031】
この請求項9に記載の発明によれば、光量調整カバーを除去するという簡単な処理だけで、調整後の処理も簡単に行なうことができ、最適な絞りまたはフォーカス位置で撮像装置を使用することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について説明する。図1は撮像装置1を示す概略斜視図である。撮像装置1は、例えば、監視カメラや監視テレビカメラであり、図1及び図2に示すように、撮像装置1は、CCDやC−MOS等の撮像素子(不図示)と、装置本体2と、自動絞り3と、鏡筒4と、で略構成されている。また、撮像装置1には入射口6が設けられている。この入射口6は、例えば、鏡筒4の先端部5に形成されている開口部6である。また、鏡筒4内部には撮影レンズ(不図示)が保持されており、鏡筒4内へ入射される光を受光して撮像素子へ導く。
【0033】
次に本実施の形態の光量調整カバーについて説明する。この光量調整カバー7は、撮像装置1を設置する際に、撮像装置1に入射される光の量を調整するものである。図3に示すように、本実施の形態の光量調整カバー7は、レンズキャップ7Aで構成されている。図3(a)及び(b)に示すように、このレンズキャップ7Aは略円筒形状とされている。レンズキャップ7Aの軸方向の一端は、閉塞されたキャップ面8とされており、他端は、開放された開放端10とされている。このキャップ面8は円形の平坦面であり、その直径は鏡筒4から表出している撮影レンズの直径よりも大きく設定されている。また、レンズキャップ7Aの開放端10の周縁には、鏡筒4の先端部5に対し着脱自在な着脱部11が屈曲形成されている。着脱部11の内径は鏡筒4の先端部5の外径と略同等に形成されている。これによりレンズキャップ7Aは鏡筒4の先端部5に対し着脱することができる。
【0034】
またレンズキャップ7Aは、例えばプラスティック等の合成樹脂で形成されている。レンズキャップ7Aのキャップ面8の厚さは約0.3〜0.4mmとするのが好ましい。これにより、安価なレンズキャップ7Aを提供できる。安価なレンズキャップ7Aであれば、使い捨てタイプとしてもよい。
【0035】
更に、合成樹脂で形成する場合、レンズキャップ7Aには、例えば染料を練りこんだりすることで、有色透明に形成することとしてもよい。染料の色は例えば黒色が好ましい。これにより、キャップ面8を透過する可視領域の光量を一律にカットできるようになっており、NDフィルタと同等の機能を備えている。また、このレンズキャップ7Aは、カラー、白黒撮影いずれにも対応できる。
【0036】
したがって、このレンズキャップ7Aを鏡筒4の先端部5に装着することで、撮像装置1の撮影レンズへの入射光量を抑制し、明るい昼間時であっても、夜間撮影時と同等の環境を創出することが可能になる。この結果、レンズキャップ7Aを用いれば、明るい時間帯に撮像装置1の調整をおこなう場合であっても、夜間撮影時を想定した精度の高い調整をおこなうことができる。
【0037】
ところで、どの程度まで撮像装置1の撮影レンズへの入射光量を抑制すれば夜間撮影時と同等の環境設定ができるかは、撮像装置1の設置場所、天候等の諸条件により撮影レンズへの入射光量が異なってくるため、一律ではない。そこで、さまざまな条件に対応できるようにするため、透過光量のカット割合が異なるレンズキャップ7Aを複数種類用意することが好ましい。このようにすることで、より精度の高い監視カメラの調整が可能になる。
【0038】
また、本発明のレンズキャップ7Aは、合成樹脂で形成すると共に、鏡筒4の先端部5に装着する際に撮影レンズと対向するキャップ面8の厚さが約0.3〜0.4mmになるようにしている。更に、レンズキャップ7Aを鏡筒4に装着する際に、レンズキャップ7Aが鏡筒4の先端部5と密着するように形成されており、一般のレンズキャップと同様に塵や損傷から撮影レンズを保護する機能も備えている。
【0039】
本発明のレンズキャップ7Aは、加工が容易な合成樹脂で形成されているため安価である。しかしながら、コストが問題とならない場合には、前述したような透過光量抑制機能を備えさえすれば、本発明のレンズキャップ7Aを他の材質で形成しても差し支えない。
【0040】
次に、本実施の形態のレンズキャップ7Aを用いた撮像装置1の設置方法について説明する。なお、本実施の形態では、夜間撮影時を想定した昼間時の設置について図4〜図6を用いて説明する。図4はこの方法の手順を示すフローチャートである。また、図5はレンズキャップ7Aを使用した場合の撮像装置1の設置状態を示す図、図6はレンズキャップ7Aが装着された撮像装置1の部分側断面図である。
【0041】
