JP7450914B2 - 脱臭処理システム - Google Patents

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Description

本発明は、微生物保持担体によって空気の臭い成分を脱臭するための脱臭処理システムに関する。
高濃度の悪臭を発生する堆肥化処理施設、排水処理施設等、悪臭の発生を伴う種々の施設においては、発生した悪臭をそのまま大気中に放出してしまうと近隣住民とのトラブルの原因となることから、地域との調和を図るには、臭気対策が必要不可欠となっている。
従来、悪臭を除去するための装置としては、例えば特許文献1に記載された技術がある。この技術は、脱臭槽内に微生物保持担体を収容し、この脱臭槽内に悪臭を含む空気を送り込んで、微生物保持担体に生息する微生物によって臭い成分を分解脱臭する脱臭装置である。
また、特許文献1に記載された技術は、脱臭槽内部の上方域に散水装置及びガス排出口が設けられ、この散水装置と貯水部は、循環手段を介して連通している。したがって、ガス供給口から供給された有機酸は、散水装置によって湿潤状態となった脱臭槽内部の脱臭材と接触して水に溶解する。同時に、一部の有機酸は、脱臭材の微生物によって分解されて、ガス排出口から排出される。脱臭材から貯水部に落下した水は、循環手段によって貯水部から散水装置へ循環し、再び脱臭材へ散水される。
特開2011-56339号公報
ところで、下水や製紙工場等の汚水処理施設では、硫化水素や硫化メチル等の高濃度の硫化系臭気が発生する。この硫化系臭気の場合は、主に硫黄細菌を微生物に定着して脱臭するとき、この微生物が硫黄化合物を分解して硫酸を発生させる。
この場合、上記特許文献1に記載された循環水方式を採用すると、水を循環する度に循環水中の硫酸濃度が高まり、循環水の水素イオン濃度がpH=1付近まで低下し、微生物が生息することができなくなるという問題がある。
そのため、微生物の死滅を防止するには、循環水にアルカリ系の中和剤を投与する必要がある。この中和剤を投与しない場合には、貯水部の水を循環させないか、あるいは貯水部からオーバーフローさせる必要があるため、水道使用量が増加するという問題が新たに発生する。
また、養豚場では密閉縦型発酵装置と呼ばれる糞処理設備が普及しているが、本設備からは2000-3000ppm-NH以上の極めて高濃度の悪臭が発生する。かつこの排ガスは温度が50℃-70℃程度と高温である。この糞処理設備の脱臭には従来、水スクラバー(洗浄脱臭)が用いられているが、水の使用量が設備1台当たり100トン/日を超え、環境負荷が非常に大きい。
仮に、こうした高濃度の悪臭の処理に生物脱臭を採用しようとした場合、従来の生物脱臭では、400ppm-NH以上のアンモニアを流すと菌が不活化するため、事前に濃度を薄める必要があった。また、密閉縦型発酵装置の排ガスは温度が60℃程度と高く、やはり菌の反応温度帯(40℃以下)を超えるため、この温度も下げる必要があった。例えば、3000ppm-NHの悪臭の場合、ガス濃度を400ppmにするためには7.5倍に希釈する必要があり、ガス流量が大幅に増えるため、脱臭設備が大型化、高額化するという問題がある。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、微生物脱臭装置内を流れる水によって微生物に悪影響を与えるのを防止し、脱臭を継続することができ、水の使用量を低減させた脱臭処理システムを提供することを課題としている。
かかる課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、微生物保持担体を収容する脱臭槽を備え、該脱臭槽に各種施設で発生した悪臭を含む空気を、排気管を通して送り込んで、該空気の含有する臭い成分を前記微生物保持担体の微生物によって分解脱臭して外部に放出する微生物脱臭装置と、前記各種施設に汚水配管を介して直接接続され、前記各種施設で発生した汚水を前記汚水配管から流入させて浄化処理し、その処理水を下流側に設けられた処理水配管を介して外部に排出する汚水処理設備と、前記処理水配管から分岐されたバイパス配管を前記微生物脱臭装置の上部側に接続し、前記バイパス配管を通して前記処理水の一部を前記微生物脱臭装置に導いて前記微生物保持担体の微生物に散水し、前記微生物脱臭装置の下部側に戻り配管の一端が接続されるとともに、該戻り配管の他端が前記汚水配管に接続され、前記微生物に散水して前記微生物脱臭装置内を通過した水を前記戻り配管を通して前記汚水処理設備の前記汚水配管に戻し、該戻された水と該汚水配管を流れる汚水とを前記汚水処理設備にて浄化処理させて該浄化処理させた処理水の一部を、前記バイパス配管を通して前記微生物脱臭装置に導いて前記微生物保持担体の微生物に散水する工程を繰り返すように構成した散水部と、を備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加え、前記脱臭槽に前記空気が一方側から他方側に通過する空気流路を形成し、前記空気流路において、前記脱臭槽に前記微生物保持担体としての発泡材が充填された脱臭部と、前記脱臭部に近接又は隣接して設けられた、前記空気流路を流れる前記空気の通気抵抗を高める通気抵抗部と、前記脱臭部、及び/又は、前記通気抵抗部に隣接又は近接して設けられた、前記脱臭槽に送り込まれた前記空気を一時的に貯留する部屋としてのチャンバー部とを備え、前記空気流路を流れる前記空気の流通が、前記通気抵抗部によって通気抵抗が高められた結果、前記空気は前記チャンバー部において前記脱臭部の略全面に広がった状態で前記脱臭部に送り込まれるように構成されたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の構成に加え、前記通気抵抗部は、前記空気流路における前記空気の流通方向に面して配設されて前記空気流路の略全面を塞ぐ通気抵抗層として形成されたことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の構成に加え、前記通気抵抗部は、前記通気抵抗層に加え、前記脱臭槽の内周部の壁面から内方に向けて突設された通気抵抗突部を備えたことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項2乃至4の何れか一つに記載の構成に加え、前記チャンバー部は、前記脱臭槽における前記脱臭部の下方に設けられ、前記空気流路は前記脱臭槽の下方から上方に前記空気を流す状態に構成され、前記チャンバー部には、該チャンバー部に前記空気を導入する導入部が設けられると共に、該導入部から流入した前記空気を水平方向に拡散させるための空気流路としての拡散路が形成されたことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の構成に加え、前記拡散路は、複数のU字溝によって形成されたことを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項5又は6に記載の構成に加え、前記チャンバー部の上側には、前記発泡材の前記チャンバー部への落下を防ぐための略メッシュ状の落下防止部材が設けられたことを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項2乃至7の何れか一つに記載の構成に加え、前記発泡材に散水するための水を流通させる散水用配管を備えると共に、前記脱臭槽の下方には、散水された前記水を貯留する貯水槽が設けられ、前記散水用配管は、前記脱臭槽に沿って配設されると共に、前記貯水槽に貯留した水を循環して散水できるように配設されたことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、散水部は、汚水処理設備の処理水の一部を微生物脱臭装置に導いて微生物保持担体の微生物に散水するとともに、散水して微生物脱臭装置内を通過した水を汚水処理設備の汚水配管に戻すように構成したので、微生物脱臭装置内を流れる水を循環させ続けることによって微生物に悪影響を与えるのを防止し、脱臭を継続することができ、水の使用量を低減させることができる。
また、微生物脱臭装置内を流れる水に汚水処理設備の処理水配管に排出された処理水を用いるので、水温が高くなく、微生物脱臭装置内を流れる空気を冷却し、微生物の反応温度帯を維持することから、微生物による分解脱臭機能を十分に発揮させることができる。
請求項2に記載の発明によれば、空気流路を流れる空気の通気抵抗を高める通気抵抗部と、脱臭部、及び/又は、通気抵抗部に隣接又は近接して設けられた、脱臭槽に送り込まれた空気を一時的に貯留する部屋としてのチャンバー部とを備え、空気流路を流れる空気の流通が、通気抵抗部によって通気抵抗が高められた結果、空気はチャンバー部において脱臭部の略全面に対応して広がった状態で脱臭部に送り込まれるように構成されたことにより、脱臭槽に送り込まれた空気がチャンバー部の略全体に拡散した状態で脱臭部に送り込まれることとなり、脱臭部全域の微生物保持担体に臭気を伴う空気が接触しやすくなる。そのため、空気撹拌装置等による脱臭槽内の空気の強制的な撹拌を行わなくても、脱臭部全域において微生物による臭気の分解脱臭が行われ、効率の高い脱臭を行うことができる。これにより、大型の脱臭槽を備えた大規模な装置であっても、製造コストの高騰を抑止しつつ、分解脱臭機能を十分に発揮させることができる。
請求項3に記載の発明によれば、通気抵抗部は、空気流路における空気の流通方向に面して配設されて空気流路の略全面を塞ぐ通気抵抗層として形成されたことにより、空気流路全域にわたって容易な空気の流通が妨げられた結果、脱臭槽に送り込まれた臭気を伴う空気は脱臭部全域に行き渡りやすくなり、また、脱臭槽を流れる空気の流速が抑制されて、脱臭部全域の微生物保持担体に、臭気を伴う空気を長時間接触させることができる。そのため、大型の脱臭槽を備えた大規模な装置であっても、脱臭部全域において微生物による臭気の分解脱臭を効率よく行わせ、一層高い分解脱臭機能を発揮させることができる。
請求項4に記載の発明によれば、通気抵抗部は、通気抵抗層に加え、脱臭槽の内周部の壁面から内方に向けて突設された遮蔽突部を備えたことにより、空気の流通しやすい脱臭槽内部の壁面部近傍の空気の流通を抑止する機能を一層高め、その結果、脱臭槽に送り込まれた臭気を伴う空気は脱臭槽内部に滞留して脱臭槽全域に一層行き渡りやすくなる。これにより、大型の脱臭槽を備えた大規模な装置であっても、製造コストの高騰を抑止しつつ、一層高い分解脱臭機能を発揮させることができる。
請求項5に記載の発明によれば、チャンバー部は、脱臭槽における脱臭部の下方に設けられ、空気流路は脱臭槽の下方から上方に空気を流す状態に構成され、チャンバー部には、チャンバー部に空気を導入する導入部が設けられると共に、導入部から流入した空気を水平方向に拡散させるための空気流路としての拡散路が形成されたことにより、導入部から送り込まれた空気を、チャンバー部において水平方向に拡散させて脱臭部に送り込むことができる。これにより、臭気を伴う空気は脱臭槽全域に一層行き渡りやすくなる。これにより、大型の脱臭槽を備えた大規模な装置であっても、製造コストの高騰を抑止しつつ、一層高い分解脱臭機能を発揮させることができる。
請求項6に記載の発明によれば、拡散路は、複数のU字溝によって形成されたことにより、拡散路を低コストに構築し、かつ、導入部から送り込まれた空気を、チャンバー部において水平方向に拡散させる構造を容易に構築することができる。
請求項7に記載の発明によれば、チャンバー部の上側には、発泡材の前記チャンバー部への落下を防ぐための略メッシュ状の落下防止部材が設けられたことにより、発泡材がチャンバー部に落下してチャンバー部内の空気流路を塞いでしまい、臭気を伴う空気が脱臭槽に行き渡らなくなる事態を簡易な構造で確実に抑止できる。
請求項8に記載の発明によれば、散水された水を貯留する貯水槽を脱臭槽の下方に設け、その水の酸性濃度が低い場合には、脱臭部に散水する水を循環させながら使用することができる。そして、水の酸性濃度が高くなってきた場合には、水を常に循環させずに汚水処理設備で浄化処理した処理水を流入させることもできる。
また、散水用配管は脱臭槽に沿って配設されることにより、散水させる水を流通させる散水用配管は脱臭槽内の微生物の発する熱でおのずと保温されることになる。そのため、微生物脱臭装置を寒冷地で使用する場合においても、散水用配管を流通する水の凍結を簡易かつ確実に抑止することができる。
この実施の形態1に係る脱臭処理システムの全体構成を模式的に示す図である。 図1の微生物脱臭装置の構造を模式的に示す断面図である。 図1の微生物脱臭装置(収容部に収容したもの)を、チャンバー部の位置で切断した状態を模式的に示す断面図である。 図1の微生物脱臭装置(収容部に収容したもの)を、パレット及び落下防止部材の位置で切断した状態を模式的に示す断面図である。 この実施の形態2に係る脱臭処理システムの微生物脱臭装置に用いる流通用筐体部を模式的に示す図である。 この実施の形態3に係る脱臭処理システムの微生物脱臭装置の構造を模式的に示す断面図である。 この実施の形態4に係る脱臭処理システムの微生物脱臭装置の構造を模式的に示す断面図である。
[発明の実施の形態1]
以下、この発明の実施の形態1について図1乃至図4を参照して説明する。
[脱臭処理システムの全体構成]
図1は、この実施の形態1に係る脱臭処理システムの全体構成を模式的に示す図である。
図1に示す通り、脱臭処理システム50は、汚水処理設備60と、微生物脱臭装置1Aと、散水部70とを備える。
各種施設100は、悪臭を含む空気を発生し、その空気が微生物脱臭装置1Aに送り込まれ、この微生物脱臭装置1Aで脱臭されて大気に放出される。また、各種施設100は、汚水を発生し、その汚水が汚水処理設備60に送られ、この汚水処理設備60で浄化処理され処理水として排出される。散水部70は、汚水処理設備60から排出された処理水の一部を微生物脱臭装置1Aに導き、微生物脱臭装置1Aに散水した後、散水して微生物脱臭装置1Aを通過した水を汚水処理設備60に流入側に戻すものである。
