JP2004194756A - 遊技機及びプログラム及び記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】貯留された当選役を放出するにあたって、短期間で大量の利益が得られることへの期待感を遊技者に持たせるとともに、ゲームへの興趣を高める。
【解決手段】通常モードのゲームでチェリーに当選した場合、ARTモード移行抽選を行ってARTモードに移行させるか否かを決定する。ARTモード移行抽選に当選した場合、次回のゲームからARTモードに移行させる。ARTモードのゲームでリプレイが3ゲーム連続して入賞された場合、貯留フラグ放出抽選を行う。ARTモードでは通常モードよりもリプレイの当選確率が高くなるため、貯留されたBBフラグ又はRBフラグが放出されやすくなる。
【選択図】 図4
【解決手段】通常モードのゲームでチェリーに当選した場合、ARTモード移行抽選を行ってARTモードに移行させるか否かを決定する。ARTモード移行抽選に当選した場合、次回のゲームからARTモードに移行させる。ARTモードのゲームでリプレイが3ゲーム連続して入賞された場合、貯留フラグ放出抽選を行う。ARTモードでは通常モードよりもリプレイの当選確率が高くなるため、貯留されたBBフラグ又はRBフラグが放出されやすくなる。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ店などの遊技場に設置して使用される遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本明細書中ではパチスロ機を例に挙げて説明しているため、遊技媒体としてメダルを用いて説明するが、遊技媒体としてはコインやパチンコ玉など他の媒体も含む。また、「メダル(遊技媒体)投入」には、実際にメダル投入口にメダルを投入することの他に、クレジットされたメダルをベットボタンなどによりベットすることを含む。さらに、電子抽選により当選役に当たったことを当選、当選した当選役を構成する当選絵柄を入賞有効ライン上に揃えることが可能な状態を内部入賞、内部入賞した当選役を構成する当選絵柄が入賞有効ライン上に揃えられた状態を入賞とする。
【0003】
パチンコ店などの遊技場に設置して使用されるスロットマシンはパチスロ機と称され、その遊技媒体となっているメダルに一定の価値が与えられて、ゲームを行って獲得したメダルを種々の景品に交換することができる。このため、遊技者はメダルを大量に獲得するということだけを目的とし、ボーナスゲームモードに移行する権利が得やすい台を選択してゲームを行おうとするのが一般である。ボーナスゲームモードには例えばビッグボーナス(以下BB)モードやレギュラーボーナス(RB)モードなどがあり、特にBBモードは、RBモードに所定回数移行されるとともに、RBモードに移行される前に、小役の当選確率が高くなるRB導入モードに移行されるため、短期間で大量のメダルを獲得することができる。
【0004】
短期間で大量のメダルを獲得できる期待を抱かせることは、遊技者をスロットマシンに惹きつけるうえで重要な要素であり、遊技者の射幸心を煽るために様々な工夫がなされた機種が数多く提供される傾向にある。このような機種の1つとして、例えばBBモードに移行させるBBやRBモードに移行させるRBに当選した場合に当選されたBBやRBが貯留される、いわゆるストック機能が設けられた機種が提供されている。
【0005】
ストック機能が設けられた機種では、例えばリプレイタイム(RT)モードと称されるゲームモードが設けられているものがある。RTモードに移行されると、当選役を決定するための当選役抽選テーブルがリプレイの当選確率が高い当選役抽選テーブルに切り替えられるとともに、リプレイに当選した場合にリプレイを入賞可能とするか否かが抽選により決定される。また、RTモード中は、当選したBBやRBを入賞させることができないようにリールの停止制御が行われるとともに、RTモード中に当選したBBやRBは貯留されていく。
【0006】
RTモードでのゲーム数は抽選により決定され、決定されたゲーム数のゲームが行われるとRTモードが終了される。RTモードが終了されると、当選役抽選テーブルが通常のテーブルに切り替えられるとともに、貯留されたBBやRBが入賞可能となるようにリールの停止制御が行われる。BBモードやRBモードに移行された後は再びRTモードに移行されるが、RTモードでの終了ゲーム数が少ない場合は、短期間のうちに再びBBモードやRBモードに移行されるので、大量のメダルを獲得することが可能になる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようなストック機能が設けられたスロットマシンでは、抽選が行われるたびにRTモードの終了ゲーム数が少ないゲーム数に決定されてしまうと、短期間のうちにBBやRBが連続的に放出され、貯留されているBBやRBが全て放出されてしまう可能性があるため、RTモードの終了ゲーム数は少ないゲーム数が選択される確率が低くなるように設定されている機種が殆どである。このため、従来のストック機能が設けられたスロットマシンは、遊技者の射幸心を煽ってゲームへの興味を惹きつけるには、今一つ興趣に欠けていた。また、RTモードの終了が貯留されたBBやRBの放出の契機であると、ゲームが単調になってしまうという欠点があった。
【0008】
上記問題点を解決するために本発明は、貯留された当選役を放出するにあたって、短期間で大量の利益が得られることへの期待感を遊技者に持たせるとともに、ゲームへの興趣を高めることができるようにした遊技機及びプログラム及び記録媒体を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の遊技機は、外周に複数種類の当選絵柄が配列された複数のリールと、ハズレ及び複数種類の当選役のいずれかを抽選により決定する当選役決定手段と、リールの停止操作に応答して、前記当選役決定手段により決定された当選役が入賞しやすくなるようにリールの停止制御を行うリール停止制御手段と、前記当選役決定手段により特別当選役が決定された場合には、特別当選役を貯留する特別当選役貯留手段とを備え、通常モードと特定モードとでのゲームが行われるとともに、前記特定モードのゲームでは、特定の当選役の当選確率が変更されるとともに、前記当選役決定手段により所定の当選役が決定された場合に、前記所定の当選役を入賞させることが可能になるリールの停止操作の態様が報知される遊技機において、前記当選役決定手段での抽選で用いられ、少なくとも前記特定の当選役の当選確率が異なる複数種類の当選役抽選テーブルと、ゲーム上の第1の条件が満たされたことに応答して、前記当選役抽選テーブルを切り替え、前記特定モードに移行させるか否かを抽選により決定する特定モード移行抽選手段と、前記特定モード中にゲーム上の第2の条件が満たされたことに応答して、前記特別当選役貯留手段に貯留されている特別当選役が入賞可能となるように前記リール停止制御手段にリールの停止制御を行わせるか否かを抽選により決定する特別当選役放出抽選手段とを設けたものである。
【0010】
用いるプログラムは、外周に複数種類の当選絵柄が配列された複数のリールと、ハズレ及び複数種類の当選役のいずれかを抽選により決定する当選役決定手段と、リールの停止操作に応答して、前記当選役決定手段により決定された当選役が入賞しやすくなるようにリールの停止制御を行うリール停止制御手段と、
前記当選役決定手段により特別当選役が決定された場合には、特別当選役を貯留する特別当選役貯留手段と、ゲーム上の第1の条件が満たされたことに応答して、少なくとも前記特定の当選役の当選確率が異なる複数種類の当選役抽選テーブルを切り替え、特定の当選役の当選確率が変更されるとともに、前記当選役決定手段により所定の当選役が決定された場合に、前記所定の当選役を入賞させることが可能になるリールの停止操作の態様が報知される特定モードに移行させるか否かを抽選により決定する特定モード移行抽選手段と、前記特定モード中にゲーム上の第2の条件が満たされたことに応答して、前記特別当選役貯留手段に貯留されている特別当選役が入賞可能となるように前記リール停止制御手段にリールの停止制御を行わせるか否かを抽選により決定する特別当選役放出抽選手段として遊技機のコンピュータを機能させるためのものである。
【0011】
また、使用する記録媒体は、請求項2記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能なものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1に示すように、スロットマシン10には、通常モード、BBモード、RBモード、特定モードであるART(アシストリプレイタイム)モードが設けられている。BBモード及びRBモードはぞれぞれ、特別当選役であるBB又はRBに当選すると移行される。BBモードは、RBモードに3回移行されるか又はRB導入モードでのゲームが30回行われると終了される。RBモードは、所定の当選役が8回入賞されるか又は12回のゲームが行われると終了する。
【0013】