まず、図4に示すように、予めレンズキャップ7Aが装着された撮像装置1を目的の箇所に設置する(ステップS1)。このとき、図5に示すように、ケーブル12で撮像装置1をモニタ13に接続する。ここで、撮像装置1に入射される入射光は、図6に示すように、鏡筒4の先端部5にレンズキャップ7Aが装着されているため、その一部がキャップ面8を透過し、残りは透過せずに反射される。これにより入射光量が減衰され、撮像装置1内部に入射される光量が夜間撮影時と同等の光量に調整される。
【0042】
次に、レンズキャップ7Aが撮影レンズ鏡筒4の先端部5に装着されたままの状態で、撮像装置1の調整をおこなう(ステップS2)。具体的には、レンズキャップ7Aが鏡筒4の先端部5に装着されたままの状態で最適な画像が得られるように、撮像装置1の撮影レンズのフォーカス調整と、自動絞り3の絞り径の大きさの調整をおこなう。
【0043】
そして、モニタ13に映し出される画像(映像)が、撮像装置1で夜間撮影をおこなうための最適なフォーカス位置に合わない場合(ステップS3:No)、最適な被写界深度が得られないため、再度撮像装置の調整をおこなう(ステップS2)。
【0044】
一方、最適なフォーカス位置に合った場合(ステップS3:Yes)、最適な被写界深度が得られたため、レンズキャップ7Aを鏡筒4の先端部5から取り外す(ステップS4)。これで、撮像装置1の設置および夜間撮影を想定した調整が終了する。この後、鏡筒4の先端部5から取り外すことにより撮像装置1の使用が可能となる。なお、レンズキャップ7Aが合成樹脂で形成されていれば安価に製造することができるため、廃棄するなどして処分することとしてもよい。
【0045】
本実施の形態では、レンズキャップ7Aを装着した撮像装置1を設置するだけで、撮像装置1に入射される光量を調整することができ、昼間時に設置する場合でも夜間撮影を想定したフォーカス調整をおこなうことができる。
【0046】
また、上述した実施の形態では、光量調整カバー7としてレンズキャップ7Aを用いているため、レンズキャップ7Aを撮像装置1の鏡筒4の先端部5から着脱するのが容易である。したがって、設置前において撮像装置1の鏡筒4の先端部5にこのレンズキャップ7Aを予め装着しておくことにより、設置場所まで撮像装置1を搬送するときに撮影レンズを保護することが可能となる。
【0047】
なお、上述した実施の形態では、鏡筒4の先端部5に着脱自在な光量調整カバー7としてレンズキャップ7Aを例示したが、図7(a)に示すように、シート状に構成された貼着シート7Bとすることとしてもよい。この場合、図7(b)に示すように、シート本体14の一方の面に貼着層15をコーティングし、鏡筒4の先端部5に貼着するだけで、レンズキャップ7Aと同様に光量を調整することができる。また、図7(c)に示すように、撮像装置1の調整は、撮像装置1の鏡筒4の開口部5に貼着シート7Bを貼着して撮像装置1の設置作業を行い、設置作業終了後は、この貼着シート7Bを取り外すだけでよい。また、合成樹脂で形成されていればそのまま廃棄することとしてもよい。
【0048】
また、図8に示すように、光量調整カバー7として、鏡筒4内に設けられた開閉機構7Cにより、光の入射口6を開閉することとしてもよい。この開閉機構7Cは、例えば2枚の羽根部材16a,16bで構成されている。各羽根部材16a,16bは、略半円板状に形成されている。また、各羽根部材16a,16bには、各弦部17a,17bの相対する一端に突出した突出部18a,18bが形成されており、撮影レンズの光軸方向に直交する方向に対し回動自在に軸支されている。また各羽根部材16a,16bは、両弦部17a,17bが当接した状態では図8(a)に示すように開口部6を閉塞し、両弦部17a,17bが離間すると図8(b)に示すように開口部6が開口状態となる。この開閉動作は、不図示の制御部において動作制御できるようになっている。
【0049】
この構成によれば、撮像装置1の設置時には両羽根部材16a,16bにより開口部6を閉鎖し、監視時には開放することができる。これにより、設置前において撮像装置1に閉鎖しておくことで、鏡筒4内の撮影レンズを保護することができる。また、設置後は入射口6を開放しておくことにより、入射光をそのまま入射させて監視することができる。更に、開放した後であっても再度フォーカス調整が必要となった場合には、両羽根部材16a,16bにより入射口6を閉鎖することで容易に光量調整することができる。
【0050】
なお、この開閉機構7Cは2枚の羽根部材16a,16bで構成したが、羽根部材の枚数は1枚でもよく3枚以上であってもよい。
【0051】
