JP2004196906A - 乳酸系ポリマー組成物及びその加工品 - Google Patents

乳酸系ポリマー組成物及びその加工品 Download PDF

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Abstract

【課題】適当な添加剤を用いることにより、生分解性とともに、柔軟性、密着性、加工安定性、耐熱性、透明性および実用強度を有した、乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂を主体とする樹脂組成物及びその成型加工品を提供すること。
【解決手段】結晶融点が110〜230℃の乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂を主体とする樹脂(A)と添加剤(B)からなる樹脂組成物(C)であって、添加剤(B)の含有割合が0.5〜30重量%であり、添加剤(B)の主成分がリンゴ酸の飽和エステル化合物から選ばれる少なくとも一種であり、該リンゴ酸の飽和エステル化合物において、リンゴ酸中の1つのアルコール基とエステル結合を構成する酸成分が炭素数2以上22以下の飽和脂肪酸であり、且つ2つのカルボキシル基とエステル結合を構成するアルコール成分がそれぞれ炭素数1以上18以下の脂肪族飽和一価アルコールであり、且つ上記の3つのエステル基を構成する該脂肪酸と該アルコールの炭素数の合計が4以上26以下であることを特徴とする乳酸系ポリマー組成物およびその成型加工品。
【選択図】 なし。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は生分解性樹脂組成物およびこれらの組成物からなる成型加工品に関するものである。特にその用途を限定しないが、詳しくは優れた生分解性とともに柔軟性、加工安定性、実用強度、耐熱性を有した包装材料、医療用材料、その他生活用品・工業用品等に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、家庭や工場から廃棄されるプラスチックの増大が大きな社会問題となっている。従来より高分子材料の多くは長期にわたって安定であることを目的に作られてきたので、これらは自然環境の中では容易には分解されず、人手による処理が必須である。
現状の廃棄物処理は焼却処分や埋設処分であるが、不要となったプラスチック廃棄物の量はこれを処理する側の能力をはるかに超え、いかに処分すべきかとの問題を引き起こしている。また一部使用者の心無い行為によりルールを無視して廃棄されたプラスチックは自然の景観を損ない、海洋生物の生活環境を汚染するなどの問題も引き起こしている。
【0003】
このような状況の中、加水分解・微生物分解等で崩壊する生分解性高分子が環境に負荷を与えない高分子材料として注目を集め、研究開発が多数行われている。
中でも透明性、耐熱性、安全性が優れている上、近年、原料が大量かつ安価に製造されるようになってきたポリ乳酸が注目され、様々な応用がなされている。しかしながらポリ乳酸をはじめとしたポリ乳酸系樹脂は剛直で脆いため、しなやかさが求められる材料としては使い勝手が悪く、そのような用途における利用が限定されている。そこでこれを可塑化して柔軟性を与え、適当な伸び、適当な弾性率を発現させてポリオレフィンのように使い勝手を良くする工夫が種々なされている。
【0004】
例えば、下記特許文献1には、分解性ポリマー組成物に対する改質剤として、アセチルトリブチルシトレート(アセチルクエン酸トリブチル)、ラクチド、グリコリド、乳酸エステル、アジピン酸ジメチル、アジピン酸ジメチル、アジピン酸ジエチル、カプロラクトン、アセチルトリエチルシトレート(アセチルクエン酸トリエチル)等を使用する技術が開示されている。
乳酸系ポリマーに対する可塑剤としては、下記特許文献2には、アセチルクエン酸トリブチル、グリセリントリアセテート、グリセリントリプロピオネート等を使用する技術が開示されている。また、下記非特許文献1には、アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、クエン酸トリエチルを使用する技術が開示されている。さらに、下記特許文献3にはエチルフタリルエチルグリコレート、トリエチレングリコールジアセテート、ジエチルフタレート、アデカサイザーRS1000(旭電化工業株式会社製、エーテルエステル誘導体)、トリアセチンを使用する技術が、下記特許文献4にはアセチルリシノール酸エステルを1〜50重量部含有させる技術が、下記特許文献5にはグリセリンジアセトモノカプリレートを使用する技術が、下記特許文献6にはジグリセロールテトラアセテート等のジグリセロール酢酸エステルを使用する技術が開示されている。しかしながらこれらの可塑剤は、可塑化能、耐加水分解性、ブリードアウト性、安全性等においてその性能は一長一短であった。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−501584号公報
【特許文献2】
特開平8−034913号公報
【特許文献3】
特開平11−323113号公報
【特許文献4】
特開平12−72961号公報
【特許文献5】
特開平14−60604号公報
【特許文献6】
特開平14―80703号公報
【非特許文献1】
L. V. Labrecque, R. A. Kumar, V. Dave, R. A.Gross, S. P. Mccarthy、「Citrate Esters as Plasticizers for Poly(lacticacid)」、(米国)、John Wiley & Sons, Inc.、Journal of Applied Polymer Science、1997年、Vol.66, p.1507-1513
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、適当な添加剤を用いることにより、生分解性とともに、柔軟性、密着性、加工安定性、耐熱性、透明性および実用強度を有した乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂を主体とする樹脂組成物及びその成型加工品を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、以下の通りである。
