JP2004195440A - 微生物脱臭装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】脱臭運転中において貯水タンクのイオン含有水を脱臭システム系の外方に排出することを抑え、廃水処理施設を廃止または簡略化できる微生物脱臭装置を提供する。
【解決手段】微生物脱臭部1と、貯水タンク3と、貯水タンク3のイオン含有水を微生物脱臭部1に送給する第1送水部4と、微生物脱臭部1から吐出されるイオン含有水よりもイオン濃度が低い低濃度水を貯水タンク3に補給可能な低濃度水補給部5とをもつ。貯水タンク3のイオン含有水を定期的または不定期的に消費する水消費設備6が設けられている。貯水タンク3の水が水消費設備6に送給されて貯水タンク3のイオン含有水の水量が減少するとき、補給要素9は、貯水タンク3の減少した水量に相当する水量を低濃度水補給部5から貯水タンク3に補給する。
【選択図】図1
【解決手段】微生物脱臭部1と、貯水タンク3と、貯水タンク3のイオン含有水を微生物脱臭部1に送給する第1送水部4と、微生物脱臭部1から吐出されるイオン含有水よりもイオン濃度が低い低濃度水を貯水タンク3に補給可能な低濃度水補給部5とをもつ。貯水タンク3のイオン含有水を定期的または不定期的に消費する水消費設備6が設けられている。貯水タンク3の水が水消費設備6に送給されて貯水タンク3のイオン含有水の水量が減少するとき、補給要素9は、貯水タンク3の減少した水量に相当する水量を低濃度水補給部5から貯水タンク3に補給する。
【選択図】図1
Description
本発明は微生物で悪臭成分の脱臭化を図る微生物脱臭装置に関する。
【0001】
【従来の技術】
特許文献1には、悪臭成分の脱臭化を促進させる微生物を保持可能な微生物脱臭部と、悪臭成分を含有するガスを脱臭のために微生物脱臭部に送給する悪臭成分含有ガス送給部と、微生物脱臭部から吐出された水を貯留可能な貯水タンクと、貯水タンクの水を微生物脱臭部に送給して微生物脱臭部の微生物の活性化を維持する第1送水部と、新鮮な水を貯水タンクに補給可能な新水補給部とを備えている。このものによれば、第1送水部により貯水タンクの水を微生物脱臭部に送給して散水し、微生物脱臭部における微生物の活性化を図る。
【0002】
上記した特許文献1では、貯水タンクの水のイオン濃度の上限値を予め設定し、貯水タンクの水のイオン濃度を測定する電気伝導度計を設け、電気伝導度計で測定した貯水タンクの水のイオン濃度が上限値よりも高いときには、新水補給部から新水を貯水タンク内に補給して貯水タンクの水を希釈化させる。また、電気伝導度計で測定した貯水タンクの水のイオン濃度が上限値を越えないときには、新水の補給を停止するか少量とする。これにより微生物に散水される水のイオン濃度を一定域に維持することにしている。例えば、貯水タンクの水における硝酸イオンを5000ppmに定めたときには、微生物に散水される水の硝酸イオンは、新水の補給により、5000ppmを越えないように制御される。
【0003】
また特許文献2には、悪臭成分の脱臭化を促進させる微生物を保持可能な微生物脱臭部と、悪臭成分を含有するガスを脱臭のために微生物脱臭部に送給する悪臭成分含有ガス送給部と、微生物脱臭部から吐出された水を貯留可能な貯水タンクと、貯水タンクの水を微生物脱臭部に送給して微生物脱臭部の微生物の活性化を維持する第1送水部とを備えている。このものによれば、第1送水部により貯水タンクの水を微生物脱臭部に送給して散水し、微生物脱臭部における微生物の活性化を図ることにしている。上記した特許文献2では、貯水タンクの水のpH値を7.5以下に設定し、貯水タンクの水のpH値を測定するpH計を設け、pH計で測定した貯水タンクの水のpH値が高いときには、酸を貯水タンク内に添加して、貯水タンクの水のpH値を7.5以下に維持する。これにより微生物に散水される水のpH値を7.5以下に維持し、微生物脱臭部におけるの微生物の活性化を図る。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−42353号公報
【特許文献2】
特開平7−24247号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記した特許文献1に係る技術によれば、微生物脱臭部に送給される悪臭ガス量が多くなったり、微生物脱臭部に送給される悪臭ガスの悪臭成分の濃度が高くなったりすると、貯水タンクの水のイオン含有濃度が過剰に高くなる。このため貯水タンクの水のイオン濃度を一定域に維持すべく、貯水タンクの水を希釈化させるため大量の水が必要とされる。この場合、脱臭運転中に、貯水タンク内の余分な水を廃水として排出させたり、イオン濃度が高い水を貯水タンクの外方に廃水として排出させたりする必要がある。このように余分な水やイオン濃度が高い貯水タンクの水を廃水として排出させるには、イオンを処理するための廃水処理施設が別途必要とされる。
【0006】
上記した特許文献2に係る技術においても、微生物脱臭部に送給される悪臭ガス量が多くなったり、微生物脱臭部に送給される悪臭ガスの悪臭成分の濃度が高くなったりすると、貯水タンクの水のpH値が高くなり、酸の添加で不充分なときには、貯水タンクの水のpH値を低下させるべく、貯水タンクの水を希釈化させるため大量の水が必要とされる。この場合、脱臭運転中に貯水タンク内の余分な水を廃水として排出させる必要がある。このように余分な水を廃水として排出させるには、廃水処理施設が別途必要とされる。
【0007】
本発明は上記した実情に鑑みなされたものであり、脱臭運転中において貯水タンクのイオン含有水を脱臭システム系の外方に排出することを抑え、廃水処理施設を廃止または簡略化できる微生物脱臭装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る微生物脱臭装置は、悪臭成分の脱臭化を促進させる微生物を保持可能な微生物脱臭部と、
悪臭成分を含有する悪臭ガスを脱臭のために前記微生物脱臭部に送給する悪臭成分含有ガス送給部と、
前記微生物脱臭部から吐出されると共に前記悪臭成分の脱臭に伴い発生するイオンを含有するイオン含有水を貯留可能な貯水タンクと、
前記貯水タンクのイオン含有水を前記微生物脱臭部に送給して前記微生物脱臭部の微生物の活性化を維持する第1送水部と、
前記微生物脱臭部から吐出されるイオン含有水よりもイオン濃度が低い低濃度水を前記貯水タンクに補給可能な低濃度水補給部とを具備する微生物脱臭装置において、
前記微生物脱臭部に付設され前記貯水タンクのイオン含有水を定期的または不定期的に消費する水消費設備が設けられ、
前記微生物脱臭部、前記悪臭成分含有ガス送給部、前記貯水タンク、前記第1送水部、前記低濃度水補給部、前記水消費設備で脱臭システム系を構成すると共に、
脱臭運転中において前記貯水タンクの水が前記水消費設備に送給されて前記貯水タンクにおけるイオン含有水の水量が減少するとき、減少に伴い作動し、前記貯水タンクの減少した水量に相当する水量を前記低濃度水補給部から前記貯水タンクに補給する補給要素が設けられ、
脱臭運転中において前記貯水タンクのイオン含有水が前記脱臭システム系の外方へ排出されることを阻止したクローズ系を構成していることを特徴とするものである。
【0009】
本発明に係る微生物脱臭装置によれば、脱臭運転中に、貯水タンクの水が水消費設備に送給されて貯水タンクにおけるイオン含有水の水量が減少するとき、減少に伴い、補給要素が作動し、貯水タンクの減少した水量に相当する水量を低濃度水補給部から貯水タンクに補給する。この結果、貯水タンクのイオン含有水の水量が過剰に増加することが抑えられる。故に、脱臭運転中において、貯水タンクのイオン含有水を脱臭システム系の外方へ排出することを阻止することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明に係る微生物脱臭装置によれば、微生物脱臭部は、悪臭成分を含有する悪臭ガスの脱臭化を促進させる微生物を保持可能なものである。悪臭成分としては、アンモニアやトリメチルアミン等の窒素化合物、硫化水素やメチルメルカプタン等の硫化物、スチレン等の炭化水素系が例示される。微生物としては、アンモニアを酸化可能な硝化細菌、硫化水素を酸化可能なチオバチルス属の細菌、メチルメルカプタンを分解可能なハイホマイクロビウム属の細菌、炭化水素系を分解可能なシュードモナス属、キサントバクター属及びコリネバクテリウム属の細菌等が例示される。
【0011】
貯水タンクは、微生物脱臭部から吐出されると共に脱臭に伴い発生したイオンを含有するイオン含有水を貯留可能なものである。貯水タンクのイオン含有水に含まれているイオンとしては、硝酸イオン、亜硝酸イオン、硫酸イオン等が例示される。水消費設備は、微生物脱臭部に付設されており、貯水タンクのイオン含有水を定期的または不定期的に消費するものである。代表的な水消費設備としては、有機系物質に発酵処理を施すことにより、有機系物質を堆肥化する堆肥化設備が挙げられる。有機系物質としては、牛糞などの畜産廃棄物、有機汚泥、生ゴミ等が例示される。堆肥化設備で過剰な乾燥が生じると、発酵処理が進みにくいため、水を適宜供給することが好ましい。上記した悪臭成分の発生源としては、堆肥化設備、家畜舎、廃棄物処理場等が挙げられる。悪臭成分含有ガス送給部としては、堆肥化設備で発生した悪臭成分を含有する悪臭ガスを脱臭のために微生物脱臭部に送給する形態とすることができる。
