JP4274319B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、パチンコ店などの遊技場に設置して使用される遊技機に関するものである。
本明細書中ではパチスロ機を例に挙げて説明しているため、遊技媒体としてメダルを用いて説明するが、遊技媒体としてはパチンコ玉など他の媒体も含む。また、「メダル(遊技媒体)の投入」には、実際にメダル投入口にメダルを投入することの他に、クレジットされたメダルをベットボタンなどによりベットすることを含む。さらに、ハズレ及び複数種類の当選役のいずれかを決定する抽選を当選役抽選、当選役を構成する図柄を入賞有効ライン上に揃えた状態を入賞、この入賞となる前の状態で当選役抽選により当選役が抽選されている状態を内部入賞とする。
パチンコ店などの遊技場に設置して使用されるスロットマシンはパチスロ機と称され、メダルに一定の価値が与えられて、遊技を行って獲得したメダルを種々の景品に交換することができる。一般に、スロットマシンでは、1〜3枚のメダルをベットして遊技が行われる通常モードや、例えばビッグボーナス(以下、BB)モードやレギュラーボーナス(以下、RB)モードなど、通常モードよりもメダルを獲得しやすくなるボーナス遊技モードなどが設けられている。
一般に、スロットマシンのリールの停止制御は、ストップボタンが操作されたときに、入賞有効ライン上に位置している図柄から連続する所定個数の図柄の中に、当選役抽選で当選した当選役を構成する当選図柄が含まれている場合に、リールが停止するまでの時間を遅らせることによって、当選図柄が入賞有効ライン上に停止するようにして行われる。このため、回転するリールを観察しながら、当選図柄が入賞有効ライン上に位置するときにストップボタンを操作することのできない遊技者でも当選役を入賞させることができ、また、当選図柄の種類によって前記所定個数を変化させることにより、遊技者の技量の差を遊技に反映することができる。
しかしながら、上記のスロットマシンのように、当選役が入賞しやすくなるようにリールの停止制御が行われることは、技量の高い遊技者にとって遊技に不公平さを感じさせる一因となっているため、これを解消するために、リールの停止制御を行わずに、ストップボタンの操作のタイミングに応じてリールを停止させることが可能になるチャレンジタイム(CT)モードが設定されている機種が提供されているが、CTモードでは、複数回の遊技が行われるため、遊技者が獲得するメダルの枚数の差が遊技者の技量の差によって大きくなり、技量の低い初心者に遊技への不公平さを感じさせてしまうことがあった。このため、CTモードで遊技が可能な期間を従来の機種よりも短期間にすることが考えられるが、CTモードは確率的に稀にしか移行しないように設定されているため、CTモードでの遊技を短期間で終了させることは、遊技者の遊技への不満を高めてしまう。このため、CTモードを設けることなく、ストップボタンの操作のタイミングに応じてリールを停止させることが考えられるが、このようにすると、当選役抽選で当選していない当選役を入賞させることが可能になってしまい、当選役抽選の結果が遊技に反映されないことがある。当選役抽選で当選していない当選役を入賞させることが可能になると、技量の高い遊技者は莫大な枚数のメダルを獲得することが可能になるため、遊技者の射幸心を煽ってしまう。
上記問題点を解決するために、本発明は、ストップボタンの操作のタイミングに応じてリールを停止させながらも、当選役抽選で当選していない当選役が入賞することを防止できるようにした遊技機及びプログラム及び記録媒体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の遊技機は、外周に複数種類の図柄が配列され、遊技を開始する操作に応答して回転するリールと、ハズレ及び複数種類の当選役のいずれかを抽選により決定する当選役決定手段とを備えた遊技機において、前記当選役決定手段での抽選で当選した特別当選役を貯留する特別当選役貯留手段と、前記当選役決定手段での抽選で用いられ、前記特別当選役以外の当選役で