(1)結晶融点が110〜230℃の乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂を主体とする樹脂(A)と添加剤(B)からなる樹脂組成物(C)であって、添加剤(B)の含有割合が0.5〜30重量%であり、添加剤(B)の主成分がリンゴ酸の飽和エステル化合物から選ばれる少なくとも一種であり、該リンゴ酸の飽和エステル化合物において、リンゴ酸中の1つのアルコール基とエステル結合を構成する酸成分が炭素数2以上22以下の飽和脂肪酸であり、且つ2つのカルボキシル基とエステル結合を構成するアルコール成分がそれぞれ炭素数1以上18以下の脂肪族飽和一価アルコールであり、且つ上記の3つのエステル基を構成する該脂肪酸と該アルコールの炭素数の合計が4以上26以下であることを特徴とする乳酸系ポリマー組成物。
【0008】
(2)乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂が、乳酸由来よりなる単位を主体とし、他に共重合成分として、グリコール酸誘導体、2−ヒドロキシ−2,2−ジアルキル酢酸、3−ヒドロキシ−2,2−ジアルキルプロピオン酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ吉草酸、3−ヒドロキシカプロン酸、ε−カプロラクトンの単量体群から選択される単量体由来の単位を少なくとも一種含むことを特徴とする前記(1)に記載の乳酸系ポリマー組成物。
【0009】
(3)乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂が、乳酸由来以外の共重合成分を1〜45モル%含んでいることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の乳酸系ポリマー組成物。
(4)乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂を主体とする樹脂(A)が、混合樹脂として乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂以外の他の脂肪族ポリエステル系樹脂(D)、その他の熱可塑性樹脂(E)から選択される少なくとも一種の樹脂を1〜45重量%含むことを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の乳酸系ポリマー組成物。
【0010】
(5)添加剤(B)のリンゴ酸の飽和エステル化合物が、リンゴ酸中の1つのアルコール基とエステル結合を構成する酸成分が炭素数2以上18以下の飽和脂肪酸であり、且つ2つのカルボキシル基とエステル結合を構成するアルコール成分がそれぞれ炭素数1以上12以下の脂肪族飽和一価アルコールであり、且つ上記の3つのエステル基を構成する該脂肪酸と該アルコールの炭素数の合計が4以上21以下であることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の乳酸系ポリマー組成物。
【0011】
(6)添加剤(B)のリンゴ酸の飽和エステル化合物が、リンゴ酸中の1つのアルコール基とエステル結合を構成する酸成分が炭素数2以上12以下の飽和脂肪酸であり、且つ2つのカルボキシル基とエステル結合を構成するアルコール成分がそれぞれ炭素数1以上12以下の脂肪族飽和一価アルコールであり、且つ上記の3つのエステル基を構成する該脂肪酸と該アルコールの炭素数の合計が6以上18以下であることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載の乳酸系ポリマー組成物。
【0012】
(7)前記(1)〜(6)のいずれかに記載の乳酸系ポリマー組成物が、シート、フィルムまたはボトル状に加工されたものであることを特徴とする成型加工品。
(8)シートまたはフィルムが、延伸加工されていることを特徴とする前記(7)に記載の成型加工品。
(9)シートまたはフィルムが、その2%引張弾性率で0.1〜200kg/mm2であることを特徴とする前記(7)または(8)に記載の成型加工品。
(10)シートまたはフィルムが、その垂直剥離密着力で0.01〜1000g/cm2であることを特徴とする前記(7)〜(9)のいずれかに記載の成型加工品。
【0013】
本発明における、結晶融点が110〜230℃の乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂は、乳酸、乳酸のオリゴマーの直接重合体、乳酸メチルなどの乳酸エステルの重縮合体、ラクタイドの開環重合体、および乳酸、乳酸のオリゴマー、乳酸エステル、ラクタイド等とその他の単量体との共重合体等であり、共重合成分で光学異性体の存するものはそのD体、L体、DL(ラセミ)体、メソ体等が含まれる。ここで共重合とは、ランダム状、ブロック状、両者の自由な混合構造をも含む。また、D体主体のポリマーとL体主体のポリマーの混合体のステレオコンプレックス体も含むものとする。
【0014】
共重合する他の単量体としては、以下のものが挙げられる。
共重合する他の単量体のうち、脂肪族ヒドロキシカルボン酸類としては、例えば、グリコール酸誘導体、2−ヒドロキシ−2−モノアルキル酢酸、2−ヒドロキシ−2,2−ジアルキル酢酸、3−ヒドロキシ−2,2−ジアルキルプロピオン酸、3−ヒドロキシ−3−モノアルキルプロピオン酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ−4−モノアルキル酪酸、5−ヒドロキシ吉草酸、3−ヒドロキシ−2−モノアルキルプロピオン酸、4−ヒドロキシ−2−モノアルキル酪酸、4−ヒドロキシ−3−モノアルキル酪酸、3−ヒドロキシ−3,3−ジアルキルプロピオン酸、6−ヒドロキシカプロン酸、3−ヒドロキシ−2−モノアルキル吉草酸、4−ヒドロキシ−2−モノアルキル吉草酸、5−ヒドロキシ−2−モノアルキル吉草酸、5−ヒドロキシ−5−モノアルキル吉草酸、
