JP2003138118A - 乳酸系樹脂組成物 - Google Patents
乳酸系樹脂組成物Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂を主成分と
し、生分解性とともに、柔軟性を持ちながら、かつ加工
安定性、耐熱性、場合によっては密着性を有した樹脂組
成物及びその成型加工品、好ましくはシート、フィルム
を提供する。 【解決手段】 結晶融点が120〜250℃、結晶化度
が3〜65%の乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂を主体と
する樹脂(A)に対し、添加剤(B)を0.5〜30w
t%含む樹脂組成物(C)において、添加剤(B)の主
成分がグリセリンの2〜4量体の飽和エステル化合物で
あり、該エステル基を構成する脂肪酸が全て炭素数が2
もしくは3の短鎖脂肪酸であるか、又は該短鎖脂肪酸と
1つの炭素数が7〜12の中鎖脂肪酸である該縮合体の
飽和エステル化合物から選ばれる少なくとも1種からな
ることを特徴とする該樹脂組成物及びこれらの成型品。
し、生分解性とともに、柔軟性を持ちながら、かつ加工
安定性、耐熱性、場合によっては密着性を有した樹脂組
成物及びその成型加工品、好ましくはシート、フィルム
を提供する。 【解決手段】 結晶融点が120〜250℃、結晶化度
が3〜65%の乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂を主体と
する樹脂(A)に対し、添加剤(B)を0.5〜30w
t%含む樹脂組成物(C)において、添加剤(B)の主
成分がグリセリンの2〜4量体の飽和エステル化合物で
あり、該エステル基を構成する脂肪酸が全て炭素数が2
もしくは3の短鎖脂肪酸であるか、又は該短鎖脂肪酸と
1つの炭素数が7〜12の中鎖脂肪酸である該縮合体の
飽和エステル化合物から選ばれる少なくとも1種からな
ることを特徴とする該樹脂組成物及びこれらの成型品。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は生分解性樹脂組成物
およびこれらの組成物からなる成型加工品に関するもの
である。
およびこれらの組成物からなる成型加工品に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、家庭や工場から廃棄されるプラス
チックが増大し、その廃棄をどのようにしていくかが大
きな社会問題となっている。従来より高分子材料の多く
は長期にわたって安定であることを目的に作られてきた
ので、これらは自然環境の中では容易には分解されず、
人手による焼却・埋設操作が必須である。しかし、不要
となったプラスチック廃棄物の量はこれを前記方法によ
り処分する側の能力をはるかに超え、いかに対処すべき
かとの問題を引き起こしている。また一部使用者の心無
い行為によりルールを無視して廃棄されたプラスチック
は自然の景観を損ない、海洋生物の生活環境を汚染する
などの問題も引き起こしている。
チックが増大し、その廃棄をどのようにしていくかが大
きな社会問題となっている。従来より高分子材料の多く
は長期にわたって安定であることを目的に作られてきた
ので、これらは自然環境の中では容易には分解されず、
人手による焼却・埋設操作が必須である。しかし、不要
となったプラスチック廃棄物の量はこれを前記方法によ
り処分する側の能力をはるかに超え、いかに対処すべき
かとの問題を引き起こしている。また一部使用者の心無
い行為によりルールを無視して廃棄されたプラスチック
は自然の景観を損ない、海洋生物の生活環境を汚染する
などの問題も引き起こしている。
【0003】このような状況の中、加水分解・微生物分
解等で崩壊する生分解性高分子が環境に負荷を与えない
高分子材料として注目を集め、研究開発が多数行われて
いる。中でも透明性、耐熱性、安全性が優れている上、
近年、モノマーが大量かつ安価に製造されるようになっ
てきたポリ乳酸が注目され、様々な応用がなされてい
る。しかしながらポリ乳酸をはじめとしたポリ乳酸系樹
脂は剛直で脆いため、しなやかさが求められる材料とし
ては使い勝手が悪く、そのような用途における利用がで
きないのが現状である。そこでこれを可塑化して柔軟性
を与え、適当な伸び、適当な弾性率を発現させてポリオ
レフィンのように使い勝手を良くする工夫が種々なされ
ている。例えば特開平8−034913号公報には、ポ
リ乳酸の可塑剤としてアセチルクエン酸トリブチル、グ
リセリントリアセテート、グリセリントリプロピオネー
ト等を混入させる技術が開示されている。
解等で崩壊する生分解性高分子が環境に負荷を与えない
高分子材料として注目を集め、研究開発が多数行われて
いる。中でも透明性、耐熱性、安全性が優れている上、
近年、モノマーが大量かつ安価に製造されるようになっ
てきたポリ乳酸が注目され、様々な応用がなされてい
る。しかしながらポリ乳酸をはじめとしたポリ乳酸系樹
脂は剛直で脆いため、しなやかさが求められる材料とし
ては使い勝手が悪く、そのような用途における利用がで
きないのが現状である。そこでこれを可塑化して柔軟性
を与え、適当な伸び、適当な弾性率を発現させてポリオ
レフィンのように使い勝手を良くする工夫が種々なされ
ている。例えば特開平8−034913号公報には、ポ
リ乳酸の可塑剤としてアセチルクエン酸トリブチル、グ
リセリントリアセテート、グリセリントリプロピオネー
ト等を混入させる技術が開示されている。
【0004】しかし、実施例にはアセチルクエン酸トリ
ブチルを用いた例しかなく、また柔軟性の指標となる弾
性率の記載がない。アセチルクエン酸トリブチルは添加
量に対する可塑化効果が十分とはいえないことが知られ
ており、柔軟性の改善は未だ不十分と考えられる。ま
た、特開平11−323113号公報にはポリ乳酸の可
塑剤としてエーテルエステル誘導体、グリセリン誘導
体、フタル酸誘導体、グリコール酸誘導体、クエン酸誘
導体、アジピン酸誘導体等を混入させる技術が開示され
ている。柔軟性の改善が進んだとしているが、実施例に
おける可塑剤の使用量は少なくとも30重量部であり、
耐熱性は保持し得なくなっていると考えられる。さらに
特開2000−72961号公報には、ポリ乳酸にアセ
チルリシノール酸エステルを1〜50重量部含有させる
技術が開示されている。しかし、弾性率のデータから柔
軟性は付与できているものの耐熱性は120℃までとさ
れている。
ブチルを用いた例しかなく、また柔軟性の指標となる弾
性率の記載がない。アセチルクエン酸トリブチルは添加
量に対する可塑化効果が十分とはいえないことが知られ
ており、柔軟性の改善は未だ不十分と考えられる。ま
た、特開平11−323113号公報にはポリ乳酸の可
塑剤としてエーテルエステル誘導体、グリセリン誘導
体、フタル酸誘導体、グリコール酸誘導体、クエン酸誘
導体、アジピン酸誘導体等を混入させる技術が開示され
ている。柔軟性の改善が進んだとしているが、実施例に
おける可塑剤の使用量は少なくとも30重量部であり、
耐熱性は保持し得なくなっていると考えられる。さらに
特開2000−72961号公報には、ポリ乳酸にアセ
チルリシノール酸エステルを1〜50重量部含有させる
技術が開示されている。しかし、弾性率のデータから柔
軟性は付与できているものの耐熱性は120℃までとさ
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、主成
分の乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂に特定の可塑剤を適
当量混在させることにより、生分解性、柔軟性を持ちな
がら、かつ加工安定性、耐熱性、場合によっては密着性
を有した従来にない特殊な樹脂組成物及びその成型加工
品、好ましくはシート、フィルムを提供することにあ
る。
分の乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂に特定の可塑剤を適
当量混在させることにより、生分解性、柔軟性を持ちな
がら、かつ加工安定性、耐熱性、場合によっては密着性
