JPH067633A - 生物脱臭方法とその装置 - Google Patents
生物脱臭方法とその装置Info
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- JPH067633A JPH067633A JP5085249A JP8524993A JPH067633A JP H067633 A JPH067633 A JP H067633A JP 5085249 A JP5085249 A JP 5085249A JP 8524993 A JP8524993 A JP 8524993A JP H067633 A JPH067633 A JP H067633A
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Abstract
を分解する菌体を利用して、悪臭ガス中の臭気成分を分
解することにより生物学的に脱臭し、ランニングコスト
を低減でき、活性炭の寿命を大幅に延長できる生物脱臭
方法を提供する。 【構成】 酸化カルシウムおよびアルミナを含有する所
定形状の多孔質セラミック担体3の多数個を、悪臭ガス
の通過路途中に充填し、セラミック担体3に、臭気成分
を分解する菌体を着床させた後、セラミック担体3上に
間欠的に散水しながら、悪臭ガスをセラミック担体中3
に通過させることにより、脱臭するものである。
Description
理場、レーヨン工場、紙・パルプ加工工場等から排出さ
れるイオウ系やアミン系などの臭気成分を含んだ悪臭ガ
スの脱臭方法とその装置に関し、詳しくは、主として活
性汚泥中の微生物菌体(以下、単に菌体という)を利用
して臭気成分を分解することにより、生物学的に悪臭ガ
スを脱臭する方法と同脱臭装置に関する。なお、上記脱
臭には、有機溶剤、その他化学物質を使用する工程から
排出される有機物質や有害物質の臭気成分、その他の成
分の分解除去を含む。
は、従来、酸やアルカリ溶液などの薬品を用いた洗浄処
理に活性炭吸着を組み合わせた方法が一般的である。こ
の種の脱臭方法の場合、アンモニア、トリメチルアミン
等のアミン系臭気成分は、塩酸、硫酸等の酸水溶液によ
り洗浄して中和した後、また硫化水素、メチルメルカプ
タン等のイオウ系臭気成分は、アルカリ性次亜塩素酸ソ
ーダの水溶液で洗浄して酸化分解した後、それぞれ残臭
気を活性炭に吸着させて除去している。
る装置は、図14に示すように、酸洗浄塔51とアルカ
リ性次亜塩素酸ソーダ洗浄塔61との2基の塔を順に備
え、さらにその下流側に活性炭吸着塔71を備えてい
る。また、付帯設備として、酸洗浄塔51には、酸貯留
タンク52、pH計53を備えた循環タンク54を接続
し、アルカリ性次亜塩素酸ソーダ洗浄塔61には、次亜
塩素酸ソーダ貯留タンク62、アルカリ溶液貯留タンク
63のほか、アルカリ性に維持するための循環タンク6
4、pH計65および次亜塩素酸ソーダの濃度計66を
接続している。
た従来の脱臭方法又は脱臭装置には、次のような課題が
ある。
使用するので危険性が高く、またPH(ペーハー)管理の
ための付帯設備および定期的な維持管理が必要になると
ともに、アルカリ性次亜塩素酸ソーダの水溶液のランニ
ングコストがイオウ系物質濃度が高くなるにつれてかさ
み、特に20ppmを越すと相当のコスト負担となる。し
かも、次亜塩素酸ソーダが酸性になると、分解して有毒
な塩素ガスに変わるため、PH管理および濃度管理が必要
であり、またそれらの付帯設備及び定期的な維持管理が
必要になる。
ダが反応し、消費されるうえに、次亜塩素酸ソーダは洗
浄時に自然分解したり、アミン系臭気物質およびイオウ
系有機物質との反応時に分解したりしてストリッピング
する塩素や次亜塩素酸が活性炭の寿命を著しく低下させ
るため、活性炭の寿命が非常に短い。
塩素ガスが発生するため、貯留タンクは防液堤などを施
して個別的に管理しなければならず、日常の機器管理な
ど含めて膨大な維持管理を要する。
で、曝気槽等の活性汚泥中に生息する悪臭成分を分解す
る菌体を利用して、悪臭ガス中の臭気成分を分解するこ
とにより生物学的に脱臭し、ランニングコストを低減で
き、活性炭の寿命を大幅に延長できる生物脱臭方法と同
脱臭装置を提供することを目的としている。
ために本発明の生物脱臭方法は、酸化カルシウムおよび
アルミナを含有する所定形状の多孔質セラミック担体の
多数個を、悪臭ガスの通過路途中に充填し、該セラミッ
ク担体に、臭気成分を分解する(脱臭作用をもつ)菌体
を着床させた後、前記セラミック担体上に間欠的に散水
しながら、悪臭ガスを前記セラミック担体中に通過させ
ることにより、脱臭するものである。
ック担体の酸化カルシウム含有量を2〜50%、アルミ
ナ含有量を30%以下にし、吸水率を30%以上にし、
セラミック担体の焼成温度を800〜1200℃にする
のが好ましい。なお、酸化カルシウム含有量を2.5〜
42%、アルミナ含有量を7〜25%、焼成温度を90
0〜1150℃、吸水率を32%以上にすると、一層好
ましい。また前記セラミック担体を見掛け気孔率で特定
すると、20〜85%になる。
ック担体に貫通孔を少なくとも1つ設け、セラミック担
体の充填空隙率を0.8以下、より好ましくは0.65
以下にするとよい。なお、充填空隙率を満足していれ
ば、セラミック担体の形状は任意でよい。
ック担体を歯車型柱状体にすると一層よい。
ック担体を、細孔径0.4〜100μmの占有率50%
以上で且つ細孔径4〜20μmの占有率2%以上にする
のが望ましい。