、かつ遊技者に同一個数の遊技媒体が払い出される少なくとも2種類の当選役をグループ化して割り当てた当選役抽選テーブルと、前記当選役決定手段での抽選で、前記グループ化された当選役のうち特定当選役が決定された遊技では、前記リールの停止操作が行われたときに前記入賞有効ライン上に位置する図柄を停止させ、かつ前記特別当選役が入賞不能となるようにリールの停止制御を行うとともに、前記グループ化された当選役及び前記特別当選役とは異なる放出当選役が入賞したことを契機に行われる放出抽選に当選した場合は、その後の遊技で前記特別当選役が入賞可能となるようにリールの停止制御を行うリール停止制御手段とを設けたものである。
なお、前記当選役決定手段での抽選で前記特定当選役が決定されたことを報知する報知手段を設けることが好ましい。
なお、用いるプログラムは、遊技者に同一個数の遊技媒体が払い出される少なくとも2種類の当選役をグループ化して割り当てた当選役抽選テーブルを用いることによって、ハズレ及び複数種類の当選役のいずれかを抽選により決定する当選役決定手段と、前記当選役決定手段での抽選で、グループ化された当選役のうちのいずれかが決定された場合、リールの停止操作が行われたときに入賞有効ライン上に位置する図柄を停止させ、かつグループ化された当選役とは別な種類の特別当選役が入賞不能となるようにリールの停止制御を行うリール停止制御手段として遊技機のコンピュータを機能させるためのものである。
また、使用する記録媒体は、遊技者に同一個数の遊技媒体が払い出される少なくとも2種類の当選役をグループ化して割り当てた当選役抽選テーブルを用いることによって、ハズレ及び複数種類の当選役のいずれかを抽選により決定する当選役決定手段と、前記当選役決定手段での抽選で、グループ化された当選役のうちのいずれかが決定された場合、リールの停止操作が行われたときに入賞有効ライン上に位置する図柄を停止させ、かつグループ化された当選役とは別な種類の特別当選役が入賞不能となるようにリールの停止制御を行うリール停止制御手段として遊技機のコンピュータを機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能なものである。
以上のように、本発明によれば、当選役抽選でグループ化された当選役のうちのいずれかが決定された場合、リールの停止操作が行われたときに入賞有効ライン上に位置する図柄を停止させ、かつグループ化された当選役とは別な種類の特別当選役が入賞不能となるようにリールの停止制御を行うようにしたので、特別当選役以外の当選役を全てグループ化すれば、グループ化された当選役のうちのいずれの当選役が入賞しても当選役抽選で当選した当選役が入賞することになり、ストップボタンの操作のタイミングに応じてリールを停止させながらも、当選役抽選で当選していない当選役が入賞することを防止できる。これにより、CTモードを設けなくても、リールをストップボタンの操作のタイミングに応じて停止させることが可能になり、遊技者の遊技への不満を解消することができる。
また、前記リール停止制御手段は、前記当選役決定手段での抽選で、グループ化された当選役のうちの特定当選役が決定された場合、リールの停止操作が行われたときに入賞有効ライン上に位置する図柄を停止させ、かつ前記特別当選役が入賞不能となるようにリールの停止制御を行い、前記当選役決定手段での抽選で特定当選役が決定されたことを報知する報知手段を設けたので、特定当選役に当選したときを遊技者がメダルを獲得するうえで有利になる契機とすれば、遊技者の特定当選役が当選することへの期待感を高めることが可能になり、遊技への興趣を高めることができる。
