JP2004188935A - プリンタおよびその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】印刷済みの記録媒体を切り離すためのカッターの清掃や交換を、より適切な時期に報知することができるようにする。
【解決手段】使用する記録媒体の種別を入力し(S1)、その種別に応じて、カッタ交換時期判断用のしきい値T0とカッタ清掃時期判断用のしきい値L0を設定する(S3,S4)。そして、カッタにより切断した延べ回数をカウントし(S5,S6)、延べ回数に応じてカッタの清掃もしくは交換をユーザに促すための報知を行う(S8,S12)。
【選択図】 図7
【解決手段】使用する記録媒体の種別を入力し(S1)、その種別に応じて、カッタ交換時期判断用のしきい値T0とカッタ清掃時期判断用のしきい値L0を設定する(S3,S4)。そして、カッタにより切断した延べ回数をカウントし(S5,S6)、延べ回数に応じてカッタの清掃もしくは交換をユーザに促すための報知を行う(S8,S12)。
【選択図】 図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷済みの記録媒体を切り離すためのカッタを有するプリンタの制御技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ロール状に巻かれた記録媒体(いわゆるロールシート)を収容し、そのロールシートを引き出して搬送しつつ印刷を行うプリンタがある。このようなプリンタは一般に、印刷済みのシートを切り離すためのカッタを備えている。
【0003】
このカッタは、切断を繰り返すうち切れ味が悪くなる。従来は、ユーザは切れなくなって初めてカッタに何らかの異常があることを知るため、切れなくなったときに印刷したシートを無駄にしたり、復帰させるために多大な作業時間を要したりした。
【0004】
それを解決するための方策として、カッタの切れ味が悪くなる原因として切断を繰り返すうち刃が摩耗、変形していくことが主な原因と考え、切断回数をカウントし、そのカウント値があらかじめ定められた値に達したらユーザに報知するものが知られている(例えば特許文献1,2を参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−77503号公報
【特許文献2】
特開2001−88384号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ロールシートには粘着テープとして使用できるよう粘着剤が塗布されたタイプのものもあり、そのようなロールシートを使用した場合には粘着剤がカッタに付着することも切れ味が悪くなる大きな原因となる。
【0007】
このように各種の記録媒体がセットされうるプリンタにおいては、単に切断回数をカウントするだけでは適切な時期にカッタの清掃や交換の時期が近づいたことをユーザに報知することはできない。
【0008】
そこで、本発明は、印刷済みの記録媒体を切り離すためのカッタの清掃や交換を、より適切な時期に報知することのできるプリンタおよびその制御方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の一側面は、印刷済みの記録媒体を切り離すための切断手段を備えたプリンタに係り、使用する記録媒体の種別を入力する入力手段と、前記切断手段の交換もしくは清掃時期を判断するための計測を行う計測手段と、前記種別に応じて、前記切断手段の交換もしくは清掃時期を判断するためのしきい値を設定する設定手段と、前記計測手段による計測結果と前記しきい値との比較結果に基づき、前記切断手段の清掃もしくは交換をユーザに促すための報知を行う報知手段と、を有することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0011】
まず、実施形態におけるプリンタで使用する記録媒体について説明するとともに、実施形態におけるプリンタの機構を説明し、その上で実施形態におけるプリンタの制御処理について説明する。
【0012】
実施形態におけるプリンタは、図3または図4に示すような長尺シートがロールコアCにロール状に巻かれたロールシートMを記録媒体として使用する。図3に示すタイプのロールシートMは、剥離紙としての長尺状台紙4の長手方向に同じ向きかつ間隔αで同一形状のラベルLが複数枚貼着されたものである。このようなタイプのロールシートはダイカットラベルとよばれる。ラベルLの形状や色等は複数種類用意されており、その種類によってラベルLの台紙4の長手方向の長さと、隣り合うラベルL間の間隔とが定格値として規定されている。一方、図4に示すタイプのロールシートMは、ラベルシート51の裏面に粘着剤52が塗布され、その粘着剤52が剥離テープ53で覆われたものである。ユーザは使用目的や好みに応じてこれらのタイプを任意に選択することができる。
