JP2004193767A - ディジタル記録テープの調相再生方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】最小単位がフレーム単位であるタイムコードの付された複数のディジタル記録テープを調相再生し、それぞれのテープに指定された位置でシームレスに繋ぎ合わせた映像信号を再生することにある。
【解決手段】第1のテープ16a及び第2のテープ16bを再生するVTR1a、及びVTR1bのTC回路11より、夫々のテープを再生時のタイムコードを交互に繰り返して読み、第n回目及びn+2回目と、第n+1回目及びn+3回目とのそれぞれのタイムコード同士がお互いに同一であるタイムコードを求め、それらのタイムコードの差が所定値になるように第2テープの再生速度を速度設定回路12の速度設定を間欠的に変化させて、第1及び第2のディジタル記録テープの調相制御を行い、指定位置で第1のテープから第2のテープに再生を切換回路14で切換えるようにして、連続する映像信号を出力するようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】第1のテープ16a及び第2のテープ16bを再生するVTR1a、及びVTR1bのTC回路11より、夫々のテープを再生時のタイムコードを交互に繰り返して読み、第n回目及びn+2回目と、第n+1回目及びn+3回目とのそれぞれのタイムコード同士がお互いに同一であるタイムコードを求め、それらのタイムコードの差が所定値になるように第2テープの再生速度を速度設定回路12の速度設定を間欠的に変化させて、第1及び第2のディジタル記録テープの調相制御を行い、指定位置で第1のテープから第2のテープに再生を切換回路14で切換えるようにして、連続する映像信号を出力するようにした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、映像及び音声等のディジタルコンテンツのオーサリング装置に係わり、特に、長時間の映画やドラマなどを複数のテープに記録した信号を1つのディジタルコンテンツの再生信号として、つなぎ合わせた映像信号を出力するディジタル記録テープの調相再生方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、複数のアナログ磁気記録テープにドラマなどのシーンを予め集録しておき、それぞれのシーンを同期させながら再生し、つなぎ合わせるようにして編集済みマスターテープを作成するアナログ磁気記録テープの調相編集システムがある。
【0003】
そして、テープ編集は、多くのシーン素材テープの頭出し、及び同期再生しつつ行う編集作業は煩雑であるため、シーン記録のされた素材テープをハードディスクなどのアクセス可能なメディアに記録し、シーン素材を所定の順にランダムアクセスしながら再生し、時間編集された出力信号として再生するものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
さらに、近年、映画等のコンテンツのフィルムの編集の効率化を行い、短時間で編集作業を行うための工夫もなされるようになってきた。
一方、編集されて制作された映画等のコンテンツを記録したフィルムはロール単位で管理され、複数ロールに分割されて映画館などに配給される。
【0005】
そして、分割されたコンテンツフィルムは、映写現場において複数の映写機を用いて交互に映写することにより連続した1つのコンテンツとして上映されるようになされている。ロール単位で映写を行う映画館での使用に対しては好適な配給方法である。
【0006】
また、それらの複数ロールのコンテンツを映画番組として放送する、CATV網に送出する、ないしは長時間記録媒体に記録する場合においては、複数ロールのコンテンツを連続して再生することはできるものの、操作は煩雑である。そこで、事前に複数ロールのコンテンツを連続する1つのコンテンツに繋ぎ合わせておき、それを用いて再生する方法もある。
【0007】
例えば、ロール分割されたコンテンツのそれぞれをハードディスクに記録し、それらを連続して順に再生するようにして1つの連続するコンテンツとして再生できるようにしておき、それにより連続送出、及び長時間記録媒体の作成などに用いられる。
【0008】
しかし、ロール分割されたコンテンツをハードディスクにコピーするのは煩雑である。そこで、制作された高画質な映像信号をテープに記録して配給する方法もある。また、HDTVなどの高画質な映像信号を記録するテープの場合では、最大再生時間は2時間程度に制限されてしまうため、例えば2時間を超える映画コンテンツは複数本数のディジタルテープに分割記録されることになる。ロール本数よりは少ないものの1本のマスターテープとして制作することができなく、やはり連続再生に対して不便である。
【0009】
そこで、複数のマスターテープを複数のVTRを用いて順次切換制御しながら連続再生する方法がある(例えば、特許文献2参照。)。その方法によれば、第1のテープ媒体に連続再生エンドモード領域を、第2のテープ媒体に連続再生スタートモード領域を形成することで再生信号を切り替えて繋げた信号として再生を行っている。
【0010】
【特許文献1】
特開平10−341398号公報
【特許文献2】
特開平5−94652号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この場合では、調相方法や出力映像信号が同期するようにタイミングを合わせる方法については、テープ媒体に記録された切り替え信号を使用するため、任意の場所で切り替えるのは困難である。
【0012】
さらに、映像信号をディジタル信号に変換して記録するディジタルテープレコーダは、テープ媒体上のディフェクトによる画像の乱れを目立たなくするためのインターリーブ処理を行い、更には誤り信号を訂正するためのエラー訂正用信号も記録するようにしている。また、記録する信号をフレーム内符号化、及びフレーム間符号化などにより圧縮符号化して記録する場合がある。
【0013】
その符号化を行って記録したディジタル記録テープの再生は、記録媒体を再生した後それらの符号化信号を復号化して再生するため、記録媒体が再生されて得られる映像信号はそれらの信号処理を終えた後に出力されるため、所定の時間を必要とすると共に、その時間も再生を開始した部分の記録内容によって異なった値となる。
【0014】
さらに、それらの信号処理を終えた信号を、スムーズに連続した映像信号として出力するために、通常ビデオバッファアンプを配置する。即ち、ディジタル記録テープ再生装置は、内蔵されたビデオバッファに記憶する映像信号のオーバフロー、及びアンダーフローが生じないように記憶される映像信号のデータ量制御を行うようにしている。
【0015】
上記のようにして、ディジタル記録テープを再生して得られる映像信号は、記録媒体を再生して後に変動する処理時間を経過した後にしか得ることが出来なく、単に媒体の記録位置に係るタイムコードを基にした再生のみでは映像信号の時間位置が特定出来ない。
そのため、複数のディジタルビデオテープを連続して繋ぎ合わせ再生をしようとするときに生じる映像信号が再生されるまでの時間の不確定さを解決して同期再生を行う必要がある。
【0016】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、再生位置に対して特定が困難であるディジタルテープ状記録媒体に記録された複数の映像信号を、シームレスな連続した映像信号として再生するディジタル記録テープの調相再生方法を実現する。
【0017】
即ち、そのディジタル記録テープの調相再生は、画像枚数を最小単位とするタイムコードを出力するディジタルVTRの調相に対しても好適に動作するようにする。そして、市場にあるディジタルVTRに改造を加えることなく、単にパソコンなどの制御装置を接続することにより、好適な調相同期再生を行えるようにする。それにより、複数のディジタル記録テープを任意の接続点で繋ぎ合わせた連続映像再生信号を得るディジタル記録テープの調相再生方法を提供することを目的とするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段より成るものである。
すなわち、
【0019】
第1のテープ状記録媒体に再生終了画面の位置を指定すると共に第2のテープ状記録媒体に再生開始画面の位置を指定し、第1の媒体から再生される再生終了画面の位置までの映像信号に連続させて、第2の媒体から再生される再生開始画面の位置以降の映像信号を出力するためのディジタル記録テープの調相再生方法であり、
前記第1のテープ状記録媒体は、第1の映像信号を符号化した符号化映像信号と、その符号化映像信号の記録位置に係る絶対アドレスを画像単位でインクリメントして記述する第1のタイムコードとを記録した媒体であると共に、
前記第2のテープ状記録媒体は、第2の映像信号を符号化した符号化映像信号と、その符号化映像信号の記録位置に係る絶対アドレスを画像単位でインクリメントして記述する第2のタイムコードとを記録した媒体であるディジタル記録テープの調相再生方法において、
前記再生終了画面の位置を指定する前記第1のタイムコードの値である第1のタイムコード値と、前記再生開始画面の位置を指定する前記第2のタイムコードの値である第2のタイムコード値との差である同期タイムコード差を求める第1のステップ(S1)と、
前記第1のテープ状記録媒体の再生を通常再生速度で開始する第2のステップ(S2)と、
前記第1のテープ状記録媒体を通常再生速度で再生して得られる前記第1のタイムコードが前記第1のタイムコード値に対して所定時間手前に達したときに、前記第2のタイムコード値に対して前記所定時間手前から再生が開始される位置と想定される位置より、前記第2のテープ状記録媒体の再生を通常再生速度で開始する第3のステップ(S5)と、
前記第1のテープ状記録媒体を通常再生速度で再生して得られる前記第1のタイムコードと、前記第2のテープ状記録媒体を通常再生速度で再生して得られる前記第2のタイムコードとの読み出しを交互に複数回繰り返し、第n回目及び第n+2回目(nは自然数)に読み出したタイムコードの値が同一値である第1の同一タイムコード値となり、且つ第n+1回目及び第n+3回目に読み出したタイムコードの値が同一値である第2の同一タイムコード値となるまでタイムコードの読み出しを行う第4のステップ(S6)と、
前記第1の同一タイムコード値と前記第2の同一タイムコード値との差である同一タイムコード差を求める第5のステップ(S6)と、
前記同一タイムコード差と前記同期タイムコード差とを比較し、前記同一タイムコード差の方が大きいときは前記第2のテープ状記録媒体の再生速度を通常再生速度よりも大きく設定すると共に、前記同一タイムコード差の方が小さいときは前記第2のテープ状記録媒体の再生速度を通常再生速度よりも小さく設定して、第2のテープ状記録媒体を所定画像枚数区間走行させる第6のステップ(S8、S9、S10)と、
その第6のステップの後、前記第2のテープ状記録媒体の再生速度を通常再生速度に戻して前記第2の映像信号及び前記第2のタイムコードを再生する第7のステップ(S11)と、
前記同一タイムコード差と前記同期タイムコード差とが等しくなるまで前記第4から第7のステップを繰り返す第8のステップ(S7)と、
