JP3815439B2 - 脱臭装置及び脱臭方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に窒素化合物系臭気成分を主成分として含むガスの脱臭に好適な微生物を利用した脱臭装置及び脱臭方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガスの脱臭方法として、臭気成分を分解し得る微生物が担持された充填層にガスを通気させることにより、ガス中の臭気成分を生化学的に分解処理する方法がある(例えば、非特許文献1参照)。このような担体充填式生物脱臭技術は、臭気成分を分解するための微生物を表面に担持した充填担体を充填層内に充填し、そこへ水分を補給するため及び臭気成分の酸化分解生成物を除去するために散水を行うことを特徴としている。
【0003】
このような生物脱臭方法を用いて、アンモニアをはじめとする窒素化合物系の臭気成分を処理水中に移行(吸収)させ、更に処理水中のアンモニアの殆どを分解することができる技術として、本発明者らは特開2000−342928号公報(特許文献1)に臭気成分の脱臭装置及び脱臭方法について開示した。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−342928号公報
【0005】
【非特許文献1】
安藤 忠夫著,「最新防脱臭技術集成」,エヌ・ティー・エス社,1997年9月,p.417−445
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記特開2000−342928号公報に記載した技術では、処理水が生物脱臭装置内の全ての充填層にほぼ同量だけ流れる構成のため、各充填層毎に処理水の流量を任意に調節することができず充填層毎の分解効率を適切に制御することが困難であり、効率的な分解処理を行う上で課題を有していた。
【0007】
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、ガス中から臭気成分を完全に除去すると共に、脱臭装置内の各充填層の処理効率を向上させることにより脱臭処理に用いる処理水中に吸収された臭気成分の除去効率を向上させることが可能な脱臭装置及び脱臭方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するための本発明の特徴は以下の通りである。
【0009】
請求項1の発明は、ガス中の臭気成分及び処理水中の臭気成分の処理を行う脱臭装置において、ガスと処理水が共に通過する接触充填層と、該接触充填層を通過した処理水が通過する直列的に配置された2以上の単流充填層と、該単流充填層のそれぞれの下方に設けられ、単流充填層を通過した処理水を貯水する貯水部と、該貯水部に貯水された処理水にアルカリを添加するアルカリ添加手段と、前記貯水部に貯水された処理水を、該貯水部上方の前記接触充填層及び/又は単流充填層の上部に供給する処理水供給手段とを有することを特徴とする脱臭装置である。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1に記載の脱臭装置を用いた脱臭方法であって、貯水部内の処理水にアルカリを添加することにより、貯水部内の処理水のpH値を6以上にすることを特徴とする脱臭方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態の一例を説明する。
【0012】
本発明に係るガス中の臭気成分及び処理水中の臭気成分の処理を行う脱臭装置は、ガスと処理水が共に通過する接触充填層と、該接触充填層を通過した処理水が通過する直列的に配置された2以上の単流充填層と、該単流充填層のそれぞれの下方に設けられ、単流充填層を通過した処理水を貯水する貯水部と、該貯水部に貯水された処理水にアルカリを添加するアルカリ添加手段と、前記貯水部に貯水された処理水をその貯水部の上方に配置されている充填層の上部に供給する処理水供給手段とを有するものである。
【0013】