【0013】
図1は、実施形態におけるプリンタの正面図で、開閉自在のカバー2を開けた状態を示している。図2は、図1のプリンタの側面断面図で、カバー2を閉じた状態を示している。
【0014】
なお、図1は、このようなロールシートMがセットされていない状態を示しており、他方、図2は、ロールシートMがロールシート収容部SPにセットされた状態を示していることに留意されたい。
【0015】
このプリンタ1は、接続されたホストコンピュータ等から送信されてくるプリントデータに基づいて印字処理を行うもので、ロールシートMを搬送し、この搬送経路上に設置されたサーマルヘッド3(ロールシートMの幅方向に複数配列された発熱素子で構成される)を発熱させて、この熱でインクリボン71のインクを溶かし、それをロールシートMに転写することで印字を行う。いわゆるサーマルプリンタとよばれるものである。もっとも、本発明はサーマルプリンタに限定されるものではなく、ロール状に巻かれた記録媒体を引き出しつつその記録媒体に印刷を行うプリンタであるかぎり、いかなるタイプのプリンタでもよい。
【0016】
プリンタ1は、ロールシートMを搬送する手段として、搬送ローラ61および62と、プラテンローラ63を有する。この搬送ローラ61、62は、カバー2を閉じた状態で、搬送経路におけるサーマルヘッド3より上流側でロールシートMを挟むように互いに対向した位置に設けられる。また、プラテンローラ63は、カバー2を閉じた状態で、サーマルヘッド3に対向する位置に設けられる。搬送ローラ62およびプラテンローラ63は図示しないステッピングモータの駆動により回転し、ロールシートMを正搬送または逆搬送する。ここで、正搬送とは、搬送経路下流側に向かう搬送のことであり、逆搬送とは、搬送経路上流側に向かう搬送のことである。また、ロールシート収容部SPの前側にはシート巻き取りローラ64が設けられ、搬送ローラ62およびプラテンローラ63に同期して回転することでロールシート収容部SPに収容されたロールシートMの巻き取りおよび送り出しを行う。
【0017】
サーマルヘッド3はカバー2に取り付けられており、カバー2が閉じられることによってロールシートMの搬送経路上に設置されるようになっている。また、カバー2にはインクリボンカセット7が着脱自在に取り付けられ、インクリボンカセット7をカバー2に装着すると、インクリボンカセット7のインクリボン71がサーマルヘッド3を覆うように構成されている。サーマルヘッド3は、印刷時にプラテンローラ63に対してインクリボン71を挟んでロールシートMに圧接される。この圧接状態でサーマルヘッド3を発熱させることにより、インクリボン71のインクを溶かしロールシートMに印刷を行う。
【0018】
プリンタ1は、搬送経路におけるサーマルヘッド3より下流側にロールシートMをその幅方向に切断することで印刷済みのシートを切り離す切断手段としてのカッタ9を備え、さらにその下流側に、ロールシートMの裏側(台紙4または剥離テープ53の側)から当接して搬送経路を下方に折り曲げる折り曲げ部材101を備える。カッタ9は円盤状であり全周に切刃が形成されている。そして、カッタ9がロールシートMの幅方向に移動してロールシートMを切断する。
【0019】
プリンタ1の前面には、フロントパネル8が取り付けられ、このフロントパネル8には上下2段に排出口81、82が設けられている。
【0020】
フロントパネル8内には、折り曲げ部材101によって搬送経路を下方に折り曲げられたロールシートMを挟んで引っ張り、下部排出口82から外部へと送り出す一対のローラ102,103が備えられている。ローラ102はプリンタ1の本体側に回転自在に取り付けられ、ローラ103はフロントパネル8に取り付けられ、図示しないステッピングモータの動力が図示しない伝達系によって伝達されて、搬送ローラ61および62とプラテンローラ63とによるロールシートMの搬送動作に同期して正逆方向に回転する。この一対のローラ102,103は、折り曲げ部材101とともに、ラベルLを台紙4から剥離する構成も備えている。
【0021】
ユーザは、印刷されたラベルLを台紙4から剥離させた上で上部排出口81から排出し、台紙4を下部排出口82から排出する「剥離発行モード」によるラベル発行を選択することができる。この場合には、台紙4はその搬送経路が上部排出口81の直前で折り曲げ部材101によって下方に折り曲げられ、ロール102,103で下方に引っ張られる。ラベルLは台紙4から正搬送方向後端の一部(例えば5mm程度)を残して剥離し、上部排出口81を経由して前方へ排出される。
