JP2004192489A - 電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】PCカードスロットを有し、通常動作モードの他に、前記スロットに特定の種類のPCカードが挿入された状態で、PCカードとその周辺回路のみ動作可能なように電源供給が行われる特定モードを実行可能な電子機器において、前記特定モード時にPCカードの差し替えによる誤動作を防止する。
【解決手段】PCカードコントローラ2は、スロットに対するPCカード1の挿入、抜出を検出する挿抜検出手段4から挿抜検出信号制御手段6を介して伝達される挿入検出信号に応じてPCカード電源制御手段3にPCカード1への電源供給をオンさせ、抜出検出信号に応じてオフさせる。挿抜検出信号制御手段6は、通常動作モードでは挿入検出信号と抜出検出信号をそのままPCカードコントローラ2に伝達し、特定モードでは抜出検出信号のみを伝達するように制御する。
【選択図】 図1
【解決手段】PCカードコントローラ2は、スロットに対するPCカード1の挿入、抜出を検出する挿抜検出手段4から挿抜検出信号制御手段6を介して伝達される挿入検出信号に応じてPCカード電源制御手段3にPCカード1への電源供給をオンさせ、抜出検出信号に応じてオフさせる。挿抜検出信号制御手段6は、通常動作モードでは挿入検出信号と抜出検出信号をそのままPCカードコントローラ2に伝達し、特定モードでは抜出検出信号のみを伝達するように制御する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、PCMIAカードやコンパクトフラッシュ(商標名)カードなどのPCカードを挿入、抜出可能に接続するスロット(以下、PCカードスロットという)を有する電子機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
パソコンや携帯端末機器などの電子機器では、上記のPCカードスロットを有し、これに挿入されて接続されたPCカードを使用する構成が採用されている。
【0003】
従来、この種の電子機器では、PCカードスロットに対するPCカードの挿入、抜出を検出する検出手段が設けられ、これによりPCカードの挿入が検出されるとPCカードへの電源供給がオンされ、抜出が検出されるとPCカードへの電源供給がオフされるようになっていた(例えば下記の特許文献1の段落0004,0007参照)。
【0004】
しかし、この構成では、PCカードがスロットに挿入されている限り、PCカードが使用されておらずアクセスされていないときでも常時PCカードとこれを制御するPCカードコントローラなどのPCカード周辺回路に電源供給がなされるので、電力を無駄に消費してしまう。これは特に電池駆動の電子機器の場合に深刻な問題である。
【0005】
この対策として、特にPCカードとしてPCカードモデムなどの通信機能を有する通信カードを用いるコンピュータシステムで、通信処理の開始と終了の度毎にPCカード(通信カード)のリソース割り当て及び開放の要求が発行されるシステムにおいて、PCカードの使用中だけ電源を供給するために、PCカードのリソース割り当て要求の発行に応じてPCカードに対する電源供給をオンし、リソース開放要求の発行に応じて電源供給をオフする構成が特許文献1に記載されている(要約及び請求項1など参照)。またPCカードの使用中止指示を監視してPCカードが使用中止されたか否かを検出し、使用中止されたときにPCカードに対する電源供給をオフする構成も記載されている(請求項3等参照)。
【0006】
一方、パソコンや携帯端末機器などでは、作業状態(プログラム実行状態)を保存しておいて、少なくとも主要部の電源供給を制限(オフないし節電)してシステムを停止状態、いわゆるサスペンド状態とし、その後、パワーオンキーなどの特定のキー入力に応じて電源供給を回復して、保存しておいた作業状態から動作を再開(レジューム)する、いわゆるサスペンド・レジューム機能を備えたものが一般的である。この機能を備えた電子機器でPCカードスロットを有するものでは、消費電力を抑えるために、サスペンド中はスロットに挿入されたPCカードとPCカード周辺回路への電源供給をオフし、レジューム時に電源供給を再開するというようなPCカードの電源管理が行われている。
【0007】
しかし、スロットに挿入されたPCカードがPHS機能などの通信機能を有する通信カードである場合、サスペンド状態で通信カードの電源をオフしてしまうと、通信カードが動作できず通信の待ち受け(具体的には着信の待ち受け)ができない。このため、通信カードの場合、電子機器の大部分がサスペンド中(電源オフないし節電中)でも通信カードとPCカード周辺回路へは電源供給を行って動作可能とし通信の待ち受けを可能とする通信待ち受けモードを実行可能にした構成が採用されている。
【0008】
【特許文献1】
特開平9−237139号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の通信待ち受けモード時に、通信カードが他のPCカードに差し替えられた場合、通信待ち受けモードが解除される訳ではなく、そのPCカードに対しても電源供給が行われ、PCカードコントローラなどが通信カードを想定して動作するため、誤動作をまねく恐れがあった。
【0010】
また、通信待ち受けモード中は常時通信カードとPCカード周辺回路に電源供給を行うため、通常のサスペンドモード時に比べて消費電力が大きくなってしまう。
【0011】
これに対して、特許文献1に記載されたPCカードの使用中だけ電源供給を行う構成は、電子機器の通常動作時であることを前提としており、上記のサスペンド状態における通信待ち受けモードでの消費電力の問題に対応できない。
【0012】
なお、通信カード以外でも特定の種類のPCカードがPCカードスロットに挿入された状態で、電子機器の大部分は電源供給を制限(オフないし節電)されて動作停止状態とされるが、前記PCカードとPCカード周辺回路は電源供給を受けて動作可能とされる特定モードを実行することも考えられ、この場合も上記と同様の問題がある。
【0013】
そこで本発明の課題は、この種の電子機器であって、少なくとも、電子機器全体が電源を供給されて動作可能となる通常動作モードと、上記の特定モードを実行可能な電子機器において、特定モードの実行時に前記特定の種類のPCカードが他のPCカードに差し替えられても誤動作を防止することができ、さらに消費電力を低減することもできる構成を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明によれば、
PCカードを挿入、抜出可能に接続するスロットを有する電子機器において、