図1にスロットマシン10の外観を示し、先ず、スロットマシン10の遊技の流れの概略を説明する。図1に示すスロットマシン10には、通常モード、BBモード、RTモードの3種類の遊技モードが設定されている。また、スロットマシン10では、BBモードに移行する権利を与えるBB(特別当選役)、次回の遊技がメダルの投入なしに行うことが可能になるリプレイ(特別当選役)、メダルの払い出しが行われる小役、メダルの払い出しが行われない0枚役(放出当選役)の4種類の当選役が設定されている。さらに、メダルの払い出しが行われる小役は、チェリー(特定当選役)、ベル、スイカの3種類から構成され、いずれが入賞しても払い出されるメダルの枚数は同一となっている。なお、チェリーに当選した場合は、リールの停止操作が行われたときに入賞有効ライン上に位置する図柄が停止し、かつBB及びリプレイが入賞不能となるようにリールの停止制御が行われる。また、チェリーを構成するチェリー図柄は後述する第1リール14aにのみ配列され、ベルを構成するベル図柄及びスイカを構成するスイカ図柄は後述する第1〜第3リール14a〜14cに配列されている。そして、当選役抽選でチェリーに当選した場合、第1リール14aが停止したときに、チェリー図柄が入賞有効ライン上に位置すればチェリーは入賞し、当選役抽選でベル又はスイカに当選した場合、第1〜第3リール14a〜14cが停止したときに、ベル図柄又はスイカ図柄が入賞有効ライン上に3つ揃うように入賞有効ライン上に位置すればベル又はスイカは入賞する。通常モードでの当選役抽選でBBに当選するとBBが貯留され、RTモードに移行される。RTモードではリプレイの当選確率が通常モードよりも高くなるとともに、貯留されているBBが入賞不能となるようにリールの停止制御が行われる。RTモードで0枚役が入賞すると、貯留されているBBを放出(BBを構成するBB図柄を入賞有効ライン上に停止させることが可能な状態になること)させるか否かを決定するBB放出抽選(放出抽選)が行われる。BB放出抽選に当選するとBBが内部入賞する。
BBモードは、RBモードに3回移行されるか又はRB導入モードでの遊技が30回行われると終了される。RBモードは、所定の当選役が8回入賞されるか又は12回の遊技が行われると終了する。RB導入モードでの遊技でリプレイに当選し、リプレイを入賞させるとRBモードに移行される。なお、本実施形態のスロットマシンでは、RBモードへ移行させるための当選役としてリプレイを代用している。
スロットマシン10には、収納箱11と前面扉12とからなる筐体10aが設けられている。前面扉12には4個の表示窓13が設けられ、各々の表示窓13の奥に第1リール14a、第2リール14b、第3リール14c及びサブリール15が回転自在に組み込まれている。周知のように、第1〜第3リール14a〜14cの外周には複数種類の図柄が一定ピッチで配列され、リールが停止した状態では表示窓13を通して1リール当たり3個の図柄が観察可能になる。これにより、各リールの図柄を1個ずつ組み合わせた直線状の入賞有効ラインが横3本斜め2本の合計5本が設定される。
遊技の開始に先立ってメダル投入口16から1枚のメダルを投入したときには中段の入賞有効ラインが一本有効化され、2枚では中段の入賞有効ラインに上段及び下段の入賞有効ラインを加えた横3本、3枚ではさらに斜めの入賞有効ラインを2本加えた5本の入賞有効ラインが有効化される。また、メダルは50枚を限度にクレジット(貯留)することが可能になっており、クレジットされているメダルの枚数は、クレジット枚数表示器17により表示される。なお、表示窓13から1リール当たり例えば4個ずつの図柄を観察できるようにしておき、横4本の入賞有効ラインのほかに、各リールごとに図柄を一個ずつ組み合わせるように折れ曲がった別の入賞有効ラインを設定することも可能である。
サブリール(報知手段)15には、チェリー図柄が描かれている。サブリール15は、当選役抽選でチェリーに当選した場合にスタートレバー18の操作により第1〜第3リール14a〜14cとともに回転を始める。サブリール15は、チェリー図柄を表示する位置で停止し、これにより、遊技者にチェリーに当選したことが報知される。
なお、サブリール15の外周に描かれる図柄は適宜の図柄にしてよい。また、図柄に限らず、例えばマークや数字などにしてもよい。さらには、サブリール15には、BBモードに移行する可能性を示唆する期待度を示す図柄を描いたり、当選役に当選したか否かの期待度を示す図柄などの適宜の図柄を描いて適宜報知を行うようにしてよい。また、1つの報知を複数の遊技にわたって行ってもよい。
