JP3963351B2 - 遊技機及びプログラム及び記録媒体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ店などの遊技場に設置して使用される遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本明細書中ではパチスロ機を例に挙げて説明しているため、遊技媒体としてメダルを用いて説明するが、遊技媒体としてはコインやパチンコ玉など他の媒体も含む。また、「メダル(遊技媒体)投入」には、実際にメダル投入口にメダルを投入することの他に、クレジットされたメダルをベットボタンなどによりベットすることを含む。さらに、電子抽選により当選役に当たったことを当選、当選した当選役を構成する当選絵柄を入賞有効ライン上に揃えることが可能な状態を内部入賞、内部入賞した当選役を構成する当選絵柄が入賞有効ライン上に揃えられた状態を入賞とする。
【0003】
パチンコ店などの遊技場に設置して使用されるスロットマシンはパチスロ機と称され、その遊技媒体となっているメダルに一定の価値が与えられて、ゲームを行って獲得したメダルを種々の景品に交換することができる。このため、遊技者はメダルを大量に獲得するということだけを目的とし、ボーナスゲームモードに移行する権利が得やすい台を選択してゲームを行おうとするのが一般的である。ボーナスゲームモードには例えばビッグボーナス(以下BB)モードやレギュラーボーナス(RB)モードなどがある。RBモードでは所定の当選役の当選確率が高くされるので、メダルを獲得しやすくなる。BBモードは、RBモードに所定回数移行されるとともに、RBモードに移行される前に、小役の当選確率が高くなるRB導入モードに移行されるため、短期間で大量のメダルを獲得することができる。
【0004】
短期間で大量のメダルを獲得できる期待を抱かせることは、遊技者をスロットマシンに惹きつけるうえで重要な要素であり、ボーナスゲームモードの他にメダルの大量獲得を期待できるゲームモードを設けるなど、遊技者の射幸心を煽るために様々な工夫がなされた機種が数多く提供される傾向にある。このようなゲームモードの1つとして、遊技者の利益獲得確率を高めるようにリール停止操作の態様が報知されるアシストタイム(AT)モードが知られている。ATモードでは例えば3つのリールとは別個に設けられたサブリール、あるいは液晶パネルや音声などにより、入賞有効ライン上に停止させる絵柄の種類やストップボタンの操作順序などが遊技者に報知される。遊技者はこの報知に従ってストップボタンを操作すると、内部入賞している小役を入賞させやすくなるため、利益獲得確率が高くなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記のようなATモードが設けられたスロットマシンは、通常モードのゲームではリールの停止操作の態様が報知されないため、ATモードで報知の対象となる小役が入賞した場合、遊技者は勘に頼ってストップボタンを操作しなければならない。このため、勘が当たった場合と勘が外れた場合とでは通常モード中で払い出されるメダルの枚数が大きく偏ってしまい、このことはスロットマシンのゲームへの公平性を失わせる原因となっていた。
【0006】
上記問題点を解決するために本発明は、通常モードでのゲームで遊技者のゲームへの公平性を保つことができるようにした遊技機及びプログラム及び記録媒体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の遊技機は、外周に複数種類の当選絵柄が配列され、ゲームスタート操作に応答して回転する複数のリールと、遊技媒体の払い出し個数が異なる複数種類の小役を含む複数種類の当選役のいずれか又はハズレを抽選により決定する当選役決定手段と、前記小役が入賞する前記リールの停止操作の態様を報知する報知手段とを備え通常モードと、前記報知手段による報知が行われる特別モードとでのゲームが選択的に行われる遊技機において、前記当選役決定手段で特定当選役が決定され、かつ前記特定当選役が入賞されるようにリールの停止操作が行われなかった場合に、前記特別モードで前記報知の対象とする小役の種類を決定した後に前記特別モードに移行させる特別モード実行手段を設けたものである。
【0008】