2−ヒドロキシ−3,3−ジアルキルプロピオン酸、4−ヒドロキシ−3,4−ジアルキル酪酸、5−ヒドロキシ−3−モノアルキル吉草酸、4−ヒドロキシ−4,4−ジアルキル酪酸、5−ヒドロキシ−4−モノアルキル吉草酸、3−ヒドロキシ−2,2,3−トリアルキルプロピオン酸、4−ヒドロキシ−2,2−ジアルキル酪酸、4−ヒドロキシ−3,3−ジアルキル酪酸、3−ヒドロキシ−2,3,3−トリアルキルプロピオン酸、4−ヒドロキシ−2,3−ジアルキル酪酸、又は3−ヒドロキシアルカノエートで代表される3−ヒドロキシブチレート、3−ヒドロキシバリレート、3−ヒドロキシヘキサノエート、3−ヒドロキシオクタノエート、3−ヒドロキシデカノエート、3−ヒドロキシオクタデカノエート等が挙げられる。
【0015】
但し、脂肪族ヒドロキシカルボン酸類に環状二量体、光学異性体(D体、L体、DL体、メソ体)が存在する場合には、それらも含める。
共重合する他の単量体としては、これらの脂肪族ヒドロキシカルボン酸類から選ばれる1種または2種以上を用いることができる。又、これらのエステル類を原料として使用し、共重合しても良い。
また、ラクトン類も共重合する他の単量体として用いることができる。ラクトン類としては、例えば、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、β−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン等が挙げられる。単量体としては、これらのラクトン類から選ばれる1種または2種以上を用いることができる。
【0016】
同様に共重合する他の単量体として、以下のアルコール成分、酸成分も用いることができる。アルコール成分としての脂肪族多価アルコール類としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、その他のポリエチレングリコール類、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、その他のポリプロピレングリコール類、1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、カーボネート結合を有するジオール類などが挙げられ、エチレンオキシドやプロピレンオキシド等を含む物も使用することが可能である。単量体としては、これらの脂肪族多価アルコール類から選ばれる1種または2種以上を用いることができる。
【0017】
又共重合する他の単量体のうち、酸成分としての脂肪族多価カルボン酸類としては、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、2,2−ジメチルグルタル酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,2−シクロペンタンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ジグリコール酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、及びこれらのエステル誘導体、酸無水物等を使用することが可能である。単量体としては、これらの脂肪族多価カルボン酸類から選ばれる1種または2種以上を用いることができる。
【0018】
なお、乳酸由来とは、乳酸(D体、L体、DL体)、ラクタイド、乳酸のオリゴマー、乳酸エステル等の乳酸誘導体、などの成分であると定義する。
共重合する場合の好ましい組み合わせ例として、乳酸を主原料にして、グリコール酸と共重合したもの、又は2−ヒドロキシ−2,2−ジアルキル酢酸、3−ヒドロキシ−2,2−ジアルキルプロピオン酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ吉草酸、3−ヒドロキシカプロン酸、ポリエチレングリコール、ε−カプロラクトン等から選ばれる少なくとも1成分と共重合したもの(但し、いずれも前述のランダム状、ブロック状、その他をも含む)等が挙げられるし、又、これらのエステルを原料として重縮合しても良い。
【0019】
共重合する他の単量体の比率は、対象成分同士によって多少異なるが、可塑化効果と柔軟性、生分解性の制御、耐熱性の発現の観点から、共重合する他の単量体の合計で表して好ましくは1〜45モル%、より好ましくは3〜40モル%、さらに好ましくは5〜35モル%である。
本発明の乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂を主体とする樹脂(A)は、他に乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂以外の脂肪族ポリエステル系樹脂(D)、その他の熱可塑性樹脂(E)のうち少なくとも一種の樹脂を混合して用いても構わない。本発明において、乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂を主体とする樹脂(A)とは、乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂を50重量%以上含有する樹脂を言う。
【0020】
これら樹脂の混合する場合の比率は、対象成分同士によって多少異なるが、一般には混合する該樹脂(D)および該樹脂(E)の合計で表して1〜45重量%、好ましくは2〜40重量%、より好ましくは3〜30重量%程度である。
該乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂以外の脂肪族ポリエステル系樹脂(D)としては、具体的にはグリコール酸、2−ヒドロキシ−2,2−ジアルキル酢酸、3−ヒドロキシ−2,2−ジアルキルプロピオン酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ吉草酸、3−ヒドロキシカプロン酸、ε−カプロラクトン等から選択される少なくとも一種の単量体単位(又はこれらのエステル単位)を50モル%以上含む重合体、及びこれらの共重合体、これらの光学異性体、これらに乳酸を50モル%未満含む共重合体、又は乳酸を50モル%以上含むものでも本発明以外の融点や結晶化度を有する共重合体や融点を持たない非晶質の共重合体(乳酸の光学異性体同士で共重合したものも含む)、更には前述の共重合成分からなる樹脂等が挙げられる(光学異性体は通常結晶構造に影響を与えるので別の単量体として換算する事とする)。
【0021】