を有した従来にない特殊な樹脂組成物及びその成型加工
品、好ましくはシート、フィルムを提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、
(1)結晶融点が120〜250℃、結晶化度が3〜6
5%の乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂を主体とする樹脂
(A)に対し、添加剤(B)を0.5〜30wt%含む
樹脂組成物(C)であって、添加剤(B)の主成分が、
グリセリンの2〜4量体の飽和エステル化合物であり、
該飽和エステル化合物において、該エステル基を構成す
る脂肪酸の全てが炭素数が2もしくは3の短鎖脂肪酸で
ある該縮合体の飽和エステル化合物、および分子中の全
エステル基のうちの1つのエステル基を構成する脂肪酸
が炭素数が7〜12の中鎖脂肪酸であり、残りのエステ
ル基を構成する脂肪酸が炭素数が2もしくは3の短鎖脂
肪酸である該縮合体の飽和エステル化合物からなる群か
ら選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする乳酸
系樹脂組成物。
5%の乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂を主体とする樹脂
(A)に対し、添加剤(B)を0.5〜30wt%含む
樹脂組成物(C)であって、添加剤(B)の主成分が、
グリセリンの2〜4量体の飽和エステル化合物であり、
該飽和エステル化合物において、該エステル基を構成す
る脂肪酸の全てが炭素数が2もしくは3の短鎖脂肪酸で
ある該縮合体の飽和エステル化合物、および分子中の全
エステル基のうちの1つのエステル基を構成する脂肪酸
が炭素数が7〜12の中鎖脂肪酸であり、残りのエステ
ル基を構成する脂肪酸が炭素数が2もしくは3の短鎖脂
肪酸である該縮合体の飽和エステル化合物からなる群か
ら選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする乳酸
系樹脂組成物。
【0007】(2)乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂が、
乳酸由来以外の共重合する成分を3〜45モル%含んで
いることを特徴とする前記(1)に記載の乳酸系樹脂組
成物。 (3)乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂が、乳酸由来より
なる単位を有し、他に共重合成分として、グリコール酸
誘導体、2−ヒドロキシ−2,2−ジアルキル酢酸、3
−ヒドロキシ−2,2−ジアルキルプロピオン酸、3−
ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ
吉草酸、3−ヒドロキシカプロン酸、ε−カプロラクト
ンから選択される少なくとも一種の成分を含むことを特
徴とする前記(1)または(2)に記載の乳酸系樹脂組
成物。 (4)乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂を主体とする樹脂
(A)が、混合樹脂として乳酸系脂肪族ポリエステル樹
脂以外の他の脂肪族ポリエステル系樹脂(D)、その他
の熱可塑性樹脂(E)から選択される少なくとも一種の
樹脂を1〜45wt%含むことを特徴とする前記(1)
〜(3)のいずれかに記載の乳酸系樹脂組成物。
乳酸由来以外の共重合する成分を3〜45モル%含んで
いることを特徴とする前記(1)に記載の乳酸系樹脂組
成物。 (3)乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂が、乳酸由来より
なる単位を有し、他に共重合成分として、グリコール酸
誘導体、2−ヒドロキシ−2,2−ジアルキル酢酸、3
−ヒドロキシ−2,2−ジアルキルプロピオン酸、3−
ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ
吉草酸、3−ヒドロキシカプロン酸、ε−カプロラクト
ンから選択される少なくとも一種の成分を含むことを特
徴とする前記(1)または(2)に記載の乳酸系樹脂組
成物。 (4)乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂を主体とする樹脂
(A)が、混合樹脂として乳酸系脂肪族ポリエステル樹
脂以外の他の脂肪族ポリエステル系樹脂(D)、その他
の熱可塑性樹脂(E)から選択される少なくとも一種の
樹脂を1〜45wt%含むことを特徴とする前記(1)
〜(3)のいずれかに記載の乳酸系樹脂組成物。
【0008】(5)添加剤(B)のグリセリンの2〜4
量体の飽和エステル化合物が、該縮合体と酢酸との飽和
エステル化合物グループI、および該縮合体の全ての水
酸基のうちの1つが炭素数が7〜12の中鎖脂肪酸とエ
ステル結合し、残りの水酸基が全て酢酸とエステル結合
した該縮合体の飽和エステル化合物グループIIからな
る群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とす
る前記(1)〜(4)のいずれかに記載の乳酸系樹脂組
成物。 (6)添加剤(B)の該縮合体の飽和エステル化合物
が、前記(5)に記載のグループIを10〜90wt
%、グループIIを90〜10wt%含んだものである
ことを特徴とする、前記(5)に記載の乳酸系樹脂組成
物。 (7)前記(1)〜(6)のいずれかに記載の乳酸系樹
脂組成物がフィルム、シートまたは多孔体に加工された
ものであることを特徴とする成型加工品。 (8)フィルムまたはシートが2%引張弾性率0.1〜
200kg/mm2であることを特徴とする前記(7)
に記載の成型加工品。に係る。
量体の飽和エステル化合物が、該縮合体と酢酸との飽和
エステル化合物グループI、および該縮合体の全ての水
酸基のうちの1つが炭素数が7〜12の中鎖脂肪酸とエ
ステル結合し、残りの水酸基が全て酢酸とエステル結合
した該縮合体の飽和エステル化合物グループIIからな
る群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とす
る前記(1)〜(4)のいずれかに記載の乳酸系樹脂組
成物。 (6)添加剤(B)の該縮合体の飽和エステル化合物
が、前記(5)に記載のグループIを10〜90wt
%、グループIIを90〜10wt%含んだものである
ことを特徴とする、前記(5)に記載の乳酸系樹脂組成
物。 (7)前記(1)〜(6)のいずれかに記載の乳酸系樹
脂組成物がフィルム、シートまたは多孔体に加工された
ものであることを特徴とする成型加工品。 (8)フィルムまたはシートが2%引張弾性率0.1〜
200kg/mm2であることを特徴とする前記(7)
に記載の成型加工品。に係る。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明における、結晶融点が12
0〜250℃の乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂とは式
(1)で表される化学構造式を持ち、式中のR及びR’
には乳酸の直接重合体、乳酸オリゴマーの直接重合体、
乳酸エステルの重縮合体、ラクタイドの開環重合体等で
あり、好ましくは乳酸、乳酸オリゴマー、乳酸エステ
ル、ラクタイド等と他の成分との共重合体で、共重合成
分で光学異性体の存するものはそのD体、L体、DL
(ラセミ)体、メソ体等が含まれる。
0〜250℃の乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂とは式
(1)で表される化学構造式を持ち、式中のR及びR’
には乳酸の直接重合体、乳酸オリゴマーの直接重合体、
乳酸エステルの重縮合体、ラクタイドの開環重合体等で
あり、好ましくは乳酸、乳酸オリゴマー、乳酸エステ
ル、ラクタイド等と他の成分との共重合体で、共重合成
分で光学異性体の存するものはそのD体、L体、DL
(ラセミ)体、メソ体等が含まれる。
【0010】
【化1】
【0011】共重合する他の成分のうち、脂肪族ヒドロ
