JP2003117341A - アンモニア含有ガスの処理方法及びその装置 - Google Patents
アンモニア含有ガスの処理方法及びその装置Info
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
- Y02A50/00—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
- Y02A50/20—Air quality improvement or preservation, e.g. vehicle emission control or emission reduction by using catalytic converters
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- Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)
- Treating Waste Gases (AREA)
- Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 アンモニア含有ガス中のアンモニアを、簡単
な操作で効率よく除去できる、安全で効果的なアンモニ
ア含有ガスの処理方法と装置を提供する。 【解決手段】 アンモニア含有ガス3と、固体状のリン
酸マグネシウム又はリン酸マグネシウムを含むアンモニ
ア吸着剤2とを接触させて、アンモニア含有ガスからア
ンモニアを除去するアンモニア含有ガスの処理方法とし
たものであり、前記アンモニア吸着剤は、リン酸マグネ
シウムを炭化物又はセラミックスに添着した添着型アン
モニア吸着剤であってもよく、また、前記処理方法にお
いて、アンモニアを除去したアンモニア含有ガスを、さ
らに生物脱臭することができる。
な操作で効率よく除去できる、安全で効果的なアンモニ
ア含有ガスの処理方法と装置を提供する。 【解決手段】 アンモニア含有ガス3と、固体状のリン
酸マグネシウム又はリン酸マグネシウムを含むアンモニ
ア吸着剤2とを接触させて、アンモニア含有ガスからア
ンモニアを除去するアンモニア含有ガスの処理方法とし
たものであり、前記アンモニア吸着剤は、リン酸マグネ
シウムを炭化物又はセラミックスに添着した添着型アン
モニア吸着剤であってもよく、また、前記処理方法にお
いて、アンモニアを除去したアンモニア含有ガスを、さ
らに生物脱臭することができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アンモニア含有ガ
スの処理に係り、特に、下水、し尿、産業排水等の排水
処理に伴って発生する汚泥や生ごみ等の有機性廃棄物
を、コンポスト等で処理処分する際に発生するアンモニ
ア含有ガスからアンモニアを除去する処理方法とその装
置に関する。
スの処理に係り、特に、下水、し尿、産業排水等の排水
処理に伴って発生する汚泥や生ごみ等の有機性廃棄物
を、コンポスト等で処理処分する際に発生するアンモニ
ア含有ガスからアンモニアを除去する処理方法とその装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】下水、し尿、産業排水等の排水処理に伴
って発生する有機性汚泥や生ごみ等の有機性廃棄物の処
理処分法として、その製品を農地還元できるコンポスト
が普及している。汚泥や廃棄物をコンポストにすると、
その堆肥は有効に再利用されるが、コンポスト製造施設
で発生するアンモニアを主成分とする臭気の脱臭が必要
である。アンモニア含有ガスの臭気成分は、アンモニ
ア、アミン類(トリメチルアミン)、アルデヒド類、揮
発性脂肪酸(酢酸等)、アルコール類(プロピルアルコ
ール、ブチルアルコール)、硫化水素、メチルメルカプ
タン等であり、主成分のアンモニア濃度は、数十から数
千ppmである。従来より、このようなアンモニア含有
ガスは、以下のような方法で脱臭されてきた。 (1)酸による薬液洗浄法 (2)生物学的脱臭方法 (3)薬液洗浄法と生物学的脱臭法を組み合わせた方法
って発生する有機性汚泥や生ごみ等の有機性廃棄物の処
理処分法として、その製品を農地還元できるコンポスト
が普及している。汚泥や廃棄物をコンポストにすると、
その堆肥は有効に再利用されるが、コンポスト製造施設
で発生するアンモニアを主成分とする臭気の脱臭が必要
である。アンモニア含有ガスの臭気成分は、アンモニ
ア、アミン類(トリメチルアミン)、アルデヒド類、揮
発性脂肪酸(酢酸等)、アルコール類(プロピルアルコ
ール、ブチルアルコール)、硫化水素、メチルメルカプ
タン等であり、主成分のアンモニア濃度は、数十から数
千ppmである。従来より、このようなアンモニア含有
ガスは、以下のような方法で脱臭されてきた。 (1)酸による薬液洗浄法 (2)生物学的脱臭方法 (3)薬液洗浄法と生物学的脱臭法を組み合わせた方法
【0003】下水、し尿、産業排水等の排水や用水等に
含まれるアンモニアは、富栄養化の原因となるために、
特に閉鎖系水域においては、窒素はリンと共に厳しい規
制が定められている。従来より、このようなアンモニア
含有水等のアンモニアは、以下のような方法で除去され
てきた。 (1)塩素による分解法 (2)生物学的硝化脱窒素法 (3)イオン交換樹脂法
含まれるアンモニアは、富栄養化の原因となるために、
特に閉鎖系水域においては、窒素はリンと共に厳しい規
制が定められている。従来より、このようなアンモニア
含有水等のアンモニアは、以下のような方法で除去され
てきた。 (1)塩素による分解法 (2)生物学的硝化脱窒素法 (3)イオン交換樹脂法
【0004】アンモニア含有ガスを、硫酸の薬液洗浄法
で脱臭しようとした場合、高濃度のアンモニアを酸洗浄
塔で効果的に除去できないばかりか、硫酸の取り扱いが
危険で、酸性の薬液洗浄排水の処理が課題である。生物
学的脱臭法は、それだけで、アンモニア含有ガスからア
ンモニアを完全に除去できる脱臭方法である。しかしな
がら、生物脱臭装置に流入するガス中のアンモニア濃度
の変動が激しい場合には、水溶性であるアンモニアが、
生物脱臭装置内の循環液や充填層中の水分のpHを高
め、アンモニアを酸化する硝化菌の活性度が低下して、
アンモニアの除去効果が低下する。一度活性度が低下す
ると、その回復には長時間必要である。このように、ガ
ス中のアンモニア濃度の変動によって、生物脱臭装置の
脱臭性能が大きく変化するという重大な問題がある。ま
た、硝化菌の活性度が低下すると、他の臭気成分や有機
物を酸化分解する微生物の活性も著しく低下し、アンモ
ニア以外の臭気成分の脱臭性能も低下する。
で脱臭しようとした場合、高濃度のアンモニアを酸洗浄
塔で効果的に除去できないばかりか、硫酸の取り扱いが
危険で、酸性の薬液洗浄排水の処理が課題である。生物
学的脱臭法は、それだけで、アンモニア含有ガスからア
ンモニアを完全に除去できる脱臭方法である。しかしな
がら、生物脱臭装置に流入するガス中のアンモニア濃度
の変動が激しい場合には、水溶性であるアンモニアが、
生物脱臭装置内の循環液や充填層中の水分のpHを高
め、アンモニアを酸化する硝化菌の活性度が低下して、
アンモニアの除去効果が低下する。一度活性度が低下す
ると、その回復には長時間必要である。このように、ガ
ス中のアンモニア濃度の変動によって、生物脱臭装置の
脱臭性能が大きく変化するという重大な問題がある。ま
た、硝化菌の活性度が低下すると、他の臭気成分や有機
物を酸化分解する微生物の活性も著しく低下し、アンモ
ニア以外の臭気成分の脱臭性能も低下する。
【0005】アンモニアの影響を抑えるために、脱臭性
能の効率化には、薬液洗浄法と生物学的脱臭法を組み合
わせた方法が有効である。しかしながら、アンモニアを
除去する薬液洗浄法には、前述のような問題がある。ま
た、アンモニア含有水の処理において、アンモニアを塩
素で分解する方法は、水道水の浄水処理で広く普及して
いるものであるが、アンモニア含有水のアンモニア濃度