各種施設100は、汚水及び悪臭を含む空気を発生する、装置、施設、設備等である。具体的には、例えば、各種施設100は、汚水及び高濃度の悪臭を発生する畜舎、製紙工場、化学工場、食品工場等の施設であるが、汚水及び悪臭を含む空気を発生する施設であれば、これら以外のどのような施設であってもよい。各種施設100は、汚水及び悪臭を伴う空気を大量に排出する大型の施設や装置であることが想定されるが、これに限定されず、小型の施設や装置であってもよい。
各種施設100は、排気管200を介して微生物脱臭装置1Aに接続されている。この微生物脱臭装置1Aの具体的な構成及び作用については、後述する。
各種施設100は、汚水配管210を介して汚水処理設備60と接続されている。この汚水配管210には、各種施設100によって発生した汚水を汚水処理設備60に供給するための供給用のポンプ310と、開閉用の開閉バルブ410とが設けられている。したがって、開閉バルブ410を開いてポンプ310を駆動することで、各種施設100によって発生した汚水を、汚水配管210を通して汚水処理設備60に流入させることができる。汚水処理設備60には、汚水処理後の処理水を流出させる「流出路」としての処理水配管220が接続されている。
汚水処理設備60は、例えば畜舎、製紙工場、化学工場、食品工場等の各種施設100から排出された、タンパク質、アンモニア等の窒素成分を含む汚水に対する汚水処理として、例えば生物による窒素処理を行い、硝化液循環法及び内生脱硝化法等が用いられる。
上記硝化液循環法においては、まず、処理対象である汚水(原水)中のアンモニア性窒素を硝化細菌により好気条件で亜硝酸性窒素又は硝酸性窒素に転換する。その後、脱硝化細菌により、有機物を還元力として無酸素条件で亜硝酸性窒素又は硝酸性窒素を窒素ガスに還元する。汚水を好気槽(硝化槽)及び無酸素槽(脱硝化槽)にて循環して硝化及び脱硝化を繰り返して行うことにより、汚水が生物処理される。
また、汚水にリンが含まれる場合、リン除去菌によりリンを除去する。リン除去菌は、嫌気条件で汚水中の有機物を細胞内に摂取し、細胞内に蓄積されたリンを汚水に排出する。この状態のリン除去菌を好気条件で露出するとき、細胞内に蓄積された有機物を栄養源として繁殖を行ない、汚水中のリンを過剰摂取し、細胞内に再度に蓄積することにより、汚水中のリンが除去される。
また、汚水処理設備60は、微生物脱臭装置1A内の脱臭部(後述)を散水して貯水槽に滴下した水が戻り配管240を経て汚水配管210の汚水と合流し、その水が酸性水の場合には、例えばアルカリ水等を用いて中和する。
なお、汚水処理設備60では、例えば硝化液循環法を用いて汚水を処理した例と、微生物脱臭装置1Aから排出された酸性水を処理する例について説明したが、汚水及び酸性水等を処理可能な設備であれば、いかなる設備であってもよい。
なお、排気管200、汚水配管210、及び処理水配管220は、耐圧性、耐腐食性を有する材質、例えば金属や塩化ビニール等の材質で形成され、内部に空気又は水を通過させることができるパイプ、チューブ、ホース等である。
[微生物脱臭装置の構成]
図1に示す通り、この実施の形態1の脱臭処理システムの微生物脱臭装置1Aは、排気管200の途中に各種施設100側から微生物脱臭装置1A側に空気を強制的に送気する送風機300と、排気管200を開閉するバルブ400が設けられている。
図1乃至図4に示す、微生物脱臭装置1Aは、大型の装置、例えば縦・横10メートル、高さ3メートル程度の大きさの略直方体の装置として形成される。ただし、内部に「微生物保持担体」としての発泡材17(後述)を保持して空気を脱臭できるものであれば、微生物脱臭装置1Aの大きさや形状はどのようなものでもよい。
図3及び図4に示す通り、この微生物脱臭装置1Aは、箱形の収容部500に収容されて使用されることが考えられる。この収容部500には、微生物脱臭装置1Aを駆動させるための電動機や電気ケーブルや各種配線や各種配管等が収容される。
図1に示す、この実施の形態1の脱臭処理システムの微生物脱臭装置1Aは、略直方体の脱臭槽1を備える。脱臭槽1は、内部に発泡材17(後述)等を保持できて、耐圧性と耐腐食性の高い材質、例えば金属、硬質の樹脂、鉄筋コンクリート等によって形成される。
図1に示す通り、脱臭槽1は、下方から順に、貯水槽2、チャンバー部3、「通気抵抗部」としての通気抵抗層4、脱臭部5が設けられている。
貯水槽2は、周囲が密閉された容器状に形成されている。貯水槽2の内部には、ポンプ330が設置され、このポンプ330は戻り配管240に接続されている。ポンプ330を駆動することで、貯水槽2内の水を戻り配管240と、汚水配管210を通して汚水処理設備60に流入させる。
この場合、貯水槽2内からオーバーフローした水を戻り配管240と、汚水配管210を通して汚水処理設備60に流入させるようにしてもよい。また、貯水槽2を設けずに、脱臭部5、通気抵抗層4、及びチャンバー部3を通過した水を戻り配管240に直接排出するようにしてもよい。
チャンバー部3は、隔壁9を介して貯水槽2の上側に、内部が中空の部屋として形成されており、脱臭槽1に送り込まれた空気を一時的に貯留する機能を奏する。
図2に示す通り、チャンバー部3の一部には、チャンバー部3に空気を導入する「導入部」としての挿通孔10が貫通するように形成され、この挿通孔10には、チャンバー部3に臭気を含んだ空気を流入させるための排気管200が挿通されている。
また、図3に示す通り、チャンバー部3の内部には、コンクリートや硬質の樹脂等、剛性と耐腐食性の高い材質によって形成されたU字溝11が複数配設されて、流通路12を形成している。流通路12は、排気管200に近い箇所では、排気管200からチャンバー部3に流入した空気を水平方向(図3の平面方向)に拡散する拡散路13を構成している。
具体的には、例えば、図3に示すように、拡散路13において、第1行U字溝11a,11aの開口部11e,11eと第2行U字溝11b,11bの開口部11e,11eとが水平方向にずれた状態で(図3において上下方向にずれた状態で)配設されている。同様に、第2行U字溝11b,11bの開口部11e,11eと第3行U字溝11c,11cの開口部11e,11eと、及び、第3行U字溝11c,11cの開口部11e,11eと第4行U字溝11d,11dの開口部11e,11eとも、水平方向にずれた状態で配設されている。これにより、拡散路13を流通する空気は、図3の矢印で示すように流れることで、水平方向に拡散しながらチャンバー部3の内部を流れる。ただし、拡散路13におけるU字溝11の配置は図3の示すもの以外でもよい。また、拡散路13は、U字溝11以外の材質で構成してもよい。
図2に示す通り、チャンバー部3の上側には、隔壁3aが設けられている。この隔壁3aには、通気孔部3bが開口して形成されている。隔壁3aの上方には、脱臭槽1の内壁から内方に向けて設置突部14が突設され、図4に示す通り、設置突部14の上側にはパレット15が配置されている。このパレット15は、剛性と耐腐食性の高い材質、例えば硬質の樹脂等で形成された、空気を流通させる升目状の間隙部15aが複数設けられている。