【0012】
本発明に係る微生物脱臭装置によれば、脱臭運転中には貯水タンクのイオン含有水を脱臭システム系の外方に排出させない方式が採用されている。このため、微生物脱臭部に送給される悪臭ガス量が多くなったり、微生物脱臭部に送給される悪臭ガスの悪臭成分の濃度が高くなったりすると、貯水タンクのイオン含有水のイオン濃度が高くなるおそれがある。この場合、イオン濃度が高くなった貯水タンクのイオン含有水が微生物脱臭部に送給されるため、微生物脱臭部付近に臭いを発生させるおそれがある。これを避けるため、貯水タンクから微生物脱臭部に向かうイオン含有水を第1送水部により送給するときに、そのイオン含有水に過剰に含有されているイオンを低減または除去させる除去部材が、第1送水部に設けられている形態を採用することができる。このように除去部材を第1送水部に設ければ、貯水タンクのイオン含有水にイオンが過剰に含有されているときであっても、イオンを低減または除去させることができ、ひいては微生物脱臭部付近における臭い発生を抑えることができる。なお、除去部材は、物理的又は化学的吸着によりイオンを低減または除去する除去部材であってもよく、微生物を担持させて該微生物によりイオンを低減または除去する微生物担持部材であっても良い。
【0013】
補給要素は、脱臭運転中において貯水タンクの水が水消費設備に送給されて貯水タンクにおけるイオン含有水の水量が減少するときに作動する。この場合、補給要素は、貯水タンクにおけるイオン含有水の減少と同時に作動しても良いし、あるいは、時間をずらして作動しても良い。この結果、補給要素は、貯水タンクの減少した水量に相当する水量を低濃度水補給部から貯水タンクに補給する。これにより貯水タンクにおける水位はほぼ一定高さに確保される。補給要素としては、開閉可能な弁、新鮮な水を貯水タンクに補給するポンプが例示される。開閉可能な弁としては、制御装置により所定時間開弁すると共に所定時間経過後に閉弁する弁が挙げられる。また、開閉可能な弁としては、水位センサ等の水位検出手段をもち、貯水タンクの水位の低下に伴い開弁すると共に貯水タンクの水位の復帰と共に閉弁する弁が例示される。
【0014】
【実施例】
以下、本発明を具体化した実施例について図1を参照して説明する。本実施例に係る微生物脱臭装置は、微生物を保持可能な微生物脱臭部1と、悪臭成分含有ガス送給部2と、貯水タンク3と、第1送水部4と、新水補給部5とを具備する。
【0015】
微生物脱臭部1は微生物により脱臭を行う部位であり、収容室10をもつ密閉状の容器11と、容器11の収容室10の担体保持部12に設けられた担体13と、収容室10の一部を形成すると共に担体13の下方に設けられたガス送給室14と、収容室10の一部を形成すると共に担体13の上方に設けられた散水室15と、散水室15に配置され水を放出可能な複数の散水ノズル16と、収容室10の散水室15と外気とを連通させる排気管17とを有する。脱臭されたガスは排気管17から外気に放出される。担体13は、多数の細孔を有する多孔質の粒子の集合体で形成されている。担体13は、悪臭ガスや水を透過させ得るように適度な通気性、通水性を形成していることが好ましい。担体13としては、例えば、鋳物工場等から排出された鋳物砂、汚泥等の廃棄物を熱処理して多孔質化した酸化物材料で形成することができ、平均粒径としては1〜100mmの範囲内、殊に3〜30mmの範囲内とすることができる。鋳物砂、汚泥等の廃棄物は有機物質を含むため、熱処理すれば有機物質が消失し、消失跡が細孔となる。このように細孔が形成されると、担体13は多孔質となって表面積が増加し、悪臭成分の吸着、微生物の繁殖に貢献できる。鋳物砂、汚泥等の廃棄物を熱処理した担体13は鉄等のミネラル等を含むため、微生物の繁殖、活性化に貢献できる。微生物としては、アンモニアを酸化可能な硝化細菌、硫化水素を酸化可能なチオバチルス属の細菌、メチルメルカプタンを分解可能なハイホマイクロビウム属の細菌、炭化水素系を分解可能なシュードモナス属、キサントバクター属及びコリネバクテリウム属の細菌等が例示される。なお、担体13としては、上記した多孔質の粒子の集合体を結合した多孔質のブロックとしても良い。
【0016】
悪臭成分含有ガス送給部2は、悪臭成分を含有する悪臭ガスを脱臭のために微生物脱臭部1の容器1のガス送給室14に送給するものであり、悪臭成分を含有する悪臭ガスが通過可能なガス通路20と、ガス通路20に設けられたガス送給要素として機能するファン21とを有する。貯水タンク3は、微生物脱臭部1から吐出されるイオン含有水を貯留可能なタンク室30をもつタンクであり、重力を利用できるように、微生物脱臭部1の容器11のガス送給室14よりも下方に配置されている。容器11の底側と貯水タンク3とは中間通路32で連通している。
【0017】
第1送水部4は、貯水タンク3のイオン含有水を矢印B1方向に流して微生物脱臭部1に送給するものであり、貯水タンク3のポート3cと微生物脱臭部1の散水ノズル16とを繋ぐ第1通路41と、第1通路41に設けられた水送給要素として機能する第1ポンプ42とを有する。第1送水部4の第1ポンプ42が作動すると、貯水タンク3のイオン含有水は散水ノズル16まで持ち上げられ、散水ノズル16から微生物脱臭部1の担体13に散水される。散水により担体13上の微生物の活性化は維持される。なお、微生物の活性化は、適切な温度、適切な水分、適切な空気などが必要される。
【0018】
新水補給部5は低濃度水補給部として機能するものであり、微生物脱臭部1から吐出されるイオン含有水よりもイオン濃度が低い低濃度水、つまり新鮮な水(水道水、井戸水等)を貯水タンク3に補給するものであり、水源5c(水道管、井戸等)に接続されている。
【0019】
水消費設備として機能する堆肥化設備6は、微生物脱臭部1に付設されており、牛糞等の畜産廃棄物、有機泥、生ゴミ等の有機系物質に発酵処理を施すことにより有機系物質を堆肥化する設備である。堆肥化設備6は、微生物脱臭部1における水消費とは別に、貯水タンク3に貯留されているイオン含有水を定期的または不定期的に消費する。
【0020】
第2送水部7は、貯水タンク3のイオン含有水を堆肥化設備6に定期的または不定期的に送給するものであり、貯水タンク3と堆肥化設備6とを繋ぐ第2通路70と、第2通路70に設けられた水送給要素として機能する第2ポンプ71とを有する。
【0021】
本実施例によれば、前記した微生物脱臭部1、悪臭成分含有ガス送給部2、貯水タンク3、第1送水部4、新水補給部5、堆肥化設備6、第2送水部7により、脱臭システム系8を構成している。従って堆肥化設備6の堆肥化の際に発生した悪臭(一般的にはアンモニア臭)は、以下述べるように脱臭システム系8により脱臭され、排気管17から外気に放出される。
【0022】
本実施例によれば、新水補給部5には補給要素としての補給弁9が設けられている。補給弁9は開閉可能な弁であり、開弁作動に伴い、水源5cの新鮮な水(イオン濃度が低い低濃度水)を新水補給部5を経て貯水タンク3に補給するものである。補給弁9は、電気的または機械的な水位センサ等の水位検出手段をもち、貯水タンク3の水位W1の低下に伴い開弁すると共に、貯水タンク3の水位W1の上昇復帰と共に閉弁する。
【0023】
本実施例によれば、貯水タンク3のタンク室30に貯留されている水は、第1ポンプ42の作動により第1通路41を矢印B1方向に流れ、微生物脱臭部1の容器11の散水室15に至り、散水ノズル16から、微生物脱臭部1の担体13にかけられる。この場合、水を定期的または不定期的に担体13にかけることができる。担体13に保持されている微生物は水により繁殖が進行し、活性化される。水が担体13を通過する際に、水は硝酸イオンを含有する。そしてイオン含有水は担体13を通過して容器11の下側に流れる。
【0024】
堆肥化設備6において有機系物質を堆肥化する際に、悪臭成分(一般的にはアンモニア臭)が発生する。堆肥化設備6において発生した悪臭成分を含む悪臭ガスは、ファン21の作動により、堆肥化設備6側の吸入口6cから吸引され、悪臭成分含有ガス送給部2のガス通路20を矢印A1方向に流れ、微生物脱臭部1の容器11のガス送給室14の入口14aに送給され、更に担体13に送給される。このとき悪臭ガスは担体13を下から上に矢印A2方向に通過する。担体13における悪臭ガスの流れ方向(矢印A2方向)は、担体13における水の通過方向と逆方向である。そして悪臭ガスに含まれている悪臭成分(アンモニア)は、担体13に繁殖して活性化している微生物により酸化分解されて無臭化される(NH3→NO3 -)。無臭化されたガスは、微生物脱臭部1の散水室15を経て、排気管17を矢印A3方向に流れ、外気に放出される。従って排気管17から悪臭ガスが放出されることは抑えられる。即ち、悪臭成分であるアンモニアは硝酸イオン(NO3 -)等となり、硝酸イオンとして、散水ノズル16から収容室10に供給された水に溶出する。そして、硝酸イオンを含有する水は、微生物脱臭部1のガス送給室14に落下し、更に、中間通路32を矢印D1方向に流れ、貯水タンク3のタンク室30に至り、貯水タンク3で貯留される。従って貯水タンク3の水は硝酸イオンを含む。なお、貯水タンク3のイオン濃度は、担体13の微生物による脱臭に影響を受ける。
【0025】
そして、第1送水部4の第1ポンプ42が作動すると、貯水タンク3のイオン含有水は第1通路41を矢印B1方向に流れ、散水ノズル16まで持ち上げられ、散水ノズル16から微生物脱臭部1の担体13に散水される。担体13に担持されている微生物の活性化は、散水により維持され、微生物による脱臭能力は良好に維持される。なお、担体13への散水は所定間隔毎(例えば1〜5時間毎)に行うことができる。
【0026】
ところで、堆肥化設備6における有機系物質の堆肥化を良好にするためには、堆肥化設備6に定期的にまたは不定期的に水を供給する必要が生じる。例えば、1日1回、堆肥化設備6に水を供給する必要が生じる。この場合、第2ポンプ71が作動し、貯水タンク3内に貯留されているイオン(硝酸イオン)を含むイオン含有水は、第2送水部7の第2通路70を矢印C1方向に流れ、堆肥化設備6に送給され、堆肥化設備6において堆肥化のために消費される。このため堆肥化設備6では、肥料としての堆肥が生成される。殊に、貯水タンク3内に貯留されているイオン含有水に含まれているイオン(硝酸イオン)は、肥料成分として機能できるため、堆肥化に有効である。
【0027】
貯水タンク3のイオン含有水が堆肥化設備6に送給されると、貯水タンク3のイオン含有水の水位W1が低下する。そこで本実施例によれば、補給弁9が開弁し、水源5cの新鮮な水を新水補給部5から貯水タンク3内に送給する。即ち、脱臭運転中において、補給弁9は、貯水タンク3で減少した水量に相当する水量を新水補給部5から貯水タンク3に補給する。これにより脱臭運転中において貯水タンク3の水位W1が一定高さを越えることは抑えられる。
【0028】
なお本実施例によれば、貯水タンク3に貯留されている水量を相対表示で100とすると、一般的には、1回の送水時に貯水タンク3から堆肥化設備6に送給される水量は、相対表示で1〜40の範囲内、殊に2〜20の範囲内に設定されている。このため、貯水タンク3の水が減少するぶんは適度な量であり、従って、貯水タンク3のイオン含有水の過剰な変動、貯水タンク3のイオン濃度の過剰な変動は抑制される。このため一般的な脱臭運転中においては、貯水タンク3のイオン含有水のイオン濃度は、ほぼ一定範囲内に維持される(微生物の活性を保持するのに問題のない範囲内に維持される)。なお、貯水タンク3で減少した水量WXは、基本的には、散水ノズル16から担体13に散水されて消費された水量と、堆肥化設備6に送給された水量との和である。
【0029】
以上説明したように本実施例によれば、脱臭運転中において、貯水タンク3の水が第2送水部7の第2通路70を経て堆肥化設備6に送給されるため、貯水タンク3のイオン含有水の水量が減少するが、このときイオン含有水の水量の減少に伴い補給弁9を開弁作動させる。そして、貯水タンク3で減少した水量WXに相当する水量を、新水補給部5から貯水タンク3に補給することにしている。即ち本実施例によれば、脱臭運転中において貯水タンク3の水位W1の大きな変動はなく、貯水タンク3で減少した水量WXに相当する水量ぶん自動的に補充されるため、貯水タンク3のイオン含有水を脱臭システム系8の外方へ排出させることを阻止したクローズ系を構成している。
【0030】
このように本実施例によれば、貯水タンク3のイオン含有水を脱臭システム系8の外方へ排出させることを阻止したクローズ系を構成しているため、外方への排出のためにイオン含有水を無害化処理させる廃水処理設備を廃止または簡略化させることができ、環境保全を図りつつ、設備費の低減を図ることができる。
【0031】
本実施例によれば、悪臭成分含有ガス送給部2は、堆肥化設備6で発生した悪臭成分を含有する悪臭ガスを脱臭のために微生物脱臭部1に送給することにしているため、堆肥化設備6で発生した悪臭ガスを微生物脱臭部1で良好に脱臭することができ、環境保全を図ることができる。しかも堆肥化設備6で発生した悪臭ガスを微生物脱臭部1で脱臭処理して硝酸イオンとした後、その硝酸イオンを含むイオン含有水を貯水タンク3に一旦保持した後に、悪臭発生源である堆肥化設備6に送給して肥料として消費することにしている。このため、悪臭成分の要素は、堆肥化設備6→微生物脱臭部1→貯水タンク3→堆肥化設備6を順にループとして巡回するため、悪臭成分の外気への放出は基本的には防止され、且つ、堆肥に肥料成分(窒素)が付加されることとなり堆肥の肥料価値を悪臭成分の要素により高めることができる。
【0032】
既述した特許文献1,2に係る技術は、貯水タンク3の水のイオン濃度、pH値を厳格に管理することにより、担体13上の微生物の活性化を保証する設計思想に基づくものである。しかし本実施例によれば、貯水タンク3のイオン含有水の排出を阻止すべく貯水タンク3の水位W1を一定高さに管理するだけで、貯水タンク3のイオン含有水のイオン濃度、pH値を厳格に管理しない方式を採用しているため、貯水タンク3のイオン含有水のイオン濃度、pH値が変動するおそれがある。このようにイオン濃度、pH値が変動するおそれがあるイオン含有水を微生物脱臭部1の担体13に散水させるため、担体13に担持されている微生物の環境条件が変化するおそれがある。本実施例によれば、上記のように微生物の環境条件が変化したとしても、その環境条件に対応できた微生物により脱臭作用を奏するものである。本実施例はこの設計思想に基づいて構成されている。従って本実施例に係る微生物脱臭装置は、特許文献1,2に係る技術とは設計思想が相違するものである。
【0033】
(試験例)
上記した図1に示す微生物脱臭装置を用いて第1試験例を行った。第1試験例では、堆肥化設備6の処理量としては堆肥重量で350kg/dayとし、担体13として、鋳物工場から排出された鋳物砂の廃棄物を熱処理したもの(平均粒径:4.5〜7.0mm)を用いた。そして担体13の容積を6000リットルとし、悪臭成分(アンモニア臭)を含む悪臭ガスを20m3/minで微生物脱臭部1に導入すると共に、2時間に1度、10分間だけ、5リットル/minで散水ノズル16により担体13上に散水を行った。そして第1試験例では、貯水タンク3に貯留されているイオン含有水の硝酸イオン濃度を経時的に測定した。試験結果を図2に示す。図2の横軸は経過時間(左端の8/1は8月1日を意味し、1/1は1月1日を意味し、右端の9/1は翌年の9月1日を意味する)を示し、図2の縦軸は貯水タンク3に貯留されているイオン含有水の硝酸イオン濃度(相対表示)を示す。図2に示すように、運転開始直後の2〜3ヶ月程度は、貯水タンク3の硝酸イオンは少なかった。その理由として、本試験例では、微生物を担体13に予め担持する方式を採用せず、微生物を担体13に予め担持することなく、微生物の自然発生的な繁殖を期待する方式を採用しているため、担体13に微生物が十分に繁殖していないためと推察される。しかし運転開始直後の3ヶ月以降は、図2に示すように、貯水タンク3の硝酸イオンは次第に増加し、相対表示で120付近に到達し、その後、相対表示で120を越えない領域で安定化した。これは担体13において微生物が繁殖し活性化しているものと推察される。
【0034】
図3は、貯水タンク3に貯留されているイオン含有水のpH値を示す。図3の横軸は経過時間(図2と同様の意味)を示し、図3の縦軸は貯水タンク3に貯留されているイオン含有水のpH値を示す。図3に示すように、貯水タンク3に貯留されているイオン含有水のpH値は変動するものの、5.5〜7.6の範囲に納まっていた。このpH値の変動範囲であれば、担体13に担持されている微生物の活性化を良好に維持できる。
【0035】
図4は第1試験例における経時的な脱臭効果を示す。図4の横軸は経過時間(図2と同様の意味)を示し、図4の縦軸はアンモニア濃度(相対表示)を示す。図4において、特性線のK1は微生物脱臭装置の微生物脱臭部1の入口14aに送給される悪臭ガスのアンモニア濃度(相対表示)を示し、特性線K2は微生物脱臭部1の排気管17から放出される脱臭済みガスのアンモニア濃度(相対表示)を示す。図4の特性線K1に示すように、微生物脱臭装置の微生物脱臭部1の入口14aに送給される悪臭ガスのアンモニア濃度は、相対表示で約10〜105の範囲で変動した。しかし図4の特性線K2に示すように、微生物脱臭部1の排気管17の出口側の脱臭済みガスのアンモニア濃度は、相対表示でほとんど0であった。運転開始直後から2〜3ヶ月以内であっても、特性領域K3に示すように良好な脱臭効果が得られたのは、多孔質の担体13による物理的吸着によるものと推察される。しかし担体13における微生物の繁殖がみられないと、担体13における吸着能が飽和に近づき、排気管17の出口から排出される脱臭済みガスのアンモニア濃度は、時間経過と共に上昇していく。しかしこの第1試験例では、時間経過に伴い、多孔質の担体13において微生物が繁殖して活性化するため、微生物脱臭が良好に進行し、排気管17の出口から排出される脱臭済みガスのアンモニア濃度は、図4の特性線K2に示すように、相対表示でほぼ0に維持される。このように本実施例に係る微生物脱臭装置の脱臭能力は良好である。