前記直列的に配置された2以上の単流充填層とは、前記接触充填層の上部に散水された処理水(循環水)が全ての単流充填層を通過することができるように配置されている状態を意味する。なお、前記接触充填層の上部に散水された処理水(循環水)が複数段の単流充填層を通過することができる限り、接触充填層と複数段の単流充填層の全てを単一の脱臭塔内に設けてもよく、また、複数の脱臭塔内に分離して設けてもよい。
【0014】
図1は、本発明に係る脱臭装置の実施形態の一例を示したものである。
【0015】
図1に示す脱臭装置は、担体充填式生物脱臭塔20内に、ガスと処理水が向流方向に通過する接触充填層(以下「向流充填層」という。)28と、直列的に配置された2段の単流充填層29a及び29bとを有している。また、前記単流充填層29a及び29bの下方には、それぞれ、単流充填層を通過した処理水(循環水又は散水)を貯水するための貯水部24a及び24bが設けられおり、さらに、前記貯水部24a及び24bには、それぞれの貯水部に貯水された処理水にアルカリを添加するためのアルカリ添加手段10が接続されている。また、前記貯水部24aには貯水部24aに貯水された処理水をその上方に配置されている充填層、図1においては向流充填層28及び単流充填層29a、の上部に供給し散水するための処理水供給手段11を備え、さらに、前記貯水部24bには貯水部24bに貯水された処理水をその上方に配置されている充填層、図1においては向流充填層28、単流充填層29a及び単流充填層29b、の上部に供給し散水するための処理水供給手段12を備えている。
【0016】
ここで、臭気成分を含むガスは、前記向流充填層28の下方で且つ単流充填層29aの上方に接続されたガス導入配管21から担体充填式生物脱臭塔20内に上向流で導入され、向流充填層28を通過して、担体充填式生物脱臭塔20の上部に接続された処理ガス排気管22aから無臭化された処理ガスとして外部に排出される。なお、前記向流充填層28内において、ガスの脱臭処理が途中の向流充填層までで完了する場合には、その完了する位置のガス流れ方向下流側に中間処理ガス排気管22bを設けるようにしてもよい。この場合、処理ガスの全部を、その後に設けた充填層を通過させずに系外へ直接排出することもできる(従って、前記のその後に設けた充填層は、処理水のみが通過する単流充填層となる)。あるいは、処理ガスの一部を、その後に設けた充填層に更に通過させて系外へ排出することもできる(この場合、前記のその後に設けた充填層は、向流充填層となる)。
【0017】
図1では図示していないが、前記ガス導入配管21及び/又は処理ガス排気管22a(又は22b)にブロア等を設け、ガス導入配管21から処理ガス排気管22a(又は22b)への気流経路を形成するようにしてもよい。また、前記ガス導入配管21と処理ガス排気管22aの位置を入れ替える構成とすることもできる。この場合、臭気成分を含むガスは、担体充填式生物脱臭塔20の上部に接続されたガス導入配管21から担体充填式生物脱臭塔20内に下向流で導入され、接触充填層(この場合を「並流充填層」という。)28の下方で且つ単流充填層29aの上方に接続された処理ガス排気管22aから無臭化された処理ガスとして外部に排出される。
【0018】
前記向流充填層28と単流充填層29a及び29bには、それぞれガス中の臭気成分を分解し得る微生物が担持された充填材が充填されている。前記充填層に充填する充填材としては、微生物を担持することができるものであれば特に限定されず、例えば土壌、コンポスト、ピート、木質系物質、セラミック系物質、石炭系物質、合成樹脂系物質、繊維状物質、又は液体状物質などを用いることができ、不溶性の充填材であることが好ましい。例えば、(財)下水道新技術推進機構発行の「担体利用生物脱臭システム技術マニュアル」及びその「資料編」(いずれも1996年発行)に「担体」として記載されているものなどを用いることができる。
【0019】
また、前記充填層に固定される微生物としては、ガス中の臭気成分に応じて、その臭気成分を分解することのできる微生物を適宜選択することが好ましい。複数種類の臭気成分を同時に処理する場合には、それらの各臭気成分に応じた複数種の微生物を使用することが好ましい。一般に、処理すべきガスの発生源には、そのガスに含まれる臭気成分を分解する微生物が含まれている。従って、例えば、下水汚泥からのガスを脱臭処理する場合には、下水汚泥をそのまま充填材に担持させることによって臭気成分分解微生物を植菌することができる。