ストップボタン19a〜19cは、これらを操作することにより、各ボタンに対応した第1〜第3リール14a〜14cが個別に停止される。すなわち、ストップボタン19a〜19cの操作はリールの停止操作となる。ストップボタン19a〜19cの上方の操作パネルには、メダルがクレジットされた状態で遊技を行うときに操作される1ベットボタン、MAXベットボタン、ペイアウトボタンなどの各種の操作ボタンが設けられている。これらの操作ボタンの機能はいずれも周知であるのでその詳細については省略する。
前面扉12の下部にはメダル受け皿20が設けられており、このメダル受け皿20には、遊技でメダルの払い出しを伴う当選役が入賞されたときに配当メダルが払い出し口21から払い出される。
図2に示すように、スロットマシン10の作動は基本的にCPU30a及びメモリ31を含む制御部30によって管制される。制御部30にはCPU30a及びメモリ31の他、当選役決定手段を構成する電子抽選部39及び当選役決定部40、BBフラグ貯留部41、BB放出抽選部42が設けられている。
メダルセンサ32はメダル投入口16から投入された適正なメダルを検知し、CPU30aに入力する。メダル投入口16の奥にはセレクタが組み込まれ、不適正なメダルはメダル受け皿20に排出される。また、セレクタは不適切なタイミングでメダルの投入が行われたとき、例えば遊技の途中や各種の操作ボタンが押されたままの状態で投入されたメダルについても、メダルセンサ32を経由させずにメダル受け皿20に排出する。
なお、遊技の開始に先立って投入するメダルの枚数は1〜3枚に限られているため、クレジット機能を用いていないときには4枚目以降に投入されたメダルもメダルセンサ32で検知されることなくメダル受け皿20に排出される。クレジット機能のオン/オフはペイアウトボタンの1プッシュごとに切替えられる。そして、クレジット機能がオン状態のときには4枚目以降に投入されたメダルもメダルセンサ32で検知され、50枚を限度にスロットマシン内部にクレジットされる。
クレジットされたメダルの枚数はクレジット枚数表示器17でデジタル表示される。クレジット機能を用いているときには、前述した1ベットボタンやMAXベットボタンの操作によりメダルの投入操作が行われ、そのベット枚数がクレジット枚数から逐次に減算される。また、遊技が行われて、メダルの払い出しを伴う入賞が得られたときには配当メダルもクレジットされ、ペイアウトボタンを操作したときにクレジットされたメダルが受け皿20に払い出される。
CPU30aは、遊技の開始に先立って投入された1〜3枚のメダルの枚数をメダルセンサ32からの検知信号に基づいて計数し、入賞有効ラインを有効化する本数を決定する。なお、クレジットの枚数は図示を省略した別のクレジットメダルカウンタで計数される。
スタート信号センサ33は1〜3枚のメダルが投入された後、スタートレバー18が操作されたときに、スタートレバー18が操作されたことを示す遊技スタート信号をCPU30aに入力する。遊技スタート信号を受けて、CPU30aはメモリ31のROM領域に格納された遊技を実行させるためのプログラムに基づいて第1〜第3リール14a〜14cを回転させるとともに遊技の処理を開始する。
CPU30aとリール駆動コントローラ34とはリール停止制御手段を構成する。各リールの駆動及び停止制御は、CPU30aとリール駆動コントローラ34とによって行われる。それぞれのリールは個別のステッピングモータ35a〜35dの駆動軸に取り付けられており、各ステッピングモータ35a〜35dの駆動を制御することにより各リールの制御が行われる。なお、メモリ31のRAM領域は、毎回の遊技ごとに利用されるフラグやデータなどの一時的保管や書き換えなどに用いられる。
