JP2004190289A - 舗装材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】平板状を呈する舗装材10を、合成樹脂により平板状に形成されている表面板11と、この表面板よりも厚い平板状を呈するように形成され該表面板の底面側に積層して設けられるコンクリート製の底面板12とから構成する。表面板の底面側に、コンクリート製底面板と係合する係合部13を、あり溝形状等を呈するように形成することにより、これらの表面板と底面板とが一体的に結合されている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば道路、公園あるいは庭などにおいて地面の表面を覆うことにより歩道、遊歩道等の敷設に用いられる舗装材に関する。
【0002】
【従来の技術】
公園の歩道や景勝地等の遊歩道を整備するために、舗装材として敷石を敷設することが従来から行われている。このような敷石として従来一般には、自然石を切り出して用いたり、コンクリートあるいは天然木材等によって形成したものを用いたりしている。
【0003】
たとえば特許文献1には、コンクリート製の基材によって構成した舗装材が例示されている。この例では、コンクリート製基材の表面にゴム素材を緩衝表面層として設けることにより、寒冷地での凍結等に対処できるようにしている。
【0004】
さらに、最近では、廃プラスチックを利用して舗装材を形成したもの(たとえば、特許文献2等参照)や、ゴム系廃材を利用して舗装材を形成したもの(たとえば、特許文献3等参照)も知られている。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−107203号公報
【特許文献2】
特開2001−328118号公報
【特許文献3】
特開平6−172589号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この種の舗装材として、形状(たとえば方形状)が同じタイルによる多数枚の敷石を自然石で準備しようとすると、加工の手間が大変で、コストも嵩むという問題があった。特に、このような敷石を舗装材として用いるには、所定の色をした石を石切場等で切り出して所定の形状、たとえばその多くは方形状に切り出して使用することが必要であり、形状や大きさ、さらには色等を揃える等の特別な加工が必要であり、煩雑な作業が必要で、また廉価に提供できないという問題があった。
【0007】
これに対して、コンクリート製の舗装材によれば、加工は比較的簡単で、自然石に比べてコスト面での問題は小さくなるが、コンクリート素材が外表面に露呈しているままでは、見栄えや体裁が悪いという問題があった。
このため、天然木材を舗装材として用いたものもあり、見栄えや体裁は良くなるも、腐食等を生じやすく、耐久性に欠けるという問題があった。
【0008】
さらに、上述したように廃プラスチックを再利用して舗装材を形成したものでは、資源の有効活用の面からは有利であるが、廃プラスチックで単純に形成した平板状ブロックを舗装材として用いた場合に、該ブロックの重量が軽すぎたり、設置箇所の地盤との接着性の面で問題があった。
【0009】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、道路、公園等の歩道や景勝地等の遊歩道に用いられる舗装材として、きわめて簡単に得られ、耐久性の面でも優れているばかりでなく、外表面に適宜の模様、たとえば木目模様を形成することが簡単で、装飾性の面でも優れ、施工性が損なわれない舗装材を得ることを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このような目的に応えるために本発明(請求項1記載の発明)に係る舗装材は、平板状を呈する舗装材であって、合成樹脂材により平板状に形成されている表面板と、この表面板よりも厚く形成され該表面板の底面側に積層して設けられるコンクリート製の底面板とを備え、前記表面板の底面側に、前記コンクリート製底面板と係合する係合部が形成されることにより、これらの表面板と底面板とが一体的に結合されていることを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、表面板を、合成樹脂、たとえば木質系樹脂により形成するとともに、この表面板の底面側にコンクリート製の底面板を積層して一体化することにより、きわめて簡単に得られ、耐久性の面でも優れているばかりでなく、重量の面からも充分であり施工性も損なわれず、また外表面に適宜の模様、たとえば木目模様を形成することが簡単で、装飾性の面でも優れている舗装材を得ることができる。