載の方法のように、天然セルロース又は合成繊維からな
る織布、不織布もしくはスポンジ状の担体の多数個を、
前記セラミック担体より上流側の悪臭ガス通過路の途中
に充填し、該担体に、臭気成分を分解する微生物菌体を
着床させた後、前記担体上に間欠的あるいは連続的に散
水しながら、高濃度悪臭ガスを前記担体中に通過させる
ことにより、予備脱臭(前脱臭処理)するとよい。
求項7記載の方法のように、前記担体により予備脱臭す
る経路を二系統設け、両系統へのガス導入量を高比率と
低比率とに分け、高比率側が静圧損失限界に達したとき
に、低比率のガス導入量に切り替え、低比率側を高比率
のガス導入量に切り替えるのが望ましい。
脱臭装置(請求項8)は、悪臭ガスの入口と出口を備え
た脱臭塔内の悪臭ガス通過路の途中に固定床を設け、該
固定床上に、酸化カルシウムおよびアルミナを含有し、
臭気成分を分解する菌体を着床させる所定形状の多孔質
セラミック担体の多数個を充填し、前記脱臭塔内のセラ
ミック担体の上方に、散水ノズルを配設するとともに、
脱臭塔の底部に排水口を設けている。
ック担体の酸化カルシウム含有量を2〜50%、アルミ
ナ含有量を30%以下にするとともに、前記セラミック
担体に貫通孔を少なくとも1つ設け、セラミック担体の
充填空隙率を0.8以下にするとよい。なお、充填空隙
率を0.65以下にすると一層よい。
記載の装置のように、悪臭ガスの入口と出口を備え、塔
内の悪臭ガス通過路の途中に設けた固定床上に、臭気成
分を分解する菌体を着床させる天然セルロース又は合成
繊維からなる織布、不織布もしくはスポンジ状の担体の
多数個を充填し、前記塔内の担体の上方に散水ノズル
を、塔の底部に排水口をそれぞれ設けてなる予備脱臭塔
を設置し、該予備脱臭塔のガス出口と前記脱臭塔のガス
入口とを配管で接続するとよい。
求項10記載の装置のように、前記脱臭塔内の悪臭ガス
通過路の途中で前記セラミック担体用固定床よりも悪臭
ガスの入口寄りに別の固定床を設け、その固定床上に、
臭気成分を分解する微生物菌体を着床させる天然セルロ
ース又は合成繊維からなる織布、不織布もしくはスポン
ジ状の担体の多数個を充填してもよい。
求項12記載の装置のように、前記予備脱臭塔を2基設
置し、各予備脱臭塔のガス排出口と前記脱臭塔のガス導
入口とを配管で接続し、共通の悪臭ガス発生源からのガ
スをダンパー又は流量調整弁を介装した分岐管により各
予備脱臭塔内に導入するのが望ましい。
れば、多孔質セラミック担体に着床した菌体に悪臭ガス
が接触することにより、悪臭ガス中の臭気成分が菌体で
分解され、脱臭される。セラミック担体に付着している
菌体は、間欠的な散水の緩衝作用によって活性が維持さ
れ、またイオウ系やアミン系臭気成分を分解して硫酸、
硝酸などの酸を生成し、セラミック担体に保持される
が、そうした酸の生成量が増えたときに、散水により酸
性度が低減され、菌体の活性が維持される。なお、常時
散水の方法があるが、常時散水すると、セラミック担体
に付着している菌体を剥離させ、洗い流してしまい、菌
体数が著しく減少する(図10参照)。セラミック担体に
含有されている酸化カルシウムが、菌体が酸を生成する
と同時にその酸を中和し、菌体の活性に影響がないよう
にして、臭気成分の高分解能を維持する。また、セラミ
ック担体に含有されているアルミナも、菌体の付着に寄
与する。さらに、セラミック担体が多孔質で、吸水性を
有するため、間欠散水された水がセラミック担体に保持
され、菌体の活性を維持する。さらにまたセラミック担
体は、加工が容易なため、歯車型など任意の形状に形成
できる。
記セラミック担体の酸化カルシウム含有量を2〜50%
としたのは、2%未満では菌体の付着性が劣り、逆に5
0%以上になると、アルカリ性強度が大きくなり過ぎ、
菌体の付着を阻害するからである(図5参照)。アルミ
ナ含有量を30%以下にしたのは、30%以上では菌体
の付着は期待できないからである(図6参照)。セラミ
ック担体の焼成温度を800〜1200℃にしたのは、
800℃以下では脆弱過ぎて、セラミック担体の形状を
保つことができず、1200℃以上では強度は強くなる
ものの、細孔径が非常に小さくなり、付着能がなくなる
からである(図7参照)。吸水率を30%以上にしたの
は、吸水率30%以下ではほとんど付着しないからであ
る(図8参照)。
セラミック担体に貫通孔を設けたのは、貫通孔のないも
のよりも、充填層の静圧損失が低くなったからである
(表2参照)。また、貫通孔を備えることで微生物付着面
積が増大することにより、臭気成分との接触面積が増大
し、臭気分解が有効に行われるためである。さらに、セ
ラミック担体の充填空隙率を0.8以下にしたのは、充
填空隙率は気固接触効率に直接影響し、0.65以上で
急激に脱臭効率が低下を始め、0.8以上になると脱臭
機能を果たさなくなるからである(図11参照)。
セラミック担体の形状を歯車型の柱状体にしたのは、歯
車型柱状、円筒状、三角柱状、四角柱状、サドル形状に
ついて比較したところ、菌体の付着量が歯車型柱状が最
もすぐれていたからである(表1参照)。
孔径分布(占有率)と菌体付着量の関係から脱臭作用が
向上する。
然セルロースや合成繊維からなるスポンジ状などの担体
が生成酸に強いので、菌体分解により生成される酸に対
する耐久性に優れ、長期間安定して付着菌体による臭気
成分の分解が行われ、予備脱臭される。
化水素濃度が限界負荷を越えるとスポンジ状などの担体
の表面にイオウが析出し、通気抵抗が増えて臭気成分の
菌体層への拡散が阻害され、ガス導入量の高比率側が高