【0020】
例えば、アンモニアを主要な臭気成分として含むガスを脱臭処理する場合にはアンモニア分解性微生物を用いるが、ここでアンモニア分解性微生物としては、ガス中のアンモニアを直接分解するもの、或いは処理水中に溶解している溶解アンモニアを分解あるいは別の物質に変換し、再度アンモニアの形で気化することを防止する作用を有するものを用いることができる。溶解アンモニアを分解処理する微生物としては硝化菌を用いることができる。この硝化菌は、アンモニア酸化細菌と亜硝酸酸化細菌の2種類の菌を総称したもので、まず、アンモニア酸化細菌の作用によりアンモニアを酸化して亜硝酸(NO2 -)を生成し、更に亜硝酸酸化細菌により生成された亜硝酸を酸化して硝酸(NO3 -)を生じさせるという硝化反応によりアンモニアを酸化分解し無臭化するものである。
【0021】
なお、アンモニアの分解の程度を示す指標として硝化率を用い、この硝化率(%)を以下のように定義する。
硝化率(%)=(NO2 -+NO3 -)/(NH4 ++NO2 -+NO3 -)×100
なお、NH4 +:アンモニア性窒素濃度、NO2 -:亜硝酸性窒素濃度、NO3 -:硝酸性窒素濃度を表す。
ここで、処理水中のアンモニアが完全に分解しNH4 +がなくなった状態が硝化率100%を意味する。
【0022】
図2に、前記担体充填式生物脱臭塔20内における最下段の貯水部である24bを除いた他の貯水部、図1に示す例では24a、の構成を示す。図2に示すように、貯水部24aは多数の堰35と多数の孔36とから構成されるオーバーフロー手段を有することにより、処理水(散水)を所定量貯水しつつ、所定の貯水量を超えた処理水はオーバーフローさせて下流側の単流充填層、図1に示す例では29b、に散水する。なお、担体充填式生物脱臭塔20内最下段の貯水部24bには、オーバーフロー手段の無い貯槽が用いられる。
【0023】
前記貯水部24a及び24bに貯水された処理水にアルカリを添加するためのアルカリ添加手段10としては、例えば、アルカリ溶液を貯蔵しておく貯蔵タンク1、この貯蔵タンク1から貯水部24a,24bにアルカリ溶液を供給するためのアルカリ供給配管26a,26b、このアルカリ供給配管26a,26bに設けられ貯蔵タンク1内のアルカリ溶液を貯水部24a,24bに供給するためのポンプ2、このポンプ2の下流側に設けられ貯水部24a,24bに供給されるアルカリ溶液の供給量を調節する調節弁3a,3bを有する構成とすることができる。さらに、前記調節弁3a,3bは、貯水部24a,24b内の処理水のpH値を計測するために設置されているpHセンサー4a,4bと連動させて、貯水部24a,24b内の処理水のpH値が所定の値となるように供給されるアルカリ溶液の供給量を調節することが好ましい。ここで、前記貯水部24a,24b内にアルカリを添加するアルカリ添加手段10は貯水部24a及び24b毎に別々に設けてもよいが、図1に示すように貯蔵タンク1及びポンプ2を共通に使用する構成としてもよい。また、図示していないが、前記貯水部24a,24b内には供給するアルカリ溶液を均一に混合させるための攪拌機等を設けてもよい。
【0024】
さらに、担体充填式生物脱臭塔20内最下段の貯水部24bには、図1に示すようにレベルコントローラ(LC)5を設け貯水部24bの液面高さの制御を行ってもよい。この場合、余分の処理水(循環水)は、例えば、排水ライン27から系外へ排出するようにしてもよい。前記排水ライン27は、図1に示すように処理水(循環水)を最下段の貯水部24bから最上段の向流充填層28に送る散水ラインの途中に設けてもよく、或いは、貯水部24bに直接設けるようにしてもよい。
【0025】