通常モードで特別当選役であるBB及びRBに当選すると、当選したBB及びRBを貯留するか否かを決定するBB/RB貯留決定抽選が行われ、この抽選に当選した場合はBB及びRBが貯留される。通常モードのゲームでチェリーに当選(ゲーム上の第1の条件)すると、ARTモードに移行させるか否かを決定するARTモード移行抽選が行われる。ARTモード移行抽選に当選すると通常モードからARTモードに移行される。ARTモードでは特定の当選役(以下、「リプレイ」を例に挙げて説明する)の当選確率が通常モードよりも高くされるとともに、ARTモード中に所定の当選役(以下、「ベル」を例に挙げて説明する)に当選した場合にベルが入賞可能となるストップボタンの操作順序が報知される。ARTモードは所定回数のゲームが行われると終了する。ARTモードのゲームでリプレイが3ゲーム連続して入賞(ゲーム上の第2の条件)されると貯留フラグ放出抽選が行われる。貯留フラグ放出抽選に当選すると、貯留されたBB又はRBが放出される。
【0014】
スロットマシン10は、筐体11の前面扉12に4個の表示窓13が設けられ、各々の表示窓13の奥に第1リール14a、第2リール14b、第3リール14c及びサブリール15が回転自在に組み込まれている。周知のように、第1〜第3リール14a〜14cの外周には複数種類の絵柄が一定ピッチで配列され、リールが停止した状態では表示窓13を通して1リール当たり3個の絵柄が観察可能になる。これにより、各リールの絵柄を1個ずつ組み合わせた直線状の入賞有効ラインが横3本斜め2本の合計5本が設定される。
【0015】
ゲームの開始に先立ってメダル投入口16から1枚のメダルを投入したときには中央横一本の入賞有効ラインが有効化され、2枚では横3本、3枚ではさらに斜め2本を加えた5本の入賞有効ラインが有効化される。また、メダルは50枚を限度にクレジット(貯留)することが可能になっており、クレジットされているメダルの枚数は、クレジット枚数表示器17により表示される。なお、表示窓13から1リール当たり例えば4個ずつの絵柄を観察できるようにしておき、横4本の入賞有効ラインのほかに、各リールごとに絵柄を一個ずつ組み合わせるように折れ曲がった別の入賞有効ラインを設定することも可能である。
【0016】
右端のサブリール15は、ARTモードのゲームでベルに当選したときに、スタートレバー18の操作により第1〜第3リール14a〜14cとともに回転を始める。サブリール15の外周には、第1〜第3リール14a〜14cの停止操作を行う順序を示す絵柄が複数種類描かれており、これらの他に何も描かれていない空白部分も設けられている。なお、サブリール15の外周に描かれる絵柄は適宜の絵柄にすることが好ましく、絵柄に限らず、例えばマークや数字などにしてもよい。
【0017】
サブリール15は、空白部分を表示する位置で停止されており、ARTモードのゲームでベルに当選すると、ベルを入賞させることが可能になるリールの停止操作の順序を表示する位置で停止される。遊技者は、サブリール15により表示された順序に従ってストップボタン19a〜19cを操作することによりベルを確実に入賞させることができるようになる。
【0018】
ストップボタン19a〜19cは、これらを操作することにより、各ボタンに対応した第1〜第3リール14a〜14cが個別に停止される。ストップボタン19a〜19cの上方の操作パネルには、メダルがクレジットされた状態でゲームを行うときに操作されるベットボタン、ペイアウトボタンなどの各種の操作ボタンが設けられている。これらの操作ボタンの機能はいずれも周知であるのでその詳細については省略する。
【0019】
筐体11の下部にはメダル受け皿20が設けられており、メダル受け皿20には、ゲームで入賞が得られたときに得られる配当メダルが払い出し口21から払い出される。
【0020】
図2に示すように、スロットマシン10の作動は基本的にCPU30a及びメモリ31を含む制御部30によって管制される。制御部30にはCPU30aの他、後述する電子抽選部39、当選役決定部40、BB/RBフラグ貯留部41、貯留フラグ放出抽選部42、BB/RB貯留決定抽選部43、ARTモード移行抽選部44が設けられている。
【0021】
メダルセンサ32はメダル投入口16から投入された適正なメダルを検知し、CPU30aに入力する。メダル投入口16の奥にはセレクタが組み込まれ、不適正なメダルはメダル受け皿20に排出される。また、セレクタは不適切なタイミングでメダルの投入が行われたとき、例えばゲームの途中や各種の操作ボタンが押されたままの状態で投入されたメダルについても、メダルセンサ32を経由させずにメダル受け皿20に排出する。
【0022】
なお、ゲームの開始に先立って投入するメダルの枚数は1〜3枚に限られているため、クレジット機能を用いていないときには4枚目以降に投入されたメダルもメダルセンサ32で検知されることなくメダル受け皿20に排出される。クレジット機能のオン/オフはペイアウトボタンの1プッシュごとに切替えられる。そして、クレジット機能がオン状態のときには4枚目以降に投入されたメダルもメダルセンサ32で検知され、50枚を限度にスロットマシン内部にクレジットされる。クレジットされたメダルの枚数はクレジット枚数表示器17でデジタル表示される。クレジット機能を用いているときには、前述した1ベットボタンやMAXベットボタンの操作によりメダルの投入操作が行われ、そのベット枚数がクレジット枚数から逐次に減算される。また、ゲームが行われて、メダルの払い出しを伴う入賞が得られたときには配当メダルもクレジットされ、ペイアウトボタンを操作したときにクレジットされたメダルがメダル受け皿20に払い出される。
【0023】
CPU30aは、ゲームの開始に先立って投入された1〜3枚のメダルの枚数をメダルセンサ32からの検知信号に基づいて計数し、これにより入賞有効ラインの有効化本数を決定する。なお、クレジット枚数は図示を省略した別のクレジットメダルカウンタで計数される。
【0024】
スタート信号センサ33は1〜3枚のメダルが投入された後、スタートレバー18が操作されたときにゲームスタート信号をCPU30aに入力する。ゲームスタート信号を受けて、CPU30aはメモリ31のROM領域に格納されたゲーム実行プログラムに基づいて第1〜第3リール14a〜14cを回転させるとともにゲームの処理を開始する。ゲームの実行プログラムには、通常モードの他にBBモード、RBモード、ARTモードに移行させてゲームの処理を実行するものが含まれている。
【0025】
各リールの駆動及び停止制御は、リール駆動コントローラ34によって行われる。それぞれのリールは個別のステッピングモータ35a〜35dの駆動軸に固着され、各ステッピングモータ35a〜35dの駆動を制御することにより各リールの制御が行われる。なお、メモリ31のRAM領域はワーキングエリアとなっており、毎回のゲームごとに利用されるフラグやデータなどの一時的保管や書き換えなどに用いられる。
【0026】
ステッピングモータ35a〜35dは供給された駆動パルスの個数に応じた回転角で回転するから、CPU30aにより駆動パルスの供給個数を制御することによって第1〜第3リール14a〜14c及びサブリール15の回転角を制御することができ、また駆動パルスの供給を絶つことによりリールの停止位置を決めることができる。各リールには、その基準位置に反射信号部36a〜36dが一体に形成され、その一回転ごとにフォトセンサ37a〜37dがそれぞれの反射信号部の通過を光電検出する。フォトセンサ37a〜37dによる検知信号は、リールごとのリセット信号としてCPU30aに入力される。
【0027】
CPU30a内にはステッピングモータ35a〜35dごとにパルスカウンタが設けられ、各々のステッピングモータ35a〜35dに供給された駆動パルスの個数を計数する。そして、フォトセンサ37a〜37dからリセット信号が入力されたときに、対応するパルスカウンタのカウント値をクリアする。したがって、それぞれのパルスカウンタには、各リールの1回転内の回転角に対応した駆動パルスの個数が逐次に更新しながら保存されることになる。
【0028】
メモリ31のROM領域には絵柄テーブルが格納され、絵柄テーブルには、各リールの基準位置からの回転角に対応した駆動パルスの個数と、リールに一定ピッチで配列されたそれぞれの絵柄を表す絵柄コードとが対応づけられている。したがって、リールごとにパルスカウンタのカウント値を監視することによって、例えば中央の入賞有効ライン上にどの絵柄が移動してきているのかを識別することができ、また、さらにどの程度リールを回転させれば目的の絵柄がその入賞有効ライン上に移動してくるのかを予測することができる。
【0029】
ストップボタンセンサ38a〜38cは、ストップボタン19a〜19cが操作されたときにCPU30aにリールごとのストップ信号を入力する。スタートレバー18を操作して全リールの回転が始まり、これらの回転が定常速度に達した時点でストップボタン19a〜19cの操作が有効化される。その後、これらを操作することによってそれぞれ対応する第1〜第3リール14a〜14cの停止制御が開始される。
【0030】
第1〜第3リール14a〜14cの停止制御は、当選絵柄0〜4コマの5個分の範囲(引き込み範囲)内で行われ、例えばストップボタン19a〜19cが操作されたときに、入賞有効ライン上に位置している当選絵柄から連続する4個の当選絵柄の中に、抽選で当選された当選役を構成する当選絵柄が含まれている場合には、第1〜第3リール14a〜14cが停止するまでの時間が遅らせられ、当選役を構成する当選絵柄が入賞有効ライン上に停止される。
【0031】