静圧損失に至るとともに脱臭効率も低下する(表10・
表11参照)ので、このときに、低比率側と高比率側の
ガス導入量を相互に逆に切り替えることによって、担体
の表面に析出したイオウは導入ガス量が絞られ低負荷に
なることにより、イオウを硫酸に酸化する反応が進行
し、普通は2〜3日でイオウが完全に消滅し、元の状態
に復帰するため、高脱臭率が維持される。
ば、上記した本発明の生物脱臭方法を確実に実施するこ
とができる。とくに、請求項10〜12の生物脱臭装置
によれば、悪臭ガスが高濃度の場合にも確実に脱臭で
き、さらに請求項12の生物脱臭装置では、下水処理場
で発生するイオウ系の高濃度の悪臭ガスを、長期間安定
して脱臭できる。
施するための生物脱臭装置の実施例とともに、図面に基
づいて説明する。
脱臭装置の概要を示す処理フローの図面、図2はセラミ
ック担体の斜視図である。図1に示すように、脱臭塔1
は、下部に悪臭ガスの導入口1aを備え、脱臭塔1内の
中間部に、活性汚泥中の菌体を付着させるための多数の
セラミック担体3(図2)を充填した固定床2を設けて
いる。この固定床2は、通常網状の床で、複数段の場合
もある。ただし、ガス導入口1aを上部に、ガス排出口
1bを下部に設けてもよい。セラミック担体3は、本実
施例では、図2(a)のように歯車型の柱状体で、中心
部に貫通孔3aが軸方向に穿設されている。セラミック
担体3は、外径が十数mmで、長さが十mm前後の大き
さである。なお、図2(a)のようにセラミック担体3
の形状は歯車型柱状体に限定するものではなく、たとえ
ば図2(b)のような球状体3−1や図2(c)のよう
な四角柱状体3−2にすることができる。
化ケイ素、酸化カルシウム、アルミナ、鉄、マグネシウ
ムなどからなり、焼成して無数の小孔をもつ多孔質担体
に形成されている。なお、このセラミック担体3の酸化
カルシウム含有量を2.5〜42%、同アルミナ含有量
を7〜25%、同焼成温度を900〜1150℃、同吸
水率を32%以上にするのが好ましいことは、上記した
とおりである。また、このときのセラミック担体3の見
掛け気孔率は20〜85%である。
担体3を充填した際に、その充填空隙率を0.65以下
にしている。
央に脱臭処理ガスの排出口1bを設け、この排出口1b
にガスの排気管4を接続している。排気管4の途中に、
ファン5を介設し、そのファン5の下流側で分岐してい
る。さらに各分岐管5a・5bの途中に、ダンパー6a
・6bをそれぞれ介設し、一方の分岐管5aの途中には
活性炭吸着塔7を介設してその一端を外気に開放し、他
方の分岐管5bの一端は直接外気に開放している。
ク担体3の上方に、散水ノズル8を下向けに配設し、調
整槽9の底部と散水ノズル8とを給水管10で接続し、
給水管10の途中に散水ポンプ11を介設している。こ
の散水ポンプ11はタイマー(図示せず)に接続して、
一定の時間間隔(例えば90分間隔)で所定時間(例え
ば10分間)散水が行われるようにしている。脱臭塔1
の底部には、排水口12を開設し、この排水口12から
沈砂池19に排水管13を導いている。排水管13の途
中には、開閉弁14を介設し、この開閉弁14の上流側
で排水管13を分岐してその分岐管15を調整槽9の上
端に導いている。そして、分岐管15の途中にも開閉弁
16を介設している。さらに調整槽9の上端まで処理水
の供給管17を導き、供給管17の途中に介設した供給
ポンプ18で処理水流路20などから処理水を調整槽9
に注入できるようにしている。なお、調整槽9への処理
水補給は、例えばレベルスイッチにより供給ポンプ18
を自動的に作動して行わせるとよい。
用いた本発明の生物脱臭方法について説明する。なお、
下水処理場で発生する悪臭ガスの場合、アミン系臭気成
分はほとんどなく、イオウ系臭気成分が主体である。
その活性汚泥中の菌体を培養した液を調整槽9に注入す
る。そして、開閉弁14を閉鎖するとともに、開閉弁1
6を開放した状態で、散水ポンプ11を作動して調整槽
9内の活性汚泥水又は活性汚泥中の菌体培養液を、脱臭
塔1内のセラミック担体3上に散水して循環させる。こ
の散水は連続的に2〜3日行い、調整槽9内の汚泥水又
は菌体培養液の濁りがなくなった(MLSSがほぼ0に
なった)時点で、悪臭ガスを導入口1aから脱臭塔1内
に導入する。これは、調整槽9内に循環する汚泥水又は
菌体培養液の濁りがなくなれば、そこに含有されていた
菌体がセラミック担体3に付着したことを意味するから
である。
4を開放したうえで、開閉弁16を閉鎖し、脱臭塔1内
のセラミック担体3上に散水される処理水を循環させ
ず、いわゆるワンパスフローで沈砂池19に流す。こう
してセラミック担体3を通過し沈砂池に貯留された廃水
は、濾過されて最終的には処理水となる。したがって、
この処理水を供給ポンプ18で調整槽9に供給し、調整
槽9内の処理水を散水ポンプ11によりセラミック担体
3上に、間欠的に散水する。なお必要に応じて、調整槽
9内の処理水に緩衝剤や微量の栄養源を投入するとよ
い。緩衡剤は例えば化学便覧記載例に従えばよいが、CO
3 2~ 、HCO3~、HPO4 2~、H2PO4~ 等のイオンを含むアルカ
リ金属塩やアルカリ土類金属塩が好ましい。また、栄養
源には、チッソ、リン酸、カリウムなどがある。
ラミック担体3に付着している菌体が悪臭ガス中のイオ
ウ系臭気成分に十分に対応するまでの期間、すなわち馴
致期間は、菌体による臭気成分の分解能力が低く、また
その臭気成分の分解に適した菌体の数が少ないので、悪