前記スロットに対するPCカードの挿入、抜出を検出する挿抜検出手段と、
該挿抜検出手段からの挿入検出信号に応じてPCカードへの電源供給をオンし、抜出検出信号に応じてPCカードへの電源供給をオフする制御を含むPCカードの制御を行うPCカードコントローラと、
前記挿抜検出手段から出力される挿入検出信号と抜出検出信号の前記PCカードコントローラへの伝達を制御する挿抜検出信号制御手段と、
を含むPCカード周辺回路を有し、
少なくとも、電子機器全体が電源を供給されて動作可能となる通常動作モードと、前記スロットに特定の種類のPCカードが挿入された状態で、電子機器の大部分は電源供給を制限されて動作停止状態とされるが前記PCカードと前記PCカード周辺回路は電源供給を受けて動作可能とされる特定モードとを実行可能であり、
前記挿抜検出信号制御手段は、前記通常動作モードでは前記挿入検出信号と抜出検出信号をそのまま前記PCカードコントローラに伝達し、前記特定モードでは前記抜出検出信号のみを伝達するように制御する構成を採用した。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を説明する。ここではPCカードスロットを有する電子機器であって、先述した通信待ち受けモードを実行可能な電池駆動の電子機器における実施形態を示す。
【0016】
[第1の実施形態]
図1は本発明の第1の実施形態における電子機器のPCカード周辺回路の機能的構成を示すブロック図である。
【0017】
1はPCカードであり、メモリーカードなどの他にPHSカードなどの通信機能を有する通信カードも用いられる。
【0018】
2はPCカード1の制御を行うPCカードコントローラであり、PCカード1に対するデータのリード/ライトなどの制御を行う。また、PCカード1への電源供給をオン、オフするPCカード電源制御手段3を制御してPCカード1への電源供給のオン、オフを制御する。なお、PCカードコントローラ2は、PCカード1が電子機器の不図示のPCカードスロットに挿入され接続されたとき等にPCカード1にアクセスしてPCカード1の種類のデータを読み取り、電子機器全体の制御を司る不図示のCPU(以下、単にCPUという)に通知する。
【0019】
4は挿抜検出手段であり、PCカードスロットに対するPCカード1の挿入、抜出を検出し、挿入検出信号、抜出検出信号を出力する。その信号は後述する挿抜検出信号制御手段6を介してPCカードコントローラ2に伝達される。PCカードコントローラ2は挿入検出信号に応じてPCカード1への電源供給をオンさせ、抜出検出信号に応じてオフさせる。
【0020】
5はパワーモード通知手段であり、CPUが出力する各動作モードに応じた状態出力信号などに基づいて電源管理に関わるパワーモードを判断し、パワーモードを示すデータを挿抜検出信号制御手段6に通知する。なお、上記の状態出力信号は、CPUが固有の機能として出力するものの他、CPUの汎用ポートを利用してプログラムにより出力するもの等である。
【0021】
ここでは、パワーモードは電源オフモード、サスペンドモード、通信待ち受けモード、通常動作モード(フルパワーモード)の4モードとし、パワーモード通知手段5は、それぞれのモードを例えば2ビットのデータで、(0,0)=電源オフモード、(0,1)=サスペンドモード、(1,0)=通信待ち受けモード、(1,1)=通常動作モードというように通知する。
【0022】
電源オフモードでは、電子機器全体の電源がオフされ、図1のPCカード周辺回路の構成を含めて電子機器全体が動作停止状態となる。
【0023】
サスペンドモードでは、挿抜検出手段4と挿抜検出信号制御手段6のみ電源を供給して動作可能とし、CPUを含めて電子機器の他の大部分は電源供給を制限(オフないし節電)して動作停止状態、すなわちサスペンド状態とする。
【0024】
通信待ち受けモードでは、CPUを含めて電子機器の大部分は電源供給を制限(オフないし節電)して動作停止状態とするが、通信の待ち受け(着信の待ち受け)を行うため、PCカード(通信カード)1とPCカード周辺回路のPCカードコントローラ2、PCカード電源制御手段3、挿抜検出手段4、パワーモード通知手段5、及び挿抜検出信号制御手段6は電源供給を受けて動作可能とされる。そして、通信待ち受けモードで通信カードに着信があったら通信カードがそのことをPCカードコントローラ2に通知し、それを受けてPCカードコントローラ2がCPUを起動する信号を出力し、それにより起動されたCPUが電子機器のパワーモードを通常動作モードに移行させ、通信を開始させる。
【0025】
通常動作モードでは、電子機器全体に電源供給がなされ、電子機器全体が動作可能となる。
【0026】
一方、挿抜検出信号制御手段6は、パワーモード通知手段5から通知される上記4つのパワーモードのデータに応じて、挿抜検出手段4からPCカードコントローラ2への挿入検出信号と抜出検出信号の伝達を以下のように制御する。
【0027】
すなわち、まず電源オフモードでは電子機器全体が電源供給をオフされて動作を停止しており、挿抜検出手段4も挿抜検出信号制御手段6も動作停止状態にあり、挿抜検出も検出信号の伝達もなされない。
【0028】
サスペンドモードでは、動作状態にある挿抜検出手段4から挿入検出信号または抜出検出信号が入力されるが、PCカードコントローラ2に伝達せず、保持し、レジューム時に保持された挿入検出信号または抜出検出信号をサスペンド中の挿抜履歴としてPCカードコントローラ2に伝達する。
【0029】
通信待ち受けモードでは、先述のようにPCカードスロットに挿入された通信カードが他の種類のPCカードに差し替えられると誤動作を招くので、これを防止する必要がある。このため、通信カードの差し替えがあった場合、動作状態にある挿抜検出手段4からまず抜出検出信号、その後、挿入検出信号が入力されるが、挿抜検出信号制御手段6は抜出検出信号のみPCカードコントローラ2に伝達し、挿入検出信号は伝達しないようにする。なお、この場合に挿抜検出信号制御手段6は、挿入検出信号を保持しておき、通信待ち受けモードから通常動作モードに移行したら、その挿入検出信号をPCカードコントローラ2に伝達する。
【0030】
このように通信待ち受けモード中に通信カードが他のPCカードに差し替えられても、PCカードコントローラ2に抜出検出信号しか伝達されないので、PCカードコントローラ2は抜出検出信号に応じてPCカード電源制御手段3を制御してPCカードへの電源供給をオフさせるだけで、その後、通信カード以外のPCカードが挿入されても、そのPCカードへの電源供給をオンさせることはない。これによりPCカードに関わる誤動作を防止することができる。
【0031】