【0036】
図5は、上記した実施例と同様の設計思想で形成した模擬装置を用いた第2試験例における試験結果を示す。但し、第2試験例では、堆肥化設備6に貯水タンク3のイオン含有水を送給しなかったため、貯水タンク3内のイオン含有水の硝酸イオン濃度が徐々に増加する傾向となった。第2試験例では、多孔質のセラミックス製の担体13(全容積:200リットル)を収容したパイプの下から、堆肥化設備6で発生した悪臭成分(アンモニア臭)を含む悪臭ガスを3m3/minで導入すると共に、2時間に1度、10分間だけ、20リットル/minで散水ノズルにより散水を行った。なお、担体13を通過した水を貯水タンク3で受けた。貯水タンク3の水は再び担体13に散水されるようになっている。
【0037】
第2試験例の試験結果を図5に示す。図5の左側の縦軸は貯水タンク3のイオン含有水の硝酸イオン濃度(相対表示)を示し、図5の右側の縦軸はアンモニア濃度(相対表示)を示し、図5の横軸は経過時間(左端の8/5は8月5日を示し、右端の11/25は11月25日を意味する)を示す。図5において、特性線M1は、貯水タンク3のイオン含有水の硝酸イオン濃度の変化を示し、特性線N1は、微生物脱臭部1に供給される脱臭前の悪臭ガスのアンモニア濃度を示し、○印は微生物脱臭部1の排気管17から排出された脱臭済みガスのアンモニア濃度を示す。また図5の特性線M1に示すように、貯水タンク3のイオン含有水の硝酸イオン濃度は時間の経過につれて次第に増加する。また、図5の特性線N1に示すように、脱臭前の悪臭ガスのアンモニア濃度はかなり変動すると同時に高い。それにもかかわらず、図5の○印で示すように、脱臭済みガスはアンモニア濃度がほとんど0であり、無臭化されていた。
【0038】
第2試験例では、貯水タンク3のイオン含有水のイオン濃度が最高値(相対表示で420,図5に示す時期TA)になったとき、貯水タンク3のイオン含有水の全部を堆肥化設備6に供給すると共に、貯水タンク3内に新水を投入し、貯水タンク3の水の総入替えを行った。貯水タンク3の水の総入替えを行った後には、貯水タンク3のイオン含有水の硝酸イオン濃度は急激に低下し、相対表示で100に近づく(図5に示す時刻TB)。このように貯水タンク3のイオン含有水の硝酸イオン濃度が急激に低下する環境変化が生じたときであっても、図5に示す時刻TB付近における○印で示すように、脱臭済みガスのアンモニア濃度はほとんど0で無臭化されており、良好なる微生物脱臭効果が得られた。これは微生物が環境変化に対応できたものと推察される。
【0039】
(他の実施例)
図6は本発明の他の実施例を示す。本実施例は前記した実施例と基本的には同様の構成であり、基本的には同様の作用効果を奏する。以下、異なる部分を中心として説明する。貯水タンク3に貯留されているイオン含有水が堆肥化設備6において消費されない時期が事情により一定時間以上継続すると、新水が貯水タンク3に補給されないか、あるいは、微生物脱臭部1の散水ノズル16で散水される量に相当するぶんしか新水が貯水タンク3に補給されない。このため、貯水タンク3のイオン含有水のイオン濃度が次第に増加し、貯水タンク3のイオン含有水のイオン濃度が過剰に高くなるおそれがある。このようにイオン濃度が過剰となった貯水タンク3のイオン含有水が散水室15で散水されると、微生物脱臭部1の排気管17から排出させる脱臭済みガスに臭いが付くおそれがある。
【0040】
これを避けるため本実施例によれば、図6に示すように、貯水タンク3のポート3cから微生物脱臭部1に向かう第1送水部4の第1通路41の途中に除去部材100が交換可能に配置されている。このため貯水タンク3のポート3cから第1送水部4を経て微生物脱臭部1の散水ノズル16に向かうイオン含有水から、イオンを除去部材100により低減または除去させることができる。この結果、貯水タンク3のイオン含有水のイオン濃度が過剰になったとしても、除去部材100により過剰なイオンが取り除かれるため、微生物脱臭部1の排気管17から外気に放出させる脱臭済みガスに臭いが付くことを抑えることができ、環境保全に一層有効である。除去部材100としては多孔質体が好ましく、ゼオライト、セピオライト、活性炭等を例示できる。除去部材100の除去能力が飽和に近づいたら、除去部材100を交換することができる。
【0041】
図7は本発明の別の他の実施例を示す。本実施例は図1に示す前記した実施例と基本的には同様の構成であり、基本的には同様の作用効果を奏する。以下、異なる部分を中心として説明する。第2送水部7Cは、貯水タンク3のイオン含有水を堆肥化設備6に定期的または不定期的に送給するものであり、第1送水部4の第1通路41の分岐部41rと堆肥化設備6とを繋ぐ第2通路70Cと、分岐部41rに設けられた水送給要素として機能する切替弁78とを有する。貯水タンク3のイオン含有水を散水ノズル16に送給して担体13に散水を行うときには、第1ポンプ42を作動させつつ、切替弁78を切り替え、貯水タンク3と散水ノズル16とを連通させると共に、貯水タンク3と堆肥化設備6とを非連通とさせる。また、貯水タンク3のイオン含有水を堆肥化設備6に送給するときには、第1ポンプ42を作動させつつ、切替弁78を切り替え、貯水タンク3と散水ノズル16とを非連通とさせると共に、貯水タンク3と堆肥化設備6とを連通させる。これにより散水ノズル16への水送給と堆肥化設備6への水送給とに、第1ポンプ42を共用できる。
【0042】
(その他)
上記した実施例によれば、補給要素として用いられる補給弁9は、貯水タンク3の水位W1の低下に伴い開弁すると共に、貯水タンク3の水位W1の上昇復帰と共に閉弁するものであるが、これに限らず、補給弁9に代えて、貯水タンク3の水位W1の低下に伴い作動して貯水タンク3に水を補給すると共に、貯水タンク3の水位W1の上昇復帰と共に停止するポンプを補給要素として用いても良い。本発明は上記した実施例のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できるものである。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る微生物脱臭装置によれば、脱臭運転中において、貯水タンクに貯留されているイオン含有水の水量が減少するとき、貯水タンクの減少した水量に相当する水量を低濃度水補給部から貯水タンクに補給することにしているため、貯水タンクのイオン含有水の水量が過剰化することが抑えられる。故に、脱臭運転中において貯水タンクのイオン含有水を脱臭システム系の外方へ排出せずとも良い。即ち、脱臭運転中において貯水タンクのイオン含有水を脱臭システム系の外方に排出することを抑えることができる。故に、廃水処理施設を廃止または簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】微生物脱臭装置の概念図である。
【図2】第1試験例に係り、貯水タンクのイオン含有水の硝酸イオン濃度と経過時間との関係についての試験結果を示すグラフである。
【図3】第1試験例に係り、貯水タンクのイオン含有水のpH値と経過時間との関係についての試験結果を示すグラフである。
【図4】第1試験例に係り、微生物脱臭装置の微生物脱臭部の入口側に送給される悪臭ガスのアンモニア濃度と、微生物脱臭部の排気管の出口側の脱臭済みガスのアンモニア濃度と、経過時間との関係についての試験結果を示すグラフである。
【図5】第2試験例に係り、微生物脱臭装置におけるアンモニア濃度と貯水タンクの水の硝酸イオン濃度と経過時間との関係についての試験結果を示すグラフである。
【図6】他の実施例に係り、微生物脱臭装置の概念図である。
【図7】別の他の実施例に係り、微生物脱臭装置の概念図である。
【符号の説明】
図中、1は微生物脱臭部、13は担体、2は悪臭成分含有ガス送給部、20はガス通路、21はファン、3は貯水タンク、30はタンク室、4は第1送水部、41は第1通路、42は第1ポンプ、5は新水補給部(低濃度水補給部)、6は堆肥化設備(水消費設備)、7は第2送水部、70は第2通路、71は第2ポンプ、8は脱臭システム系、9は補給弁(補給要素)を示す。
【0001】
【従来の技術】
特許文献1には、悪臭成分の脱臭化を促進させる微生物を保持可能な微生物脱臭部と、悪臭成分を含有するガスを脱臭のために微生物脱臭部に送給する悪臭成分含有ガス送給部と、微生物脱臭部から吐出された水を貯留可能な貯水タンクと、貯水タンクの水を微生物脱臭部に送給して微生物脱臭部の微生物の活性化を維持する第1送水部と、新鮮な水を貯水タンクに補給可能な新水補給部とを備えている。このものによれば、第1送水部により貯水タンクの水を微生物脱臭部に送給して散水し、微生物脱臭部における微生物の活性化を図る。