また、上記目的を達成するために、本発明の遊技機は、外周に複数種類の当選絵柄が配列され、ゲームスタート操作に応答して回転する複数のリールと、遊技媒体が払い出される小役を含む複数種類の当選役のいずれか又はハズレを抽選により決定する当選役決定手段と、前記小役が入賞する前記リールの停止操作の態様及び前記小役が入賞しない前記リールの停止操作の態様のいずれかを報知する報知手段とを備え通常モードと、前記報知手段による報知が行われる特別モードとでのゲームが選択的に行われる遊技機において、前記当選役決定手段で特定当選役が決定され、かつ前記特定当選役が入賞されるようにリールの停止操作が行われなかった場合に、前記特別モードで前記小役が入賞する前記リールの停止操作の態様を報知する割合を決定した後に前記特別モードに移行させる特別モード実行手段を設けたものである。これにより、特定当選役を入賞させることができなくても特別モードに移行されるので、ゲームへの公平性を保つことができる。
【0009】
また、前記当選役決定手段で決定された当選役が入賞されやすくなるようにリールの停止制御を行うリール停止制御手段を設け、当選役決定手段で特定当選役が決定された場合、前記リール停止制御手段は特定の操作順序でリールの停止操作が行われる場合のみ特定当選役が入賞されやすくなるようにリールの停止制御を行うことが好ましい。この場合さらに、遊技者の利益獲得確率が高くなるようにリールの停止操作の態様を報知する報知手段を設け、前記特別モード中に当選役決定手段で特定当選役が決定された場合、前記リール停止制御手段は特定の操作順序でリールの停止操作が行われる場合のみ特定当選役が入賞されやすくなるようにリールの停止制御を行うとともに、前記報知手段は特別モード中に前記特定の操作順序を報知するとよい。これにより、特別モードでは遊技者の技量に関わらず、公平に付加特典を得ることができ、スロットマシンのゲームへの公平性を保つことができる。
【0010】
また、前記当選役決定手段で特定当選役が決定されるとともに、前記特定当選役が入賞されるようにリールの停止操作が行われなかった場合に、前記特別モード実行手段に特別モードに移行させるか否かを抽選により決定する特別モード実行抽選手段を設けることが好ましい。これにより、ペイアウト率が上昇して遊技者の射幸心を煽りすぎることを防止でき、スロットマシンの健全さを保つことができる。
【0011】
また、前記特別モードを、遊技者に付与される付加特典の価値が互いに異なる複数種類のゲームモードから構成し、前記特別モード実行手段は、前記特定当選役が入賞されなかった場合にのみ、他の契機に特別モードを実行させるときよりも価値の大きい付加特典が得られる特別モードを実行することが好ましい。これによりゲームのバリエーションを豊かにすることができる。
【0012】
また、上記目的を達成するために、本発明のプログラムは、遊技媒体の払い出し個数が異なる複数種類の小役を含む複数種類の当選役のいずれか又はハズレを抽選により決定する当選役決定手段と、前記小役が入賞する前記リールの停止操作の態様を報知する報知手段と、前記当選役決定手段で特定当選役が決定され、かつ前記特定当選役が入賞されるようにリールの停止操作が行われなかった場合に、前記特別モードで前記報知の対象とする小役の種類を決定した後に前記特別モードに移行させる特別モード実行手段として遊技機のコンピュータを機能させるものである。なお、このプログラムに合わせて使用する記録媒体は、請求項6記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能なものである。
【0013】
また、上記目的を達成するために、本発明のプログラムは、遊技媒体が払い出される小役を含む複数種類の当選役のいずれか又はハズレを抽選により決定する当選役決定手段と、前記小役が入賞する前記リールの停止操作の態様及び前記小役が入賞しない前記リールの停止操作の態様のいずれかを報知する報知手段と、前記当選役決定手段で特定当選役が決定され、かつ前記特定当選役が入賞されるようにリールの停止操作が行われなかった場合に、前記特別モードで前記小役が入賞する前記リールの停止操作の態様を報知する割合を決定した後に前記特別モードに移行させる特別モード実行手段として遊技機のコンピュータを機能させるものである。なお、このプログラムに合わせて使用する記録媒体は、請求項8記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能なものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1に示されたスロットマシン10には、通常モード、BBモード、特別モードであるATモードが設けられている。BBモードはRBモードに3回移行されるか又はRB導入モードでのゲームが30回行われると終了される。RBモードは、所定の当選絵柄が8回入賞されるか又は12回のゲームが行われると終了する。ATモードは、通常モードのゲームで特定当選役(例えばプラム)に当選するとともに、プラムが入賞されなかった場合に行われる抽選に当選すると移行される。ATモードでは、特定当選役(例えばベル)を入賞させることが可能になるストップボタンの操作順序(リールの停止順序)が遊技者に報知される。ATモードはゲームが100回行われると終了される。