に対して、塩素を適正に添加することが難しく、過剰の
塩素の添加が必要になる。一般の排水では、塩素と反応
する物質がアンモニア以外に多く、塩素の注入制御を更
に困難にしている。
能の効率化には、薬液洗浄法と生物学的脱臭法を組み合
わせた方法が有効である。しかしながら、アンモニアを
除去する薬液洗浄法には、前述のような問題がある。ま
た、アンモニア含有水の処理において、アンモニアを塩
素で分解する方法は、水道水の浄水処理で広く普及して
いるものであるが、アンモニア含有水のアンモニア濃度
に対して、塩素を適正に添加することが難しく、過剰の
塩素の添加が必要になる。一般の排水では、塩素と反応
する物質がアンモニア以外に多く、塩素の注入制御を更
に困難にしている。
【0006】生物学的硝化脱窒素法は、その運転コスト
が安価で、排水処理における一般的な窒素除去方法であ
る。しかしながら、アンモニア含有水では、アンモニア
を硝化菌により酸化性窒素に酸化し、更に、その酸化性
窒素を脱窒素菌の存在下、有機物により還元し、窒素ガ
スにすることにより、アンモニア含有水のアンモニア除
去が完結する。第1の硝化工程や第2の脱窒素工程にお
ける生物反応の管理や有機物の添加等、安定したアンモ
ニア除去を行うには、高度な技術を要する運転員による
適正な運転管理が要求される。イオン交換樹脂法は、ア
ンモニア含有水のアンモニアが解離したアンモニウムイ
オンを、イオン交換樹脂により除去する方法である。用
水の脱塩処理に多用されているが、アンモニアイオン以
外のイオンが除去されるために、余分な樹脂が必要で不
経済である。懸濁物質の多い排水では、樹脂層が閉塞す
るので、ろ過などの前処理が必要になる。
が安価で、排水処理における一般的な窒素除去方法であ
る。しかしながら、アンモニア含有水では、アンモニア
を硝化菌により酸化性窒素に酸化し、更に、その酸化性
窒素を脱窒素菌の存在下、有機物により還元し、窒素ガ
スにすることにより、アンモニア含有水のアンモニア除
去が完結する。第1の硝化工程や第2の脱窒素工程にお
ける生物反応の管理や有機物の添加等、安定したアンモ
ニア除去を行うには、高度な技術を要する運転員による
適正な運転管理が要求される。イオン交換樹脂法は、ア
ンモニア含有水のアンモニアが解離したアンモニウムイ
オンを、イオン交換樹脂により除去する方法である。用
水の脱塩処理に多用されているが、アンモニアイオン以
外のイオンが除去されるために、余分な樹脂が必要で不
経済である。懸濁物質の多い排水では、樹脂層が閉塞す
るので、ろ過などの前処理が必要になる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術に鑑み、アンモニア含有ガス中のアンモニア又はアン
モニア含有水から放散させたアンモニアを、簡単な操作
で効率よく除去できる、安全で効果的なアンモニア含有
ガスの処理方法とその装置を提供することを課題とす
る。
術に鑑み、アンモニア含有ガス中のアンモニア又はアン
モニア含有水から放散させたアンモニアを、簡単な操作
で効率よく除去できる、安全で効果的なアンモニア含有
ガスの処理方法とその装置を提供することを課題とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では、アンモニア含有ガスと、固体状のリン
酸マグネシウム又はリン酸マグネシウムを含むアンモニ
ア吸着剤とを接触させて、アンモニア含有ガスからアン
モニアを除去することを特徴とするアンモニア含有ガス
の処理方法としたものである。前記処理方法において、
アンモニア吸着剤は、リン酸マグネシウムを炭化物又は
セラミックスに添着した添着型アンモニア吸着剤とする
ことができる。また、本発明では、内部に、固体状のリ
ン酸マグネシウム又はリン酸マグネシウムを含むアンモ
ニア吸着剤を充填した充填層を備え、該充填層にアンモ
ニア含有ガスを通気する手段を有することを特徴とする
アンモニア含有ガスの処理装置としたものである。さら
に、本発明においては、前記アンモニア含有ガスの処理
方法及び装置で処理されたアンモニアを除去したアンモ
ニア含有ガスを、さらに生物脱臭する生物脱臭装置を備
えて、生物脱臭処理することができる。また、前記本発
明の処理方法と装置において、アンモニア含有ガスとし
ては、アンモニア含有水からアンモニアをストリッピン
グさせて、発生するアンモニア含有ガスでもよい。
に、本発明では、アンモニア含有ガスと、固体状のリン
酸マグネシウム又はリン酸マグネシウムを含むアンモニ
ア吸着剤とを接触させて、アンモニア含有ガスからアン
モニアを除去することを特徴とするアンモニア含有ガス
の処理方法としたものである。前記処理方法において、
アンモニア吸着剤は、リン酸マグネシウムを炭化物又は
セラミックスに添着した添着型アンモニア吸着剤とする
ことができる。また、本発明では、内部に、固体状のリ
ン酸マグネシウム又はリン酸マグネシウムを含むアンモ
ニア吸着剤を充填した充填層を備え、該充填層にアンモ
ニア含有ガスを通気する手段を有することを特徴とする
アンモニア含有ガスの処理装置としたものである。さら
に、本発明においては、前記アンモニア含有ガスの処理
方法及び装置で処理されたアンモニアを除去したアンモ
ニア含有ガスを、さらに生物脱臭する生物脱臭装置を備
えて、生物脱臭処理することができる。また、前記本発
明の処理方法と装置において、アンモニア含有ガスとし
ては、アンモニア含有水からアンモニアをストリッピン
グさせて、発生するアンモニア含有ガスでもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。本発明のアンモニア含有ガスの主成分は、アンモニ
アで、その他、硫化水素、フェノール、揮発性脂肪酸
(有機酸)、アミン類、アルコール類、アルデヒド類、
硫化メチルや二硫化メチル等の有機硫黄化合物等の少な
くとも1種類以上を含むガスである。本発明のアンモニ
ア含有水は、アンモニア又はアンモニウムイオンの形態
で含むもの、あるいはアルカリ性や酸化還元することに
より、アンモニア又はアンモニウムイオンを液中に発生
する排水、及び用水、水道水、河川水等のすべてであ
る。アンモニア又はアンモニウムイオン以外の窒素やそ
の他のイオン、有機物を含んでいても良い。アンモニア
含有排水としては、し尿、下水、埋め立て浸出水及びそ
れらの生物処理水、また、産業排水としては、電力排
水、半導体製造排水等、窒素の形態がアンモニアで、生
物学的脱窒素に必要な有機物が少ない排水、あるいは、
生物学的硝化脱窒素反応を阻害する毒性成分を有する排
水が、本発明には好適である。
る。本発明のアンモニア含有ガスの主成分は、アンモニ
アで、その他、硫化水素、フェノール、揮発性脂肪酸
(有機酸)、アミン類、アルコール類、アルデヒド類、
硫化メチルや二硫化メチル等の有機硫黄化合物等の少な
くとも1種類以上を含むガスである。本発明のアンモニ
ア含有水は、アンモニア又はアンモニウムイオンの形態
で含むもの、あるいはアルカリ性や酸化還元することに
より、アンモニア又はアンモニウムイオンを液中に発生
する排水、及び用水、水道水、河川水等のすべてであ
る。アンモニア又はアンモニウムイオン以外の窒素やそ
の他のイオン、有機物を含んでいても良い。アンモニア
含有排水としては、し尿、下水、埋め立て浸出水及びそ
れらの生物処理水、また、産業排水としては、電力排
水、半導体製造排水等、窒素の形態がアンモニアで、生
物学的脱窒素に必要な有機物が少ない排水、あるいは、
生物学的硝化脱窒素反応を阻害する毒性成分を有する排
水が、本発明には好適である。
【0010】本発明は、アンモニア含有ガスと固体状の
リン酸マグネシウム又はリン酸マグネシウムを含むアン
モニア吸着剤とを接触させて、アンモニアを除去するア
ンモニア含有ガスの脱臭方法である。リン酸マグネシウ
ムを含むアンモニア吸着剤とは、リン酸マグネシウム含
有率が30%以上含む化合物や、リン酸マグネシウムと
その他の化合物との混合物である。リン酸マグネシウム