【0012】
本発明(請求項2記載の発明)に係る舗装材は、請求項1において、前記係合部は、あり溝形状で形成され、該係合部内にコンクリート製底面板の表面側が充填されることにより、表面板と底面板とが一体的に結合されていることを特徴とする。
このようにすれば、樹脂製の表面板とコンクリート製の底面板との充分な接合強度を得て、両板が分離したりするおそれがなくなる。
【0013】
本発明(請求項3記載の発明)に係る舗装材は、請求項1または請求項2において、前記コンクリート製底面板の外側面には、隣接して配置される舗装材との間を所定間隔をおいて配設するための突部が設けられていることを特徴とする。
このようにすれば、敷設時において隣接して配置される舗装材との間の間隔を所要の状態に維持する間隔保持部材としての機能を発揮させることができ、敷設時の作業が簡単に行えるとともに、舗装材の敷設を所要の状態で行える。また、舗装材を多数個並べた場合でも水はけをよくすることができる。
さらに、上述した突部は、樹脂製の表面板には設けられておらず、コンクリート製の底面板側の突部によって、敷設した各舗装材における表面板が互いに当接することがないため、該表面板が保護されることになる。
【0014】
本発明(請求項4記載の発明)に係る舗装材は、請求項3において、前記突部は、コンクリート製底面板の外側面において、舗装材を隣接して配設したときに隣接する舗装材側の突部と干渉しない位置に設けられていることを特徴とする。
このようにすれば、舗装材を並べて敷設する際の間隔を必要最小限にすることができるとともに、舗装材の向きを一定にすることができ、これにより表面板の模様を一様に並べた状態での敷設が可能となる。
【0015】
本発明(請求項5記載の発明)に係る舗装材は、請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、前記コンクリート製底面板は、前記表面板の底面を型枠の一部として利用して成形されていることを特徴とする。
このようにすれば、合成樹脂製の表面板とコンクリート製の底面板との充分な密着性を得て、両者を一体化することができる。
【0016】
本発明(請求項6記載の発明)に係る舗装材は、請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、前記表面板は、廃プラスチック材、廃木再生材等の再生材料を含んで形成されている木質系樹脂により、外表面が木目模様を呈するように形成されていることを特徴とする。
このような構成によれば、表面板を木質系樹脂で成形することによって、舗装材を外観上から木目模様を呈するように形成できるから、舗装材として全体から見ての見栄えをよくなる。しかも、このような木質様製品を得るための樹脂として、廃プラスチック等の再生材料を含んだ木質系樹脂を利用すれば、資源の有効活用を図れ、製品のコストダウンも可能である。
【0017】
本発明(請求項7記載の発明)に係る舗装材は、請求項6において、木質系樹脂は、不純物を含む木質廃材から得られた木質廃材粉砕粉のうちの、木粉の表面に、この木粉より小径でかつ硬い微粉末を担持させて固定粒とし、この固定粒を含む木質廃材粉砕粉と、不純物を含む樹脂廃材から得られた樹脂廃材粉砕粉とを混錬することにより得られることを特徴とする。
このような構成によれば、通常の木質材料よりも水分を吸収しにくく、外観上は木目模様を呈することができて、木製品と同様の外観を形成することができるとともに、耐久性に関しては木製品とはるかに水に強い木質様成形品としての舗装材本体を得ることができ、舗装材としての効果を発揮させることができるのである。
【0018】
ここで、このような木質系樹脂としては、不純物を含む木質廃材から得られた木質廃材粉砕粉と、不純物を含む樹脂廃材から得られた樹脂廃材粉砕粉とを混錬することによって得られ、不純物が成形品全体に対して合計で20wt%以下含まれ、木質廃材のうちの木質部分が成形品全体に対して51〜55wt%含まれ、樹脂廃材のうちの樹脂部分が成形品全体に対して25〜30wt%含まれるものを用いるとよい。