【0015】
スロットマシン10は、筐体11の前面扉12に4個の表示窓13が設けられ、各々の表示窓13の奥に第1リール14a、第2リール14b、第3リール14c及びサブリール15が回転自在に組み込まれている。周知のように、第1〜第3リール14a〜14cの外周には複数種類の絵柄が一定ピッチで配列され、リールが停止した状態では表示窓13を通して1リール当たり3個の絵柄が観察可能になる。これにより、各リールの絵柄を1個ずつ組み合わせた直線状の入賞有効ラインが横3本斜め2本の合計5本が設定される。
【0016】
ゲームの開始に先立ってメダル投入口16から1枚のメダルを投入したときには中央横一本の入賞有効ラインが有効化され、2枚では横3本、3枚ではさらに斜め2本を加えた5本の入賞有効ラインが有効化される。また、メダルは50枚を限度にクレジット(貯留)することが可能になっており、クレジットされているメダルの枚数は、クレジット枚数表示器17により表示される。なお、表示窓13から1リール当たり例えば4個ずつの絵柄を観察できるようにしておき、横4本の入賞有効ラインのほかに、各リールごとに絵柄を一個ずつ組み合わせるように折れ曲がった別の入賞有効ラインを設定することも可能である。
【0017】
右端のサブリール15は報知手段として機能するものであり、ATモードのゲームでスタートレバー18が操作されたときに、第1〜第3リール14a〜14cとともに回転される。第1〜第3リール14a〜14cの停止操作を行う順序を示す絵柄が複数種類描かれており、これらの他に何も描かれていない空白部分も設けられている。なお、サブリール15の外周に描かれる絵柄は適宜の絵柄にすることが好ましく、絵やマークなどにより適宜に表示してよい。また、小役などの他の当選役を表示してもよく、この場合、リールの停止操作が行われる前には、ハズレを表示しないことが好ましい。
【0018】
ストップボタン19a〜19cは、これらを操作することにより、各ボタンに対応した第1〜第3リール14a〜14cが個別に停止される。ストップボタン19a〜19cの上方の操作パネルには、メダルがクレジットされた状態でゲームを行うときに操作される1ベットボタン、MAXベットボタン、ペイアウトボタンなどの各種の操作ボタンが設けられている。これらの操作ボタンの機能はいずれも周知であるのでその詳細については省略する。
【0019】
筐体11の下部にはメダル受け皿20が設けられており、このメダル受け皿20には、ゲームで入賞が得られたときに得られる配当メダルが払い出し口21から払い出される。
【0020】
図2に示すように、スロットマシン10の作動は基本的にCPU30及びメモリ31を含むマイクロコンピュータによって管制される。CPU30には制御部30aの他、後述する電子抽選部39、当選役決定部40、ATモード移行抽選部41が設けられている。
【0021】
メダルセンサ32はメダル投入口16から投入された適正なメダルを検知し、制御部30aに入力する。メダル投入口16の奥にはセレクタが組み込まれ、不適正なメダルはメダル受け皿20に排出される。また、セレクタは不適切なタイミングでメダルの投入が行われたとき、例えばゲームの途中や各種の操作ボタンが押されたままの状態で投入されたメダルについても、メダルセンサ32を経由させずにメダル受け皿20に排出する。
【0022】
なお、ゲームの開始に先立って投入するメダルの枚数は1〜3枚に限られているため、クレジット機能を用いていないときには4枚目以降に投入されたメダルもメダルセンサ32で検知されることなくメダル受け皿20に排出される。クレジット機能のオン/オフはペイアウトボタンの1プッシュごとに切替えられる。そして、クレジット機能がオン状態のときには4枚目以降に投入されたメダルもメダルセンサ32で検知され、50枚を限度にスロットマシン内部にクレジットされる。クレジットされたメダルの枚数はクレジット枚数表示器17でデジタル表示される。クレジット機能を用いているときには、前述した1ベットボタンやMAXベットボタンの操作によりメダルの投入操作が行われ、そのベット枚数がクレジット枚数から逐次に減算される。また、ゲームが行われて、メダルの払い出しを伴う入賞が得られたときには配当メダルもクレジットされ、ペイアウトボタンを操作したときにクレジットされたメダルが受け皿20に払い出される。
【0023】
制御部30aは、ゲームの開始に先立って投入された1〜3枚のメダルの枚数をメダルセンサ32からの検知信号に基づいて計数し、これにより入賞有効ラインの有効化本数を決定する。なお、クレジット枚数は図示を省略した別のクレジットメダルカウンタで計数される。
【0024】