含有率が30%未満では、アンモニア除去効果が低いの
で実用的でない。排水からのリン除去方法である凝集沈
殿処理や、晶析反応で生成されるリン酸マグネシウム
も、アンモニア吸着剤の原料に使用できる。アンモニア
吸着剤は、固体状のリン酸マグネシウム又はリン酸マグ
ネシウムを含む化合物や、それらを含み天然に産出する
鉱物を、300〜400℃で約2時間以上加熱し、リン
酸マグネシウム又はリン酸マグネシウムを含む化合物
や、鉱物の表面や内部に、多孔質を形成すると共に、ア
ンモニア吸着固定化効果を高める。300℃未満では、
吸着剤に十分な多孔質が形成できない。400℃を超え
ると、化合物そのものが分解を開始する。400℃以下
なら加熱時間に制限はない。2時間以下の加熱時間で
は、アンモニア吸着剤の性能が充分に発揮できない。
リン酸マグネシウム又はリン酸マグネシウムを含むアン
モニア吸着剤とを接触させて、アンモニアを除去するア
ンモニア含有ガスの脱臭方法である。リン酸マグネシウ
ムを含むアンモニア吸着剤とは、リン酸マグネシウム含
有率が30%以上含む化合物や、リン酸マグネシウムと
その他の化合物との混合物である。リン酸マグネシウム
含有率が30%未満では、アンモニア除去効果が低いの
で実用的でない。排水からのリン除去方法である凝集沈
殿処理や、晶析反応で生成されるリン酸マグネシウム
も、アンモニア吸着剤の原料に使用できる。アンモニア
吸着剤は、固体状のリン酸マグネシウム又はリン酸マグ
ネシウムを含む化合物や、それらを含み天然に産出する
鉱物を、300〜400℃で約2時間以上加熱し、リン
酸マグネシウム又はリン酸マグネシウムを含む化合物
や、鉱物の表面や内部に、多孔質を形成すると共に、ア
ンモニア吸着固定化効果を高める。300℃未満では、
吸着剤に十分な多孔質が形成できない。400℃を超え
ると、化合物そのものが分解を開始する。400℃以下
なら加熱時間に制限はない。2時間以下の加熱時間で
は、アンモニア吸着剤の性能が充分に発揮できない。
【0011】この本発明の方法で製造したリン酸マグネ
シウムが主成分であるアンモニア吸着剤の物性は、表1
のとおりである。
シウムが主成分であるアンモニア吸着剤の物性は、表1
のとおりである。
【表1】
【0012】アンモニア吸着剤の原料であるリン酸マグ
ネシウムは、リン酸又はリン酸塩とマグネシウム塩を弱
アルカリ性の水溶液中で反応させ、生成した沈殿物を1
00〜200℃で乾燥させたものである。また、リン酸
と水酸化マグネシウムを混練りし、それを100〜20
0℃で乾燥させても良い。リン酸マグネシウムを製造す
る薬品の混合割合は、リン酸又はその塩1モルに対して
マグネシウム化合物が0.5から2モルである。反応p
Hは7〜9である。リン酸又はその塩やマグネシウム化
合物の添加量は、目安であり厳密に制御する必要はな
い。しかしながら、pHに関しては、pH7以下ではリ
ン酸マグネシウムが生成しないし、pH9以上では、リ
ン酸マグネシウムの収率が低下する。リン酸又はその塩
は、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、ピロリン酸及
びその塩、メタリン酸及びその塩等である。マグネシウ
ム化合物は、水酸化マグネシウム、塩化マグネシウム、
硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、炭酸マグネシウ
ム、炭酸マグネシウムを含むドロマイト等である。
ネシウムは、リン酸又はリン酸塩とマグネシウム塩を弱
アルカリ性の水溶液中で反応させ、生成した沈殿物を1
00〜200℃で乾燥させたものである。また、リン酸
と水酸化マグネシウムを混練りし、それを100〜20
0℃で乾燥させても良い。リン酸マグネシウムを製造す
る薬品の混合割合は、リン酸又はその塩1モルに対して
マグネシウム化合物が0.5から2モルである。反応p
Hは7〜9である。リン酸又はその塩やマグネシウム化
合物の添加量は、目安であり厳密に制御する必要はな
い。しかしながら、pHに関しては、pH7以下ではリ
ン酸マグネシウムが生成しないし、pH9以上では、リ
ン酸マグネシウムの収率が低下する。リン酸又はその塩
は、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、ピロリン酸及
びその塩、メタリン酸及びその塩等である。マグネシウ
ム化合物は、水酸化マグネシウム、塩化マグネシウム、
硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、炭酸マグネシウ
ム、炭酸マグネシウムを含むドロマイト等である。
【0013】本発明のアンモニア吸着剤の形状は、破砕
状、粒状、円柱状等で、その加工方法に関して、特別制
限されるものはない。粒径については、破砕と分級する
ことにより、任意の大きさにできるが、アンモニア吸着
剤の大きさは、2〜20mmが好適である。2mm未満
では,充填塔に充填した時,充填層の圧力損失が高くな
り、アンモニア含有ガスの通気が困難となる。20mm
を超えると、ガスとの接触効率が低下して脱臭効果が悪
化する。アンモニアの除去性能が低下すれば、アンモニ
ア吸着剤を新たに補給し、リン酸マグネシウムアンモニ
ウムとなった廃吸着剤を系外に排出する。取り出された
廃吸着剤は、肥料として利用できる。リン酸マグネシウ
ムを含むアンモニア吸着剤にアンモニアガスが接触する
と、リン酸マグネシウムアンモニウムが生成する。生成
するリン酸マグネシウムアンモニウムは、吸着剤の表面
で生成し、吸着剤の粒径が増大する。また、アンモニア
吸着剤の内部や表面では、アンモニアを吸着し、その表
面や内部でアンモニアを濃縮することにより、吸着剤と
アンモニアの反応が促進される。この作用によって、ア
ンモニア含有ガスから効率的にアンモニアを除去できる
ものである。
状、粒状、円柱状等で、その加工方法に関して、特別制
限されるものはない。粒径については、破砕と分級する
ことにより、任意の大きさにできるが、アンモニア吸着
剤の大きさは、2〜20mmが好適である。2mm未満
では,充填塔に充填した時,充填層の圧力損失が高くな
り、アンモニア含有ガスの通気が困難となる。20mm
を超えると、ガスとの接触効率が低下して脱臭効果が悪
化する。アンモニアの除去性能が低下すれば、アンモニ
ア吸着剤を新たに補給し、リン酸マグネシウムアンモニ
ウムとなった廃吸着剤を系外に排出する。取り出された
廃吸着剤は、肥料として利用できる。リン酸マグネシウ
ムを含むアンモニア吸着剤にアンモニアガスが接触する
と、リン酸マグネシウムアンモニウムが生成する。生成
するリン酸マグネシウムアンモニウムは、吸着剤の表面
で生成し、吸着剤の粒径が増大する。また、アンモニア
吸着剤の内部や表面では、アンモニアを吸着し、その表
面や内部でアンモニアを濃縮することにより、吸着剤と
アンモニアの反応が促進される。この作用によって、ア
ンモニア含有ガスから効率的にアンモニアを除去できる
ものである。
【0014】また、本発明は、アンモニア吸着剤とし
て、リン酸マグネシウムを炭化物やセラミックスに添着
した添着型アンモニア吸着剤を用いて、アンモニア含有
ガスと接触させてアンモニアを除去するアンモニア含有
ガスの処理方法である。リン酸マグネシウムを添着させ
る担体としては、多孔質のものが良く、リン鉱石や市販
のセラミックス充填材や活性炭や炭化物が好適である。
その他に、繊維や金属、不織布等に担持させて使用して
も良い。本発明の添着型アンモニア吸着剤の形状は、破
砕状、粒状、円柱状等で、その加工方法に関して、特別
制限されるものはない。粒径については、破砕と分級す
ることにより、任意の大きさにできるが、添着型アンモ
ニア吸着剤の大きさは、2〜20mmが好適である。
て、リン酸マグネシウムを炭化物やセラミックスに添着
した添着型アンモニア吸着剤を用いて、アンモニア含有
ガスと接触させてアンモニアを除去するアンモニア含有
ガスの処理方法である。リン酸マグネシウムを添着させ