このようにすれば、型成形時の成形性がよくなるとともに、不純物を比較的多く含んでいることから、資源の有効利用や環境保護の観点からも優れた舗装材の舗装材本体を得ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1および図2(a),(b),(c)は本発明に係る舗装材の一実施の形態を示す。
これらの図において、全体を符号10で示すものは、平板状を呈する舗装材である。この舗装材10は、たとえば道路、公園や景勝地等での歩道、遊歩道に敷き詰められる敷石として用いられる。
【0020】
前記舗装材10は、木質系樹脂により平板状に形成された木質様成形品である表面板11と、この表面板11よりも厚い平板状に形成され表面板11の底面側に積層して設けられたコンクリート製の底面板12とによって構成されている。前記表面板11の底面側には、コンクリート製の底面板12との間での接着強度を確保できるように係合部としてあり溝形状を呈する係合凹部13が形成され、これによりこれらの表面板11と底面板12とが積層された状態で互いに所要の接着強度をもって一体的に結合されている。
【0021】
ここで、表面板11は、その底面にあり溝形状の係合凹部13を図1、図2(a)中で幅方向に沿って存在するようにして、ブロック成形用の型枠により合成樹脂で一体に成形されている。なお、図中13aは上記の係合凹部13を形成することにより底面に存在する突条部である。
【0022】
一方、コンクリート製の底面板12は、上記の表面板11の底面を型枠の一部として利用して成形され、その結果として前記係合凹部13内に、底面板12側の被係合部である係合凸部14が、あり結合状態で係合するように形成されている。このようにすれば、底面板12は、表面板11の裏面側に強固に結合された状態を維持して一体化されることになる。
【0023】
また、前記コンクリート製の底面板12の外側面には、隣接して配置される舗装材10との間を所定間隔をおいて配設するための突部15a,15b;16a,16bが形成されている。
【0024】
ここで、突部15a,15bは舗装材10の幅方向における間隔を確保するための突部であって、この突部15a,15bは、舗装材10を幅方向において並設した場合において隣接する舗装材10側の突部15a,15bと干渉しない位置に設けられている。すなわち、突部15aと突部15bとは、舗装材10の一方の外側面において、角部からの長さが異なる位置に突設されており、しかも他方の外側面では、これらの突部15a,15bが逆に設けられている。したがって、幅方向において並設した舗装材10では、一方の舗装材10側の突部15a,15bは、他方の舗装材10側の外側面に当接し、これとは逆に他方の突部15a,15bも、一方の舗装材10の外側面に当接することになる。
【0025】
前記舗装材10の長手方向に設けられている突部16a,16bも同様の関係で設けられており、これにより舗装材10を幅方向や長手方向に並設したときには、前記突部15a,15b;16a,16bの突出量分の間隔をおいて並設されることになる。
このような突部15a,15b;16a,16bによる間隔保持機能によって得られる隙間は、舗装材10を並設したときの水はけ用として機能するとともに、敷き並べた舗装材10の見栄えを良くするために機能する。
【0026】
ここで、上述した突部15a,15b;16a,16bは、樹脂製の表面板11には設けられておらず、しかもコンクリート製の底面板12側の突部15a,15b;16a,16bによって、敷設した各舗装材10における表面板11が互いに当接することがないため、該表面板11が保護されることになる。
【0027】
ここで、上述したような舗装材10を構成する表面板11の成形材料としては、不純物を含む木質廃材から得られた木質廃材粉砕粉、不純物を含む樹脂廃材から得られた樹脂廃材粉砕粉を含んで形成されている木質系樹脂が用いられ、これを型成形することにより、成形品の外表面全体、特に表面板11の外表面が図1、図2(a)に示すように木目模様を呈するように形成されている。
【0028】