その第8のステップの後、前記再生終了画面の再生終了タイミングで、映像信号出力を前記第1のテープ状記録媒体から再生される第1の映像信号から、前記第2のテープ状記録媒体から再生される第2の映像信号に切換える第9のステップ(S12、S13)と、
を有することを特徴とするディジタル記録テープの調相再生方法。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のディジタル記録テープの調相再生方法の実施の形態につき、好ましい実施例により、図面を参照して説明する。
<第1実施例>
図1は、本発明の第1の実施例に関わるオーサリング装置の概略構成例である。
【0021】
同図に示すオーサリング装置1は、タイムコード(TC)回路11、速度設定回路12、インタフェース(I/F)回路13、切換回路14、録再回路15、及び記録媒体16aよりなる第1のVTR1aと、第1のVTR1aに比し記録媒体16aの代りに記録媒体16bを有している第2のVTR1bと、パソコン(PC)3、と信号発生器(SSG)4と、MPEGエンコーダ5とより構成される。
【0022】
そして、それぞれの記録媒体16a及び16bには、映像信号の記録位置に係る絶対アドレスが画像枚数単位でタイムコードとして付されている。また、記録媒体16aに記録される映像信号のうち、再生が行われる映像信号の最後の画像部分が再生終了画面として、例えばSMPTE(Society of Motion Picture and Television Engineer)タイムコードにより指定される。
【0023】
さらに、記録媒体16bには、記録媒体16aの再生終了画面の次に再生すべき再生開始映像信号の最初の画像部分が再生開始画面としてタイムコードにより指定される。そして、オーサリング装置1はそれぞれの記録媒体16a及び16bの再生をタイムコードを検出しつつ行い、それぞれの記録媒体16a及び16bのシームレスな繋ぎ再生を行うように動作する。
【0024】
次に、繋ぎ再生動作について概説する。なお、VTR1aとVTR1bとはそれぞれが異なる記録媒体16a及び記録媒体16bの再生を行う。そして、第1のVTR1a及び第2のVTR1bには、SSG(Standard Signal Generator)4からの同期信号が供給されており、標準速度再生時には、それぞれのVTRから位相同期された再生信号が得られる。
ここで、それぞれのVTR1a及び1bの構成は同一であるので、VTR1aの動作を主に述べる。
【0025】
まず、速度設定回路12により、VTRの再生速度が設定される。その再生速度は標準再生速度に対して0.1%の細かさで高速再生、又は低速再生の指定が出来る。そして、TC(Time code)回路11では、記録及び再生中の映像信号のテープ記録位置に係るタイムコードが生成される。そのタイムコードは動画を構成する画像の枚数ごとの細かさ、即ちフレーム数を最小単位とした時間により記述される。
【0026】
録再回路15では、切換回路14から供給される映像信号はディジタル信号に変換され、その変換された信号に対して圧縮符号化、誤り訂正信号の付加、インターリーブ処理、及びディジタル変調などが行われ、TC回路11で生成されたタイムコードと共に記録媒体16aに記録される記録信号が生成される。
【0027】
その記録信号は図示しないロータリーヘッドによって記録媒体16aに記録される。そして、記録された信号の読み出しは、ロータリーヘッドが用いられて行われ、読み出された信号は録再回路15に供給される。そこでは、ディジタル復調、デインターリーブ処理、及び誤り信号の訂正処理などがなされて圧縮符号化信号が得られる。
【0028】
その圧縮符号化信号は、記録時の処理と相補的な動作により再生処理がなされて、映像信号が再生されると共に、再生された映像信号は図示しないビデオRAMに一時記憶される。そして、SSG4から供給される同期用駆動信号に基づいてビデオRAMに一時記憶された映像信号は読み出され、切換回路14に供給される。
【0029】
その切換回路14では、入力された映像信号はそのままE−E(Electric to Electric)出力信号として出力されるか、又は記録媒体16aから読み出された信号を再生処理して得られた映像信号が出力されるかなど、切換えられた一方の信号を出力させる回路である。
【0030】
また、それらの出力信号の切換えタイミングはパソコン(PC)3により制御される。即ち、TC回路11で生成されたタイムコードはインタフェース13を介してパソコン3に供給される他、パソコン3によりテープ再生に係る切換えタイミングがタイムコードにより切換回路14に指定され、その切換回路14ではその指定された時間に出力信号が切換えられる。
【0031】
また、パソコン3からの制御信号はインタフェース13を介して速度設定回路12に、再生速度の設定命令として供給されることにより、記録媒体16aの再生速度の可変がなされる。
【0032】
以上述べたように構成されるオーサリング装置1のVTR1bは、入力される映像信号又は記録媒体16bを再生して得らえる映像信号のいずれか一方が切換回路14により切換えられて出力され、その出力信号はVTR1aに供給される。そして、VTR1aは、VTR1bから供給される信号又は記録媒体16aを再生して得られる信号が切換回路14により切換えられて出力され、その出力はMPEGエンコーダ5に入力されるようになされている。
【0033】
そのMPEGエンコーダ5では、供給された映像信号が符号化され、その符号化された符号化信号出力がオーサリング装置1から出力される。そして、符号化信号出力は、必要に応じてフォーマット変換を行った後にD−VHS(D−VHSは日本ビクター株式会社所有の登録商標である)などのVTR装置に供給されて記録される、CATVなどの送出装置に供給されて配信される、又はインターネットへの送出装置に供給されてインターネット放送として通信ネットワークに配信されるなどの、映像出力信号として用いられる。
【0034】
そして、オーサリング装置1から出力される映像信号は、記録媒体16a及び記録媒体16bの、それぞれの合計される記録時間の信号を連続再生して出力できるなど、長時間の番組映像信号の供給源として用いられる。
【0035】
次に、それぞれの記録媒体16a及び16bの連続再生動作についてさらに述べる。
図2に、連続して再生すべき2つの記録媒体に対して指定される、再生終了のタイムコード及び再生開始のタイムコードなどを設定するための表示画面例を示す。
【0036】
同図において、表示画面の上部には1000フレーム毎に1フレームの画像をスキップして再生する、いわゆるドロップフレームによるタイムコードを使用する場合の指定ボックスがあり、そのボックス内にマークを付してドロップフレームに対応したタイムコードを用いる場合に対応する。
【0037】
その下に示される領域は、VTRに対する再生開始タイムコード(In Point TC)と、再生終了タイムコード(Out Point TC)を指定するための領域であり、同図の場合ではVCR(Video Cassette Recorder)の識別番号(ID)が1であるVTR1aに対して、1時間12分34秒12フレームの位置から2時間22分55秒24フレームまで再生する指定を行う場合を示している。
【0038】
VCRのIDが2であるVTR1bに対しては、同図の左下に示すPageで002を指定し、VTR1aと同様に指定する。それらの指定されたタイムコードが用いられて、例えば記録媒体16aの再生終了位置に続けて記録媒体16bの再生開始の位置より再生するなどの連続再生を指定する。
次に、記録媒体16a及び記録媒体16bの連続再生について述べる。
【0039】
図3に、2台のVTRで再生されるそれぞれの記録媒体16a(以降、テープAと記すこともある)及び記録媒体16b(以降、テープBと記すこともある)の連続再生動作に係るタイミングの関係を示す。
同図に示す(a)はVTR1aで再生されるテープAの記録内容、再生個所、及び再生制御命令を発行するタイミングを示している。そして、(b)にはVTR1bで再生されるテープBのブランク記録部分を含む記録内容、再生個所、及び再生制御命令の発行タイミングを示している。
【0040】
また(c)には、VTR1aにおける切換回路14の切換タイミングを示しており、切換えられたVTR1aの出力信号はMPEGエンコーダ5に供給される信号である。
【0041】
切換タイミングについてさらに述べる。即ち、テープAがタイムコードT1aからT1bまで再生され、それに続けてテープBのT2aからT2bまでが再生される場合の動作タイミングについて述べる。
【0042】
ここで、VTR1aの切換回路14の切換時間は、信号切換命令を受けて5フレーム後に切換動作が実行されるようになっている。従って、時間T1bにおいてテープAからテープBに切換えた再生信号を得るためには、その切換時T1bに対して5フレーム前の時間T1dにおいて切換信号(EE ON命令)を発する必要がある。
【0043】
また、ここで、VTR1aとVTR1bの調相同期に必要とされる時間を1分間とする。そして、テープBの再生開始位置を、切換時間T2aの1分間手前の位置であるT2cの位置にするようにし、VTR1bは再生命令によりそこからテープBの再生が開始されるように、テープA及びテープBをプリロールの状態とする。
【0044】
次に、VTR1aをテープAのタイムコードT1aの位置より再生を開始する。テープAのタイムコードがT1bの1分間手前であるT1cに達したときにVTR1bの再生を開始する。
【0045】
そして、テープAの再生中のタイムコードT1fとテープBの再生中のタイムコードT2fとの時間差を計算し、予め求めてあるT1bとT2aの時間差である信号切換点における時間差よりも大きいか否かを比較する。
【0046】
そして、再生中のタイムコードの差の方が大きいときには後述の方法によりVTR1bの再生速度を増加させ、差が小さいときには再生速度を減少させるようにして、再生中の時間差と信号切換点での時間差が同一になるまで再生速度の可変動作を繰り返す。
【0047】
それらの時間差が同一となったときは、テープAとテープBとは調相同期再生していることになるので、通常速度再生を継続する。そして、テープAのタイムコードがT1dになったときに切換命令信号(ここではEE ON命令)を発生させ、その5フレーム後に、テープAのT1bの位置の画像に続けて、T2aから開始されるテープBの画像を再生する。
【0048】
その後、テープAはブランク部の記録が終了した位置で再生が停止され、テープBは記録内容が終了するまで再生を継続し、その後再生を停止させるようにして、同期調相再生動作を終了する。
【0049】
なお、このような同期調相の動作は、VTR1a及びVTR1bからTC回路11を介して出力されるタイムコードがフレーム位置を最小単位とする場合に対して同期調相を行ったものである。
【0050】
そして、VTR1a及びVTR1bはSSG4から水平及び垂直の同期期間に係る同期信号が供給されているため、タイムコードがフレーム位置を最小単位として制御する場合に対しても走査線単位での調相がなされる。従って、テープA及びテープBから再生される映像信号は、完全に調相同期の取れた信号としてMPEGエンコーダ5に供給される。
