JP2004197776A - 手動変速機のシフト装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】シフトフォークをその対象となるシンクロメッシュ機構に対して近接する位置に配設することを可能として変速機全体の小型化を実現する。
【解決手段】入力軸4と中間軸5と出力時6とを平行に配設し、中間軸5に設けた後進用駆動ギヤと出力軸6に設けた後進用従動ギヤとに噛合して後進用ギヤ列を形成する後進用中間ギヤ15cをスライド自在に支持する後進用中間軸7に、中間軸5に配列されている前進用従動ギヤと中間軸5とを選択的に係合させるシンクロメッシュ機構を動作させるシフトフォーク25,26を支持させる。後進用中間軸7にシフトフォーク25,26を支持させることで、当該シフトフォーク25,26をその対象となるシンクロメッシュ機構に対し近接する位置に配設することが可能となる。
【選択図】図2
【解決手段】入力軸4と中間軸5と出力時6とを平行に配設し、中間軸5に設けた後進用駆動ギヤと出力軸6に設けた後進用従動ギヤとに噛合して後進用ギヤ列を形成する後進用中間ギヤ15cをスライド自在に支持する後進用中間軸7に、中間軸5に配列されている前進用従動ギヤと中間軸5とを選択的に係合させるシンクロメッシュ機構を動作させるシフトフォーク25,26を支持させる。後進用中間軸7にシフトフォーク25,26を支持させることで、当該シフトフォーク25,26をその対象となるシンクロメッシュ機構に対し近接する位置に配設することが可能となる。
【選択図】図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、後進用中間軸にフォークロッドとしての機能を兼用させた手動変速機のシフト装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両のコンパクト化、エンジンの多気筒化、変速機の多段化等に伴い、全長の短いコンパクトな手動変速機が求められている。そのため、例えば特開2001−280430号公報には、中間軸を複数を設けることで手動変速機の全長を短くする技術が提案されている。
【0003】
すなわち、この公報には、前進6段後進1段の手動変速機が開示されており、変速機ケース内に、入力軸と平行に第1、第2の中間軸、及び出力軸を配設し、入力軸と第1の中間軸に第1速用ギヤ列を設け、第1の中間軸と第2の中間軸とに後進用ギヤ列を設け、更に、入力軸と第1の中間軸に亘って第2速用ギヤ列を設け、又、入力軸と第1の中間軸に亘って第3速用ギヤ列、及び第4速用ギヤ列を設け、更に、入力軸と第2の中間軸とに亘って第5速用ギヤ列及び第6速用ギヤ列が設けられている。
【0004】
更に、第1、第2の中間軸に各ギヤ列を選択的に係脱するシンクロメッシュ機構が各々配設されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−280430号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した公報に開示されている第1、第2の中間軸に配設されているシンクロメッシュ機構は、車室のセンタコンソール等に配設されているシフトレバーの操作により、シフトフォークを介して動作される。
【0007】
一般に、このシフトフォークはフォークロッドに軸着されており、従って、変速機ケースには複数の中間軸以外に複数のフォークロッドも配列されている。フォークロッドはシフトフォークにて動作させるシンクロメッシュ機構に極力近づいた位置に配設することが望ましいが、変速機ケースに複数の中間軸が配設されている場合、当該中間軸や各ギヤ列が障害となりフォークロッドを所望の位置に配設することが困難となる場合が多い。
【0008】