スタート信号センサ33は1〜3枚のメダルが投入された後、スタートレバー18が操作されたときにゲームスタート信号を制御部30aに入力する。ゲームスタート信号を受けて、制御部30aはメモリ31のROM領域に格納されたゲーム実行プログラムに基づいて第1〜第3リール14a〜14cを回転させるとともにゲームの処理を開始する。ゲームの実行プログラムには、通常モードの他にBBモードに移行させてゲームの処理を実行するものやATモードに移行させてゲームの処理を実行するものが含まれている。なお、ATモードのゲームでは、第1〜第3リール14a〜14cの回転と同時にサブリール15も回転される。結果的に制御部30aは特別モード実行手段として機能する。
【0025】
各リールの駆動及び停止制御は、リール駆動コントローラ34によって行われる。それぞれのリールは個別のステッピングモータ35a〜35dの駆動軸に固着され、各ステッピングモータ35a〜35dの駆動を制御することにより各リールの制御が行われる。なお、メモリ31のRAM領域はワーキングエリアとなっており、毎回のゲームごとに利用されるフラグやデータなどの一時的保管や書き換えなどに用いられる。
【0026】
ステッピングモータ35a〜35dは供給された駆動パルスの個数に応じた回転角で回転するから、制御部30aにより駆動パルスの供給個数を制御することによって第1〜第3リール14a〜14c及びサブリール15の回転角を制御することができ、また駆動パルスの供給を絶つことによりリールの停止位置を決めることができる。各リールには、その基準位置に反射信号部36a〜36dが一体に形成され、その一回転ごとにフォトセンサ37a〜37dがそれぞれの反射信号部の通過を光電検出する。フォトセンサ37a〜37dによる検知信号は、リールごとのリセット信号として制御部30aに入力される。
【0027】
制御部30a内にはステッピングモータ35a〜35dごとにパルスカウンタが設けられ、各々のステッピングモータ35a〜35dに供給された駆動パルスの個数を計数する。そして、フォトセンサ37a〜37dからリセット信号が入力されたときに、対応するパルスカウンタのカウント値をクリアする。したがって、それぞれのパルスカウンタには、各リールの1回転内の回転角に対応した駆動パルスの個数が逐次に更新しながら保存されることになる。
【0028】
メモリ31のROM領域には絵柄テーブルが格納され、絵柄テーブルには、各リールの基準位置からの回転角に対応した駆動パルスの個数と、リールに一定ピッチで配列されたそれぞれの絵柄を表す絵柄コードとが対応づけられている。したがって、リールごとにパルスカウンタのカウント値を監視することによって、例えば中央の入賞有効ライン上にどの絵柄が移動してきているのかを識別することができ、また、さらにどの程度リールを回転させれば目的の絵柄がその入賞有効ライン上に移動してくるのかを予測することができる。
【0029】
ストップボタンセンサ38a〜38cは、ストップボタン19a〜19cが操作されたときに制御部30aにリールごとのストップ信号を入力する。スタートレバー18を操作して全リールの回転が始まり、これらの回転が定常速度に達した時点でストップボタン19a〜19cの操作が有効化される。その後、これらを操作することによってそれぞれ対応する第1〜第3リール14a〜14cの停止制御が開始される。なお、プラム及びベルについては、ストップボタン19a〜19cが特定の順序で操作された場合にのみ入賞されるように第1〜第3リール14a〜14cの停止制御が行われる。
【0030】
第1〜第3リール14a〜14cの停止制御は、当選絵柄4個分の範囲(引き込み範囲)内で行われ、例えばストップボタン19a〜19cが操作されたときに、入賞有効ライン上に位置している当選絵柄から連続する4個の当選絵柄の中に、抽選で当選された当選役を構成する当選絵柄が含まれている場合には、第1〜第3リール14a〜14cが停止するまでの時間が遅らせられ、当選役を構成する当選絵柄が入賞有効ライン上に停止される。プラム及びベルを構成するプラム絵柄及びベル絵柄は、それぞれの絵柄同士の間隔が当選絵柄4個分以内となるように配列されており、ストップボタン19a〜19cの操作順序が正しければ、操作タイミングに関係なく入賞されるように第1〜第3リール14a〜14cの停止制御が行われる。以上のように制御部30a及びリール駆動コントローラ34はリール停止制御手段として機能する。
【0031】
なお、複数のストップボタンを操作したときにはタイミングの早い方のリールだけが停止し、完全に同時操作したときにはいずれのリールも停止しない。また、リールの停止制御は、当選役を構成する当選絵柄に限らず、入賞有効ライン上に停止した絵柄の種類、又は絵柄の組み合わせにより内部入賞している当選役を遊技者に報知する、いわゆるリーチ目を表示するように行うようにしてもよい。