具体的には、不純物を含む木質廃材から得られた木質廃材粉砕粉と、不純物を含む樹脂廃材から得られた樹脂廃材粉砕粉とを混錬して、型成形するようにしており、しかも前記不純物が成形品全体に対して合計で20wt%以下含まれている木質系樹脂を用いる。このようにすれば、成形性がよくなるとともに、不純物を比較的多く含んでいることから、資源の有効利用や環境保護の観点からも優れた木質様成形品を得ることができるのである。
【0029】
なお、「木質廃材」としては、たとえば住宅等の建物を解体した際に排出される木質廃材や、家具を解体した際に排出される木質廃材、建物建築中に排出される木材の端材、おが屑等が挙げられ、これら木質廃材には、木質部分のほか、石膏、断熱材、樹脂部材等の不純物が含まれている。
また、「樹脂廃材」としては、飲料物を含む食品の容器や包装等に使用される樹脂製品や、その他の樹脂製品、さらには、住宅等の建物を解体した際に排出される樹脂廃材や、家具を解体した際に排出される樹脂廃材等が挙げられ、これらの樹脂廃材には、樹脂部分のほか、樹脂の温度変化等に伴う膨張収縮を防止するための炭酸カルシウムや、補強材や充填材として用いられるタルク(たとえば含水ケイ酸マグネシウムを微粉化して焼成することで得られるもの)、顔料、ガラス繊維で補強された強化プラスチック(FRP) 等の不純物が含まれている。
【0030】
また、「樹脂部分を構成する樹脂」としては、ポリプロピレン樹脂(FP)、硬質または軟質のポリ塩化ビニル樹脂(PVC) 、発泡塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET) ポリスチレン樹脂(PC)、ポリエチレン樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、ABS樹脂などが挙げられる。
【0031】
また、上記の木質系樹脂としては、木質廃材のうちの木質部分が成形品全体に対して51〜55wt%含まれているものを用いてもよい。このようにすれば、木質廃材粉砕粉のうちの木粉が、成形品全体に対して51〜55wt%含まれているから、本物の木材により近い手触り等の風合いを出せるとともに、利用する木質部分が多いので、木質廃材の再利用率を向上させることが可能である。ここで、木質部分の濃度を上記のように設定したのは、51wt%未満では、本物の木材により近い手触り等の風合いを出すことが難しく、また55wt%を越えると、木質過多となって成形性が低下するためである。
【0032】
さらに、上記の木質系樹脂において、樹脂廃材のうちの樹脂部分が成形品全体に対して25〜30wt%含まれているようにしてもよい。このようにすれば、樹脂廃材粉砕粉のうちの樹脂粉が、成形品全体に対して25〜30wt%含まれているから、成形品の強度や高度を十分に得ることができるとともに、成形性を向上させることができる。ここで、樹脂部分の濃度を上記の範囲に設定したのは、25wt%未満では、樹脂分が少なすぎて、成形性が向上させるためである。また、30wt%を越えると、樹脂過多となって十分な強度や硬度が得られないためである。
【0033】
また、上記の木質系樹脂において、木質廃材粉砕粉のうちの木粉の粒径が1〜300μmであるように設定してもよい。このようにすれば、木粉の粒径によって成形性に優れ、木粉の粒径が上記の値に設定されているため、外表面に木粉の細かい粒子が出現し、これによって該表面がなめらかになり、成形後の表面処理を容易に行うことができる。
【0034】
さらに、上記の木質系樹脂によれば、不純物を含む木質廃材から得られた木質廃材粉砕粉のうちの、木粉の表面に、この木粉より小径でかつ硬い微粉末を担持させて固定粒とし、この固定粒を含む木質廃材粉砕粉と、不純物を含む樹脂廃材から得られた樹脂廃材粉砕粉とを混錬して、型成形するとよい。このようにすれば、通常の木質材料からも水分を吸収しにくく、木材とは異なり腐食等に強い舗装材本体13を得ることができるのである。
【0035】
すなわち、外観上は木目模様を呈することができて、木製品と同様の外観を形成することができるが、耐久性に関しては木製品とはるかに水に強い木質様成形品を提供できるのである。ここで、微粉末としては、酸化チタン、酸化フェライト、アルミニューム、ニッケル、銀、セラミック、炭酸カルシウム等の微粉末が挙げられる。また、固定粒を含む木質廃材粉砕粉と、不純物を含む樹脂廃材から得られた樹脂廃材粉砕粉とを混錬する際において、顔料を添加してこの顔料とともに混錬してもよい。この場合、顔料によって成形品の表面に色彩や模様を呈することもできる。さらに、顔料は、有色顔料であり、たとえば酸化鉄、カドミウムイエロー、カーボンブラック等の無機顔料である。