このような場合、フォークロッドを各ギヤ列から離れた位置に配設せざるを得ず、変速機ケースの周回方向、すなわち、高さ或いは幅が広がってしまい、コンパクト化を実現する上で支障をきたしてしまう。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑み、シフトフォークをその対象となるシンクロメッシュ機構に対して近接する位置に配設することを可能とし 変速機ケースの周回方向を縮小して変速機全体の小型化を実現することの可能な手動変速機のシフト装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明による手動変速機のシフト装置は、入力軸と中間軸と後進用中間軸と出力軸とを互いに平行に配設し、上記入力軸と上記中間軸とに前進用ギヤ列を配列し、上記中間軸と上記出力軸とを中間ギヤ列を介して互いに連設し、上記中間軸に前進用低速側ギヤ列に連設する後進用駆動ギヤを設け、上記出力軸の上記後進用駆動ギヤに対応する位置に後進用従動ギヤを設け、上記後進用中間軸に上記後進用駆動ギヤと上記後進用従動ギヤとに噛合自在な後進用中間ギヤをスライド自在に設け、上記中間軸に上記前進用ギヤ列を構成する前進用従動ギヤを回動自在に配列すると共に該前進用従動ギヤと該中間軸とを係合させるシンクロメッシュ機構を配設し、上記シンクロメッシュ機構を動作させる少なくとも1つのシフトフォークを上記後進用中間軸に支持させたことを特徴とする。
【0011】
このような構成では、中間軸に対して近接した位置に配設することのできる後進用中間軸に、中間軸に配設されているシンクロメッシュ機構を動作させるシフトフォークを支持させることで、近接した位置でシンクロメッシュ機構を動作させることができるため、相対的にシフトフォークの剛性を高めることができる。又、後進用中間軸にシフトロッドとしての機能を兼用させたので、変速機ケース内のスペースが有効活用され、変速機全体の小型化を実現することができる。
【0012】
この場合、好ましくは、上記中間軸に複数のシンクロメッシュ機構が設けられており、上記後進用中間軸には該各シンクロメッシュ機構を動作させるシフトフォークが複数支持されていることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の一実施の形態を説明する。図1に前進6段後進1段の手動変速機の概略構成図を示す。
【0014】
手動変速機1の変速機ケース2には、図示しないエンジンのクランク軸に対してクラッチ装置3を介して接離自在に連設する入力軸4が配設されており、この入力軸4と平行に中間軸5、出力軸(以下「ドライブピニオン軸」と称する)6、及び後進用中間軸7が各々配設されている。又、ドライブピニオン軸6の出力端には、終減速ギヤ8に噛合するドライブピニオン6aが形成されている。
【0015】
この入力軸4と中間軸5(及び後進用中間軸7)とドライブピニオン軸6とに、前進6速後進1速のギヤ列が配列されている。
【0016】
すなわち、入力軸4には、1速、2速、及び5速、6速の各駆動ギヤ9a〜12aが一体回転自在に設けられており、又、中間軸5には1速駆動ギヤ9aに噛合する1速従動ギヤ9b、5速駆動ギヤ11aに噛合する5速従動ギヤ11b、6速駆動ギヤ12aに噛合する6速従動ギヤ12bが相対回転自在に軸支されていると共に、2速駆動ギヤ10aに噛合する2速従動ギヤ10b、4速駆動ギヤ13a、後進用駆動ギヤ15aを有するギヤ軸17が相対回動自在に軸支されている。
【0017】
又、中間軸5の出力端に中間駆動ギヤ18aが設けられ、この中間駆動ギヤ18aに噛合する中間従動ギヤ18bがドライブピニオン軸6の入力端に形成されている。尚、この中間駆動ギヤ18aと中間従動ギヤ18bとで中間ギヤ列が構成されている。
【0018】
更に、ドライブピニオン軸6には、2速従動ギヤ10bに噛合する3速従動ギヤ19、及び4速駆動ギヤ13aに噛合する4速従動ギヤ13bが相対回動自在に軸支されていると共に、後進用駆動ギヤ15aに対応する後進用従動ギヤ15bが一体回転自在に軸支されている。
【0019】
又、後進用中間軸7には、後進用駆動ギヤ15aと後進用従動ギヤ15bとに噛合自在な後進用中間ギヤ15cが、軸方向へ移動自在で且つ相対回転自在に支持されている。
【0020】
中間軸5の1速従動ギヤ9bと2速従動ギヤ10bとの間に、1−2速用シンクロメッシュ機構21が配設され、又、5速従動ギヤ11bと6速従動ギヤ12bとの間に、5−6速用シンクロメッシュ機構22が配設されている。
【0021】
