JP3101566B2 - 脱臭方法 - Google Patents

脱臭方法

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JP3101566B2
JP3101566B2 JP08103514A JP10351496A JP3101566B2 JP 3101566 B2 JP3101566 B2 JP 3101566B2 JP 08103514 A JP08103514 A JP 08103514A JP 10351496 A JP10351496 A JP 10351496A JP 3101566 B2 JP3101566 B2 JP 3101566B2
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  • Treating Waste Gases (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、畜舎や尿処理場、
下水処理場などの諸施設から発生するアンモニア,メル
カプタン,硫化水素などを主成分とする悪臭ガスを微生
物によって無臭化する脱臭方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種悪臭ガスを無臭化する脱臭
方法として、種々な脱臭方法が開発されている。例え
ば、特公平3−60526号公報は、悪臭ガスの通気媒
体が、ロックウールなどの親水性無機質資材の短繊維に
より形成された高空隙性粒状物と、畜ふん、堆廐肥、ま
たは余剰汚泥などの単独あるいは2以上の混合物からな
る微生物活性物質とを混合した水分50〜70重量%の
混合物で構成され、これに悪臭ガスを通す悪臭ガスの処
理方法に関する技術が開示されている。
【0003】この処理方法として、通気媒体の混合物で
構成される堆積層は、通気性の高い構造となり、堆積高
さを高くすることによって悪臭ガスの脱臭効率の向上を
図っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この処理方法
は、通気媒体の混合物が多量の水分を含むため、堆積層
が高くなると、堆積層に圧密現象が発生し、混合物の空
隙化が低下して通気抵抗が増加し、脱臭微生物の活性が
低下し、脱臭効率を阻害する欠点がある。
【0005】本発明は、このような観点に基づいて創作
されたもので、前記圧密現象を効果的に防止し、通気抵
抗を最小限に抑え、かつ微生物と水と空気の環境を最適
に維持して脱臭効率に優れ、安価で、維持管理の容易な
悪臭ガスの脱臭方法を目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の第1の発明は、悪臭ガスを処理室内の脱臭
材に導いて無臭化される脱臭方法において、ブロワーに
より通気ダクトを通って処理室内の下端部に導入し、噴
出孔から噴出された悪臭ガスは、上部に散水装置を有す
る処理室内のグリット上に、空間内に微生物担体と種
菌とからなる含水脱臭材が充填されている複数のハニカ
ム構造体で構成されたハニカム層を上下方向に多段に
層した最下段のハニカム層の下面に導き、ハニカム層内
を上面に向かって通過する過程において悪臭ガスを無臭
化することを特徴とする。
【0007】第2の発明は、悪臭ガスを処理室内の脱臭
材に導いて無臭化される脱臭方法において、ブロワーに
より通気ダクトを通って処理室内の下端部に導入し、噴
出孔から噴出された悪臭ガスは、上部に散水装置を有す
る処理室内のグリット上に、空間内に含水脱臭材の微
生物担体が充填させている複数のハニカム構造体で構成
され、かつ層間に種菌が置かれているハニカム層を上
下方向に多段に積層した最下段のハニカム層の下面に導
き、ハニカム層内を上面に向かって通過する過程におい
悪臭ガスを無臭化することを特徴とする。
【0008】第3の発明は、含水脱臭材の微生物担体
が、多孔質のロックウール粒状物であることを特徴と
し、第4の発明は、含水脱臭材の微生物担体が、多孔質
のロックウール成形品であることを特徴とするものであ
る。
【0009】
【作用】本発明によると、複数のハニカム構造体からな
るハニカム層を上下方向に積層し、各ハニカム構造体の
空間内に含水脱臭材が充填させてある。このため、下方
に加わる荷重は分断され、各ハニカム構造体の含水脱臭
材には、圧密現象が発生せず、含水脱臭材の高空隙を維
持でき、悪臭ガスの通気抵抗が最小限に抑えられ、含水
脱臭材の高さが高くなっても小さなブロワーが使用でき
るため、ランニングコストの低減が図れる。また、微生
物と水と空気の環境が最適に維持でき、微生物の活性を
持続でき、長期間にわたり効率のよい脱臭作業が行え
る。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。本発明のハニカム層を構成するハニカム構造体
は、耐食性、耐荷重性を有するものであれば使用可能で
あり、フッ素樹脂やステンレス鋼板などが使用できる