【0036】
そして、このように木質系樹脂で表面板11を成形すれば、舗装材10を外観上から木目模様を呈するように形成できるから、舗装材10の外観を本物の木材に近いようにすることができる。
したがって、このような舗装材10を、図3に示すように、敷き詰めることにより形成した歩道をみると、あたかも木材が並べられているように見え、自然の景観を損なうことはない。また、このような木質系樹脂として木質廃材や樹脂廃材等の再生材料を含んだ木質系樹脂を利用することにより、資源の有効活用を図れるばかりでなく、製品のコストダウンも可能である。
【0037】
また、上述した成形材料を用いて表面板11を形成すると、該表面板11の成形が簡単に行えるばかりでなく、規格化された表面板11によって舗装材10全体の組立て作業がより一層簡単になり、コスト低減も図れる。
【0038】
以上のような構成による舗装材10によれば、表面板11を、合成樹脂、特に木質系樹脂により形成するとともに、該表面板11の底面側に、コンクリート製の底面板12を積層して形成して一体化することにより、舗装材10をきわめて簡単に得ることができ、耐久性の面でも優れ、また重量の面からも充分であり施工性も損なわれることはない。さらに、外表面に適宜の模様、たとえば木目模様を形成することが簡単で装飾性の面でも優れている。
【0039】
なお、図3中、符号17はクッション砂、18は粒度調整砕石で、これらが地盤19上に積層して敷き固められた後に、前記舗装材10が順次隣接して並べられることにより、歩道などが形成されることになる。
【0040】
また、上述した舗装材10では、表面板11を、木質系樹脂により形成するとともに、この表面板11の底面側にコンクリート製の底面板12を積層して一体化し、さらにあり溝形状の係合凹部13を利用した係合構造により確実な接合強度を得ているから、舗装材10をきわめて簡単に得ることが可能で、しかも加工性、コスト等の面で優れ、さらに製造時や設置時の作業性にも優れ、重量の面からも充分であり、耐久性にも優れている。そして、このような舗装材10(表面板11)の表面にたとえば木目模様等の適宜の模様を形成することが簡単で、装飾性の面でも優れている。
【0041】
さらに、上述した舗装材10によれば、敷設時において隣接して配置される舗装材10との間の間隔を、底面板12の外側面に設けた突部15a,15b;16a,16bにより所要の状態に維持することが簡単に行え、敷設時の作業が簡単に行えるとともに、舗装材10の敷設を所要の状態で行える。しかも、上記の突部15a,15b;16a,16bが干渉しないように位置づけられているから、間隔は必要最小限でよく、また舗装材10の敷設の向きを一様にすることができ、また舗装材10を多数個並べた場合の水はけも充分である。
【0042】
図4(a),(b),(c)は本発明の別の実施の形態を示し、この実施の形態では、舗装材10として正方形状を呈するものとした場合である。勿論、それ以外の構成は前述した実施の形態と同様であり、ここでの具体的な説明は省略する。
【0043】
図5は本発明のさらに別の実施の形態を示し、この実施の形態では、表面板11の表面での木目模様を、年輪形状とした場合を示す。この実施の形態でも、それ以外の構成は同じであり、具体的な説明は省略する。
【0044】
図6(a),(b),(c)は本発明の他の実施の形態を示す。この実施の形態では、表面板11の表面が木レンガ模様を呈するように、該表面の中央にV溝20を形成するとともに、その両側に細かいピッチで多数のノッチ21を凹凸状に形成した場合である。このようにすれば、該表面をすべり難い形状とすることができるという利点もある。それ以外の構成は前述した実施の形態と同様であり、ここでの説明も省略する。
いずれにしても、本発明によれば、表面板11を合成樹脂で成形しているものであって、所要の模様や色彩等をもって表面模様を形成することが可能であり、その利点は大きい。
【0045】
なお、本発明は上述した実施の形態で説明した構造には限定されず、各部の形状、構造等を適宜変形、変更し得ることはいうまでもない。