又、図2に示すように、1−2速用シンクロメッシュ機構21を動作させる1−2シフトフォーク25、及び5−6速用シンクロメッシュ機構22を動作させる5−6シフトフォーク26の基準端部が、後進用中間軸7に回動且つ軸方向へスライド自在に支持されている。
【0022】
更に、ドライブピニオン軸6の3速従動ギヤ19と4速従動ギヤ13bとの間に、3−4速用シンクロメッシュ機構23が配設されている。又、この3−4速用シンクロメッシュ機構23を動作させる3−4シフトフォーク28の基準端部が、入力軸4と平行に配設されている3−4フォークロッド29に、回動且つ軸方向へスライド自在に支持されている。
【0023】
又、後進用中間ギヤ15cは後進用シフトフォーク30(図2参照)に連設されており、この後進用シフトフォーク30の基準端部が、入力軸4と平行に配設されている後進用フォークロッド31に回動且つ軸方向へスライド自在に支持されている。
【0024】
各シフトフォーク25,26,28,30は、基準端部から二股にアーム部25a,26a,28a,30aが円弧状に延出されており、この各アーム部25a,26a,28a,30aの先端の対向面にフォーク爪25b,26b,28b,30bが突設されている。このフォーク爪25b,26b,28b,30bは、シンクロメッシュ機構21,22,23を構成するシンクロナイザスリーブ(図示せず)の外周に形成された環状溝に係入して、このシンクロナイザスリーブを回転自在な状態で所定位置に保持する。
【0025】
更に、各シフトフォーク25,26,28,30の基準端部側には、シフタアーム(「シフトヘッド」とも称する)が各々形成されている。図3に、シフトフォークの代表として、後進用中間軸7に軸支されている1−2シフトフォーク25、及び5−6シフトフォーク26に形成されているシフタアーム25c,26cを示す。この各シフタアーム25c,26cに形成されている凹溝25d,26dが互いに重ねられて、コントロール軸32に軸着されているインターロックブロック33に係入されている。尚、このコントロール軸32には、3−4シフトフォーク28及び後進用シフトフォーク30のシフタアームに形成されている凹溝に係入するインターロックブロック34が固設されている。
【0026】
コントロール軸32は、車室内のセンターコンソール等に設けたシフト操作レバー(図示せず)に連設されており、このシフト操作レバーを通常のH型のシフトパターンに従い操作すると、コントロール軸32が回転及び進退動作し、コントロール軸32の回転動作により、インターロックブロック33,34が、各シフトフォーク25,26,28,30に選択的に係合し、次いで、コントロール軸32の進退動作によりインターロックブロック33、34に係合されたシフタアームを軸方向へ移動させて、各シフトフォーク25,26,28,30に連設するシンクロメッシュ機構21〜23、或いは後進用中間ギヤ15cを選択的に動作させ、各ギヤ列の回転により入力軸4に入力された駆動力を所定に変速したのち、ドライブピニオン軸6に伝達する。
【0027】
前進用ギヤ列の設定は、各シンクロメッシュ機構21〜23の選択的動作により行なわれ、1速従動ギヤ9b(或いは2速従動ギヤ10b、或いは5速従動ギヤ11b、或いは6速従動ギヤ12b)が中間軸5に係合されると、入力軸4の駆動力は、1速駆動ギヤ9a(或いは2速駆動ギヤ10a、或いは5速駆動ギヤ11a、或いは6速駆動ギヤ12a)→1速従動ギヤ9b(或いは2速従動ギヤ10b、或いは5速従動ギヤ11b、或いは6速従動ギヤ12b)→中間軸5→中間駆動ギヤ18a→中間従動ギヤ18bを経てドライブピニオン軸6に伝達される。
【0028】
又、3速従動ギヤ19がドライブピニオン軸6に係合されると、入力軸4の駆動力は、2速駆動ギヤ10a→2速従動ギヤ10b→3速従動ギヤ19を経てドライブピニオン軸6に伝達される。
【0029】
更に、4速従動ギヤ13bがドライブピニオン軸6に係合されると、入力軸4の駆動力は、2速駆動ギヤ10a→2速従動ギヤ10b→ギヤ軸17→4速駆動ギヤ13a→4速従動ギヤ13bを経てドライブピニオン軸6に伝達される。
【0030】