ステッピングモータ35a〜35dは、CPU30aから供給された駆動パルスの個数に応じた回転角で回転する。このため、CPU30aから供給する駆動パルスの個数を制御することによって第1〜第3リール14a〜14c及びサブリール15の回転角を制御することができ、駆動パルスの供給を絶つことによりリールの停止位置を決めることができる。また、各リールには、その基準位置に反射信号部36a〜36dが一体に形成され、その一回転ごとにフォトセンサ37a〜37dがそれぞれの反射信号部の通過を光電検出する。フォトセンサ37a〜37dによる検知信号は、リールの基準位置を示すリセット信号としてCPU30aに入力される。
CPU30aには、各々のステッピングモータ35a〜35dに供給された駆動パルスの個数を計数するパルスカウンタが設けられており、CPU30aは、フォトセンサ37a〜37dからリセット信号が入力されたときに、対応するパルスカウンタのカウント値をクリアする。したがって、それぞれのパルスカウンタには、各リールの1回転内の回転角に対応した駆動パルスの個数が逐次に更新しながら保存されることになる。
メモリ31のROM領域には、各リールの基準位置からの回転角に対応した駆動パルスの個数と、リールに一定ピッチで配列されたそれぞれの図柄を表す図柄コードとが対応づけられた図柄テーブルが格納されている。CPU30aは、この図柄テーブルを参照しながら、リールごとにパルスカウンタのカウント値を監視することによって、例えば中段の入賞有効ライン上にどの図柄が移動してきているのかを識別し、また、さらにどの程度リールを回転させれば目的の図柄が入賞有効ライン上に移動してくるのかを予測することができる。
ストップボタンセンサ38a〜38cは、ストップボタン19a〜19cが操作されたときに、ストップボタン19a〜19cが操作されたことを示すストップ信号をCPU30aに入力する。スタートレバー18を操作して第1〜第3リール14a〜14cの回転が始まり、これらの回転が定常速度に達した時点で、CPU30aはストップボタン19a〜19cの操作を有効化する。この後、ストップボタン19a〜19cを操作すると、ストップボタン19a〜19cに対応する第1〜第3リール14a〜14cの停止制御が開始される。
第1〜第3リール14a〜14cの外周面は、所定の範囲ごとに所定のコマ数に区画されており、各コマには図柄が1個づつ割り当てられている。そして、第1〜第3リール14a〜14cの停止制御は、図柄5個分の0〜4コマの範囲(引き込み範囲)内で行われ、例えばストップボタン19a〜19cが操作されたときに、入賞有効ライン上に位置している図柄から連続する4個の図柄の中に、抽選で当選された当選役を構成する図柄が含まれている場合には、第1〜第3リール14a〜14cが停止するまでの時間が遅らせられ、当選役を構成する図柄が入賞有効ライン上に停止するように第1〜第3リール14a〜14cの停止制御が行われる(引き込み制御)。
ベルを構成するベル図柄及びスイカを構成するスイカ図柄は、各ベル図柄同士の間隔が、図柄4個分以内(引き込み範囲内)となるように配列されており、これらの図柄の引き込み制御が行われた場合、ストップボタン19a〜19cが操作されたタイミングに関係なく入賞するように第1〜第3リール14a〜14cの停止制御が行われる。
当選役抽選でチェリーに当選した場合を除いて、当選役抽選で当選していない当選役が入賞するようにストップボタン19a〜19cが操作された場合は、当選していない当選役が入賞しないように第1〜第3リール14a〜14cの停止制御が行われる(蹴飛ばし制御)。
当選役抽選でチェリーに当選した場合は、CPU30a及びリール駆動コントローラ34は、BBを構成するBB図柄及びリプレイを構成するリプレイ図柄が入賞有効ライン上に停止しないように、BB図柄及びリプレイ図柄の蹴飛ばし制御を行い、その他の図柄は、ストップボタン19a〜19cが操作されたときに入賞有効ライン上に位置する図柄が停止するように第1〜第3リール14a〜14cの停止制御を行う(以下、チェリーに当選した場合のリールの停止制御をリールの無制御状態と称する)。なお、入賞有効ライン上に図柄が描かれていない空白の部分が入賞有効ライン上に位置しているときにストップボタン19a〜19cの操作が行われた場合には、次に入賞有効ライン上に到達する図柄が停止される。このため、請求項中及び本明細書中の「入賞有効ライン上に位置する図柄」とは、入賞有効ライン上に図柄が描かれていない空白の部分が位置しているときにストップボタン19a〜19cの操作が行われた場合に停止する図柄も含むこととする。