また他には、バイオ技術等により菌により産出させたポリ3−ヒドロキシアルカノエートとして代表される、例えばポリ3−ヒドロシキブチラートもしくは、3−ヒドロシキブチラートに、3−ヒドロキシバリレート、3−ヒドロキシヘキサノエート、3−ヒドロキシオクタノエート、3−ヒドロキシデカノエート、3−ヒドロキシオクタデカノエート等のうち少なくとも一種を共重合させたもの等がある。
【0022】
また他には、ポリエチレンサクシネート(日本触媒製ルナーレSE(商品名)等)、ポリブチレンサクシネート(昭和高分子製ビオノーレ#1000シリーズ(商品名)等)、ポリカプロラクトン(ダイセル化学工業社製セルグリーンPH(商品名)、Dow社製TONE(商品名)等)、ポリ(ブチレンサクシネート/アジペート)(昭和高分子製ビオノーレ#3000シリーズ(商品名)等)、ポリ(ブチレンサクシネート/カーボネート)(三菱ガス化学社製ユーペック(商品名)等)などが挙げられる。
【0023】
次に、その他の熱可塑性樹脂(E)としては、ポリオレフィン系樹脂、芳香族系単量体を含む通常のポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレン−ビニルアルコール系共重合樹脂、α−オレフィン(エチレン、他)−スチレン共重合体樹脂(又は同水添樹脂含む)、α−オレフィン−一酸化炭素共重合樹脂(同水添樹脂含む)、エチレン−脂環族炭化水素共重合樹脂(同水添樹脂含む)、スチレン−ブタジエン又はイソプレン共重合樹脂(同水添樹脂含む)、石油樹脂(同水添樹脂含む)、天然樹脂(同水添樹脂含む)、原料を天然品として重合した樹脂(同水添樹脂含む)等が挙げられる。
【0024】
また他には、ポリビニルアルコール(クラレ社製ポバール(商品名)等)、澱粉を複合した生分解性樹脂(Novamont社製Mater−Bi(商品名)、アイセロ化学社製ドロンCC(商品名)、日本コーンスターチ社製Evercorn(商品名)等)、酢酸セルロース(ダイセル化学工業社製セルグリーンPCA(商品名)等)、1,4ブタンジオールとアジピン酸とテレフタル酸の共重合体(BASF社製Ecoflex(商品名)等)、エチレングリコールと琥珀酸とテレフタル酸の共重合体(Du Pont社製Biomax(商品名)等)、ポリ(テトラメチレンアジペート/テレフタレート)(Eastman Chemicals社製EastarBio(商品名)等)などが挙げられる。
【0025】
これら該樹脂(D)および該樹脂(E)は、柔軟性や密着性の観点から、該樹脂(A)の主体成分である乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂より、ガラス転移温度(以下、Tgと略する。後述の示差走査熱量測定(以下DSC法と略)に準じて測定)が低いものが好ましく、より好ましくはTgが−70〜30℃のもの、さらに好ましくはTgが−60〜20℃のものである。
本発明の乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂の重合度は、重量平均分子量(Mw)(但し測定はASTM−D3536に準拠してゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより行い、標準ポリメチルメタクリレート換算にて分子量を算出)で、好ましくは20,000〜1,000,000程度の範囲であり、より好ましくは50,000〜800,000、さらに好ましくは70,000〜700,000である。
【0026】
これらの下限は強度、加工時の適正な熔融粘度(加工安定性)、耐熱性等より制限され、上限は添加剤との馴染みの度合い及び加工性により制限される。
本発明における樹脂(A)は、結晶融点(後述のDSC法に準じて測定)が110〜230℃の乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂を主体としている。該樹脂(A)の結晶融点が110℃未満であると、耐熱性が必要な用途の場合、耐熱性が不足し、また230℃を超えると分解温度が近くなり、分子量低下等による押出成形性の不安定化や着色が起こり易くなるため好ましくない。同じ理由でこれらの範囲は、より好ましくは130〜220℃であり、更に好ましくは140〜210℃である。
【0027】
上記乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂の分子構造は、重合の反応条件や触媒系などによりある程度自由に制御できるが、上述及び下述の範囲内であれば、各種の構造(例えばブロック構造やランダム構造、分岐を有する構造、架橋を有する構造)も含むものとする。
更に上記乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂の結晶化度(後述のDSC法に準じて測定)の範囲は、一般に1%以上であり、好ましくは3〜70%程度であり、より好ましくは4〜70%である。また、特に耐熱性を要求する用途では、好ましくは5〜70%、より好ましくは10〜70%である。
【0028】
これらの下限は耐熱性、寸法安定性等より制限され、上限は添加剤との馴染みにより制限される。但し、組成物および樹脂自体については、加工条件および添加剤等の影響により結晶化度が低くなったとしても、そのまま使用できる場合は当然のこと、使用時に適度に結晶化し、実用上有効に耐熱性を発現する場合があるので、結晶化度はここに定めた範囲を超えていてもかまわない。
本発明で使用する添加剤(B)は、樹脂(A)を可塑化し柔軟性や密着性を付与すると共に、加工性を向上させるために必要なものである。また、廃棄後のコンポスト処理を容易にする効果も有する。
【0029】
該添加剤(B)の主成分は、特定のリンゴ酸の飽和エステル化合物である。この特定のリンゴ酸の飽和エステル化合物とは、リンゴ酸中の1つのアルコール基とエステル結合を構成する酸成分が炭素数2以上22以下の飽和脂肪酸であり、且つ2つのカルボキシル基とエステル結合を構成するアルコール成分がそれぞれ炭素数1以上18以下の脂肪族飽和一価アルコールであり、且つ上記の3つのエステル基を構成する該脂肪酸と該アルコールの炭素数の合計が4以上26以下であることを特徴とする化合物である。該リンゴ酸の飽和エステル化合物は、1種使用することも、2種以上混合して使用することもできる。
【0030】