一方、後進用ギヤ列の設定は、後進用中間ギヤ15cを後進用駆動ギヤ15aと後進用従動ギヤ15bとの間に噛合させることで行なわれる。このとき、入力軸4の駆動力は、2速駆動ギヤ10a→2速従動ギヤ10b→ギヤ軸17→後進用駆動ギヤ15a→後進用中間ギヤ15c→後進用従動ギヤ15bを経て、逆転された状態でドライブピニオン軸6に伝達される。
【0031】
このような構成による手動変速機のシフト装置では、後進用中間ギヤ15cが後進用駆動ギヤ15aと後進用従動ギヤ15bとに噛合する位置に配設されており、この後進用駆動ギヤ15aは、5速従動ギヤ11bと6速従動ギヤ12bとを支持する中間軸5に支持されているため、後進用中間ギヤ15cを支持する後進用中間軸7は中間軸5に比較的近接した位置に配設されている。
【0032】
そのため、この後進用中間軸7に、1−2シフトフォーク25と5−6シフトフォーク26とを支持させることで、この両シフトフォーク25,26のアーム部25a,26aを長く延ばすことなく、中間軸5に配設されているシンクロメッシュ機21,22を支持することが可能となり、相対的に両シフトフォーク25,26の剛性を高めることができる。
【0033】
又、後進用中間軸7に、両シフトフォーク25,26を支持するシフトロッドとしての機能を兼用させたので、この両シフトフォーク25,26を支持するシフトロッドを特別に設ける必要がなくなり、部品点数の削減による製品コストの低減、及び変速機ケース2内のスペースの有効活用により、変速機全体の小型化を実現することができる。
【0034】
更に、後進用中間軸7に支持されている後進用中間ギヤ15cは、2速従動ギヤ10bの駆動力を後進用従動ギヤ15bへ伝達するだけであり、後進用中間軸7には大きな荷重が印加されないため、両シフトフォーク25,26を支持したとしても、軸径を太くする等の剛性アップを図る必要がないので、構造の簡素化を実現することができるばかりでなく、設計を大幅に変更する必要がないので、既存の設備を利用して製造組立てを行なうことができ、設備費を削減することができる。
【0035】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、後進用中間軸にフォークロッドを支持させてシフトロッドとしての機能を兼用させるようにしたので、このシフトフォークをシンクロメッシュ機構に対して近接する位置に配設することが可能となり、相対的にシフトフォークの剛性を高めることができるばかりでなく、変速機ケース内のスペースを有効活用して変速機全体の小型化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】前進6段後進1段の手動変速機の概略構成図
【図2】手動変速機の軸配列とシフトフォークとの関係を示す説明図
【図3】シフトフォークとインターロックブロックとの関係を示す斜視図
【符号の説明】
4 入力軸
5 中間軸
7 後進用中間軸
6 出力軸
9a 1速駆動ギヤ
9b 1速従動ギヤ
10a,10b,11a,11b,12a 前進用ギヤ列
15a 後進用駆動ギヤ
15b 後進用従動ギヤ
15c 後進用中間ギヤ
18a,18b 中間ギヤ列
21,22 シンクロメッシュ機構
25,26 シフトフォーク
【発明の属する技術分野】
本発明は、後進用中間軸にフォークロッドとしての機能を兼用させた手動変速機のシフト装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両のコンパクト化、エンジンの多気筒化、変速機の多段化等に伴い、全長の短いコンパクトな手動変速機が求められている。そのため、例えば特開2001−280430号公報には、中間軸を複数を設けることで手動変速機の全長を短くする技術が提案されている。
【0003】
すなわち、この公報には、前進6段後進1段の手動変速機が開示されており、変速機ケース内に、入力軸と平行に第1、第2の中間軸、及び出力軸を配設し、入力軸と第1の中間軸に第1速用ギヤ列を設け、第1の中間軸と第2の中間軸とに後進用ギヤ列を設け、更に、入力軸と第1の中間軸に亘って第2速用ギヤ列を設け、又、入力軸と第1の中間軸に亘って第3速用ギヤ列、及び第4速用ギヤ列を設け、更に、入力軸と第2の中間軸とに亘って第5速用ギヤ列及び第6速用ギヤ列が設けられている。
【0004】