が、望ましくは通気性を有するセラミック質のものが好
ましい。そして、この複数のハニカム構造体からなるハ
ニカム層が上下方向に積層してある。
【0011】また、このハニカム構造体の空間内に充填
する含水脱臭材は、多孔質で悪臭ガスを補集する能力を
備えた微生物担体と畜ふんや堆廐肥、汚泥などの種菌と
で構成される。微生物担体は、多孔質のロックウール粒
状物が好ましく、直径2〜10mm程度の粒状のものが
よく、また、多孔質のロックウール粒状物を成形したロ
ックウール成形品を使用してもよい。種菌は、例えば汚
泥を使用し、微生物担体と混合させず、前記ハニカム層
の層間に置く、別置にすることも可能である。このよう
な構成の含水脱臭材は、50〜70%の水分を含有させ
て、所定の悪臭ガスを通して脱臭を行う。
【0012】次に、本発明の実施例を図面を参照して説
明する。図示において、悪臭ガス発生源1で発生したア
ンモニア,メルカプタン,硫化水素などを主成分とする
悪臭ガスは、第1通気ダクト2を通って除塵・冷却機3
に送られ、この除塵・冷却機3で処理された悪臭ガス
は、途中に通気ダンパー4とメインブロワー5、補助ブ
ロワー6及び温度センサー7とで構成される制御システ
ム8を設けた第2通気ダクト9に送られる。
【0013】第2通気ダクト9の先端部は、脱臭装置1
2が設置される処理室13内の下端部に導かれている。
この処理室13内において、悪臭ガスは、第2通気ダク
9の先端部に分岐して複数設けられた噴出管14の噴
出孔15(図参照)から噴出される。図に示すよう
に噴出管14は、処理室13内の全域に悪臭ガスが均等
に分散するように配設されている。また、これら噴出管
14の管径や噴出孔15の数も処理室13内に悪臭ガス
が均一に分散して噴出するように、処理室13内の各領
域で変化させて設けるとよい。
【0014】処理室13は、断熱性及び耐久性も優れた
材質、例えばFRPで構成され、この処理室13内に
は、複数のハニカム構造体16で構成されるハニカム層
18が上下方向に多段に積層されている。このハニカム
構造体16は、前記するように耐食性・耐荷重性を有す
るものであれば使用可能であり、フッ素樹脂やステンレ
ス鋼板などのが使用できるが、望ましくは通気性を有す
るセラミック質のものが好ましい。ハニカム層18は、
単体構成の複数のハニカム構造体16を組み合わせて構
成したり、予め複数のハニカム構造体を組み合わせて一
体的に構成するなど任意な事項である。また、ハニカム
構造体16の壁面には、小孔19を規則的または不規則
的に複数形成させ、後記する散水による過分な水分を小
孔19から排水するようにしてある。そして、ハニカム
構造体16の各空間内17には、悪臭ガスの含水脱臭材
20がそれぞれ充填させてある。
【0015】含水脱臭材20は、前記するように、多孔
質で悪臭ガスを補集する能力を備えた微生物担体と、畜
ふんや堆厩肥、汚泥などの種菌とで構成され、微生物担
体は、多孔質のロックウールを直径2〜10mm程の粒
状に造粒したロックウール粒状物や多孔質のロックウー
ルを混合して板状に成形したロックウール成形品が望ま
しい。種菌は、例えば、汚泥を使用し、微生物担体と混
合させずに別置、すなわち、前記ハニカム層18の層間
に置くことも可能である。なお、図2にあっては、含水
脱臭材20としてロックウール粒状物の微生物担体の例
を示し、図示では、その一部のみを示してある。
【0016】ハニカム層18は、図示例では、4段に積
層されているが、この積層段数は特に限定されるもので
はなく、少なくとも2段以上に積層する構成が望まし
い。最下段のハニカム層18は、処理室13内におい
て、耐蝕性のFRPグリット21で支持させてある。こ
のFRPグリット21は、図4に示すように格子状に構
成され、その空間部22を通って悪臭ガスは、処理室1
3内において各ハニカム層18の含水脱臭材20の空隙
を通って上昇する。また上下のハニカム層18間には、
含水脱臭材あるいは微生物担体の抜けを防止するため
に、硬質プラスチックやステンレス鋼板などの網状のプ
レート28を介在させてある。
【0017】また、処理室13内の上部において、最上
段のハニカム層18の上面には、散水装置23が設けら
れている。この散水装置23は、処理室13の外部から
導入された散水管24を処理室13内の全域にほぼ均一
に分散するように分岐させて構成されており、散水管2
4に設けられた複数の散水孔25から適正量の水が噴霧
状に下側のハニカム層18の含水脱臭材20に向けて噴
霧されるように構成されている。26は湿度センサーを
示し、27は排気口を示す。
【0018】このような構成の脱臭装置12によると、
処理室13の下部において、噴出管14の噴出孔15か
ら噴出される悪臭ガスは、ハニカム層18を構成する各
ハニカム構造体16に充填され、散水装置23から噴霧
された水で50〜70%程度の水分を含む含水脱臭材2
0の空隙を通って上昇する。その際、悪臭ガスのアンモ