本発明は、乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂を主体とする樹脂(A)が、リンゴ酸の飽和エステル化合物により可塑化されることを本発明者らが見出したことによるものであるが、該リンゴ酸の飽和エステル化合物のエステル基を構成する脂肪酸もしくはアルコールの全炭素数の合計が大きくなりすぎると、該樹脂(A)との相溶性が悪化し、可塑化が進みにくくなる。一方で該炭素数が少なすぎると、加工成形時の加熱処理や長期保存の際に該樹脂組成物(C)から該添加剤(B)が揮発し易くなり、可塑化の効果が低下してしまう。
【0031】
また、ラップ等で密着性を重視する場合は、上記両者の混合体、つまり炭素数の長いものと短いものの両者を同時に含むものが表面へのブリードアウトの面で都合のよい場合がある。また、粘度の異なるものを2種類以上混合して使用すると好ましい場合も多い。添加剤は、これらの点を考慮して選定する必要がある。
以上の理由により、添加剤(B)のリンゴ酸の飽和エステル化合物としては、好ましくは、リンゴ酸中の1つのアルコール基とエステル結合を構成する酸成分が炭素数2以上18以下の飽和脂肪酸であり、且つ2つのカルボキシル基とエステル結合を構成するアルコール成分がそれぞれ炭素数1以上12以下の脂肪族飽和一価アルコールであり、且つ上記の3つのエステル基を構成する該脂肪酸と該アルコールの炭素数の合計が4以上21以下であることを特徴とする化合物であり、より好ましくは、リンゴ酸中の1つのアルコール基とエステル結合を構成する酸成分が炭素数2以上12以下の飽和脂肪酸であり、且つ2つのカルボキシル基とエステル結合を構成するアルコール成分がそれぞれ炭素数1以上12以下の脂肪族飽和一価アルコールであり、且つ上記の3つのエステル基を構成する該脂肪酸と該アルコールの炭素数の合計が6以上18以下であることを特徴とする化合物である。
【0032】
該リンゴ酸の飽和エステル化合物としては、例えば、アセチルリンゴ酸ジメチル、アセチルリンゴ酸ジエチル、アセチルリンゴ酸ジプロピル、アセチルリンゴ酸ジブチル、アセチルリンゴ酸ジヘキシル、アセチルリンゴ酸ジオクチル、アセチルリンゴ酸モノエチルモノブチル、アセチルリンゴ酸モノエチルモノヘキシル、アセチルリンゴ酸モノエチルモノオクチル、アセチルリンゴ酸モノエチルモノラウリル、アセチルリンゴ酸ジラウリル、ブチリルリンゴ酸モノブチルモノラウリル、アセチルリンゴ酸モノエチルモノオクタデシル、プロピオニルリンゴ酸ジエチル、ブチリルリンゴ酸ジエチル、バレリルリンゴ酸ジエチル、カプロイルリンゴ酸ジエチル、カプリリルリンゴ酸ジエチル、カプリルリンゴ酸ジエチル、ラウロイルリンゴ酸ジエチルなどが挙げられる。
【0033】
但し、これらのアルキル基には、例えば、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチルなどのような異性体も含むものとする。
なお、該リンゴ酸の飽和エステル化合物の名称は、リンゴ酸のアルコール基とエステル結合を構成する酸成分を前に、リンゴ酸のカルボキシル基とエステル結合を構成するアルコール成分を後ろの順に記述する。
該樹脂組成物(C)中の該添加剤(B)の含有割合は、0.5〜30重量%の範囲であり、好ましい範囲は3〜27重量%であり、より好ましくは5〜25重量%である。これらの下限は該樹脂組成物(C)の柔軟性不足、成形加工性により制限され、上限は該樹脂組成物(C)の成形加工性や該樹脂組成物(C)から得られる成形加工品の寸法安定性、耐熱性、強度不足により制限される。
【0034】
また、該添加剤(B)は、主成分である上記のリンゴ酸の飽和エステル化合物の他に、グリセリンエステル、ポリグリセリンエステル、その他の単価アルコールもしくは多価アルコールとの脂肪族脂肪酸エステル、脂肪族ヒドロキシカルボン酸エステル、脂肪族多価カルボン酸エステル、エポキシ系可塑剤等のうち1種または2種以上を混合して使用しても構わない。また場合によっては、少量の添加剤がフィルムやシートの表面にブリードアウトすることで、可塑化効果と同時に密着性を付与する効果やブロッキングを防止する効果を発現し、用途により、好ましい場合がある。
【0035】
以下、これらの添加剤(B)に混合して使用できる成分を添加剤(F)という。添加剤(F)の具体例としては、グリセリンエステル又はジグリセリンエステル等のポリグリセリンエステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類であり、そのエステルの酸成分としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸、リグノセリン酸等の飽和脂肪酸や、オレイン酸等のノルマルモノ不飽和脂肪酸、リノール酸、リノレン酸等のジおよびトリ二重結合を有する脂肪酸から選ばれる少なくとも一種が挙げられる。
【0036】
又は、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコールおよびこれらの重縮合物と上記脂肪酸との自由なエステルである。
又は、グリコール酸、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸等の脂肪族ヒドロキシカルボン酸等の自由なエステルである(但し、リンゴ酸エステルの場合は、添加剤(B)の主成分である前述のリンゴ酸の飽和エステル化合物は除く)。
又は、多価カルボン酸としてマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等の自由なエステルである。又は、エポキシ化変性大豆油、エポキシ化変性亜麻仁油等である。
【0037】
これらの内、好ましいグリセリンエステル系では、エステルを構成する脂肪酸の全てが炭素数が2もしくは3の短鎖脂肪酸であるグリセリンエステルまたはポリグリセリンエステル、または分子中の全エステル基のうちの1つのエステルを構成する脂肪酸が炭素数が7〜12の中鎖脂肪酸であり、残りのエステルを構成する脂肪酸が炭素数が2もしくは3の短鎖脂肪酸であるグリセリンエステルまたはポリグリセリンエステルである。
【0038】
または、両者の混合物である。具体的には、トリアセチン、グリセリンジアセトモノプロピオネート、グリセリンジプロピオネートモノアセテート、グリセリンジアセトモノカプリレート、グリセリンジアセトモノカプレート、グリセリンジアセトモノラウレート、トリプロピオニン、ジグリセリンテトラアセテート、ジグリセリントリアセトモノカプリレート、ジグリセリントリアセトモノカプレート、ジグリセリントリアセトモノラウレート、トリグリセリンヘプタアセテート、テトラグリセリンヘキサアセテート等が挙げられる。