【0002】
上記した特許文献1では、貯水タンクの水のイオン濃度の上限値を予め設定し、貯水タンクの水のイオン濃度を測定する電気伝導度計を設け、電気伝導度計で測定した貯水タンクの水のイオン濃度が上限値よりも高いときには、新水補給部から新水を貯水タンク内に補給して貯水タンクの水を希釈化させる。また、電気伝導度計で測定した貯水タンクの水のイオン濃度が上限値を越えないときには、新水の補給を停止するか少量とする。これにより微生物に散水される水のイオン濃度を一定域に維持することにしている。例えば、貯水タンクの水における硝酸イオンを5000ppmに定めたときには、微生物に散水される水の硝酸イオンは、新水の補給により、5000ppmを越えないように制御される。
【0003】
また特許文献2には、悪臭成分の脱臭化を促進させる微生物を保持可能な微生物脱臭部と、悪臭成分を含有するガスを脱臭のために微生物脱臭部に送給する悪臭成分含有ガス送給部と、微生物脱臭部から吐出された水を貯留可能な貯水タンクと、貯水タンクの水を微生物脱臭部に送給して微生物脱臭部の微生物の活性化を維持する第1送水部とを備えている。このものによれば、第1送水部により貯水タンクの水を微生物脱臭部に送給して散水し、微生物脱臭部における微生物の活性化を図ることにしている。上記した特許文献2では、貯水タンクの水のpH値を7.5以下に設定し、貯水タンクの水のpH値を測定するpH計を設け、pH計で測定した貯水タンクの水のpH値が高いときには、酸を貯水タンク内に添加して、貯水タンクの水のpH値を7.5以下に維持する。これにより微生物に散水される水のpH値を7.5以下に維持し、微生物脱臭部におけるの微生物の活性化を図る。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−42353号公報
【特許文献2】
特開平7−24247号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記した特許文献1に係る技術によれば、微生物脱臭部に送給される悪臭ガス量が多くなったり、微生物脱臭部に送給される悪臭ガスの悪臭成分の濃度が高くなったりすると、貯水タンクの水のイオン含有濃度が過剰に高くなる。このため貯水タンクの水のイオン濃度を一定域に維持すべく、貯水タンクの水を希釈化させるため大量の水が必要とされる。この場合、脱臭運転中に、貯水タンク内の余分な水を廃水として排出させたり、イオン濃度が高い水を貯水タンクの外方に廃水として排出させたりする必要がある。このように余分な水やイオン濃度が高い貯水タンクの水を廃水として排出させるには、イオンを処理するための廃水処理施設が別途必要とされる。
【0006】
上記した特許文献2に係る技術においても、微生物脱臭部に送給される悪臭ガス量が多くなったり、微生物脱臭部に送給される悪臭ガスの悪臭成分の濃度が高くなったりすると、貯水タンクの水のpH値が高くなり、酸の添加で不充分なときには、貯水タンクの水のpH値を低下させるべく、貯水タンクの水を希釈化させるため大量の水が必要とされる。この場合、脱臭運転中に貯水タンク内の余分な水を廃水として排出させる必要がある。このように余分な水を廃水として排出させるには、廃水処理施設が別途必要とされる。
【0007】
本発明は上記した実情に鑑みなされたものであり、脱臭運転中において貯水タンクのイオン含有水を脱臭システム系の外方に排出することを抑え、廃水処理施設を廃止または簡略化できる微生物脱臭装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る微生物脱臭装置は、悪臭成分の脱臭化を促進させる微生物を保持可能な微生物脱臭部と、
悪臭成分を含有する悪臭ガスを脱臭のために前記微生物脱臭部に送給する悪臭成分含有ガス送給部と、
前記微生物脱臭部から吐出されると共に前記悪臭成分の脱臭に伴い発生するイオンを含有するイオン含有水を貯留可能な貯水タンクと、
前記貯水タンクのイオン含有水を前記微生物脱臭部に送給して前記微生物脱臭部の微生物の活性化を維持する第1送水部と、
前記微生物脱臭部から吐出されるイオン含有水よりもイオン濃度が低い低濃度水を前記貯水タンクに補給可能な低濃度水補給部とを具備する微生物脱臭装置において、
前記微生物脱臭部に付設され前記貯水タンクのイオン含有水を定期的または不定期的に消費する水消費設備が設けられ、
前記微生物脱臭部、前記悪臭成分含有ガス送給部、前記貯水タンク、前記第1送水部、前記低濃度水補給部、前記水消費設備で脱臭システム系を構成すると共に、
脱臭運転中において前記貯水タンクの水が前記水消費設備に送給されて前記貯水タンクにおけるイオン含有水の水量が減少するとき、減少に伴い作動し、前記貯水タンクの減少した水量に相当する水量を前記低濃度水補給部から前記貯水タンクに補給する補給要素が設けられ、
脱臭運転中において前記貯水タンクのイオン含有水が前記脱臭システム系の外方へ排出されることを阻止したクローズ系を構成していることを特徴とするものである。
【0009】
本発明に係る微生物脱臭装置によれば、脱臭運転中に、貯水タンクの水が水消費設備に送給されて貯水タンクにおけるイオン含有水の水量が減少するとき、減少に伴い、補給要素が作動し、貯水タンクの減少した水量に相当する水量を低濃度水補給部から貯水タンクに補給する。この結果、貯水タンクのイオン含有水の水量が過剰に増加することが抑えられる。故に、脱臭運転中において、貯水タンクのイオン含有水を脱臭システム系の外方へ排出することを阻止することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明に係る微生物脱臭装置によれば、微生物脱臭部は、悪臭成分を含有する悪臭ガスの脱臭化を促進させる微生物を保持可能なものである。悪臭成分としては、アンモニアやトリメチルアミン等の窒素化合物、硫化水素やメチルメルカプタン等の硫化物、スチレン等の炭化水素系が例示される。微生物としては、アンモニアを酸化可能な硝化細菌、硫化水素を酸化可能なチオバチルス属の細菌、メチルメルカプタンを分解可能なハイホマイクロビウム属の細菌、炭化水素系を分解可能なシュードモナス属、キサントバクター属及びコリネバクテリウム属の細菌等が例示される。
【0011】
貯水タンクは、微生物脱臭部から吐出されると共に脱臭に伴い発生したイオンを含有するイオン含有水を貯留可能なものである。貯水タンクのイオン含有水に含まれているイオンとしては、硝酸イオン、亜硝酸イオン、硫酸イオン等が例示される。水消費設備は、微生物脱臭部に付設されており、貯水タンクのイオン含有水を定期的または不定期的に消費するものである。代表的な水消費設備としては、有機系物質に発酵処理を施すことにより、有機系物質を堆肥化する堆肥化設備が挙げられる。有機系物質としては、牛糞などの畜産廃棄物、有機汚泥、生ゴミ等が例示される。堆肥化設備で過剰な乾燥が生じると、発酵処理が進みにくいため、水を適宜供給することが好ましい。上記した悪臭成分の発生源としては、堆肥化設備、家畜舎、廃棄物処理場等が挙げられる。悪臭成分含有ガス送給部としては、堆肥化設備で発生した悪臭成分を含有する悪臭ガスを脱臭のために微生物脱臭部に送給する形態とすることができる。
【0012】
本発明に係る微生物脱臭装置によれば、脱臭運転中には貯水タンクのイオン含有水を脱臭システム系の外方に排出させない方式が採用されている。このため、微生物脱臭部に送給される悪臭ガス量が多くなったり、微生物脱臭部に送給される悪臭ガスの悪臭成分の濃度が高くなったりすると、貯水タンクのイオン含有水のイオン濃度が高くなるおそれがある。この場合、イオン濃度が高くなった貯水タンクのイオン含有水が微生物脱臭部に送給されるため、微生物脱臭部付近に臭いを発生させるおそれがある。これを避けるため、貯水タンクから微生物脱臭部に向かうイオン含有水を第1送水部により送給するときに、そのイオン含有水に過剰に含有されているイオンを低減または除去させる除去部材が、第1送水部に設けられている形態を採用することができる。このように除去部材を第1送水部に設ければ、貯水タンクのイオン含有水にイオンが過剰に含有されているときであっても、イオンを低減または除去させることができ、ひいては微生物脱臭部付近における臭い発生を抑えることができる。なお、除去部材は、物理的又は化学的吸着によりイオンを低減または除去する除去部材であってもよく、微生物を担持させて該微生物によりイオンを低減または除去する微生物担持部材であっても良い。
【0013】
補給要素は、脱臭運転中において貯水タンクの水が水消費設備に送給されて貯水タンクにおけるイオン含有水の水量が減少するときに作動する。この場合、補給要素は、貯水タンクにおけるイオン含有水の減少と同時に作動しても良いし、あるいは、時間をずらして作動しても良い。この結果、補給要素は、貯水タンクの減少した水量に相当する水量を低濃度水補給部から貯水タンクに補給する。これにより貯水タンクにおける水位はほぼ一定高さに確保される。補給要素としては、開閉可能な弁、新鮮な水を貯水タンクに補給するポンプが例示される。開閉可能な弁としては、制御装置により所定時間開弁すると共に所定時間経過後に閉弁する弁が挙げられる。また、開閉可能な弁としては、水位センサ等の水位検出手段をもち、貯水タンクの水位の低下に伴い開弁すると共に貯水タンクの水位の復帰と共に閉弁する弁が例示される。