なお、上述したレンズキャップ7A、貼着シート7B、開閉機構7Cの構成のほか、これらと同等の機能を備えたフィルタを鏡筒4の先端部5へ取り付けても本発明の目的は達成できる。ただ、このようなフィルタは、撮像装置1の作動時には不要であるから、容易に取り外せることが必要である。また、撮像装置1の作動時には、スライドして撮影レンズの光路から外れるようにしたフィルタであってもよい。このようなフィルタとしては例えばNDフィルタを適用することもできる。この場合、NDフィルタの濃度はND1〜ND95まで、各種の濃度を選択することができる。
【0052】
以上説明したように、本発明の光量調整カバー7を鏡筒4の先端部5に装着するだけで、撮像装置1の撮影レンズへの入射光量を抑制し、夜間撮影時と同等の環境を創出できる。このため、明るい時間帯であっても、図4に示すステップS1〜S4の手順に従った作業をおこなうだけで、撮像装置1の設置、夜間撮影を想定した調整が簡単にできる。これにより、夜間撮影時での撮影レンズのピントずれを防止することができ、再度設置業者にフォーカス調整を依頼する必要もないため、設置作業の効率化を図ることができ、ユーザー側も設置した日の夜にすぐに撮像装置1を最適な状態で作動させることができ、防犯性の向上を図ることができる。
【0053】
なお、上述した実施の形態では、撮像装置1を手動でフォーカス調整する構成について説明したが、撮像装置1を手動で絞り調整する構成としてもよい。これにより、上述のフォーカス調整の場合と同様、一度に絞り調整をすることができ、撮像装置の設置作業の効率化を図ることができる。また、設置者の熟練度にかかわらず設置作業を容易かつ簡単におこなうことができる。
【0054】
以上、本発明の一実施形態を図面に沿って説明した。しかしながら本発明はこの実施の形態に示した事項に限定されず、特許請求の範囲の記載に基づいてその変更、改良等が可能であることは云うまでもない。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の光量調整カバー,撮像装置及び撮像装置設置方法によれば、撮像装置の設置の容易かつ効率化を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の撮像装置の概略斜視図である。
【図2】本発明の撮像装置の一部拡大側面図である。
【図3】本発明の光量調整カバーとしてのレンズキャップの概略斜視図及び側断面図である。
【図4】本発明の撮像装置設置方法の実行手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の光量調整カバーとしてのレンズキャップを使用した場合の撮像装置の設置状態を示す図である。
【図6】本発明のレンズキャップが装着された撮像装置の部分側断面図である。
【図7】本発明の光量調整カバーとしての貼着シートの概略斜視図,側断面図及びこの貼着シートを使用した場合の撮像装置の設置状態を示す図である。
【図8】本発明の光量調整カバーとして開閉機構を適用した場合の鏡筒の正面図である。
【符号の説明】
1 撮像装置
4 鏡筒
6 入射口(開口部)
7 光量調整カバー
7A レンズキャップ
7B 貼着シート
7C 開閉機構
【発明の属する技術分野】
本発明は、CCDやC−MOS等の撮像素子を備えた監視カメラや監視テレビカメラ等の撮像装置、特に監視用撮像装置を設置する際に用いられる光量調整カバー、撮像装置、撮像装置設置方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、防犯目的のために多くの箇所に監視カメラ、監視テレビカメラなどの撮像装置が設置されている。撮像装置を屋内外に設置する際に必要な作業は、通常日中の明るい時間帯に行われる。このとき重要なのは良好な画像を得るために行われる撮像装置の調整である。この調整は、目標とする物体の距離に合わせて撮像装置の撮影レンズを調整し、最適なフォーカス位置(バックフォーカス)を設定することにより行われる。具体的には、テレビモニタに映し出された目標とする物体の画像を目視にて観察し、その画像がベスト解像となるようなフォーカス位置を設定する。
【0003】
また、撮像装置には、通常、自動明るさ絞りが内蔵されている場合が多い。自動明るさ絞りは、撮像装置の撮影レンズを透過する光量(露出量)とCCDやC−MOS等の撮像素子の受光感度を考慮し、絞り径の大きさ(最大絞り径から最小絞り径まで)が自動的に決定する。自動明るさ絞りは、撮像装置の撮影レンズを透過する光量が多い(明るい)場合は、最小絞り径に近い大きさになる。一方、透過する光量が少ない(暗い)場合は、最大絞り径に近い大きさとなる。
【0004】