通常動作モードでは、挿抜検出信号制御手段6は、挿抜検出手段4から入力される挿入信号と抜出信号をそのままPCカードコントローラ2に伝達する。従って、PCカード1の挿入に応じてPCカード1への電源供給がオンされ、抜出に応じて電源供給がオフされる。
【0032】
次に、本実施形態の電子機器の通信待ち受けモード時の動作を図2のフローチャートにより説明する。
【0033】
図2のステップS1において、PCカード1として通信カードがPCカードスロットに挿入された通常動作モードの状態で、例えば不図示のキーボードなどの入力手段からの入力が一定時間なかった、あるいは通信待ち受けモードを設定する入力があった等の所定の条件が満たされると、CPUは、パワーモードを通常動作モードから通信待ち受けモードに移行させ、ステップS2で通信待ち受けモードを開始させる。このとき、前述のように、CPUを含めて電子機器の大部分は電源供給を制限(オフないし節電)して動作停止状態とされるが、図1のPCカード1と、PCカード周辺回路のPCカードコントローラ2〜挿抜検出信号制御手段6は電源供給を受けて動作状態とされる。また、パワーモード通知手段5から挿抜検出信号制御手段6に対して通信待ち受けモードを示すデータが通知される。
【0034】
続いてステップS3以下の動作はPCカードコントローラ2により以下のように行われる。
【0035】
すなわち、まず一定時間ウエイトした(ステップS3)後、PCカード(通信カード)1からの通知で着信があったか否かを判断し(ステップS4)、あった場合はCPUを起動するためのシステム起動通知信号を出力する(ステップS5)。これによりCPUが起動され、電子機器のパワーモードを通常動作モードに移行させ、通信を開始させる。
【0036】
また、着信がなかった場合は、PCカード(通信カード)1の抜出があったか(抜出検出信号の伝達があったか)否かを判断し(ステップS6)、なかったらステップS3に戻り、ステップS3以下の動作を繰り返す。
【0037】
また、PCカード1の抜出があったらPCカード電源制御手段3を制御し、PCカード1への電源供給をオフさせる(ステップS7)。
【0038】
以上のように、本実施形態によれば、通信待ち受けモード中に通信カードが他のPCカードに差し替えられても、通信カードの抜出時にPCカードへの電源供給がオフされるだけで、その後、挿入された他のPCカードへの電源供給がオンされることはないので、PCカードに関わる誤動作を未然に防止することができる。
【0039】
[第2の実施形態]
次に、図3は本発明の第2の実施形態における電子機器のPCカード周辺回路の機能的構成を示すブロック図である。図3において第1の実施形態の図1中と共通の部分には共通の符号を付してあり、その説明は省略する。
【0040】
図3の構成では、図1の構成に加えてアクセス監視手段7、タイマー8、PCカードI/F(インターフェース)スイッチ回路11が設けられている。また図1では図示を省略した表示器10を示してある。
【0041】
アクセス監視手段7は、PCカードコントローラ2がPCカード1に対してアクセスするために出力するチップセレクト信号9の有無によりPCカードコントローラ2を介したPCカード1へのアクセスの有無を監視する。この監視は、タイマー8により計時される所定時間の間隔で周期的に行われる。
【0042】
表示器10は、後述のようにPCカード1の電源をオフする前に使用者に通知する警告の表示を行うために用いられる。
【0043】
PCカードI/Fスイッチ回路11は、CPU及びアクセス監視手段7に制御されて、PCカード1とPCカードコントローラ2間の信号線の接続、遮断を行う。
【0044】
上記構成によれば、PCカードI/Fスイッチ回路11によりPCカード1とPCカードコントローラ2の間の信号線を遮断しておけば、PCカードコントローラ2への電源供給をオフしても、PCカード1への電源供給をオンしておけば、PCカード1による通信の待ち受けを行うことができる。
【0045】
従って、通信待ち受けモード時に、CPUの制御などでPCカードI/Fスイッチ回路11によりPCカード(通信カード)1とPCカードコントローラ2の間の信号線を遮断しておいてPCカードコントローラ2への電源供給をオフにした状態でPCカード1を待機状態(通信待ち受け状態)においておくことが可能になる。これにより通信待ち受けモード時の消費電力を低減することができる。
【0046】
なお、この場合、通信待ち受けモードでPCカード(通信カード)1の抜出が挿抜検出手段4により検出されたとき、抜出検出信号の出力によりPCカードコントローラ2への電源供給が再開され、動作状態となったPCカードコントローラ2が挿抜検出手段4から挿抜検出信号制御手段6を介して入力される抜出信号に応じてPCカード電源制御手段3にPCカード1への電源供給をオフさせるものとする。そして、その後、再びPCカードコントローラ2への電源供給がオフされるものとする。
【0047】
また、通常動作モード時には、アクセス監視手段7は、タイマー8により計時される監視周期の時間より大幅に長い所定時間T1の間チップセレクト信号9の出力がないこと、つまりPCカードコントローラ2を介したPCカード1へのアクセスがないことを認識すると、図4に示すように電子機器13の表示器10に警告表示12の画像を表示させる。警告表示12は、PCカード1へのアクセスがない状態が上記所定時間T1経過した時点からさらに所定時間T2の間PCカード1へのアクセスがなければPCカード1への電源供給をオフすることを使用者に予告して警告するものであり、具体的には例えばPCカード1にあと何秒アクセスしなければPCカード1の電源をオフするというようなことを予告する表示である。
【0048】
この警告表示12を表示しても時間T2内にPCカード1へのアクセスがなかった場合、すなわち警告表示12の表示開始前にアクセスがなかった時間T1を含めて合計で一定時間(T1+T2)アクセスがなかった場合、アクセス監視手段7は挿抜検出信号制御手段6に対して挿抜検出手段4の抜出検出信号に対応するコントロール信号を送り、それがPCカードコントローラ2に伝達されることにより、PCカードコントローラ2がPCカード電源制御手段3にPCカード1への電源供給をオフさせる。
【0049】
このようにPCカード1に対するアクセスが一定時間なかったらPCカード1への電源供給をオフするので、消費電力を低減することができる。また、PCカード1への電源供給をオフする前に上記の警告表示12で使用者に警告するので、使用者がPCカード1を使用する必要性に応じて適当に対処することができ、問題が生じることはない。
【0050】
