JP2796611B2 - 下部散水式脱臭装置 - Google Patents

下部散水式脱臭装置

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JP2796611B2
JP2796611B2 JP8118083A JP11808396A JP2796611B2 JP 2796611 B2 JP2796611 B2 JP 2796611B2 JP 8118083 A JP8118083 A JP 8118083A JP 11808396 A JP11808396 A JP 11808396A JP 2796611 B2 JP2796611 B2 JP 2796611B2
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芳孝 東郷
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は下部散水式脱臭装置に関
し、とくに脱臭用泥炭層の加湿水分を下方から供給する
脱臭装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の微生物利用脱臭装置の例として本
発明者の一人が特開平2-034170号公報に開示した生物脱
臭装置を図6により簡単に説明する。脱臭槽20内に通気
性支持板21により泥炭層からなる微生物固定床22を保持
し、固定床22中の水分を監視する水分計23の出力に応じ
散水器24から適宜水分を固定床22へ補給する。電磁弁25
を水分制御のために使用することができる。給気管26を
介して臭気ガスを脱臭槽20に導き、脱臭後の空気を排気
管27により排出する。脱臭槽20内には、固定床22と交差
するように臭気ガス流路28を設ける。脱臭槽20へ進入す
る臭気ガスから塵埃等を除去するため、フィルタ29を設
けてもよい。
【0003】上記例のように泥炭層は常に水分を保持す
る必要があるが、これは脱臭微生物を生息させるため及
び臭気成分を水に溶解させるためである。従って、泥炭
層が乾燥してくると自動的に水分を補給する散水装置等
の給水手段が必要であり、上記例では上方から泥炭層へ
下向きに散水している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし従来の自動水分
補給法には次の問題点がある。 臭気ガスの流れは、微生物固定床22の泥炭層における
圧力損失によりその泥炭層に圧密が生ずるのを避けるた
め、泥炭層の下部から上向きにするのが普通である。上
方から下向きの散水は、上向きのガス流れと対向するの
で、泥炭層での水分が均一に分布せず、上部で水分が多
くなるにも拘らず下部で水分が不足するという不都合が
生じがちである。
【0005】臭気ガスの流量が多い時には、ガスの上
向き動圧が水の重さと釣り合う場合があり、この場合に
は散水した水が泥炭層に滞留し圧力損失が急激に大きく
なり運転不能になる。このような事態を避けるため、散
水時には臭気ガスの供給を止める必要があった。
【0006】上部の水分が多くなるため、自重による
泥炭層の圧密が経験された。泥炭層の圧密は、圧力損失
を増加させるため、臭気ガス供給用送風機の動力の増大
とそれに伴う運転コスト増を招く。
【0007】また下部では水分が少ないために、結晶
物析出が、例えば下水処理場の脱臭処理における硫酸ア
ンモニウム析出のように発生し、泥炭層を支える通気性
支持板に閉塞の生ずることが経験された。
【0008】下向き散水におけるこれらの問題点を解決
するため、水スクラバーで臭気ガスを予め加湿した上で
泥炭層へ供給することも試みられているが、この場合に
は水スクラバーの設備費及び運転費が必要となり、費用
が嵩む。従って、本発明の目的は泥炭層を上向き散水で
加湿する方式の脱臭装置の提供にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、泥炭層全体
の一様な加湿のため、臭気ガスの上向き流れと同方向の
上向き散水を使うことに注目した。ガス流と加湿用の水
流とを同じ向きにすれば、それらの流れの対向による障
害を避けられる。
【0010】図1の実施例を参照するに、本発明の下部
散水式脱臭装置は、脱臭槽1の泥炭層2へ臭気ガスを上
向きに通す脱臭装置において、その脱臭槽1内で泥炭層
2の下端面に臨む部位に取付けた上向き散水器5を備え
てなるものである。この場合、散水器5からの散水は臭
気ガスの流れと同じ向き、つまり並流になるように送出
される。
【0011】好ましくは、脱臭槽1内の泥炭層2の下端
面に隣接する部位に充填材層3を設け、散水器5を充填