キシカルボン酸類は、Rを炭化水素鎖として一般式
(2)で表される。
キシカルボン酸類は、Rを炭化水素鎖として一般式
(2)で表される。
【0012】
【化2】
【0013】具体的にはグリコール酸誘導体、2−ヒド
ロキシ−2−モノアルキル酢酸、2−ヒドロキシ−2,
2−ジアルキル酢酸、3−ヒドロキシ−2,2−ジアル
キルプロピオン酸、3−ヒドロキシ−3−モノアルキル
プロピオン酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ−
4−モノアルキル酪酸、5−ヒドロキシ吉草酸、3−ヒ
ドロキシ−2−モノアルキルプロピオン酸、4−ヒドロ
キシ−2−モノアルキル酪酸、4−ヒドロキシ−3−モ
ノアルキル酪酸、3−ヒドロキシ−3,3−ジアルキル
プロピオン酸、6−ヒドロキシカプロン酸、3−ヒドロ
キシ−2−モノアルキル吉草酸、4−ヒドロキシ−2−
モノアルキル吉草酸、5−ヒドロキシ−2−モノアルキ
ル吉草酸、5−ヒドロキシ−5−モノアルキル吉草酸、
2−ヒドロキシ−3,3−ジアルキルプロピオン酸、4
−ヒドロキシ−3,4−ジアルキル酪酸、5−ヒドロキ
シ−3−モノアルキル吉草酸、4−ヒドロキシ−4,4
−ジアルキル酪酸、5−ヒドロキシ−4−モノアルキル
吉草酸、3−ヒドロキシ−2,2,3−トリアルキルプ
ロピオン酸、4−ヒドロキシ−2,2−ジアルキル酪
酸、4−ヒドロキシ−3,3−ジアルキル酪酸、3−ヒ
ドロキシ−2,3,3−トリアルキルプロピオン酸、4
−ヒドロキシ−2,3−ジアルキル酪酸、その他公知の
もの等が挙げられる。
ロキシ−2−モノアルキル酢酸、2−ヒドロキシ−2,
2−ジアルキル酢酸、3−ヒドロキシ−2,2−ジアル
キルプロピオン酸、3−ヒドロキシ−3−モノアルキル
プロピオン酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ−
4−モノアルキル酪酸、5−ヒドロキシ吉草酸、3−ヒ
ドロキシ−2−モノアルキルプロピオン酸、4−ヒドロ
キシ−2−モノアルキル酪酸、4−ヒドロキシ−3−モ
ノアルキル酪酸、3−ヒドロキシ−3,3−ジアルキル
プロピオン酸、6−ヒドロキシカプロン酸、3−ヒドロ
キシ−2−モノアルキル吉草酸、4−ヒドロキシ−2−
モノアルキル吉草酸、5−ヒドロキシ−2−モノアルキ
ル吉草酸、5−ヒドロキシ−5−モノアルキル吉草酸、
2−ヒドロキシ−3,3−ジアルキルプロピオン酸、4
−ヒドロキシ−3,4−ジアルキル酪酸、5−ヒドロキ
シ−3−モノアルキル吉草酸、4−ヒドロキシ−4,4
−ジアルキル酪酸、5−ヒドロキシ−4−モノアルキル
吉草酸、3−ヒドロキシ−2,2,3−トリアルキルプ
ロピオン酸、4−ヒドロキシ−2,2−ジアルキル酪
酸、4−ヒドロキシ−3,3−ジアルキル酪酸、3−ヒ
ドロキシ−2,3,3−トリアルキルプロピオン酸、4
−ヒドロキシ−2,3−ジアルキル酪酸、その他公知の
もの等が挙げられる。
【0014】但し、これらの環状二量体、光学異性体
(D体、L体、DL体、メソ体)が存在する場合には、
それらをも含める。又、これらのエステル類を原料とし
て使用し、共重合しても良い。又、共重合するラクトン
類は、Rを炭化水素鎖として一般式(3)で表され、具
体的にはβ−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、
β−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−バレロ
ラクトン、δ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン等
が挙げられる。
(D体、L体、DL体、メソ体)が存在する場合には、
それらをも含める。又、これらのエステル類を原料とし
て使用し、共重合しても良い。又、共重合するラクトン
類は、Rを炭化水素鎖として一般式(3)で表され、具
体的にはβ−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、
β−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−バレロ
ラクトン、δ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン等
が挙げられる。
【0015】
【化3】
【0016】同様に共重合する他の成分のうち、脂肪族
二価アルコール類は、Rを炭化水素鎖又は炭化水素環と
して一般式(4)で表され、具体的にはエチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、その他のポリエチレング
リコール類、プロピレングリコール、ジプロピレングリ
コール、その他のポリプロピレングリコール類、1,3
−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロ
パンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタ
ンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキ
サンジオール、2,2−トリメチル−1,6−ヘキサン
ジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,
4−シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,4−テ
トラメチル−1,3−シクロブタンジオール、カーボネ
ート結合を有するジオール類などが挙げられ、エチレン
オキシドやプロピレンオキシド等を含む物も使用するこ
とが可能である。
二価アルコール類は、Rを炭化水素鎖又は炭化水素環と
して一般式(4)で表され、具体的にはエチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、その他のポリエチレング
リコール類、プロピレングリコール、ジプロピレングリ
コール、その他のポリプロピレングリコール類、1,3
−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロ
パンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタ
ンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキ
サンジオール、2,2−トリメチル−1,6−ヘキサン
ジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,
4−シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,4−テ
トラメチル−1,3−シクロブタンジオール、カーボネ
ート結合を有するジオール類などが挙げられ、エチレン
オキシドやプロピレンオキシド等を含む物も使用するこ
とが可能である。
【0017】
【化4】
【0018】なお、これらを多成分に組み合わせても良
い。又共重合する他の成分のうち、脂肪族ジカルボン酸
類は、Rを炭化水素鎖又は炭化水素環として一般式
(5)で表され、具体的にはマロン酸、コハク酸、グル
タル酸、アジピン酸、ピメリン酸、2,2−ジメチルグ
ルタル酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、
1,2−シクロペンタンジカルボン酸、1,3−シクロ
ペンタンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカル
ボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4
−シクロヘキサンジカルボン酸、ジグリコール酸、フタ
ル酸、イソフタル酸、テレフタル酸が挙げられる。ま
た、これらのエステル誘導体、酸無水物等を使用するこ
とも可能である。なお、これらを多成分に組み合わせて
も良い。
い。又共重合する他の成分のうち、脂肪族ジカルボン酸
類は、Rを炭化水素鎖又は炭化水素環として一般式