なお、この際にPCカード1への電源供給をオフする前段階として、アクセス監視手段7がPCカードI/Fスイッチ回路11を制御してPCカードコントローラ2とPCカード1の間の信号線を遮断させることにより、PCカード1への電源供給がオンされている状態でもPCカード1の消費電力を一段落とすことが可能である。
【0051】
なお、以上の実施形態において、通信カード以外の特定の種類のPCカードがPCカードスロットに挿入された状態で、通信待ち受けモードと同様に、そのPCカードとPCカード周辺回路のみ電源を供給して動作可能とする特定モードを実行することも可能であり、その実行時もPCカードに関わる電源供給制御に関して通信待ち受けモードと同様にすることで同様の作用効果が得られる。
【0052】
また、上述した実施形態の電子機器は電池駆動のものとしたが、商用電源で駆動される電子機器にも本発明が適用できることは勿論である。
【0053】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明の趣旨と範囲は実施形態で説明したものに限定されないことは勿論である。本発明の実施態様の例を以下に列挙する。
【0054】
[実施態様1] PCカードを挿入、抜出可能に接続するスロットを有する電子機器において、
前記スロットに対するPCカードの挿入、抜出を検出する挿抜検出手段と、
該挿抜検出手段からの挿入検出信号に応じてPCカードへの電源供給をオンし、抜出検出信号に応じてPCカードへの電源供給をオフする制御を含むPCカードの制御を行うPCカードコントローラと、
前記挿抜検出手段から出力される挿入検出信号と抜出検出信号の前記PCカードコントローラへの伝達を制御する挿抜検出信号制御手段と、
を含むPCカード周辺回路を有し、
少なくとも、電子機器全体が電源を供給されて動作可能となる通常動作モードと、前記スロットに特定の種類のPCカードが挿入された状態で、電子機器の大部分は電源供給を制限されて動作停止状態とされるが前記PCカードと前記PCカード周辺回路は電源供給を受けて動作可能とされる特定モードとを実行可能であり、
前記挿抜検出信号制御手段は、前記通常動作モードでは前記挿入検出信号と抜出検出信号をそのまま前記PCカードコントローラに伝達し、前記特定モードでは前記抜出検出信号のみを伝達するように制御することを特徴とする電子機器。
【0055】
[実施態様2] 前記PCカードコントローラと前記スロットに挿入されたPCカードとの間の信号線の接続、遮断を行うPCカードインターフェーススイッチ手段を有し、
前記特定モードでは前記PCカードインターフェーススイッチ手段により前記PCカードコントローラとPCカード間の信号線を遮断しておいて前記PCカードコントローラへの電源供給をオフすることを特徴とする実施態様1に記載の電子機器。
【0056】
[実施態様3] 前記PCカードコントローラを介して前記PCカードにアクセスがあったか否かを監視するアクセス監視手段を有し、
前記通常動作モード時に、前記アクセス監視手段により前記PCカードに対するアクセスが一定時間なかったことが認識されたときに、PCカードへの電源供給をオフすることを特徴とする実施態様1または2に記載の電子機器。
【0057】
[実施態様4] 表示手段を有し、前記通常動作モード時に、前記アクセス監視手段により前記PCカードに対するアクセスが前記一定時間より短い所定時間なかったことが認識されたときに、前記表示手段により使用者に対してPCカードへの電源供給オフを予告する警告表示を行うことを特徴とする実施態様3に記載の電子機器。
【0058】
[実施態様5] 前記特定の種類のPCカードは通信機能を有する通信カードであることを特徴とする実施態様1に記載の電子機器。
【0059】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、PCカードスロットを有する電子機器であって、少なくとも、電子機器全体が電源を供給されて動作可能となる通常動作モードと、前記スロットに特定の種類のPCカード(例えば通信カード)が挿入された状態で、電子機器の大部分は電源供給を制限されて動作停止状態とされるが前記PCカードとPCカード周辺回路は電源供給を受けて動作可能とされる特定モードとを実行可能な電子機器において、前記特定モードの実行時に前記特定の種類のPCカードが他のPCカードに差し替えられても、特定の種類のPCカードの抜出時にPCカードへの電源供給がオフされた後、差し替えられた他のPCカードに対して電源供給がオンされることがないので、PCカードに関わる誤動作を未然に防止することができる。
【0060】
また、通常動作モード時には、PCカードに対するアクセスが一定時間なかったらPCカードへの電源供給をオフするようにし、特定モード時には、PCカード周辺回路中のPCカードコントローラとPCカード間の信号線を遮断しておいてPCカードコントローラへの電源供給をオフするようにしたので、PCカードに関わる消費電力を低減することができ、特に電池駆動の電子機器の場合に電池の寿命を長くすることができるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における電子機器のPCカード周辺回路の機能的構成を示すブロック図である。
【図2】同電子機器の通信待ち受けモード時における動作手順を示すフローチャート図である。
【図3】第2の実施形態における電子機器のPCカード周辺回路の機能的構成を示すブロック図である。
【図4】同電子機器の通常動作モードでPCカード電源オフ前の警告表示を行っている様子を示す説明図である。
【符号の説明】
1 PCカード
2 PCカードコントローラ
3 PCカード電源制御手段
4 挿抜検出手段
5 パワーモード通知手段
6 挿抜検出信号制御手段
7 アクセス監視手段
8 タイマー
9 チップセレクト信号
10 表示器
11 PCカードI/Fスイッチ回路
12 警告表示
13 電子機器
【発明の属する技術分野】
本発明は、PCMIAカードやコンパクトフラッシュ(商標名)カードなどのPCカードを挿入、抜出可能に接続するスロット(以下、PCカードスロットという)を有する電子機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
パソコンや携帯端末機器などの電子機器では、上記のPCカードスロットを有し、これに挿入されて接続されたPCカードを使用する構成が採用されている。
【0003】
従来、この種の電子機器では、PCカードスロットに対するPCカードの挿入、抜出を検出する検出手段が設けられ、これによりPCカードの挿入が検出されるとPCカードへの電源供給がオンされ、抜出が検出されるとPCカードへの電源供給がオフされるようになっていた(例えば下記の特許文献1の段落0004,0007参照)。