撮像装置の撮影レンズは、最適な画像を得るためには、自動明るさ絞りの口径の大きさに応じて、随時フォーカス調整を行わなければならない。明るい時間帯に撮像装置の調整をおこなう場合、自動明るさ絞りの口径は最小に近い大きさに設定される。このような自動明るさ絞りの口径の大きさで最適な画像を得るフォーカス位置を探し、バックフォーカス位置が撮像素子面上に位置するように撮影レンズを調整する。すなわち、自動明るさ絞りが最小絞り径で、かつ、バックフォーカス位置が長くなる方向(オーバー側)で監視カメラの調整が終了することになる。
【0005】
また、レンズを傷や汚れなどから防ぐためレンズキャップであって、入射光量を調整する機能を備えていないものは、従来から存在する(たとえば、特許文献1〜特許文献3を参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−136977号公報
【特許文献2】
特開平10−268383号公報
【特許文献3】
特開2000−305130号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、撮像装置は昼間時よりも夜間の暗い状況下において作動させることが多い一方、撮像装置の設置作業は夜間の暗い状況下において行なおうとすると設置場所や設置するための部品が見づらくなるなど、撮像装置の設置が昼間の作業に比べて困難である。このため設置作業に時間と手間がかかることとなる。
【0008】
また、夜間の作業において電灯などの照明により設置箇所を照らすことにより明るい状況下を作ることも考えられるが、昼間の自然光と比較すると非常に暗く、設置作業に支障がない程度の明るさを提供することができない。したがって、この状況下で設置作業を継続すると、結局上記と同様、設置作業が困難であり時間と手間がかかることとなる。また、ある程度手探り状態で作業をすることになるため設置場所との撮像装置の接続が甘くなる場合があり、撮像装置の落下及びこれによる故障,破損が生じる場合がある。このように、撮像装置の設置作業は、昼間の時間帯に行なうのが望ましい。
【0009】
一方で、昼間時など周囲が明るい状態での撮影に適応した絞り径で撮像装置の撮影レンズの調整を行った場合には、夜間撮影に最適な被写界深度が得づらい。このように、昼間時に調整された状態の撮像装置を夜間作動させた場合、撮影レンズのピント位置にずれが生じるおそれがある。したがって、昼間時に調整を行った撮像装置で夜間撮影すると、得られる画像の品質が劣化したものになる場合がある。
【0010】
ところで、昼間時など周囲が明るい状態で夜間撮影に最適な絞り値やフォーカスを設定することは、素人又は設置業者であっても経験不足の者の場合は、最適な状態に調整するまでに何度も繰り返して操作しなければならず、調整に多大な時間と手間がかかることとなる。また、熟練者であれば経験や勘に頼って最適な状態に調整することが可能であるが、このような熟練者であっても、昼間時に夜間撮影を想定して調整するには何度か操作をしなければならない場合もあり、やはり、ある程度調整に時間と手間がかかることとなる。したがって、設置者の熟練度にかかわらず、夜間撮影に最適な絞り値やフォーカスの設定を一度で済ませることは非常に困難である。
【0011】
また、設置作業終了後にピントずれが判明又は発生した場合、再度ピント合わせをするためには、撮像装置の設置業者に再調整を依頼しなければならず、設置作業に多大な時間と手間を費やすこととなる。
【0012】
特に、上述のように設置作業は昼間の時間帯におこなうものであるから、ピントずれが判明又は発生するのは早くても設置された当日の夜である。したがって、その後から設置業者に依頼しようとしても設置業者が再調整できる日は設置日の翌日以降となり、設置作業が完了するまで数日かかることとなる。このため、ユーザーは再調整が完了するまでの間、夜間撮影が実質的に行なえないこととなり、防犯上問題である。
【0013】
そこで、本発明は、上記のような従来技術の有する問題点を解消するため、撮像装置の設置作業の容易かつ効率化を図ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の光量調整カバーは、撮像装置を設置する際に、前記撮像装置に入射される光の量を調整することを特徴とする。
【0015】
この請求項1に記載の発明によれば、所定の入射光量に基づいてフォーカスを適切に調整することができる。また、同様に、所定の入射光量に基づいて適切に絞り調整をすることもできる。
【0016】
また、請求項2に記載の光量調整カバーは、請求項1に記載の光量調整カバー7において、前記光量調整カバーは合成樹脂により形成されていることを特徴とする。