【0022】
また、ユーザは、印刷されたラベルLを台紙4に貼着されたままの状態で上部排出口81から排出する「非剥離発行モード」によるラベル発行を選択することもできる。この非剥離発行モードでは更に、印刷された各ラベルL間で台紙4を切断してラベルLを1枚毎に排出する「単独ラベル形成モード」、一番最後に印刷されたラベルLの上流側の台紙4のみをカッタ9で切断し、ラベルL間の台紙4は連続した状態で排出する「連続ラベル形成モード」を選択することができる。
【0023】
カバー2にはインクリボン71の有無およびインクリボン71の色種を検知するインクリボンセンサ111が設けられている。サーマルヘッド3の下流側には、ロールシートMの先端(すなわち、ロールシートMの正搬送方向の端部)を検出する透過式の先端検知センサ112が設けられている。また、サーマルヘッド3と搬送ローラ61,62の間の搬送経路には、ロールシートMの有無を検知する反射式の媒体センサ113が設けられている。
【0024】
また、114はピールセンサであり、図3に示したタイプのロールシートMがセットされた場合に、印刷されたラベルLが台紙4から正搬送方向後端5mm程度を残して剥離し上部排出口81を経由して排出された状態のラベルを検知する。また、115は反射式の台紙センサであり、台紙4がローラ102,103に挟まれた状態にセットされ、下部排出口82を経由して前方に排出されることを検知する。
【0025】
35は、ユーザがプリンタの設定値等を入力したり、プリンタの情報を表示する操作パネルである。
【0026】
また、45aおよび45bは、ロールシート収容部SPにセットしたロールシートがその幅方向にずれるのを防止するための規制板である。この規制板45aおよび45bはロールシートの幅方向にスライド可能に設けられており、一方の規制板をスライドさせると他方の規制板も連動して同じ距離だけスライドするようになっている。
【0027】
規制板45aまたは45bのいずれかは、図5に示すように、プリンタ1内部に設けられたスライドボリュームセンサ46に接続されており、スライドボリュームセンサ46は、規制板45aおよび45bが互いに最も離れた位置からのスライド距離dに対応する検出抵抗値を出力する。したがって、スライドボリュームセンサ46から出力される検出抵抗値から規制板45aおよび45bのスライド距離dを算出し、そのスライド距離dからロールシートの幅Wを求めることができる。具体的には、規制板45a−45b間が最も離れた位置での距離をAとすると、W=A−2dで求めることができる。
【0028】
図6は、プリンタ1の制御系の構成を示す図である。
【0029】
12は装置全体の制御をつかさどるCPU、13は主記憶装置として機能するRAM、14は制御プログラム等を格納するROMである。これらのCPU12、RAM13、ROM14は実際には基板160上に実装される。この制御系にはさらに、上記した操作パネル35、規制板のスライド距離を検出するためのスライドボリュームセンサ46も接続されている。これによりCPU12は上記の方法でロールシートの幅Wを計算することができる。もっとも、上記したその他の各センサも接続されてこの制御系にセンサ出力を供給することになるが、ここではそれらの図示を省略した。
【0030】
また、19は外部装置であるホストコンピュータと接続して通信を行うためのインタフェース(I/F)である。ホストコンピュータが接続されると、ホストコンピュータからプリントデータを受信するとともにプリンタ1の印刷状況をホストコンピュータに送信することができる。
【0031】
図7は、実施形態におけるカッタ9の清掃や交換の報知制御処理を示すフローチャートである。このフローチャートに対応するプログラムは、ROM14に格納された制御プログラムに含まれ、電源投入後にCPU12によって実行されるものである。
【0032】
図4に示したような一様に粘着剤が塗布されたタイプのロールシートを使用した場合には、切断を繰り返すたびに粘着剤がカッタ9に付着し、これが切れ味を悪くする原因となることは先述したとおりである。また、ロールシートに使われている粘着剤は種別により異なり、カッタ9への粘着剤の付き具合も異なる。この制御処理は、このような点を考慮して行うものである。
【0033】