なお、複数のストップボタンを操作したときにはタイミングの早い方のリールだけが停止し、完全に同時操作したときにはいずれのリールも停止しない。さらには、リールの停止制御を行うことによって、入賞有効ライン上に停止した図柄の種類、又は図柄の組み合わせにより内部入賞している当選役を遊技者に報知する、いわゆるリーチ目を表示するようにしてもよい。
スタート信号センサ33から遊技スタート信号が入力されると、CPU30aは電子抽選部39を作動させる。電子抽選部39は乱数発生器と乱数値サンプリング回路とを備え、遊技が開始されるごとに1つの乱数値を抽選する。抽選された乱数値は当選役決定部40に入力される。当選役決定部40では、入力された値に応じて現在実行された遊技でどのような当選役を与えるかが決定される。
当選役決定部40には当選役抽選テーブル40aが設けられている。当選役抽選テーブル40aでは、乱数発生器で発生する全乱数値をその数値範囲ごとにグループ化した複数の乱数値グループに、BB、小役、リプレイ、ハズレが割り当てられている。そして、乱数値サンプリング回路でサンプリングされた乱数値がいずれの乱数値グループに属する値であるかによってハズレ及び複数種類の当選役のいずれかが決められる。
小役は、チェリー、ベル、スイカの3種類が設定されているが、これらの3種類はグループ化されて1つのグループ役として当選役決定部40に割り当てられている。グループ役が割り当てられた乱数値グループは、さらに3種類の乱数値グループに区切られて前述した3種類の小役が割り当てられている。これにより、当選役抽選テーブル40aを用いて抽選が行われると、グループ役を構成する3種類の小役のうちのいずれの小役を当選とするかが決定される。
また、詳しくは図示しないが、当選役決定部40には、当選役抽選テーブル40aの他に、RTモードの遊技で用いられるリプレイ高確率抽選テーブルが設けられている。リプレイ高確率抽選テーブルでは、当選役抽選テーブル40aと同様に当選役の種類ごとに乱数値のグループ分けがおこなわれているが、当選役抽選テーブル40aに比べて、リプレイが割り当てられる乱数値グループの数値範囲が大きく、ハズレが割り当てられる乱数値グループの数値範囲が小さくなるように乱数値がグループ分けされている。すなわち、リプレイ高確率抽選テーブルを用いて抽選を行うと、当選役抽選テーブル40aを用いて抽選を行った場合よりもリプレイの当選確率が高くなり、ハズレの当選確率が低くなる。当選役決定部40には、当選役抽選テーブル40aやリプレイ当選高確率テーブルの他に、BBが内部入賞した状態での遊技、BBモードでの遊技、RBモードでの遊技、RB導入モードでの遊技などで用いられる当選役抽選テーブルが設けられている。
BBフラグ貯留部(特別当選役貯留手段)41はメモリから構成されている。BBフラグ貯留部41には、BBに当選するとBBフラグが書き込まれ、当選したBBが貯留される。なお、BBフラグが1個読み出されると、BBモードに1回移行される。
BB放出抽選部42は、RTモードで0枚役が入賞されると作動され、BBフラグ貯留部41に書き込まれているBBフラグを放出して、BBを内部入賞させるか否かを決定するBB放出抽選が行われる。
ホッパー装置43は、当選役の種類に応じて規定枚数の配当メダルをメダル受け皿20に払い出すか、あるいはクレジットカウンタにその規定枚数を加算する。なお、当選役の種類ごとに配当メダルの枚数を決めた配当テーブルはメモリ31のROM領域に格納されており、CPU30aがこれを読み取ってホッパー装置43を駆動する。
次に上記のように構成されたスロットマシンの作用について説明する。図3に示すように、通常モードでの遊技の開始に先立ってメダルを1〜3枚投入すると、投入されたメダルの枚数がCPU30aによりカウントされる。スタートレバー18により遊技スタート操作を行うとスタート信号センサ33からCPU30aに遊技スタート信号が入力され、第1〜第3リール14a〜14cの回転が開始される。