【0032】
制御部30aは、ゲームスタート信号を受けて電子抽選部39を作動させる。電子抽選部39は乱数発生器と乱数値サンプリング回路とを含み、ゲームが開始されるごとに1つの乱数値を抽選する。抽選された乱数値は当選役決定部40に入力される。当選役決定部40では、入力された値に応じて現在実行されたゲームでどのような当選役を与えるかを決定する。このように電子抽選部39及び当選役決定部40は当選役決定手段として機能する。
【0033】
当選役決定部40には、乱数値をその大きさに応じてグループ分けした当選役抽選テーブルが複数設けられている。第1当選役抽選テーブルは、通常モードでのゲームでサンプリングされた乱数値が、BBモードに移行する権利を与えるBB、所定枚数のメダルの払出しだけを行う小役当選絵柄に対応する小役、メダルの投入なしに同じベット数で次回のゲームを行う権利を与えるリプレイ、一切当たりを発生させないハズレなどのいずれの絵柄に属しているかの判定、すなわち当選判定に用いられる。なお、小役当選絵柄は複数種類あり、それぞれに配当メダルが割り当てられている。そして、サンプリングされた乱数値がいずれの当選絵柄に属した値であるかによって当選の種類と絵柄が決められる。
【0034】
当選役決定部40には、第1当選役抽選テーブルの他に、BBが内部入賞した状態でのゲーム、RB導入モードでのゲーム、RBモードでのゲームなどで用いられる当選役抽選テーブルが設けられている。当選役決定部40で当選判定が行われると、決定されたハズレ又は当選役の種類を示す当選役決定信号が制御部30aに入力される。
【0035】
ATモード移行抽選部41は特別モード実行抽選手段として機能するものであり、通常モードのプラムが当選されたゲームでプラムが入賞されなかった場合に作動される。ATモード移行抽選部41では、ATモードへ移行させるか否かの抽選が行われ、抽選結果が制御部30aに入力される。
【0036】
メダルホッパー42は、当選役の種類に応じて規定枚数の配当メダルをメダル受け皿20に払い出すか、あるいはクレジットカウンタにその規定枚数を加算する。なお、当選役の種類ごとに配当メダルの枚数を決めた配当テーブルはメモリ31のROM領域に格納されており、制御部30aがこれを読み取ってメダルホッパー42を駆動する。
【0037】
次に上記のように構成されたスロットマシンの作用について説明する。通常モードでのゲームの開始に先立ってメダルを1〜3枚投入すると、投入されたメダルの枚数が制御部30aによりカウントされる。この後、スタートレバー18によりゲームスタート操作を行うとスタート信号センサ33から制御部30aにゲームスタート信号が入力され、第1〜第3リール14a〜14cの回転が開始される。
【0038】
これと同時に電子抽選部39が乱数をサンプリングし、その値を当選役決定部40の第1当選役抽選テーブル41と照合してハズレ又は当選役の種類が決定され、当選役決定信号が制御部30aにフィードバックされる。当選役決定部40で当選役の種類が決定されるとストップボタン19a〜19cの操作が有効化される。制御部30aはリールごとに設けられた前述のパルスカウンタのカウント値を参照しながらストップボタン19a〜19cの操作タイミングを監視し、当選役決定部40で決定された当選絵柄が入賞有効ライン上に停止しやすいように第1〜第3リール14a〜14cの停止制御を行う。
【0039】
当選役決定部40でプラムが決定された場合、特定の操作順序でストップボタン19a〜19cが操作されるとプラム絵柄が入賞有効ライン上に停止しやすいように第1〜第3リール14a〜14cの停止制御が行われ、プラムが入賞される。プラムが入賞されるとメダルホッパー42が駆動され、配当メダルの払い出しが行われる。
【0040】
特定の操作順序でストップボタン19a〜19cが操作されなかった場合、プラム絵柄が入賞有効ライン上に停止しないように第1〜第3リール14a〜14cの停止制御が行われる。この場合、制御部30aはATモード移行抽選部41を作動させる。
【0041】
ATモード移行抽選部41では、ATモードへ移行させるか否かの抽選が行われる。この抽選に当選した場合は、制御部30aによりメモリ31のROM領域からATモードでのゲームの実行プログラムが読み出され、次回のゲームよりATモードに移行される。
【0042】
ATモードではベルに当選したゲームで、第1〜第3リール14a〜14cとともにサブリール15も同時に回転される。そして、ストップボタン19a〜19cの操作が有効化される前にサブリール15が停止され、当選したベルを入賞させることができるストップボタン19a〜19cの操作順序が表示される。遊技者は、表示された操作順序に従ってストップボタン19a〜19cを操作するとベルを入賞させることができる。