材層3の下端面に臨ませて取付ける。充填材層3を形成
する充填材は、保水性がよく圧力損失の少ないものであ
り、その一例は天然ゼオライトである。
【0012】さらに好ましくは、図1に示すように泥炭
層2及び充填材層3を脱臭槽1に固定の通水性支持板4
によって支持する。また、脱臭槽1の散水器5の下方に
貯水部6を形成し、散水ポンプ7を貯水部6と散水器5
とに接続し、散水器5から散水された水のうち泥炭層2
及び/又は充填材層3に付着しない部分を貯水部6に落
下させて溜め、散水ポンプ7により加湿水を貯水部6と
散水器5との間で循環させる。
【0013】
【発明の実施の形態】泥炭層2への上方からの散水と下
方からの散水との効果を比較するため、次の実験を行っ
た。
【0014】[実験例−1]図1に示す様な脱臭槽1の
模型を、槽の内径130mm、泥炭層2の高さ500mm、直径5m
m前後の天然ゼオライトによる充填材層3の高さ100 mm
の実験装置として試作した。この実験装置の槽へ、上部
から散水した場合と下部から散水した場合の圧力損失を
測定した。結果を図2に示す。同図から理解できるよう
に、上部から散水の場合に空気の流速が40mm/sec以上の
時は、散水した水が空気の上昇流に妨げられて泥炭層2
内に滞留し、圧力損失が急激に上昇した。下部から散水
の場合には、空気の流速の如何に拘らず圧力損失は無散
水時とほぼ同様であり、臭気ガスの処理量が増加しても
圧力損失の低い安定した運転が可能であることが認めら
れた。
【0015】[実験例−2]同様な実験装置を用い下部
から散水しつつ空間速度(SV)=100、200、及び300[-h]
で運転した場合の泥炭層2の含水率、圧力損失、処理空
気湿度の経過日数に対する変化を測定した。ここに空間
速度とは、space velocityのことで、滞留時間の逆数で
表される。測定結果をそれぞれ、図3、4、及び5に示
す。これらの図から理解できるように、実験した全ての
空間速度において、泥炭層2の含水率は約60〜70%の高
いレベルで安定しており、散水時の圧力損失、泥炭層3
の層高に変化は見られなかった。高空間速度、即ち大き
な処理量で安定した運転が可能であることが認められ
た。
【0016】[実験例−3]さらに同様な実験装置を用
いてコンポスト臭の脱臭実験を行った。下部から散水し
つつ空間速度=100、200、及び300[-h]の3通りで行
い、実験開始後から50日後における原臭及び処理後空気
の臭気濃度を測定した。結果を表1に示す。
【0017】
【表1】
【0018】同表から、高空間速度であっても少なくと
も50日の長期間に亘り高い臭気除去率の得られることが
認められた。上記実験例−1〜3から認められるよう
に、本発明による泥炭層2の下部からの上向き散水を用
いた脱臭装置では、広い範囲の空間速度及び20日以上の
長期間に亘り、泥炭層2の平均的含水率を例えば約60〜
70%の高いレベルに安定的に維持し、優れた脱臭効果を
得ることができる。
【0019】こうして本発明の目的である「泥炭層を上
向き散水で加湿する方式の脱臭装置の提供」を達成する
ことができる。
【0020】図1の本発明実施例では、泥炭層2の下端
部及び充填材層3の領域において飽和に近い水分が保持
されるものと見込まれる。即ちここを通過する臭気ガス
は、泥炭層2との大きな接触面積と相まって高湿度に維
持され、さらに充填材層3の充填材との接触がある場合
にはほぼ飽和に近い相対湿度に保たれる。このため、高
湿度の下端部に隣接する泥炭層2の上方部分の乾燥が防
止され、泥炭層2全体として適当な水分量を維持する。
また、臭気ガスと同じ向きの流れ、即ち並流として散水
するので泥炭層2での水の滞留は発生せず、圧力損失も
低いレベルで安定し、正常な連続運転を確実に行うこと
ができる。散水器5による散水を連続的に行えば、泥炭
層2の下端部及びその下方部分は常に散水で洗浄される
状態にあり、結晶物の析出も生じない。
【0021】
【実施例】図1の実施例では、臭気ガスを送風機12によ
り脱臭槽1の取入れ口1aへ送給して泥炭層2で脱臭し、
脱臭処理したガスを排気口13から排出する。しかし、送
風機12の位置は、臭気ガスの流れに関して泥炭層2の上
流側に限定されず、例えば図1で泥炭層2の上方に送風
機12を設け臭気ガスを取入れ口1aから吸込んでもよい。
散水器5を例えば散水ポンプ7から給水される散水ノズ
ルとし、その散水器5の散水量を、散水ポンプ7の電気
回路に接続されたタイマー8又は泥炭層2中の水分セン
サー(図6の23参照)の出力によって制御することがで
きる。また、散水器5から散水された水のうち泥炭層2
及び/又は充填材層3に付着しない部分を脱臭槽1の底