図4に示す通り、パレット15の上側には、落下防止部材16が敷設されている。この落下防止部材16は、柔軟性があり耐腐食性の高い材質、例えば軟質の樹脂等によって略メッシュ状に形成されている。落下防止部材16の網目の大きさは、空気を流通させつつ、大半の発泡材17がチャンバー部3内に落下しないように保持できる程度、例えば直径2ミリメートル程度の大きさに形成される。ただし、落下防止部材16の網目は、大半の発泡材17がチャンバー部3に落下しない程度の大きさであればどのような大きさであってもよい。なお、図4は、図示の簡略化のため、パレット15の一部のみの上側に落下防止部材16が配設された状態を示しているが、実際には落下防止部材16はパレット15の上側全域を覆うように設けられている。
パレット15及び落下防止部材16が配設されることにより、排気管200からチャンバー部3に流入した空気を上方の通気抵抗層4や脱臭部5に流しつつ、発泡材17がチャンバー部3に落下することを防止することができる。
パレット15及び落下防止部材16の上方には、通気抵抗層4が配設されている。この通気抵抗層4は、発泡材17が配設された状態の脱臭部5よりも通気抵抗の高い材質、例えば岩綿4aが、水平方向略全域にわたって所定の厚さ(例えば数センチメートルから数十センチメートル程度の厚さ)の、チャンバー部3側から見て脱臭部5の略全面を塞ぐ層として形成されている。
なお、通気抵抗層4は、通気抵抗の高い材質や物質(例えば不織布や不織布状の物質等)であれば、岩綿4a以外のどのような材質や物質で形成されていてもよい。また、この実施の形態1では、通気抵抗層4は水平方向略全域に配設したが、通気抵抗が高く、脱臭部5に流入する空気の流速を低下させることのできれば、どのような位置やどのような形状に配設されていてもよい。例えば、通気抵抗層4は水平方向の一部、例えば平面視略中央部のみや平面視周縁部のみや平面視で排気管200が配設された側のみに配設されていてもよいし、脱臭部5の上側に通気抵抗層4が設けられていてもよい。
図1及び図2に示す通り、この実施の形態1では、通気抵抗層4に岩綿4aと、脱臭部5を構成する発泡材17とが混在する状態に構成されている。これは、岩綿4aのみで形成した通気抵抗層4が経年変化して通気抵抗が大きくなり過ぎることを抑止するためである。しかし、通気抵抗層4には、発泡材17が混在しない態様に構成されていてもよい。
図1及び図2に示す通り、通気抵抗層4の上方には、通気抵抗層4に接して、脱臭部5が設けられている。脱臭部5には、発泡材17が多数充填されて、所定の厚さ(例えば1メートル~3メートル程度の厚さ。ただし、これより厚くても薄くてもよい。)の層状に形成されている。なお、図1及び図2は、記載の簡略化のため、脱臭部5の一部のみに発泡材17を示しているが、実際は、発泡材17は脱臭部5の略全域に充填される。
脱臭部5を構成する個々の発泡材17は、例えば直径5ミリメートル~数十ミリメートル程度の大きさの多孔質のポーラスである。発泡材17の個々の孔部(図示せず)の口径は約数マイクロメートル~約数十マイクロメートル程度である。発泡材17の個々の孔部(図示せず)には、脱臭効果のある微生物(悪臭の元となる化学物質(例えばアンモニアや硫化水素等)を生分解する微生物(例えば、アンモニアを分解する硝化菌や亜硝化菌、硫化水素を分解する硫黄細菌等)が多数生息できるようになっている。
なお、この実施の形態の発泡材17は、例えば、ガラス瓶を主原料としたリサイクルガラスを焼成して発泡させ、1グラムあたりの表面積が約80平方メートル程度、に形成されている。これにより、低コストで、少ない容積に大量の微生物を生息させて高い脱臭効果を得られる発泡材17を形成できる。また、発泡材17は、通気抵抗の少ない構成となっている。これにより、送風機300の送気抵抗が過大になるのを抑止し、送風機300を駆動させる電気代を削減できる効果を奏する。
この実施の形態の発泡材17は、上述の通り、リサイクルガラスの焼成により形成する。発泡材17をこのように構成することで、発泡材をコンクリートで形成した場合(上記[特許文献1]参照)のように、アンモニアや硫化水素等のガスに対する腐食性によって経年劣化が生ずる可能性を抑止したり、あるいは発泡材を木チップのような有機物で形成した場合のように、微生物分解による経年劣化が生ずる可能性を抑止することができる。
なお、発泡材17は、価格が安く、表面積の大きい材料で形成されることが望ましいが、発泡材17としての機能を果たす部材であれば、どのような部材(例えば、木材やセラミック等)で形成されていてもよい。
脱臭部5に位置して、脱臭槽1の内壁には、「通気抵抗部」としての通気抵抗突部18が突設されている。この通気抵抗突部18は、脱臭槽1の内部において、空気の流量が多くなりがちな、脱臭槽1の内壁の略全域に設けられている。ただし、通気抵抗突部18は、脱臭槽1を下方から上方に向かって流れる空気の流速を低下させるものであれば、どのような位置にどのような態様で設けられていてもよい。例えば、通気抵抗突部18が、平面視において、排気管200の設けられた位置近傍のみに設けられていてもよい。
脱臭槽1の脱臭部5の上方には、開口部19が開口形成されている。そして、脱臭槽1の内部は、空気が「一方側」としての下側(チャンバー部3)から「他方側」としての上側(開口部19)に通過する空気流路20を形成している。すなわち、脱臭槽1の内部の空気流路20においては、図1に矢印で示すように、空気が下側から上側に通過する。ただし、空気流路20の「一方側」と「他方側」はどのような位置であってもよい。例えば、「一方側」が脱臭槽1の上方で、「他方側」が脱臭槽1の下方であってもよいし、「一方側」が脱臭槽1の一側面で、「他方側」が脱臭槽1の他側面であってもよい。
[散水部の構成]
散水部70は、一端が処理水配管220に接続されたバイパス配管230と、このバイパス配管230の他端に取り付けられた散水部22と、貯水槽2内に設置されたポンプ330と、一端がポンプ330に接続され他端が汚水配管210に接続された戻り配管240とを備える。
バイパス配管230には、汚水処理設備60にて処理された処理水を微生物脱臭装置1Aに供給するための供給用のポンプ320と、開閉用の開閉バルブ420とが設けられている。
散水部22は、脱臭槽1内において脱臭部5の上方に設置されている。散水部22は、噴霧器として構成され、脱臭部5の上方からバイパス配管230を流通した水を霧状にして脱臭部5に滴下させる。ただし、散水部22は、脱臭部5に水を滴下させるものであれば、どのような態様でもよく、例えば散水部22をバイパス配管230の他端に開口された一又は複数の小さい穴部として形成したものでもよい。
戻り配管240には、開閉用の開閉バルブ430が設けられている。戻り配管240は、ポンプ330を駆動することで、微生物脱臭装置1A内の脱臭部5を散水して貯水槽2に滴下した水を汚水処理設備60に流入させることができる。
[微生物脱臭装置の使用態様]
次に、この実施の形態1の脱臭処理システムの微生物脱臭装置1Aの使用態様について説明する。