【0014】
【実施例】
以下、本発明を具体化した実施例について図1を参照して説明する。本実施例に係る微生物脱臭装置は、微生物を保持可能な微生物脱臭部1と、悪臭成分含有ガス送給部2と、貯水タンク3と、第1送水部4と、新水補給部5とを具備する。
【0015】
微生物脱臭部1は微生物により脱臭を行う部位であり、収容室10をもつ密閉状の容器11と、容器11の収容室10の担体保持部12に設けられた担体13と、収容室10の一部を形成すると共に担体13の下方に設けられたガス送給室14と、収容室10の一部を形成すると共に担体13の上方に設けられた散水室15と、散水室15に配置され水を放出可能な複数の散水ノズル16と、収容室10の散水室15と外気とを連通させる排気管17とを有する。脱臭されたガスは排気管17から外気に放出される。担体13は、多数の細孔を有する多孔質の粒子の集合体で形成されている。担体13は、悪臭ガスや水を透過させ得るように適度な通気性、通水性を形成していることが好ましい。担体13としては、例えば、鋳物工場等から排出された鋳物砂、汚泥等の廃棄物を熱処理して多孔質化した酸化物材料で形成することができ、平均粒径としては1〜100mmの範囲内、殊に3〜30mmの範囲内とすることができる。鋳物砂、汚泥等の廃棄物は有機物質を含むため、熱処理すれば有機物質が消失し、消失跡が細孔となる。このように細孔が形成されると、担体13は多孔質となって表面積が増加し、悪臭成分の吸着、微生物の繁殖に貢献できる。鋳物砂、汚泥等の廃棄物を熱処理した担体13は鉄等のミネラル等を含むため、微生物の繁殖、活性化に貢献できる。微生物としては、アンモニアを酸化可能な硝化細菌、硫化水素を酸化可能なチオバチルス属の細菌、メチルメルカプタンを分解可能なハイホマイクロビウム属の細菌、炭化水素系を分解可能なシュードモナス属、キサントバクター属及びコリネバクテリウム属の細菌等が例示される。なお、担体13としては、上記した多孔質の粒子の集合体を結合した多孔質のブロックとしても良い。
【0016】
悪臭成分含有ガス送給部2は、悪臭成分を含有する悪臭ガスを脱臭のために微生物脱臭部1の容器1のガス送給室14に送給するものであり、悪臭成分を含有する悪臭ガスが通過可能なガス通路20と、ガス通路20に設けられたガス送給要素として機能するファン21とを有する。貯水タンク3は、微生物脱臭部1から吐出されるイオン含有水を貯留可能なタンク室30をもつタンクであり、重力を利用できるように、微生物脱臭部1の容器11のガス送給室14よりも下方に配置されている。容器11の底側と貯水タンク3とは中間通路32で連通している。
【0017】
第1送水部4は、貯水タンク3のイオン含有水を矢印B1方向に流して微生物脱臭部1に送給するものであり、貯水タンク3のポート3cと微生物脱臭部1の散水ノズル16とを繋ぐ第1通路41と、第1通路41に設けられた水送給要素として機能する第1ポンプ42とを有する。第1送水部4の第1ポンプ42が作動すると、貯水タンク3のイオン含有水は散水ノズル16まで持ち上げられ、散水ノズル16から微生物脱臭部1の担体13に散水される。散水により担体13上の微生物の活性化は維持される。なお、微生物の活性化は、適切な温度、適切な水分、適切な空気などが必要される。
【0018】
新水補給部5は低濃度水補給部として機能するものであり、微生物脱臭部1から吐出されるイオン含有水よりもイオン濃度が低い低濃度水、つまり新鮮な水(水道水、井戸水等)を貯水タンク3に補給するものであり、水源5c(水道管、井戸等)に接続されている。
【0019】
水消費設備として機能する堆肥化設備6は、微生物脱臭部1に付設されており、牛糞等の畜産廃棄物、有機泥、生ゴミ等の有機系物質に発酵処理を施すことにより有機系物質を堆肥化する設備である。堆肥化設備6は、微生物脱臭部1における水消費とは別に、貯水タンク3に貯留されているイオン含有水を定期的または不定期的に消費する。
【0020】
第2送水部7は、貯水タンク3のイオン含有水を堆肥化設備6に定期的または不定期的に送給するものであり、貯水タンク3と堆肥化設備6とを繋ぐ第2通路70と、第2通路70に設けられた水送給要素として機能する第2ポンプ71とを有する。
【0021】
本実施例によれば、前記した微生物脱臭部1、悪臭成分含有ガス送給部2、貯水タンク3、第1送水部4、新水補給部5、堆肥化設備6、第2送水部7により、脱臭システム系8を構成している。従って堆肥化設備6の堆肥化の際に発生した悪臭(一般的にはアンモニア臭)は、以下述べるように脱臭システム系8により脱臭され、排気管17から外気に放出される。
【0022】
本実施例によれば、新水補給部5には補給要素としての補給弁9が設けられている。補給弁9は開閉可能な弁であり、開弁作動に伴い、水源5cの新鮮な水(イオン濃度が低い低濃度水)を新水補給部5を経て貯水タンク3に補給するものである。補給弁9は、電気的または機械的な水位センサ等の水位検出手段をもち、貯水タンク3の水位W1の低下に伴い開弁すると共に、貯水タンク3の水位W1の上昇復帰と共に閉弁する。
【0023】
本実施例によれば、貯水タンク3のタンク室30に貯留されている水は、第1ポンプ42の作動により第1通路41を矢印B1方向に流れ、微生物脱臭部1の容器11の散水室15に至り、散水ノズル16から、微生物脱臭部1の担体13にかけられる。この場合、水を定期的または不定期的に担体13にかけることができる。担体13に保持されている微生物は水により繁殖が進行し、活性化される。水が担体13を通過する際に、水は硝酸イオンを含有する。そしてイオン含有水は担体13を通過して容器11の下側に流れる。
【0024】
堆肥化設備6において有機系物質を堆肥化する際に、悪臭成分(一般的にはアンモニア臭)が発生する。堆肥化設備6において発生した悪臭成分を含む悪臭ガスは、ファン21の作動により、堆肥化設備6側の吸入口6cから吸引され、悪臭成分含有ガス送給部2のガス通路20を矢印A1方向に流れ、微生物脱臭部1の容器11のガス送給室14の入口14aに送給され、更に担体13に送給される。このとき悪臭ガスは担体13を下から上に矢印A2方向に通過する。担体13における悪臭ガスの流れ方向(矢印A2方向)は、担体13における水の通過方向と逆方向である。そして悪臭ガスに含まれている悪臭成分(アンモニア)は、担体13に繁殖して活性化している微生物により酸化分解されて無臭化される(NH3→NO3 -)。無臭化されたガスは、微生物脱臭部1の散水室15を経て、排気管17を矢印A3方向に流れ、外気に放出される。従って排気管17から悪臭ガスが放出されることは抑えられる。即ち、悪臭成分であるアンモニアは硝酸イオン(NO3 -)等となり、硝酸イオンとして、散水ノズル16から収容室10に供給された水に溶出する。そして、硝酸イオンを含有する水は、微生物脱臭部1のガス送給室14に落下し、更に、中間通路32を矢印D1方向に流れ、貯水タンク3のタンク室30に至り、貯水タンク3で貯留される。従って貯水タンク3の水は硝酸イオンを含む。なお、貯水タンク3のイオン濃度は、担体13の微生物による脱臭に影響を受ける。
【0025】
そして、第1送水部4の第1ポンプ42が作動すると、貯水タンク3のイオン含有水は第1通路41を矢印B1方向に流れ、散水ノズル16まで持ち上げられ、散水ノズル16から微生物脱臭部1の担体13に散水される。担体13に担持されている微生物の活性化は、散水により維持され、微生物による脱臭能力は良好に維持される。なお、担体13への散水は所定間隔毎(例えば1〜5時間毎)に行うことができる。
【0026】
ところで、堆肥化設備6における有機系物質の堆肥化を良好にするためには、堆肥化設備6に定期的にまたは不定期的に水を供給する必要が生じる。例えば、1日1回、堆肥化設備6に水を供給する必要が生じる。この場合、第2ポンプ71が作動し、貯水タンク3内に貯留されているイオン(硝酸イオン)を含むイオン含有水は、第2送水部7の第2通路70を矢印C1方向に流れ、堆肥化設備6に送給され、堆肥化設備6において堆肥化のために消費される。このため堆肥化設備6では、肥料としての堆肥が生成される。殊に、貯水タンク3内に貯留されているイオン含有水に含まれているイオン(硝酸イオン)は、肥料成分として機能できるため、堆肥化に有効である。
【0027】
貯水タンク3のイオン含有水が堆肥化設備6に送給されると、貯水タンク3のイオン含有水の水位W1が低下する。そこで本実施例によれば、補給弁9が開弁し、水源5cの新鮮な水を新水補給部5から貯水タンク3内に送給する。即ち、脱臭運転中において、補給弁9は、貯水タンク3で減少した水量に相当する水量を新水補給部5から貯水タンク3に補給する。これにより脱臭運転中において貯水タンク3の水位W1が一定高さを越えることは抑えられる。
【0028】