【0017】
この請求項2に記載の発明によれば、廉価で所定の入射光量でフォーカスを調整することができる。また、同様に、廉価で所定の入射光量に基づいて適切に絞り調整をすることもできる。
【0018】
また、請求項3に記載の光量調整カバーは、請求項1または2に記載の光量調整カバーにおいて、前記光量調整カバーは、前記撮像装置に対し着脱自在な構成であることを特徴とする。
【0019】
この請求項3に記載の発明によれば、所定の入射光量に基づいてフォーカスを適切に調整することができる。また、同様に、所定の入射光量に基づいて適切に絞り調整をすることもできる。更に、設置前において光量調整カバーを撮像装置に保持しておくことで、撮像装置を保護することができ、設置後は容易に取り外すことができる。また、再度簡単に取り付けることができるため、取り外した後であっても容易に再調整することができる。
【0020】
また、請求項4に記載の光量調整カバーは、請求項1または2に記載の光量調整カバーにおいて、前記光量調整カバーは、前記撮像装置への光の入射口を開閉自在に構成したことを特徴とする。
【0021】
この請求項4に記載の発明によれば、所定の入射光量に基づいてフォーカスを適切に調整することができる。また、同様に、所定の入射光量に基づいて適切に絞り調整をすることもできる。更に、撮像装置の設置時には光量調整カバーを閉鎖し、監視時には開放することができる。これにより、設置前において光量調整カバーを閉鎖しておくことで、撮像装置を保護することができる。また、設置後は開放しておくことにより、入射光をそのまま入射させて監視することができる。更に、開放した後であっても閉鎖することで容易に再調整することができる。
【0022】
また、請求項5に記載の撮像装置は、請求項1〜4のいずれか一つに記載の光量調整カバーを光の入射口に設けたことを特徴とする。
【0023】
この請求項5に記載の発明によれば、光の入射口から入射された光を光量調整することにより適切にフォーカス調整をすることができる。また、同様に、光の入射口から入射された光を光量調整することにより適切に絞り調整をすることもできる。
【0024】
請求項6に記載の撮像装置は、請求項5に記載の撮像装置において、前記光の入射口は撮影レンズを保持する鏡筒の開口部であり、前記光量調整カバーは前記撮影レンズを覆うように前記開口部に設けられていることを特徴とする。
【0025】
この請求項6に記載の発明によれば、撮影レンズの表出を防止しつつ、鏡筒の開口部からの入射光の光量を調整することにより適切にフォーカス調整をすることができる。また、同様に、撮影レンズの表出を防止しつつ、鏡筒の開口部からの入射光の光量を調整することにより適切に絞り調整をすることもできる。
【0026】
また、請求項7に記載の撮像装置は、請求項5または6に記載の撮像装置において、監視用の撮像装置であることを特徴とする。
【0027】
この請求項7に記載の発明によれば、撮像装置の設置の際に、撮像装置の設置時に入射される光の量と実際に撮像装置を監視用として使用する時に入射される光の量との違いから生ずるフォーカスずれが発生することなく、適切に調整することができる。
【0028】
また、請求項8に記載の撮像装置設置方法は、撮像装置を設置する撮像装置設置方法であって、前記撮像装置に入射される光の量を調整する光量調整カバーによって、前記撮像装置に入射される光の量を調整した状態において、前記撮像装置の絞りまたはフォーカスの少なくとも一方を調整することを特徴とする。
【0029】
この請求項8に記載の発明によれば、所定の入射光量に基づいてフォーカスを適切に調整することができる。また、同様に、所定の入射光量に基づいて適切に絞り調整をすることもできる。
【0030】
また、請求項9に記載の撮像装置設置方法は、請求項8に記載の撮像装置設置方法において、前記撮像装置に入射される光の量を調整する光量調整カバーによって、前記撮像装置に入射される光の量を調整した状態において、前記撮像装置の絞りまたはフォーカスの少なくとも一方を調整した後に、前記光量調整カバーを除去することによって、前記光の量の調整を解除することを特徴とする。
【0031】