なお、当選役決定部40で決定されていない当選役が入賞するようにストップボタン19a〜19cが操作された場合には、当選されていない当選絵柄が入賞有効ライン上に停止しないように第1〜第3リール14a〜14cの停止制御が行われる(蹴飛ばし制御)。また、複数のストップボタンを操作したときにはタイミングの早い方のリールだけが停止し、完全に同時操作したときにはいずれのリールも停止しない。また、リールの停止制御は、当選役を構成する当選絵柄に限らず、入賞有効ライン上に停止した絵柄の種類、又は絵柄の組み合わせにより内部入賞している当選役を遊技者に報知する、いわゆるリーチ目を表示するようにしてもよい。結果的にCPU30a及びリール駆動コントローラ34はリール停止制御手段として機能する。
【0032】
CPU30aは、ゲームスタート信号を受けて電子抽選部39を作動させる。電子抽選部39は乱数発生器と乱数値サンプリング回路とを含み、ゲームが開始されるごとに1つの乱数値を抽選する。抽選された乱数値は当選役決定部40に入力される。当選役決定部40では、入力された値に応じて現在実行されたゲームでどのような当選役を与えるかを決定する。このように電子抽選部39及び当選役決定部40は当選役決定手段として機能する。
【0033】
図3に示すように、当選役決定部40には、乱数値をその大きさに応じてグループ分けした当選役抽選テーブルが複数設けられている。第1当選役抽選テーブル50は、通常モードでのゲームでサンプリングされた乱数値が、BBモードに移行する権利を与えるBB、RBモードに移行する権利を与えるRB、所定枚数のメダルの払出しだけを行う小役当選絵柄に対応する小役(チェリーやベルも含まれる)、メダルの投入なしに同じベット数で次回のゲームを行う権利を与えるリプレイ、一切当たりを発生させないハズレなどのいずれの絵柄に属しているかの判定、すなわち当選判定に用いられる。なお、小役当選絵柄は複数種類あり、それぞれに配当メダルが割り当てられている。そして、サンプリングされた乱数値がいずれの当選絵柄に属した値であるかによって当選の種類と絵柄が決められる。
【0034】
当選役決定部40には、第1当選役抽選テーブル50の他に、ARTモードのゲームで用いられるリプレイ当選高確率テーブル51が設けられている。リプレイ当選高確率テーブル51は第1当選役抽選テーブル50よりもリプレイの当選確率が高くなるように乱数値のグループ分けが行われている。
【0035】
また、当選役決定部40には、第1当選役抽選テーブル50及びリプレイ当選高確率テーブル51の他に、BBモードやBBモード中のRBモードで用いられる当選役抽選テーブルが設けられている。当選役決定部40で当選判定が行われると、決定されたハズレ又は当選役の種類を示す当選役決定信号がCPU30aに入力される。
【0036】
BB/RBフラグ貯留部41はメモリから構成されている。BB/RBフラグ貯留部41には、通常モードのゲームで当選役決定部40でBB又はRBが決定され、さらにBB/RB貯留決定抽選に当選するとBBフラグ又はRBフラグが書き込まれていく。これにより、BB又はRBが貯留される。このように、BB/RBフラグ貯留部41は特別当選役貯留手段として機能する。なお、BBフラグ又はRBフラグが1個読み出されると、BBモード又はRBモードに1回移行される。
【0037】
貯留フラグ放出抽選部42は特別当選役放出抽選手段として機能するものであり、通常モード又はARTモードのゲームでベルが5ゲーム連続して入賞されると作動される。貯留フラグ放出抽選部42では、貯留されたBBフラグ又はRBフラグを放出するか否かを決定する貯留フラグ放出抽選が行われる。貯留されたフラグを放出することが決定されると、決定された当選役が入賞可能となるように第1〜第3リール14a〜14cの停止制御が行われる。なお、貯留フラグ放出抽選部42での抽選で用いられる放出確率テーブルでは、グループ分けされた乱数値に貯留フラグを放出するか否かが割り当てられており、貯留フラグを放出するグループにはさらにBBフラグ及びRBフラグのいずれのフラグを放出するかを決定することができるように乱数値がグループ分けされている。
【0038】
BB/RB貯留決定抽選部43は、BB又はRBが当選されると作動される。BB/RB貯留決定抽選部43では、当選されたBB又はRBを貯留するか否かを決定するBB/RB貯留決定抽選が行われる。BB/RB貯留決定抽選に当選すると、BBフラグ又はRBフラグがBB/RBフラグ貯留部41に書き込まれる。
【0039】
ARTモード移行抽選部44は特定モード移行抽選手段として機能するものであり、通常モードのゲームでチェリーに当選すると作動される。ARTモード移行抽選部44では、ARTモードに移行させるか否かを抽選により決定するためのARTモード移行抽選が行われる。ARTモード移行抽選に当選すると通常モードからARTモードに移行される。
【0040】
リール停止順序抽選部45は、ベルに当選した場合に作動される。リール停止順序抽選部45では、ベルを入賞可能とするストップボタン19a〜19cの操作順序が抽選により決定される。当選役決定部40でベルが決定された場合、CPU30a及びリール駆動コントローラ34は、リール停止順序抽選部45で決定された操作順序でストップボタン19a〜19cの操作が行われたときのみベルが入賞可能となるように第1〜第3リール14a〜14cの停止制御を行う。
【0041】
メダルホッパー43は、当選役の種類に応じて規定枚数の配当メダルをメダル受け皿20に払い出すか、あるいはクレジットカウンタにその規定枚数を加算する。なお、当選役の種類ごとに配当メダルの枚数を決めた配当テーブルはメモリ31のROM領域に格納されており、CPU30aがこれを読み取ってメダルホッパー43を駆動する。
【0042】
次に上記のように構成されたスロットマシンの作用について説明する。図4及び図5に示すように、通常モードでのゲームの開始に先立ってメダルを1〜3枚投入すると、投入されたメダルの枚数がCPU30aによりカウントされる。この後、スタートレバー18によりゲームスタート操作を行うとスタート信号センサ33からCPU30aにゲームスタート信号が入力され、第1〜第3リール14a〜14cの回転が開始される。
【0043】
スタートレバー18の操作と同時に電子抽選部39が乱数をサンプリングし、その値を当選役決定部40の第1当選役抽選テーブルと照合する。これにより、ハズレ又は当選役の種類が決定され、当選役決定信号がCPU30aにフィードバックされる。当選役決定部40で当選役の種類が決定されるとストップボタン19a〜19cの操作が有効化される。CPU30aはリールごとに設けられた前述のパルスカウンタのカウント値を参照しながらストップボタン19a〜19cの操作タイミングを監視し、当選役決定部40で決定された当選絵柄が入賞有効ライン上に停止しやすいように第1〜第3リール14a〜14cの停止制御を行う。
【0044】
当選役決定部40でBB又はRBが決定されると、BB/RB貯留決定抽選部43が作動される。BB/RB貯留決定抽選部43では、当選されたBB又はRBを貯留するか否かがBB/RB貯留決定抽選により決定される。BB又はRBを貯留することが決定された場合、CPU30aはBB/RBフラグ貯留部41にBBフラグ又はRBフラグを書き込んでBB及びRBを貯留させる。
【0045】
当選役決定部40でチェリーが決定された場合、ARTモード移行抽選部44が作動され、ARTモードに移行させるか否かが抽選により決定される。ARTモード移行抽選部44での抽選に当選した場合は、次回のゲームからARTモードに移行される。ARTモードのゲームでは電子抽選部39でサンプリングされた乱数値が当選役決定部40のリプレイ当選高確率テーブル51と照合されて当選役の種類が決定される。
【0046】
ARTモードのゲームでは、ベルに当選すると第1〜第3リール14a〜14cとともにサブリール15も同時に回転される。CPU30aは、ベルを入賞させることが可能になるストップボタン19a〜19cの操作順序を表示する位置でサブリール15が停止するようにサブリール15の停止制御を行う。ベルが入賞可能となるストップボタン19a〜19cの操作順序はリール停止順序抽選部45での抽選により決定される。
【0047】
通常モードでベルに当選した場合、遊技者は勘に頼ってストップボタン19a〜19cの操作を行ってベルを入賞させなければならないため確実にベルを入賞させることができないが、ARTモードでは遊技者はサブリール15で表示された操作順序に従ってストップボタン19a〜19cを操作すれば、ベルを確実に入賞させることができる。
【0048】
ARTモードのゲームでリプレイが3ゲーム連続して入賞された場合、貯留フラグ放出抽選部42が作動されて貯留フラグ放出抽選が行われる。これにより、貯留されているBBフラグ又はRBフラグを放出するか否かが決定される。なお、ARTモード中は、当選役決定部40でリプレイが決定されるたびに、CPU30aはメモリ31のRAM領域にリプレイの当選フラグを書き込んでいき、メモリ31に書き込まれたリプレイの当選フラグが3個に達すると貯留フラグ放出抽選部42を作動させる。リプレイの当選フラグが3個に達する前にリプレイ以外の当選役が決定された場合及びリプレイの当選フラグが3個に達した場合はメモリ31に書き込まれたリプレイの当選フラグがクリアされる。
【0049】