部に設けた貯水部6に溜め、貯水部6の水を循環的に散
水してもよい。この場合、蒸発分の水は、貯水部6の水
位を例えばボールタップ等のレベル計9で監視し、その
出力に接続した電磁弁10で開閉する給水管10aによって
補給するようにしてもよい。ドレイン弁11は、散水中に
溶解した結晶物等が脱臭槽1の底部に沈澱濃縮した場合
に引抜くためのものである。
【0022】泥炭層2とその支持部材、例えば通水性支
持板4との間には、保水性がよく圧力損失の少ない充填
材、例えば天然ゼオライト等からなる充填材層3を設け
ることが望ましい。このような充填材は、散水が直接に
泥炭層2に接触してその底部の泥炭を溶出させるのを防
ぎ、泥炭層2の不等沈下や泥炭による散水ノズルの目づ
まりを防止することができる。さらに、充填材の高い保
水性は、ここを通過する臭気ガスの水分を飽和レベルま
で上げ、高い脱臭効果を確保する。充填材層3の厚み
は、加湿の立場からは厚い方がよいが、経済面からはあ
まり厚いのは不利になるので、5〜20cm程度の範囲で選
ぶことができる。充填材の形状に制限はないが、直径1
〜3cm程度の球状のものが取扱い易い。
【0023】散水ノズル等の散水器5は、泥炭層2及び
/又は充填材層3全体に散水できるように数量及び配置
を選定する。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように本発明の下部散水式
脱臭装置は、泥炭層を下から上向きの散水器で加湿する
ので、次の顕著な効果を奏する。 (イ)臭気ガスの流量を増加させても泥炭層全体に及ぶ給
水・加湿が可能であり、大量の臭気ガスの脱臭処理運転
を長時間に亘り安定して行うことができる。 (ロ)泥炭層の圧密が生じないので、圧力損失の増加がな
い。 (ハ)泥炭層の下端部が常に洗浄されているので、結晶物
の詰りがない。 (ニ)泥炭層全体にわたり湿度を高く保つので、脱臭効率
を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、本発明の一実施例の構成を示す説明図であ
る。
【図2】は、散水位置の相違による圧力損失の変化を示
すグラフである。
【図3】は、空間速度SV=100[-h]の時の加湿実験例の
結果のグラフである。
【図4】は、空間速度SV=200[-h]の時の加湿実験例の
結果のグラフである。
【図5】は、空間速度SV=300[-h]の時の加湿実験例の
結果のグラフである。
【図6】は、従来の脱臭装置の構造の説明図である。
【符号の説明】
1 脱臭槽 1a 取入れ口 2 泥炭層 3 充填材層 4 通水性支持板 5 散水器 6 貯水部 7 散水ポンプ 8 タイマー 9 レベル計 10 電磁弁 11 ドレイン弁 12 送風機 13 排気口 20 脱臭槽 21 通気性支持板 22 微生物固定床 23 水分計 24 散水器 25 電磁弁 26 給気管 27 排気管 28 ガス流路 29 フィルタ。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】脱臭槽内の泥炭層へ臭気ガスを上向きに通
    す脱臭装置において、前記脱臭槽内の泥炭層の下端面に
    臨む部位に取付けた上向き散水器を備えてなる下部散水
    式脱臭装置。
  2. 【請求項2】請求項1の脱臭装置において、前記脱臭槽
    内の前記泥炭層の下端面に隣接する部位に取付けた保水
    性充填材層を備え、前記散水器を前記充填材層の下端面
    に臨ませてなる下部散水式脱臭装置。
  3. 【請求項3】請求項2の脱臭装置において、前記脱臭槽
    の充填材層の下端部位に固定した通水性支持板を備えて
    なる下部散水式脱臭装置。
  4. 【請求項4】請求項1から3までのいずれかの脱臭装置
    において、前記脱臭槽の前記散水器の下方に形成した貯
    水部、及び該貯水部と前記散水器とに接続した散水ポン
    プを備えてなる下部散水式脱臭装置。
  5. 【請求項5】請求項4の脱臭装置において、前記散水ポ
    ンプに接続したタイマーを備えてなる下部散水式脱臭装
    置。
  6. 【請求項6】請求項4の脱臭装置において、前記散水ポ
    ンプに接続した湿度センサーを前記泥炭層に設けてなる
    下部散水式脱臭装置。
  7. 【請求項7】請求項4から6までのいずれかの脱臭装置
    において、前記貯水部に設けたレベル計、及び前記レベ
    ル計に接続した電磁弁を有し且つ前記貯水部に開口する
    給水管を備えてなる下部散水式脱臭装置。
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