【0051】
以上により、市場に供給されている通常のVTRを用い、そのVTRから供給される最小時間間隔がフレーム単位であるタイムコードをインタフェース回路を介して取得することにより、ディジタル記録テープの繋ぎ再生を可能にすることができる。
【0052】
次に、上述の繋ぎ再生動作について更に述べる。
図4に、同期調相動作の前半部の動作を、また図5にその後半部の動作をフローチャートにより示し、同図を参照して説明する。
【0053】
まず、S(ステップ)1において、テープAとテープBの繋ぎ再生を行うためのタイムコードT1a、T1b、T2a及びT2bを設定する。そして、T1bとT2aとの差の時間であるd1を求める。さらに、VTR1aのテープAのタイムコードをT1aの位置に、またVTR1bのテープBのタイムコードをT2aの位置になるように再生開始位置の設定(キューアップ)を行う。
【0054】
次に、S2においてVTR1aの再生を開始する。そして、S3においてVTR1aのタイムコードT1を監視し、S4においてそのタイムコードがT1cに達するか否かをチェックする。S3及びS4の動作を、T1=T1cとなるまで繰り返し、T1=T1cとなったときにはS5においてVTR1bの再生を開始する。
【0055】
次に、VTR1aのタイムコードT1及びVTR1bのタイムコードT2のそれぞれの値を読み出し、T1とT2との差の時間dxを求める。S7で、d1とdxが同一の値であるか否かがチェックされ、同一である場合には2つのVTRは調相関係にあるため、S12においてT1がT1dとなるまで再生動作を継続する。
【0056】
そして、T1=T1dとなったときに、S13においてテープAの再生信号をテープBの再生信号に切換えるための切換信号がパソコン3よりVTR1bの切換回路14に供給され、そこでは5フレーム経過後に信号の切換動作がなされる。S14において、テープAのブランク部分の再生終了後、又はテープAを所定の個所まで再生した後に、再生を停止する。
【0057】
また、上記のS7においてd1とdxとが等しくないとされる場合には、S8においてd1<dxであるかがチェックされ、d1<dxであるときにはS10においてVTR1bの再生速度を10%増加させる。そして、S11において一定時間後(例えば6フレーム時間経過後)を待って、増加させた再生速度を通常速度に戻し、そのまま速度が安定するまでの時間(例えば60フレーム時間=2秒間)再生を継続する。その後S6以降の動作を繰り返す。
【0058】
さらに、上記のS7においてd1とdxとが等しくなく、S8においてd1<dxでないとされるときにはS9においてVTR1bの再生速度を10%減少させる。そして、S11において6フレーム経過後に、減少させた再生速度を通常速度に戻し、2秒間再生を継続し、その後S6以降の動作を繰り返す。
【0059】
次に、S6における、VTR1a及びVTR1bのそれぞれのタイムコードをパソコン3により読み出し、それらの時間差dxを求める方法について更に述べる。
図6に、テープA及びテープBのタイムコードと、パソコン3により行われるタイムコード読み出しの時間関係を記す。
【0060】
同図において、自然数n、及びmにより、それぞれのテープA及びテープBのタイムコードをフレーム数で示したものである。そして、パソコン3により駆動され、インタフェース13を介して読み出されるTC回路11のタイムコードはテープA及びテープBに対して交互に行なわれる。
【0061】
そして、パソコン3はテープA及びテープBのタイムコードを同時に読み出すことは出来ない。そして、タイムコードは離散的に表現されるため、インクリメントされる時点の近くで読み出されたタイムコードには0.5フレームの誤差が含まれることになる。
【0062】
従って、0.5フレームづつの誤差を含むタイムコードを用いて求めた時間差dxも最大で1フレームの誤差を含むことになる。そして、その誤差のある時間差を基に同期調相の制御を行う場合は、時間差を小さくなるように調相制御を行ったにも拘らず時間差が拡大されて検出されてしまうこともあり、調相の制御が発振してしまうこともある。
【0063】
そこで、パソコン3は次のようにしてタイムコードの読み出しを行なう。
1) テープAとテープBのそれぞれのタイムコードを交互に読み出す。
2) 1回おきに読み出されるテープAのそれぞれのタイムコード同士が同一であり、且つ1回おきに読み出されるテープBのそれぞれのタイムコード同士が同一となるまで読み出しを継続する。
3) 上記2)で得られたテープA及びテープBのタイムコードを用いて時間差dxを求める。
【0064】
その後の調相動作は前述の図4及び5に示した方法により行う。
そのような、テープA及びテープBより得られる同一値であるタイムコードを用いて調相制御を行うことにより、タイムコードに含まれる誤差を小さくできるため、上記のような制御動作が発振してしまうような動作が生じなく、例えば1分間以内に調相制御を行うことが出来る。
【0065】
次に、S11における再生速度の可変について述べる。
ここに示した実施例では、6フレームの期間速度を10%高く又は低く再生して後に2秒間標準再生速度で再生し、その後にS6での時間差dxを求めるように動作させる。
【0066】
6フレームの期間速度を10%高くすることは、それにより0.6フレーム分だけテープが早く進められ、その後2秒経過した定常状態におけるタイムコードの読み出しがなされることになる。
【0067】
そして、それぞれの時間差d1とdxの差が小さくならないときには例えば再生速度をさらに1%高い11%に設定して6フレームの期間再生し、その後2秒後にタイムコードの読み出しを行うようにして、時間差dxを短時間にd1に近づけるように再生速度の大きさを変化させながら調相動作を行う。
【0068】
ここで、標準速度に設定して後に2秒経過した時点で時間差dxを計測するのは次による。即ち、VTR1bの録再回路15には、適応的に圧縮符号化されて再生される映像信号を連続した信号として出力するために、図示しないフレームメモリ回路を内蔵させる。
【0069】
そのフレームメモリ回路により圧縮率の高い信号はより長い期間フレームメモリ内に記憶しておき、反対に圧縮率の低い信号はより短い期間フレームメモリ内に記憶するようにして、圧縮率の異なる映像信号に対しても連続した復号化映像信号として出力出来るようにするものである。
【0070】
しかし、その動作は標準速度で再生される映像信号に対しては好適に動作するものの、再生速度を変えて再生する映像信号に対しては適当な位置において1フレーム分の映像信号が挿入される、又は間引かれるようにして再生速度の調整がなされる。
【0071】
そして、その再生速度の調整はフレームメモリ回路に蓄積される映像信号の量がフルに近いか、又はエンプティに近いかにより異なった動作がなされることもある。従って、再生速度調整後にフレームメモリ回路のオーバフロー又はアンダーフローを生じなくするために、再生フレーム数の調整がなされる。
【0072】
VTR1aの調相動作は、そのようなフレーム数調整のなされた後のタイムコードを用いるようにして調相制御を行う必要があり、時間差を求めるためのタイムコードの計測はVTRのフレーム数調整動作後に行うため、再生速度変更後は所定時間通常再生を行って安定動作後にタイムコードの読み出しが行われるようにしている。
【0073】
以上、2台のVTR1a及びVTR1bを調相制御することによりテープAとテープBの所定個所をシームレスに繋ぐようにして連続再生するオーサリング装置1の構成とその動作について述べた。なお、その連続再生は複数台のVTRに対して同様に行なうことができ、複数のテープを次々と繋ぎながら長時間連続再生することができる。
【0074】
次に、複数のテープを、複数のVTRを調相制御して連続再生を行う場合の応用システムについて述べる。
<第2実施例>
図7に、本発明の第2の実施例に関わるオーサリング装置の概略構成を示し、図面を参照し、その動作について説明する。なお、説明の簡略のため、第1の実施例における構成と同一の構成については、同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
【0075】
同図に示すオーサリング装置2は、VTR1a、VTR1b、パソコン3、信号発生器4、MPEGエンコーダ5、及びD−VHSフォーマッタ6より構成される。そして、オーサリング装置2の出力はD−VHS記録器7に接続されている。
【0076】
まず、VTR1aにはテープAが、VTR1bにはテープBが格納されており、それらのテープはパソコン3により設定されるテープAの再生終了画面のタイムコード、及びテープBの再生開始画面のタイムコードを基に2つのテープの連続再生が行われる。
【0077】
連続再生して得られる映像信号はD−VHSフォーマッタ6に供給される。そこでは、供給された映像信号をD−VHS標準により規定される信号フォーマットへの変換処理、及び上記の繋ぎ合わせにより処理されたソフトの目次に係る画像をキャプチャー画像として作成する処理が行われる。
【0078】
以上のようにして、テープAの再生終了画面に続けてテープBの再生開始画面からの映像信号が繋ぎ合わされた高画質ソフト、及び目次画面などの補助データがD−VHSテープに記録される。
【0079】
そして、マスターテープであるテープA及びテープBの連続再生時間は、通常2時間程度であるが、上記の連続繋ぎ再生を行うことによりそれを超えた再生時間のビデオソフトを、例えば4時間のHDTV(High Definition TV)映像記録モードによりD−VHSテープ記録装置に出力し、連続して記録することが可能となる。
【0080】
以上、本発明の第2の実施例におけるD−VHSテープに4時間の高品位映像を、テープA及びテープBを連続再生した映像信号を供給可能であるオーサリング装置の構成と動作について述べた。
次に、テープA及びテープBの映像信号に新たな信号を付加してD−VHSテープに記録する第3の実施例について述べる。
【0081】
<第3実施例>
図8に、本発明の第3の実施例に関わるオーサリング装置の構成を示し、図面を参照し、その動作について説明する。なお、説明の簡略のため、第1の実施例における構成と同一の構成については、同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
【0082】
同図に示すオーサリング装置2aは、HD(High Definition)−VTR10a、HD−VTR10b、パソコン3、信号発生器(SSG)4、MPEGエンコーダ5、D−VHSフォーマッタ6、DMR(Digital Multi track Recorder)41、ドルビーEデコーダ(Dolby E Dec)42、AC−3エンコーダ43、TCGR(Time Code Generator Reader)44、及びCCサーバ(Closed CaptionServer)45より構成される。
【0083】
そして、オーサリング装置2aの出力は図示しないD−VHS記録装置に接続されると共に、その出力はD−VHSデコーダ81、MPEGデコーダ82、及び視聴装置83で構成されるモニタリングシステムに接続されている。