前記貯水部24bに貯水された処理水をその上方に配置されている充填層、図1においては向流充填層28、単流充填層29a及び単流充填層29b、の上部に供給し散水するための処理水供給手段12としては、貯水部24bと向流充填層28、単流充填層29a及び単流充填層29bの上部に設けられた散水ノズル32a,32b及び32cとを接続する接続配管31a,31b及び31c、および、この接続配管31a,31b及び31cに設けられ前記貯水部24bの処理水を前記散水ノズル32a,32b及び32cから散水させるためのポンプ30a,30b及び30cにより構成することができる。また、前記貯水部24aに貯水された処理水をその上方に配置されている充填層、図1においては向流充填層28及び単流充填層29a、の上部に供給し散水するための処理水供給手段11としては、貯水部24aと向流充填層28及び単流充填層29aの上部に設けられた散水ノズル32d及び32eとを接続する接続配管31d及び31e、および、この接続配管31d及び31eに設けられ前記貯水部24aの処理水を前記散水ノズル32d及び32eから散水させるためのポンプ30d及び30eにより構成することができる。
【0026】
なお、前記ポンプ30a,30b及び30cを一つにして流量調節弁等で前記散水ノズル32a,32b及び32cから散水する処理水の流量を調節するようにしてもよく、また、前記ポンプ30d及び30eを一つにして流量調節弁等で前記散水ノズル32d及び32eから散水する処理水の流量を調節するようにしてもよい。
【0027】
以下、図1に示した装置を用いて、例えばアンモニアを主要な臭気成分とするガスの脱臭方法の一例について説明する。
【0028】
アンモニアを主要な臭気成分とするガスは、ガス導入配管21から担体充填式生物脱臭塔20内に上向流で導入される。担体充填式生物脱臭塔20内に導入されたガスは、向流充填層28を通過する際に向流充填層28の上部から供給(散水)される処理水と向流充填層28内で向流方向で接触し、その臭気成分であるアンモニアが処理水中に吸収され、ガスの脱臭処理が行われる。このようにして脱臭処理され無臭化されたガス(処理ガス)は、担体充填式生物脱臭塔20の上部に接続された処理ガス排気管22aから外部に排出される。
【0029】
なお、上述したように、前記ガス導入配管21と処理ガス排気管22aの位置を入れ替える装置構成とした場合には、ガス導入配管21から担体充填式生物脱臭塔20内に下向流で導入されたガスは、並流充填層28を通過する際に、同じく並流充填層28の上部から供給(散水)される処理水と並流充填層28内で並流方向で接触し、その臭気成分であるアンモニアが処理水中に吸収され、ガスの脱臭処理が行われる。
【0030】
さらに、処理水中に吸収されたアンモニアは、前記処理水が向流充填層28、単流充填層29a及び単流充填層29bを通過する際に、それぞれの充填層の充填材に担持されている微生物(ここでは硝化菌)によって分解処理される。前記単流充填層29aを通過した処理水は貯水部24aに貯水され、前記単流充填層29bを通過した処理水は貯水部24bに貯水される。
【0031】
前記貯水部24a及び24bに貯水された処理水は、アルカリ添加手段10により、前記処理水のpH値が所定の値となるようにアルカリが添加される。
【0032】
pH値が調整された前記貯水部24a内の処理水は、処理水供給手段11により向流充填層28及び/又は単流充填層29aの上部に供給(散水)される。また、pH値が調整された前記貯水部24b内の処理水は、処理水供給手段12により向流充填層28、単流充填層29a及び/又は単流充填層29bの上部に供給(散水)される。これらの各充填層の上部から供給(散水)された処理水に含まれる未処理のアンモニアは、それぞれの充填層を通過する際に担持されている微生物(硝化菌)によってさらに分解処理され貯水部24a及び24bに貯水される。なお、前記処理水供給手段11及び12の構成は、装置形状、各充填層の構成、操業条件等により適宜選択され得るものであり、また、前記処理水供給手段11又は処理水供給手段12のみを備えたものであっても本発明の効果を有する。
【0033】
このように、処理水を各充填層に別々に循環できる構成とすることにより、負荷の少ない充填層に集中的に処理水を流すことができ、処理水中に含まれるアンモニアの硝化率を向上させることが可能となり、残存するアンモニアをほぼ完全に分解処理することが可能となる。