なお本実施例によれば、貯水タンク3に貯留されている水量を相対表示で100とすると、一般的には、1回の送水時に貯水タンク3から堆肥化設備6に送給される水量は、相対表示で1〜40の範囲内、殊に2〜20の範囲内に設定されている。このため、貯水タンク3の水が減少するぶんは適度な量であり、従って、貯水タンク3のイオン含有水の過剰な変動、貯水タンク3のイオン濃度の過剰な変動は抑制される。このため一般的な脱臭運転中においては、貯水タンク3のイオン含有水のイオン濃度は、ほぼ一定範囲内に維持される(微生物の活性を保持するのに問題のない範囲内に維持される)。なお、貯水タンク3で減少した水量WXは、基本的には、散水ノズル16から担体13に散水されて消費された水量と、堆肥化設備6に送給された水量との和である。
【0029】
以上説明したように本実施例によれば、脱臭運転中において、貯水タンク3の水が第2送水部7の第2通路70を経て堆肥化設備6に送給されるため、貯水タンク3のイオン含有水の水量が減少するが、このときイオン含有水の水量の減少に伴い補給弁9を開弁作動させる。そして、貯水タンク3で減少した水量WXに相当する水量を、新水補給部5から貯水タンク3に補給することにしている。即ち本実施例によれば、脱臭運転中において貯水タンク3の水位W1の大きな変動はなく、貯水タンク3で減少した水量WXに相当する水量ぶん自動的に補充されるため、貯水タンク3のイオン含有水を脱臭システム系8の外方へ排出させることを阻止したクローズ系を構成している。
【0030】
このように本実施例によれば、貯水タンク3のイオン含有水を脱臭システム系8の外方へ排出させることを阻止したクローズ系を構成しているため、外方への排出のためにイオン含有水を無害化処理させる廃水処理設備を廃止または簡略化させることができ、環境保全を図りつつ、設備費の低減を図ることができる。
【0031】
本実施例によれば、悪臭成分含有ガス送給部2は、堆肥化設備6で発生した悪臭成分を含有する悪臭ガスを脱臭のために微生物脱臭部1に送給することにしているため、堆肥化設備6で発生した悪臭ガスを微生物脱臭部1で良好に脱臭することができ、環境保全を図ることができる。しかも堆肥化設備6で発生した悪臭ガスを微生物脱臭部1で脱臭処理して硝酸イオンとした後、その硝酸イオンを含むイオン含有水を貯水タンク3に一旦保持した後に、悪臭発生源である堆肥化設備6に送給して肥料として消費することにしている。このため、悪臭成分の要素は、堆肥化設備6→微生物脱臭部1→貯水タンク3→堆肥化設備6を順にループとして巡回するため、悪臭成分の外気への放出は基本的には防止され、且つ、堆肥に肥料成分(窒素)が付加されることとなり堆肥の肥料価値を悪臭成分の要素により高めることができる。
【0032】
既述した特許文献1,2に係る技術は、貯水タンク3の水のイオン濃度、pH値を厳格に管理することにより、担体13上の微生物の活性化を保証する設計思想に基づくものである。しかし本実施例によれば、貯水タンク3のイオン含有水の排出を阻止すべく貯水タンク3の水位W1を一定高さに管理するだけで、貯水タンク3のイオン含有水のイオン濃度、pH値を厳格に管理しない方式を採用しているため、貯水タンク3のイオン含有水のイオン濃度、pH値が変動するおそれがある。このようにイオン濃度、pH値が変動するおそれがあるイオン含有水を微生物脱臭部1の担体13に散水させるため、担体13に担持されている微生物の環境条件が変化するおそれがある。本実施例によれば、上記のように微生物の環境条件が変化したとしても、その環境条件に対応できた微生物により脱臭作用を奏するものである。本実施例はこの設計思想に基づいて構成されている。従って本実施例に係る微生物脱臭装置は、特許文献1,2に係る技術とは設計思想が相違するものである。
【0033】
(試験例)
上記した図1に示す微生物脱臭装置を用いて第1試験例を行った。第1試験例では、堆肥化設備6の処理量としては堆肥重量で350kg/dayとし、担体13として、鋳物工場から排出された鋳物砂の廃棄物を熱処理したもの(平均粒径:4.5〜7.0mm)を用いた。そして担体13の容積を6000リットルとし、悪臭成分(アンモニア臭)を含む悪臭ガスを20m3/minで微生物脱臭部1に導入すると共に、2時間に1度、10分間だけ、5リットル/minで散水ノズル16により担体13上に散水を行った。そして第1試験例では、貯水タンク3に貯留されているイオン含有水の硝酸イオン濃度を経時的に測定した。試験結果を図2に示す。図2の横軸は経過時間(左端の8/1は8月1日を意味し、1/1は1月1日を意味し、右端の9/1は翌年の9月1日を意味する)を示し、図2の縦軸は貯水タンク3に貯留されているイオン含有水の硝酸イオン濃度(相対表示)を示す。図2に示すように、運転開始直後の2〜3ヶ月程度は、貯水タンク3の硝酸イオンは少なかった。その理由として、本試験例では、微生物を担体13に予め担持する方式を採用せず、微生物を担体13に予め担持することなく、微生物の自然発生的な繁殖を期待する方式を採用しているため、担体13に微生物が十分に繁殖していないためと推察される。しかし運転開始直後の3ヶ月以降は、図2に示すように、貯水タンク3の硝酸イオンは次第に増加し、相対表示で120付近に到達し、その後、相対表示で120を越えない領域で安定化した。これは担体13において微生物が繁殖し活性化しているものと推察される。
【0034】
図3は、貯水タンク3に貯留されているイオン含有水のpH値を示す。図3の横軸は経過時間(図2と同様の意味)を示し、図3の縦軸は貯水タンク3に貯留されているイオン含有水のpH値を示す。図3に示すように、貯水タンク3に貯留されているイオン含有水のpH値は変動するものの、5.5〜7.6の範囲に納まっていた。このpH値の変動範囲であれば、担体13に担持されている微生物の活性化を良好に維持できる。
【0035】
図4は第1試験例における経時的な脱臭効果を示す。図4の横軸は経過時間(図2と同様の意味)を示し、図4の縦軸はアンモニア濃度(相対表示)を示す。図4において、特性線のK1は微生物脱臭装置の微生物脱臭部1の入口14aに送給される悪臭ガスのアンモニア濃度(相対表示)を示し、特性線K2は微生物脱臭部1の排気管17から放出される脱臭済みガスのアンモニア濃度(相対表示)を示す。図4の特性線K1に示すように、微生物脱臭装置の微生物脱臭部1の入口14aに送給される悪臭ガスのアンモニア濃度は、相対表示で約10〜105の範囲で変動した。しかし図4の特性線K2に示すように、微生物脱臭部1の排気管17の出口側の脱臭済みガスのアンモニア濃度は、相対表示でほとんど0であった。運転開始直後から2〜3ヶ月以内であっても、特性領域K3に示すように良好な脱臭効果が得られたのは、多孔質の担体13による物理的吸着によるものと推察される。しかし担体13における微生物の繁殖がみられないと、担体13における吸着能が飽和に近づき、排気管17の出口から排出される脱臭済みガスのアンモニア濃度は、時間経過と共に上昇していく。しかしこの第1試験例では、時間経過に伴い、多孔質の担体13において微生物が繁殖して活性化するため、微生物脱臭が良好に進行し、排気管17の出口から排出される脱臭済みガスのアンモニア濃度は、図4の特性線K2に示すように、相対表示でほぼ0に維持される。このように本実施例に係る微生物脱臭装置の脱臭能力は良好である。
【0036】
図5は、上記した実施例と同様の設計思想で形成した模擬装置を用いた第2試験例における試験結果を示す。但し、第2試験例では、堆肥化設備6に貯水タンク3のイオン含有水を送給しなかったため、貯水タンク3内のイオン含有水の硝酸イオン濃度が徐々に増加する傾向となった。第2試験例では、多孔質のセラミックス製の担体13(全容積:200リットル)を収容したパイプの下から、堆肥化設備6で発生した悪臭成分(アンモニア臭)を含む悪臭ガスを3m3/minで導入すると共に、2時間に1度、10分間だけ、20リットル/minで散水ノズルにより散水を行った。なお、担体13を通過した水を貯水タンク3で受けた。貯水タンク3の水は再び担体13に散水されるようになっている。
【0037】
第2試験例の試験結果を図5に示す。図5の左側の縦軸は貯水タンク3のイオン含有水の硝酸イオン濃度(相対表示)を示し、図5の右側の縦軸はアンモニア濃度(相対表示)を示し、図5の横軸は経過時間(左端の8/5は8月5日を示し、右端の11/25は11月25日を意味する)を示す。図5において、特性線M1は、貯水タンク3のイオン含有水の硝酸イオン濃度の変化を示し、特性線N1は、微生物脱臭部1に供給される脱臭前の悪臭ガスのアンモニア濃度を示し、○印は微生物脱臭部1の排気管17から排出された脱臭済みガスのアンモニア濃度を示す。また図5の特性線M1に示すように、貯水タンク3のイオン含有水の硝酸イオン濃度は時間の経過につれて次第に増加する。また、図5の特性線N1に示すように、脱臭前の悪臭ガスのアンモニア濃度はかなり変動すると同時に高い。それにもかかわらず、図5の○印で示すように、脱臭済みガスはアンモニア濃度がほとんど0であり、無臭化されていた。
【0038】