る担体としては、多孔質のものが良く、リン鉱石や市販
のセラミックス充填材や活性炭や炭化物が好適である。
その他に、繊維や金属、不織布等に担持させて使用して
も良い。本発明の添着型アンモニア吸着剤の形状は、破
砕状、粒状、円柱状等で、その加工方法に関して、特別
制限されるものはない。粒径については、破砕と分級す
ることにより、任意の大きさにできるが、添着型アンモ
ニア吸着剤の大きさは、2〜20mmが好適である。
【0015】リン酸マグネシウムを添着させる方法は、
以下の方法がある。 (1)担体を飽和リン酸マグネシウム水溶液に浸漬させ
て、100℃で予備乾燥させたのち、前記したアンモニ
ア吸着剤の加熱条件と同様に、300〜400℃で約2
時間以上加熱する。 (2)担体を飽和リン酸塩水溶液に浸漬させ、次ぎに飽
和マグネシウム塩水溶液に浸遺させたのち100℃で予
備乾燥して、前記と同様の条件で加熱する。飽和マグネ
シウム塩水溶液に浸漬させた後に、飽和リン酸塩水溶液
に浸漬させても良い。飽和リン酸塩水溶液や飽和マグネ
シウム塩水溶液液量は、担体容量程度必要である。少な
いと担体に充分な量のリン酸マグネシウムが添着できな
いし、多いと無駄になる。
以下の方法がある。 (1)担体を飽和リン酸マグネシウム水溶液に浸漬させ
て、100℃で予備乾燥させたのち、前記したアンモニ
ア吸着剤の加熱条件と同様に、300〜400℃で約2
時間以上加熱する。 (2)担体を飽和リン酸塩水溶液に浸漬させ、次ぎに飽
和マグネシウム塩水溶液に浸遺させたのち100℃で予
備乾燥して、前記と同様の条件で加熱する。飽和マグネ
シウム塩水溶液に浸漬させた後に、飽和リン酸塩水溶液
に浸漬させても良い。飽和リン酸塩水溶液や飽和マグネ
シウム塩水溶液液量は、担体容量程度必要である。少な
いと担体に充分な量のリン酸マグネシウムが添着できな
いし、多いと無駄になる。
【0016】添着型アンモニア吸着剤のリン酸マグネシ
ウム添着量は、担体乾燥重量1gあたり10〜300m
gである。担体1gあたり10mg未満であれば、アン
モニア除去効果が低い。300mgを超えると添着型ア
ンモニア吸着剤の製造コストがかかる。また、上記方法
で製造された添着型アンモニア吸着剤以外に、排水処理
の晶析施設から廃棄物として排出されるリン酸マグネシ
ウムやリンとマグネシウムを含む鉱物が、本発明の添着
型アンモニア吸着剤の原料になる。これら原料をアンモ
ニア吸着剤に記載した方法により、添着型アンモニア吸
着剤として使用することができる。
ウム添着量は、担体乾燥重量1gあたり10〜300m
gである。担体1gあたり10mg未満であれば、アン
モニア除去効果が低い。300mgを超えると添着型ア
ンモニア吸着剤の製造コストがかかる。また、上記方法
で製造された添着型アンモニア吸着剤以外に、排水処理
の晶析施設から廃棄物として排出されるリン酸マグネシ
ウムやリンとマグネシウムを含む鉱物が、本発明の添着
型アンモニア吸着剤の原料になる。これら原料をアンモ
ニア吸着剤に記載した方法により、添着型アンモニア吸
着剤として使用することができる。
【0017】さらに、本発明は、アンモニア吸着剤と接
触させて、アンモニアが除去されたアンモニア含有ガス
を生物脱臭することにある。アンモニア吸着剤と接触さ
せて、アンモニア含有ガス中のアンモニアを粗取りする
ことにより、生物脱臭装置へのアンモニア負荷が低減で
きて、生物脱臭装置の脱臭効果が高まると共に、全体と
して安定したアンモニア除去性能が得られる。 また、
アンモニア含有ガスには、アンモニア以外の臭気成分が
あり、これら臭気成分は、本発明の吸着剤では除去でき
ないので、生物脱臭により脱臭するものである。生物脱
臭法としては、土壌脱臭法や充填塔式生物脱臭方法が挙
げられる。充填塔式生物脱臭法は、硫化水素等の悪臭成
分を含む悪臭ガスを、微生物を付着させた充填層に接触
させて、生物学的に脱臭する方法であり、多量のガスを
コンパクトな装置で効率良く脱臭できる方法で、広く普
及している。
触させて、アンモニアが除去されたアンモニア含有ガス
を生物脱臭することにある。アンモニア吸着剤と接触さ
せて、アンモニア含有ガス中のアンモニアを粗取りする
ことにより、生物脱臭装置へのアンモニア負荷が低減で
きて、生物脱臭装置の脱臭効果が高まると共に、全体と
して安定したアンモニア除去性能が得られる。 また、
アンモニア含有ガスには、アンモニア以外の臭気成分が
あり、これら臭気成分は、本発明の吸着剤では除去でき
ないので、生物脱臭により脱臭するものである。生物脱
臭法としては、土壌脱臭法や充填塔式生物脱臭方法が挙
げられる。充填塔式生物脱臭法は、硫化水素等の悪臭成
分を含む悪臭ガスを、微生物を付着させた充填層に接触
させて、生物学的に脱臭する方法であり、多量のガスを
コンパクトな装置で効率良く脱臭できる方法で、広く普
及している。
【0018】充填塔式生物脱臭に用いる充填材は、ポリ
プロピレンなどの合成樹脂を成形した市販の充填材でも
良く、脱臭効率が高いスポンジ充填材でも良い。このス
ポンジ充填材の形状は、セル数(25mm直線上のセ
ル,気泡の数)5〜30で、その内部に連通空間を有す
るものが好適である。充填層を湿潤状態に維持するため
に、充填層上部に散水するが、その散水に用いる液は、
充填層を通過した液を再び、散水に循環使用しても良
い。また、工業用水、生物処理水等を直接、充填層上部
から散水することもできる。散水は、連続的でも間欠的
でも良い。散水量は、単位処理ガス量あたり1〜5リツ
トル/m3−ガス、通常3リットル/m3−ガスである。
土壌脱臭法は,黒ぼく土やゼオライト等を充填した土壌
層に、アンモニア含有ガスを通気し、土壌層に棲息する
微生物によりアンモニアを除去するものである。散水は
間欠的で、散水頻度は、1時間ないし数時間あたり、数
分から10分間程度の散水とする。その散水量は、単位
処理ガス量あたり0.01〜0.5リットル/m3−ガ
ス、通常0.5リツトル/m3−ガス程度である。
プロピレンなどの合成樹脂を成形した市販の充填材でも
良く、脱臭効率が高いスポンジ充填材でも良い。このス
ポンジ充填材の形状は、セル数(25mm直線上のセ
ル,気泡の数)5〜30で、その内部に連通空間を有す
るものが好適である。充填層を湿潤状態に維持するため
に、充填層上部に散水するが、その散水に用いる液は、
充填層を通過した液を再び、散水に循環使用しても良
い。また、工業用水、生物処理水等を直接、充填層上部
から散水することもできる。散水は、連続的でも間欠的
でも良い。散水量は、単位処理ガス量あたり1〜5リツ
トル/m3−ガス、通常3リットル/m3−ガスである。
土壌脱臭法は,黒ぼく土やゼオライト等を充填した土壌
層に、アンモニア含有ガスを通気し、土壌層に棲息する
微生物によりアンモニアを除去するものである。散水は
間欠的で、散水頻度は、1時間ないし数時間あたり、数
分から10分間程度の散水とする。その散水量は、単位
処理ガス量あたり0.01〜0.5リットル/m3−ガ
ス、通常0.5リツトル/m3−ガス程度である。
【0019】本発明は、リン酸マグネシウムやリン酸マ
グネシウムを含む化合物のアンモニア吸着剤又は添着型
アンモニア吸着剤を充填した充填層にアンモニア含有ガ
スを通気するアンモニア含有ガスの処理装置の発明でも
ある。図1に、アンモニア含有ガスの処理装置の概念図
を示す。アンモニア含有ガス3の流入位置は、アンモニ
ア吸着剤又は添着型アンモニア吸着剤を充填した層2の
下部でも、充填層の中間位置でも良い。また、流入位置
を複数にしても良い。アンモニア含有ガス3は上向流で
導かれ、処理ガスは装置上部から排出される。新しいア
ンモニア吸着剤又は添着型アンモニア吸着剤は、吸着処
理装置1の上部投入口5から投入され、廃吸着剤は装置
下部排出口6から排出される。廃吸着剤は、肥料として
使用可能である。また、前記装置で処理されたアンモニ
ア含有ガスを、土壌脱臭装置あるいは充填塔式脱臭装置
でさらに脱臭することができる。
グネシウムを含む化合物のアンモニア吸着剤又は添着型