更に、第1、第2の中間軸に各ギヤ列を選択的に係脱するシンクロメッシュ機構が各々配設されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−280430号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した公報に開示されている第1、第2の中間軸に配設されているシンクロメッシュ機構は、車室のセンタコンソール等に配設されているシフトレバーの操作により、シフトフォークを介して動作される。
【0007】
一般に、このシフトフォークはフォークロッドに軸着されており、従って、変速機ケースには複数の中間軸以外に複数のフォークロッドも配列されている。フォークロッドはシフトフォークにて動作させるシンクロメッシュ機構に極力近づいた位置に配設することが望ましいが、変速機ケースに複数の中間軸が配設されている場合、当該中間軸や各ギヤ列が障害となりフォークロッドを所望の位置に配設することが困難となる場合が多い。
【0008】
このような場合、フォークロッドを各ギヤ列から離れた位置に配設せざるを得ず、変速機ケースの周回方向、すなわち、高さ或いは幅が広がってしまい、コンパクト化を実現する上で支障をきたしてしまう。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑み、シフトフォークをその対象となるシンクロメッシュ機構に対して近接する位置に配設することを可能とし 変速機ケースの周回方向を縮小して変速機全体の小型化を実現することの可能な手動変速機のシフト装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明による手動変速機のシフト装置は、入力軸と中間軸と後進用中間軸と出力軸とを互いに平行に配設し、上記入力軸と上記中間軸とに前進用ギヤ列を配列し、上記中間軸と上記出力軸とを中間ギヤ列を介して互いに連設し、上記中間軸に前進用低速側ギヤ列に連設する後進用駆動ギヤを設け、上記出力軸の上記後進用駆動ギヤに対応する位置に後進用従動ギヤを設け、上記後進用中間軸に上記後進用駆動ギヤと上記後進用従動ギヤとに噛合自在な後進用中間ギヤをスライド自在に設け、上記中間軸に上記前進用ギヤ列を構成する前進用従動ギヤを回動自在に配列すると共に該前進用従動ギヤと該中間軸とを係合させるシンクロメッシュ機構を配設し、上記シンクロメッシュ機構を動作させる少なくとも1つのシフトフォークを上記後進用中間軸に支持させたことを特徴とする。
【0011】
このような構成では、中間軸に対して近接した位置に配設することのできる後進用中間軸に、中間軸に配設されているシンクロメッシュ機構を動作させるシフトフォークを支持させることで、近接した位置でシンクロメッシュ機構を動作させることができるため、相対的にシフトフォークの剛性を高めることができる。又、後進用中間軸にシフトロッドとしての機能を兼用させたので、変速機ケース内のスペースが有効活用され、変速機全体の小型化を実現することができる。
【0012】
この場合、好ましくは、上記中間軸に複数のシンクロメッシュ機構が設けられており、上記後進用中間軸には該各シンクロメッシュ機構を動作させるシフトフォークが複数支持されていることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の一実施の形態を説明する。図1に前進6段後進1段の手動変速機の概略構成図を示す。
【0014】
手動変速機1の変速機ケース2には、図示しないエンジンのクランク軸に対してクラッチ装置3を介して接離自在に連設する入力軸4が配設されており、この入力軸4と平行に中間軸5、出力軸(以下「ドライブピニオン軸」と称する)6、及び後進用中間軸7が各々配設されている。又、ドライブピニオン軸6の出力端には、終減速ギヤ8に噛合するドライブピニオン6aが形成されている。
【0015】
この入力軸4と中間軸5(及び後進用中間軸7)とドライブピニオン軸6とに、前進6速後進1速のギヤ列が配列されている。
【0016】
