JP2000042354A - 悪臭ガスの脱臭方法 - Google Patents

悪臭ガスの脱臭方法

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JP2000042354A
JP2000042354A JP10219112A JP21911298A JP2000042354A JP 2000042354 A JP2000042354 A JP 2000042354A JP 10219112 A JP10219112 A JP 10219112A JP 21911298 A JP21911298 A JP 21911298A JP 2000042354 A JP2000042354 A JP 2000042354A
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malodorous
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methyl
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Norihiro Yaide
乃大 矢出
Toshio Tsukamoto
敏男 塚本
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Ebara Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硫化メチルや二硫化メチルの除去率を向上さ
せるとともに設備費の低減が図れ,効率よくかつ安定し
た悪臭ガスの生物学的脱臭方法を提供する。 【解決手段】 悪臭ガスを生物学的に脱臭する方法にお
いて、少なくとも、充填材上に悪臭成分を分解する微生
物を保持した充填層で散水による湿潤状態下に悪臭ガス
を通気して接触させる充填塔式生物脱臭法で脱臭する第
1工程と、該第1工程で処理したガスを活性汚泥を含む
懸濁液に接触させる液分散型排ガス処理方式で脱臭する
第2工程で行うことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は悪臭ガスを生物学的
に脱臭する脱臭方法に関し、更に詳しくは、下水処理
場、し尿処理場、塗装工場、鋳造工場、印刷工場及びフ
ィルム製造工場などから発生する排ガスおよび無機性の
悪臭物質を微生物で生物学的に分解して除去する技術に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、硫化水素等の悪臭成分を含む
悪臭ガスを微生物を含有する汚泥を付着させた充填層に
接触させて、生物学的に脱臭する脱臭方法は充填塔式生
物脱臭方法として公知である。この充填塔式脱臭方法は
アンモニアや硫化水素のような生物的に除去されやすい
悪臭成分は空塔速度が500h-1でも十分に脱臭され
る。しかしながら、硫化メチルや二硫化メチルのような
分解しにくい悪臭成分はこのような高い空塔速度では十
分に脱臭できない。硫化メチルや二硫化メチルの除去率
を高めるには空塔速度を100h-1以下にする必要があ
る。このために大風量のガスを脱臭しようとする場合、
その充填塔式脱臭装置が過大な設備となる。
【0003】また、充填材表面にすでに形成している生
物膜の表面部に粉末活性炭の粒子を付着させて、この活
性炭によって悪臭ガス中の悪臭成分を吸着、濃縮させ
る。その後、濃縮された悪臭成分を生物学的に脱臭する
方法を提案した(特公平6−91936)。この方法は
流入する悪臭ガス濃度、特に硫化メチルや二硫化メチル
濃度が1ppm と高い場合、悪臭成分の吸着、濃縮および
生物脱臭による活性炭の再生が適切に機能せず、硫化メ
チルや二硫化メチルの除去率が低下することが判明し
た。
【0004】一方、活性汚泥の懸濁液を悪臭ガスと接触
させて、脱臭する方法も提案され、有機溶剤等の排ガス
に多数提案されている(特開昭52−155175、特
開昭57−180421、特開昭57−20015
8)。これらの方法は悪臭ガス中の硫化水素の比率が高
いと、生物脱臭によって多量の硫酸が生成し、活性汚泥
の懸濁液が強酸性となる。このために硫化水素を含む悪
臭ガスから硫化水素や硫化水素以外の悪臭成分が十分に