【0004】
しかし、この構成では、PCカードがスロットに挿入されている限り、PCカードが使用されておらずアクセスされていないときでも常時PCカードとこれを制御するPCカードコントローラなどのPCカード周辺回路に電源供給がなされるので、電力を無駄に消費してしまう。これは特に電池駆動の電子機器の場合に深刻な問題である。
【0005】
この対策として、特にPCカードとしてPCカードモデムなどの通信機能を有する通信カードを用いるコンピュータシステムで、通信処理の開始と終了の度毎にPCカード(通信カード)のリソース割り当て及び開放の要求が発行されるシステムにおいて、PCカードの使用中だけ電源を供給するために、PCカードのリソース割り当て要求の発行に応じてPCカードに対する電源供給をオンし、リソース開放要求の発行に応じて電源供給をオフする構成が特許文献1に記載されている(要約及び請求項1など参照)。またPCカードの使用中止指示を監視してPCカードが使用中止されたか否かを検出し、使用中止されたときにPCカードに対する電源供給をオフする構成も記載されている(請求項3等参照)。
【0006】
一方、パソコンや携帯端末機器などでは、作業状態(プログラム実行状態)を保存しておいて、少なくとも主要部の電源供給を制限(オフないし節電)してシステムを停止状態、いわゆるサスペンド状態とし、その後、パワーオンキーなどの特定のキー入力に応じて電源供給を回復して、保存しておいた作業状態から動作を再開(レジューム)する、いわゆるサスペンド・レジューム機能を備えたものが一般的である。この機能を備えた電子機器でPCカードスロットを有するものでは、消費電力を抑えるために、サスペンド中はスロットに挿入されたPCカードとPCカード周辺回路への電源供給をオフし、レジューム時に電源供給を再開するというようなPCカードの電源管理が行われている。
【0007】
しかし、スロットに挿入されたPCカードがPHS機能などの通信機能を有する通信カードである場合、サスペンド状態で通信カードの電源をオフしてしまうと、通信カードが動作できず通信の待ち受け(具体的には着信の待ち受け)ができない。このため、通信カードの場合、電子機器の大部分がサスペンド中(電源オフないし節電中)でも通信カードとPCカード周辺回路へは電源供給を行って動作可能とし通信の待ち受けを可能とする通信待ち受けモードを実行可能にした構成が採用されている。
【0008】
【特許文献1】
特開平9−237139号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の通信待ち受けモード時に、通信カードが他のPCカードに差し替えられた場合、通信待ち受けモードが解除される訳ではなく、そのPCカードに対しても電源供給が行われ、PCカードコントローラなどが通信カードを想定して動作するため、誤動作をまねく恐れがあった。
【0010】
また、通信待ち受けモード中は常時通信カードとPCカード周辺回路に電源供給を行うため、通常のサスペンドモード時に比べて消費電力が大きくなってしまう。
【0011】
これに対して、特許文献1に記載されたPCカードの使用中だけ電源供給を行う構成は、電子機器の通常動作時であることを前提としており、上記のサスペンド状態における通信待ち受けモードでの消費電力の問題に対応できない。
【0012】
なお、通信カード以外でも特定の種類のPCカードがPCカードスロットに挿入された状態で、電子機器の大部分は電源供給を制限(オフないし節電)されて動作停止状態とされるが、前記PCカードとPCカード周辺回路は電源供給を受けて動作可能とされる特定モードを実行することも考えられ、この場合も上記と同様の問題がある。
【0013】
そこで本発明の課題は、この種の電子機器であって、少なくとも、電子機器全体が電源を供給されて動作可能となる通常動作モードと、上記の特定モードを実行可能な電子機器において、特定モードの実行時に前記特定の種類のPCカードが他のPCカードに差し替えられても誤動作を防止することができ、さらに消費電力を低減することもできる構成を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明によれば、
PCカードを挿入、抜出可能に接続するスロットを有する電子機器において、
前記スロットに対するPCカードの挿入、抜出を検出する挿抜検出手段と、
該挿抜検出手段からの挿入検出信号に応じてPCカードへの電源供給をオンし、抜出検出信号に応じてPCカードへの電源供給をオフする制御を含むPCカードの制御を行うPCカードコントローラと、
前記挿抜検出手段から出力される挿入検出信号と抜出検出信号の前記PCカードコントローラへの伝達を制御する挿抜検出信号制御手段と、
を含むPCカード周辺回路を有し、
少なくとも、電子機器全体が電源を供給されて動作可能となる通常動作モードと、前記スロットに特定の種類のPCカードが挿入された状態で、電子機器の大部分は電源供給を制限されて動作停止状態とされるが前記PCカードと前記PCカード周辺回路は電源供給を受けて動作可能とされる特定モードとを実行可能であり、
前記挿抜検出信号制御手段は、前記通常動作モードでは前記挿入検出信号と抜出検出信号をそのまま前記PCカードコントローラに伝達し、前記特定モードでは前記抜出検出信号のみを伝達するように制御する構成を採用した。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を説明する。ここではPCカードスロットを有する電子機器であって、先述した通信待ち受けモードを実行可能な電池駆動の電子機器における実施形態を示す。
【0016】
[第1の実施形態]
図1は本発明の第1の実施形態における電子機器のPCカード周辺回路の機能的構成を示すブロック図である。
【0017】
1はPCカードであり、メモリーカードなどの他にPHSカードなどの通信機能を有する通信カードも用いられる。
【0018】
2はPCカード1の制御を行うPCカードコントローラであり、PCカード1に対するデータのリード/ライトなどの制御を行う。また、PCカード1への電源供給をオン、オフするPCカード電源制御手段3を制御してPCカード1への電源供給のオン、オフを制御する。なお、PCカードコントローラ2は、PCカード1が電子機器の不図示のPCカードスロットに挿入され接続されたとき等にPCカード1にアクセスしてPCカード1の種類のデータを読み取り、電子機器全体の制御を司る不図示のCPU(以下、単にCPUという)に通知する。
【0019】