【0043】
通常モードのゲームではベルに当選しても勘に頼ってストップボタン19a〜19cを操作しなければならないが、ATモードではベルに当選すれば確実にベルを入賞させることができる。
【0044】
制御部30aは、ATモードで行われたゲームの回数をカウントするとともにメモリ31のRAM領域に書き込んでいき、100回のゲームが行われるとATモードを終了させる。
【0045】
当選役決定部40でBBが決定されるとともにBBが入賞された場合は、制御部30aはメモリ31のROM領域からBBモードの実行プログラムを読み出し、BBモードに移行させる。BBモードに移行されると当選役抽選テーブルが切り替えられ、RB導入モード及びRBモードでのゲームが行われる。RB導入モードでは、1〜3枚のメダルベットでゲームが行われる。RB導入モードのゲームでRBモードに移行させる当選役に当選し、これが入賞されるとRBモードに移行される。BBモードはRB導入モードでのゲームが30回行われるか又はRBモードに3回移行されると終了される。
【0046】
図4は記録媒体(CD,フレキシブルディスク,ICメモリ,MO等)60をスロットマシン10にインストールする例を示しており、記録媒体60には図3又は図5のフローチャートで示すような手段を、CPU30とメモリ31とを含むコンピュータ61で実現するためのプログラムが格納されている。この場合、例えば当選役決定手段、報知手段、特別モード実行手段をコンピュータ61で実現するためのプログラムを記録媒体60に記録する。そして、この記録媒体60を読み取り装置62に装填して、プログラムをスロットマシン10にインストールする。
【0047】
なお、前記プログラムは、記録媒体60を介してインストールする代わりにインターネットを利用してスロットマシン10に配信することができる。また、配信された本発明のプログラム、又は記録媒体60から読み出した本発明のプログラムをパソコンにインストールし、モニタ上でスロットマシンゲームを行うことも可能である。
【0048】
上記実施形態では、特定当選役をプラム及びベルとしたが、特定当選役は必ずしも異なる当選役にしなくてもよく、ATモードへの移行の契機となる当選役とATモードでストップボタン19a〜19cの操作順序が報知される当選役を同一にするなど、特定当選役は適宜の当選役にしてよい。
【0049】
上記実施形態では、ATモードは100ゲームで終了するようにしたが、例えばATモードを終了させるか否かの抽選を行うなど、ATモードは適宜の条件を満たしたときに終了させるようにしてよい。また、ATモード中にベルが当選した場合のストップボタン19a〜19cの操作順序を抽選により決定してもよい。また、ATモードでストップボタン19a〜19cの操作順序が報知されるようにしたが、例えばATモードで報知の対象となる小役を複数種類設け、この小役は一回のリール停止操作でいずれか1種類しか入賞させることができないように当選絵柄を配列し、ATモード中は当選した小役の種類を報知するなど、ATモードの態様は適宜態様にしてよい。
【0050】
また、例えば図5に示すように、ATモードを遊技者に付与される付加価値の異なる複数種類のゲームモードから構成し、いずれのATモードに移行させるかを決定してもよい。このような場合のATモードの態様としては、例えばATモードを、報知の対象となる小役の配当メダルの枚数が異なる複数種類のゲームモードから構成し、いずれATモードに移行させるかを決定してもよい。この場合、例えば報知される小役の配当メダルの枚数が15枚の小役と5枚の小役とのATモードを設け、ATモード移行抽選部41でATモードに移行させるか否かが決定されたことを契機に、どちらの小役が報知の対象となるATモードに移行させるかを決定すればよい。
【0051】
また、例えばATモードを、ATモードでリールの停止操作の態様が報知される上限回数が異なる複数種類のゲームモードから構成し、いずれATモードに移行させるかを決定してもよい。この場合、例えば遊技可能なゲームの回数が30ゲームで報知が行われる上限回数が30回のATモードと、遊技可能なゲームの回数が30ゲームで報知が行われる上限回数が15回のATモードとを設け、ATモード移行抽選部41でATモードに移行させるか否かが決定されたことを契機に、どちらのATモードに移行させるかを決定すればよい。
【0052】
さらには、例えばATモードを、信頼度の異なる報知が行われる複数種類のゲームモードから構成し、いずれのATモードに移行させるかを決定してもよい。この場合、例えば信頼度100%の報知が行われるATモードと、信頼度50%の報知(報知の2回に1回は偽の報知)が行われるATモードとを設け、ATモード移行抽選部41でATモードに移行させるか否かが決定されたことを契機に、どちらのATモードに移行させるかを決定すればよい。
