JP6665251B1 - 余剰汚泥処理方法ならびに該方法に用いられる余剰汚泥処理システム - Google Patents
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Abstract
Description
以下、本発明にかかる余剰汚泥処理方法ならびに該方法に用いられる余剰汚泥処理システム10の実施形態を、図面に基づいて説明する。
本発明の余剰汚泥処理方法は、攪拌・曝気処理工程と、汚泥分離処理工程と、脱水処理工程と、低温乾燥処理工程と、黒ぼく土脱臭処理工程と、で構成されている。
本工程では、活性曝気槽21にイオン化構造体70を通過した外気Gを送気して一定時間曝気・攪拌することで、イオン化作用を促進させて活性曝気槽21内の微生物の活性化が図られる。
本工程では、前工程である攪拌・曝気処理工程にて余剰汚水Wがイオン化された外気Gにより攪拌・曝気させていることから、澄水Sと汚泥Dの分離速度の向上すなわち汚泥Dの沈降速度の向上が見られ、その結果、分離される澄水S中に残存する汚泥D濃度の低下が図られると共に、排出される汚泥Dの減量と含水率低下が図られる。
本工程では、前工程である汚泥分離処理工程において既に排出される汚泥Dの減量と含水率低下が為されているため、攪拌・曝気処理工程に戻される脱離液42の減量が図られると共に、汚泥ケーキ43の減量も図られる。
本工程では、前工程である脱水処理工程から搬出された汚泥ケーキ43が乾燥されることで更なる減量が図られると共に、その乾燥された汚泥ケーキ43を乾燥特殊肥料(有機肥料)として有効利用化することが可能となる。
本工程では、黒ぼく土62やパーライト63、杉の皮片64や化学消臭剤65の作用により、臭気E中の粉塵除去と無臭化が図られる。
図2は、本発明にかかる余剰汚泥処理システムの模式的説明図である。
本発明の余剰汚泥処理システム10は、攪拌・曝気処理手段20と、汚泥分離処理手段30と、脱水処理手段40と、低温乾燥処理手段50と、黒ぼく土脱臭処理手段60と、で構成されている。
図3(a)は、イオン化構造体70が粘着テープ70aで構成された場合の実施形態を示している。具体的には、イオン化構造体70が、遠赤外線ならびにγ線を発する黒曜石、雲母、石英、セラミックのいずれかから選択される鉱石粉末を含有させた合成樹脂製または布製または金属製の帯状体と粘着層とを備えた粘着テープ70aで形成されている。かかる形態を採ることで、紆余曲折する送風管Pの外筒部を外側から容易に捲着することができるため、施工工事が容易にできる。
送風管Pの外筒部を遠赤外線ならびにγ線を発する黒曜石、雲母、石英、セラミックのいずれかから選択される鉱石粉末を含有させたイオン化構造体70で被覆することで、該イオン化構造体70からマイナスイオンNが放出される。放出されたマイナスイオンNは、送風管P内の外気Gの流れに誘引されて、送風管Pを通過して内部に取り込まれる。このとき、プラスイオンMを帯びた外気GがマイナスイオンNを浴びて負電荷に電位して、イオン化されることとなる。
臭気Eの中に含まれる悪臭成分Fは、主に硫化水素やアンモニア、メルカプタン等が挙げられるが、これらは汚染物質(二酸化硫黄、窒素酸化物等)と同様に水蒸気と結合して浮遊する。通常の水蒸気粒子の大きさは10〜100μm程度とされるが、臭気Eをイオン化することで、該臭気E中の水蒸気粒子の結合力が約1/10〜1/100ほど低下され、微小粒子に分散される。これにより、水蒸気と結合した悪臭成分Fも分散され小型化し、その結果、悪臭成分Fが減退すると共に脱臭容易となる。