【0084】
まず、信号発生器4により発生されるNTSCブラックバースト(BB)信号はDMR41、TCGR44、及びCCサーバ45に供給されると共に、発生されるHD3値同期信号はHD−VTR10a及びHD−VTR10bに供給され、それらの装置は位相同期されて動作する。
【0085】
また、VTR1aにはテープAが、VTR1bにはテープBが格納され、それらのテープはパソコン3により設定されるタイムコードに従って前述の図1に示した方法により連続再生がなされ、5.1チャンネルの圧縮音声信号、映像信号、及び2チャンネルステレオ音声信号が再生される。
【0086】
そして、映像信号、及び2チャンネルステレオ音声信号はMPEGエンコーダに入力されて圧縮符号化がなされる。そして、MPEGエンコーダ5には、HDVTR10a又は10bから再生される5.1チャンネル圧縮音声がドルビーEデコーダにより復号化され、復号化されて得られる5.1チャンネル音声信号はAC−3エンコーダ43によりエンコードされて得られるAC3音声信号も共に供給される。
【0087】
また、AC−3エンコーダ43には、DMR41により個別に録音した補助5.1チャンネル音声信号が再生されて、供給されている。
さらに、MPEGエンコーダ5には、CCサーバ45により生成されるクローズドキャプション信号が供給される。
【0088】
そのクローズドキャプション信号は、例えば英語のテレビ番組の映像や声と共に画面の下部に表示するようにした字幕表示用の信号であり、その字幕を見ることにより英語の視覚的理解力を高めることができるなど、必要なときに字幕表示を行うための信号である。
【0089】
そのクローズドキャプション信号は映像を再生中のHD−VTRより得たタイムコード(TC)をTCGR44により読み込み、それを基にCCサーバ45用のタイムコードを生成してCCサーバ45に供給する。そして、CCサーバ45は再生中の映像信号に同期したクローズドキャプション信号を得てMPEGエンコーダ5に供給する。ここでは、HD−VTRT10aの再生開始時に出力されるタイムコードを初期値として自走するタイムコードを用いて信号を生成している。
【0090】
MPEGエンコーダ5では、入力された映像及び音声信号のそれぞれを圧縮符号化すると共に、符号化されたそれぞれの信号、及びクローズドキャプションのデータを時分割配列し、MPEGトランスポートストリーム(MPEG−TS)信号を生成し、D−VHSフォーマッタ6に供給する。
【0091】
そこで、映像信号はD−VHS標準により規定される信号フォーマットへの変換処理、及びキャプチャー画像の作成処理がなされる。そのフォーマット処理のされた信号はD−VHS記録装置に供給され、その信号はD−VHSテープに記録される。また、信号の一部はD−VHSデコーダ81に供給されてD−VHSフォーマットされた信号のフォーマット化が解かれて、得られるMPEG−TS信号はMPEGデコーダ82により復号化される。
【0092】
復号化されて得られる映像信号及び音声信号は視聴装置83に供給されて表示されると共に、音声信号は5.1チャンネルの音場再生装置により音場が再生され、D−VHSに記録されるHDTV映像信号と、2又は5.1チャンネル音声信号とが正常に再生され、さらにキャプション信号による表示が正常になされるかがモニターされる。
【0093】
以上、本発明の第3の実施例によるD−VHSテープにクローズドキャプションデータ、5.1チャンネル音声信号及び高品位映像を記録するためのオーサリング装置の構成と動作について述べた。
次に、オーサリング装置により制作された信号を伝送路に送出する第4の実施例について述べる。
【0094】
<第4実施例>
図9に、本発明の第4の実施例に関わるオーサリング装置の構成を示し、図面を参照し、その動作について説明する。なお、説明の簡略のため、第1及び第3の実施例における構成と同一の構成については、同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
【0095】
同図に示すオーサリング装置2bは、オーサリング装置2aに比し、D−VHSフォーマッタ6の代りにパケット化エンコーダ9が、そして、D−VHSデコーダ81の代りにパケットデコーダ91が配置されている点で異なっている。
【0096】
そして、MPEGエンコーダ5で生成されたMPEGトランスポートストリーム信号はパケット化エンコーダ9により、通信路に適応させたパケット化信号として生成される。
【0097】
その通信路は、有線通信網、CATV放送網、インターネット放送網、及び特定の契約関係にある小劇場などへの映像信号伝送路などである。パケット化エンコーダ9は、それらの通信路での伝送パケット規格に従ってMPEGトランスポートストリームのパケット化を行い、パケット化された信号をその通信路に送出する。
【0098】
一方、パケット化された信号の一部はパケットデコーダ91に供給されてそのパケット化が解かれ、解かれて得られるMPEG−TS信号はMPEGデコーダ82により復号化され、視聴装置83に供給されて映像の表示、字幕の表示及び多チャンネル音声信号の再生がなされ、通信路に送出された信号がモニターされる。
【0099】
以上、第1〜第4の実施例によりテープA及びテープBの、プレイリストにより指定される個所を繋ぎ合わせてシームレスに再生するディジタル記録テープの調相再生方法について述べた。
【0100】
そして、ここでは簡単のために2本のテープの調相再生について述べたが、複数台のVTRを同様に制御して、複数のテープのシームレス連続再生を行うことができる。特に、通信路に送出する場合の連続再生時間はD−VHS記録用信号の送出に比し長い時間が必要とされるため、複数台のVTRを用いる同期調相方法は好適に動作する。
【0101】
また、そのときの複数VTRの接続はカスケードに接続する場合、及び複数の入力切換のできるスイッチャーに各VTRを並列接続して切換える場合のいずれによっても実現可能である。
【0102】
さらに、ディジタル記録テープの調相再生方法を主に述べたが、その方法を搭載するディジタル記録テープの調相再生装置も容易に実現できる。
さらにまた、ディジタル記録テープの調相再生装置の制御動作をコンピュータを用いて行う場合のディジタル記録テープの調相再生用プログラムも同様にして実現できる。
【0103】
【発明の効果】
本発明のディジタル記録テープの調相再生方法によれば、第1及び第2のテープのそれぞれを再生して得られる各々の、画像枚数を最小単位とするタイムコードを複数回交互に繰り返して読み出し、第n回目及び第n+2回目に同一のタイムコード値として読み出される第1の同一タイムコード値と、第n+1回目及び第n+3回目に同一のタイムコード値として読み出される第2の同一タイムコード値とを得、第1の同一タイムコード値及び第2の同一タイムコード値との差である同一タイムコード差と、第1のテープの再生終了画面に対するタイムコード値及び第2のテープの再生開始画面に対するタイムコード値の差である同期タイムコード差と比較し、それらのタイムコード差が等しくなるように第2のテープの再生速度を早く又は遅く設定して行う調相再生のための動作を、同一タイムコード差と同期タイムコード差とが等しくなる迄繰り返して行うようにしているため、第1のテープの再生終了画面に続く第2のテープの再生開始画面からの映像信号を連続した映像信号として、切換えて出力することができる。
【0104】
さらに、再生速度を早く又は遅く設定して行う調相再生のための動作は所定の画像枚数期間再生速度を変化させて後に標準再生速度に戻して後の定常化されたタイムコードの読み出しを行うようにしているため、ディジタル記録テープの再生、圧縮記録信号の復号化、及び復号化された映像信号を一時記憶するフレームバッファへの記憶に係るそれぞれの時間が可変されて出力されるような復号化映像信号に対しても、誤検出に基づくタイムコードが原因となり、誤った再生速度の設定を行うことをなくすことができるため、好適な調相再生制御を行うことができる。
【0105】
従って、市場にある画像枚数を最小単位とするタイムコードを出力するディジタルVTRに改造を施すことなく、ディジタルVTRから出力されるタイムコードをパソコンなどの制御装置により読み出し、その制御装置により上記の方法を用いたVTRの再生速度制御を行うことにより、複数のディジタル記録テープに対して予め設定した再生終了画面の位置に続けて、他のテープに対して設定した再生開始画面の位置からの映像信号を、繋ぎ合わせた連続映像信号として再生することのできるディジタル記録テープの調相再生方法を提供することができる効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の、第1実施例におけるオーサリング装置の概略構成例を示した図である。
【図2】本発明の、第1実施例における再生開始及び再生終了のタイムコードを指定するための表示画面例を示した図である。
【図3】本発明の、第1実施例における2台のVTRで再生されるテープA及びテープBの再生動作に係るタイミング例を示した図である。
【図4】本発明の、第1実施例における2台のVTRの同期調相に係る前半部の動作をフローチャートにより例示した図である。
【図5】本発明の、第1実施例における2台のVTRの同期調相に係る後半部の動作をフローチャートにより例示した図である。
【図6】本発明の、第1実施例におけるテープA及びテープBのパソコンにより行われるタイムコード読み出しの時間関係を示した図である。
【図7】本発明の、第2実施例における記録用オーサリング装置の概略構成例を示した図である。
【図8】本発明の、第3実施例における記録用オーサリング装置の構成を例示した図である。
【図9】本発明の、第4実施例における通信用オーサリング装置の構成を例示した図である。
【符号の説明】
1 オーサリング装置
1a 第1のVTR
1b 第2のVTR
2a、2b オーサリング装置
3 パソコン
4 信号発生器
5 MPEGエンコーダ
6 D−VHSフォーマッタ
7 D−VHS記録装置
9 パケット化エンコーダ
10a、10b HD−VTR
11 タイムコード回路
12 速度設定回路
13 インタフェース回路
14 切換回路
15 録再回路
16a、16b 記録媒体
41 DMR
42 ドルビーEデコーダ
43 AC−3エンコーダ
44 TCGR
45 CCサーバ
81 D−VHSデコーダ
82 MPEGデコーダ
83 視聴装置
91 パケットデコーダ
【発明の属する技術分野】
本発明は、映像及び音声等のディジタルコンテンツのオーサリング装置に係わり、特に、長時間の映画やドラマなどを複数のテープに記録した信号を1つのディジタルコンテンツの再生信号として、つなぎ合わせた映像信号を出力するディジタル記録テープの調相再生方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、複数のアナログ磁気記録テープにドラマなどのシーンを予め集録しておき、それぞれのシーンを同期させながら再生し、つなぎ合わせるようにして編集済みマスターテープを作成するアナログ磁気記録テープの調相編集システムがある。
【0003】