4は挿抜検出手段であり、PCカードスロットに対するPCカード1の挿入、抜出を検出し、挿入検出信号、抜出検出信号を出力する。その信号は後述する挿抜検出信号制御手段6を介してPCカードコントローラ2に伝達される。PCカードコントローラ2は挿入検出信号に応じてPCカード1への電源供給をオンさせ、抜出検出信号に応じてオフさせる。
【0020】
5はパワーモード通知手段であり、CPUが出力する各動作モードに応じた状態出力信号などに基づいて電源管理に関わるパワーモードを判断し、パワーモードを示すデータを挿抜検出信号制御手段6に通知する。なお、上記の状態出力信号は、CPUが固有の機能として出力するものの他、CPUの汎用ポートを利用してプログラムにより出力するもの等である。
【0021】
ここでは、パワーモードは電源オフモード、サスペンドモード、通信待ち受けモード、通常動作モード(フルパワーモード)の4モードとし、パワーモード通知手段5は、それぞれのモードを例えば2ビットのデータで、(0,0)=電源オフモード、(0,1)=サスペンドモード、(1,0)=通信待ち受けモード、(1,1)=通常動作モードというように通知する。
【0022】
電源オフモードでは、電子機器全体の電源がオフされ、図1のPCカード周辺回路の構成を含めて電子機器全体が動作停止状態となる。
【0023】
サスペンドモードでは、挿抜検出手段4と挿抜検出信号制御手段6のみ電源を供給して動作可能とし、CPUを含めて電子機器の他の大部分は電源供給を制限(オフないし節電)して動作停止状態、すなわちサスペンド状態とする。
【0024】
通信待ち受けモードでは、CPUを含めて電子機器の大部分は電源供給を制限(オフないし節電)して動作停止状態とするが、通信の待ち受け(着信の待ち受け)を行うため、PCカード(通信カード)1とPCカード周辺回路のPCカードコントローラ2、PCカード電源制御手段3、挿抜検出手段4、パワーモード通知手段5、及び挿抜検出信号制御手段6は電源供給を受けて動作可能とされる。そして、通信待ち受けモードで通信カードに着信があったら通信カードがそのことをPCカードコントローラ2に通知し、それを受けてPCカードコントローラ2がCPUを起動する信号を出力し、それにより起動されたCPUが電子機器のパワーモードを通常動作モードに移行させ、通信を開始させる。
【0025】
通常動作モードでは、電子機器全体に電源供給がなされ、電子機器全体が動作可能となる。
【0026】
一方、挿抜検出信号制御手段6は、パワーモード通知手段5から通知される上記4つのパワーモードのデータに応じて、挿抜検出手段4からPCカードコントローラ2への挿入検出信号と抜出検出信号の伝達を以下のように制御する。
【0027】
すなわち、まず電源オフモードでは電子機器全体が電源供給をオフされて動作を停止しており、挿抜検出手段4も挿抜検出信号制御手段6も動作停止状態にあり、挿抜検出も検出信号の伝達もなされない。
【0028】
サスペンドモードでは、動作状態にある挿抜検出手段4から挿入検出信号または抜出検出信号が入力されるが、PCカードコントローラ2に伝達せず、保持し、レジューム時に保持された挿入検出信号または抜出検出信号をサスペンド中の挿抜履歴としてPCカードコントローラ2に伝達する。
【0029】
通信待ち受けモードでは、先述のようにPCカードスロットに挿入された通信カードが他の種類のPCカードに差し替えられると誤動作を招くので、これを防止する必要がある。このため、通信カードの差し替えがあった場合、動作状態にある挿抜検出手段4からまず抜出検出信号、その後、挿入検出信号が入力されるが、挿抜検出信号制御手段6は抜出検出信号のみPCカードコントローラ2に伝達し、挿入検出信号は伝達しないようにする。なお、この場合に挿抜検出信号制御手段6は、挿入検出信号を保持しておき、通信待ち受けモードから通常動作モードに移行したら、その挿入検出信号をPCカードコントローラ2に伝達する。
【0030】
このように通信待ち受けモード中に通信カードが他のPCカードに差し替えられても、PCカードコントローラ2に抜出検出信号しか伝達されないので、PCカードコントローラ2は抜出検出信号に応じてPCカード電源制御手段3を制御してPCカードへの電源供給をオフさせるだけで、その後、通信カード以外のPCカードが挿入されても、そのPCカードへの電源供給をオンさせることはない。これによりPCカードに関わる誤動作を防止することができる。
【0031】
通常動作モードでは、挿抜検出信号制御手段6は、挿抜検出手段4から入力される挿入信号と抜出信号をそのままPCカードコントローラ2に伝達する。従って、PCカード1の挿入に応じてPCカード1への電源供給がオンされ、抜出に応じて電源供給がオフされる。
【0032】
次に、本実施形態の電子機器の通信待ち受けモード時の動作を図2のフローチャートにより説明する。
【0033】
図2のステップS1において、PCカード1として通信カードがPCカードスロットに挿入された通常動作モードの状態で、例えば不図示のキーボードなどの入力手段からの入力が一定時間なかった、あるいは通信待ち受けモードを設定する入力があった等の所定の条件が満たされると、CPUは、パワーモードを通常動作モードから通信待ち受けモードに移行させ、ステップS2で通信待ち受けモードを開始させる。このとき、前述のように、CPUを含めて電子機器の大部分は電源供給を制限(オフないし節電)して動作停止状態とされるが、図1のPCカード1と、PCカード周辺回路のPCカードコントローラ2〜挿抜検出信号制御手段6は電源供給を受けて動作状態とされる。また、パワーモード通知手段5から挿抜検出信号制御手段6に対して通信待ち受けモードを示すデータが通知される。
【0034】
続いてステップS3以下の動作はPCカードコントローラ2により以下のように行われる。
【0035】
すなわち、まず一定時間ウエイトした(ステップS3)後、PCカード(通信カード)1からの通知で着信があったか否かを判断し(ステップS4)、あった場合はCPUを起動するためのシステム起動通知信号を出力する(ステップS5)。これによりCPUが起動され、電子機器のパワーモードを通常動作モードに移行させ、通信を開始させる。
【0036】
また、着信がなかった場合は、PCカード(通信カード)1の抜出があったか(抜出検出信号の伝達があったか)否かを判断し(ステップS6)、なかったらステップS3に戻り、ステップS3以下の動作を繰り返す。
【0037】
また、PCカード1の抜出があったらPCカード電源制御手段3を制御し、PCカード1への電源供給をオフさせる(ステップS7)。
【0038】
以上のように、本実施形態によれば、通信待ち受けモード中に通信カードが他のPCカードに差し替えられても、通信カードの抜出時にPCカードへの電源供給がオフされるだけで、その後、挿入された他のPCカードへの電源供給がオンされることはないので、PCカードに関わる誤動作を未然に防止することができる。