まず、接続されているホストコンピュータからの指示、もしくはユーザによる操作パネル35からの指示に基づきロールシートの種別情報を入力する(ステップS1)。あるいは、例えば、ロールシートの裏面にはあらかじめ種別コードが記録されており、それを光学的に読み取ることでロールシートの種別を入力するようにしてもよい。
【0034】
次に、カッタ9の清掃時期を判断するための第1の延べ切断回数Nおよび、カッタ9の交換時期を判断するための第2の延べ切断回数Mをそれぞれ0にセットする(ステップS2)。その後、ステップS3で、交換時期判断用のしきい値T0をステップS1で入力したロールシートの種別に応じた値に設定し(ステップS3)、清掃時期判断用のしきい値L0をステップS1で入力したロールシートの種別に応じた値に設定する(ステップS4)。具体的には、例えば図8に示すような構造の、ロールシートの種別、交換時期判断用のしきい値T0、および清掃時期判断用のしきい値L0の対応関係を記述したテーブルをROM14に記憶しておく。それぞれのしきい値は、粘着剤は使用されていないロールシートに対しては、それぞれのしきい値は比較的低い値が割り当てられ、粘着剤が塗布されたロールシートに対しては、それぞれのしきい値は比較的高い値が割り当てられることになる。また、粘着剤を使用したロールシートでも、カッタ9に付着しやすい粘着剤を使用しているものほど、それぞれのしきい値が高くなる。このようなテーブルを参照することで、ステップS3で、ロールシートの種別に対応した交換時期判断用のしきい値T0が設定され、ステップS4で、ロールシートの種別に対応した清掃時期判断用のしきい値L0が設定される。
【0035】
あるいは、あらかじめ標準的な交換時期判断用のしきい値T0および清掃時期判断用のしきい値L0が規定されていて、これらの標準しきい値それぞれに、ステップS1で入力したロールシートの種別に応じた重み付け係数を掛け合わせることで補正したしきい値T0,L0を設定するようにしてもよいであろう。この場合には、ROM14は、図8のようなテーブルのかわりに、図9に示すようなロールシートの種別と重み付け係数との対応関係を記述したテーブルを記憶しておき、これを参照することで設定が行われる。
【0036】
次のステップS5は、カッタ9によるロールシートの切断が行われたか否かを判断するステップで、ロールシートの切断が行われるとステップS6に進む。ステップS6では、カッタ9の清掃時期を判断するための第1の延べ切断回数Nに1を加えるとともに、カッタ9の交換時期を判断するための第2の延べ切断回数Mにも1を加える。シートの切断が行われるたびに、このステップS6で、第1および第2の延べ切断回数がカウントアップされていく。
【0037】
次に、第2の延べ切断回数Mがあらかじめ定められた値T0以上となったかどうかを判断する(ステップS7)。ここで、第2の延べ切断回数MがT0以上に達していたら、例えば操作パネル35に交換メッセージを表示して、ユーザにカッタ9の交換時期が来たことを報知する(ステップS8)。
【0038】
ユーザは、カッタ9の交換を完了すると、交換したことを操作パネル35より入力する。ステップS9では、この入力に基づいてカッタ9の交換が行われたか否かを判断する。カッタ9の交換が行われたら、第1および第2の延べ切断回数N,Mをそれぞれ0にクリアするとともに、操作パネル35に表示した交換メッセージを消し(ステップS10)、次のステップS11に進む。
【0039】
上記ステップS7で、第2の延べ切断回数MがまだT0に達していない場合、および、ステップS9で、カッタ9の交換がまだ行われていないと判断される場合は、そのままステップS11に進む。
【0040】
ステップS11では、第1の延べ切断回数Nがあらかじめ定められた値L0以上となったかどうかを判断する。ここで、第1の延べ切断回数NがL0以上に達していたら、例えば操作パネル35に清掃メッセージを表示して、ユーザにカッタ9の清掃を促す(ステップS12)。
【0041】
ユーザは、カッタ9の清掃を行うと、清掃を行ったことを操作パネル35より入力する。ステップS13では、この入力に基づいてカッタ9の清掃が行われたか否かを判断する。カッタ9の清掃が行われたら、第1の延べ切断回数Nを0にクリアするとともに、操作パネル35に表示した清掃メッセージを消して、本制御処理を終了する。一方、ステップS13でカッタ9の清掃がまだ行われていないと判断される場合は、そのまま本制御処理を終了する。
【0042】
なお、ユーザにカッタ9の清掃タイミングが来たことや交換タイミングが来たことを知らせる手段としては、上記のとおり操作パネル35にメッセージを表示する他、LEDを点灯あるいは点滅させたり、ビープ音を鳴らすなどにより報知することが考えられる。また、プリンタ1がホストコンピュータと接続されている場合は、そのホストコンピュータのディスプレイ上にメッセージを表示したり、ビープ音を鳴らすなどで報知してもよいであろう。