たとえば上述した実施の形態では、平板状の舗装材10として、表面が長方形状、正方形状を呈するように形成した場合を説明したが、これに限らず、適宜の矩形形状を呈する平面形状が得られるようなものであれば、形状や大きさは限定されない。さらに、上述した舗装材10を構成する表面材11としては、成形用型枠を用いた一体成形を行う場合を説明したが、これに限らず、押出し成形等で形成するようにしてもよい。
【0046】
また、上述した実施の形態では、係合部として、あり溝形状の係合凹部13を例示したが、これには限定されず、樹脂製の表面板11とコンクリート製の底面板12との間の接合強度を確保し、両部材を一体化できるような形状であれば、どのような形状の係合部でもよい。
【0047】
また、前述した実施の形態では、表面板11を形成するための材料として、不純物を含む木質廃材から得られた木質廃材粉砕粉、不純物を含む樹脂廃材から得られた樹脂廃材粉砕粉を含んで形成されている木質系樹脂を用いているが、本発明はこれに限定されない。たとえば表面板11の成形材料として、天然木材による木粉、おがくず等のようなセルロース系材料の微粉末の表面にこの微粉末よりも小径で、かつ硬い無機材料(チタン、ニッケル等のような金属材料またはセラミック等の非金属材料)の微粉末を担持させて作成した粉体を混合した、木質系樹脂を着色し、型成形することによって木目模様を呈するように形成してもよい。
【0048】
このように表面板11を木質系樹脂で成形することによって、該表面板11を外観上から木目模様を呈するように形成できるから、舗装材10を全体から見ての体裁や見栄えをよくし、自然の景観を即した歩道を形成することが可能となり、舗装材10としての効果を発揮させることができる。
【0049】
しかし、このような表面板11を得るための材料としては上記の例に限られるものではなく、木材を材料に加工しても形成できるし、また木質様製品を得るための木質系樹脂として、廃プラスチック材、廃木再生材等の再生材料を含んだものを用いて形成してもよい。このような木質系樹脂で形成すると、資源の有効活用を図れ、製品のコストダウンも可能である。勿論、一般的な合成樹脂で形成したものでも、自然の景観を損なうことがないような配慮を施せば、使用可能である。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る舗装材によれば、表面板を、合成樹脂、たとえば木質系樹脂により形成するとともに、この表面板の底面側にこれよりも厚く形成されたコンクリート製の底面板を積層して一体化しているので、舗装材をきわめて簡単に得ることができ、耐久性の面でも優れ、また重量の面からも充分であり、施工性が損なわれることもない舗装材を得ることができる。さらに、本発明によれば、舗装材の外表面に適宜の模様、たとえば木目模様を形成することが簡単で、装飾性の面でも優れている舗装材を得ることができる。
【0051】
また、本発明によれば、上記表面板の底面側に、あり溝形状の係合部を形成し、該係合部内にコンクリート製底面板の表面側を充填して係合させることにより、その接合強度を確保し両者が分離したりするおそれがない状態で、両板材を一体的に結合することができる。
【0052】
さらに、本発明によれば、舗装材を構成する表面板を、たとえば木質系樹脂で成形し、外観上から木目模様を呈するように形成しているため、舗装材としての外観上での見栄えを向上させることができる。しかも、このような表面板を木質様製品として得るための樹脂として、廃プラスチック等の再生材料を利用すると、資源の有効活用を図れ、また製品のコストダウンも可能である等の利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る舗装材の一実施の形態を示す全体の概略斜視図である。
【図2】図1の舗装材を示し、(a),(b),(c)はその平面図、正面図および側面図である。
【図3】図1の舗装材を地盤上に並設したときの状態を説明する概略図である。
【図4】本発明に係る舗装材の別の実施の形態を示し、(a),(b),(c)は舗装材の平面図、正面図および側面図である。
【図5】本発明に係る舗装材のさらに別の実施の形態を示す平面図である。
【図6】本発明に係る舗装材の他の実施の形態を示し、(a),(b),(c)は舗装材の平面図、正面図および側面図である。