除去できなかったり、中和のために多量の苛性ソーダが
必要になったりするという欠点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来技
術においては、悪臭ガスに硫化水素とともに含まれる硫
化メチルや二硫化メチルの除去率を高めようとすると、
過大な設備になったり、中和用のアルカリ剤が多量に必
要である等の問題があつた。従って、本発明の目的は上
記のような問題点を解決し、硫化メチルや二硫化メチル
の除去率を向上させるとともに設備費の低減が図れ,効
率よくかつ安定した悪臭ガスの生物学的脱臭方法を提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を解決するために、悪臭ガスの脱臭方法の工程を鋭意検
討した結果、脱臭方法として、脱臭対象である悪臭ガス
を充填塔式生物脱臭法で脱臭した後、次に活性汚泥懸濁
液による特定の液分散型排ガス方式(スクラバー方式)
で脱臭することにより、本発明の目的が達成されること
を見出し、本発明に到達した。即ち、本発明は下記構成
によって達成される。 (1) 悪臭ガスを生物学的に脱臭する方法において、
少なくとも、充填材上に悪臭成分を分解する微生物を保
持した充填層で散水による湿潤状態下に悪臭ガスを通気
して接触させる充填塔式生物脱臭法で脱臭する第1工程
と、該第1工程で処理したガスを活性汚泥を含む懸濁液
に接触させる液分散型液分散型排ガス方式で脱臭する第
2工程で行うことを特徴とする悪臭ガスの脱臭方法。 (2) 前記第1工程を複数回繰り返すことを特徴とす
る前記(1)に記載の悪臭ガスの脱臭方法。 (3) 前記第1工程で使用する充填材が内部に連通空
間を有するスポンジ状のウレタンフォーム充填材である
ことを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の悪臭ガ
スの脱臭方法。
【0007】(4) 前記第2工程を最終工程で用いる
ことを特徴とする前記(1)〜(3)に記載の悪臭ガス
の脱臭方法。 (5) 前記第2工程の液分散型排ガス方式が活性汚泥
を含む懸濁液に圧力をかけてノズルから放出し、装置内
に充填した合成樹脂充填層で懸濁液を液滴化し、ガスと
懸濁液との接触を高めることを特徴とする前記(1)〜
(4)に記載の悪臭ガスの脱臭方法。 (6) 前記第2工程において、空隙率の高い合成樹脂
充填材を用いた充填層を用いることを特徴とする前記
(1)〜(5)に記載の悪臭ガスの脱臭方法。 (7) 前記第1工程で処理したガスを水洗工程で水洗
した後、前記第2工程で処理することを特徴とする前記
(1)〜(6)に記載の悪臭ガスの脱臭方法。
【0008】本発明は第1工程で悪臭ガス中から硫化水
素とアンモニアとトリメチルアミンを予め、分解除去す
ることにより、第2工程の活性汚泥懸濁液での液分散型
排ガス方式(以後、スクラバー方式とも記す)による硫
化メチルや二硫化メチルの除去率を高めることができ
る。これは活性汚泥懸濁液に浮遊する活性汚泥粒子と硫
化水素が除かれたガスを接触させることによって、硫化
メチルや二硫化メチルを活性汚泥に吸着、ついで活性汚
泥による分解を効果的に行うものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。本発明の悪臭ガスの脱臭方法は複数の脱臭工程によ
って、悪臭ガスを脱臭するものである。悪臭ガス中の悪
臭成分を分解する微生物を付着させた充填層と悪臭ガス
を接触させて充填塔式生物脱臭方法で脱臭する第1工程
と、その第1工程出口ガスを更に活性汚泥を含む懸濁液
(以下、活性汚泥懸濁液)と接触させる液分散型排ガス
方式(以下、スクラバー方式ともいう)で脱臭する第2
工程とから構成され。本発明で脱臭できる悪臭ガスとし
ては、アンモニア、アミン類、硫化水素、メルカプタン
や硫化メチル等の有機硫黄化合物、フェノール、ホルマ
リン等のアルデヒド類、有機酸、有機溶媒、臭気成分等
の少なくとも一種類以上を含んだガスである。勿論、硫
化水素単独でも前述した硫化水素以外の悪臭成分のうち
少なくとも1種類以上含んでいても良い。
【0010】第1工程において、湿潤状態で、悪臭成分
を分解する微生物を付着させた充填層と悪臭ガスを接触