(5)で表され、具体的にはマロン酸、コハク酸、グル
タル酸、アジピン酸、ピメリン酸、2,2−ジメチルグ
ルタル酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、
1,2−シクロペンタンジカルボン酸、1,3−シクロ
ペンタンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカル
ボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4
−シクロヘキサンジカルボン酸、ジグリコール酸、フタ
ル酸、イソフタル酸、テレフタル酸が挙げられる。ま
た、これらのエステル誘導体、酸無水物等を使用するこ
とも可能である。なお、これらを多成分に組み合わせて
も良い。
【0019】
【化5】
【0020】ここで共重合とは、ランダム状、ブロック
状、両者の自由な混合構造をも含む。更に好ましい組み
合わせ例として、例えば、乳酸を主原料にして、これに
少量のグリコール酸と共重合したもの、又は、2−ヒド
ロキシ−2,2−ジアルキル酢酸、3−ヒドロキシ−
2,2−ジアルキルプロピオン酸、3−ヒドロキシ酪
酸、4−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ吉草酸、3−
ヒドロキシカプロン酸、ε−カプロラクトンと共重合し
たもの、前述のランダム状、ブロック状、その他をも含
む重合体等が挙げられる。
状、両者の自由な混合構造をも含む。更に好ましい組み
合わせ例として、例えば、乳酸を主原料にして、これに
少量のグリコール酸と共重合したもの、又は、2−ヒド
ロキシ−2,2−ジアルキル酢酸、3−ヒドロキシ−
2,2−ジアルキルプロピオン酸、3−ヒドロキシ酪
酸、4−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ吉草酸、3−
ヒドロキシカプロン酸、ε−カプロラクトンと共重合し
たもの、前述のランダム状、ブロック状、その他をも含
む重合体等が挙げられる。
【0021】又、これらのエステルを原料として重縮合
しても良い。これら共重合する他の成分の比率は、対象
成分同士によって多少異なるが、可塑化効果と耐熱性を
発現させる観点から好ましくは共重合する他の成分の合
計で表して1〜50モル%、より好ましくは2〜45モ
ル%、さらに好ましくは3〜45モル%、最も好ましく
は3〜30モル%程度である。又、乳酸系脂肪族ポリエ
ステル樹脂を主体とする樹脂(A)は、他に乳酸系脂肪
族ポリエステル樹脂以外の脂肪族ポリエステル系樹脂
(D)、その他の熱可塑性樹脂(E)のうち少なくとも
一種の樹脂を混合して用いても良い。
しても良い。これら共重合する他の成分の比率は、対象
成分同士によって多少異なるが、可塑化効果と耐熱性を
発現させる観点から好ましくは共重合する他の成分の合
計で表して1〜50モル%、より好ましくは2〜45モ
ル%、さらに好ましくは3〜45モル%、最も好ましく
は3〜30モル%程度である。又、乳酸系脂肪族ポリエ
ステル樹脂を主体とする樹脂(A)は、他に乳酸系脂肪
族ポリエステル樹脂以外の脂肪族ポリエステル系樹脂
(D)、その他の熱可塑性樹脂(E)のうち少なくとも
一種の樹脂を混合して用いても良い。
【0022】これら樹脂の混合する場合の比率は、対象
成分同士によって多少異なるが、一般には混合する樹脂
(D)〜(E)の合計で表して1〜45wt%、好まし
くは2〜40wt%、より好ましくは3〜30wt%程
度である。具体的には該樹脂(D)としては、グリコー
ル酸、2−ヒドロキシ−2,2−ジアルキル酢酸、3−
ヒドロキシ−2,2−ジアルキルプロピオン酸、3−ヒ
ドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ吉
草酸、3−ヒドロキシカプロン酸、ε−カプロラクトン
等から選択される少なくとも一種の成分単位(又はこれ
らのエステル単位)を少なくとも50モル%以上含む重
合体、及びこれらの共重合体、これらの光学異性体、又
はこれらに乳酸を50モル%未満含む共重合体、また前
述の共重合成分からなる樹脂等が挙げられる。
成分同士によって多少異なるが、一般には混合する樹脂
(D)〜(E)の合計で表して1〜45wt%、好まし
くは2〜40wt%、より好ましくは3〜30wt%程
度である。具体的には該樹脂(D)としては、グリコー
ル酸、2−ヒドロキシ−2,2−ジアルキル酢酸、3−
ヒドロキシ−2,2−ジアルキルプロピオン酸、3−ヒ
ドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ吉
草酸、3−ヒドロキシカプロン酸、ε−カプロラクトン
等から選択される少なくとも一種の成分単位(又はこれ
らのエステル単位)を少なくとも50モル%以上含む重
合体、及びこれらの共重合体、これらの光学異性体、又
はこれらに乳酸を50モル%未満含む共重合体、また前
述の共重合成分からなる樹脂等が挙げられる。
【0023】ここで、これらの光学異性体は通常結晶構
造に影響を与えるので別の成分として換算する事とす
る。さらにはポリL体、ポリD体との共重合体のステレ
オコンプレックス体等の高融点の組成物や、酸成分およ
び/またはアルコール成分のうち芳香族成分を50モル
%以下、好ましくは45モル%以下含有する共重合体、
またバイオ技術により菌に生産させた3−ヒドロキシ酪
酸、3−ヒドロキシ吉草酸、及びこれら以外の3−ヒド
ロキシアルカノエン酸(3HA)等をも含むものとす
る。
造に影響を与えるので別の成分として換算する事とす
る。さらにはポリL体、ポリD体との共重合体のステレ
オコンプレックス体等の高融点の組成物や、酸成分およ
び/またはアルコール成分のうち芳香族成分を50モル
%以下、好ましくは45モル%以下含有する共重合体、
またバイオ技術により菌に生産させた3−ヒドロキシ酪
酸、3−ヒドロキシ吉草酸、及びこれら以外の3−ヒド
ロキシアルカノエン酸(3HA)等をも含むものとす
る。
【0024】次に、その他の熱可塑性樹脂(E)として
は、ポリオレフィン系樹脂、芳香族系成分を含む通常の
ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレン−ビ
ニルアルコール系共重合樹脂、α−オレフィン( エチレ
ン、他) −スチレン共重合体樹脂(又は同水添樹脂含
む。)、α−オレフィン−一酸化炭素共重合樹脂(同水
添樹脂含む。)、エチレン−脂環族炭化水素共重合樹脂
(同水添樹脂含む。)、スチレン−ブタジエン乃至イソ
プレン共重合樹脂(同水添樹脂含む。)、石油樹脂(同
水添樹脂含む。)、天然樹脂(同水添樹脂含む。)、原
料を天然品として重合した樹脂(同水添樹脂含む。)、
その他が挙げられる。
は、ポリオレフィン系樹脂、芳香族系成分を含む通常の
ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレン−ビ
ニルアルコール系共重合樹脂、α−オレフィン( エチレ
ン、他) −スチレン共重合体樹脂(又は同水添樹脂含
む。)、α−オレフィン−一酸化炭素共重合樹脂(同水
添樹脂含む。)、エチレン−脂環族炭化水素共重合樹脂
(同水添樹脂含む。)、スチレン−ブタジエン乃至イソ
プレン共重合樹脂(同水添樹脂含む。)、石油樹脂(同
水添樹脂含む。)、天然樹脂(同水添樹脂含む。)、原
料を天然品として重合した樹脂(同水添樹脂含む。)、
その他が挙げられる。
【0025】本発明の乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂の
重合度の範囲は、強度、加工時の適正な熔融粘度(加工
安定性)、耐熱性、さらには添加剤との馴染みの点か
ら、重量平均分子量(Mw)(但し測定はASTM−D
3536に準拠してゲルパーミエーションクロマトグラ
フィーにより行い、標準ポリメチルメタクリレート換算
にて分子量を算出)で、好ましくは20,000〜1,
000,000程度であり、より好ましくは50,00
0〜800,000、さらに好ましくは70,000〜
700,000である。