ARTモードでは、リプレイ当選高確率テーブル51を用いて抽選が行われるので、通常モードよりもリプレイの当選確率が高くなり、遊技者は通常モードよりもメダルの減少を抑えながらゲームを行うことができる。これにより、ARTモードのゲームでは通常モードよりもメダルを増やすことができる。また、ARTモードでは通常モードよりもリプレイの当選確率が高くなるため、通常モードよりも貯留フラグ放出抽選が行われやすくなる。このため、ARTモードに移行されたほうが貯留されたBBフラグ又はRBフラグが放出されやすくなる。ARTモードでBBフラグやRBフラグが放出されると、ARTモードに加えてBBモードやRBモードに移行されるため、遊技者は短期間で大量のメダルを獲得することができる。ARTモードは所定回数のゲームが行われると終了される。
【0050】
BB/RB貯留決定抽選部43での抽選で、BB又はRBを貯留しないことが決定された場合、及び、貯留フラグ放出抽選部42での抽選に当選した場合、CPU30a及びリール駆動コントローラ34は、放出することが決定されたフラグに対応する当選役(BB又はRB)が入賞可能となるように第1〜第3リール14a〜14cの停止制御を行う。これにより、貯留されたBB又はRBが放出され、BB又はRBが内部入賞した状態となる。
【0051】
BBが入賞された場合、CPU30aはメモリ31のROM領域からBBモードの実行プログラムを読み出し、BBモードに移行される。BBモードでは、先ずRB導入モードに移行され、1〜3枚のメダルベットでゲームが行われる。そして、RB導入モードでのゲームでリプレイ(本実施形態のスロットマシンでは、RBモードへ移行させるための当選役としてリプレイを代用している)が決定され、これが入賞されるとRBモードに移行される。BBモードはRB導入モードでのゲームが30回行われるか又はRBモードに3回移行されると終了される。
【0052】
RBが入賞された場合、CPU30aはメモリ31のROM領域からRBモードの実行プログラムを読み出し、RBモードに移行させる。RBモードは、特定当選役が8回入賞されるか12回のゲームが行われると終了される。なお、ARTモードで行われたゲームの回数が所定回数に達する前に、内部入賞されているBB又はRBが入賞された場合は、BBモード又はRBモード終了後に残った回数のARTモードでのゲームが実施される。
【0053】
図6は記録媒体(CD,フレキシブルディスク,ICメモリ,MO等)60をスロットマシン10にインストールする例を示しており、記録媒体60には図4及び図5のフローチャートで示すような手段を、CPU30aとメモリ31とを含むコンピュータ61で実現するためのプログラムが格納されている。この場合、例えば当選役決定手段、リール停止制御手段、特別当選役貯留手段、特定モード移行抽選手段、特別当選役放出抽選手段をコンピュータ61で実現するためのプログラムを記録媒体60に記録する。そして、この記録媒体60を読み取り装置62に装填して、プログラムをスロットマシン10にインストールする。
【0054】
なお、前記プログラムは、記録媒体60を介してインストールする代わりにインターネットを利用してスロットマシン10に配信することができる。また、配信された本発明のプログラム、又は記録媒体60から読み出した本発明のプログラムをパソコンにインストールし、モニタ上でスロットマシンゲームを行うことも可能である。
【0055】
上記実施形態では、特別当選役としてBB及びRBを設け、BB及びRBが貯留されるようにしたが、例えば特別当選役として1ゲームのみに限って所定の当選役の当選確率が高くなるSBモードに移行する権利が得られるSB(シングルボーナス)を設け、SBが貯留されるようにするなど、特別当選役としては適宜の当選役を設けてよい。
【0056】
上記実施形態では、サブリール15を用いてARTモードでのゲームで遊技者にリールの停止操作の態様を報知したが、例えば液晶パネル、ドットマトリクス表示器、音声など適宜の手段で報知してよい。
【0057】
また、リールの停止操作の態様は、ストップボタン19a〜19cの操作順序の報知に限らず、異なる態様の報知を行うことも可能である。例えば当選絵柄ごとの間隔が引き込み範囲以上となるように所定の当選役を構成する当選絵柄を配列するとともに、各当選絵柄同士の色を異なるようにする。この場合、所定の当選役に当選した場合は、所定の当選役を入賞させることが可能になる当選絵柄の色を決定するとともに、入賞有効ライン上に停止させる当選絵柄の色を報知すればよい。また、当選絵柄の色の報知とストップボタンの操作順序の報知とを組み合わせるなどリールの停止操作の態様は適宜の態様にしてよい。さらには、ARTモードで報知の対象となる当選役も、例えば前記SBを報知の対象とするなど、適宜の当選役を報知の対象としてよい。
【0058】
上記実施形態では、ゲーム上の第1の条件としてチェリーが当選されたときにARTモード移行抽選が行われるようにしたが、例えば所定の当選役が所定回数入賞された場合やBBモード又はRBモード終了後に行われたゲームの回数が所定回数に達した場合など、適宜の条件が満たされたときにARTモード移行中線が行われるようにしてよい。
【0059】
上記実施形態では、ゲーム上の第2の条件としてリプレイが3ゲーム連続して入賞されたときに貯留フラグ放出抽選が行われるようにしたが、例えばARTモードで報知の対象となる当選役が所定回数入賞された場合など、適宜の条件が満たされたときに貯留フラグ放出抽選が行われるようにしてよい。また、ゲーム上の第1の条件及びゲーム上の第2の条件を同じ条件にしてもよい。
【0060】
上記実施形態では、BBフラグ又はRBフラグを放出することが決定された場合に、BBフラグ又はRBフラグが次回のゲームから放出されるようにしたが、例えば数ゲームの間、リプレイの当選確率が高くなるRTモードに移行させるとともに、RTモードのゲームではBB又はRBを入賞させることができないように、リールの停止制御を行い、RTモードのゲーム期間中にBBやRBが放出されることを報知するための演出を実行するなど、貯留された当選役を放出するタイミングは適宜のタイミングにしてよい。また、BB/RB貯留決定抽選での当選確率及び貯留フラグ放出抽選での当選確率を複数種類設け、所定の条件が満たされたときに、これらの当選確率を切り替えるようにするなど、各抽選での当選確率は適宜に設定してよい。
【0061】
なお、本発明はリール駆動タイプのスロットマシンに限らず、ビデオタイプのスロットマシンやパチンコ機などにも等しく適用することができる。さらに、上記実施形態のように、入賞有効ラインが横3本、斜め2本の合計5本設定された遊技機に限らず、その他の入賞有効ライン数の遊技機にも本発明は適用可能である。
【0062】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、当選役決定手段での抽選で用いられ、少なくとも前記特定の当選役の当選確率が異なる複数種類の当選役抽選テーブルと、ゲーム上の第1の条件が満たされたことに応答して、前記当選役抽選テーブルを切り替え、特定モードに移行させるか否かを抽選により決定する特定モード移行抽選手段と、前記特定モード中にゲーム上の第2の条件が満たされたことに応答して、特別当選役貯留手段に貯留されている特別当選役が入賞可能となるようにリール停止制御手段にリールの停止制御を行わせるか否かを抽選により決定する特別当選役放出抽選手段とを設けたので、貯留された当選役を放出するにあたって、短期間で大量の利益が得られることへの期待感を遊技者に持たせるとともに、ゲームへの興趣を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を用いたスロットマシンの外観図である。
【図2】図1に示すスロットマシンの電気的概略構成を示す機能ブロック図である。
【図3】当選役決定部の構成を示す説明図である。
【図4】ゲームの流れを示すフローチャートである。
【図5】1ゲームのゲームの流れを示すフローチャートである。
【図6】プログラムが格納された記録媒体を、スロットマシンにインストールする場合の説明図である。
【符号の説明】
10 スロットマシン
15 サブリール
18 スタートレバー
30 制御部
30a CPU
31 メモリ
34 リール駆動コントローラ
39 電子抽選部
40 当選役決定部
41 BB/RBフラグ貯留部
42 貯留フラグ放出抽選部
43 BB/RB貯留決定抽選部
44 ARTモード移行抽選部
45 リール停止順序抽選部
50 第1当選役抽選テーブル
51 リプレイ当選高確率テーブル
60 記録媒体
61 コンピュータ
62 読み取り装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ店などの遊技場に設置して使用される遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本明細書中ではパチスロ機を例に挙げて説明しているため、遊技媒体としてメダルを用いて説明するが、遊技媒体としてはコインやパチンコ玉など他の媒体も含む。また、「メダル(遊技媒体)投入」には、実際にメダル投入口にメダルを投入することの他に、クレジットされたメダルをベットボタンなどによりベットすることを含む。さらに、電子抽選により当選役に当たったことを当選、当選した当選役を構成する当選絵柄を入賞有効ライン上に揃えることが可能な状態を内部入賞、内部入賞した当選役を構成する当選絵柄が入賞有効ライン上に揃えられた状態を入賞とする。