させて脱臭する。この第1工程では、水溶性で、生物学
的に分解され易い硫化水素とアンモニア等がほぼ完全に
悪臭ガスから除去される。ここで、まず悪臭ガス中の硫
化水素を生物学的に脱臭され、その結果、生成する硫酸
によって、同時にアンモニア等の塩基性ガスを吸収させ
て除去する。この反応はpH1〜3のような強酸性で進
み、中和用のアルカリ剤は不要である。第2工程は第1
工程処理ガスに残留している硫化メチルや二硫化メチル
等を中性に維持された活性汚泥懸濁液を用いて、スクラ
バー方式によって除去する工程である。ここでは排水の
好気性生物処理設備の反応槽(通常、曝気槽と呼ばれて
いる)から容易に入手できる活性汚泥を懸濁させた液を
用いて、これら硫化メチルや二硫化メチルを分解するも
のである。
【0011】本発明の第1工程の充填塔式生物脱臭に用
いる充填材はポリプロピレンなどの合成樹脂を成形した
市販の充填材でも良いが、脱臭効率が高いスポンジ充填
材が良い。このスポンジ充填材の形状はセル数(25mm
直線上のセル、気泡の数)5〜30で、その内部に連通
空間を有するものが良い。充填層を温潤状態に維持する
ために充填層上部に散水するが、その散水に用いる液は
充填層を過過した液を再び、散水に使用しても良い。ま
た、工業用水、生物処理水等を直接、充填層上部から散
水することもできる。散水は連続的でも間欠的でも良
い。散水量は単位処理ガス量あたり1〜5リットル/m3
−ガス、通常3リットル/m3−ガスである。
【0012】本発明の第2工程における前記スクラバー
方式とは、液分散型で、悪臭ガスと循環液を滴状に細分
化したものを接触させ、悪臭ガス中の悪臭成分を循環液
に吸収させて、脱臭する液分散型排ガス方式である。循
環液に吸収させた悪臭成分は循環液中に存在する活性汚
泥によって分解除去される。悪臭ガスと循環液との接触
効率を高めるには液滴をより細かくする、好ましくは粒
径数100μmの霧状にする必要がある。液滴を細かく
するには、循環液に圧力をかけて、ノズルから放出する
ことにより可能であるが、このように高い圧力をかける
と、循環液中の活性汚泥も細分化されて、悪臭成分を分
解除去する脱臭性能が低下する。このためにスクラバー
装置の内部に空隙率の高い充填材を充填し、ここで循環
液を1〜3mm程度に液滴化し、活性汚泥の脱臭性能を
維持した状態でガスと循環液とを接触させて、脱臭効率
を向上させる。
【0013】循環液は活性汚泥を含む液体であり、閉塞
の可能性が高いので、これを防止するために、スクラバ
ー装置の内部に充填する充填材は空隙率が高いのが良
い。空隙率の高い充填材を使うと、空隙率の低い充填材
に比べて、脱臭効率が低下するが、これは装置上部から
散水する循環液の散水量を最大50リットル/m3 −ガ
スまで増加させることにより、対処する。スクラバー方
式でその塔内に充填層を設ける場合は、充填層の活性汚
泥による閉塞を防止するために、循環液の活性汚泥濃度
が概ね、3g/リットル以下である。一方、充填層を設
けない場合は、循環液中の活性汚泥濃度は10g/リッ
トルまで高めることができる。
【0014】第2工程のスクラバー方式による脱臭にお
いて、前記のように充填層を装置内部に配備してもよ
く、配備しなくてもよい。充填層を配備する場合、その
充填材は活性汚泥懸濁液による閉塞を防止するために、
空隙率が高いポリプロピレンなどの合成樹脂を成形した
ハイレックスやテラレットのような市販の充填材がよ
い。装置内部に充填層を配備しない場合、散水部には液
の分散を良くして、悪臭ガスと活性汚泥懸濁液の接触を
良くするためにスプレイノズルを用いる。空隙率が高い
合成樹脂を充填した充填層を用いる場合にもスプレイノ
ズルを用いるのが望ましい。これにより、活性汚泥懸濁
液の分散が促進され脱臭の効果が高まる。活性汚泥懸濁
液の散水は充填層の有無に関わらず、散水量は単位処理
ガス量あたり10〜50リットル/m3−ガスで、連続的
に散水する。活性汚泥懸濁液の汚泥濃度は500〜50
00mg/リットルである。この第2工程でBOD(生物
化学的酸素要求量)成分を資化する菌の増殖が著しいの
で、外部から栄養塩の供給が必要である。栄養塩として
は、窒素と燐である。補給水としてこれらの窒素や燐が
含まれる生物処理水が使用できれば、新たに栄養塩を添