すなわち、入力軸4には、1速、2速、及び5速、6速の各駆動ギヤ9a〜12aが一体回転自在に設けられており、又、中間軸5には1速駆動ギヤ9aに噛合する1速従動ギヤ9b、5速駆動ギヤ11aに噛合する5速従動ギヤ11b、6速駆動ギヤ12aに噛合する6速従動ギヤ12bが相対回転自在に軸支されていると共に、2速駆動ギヤ10aに噛合する2速従動ギヤ10b、4速駆動ギヤ13a、後進用駆動ギヤ15aを有するギヤ軸17が相対回動自在に軸支されている。
【0017】
又、中間軸5の出力端に中間駆動ギヤ18aが設けられ、この中間駆動ギヤ18aに噛合する中間従動ギヤ18bがドライブピニオン軸6の入力端に形成されている。尚、この中間駆動ギヤ18aと中間従動ギヤ18bとで中間ギヤ列が構成されている。
【0018】
更に、ドライブピニオン軸6には、2速従動ギヤ10bに噛合する3速従動ギヤ19、及び4速駆動ギヤ13aに噛合する4速従動ギヤ13bが相対回動自在に軸支されていると共に、後進用駆動ギヤ15aに対応する後進用従動ギヤ15bが一体回転自在に軸支されている。
【0019】
又、後進用中間軸7には、後進用駆動ギヤ15aと後進用従動ギヤ15bとに噛合自在な後進用中間ギヤ15cが、軸方向へ移動自在で且つ相対回転自在に支持されている。
【0020】
中間軸5の1速従動ギヤ9bと2速従動ギヤ10bとの間に、1−2速用シンクロメッシュ機構21が配設され、又、5速従動ギヤ11bと6速従動ギヤ12bとの間に、5−6速用シンクロメッシュ機構22が配設されている。
【0021】
又、図2に示すように、1−2速用シンクロメッシュ機構21を動作させる1−2シフトフォーク25、及び5−6速用シンクロメッシュ機構22を動作させる5−6シフトフォーク26の基準端部が、後進用中間軸7に回動且つ軸方向へスライド自在に支持されている。
【0022】
更に、ドライブピニオン軸6の3速従動ギヤ19と4速従動ギヤ13bとの間に、3−4速用シンクロメッシュ機構23が配設されている。又、この3−4速用シンクロメッシュ機構23を動作させる3−4シフトフォーク28の基準端部が、入力軸4と平行に配設されている3−4フォークロッド29に、回動且つ軸方向へスライド自在に支持されている。
【0023】
又、後進用中間ギヤ15cは後進用シフトフォーク30(図2参照)に連設されており、この後進用シフトフォーク30の基準端部が、入力軸4と平行に配設されている後進用フォークロッド31に回動且つ軸方向へスライド自在に支持されている。
【0024】
各シフトフォーク25,26,28,30は、基準端部から二股にアーム部25a,26a,28a,30aが円弧状に延出されており、この各アーム部25a,26a,28a,30aの先端の対向面にフォーク爪25b,26b,28b,30bが突設されている。このフォーク爪25b,26b,28b,30bは、シンクロメッシュ機構21,22,23を構成するシンクロナイザスリーブ(図示せず)の外周に形成された環状溝に係入して、このシンクロナイザスリーブを回転自在な状態で所定位置に保持する。
【0025】
更に、各シフトフォーク25,26,28,30の基準端部側には、シフタアーム(「シフトヘッド」とも称する)が各々形成されている。図3に、シフトフォークの代表として、後進用中間軸7に軸支されている1−2シフトフォーク25、及び5−6シフトフォーク26に形成されているシフタアーム25c,26cを示す。この各シフタアーム25c,26cに形成されている凹溝25d,26dが互いに重ねられて、コントロール軸32に軸着されているインターロックブロック33に係入されている。尚、このコントロール軸32には、3−4シフトフォーク28及び後進用シフトフォーク30のシフタアームに形成されている凹溝に係入するインターロックブロック34が固設されている。
【0026】
コントロール軸32は、車室内のセンターコンソール等に設けたシフト操作レバー(図示せず)に連設されており、このシフト操作レバーを通常のH型のシフトパターンに従い操作すると、コントロール軸32が回転及び進退動作し、コントロール軸32の回転動作により、インターロックブロック33,34が、各シフトフォーク25,26,28,30に選択的に係合し、次いで、コントロール軸32の進退動作によりインターロックブロック33、34に係合されたシフタアームを軸方向へ移動させて、各シフトフォーク25,26,28,30に連設するシンクロメッシュ機構21〜23、或いは後進用中間ギヤ15cを選択的に動作させ、各ギヤ列の回転により入力軸4に入力された駆動力を所定に変速したのち、ドライブピニオン軸6に伝達する。