臭ガスの脱臭率がやや低い。したがって、セラミック担
体3を通過したガスは脱臭率がやや低いので、ガスが活
性炭吸着塔7側へ流れるようにダンパー6a・6bを切
り替え、活性炭処理したうえで排出する。そして、通常
2〜7日位経過して菌体による脱臭率が向上した馴致後
は、脱臭塔1からのガスが分岐管5bを通り直接外部に
排出されるように、ダンパー6a・6bを切り替える。
スを脱臭塔1内に導入する前に、臭気成分の基質(イオ
ウ系臭気の場合にはイオウ系主体成分)を調整槽9内の
水中に投入し、脱臭塔1内に散水して循環させ、その基
質が100%分解したことを確認後、悪臭ガスを脱臭塔
1に導入させれば、導入開始直後から効率よく脱臭する
ことができる。
物脱臭装置(生物脱臭方法も含む)について下記の各項
目に関し最適条件を見い出すために次のような実験を行
ったので、この結果を説明する。なお、イオウ系臭気成
分の分解・除去には、Thiobacillus属の好気性菌体が有
効であるが、この菌体と担体への付着能力は同程度であ
るが、培養操作の容易なBrevibacterium属の菌体を用い
て、下記の実験を行った。
付着量の関係(図5参照) アルミナ含有量7〜45%、吸水率34〜108%、担
体焼成温度900〜1050℃の範囲の数種のセラミッ
ク担体を用いて、CaOの含有量と菌体付着量の関係を調
べたところ、図5に示すように、セラミック担体3中の
酸化カルシウム含有量が1.8%を越えると、担体3に
対する菌体の付着量が徐々に増加していき、2.5%で
約4.8mg-cells/cm3となり、同含有量が6.6〜30
%位の間で、菌体付着量の平均が13mg-cells/cm3とな
る。しかし、酸化カルシウム含有量が30%以上になる
と減少していき、42%では約4.5mg-cells/cm3とな
るが、まだ十分な付着量を有しており、50%以上にな
ると、アルカリ性強度が大きくなり過ぎるために菌体の
付着量が0になった。なお、同含有量が0.16〜1.
8%では、菌体付着量の平均が2.5mg-cells/cm3にな
った。
体付着量の関係(図6参照) 酸化カルシウム含有量0.85〜40%、吸水率14〜
108%、担体焼成温度900〜1050℃の範囲の数
種のセラミック担体を用いて、Al2O3の含有量と菌体付
着量の関係を調べたところ、図6に示すように、セラミ
ック担体3中のアルミナ含有量が、7〜15%位の間
で、菌体付着量の平均が13mg-cells/cm3となり、同含
有量が18%を越えると急激に減少するが、25%では
約5mg-cells/cm3と、まだ十分な付着量を有していた。
さらに、同含有量が30%前後では菌体の付着量が1.
5mg-cells/cm3となり、同含有量が45%以上になると
菌体の付着量が0になった。
の関係(図7参照) 酸化カルシウム含有量0.16〜40%、アルミナ含有
量7〜22%、吸水率23〜88%の範囲で、細孔径
0.4〜100μmの範囲の占有率が50%以上且つ細
孔径4〜20μm範囲の占有率が2%以上(図9参照)
の数種のセラミック担体を用いて、焼成温度と菌体付着
量の関係を調べたところ、図7に示すように、セラミッ
ク担体3の焼成温度が850〜1200℃位の間で、菌
体付着量の平均が13mg-cells/cm3となり、同温度が1
050℃を越えると急激に減少し始めるが、同温度が1
150℃においても菌体付着量は5.8mg-cells/cm3で
十分な菌体付着量を有し、同温度が1200℃では2.
5mg-cells/cm3とかなり減少し、同温度が1300℃で
は0.68mg-cells/cm3とほとんど付着しなかった。こ
れは、同温度が1200℃以上では強度は強くなるが、
細孔径が非常に小さくなるために菌体の付着量が減少し
たと考えられる。一方、同焼成温度が800℃以下にな
ると、脆弱過ぎてセラミック担体の形状を保つことがで
きなくなる。
関係(図8参照) 酸化カルシウム含有量0.16〜40%、アルミナ含有
量7〜22%、吸水率23〜88%、担体焼成温度90
0〜1050℃の範囲の数種のセラミック担体を用い
て、吸水率と菌体付着量の関係を調べたところ、図8に
示すように、セラミック担体3の吸水率が30%以下で
は菌体はほとんど付着せず、吸水率が30%を越える
と、菌体の付着量が急激に増加していき、32%では約
5mg-cells/cm3ほどの付着量を示し、吸水率が約46%
を越えると、菌体付着量の平均が17mg-cells/cm3前
後となった。
と菌体付着量の関係(図9参照) 酸化カルシウム含有量0.16〜40%、アルミナ含有
量7〜22%、吸水率23〜88%、担体焼成温度90
0〜1300℃の範囲の数種のセラミック担体を用い
て、細孔径0.4〜100μmの範囲の占有率が50%
以上の場合に吸水率と菌体付着量の関係を調べたとこ
ろ、図9に示すように、細孔径4〜20μm範囲の占有
率が2%以上で菌体の付着が認められ、2.5%では
5.2mg-cells/cm3の付着量となり、とくに5%以上に
なると菌体の付着量が大幅に増加し、5〜30%の範囲
で菌体の付着量が最も優れた傾向にあったが、占有率
2.5%以上で十分な菌体の付着量を有していた。な
お、上記細孔径の各範囲の占有率は水銀圧入法により求
めたものである。
と間欠散水の関係(図10参照) 図10に示すように、常時散水では例えば29日経過後
に、散水後の循環回収水中の菌体数が65×104mg-ce
lls/cm3になった。一方、間欠散水では、30日〜50
日経過しても、散水後の循環回収水中の菌体数は、4.