【0043】
また、ステップS1では、セットされているロールシートが図4に示したような一様に粘着剤が塗布されたロールシートであるか、図3のようなダイカットラベルであるかをも判別できることが好ましい。セットされたロールシートがダイカットラベルのときは、カット時に台紙(剥離紙)のみをカットするためカッタ9に粘着剤は付かない。要するに、カッタ9で切断する位置に粘着剤が塗布されているかいないかが判別できると好都合である。カッタ9で切断する位置に粘着剤が塗布されていなければ、カッタ9に粘着剤が付着することはないので、清掃時期を判断するための第1の延べ切断回数Nへの加算(ステップS6)を行わないようにしてもよい。
【0044】
以上説明した実施形態によれば、カッタ9による延べ切断回数をカウントし、そのカウント値に基づきカッタ9の交換もしくは清掃時期を判断する場合に、使用する記録媒体としてのロールシートの種別に応じた交換もしくは清掃時期判断用のしきい値が設定されるので、より適切な時期にカッタ9の清掃や交換時期をユーザに報知することができる。
【0045】
なお、上述の実施形態は、カッタ9による延べ切断回数をカウントし、そのカウント値に基づきカッタ9の交換もしくは清掃時期を判断するものであったが、延べ切断回数は、カッタ9の交換もしくは清掃時期を判断するための計測値の一例にすぎない。カッタ9の交換もしくは清掃時期を判断するための計測値としては、延べ切断回数のかわりに、カッタ9による延べ切断距離を用いることもできる。その場合には、上記ステップS1では、シート種別を入力するとともに、例えば上記したようにスライドボリュームセンサ46から出力に基づいて、セットされたロールシートの幅Wを検出する処理も行うことになる。もちろん、この処理は、このようにロールシートの幅Wを検出するのではなく、操作パネル35から幅の値を入力するようにしてもよいし、プリンタ1に接続されたホストコンピュータから幅の値を入力するようにしてもよい。そして、ステップS6では、カッタ9の清掃時期を判断するための第1の延べ切断距離Nにシート幅Wを加えるとともに、カッタ9の交換時期を判断するための第2の延べ切断回数Mにもシート幅Wを加えることで、それぞれの延べ切断距離を更新することになる。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、印刷済みの記録媒体を切り離すためのカッタの清掃や交換を、より適切な時期に報知することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態におけるプリンタの正面図である。
【図2】実施形態におけるプリンタの側面断面図である。
【図3】実施形態におけるプリンタで使用するロールシートの例を示す図である。
【図4】実施形態におけるプリンタで使用するロールシートの別の例を示す図である。
【図5】実施形態におけるロールシートの幅を求める方法を説明するための図である。
【図6】実施形態におけるプリンタの制御系の構成を示す図である。
【図7】実施形態におけるカッタの清掃や交換の報知制御処理を示すフローチャートである。
【図8】実施形態におけるロールシートの種別、交換時期判断用のしきい値T0、および清掃時期判断用のしきい値L0の対応関係を記述したテーブルの構造例を示す図である。
【図9】実施形態におけるロールシートの種別と重み付け係数との対応関係を記述したテーブルの構造例を示す図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷済みの記録媒体を切り離すためのカッタを有するプリンタの制御技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ロール状に巻かれた記録媒体(いわゆるロールシート)を収容し、そのロールシートを引き出して搬送しつつ印刷を行うプリンタがある。このようなプリンタは一般に、印刷済みのシートを切り離すためのカッタを備えている。
【0003】
このカッタは、切断を繰り返すうち切れ味が悪くなる。従来は、ユーザは切れなくなって初めてカッタに何らかの異常があることを知るため、切れなくなったときに印刷したシートを無駄にしたり、復帰させるために多大な作業時間を要したりした。
【0004】
それを解決するための方策として、カッタの切れ味が悪くなる原因として切断を繰り返すうち刃が摩耗、変形していくことが主な原因と考え、切断回数をカウントし、そのカウント値があらかじめ定められた値に達したらユーザに報知するものが知られている(例えば特許文献1,2を参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−77503号公報