【0039】
[第2の実施形態]
次に、図3は本発明の第2の実施形態における電子機器のPCカード周辺回路の機能的構成を示すブロック図である。図3において第1の実施形態の図1中と共通の部分には共通の符号を付してあり、その説明は省略する。
【0040】
図3の構成では、図1の構成に加えてアクセス監視手段7、タイマー8、PCカードI/F(インターフェース)スイッチ回路11が設けられている。また図1では図示を省略した表示器10を示してある。
【0041】
アクセス監視手段7は、PCカードコントローラ2がPCカード1に対してアクセスするために出力するチップセレクト信号9の有無によりPCカードコントローラ2を介したPCカード1へのアクセスの有無を監視する。この監視は、タイマー8により計時される所定時間の間隔で周期的に行われる。
【0042】
表示器10は、後述のようにPCカード1の電源をオフする前に使用者に通知する警告の表示を行うために用いられる。
【0043】
PCカードI/Fスイッチ回路11は、CPU及びアクセス監視手段7に制御されて、PCカード1とPCカードコントローラ2間の信号線の接続、遮断を行う。
【0044】
上記構成によれば、PCカードI/Fスイッチ回路11によりPCカード1とPCカードコントローラ2の間の信号線を遮断しておけば、PCカードコントローラ2への電源供給をオフしても、PCカード1への電源供給をオンしておけば、PCカード1による通信の待ち受けを行うことができる。
【0045】
従って、通信待ち受けモード時に、CPUの制御などでPCカードI/Fスイッチ回路11によりPCカード(通信カード)1とPCカードコントローラ2の間の信号線を遮断しておいてPCカードコントローラ2への電源供給をオフにした状態でPCカード1を待機状態(通信待ち受け状態)においておくことが可能になる。これにより通信待ち受けモード時の消費電力を低減することができる。
【0046】
なお、この場合、通信待ち受けモードでPCカード(通信カード)1の抜出が挿抜検出手段4により検出されたとき、抜出検出信号の出力によりPCカードコントローラ2への電源供給が再開され、動作状態となったPCカードコントローラ2が挿抜検出手段4から挿抜検出信号制御手段6を介して入力される抜出信号に応じてPCカード電源制御手段3にPCカード1への電源供給をオフさせるものとする。そして、その後、再びPCカードコントローラ2への電源供給がオフされるものとする。
【0047】
また、通常動作モード時には、アクセス監視手段7は、タイマー8により計時される監視周期の時間より大幅に長い所定時間T1の間チップセレクト信号9の出力がないこと、つまりPCカードコントローラ2を介したPCカード1へのアクセスがないことを認識すると、図4に示すように電子機器13の表示器10に警告表示12の画像を表示させる。警告表示12は、PCカード1へのアクセスがない状態が上記所定時間T1経過した時点からさらに所定時間T2の間PCカード1へのアクセスがなければPCカード1への電源供給をオフすることを使用者に予告して警告するものであり、具体的には例えばPCカード1にあと何秒アクセスしなければPCカード1の電源をオフするというようなことを予告する表示である。
【0048】
この警告表示12を表示しても時間T2内にPCカード1へのアクセスがなかった場合、すなわち警告表示12の表示開始前にアクセスがなかった時間T1を含めて合計で一定時間(T1+T2)アクセスがなかった場合、アクセス監視手段7は挿抜検出信号制御手段6に対して挿抜検出手段4の抜出検出信号に対応するコントロール信号を送り、それがPCカードコントローラ2に伝達されることにより、PCカードコントローラ2がPCカード電源制御手段3にPCカード1への電源供給をオフさせる。
【0049】
このようにPCカード1に対するアクセスが一定時間なかったらPCカード1への電源供給をオフするので、消費電力を低減することができる。また、PCカード1への電源供給をオフする前に上記の警告表示12で使用者に警告するので、使用者がPCカード1を使用する必要性に応じて適当に対処することができ、問題が生じることはない。
【0050】
なお、この際にPCカード1への電源供給をオフする前段階として、アクセス監視手段7がPCカードI/Fスイッチ回路11を制御してPCカードコントローラ2とPCカード1の間の信号線を遮断させることにより、PCカード1への電源供給がオンされている状態でもPCカード1の消費電力を一段落とすことが可能である。
【0051】
なお、以上の実施形態において、通信カード以外の特定の種類のPCカードがPCカードスロットに挿入された状態で、通信待ち受けモードと同様に、そのPCカードとPCカード周辺回路のみ電源を供給して動作可能とする特定モードを実行することも可能であり、その実行時もPCカードに関わる電源供給制御に関して通信待ち受けモードと同様にすることで同様の作用効果が得られる。
【0052】
また、上述した実施形態の電子機器は電池駆動のものとしたが、商用電源で駆動される電子機器にも本発明が適用できることは勿論である。
【0053】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明の趣旨と範囲は実施形態で説明したものに限定されないことは勿論である。本発明の実施態様の例を以下に列挙する。
【0054】
[実施態様1] PCカードを挿入、抜出可能に接続するスロットを有する電子機器において、
前記スロットに対するPCカードの挿入、抜出を検出する挿抜検出手段と、
該挿抜検出手段からの挿入検出信号に応じてPCカードへの電源供給をオンし、抜出検出信号に応じてPCカードへの電源供給をオフする制御を含むPCカードの制御を行うPCカードコントローラと、
前記挿抜検出手段から出力される挿入検出信号と抜出検出信号の前記PCカードコントローラへの伝達を制御する挿抜検出信号制御手段と、
を含むPCカード周辺回路を有し、
少なくとも、電子機器全体が電源を供給されて動作可能となる通常動作モードと、前記スロットに特定の種類のPCカードが挿入された状態で、電子機器の大部分は電源供給を制限されて動作停止状態とされるが前記PCカードと前記PCカード周辺回路は電源供給を受けて動作可能とされる特定モードとを実行可能であり、
前記挿抜検出信号制御手段は、前記通常動作モードでは前記挿入検出信号と抜出検出信号をそのまま前記PCカードコントローラに伝達し、前記特定モードでは前記抜出検出信号のみを伝達するように制御することを特徴とする電子機器。
【0055】
[実施態様2] 前記PCカードコントローラと前記スロットに挿入されたPCカードとの間の信号線の接続、遮断を行うPCカードインターフェーススイッチ手段を有し、