第2試験例では、貯水タンク3のイオン含有水のイオン濃度が最高値(相対表示で420,図5に示す時期TA)になったとき、貯水タンク3のイオン含有水の全部を堆肥化設備6に供給すると共に、貯水タンク3内に新水を投入し、貯水タンク3の水の総入替えを行った。貯水タンク3の水の総入替えを行った後には、貯水タンク3のイオン含有水の硝酸イオン濃度は急激に低下し、相対表示で100に近づく(図5に示す時刻TB)。このように貯水タンク3のイオン含有水の硝酸イオン濃度が急激に低下する環境変化が生じたときであっても、図5に示す時刻TB付近における○印で示すように、脱臭済みガスのアンモニア濃度はほとんど0で無臭化されており、良好なる微生物脱臭効果が得られた。これは微生物が環境変化に対応できたものと推察される。
【0039】
(他の実施例)
図6は本発明の他の実施例を示す。本実施例は前記した実施例と基本的には同様の構成であり、基本的には同様の作用効果を奏する。以下、異なる部分を中心として説明する。貯水タンク3に貯留されているイオン含有水が堆肥化設備6において消費されない時期が事情により一定時間以上継続すると、新水が貯水タンク3に補給されないか、あるいは、微生物脱臭部1の散水ノズル16で散水される量に相当するぶんしか新水が貯水タンク3に補給されない。このため、貯水タンク3のイオン含有水のイオン濃度が次第に増加し、貯水タンク3のイオン含有水のイオン濃度が過剰に高くなるおそれがある。このようにイオン濃度が過剰となった貯水タンク3のイオン含有水が散水室15で散水されると、微生物脱臭部1の排気管17から排出させる脱臭済みガスに臭いが付くおそれがある。
【0040】
これを避けるため本実施例によれば、図6に示すように、貯水タンク3のポート3cから微生物脱臭部1に向かう第1送水部4の第1通路41の途中に除去部材100が交換可能に配置されている。このため貯水タンク3のポート3cから第1送水部4を経て微生物脱臭部1の散水ノズル16に向かうイオン含有水から、イオンを除去部材100により低減または除去させることができる。この結果、貯水タンク3のイオン含有水のイオン濃度が過剰になったとしても、除去部材100により過剰なイオンが取り除かれるため、微生物脱臭部1の排気管17から外気に放出させる脱臭済みガスに臭いが付くことを抑えることができ、環境保全に一層有効である。除去部材100としては多孔質体が好ましく、ゼオライト、セピオライト、活性炭等を例示できる。除去部材100の除去能力が飽和に近づいたら、除去部材100を交換することができる。
【0041】
図7は本発明の別の他の実施例を示す。本実施例は図1に示す前記した実施例と基本的には同様の構成であり、基本的には同様の作用効果を奏する。以下、異なる部分を中心として説明する。第2送水部7Cは、貯水タンク3のイオン含有水を堆肥化設備6に定期的または不定期的に送給するものであり、第1送水部4の第1通路41の分岐部41rと堆肥化設備6とを繋ぐ第2通路70Cと、分岐部41rに設けられた水送給要素として機能する切替弁78とを有する。貯水タンク3のイオン含有水を散水ノズル16に送給して担体13に散水を行うときには、第1ポンプ42を作動させつつ、切替弁78を切り替え、貯水タンク3と散水ノズル16とを連通させると共に、貯水タンク3と堆肥化設備6とを非連通とさせる。また、貯水タンク3のイオン含有水を堆肥化設備6に送給するときには、第1ポンプ42を作動させつつ、切替弁78を切り替え、貯水タンク3と散水ノズル16とを非連通とさせると共に、貯水タンク3と堆肥化設備6とを連通させる。これにより散水ノズル16への水送給と堆肥化設備6への水送給とに、第1ポンプ42を共用できる。
【0042】
(その他)
上記した実施例によれば、補給要素として用いられる補給弁9は、貯水タンク3の水位W1の低下に伴い開弁すると共に、貯水タンク3の水位W1の上昇復帰と共に閉弁するものであるが、これに限らず、補給弁9に代えて、貯水タンク3の水位W1の低下に伴い作動して貯水タンク3に水を補給すると共に、貯水タンク3の水位W1の上昇復帰と共に停止するポンプを補給要素として用いても良い。本発明は上記した実施例のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できるものである。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る微生物脱臭装置によれば、脱臭運転中において、貯水タンクに貯留されているイオン含有水の水量が減少するとき、貯水タンクの減少した水量に相当する水量を低濃度水補給部から貯水タンクに補給することにしているため、貯水タンクのイオン含有水の水量が過剰化することが抑えられる。故に、脱臭運転中において貯水タンクのイオン含有水を脱臭システム系の外方へ排出せずとも良い。即ち、脱臭運転中において貯水タンクのイオン含有水を脱臭システム系の外方に排出することを抑えることができる。故に、廃水処理施設を廃止または簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】微生物脱臭装置の概念図である。
【図2】第1試験例に係り、貯水タンクのイオン含有水の硝酸イオン濃度と経過時間との関係についての試験結果を示すグラフである。
【図3】第1試験例に係り、貯水タンクのイオン含有水のpH値と経過時間との関係についての試験結果を示すグラフである。
【図4】第1試験例に係り、微生物脱臭装置の微生物脱臭部の入口側に送給される悪臭ガスのアンモニア濃度と、微生物脱臭部の排気管の出口側の脱臭済みガスのアンモニア濃度と、経過時間との関係についての試験結果を示すグラフである。
【図5】第2試験例に係り、微生物脱臭装置におけるアンモニア濃度と貯水タンクの水の硝酸イオン濃度と経過時間との関係についての試験結果を示すグラフである。
【図6】他の実施例に係り、微生物脱臭装置の概念図である。
【図7】別の他の実施例に係り、微生物脱臭装置の概念図である。
【符号の説明】
図中、1は微生物脱臭部、13は担体、2は悪臭成分含有ガス送給部、20はガス通路、21はファン、3は貯水タンク、30はタンク室、4は第1送水部、41は第1通路、42は第1ポンプ、5は新水補給部(低濃度水補給部)、6は堆肥化設備(水消費設備)、7は第2送水部、70は第2通路、71は第2ポンプ、8は脱臭システム系、9は補給弁(補給要素)を示す。
Claims (4)
- 悪臭成分の脱臭化を促進させる微生物を保持可能な微生物脱臭部と、
悪臭成分を含有する悪臭ガスを脱臭のために前記微生物脱臭部に送給する悪臭成分含有ガス送給部と、
前記微生物脱臭部から吐出されると共に前記悪臭成分の脱臭に伴い発生するイオンを含有するイオン含有水を貯留可能な貯水タンクと、
前記貯水タンクのイオン含有水を前記微生物脱臭部に送給して前記微生物脱臭部の微生物の活性化を維持する第1送水部と、
前記微生物脱臭部から吐出されるイオン含有水よりもイオン濃度が低い低濃度水を前記貯水タンクに補給可能な低濃度水補給部とを具備する微生物脱臭装置において、
前記微生物脱臭部に付設され前記貯水タンクのイオン含有水を定期的または不定期的に消費する水消費設備が設けられ、
前記微生物脱臭部、前記悪臭成分含有ガス送給部、前記貯水タンク、前記第1送水部、前記低濃度水補給部、前記水消費設備で脱臭システム系を構成すると共に、
脱臭運転中において前記貯水タンクの水が前記水消費設備に送給されて前記貯水タンクにおけるイオン含有水の水量が減少するとき、減少に伴い作動し、前記貯水タンクの減少した水量に相当する水量を前記低濃度水補給部から前記貯水タンクに補給する補給要素が設けられ、
脱臭運転中において前記貯水タンクのイオン含有水が前記脱臭システム系の外方へ排出されることを阻止したクローズ系を構成していることを特徴とする微生物脱臭装置。 - 請求項1において、前記水消費設備は、有機系物質に発酵処理を施すことにより有機系物質を堆肥化する堆肥化設備であることを特徴とする微生物脱臭装置。
- 請求項2において、前記悪臭成分含有ガス送給部は、前記堆肥化設備と前記微生物脱臭部とをつないでおり、前記堆肥化設備で発生した悪臭成分を含有する悪臭ガスを脱臭のために前記微生物脱臭部に送給することを特徴とする微生物脱臭装置。
- 請求項1〜請求項3のうちのいずれか一項において、前記貯水タンクから前記微生物脱臭部に向かうイオン含有水にイオンが過剰に含有されているとき、前記イオン含有水からイオンを低減または除去させる除去部材が前記第1送水部に設けられていることを特徴とする微生物脱臭装置。
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CN110698238A (zh) * | 2019-11-28 | 2020-01-17 | 江苏永佳现代农业科技有限公司 | 一种用于棚式发酵有机肥的生物除臭方法 |
WO2021049603A1 (ja) * | 2019-09-13 | 2021-03-18 | 株式会社Jfr | 窒素回収方法、窒素回収装置、およびこれにより得られる製品 |
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