5×104mg-cells/cm3前後であり、セラミック担体3
に付着している菌体の剥離が非常に少なかった。なお固
定床2上のセラミック担体3の充填層の厚さは、600
mmである。
の除去率の関係(図11参照) 図9に示すように、セラミック担体3の充填空隙率が
0.65%以下では硫化水素(H2S)ガスの除去率が
98%以上あるが、同充填空隙率が0.65%を越える
と、ガス除去率が徐々に減少した。なお、セラミック担
体3の充填層の容積は、150×150×1000mm、間欠散水量
20(l/Hr)、H2Sガスの濃度は12ppmで、このときの
ファン5(図1)による吸引量は9.6Nm3/hであっ
た。
係(表1)
e,Ti,Mg,Na,K等):11.4% 各担体の吸水率:36% 各担体の焼成温度:900℃ 上記の表から明らかなように、いずれの形状でも脱臭効
果のある菌体の付着量が得られるので使用できるが、歯
車型柱状が最も優れている。
よる静圧損失の関係(表2)
mmで、脱臭塔1内の空塔速度は0.12m/s、散水量は
60(l/min・m2)であった。
に貫通孔を設けたものは、貫通孔のないものよりも、静
圧損失が低くなった。
臭装置(生物脱臭方法も含む)についてその効果を確認
するために下記の項目に関し次のような実験を行ったの
で、この結果を説明する。
による脱臭能力への影響(表3)
・m2)、担体3の形状:歯車型柱状 担体3の充填空隙
率:0.46 臭気成分:硫化水素 担体の組成;SiO2:60% Al2O3:22% CaO:6.6% その他(Fe,
Ti,Mg,Na,K等):11.4%上記の表から担体3が貫通孔を備
えることにより、微生物付着面積が増大して臭気成分と
の接触面積が増え、効果的な分解が行われることが認め
られる。
Oと処理水の緩衝効果(表4・表5)
・m2)、2次処理水のワンパス洗浄 担体3の充填空隙
率:0.61 担体の組成;SiO2:60% Al2O3:22% CaO:6.6% その他(Fe,
Ti,Mg,Na,K等):11.4%上記の表から酸化カルシウム(Ca
O)と処理水の緩衝効果が有効に働き、各臭気成分の除
去率が高いことが認められる。 担体3に付着している
菌体はイオウ系、アミン系臭気成分を分解して硫酸、硝
酸などの酸を生成し、担体に保持されるが、生成量が多
いと酸性度も強くなり、菌体の活性が低下し、臭気成分
の分解効率が劣る。硫化水素については、pH2までの
菌体の活性は維持され、分解可能であるが、メチルメル
カプタン、硫化メチル、硫化ジメチルなどはpH5以下
では菌体の活性が低下し、分解効率は劣る。しかし酸化
カルシウム含有により生成と同時に酸を中和し、菌体の
活性に影響することなく、高分解率を維持する。
て水道水を使用した場合の除去率を次の表5に示す。
・m2)、水道水のワンパス洗浄 担体の充填空隙率:0.1
7 担体の組成;SiO2:60% Al2O3:22% CaO:6.6% その他(Fe,
Ti,Mg,Na,K等):11.4%水道水はイオウ系臭気成分の分解
により生ずる生成酸への緩衝作用が乏しいため、メチル
メルカプタン、硫化メチルおよび硫化ジメチルに対する
分解能力に影響が生じた。しかし、硫化水素については
ほとんど影響がなかった。
・m2)、緩衝剤を添加した水道水のワンパス洗浄 担体
3の充填空隙率:0.17 担体の組成;SiO2:60% Al2O3:22% CaO:6.6% その他(Fe,
Ti,Mg,Na,K等):11.4%水道水に緩衝剤を添加することに
より、除去率が大幅に改善されたことから、緩衝剤が有
効であることが認められる。すなわち、2次処理水、砂
濾過水、井戸水、水道水などの水は多かれ少なかれ緩用
作用を持っており、その緩衡効果により菌体の活性が維
持されるが、生成酸度が強くなると緩衝効果が働かなく
なるので、そのような場合には、緩衡剤を水に添加する
ことが効果的であることがわかる。
0.28ppm 硫化メチル:0.15ppm 硫化ジメチル:0.0073pp
m ガス量:100m3/min 本発明の生物脱臭方法によると、従来の薬品脱臭方法に
比べて活性炭寿命が約3.6倍に延びている。
用と硫化水素濃度の関係) 図13に示すように、本発明の生物脱臭方法は従来の薬
品脱臭方法に比べて、セラミック担体の償却費用と次亜
塩素酸ソーダの消費費用だけを対象にした場合でも、硫
化水素濃度が10ppm 以上になると、濃度の増加に比例
して経済的であることが認められた。なお、ファン5に
よるガス吸引量を100m3/min、次亜塩素酸ソーダのコス
トを25円/kg、セラミック担体のコストを 600円/kgと
し、同担体の償却期間を3年として算出した。
ラミック担体の償却費用だけをとればコストアップにな
るが、本発明の生物脱臭方法は、付帯機器設備のコスト
が安く、またpH管理や濃度管理等が不要で維持管理作
業が省力化されること、活性炭寿命が延長されることな
どを考慮すれば、硫化水素濃度が10ppm 未満の場合で
も従来の脱臭方法及び装置に比べて有利であると判断さ
れる。
場合に好適な、本発明の生物脱臭装置の実施例を図面に
基づいて説明する。
当する部分だけを示す図面で、同図の3つの実施例にか
かる脱臭塔が上記した実施例(図1)と異なるところ
は、高濃度悪臭ガスの臭気成分を予備脱臭(前脱臭処