加する必要はない。第1工程でpHを下げる原因となる
硫化水素が除去されていることや補給水のアルカリ度に
よって、第2工程の活性汚泥懸濁液は中性に維持でき、
中和のためのアルカリ剤は必要ない。
【0015】本発明は単に充填塔式脱臭法の第1工程と
スクラバー方式の第2工程の組み合わせたものではな
い。本発明は第2工程のスクラバー方式による硫化メチ
ルや二硫化メチルの除去率を高めるために、第1工程で
悪臭ガス中から硫化水素とアンモアとトリメチルアミン
を予め、分解除去するものである。さらに、第2工程で
は活性汚泥懸濁液に浮遊する活性汚泥粒子と硫化水素が
除かれたガスを接触させることによって、硫化メチルや
二硫化メチルを活性汚泥に吸着、ついで活性汚泥による
分解を効果的に行うものである。従って、本発明におけ
る脱臭の順番は脱臭対象である悪臭ガスを充填塔式生物
脱臭法で脱臭した後、次に活性汚泥懸濁液によるスクラ
バー方式で脱臭する。
【0016】本発明において、活性汚泥懸濁液と接触さ
せて脱臭する第2工程は、ガスの流れ方向の最終の充填
塔もしくは脱臭工程であることが好適である。悪臭ガス
中の硫化水素濃度が100ppm以上の場合は、第1工程
の処理を複数回繰り返し、第1工程で十分に硫化水素を
除去する。その後、第2工程で第1工程処理ガスに残留
する硫化メチルや二硫化メチルを活性汚泥懸濁液と接触
させて脱臭する。
【0017】また、本発明は第1工程処理ガスを水洗し
た後、活性汚泥懸濁液と接触させて脱臭するのがより好
ましい方法である。第1工程の充填層を湿潤状態に維持
するために、前記生物学的脱臭された硫化水素によっ
て、多量の硫酸が生成し、その結果、強酸性の液が散水
されている。第1工程処理ガスには、ミスト状になった
この酸性の液が含まれているので、予め、第1工程処理
ガスを水洗して酸性のミストを除去する。こうすること
によって、第2工程の活性汚泥懸濁液のpHが安定し、
その結果、硫化メチルや二硫化メチルの脱臭効果が高ま
る。第1工程処理ガスのミスト除去のための水洗は、外
部からの補給水を用い、連続的に行い、その散水量は概
ね、単位処理ガス量あたり3リットル/m3−ガス以下で
ある。その補給水は工業用水、生物処理水等いずれも使
用できる。水洗後に発生する排水は第1工程の補給水と
して使用しても良いし、そのまま系外に排出しても良
い。
【0018】本発明の悪臭ガスの脱臭方法の基本的構成
および処理法を図面に基いて説明する。図1は本発明の
悪臭ガスの脱臭方法の構成の1例の概略断面図である。
第1工程の充填塔1の中に生物担体を充填した充填層3
を設け、この充填層3の下の受水部8に微生物を含む活
性汚泥液を添加して、この受水部8の活性汚泥液を循環
水ポンプ7でくみ上げて充填層上部の散水部13から散
水して、生物担体に微生物を付着させる。処理方法とし
ては、まず、第1工程の充填塔1の馴致を行う。ガス入
口部2から硫化水素等の悪臭成分を含む悪臭ガスを導入
し、脱臭を開始する。循環水が清澄になり、硫化水素除
去率が80%以上になれば、充填層3に悪臭成分が分解
できる微生物が付着したと判断できる。馴致終了後、悪
臭成分の分解が促進されると、硫酸の生成量が増大す
る。循環水中に多量の硫酸が蓄積すると、脱臭効果が低
下する。このために補給水9を受水部8に添加すること
によって循環水の硫酸濃度を下げる。適宜、硫酸濃度の
高まった循環水をドレン15から系外に排出する。
【0019】また、第2工程の充填塔1′の中に生物担
体を充填した充填層3′を設け、この充填層3′の下の
受水部8′に微生物を含む活性汚泥液を添加して、この
受水部8′の活性汚泥液を循環水ポンプ7′でくみ上げ
て充填層上部の散水部13′から散水する。処理方法と
しては、前記第1工程の充填塔1の馴致が完了したら、
次ぎに、第2工程の充填塔1′の馴致を行う。硫化水素
以外の悪臭成分を含む第1工程出口ガス2′を充填塔
1′に導入し、硫化水素以外の悪臭成分を除去するため
の脱臭を開始する。循環水の汚泥濃度が低くなれば、新
たに種汚泥を添加し、活性汚泥懸濁液を常時、散水部1
3′から散水し、充填層3′を介して、第1工程処理ガ
スと接触させて、脱臭する。硫化水素以外の悪臭成分が
分解されて生成する活性汚泥は第2工程に流入する悪臭
成分の分解に再利用するが、循環水16′の汚泥濃度が