【0034】
ガス中の臭気成分であるアンモニアは水に溶け易いため、向流充填層28を通過する際に処理水中に容易に吸収される。そのため、向流充填層28は適度の厚さを有し、さらに水分を充分に含ませることによってガス中のアンモニアはほぼ完全に除去される。それに対し、処理水中に吸収されたアンモニアは各充填層に担持された硝化菌の働きによって分解除去されるため、アンモニアを含んだ処理水を硝化菌の充填された充填層に長時間流すことによって硝化率を上げることができる。
【0035】
そのため、図1に示す装置構成とすることにより、比較的負荷の少ない単流充填層に処理水を集中して循環させることにより、処理水の硝化率を向上させることが可能となる。
【0036】
また、前記装置内を循環する処理水の一部はガス(処理ガス)と共に系外に排出されて減少し、あるいは微生物による臭気成分の酸化・分解に伴い生成する物質を溶存して質が劣化する。そのため、必要に応じて、特に長期運転を行う場合には給水・排水配管を取り付けることが好ましい。この場合、給水配管とアルカリ溶液の供給配管は兼用させることができ、また、予め水で希釈したアルカリ溶液を貯水槽に供給して給水を同時に行うようにしても良い。
【0037】
pH調整用として前記貯水部24a及び24bに添加されるアルカリとしては、処理水のpHをアルカリ側に変化させることのできる物質であれば特に限定されるものではない。但し、処理水中のアンモニアを分解処理することを目的とするため、前記添加するアルカリは処理対象物以外のアルカリとする必要があり、アンモニア(例えば、アンモニア水)は含まれない。なお、本実施形態で用いるアルカリとしては、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物の水溶液が好ましく、アルカリ金属水酸化物、例えば水酸化ナトリウムの水溶液を用いることがより好ましい。
【0038】
前記貯水部24a及び24bにおける処理水のpH値の調整方法としては、前記処理水にアルカリを添加することにより貯水部内の処理水のpH値を6以上、好ましくは6.5〜8.5、より好ましくは7〜7.5にすることが好ましい。
【0039】
アンモニアを分解処理する硝化菌は、周囲の環境のpH値が6より下がると急激にその硝化反応の進行が低下する。また、硝化菌が担持された充填層内では、アンモニアの酸化・分解が進み亜硝酸(NO2 -)或いは硝酸(NO3 -)が生成されると周囲のpH値が低下する。そのため、硝化菌による硝化反応を維持、促進させるためには充填層内でのpH値が前記6より下がる領域を発生させないように、充填層の上部から供給する処理水のpH値を調整することが有効である。そのため、貯水部内の処理水のpH値を6以上、好ましくは6.5〜8.5、より好ましくは7〜7.5にすることにより、充填層内でのpH値が前記6より下がる領域の発生を防ぐことができ、より効率的に硝化反応を起こさせることが可能となる。なお、各充填層に供給する処理水の流量は、充填層の厚さ等の装置構成や操業条件等により適宜選択され得るものである。
【0040】
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わされた効果が得られる。
【0041】
【実施例】
本発明に係る脱臭装置を用いてガスの脱臭処理を行った結果(実施例)を、従来技術に係る各充填層別に処理水の循環量の調整を行わない場合(比較例)と比較した結果の一例を以下に示す。
【0042】
図3に本実施例で用いた装置構成を示す。図3において、図1と同様の部分には同一の番号を付して説明を省略する。
【0043】
図3に示す装置は、図1に示す装置構成において、充填層の中で最も負荷が少ないと考えられる単流充填層29bに重点的に処理水を循環させるに必要な構成のみとしたものである。ここでは、貯水部24bの水が、ポンプ30aにより向流充填層28の上部に設けられた散水ノズル32aから散水され、さらに、ポンプ30cにより単流充填層29bの上部に設けられた散水ノズル32cから、散水ノズル32aから散水される量と同じ量の処理水が散水される。つまり、単流充填層29bには、他の充填層28,29aの2倍の処理水が散水されている。