理)する層23(図3(a)および(b))あるいは塔21
(図3(c))を上流側に備えたことである。その他の構
成は図1の脱臭塔1以外の構成と共通しているので、説
明を省略する。
塔1内においてセラミック担体3を充填した固定床2の
下方(上流側)に、固定床22を設けて合成繊維(ポリ
プロピレン繊維やポリエチレン繊維など)の織布、不織
布またはスポンジからなる担体23を充填している。合
成繊維の織布または不織布の担体23を用いる場合に
は、直接充填すると、充填圧密により閉塞し付着微生物
と悪臭ガスなどとの接触が阻害されるおそれがあるの
で、担体23を網目、スリット、パンチングの多孔性空
洞体や多孔性カプセル状キャップに詰めたり、すだれ状
のものを上下を固定したり、上方のみを半固定して充填
したりするなどの充填方法を用いるのが望ましい。また
空洞体やキャップなどに対しては、それらの形状に合わ
せた大きさの合成繊維体を1個詰めたり、棒状やチップ
状の合成繊維体を複数個詰めたりできる。なお、悪臭ガ
スがイオウ化合物や窒化物のように反応生成物が酸性で
ある場合には、合成繊維および空洞体やキャップは耐酸
性を有することが必要がある。
の変動が顕著で、高濃度発生のときにイオウが析出して
も、低濃度になると、イオウは酸化され消失する場合に
好適である。
脱臭塔1−1の固定床2の下方に、散水ノズル28を担
体23に向けて配設し、給水管10を分岐して散水ノズ
ル28に接続し、散水ポンプ11を介して散水するよう
にしている。
が長時間継続し、イオウが消失しない場合にも、合成繊
維製担体23への散水量をセラミック担体3に比較して
増やしたり、散水の間欠時間を短縮したりすることで、
担体23の酸性度を低下させることができるので、イオ
ウを酸化して消失させることができる。
体23を充填した予備脱臭の層を予備脱臭塔21とし
て、セラミック担体3を充填した脱臭塔1から完全に独
立させたものである。
体23の充填量を大幅に増やすことができる。
脱臭処理性能を示すものである。
(l/min・m2)、予備脱臭塔21内平均温度:26℃ 脱臭
塔1の空間速度:200(l/h)、間欠散水量:60(l/min・
m2)、予備脱臭塔21内平均温度:26℃ 臭気成分:硫
化水素 上記した各脱臭塔(図3)は、イオウ系ガスの脱臭に好
適なことは上記したとおりであるが、イオウが析出しな
くても酸が生成される場合には、ガス濃度に応じて使用
するとよい。
関係(図12参照) 上記合成繊維担体23について、保水率と菌体付着量の
関係を調べたところ、図12および表9に示すように、
担体23の保水率が10%以下では菌体はほとんど付着
せず、保水率が30%を越えると菌体が十分に付着し、
保水率が増えるに従って菌体付着量も増加した。なお、
保水率(%)は(保水量)/(合成繊維単位体積)×1
00によって求め、このとき水の密度は1g/cm3とし
た。
続し、図3の上記各脱臭装置ではイオウの消失が不可能
で、イオウ析出が増長し、担体23の表面にイオウの結
晶が積層するような場合に特に有効な、本発明の生物脱
臭装置の実施例を図面に基づいて説明し、併せて同脱臭
方法についても説明する。図4は下水処理場における高
濃度悪臭ガスの生物脱臭装置の概要を示す処理フローの
図面である。本実施例にかかる脱臭装置が上記した実施
例(図1)と異なるところは、高濃度悪臭ガスの臭気成
分を予備脱臭(前脱臭処理)して低濃度ガスにするた
め、前記脱臭装置の上流側に、2基の脱臭塔21・31
を備えたことである。各脱臭塔21・31の構造は、前
記脱臭塔1と共通しているが、固定床22・32には、
セラミック担体3に代えて天然セルロース又は合成繊維
からなる織布、不織布もしくはスポンジ状の担体(以
下、スポンジ状などの担体という)23・33を充填し
たことである。もちろん、各スポンジ状などの担体23
・33には、臭気成分を分解する菌体を着床させてい
る。
代えた理由は、高濃度悪臭ガスを脱臭塔21・31内に
導入した際に、菌体で分解されることにより酸が生成さ
れる成分が高濃度で長期にわたり流入すると、散水によ
る緩衡作用能力をはるかに越えた状態となる。このため
に、セラミック担体3では、その組成成分であるアルミ
ナ、鉄、マグネシウムなどが酸と反応して溶解し、セラ
ミック担体3が崩壊してしまうからである。これに対
し、天然のセルロースや合成繊維などは、生成酸に強く
且つ菌体の付着にも優れているからである。ただし、天
然セルロースの場合、水生の原生動物やカビ類によって
分解されるおそれがあるときには、合成繊維を用いるよ
うにする。
通のガス発生源から2系統に分岐した導入管41・42
を通して行い、各導入管41・42には、各脱臭塔21
・31へのガス導入比率を、コントロールユニット45
により切り替える電動ダンパー43・44を介設してい
る。そして各脱臭塔21・31から排気管24・34を
通して排出されるガスは、共通の排気管25より脱臭塔
1内に導入するようにしている。
21・31内の散水ノズル28・38に給水管10から
分岐した給水管29を介して送給し、間欠散水する。そ
して各脱臭塔21・31の底部から排出した廃水を、沈
砂池19に流す。また各脱臭塔21・31の固定床22
・32を挟んで圧力計26・36を配備し、静圧損失