【特許文献2】
特開2001−88384号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ロールシートには粘着テープとして使用できるよう粘着剤が塗布されたタイプのものもあり、そのようなロールシートを使用した場合には粘着剤がカッタに付着することも切れ味が悪くなる大きな原因となる。
【0007】
このように各種の記録媒体がセットされうるプリンタにおいては、単に切断回数をカウントするだけでは適切な時期にカッタの清掃や交換の時期が近づいたことをユーザに報知することはできない。
【0008】
そこで、本発明は、印刷済みの記録媒体を切り離すためのカッタの清掃や交換を、より適切な時期に報知することのできるプリンタおよびその制御方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の一側面は、印刷済みの記録媒体を切り離すための切断手段を備えたプリンタに係り、使用する記録媒体の種別を入力する入力手段と、前記切断手段の交換もしくは清掃時期を判断するための計測を行う計測手段と、前記種別に応じて、前記切断手段の交換もしくは清掃時期を判断するためのしきい値を設定する設定手段と、前記計測手段による計測結果と前記しきい値との比較結果に基づき、前記切断手段の清掃もしくは交換をユーザに促すための報知を行う報知手段と、を有することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0011】
まず、実施形態におけるプリンタで使用する記録媒体について説明するとともに、実施形態におけるプリンタの機構を説明し、その上で実施形態におけるプリンタの制御処理について説明する。
【0012】
実施形態におけるプリンタは、図3または図4に示すような長尺シートがロールコアCにロール状に巻かれたロールシートMを記録媒体として使用する。図3に示すタイプのロールシートMは、剥離紙としての長尺状台紙4の長手方向に同じ向きかつ間隔αで同一形状のラベルLが複数枚貼着されたものである。このようなタイプのロールシートはダイカットラベルとよばれる。ラベルLの形状や色等は複数種類用意されており、その種類によってラベルLの台紙4の長手方向の長さと、隣り合うラベルL間の間隔とが定格値として規定されている。一方、図4に示すタイプのロールシートMは、ラベルシート51の裏面に粘着剤52が塗布され、その粘着剤52が剥離テープ53で覆われたものである。ユーザは使用目的や好みに応じてこれらのタイプを任意に選択することができる。
【0013】
図1は、実施形態におけるプリンタの正面図で、開閉自在のカバー2を開けた状態を示している。図2は、図1のプリンタの側面断面図で、カバー2を閉じた状態を示している。
【0014】
なお、図1は、このようなロールシートMがセットされていない状態を示しており、他方、図2は、ロールシートMがロールシート収容部SPにセットされた状態を示していることに留意されたい。
【0015】
このプリンタ1は、接続されたホストコンピュータ等から送信されてくるプリントデータに基づいて印字処理を行うもので、ロールシートMを搬送し、この搬送経路上に設置されたサーマルヘッド3(ロールシートMの幅方向に複数配列された発熱素子で構成される)を発熱させて、この熱でインクリボン71のインクを溶かし、それをロールシートMに転写することで印字を行う。いわゆるサーマルプリンタとよばれるものである。もっとも、本発明はサーマルプリンタに限定されるものではなく、ロール状に巻かれた記録媒体を引き出しつつその記録媒体に印刷を行うプリンタであるかぎり、いかなるタイプのプリンタでもよい。
【0016】
プリンタ1は、ロールシートMを搬送する手段として、搬送ローラ61および62と、プラテンローラ63を有する。この搬送ローラ61、62は、カバー2を閉じた状態で、搬送経路におけるサーマルヘッド3より上流側でロールシートMを挟むように互いに対向した位置に設けられる。また、プラテンローラ63は、カバー2を閉じた状態で、サーマルヘッド3に対向する位置に設けられる。搬送ローラ62およびプラテンローラ63は図示しないステッピングモータの駆動により回転し、ロールシートMを正搬送または逆搬送する。ここで、正搬送とは、搬送経路下流側に向かう搬送のことであり、逆搬送とは、搬送経路上流側に向かう搬送のことである。また、ロールシート収容部SPの前側にはシート巻き取りローラ64が設けられ、搬送ローラ62およびプラテンローラ63に同期して回転することでロールシート収容部SPに収容されたロールシートMの巻き取りおよび送り出しを行う。