【0027】
前進用ギヤ列の設定は、各シンクロメッシュ機構21〜23の選択的動作により行なわれ、1速従動ギヤ9b(或いは2速従動ギヤ10b、或いは5速従動ギヤ11b、或いは6速従動ギヤ12b)が中間軸5に係合されると、入力軸4の駆動力は、1速駆動ギヤ9a(或いは2速駆動ギヤ10a、或いは5速駆動ギヤ11a、或いは6速駆動ギヤ12a)→1速従動ギヤ9b(或いは2速従動ギヤ10b、或いは5速従動ギヤ11b、或いは6速従動ギヤ12b)→中間軸5→中間駆動ギヤ18a→中間従動ギヤ18bを経てドライブピニオン軸6に伝達される。
【0028】
又、3速従動ギヤ19がドライブピニオン軸6に係合されると、入力軸4の駆動力は、2速駆動ギヤ10a→2速従動ギヤ10b→3速従動ギヤ19を経てドライブピニオン軸6に伝達される。
【0029】
更に、4速従動ギヤ13bがドライブピニオン軸6に係合されると、入力軸4の駆動力は、2速駆動ギヤ10a→2速従動ギヤ10b→ギヤ軸17→4速駆動ギヤ13a→4速従動ギヤ13bを経てドライブピニオン軸6に伝達される。
【0030】
一方、後進用ギヤ列の設定は、後進用中間ギヤ15cを後進用駆動ギヤ15aと後進用従動ギヤ15bとの間に噛合させることで行なわれる。このとき、入力軸4の駆動力は、2速駆動ギヤ10a→2速従動ギヤ10b→ギヤ軸17→後進用駆動ギヤ15a→後進用中間ギヤ15c→後進用従動ギヤ15bを経て、逆転された状態でドライブピニオン軸6に伝達される。
【0031】
このような構成による手動変速機のシフト装置では、後進用中間ギヤ15cが後進用駆動ギヤ15aと後進用従動ギヤ15bとに噛合する位置に配設されており、この後進用駆動ギヤ15aは、5速従動ギヤ11bと6速従動ギヤ12bとを支持する中間軸5に支持されているため、後進用中間ギヤ15cを支持する後進用中間軸7は中間軸5に比較的近接した位置に配設されている。
【0032】
そのため、この後進用中間軸7に、1−2シフトフォーク25と5−6シフトフォーク26とを支持させることで、この両シフトフォーク25,26のアーム部25a,26aを長く延ばすことなく、中間軸5に配設されているシンクロメッシュ機21,22を支持することが可能となり、相対的に両シフトフォーク25,26の剛性を高めることができる。
【0033】
又、後進用中間軸7に、両シフトフォーク25,26を支持するシフトロッドとしての機能を兼用させたので、この両シフトフォーク25,26を支持するシフトロッドを特別に設ける必要がなくなり、部品点数の削減による製品コストの低減、及び変速機ケース2内のスペースの有効活用により、変速機全体の小型化を実現することができる。
【0034】
更に、後進用中間軸7に支持されている後進用中間ギヤ15cは、2速従動ギヤ10bの駆動力を後進用従動ギヤ15bへ伝達するだけであり、後進用中間軸7には大きな荷重が印加されないため、両シフトフォーク25,26を支持したとしても、軸径を太くする等の剛性アップを図る必要がないので、構造の簡素化を実現することができるばかりでなく、設計を大幅に変更する必要がないので、既存の設備を利用して製造組立てを行なうことができ、設備費を削減することができる。
【0035】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、後進用中間軸にフォークロッドを支持させてシフトロッドとしての機能を兼用させるようにしたので、このシフトフォークをシンクロメッシュ機構に対して近接する位置に配設することが可能となり、相対的にシフトフォークの剛性を高めることができるばかりでなく、変速機ケース内のスペースを有効活用して変速機全体の小型化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】前進6段後進1段の手動変速機の概略構成図
【図2】手動変速機の軸配列とシフトフォークとの関係を示す説明図
【図3】シフトフォークとインターロックブロックとの関係を示す斜視図