スタートレバー18の操作と同時に電子抽選部39は乱数をサンプリングし、サンプリングした乱数値を当選役決定部40の当選役抽選テーブル40aと照合する。これにより、ハズレ又は当選役の種類が決定され、当選役決定信号がCPU30aにフィードバックされる。当選役決定部40で当選役の種類が決定されるとストップボタン19a〜19cの操作が有効化される。
CPU30a及びリール駆動コントローラ34はリールごとに設けられた前述のパルスカウンタのカウント値を参照しながらストップボタン19a〜19cの操作タイミングを監視し、当選役決定部40で決定された図柄が入賞有効ライン上に停止しやすいように第1〜第3リール14a〜14cの停止制御を行う。
当選役抽選で、グループ役のうちのベル又はスイカに当選した場合、CPU30a及びリール駆動コントローラ34は、これらの当選役を構成する図柄が入賞するように第1〜第3リール14a〜14cの停止制御を行う。
当選役抽選で、グループ役のうちのチェリーに当選した場合、CPU30a及びリール駆動コントローラ34は第1〜第3リール14a〜14cとともにサブリール15を回転させ、サブリール15をチェリー図柄を表示する位置で停止させる。これにより、遊技者にチェリーに当選したことが報知される。この後、ストップボタン19a〜19cの操作が有効化される。遊技者がストップボタン19a〜19cを操作すると、CPU30a及びリール駆動コントローラ34は第1〜第3リール14a〜14cを無制御状態とし、BB図柄及びリプレイ図柄の蹴飛ばし制御を行い、ストップボタン19a〜19cが操作されたときに入賞有効ライン上に位置する図柄停止するように第1〜第3リール14a〜14cの停止制御を行う。この場合、ベル又はスイカが入賞しても、当選役抽選の際には、ベル、スイカ、チェリーはグループ役として1つの当選役として扱われているため、当選していない当選役が入賞することを防止できる。これにより、例えば、第1〜第3リール14a〜14cが無制御状態になるCTモードを設定することなくCTモードの遊技の内容と同様の内容の遊技を行うことができるようになるので遊技者の遊技への不満を解消することができる。
当選役決定部40でBBが決定されると、BBフラグ貯留部41にBBフラグが書き込まれてBBが貯留され、通常モードからRTモードに移行される。RTモードの遊技では、電子抽選部39はサンプリングされた乱数値をリプレイ高確率抽選テーブルと照合して当選役の種類を決定する。これにより、RTモードでは通常モードよりもリプレイの当選確率が高くなり、ハズレの当選確率が低くなる。RTモードの遊技でBBに当選した場合はBBフラグ貯留部41にRBフラグが書き込まれてBBが貯留される。
RTモードの遊技でグループ役に当選した場合は通常モードと同様に第1〜第3リール14a〜14cの停止制御が行われるが、チェリーに当選し、ストップボタン19a〜19cが操作された結果、0枚役が入賞された場合には、CPU30aはBB放出抽選部42を作動し、BB放出抽選を行わせる。BB放出抽選に当選した場合には、CPU30aはBBフラグ貯留メモリ41からBBフラグを読み出しBBが内部入賞した状態とする。このため、サブリール15によってチェリーに当選したことが報知されると、遊技者に0枚役を入賞させることへの緊張感を抱かせ、遊技への興趣を高めることができる。
遊技者がBBを入賞させると、CPU30aは先ずメモリ31のROM領域からRB導入モードの実行プログラムを読み出し、通常モードからRB導入モードに移行させる。RB導入モードでは、1〜3枚のメダルベットで遊技が行われ、RB導入モードでリプレイに当選し、これを入賞させるとRB導入モードからRBモードに移行される。BBモードはRB導入モードでの遊技が30回行われるか又はRBモードに3回移行されると終了される。