(△p)を測定できるようにしている。
脱臭装置を用いた本発明の生物脱臭方法について説明す
る。
2より各脱臭塔21・31内に導入する。このとき、脱
臭塔21・31の一方(例えば21)に多量のガス(例
えば総ガス量の80〜90%)が流入し、他方(例えば
31)に少量のガス(例えば総ガス量の10〜20%)
が流入するように、各電動ダンパー43・44の開度を
調整する。これにより、高濃度悪臭ガスは、脱臭塔21
・31内のスポンジ状などの担体23・33に付着した
菌体によって臭気成分が分解され、低濃度の悪臭ガスに
なる。こうして臭気成分が概ね除去された低濃度の悪臭
ガスは、前記実施例の脱臭装置により上記と同じ要領で
脱臭され、大気中に排出される。
ると、イオウの析出が伴い、固定床の静圧損失(△p)
が増大し、脱臭効率も低下してくる。これは、イオウが
担体表面を覆うため、通気抵抗が増えるとともに、臭気
成分の菌体層への拡散が阻害されためである。なお、下
記表10および表11は、前記実施例の脱臭塔1(図
1)内に、硫化水素の濃度が16〜720(平均150)ppmの高
濃度悪臭ガスを1カ月導入した後、セラミック担体3に
イオウが析出した状態のときの脱臭性能の低下、および
固定床の静圧損失の増大を示すものである。
損失(△p)の差異を示すものである。
・m2)、2次処理水のワンパス洗浄 担体の充填空隙
率:0.61 担体の組成;SiO2:60% Al2O3:22% CaO:6.6% その他(Fe,
Ti,Mg,Na,K等):11.4% 上記した本実施例の脱臭装置においては、脱臭塔21・
31内の静圧損失(△p)を圧力計26・36の数値に基
づいてコントロールユニット45で制御することによ
り、一方の脱臭塔21内の静圧損失が増大した時に、電
動ダンパー43・44の開度を全く逆に切り替え。脱臭
塔31側への多量のガスを導入する。この結果、脱臭塔
21の固定床22(スポンジ状担体23)に付着したイオ
ウは除々に硫酸に変化して2〜3日程度で消失し、元の
状態に復帰する。このようにして、電動ダンパー43・
44により脱臭塔21・31への高濃度悪臭ガスの導入
比率を切り替えることによって、高濃度悪臭ガスを長期
間安定して脱臭することができる。
オウ系成分の悪臭ガスの脱臭について説明したが、アミ
ン系成分の悪臭ガスの脱臭や有機溶剤蒸気等の分解除去
にも同様に実施できることはいうまでもない。ただし、
アミン系成分の悪臭ガスはイオウ系成分の場合とは逆に
水への溶解度が高いので、緩衡作用をもつ水によるワン
パス洗浄で対応でき、排水は沈砂池等の原水流入部へフ
ィードバックする方法も採ることができる。また、セラ
ミック担体などに付着させ、臭気成分の分解に使用する
菌体については、とくに限定するものではなく、例えば
活性汚泥中に生息する各種菌体を利用できるが、Thioba
cillus属、Nitrosomonas属、Nitrobacter属などの好気
性菌体が効果的である。
この発明の生物脱臭方法およびその装置には、次のよう
な効果がある。
クス担体に付着させた菌体により悪臭ガス中の臭気成分
を分解して脱臭するので、従来の薬品洗浄による脱臭方
法に比べて、維持管理作業が容易でその費用も安い。ま
た薬品を用いないので、作業が安全であり、活性炭を使
用する場合にもその寿命が大幅に延長される。
ば、脱臭効率が向上する。とくに請求項3または4記載
の脱臭方法では、セラミック担体が貫通孔を有している
ので、散水に汚泥や藻等のフロックやスラリー等が含ま
れていても、それらの担体への着床による急激な静圧損
失の増大を防ぐことができる。
高濃度の悪臭ガスの脱臭に好適であり、とくに請求項7
記載の方法はイオウ系悪臭ガスに最適である。なお、請
求項6記載の担体は予備脱臭に使用できるだけでなく、
単独でも使用できるためとくに有効である。
本発明の脱臭方法を確実に実施することができる。
期にわたり安定して脱臭効率が向上する。またセラミッ
ク担体が貫通孔を備えているので、フロックやスラリー
等が着床しても貫通孔は塞がらないので、塔の閉塞等の
危険が未然に防止される。
高濃度の悪臭ガスの脱臭に好適であり、とくに請求項1
2記載の装置はイオウ系悪臭ガスに最適である。
臭ガスの生物脱臭装置の概要を示す処理フローの図面で
ある。
施例を示す斜視図である。
る高濃度悪臭ガスの生物脱臭装置の概要を示す処理フロ
ーの図面である。
る高濃度悪臭ガスの生物脱臭装置の概要を示す処理フロ
ーの図面である。
の関係を表した線図である。
量の関係を表した線図である。
を表した線図である。
表した線図である。
と菌体付着量の関係を表した線図である。
欠散水との関係を表した線図である。
去率の関係を表した線図である。
表した線図である。
却費用と次亜塩素酸ソーダの消費費用の関係を表した線
図である。
示す処理フローの図面である。
Claims (12)
- 【請求項1】 酸化カルシウムおよびアルミナを含有す
る所定形状の多孔質セラミック担体の多数個を、悪臭ガ
スの通過路途中に充填し、該セラミック担体に、臭気成
分を分解する微生物菌体を着床させた後、 前記セラミック担体上に間欠的に散水しながら、悪臭ガ
スを前記セラミック担体中に通過させることにより、脱
臭することを特徴とする生物脱臭方法。 - 【請求項2】 前記セラミック担体の酸化カルシウム含