一般家庭ならびに食品製造工場から排出される生活汚水・雑排水・工場排水などの余剰汚水Wは、微生物が投与された活性曝気槽21に投入され、約18時間程度かけて撹拌及び曝気が行われる。このとき、曝気のための送風管Pにはイオン化構造体70が被覆されており、該送風管Pを介してイオン化された外気Gが送風されることで、イオン化された外気Gによる曝気が為され、活性曝気槽21内の微生物が活性化される。尚、活性曝気槽21内の余剰汚水Wの水温は、微生物の活性に有用な22〜28℃程度とすることが望ましい。
また、汚泥分離槽31にて分離された汚泥Dは、その一部が活性曝気槽21に返送されると共に、その残余は余剰汚泥貯留槽33に排出される。
また、脱水機41にて分離された汚泥ケーキ43は、運搬手段44を介して汚泥乾燥装置51に搬出される。
実験サンプルとして、食品工場(豆腐工場)から排出される余剰汚水Wを用いた。実験は2015年11月に開始し、3ヶ月経過後の2016年1月末時点での結果について検証する。当該余剰汚水Wの処理前の各データは、水素イオン濃度が6.4pH、BOD値(生物化学的酸素要求量)が910ppm、COD値(化学的酸素要求量)が510ppm、SS値(浮遊物質量)が420ppm、水温が25℃である。
具体的には、余剰汚水Wを活性曝気槽21においてイオン化された外気Gにより攪拌・曝気することで、汚泥分離槽31での分離速度すなわち汚泥Dの沈降速度が向上し、澄水S中に残存する汚泥D濃度の低下と汚泥Dの含水率低下が図られ、その結果、分離後の汚泥D量について約20%程度の減量が達成されることとなる。
また、かかる汚泥Dの含水率低下から、脱水機41の稼働時間を約25%程度減らすことが可能になると共に、汚泥D量の減量から汚泥ケーキ43の減量も達成されることとなる。
さらに、汚泥ケーキ43を乾燥する外気G及び排出される臭気Eを共にイオン化することで、臭気E中の悪臭成分Fが減退すると共に脱臭容易な状態に変化させることができる。
20 攪拌・曝気処理手段
21 活性曝気槽
22 攪拌機能
23 曝気機能
30 汚泥分離処理手段
31 汚泥分離槽
32 塩素減菌装置
33 余剰汚泥貯留槽
40 脱水処理手段
41 脱水機
42 脱離液
43 汚泥ケーキ
44 運搬手段
50 低温乾燥処理手段
51 汚泥乾燥装置
52 コンベア装置
53 投入口
54 搬送コンベア
55 吐出口
56 回転レーキ
60 黒ぼく土脱臭処理手段
61 黒ぼく土脱臭装置
62 黒ぼく土
63 パーライト
64 杉の皮片
65 化学消臭剤
70 イオン化構造体
70a 粘着テープ
70b 合成樹脂パイプ
70c 塗料
70d 成形パット
70e シートカバー
71 アルミ板
G 外気
W 余剰汚水
D 汚泥
S 澄水
E 臭気
B ブロワ
P 送風管
F 悪臭成分
M プラスイオン
N マイナスイオン
Claims (6)
- 一般家庭ならびに食品製造工場から排出される生活汚水・雑排水・工場排水などの余剰汚水を水分と固形分と臭気に其々分離して最終処分廃棄量の低減と悪臭による環境保全の改善を図る余剰汚泥処理方法であって、
前記余剰汚泥処理方法は、攪拌・曝気処理工程と、汚泥分離処理工程と、脱水処理工程と、低温乾燥処理工程と、黒ぼく土脱臭処理工程と、で構成され、
前記攪拌・曝気処理工程は、余剰汚水を攪拌機能と曝気機能を備える活性曝気槽に投入して攪拌・曝気させると共に、該曝気機能を構成する送風管に遠赤外線ならびにγ線を発する黒曜石、雲母、石英、セラミックのいずれかから選択される鉱石粉末を含有させたイオン化構造体を被覆し且つその外周をアルミ板で被覆して送風される外気をイオン化し、
前記汚泥分離処理工程は、前記攪拌・曝気処理工程でイオン化された外気により攪拌・曝気させた余剰汚水を汚泥分離槽に投入し、該余剰汚水を一定時間放置して澄水と汚泥に自然分離し、該分離された澄水は塩素減菌装置によって塩素・減菌処理して外部に排出すると共に、残された汚泥は一部を前記活性曝気槽に返送すると共にその残余を余剰汚泥貯留槽に排出し、