【0003】
パチンコ店などの遊技場に設置して使用されるスロットマシンはパチスロ機と称され、その遊技媒体となっているメダルに一定の価値が与えられて、ゲームを行って獲得したメダルを種々の景品に交換することができる。このため、遊技者はメダルを大量に獲得するということだけを目的とし、ボーナスゲームモードに移行する権利が得やすい台を選択してゲームを行おうとするのが一般である。ボーナスゲームモードには例えばビッグボーナス(以下BB)モードやレギュラーボーナス(RB)モードなどがあり、特にBBモードは、RBモードに所定回数移行されるとともに、RBモードに移行される前に、小役の当選確率が高くなるRB導入モードに移行されるため、短期間で大量のメダルを獲得することができる。
【0004】
短期間で大量のメダルを獲得できる期待を抱かせることは、遊技者をスロットマシンに惹きつけるうえで重要な要素であり、遊技者の射幸心を煽るために様々な工夫がなされた機種が数多く提供される傾向にある。このような機種の1つとして、例えばBBモードに移行させるBBやRBモードに移行させるRBに当選した場合に当選されたBBやRBが貯留される、いわゆるストック機能が設けられた機種が提供されている。
【0005】
ストック機能が設けられた機種では、例えばリプレイタイム(RT)モードと称されるゲームモードが設けられているものがある。RTモードに移行されると、当選役を決定するための当選役抽選テーブルがリプレイの当選確率が高い当選役抽選テーブルに切り替えられるとともに、リプレイに当選した場合にリプレイを入賞可能とするか否かが抽選により決定される。また、RTモード中は、当選したBBやRBを入賞させることができないようにリールの停止制御が行われるとともに、RTモード中に当選したBBやRBは貯留されていく。
【0006】
RTモードでのゲーム数は抽選により決定され、決定されたゲーム数のゲームが行われるとRTモードが終了される。RTモードが終了されると、当選役抽選テーブルが通常のテーブルに切り替えられるとともに、貯留されたBBやRBが入賞可能となるようにリールの停止制御が行われる。BBモードやRBモードに移行された後は再びRTモードに移行されるが、RTモードでの終了ゲーム数が少ない場合は、短期間のうちに再びBBモードやRBモードに移行されるので、大量のメダルを獲得することが可能になる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようなストック機能が設けられたスロットマシンでは、抽選が行われるたびにRTモードの終了ゲーム数が少ないゲーム数に決定されてしまうと、短期間のうちにBBやRBが連続的に放出され、貯留されているBBやRBが全て放出されてしまう可能性があるため、RTモードの終了ゲーム数は少ないゲーム数が選択される確率が低くなるように設定されている機種が殆どである。このため、従来のストック機能が設けられたスロットマシンは、遊技者の射幸心を煽ってゲームへの興味を惹きつけるには、今一つ興趣に欠けていた。また、RTモードの終了が貯留されたBBやRBの放出の契機であると、ゲームが単調になってしまうという欠点があった。
【0008】
上記問題点を解決するために本発明は、貯留された当選役を放出するにあたって、短期間で大量の利益が得られることへの期待感を遊技者に持たせるとともに、ゲームへの興趣を高めることができるようにした遊技機及びプログラム及び記録媒体を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の遊技機は、外周に複数種類の当選絵柄が配列された複数のリールと、ハズレ及び複数種類の当選役のいずれかを抽選により決定する当選役決定手段と、リールの停止操作に応答して、前記当選役決定手段により決定された当選役が入賞しやすくなるようにリールの停止制御を行うリール停止制御手段と、前記当選役決定手段により特別当選役が決定された場合には、特別当選役を貯留する特別当選役貯留手段とを備え、通常モードと特定モードとでのゲームが行われるとともに、前記特定モードのゲームでは、特定の当選役の当選確率が変更されるとともに、前記当選役決定手段により所定の当選役が決定された場合に、前記所定の当選役を入賞させることが可能になるリールの停止操作の態様が報知される遊技機において、前記当選役決定手段での抽選で用いられ、少なくとも前記特定の当選役の当選確率が異なる複数種類の当選役抽選テーブルと、ゲーム上の第1の条件が満たされたことに応答して、前記当選役抽選テーブルを切り替え、前記特定モードに移行させるか否かを抽選により決定する特定モード移行抽選手段と、前記特定モード中にゲーム上の第2の条件が満たされたことに応答して、前記特別当選役貯留手段に貯留されている特別当選役が入賞可能となるように前記リール停止制御手段にリールの停止制御を行わせるか否かを抽選により決定する特別当選役放出抽選手段とを設けたものである。
【0010】
用いるプログラムは、外周に複数種類の当選絵柄が配列された複数のリールと、ハズレ及び複数種類の当選役のいずれかを抽選により決定する当選役決定手段と、リールの停止操作に応答して、前記当選役決定手段により決定された当選役が入賞しやすくなるようにリールの停止制御を行うリール停止制御手段と、
前記当選役決定手段により特別当選役が決定された場合には、特別当選役を貯留する特別当選役貯留手段と、ゲーム上の第1の条件が満たされたことに応答して、少なくとも前記特定の当選役の当選確率が異なる複数種類の当選役抽選テーブルを切り替え、特定の当選役の当選確率が変更されるとともに、前記当選役決定手段により所定の当選役が決定された場合に、前記所定の当選役を入賞させることが可能になるリールの停止操作の態様が報知される特定モードに移行させるか否かを抽選により決定する特定モード移行抽選手段と、前記特定モード中にゲーム上の第2の条件が満たされたことに応答して、前記特別当選役貯留手段に貯留されている特別当選役が入賞可能となるように前記リール停止制御手段にリールの停止制御を行わせるか否かを抽選により決定する特別当選役放出抽選手段として遊技機のコンピュータを機能させるためのものである。
【0011】
また、使用する記録媒体は、請求項2記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能なものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1に示すように、スロットマシン10には、通常モード、BBモード、RBモード、特定モードであるART(アシストリプレイタイム)モードが設けられている。BBモード及びRBモードはぞれぞれ、特別当選役であるBB又はRBに当選すると移行される。BBモードは、RBモードに3回移行されるか又はRB導入モードでのゲームが30回行われると終了される。RBモードは、所定の当選役が8回入賞されるか又は12回のゲームが行われると終了する。
【0013】
通常モードで特別当選役であるBB及びRBに当選すると、当選したBB及びRBを貯留するか否かを決定するBB/RB貯留決定抽選が行われ、この抽選に当選した場合はBB及びRBが貯留される。通常モードのゲームでチェリーに当選(ゲーム上の第1の条件)すると、ARTモードに移行させるか否かを決定するARTモード移行抽選が行われる。ARTモード移行抽選に当選すると通常モードからARTモードに移行される。ARTモードでは特定の当選役(以下、「リプレイ」を例に挙げて説明する)の当選確率が通常モードよりも高くされるとともに、ARTモード中に所定の当選役(以下、「ベル」を例に挙げて説明する)に当選した場合にベルが入賞可能となるストップボタンの操作順序が報知される。ARTモードは所定回数のゲームが行われると終了する。ARTモードのゲームでリプレイが3ゲーム連続して入賞(ゲーム上の第2の条件)されると貯留フラグ放出抽選が行われる。貯留フラグ放出抽選に当選すると、貯留されたBB又はRBが放出される。
【0014】
スロットマシン10は、筐体11の前面扉12に4個の表示窓13が設けられ、各々の表示窓13の奥に第1リール14a、第2リール14b、第3リール14c及びサブリール15が回転自在に組み込まれている。周知のように、第1〜第3リール14a〜14cの外周には複数種類の絵柄が一定ピッチで配列され、リールが停止した状態では表示窓13を通して1リール当たり3個の絵柄が観察可能になる。これにより、各リールの絵柄を1個ずつ組み合わせた直線状の入賞有効ラインが横3本斜め2本の合計5本が設定される。
【0015】
ゲームの開始に先立ってメダル投入口16から1枚のメダルを投入したときには中央横一本の入賞有効ラインが有効化され、2枚では横3本、3枚ではさらに斜め2本を加えた5本の入賞有効ラインが有効化される。また、メダルは50枚を限度にクレジット(貯留)することが可能になっており、クレジットされているメダルの枚数は、クレジット枚数表示器17により表示される。なお、表示窓13から1リール当たり例えば4個ずつの絵柄を観察できるようにしておき、横4本の入賞有効ラインのほかに、各リールごとに絵柄を一個ずつ組み合わせるように折れ曲がった別の入賞有効ラインを設定することも可能である。
【0016】