【0044】
それに対し比較例においては、単流充填層29bの上部に設けられた散水ノズル32cからの散水を行わずに、担体充填式生物脱臭塔20内の全ての充填層に同量の処理水を供給するようにしている。
【0045】
処理に用いたガスとしては、市販のアンモニアガスボンベのアンモニアガスを空気で希釈して得た高濃度アンモニア含有ガスを使用した。アンモニア濃度は100ppmとした。また、実施例及び比較例とも貯水部29a及び29b内の処理水のpH値が7〜7.5となるように水酸化ナトリウム水溶液を加えて調整を行った。
【0046】
また、各実施例及び比較例で使用した装置の充填層内の担体(活性炭)量は同一とし、各充填層への散水は所定の水量を連続散水することにより行った。
【0047】
表1に、実施例及び比較例における条件とその結果を示す。
【0048】
【表1】
Figure 0003815439
【0049】
ここで、ガス導入配管21から担体充填式生物脱臭塔20内に導入されるガス中のアンモニア濃度、及び処理ガス排気管22aから排出される処理ガス中のアンモニア濃度は、それぞれガス検知管を用いて測定した。また、処理水中のアンモニア性窒素濃度(NH4 +)、亜硝酸性窒素濃度(NO2 -)、及び硝酸性窒素濃度(NO3 -)は、処理水循環配管の途中に設けられた排水配管より適宜処理水をサンプリングしてイオンクロマトグラフィー法によって分析した。なお、処理ガス中のアンモニア濃度及び処理水中の分析値は定常状態における運転時のものである。
【0050】
表1に示すように、比較例の処理ガス中のアンモニア除去率100%、処理水中の硝化率75%に対して、本発明に係る実施例においては、処理ガス中のアンモニア除去率は100%、処理水中の硝化率89%となり、本発明の効果が確認できた。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、ガス中から臭気成分を完全に除去すると共に、脱臭装置内の各充填層の処理効率を向上させることにより脱臭処理に用いる処理水中に吸収された臭気成分の除去効率を向上させることが可能な脱臭装置及び脱臭方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る脱臭装置の実施形態の一例を示した図である。
【図2】本発明に係る担体充填式生物脱臭塔内における最下段の貯水部を除いた他の貯水部の構成を示す図である。
【図3】本発明に係る実施例で用いた装置構成を示す図である。
【符号の説明】
1 貯蔵タンク
2 ポンプ
3a,3b 調節弁
4a,4b pHセンサー
5 レベルコントローラ
10 アルカリ添加手段
11,12 処理水供給手段
20 担体充填式生物脱臭塔
21 ガス導入配管
22a,22b 処理ガス排気管
24a,24b 貯水部
26a,26b アルカリ供給配管
27 排水ライン
28 接触充填層(向流充填層又は並流充填層)
29a,29b 単流充填層
30a,30b,30c,30d,30e ポンプ
31a,31b,31c,31d,31e 接続配管
32a,32b,32c,32d,32e 散水ノズル
35 堰
36 孔

Claims (2)

  1. ガス中の臭気成分及び処理水中の臭気成分の処理を行う脱臭装置において、
    ガスと処理水が共に通過する接触充填層と、
    該接触充填層を通過した処理水が通過する直列的に配置された2以上の単流充填層と、
    該単流充填層のそれぞれの下方に設けられ、単流充填層を通過した処理水を貯水する貯水部と、
    該貯水部に貯水された処理水にアルカリを添加するアルカリ添加手段と、
    前記貯水部に貯水された処理水を、該貯水部上方の前記接触充填層及び/又は単流充填層の上部に供給する処理水供給手段とを有することを特徴とする脱臭装置。
  2. 請求項1に記載の脱臭装置を用いた脱臭方法であって、
    貯水部内の処理水にアルカリを添加することにより、貯水部内の処理水のpH値を6以上にすることを特徴とする脱臭方法。
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