【符号の説明】
4 入力軸
5 中間軸
7 後進用中間軸
6 出力軸
9a 1速駆動ギヤ
9b 1速従動ギヤ
10a,10b,11a,11b,12a 前進用ギヤ列
15a 後進用駆動ギヤ
15b 後進用従動ギヤ
15c 後進用中間ギヤ
18a,18b 中間ギヤ列
21,22 シンクロメッシュ機構
25,26 シフトフォーク
Claims (2)
- 入力軸と中間軸と後進用中間軸と出力軸とを互いに平行に配設し、
上記入力軸と上記中間軸とに前進用ギヤ列を配列し、
上記中間軸と上記出力軸とを中間ギヤ列を介して互いに連設し、
上記中間軸に前進用低速側ギヤ列に連設する後進用駆動ギヤを設け、
上記出力軸の上記後進用駆動ギヤに対応する位置に後進用従動ギヤを設け、
上記後進用中間軸に上記後進用駆動ギヤと上記後進用従動ギヤとに噛合自在な後進用中間ギヤをスライド自在に設け、
上記中間軸に上記前進用ギヤ列を構成する前進用従動ギヤを回動自在に配列すると共に該前進用従動ギヤと該中間軸とを係合させるシンクロメッシュ機構を配設し、
上記シンクロメッシュ機構を動作させる少なくとも1つのシフトフォークを上記後進用中間軸に支持させたことを特徴とする手動変速機のシフト装置。 - 上記中間軸に複数のシンクロメッシュ機構が設けられており、上記後進用中間軸には該各シンクロメッシュ機構を動作させるシフトフォークが複数支持されていることを特徴とする請求項1記載の手動変速機のシフト装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002364150A JP2004197776A (ja) | 2002-12-16 | 2002-12-16 | 手動変速機のシフト装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002364150A JP2004197776A (ja) | 2002-12-16 | 2002-12-16 | 手動変速機のシフト装置 |
Publications (1)
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JP2004197776A true JP2004197776A (ja) | 2004-07-15 |
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ID=32762102
Family Applications (1)
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JP2002364150A Pending JP2004197776A (ja) | 2002-12-16 | 2002-12-16 | 手動変速機のシフト装置 |
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JP (1) | JP2004197776A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013194898A (ja) * | 2012-03-22 | 2013-09-30 | Fuji Heavy Ind Ltd | 手動変速機のシフト構造 |
US20150308567A1 (en) * | 2014-04-28 | 2015-10-29 | Deere & Company | Gear shifter arrangement |
-
2002
- 2002-12-16 JP JP2002364150A patent/JP2004197776A/ja active Pending
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CN105020350A (zh) * | 2014-04-28 | 2015-11-04 | 迪尔公司 | 齿轮换挡装置 |
CN105020350B (zh) * | 2014-04-28 | 2020-02-14 | 迪尔公司 | 齿轮换挡装置 |
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