重合度の範囲は、強度、加工時の適正な熔融粘度(加工
安定性)、耐熱性、さらには添加剤との馴染みの点か
ら、重量平均分子量(Mw)(但し測定はASTM−D
3536に準拠してゲルパーミエーションクロマトグラ
フィーにより行い、標準ポリメチルメタクリレート換算
にて分子量を算出)で、好ましくは20,000〜1,
000,000程度であり、より好ましくは50,00
0〜800,000、さらに好ましくは70,000〜
700,000である。
【0026】本発明における樹脂(A)は、結晶融点
(後述のDSC法に準じて測定)が120〜250℃の
乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂を主成分としている。該
樹脂(A)の結晶融点が120℃未満であると耐熱性が
必要な用途の場合、耐熱性が不足し、また250℃を超
えると分解温度が近くなり、分子量低下等による押出成
形性の不安定化や着色し易くなるという問題点が出て好
ましくない。より好ましい融点の範囲は同じ理由で13
0〜230℃であり、更に好ましくは140〜220℃
である。
(後述のDSC法に準じて測定)が120〜250℃の
乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂を主成分としている。該
樹脂(A)の結晶融点が120℃未満であると耐熱性が
必要な用途の場合、耐熱性が不足し、また250℃を超
えると分解温度が近くなり、分子量低下等による押出成
形性の不安定化や着色し易くなるという問題点が出て好
ましくない。より好ましい融点の範囲は同じ理由で13
0〜230℃であり、更に好ましくは140〜220℃
である。
【0027】更に上記乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂の
結晶化度(後述のDSC法に準じて測定)の範囲は、耐
熱性および添加剤との馴染みの点から、好ましくは3〜
65%程度であり、より好ましくは4〜50%である。
但し、組成物および樹脂自体については、加工条件およ
び添加剤等の影響により結晶化度が低くなったとして
も、そのまま使用できる場合は当然のこと、使用時に適
度に結晶化し、実用上有効に耐熱性が出る場合があるの
で、結晶化度はここに定めた範囲を超えていても良い。
結晶化度(後述のDSC法に準じて測定)の範囲は、耐
熱性および添加剤との馴染みの点から、好ましくは3〜
65%程度であり、より好ましくは4〜50%である。
但し、組成物および樹脂自体については、加工条件およ
び添加剤等の影響により結晶化度が低くなったとして
も、そのまま使用できる場合は当然のこと、使用時に適
度に結晶化し、実用上有効に耐熱性が出る場合があるの
で、結晶化度はここに定めた範囲を超えていても良い。
【0028】また、上記乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂
の結晶構造は触媒などによりある程度自由に制御できる
が、上述及び下述の範囲内であれば、各種の構造及びブ
ロック的結晶構造のものも含むものとする。本発明で使
用する添加剤(B)は該樹脂(A)の可塑化を行うため
に有用であり、加工性向上のために必要なものである。
又、廃棄後のコンポスト処理を容易にするにも都合が良
い。
の結晶構造は触媒などによりある程度自由に制御できる
が、上述及び下述の範囲内であれば、各種の構造及びブ
ロック的結晶構造のものも含むものとする。本発明で使
用する添加剤(B)は該樹脂(A)の可塑化を行うため
に有用であり、加工性向上のために必要なものである。
又、廃棄後のコンポスト処理を容易にするにも都合が良
い。
【0029】その主体とする成分は、グリセリンの2〜
4量体の飽和エステル化合物であり、該エステル基を構
成する脂肪酸の全てが炭素数が2もしくは3の短鎖脂肪
酸であるか、又は分子中の全エステル基のうちの1つの
エステル基において、それを構成する脂肪酸が炭素数が
7〜12の中鎖脂肪酸であり、残りのエステル基におい
てはそれを構成する脂肪酸が炭素数が2もしくは3の短
鎖脂肪酸である該縮合体の飽和エステル化合物から選ば
れる少なくとも1種からなるものである。
4量体の飽和エステル化合物であり、該エステル基を構
成する脂肪酸の全てが炭素数が2もしくは3の短鎖脂肪
酸であるか、又は分子中の全エステル基のうちの1つの
エステル基において、それを構成する脂肪酸が炭素数が
7〜12の中鎖脂肪酸であり、残りのエステル基におい
てはそれを構成する脂肪酸が炭素数が2もしくは3の短
鎖脂肪酸である該縮合体の飽和エステル化合物から選ば
れる少なくとも1種からなるものである。
【0030】好ましくはグリセリンの2〜4量体の飽和
エステル化合物が、該縮合体と酢酸との飽和エステル化
合物、および該縮合体の全ての水酸基のうちの1つが炭
素数が7〜12の中鎖脂肪酸とエステル結合し、残りの
水酸基が全て酢酸とエステル結合した該縮合体の飽和エ
ステル化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の
ものである。更に好ましくは、ジグリセリンテトラアセ
テート、ジグリセリンの4つの水酸基のうちの1つが炭
素数が7〜12の中鎖脂肪酸とエステル結合し、残りの
水酸基が全て酢酸とエステル結合したジグリセリン飽和
エステル化合物から選ばれる少なくとも1種のものであ
る。
エステル化合物が、該縮合体と酢酸との飽和エステル化
合物、および該縮合体の全ての水酸基のうちの1つが炭
素数が7〜12の中鎖脂肪酸とエステル結合し、残りの
水酸基が全て酢酸とエステル結合した該縮合体の飽和エ
ステル化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の
ものである。更に好ましくは、ジグリセリンテトラアセ
テート、ジグリセリンの4つの水酸基のうちの1つが炭
素数が7〜12の中鎖脂肪酸とエステル結合し、残りの
水酸基が全て酢酸とエステル結合したジグリセリン飽和
エステル化合物から選ばれる少なくとも1種のものであ
る。
【0031】最も好ましくは、ジグリセリンテトラアセ
テートと、ジグリセリンの4つの水酸基のうちの1つが
炭素数が7〜12の中鎖脂肪酸とエステル結合し、残り
の水酸基が全て酢酸とエステル結合したジグリセリン飽
和エステル化合物から選ばれる少なくとも1種とが、そ
れぞれ10〜90wt%である、これらのうちの少なく
とも2種類の混合物である。
テートと、ジグリセリンの4つの水酸基のうちの1つが
炭素数が7〜12の中鎖脂肪酸とエステル結合し、残り
の水酸基が全て酢酸とエステル結合したジグリセリン飽
和エステル化合物から選ばれる少なくとも1種とが、そ
れぞれ10〜90wt%である、これらのうちの少なく
とも2種類の混合物である。
【0032】本発明における該樹脂(A)は、グリセリ
ン縮合体のエステル化合物である前述特定のポリグリセ
リンエステルにより可塑化されることが見出されたが、
添加剤(B)として使用する成分のエステル基の数が少
ないと該樹脂(A)が加水分解し、分子量低下を起こし
易くなるためエステル基は飽和の方が好ましい。また、
グリセリンエステルの多量化度(グリセリンの縮合度)
が大きいほど、エステル基の数の場合と同様に該樹脂
(A)の分子量低下が起こり易くなるため、多量化の度
合いは小さい方が好ましい。更にエステル基を構成する
該脂肪酸の全炭素数の合計が大きくなると該樹脂(A)
との相溶性が悪化し、可塑化が進みにくくなるため、添
加剤(B)の主成分のエステル基を構成する脂肪酸の炭
素数は少ない方が好ましい。
ン縮合体のエステル化合物である前述特定のポリグリセ
リンエステルにより可塑化されることが見出されたが、
添加剤(B)として使用する成分のエステル基の数が少
ないと該樹脂(A)が加水分解し、分子量低下を起こし
易くなるためエステル基は飽和の方が好ましい。また、
グリセリンエステルの多量化度(グリセリンの縮合度)
が大きいほど、エステル基の数の場合と同様に該樹脂
(A)の分子量低下が起こり易くなるため、多量化の度
合いは小さい方が好ましい。更にエステル基を構成する