アンモニア吸着剤を充填した充填層にアンモニア含有ガ
スを通気するアンモニア含有ガスの処理装置の発明でも
ある。図1に、アンモニア含有ガスの処理装置の概念図
を示す。アンモニア含有ガス3の流入位置は、アンモニ
ア吸着剤又は添着型アンモニア吸着剤を充填した層2の
下部でも、充填層の中間位置でも良い。また、流入位置
を複数にしても良い。アンモニア含有ガス3は上向流で
導かれ、処理ガスは装置上部から排出される。新しいア
ンモニア吸着剤又は添着型アンモニア吸着剤は、吸着処
理装置1の上部投入口5から投入され、廃吸着剤は装置
下部排出口6から排出される。廃吸着剤は、肥料として
使用可能である。また、前記装置で処理されたアンモニ
ア含有ガスを、土壌脱臭装置あるいは充填塔式脱臭装置
でさらに脱臭することができる。
【0020】図2に、アンモニア吸着処理装置1と生物
脱臭装置を組み合わせたアンモニア含有ガスの処理装置
の概念図を示す。本発明は、アンモニア含有ガスをアン
モニア吸着処理装置1により、アンモニアの大部分を除
去した後、生物脱臭装置7により、アンモニア吸着処理
装置出口ガス4に残留するアンモニアやその他の臭気成
分を生物学的に脱臭するものである。アンモニアは水溶
性であり、容易にガス中から除去できる。生物脱臭装置
7の循環液や充填層内の水分に溶解したアンモニアは、
循環液や充填層内の水分のpHを高める。アンモニア除
去が正常の場合は、溶解したアンモニアは循環液や充填
材表面に生息する硝化菌の作用によって、亜硝酸イオン
や硝酸イオンに酸化され、液中からアンモニアが除去さ
れることによって、新たなアンモニアがガス中から吸収
除去できる。更に、アンモニアが硝化菌によって酸化さ
れると、その生成物は、硝酸のように酸性であり、この
酸性がより一層アンモニアの吸収除去を促進させる。
脱臭装置を組み合わせたアンモニア含有ガスの処理装置
の概念図を示す。本発明は、アンモニア含有ガスをアン
モニア吸着処理装置1により、アンモニアの大部分を除
去した後、生物脱臭装置7により、アンモニア吸着処理
装置出口ガス4に残留するアンモニアやその他の臭気成
分を生物学的に脱臭するものである。アンモニアは水溶
性であり、容易にガス中から除去できる。生物脱臭装置
7の循環液や充填層内の水分に溶解したアンモニアは、
循環液や充填層内の水分のpHを高める。アンモニア除
去が正常の場合は、溶解したアンモニアは循環液や充填
材表面に生息する硝化菌の作用によって、亜硝酸イオン
や硝酸イオンに酸化され、液中からアンモニアが除去さ
れることによって、新たなアンモニアがガス中から吸収
除去できる。更に、アンモニアが硝化菌によって酸化さ
れると、その生成物は、硝酸のように酸性であり、この
酸性がより一層アンモニアの吸収除去を促進させる。
【0021】しかしながら、ガス中のアンモニア濃度の
変動や高濃度のアンモニアの流入が継続した場合には、
生物脱臭装置において、液へのアンモニアの吸収、硝化
菌によるアンモニアの酸化分解、ガスからのアンモニア
の吸収という安定した脱臭が行われなくなる。ガス中の
アンモニア濃度が変動した場合、アンモニアの吸収、硝
化菌の増殖が追いつけずに、硝化菌によるアンモニアの
酸化分解量が不足することによるアンモニアの残留、液
のpHの上昇、硝化菌活性の低下、ガスからのアンモニ
アの吸収の悪化、ガスにアンモニアがリークすることに
なる。一方、高濃度のアンモニアが生物脱臭装置に流入
すると、液へ多量のアンモニアが吸収し、液のpHの上
昇、硝化菌活性の低下、硝化菌によるアンモニアの酸化
分解不足、ガスにアンモニアがリークすることになる。
変動や高濃度のアンモニアの流入が継続した場合には、
生物脱臭装置において、液へのアンモニアの吸収、硝化
菌によるアンモニアの酸化分解、ガスからのアンモニア
の吸収という安定した脱臭が行われなくなる。ガス中の
アンモニア濃度が変動した場合、アンモニアの吸収、硝
化菌の増殖が追いつけずに、硝化菌によるアンモニアの
酸化分解量が不足することによるアンモニアの残留、液
のpHの上昇、硝化菌活性の低下、ガスからのアンモニ
アの吸収の悪化、ガスにアンモニアがリークすることに
なる。一方、高濃度のアンモニアが生物脱臭装置に流入
すると、液へ多量のアンモニアが吸収し、液のpHの上
昇、硝化菌活性の低下、硝化菌によるアンモニアの酸化
分解不足、ガスにアンモニアがリークすることになる。
【0022】生物脱臭装置の循環液や充填層内の水分
に、吸収溶解したアンモニアの硝化菌による酸化分解が
不充分であると、アンモニア以外の臭気成分の分解に有
効な微生物の活性も低下し、アンモニア以外の臭気成分
の脱臭性能も低下する。一般には、アンモニアや硫化水
素等の臭気成分を生物脱臭するには、生物脱臭装置の循
環液や充填層内の水分のpHを、中性又は弱酸性に維持
する。アンモニアによって、生物脱臭装置の循環液や充
填層内の水分がアルカリ性になると、硝化菌や有機物を
酸化分解する微生物の活性は著しく低下し、アンモニア
以外の臭気成分の脱臭性能も低下する。このように、本
発明のアンモニア吸着を前処理に使用することにより、
後段の生物脱臭が、安定した脱臭性能を発揮することが
できる。吸着処理装置出口ガス4は、生物脱臭装置7の
充填層8下部に導かれ、充填層8に生息する微生物と吸
着処理装置出口ガス4を接触させることにより脱臭し、
処理ガス9は装置上部から排出される。充填層8には、
循環ポンプ12で循環水10を散水13することによ
り、充填層8の微生物に水分の補給と酸化生成物の洗い
流しを行い、微生物の生育環境を維持する。
に、吸収溶解したアンモニアの硝化菌による酸化分解が
不充分であると、アンモニア以外の臭気成分の分解に有
効な微生物の活性も低下し、アンモニア以外の臭気成分
の脱臭性能も低下する。一般には、アンモニアや硫化水
素等の臭気成分を生物脱臭するには、生物脱臭装置の循
環液や充填層内の水分のpHを、中性又は弱酸性に維持
する。アンモニアによって、生物脱臭装置の循環液や充
填層内の水分がアルカリ性になると、硝化菌や有機物を
酸化分解する微生物の活性は著しく低下し、アンモニア
以外の臭気成分の脱臭性能も低下する。このように、本
発明のアンモニア吸着を前処理に使用することにより、
後段の生物脱臭が、安定した脱臭性能を発揮することが
できる。吸着処理装置出口ガス4は、生物脱臭装置7の
充填層8下部に導かれ、充填層8に生息する微生物と吸
着処理装置出口ガス4を接触させることにより脱臭し、
処理ガス9は装置上部から排出される。充填層8には、
循環ポンプ12で循環水10を散水13することによ
り、充填層8の微生物に水分の補給と酸化生成物の洗い
流しを行い、微生物の生育環境を維持する。
【0023】本発明では、アンモニア含有排水からアン
モニアをストリッピングさせて、発生するアンモニア含
有ガスを前記の方法により処理することができる。アン
モニア含有排水は、火力発電所から排出される工程水
や、イオン交換樹脂再生排水、肥料製造排水、アンモニ
アガスのスクラバー排水等である。ストリッピング方法
は、水酸化ナトリウムのようなアルカリ剤をアンモニア
含有排水に添加し、空気撹拌したり、あるいは充填材を
充填した充填塔内でアンモニア含有排水と空気を接触さ
せることにより、アンモニアガスを排水から放散させ
る。また、アンモニア含有排水を減圧したり、加熱した
りすることでアンモニアを放散することができる。スト
リッピング方法としては、このような既存の方法が適用
できる。ストリッピングして得られたアンモニアを含む
ガスは、本発明の吸着剤を充填した処理装置にてアンモ
ニアが除去される。アンモニア含有排水をストリッピン
グして得られるガスを、本発明の処理装置で処理して
も、装置出口ガスに微量のアンモニアやアンモニア以外
の臭気成分が残留する場合には、本発明の生物脱臭方法
によりアンモニアやその他の臭気成分を除去することが
できる。
モニアをストリッピングさせて、発生するアンモニア含
有ガスを前記の方法により処理することができる。アン