この実施の形態1においては、各種施設100において発生した悪臭を含む空気は、上述したようにバルブ400を開くと、送風機300の送気により、排気管200を経て微生物脱臭装置1Aのチャンバー部3に送り込まれる。
チャンバー部3の上側には、図2に示す通り通気孔部3bが開口形成された隔壁3aを介して通気抵抗層4が存在し、この通気抵抗層4の通気抵抗の高さによってチャンバー部3に流入した空気がただちに上側に流動することが阻害されるので、チャンバー部3に流入した空気は、図3に示す拡散路13を含むU字溝11の流通路12を通り、チャンバー部3内を水平方向に拡散する。
そして、チャンバー部3の全域に拡散した空気は、通気孔部3bを通過して上方に流動する。このとき、通気抵抗層4の通気抵抗が高いので、通気抵抗層4において空気の流動が抑止され、空気の上方への流動速度が遅くなる。これにより、空気はゆっくりと上方に流動し、通気抵抗層4を通過して脱臭部5に到達し、その後も脱臭部5においてゆっくりと上方に流動する。そのため、空気の脱臭部5への滞在時間が長くなり、高い脱臭効果が奏される。
脱臭部5に到達した空気は、発泡材17に接触すると、空気に含まれる悪臭成分が発泡材17の内部に定着し生息する微生物によって分解され、悪臭成分が除去される。ここで、排気管200からチャンバー部3に流入した空気は、チャンバー部3において水平方向略全域にわたって拡散して上方に流動し、脱臭部5に到達するので、空気は脱臭部5の水平方向略全域で発泡材17に接触する。すなわち、脱臭部5において、空気は多くの発泡材17と接触し、高い脱臭効果を奏することができる。
さらに、脱臭部5においては、通気抵抗突部18が、空気が流れ易い脱臭槽1の内壁略全域の空気の流動を阻害するので、脱臭槽1の内壁付近で空気の流速が速くなって脱臭効果が低下する事態を抑止する。これにより、脱臭部5の略全域において、ゆっくりと空気を流動させ、高い脱臭効果を奏させることができる。
そして、脱臭部5を通過し、発泡材17の微生物によって悪臭成分が分解・脱臭された空気は、脱臭槽1の上方の開口部19から外部に放出される。このようにして、この実施の形態1の微生物脱臭装置1Aは、悪臭を含む空気の悪臭成分を除去し、脱臭した空気を外部に放出する。
一方、バイパス配管230に流入した処理水の一部は、散水部22から脱臭槽1の内部に散水される。この散水された水は、脱臭槽1の内部に滴下されて、脱臭部5や通気抵抗層4の発泡材17に生息する微生物の成育に用いられる。
また、脱臭部5や通気抵抗層4からさらに滴下した水は、チャンバー部3に滴下し、さらにチャンバー部3から貯水槽2に滴下して貯水槽2に貯留される。なお、散水部22から脱臭槽1の内部に散水される水の量や散水の頻度は、気温等に応じて変化させることが、発泡材17に定着して生息する微生物の生育と活動を促進させる上で望ましい。例えば、気温の高い夏季は、散水部22から脱臭槽1の内部への散水の回数や1回毎の散水量を多くすることが望ましい。
[作用効果]
以上、この実施の形態1の脱臭処理システム50の微生物脱臭装置1Aにおいては、空気流路20を流れる空気の通気抵抗を高める通気抵抗層4と、脱臭部5、及び/又は、通気抵抗層4に隣接又は近接して設けられた、脱臭槽1に送り込まれた空気を一時的に貯留する部屋としてのチャンバー部3とを備え、空気流路20を流れる空気の流通が、通気抵抗層4によって通気抵抗が高められた結果、空気はチャンバー部3において脱臭部5の略全面に対応して広がった状態で脱臭部5に送り込まれるように構成されたことにより、脱臭槽1に送り込まれた空気がチャンバー部3の略全体に拡散した状態で脱臭部5に送り込まれることとなり、脱臭部5全域の発泡材17に臭気を伴う空気が接触しやすくなる。そのため、空気撹拌装置等による脱臭槽1内の空気の強制的な撹拌を行わなくても、脱臭部5全域において微生物による臭気の分解脱臭が行われ、効率の高い脱臭を行うことができる。これにより、大型の脱臭槽1を備えた大規模な装置であっても、製造コストの高騰を抑止しつつ、分解脱臭機能を十分に発揮させることができる。
この実施の形態1の脱臭処理システム50の微生物脱臭装置1Aにおいては、通気抵抗層4は、空気流路20における空気の流通方向に面して配設されて空気流路20の略全面を塞ぐ通気抵抗層として形成されたことにより、空気流路全域にわたって容易な空気の流通が妨げられた結果、脱臭槽1に送り込まれた臭気を伴う空気は脱臭部5全域に行き渡りやすくなり、また、脱臭槽1を流れる空気の流速が抑制されて、脱臭部5全域の発泡材17に、臭気を伴う空気を長時間接触させることができる。そのため、大型の脱臭槽1を備えた大規模な装置であっても、脱臭部5全域において微生物による臭気の分解脱臭を効率よく行わせることができる。
なお、この実施の形態1の脱臭処理システム50の微生物脱臭装置1Aにおいては、通気抵抗層4を不織布状の材質によって形成することにより、悪臭に混じった粉塵が脱臭部5に流入し、脱臭部5に配設された発泡材17の細孔を閉塞することを防ぐこともできる。
この実施の形態1の脱臭処理システム50の微生物脱臭装置1Aにおいては、通気抵抗層4は、通気抵抗層4に加え、脱臭槽1の内周部の壁面から内方に向けて突設された通気抵抗突部18を備えたことにより、空気の流通しやすい脱臭槽1内部の壁面部近傍の空気の流通を抑止する機能を一層高め、その結果、脱臭槽1に送り込まれた臭気を伴う空気は脱臭槽1内部に滞留して脱臭槽1全域に一層行き渡りやすくなる。これにより、大型の脱臭槽1を備えた大規模な装置であっても、製造コストの高騰を抑止しつつ、一層高い分解脱臭機能を発揮させることができる。
この実施の形態1の脱臭処理システム50の微生物脱臭装置1Aにおいては、チャンバー部3は、脱臭槽1における脱臭部5の下方に設けられ、空気流路20は脱臭槽1の下方から上方に空気を流す状態に構成され、チャンバー部3には、チャンバー部3に空気を導入する挿通孔10が設けられると共に、挿通孔10から流入した空気を水平方向に拡散させるための流通路12としての拡散路13が形成されたことにより、挿通孔10から送り込まれた空気を、チャンバー部3において水平方向に拡散させて脱臭部5に送り込むことができる。これにより、臭気を伴う空気は脱臭槽1全域に一層行き渡りやすくなる。これにより、大型の脱臭槽1を備えた大規模な装置であっても、製造コストの高騰を抑止しつつ、一層高い分解脱臭機能を発揮させることができる。
この実施の形態1の脱臭処理システム50の微生物脱臭装置1Aにおいては、拡散路13は、複数のU字溝11によって形成されたことにより、拡散路13を低コストに構築し、かつ、挿通孔10から送り込まれた空気を、チャンバー部3において水平方向に拡散させる構造を容易に構築することができる。
この実施の形態の脱臭処理システム50の微生物脱臭装置1Aにおいては、チャンバー部3の上側には、発泡材17のチャンバー部3への落下を防ぐための略メッシュ状の落下防止部材16が設けられたことにより、発泡材17がチャンバー部3に落下してチャンバー部3内の空気流路20を塞いでしまい、臭気を伴う空気が脱臭槽1に行き渡らなくなる事態を簡易な構造で確実に抑止できる。