そして、テープ編集は、多くのシーン素材テープの頭出し、及び同期再生しつつ行う編集作業は煩雑であるため、シーン記録のされた素材テープをハードディスクなどのアクセス可能なメディアに記録し、シーン素材を所定の順にランダムアクセスしながら再生し、時間編集された出力信号として再生するものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
さらに、近年、映画等のコンテンツのフィルムの編集の効率化を行い、短時間で編集作業を行うための工夫もなされるようになってきた。
一方、編集されて制作された映画等のコンテンツを記録したフィルムはロール単位で管理され、複数ロールに分割されて映画館などに配給される。
【0005】
そして、分割されたコンテンツフィルムは、映写現場において複数の映写機を用いて交互に映写することにより連続した1つのコンテンツとして上映されるようになされている。ロール単位で映写を行う映画館での使用に対しては好適な配給方法である。
【0006】
また、それらの複数ロールのコンテンツを映画番組として放送する、CATV網に送出する、ないしは長時間記録媒体に記録する場合においては、複数ロールのコンテンツを連続して再生することはできるものの、操作は煩雑である。そこで、事前に複数ロールのコンテンツを連続する1つのコンテンツに繋ぎ合わせておき、それを用いて再生する方法もある。
【0007】
例えば、ロール分割されたコンテンツのそれぞれをハードディスクに記録し、それらを連続して順に再生するようにして1つの連続するコンテンツとして再生できるようにしておき、それにより連続送出、及び長時間記録媒体の作成などに用いられる。
【0008】
しかし、ロール分割されたコンテンツをハードディスクにコピーするのは煩雑である。そこで、制作された高画質な映像信号をテープに記録して配給する方法もある。また、HDTVなどの高画質な映像信号を記録するテープの場合では、最大再生時間は2時間程度に制限されてしまうため、例えば2時間を超える映画コンテンツは複数本数のディジタルテープに分割記録されることになる。ロール本数よりは少ないものの1本のマスターテープとして制作することができなく、やはり連続再生に対して不便である。
【0009】
そこで、複数のマスターテープを複数のVTRを用いて順次切換制御しながら連続再生する方法がある(例えば、特許文献2参照。)。その方法によれば、第1のテープ媒体に連続再生エンドモード領域を、第2のテープ媒体に連続再生スタートモード領域を形成することで再生信号を切り替えて繋げた信号として再生を行っている。
【0010】
【特許文献1】
特開平10−341398号公報
【特許文献2】
特開平5−94652号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この場合では、調相方法や出力映像信号が同期するようにタイミングを合わせる方法については、テープ媒体に記録された切り替え信号を使用するため、任意の場所で切り替えるのは困難である。
【0012】
さらに、映像信号をディジタル信号に変換して記録するディジタルテープレコーダは、テープ媒体上のディフェクトによる画像の乱れを目立たなくするためのインターリーブ処理を行い、更には誤り信号を訂正するためのエラー訂正用信号も記録するようにしている。また、記録する信号をフレーム内符号化、及びフレーム間符号化などにより圧縮符号化して記録する場合がある。
【0013】
その符号化を行って記録したディジタル記録テープの再生は、記録媒体を再生した後それらの符号化信号を復号化して再生するため、記録媒体が再生されて得られる映像信号はそれらの信号処理を終えた後に出力されるため、所定の時間を必要とすると共に、その時間も再生を開始した部分の記録内容によって異なった値となる。
【0014】
さらに、それらの信号処理を終えた信号を、スムーズに連続した映像信号として出力するために、通常ビデオバッファアンプを配置する。即ち、ディジタル記録テープ再生装置は、内蔵されたビデオバッファに記憶する映像信号のオーバフロー、及びアンダーフローが生じないように記憶される映像信号のデータ量制御を行うようにしている。
【0015】
上記のようにして、ディジタル記録テープを再生して得られる映像信号は、記録媒体を再生して後に変動する処理時間を経過した後にしか得ることが出来なく、単に媒体の記録位置に係るタイムコードを基にした再生のみでは映像信号の時間位置が特定出来ない。
そのため、複数のディジタルビデオテープを連続して繋ぎ合わせ再生をしようとするときに生じる映像信号が再生されるまでの時間の不確定さを解決して同期再生を行う必要がある。
【0016】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、再生位置に対して特定が困難であるディジタルテープ状記録媒体に記録された複数の映像信号を、シームレスな連続した映像信号として再生するディジタル記録テープの調相再生方法を実現する。
【0017】
即ち、そのディジタル記録テープの調相再生は、画像枚数を最小単位とするタイムコードを出力するディジタルVTRの調相に対しても好適に動作するようにする。そして、市場にあるディジタルVTRに改造を加えることなく、単にパソコンなどの制御装置を接続することにより、好適な調相同期再生を行えるようにする。それにより、複数のディジタル記録テープを任意の接続点で繋ぎ合わせた連続映像再生信号を得るディジタル記録テープの調相再生方法を提供することを目的とするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段より成るものである。
すなわち、
【0019】
第1のテープ状記録媒体に再生終了画面の位置を指定すると共に第2のテープ状記録媒体に再生開始画面の位置を指定し、第1の媒体から再生される再生終了画面の位置までの映像信号に連続させて、第2の媒体から再生される再生開始画面の位置以降の映像信号を出力するためのディジタル記録テープの調相再生方法であり、
前記第1のテープ状記録媒体は、第1の映像信号を符号化した符号化映像信号と、その符号化映像信号の記録位置に係る絶対アドレスを画像単位でインクリメントして記述する第1のタイムコードとを記録した媒体であると共に、
前記第2のテープ状記録媒体は、第2の映像信号を符号化した符号化映像信号と、その符号化映像信号の記録位置に係る絶対アドレスを画像単位でインクリメントして記述する第2のタイムコードとを記録した媒体であるディジタル記録テープの調相再生方法において、
前記再生終了画面の位置を指定する前記第1のタイムコードの値である第1のタイムコード値と、前記再生開始画面の位置を指定する前記第2のタイムコードの値である第2のタイムコード値との差である同期タイムコード差を求める第1のステップ(S1)と、
前記第1のテープ状記録媒体の再生を通常再生速度で開始する第2のステップ(S2)と、
前記第1のテープ状記録媒体を通常再生速度で再生して得られる前記第1のタイムコードが前記第1のタイムコード値に対して所定時間手前に達したときに、前記第2のタイムコード値に対して前記所定時間手前から再生が開始される位置と想定される位置より、前記第2のテープ状記録媒体の再生を通常再生速度で開始する第3のステップ(S5)と、
前記第1のテープ状記録媒体を通常再生速度で再生して得られる前記第1のタイムコードと、前記第2のテープ状記録媒体を通常再生速度で再生して得られる前記第2のタイムコードとの読み出しを交互に複数回繰り返し、第n回目及び第n+2回目(nは自然数)に読み出したタイムコードの値が同一値である第1の同一タイムコード値となり、且つ第n+1回目及び第n+3回目に読み出したタイムコードの値が同一値である第2の同一タイムコード値となるまでタイムコードの読み出しを行う第4のステップ(S6)と、
前記第1の同一タイムコード値と前記第2の同一タイムコード値との差である同一タイムコード差を求める第5のステップ(S6)と、
前記同一タイムコード差と前記同期タイムコード差とを比較し、前記同一タイムコード差の方が大きいときは前記第2のテープ状記録媒体の再生速度を通常再生速度よりも大きく設定すると共に、前記同一タイムコード差の方が小さいときは前記第2のテープ状記録媒体の再生速度を通常再生速度よりも小さく設定して、第2のテープ状記録媒体を所定画像枚数区間走行させる第6のステップ(S8、S9、S10)と、
その第6のステップの後、前記第2のテープ状記録媒体の再生速度を通常再生速度に戻して前記第2の映像信号及び前記第2のタイムコードを再生する第7のステップ(S11)と、
前記同一タイムコード差と前記同期タイムコード差とが等しくなるまで前記第4から第7のステップを繰り返す第8のステップ(S7)と、
その第8のステップの後、前記再生終了画面の再生終了タイミングで、映像信号出力を前記第1のテープ状記録媒体から再生される第1の映像信号から、前記第2のテープ状記録媒体から再生される第2の映像信号に切換える第9のステップ(S12、S13)と、
を有することを特徴とするディジタル記録テープの調相再生方法。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のディジタル記録テープの調相再生方法の実施の形態につき、好ましい実施例により、図面を参照して説明する。
<第1実施例>
図1は、本発明の第1の実施例に関わるオーサリング装置の概略構成例である。
【0021】
同図に示すオーサリング装置1は、タイムコード(TC)回路11、速度設定回路12、インタフェース(I/F)回路13、切換回路14、録再回路15、及び記録媒体16aよりなる第1のVTR1aと、第1のVTR1aに比し記録媒体16aの代りに記録媒体16bを有している第2のVTR1bと、パソコン(PC)3、と信号発生器(SSG)4と、MPEGエンコーダ5とより構成される。
【0022】
そして、それぞれの記録媒体16a及び16bには、映像信号の記録位置に係る絶対アドレスが画像枚数単位でタイムコードとして付されている。また、記録媒体16aに記録される映像信号のうち、再生が行われる映像信号の最後の画像部分が再生終了画面として、例えばSMPTE(Society of Motion Picture and Television Engineer)タイムコードにより指定される。
【0023】
さらに、記録媒体16bには、記録媒体16aの再生終了画面の次に再生すべき再生開始映像信号の最初の画像部分が再生開始画面としてタイムコードにより指定される。そして、オーサリング装置1はそれぞれの記録媒体16a及び16bの再生をタイムコードを検出しつつ行い、それぞれの記録媒体16a及び16bのシームレスな繋ぎ再生を行うように動作する。
【0024】
次に、繋ぎ再生動作について概説する。なお、VTR1aとVTR1bとはそれぞれが異なる記録媒体16a及び記録媒体16bの再生を行う。そして、第1のVTR1a及び第2のVTR1bには、SSG(Standard Signal Generator)4からの同期信号が供給されており、標準速度再生時には、それぞれのVTRから位相同期された再生信号が得られる。
ここで、それぞれのVTR1a及び1bの構成は同一であるので、VTR1aの動作を主に述べる。
【0025】