モニア含有排水は、火力発電所から排出される工程水
や、イオン交換樹脂再生排水、肥料製造排水、アンモニ
アガスのスクラバー排水等である。ストリッピング方法
は、水酸化ナトリウムのようなアルカリ剤をアンモニア
含有排水に添加し、空気撹拌したり、あるいは充填材を
充填した充填塔内でアンモニア含有排水と空気を接触さ
せることにより、アンモニアガスを排水から放散させ
る。また、アンモニア含有排水を減圧したり、加熱した
りすることでアンモニアを放散することができる。スト
リッピング方法としては、このような既存の方法が適用
できる。ストリッピングして得られたアンモニアを含む
ガスは、本発明の吸着剤を充填した処理装置にてアンモ
ニアが除去される。アンモニア含有排水をストリッピン
グして得られるガスを、本発明の処理装置で処理して
も、装置出口ガスに微量のアンモニアやアンモニア以外
の臭気成分が残留する場合には、本発明の生物脱臭方法
によりアンモニアやその他の臭気成分を除去することが
できる。
【0024】また、本発明は、アンモニア含有排水をス
トリッピングする装置とアンモニア含有ガスを処理する
前記処理装置とにより、アンモニア含有排水からアンモ
ニアを処理する装置とすることもできる。図3にアンモ
ニア含有排水をストリッピングする装置(ストリッピン
グ塔)15と、アンモニア含有ガスを処理する装置(吸
着処理装置)1とにより、アンモニア含有排水からアン
モニアを除去する装置を組み合わせたアンモニア処理装
置の概念図を示す。アンモニア含有排水16にアルカリ
剤17を添加し、ストリッピング塔15でアンモニア含
有排水16と空気18を接触させる。ストリッピングし
て得られたアンモニア含有ガス3を、処理装置1でアン
モニアを除去して、アンモニア含有排水からアンモニア
を除去することができる。ストリッピング後のアンモニ
ア含有排水19は、後段の排水処理設備に送られて、中
和処理や生物処理や凝集沈殿処理などの仕上げ処理され
る。必要に応じて、ストリッピング後のアンモニア含有
ガスを凝縮器に通して水分を除去した後に、アンモニア
を除去する装置でアンモニアを除去することができる。
凝縮器で発生し、アンモニアを含有する凝縮水は、アン
モニア含有排水と混合されて、ストリッピングで排水か
らアンモニアが除去される。
トリッピングする装置とアンモニア含有ガスを処理する
前記処理装置とにより、アンモニア含有排水からアンモ
ニアを処理する装置とすることもできる。図3にアンモ
ニア含有排水をストリッピングする装置(ストリッピン
グ塔)15と、アンモニア含有ガスを処理する装置(吸
着処理装置)1とにより、アンモニア含有排水からアン
モニアを除去する装置を組み合わせたアンモニア処理装
置の概念図を示す。アンモニア含有排水16にアルカリ
剤17を添加し、ストリッピング塔15でアンモニア含
有排水16と空気18を接触させる。ストリッピングし
て得られたアンモニア含有ガス3を、処理装置1でアン
モニアを除去して、アンモニア含有排水からアンモニア
を除去することができる。ストリッピング後のアンモニ
ア含有排水19は、後段の排水処理設備に送られて、中
和処理や生物処理や凝集沈殿処理などの仕上げ処理され
る。必要に応じて、ストリッピング後のアンモニア含有
ガスを凝縮器に通して水分を除去した後に、アンモニア
を除去する装置でアンモニアを除去することができる。
凝縮器で発生し、アンモニアを含有する凝縮水は、アン
モニア含有排水と混合されて、ストリッピングで排水か
らアンモニアが除去される。
【0025】
【実施例】以下に、本発明を実施例で具体的に説明す
る。 実施例1 アンモニア標準ガスを、相対湿度40%の空気で希釈し
て、アンモニア濃度100ppmに調製したたものを原
ガスとした。アンモニア吸着剤は、以下のように製造し
た。 (1)アンモニア吸着剤A:市販のリン酸マグネシウム
を乾燥器で120℃、約2時間加熱したのもを冷却後、
粒径約1mmに破砕した。 (2)アンモニア吸着剤B:市販のリン酸マグネシウム
を電気炉で空気雰囲気で350℃、2時間乾燥したもの
を粒径約1mmに破砕した。 (3)アンモニア吸着剤C:市販のリン酸マグネシウム
を空気雰囲気で500℃、約2時間加熱したのもを冷却
後、粒径約1mmに破砕した。 (4)アンモニア吸着剤D:リン酸と塩化マグネシウム
のそれぞれの1モル水溶液を混合し、5%苛性ソーダ水
溶液でpHを9.5〜10.5に調整した。生成した沈
殿物をろ過してリン酸マグネシウムを得た。このリン酸
マグネシウムを120℃、2時間乾燥したものを粒径約
1mmに破砕した。 (5)アンモニア吸着剤E:アンモニア吸着剤Dの原料
のリン酸マグネシウムを、アンモニア吸着剤Bと同様に
製造した。
る。 実施例1 アンモニア標準ガスを、相対湿度40%の空気で希釈し
て、アンモニア濃度100ppmに調製したたものを原
ガスとした。アンモニア吸着剤は、以下のように製造し
た。 (1)アンモニア吸着剤A:市販のリン酸マグネシウム
を乾燥器で120℃、約2時間加熱したのもを冷却後、
粒径約1mmに破砕した。 (2)アンモニア吸着剤B:市販のリン酸マグネシウム
を電気炉で空気雰囲気で350℃、2時間乾燥したもの
を粒径約1mmに破砕した。 (3)アンモニア吸着剤C:市販のリン酸マグネシウム
を空気雰囲気で500℃、約2時間加熱したのもを冷却
後、粒径約1mmに破砕した。 (4)アンモニア吸着剤D:リン酸と塩化マグネシウム
のそれぞれの1モル水溶液を混合し、5%苛性ソーダ水
溶液でpHを9.5〜10.5に調整した。生成した沈
殿物をろ過してリン酸マグネシウムを得た。このリン酸
マグネシウムを120℃、2時間乾燥したものを粒径約
1mmに破砕した。 (5)アンモニア吸着剤E:アンモニア吸着剤Dの原料
のリン酸マグネシウムを、アンモニア吸着剤Bと同様に
製造した。
【0026】容量5リットルのテトラーバッグにアンモ
ニア吸着剤と5リットルの原ガスを入れて、25℃で一
定時間後のアンモニアガス濃度を北川式検知管で測定し
た。表2に結果を示す。アンモニア吸着剤により効果的
にアンモニアが除去できた。
ニア吸着剤と5リットルの原ガスを入れて、25℃で一
定時間後のアンモニアガス濃度を北川式検知管で測定し
た。表2に結果を示す。アンモニア吸着剤により効果的
にアンモニアが除去できた。
【表2】
【0027】実施例2
添着型アンモニア吸着剤を用いて、実施例1と同様に試
験した。粒径2mmの市販のセラミックス担体10gを
使用して添着型アンモニア吸着剤は以下のように製造し
た。 (1)添着型アンモニア吸着剤F:市販のリン酸マグネ
シウムの10〜30%スラリー水に担体10gを約1時
間漬けて、担体を乾燥器で120℃、約1時間乾燥後、
電気炉で空気雰囲気で350℃、2時間乾燥したもの。
リン酸マグネシウム添着量は、リン酸マグネシウムスラ
リー濃度で調製した。 (2)添着型アンモニア吸着剤G:リン酸と塩化マグネ
シウムのそれぞれの1モル水溶液を混合し、5%苛性ソ
ーダ水溶液でpHを9.5〜10.5に調整した。生成
した沈殿物濃度5%スラリーに担体を約1時間漬けて、
担体を乾燥器で120℃、約1時間乾燥後、電気炉で空
気雰囲気で350℃、2時間乾燥したもの。リン酸マグ
ネシウム添着量は、沈殿物スラリーに浸漬及び120℃
での乾燥させる回数により調製した。 (3)添着型アンモニア吸着剤H:リン除去の晶析設備
から得られた粒径3mmのリン酸マグネシウム10gを
乾燥器で120℃、約1時間乾燥後、電気炉で空気雰囲
気で350℃、2時間乾燥したもの。リン酸マグネシウ
ム含有率は約80%であった。
験した。粒径2mmの市販のセラミックス担体10gを
使用して添着型アンモニア吸着剤は以下のように製造し
た。 (1)添着型アンモニア吸着剤F:市販のリン酸マグネ
シウムの10〜30%スラリー水に担体10gを約1時
間漬けて、担体を乾燥器で120℃、約1時間乾燥後、
電気炉で空気雰囲気で350℃、2時間乾燥したもの。
リン酸マグネシウム添着量は、リン酸マグネシウムスラ