高まれば、循環水の一部を充填塔ドレン15′から系外
に排出し、循環水16の汚泥濃度を調整する。
【0020】第2図は本発明の悪臭ガスの脱臭方法の構
成の他の1例である、第1工程と第2工程の間に水洗工
程を付加する場合を示す概略断面図である。前記の第1
図と同様に第1工程の充填層3に悪臭成分を分解する微
生物を付着させ、悪臭ガスを脱臭する。第1工程で悪臭
ガス中の硫化水素が硫酸に分解されて、その硫酸が酸性
ミストとして第1工程処理ガスに同伴される。第1工程
処理ガス中の酸性ミストを水洗によって除去する。水洗
方法は連結管10にて補給水9を散水部14から散水す
るものである。水洗後に発生する排水はドレン12から
系外に排出される。この連結管10の断面積を大きく
し、その内部に充填層を配備しても良い。充填材はサラ
ンネットを重ねたものや合成樹脂の成型品等市販の充填
材が使用できる。第1工程処理ガスから第2工程の循環
水のpHを低下させる原因となる硫酸を除去することに
よって、第2工程における脱臭性能が向上し、その性能
が安定する。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、勿論本発明の範囲は、この実施例のみに限定され
ない。 〔実施例1〕悪臭ガスの脱臭装置は図1に示した装置を
用いた。 原ガスの組成はアンモニア:3ppm、硫化水素:50pp
m、メチルメルカプタン:3ppm、硫化メチル:1ppm、
二硫化メチル:1ppmである。実験条件は次の通りであ
る。 空塔速度: 500h-1(第1工程、第2工程ともに) 散水量(単位処理ガス量あたりの散水量) 第1工程:3リットル/m3、連続散水 第2工程:30リットル/m3、連続散水 ガス温度: 20〜25℃ 充填材 第1工程:スポンジ充填材、セル数13 第2工程:ハイレックス、外径30mm 充填層断面積: 0.2m2 充填層高 第1工程:1m 第2工程:1m 循環水汚泥濃度 第1工程:数十mg/リットル (初期濃度;約2000mg/リットル) 第2工程:2000〜4000mg/リットル 循環水のpH 第1工程:1〜2 第2工程:5〜6 補給水: 生物処理水
【0022】第1工程の循環水の汚泥濃度を約2000
mg/リットルに調整後、悪臭ガスを連続的に通気しつ
つ、循環水を連続的に充填層に散水した。約1週間後に
は硫化水素除去率が90%となり、馴致が完了した。次
ぎに、第2工程の循環水の汚泥濃度を約2000mg/リ
ットルに調整後、第1工程処理ガスを連続的に通気しつ
つ、循環水を連続的に充填層に散水した。循環水の汚泥
濃度が減少するので、適宜、種汚泥を添加しつつ、循環
水の汚泥濃度を2000〜4000mg/リットルに維持
した。通気開始後、約1週間後には硫化メチルの除去率
が90%となり、馴致が完了した。第2工程の馴致完了
後、悪臭ガスを第1工程から第2工程へと連続的に通気
した。実験開始一ケ月後の処理ガス(第2工程処理ガ
ス)の各悪臭成分濃度を第1表に示す。
【0023】〔実施例2〕実施例1の実験に引き続き、
第2図に示す装置となるように第1工程処理ガスの水洗
を組み込んで実験した。第1工程処理ガスを補給水を用
いて、単位処理ガス量あたりの散水量5リットル/m3
連続散水した。その結果、第2工程の循環水のpHは
6.5〜7.5となった。その他原ガス組成や実験条件
は実施例1と同様であった。第2図に示す装置に変更し
てから、2週間後の処理ガス(第2工程処理ガス)の各
悪臭成分濃度を第1表に示す。
【0024】〔比較例1〕実施例1の原ガスを第1図の
第2工程の充填材をスポンジ充填材に変更し、実験し
た。以下に示す実験条件を変更した以外は実施例1と同
じ実験条件である。 散水量(単位処理ガス量あたりの散水量) 第2工程;3リットル/m3、連続散水 充填材 第2工程:スポンジ充填材、セル数13, 循環水汚泥濃度 第2工程;数十mg/リットル (初期濃度;約2000mg/リットル) 循環水のpH 第2工程;6.5〜7.5、NaOHで調整。 第1工程および第2工程の循環水の汚泥濃度を約200
0mg/リットルに調整後、悪臭ガスを第1工程から第2
工程に連続的に通気しつつ、第1工程および第2工程の
循環水を連続的に充填層に散水した。約1週間後には全