有量が2〜50%、アルミナ含有量が30%以下で、吸
水率が30%以上であり、セラミック担体の焼成温度が
800〜1200℃である請求項1記載の生物脱臭方
法。 - 【請求項3】 前記セラミック担体が少なくとも1つの
貫通孔を備え、セラミック担体の充填空隙率が0.8以
下である請求項1又は2に記載の生物脱臭方法。 - 【請求項4】 前記セラミック担体が歯車型柱状体であ
る請求項3記載の生物脱臭方法。 - 【請求項5】 前記セラミック担体が、細孔径0.4〜
100μmの占有率50%以上で且つ細孔径4〜20μ
mの占有率2%以上である請求項1〜4のいずれかに記
載の記載の生物脱臭方法。 - 【請求項6】 天然セルロース又は合成繊維からなる織
布、不織布もしくはスポンジ状の担体の多数個を、前記
セラミック担体より上流側の悪臭ガス通過路の途中に充
填し、該担体に、臭気成分を分解する微生物菌体を着床
させたのち、前記担体上に散水しながら、高濃度悪臭ガ
スを前記担体中に通過させることにより、予備脱臭する
請求項1〜5のいずれかに記載の生物脱臭方法。 - 【請求項7】 高濃度悪臭ガスがイオウ系である場合
に、前記織布、不織布もしくはスポンジ状の担体により
予備脱臭する経路を二系統設け、両系統へのガス導入量
を高比率と低比率とに分け、高比率側が静圧損失限界に
達したときに、低比率のガス導入量に切り替え、低比率
側を高比率のガス導入量に切り替える請求項6記載の生
物脱臭方法。 - 【請求項8】 悪臭ガスの入口と出口を備えた脱臭塔内
の悪臭ガス通過路の途中に固定床を設け、 該固定床上に、酸化カルシウムおよびアルミナを含有し
且つ臭気成分を分解する微生物菌体を着床させる所定形
状の多孔質セラミック担体の多数個を充填し、 前記脱臭塔内のセラミック担体の上方に、散水ノズルを
配設するとともに、脱臭塔の底部に排水口を設けたこと
を特徴とする生物脱臭装置。 - 【請求項9】 前記セラミック担体の酸化カルシウム含
有量を2〜50%、アルミナ含有量を30%以下にする
とともに、 前記セラミック担体に貫通孔を少なくとも1つ設け、セ
ラミック担体の充填空隙率を0.8以下にした請求項8
記載の生物脱臭装置。 - 【請求項10】 前記脱臭塔内の悪臭ガス通過路の途中
で前記セラミック担体用固定床よりも悪臭ガスの入口寄
りに別の固定床を設け、その固定床上に、臭気成分を分
解する微生物菌体を着床させる天然セルロース又は合成
繊維からなる織布、不織布もしくはスポンジ状の担体の
多数個を充填した請求項8又は9記載の生物脱臭装置。 - 【請求項11】 悪臭ガスの入口と出口を備え、塔内の
悪臭ガス通過路の途中に設けた固定床上に、臭気成分を
分解する微生物菌体を着床させる天然セルロース又は合
成繊維からなる織布、不織布もしくはスポンジ状の担体
の多数個を充填し、前記塔内の担体の上方に散水ノズル
を、塔の底部に排水口をそれぞれ設けてなる予備脱臭塔
を設置し、該予備脱臭塔のガス排出口と前記脱臭塔のガ
ス導入口とを配管で接続した請求項8又は9記載の生物
脱臭装置。 - 【請求項12】 前記予備脱臭塔を2基設置し、各予備
脱臭塔のガス排出口と前記脱臭塔のガス導入口とを配管
で接続し、共通の悪臭ガス発生源からのガスをダンパー
又は流量調整弁を介装した分岐管により各予備脱臭塔内
に導入するようにした請求項11記載の生物脱臭装置。
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JPH067633A true JPH067633A (ja) | 1994-01-18 |
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JP08524993A Expired - Lifetime JP3410505B2 (ja) | 1992-03-30 | 1993-03-19 | 生物脱臭方法とその装置 |
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JP (1) | JP3410505B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP4537494B1 (ja) * | 2009-12-24 | 2010-09-01 | 株式会社神鋼環境ソリューション | ガス処理装置およびその運転方法 |
JP2011131204A (ja) * | 2010-04-30 | 2011-07-07 | Kobelco Eco-Solutions Co Ltd | ガス処理装置およびその運転方法 |
CN114392649A (zh) * | 2021-12-24 | 2022-04-26 | 北京建筑大学 | 一种强化去除微生物气溶胶的生物除臭系统及方法 |
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-
1993
- 1993-03-19 JP JP08524993A patent/JP3410505B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (4)
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