この請求項9に記載の発明によれば、光量調整カバーを除去するという簡単な処理だけで、調整後の処理も簡単に行なうことができ、最適な絞りまたはフォーカス位置で撮像装置を使用することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について説明する。図1は撮像装置1を示す概略斜視図である。撮像装置1は、例えば、監視カメラや監視テレビカメラであり、図1及び図2に示すように、撮像装置1は、CCDやC−MOS等の撮像素子(不図示)と、装置本体2と、自動絞り3と、鏡筒4と、で略構成されている。また、撮像装置1には入射口6が設けられている。この入射口6は、例えば、鏡筒4の先端部5に形成されている開口部6である。また、鏡筒4内部には撮影レンズ(不図示)が保持されており、鏡筒4内へ入射される光を受光して撮像素子へ導く。
【0033】
次に本実施の形態の光量調整カバーについて説明する。この光量調整カバー7は、撮像装置1を設置する際に、撮像装置1に入射される光の量を調整するものである。図3に示すように、本実施の形態の光量調整カバー7は、レンズキャップ7Aで構成されている。図3(a)及び(b)に示すように、このレンズキャップ7Aは略円筒形状とされている。レンズキャップ7Aの軸方向の一端は、閉塞されたキャップ面8とされており、他端は、開放された開放端10とされている。このキャップ面8は円形の平坦面であり、その直径は鏡筒4から表出している撮影レンズの直径よりも大きく設定されている。また、レンズキャップ7Aの開放端10の周縁には、鏡筒4の先端部5に対し着脱自在な着脱部11が屈曲形成されている。着脱部11の内径は鏡筒4の先端部5の外径と略同等に形成されている。これによりレンズキャップ7Aは鏡筒4の先端部5に対し着脱することができる。
【0034】
またレンズキャップ7Aは、例えばプラスティック等の合成樹脂で形成されている。レンズキャップ7Aのキャップ面8の厚さは約0.3〜0.4mmとするのが好ましい。これにより、安価なレンズキャップ7Aを提供できる。安価なレンズキャップ7Aであれば、使い捨てタイプとしてもよい。
【0035】
更に、合成樹脂で形成する場合、レンズキャップ7Aには、例えば染料を練りこんだりすることで、有色透明に形成することとしてもよい。染料の色は例えば黒色が好ましい。これにより、キャップ面8を透過する可視領域の光量を一律にカットできるようになっており、NDフィルタと同等の機能を備えている。また、このレンズキャップ7Aは、カラー、白黒撮影いずれにも対応できる。
【0036】
したがって、このレンズキャップ7Aを鏡筒4の先端部5に装着することで、撮像装置1の撮影レンズへの入射光量を抑制し、明るい昼間時であっても、夜間撮影時と同等の環境を創出することが可能になる。この結果、レンズキャップ7Aを用いれば、明るい時間帯に撮像装置1の調整をおこなう場合であっても、夜間撮影時を想定した精度の高い調整をおこなうことができる。
【0037】
ところで、どの程度まで撮像装置1の撮影レンズへの入射光量を抑制すれば夜間撮影時と同等の環境設定ができるかは、撮像装置1の設置場所、天候等の諸条件により撮影レンズへの入射光量が異なってくるため、一律ではない。そこで、さまざまな条件に対応できるようにするため、透過光量のカット割合が異なるレンズキャップ7Aを複数種類用意することが好ましい。このようにすることで、より精度の高い監視カメラの調整が可能になる。
【0038】
また、本発明のレンズキャップ7Aは、合成樹脂で形成すると共に、鏡筒4の先端部5に装着する際に撮影レンズと対向するキャップ面8の厚さが約0.3〜0.4mmになるようにしている。更に、レンズキャップ7Aを鏡筒4に装着する際に、レンズキャップ7Aが鏡筒4の先端部5と密着するように形成されており、一般のレンズキャップと同様に塵や損傷から撮影レンズを保護する機能も備えている。
【0039】
本発明のレンズキャップ7Aは、加工が容易な合成樹脂で形成されているため安価である。しかしながら、コストが問題とならない場合には、前述したような透過光量抑制機能を備えさえすれば、本発明のレンズキャップ7Aを他の材質で形成しても差し支えない。
【0040】
次に、本実施の形態のレンズキャップ7Aを用いた撮像装置1の設置方法について説明する。なお、本実施の形態では、夜間撮影時を想定した昼間時の設置について図4〜図6を用いて説明する。図4はこの方法の手順を示すフローチャートである。また、図5はレンズキャップ7Aを使用した場合の撮像装置1の設置状態を示す図、図6はレンズキャップ7Aが装着された撮像装置1の部分側断面図である。
【0041】
まず、図4に示すように、予めレンズキャップ7Aが装着された撮像装置1を目的の箇所に設置する(ステップS1)。このとき、図5に示すように、ケーブル12で撮像装置1をモニタ13に接続する。ここで、撮像装置1に入射される入射光は、図6に示すように、鏡筒4の先端部5にレンズキャップ7Aが装着されているため、その一部がキャップ面8を透過し、残りは透過せずに反射される。これにより入射光量が減衰され、撮像装置1内部に入射される光量が夜間撮影時と同等の光量に調整される。