[散水部の使用態様]
各種施設100において発生した汚水は、開閉バルブ410を開いてポンプ310を駆動することで、汚水配管210を通して汚水処理設備60に送り込まれる。
汚水処理設備60に送り込まれた汚水は、浄化処理され、処理水として処理水配管220から排出される。この処理水は、開閉バルブ420を開いてポンプ320を駆動することで、その処理水の一部がバイパス配管230を通して散水部22から霧状にして、脱臭部5の上側から脱臭部5に滴下させる。脱臭部5に滴下された水は、脱臭部5や通気抵抗層17に生息する微生物の生育と活動の促進に用いられる。
脱臭部5や通気抵抗層4からさらに滴下した水は、チャンバー部3に滴下し、さらにチャンバー部3から貯水槽2に滴下して貯水槽2に貯留される。貯水槽2に貯留した水は、開閉バルブ430を開いてポンプ330を駆動することで、戻り配管240を経て汚水配管210内を流通する汚水と合流して汚水処理設備60に流入する。
ここで、微生物脱臭装置1A内に送り込まれた臭い成分が硫化水素や硫化メチル等の高濃度の硫化系臭気場合には、主に硫黄細菌を微生物に定着して脱臭するようにしていることから、微生物が硫黄化合物を分解して硫酸を発生させる。そのため、上記特許文献1に記載された循環水方式を採用すると、水を循環する度に循環水中の硫酸濃度が高まり、その循環水の水素イオン濃度がpH=1付近まで低下し、微生物が生息することができなくなる。
この実施の形態では、散水部70によって、汚水処理設備60の処理水を微生物脱臭装置1Aに導いて微生物保持担体の微生物に散水するとともに、散水して微生物脱臭装置1A内を通過した水を汚水処理設備60の流入路側に戻すように構成したので、微生物脱臭装置1A内を流れる水を循環させ続けるによって微生物に悪影響を与えるのを防止することができる。
[作用効果]
以上、この実施の形態1の脱臭処理システムにおいは、散水部70は、汚水処理設備60の処理水を微生物脱臭装置1Aに導いて微生物保持担体の微生物に散水するとともに、散水して微生物脱臭装置1A内を通過した水を汚水処理設備60の流入路側に戻すように構成したので、微生物脱臭装置1A内を流れる水を循環させ続けるによって微生物に悪影響を与えるのを防止し、脱臭を継続することができ、水の使用量を低減させることができる。
また、微生物脱臭装置1A内を流れる水に汚水処理設備60の処理水配管220に排出された処理水を用いるので、水温が高くなく、微生物脱臭装置1A内を流れる空気を冷却し、微生物の反応温度帯を維持することから、微生物による分解脱臭機能を十分に発揮させることができる。
[発明の実施の形態2]
図5は、この実施の形態2の脱臭処理システム50の微生物脱臭装置1Bの一部の構成を模式的に示す図(一部の部品を模式的に示す図)である。
この実施の形態2においては、この実施の形態1の脱臭処理システム50の微生物脱臭装置1Aの隔壁3aと設置突部14とパレット15とに替えて、チャンバー部3の内部に、図5に模式的に示すような流通用筐体部24が配設された構成を有する。
この流通用筐体部24は、この実施の形態1の脱臭処理システム50の微生物脱臭装置1Aのチャンバー部3とパレット15との機能を併有する。すなわち、流通用筐体部24は、排気管200からチャンバー部3に流入した空気を水平方向に拡散させる機能、及び、チャンバー部3と通気抵抗層4や脱臭部5とを通気させつつ発泡材17が下方に落下するのを防止する機能を有する。
流通用筐体部24は、特定の形状を維持できる材質、例えば硬質の樹脂による成形品等により、略箱形に形成されている。ただし、流通用筐体部24は、特定の形状を維持できるものであれば、樹脂以外の材質、例えば木材や厚紙等、どのような材質で形成されていてもよい。
図5に示す、この実施の形態の流通用筐体部24は、縦方向大きさL、横方向大きさW、高さHが、チャンバー部3の内部の縦方向大きさL、横方向大きさW、高さHと略同一となり、チャンバー部3の内部にほぼ隙間なく収容されるように形成されている。図5に示す通り、流通用筐体部24には、チャンバー部3の挿通孔10に対応する位置に挿通孔部10aが形成されている。流通用筐体部24の上側は網目状の開口部10bが多数形成されている。開口部10bは、大半の発泡材17が落下しない程度の大きさに開口されている。
図5に図示しないが、流通用筐体部24の内部には、樹脂成形等により、この実施の形態1のチャンバー部3の拡散路13を含む流通路12(図3参照)と同様の流通路(図示せず)が形成され、この流通路(図示せず)によって、排気管200からチャンバー部3に流入した空気は水平方向に拡散する。
上記以外の微生物脱臭装置1Bの構成は、この実施の形態1の微生物脱臭装置1Aと同じであるので、その説明を省略する。
この実施の形態2においては、チャンバー部3の内部に、樹脂等で形成された流通用筐体部24を設け、この流通用筐体部24の内部の流通路(図示せず)によって、排気管200からチャンバー部3に流入した空気を水平方向に拡散させることにより、挿通孔10aから送り込まれた空気を、チャンバー部3において水平方向に拡散させて脱臭部5に送り込む構成と、チャンバー部3と通気抵抗層4や脱臭部5とを通気させつつ発泡材17が落下するのを防止する構成とを、軽量かつ剛性が高い状態に、しかも低コストにおいて形成できる。
[発明の実施の形態3]
図6は、この実施の形態3の脱臭処理システム50の微生物脱臭装置1Cの構造を模式的に示す図である。
この実施の形態3においては、脱臭部5、及び通気抵抗層4における空気流路20が、図6に模式的に示すようなラビリンス形状(つづら折り形状)となるように形成されている。
具体的には、この実施の形態3の脱臭部5、及び通気抵抗層4には、側面視の状態で、下方から上方に突設された下方突部25aと上方から下方に突設された上方突部25bとが、水平方向に向けて交互に配設されている。図6に示す通り、この実施の形態3において、下方突部25aは隔壁3aから上方に向けて突設されている。また、脱臭槽1の上方の一側側から他側側にかけて板状の天井部19aが設けられ、開口部19は、天井部19aよりも脱臭槽1の他側側に開口形成されている。
この実施の形態3においては、この実施の形態1の散水部22に替えて、下方突部25aと上方突部25bとの間隙ごとに複数例えば5個の散水部22a,22b,22c,22d,22eが設けられている。ただし、散水部22a,22b,22c,22d,22eの数は下方突部25aと上方突部25bとの間隙の数に必ずしも一致する必要はなく、脱臭部5及び通気抵抗層4に配設された発泡材17の微生物を生息させるために十分な散水ができる位置や個数が設けられていれば、散水部22a,22b,22c,22d,22eの配設位置や配設個数はどのようなものであってもよい。
上記以外の微生物脱臭装置1Cの構成は、この実施の形態1の脱臭処理システムの微生物脱臭装置1Aと同じであるので、その説明を省略する。