右端のサブリール15は、ARTモードのゲームでベルに当選したときに、スタートレバー18の操作により第1〜第3リール14a〜14cとともに回転を始める。サブリール15の外周には、第1〜第3リール14a〜14cの停止操作を行う順序を示す絵柄が複数種類描かれており、これらの他に何も描かれていない空白部分も設けられている。なお、サブリール15の外周に描かれる絵柄は適宜の絵柄にすることが好ましく、絵柄に限らず、例えばマークや数字などにしてもよい。
【0017】
サブリール15は、空白部分を表示する位置で停止されており、ARTモードのゲームでベルに当選すると、ベルを入賞させることが可能になるリールの停止操作の順序を表示する位置で停止される。遊技者は、サブリール15により表示された順序に従ってストップボタン19a〜19cを操作することによりベルを確実に入賞させることができるようになる。
【0018】
ストップボタン19a〜19cは、これらを操作することにより、各ボタンに対応した第1〜第3リール14a〜14cが個別に停止される。ストップボタン19a〜19cの上方の操作パネルには、メダルがクレジットされた状態でゲームを行うときに操作されるベットボタン、ペイアウトボタンなどの各種の操作ボタンが設けられている。これらの操作ボタンの機能はいずれも周知であるのでその詳細については省略する。
【0019】
筐体11の下部にはメダル受け皿20が設けられており、メダル受け皿20には、ゲームで入賞が得られたときに得られる配当メダルが払い出し口21から払い出される。
【0020】
図2に示すように、スロットマシン10の作動は基本的にCPU30a及びメモリ31を含む制御部30によって管制される。制御部30にはCPU30aの他、後述する電子抽選部39、当選役決定部40、BB/RBフラグ貯留部41、貯留フラグ放出抽選部42、BB/RB貯留決定抽選部43、ARTモード移行抽選部44が設けられている。
【0021】
メダルセンサ32はメダル投入口16から投入された適正なメダルを検知し、CPU30aに入力する。メダル投入口16の奥にはセレクタが組み込まれ、不適正なメダルはメダル受け皿20に排出される。また、セレクタは不適切なタイミングでメダルの投入が行われたとき、例えばゲームの途中や各種の操作ボタンが押されたままの状態で投入されたメダルについても、メダルセンサ32を経由させずにメダル受け皿20に排出する。
【0022】
なお、ゲームの開始に先立って投入するメダルの枚数は1〜3枚に限られているため、クレジット機能を用いていないときには4枚目以降に投入されたメダルもメダルセンサ32で検知されることなくメダル受け皿20に排出される。クレジット機能のオン/オフはペイアウトボタンの1プッシュごとに切替えられる。そして、クレジット機能がオン状態のときには4枚目以降に投入されたメダルもメダルセンサ32で検知され、50枚を限度にスロットマシン内部にクレジットされる。クレジットされたメダルの枚数はクレジット枚数表示器17でデジタル表示される。クレジット機能を用いているときには、前述した1ベットボタンやMAXベットボタンの操作によりメダルの投入操作が行われ、そのベット枚数がクレジット枚数から逐次に減算される。また、ゲームが行われて、メダルの払い出しを伴う入賞が得られたときには配当メダルもクレジットされ、ペイアウトボタンを操作したときにクレジットされたメダルがメダル受け皿20に払い出される。
【0023】
CPU30aは、ゲームの開始に先立って投入された1〜3枚のメダルの枚数をメダルセンサ32からの検知信号に基づいて計数し、これにより入賞有効ラインの有効化本数を決定する。なお、クレジット枚数は図示を省略した別のクレジットメダルカウンタで計数される。
【0024】
スタート信号センサ33は1〜3枚のメダルが投入された後、スタートレバー18が操作されたときにゲームスタート信号をCPU30aに入力する。ゲームスタート信号を受けて、CPU30aはメモリ31のROM領域に格納されたゲーム実行プログラムに基づいて第1〜第3リール14a〜14cを回転させるとともにゲームの処理を開始する。ゲームの実行プログラムには、通常モードの他にBBモード、RBモード、ARTモードに移行させてゲームの処理を実行するものが含まれている。
【0025】
各リールの駆動及び停止制御は、リール駆動コントローラ34によって行われる。それぞれのリールは個別のステッピングモータ35a〜35dの駆動軸に固着され、各ステッピングモータ35a〜35dの駆動を制御することにより各リールの制御が行われる。なお、メモリ31のRAM領域はワーキングエリアとなっており、毎回のゲームごとに利用されるフラグやデータなどの一時的保管や書き換えなどに用いられる。
【0026】
ステッピングモータ35a〜35dは供給された駆動パルスの個数に応じた回転角で回転するから、CPU30aにより駆動パルスの供給個数を制御することによって第1〜第3リール14a〜14c及びサブリール15の回転角を制御することができ、また駆動パルスの供給を絶つことによりリールの停止位置を決めることができる。各リールには、その基準位置に反射信号部36a〜36dが一体に形成され、その一回転ごとにフォトセンサ37a〜37dがそれぞれの反射信号部の通過を光電検出する。フォトセンサ37a〜37dによる検知信号は、リールごとのリセット信号としてCPU30aに入力される。
【0027】
CPU30a内にはステッピングモータ35a〜35dごとにパルスカウンタが設けられ、各々のステッピングモータ35a〜35dに供給された駆動パルスの個数を計数する。そして、フォトセンサ37a〜37dからリセット信号が入力されたときに、対応するパルスカウンタのカウント値をクリアする。したがって、それぞれのパルスカウンタには、各リールの1回転内の回転角に対応した駆動パルスの個数が逐次に更新しながら保存されることになる。
【0028】
メモリ31のROM領域には絵柄テーブルが格納され、絵柄テーブルには、各リールの基準位置からの回転角に対応した駆動パルスの個数と、リールに一定ピッチで配列されたそれぞれの絵柄を表す絵柄コードとが対応づけられている。したがって、リールごとにパルスカウンタのカウント値を監視することによって、例えば中央の入賞有効ライン上にどの絵柄が移動してきているのかを識別することができ、また、さらにどの程度リールを回転させれば目的の絵柄がその入賞有効ライン上に移動してくるのかを予測することができる。
【0029】
ストップボタンセンサ38a〜38cは、ストップボタン19a〜19cが操作されたときにCPU30aにリールごとのストップ信号を入力する。スタートレバー18を操作して全リールの回転が始まり、これらの回転が定常速度に達した時点でストップボタン19a〜19cの操作が有効化される。その後、これらを操作することによってそれぞれ対応する第1〜第3リール14a〜14cの停止制御が開始される。
【0030】
第1〜第3リール14a〜14cの停止制御は、当選絵柄0〜4コマの5個分の範囲(引き込み範囲)内で行われ、例えばストップボタン19a〜19cが操作されたときに、入賞有効ライン上に位置している当選絵柄から連続する4個の当選絵柄の中に、抽選で当選された当選役を構成する当選絵柄が含まれている場合には、第1〜第3リール14a〜14cが停止するまでの時間が遅らせられ、当選役を構成する当選絵柄が入賞有効ライン上に停止される。
【0031】
なお、当選役決定部40で決定されていない当選役が入賞するようにストップボタン19a〜19cが操作された場合には、当選されていない当選絵柄が入賞有効ライン上に停止しないように第1〜第3リール14a〜14cの停止制御が行われる(蹴飛ばし制御)。また、複数のストップボタンを操作したときにはタイミングの早い方のリールだけが停止し、完全に同時操作したときにはいずれのリールも停止しない。また、リールの停止制御は、当選役を構成する当選絵柄に限らず、入賞有効ライン上に停止した絵柄の種類、又は絵柄の組み合わせにより内部入賞している当選役を遊技者に報知する、いわゆるリーチ目を表示するようにしてもよい。結果的にCPU30a及びリール駆動コントローラ34はリール停止制御手段として機能する。
【0032】
CPU30aは、ゲームスタート信号を受けて電子抽選部39を作動させる。電子抽選部39は乱数発生器と乱数値サンプリング回路とを含み、ゲームが開始されるごとに1つの乱数値を抽選する。抽選された乱数値は当選役決定部40に入力される。当選役決定部40では、入力された値に応じて現在実行されたゲームでどのような当選役を与えるかを決定する。このように電子抽選部39及び当選役決定部40は当選役決定手段として機能する。
【0033】
図3に示すように、当選役決定部40には、乱数値をその大きさに応じてグループ分けした当選役抽選テーブルが複数設けられている。第1当選役抽選テーブル50は、通常モードでのゲームでサンプリングされた乱数値が、BBモードに移行する権利を与えるBB、RBモードに移行する権利を与えるRB、所定枚数のメダルの払出しだけを行う小役当選絵柄に対応する小役(チェリーやベルも含まれる)、メダルの投入なしに同じベット数で次回のゲームを行う権利を与えるリプレイ、一切当たりを発生させないハズレなどのいずれの絵柄に属しているかの判定、すなわち当選判定に用いられる。なお、小役当選絵柄は複数種類あり、それぞれに配当メダルが割り当てられている。そして、サンプリングされた乱数値がいずれの当選絵柄に属した値であるかによって当選の種類と絵柄が決められる。
【0034】