前記脱水処理工程は、前記汚泥分離処理工程により余剰汚泥貯留槽へ排出された汚泥を遠心分離機等の脱水機によって脱離液と汚泥ケーキに分離し、該分離された脱離液は前記攪拌・曝気処理工程に戻され余剰汚水と合流して活性曝気槽に投入されると共に、汚泥ケーキは運搬手段により搬出され、
前記低温乾燥処理工程は、投入口と搬送コンベアと回転レーキを有する吐出口とを備え且つ遠赤外線ならびにγ線を発する黒曜石、雲母、石英、セラミックのいずれかから選択される鉱石粉末を含有させたイオン化構造体を被覆した外気を送風する送風管ならびに臭気を排気する送風管を備えたコンベア装置が多段式に連なって成る汚泥乾燥装置において、最上段のコンベア装置の投入口に前記脱水処理工程で搬出された汚泥ケーキを投入し、該汚泥ケーキが汚泥乾燥装置内を移動して最下段のコンベア装置の吐出口から排出されるまでの間、イオン化された外気を送風して該汚泥ケーキを乾燥・固形化すると共に臭気を排気し、
前記黒ぼく土脱臭処理工程は、前記低温乾燥処理工程から排気された臭気を団粒構造の黒ぼく土とパーライトと杉の皮片とを混合若しくは積層し且つ化学消臭剤が添加された黒ぼく土脱臭装置において排気濾過して粉塵除去及び脱臭処理することを特徴とする余剰汚泥処理方法。 - 前記イオン化構造体が、遠赤外線ならびにγ線を発する鉱石粉末を含有させた粘着テープ、合成樹脂パイプ、塗料、成形パット、シートカバーの何れかで形成されて成ることを特徴とする請求項1に記載の余剰汚泥処理方法。
- 前記鉱石粉末が、黒曜石を粉砕した黒曜石粉末であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の余剰汚泥処理方法。
- 一般家庭ならびに食品製造工場から排出される生活汚水・雑排水・工場排水などの余剰汚水を水分と固形分と臭気に其々分離して最終処分廃棄量の低減と悪臭による環境保全の改善を図る余剰汚泥処理システムであって、
前記余剰汚泥処理システムは、攪拌・曝気処理手段と、汚泥分離処理手段と、脱水処理手段と、低温乾燥処理手段と、黒ぼく土脱臭処理手段と、で構成され、
前記攪拌・曝気処理手段は、攪拌機能と曝気機能を備えて投入された余剰汚水を攪拌・曝気させる活性曝気槽から成り、該曝気機能は、送風管に遠赤外線ならびにγ線を発する黒曜石、雲母、石英、セラミックのいずれかから選択される鉱石粉末を含有させたイオン化構造体が被覆され且つその外周をアルミ板で被覆して成り、
前記汚泥分離処理手段は、イオン化された外気により攪拌・曝気させた余剰汚水を一定時間放置して澄水と汚泥に自然分離する複数の汚泥分離槽と、分離された汚泥を貯留する余剰汚泥貯留槽と、から成り、
前記脱水処理手段は、汚泥を脱離液と汚泥ケーキに分離する脱水機から成り、
前記低温乾燥処理手段は、投入口と搬送コンベアと回転レーキを有する吐出口とを備え且つ遠赤外線ならびにγ線を発する黒曜石、雲母、石英、セラミックのいずれかから選択される鉱石粉末を含有させたイオン化構造体を被覆した外気を送風する送風管ならびに臭気を排気する送風管を備えたコンベア装置が多段式に連なって成る汚泥乾燥装置から成り、
前記黒ぼく土脱臭処理手段は、臭気を排気濾過して脱臭処分する団粒構造の黒ぼく土とパーライトと杉の皮片とを混合若しくは積層し且つ化学消臭剤が添加されて成る黒ぼく土脱臭装置から成ることを特徴とする余剰汚泥処理システム。 - 前記イオン化構造体が、遠赤外線ならびにγ線を発する鉱石粉末を含有させた粘着テープ、合成樹脂パイプ、塗料、成形パット、シートカバーの何れかで形成されて成ることを特徴とする請求項4に記載の余剰汚泥処理システム。
- 前記鉱石粉末が、黒曜石を粉砕した黒曜石粉末であることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の余剰汚泥処理システム。
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