該脂肪酸の全炭素数の合計が大きくなると該樹脂(A)
との相溶性が悪化し、可塑化が進みにくくなるため、添
加剤(B)の主成分のエステル基を構成する脂肪酸の炭
素数は少ない方が好ましい。
【0033】該添加剤(B)の添加量は、該樹脂組成物
(C)に柔軟性並びに寸法安定性、耐熱性、成形加工安
定性、強度を与える観点から該樹脂(A)に対し0.5
〜30wt%の範囲が好ましく、より好ましい範囲は1
〜27wt%で、さらに好ましくは2〜25wt%であ
る。又、該添加剤(B)は、主体となる前述のグリセリ
ンの2〜4量体の飽和エステル化合物の他に他の公知の
グリセリンエステル、ポリグリセリンエステル、又、そ
の他の単価アルコール、多価アルコールとの脂肪族脂肪
酸エステル(F)等のうち少なくとも一種を少量混合し
て用いても構わない。
(C)に柔軟性並びに寸法安定性、耐熱性、成形加工安
定性、強度を与える観点から該樹脂(A)に対し0.5
〜30wt%の範囲が好ましく、より好ましい範囲は1
〜27wt%で、さらに好ましくは2〜25wt%であ
る。又、該添加剤(B)は、主体となる前述のグリセリ
ンの2〜4量体の飽和エステル化合物の他に他の公知の
グリセリンエステル、ポリグリセリンエステル、又、そ
の他の単価アルコール、多価アルコールとの脂肪族脂肪
酸エステル(F)等のうち少なくとも一種を少量混合し
て用いても構わない。
【0034】これら混合する成分は具体的には、グリセ
リンエステル又はジグリセリンエステル等のポリグリセ
リンエステル類、カプロン酸、カプリル酸、カプリン
酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸、リグノセリン酸等
の飽和脂肪酸や、オレイン酸等のノルマルモノ不飽和脂
肪酸、リノール酸、リノレン酸等のジおよびトリ二重結
合を有する脂肪酸を少なくとも1種有する自由なエステ
ル(但し、酢酸、プロピオン酸を他に1部含むエステル
であった方が良いことは言うまでもない)、又はソルビ
タンと前述の脂肪酸との前述と同様の自由なエステル、
又はエチレングリコール、プロピレングリコール、テト
ラメチレングリコール、およびこれらの重縮合物と前述
の脂肪酸との自由なエステル、又は脂肪族ヒドロキシカ
ルボン酸として、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸等の前述
と同様の自由なエステル、又は多価カルボン酸としてマ
ロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、テレフタ
ル酸、イソフタル酸等の自由なエステル、又はこれらの
重縮合物、又はエポキシ化変性大豆油、エポキシ化変性
亜麻仁油等である。
リンエステル又はジグリセリンエステル等のポリグリセ
リンエステル類、カプロン酸、カプリル酸、カプリン
酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸、リグノセリン酸等
の飽和脂肪酸や、オレイン酸等のノルマルモノ不飽和脂
肪酸、リノール酸、リノレン酸等のジおよびトリ二重結
合を有する脂肪酸を少なくとも1種有する自由なエステ
ル(但し、酢酸、プロピオン酸を他に1部含むエステル
であった方が良いことは言うまでもない)、又はソルビ
タンと前述の脂肪酸との前述と同様の自由なエステル、
又はエチレングリコール、プロピレングリコール、テト
ラメチレングリコール、およびこれらの重縮合物と前述
の脂肪酸との自由なエステル、又は脂肪族ヒドロキシカ
ルボン酸として、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸等の前述
と同様の自由なエステル、又は多価カルボン酸としてマ
ロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、テレフタ
ル酸、イソフタル酸等の自由なエステル、又はこれらの
重縮合物、又はエポキシ化変性大豆油、エポキシ化変性
亜麻仁油等である。
【0035】これら混合する成分は該添加剤(B)に対
し、樹脂の加工安定性の点から50wt%未満、好まし
くは0.1〜40wt%、より好ましくは0.2〜30
wt%の範囲内で混合し、用いることができる。これら
混合する成分は可塑化と同時に少量の粘度の高い成分が
表面にブリードする場合は、可塑化と密着性を同時に満
足し、用途により、より好ましい場合がある。
し、樹脂の加工安定性の点から50wt%未満、好まし
くは0.1〜40wt%、より好ましくは0.2〜30
wt%の範囲内で混合し、用いることができる。これら
混合する成分は可塑化と同時に少量の粘度の高い成分が
表面にブリードする場合は、可塑化と密着性を同時に満
足し、用途により、より好ましい場合がある。
【0036】本発明の樹脂組成物(C)は、例えば、射
出成形、押出成形、ブロー成形、カレンダ成形、真空成
形、発泡成形、圧縮成形等の製法により、射出成形品、
多孔体(独立気泡体及び連通気泡体を含む)、不織布状
のもの、押出しシート、インフレ、キャストフィルム、
延伸フィルム等に加工して、例えば包装材、又バイオ、
医学用の用途(徐放材、培養材等)等に用いられる。本
発明の樹脂組成物(C)の引張弾性率(シート状に加工
し、後述の方法で測定)の範囲は、加工性の点から好ま
しくは0.1〜200kg/mm2であり、より好まし
くは1〜170kg/mm2である。
出成形、押出成形、ブロー成形、カレンダ成形、真空成
形、発泡成形、圧縮成形等の製法により、射出成形品、
多孔体(独立気泡体及び連通気泡体を含む)、不織布状
のもの、押出しシート、インフレ、キャストフィルム、
延伸フィルム等に加工して、例えば包装材、又バイオ、
医学用の用途(徐放材、培養材等)等に用いられる。本
発明の樹脂組成物(C)の引張弾性率(シート状に加工
し、後述の方法で測定)の範囲は、加工性の点から好ま
しくは0.1〜200kg/mm2であり、より好まし
くは1〜170kg/mm2である。
【0037】ここでいう引張弾性率(kg/mm2)と
は、厚み200μmの急冷プレスシートをサンプルとし
て用い、ASTM−D882に準拠して室温23℃、湿
度50%の条件下で測定される2%伸張時の応力を10
0%に換算し、更に厚み換算した値の平均値(サンプル
数=5)である。ここでの値は、上記急冷プレスシート
を熱処理し、自由な結晶化度に制御したものをサンプル
とした場合にも適用される。
は、厚み200μmの急冷プレスシートをサンプルとし
て用い、ASTM−D882に準拠して室温23℃、湿
度50%の条件下で測定される2%伸張時の応力を10
0%に換算し、更に厚み換算した値の平均値(サンプル
数=5)である。ここでの値は、上記急冷プレスシート
を熱処理し、自由な結晶化度に制御したものをサンプル
とした場合にも適用される。
【0038】又、延伸してフィルム状に加工し、自由な
熱処理をしたものをサンプルとした場合にも適用され
る。本発明の樹脂組成物(C)の流れ指数(MFR)は
ASTM−D1238に準拠して2160gの荷重下に
おいて、190℃として測定される。得られた数値は1
0分間に押出された試料の質量(サンプル数=3の平
均)であり、単位は(g/10分)である。MFRの好
ましい範囲は、加工安定性の点から80以下、より好ま
しくは70以下である。
熱処理をしたものをサンプルとした場合にも適用され
る。本発明の樹脂組成物(C)の流れ指数(MFR)は
ASTM−D1238に準拠して2160gの荷重下に
おいて、190℃として測定される。得られた数値は1
0分間に押出された試料の質量(サンプル数=3の平
均)であり、単位は(g/10分)である。MFRの好
ましい範囲は、加工安定性の点から80以下、より好ま
しくは70以下である。
【0039】本発明の樹脂及び該組成物の結晶融点はJ
IS K7121に準じたDSC法により10℃/分の
昇温速度で測定した主ピーク温度で表す。また本発明に
用いられる原料樹脂の結晶化度は、樹脂結晶融点より2
0℃高い温度でプレス後急冷して作製した、厚み200
μmのシートをそれぞれ最適条件で充分熱処理を行い結