当選役決定部40には、第1当選役抽選テーブル50の他に、ARTモードのゲームで用いられるリプレイ当選高確率テーブル51が設けられている。リプレイ当選高確率テーブル51は第1当選役抽選テーブル50よりもリプレイの当選確率が高くなるように乱数値のグループ分けが行われている。
【0035】
また、当選役決定部40には、第1当選役抽選テーブル50及びリプレイ当選高確率テーブル51の他に、BBモードやBBモード中のRBモードで用いられる当選役抽選テーブルが設けられている。当選役決定部40で当選判定が行われると、決定されたハズレ又は当選役の種類を示す当選役決定信号がCPU30aに入力される。
【0036】
BB/RBフラグ貯留部41はメモリから構成されている。BB/RBフラグ貯留部41には、通常モードのゲームで当選役決定部40でBB又はRBが決定され、さらにBB/RB貯留決定抽選に当選するとBBフラグ又はRBフラグが書き込まれていく。これにより、BB又はRBが貯留される。このように、BB/RBフラグ貯留部41は特別当選役貯留手段として機能する。なお、BBフラグ又はRBフラグが1個読み出されると、BBモード又はRBモードに1回移行される。
【0037】
貯留フラグ放出抽選部42は特別当選役放出抽選手段として機能するものであり、通常モード又はARTモードのゲームでベルが5ゲーム連続して入賞されると作動される。貯留フラグ放出抽選部42では、貯留されたBBフラグ又はRBフラグを放出するか否かを決定する貯留フラグ放出抽選が行われる。貯留されたフラグを放出することが決定されると、決定された当選役が入賞可能となるように第1〜第3リール14a〜14cの停止制御が行われる。なお、貯留フラグ放出抽選部42での抽選で用いられる放出確率テーブルでは、グループ分けされた乱数値に貯留フラグを放出するか否かが割り当てられており、貯留フラグを放出するグループにはさらにBBフラグ及びRBフラグのいずれのフラグを放出するかを決定することができるように乱数値がグループ分けされている。
【0038】
BB/RB貯留決定抽選部43は、BB又はRBが当選されると作動される。BB/RB貯留決定抽選部43では、当選されたBB又はRBを貯留するか否かを決定するBB/RB貯留決定抽選が行われる。BB/RB貯留決定抽選に当選すると、BBフラグ又はRBフラグがBB/RBフラグ貯留部41に書き込まれる。
【0039】
ARTモード移行抽選部44は特定モード移行抽選手段として機能するものであり、通常モードのゲームでチェリーに当選すると作動される。ARTモード移行抽選部44では、ARTモードに移行させるか否かを抽選により決定するためのARTモード移行抽選が行われる。ARTモード移行抽選に当選すると通常モードからARTモードに移行される。
【0040】
リール停止順序抽選部45は、ベルに当選した場合に作動される。リール停止順序抽選部45では、ベルを入賞可能とするストップボタン19a〜19cの操作順序が抽選により決定される。当選役決定部40でベルが決定された場合、CPU30a及びリール駆動コントローラ34は、リール停止順序抽選部45で決定された操作順序でストップボタン19a〜19cの操作が行われたときのみベルが入賞可能となるように第1〜第3リール14a〜14cの停止制御を行う。
【0041】
メダルホッパー43は、当選役の種類に応じて規定枚数の配当メダルをメダル受け皿20に払い出すか、あるいはクレジットカウンタにその規定枚数を加算する。なお、当選役の種類ごとに配当メダルの枚数を決めた配当テーブルはメモリ31のROM領域に格納されており、CPU30aがこれを読み取ってメダルホッパー43を駆動する。
【0042】
次に上記のように構成されたスロットマシンの作用について説明する。図4及び図5に示すように、通常モードでのゲームの開始に先立ってメダルを1〜3枚投入すると、投入されたメダルの枚数がCPU30aによりカウントされる。この後、スタートレバー18によりゲームスタート操作を行うとスタート信号センサ33からCPU30aにゲームスタート信号が入力され、第1〜第3リール14a〜14cの回転が開始される。
【0043】
スタートレバー18の操作と同時に電子抽選部39が乱数をサンプリングし、その値を当選役決定部40の第1当選役抽選テーブルと照合する。これにより、ハズレ又は当選役の種類が決定され、当選役決定信号がCPU30aにフィードバックされる。当選役決定部40で当選役の種類が決定されるとストップボタン19a〜19cの操作が有効化される。CPU30aはリールごとに設けられた前述のパルスカウンタのカウント値を参照しながらストップボタン19a〜19cの操作タイミングを監視し、当選役決定部40で決定された当選絵柄が入賞有効ライン上に停止しやすいように第1〜第3リール14a〜14cの停止制御を行う。
【0044】
当選役決定部40でBB又はRBが決定されると、BB/RB貯留決定抽選部43が作動される。BB/RB貯留決定抽選部43では、当選されたBB又はRBを貯留するか否かがBB/RB貯留決定抽選により決定される。BB又はRBを貯留することが決定された場合、CPU30aはBB/RBフラグ貯留部41にBBフラグ又はRBフラグを書き込んでBB及びRBを貯留させる。
【0045】
当選役決定部40でチェリーが決定された場合、ARTモード移行抽選部44が作動され、ARTモードに移行させるか否かが抽選により決定される。ARTモード移行抽選部44での抽選に当選した場合は、次回のゲームからARTモードに移行される。ARTモードのゲームでは電子抽選部39でサンプリングされた乱数値が当選役決定部40のリプレイ当選高確率テーブル51と照合されて当選役の種類が決定される。
【0046】
ARTモードのゲームでは、ベルに当選すると第1〜第3リール14a〜14cとともにサブリール15も同時に回転される。CPU30aは、ベルを入賞させることが可能になるストップボタン19a〜19cの操作順序を表示する位置でサブリール15が停止するようにサブリール15の停止制御を行う。ベルが入賞可能となるストップボタン19a〜19cの操作順序はリール停止順序抽選部45での抽選により決定される。
【0047】
通常モードでベルに当選した場合、遊技者は勘に頼ってストップボタン19a〜19cの操作を行ってベルを入賞させなければならないため確実にベルを入賞させることができないが、ARTモードでは遊技者はサブリール15で表示された操作順序に従ってストップボタン19a〜19cを操作すれば、ベルを確実に入賞させることができる。
【0048】
ARTモードのゲームでリプレイが3ゲーム連続して入賞された場合、貯留フラグ放出抽選部42が作動されて貯留フラグ放出抽選が行われる。これにより、貯留されているBBフラグ又はRBフラグを放出するか否かが決定される。なお、ARTモード中は、当選役決定部40でリプレイが決定されるたびに、CPU30aはメモリ31のRAM領域にリプレイの当選フラグを書き込んでいき、メモリ31に書き込まれたリプレイの当選フラグが3個に達すると貯留フラグ放出抽選部42を作動させる。リプレイの当選フラグが3個に達する前にリプレイ以外の当選役が決定された場合及びリプレイの当選フラグが3個に達した場合はメモリ31に書き込まれたリプレイの当選フラグがクリアされる。
【0049】
ARTモードでは、リプレイ当選高確率テーブル51を用いて抽選が行われるので、通常モードよりもリプレイの当選確率が高くなり、遊技者は通常モードよりもメダルの減少を抑えながらゲームを行うことができる。これにより、ARTモードのゲームでは通常モードよりもメダルを増やすことができる。また、ARTモードでは通常モードよりもリプレイの当選確率が高くなるため、通常モードよりも貯留フラグ放出抽選が行われやすくなる。このため、ARTモードに移行されたほうが貯留されたBBフラグ又はRBフラグが放出されやすくなる。ARTモードでBBフラグやRBフラグが放出されると、ARTモードに加えてBBモードやRBモードに移行されるため、遊技者は短期間で大量のメダルを獲得することができる。ARTモードは所定回数のゲームが行われると終了される。
【0050】
BB/RB貯留決定抽選部43での抽選で、BB又はRBを貯留しないことが決定された場合、及び、貯留フラグ放出抽選部42での抽選に当選した場合、CPU30a及びリール駆動コントローラ34は、放出することが決定されたフラグに対応する当選役(BB又はRB)が入賞可能となるように第1〜第3リール14a〜14cの停止制御を行う。これにより、貯留されたBB又はRBが放出され、BB又はRBが内部入賞した状態となる。
【0051】
BBが入賞された場合、CPU30aはメモリ31のROM領域からBBモードの実行プログラムを読み出し、BBモードに移行される。BBモードでは、先ずRB導入モードに移行され、1〜3枚のメダルベットでゲームが行われる。そして、RB導入モードでのゲームでリプレイ(本実施形態のスロットマシンでは、RBモードへ移行させるための当選役としてリプレイを代用している)が決定され、これが入賞されるとRBモードに移行される。BBモードはRB導入モードでのゲームが30回行われるか又はRBモードに3回移行されると終了される。
【0052】
RBが入賞された場合、CPU30aはメモリ31のROM領域からRBモードの実行プログラムを読み出し、RBモードに移行させる。RBモードは、特定当選役が8回入賞されるか12回のゲームが行われると終了される。なお、ARTモードで行われたゲームの回数が所定回数に達する前に、内部入賞されているBB又はRBが入賞された場合は、BBモード又はRBモード終了後に残った回数のARTモードでのゲームが実施される。