【0042】
次に、レンズキャップ7Aが撮影レンズ鏡筒4の先端部5に装着されたままの状態で、撮像装置1の調整をおこなう(ステップS2)。具体的には、レンズキャップ7Aが鏡筒4の先端部5に装着されたままの状態で最適な画像が得られるように、撮像装置1の撮影レンズのフォーカス調整と、自動絞り3の絞り径の大きさの調整をおこなう。
【0043】
そして、モニタ13に映し出される画像(映像)が、撮像装置1で夜間撮影をおこなうための最適なフォーカス位置に合わない場合(ステップS3:No)、最適な被写界深度が得られないため、再度撮像装置の調整をおこなう(ステップS2)。
【0044】
一方、最適なフォーカス位置に合った場合(ステップS3:Yes)、最適な被写界深度が得られたため、レンズキャップ7Aを鏡筒4の先端部5から取り外す(ステップS4)。これで、撮像装置1の設置および夜間撮影を想定した調整が終了する。この後、鏡筒4の先端部5から取り外すことにより撮像装置1の使用が可能となる。なお、レンズキャップ7Aが合成樹脂で形成されていれば安価に製造することができるため、廃棄するなどして処分することとしてもよい。
【0045】
本実施の形態では、レンズキャップ7Aを装着した撮像装置1を設置するだけで、撮像装置1に入射される光量を調整することができ、昼間時に設置する場合でも夜間撮影を想定したフォーカス調整をおこなうことができる。
【0046】
また、上述した実施の形態では、光量調整カバー7としてレンズキャップ7Aを用いているため、レンズキャップ7Aを撮像装置1の鏡筒4の先端部5から着脱するのが容易である。したがって、設置前において撮像装置1の鏡筒4の先端部5にこのレンズキャップ7Aを予め装着しておくことにより、設置場所まで撮像装置1を搬送するときに撮影レンズを保護することが可能となる。
【0047】
なお、上述した実施の形態では、鏡筒4の先端部5に着脱自在な光量調整カバー7としてレンズキャップ7Aを例示したが、図7(a)に示すように、シート状に構成された貼着シート7Bとすることとしてもよい。この場合、図7(b)に示すように、シート本体14の一方の面に貼着層15をコーティングし、鏡筒4の先端部5に貼着するだけで、レンズキャップ7Aと同様に光量を調整することができる。また、図7(c)に示すように、撮像装置1の調整は、撮像装置1の鏡筒4の開口部5に貼着シート7Bを貼着して撮像装置1の設置作業を行い、設置作業終了後は、この貼着シート7Bを取り外すだけでよい。また、合成樹脂で形成されていればそのまま廃棄することとしてもよい。
【0048】
また、図8に示すように、光量調整カバー7として、鏡筒4内に設けられた開閉機構7Cにより、光の入射口6を開閉することとしてもよい。この開閉機構7Cは、例えば2枚の羽根部材16a,16bで構成されている。各羽根部材16a,16bは、略半円板状に形成されている。また、各羽根部材16a,16bには、各弦部17a,17bの相対する一端に突出した突出部18a,18bが形成されており、撮影レンズの光軸方向に直交する方向に対し回動自在に軸支されている。また各羽根部材16a,16bは、両弦部17a,17bが当接した状態では図8(a)に示すように開口部6を閉塞し、両弦部17a,17bが離間すると図8(b)に示すように開口部6が開口状態となる。この開閉動作は、不図示の制御部において動作制御できるようになっている。
【0049】
この構成によれば、撮像装置1の設置時には両羽根部材16a,16bにより開口部6を閉鎖し、監視時には開放することができる。これにより、設置前において撮像装置1に閉鎖しておくことで、鏡筒4内の撮影レンズを保護することができる。また、設置後は入射口6を開放しておくことにより、入射光をそのまま入射させて監視することができる。更に、開放した後であっても再度フォーカス調整が必要となった場合には、両羽根部材16a,16bにより入射口6を閉鎖することで容易に光量調整することができる。
【0050】
なお、この開閉機構7Cは2枚の羽根部材16a,16bで構成したが、羽根部材の枚数は1枚でもよく3枚以上であってもよい。
【0051】
なお、上述したレンズキャップ7A、貼着シート7B、開閉機構7Cの構成のほか、これらと同等の機能を備えたフィルタを鏡筒4の先端部5へ取り付けても本発明の目的は達成できる。ただ、このようなフィルタは、撮像装置1の作動時には不要であるから、容易に取り外せることが必要である。また、撮像装置1の作動時には、スライドして撮影レンズの光路から外れるようにしたフィルタであってもよい。このようなフィルタとしては例えばNDフィルタを適用することもできる。この場合、NDフィルタの濃度はND1〜ND95まで、各種の濃度を選択することができる。