【0039】
また、好ましいリンゴ酸エステル系としては、アセチルリンゴ酸モノラウリルモノステアリル、アセチルリンゴ酸ジステアリル、又はこれらの混合エステル等が挙げられる。
また、好ましいクエン酸エステル系としては、クエン酸中の1つのアルコール基とエステル結合を構成する酸成分が炭素数2以上22以下の飽和脂肪酸であり、且つ3つのカルボキシル基とエステル結合を構成するアルコール成分がそれぞれ炭素数1以上18以下の脂肪族飽和一価アルコールであり、且つ上記の4つのエステル基を構成する該脂肪酸と該アルコールの炭素数の合計が5以上34以下であることを特徴とするクエン酸エステルが挙げられる。
【0040】
具体的には、アセチルクエン酸トリメチル、アセチルクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリプロピル、アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリヘキシル、アセチルクエン酸トリオクチル、アセチルクエン酸ジメチルモノブチル、アセチルクエン酸ジエチルモノブチル、アセチルクエン酸ジプロピルモノブチル、アセチルクエン酸モノメチルジブチル、アセチルクエン酸ジメチルモノヘキシル、アセチルクエン酸ジメチルモノオクチル、アセチルクエン酸ジメチルモノラウリル、アセチルクエン酸ジエチルモノラウリル、アセチルクエン酸モノエチルジラウリル、アセチルクエン酸モノエチルモノブチルモノラウリル、プロピオニルクエン酸ジメチルモノブチル、ブチリルクエン酸ジメチルモノエチル、バレリルクエン酸トリメチル、カプロイルクエン酸トリメチル、カプリリルクエン酸トリメチル、カプリルクエン酸トリメチル、ラウロイルクエン酸トリメチル等が挙げられる。また他には、アセチルクエン酸トリラウリル、アセチルクエン酸モノエチルジステアリル、プロピオニルクエン酸モノオクチルジラウリル、又はこれらの混合エステル等が挙げられる。また、その他に好ましい例としてはエポキシ化変性亜麻仁油、等が挙げられる。
【0041】
添加剤(F)を混合する場合、添加剤(F)の混合割合は、一般に添加剤(B)中の3〜90重量%である。
本発明の樹脂組成物(C)は、例えば、射出成形、押出成形、ブロー成形、カレンダ成形、真空成形、発泡成形、圧縮成形等の製法により、射出成形品、発泡体、連通気孔体、押出しシート、インフレフィルム、キャストフィルム、延伸フィルム等に加工して、例えば包装材、バイオ、医学用の用途(徐放材、培養材等)、その他生活用品・工業用品等に用いられる。
【0042】
ここで延伸加工とは、シートやフィルム等の成型加工品等を、好ましくはそのガラス転移温度(Tg)以上融点以下の温度で、少なくとも一軸方向に2倍以上引き伸ばす操作のことを言う。
本発明の樹脂組成物(C)の2%引張弾性率は、樹脂組成物(C)から作成したシートやフィルム等をサンプルとして用い、ASTM−D882に準拠して室温23℃、湿度50%の条件下で測定される2%伸張時の応力を100%に換算し、更に厚み換算した値の平均値(サンプル数=5)である。単位は(kg/mm2 )である。この2%引張弾性率の好ましい範囲は、一般に0.1〜200kg/mm2であり、より好ましい範囲は0.2〜170kg/mm2、更に好ましくは0.4〜120kg/mm2である。
【0043】
本発明の樹脂組成物(C)の流れ指数(Melt Flow Rate、以下MFRと略す。)はASTM−D1238に準拠して2160gの荷重下において190℃で測定される。但し、樹脂の融点が190℃を超える場合は、同条件において融点以上の温度を適宜設定しての値とする。得られた数値は10分間に押出された試料の質量(サンプル数=3の平均)であり、単位は(g/10分)である。MFRの好ましい範囲は0.01〜50g/10分、より好ましくは0.05〜40g/10分である。
【0044】
本発明の樹脂組成物(C)の垂直剥離密着力は、食器などの容器や食品にラップフィルムを被せたときのフィルム同士の密着性等を評価する指標であり、以下の通り測定した。
底面積が19.64cm2で質量が400gの円柱を2本用意し、これらの底面に、底面と面積が同一で厚さ2mmのバイトン製ゴムシートを予め貼り付けた。このゴムシートを貼り付けた2つの円柱の底面に、シートや延伸加工されたフィルムなどのサンプルを皺が入らないようにして固定した。そして、これらのサンプル面の相互がぴったり重なり合うように片方の円柱の上にもう一方の円柱を合わせた後、すぐに800gのおもりを載せて荷重し、1分間圧着した。
【0045】
その後おもりを取り外し、すぐに、重なり合わせた円柱に固定されたままのサンプル相互を、引張試験機にて5mm/分の速度で面に垂直な方向に引き離す。このとき要する単位面積当りの力の最大値を垂直剥離密着力(単位は、g/cm2)とした。測定は室温23℃、湿度50%の条件下で行った。試験回数は、10回行い、平均値を採用した。垂直剥離密着力の好ましい範囲は、0.01〜1000g/cm2、より好ましくは0.1〜500g/cm2、さらに好ましくは1〜300g/cm2である。
【0046】
これらの下限は密着性不足等により制限され、上限はフィルムやシートの剥がし難さやブロッキングの起こり易さ等により制限される。
本発明の原料樹脂の結晶融点は、充分最適条件でアニールさせ結晶を平衡化せしめ、JIS K7121に準じたDSC法により10℃/分の昇温速度で測定した主ピーク温度で表す。
本発明の原料樹脂のガラス転移温度(Tg)は、JIS K7121に準じたDSC法により10℃/分の昇温速度で測定して求められる。
【0047】
また本発明の原料樹脂の結晶化度は、簡易的に100%結晶の融解エネルギーにPLAの結晶融解エネルギー92.9J/g(出典:Polymer Handbook THIRD EDITION WILEY INTERSCIENCE)を用い、JIS K7122に準じたDSC法にて求めた原料樹脂の融解エネルギーとの相関を求めて決定する。
【0048】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例を用いて更に詳しく説明する。