【0053】
この他に、例えばATモードを、ATモードで遊技可能なゲームの回数が互いに異なる複数種類のゲームモードから構成し、いずれATモードに移行させるかを決定してもよい。この場合、例えば10ゲーム遊技可能なATモードと30ゲーム遊技可能なATモードとを設け、ATモード移行抽選部41でATモードに移行させるか否かが決定されたことを契機に、どちらのATモードに移行させるかを決定すればよい。また、上記のような様々な態様のATモードを組み合わせてもよい。
【0054】
なお、複数種類のATモードを設けるとともに、プラムが入賞されなかったとき以外の契機にATモードに移行されるようにしてもよく、この場合、プラムが入賞されなかったときに移行されるATモードのみ、他の契機に移行されるATモードよりも遊技者に付与される付加価値が大きいATモードに移行されるようにすることが好ましい。
【0055】
上記実施形態では、特別モードとしてATモードを設けたが、特別モードとして例えばリールの停止制御が抑制されるとともにストップボタン操作の操作タイミングを優先させてリールの停止制御が行われるチャレンジタイム(CT)モード、リプレイの当選確率が所定回数のゲームで通常モードよりも高確率となるリプレイタイム(RT)モード、ATモードとRTモードとの機能を融合したアシストリプレイタイム(ART)モード、BBモード、RBモード、RBモードのゲームと同様に所定の当選役の当選確率が高くなるゲームが行われる集中モードなどを設けてもよい。
【0056】
CTモードを設けるには、例えば当選役決定部40でBB、リプレイが決定された場合のみ、制御部30a及びリール駆動コントローラ34により第1〜第3リール14a〜14cの停止制御を行わせ、ハズレ又は小役が決定された場合は第1〜第3リール14a〜14cの停止制御を行わないようにすればよい。これにより、当選役決定部40でハズレが決定されても、ストップボタン19a〜19cの操作タイミングが優先されて第1〜第3リール14a〜14cが停止されるので、遊技者はタイミングを計ってストップボタン19a〜19cの操作を行えば、小役を入賞させることが可能になり、CTモード中はメダルを増加させることができる。なお、CTモードは、CTモード中に獲得されたメダルの純増枚数及びCTモードで行われたゲームの回数をカウントしておき、いずれかが上限に達した時点で通常モードに移行させることが好ましい。
【0057】
RTモードを設けるには、例えば当選役決定部40にリプレイの当選確率が高くなるように乱数値がグループ分けされたRTモード用の当選役決定テーブルを設け、電子抽選部39でサンプリングされた乱数値を、RTモード用の当選役決定テーブルと照合すればよい。また、ゲーム数のカウントは制御部30aにより行わせる。これにより、RTモード中は遊技者はメダルの消費を抑え抑えながらゲームを行うことができる。
【0058】
ARTモードを設けるには、例えば当選役決定部40にリプレイの当選確率が高くなるように乱数値がグループ分けされたRTモード用の当選役決定テーブルを設け、ATモード中にRTモード用の当選役決定テーブルを用いて抽選を行わせればよい。また、ゲーム数のカウントは制御部30aにより行わせる。これにより、ARTモード中は、遊技者はメダルの消費を抑えつつ、メダルを増加させることができる。
【0059】
また、例えば所定の当選役に当選した場合に所定の当選役が貯留されるように、フラグをメモリ31のRAM領域に書き込んでおき、特別モードに移行されたときに貯留された当選役が放出されるようにしてもよい。
【0060】
なお、本発明はリール駆動タイプのスロットマシンに限らず、ビデオタイプのスロットマシンやパチンコ機などにも等しく適用することができる。さらに、上記実施形態のように、入賞有効ラインが横3本、斜め2本の合計5本設定された遊技機に限らず、その他の入賞有効ライン数の遊技機にも本発明は適用可能である。
【0061】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、当選役決定手段で特定当選役が決定されるとともに、前記特定当選役が入賞されるようにリールの停止操作が行われなかった場合に、少なくとも前記特別モードに移行させてゲームを行わせる特別モード実行手段を設けたので、遊技者が勘に頼ってリールの停止操作を行うことによるメダルの払い出し枚数の偏りを抑え、通常モードでのゲームで遊技者のゲームへの公平性を保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を用いたスロットマシンの外観図である。