まず、速度設定回路12により、VTRの再生速度が設定される。その再生速度は標準再生速度に対して0.1%の細かさで高速再生、又は低速再生の指定が出来る。そして、TC(Time code)回路11では、記録及び再生中の映像信号のテープ記録位置に係るタイムコードが生成される。そのタイムコードは動画を構成する画像の枚数ごとの細かさ、即ちフレーム数を最小単位とした時間により記述される。
【0026】
録再回路15では、切換回路14から供給される映像信号はディジタル信号に変換され、その変換された信号に対して圧縮符号化、誤り訂正信号の付加、インターリーブ処理、及びディジタル変調などが行われ、TC回路11で生成されたタイムコードと共に記録媒体16aに記録される記録信号が生成される。
【0027】
その記録信号は図示しないロータリーヘッドによって記録媒体16aに記録される。そして、記録された信号の読み出しは、ロータリーヘッドが用いられて行われ、読み出された信号は録再回路15に供給される。そこでは、ディジタル復調、デインターリーブ処理、及び誤り信号の訂正処理などがなされて圧縮符号化信号が得られる。
【0028】
その圧縮符号化信号は、記録時の処理と相補的な動作により再生処理がなされて、映像信号が再生されると共に、再生された映像信号は図示しないビデオRAMに一時記憶される。そして、SSG4から供給される同期用駆動信号に基づいてビデオRAMに一時記憶された映像信号は読み出され、切換回路14に供給される。
【0029】
その切換回路14では、入力された映像信号はそのままE−E(Electric to Electric)出力信号として出力されるか、又は記録媒体16aから読み出された信号を再生処理して得られた映像信号が出力されるかなど、切換えられた一方の信号を出力させる回路である。
【0030】
また、それらの出力信号の切換えタイミングはパソコン(PC)3により制御される。即ち、TC回路11で生成されたタイムコードはインタフェース13を介してパソコン3に供給される他、パソコン3によりテープ再生に係る切換えタイミングがタイムコードにより切換回路14に指定され、その切換回路14ではその指定された時間に出力信号が切換えられる。
【0031】
また、パソコン3からの制御信号はインタフェース13を介して速度設定回路12に、再生速度の設定命令として供給されることにより、記録媒体16aの再生速度の可変がなされる。
【0032】
以上述べたように構成されるオーサリング装置1のVTR1bは、入力される映像信号又は記録媒体16bを再生して得らえる映像信号のいずれか一方が切換回路14により切換えられて出力され、その出力信号はVTR1aに供給される。そして、VTR1aは、VTR1bから供給される信号又は記録媒体16aを再生して得られる信号が切換回路14により切換えられて出力され、その出力はMPEGエンコーダ5に入力されるようになされている。
【0033】
そのMPEGエンコーダ5では、供給された映像信号が符号化され、その符号化された符号化信号出力がオーサリング装置1から出力される。そして、符号化信号出力は、必要に応じてフォーマット変換を行った後にD−VHS(D−VHSは日本ビクター株式会社所有の登録商標である)などのVTR装置に供給されて記録される、CATVなどの送出装置に供給されて配信される、又はインターネットへの送出装置に供給されてインターネット放送として通信ネットワークに配信されるなどの、映像出力信号として用いられる。
【0034】
そして、オーサリング装置1から出力される映像信号は、記録媒体16a及び記録媒体16bの、それぞれの合計される記録時間の信号を連続再生して出力できるなど、長時間の番組映像信号の供給源として用いられる。
【0035】
次に、それぞれの記録媒体16a及び16bの連続再生動作についてさらに述べる。
図2に、連続して再生すべき2つの記録媒体に対して指定される、再生終了のタイムコード及び再生開始のタイムコードなどを設定するための表示画面例を示す。
【0036】
同図において、表示画面の上部には1000フレーム毎に1フレームの画像をスキップして再生する、いわゆるドロップフレームによるタイムコードを使用する場合の指定ボックスがあり、そのボックス内にマークを付してドロップフレームに対応したタイムコードを用いる場合に対応する。
【0037】
その下に示される領域は、VTRに対する再生開始タイムコード(In Point TC)と、再生終了タイムコード(Out Point TC)を指定するための領域であり、同図の場合ではVCR(Video Cassette Recorder)の識別番号(ID)が1であるVTR1aに対して、1時間12分34秒12フレームの位置から2時間22分55秒24フレームまで再生する指定を行う場合を示している。
【0038】
VCRのIDが2であるVTR1bに対しては、同図の左下に示すPageで002を指定し、VTR1aと同様に指定する。それらの指定されたタイムコードが用いられて、例えば記録媒体16aの再生終了位置に続けて記録媒体16bの再生開始の位置より再生するなどの連続再生を指定する。
次に、記録媒体16a及び記録媒体16bの連続再生について述べる。
【0039】
図3に、2台のVTRで再生されるそれぞれの記録媒体16a(以降、テープAと記すこともある)及び記録媒体16b(以降、テープBと記すこともある)の連続再生動作に係るタイミングの関係を示す。
同図に示す(a)はVTR1aで再生されるテープAの記録内容、再生個所、及び再生制御命令を発行するタイミングを示している。そして、(b)にはVTR1bで再生されるテープBのブランク記録部分を含む記録内容、再生個所、及び再生制御命令の発行タイミングを示している。
【0040】
また(c)には、VTR1aにおける切換回路14の切換タイミングを示しており、切換えられたVTR1aの出力信号はMPEGエンコーダ5に供給される信号である。
【0041】
切換タイミングについてさらに述べる。即ち、テープAがタイムコードT1aからT1bまで再生され、それに続けてテープBのT2aからT2bまでが再生される場合の動作タイミングについて述べる。
【0042】
ここで、VTR1aの切換回路14の切換時間は、信号切換命令を受けて5フレーム後に切換動作が実行されるようになっている。従って、時間T1bにおいてテープAからテープBに切換えた再生信号を得るためには、その切換時T1bに対して5フレーム前の時間T1dにおいて切換信号(EE ON命令)を発する必要がある。
【0043】
また、ここで、VTR1aとVTR1bの調相同期に必要とされる時間を1分間とする。そして、テープBの再生開始位置を、切換時間T2aの1分間手前の位置であるT2cの位置にするようにし、VTR1bは再生命令によりそこからテープBの再生が開始されるように、テープA及びテープBをプリロールの状態とする。
【0044】
次に、VTR1aをテープAのタイムコードT1aの位置より再生を開始する。テープAのタイムコードがT1bの1分間手前であるT1cに達したときにVTR1bの再生を開始する。
【0045】
そして、テープAの再生中のタイムコードT1fとテープBの再生中のタイムコードT2fとの時間差を計算し、予め求めてあるT1bとT2aの時間差である信号切換点における時間差よりも大きいか否かを比較する。
【0046】
そして、再生中のタイムコードの差の方が大きいときには後述の方法によりVTR1bの再生速度を増加させ、差が小さいときには再生速度を減少させるようにして、再生中の時間差と信号切換点での時間差が同一になるまで再生速度の可変動作を繰り返す。
【0047】
それらの時間差が同一となったときは、テープAとテープBとは調相同期再生していることになるので、通常速度再生を継続する。そして、テープAのタイムコードがT1dになったときに切換命令信号(ここではEE ON命令)を発生させ、その5フレーム後に、テープAのT1bの位置の画像に続けて、T2aから開始されるテープBの画像を再生する。
【0048】
その後、テープAはブランク部の記録が終了した位置で再生が停止され、テープBは記録内容が終了するまで再生を継続し、その後再生を停止させるようにして、同期調相再生動作を終了する。
【0049】
なお、このような同期調相の動作は、VTR1a及びVTR1bからTC回路11を介して出力されるタイムコードがフレーム位置を最小単位とする場合に対して同期調相を行ったものである。
【0050】
そして、VTR1a及びVTR1bはSSG4から水平及び垂直の同期期間に係る同期信号が供給されているため、タイムコードがフレーム位置を最小単位として制御する場合に対しても走査線単位での調相がなされる。従って、テープA及びテープBから再生される映像信号は、完全に調相同期の取れた信号としてMPEGエンコーダ5に供給される。
【0051】
以上により、市場に供給されている通常のVTRを用い、そのVTRから供給される最小時間間隔がフレーム単位であるタイムコードをインタフェース回路を介して取得することにより、ディジタル記録テープの繋ぎ再生を可能にすることができる。
【0052】
次に、上述の繋ぎ再生動作について更に述べる。
図4に、同期調相動作の前半部の動作を、また図5にその後半部の動作をフローチャートにより示し、同図を参照して説明する。
【0053】
まず、S(ステップ)1において、テープAとテープBの繋ぎ再生を行うためのタイムコードT1a、T1b、T2a及びT2bを設定する。そして、T1bとT2aとの差の時間であるd1を求める。さらに、VTR1aのテープAのタイムコードをT1aの位置に、またVTR1bのテープBのタイムコードをT2aの位置になるように再生開始位置の設定(キューアップ)を行う。
【0054】
次に、S2においてVTR1aの再生を開始する。そして、S3においてVTR1aのタイムコードT1を監視し、S4においてそのタイムコードがT1cに達するか否かをチェックする。S3及びS4の動作を、T1=T1cとなるまで繰り返し、T1=T1cとなったときにはS5においてVTR1bの再生を開始する。
【0055】
次に、VTR1aのタイムコードT1及びVTR1bのタイムコードT2のそれぞれの値を読み出し、T1とT2との差の時間dxを求める。S7で、d1とdxが同一の値であるか否かがチェックされ、同一である場合には2つのVTRは調相関係にあるため、S12においてT1がT1dとなるまで再生動作を継続する。
【0056】
そして、T1=T1dとなったときに、S13においてテープAの再生信号をテープBの再生信号に切換えるための切換信号がパソコン3よりVTR1bの切換回路14に供給され、そこでは5フレーム経過後に信号の切換動作がなされる。S14において、テープAのブランク部分の再生終了後、又はテープAを所定の個所まで再生した後に、再生を停止する。
【0057】
また、上記のS7においてd1とdxとが等しくないとされる場合には、S8においてd1<dxであるかがチェックされ、d1<dxであるときにはS10においてVTR1bの再生速度を10%増加させる。そして、S11において一定時間後(例えば6フレーム時間経過後)を待って、増加させた再生速度を通常速度に戻し、そのまま速度が安定するまでの時間(例えば60フレーム時間=2秒間)再生を継続する。その後S6以降の動作を繰り返す。
【0058】