【0053】
図6は記録媒体(CD,フレキシブルディスク,ICメモリ,MO等)60をスロットマシン10にインストールする例を示しており、記録媒体60には図4及び図5のフローチャートで示すような手段を、CPU30aとメモリ31とを含むコンピュータ61で実現するためのプログラムが格納されている。この場合、例えば当選役決定手段、リール停止制御手段、特別当選役貯留手段、特定モード移行抽選手段、特別当選役放出抽選手段をコンピュータ61で実現するためのプログラムを記録媒体60に記録する。そして、この記録媒体60を読み取り装置62に装填して、プログラムをスロットマシン10にインストールする。
【0054】
なお、前記プログラムは、記録媒体60を介してインストールする代わりにインターネットを利用してスロットマシン10に配信することができる。また、配信された本発明のプログラム、又は記録媒体60から読み出した本発明のプログラムをパソコンにインストールし、モニタ上でスロットマシンゲームを行うことも可能である。
【0055】
上記実施形態では、特別当選役としてBB及びRBを設け、BB及びRBが貯留されるようにしたが、例えば特別当選役として1ゲームのみに限って所定の当選役の当選確率が高くなるSBモードに移行する権利が得られるSB(シングルボーナス)を設け、SBが貯留されるようにするなど、特別当選役としては適宜の当選役を設けてよい。
【0056】
上記実施形態では、サブリール15を用いてARTモードでのゲームで遊技者にリールの停止操作の態様を報知したが、例えば液晶パネル、ドットマトリクス表示器、音声など適宜の手段で報知してよい。
【0057】
また、リールの停止操作の態様は、ストップボタン19a〜19cの操作順序の報知に限らず、異なる態様の報知を行うことも可能である。例えば当選絵柄ごとの間隔が引き込み範囲以上となるように所定の当選役を構成する当選絵柄を配列するとともに、各当選絵柄同士の色を異なるようにする。この場合、所定の当選役に当選した場合は、所定の当選役を入賞させることが可能になる当選絵柄の色を決定するとともに、入賞有効ライン上に停止させる当選絵柄の色を報知すればよい。また、当選絵柄の色の報知とストップボタンの操作順序の報知とを組み合わせるなどリールの停止操作の態様は適宜の態様にしてよい。さらには、ARTモードで報知の対象となる当選役も、例えば前記SBを報知の対象とするなど、適宜の当選役を報知の対象としてよい。
【0058】
上記実施形態では、ゲーム上の第1の条件としてチェリーが当選されたときにARTモード移行抽選が行われるようにしたが、例えば所定の当選役が所定回数入賞された場合やBBモード又はRBモード終了後に行われたゲームの回数が所定回数に達した場合など、適宜の条件が満たされたときにARTモード移行中線が行われるようにしてよい。
【0059】
上記実施形態では、ゲーム上の第2の条件としてリプレイが3ゲーム連続して入賞されたときに貯留フラグ放出抽選が行われるようにしたが、例えばARTモードで報知の対象となる当選役が所定回数入賞された場合など、適宜の条件が満たされたときに貯留フラグ放出抽選が行われるようにしてよい。また、ゲーム上の第1の条件及びゲーム上の第2の条件を同じ条件にしてもよい。
【0060】
上記実施形態では、BBフラグ又はRBフラグを放出することが決定された場合に、BBフラグ又はRBフラグが次回のゲームから放出されるようにしたが、例えば数ゲームの間、リプレイの当選確率が高くなるRTモードに移行させるとともに、RTモードのゲームではBB又はRBを入賞させることができないように、リールの停止制御を行い、RTモードのゲーム期間中にBBやRBが放出されることを報知するための演出を実行するなど、貯留された当選役を放出するタイミングは適宜のタイミングにしてよい。また、BB/RB貯留決定抽選での当選確率及び貯留フラグ放出抽選での当選確率を複数種類設け、所定の条件が満たされたときに、これらの当選確率を切り替えるようにするなど、各抽選での当選確率は適宜に設定してよい。
【0061】
なお、本発明はリール駆動タイプのスロットマシンに限らず、ビデオタイプのスロットマシンやパチンコ機などにも等しく適用することができる。さらに、上記実施形態のように、入賞有効ラインが横3本、斜め2本の合計5本設定された遊技機に限らず、その他の入賞有効ライン数の遊技機にも本発明は適用可能である。
【0062】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、当選役決定手段での抽選で用いられ、少なくとも前記特定の当選役の当選確率が異なる複数種類の当選役抽選テーブルと、ゲーム上の第1の条件が満たされたことに応答して、前記当選役抽選テーブルを切り替え、特定モードに移行させるか否かを抽選により決定する特定モード移行抽選手段と、前記特定モード中にゲーム上の第2の条件が満たされたことに応答して、特別当選役貯留手段に貯留されている特別当選役が入賞可能となるようにリール停止制御手段にリールの停止制御を行わせるか否かを抽選により決定する特別当選役放出抽選手段とを設けたので、貯留された当選役を放出するにあたって、短期間で大量の利益が得られることへの期待感を遊技者に持たせるとともに、ゲームへの興趣を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を用いたスロットマシンの外観図である。
【図2】図1に示すスロットマシンの電気的概略構成を示す機能ブロック図である。
【図3】当選役決定部の構成を示す説明図である。
【図4】ゲームの流れを示すフローチャートである。
【図5】1ゲームのゲームの流れを示すフローチャートである。
【図6】プログラムが格納された記録媒体を、スロットマシンにインストールする場合の説明図である。
【符号の説明】
10 スロットマシン
15 サブリール
18 スタートレバー
30 制御部
30a CPU
31 メモリ
34 リール駆動コントローラ
39 電子抽選部
40 当選役決定部
41 BB/RBフラグ貯留部
42 貯留フラグ放出抽選部
43 BB/RB貯留決定抽選部
44 ARTモード移行抽選部
45 リール停止順序抽選部
50 第1当選役抽選テーブル
51 リプレイ当選高確率テーブル
60 記録媒体
61 コンピュータ
62 読み取り装置
Claims (3)
- 外周に複数種類の当選絵柄が配列された複数のリールと、ハズレ及び複数種類の当選役のいずれかを抽選により決定する当選役決定手段と、リールの停止操作に応答して、前記当選役決定手段により決定された当選役が入賞しやすくなるようにリールの停止制御を行うリール停止制御手段と、前記当選役決定手段により特別当選役が決定された場合には、特別当選役を貯留する特別当選役貯留手段とを備え、通常モードと特定モードとでのゲームが行われるとともに、前記特定モードのゲームでは、特定の当選役の当選確率が変更されるとともに、前記当選役決定手段により所定の当選役が決定された場合に、前記所定の当選役を入賞させることが可能になるリールの停止操作の態様が報知される遊技機において、
前記当選役決定手段での抽選で用いられ、少なくとも前記特定の当選役の当選確率が異なる複数種類の当選役抽選テーブルと、
ゲーム上の第1の条件が満たされたことに応答して、前記当選役抽選テーブルを切り替え、前記特定モードに移行させるか否かを抽選により決定する特定モード移行抽選手段と、
前記特定モード中にゲーム上の第2の条件が満たされたことに応答して、前記特別当選役貯留手段に貯留されている特別当選役が入賞可能となるように前記リール停止制御手段にリールの停止制御を行わせるか否かを抽選により決定する特別当選役放出抽選手段とを設けたことを特徴とする遊技機。 - 外周に複数種類の当選絵柄が配列された複数のリールと、ハズレ及び複数種類の当選役のいずれかを抽選により決定する当選役決定手段と、リールの停止操作に応答して、前記当選役決定手段により決定された当選役が入賞しやすくなるようにリールの停止制御を行うリール停止制御手段と、
前記当選役決定手段により特別当選役が決定された場合には、特別当選役を貯留する特別当選役貯留手段と、
ゲーム上の第1の条件が満たされたことに応答して、少なくとも前記特定の当選役の当選確率が異なる複数種類の当選役抽選テーブルを切り替え、特定の当選役の当選確率が変更されるとともに、前記当選役決定手段により所定の当選役が決定された場合に、前記所定の当選役を入賞させることが可能になるリールの停止操作の態様が報知される特定モードに移行させるか否かを抽選により決定する特定モード移行抽選手段と、
前記特定モード中にゲーム上の第2の条件が満たされたことに応答して、前記特別当選役貯留手段に貯留されている特別当選役が入賞可能となるように前記リール停止制御手段にリールの停止制御を行わせるか否かを抽選により決定する特別当選役放出抽選手段として遊技機のコンピュータを機能させるためのプログラム。 - 請求項2記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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2002
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