この実施の形態3においては、チャンバー部3を経て通気孔部3bから通気抵抗層4及び脱臭部5に流入した空気は、形成された空気流路20に沿って、図6に矢印で示す経路に沿って通気抵抗層4及び脱臭部5を流れる。具体的には、通気孔部3bから通気抵抗層4及び脱臭部5に流入した空気は、下から上へ、上から下へと上下方向に進路を変えながら一側側から他側側(図6における右側から左側)へと進行し、開口部19から外部に放出される。
この実施の形態3の脱臭処理システムの微生物脱臭装置1Cは、下方突部25aと上方突部25bと、及び、隔壁3aと天井部19aとによって、通気抵抗層4及び脱臭部5の空気流路20をラビリンス状に形成したことにより、この実施の形態1のように下方突部25aと上方突部25bと、及び、隔壁3aと天井部19aとを設けない構成に比べて通気抵抗層4及び脱臭部5における空気の移動距離が長くなる。そのため、通気抵抗層4及び脱臭部5において、発泡材17(及び発泡材17に生息する微生物)に接触する空気の量が増大する。そのため、通気抵抗層4及び脱臭部5において、より高い脱臭効果を得ることができる。
この実施の形態3においては、下方突部25aと上方突部25bとの間隙ごとに配設された22a,22b,22c,22d,22eによって脱臭部5及び通気抵抗層4に散水されることにより、下方突部25aと上方突部25bによって散水が妨げられることなく、脱臭部5及び通気抵抗層4の発泡材17に散水し、発泡材17の微生物の成育を維持させることができる
なお、この実施の形態3においては、下方突部25aを通気抵抗層4の下方の隔壁3aから上方に向けて突設し、通気抵抗層4及び脱臭部5の空気流路20をラビリンス形状としたが、これに限定されず、例えば、下方突部25aを脱臭槽1の脱臭部5の位置の側方壁面から突設させて、脱臭部5の空気流路20のみをラビリンス形状とするような構成とすることもできる。
[発明の実施の形態4]
図7は、この実施の形態4の脱臭処理システム50の微生物脱臭装置1Dの構造を模式的に示す図である。
この実施の形態4の脱臭槽1には、散水用配管7が設けられている。この散水用配管7は、脱臭槽1の壁面、特に、脱臭槽1の脱臭部5に沿って配設されている。具体的には、貯水槽2には、一部に配管挿通孔6が開口形成され、配管挿通孔6には貯水槽2に貯留された水を流通させるための散水用配管7が挿通されている。
この散水用配管7は、一端側が貯水槽2に配設され、他端側が脱臭槽1の上方に配設されたバイパス配管230に接続されている。また、図7に示す通り、散水用配管7の一部には、ポンプ21が設けられている。このポンプ21は、電動機(図示せず)によって駆動し、貯水槽2の内部に貯留された水を散水用配管7に吸引し、散水用配管7の下方から上方に流動させる機能を奏する。そして、バイパス配管230の他端側には、散水部22が設けられている。
この散水部22は噴霧器として形成され、脱臭部5の上側から散水用配管7を流通した水及びバイパス配管230を流通する処理水を霧状にして脱臭部5に滴下させる。ただし、散水部22は脱臭部5に水を滴下させ得る構成ならば、どのような態様でもよい。
また、散水用配管7には、網状のストレーナー23が設けられている。このストレーナー23は、散水用配管7の内部を水と一緒に流れる微細な発泡材17を濾過し、除去して回収するための機能を奏する。
貯水槽2の内部には、マイクロバブル発生装置8が設けられている。このマイクロバブル発生装置8は、貯水槽2の内部の水に微細な気泡を発生させ、気泡を含有する水を散水用配管7に流入させる。
散水用配管7に流入した水は、下方から上方へ流動し、貯水槽2内を循環するか、あるいはバイパス配管230を流通する処理水と一部が合流するかして散水部22から脱臭槽1の内部に散水される。散水された水は、脱臭槽1の内部に滴下されて、脱臭部5や通気抵抗層4の発泡材17に生息する微生物の成育に用いられる。
脱臭槽1の内部に散水される水は、貯水槽2の内部でマイクロバブル発生装置8が発生した微細な気泡を含む、空気含有量の多い水であるため、発泡材17の内部や、貯水槽2に貯留された水の中で生息する微生物の成育と活動を促進させることができる。
また、脱臭部5や通気抵抗層4からさらに滴下した水は、チャンバー部3に滴下し、さらにチャンバー部3から貯水槽2に滴下して貯水槽2に再度貯留される。このように、微生物脱臭装置1Dにおいては、水を循環して使用することが可能である。
ここで、発泡材17に生息する微生物は活動時に熱を発するため、発泡材17の配設された脱臭部5や通気抵抗層4は発熱した状態となる。そして、散水用配管7は、脱臭槽1の壁面に沿って配設されているので、散水用配管7の内部を流れる水は、脱臭部5や通気抵抗層4から発せられる熱で暖められる。そのため、微生物脱臭装置1Dを寒冷地で使用するような場合であっても、散水用配管7の内部を流通する水の凍結を抑止できる。
また、脱臭部5や通気抵抗層4に存在する微細な発泡材17は、水の滴下とともに貯水槽2に落下して貯水槽2に沈殿する。この貯水槽2に沈殿した微細な発泡材17は、散水用配管7に設けられたストレーナー23に濾過されて除去されて、回収される。
この実施の形態4の脱臭処理システム50の微生物脱臭装置1Dにおいては、散水された水を貯留する貯水槽2を脱臭槽1の下方に設け、その水の酸性濃度が低い場合には、脱臭部5に散水する水を循環させながら使用することができる。そして、水の酸性濃度が高くなってきた場合には、水を常に循環させずに汚水処理設備60で浄化処理した処理水を流入させ、酸性濃度を希釈することもできる。
具体的には、散水された貯水槽2内の水のpH値をpHセンサで常時測定し、このpHセンサのpH値があらかじめ設定された閾値より低下した場合に、ポンプ320,330及び開閉バルブ420,430の駆動を制御することで、汚水処理設備60で浄化処理した処理水を流入させてpH値を中性付近に維持することが可能となる。そして、これらの制御を遠隔かつ自動で操作するためには、ポンプ320,330及び開閉バルブ420,430を遠隔操作可能なものを用いることが望ましい。
また、この実施の形態4の脱臭処理システム50の微生物脱臭装置1Dにおいては、散水用配管7は脱臭槽1に沿って配設されることにより、散水させる水を流通させる散水用配管7は脱臭槽1内の微生物の発する熱でおのずと保温されることになる。そのため、微生物脱臭装置1Dを寒冷地で使用する場合においても、散水用配管7を流通する水の凍結を簡易かつ確実に抑止することができる。
また、散水用配管7は脱臭槽1に沿って配設されることにより、散水させる水を流通させる散水用配管7は脱臭槽1内の微生物の発する熱でおのずと保温されることになる。そのため、微生物脱臭装置1Dを寒冷地で使用する場合においても、散水用配管7を流通する水の凍結を簡易かつ確実に抑止することができる。
[その他の実施の形態]
以上説明した実施の形態1乃至4は本発明の一例であり、本発明が本実施の形態1乃至4のみに限定されるものではないことは、いうまでもない。
各実施の形態の脱臭処理システム50において、高濃度かつ高温アンモニア性ガスを脱臭する場合には、ガラス脱臭方式において、循環水の散水量を従前の量(ガラス材充填量の数%)より大幅に増加することで、脱臭槽1を流れる排ガス温度を冷却し、循環水中のアンモニア濃度の過剰な上昇を抑制することができる。