ニアなどの臭気成分は、この含水脱臭材20によって補
集され、内部の微生物によって分解され、無臭化されて
上部の排出口27から排出されている。
【0019】この場合、含水脱臭材20は、積層された
ハニカム層18の各ハニカム構造体16の空間17内に
充填されているため、下方に加わる含水脱臭材20の荷
重は分断され、含水脱臭材20には、圧密現象が発生せ
ず、長期間にわたり含水脱臭材20の高空隙が確保さ
れ、通気抵抗が最小限に抑えられると共に、微生物と水
と空気の環境を最適に維持でき、脱臭微生物の活性を持
続でき、良好な脱臭効率が保たれる。
【0020】このように本発明によれば、前記する従来
例のように圧密現象を発生せず、数種類混合の混合物構
成の通気媒体が不要となり、また、前記するように含水
脱臭材の高空隙が確保できるため、通気抵抗が最小限に
抑えられ、含水脱臭材の高さが高くなっても小さなブロ
ワーが使用できる。
【0021】ここで、本願発明者らが実施した実施例に
ついて説明する。実施例として、1段の高さが0.5m
のハニカム構造体を4段積み重ねて高さ2mのハニカム
層を構成し、下から1〜3段は含水脱臭材を充填し、4
段目は3段目のハニカム層の上に含水脱臭材を0.5m
の厚さに充填した。一方、比較例は2mの高さにロック
ウール粒状物を積み、両者の通気抵抗を確認した。その
結果を図6のグラフで示す。このグラフから理解できる
ように比較例に比べ、本発明の実施例は、含水脱臭材の
中を通る悪臭ガスの通気抵抗は小となるが、比較例は、
6倍強の通気抵抗を示し、本発明には優れた通気性を促
すことが判明し、圧密防止の効果が確認できた。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
処理室内において悪臭ガスを脱臭する含水脱臭材を各ハ
ニカム構造体の空間内に充填し、このハニカム構造体
は、上下方向に多段に積層したことにより、含水脱臭材
の下方に加わる荷重は分断され、各ハニカム構造体内の
含水脱臭材には、圧密現象がなくなり、長期間にわたり
含水脱臭材の高空隙が確保され、微生物と水と空気の環
境を最適に維持できるため、脱臭微生物の活性を持続で
き、良好な脱臭作業が行える。
【0023】また、各ハニカム構造体の空間内の含水脱
臭材は、前記のように高空隙が確保できるため、通気抵
抗が最小限に抑えられ、含水脱臭材の高さが高くなって
も小さなブロワーが使用できる。しかも、ハニカム層に
ハニカム構造体を使用することにより、これらをユニッ
ト化できるため、安価、品質の安定化、工期短縮、維持
管理などが容易となるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る脱臭装置の説明図である。
【図2】ハニカム層の斜視図である。
【図3】脱臭装置の処理室の側面図である。
【図4】図3のA−A断面図である。
【図5】図3のB−B断面図である。
【図6】本発明の実施装置と比較例との通気抵抗の比較
をグラフで示す図である。
【符号の説明】
13 処理室 16 ハニカム構造体 17 空間 18 ハニカム層 20 含水脱臭材 21 グリット

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 悪臭ガスを処理室内の脱臭材に導いて無
    臭化させる脱臭方法において、ブロワーにより通気ダク
    トを通って処理室内の下端部に導入し、噴出孔から噴出
    された悪臭ガスは、上部に散水装置を有する処理室内の
    グリット上に、空間内に微生物担体と種菌とからなる
    含水脱臭材が充填されている複数のハニカム構造体で構
    成されたハニカム層を上下方向に多段に積層した最下段
    のハニカム層の下面に導き、ハニカム層内を上面に向か
    って通過する過程において悪臭ガスを無臭化することを
    特徴とする脱臭方法。
  2. 【請求項2】 悪臭ガスを処理室内の脱臭材に導いて無
    臭化させる脱臭方法において、ブロワーにより通気ダク
    トを通って処理室内の下端部に導入し、噴出孔から噴出
    された悪臭ガスは、上部に散水装置を有する処理室内の
    グリット上に、空間内に含水脱臭材の微生物担体が充
    填されている複数のハニカム構造体で構成され、かつ
    層間に種菌が置かれているハニカム層を上下方向に多段
    積層した最下段のハニカム層の下面に導き、ハニカム
    層内を上面に向かって通過する過程において悪臭ガスを
    無臭化することを特徴とする脱臭方法
  3. 【請求項3】 含水脱臭材の微生物担体が、多孔質のロ
    ックウール粒状物であることを特徴とする請求項1又は
    2記載の脱臭方法。
  4. 【請求項4】 含水脱臭材の微生物担体が、多孔質のロ
    ックウール成形品であることを特徴とする請求項1又は
    2記載の脱臭方法。
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