晶化を飽和させたものを標準とした。又計算は簡易的に
100%結晶の融解エネルギーにPLAの結晶融解エネ
ルギー92.9J/g(出典:Polymer Han
dbook THIRD EDITION WILEY
INTERSCIENCE)を用い、JIS K71
22に準じたDSC法にて求めた原料樹脂の融解エネル
ギー(吸収ピークが複数の場合は合計した値)との相関
を求めて決定する。
IS K7121に準じたDSC法により10℃/分の
昇温速度で測定した主ピーク温度で表す。また本発明に
用いられる原料樹脂の結晶化度は、樹脂結晶融点より2
0℃高い温度でプレス後急冷して作製した、厚み200
μmのシートをそれぞれ最適条件で充分熱処理を行い結
晶化を飽和させたものを標準とした。又計算は簡易的に
100%結晶の融解エネルギーにPLAの結晶融解エネ
ルギー92.9J/g(出典:Polymer Han
dbook THIRD EDITION WILEY
INTERSCIENCE)を用い、JIS K71
22に準じたDSC法にて求めた原料樹脂の融解エネル
ギー(吸収ピークが複数の場合は合計した値)との相関
を求めて決定する。
【0040】以下、本発明を実施例を用いて更に詳しく
説明する。ここで使用する乳酸系脂肪族ポリエステル樹
脂を主体とする樹脂(A)の詳細は以下の通りのもので
ある。A−1は、乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂で、L
−ラクタイド95モル%にD−ラクタイドを5モル%共
重合した樹脂(結晶融点167℃、結晶化度37%)で
ある。
説明する。ここで使用する乳酸系脂肪族ポリエステル樹
脂を主体とする樹脂(A)の詳細は以下の通りのもので
ある。A−1は、乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂で、L
−ラクタイド95モル%にD−ラクタイドを5モル%共
重合した樹脂(結晶融点167℃、結晶化度37%)で
ある。
【0041】A−2は、乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂
で、L−乳酸92モル%に2−ヒドロキシイソ酪酸3モ
ル%共重合した樹脂(結晶融点171℃、結晶化度28
%)である。A−3は、乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂
で、L−乳酸93モル%にグリコール酸を7モル%共重
合した樹脂(結晶融点174℃、結晶化度30%)であ
る。A−4は、乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂で、L−
ラクタイド95モル%にε−カプロラクトンを5モル%
共重合した樹脂(結晶融点163℃、結晶化度30%)
である。
で、L−乳酸92モル%に2−ヒドロキシイソ酪酸3モ
ル%共重合した樹脂(結晶融点171℃、結晶化度28
%)である。A−3は、乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂
で、L−乳酸93モル%にグリコール酸を7モル%共重
合した樹脂(結晶融点174℃、結晶化度30%)であ
る。A−4は、乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂で、L−
ラクタイド95モル%にε−カプロラクトンを5モル%
共重合した樹脂(結晶融点163℃、結晶化度30%)
である。
【0042】ここに使用する添加剤(B)、又は他の添
加剤(F)は以下の通りである。B−1は、ジグリセリ
ンテトラアセテートである。B−2は、ジグリセリント
リアセテートモノカプレートである。B−3は、トリグ
リセリンヘプタアセテートである。B−4は、テトラグ
リセリンヘキサアセテートである。B−5は、ジグリセ
リントリアセテートモノラウレートF−1は、ジグリセ
リンモノアセテートである。F−2は、ジグリセリンジ
ラウレートである。F−3は、ジグリセリントリカプレ
ートモノオレートである。F−4は、ヘキサグリセリン
オクタアセテートである。
加剤(F)は以下の通りである。B−1は、ジグリセリ
ンテトラアセテートである。B−2は、ジグリセリント
リアセテートモノカプレートである。B−3は、トリグ
リセリンヘプタアセテートである。B−4は、テトラグ
リセリンヘキサアセテートである。B−5は、ジグリセ
リントリアセテートモノラウレートF−1は、ジグリセ
リンモノアセテートである。F−2は、ジグリセリンジ
ラウレートである。F−3は、ジグリセリントリカプレ
ートモノオレートである。F−4は、ヘキサグリセリン
オクタアセテートである。
【0043】
【実施例1〜5】樹脂(A)としてA−1〜A−4と、
添加剤(B)としてB−1〜B−5を窒素フロー下にお
いて表1に示す割合でニーダーにより混練した。混練温
度と時間は190℃で15分間とした。その後、プレス
で200μmの急冷シートを作製して、該シートの物性
を測定した。結果を表1に示す(数値の単位は省略す
る)。実施例1〜4では添加剤(B)にB−1〜B−4
を用いるとMFRがあまり上昇せず、該組成物が分子量
低下を起こしにくくなっていることが見出された。実施
例5では、30℃で1週間経過させると表面に多少の可
塑剤をブリードアウトさせることができ、密着性の発現
を認めることができた。このように可塑剤のブリードア
ウトが制御できることは密着性の発現が制御できること
になり、好ましい。
添加剤(B)としてB−1〜B−5を窒素フロー下にお
いて表1に示す割合でニーダーにより混練した。混練温
度と時間は190℃で15分間とした。その後、プレス
で200μmの急冷シートを作製して、該シートの物性
を測定した。結果を表1に示す(数値の単位は省略す
る)。実施例1〜4では添加剤(B)にB−1〜B−4
を用いるとMFRがあまり上昇せず、該組成物が分子量
低下を起こしにくくなっていることが見出された。実施
例5では、30℃で1週間経過させると表面に多少の可
塑剤をブリードアウトさせることができ、密着性の発現
を認めることができた。このように可塑剤のブリードア
ウトが制御できることは密着性の発現が制御できること
になり、好ましい。
【0044】
【表1】
【0045】
【実施例6】実施例1の急冷シート(200μm)を、
60℃で、ストレッチャーで3.5×3.5(縦、横)
倍に、延伸速度100%/分の速度で延伸し、90℃で
緊張下1分間熱処理し、透明なフイルムを得た。このサ
ンプルの2%弾性率は、65kg/mm2であった。さ
らにこのサンプルを10mm幅×50mm長の大きさに
切断し、サンプルの長さ方向端部10mmをそれぞれ上
下方向にクランプし、下方の端部に3.3gの荷重をか
け、エアーオーブン中で、フィルムが荷重に耐えきれず
に切断する温度を5℃ピッチで確認した(サンプル数=
3)。切断しなかった最高温度は155℃であった。
60℃で、ストレッチャーで3.5×3.5(縦、横)
倍に、延伸速度100%/分の速度で延伸し、90℃で
緊張下1分間熱処理し、透明なフイルムを得た。このサ
ンプルの2%弾性率は、65kg/mm2であった。さ
らにこのサンプルを10mm幅×50mm長の大きさに
切断し、サンプルの長さ方向端部10mmをそれぞれ上
下方向にクランプし、下方の端部に3.3gの荷重をか
け、エアーオーブン中で、フィルムが荷重に耐えきれず
に切断する温度を5℃ピッチで確認した(サンプル数=
3)。切断しなかった最高温度は155℃であった。
【0046】
【比較例1〜4】樹脂(A)としてA−1と、添加剤
(F)としてF−1〜F−4を窒素フロー下において表
2に示す割合でニーダーにより混練した。混練温度と時
間は190℃で15分間とした。その後、プレスで20
0μmの急冷シートを作製して、該シートの物性を測定
した。その結果を表2に示す(数値の単位は省略す
る)。F−1、F−2のように水酸基が分子内に残存す
る可塑剤の場合は、ポリマーの加水分解(分子崩壊)が
進み、弾性率があまり下がらないうちにMFRが増大し
て加工安定性が損なわれた。これは、F−4のようにグ