さらに、上記のS7においてd1とdxとが等しくなく、S8においてd1<dxでないとされるときにはS9においてVTR1bの再生速度を10%減少させる。そして、S11において6フレーム経過後に、減少させた再生速度を通常速度に戻し、2秒間再生を継続し、その後S6以降の動作を繰り返す。
【0059】
次に、S6における、VTR1a及びVTR1bのそれぞれのタイムコードをパソコン3により読み出し、それらの時間差dxを求める方法について更に述べる。
図6に、テープA及びテープBのタイムコードと、パソコン3により行われるタイムコード読み出しの時間関係を記す。
【0060】
同図において、自然数n、及びmにより、それぞれのテープA及びテープBのタイムコードをフレーム数で示したものである。そして、パソコン3により駆動され、インタフェース13を介して読み出されるTC回路11のタイムコードはテープA及びテープBに対して交互に行なわれる。
【0061】
そして、パソコン3はテープA及びテープBのタイムコードを同時に読み出すことは出来ない。そして、タイムコードは離散的に表現されるため、インクリメントされる時点の近くで読み出されたタイムコードには0.5フレームの誤差が含まれることになる。
【0062】
従って、0.5フレームづつの誤差を含むタイムコードを用いて求めた時間差dxも最大で1フレームの誤差を含むことになる。そして、その誤差のある時間差を基に同期調相の制御を行う場合は、時間差を小さくなるように調相制御を行ったにも拘らず時間差が拡大されて検出されてしまうこともあり、調相の制御が発振してしまうこともある。
【0063】
そこで、パソコン3は次のようにしてタイムコードの読み出しを行なう。
1) テープAとテープBのそれぞれのタイムコードを交互に読み出す。
2) 1回おきに読み出されるテープAのそれぞれのタイムコード同士が同一であり、且つ1回おきに読み出されるテープBのそれぞれのタイムコード同士が同一となるまで読み出しを継続する。
3) 上記2)で得られたテープA及びテープBのタイムコードを用いて時間差dxを求める。
【0064】
その後の調相動作は前述の図4及び5に示した方法により行う。
そのような、テープA及びテープBより得られる同一値であるタイムコードを用いて調相制御を行うことにより、タイムコードに含まれる誤差を小さくできるため、上記のような制御動作が発振してしまうような動作が生じなく、例えば1分間以内に調相制御を行うことが出来る。
【0065】
次に、S11における再生速度の可変について述べる。
ここに示した実施例では、6フレームの期間速度を10%高く又は低く再生して後に2秒間標準再生速度で再生し、その後にS6での時間差dxを求めるように動作させる。
【0066】
6フレームの期間速度を10%高くすることは、それにより0.6フレーム分だけテープが早く進められ、その後2秒経過した定常状態におけるタイムコードの読み出しがなされることになる。
【0067】
そして、それぞれの時間差d1とdxの差が小さくならないときには例えば再生速度をさらに1%高い11%に設定して6フレームの期間再生し、その後2秒後にタイムコードの読み出しを行うようにして、時間差dxを短時間にd1に近づけるように再生速度の大きさを変化させながら調相動作を行う。
【0068】
ここで、標準速度に設定して後に2秒経過した時点で時間差dxを計測するのは次による。即ち、VTR1bの録再回路15には、適応的に圧縮符号化されて再生される映像信号を連続した信号として出力するために、図示しないフレームメモリ回路を内蔵させる。
【0069】
そのフレームメモリ回路により圧縮率の高い信号はより長い期間フレームメモリ内に記憶しておき、反対に圧縮率の低い信号はより短い期間フレームメモリ内に記憶するようにして、圧縮率の異なる映像信号に対しても連続した復号化映像信号として出力出来るようにするものである。
【0070】
しかし、その動作は標準速度で再生される映像信号に対しては好適に動作するものの、再生速度を変えて再生する映像信号に対しては適当な位置において1フレーム分の映像信号が挿入される、又は間引かれるようにして再生速度の調整がなされる。
【0071】
そして、その再生速度の調整はフレームメモリ回路に蓄積される映像信号の量がフルに近いか、又はエンプティに近いかにより異なった動作がなされることもある。従って、再生速度調整後にフレームメモリ回路のオーバフロー又はアンダーフローを生じなくするために、再生フレーム数の調整がなされる。
【0072】
VTR1aの調相動作は、そのようなフレーム数調整のなされた後のタイムコードを用いるようにして調相制御を行う必要があり、時間差を求めるためのタイムコードの計測はVTRのフレーム数調整動作後に行うため、再生速度変更後は所定時間通常再生を行って安定動作後にタイムコードの読み出しが行われるようにしている。
【0073】
以上、2台のVTR1a及びVTR1bを調相制御することによりテープAとテープBの所定個所をシームレスに繋ぐようにして連続再生するオーサリング装置1の構成とその動作について述べた。なお、その連続再生は複数台のVTRに対して同様に行なうことができ、複数のテープを次々と繋ぎながら長時間連続再生することができる。
【0074】
次に、複数のテープを、複数のVTRを調相制御して連続再生を行う場合の応用システムについて述べる。
<第2実施例>
図7に、本発明の第2の実施例に関わるオーサリング装置の概略構成を示し、図面を参照し、その動作について説明する。なお、説明の簡略のため、第1の実施例における構成と同一の構成については、同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
【0075】
同図に示すオーサリング装置2は、VTR1a、VTR1b、パソコン3、信号発生器4、MPEGエンコーダ5、及びD−VHSフォーマッタ6より構成される。そして、オーサリング装置2の出力はD−VHS記録器7に接続されている。
【0076】
まず、VTR1aにはテープAが、VTR1bにはテープBが格納されており、それらのテープはパソコン3により設定されるテープAの再生終了画面のタイムコード、及びテープBの再生開始画面のタイムコードを基に2つのテープの連続再生が行われる。
【0077】
連続再生して得られる映像信号はD−VHSフォーマッタ6に供給される。そこでは、供給された映像信号をD−VHS標準により規定される信号フォーマットへの変換処理、及び上記の繋ぎ合わせにより処理されたソフトの目次に係る画像をキャプチャー画像として作成する処理が行われる。
【0078】
以上のようにして、テープAの再生終了画面に続けてテープBの再生開始画面からの映像信号が繋ぎ合わされた高画質ソフト、及び目次画面などの補助データがD−VHSテープに記録される。
【0079】
そして、マスターテープであるテープA及びテープBの連続再生時間は、通常2時間程度であるが、上記の連続繋ぎ再生を行うことによりそれを超えた再生時間のビデオソフトを、例えば4時間のHDTV(High Definition TV)映像記録モードによりD−VHSテープ記録装置に出力し、連続して記録することが可能となる。
【0080】
以上、本発明の第2の実施例におけるD−VHSテープに4時間の高品位映像を、テープA及びテープBを連続再生した映像信号を供給可能であるオーサリング装置の構成と動作について述べた。
次に、テープA及びテープBの映像信号に新たな信号を付加してD−VHSテープに記録する第3の実施例について述べる。
【0081】
<第3実施例>
図8に、本発明の第3の実施例に関わるオーサリング装置の構成を示し、図面を参照し、その動作について説明する。なお、説明の簡略のため、第1の実施例における構成と同一の構成については、同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
【0082】
同図に示すオーサリング装置2aは、HD(High Definition)−VTR10a、HD−VTR10b、パソコン3、信号発生器(SSG)4、MPEGエンコーダ5、D−VHSフォーマッタ6、DMR(Digital Multi track Recorder)41、ドルビーEデコーダ(Dolby E Dec)42、AC−3エンコーダ43、TCGR(Time Code Generator Reader)44、及びCCサーバ(Closed CaptionServer)45より構成される。
【0083】
そして、オーサリング装置2aの出力は図示しないD−VHS記録装置に接続されると共に、その出力はD−VHSデコーダ81、MPEGデコーダ82、及び視聴装置83で構成されるモニタリングシステムに接続されている。
【0084】
まず、信号発生器4により発生されるNTSCブラックバースト(BB)信号はDMR41、TCGR44、及びCCサーバ45に供給されると共に、発生されるHD3値同期信号はHD−VTR10a及びHD−VTR10bに供給され、それらの装置は位相同期されて動作する。
【0085】
また、VTR1aにはテープAが、VTR1bにはテープBが格納され、それらのテープはパソコン3により設定されるタイムコードに従って前述の図1に示した方法により連続再生がなされ、5.1チャンネルの圧縮音声信号、映像信号、及び2チャンネルステレオ音声信号が再生される。
【0086】
そして、映像信号、及び2チャンネルステレオ音声信号はMPEGエンコーダに入力されて圧縮符号化がなされる。そして、MPEGエンコーダ5には、HDVTR10a又は10bから再生される5.1チャンネル圧縮音声がドルビーEデコーダにより復号化され、復号化されて得られる5.1チャンネル音声信号はAC−3エンコーダ43によりエンコードされて得られるAC3音声信号も共に供給される。
【0087】
また、AC−3エンコーダ43には、DMR41により個別に録音した補助5.1チャンネル音声信号が再生されて、供給されている。
さらに、MPEGエンコーダ5には、CCサーバ45により生成されるクローズドキャプション信号が供給される。
【0088】
そのクローズドキャプション信号は、例えば英語のテレビ番組の映像や声と共に画面の下部に表示するようにした字幕表示用の信号であり、その字幕を見ることにより英語の視覚的理解力を高めることができるなど、必要なときに字幕表示を行うための信号である。
【0089】
そのクローズドキャプション信号は映像を再生中のHD−VTRより得たタイムコード(TC)をTCGR44により読み込み、それを基にCCサーバ45用のタイムコードを生成してCCサーバ45に供給する。そして、CCサーバ45は再生中の映像信号に同期したクローズドキャプション信号を得てMPEGエンコーダ5に供給する。ここでは、HD−VTRT10aの再生開始時に出力されるタイムコードを初期値として自走するタイムコードを用いて信号を生成している。
【0090】
MPEGエンコーダ5では、入力された映像及び音声信号のそれぞれを圧縮符号化すると共に、符号化されたそれぞれの信号、及びクローズドキャプションのデータを時分割配列し、MPEGトランスポートストリーム(MPEG−TS)信号を生成し、D−VHSフォーマッタ6に供給する。
【0091】