体の硫化水素除去率が90%となり、馴致が完了した。
次ぎに、第2工程の循環水に粉末活性炭(荏原製作所
(株)エバダイヤ50LP、含水率50%)を充填容量
あたり1%となるように添加し、その循環水を第2工程
の充填層に連続的に散水した。循環水のpHが生成する
硫酸等によって、低下するので、循環水pHを6.5〜
7.5になるようにNaOHで調整した。粉末活性炭添
加後、1週間で循環水から粉末活性炭が消え、充填層に
付着した。その後、一ケ月連続実験した時の処理成績を
第1表に示す。
【0025】
【表1】
【0026】表1から明らかなように、本発明の第1工
程および第2工程で処理した実施例1および2では、す
べての悪臭ガス成分に対する除去率が高く、満足がいく
レベルを得たが、一方、比較例においてはメチルメルカ
プタン、硫化メチルおよび二硫化メチルの除去率が低く
不適である。、
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の悪臭ガス
の脱臭方法は、その分解速度が遅い悪臭成分を、第2工
程において、活性汚泥懸濁液に特定条件で気液接触さ
せ、分解させることにより、悪臭ガス成分に対する除
去率が高く、特に硫化メチルや二硫化メチルの除去率が
高い;アルカリ剤が不要で、ランニングコストが安価
である;空塔速度が高くとれ、設備が小型化できるこ
とが、確認され、極めて高い実用性を有するものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施態様を示す系統説明図の一例であ
る。
【図2】本発明の実施態様を示す系統説明図の他の一例
である。
【符号の説明】
1,1 充填塔 2 ガス入口部 2′ 第1工程出口ガス 3,3′充填層 4,4′多孔板 6,6′ガス出口部 7,7′循環ポンプ 8,8′受水部 9 補給水 10 連結管 11 栄養塩注入管 12 水洗水ドレン 13,13′散水部 14 水洗用散水部 15,15′充填塔ドレン 16,16′循環水
フロントページの続き Fターム(参考) 4D002 AA01 AA03 AA05 AA14 AB02 AC10 BA02 BA17 CA01 CA07 DA02 DA12 DA59 DA70 EA02 GA02 GA03 GB01 GB02 GB03 GB08 GB09 GB12 GB20 HA03

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 悪臭ガスを生物学的に脱臭する方法にお
    いて、少なくとも、充填材上に悪臭成分を分解する微生
    物を保持した充填層で散水による湿潤状態下に悪臭ガス
    を通気して接触させる充填塔式生物脱臭法で脱臭する第
    1工程と、該第1工程で処理したガスを活性汚泥を含む
    懸濁液に接触させる液分散型排ガス処理方式で脱臭する
    第2工程で行うことを特徴とする悪臭ガスの脱臭方法。
  2. 【請求項2】 前記第1工程を複数回繰り返すことを特
    徴とする請求項1に記載の悪臭ガスの脱臭方法。
  3. 【請求項3】 前記第1工程で使用する充填材が内部に
    連通空間を有するスポンジ状のウレタンフォーム充填材
    であることを特徴とする請求項1又は2に記載の悪臭ガ
    スの脱臭方法。
  4. 【請求項4】 前記第2工程を最終工程で用いることを
    特徴とする請求項1〜3に記載の悪臭ガスの脱臭方法。
  5. 【請求項5】 前記第2工程の液分散型排ガス方式が活
    性汚泥を含む懸濁液に圧力をかけてノズルから放出し、
    装置内に充填した合成樹脂充填層で懸濁液を液滴化し、
    ガスと懸濁液との接触を高めることを特徴とする請求項
    1〜4に記載の悪臭ガスの脱臭方法。
  6. 【請求項6】 前記第2工程において、空隙率の高い合
    成樹脂充填材を用いた充填層を用いることを特徴とする
    請求項1〜5に記載の悪臭ガスの脱臭方法。
  7. 【請求項7】 前記第1工程で処理したガスを水洗工程
    で水洗した後、前記第2工程で処理することを特徴とす
    る請求項1〜6に記載の悪臭ガスの脱臭方法。
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