リセリンエステルの多量化度が進んだものを用いた際に
も確認された。また、F−3のようにエステル基中のア
ルキル鎖が長くなると、本発明の組成物では可塑化が進
まなくなることが確認された。
(F)としてF−1〜F−4を窒素フロー下において表
2に示す割合でニーダーにより混練した。混練温度と時
間は190℃で15分間とした。その後、プレスで20
0μmの急冷シートを作製して、該シートの物性を測定
した。その結果を表2に示す(数値の単位は省略す
る)。F−1、F−2のように水酸基が分子内に残存す
る可塑剤の場合は、ポリマーの加水分解(分子崩壊)が
進み、弾性率があまり下がらないうちにMFRが増大し
て加工安定性が損なわれた。これは、F−4のようにグ
リセリンエステルの多量化度が進んだものを用いた際に
も確認された。また、F−3のようにエステル基中のア
ルキル鎖が長くなると、本発明の組成物では可塑化が進
まなくなることが確認された。
【0047】
【表2】
【0048】
【発明の効果】本発明の組成物または成形加工品は、優
れた生分解性とともに、柔軟性および耐熱性、加工安定
性、実用強度を有した、包装材料、医療用材料、その他
生活用品・工業用品等として利用可能な乳酸系組成物を
提供することができる。
れた生分解性とともに、柔軟性および耐熱性、加工安定
性、実用強度を有した、包装材料、医療用材料、その他
生活用品・工業用品等として利用可能な乳酸系組成物を
提供することができる。
フロントページの続き
Fターム(参考) 4F071 AA43 AC10 AE04 AF26 AF45
AF52 AF53 AH04 BA01 BB06
BB08 BC01
4J002 BA013 BB053 BC053 BE033
CF003 CF032 CF181 CF182
CF192 CL003 EH046 EH047
FD026 FD027
4J029 AA02 AB07 AC01 AC02 AD06
AD08 AE01 AE03 EA02 EA05
EG09 HA01 HB01
Claims (8)
- 【請求項1】 結晶融点が120〜250℃、結晶化度
が3〜65%の乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂を主体と
する樹脂(A)に対し、添加剤(B)を0.5〜30w
t%含む樹脂組成物(C)であって、添加剤(B)の主
成分が、グリセリンの2〜4量体の縮合体飽和エステル
化合物であり、該飽和エステル化合物において、該エス
テル基を構成する脂肪酸の全てが炭素数が2もしくは3
の短鎖脂肪酸である該縮合体の飽和エステル化合物、お
よび分子中の全エステル基のうちの1つのエステル基を
構成する脂肪酸が炭素数が7〜12の中鎖脂肪酸であ
り、残りのエステル基を構成する脂肪酸が炭素数が2も
しくは3の短鎖脂肪酸である該縮合体の飽和エステル化
合物からなる群から選ばれる少なくとも1種であること
を特徴とする乳酸系樹脂組成物。 - 【請求項2】 乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂が、乳酸
由来以外の共重合する成分を3〜45モル%含んでいる
ことを特徴とする請求項1に記載の乳酸系樹脂組成物。 - 【請求項3】 乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂が、乳酸
由来よりなる単位を有し、他に共重合成分として、グリ
コール酸誘導体、2−ヒドロキシ−2,2−ジアルキル
酢酸、3−ヒドロキシ−2,2−ジアルキルプロピオン
酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、3−ヒ
ドロキシ吉草酸、3−ヒドロキシカプロン酸、ε−カプ
ロラクトンから選択される少なくとも一種の成分を含む
ことを特徴とする請求項1または2に記載の乳酸系樹脂
組成物。 - 【請求項4】 乳酸系脂肪族ポリエステル樹脂を主体と
する樹脂(A)が、混合樹脂として乳酸系脂肪族ポリエ
ステル樹脂以外の他の脂肪族ポリエステル系樹脂
(D)、その他の熱可塑性樹脂(E)から選択される少
なくとも一種の樹脂を1〜45wt%含むことを特徴と
する請求項1〜3のいずれかに記載の乳酸系樹脂組成
物。 - 【請求項5】 添加剤(B)のグリセリンの2〜4量体
の飽和エステル化合物が、該縮合体と酢酸との飽和エス
テル化合物グループI、および該縮合体の全ての水酸基
のうちの1つが炭素数が7〜12の中鎖脂肪酸とエステ
ル結合し、残りの水酸基が全て酢酸とエステル結合した
該縮合体の飽和エステル化合物グループIIからなる群
から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請
求項1〜4のいずれかに記載の乳酸系樹脂組成物。 - 【請求項6】 添加剤(B)のグリセリンの2〜4量体
の飽和エステル化合物が、前記請求項5に記載のグルー
プIを10〜90wt%、グループIIを90〜10w
t%含んだものであることを特徴とする、請求項5に記
載の乳酸系樹脂組成物。 - 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の乳酸系
樹脂組成物がフィルム、シートに加工されたものである
ことを特徴とする成型加工品。 - 【請求項8】 フィルムまたはシートが2%引張弾性率
0.1〜200kg/mm2であることを特徴とする請
求項7に記載の成型加工品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001339044A JP2003138118A (ja) | 2001-11-05 | 2001-11-05 | 乳酸系樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001339044A JP2003138118A (ja) | 2001-11-05 | 2001-11-05 | 乳酸系樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003138118A true JP2003138118A (ja) | 2003-05-14 |
Family
ID=19153450
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001339044A Pending JP2003138118A (ja) | 2001-11-05 | 2001-11-05 | 乳酸系樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003138118A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003231798A (ja) * | 2002-02-13 | 2003-08-19 | Mitsubishi Plastics Ind Ltd | 乳酸系樹脂組成物とそのシート状物、及び袋状製品 |
JP2010523755A (ja) * | 2007-04-04 | 2010-07-15 | インディアン インスティテュート オブ テクノロジー, ボンベイ | 高結晶化度と高分子量の乳酸ポリマーを製造する方法 |
-
2001
- 2001-11-05 JP JP2001339044A patent/JP2003138118A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003231798A (ja) * | 2002-02-13 | 2003-08-19 | Mitsubishi Plastics Ind Ltd | 乳酸系樹脂組成物とそのシート状物、及び袋状製品 |
JP2010523755A (ja) * | 2007-04-04 | 2010-07-15 | インディアン インスティテュート オブ テクノロジー, ボンベイ | 高結晶化度と高分子量の乳酸ポリマーを製造する方法 |
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