前記特定モードでは前記PCカードインターフェーススイッチ手段により前記PCカードコントローラとPCカード間の信号線を遮断しておいて前記PCカードコントローラへの電源供給をオフすることを特徴とする実施態様1に記載の電子機器。
【0056】
[実施態様3] 前記PCカードコントローラを介して前記PCカードにアクセスがあったか否かを監視するアクセス監視手段を有し、
前記通常動作モード時に、前記アクセス監視手段により前記PCカードに対するアクセスが一定時間なかったことが認識されたときに、PCカードへの電源供給をオフすることを特徴とする実施態様1または2に記載の電子機器。
【0057】
[実施態様4] 表示手段を有し、前記通常動作モード時に、前記アクセス監視手段により前記PCカードに対するアクセスが前記一定時間より短い所定時間なかったことが認識されたときに、前記表示手段により使用者に対してPCカードへの電源供給オフを予告する警告表示を行うことを特徴とする実施態様3に記載の電子機器。
【0058】
[実施態様5] 前記特定の種類のPCカードは通信機能を有する通信カードであることを特徴とする実施態様1に記載の電子機器。
【0059】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、PCカードスロットを有する電子機器であって、少なくとも、電子機器全体が電源を供給されて動作可能となる通常動作モードと、前記スロットに特定の種類のPCカード(例えば通信カード)が挿入された状態で、電子機器の大部分は電源供給を制限されて動作停止状態とされるが前記PCカードとPCカード周辺回路は電源供給を受けて動作可能とされる特定モードとを実行可能な電子機器において、前記特定モードの実行時に前記特定の種類のPCカードが他のPCカードに差し替えられても、特定の種類のPCカードの抜出時にPCカードへの電源供給がオフされた後、差し替えられた他のPCカードに対して電源供給がオンされることがないので、PCカードに関わる誤動作を未然に防止することができる。
【0060】
また、通常動作モード時には、PCカードに対するアクセスが一定時間なかったらPCカードへの電源供給をオフするようにし、特定モード時には、PCカード周辺回路中のPCカードコントローラとPCカード間の信号線を遮断しておいてPCカードコントローラへの電源供給をオフするようにしたので、PCカードに関わる消費電力を低減することができ、特に電池駆動の電子機器の場合に電池の寿命を長くすることができるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における電子機器のPCカード周辺回路の機能的構成を示すブロック図である。
【図2】同電子機器の通信待ち受けモード時における動作手順を示すフローチャート図である。
【図3】第2の実施形態における電子機器のPCカード周辺回路の機能的構成を示すブロック図である。
【図4】同電子機器の通常動作モードでPCカード電源オフ前の警告表示を行っている様子を示す説明図である。
【符号の説明】
1 PCカード
2 PCカードコントローラ
3 PCカード電源制御手段
4 挿抜検出手段
5 パワーモード通知手段
6 挿抜検出信号制御手段
7 アクセス監視手段
8 タイマー
9 チップセレクト信号
10 表示器
11 PCカードI/Fスイッチ回路
12 警告表示
13 電子機器
Claims (1)
- PCカードを挿入、抜出可能に接続するスロットを有する電子機器において、
前記スロットに対するPCカードの挿入、抜出を検出する挿抜検出手段と、
該挿抜検出手段からの挿入検出信号に応じてPCカードへの電源供給をオンし、抜出検出信号に応じてPCカードへの電源供給をオフする制御を含むPCカードの制御を行うPCカードコントローラと、
前記挿抜検出手段から出力される挿入検出信号と抜出検出信号の前記PCカードコントローラへの伝達を制御する挿抜検出信号制御手段と、
を含むPCカード周辺回路を有し、
少なくとも、電子機器全体が電源を供給されて動作可能となる通常動作モードと、前記スロットに特定の種類のPCカードが挿入された状態で、電子機器の大部分は電源供給を制限されて動作停止状態とされるが前記PCカードと前記PCカード周辺回路は電源供給を受けて動作可能とされる特定モードとを実行可能であり、
前記挿抜検出信号制御手段は、前記通常動作モードでは前記挿入検出信号と抜出検出信号をそのまま前記PCカードコントローラに伝達し、前記特定モードでは前記抜出検出信号のみを伝達するように制御することを特徴とする電子機器。
Priority Applications (1)
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JP2002361656A JP2004192489A (ja) | 2002-12-13 | 2002-12-13 | 電子機器 |
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JP2002361656A Pending JP2004192489A (ja) | 2002-12-13 | 2002-12-13 | 電子機器 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007018194A (ja) * | 2005-07-06 | 2007-01-25 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 情報記録メディアの制御方法、情報処理装置及び情報記録メディア |
JP2008180787A (ja) * | 2007-01-23 | 2008-08-07 | Sanyo Electric Co Ltd | 携帯用音楽プレーヤ |
JP2012518821A (ja) * | 2009-02-20 | 2012-08-16 | 威 伍 | 無線モジュール内蔵コンピュータとその待機および復帰方法 |
-
2002
- 2002-12-13 JP JP2002361656A patent/JP2004192489A/ja active Pending
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JP2008180787A (ja) * | 2007-01-23 | 2008-08-07 | Sanyo Electric Co Ltd | 携帯用音楽プレーヤ |
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