ここで使用する乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂を主体とする樹脂(A)の詳細は以下の通りのものである。
A−1は、乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂で、L−ラクタイド98モル%にD−ラクタイドを2モル%共重合した樹脂(結晶融点172℃、結晶化度37%)である。
【0049】
A−2は、乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂で、L−乳酸92モル%に2−ヒドロキシイソ酪酸8モル%共重合した樹脂(結晶融点168℃、結晶化度28%)である。
A−3は、乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂で、L−乳酸93モル%にグリコール酸を7モル%共重合した樹脂(結晶融点174℃、結晶化度30%)である。
A−4は、乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂で、ポリ(L−ラクチド)とポリ(D−ラクチド)を1:1の割合でブレンドしステレオコンプレックスを形成したもの(結晶融点225℃、結晶化度25%)である。
【0050】
D−1は、ポリエチレンサクシネート(日本触媒社製ルナーレSE(商品名)、結晶融点100℃、Tg −11℃)である。
D−2は、ポリカプロラクトン(ダイセル化学工業社製セルグリーンPH(商品名)、結晶融点60℃、Tg −60℃)である。
E−1は、主成分が、ブタンジオール成分50モル%、テレフタル酸成分22.2モル%、アジピン酸成分27.8モル%からなる生分解性コポリエステル(BASF社製Ecoflex(商品名)、結晶融点110℃、Tg −30℃)である。
【0051】
ここに使用する添加剤は以下の通りである。
B−1は、アセチルリンゴ酸ジエチルである。
B−2は、アセチルリンゴ酸ジイソプロピルである。
B−3は、アセチルリンゴ酸モノエチルモノラウリルである。
B−4は、ブチリルリンゴ酸モノブチルモノラウリルである。
B−5は、アセチルリンゴ酸モノエチルモノオクタデシルである。
F−1は、アセチルリンゴ酸モノラウリルモノオクタデシルである。
F−2は、グリセリンモノカプレートである。
F−3は、グリセリンモノアセテートである。
F−4は、グリセリンジアセトモノカプリレートである。
【0052】
【実施例1〜10】
樹脂としてA−1〜4、D−1〜2、E−1と、添加剤としてB−1〜5、F−4を、表1に示す割合(なお、表1の添加剤量は樹脂組成物(C)中の割合である。表1の樹脂の混合割合は樹脂(A)中の割合である。)で、ニーダーを用いて窒素フロー下において190℃で15分間混練し、その樹脂組成物を210℃で厚み200μmにプレスし、その直後に水温15℃の水冷式冷却プレスで急冷プレスして、急冷シートを作成した。該シートの物性の測定結果を表1に示す(数値の単位は省略する)。
【0053】
実施例1〜10では、混練の際に樹脂と添加剤はすみやかに馴染み、相溶性が良好であることが確認された。また、該組成物を混練後に冷却した場合でも、添加剤が多量に掃き出されることはなく安定であった。
実施例1〜5、7では、添加剤としてB−1〜5のようにリンゴ酸中の1つのアルコール基とエステル結合を構成する酸成分が炭素数2以上22以下の飽和脂肪酸であり、且つ2つのカルボキシル基とエステル結合を構成するアルコール成分がそれぞれ炭素数1以上18以下の脂肪族飽和一価アルコールであり、且つ上記の3つのエステル基を構成する該脂肪酸と該アルコールの炭素数の合計が4以上26以下であることを特徴とする添加剤を用いると、2%引張弾性率が低く可塑化が十分に進行している上に、垂直剥離密着力は適度な大きさとなった。また更に、MFRがあまり上昇せず該組成物が分子量低下を起こし難くなっていることが見出された。
【0054】
また、実施例6では、添加剤(F)を混合しても、添加剤(B)の主成分であるリンゴ酸の飽和エステル化合物のみの場合と同様に、該樹脂(A)を可塑化し、かつ該組成物(C)の分子量低下を起こし難いことが確認された。
さらに、実施例6、7の該シートを30℃で1週間経過させたところ、表面に多少の添加剤をブリードアウトさせることができ、密着性の付与効果およびブロッキング防止効果を認めることができた。このように添加剤のブリードアウト性が制御できることは、樹脂組成物の密着性を制御できることになり好ましい。
【0055】
実施例8〜10のように、乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂を主体とする樹脂(A)として、乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂以外の脂肪族ポリエステル系樹脂(D)やその他の熱可塑性樹脂(E)を混合して用いても、2%引張弾性率が低く可塑化が十分に進行している上に、垂直剥離密着力は適度な大きさとなった。また更に、MFRがあまり上昇せず該組成物が分子量低下を起こし難くなっていることが見出された。
【0056】
また、これら実施例8〜10の樹脂組成物(C)の柔軟性および密着性は、該樹脂(D)や該樹脂(E)を混合しないものより向上した。このように、該樹脂(A)の主体成分である乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂よりもTgが低いD−1〜2、E−1のような樹脂を混合させることにより、樹脂組成物(C)の柔軟性や密着性を制御できる。これは、ラップ等の用途で、柔軟性や密着性を重視する場合は、特に好ましいと言える。
【0057】
【表1】
Figure 2004196906
【0058】
【実施例11】
実施例1の樹脂組成物の200μm急冷シートを、東洋精機社製二軸延伸装置を用い、50℃で縦方向4.0倍、横方向4.0倍に二軸延伸し延伸フィルムを作成した。その結果、該フィルムは適度な腰と密着性をもち、プラスチック製コップ等に張り付いて内容物をうまく包装することができた。該フィルムの2%引張弾性率は36kg/mm2、垂直剥離密着力は22g/cm2であった。また、陶器製茶碗に一度炊き上がった後に冷えてしまったご飯を入れ、該フィルムをかぶせて電子レンジで1分間加熱したところ、ご飯を適度に温かくすることができた。このとき該フィルムの外観、匂い、張り等は特に変化がなく、電子レンジ調理に使用できる耐熱性を有することを確認した。また、透明性の評価として、村上色彩技術研究所社製ヘーズ計HR−100を使用し、JIS K7105に準拠してヘーズを測定したところ、該フィルムのヘーズは1.1%であり、外観も透明で優れていた。