図4は記録媒体(CD,フレキシブルディスク,ICメモリ,MO等)60をスロットマシン10にインストールする例を示しており、記録媒体60には図3のフローチャートで示すような手段を、CPU30aとメモリ31とを含むコンピュータ61で実現するためのプログラムが格納されている。この場合、例えば遊技者に同一個数の遊技媒体が払い出される少なくとも2種類の当選役をグループ化して割り当てた当選役抽選テーブルを用いることによって、ハズレ及び複数種類の当選役のいずれかを抽選により決定する当選役決定手段と、前記当選役決定手段での抽選で、グループ化された当選役のうちのいずれかが決定された場合、リールの停止操作が行われたときに入賞有効ライン上に位置する図柄を停止させ、かつグループ化された当選役とは別な種類の特別当選役が入賞不能となるようにリールの停止制御を行うリール停止制御手段としてコンピュータ61を機能させるためのプログラムを記録媒体60に記録する。そして、この記録媒体60を読み取り装置62に装填して、プログラムをスロットマシン10にインストールする。
なお、前記プログラムは、記録媒体60を介してインストールする代わりにインターネットを利用してスロットマシン10に配信することができる。また、配信された本発明のプログラム、又は、記録媒体60から読み出した本発明のプログラムをパソコンにインストールし、モニタ上でスロットマシンの遊技を行うことも可能である。
上記実施形態では、ベル、スイカ、チェリーの3種類の小役をグループ化したが、各当選役が入賞したときのメダルの払い出し枚数を同一にすれば適宜の当選役をグループ化してよい。
上記実施形態では、報知手段としてサブリール15を用いたが、報知手段としては例えばランプや音声など適宜の手段を用いてよい。
上記実施形態では、RTモードを設けてBBを貯留させたが、BBを貯留させなくてもよい。
なお、本発明はリール駆動タイプのスロットマシンに限らず、液晶パネルなどを用いたスロットマシンやパチンコ機などにも等しく適用することができる。さらに、上記実施形態のように、入賞有効ラインが横3本、斜め2本の合計5本設定された遊技機に限らず、その他の入賞有効ライン数の遊技機にも本発明は適用可能である。
本発明を用いたスロットマシンの外観図である。 図1に示すスロットマシンの電気的概略構成を示す機能ブロック図である。 遊技の流れを示すフローチャートである。 プログラムが格納された記録媒体を、スロットマシンにインストールする場合の説明図である。
符号の説明
10 スロットマシン
15 サブリール(報知手段)
30 制御部
30a CPU
31 メモリ
34 リール駆動コントローラ
39 電子抽選部
40 当選役決定部
40a 当選役抽選テーブル
41 BBフラグ貯留部
42 BB放出抽選部
60 記録媒体
61 コンピュータ
62 読み取り装置

Claims (2)

  1. 外周に複数種類の図柄が配列され、遊技を開始する操作に応答して回転するリールと、ハズレ及び複数種類の当選役のいずれかを抽選により決定する当選役決定手段とを備えた遊技機において、
    前記当選役決定手段での抽選で当選した特別当選役を貯留する特別当選役貯留手段と、
    前記当選役決定手段での抽選で用いられ、前記特別当選役以外の当選役で、かつ遊技者に同一個数の遊技媒体が払い出される少なくとも2種類の当選役をグループ化して割り当てた当選役抽選テーブルと、
    前記当選役決定手段での抽選で、前記グループ化された当選役のうち特定当選役が決定された遊技では、前記リールの停止操作が行われたときに前記入賞有効ライン上に位置する図柄を停止させ、かつ前記特別当選役が入賞不能となるようにリールの停止制御を行うとともに、前記グループ化された当選役及び前記特別当選役とは異なる放出当選役が入賞したことを契機に行われる放出抽選に当選した場合は、その後の遊技で前記特別当選役が入賞可能となるようにリールの停止制御を行うリール停止制御手段とを設けたことを特徴とする遊技機。
  2. 記当選役決定手段での抽選で前記特定当選役が決定されたことを報知する報知手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の遊技機。
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