リー濃度で調製した。 (2)添着型アンモニア吸着剤G:リン酸と塩化マグネ
シウムのそれぞれの1モル水溶液を混合し、5%苛性ソ
ーダ水溶液でpHを9.5〜10.5に調整した。生成
した沈殿物濃度5%スラリーに担体を約1時間漬けて、
担体を乾燥器で120℃、約1時間乾燥後、電気炉で空
気雰囲気で350℃、2時間乾燥したもの。リン酸マグ
ネシウム添着量は、沈殿物スラリーに浸漬及び120℃
での乾燥させる回数により調製した。 (3)添着型アンモニア吸着剤H:リン除去の晶析設備
から得られた粒径3mmのリン酸マグネシウム10gを
乾燥器で120℃、約1時間乾燥後、電気炉で空気雰囲
気で350℃、2時間乾燥したもの。リン酸マグネシウ
ム含有率は約80%であった。
【0028】表3に結果を示す。アンモニア吸着剤によ
り効果的にアンモニアが除去できた。
り効果的にアンモニアが除去できた。
【表3】
【0029】実施例3
図1の実験装置を用いて、実施例1の原ガスで実験し
た。実験装置の仕様は、内径300mm、高さが600
mmのポリ塩化ビニル製のカラムである。実験条件は以
下のとおりである。 空塔速度 :50〜500h-1 ガス温度 :20〜25℃ 充填層高 :0.3m
た。実験装置の仕様は、内径300mm、高さが600
mmのポリ塩化ビニル製のカラムである。実験条件は以
下のとおりである。 空塔速度 :50〜500h-1 ガス温度 :20〜25℃ 充填層高 :0.3m
【0030】表4に吸着塔出口ガスのアンモニア濃度の
経日変化を示す。アンモニア吸着剤又は添着型アンモニ
ア吸着剤を充填した充填層に、アンモニア含有ガスを通
気することでアンモニアが効果的に除去できた。
経日変化を示す。アンモニア吸着剤又は添着型アンモニ
ア吸着剤を充填した充填層に、アンモニア含有ガスを通
気することでアンモニアが効果的に除去できた。
【表4】
【0031】実施例4
実施例1の原ガスを図2の実験装置に連続的に通気して
実験した。図2のアンモニア吸着塔には、実施例1のア
ンモニア吸着剤Bを充填し、空塔速度300h-1でアン
モニアを除去し、アンモニア吸着塔出ロガスを図2の生
物脱臭装置に通気した。吸着塔出ロガスのアンモニア濃
度は1〜10ppmである。図2の生物脱臭装置の仕様
は、内径300mm、高さが2000mmのポリ塩化ビ
ニル製のカラムである。
実験した。図2のアンモニア吸着塔には、実施例1のア
ンモニア吸着剤Bを充填し、空塔速度300h-1でアン
モニアを除去し、アンモニア吸着塔出ロガスを図2の生
物脱臭装置に通気した。吸着塔出ロガスのアンモニア濃
度は1〜10ppmである。図2の生物脱臭装置の仕様
は、内径300mm、高さが2000mmのポリ塩化ビ
ニル製のカラムである。
【0032】実験条件は次のとおりである。
空塔速度:300h-1
散水量(単位処理ガス量あたりの散水量);3リットル
/m3 散水方式;連続散水; ガス温度:20〜25℃ 充填材;セル数13のスポンジ充填材 充填層高;1m 循環液汚泥濃度;数十mg/1 循環液のpH;6〜7 補給水:生物処理水 循環液の汚泥濃度を約2000mg/lになるように下
水処理場の余剰汚泥で調整後、模擬ガスを充填層下部か
ら連続的に通気し、循環液を充填層上部から連続的に散
水した。アンモニアは、試験開始直後から除去でき、循
環液が硝化反応により硝酸イオンが生成して、循環液の
pHが維持できた。吸着塔出口ガスのアンモニア濃度
は、1〜10ppmと変動したが、試験開始2ヶ月間、
生物脱臭装置出口の処理ガスのアンモニア濃度は、常時
1ppm以下と安定した。
/m3 散水方式;連続散水; ガス温度:20〜25℃ 充填材;セル数13のスポンジ充填材 充填層高;1m 循環液汚泥濃度;数十mg/1 循環液のpH;6〜7 補給水:生物処理水 循環液の汚泥濃度を約2000mg/lになるように下
水処理場の余剰汚泥で調整後、模擬ガスを充填層下部か
ら連続的に通気し、循環液を充填層上部から連続的に散
水した。アンモニアは、試験開始直後から除去でき、循
環液が硝化反応により硝酸イオンが生成して、循環液の
pHが維持できた。吸着塔出口ガスのアンモニア濃度
は、1〜10ppmと変動したが、試験開始2ヶ月間、
生物脱臭装置出口の処理ガスのアンモニア濃度は、常時
1ppm以下と安定した。
【0033】実施例5
鶏糞を原料にしたコンポスト発酵装置から発生するコン
ポストガスの一部を図2の実験装置に通気した。アンモ
ニア吸着塔のSV300h-1、生物脱臭装置のSV30
0h-1とし、その他の実験条件は実施例4と同様であ
る。コンポストガスは、アンモニアが20〜300pp
m、トリメチルアミンが10ppm、アセトアルデヒド
が4ppm、硫化水素が1ppmとした。硫化水素の除
去率が,約1週間後には90%となり、約1週間で馴致
が完了した。
ポストガスの一部を図2の実験装置に通気した。アンモ
ニア吸着塔のSV300h-1、生物脱臭装置のSV30
0h-1とし、その他の実験条件は実施例4と同様であ
る。コンポストガスは、アンモニアが20〜300pp
m、トリメチルアミンが10ppm、アセトアルデヒド
が4ppm、硫化水素が1ppmとした。硫化水素の除
去率が,約1週間後には90%となり、約1週間で馴致
が完了した。
【0034】表5に、試験開始2ヶ月後の生物脱臭装置
出口ガスの各臭気成分濃度を示す。コンポストガス濃度
が変動しても、生物脱臭装置出口ガスは、アンモニアが
1ppm以下、トリメチルアミンが0.2ppm、アセ
トアルデヒドが0.1ppm、硫化水素が0.1ppm
以下と安定した脱臭が可能であった。
出口ガスの各臭気成分濃度を示す。コンポストガス濃度
が変動しても、生物脱臭装置出口ガスは、アンモニアが
1ppm以下、トリメチルアミンが0.2ppm、アセ
トアルデヒドが0.1ppm、硫化水素が0.1ppm
以下と安定した脱臭が可能であった。
【表5】
【0035】比較例1
図2のアンモニア吸着塔をバイパスさせて、コンポスト
ガスを直接、図2の生物脱臭装置に通して実施例5の実
験条件で実験した。表6に、試験開始2ヶ月後の生物脱
臭装置出口ガスの各臭気成分濃度を示す。コンポストガ
スのアンモニア濃度が変動すると、生物脱臭装置出口ガ
ス中のアンモニア以外にトリメチルアミンやアセトアル
デヒドや硫化水素の脱臭性能が悪化した。
ガスを直接、図2の生物脱臭装置に通して実施例5の実
験条件で実験した。表6に、試験開始2ヶ月後の生物脱
臭装置出口ガスの各臭気成分濃度を示す。コンポストガ
スのアンモニア濃度が変動すると、生物脱臭装置出口ガ
ス中のアンモニア以外にトリメチルアミンやアセトアル
デヒドや硫化水素の脱臭性能が悪化した。
【表6】
【0036】実施例6
図3の実験装置を用いて、アンモニア含有水からアンモ
ニアの除去実験を行った。市販のアンモニア水を水道水
で希釈し、アンモニア含有水を調製した。その性状は、
pHが9.5、アンモニア性窒素が150mg/lであ
る。アンモニア含有水を1リットル/分の流量で、連続
的に図3のストリッピング塔に導き、空気を吹き込み、
以下の条件でアンモニアをストリッピングさせた。実験
条件は、水温が30〜35℃、充填材が市販充填材のテ
ラレット、気液比が2000、苛性ソーダでpHを1
0.5に調整した。発生するアンモニア含有空気を内径
300mm、高さが600mmのポリ塩化ビニル製カラ
ムのアンモニア吸着塔に導きアンモニアを除去した。ア
ンモニア吸着塔の実験条件は以下の通りである。 空塔速度 :300h-1 ガス温度 :30〜35℃ 充填層高 ;0.3m
ニアの除去実験を行った。市販のアンモニア水を水道水
で希釈し、アンモニア含有水を調製した。その性状は、
pHが9.5、アンモニア性窒素が150mg/lであ
る。アンモニア含有水を1リットル/分の流量で、連続
的に図3のストリッピング塔に導き、空気を吹き込み、
以下の条件でアンモニアをストリッピングさせた。実験
条件は、水温が30〜35℃、充填材が市販充填材のテ
ラレット、気液比が2000、苛性ソーダでpHを1
0.5に調整した。発生するアンモニア含有空気を内径