【0059】
【比較例1〜4】
樹脂としてA−1〜3と、添加剤としてF−1〜3を表2に示す割合もしくは下記の割合(なお、表2の添加剤量は樹脂組成物中の割合である)で、ニーダーを用いて窒素フロー下において190℃で15分間混練し、その樹脂組成物を210℃で厚み200μmにプレスし、その直後に水温15℃の水冷式冷却プレスで急冷プレスして、急冷シートを作成した。該シートの物性の測定結果を表2に示す(数値の単位は省略する)。
【0060】
F−1のように長いアルキル基を多く有し、分子中の炭素数の合計が大きい添加剤は、樹脂との相溶性が悪く、実施例1と同じ量を加えようとすると、樹脂と分離してしまい混合できなかった。また、比較例2のように、F−1を混合可能な範囲内で添加した場合は、弾性率が大きくなり十分な柔軟性を付与することが出来なかった。
また、F−2、F−3のように水酸基が分子内に存在する添加剤の場合は、可塑化は進むものの、加水分解やエステル交換反応等によるポリマーの分子崩壊が起こるために、MFRが増大して加工安定性が損なわれた。
【0061】
【表2】
Figure 2004196906
【0062】
【発明の効果】
本発明によれば、生分解性とともに、柔軟性、密着性、加工安定性、耐熱性、透明性および実用強度を有した、乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂を主体とする樹脂組成物及びその成型加工品を提供することができる。

Claims (10)

  1. 結晶融点が110〜230℃の乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂を主体とする樹脂(A)と添加剤(B)からなる樹脂組成物(C)であって、添加剤(B)の含有割合が0.5〜30重量%であり、添加剤(B)の主成分がリンゴ酸の飽和エステル化合物から選ばれる少なくとも一種であり、該リンゴ酸の飽和エステル化合物において、リンゴ酸中の1つのアルコール基とエステル結合を構成する酸成分が炭素数2以上22以下の飽和脂肪酸であり、且つ2つのカルボキシル基とエステル結合を構成するアルコール成分がそれぞれ炭素数1以上18以下の脂肪族飽和一価アルコールであり、且つ上記の3つのエステル基を構成する該脂肪酸と該アルコールの炭素数の合計が4以上26以下であることを特徴とする乳酸系ポリマー組成物。
  2. 乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂が、乳酸由来よりなる単位を主体とし、他に共重合成分として、グリコール酸誘導体、2−ヒドロキシ−2,2−ジアルキル酢酸、3−ヒドロキシ−2,2−ジアルキルプロピオン酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ吉草酸、3−ヒドロキシカプロン酸、ε−カプロラクトンの単量体群から選択される単量体由来の単位を少なくとも一種含むことを特徴とする請求項1に記載の乳酸系ポリマー組成物。
  3. 乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂が、乳酸由来以外の共重合成分を1〜45モル%含んでいることを特徴とする請求項1または2に記載の乳酸系ポリマー組成物。
  4. 乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂を主体とする樹脂(A)が、混合樹脂として乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂以外の他の脂肪族ポリエステル系樹脂(D)、その他の熱可塑性樹脂(E)から選択される少なくとも一種の樹脂を1〜45重量%含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の乳酸系ポリマー組成物。
  5. 添加剤(B)のリンゴ酸の飽和エステル化合物が、リンゴ酸中の1つのアルコール基とエステル結合を構成する酸成分が炭素数2以上18以下の飽和脂肪酸であり、且つ2つのカルボキシル基とエステル結合を構成するアルコール成分がそれぞれ炭素数1以上12以下の脂肪族飽和一価アルコールであり、且つ上記の3つのエステル基を構成する該脂肪酸と該アルコールの炭素数の合計が4以上21以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の乳酸系ポリマー組成物。
  6. 添加剤(B)のリンゴ酸の飽和エステル化合物が、リンゴ酸中の1つのアルコール基とエステル結合を構成する酸成分が炭素数2以上12以下の飽和脂肪酸であり、且つ2つのカルボキシル基とエステル結合を構成するアルコール成分がそれぞれ炭素数1以上12以下の脂肪族飽和一価アルコールであり、且つ上記の3つのエステル基を構成する該脂肪酸と該アルコールの炭素数の合計が6以上18以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の乳酸系ポリマー組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の乳酸系ポリマー組成物が、シート、フィルムまたはボトル状に加工されたものであることを特徴とする成型加工品。
  8. シートまたはフィルムが、延伸加工されていることを特徴とする請求項7に記載の成型加工品。
  9. シートまたはフィルムが、その2%引張弾性率で0.1〜200kg/mm2であることを特徴とする請求項7または8に記載の成型加工品。
  10. シートまたはフィルムが、その垂直剥離密着力で0.01〜1000g/cm2であることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の成型加工品。
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