【符号の説明】
10…舗装材、11…樹脂製の表面板、12…コンクリート製の底面板、13…あり溝形状の係合凹部(係合部)、14…係合凸部(被係合部)、15a,15b;16a,16b…突部、20…V溝、21…ノッチ。
Claims (7)
- 平板状を呈する舗装材であって、
合成樹脂材により平板状に形成されている表面板と、
この表面板よりも厚く形成され該表面板の底面側に積層して設けられるコンクリート製の底面板とを備え、
前記表面板の底面側に、前記コンクリート製底面板と係合する係合部が形成されることにより、これらの表面板と底面板とが一体的に結合されていることを特徴とする舗装材。 - 請求項1記載の舗装材において、
前記係合部は、あり溝形状で形成され、該係合部内にコンクリート製底面板の表面側が充填されることにより、表面板と底面板とが一体的に結合されていることを特徴とする舗装材。 - 請求項1または請求項2記載の舗装材において、
前記コンクリート製底面板の外側面には、隣接して配置される舗装材との間を所定間隔をおいて配設するための突部が設けられていることを特徴とする舗装材。 - 請求項3記載の舗装材において、
前記突部は、コンクリート製底面板の外側面において、舗装材を隣接して配設したときに隣接する舗装材側の突部と干渉しない位置に設けられていることを特徴とする舗装材。 - 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の舗装材において、
前記コンクリート製底面板は、前記表面板の底面を型枠の一部として利用して成形されていることを特徴とする舗装材。 - 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の舗装材において、
前記表面板は、廃プラスチック材、廃木再生材等の再生材料を含んで形成されている木質系樹脂により、外表面が木目模様を呈するように形成されていることを特徴とする舗装材。 - 請求項6記載の舗装材において、
前記木質系樹脂は、不純物を含む木質廃材から得られた木質廃材粉砕粉のうちの、木粉の表面に、この木粉より小径でかつ硬い微粉末を担持させて固定粒とし、この固定粒を含む木質廃材粉砕粉と、不純物を含む樹脂廃材から得られた樹脂廃材粉砕粉とを混錬することにより得られることを特徴とする舗装材。
Priority Applications (1)
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JP2002357775A JP2004190289A (ja) | 2002-12-10 | 2002-12-10 | 舗装材 |
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JP (1) | JP2004190289A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017538882A (ja) * | 2014-12-28 | 2017-12-28 | プルス プラスチックス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 舗装用通水性地盤格子 |
CN109208421A (zh) * | 2018-09-11 | 2019-01-15 | 成都建工工业化建筑有限公司 | 便于路面铺设的预制铺装板及其制作方法 |
-
2002
- 2002-12-10 JP JP2002357775A patent/JP2004190289A/ja active Pending
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JP2017538882A (ja) * | 2014-12-28 | 2017-12-28 | プルス プラスチックス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 舗装用通水性地盤格子 |
CN109208421A (zh) * | 2018-09-11 | 2019-01-15 | 成都建工工业化建筑有限公司 | 便于路面铺设的预制铺装板及其制作方法 |
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