300mm、高さが600mmのポリ塩化ビニル製カラ
ムのアンモニア吸着塔に導きアンモニアを除去した。ア
ンモニア吸着塔の実験条件は以下の通りである。 空塔速度 :300h-1 ガス温度 :30〜35℃ 充填層高 ;0.3m
【0037】表7に処理水と吸着塔出口ガスのアンモニ
ア濃度を示す。
ア濃度を示す。
【表7】
【0038】
【発明の効果】本発明は、リン酸マグネシウムを含むア
ンモニア吸着剤又は添着型アンモニア吸着剤によりアン
モニアを除去するために以下の効果を有する。 (1)アンモニア含有ガスの濃度変動があっても、脱臭
性能が安定。 (2)脱臭装置からの排水の排出量が大幅に削減でき、
排水処理装置が不要。 (3)生物脱臭装置の前処理としてアンモニアが除去で
きるので、脱臭装置のコンパクト化が図れる。
ンモニア吸着剤又は添着型アンモニア吸着剤によりアン
モニアを除去するために以下の効果を有する。 (1)アンモニア含有ガスの濃度変動があっても、脱臭
性能が安定。 (2)脱臭装置からの排水の排出量が大幅に削減でき、
排水処理装置が不要。 (3)生物脱臭装置の前処理としてアンモニアが除去で
きるので、脱臭装置のコンパクト化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の処理装置の一例を示す概念図。
【図2】本発明の処理装置の他の例を示す概念図。
【図3】本発明の処理装置の別の例を示す概念図。
1:アンモニア吸着処理装置、2:充填層、3:アンモ
ニア含有ガス、4:吸着処理装置出口ガス、5:吸着剤
投入口、6:吸着剤排出口、7:生物脱臭装置、8:充
填層、9:処理ガス、10:循環水、11:ポンプ水
槽、12:循環ポンプ、13:散水、15:ストリッピ
ング塔、16:アンモニア含有排水、17:アルカリ
剤、18:空気、19:排水
ニア含有ガス、4:吸着処理装置出口ガス、5:吸着剤
投入口、6:吸着剤排出口、7:生物脱臭装置、8:充
填層、9:処理ガス、10:循環水、11:ポンプ水
槽、12:循環ポンプ、13:散水、15:ストリッピ
ング塔、16:アンモニア含有排水、17:アルカリ
剤、18:空気、19:排水
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(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
B01D 53/34 ZAB B01D 53/34 131
53/38 ZAB
53/81 116B
B01J 20/04
Fターム(参考) 4C080 AA05 AA06 BB02 CC02 CC04
CC05 CC08 CC09 CC12 CC15
HH05 JJ03 KK08 LL02 LL10
MM02 MM33 NN01 NN04 NN22
NN27 QQ11
4D002 AA13 AB02 AC10 BA04 BA17
CA07 DA06 DA18
4G066 AA50A AA50B BA09 CA29
DA02 EA13
Claims (5)
- 【請求項1】 アンモニア含有ガスと、固体状のリン酸
マグネシウム又はリン酸マグネシウムを含むアンモニア
吸着剤とを接触させて、アンモニア含有ガスからアンモ
ニアを除去することを特徴とするアンモニア含有ガスの
処理方法。 - 【請求項2】 前記アンモニア吸着剤が、リン酸マグネ
シウムを炭化物又はセラミックスに添着した添着型アン
モニア吸着剤であることを特徴とする請求項1記載のア
ンモニア含有ガスの処理方法。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載のアンモニア含有ガ
スの処理方法において、アンモニアを除去したアンモニ
ア含有ガスを、さらに生物脱臭することを特徴とするア
ンモニア含有ガスの処理方法。 - 【請求項4】 内部に、固体状のリン酸マグネシウム又
はリン酸マグネシウムを含むアンモニア吸着剤を充填し
た充填層を備え、該充填層にアンモニア含有ガスを通気
する手段を有することを特徴とするアンモニア含有ガス
の処理装置。 - 【請求項5】 請求項4記載のアンモニア含有ガスの処
理装置において、前記充填層で処理されたアンモニア含
有ガスを、さらに処理する生物脱臭装置を有することを
特徴とするアンモニア含有ガスの処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001319145A JP2003117341A (ja) | 2001-10-17 | 2001-10-17 | アンモニア含有ガスの処理方法及びその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001319145A JP2003117341A (ja) | 2001-10-17 | 2001-10-17 | アンモニア含有ガスの処理方法及びその装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003117341A true JP2003117341A (ja) | 2003-04-22 |
Family
ID=19136732
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001319145A Pending JP2003117341A (ja) | 2001-10-17 | 2001-10-17 | アンモニア含有ガスの処理方法及びその装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003117341A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006070200A (ja) * | 2004-09-03 | 2006-03-16 | Sk Kaken Co Ltd | 内装用塗料組成物 |
WO2007077924A1 (ja) * | 2005-12-28 | 2007-07-12 | Kinji Takeuchi | 脱臭方法 |
JP2007203265A (ja) * | 2006-02-06 | 2007-08-16 | Ngk Insulators Ltd | アンモニア含有排ガスの処理方法 |
JP2012232292A (ja) * | 2011-04-18 | 2012-11-29 | Ihi Corp | 吸収塔及びそれを用いた生物脱臭装置 |
WO2016013570A1 (ja) * | 2014-07-22 | 2016-01-28 | 協同乳業株式会社 | バクテリア混合培養によるプトレッシン製造方法 |
-
2001
- 2001-10-17 JP JP2001319145A patent/JP2003117341A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006070200A (ja) * | 2004-09-03 | 2006-03-16 | Sk Kaken Co Ltd | 内装用塗料組成物 |
WO2007077924A1 (ja) * | 2005-12-28 | 2007-07-12 | Kinji Takeuchi | 脱臭方法 |
JP2007203265A (ja) * | 2006-02-06 | 2007-08-16 | Ngk Insulators Ltd | アンモニア含有排ガスの処理方法 |
JP2012232292A (ja) * | 2011-04-18 | 2012-11-29 | Ihi Corp | 吸収塔及びそれを用いた生物脱臭装置 |
WO2016013570A1 (ja) * | 2014-07-22 | 2016-01-28 | 協同乳業株式会社 | バクテリア混合培養によるプトレッシン製造方法 |
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