【図2】図1に示すスロットマシンの電気的概略構成を示す機能ブロック図である。
【図3】ゲームの流れを示すフローチャートである。
【図4】プログラムが格納された記録媒体を、スロットマシンにインストールする場合の説明図である。
【図5】ATモードで付与される付加特典の価値が異なる場合のゲームの流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 スロットマシン
30 CPU
30a 制御部
31 メモリ
39 電子抽選部
40 当選役決定部
41 ATモード移行抽選部
60 記録媒体
61 コンピュータ
62 読み取り装置

Claims (8)

  1. 外周に複数種類の当選絵柄が配列され、ゲームスタート操作に応答して回転する複数のリールと、遊技媒体の払い出し個数が異なる複数種類の小役を含む複数種類の当選役のいずれか又はハズレを抽選により決定する当選役決定手段と、前記小役が入賞する前記リールの停止操作の態様を報知する報知手段とを備え通常モードと、前記報知手段による報知が行われる特別モードとでのゲームが選択的に行われる遊技機において、
    前記当選役決定手段で特定当選役が決定され、かつ前記特定当選役が入賞されるようにリールの停止操作が行われなかった場合に、前記特別モードで前記報知の対象とする小役の種類を決定した後に前記特別モードに移行させる特別モード実行手段を設けたことを特徴とする遊技機。
  2. 外周に複数種類の当選絵柄が配列され、ゲームスタート操作に応答して回転する複数のリールと、遊技媒体が払い出される小役を含む複数種類の当選役のいずれか又はハズレを抽選により決定する当選役決定手段と、前記小役が入賞する前記リールの停止操作の態様及び前記小役が入賞しない前記リールの停止操作の態様のいずれかを報知する報知手段とを備え通常モードと、前記報知手段による報知が行われる特別モードとでのゲームが選択的に行われる遊技機において、
    前記当選役決定手段で特定当選役が決定され、かつ前記特定当選役が入賞されるようにリールの停止操作が行われなかった場合に、前記特別モードで前記小役が入賞する前記リールの停止操作の態様を報知する割合を決定した後に前記特別モードに移行させる特別モード実行手段を設けたことを特徴とする遊技機。
  3. 前記当選役決定手段で決定された当選役が入賞されやすくなるようにリールの停止制御を行うリール停止制御手段を設け、当選役決定手段で特定当選役が決定された場合、前記リール停止制御手段は特定の操作順序でリールの停止操作が行われる場合のみ特定当選役が入賞されやすくなるようにリールの停止制御を行うことを特徴とする請求項1又は2記載の遊技機。
  4. 前記当選役決定手段で特定当選役が決定されるとともに、前記特定当選役が入賞されるようにリールの停止操作が行われなかった場合に、前記特別モード実行手段に特別モードに移行させるか否かを抽選により決定する特別モード実行抽選手段を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の遊技機。
  5. 遊技媒体の払い出し個数が異なる複数種類の小役を含む複数種類の当選役のいずれか又はハズレを抽選により決定する当選役決定手段と
    前記小役が入賞する前記リールの停止操作の態様を報知する報知手段と、
    前記当選役決定手段で特定当選役が決定され、かつ前記特定当選役が入賞されるようにリールの停止操作が行われなかった場合に、前記特別モードで前記報知の対象とする小役の種類を決定した後に前記特別モードに移行させる特別モード実行手段として遊技機のコンピュータを機能させるためのプログラム。
  6. 請求項記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  7. 遊技媒体が払い出される小役を含む複数種類の当選役のいずれか又はハズレを抽選により決定する当選役決定手段と
    前記小役が入賞する前記リールの停止操作の態様及び前記小役が入賞しない前記リールの停止操作の態様のいずれかを報知する報知手段と、
    前記当選役決定手段で特定当選役が決定され、かつ前記特定当選役が入賞されるようにリールの停止操作が行われなかった場合に、前記特別モードで前記小役が入賞する前記リールの停止操作の態様を報知する割合を決定した後に前記特別モードに移行させる特別モード実行手段として遊技機のコンピュータを機能させるためのプログラム。
  8. 請求項7記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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