【0052】
以上説明したように、本発明の光量調整カバー7を鏡筒4の先端部5に装着するだけで、撮像装置1の撮影レンズへの入射光量を抑制し、夜間撮影時と同等の環境を創出できる。このため、明るい時間帯であっても、図4に示すステップS1〜S4の手順に従った作業をおこなうだけで、撮像装置1の設置、夜間撮影を想定した調整が簡単にできる。これにより、夜間撮影時での撮影レンズのピントずれを防止することができ、再度設置業者にフォーカス調整を依頼する必要もないため、設置作業の効率化を図ることができ、ユーザー側も設置した日の夜にすぐに撮像装置1を最適な状態で作動させることができ、防犯性の向上を図ることができる。
【0053】
なお、上述した実施の形態では、撮像装置1を手動でフォーカス調整する構成について説明したが、撮像装置1を手動で絞り調整する構成としてもよい。これにより、上述のフォーカス調整の場合と同様、一度に絞り調整をすることができ、撮像装置の設置作業の効率化を図ることができる。また、設置者の熟練度にかかわらず設置作業を容易かつ簡単におこなうことができる。
【0054】
以上、本発明の一実施形態を図面に沿って説明した。しかしながら本発明はこの実施の形態に示した事項に限定されず、特許請求の範囲の記載に基づいてその変更、改良等が可能であることは云うまでもない。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の光量調整カバー,撮像装置及び撮像装置設置方法によれば、撮像装置の設置の容易かつ効率化を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の撮像装置の概略斜視図である。
【図2】本発明の撮像装置の一部拡大側面図である。
【図3】本発明の光量調整カバーとしてのレンズキャップの概略斜視図及び側断面図である。
【図4】本発明の撮像装置設置方法の実行手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の光量調整カバーとしてのレンズキャップを使用した場合の撮像装置の設置状態を示す図である。
【図6】本発明のレンズキャップが装着された撮像装置の部分側断面図である。
【図7】本発明の光量調整カバーとしての貼着シートの概略斜視図,側断面図及びこの貼着シートを使用した場合の撮像装置の設置状態を示す図である。
【図8】本発明の光量調整カバーとして開閉機構を適用した場合の鏡筒の正面図である。
【符号の説明】
1 撮像装置
4 鏡筒
6 入射口(開口部)
7 光量調整カバー
7A レンズキャップ
7B 貼着シート
7C 開閉機構
Claims (9)
- 撮像装置を設置する際に、前記撮像装置に入射される光の量を調整することを特徴とする光量調整カバー。
- 前記光量調整カバーは合成樹脂により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光量調整カバー。
- 前記光量調整カバーは、前記撮像装置に対し着脱自在な構成であることを特徴とする請求項1または2に記載の光量調整カバー。
- 前記光量調整カバーは、前記撮像装置への光の入射口を開閉自在に構成したことを特徴とする請求項1または2に記載の光量調整カバー。
- 請求項1〜4のいずれか一つに記載の光量調整カバーを光の入射口に設けたことを特徴とする撮像装置。
- 前記光の入射口は撮影レンズを保持する鏡筒の開口部であり、前記光量調整カバーは前記撮影レンズを覆うように前記開口部に設けられていることを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
- 前記撮像装置は、監視用の撮像装置であることを特徴とする請求項5または6に記載の撮像装置。
- 撮像装置を設置する撮像装置設置方法であって、
前記撮像装置に入射される光の量を調整する光量調整カバーによって、前記撮像装置に入射される光の量を調整した状態において、前記撮像装置の絞りまたはフォーカスの少なくとも一方を調整することを特徴とする撮像装置設置方法。 - 前記撮像装置に入射される光の量を調整する光量調整カバーによって、前記撮像装置に入射される光の量を調整した状態において、前記撮像装置の絞りまたはフォーカスの少なくとも一方を調整した後に、前記光量調整カバーを除去することによって、前記光の量の調整を解除することを特徴とする請求項8に記載の撮像装置設置方法。
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