そこで、映像信号はD−VHS標準により規定される信号フォーマットへの変換処理、及びキャプチャー画像の作成処理がなされる。そのフォーマット処理のされた信号はD−VHS記録装置に供給され、その信号はD−VHSテープに記録される。また、信号の一部はD−VHSデコーダ81に供給されてD−VHSフォーマットされた信号のフォーマット化が解かれて、得られるMPEG−TS信号はMPEGデコーダ82により復号化される。
【0092】
復号化されて得られる映像信号及び音声信号は視聴装置83に供給されて表示されると共に、音声信号は5.1チャンネルの音場再生装置により音場が再生され、D−VHSに記録されるHDTV映像信号と、2又は5.1チャンネル音声信号とが正常に再生され、さらにキャプション信号による表示が正常になされるかがモニターされる。
【0093】
以上、本発明の第3の実施例によるD−VHSテープにクローズドキャプションデータ、5.1チャンネル音声信号及び高品位映像を記録するためのオーサリング装置の構成と動作について述べた。
次に、オーサリング装置により制作された信号を伝送路に送出する第4の実施例について述べる。
【0094】
<第4実施例>
図9に、本発明の第4の実施例に関わるオーサリング装置の構成を示し、図面を参照し、その動作について説明する。なお、説明の簡略のため、第1及び第3の実施例における構成と同一の構成については、同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
【0095】
同図に示すオーサリング装置2bは、オーサリング装置2aに比し、D−VHSフォーマッタ6の代りにパケット化エンコーダ9が、そして、D−VHSデコーダ81の代りにパケットデコーダ91が配置されている点で異なっている。
【0096】
そして、MPEGエンコーダ5で生成されたMPEGトランスポートストリーム信号はパケット化エンコーダ9により、通信路に適応させたパケット化信号として生成される。
【0097】
その通信路は、有線通信網、CATV放送網、インターネット放送網、及び特定の契約関係にある小劇場などへの映像信号伝送路などである。パケット化エンコーダ9は、それらの通信路での伝送パケット規格に従ってMPEGトランスポートストリームのパケット化を行い、パケット化された信号をその通信路に送出する。
【0098】
一方、パケット化された信号の一部はパケットデコーダ91に供給されてそのパケット化が解かれ、解かれて得られるMPEG−TS信号はMPEGデコーダ82により復号化され、視聴装置83に供給されて映像の表示、字幕の表示及び多チャンネル音声信号の再生がなされ、通信路に送出された信号がモニターされる。
【0099】
以上、第1〜第4の実施例によりテープA及びテープBの、プレイリストにより指定される個所を繋ぎ合わせてシームレスに再生するディジタル記録テープの調相再生方法について述べた。
【0100】
そして、ここでは簡単のために2本のテープの調相再生について述べたが、複数台のVTRを同様に制御して、複数のテープのシームレス連続再生を行うことができる。特に、通信路に送出する場合の連続再生時間はD−VHS記録用信号の送出に比し長い時間が必要とされるため、複数台のVTRを用いる同期調相方法は好適に動作する。
【0101】
また、そのときの複数VTRの接続はカスケードに接続する場合、及び複数の入力切換のできるスイッチャーに各VTRを並列接続して切換える場合のいずれによっても実現可能である。
【0102】
さらに、ディジタル記録テープの調相再生方法を主に述べたが、その方法を搭載するディジタル記録テープの調相再生装置も容易に実現できる。
さらにまた、ディジタル記録テープの調相再生装置の制御動作をコンピュータを用いて行う場合のディジタル記録テープの調相再生用プログラムも同様にして実現できる。
【0103】
【発明の効果】
本発明のディジタル記録テープの調相再生方法によれば、第1及び第2のテープのそれぞれを再生して得られる各々の、画像枚数を最小単位とするタイムコードを複数回交互に繰り返して読み出し、第n回目及び第n+2回目に同一のタイムコード値として読み出される第1の同一タイムコード値と、第n+1回目及び第n+3回目に同一のタイムコード値として読み出される第2の同一タイムコード値とを得、第1の同一タイムコード値及び第2の同一タイムコード値との差である同一タイムコード差と、第1のテープの再生終了画面に対するタイムコード値及び第2のテープの再生開始画面に対するタイムコード値の差である同期タイムコード差と比較し、それらのタイムコード差が等しくなるように第2のテープの再生速度を早く又は遅く設定して行う調相再生のための動作を、同一タイムコード差と同期タイムコード差とが等しくなる迄繰り返して行うようにしているため、第1のテープの再生終了画面に続く第2のテープの再生開始画面からの映像信号を連続した映像信号として、切換えて出力することができる。
【0104】
さらに、再生速度を早く又は遅く設定して行う調相再生のための動作は所定の画像枚数期間再生速度を変化させて後に標準再生速度に戻して後の定常化されたタイムコードの読み出しを行うようにしているため、ディジタル記録テープの再生、圧縮記録信号の復号化、及び復号化された映像信号を一時記憶するフレームバッファへの記憶に係るそれぞれの時間が可変されて出力されるような復号化映像信号に対しても、誤検出に基づくタイムコードが原因となり、誤った再生速度の設定を行うことをなくすことができるため、好適な調相再生制御を行うことができる。
【0105】
従って、市場にある画像枚数を最小単位とするタイムコードを出力するディジタルVTRに改造を施すことなく、ディジタルVTRから出力されるタイムコードをパソコンなどの制御装置により読み出し、その制御装置により上記の方法を用いたVTRの再生速度制御を行うことにより、複数のディジタル記録テープに対して予め設定した再生終了画面の位置に続けて、他のテープに対して設定した再生開始画面の位置からの映像信号を、繋ぎ合わせた連続映像信号として再生することのできるディジタル記録テープの調相再生方法を提供することができる効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の、第1実施例におけるオーサリング装置の概略構成例を示した図である。
【図2】本発明の、第1実施例における再生開始及び再生終了のタイムコードを指定するための表示画面例を示した図である。
【図3】本発明の、第1実施例における2台のVTRで再生されるテープA及びテープBの再生動作に係るタイミング例を示した図である。
【図4】本発明の、第1実施例における2台のVTRの同期調相に係る前半部の動作をフローチャートにより例示した図である。
【図5】本発明の、第1実施例における2台のVTRの同期調相に係る後半部の動作をフローチャートにより例示した図である。
【図6】本発明の、第1実施例におけるテープA及びテープBのパソコンにより行われるタイムコード読み出しの時間関係を示した図である。
【図7】本発明の、第2実施例における記録用オーサリング装置の概略構成例を示した図である。
【図8】本発明の、第3実施例における記録用オーサリング装置の構成を例示した図である。
【図9】本発明の、第4実施例における通信用オーサリング装置の構成を例示した図である。
【符号の説明】
1 オーサリング装置
1a 第1のVTR
1b 第2のVTR
2a、2b オーサリング装置
3 パソコン
4 信号発生器
5 MPEGエンコーダ
6 D−VHSフォーマッタ
7 D−VHS記録装置
9 パケット化エンコーダ
10a、10b HD−VTR
11 タイムコード回路
12 速度設定回路
13 インタフェース回路
14 切換回路
15 録再回路
16a、16b 記録媒体
41 DMR
42 ドルビーEデコーダ
43 AC−3エンコーダ
44 TCGR
45 CCサーバ
81 D−VHSデコーダ
82 MPEGデコーダ
83 視聴装置
91 パケットデコーダ
Claims (1)
- 第1のテープ状記録媒体に再生終了画面の位置を指定すると共に第2のテープ状記録媒体に再生開始画面の位置を指定し、第1の媒体から再生される再生終了画面の位置までの映像信号に連続させて、第2の媒体から再生される再生開始画面の位置以降の映像信号を出力するためのディジタル記録テープの調相再生方法であり、
前記第1のテープ状記録媒体は、第1の映像信号を符号化した符号化映像信号と、その符号化映像信号の記録位置に係る絶対アドレスを画像単位でインクリメントして記述する第1のタイムコードとを記録した媒体であると共に、
前記第2のテープ状記録媒体は、第2の映像信号を符号化した符号化映像信号と、その符号化映像信号の記録位置に係る絶対アドレスを画像単位でインクリメントして記述する第2のタイムコードとを記録した媒体であるディジタル記録テープの調相再生方法において、
前記再生終了画面の位置を指定する前記第1のタイムコードの値である第1のタイムコード値と、前記再生開始画面の位置を指定する前記第2のタイムコードの値である第2のタイムコード値との差である同期タイムコード差を求める第1のステップと、
前記第1のテープ状記録媒体の再生を通常再生速度で開始する第2のステップと、
前記第1のテープ状記録媒体を通常再生速度で再生して得られる前記第1のタイムコードが前記第1のタイムコード値に対して所定時間手前に達したときに、前記第2のタイムコード値に対して前記所定時間手前から再生が開始される位置と想定される位置より、前記第2のテープ状記録媒体の再生を通常再生速度で開始する第3のステップと、
前記第1のテープ状記録媒体を通常再生速度で再生して得られる前記第1のタイムコードと、前記第2のテープ状記録媒体を通常再生速度で再生して得られる前記第2のタイムコードとの読み出しを交互に複数回繰り返し、第n回目及び第n+2回目(nは自然数)に読み出したタイムコードの値が同一値である第1の同一タイムコード値となり、且つ第n+1回目及び第n+3回目に読み出したタイムコードの値が同一値である第2の同一タイムコード値となるまでタイムコードの読み出しを行う第4のステップと、
前記第1の同一タイムコード値と前記第2の同一タイムコード値との差である同一タイムコード差を求める第5のステップと、
前記同一タイムコード差と前記同期タイムコード差とを比較し、前記同一タイムコード差の方が大きいときは前記第2のテープ状記録媒体の再生速度を通常再生速度よりも大きく設定すると共に、前記同一タイムコード差の方が小さいときは前記第2のテープ状記録媒体の再生速度を通常再生速度よりも小さく設定して、第2のテープ状記録媒体を所定画像枚数区間走行させる第6のステップと、
その第6のステップの後、前記第2のテープ状記録媒体の再生速度を通常再生速度に戻して前記第2の映像信号及び前記第2のタイムコードを再生する第7のステップと、
前記同一タイムコード差と前記同期タイムコード差とが等しくなるまで前記第4から第7のステップを繰り返す第8のステップと、
その第8のステップの後、前記再生終了画面の再生終了タイミングで、映像信号出力を前記第1のテープ状記録媒体から再生される第1の映像信号から、前記第2のテープ状記録媒体から再生される第2の映像信号に切換える第9のステップと、
を有することを特徴とするディジタル記録テープの調相再生方法。
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