その際、養豚場には、汚水処理設備としての尿処理設備60が設置されているので、上述した実施の形態と同様に、脱臭用の循環水として尿処理設備60の処理後の水を利用し、かつ循環水のうち一定量を故意に貯水槽2内からオーバーフローさせる。
これにより脱臭槽1内部を流れる排ガスを冷却し、かつ脱臭槽1内を流れる水のアンモニア濃度の過剰な上昇を防ぐことができる。また、循環水を貯水槽2内からオーバーフローさせることで、水温の上昇を防ぐことができる。
このようにして硫化系、高濃度アンモニアのいずれも、微生物脱臭装置1A,1B,1C,1Dと尿処理設備60との給排水量は1日に1~2トン程度であるので、尿処理設備60への環境負荷はほとんどないに等しい。
また、例えば、この実施の形態1の脱臭処理システム50において、汚水処理設備60に排気管の一端が接続され、この排気管の他端が排気管200に接続し、上記排気管の途中には、その排気管に汚水処理設備60の空気を排気管200に強制的に送気する送風機と、上記排気管を開閉するバルブを設け、汚水処理設備60内の臭気を伴う空気を排気管200に供給するようにしてもよい。このように構成することで、汚水処理設備60内から臭気を伴う空気を排出することができる。
また、各実施の形態の脱臭処理システム50において、各種施設100は、汚水及び悪臭を含む空気の双方を発生するものについて説明したが、これに限らず汚水を発生する施設と、悪臭を含む空気を発生する施設が分離して構成されたものについても、適用可能である。
この実施の形態の脱臭処理システム50の微生物脱臭装置1A,1B,1C,1Dは、種々の分野で、悪臭を含む空気の脱臭に用いられる。
例えば、脱臭処理システム50の微生物脱臭装置1A,1B,1C,1Dは、馬、牛、豚、鶏等の家畜の糞から製造する家畜糞堆肥の製造施設において発生する悪臭を含む空気から悪臭を除去するために用いられる。また例えば、微生物脱臭装置1A,1B,1C,1Dは、製紙工場における脱水工程で発生する悪臭(硫化水素等)を除去するために用いられる。また例えば、微生物脱臭装置1A,1B,1C,1Dは、下水汚泥等の有機性廃棄物の処理施設等において、有機性廃棄物から製造する下水堆肥の製造において発生する悪臭を含む空気から悪臭を除去するために用いられる。さらに、微生物脱臭装置1A,1B,1C,1Dは、これらの具体例以外のさまざまな悪臭を発生する施設や装置等の悪臭の除去に用いることができる。
1A,1B,1C,1D 微生物脱臭装置
1 脱臭槽
2 貯水槽
3 チャンバー部
4 通気抵抗層(通気抵抗部)
5 脱臭部
7 散水用配管
10 挿通孔(導入部)
11 U字溝
13 拡散路
16 落下防止部材
17 発泡材
18 通気抵抗突部(通気抵抗部)
19 開口部
20 空気流路
50 脱臭処理システム
60 汚水処理設備、尿処理設備
70 散水部
100 各種施設
200 排気管
210 汚水配管(流入路)
220 処理水配管(流出路)
230 バイパス配管
240 戻り配管
300 送風機
310 ポンプ
320 ポンプ
330 ポンプ
400,410,420,430 開閉バルブ

Claims (8)

  1. 微生物保持担体を収容する脱臭槽を備え、該脱臭槽に各種施設で発生した悪臭を含む空気を、排気管を通して送り込んで、該空気の含有する臭い成分を前記微生物保持担体の微生物によって分解脱臭して外部に放出する微生物脱臭装置と、
    前記各種施設に汚水配管を介して直接接続され、前記各種施設で発生した汚水を前記汚水配管から流入させて浄化処理し、その処理水を下流側に設けられた処理水配管を介して外部に排出する汚水処理設備と、
    前記処理水配管から分岐されたバイパス配管を前記微生物脱臭装置の上部側に接続し、前記バイパス配管を通して前記処理水の一部を前記微生物脱臭装置に導いて前記微生物保持担体の微生物に散水し、前記微生物脱臭装置の下部側に戻り配管の一端が接続されるとともに、該戻り配管の他端が前記汚水配管に接続され、前記微生物に散水して前記微生物脱臭装置内を通過した水を前記戻り配管を通して前記汚水処理設備の前記汚水配管に戻し、該戻された水と該汚水配管を流れる汚水とを前記汚水処理設備にて浄化処理させて該浄化処理させた処理水の一部を、前記バイパス配管を通して前記微生物脱臭装置に導いて前記微生物保持担体の微生物に散水する工程を繰り返すように構成した散水部と、
    を備えることを特徴とする脱臭処理システム。
  2. 前記微生物脱臭装置は、
    前記脱臭槽に前記空気が一方側から他方側に通過する空気流路を形成し、
    前記空気流路において、
    前記脱臭槽に前記微生物保持担体としての発泡材が充填された脱臭部と、
    前記脱臭部に近接又は隣接して設けられた、前記空気流路を流れる前記空気の通気抵抗を高める通気抵抗部と、
    前記脱臭部、及び/又は、前記通気抵抗部に隣接又は近接して設けられた、前記脱臭槽に送り込まれた前記空気を一時的に貯留する部屋としてのチャンバー部とを備え、
    前記空気流路を流れる前記空気の流通が、前記通気抵抗部によって通気抵抗が高められた結果、前記空気は前記チャンバー部において前記脱臭部の略全面に広がった状態で前記脱臭部に送り込まれるように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の脱臭処理システム。
  3. 前記通気抵抗部は、前記空気流路における前記空気の流通方向に面して配設されて前記空気流路の略全面を塞ぐ通気抵抗層として形成されたことを特徴とする請求項2に記載の脱臭処理システム。
  4. 前記通気抵抗部は、前記通気抵抗層に加え、前記脱臭槽の内周部の壁面から内方に向けて突設された通気抵抗突部を備えたことを特徴とする請求項3に記載の脱臭処理システム。
  5. 前記チャンバー部は、前記脱臭槽における前記脱臭部の下方に設けられ、
    前記空気流路は前記脱臭槽の下方から上方に前記空気を流す状態に構成され、
    前記チャンバー部には、該チャンバー部に前記空気を導入する導入部が設けられると共に、該導入部から流入した前記空気を水平方向に拡散させるための空気流路としての拡散路が形成されたことを特徴とする請求項2乃至4の何れか一つに記載の脱臭処理システム。
  6. 前記拡散路は、複数のU字溝によって形成されたことを特徴とする請求項5に記載の脱臭処理システム。
  7. 前記チャンバー部の上側には、前記発泡材の前記チャンバー部への落下を防ぐための略メッシュ状の落下防止部材が設けられたことを特徴とする請求項5又は6に記載の微生物脱臭装置。
  8. 前記発泡材に散水するための水を流通させる散水用配管を備えると共に、
    前記脱臭槽の下方には、散水された前記水を貯留する貯水槽が設けられ、
    前記散水用配管は、前記脱臭槽に沿って配設されると共に、前記貯水槽に貯留した水を循環して散水できるように配設されたことを特徴とする請求項2乃至7の何れか一つに記載の脱臭処理システム。
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