【0017】
サーマルヘッド3はカバー2に取り付けられており、カバー2が閉じられることによってロールシートMの搬送経路上に設置されるようになっている。また、カバー2にはインクリボンカセット7が着脱自在に取り付けられ、インクリボンカセット7をカバー2に装着すると、インクリボンカセット7のインクリボン71がサーマルヘッド3を覆うように構成されている。サーマルヘッド3は、印刷時にプラテンローラ63に対してインクリボン71を挟んでロールシートMに圧接される。この圧接状態でサーマルヘッド3を発熱させることにより、インクリボン71のインクを溶かしロールシートMに印刷を行う。
【0018】
プリンタ1は、搬送経路におけるサーマルヘッド3より下流側にロールシートMをその幅方向に切断することで印刷済みのシートを切り離す切断手段としてのカッタ9を備え、さらにその下流側に、ロールシートMの裏側(台紙4または剥離テープ53の側)から当接して搬送経路を下方に折り曲げる折り曲げ部材101を備える。カッタ9は円盤状であり全周に切刃が形成されている。そして、カッタ9がロールシートMの幅方向に移動してロールシートMを切断する。
【0019】
プリンタ1の前面には、フロントパネル8が取り付けられ、このフロントパネル8には上下2段に排出口81、82が設けられている。
【0020】
フロントパネル8内には、折り曲げ部材101によって搬送経路を下方に折り曲げられたロールシートMを挟んで引っ張り、下部排出口82から外部へと送り出す一対のローラ102,103が備えられている。ローラ102はプリンタ1の本体側に回転自在に取り付けられ、ローラ103はフロントパネル8に取り付けられ、図示しないステッピングモータの動力が図示しない伝達系によって伝達されて、搬送ローラ61および62とプラテンローラ63とによるロールシートMの搬送動作に同期して正逆方向に回転する。この一対のローラ102,103は、折り曲げ部材101とともに、ラベルLを台紙4から剥離する構成も備えている。
【0021】
ユーザは、印刷されたラベルLを台紙4から剥離させた上で上部排出口81から排出し、台紙4を下部排出口82から排出する「剥離発行モード」によるラベル発行を選択することができる。この場合には、台紙4はその搬送経路が上部排出口81の直前で折り曲げ部材101によって下方に折り曲げられ、ロール102,103で下方に引っ張られる。ラベルLは台紙4から正搬送方向後端の一部(例えば5mm程度)を残して剥離し、上部排出口81を経由して前方へ排出される。
【0022】
また、ユーザは、印刷されたラベルLを台紙4に貼着されたままの状態で上部排出口81から排出する「非剥離発行モード」によるラベル発行を選択することもできる。この非剥離発行モードでは更に、印刷された各ラベルL間で台紙4を切断してラベルLを1枚毎に排出する「単独ラベル形成モード」、一番最後に印刷されたラベルLの上流側の台紙4のみをカッタ9で切断し、ラベルL間の台紙4は連続した状態で排出する「連続ラベル形成モード」を選択することができる。
【0023】
カバー2にはインクリボン71の有無およびインクリボン71の色種を検知するインクリボンセンサ111が設けられている。サーマルヘッド3の下流側には、ロールシートMの先端(すなわち、ロールシートMの正搬送方向の端部)を検出する透過式の先端検知センサ112が設けられている。また、サーマルヘッド3と搬送ローラ61,62の間の搬送経路には、ロールシートMの有無を検知する反射式の媒体センサ113が設けられている。
【0024】
また、114はピールセンサであり、図3に示したタイプのロールシートMがセットされた場合に、印刷されたラベルLが台紙4から正搬送方向後端5mm程度を残して剥離し上部排出口81を経由して排出された状態のラベルを検知する。また、115は反射式の台紙センサであり、台紙4がローラ102,103に挟まれた状態にセットされ、下部排出口82を経由して前方に排出されることを検知する。
【0025】
35は、ユーザがプリンタの設定値等を入力したり、プリンタの情報を表示する操作パネルである。
【0026】
また、45aおよび45bは、ロールシート収容部SPにセットしたロールシートがその幅方向にずれるのを防止するための規制板である。この規制板45aおよび45bはロールシートの幅方向にスライド可能に設けられており、一方の規制板をスライドさせると他方の規制板も連動して同じ距離だけスライドするようになっている。
【0027】
規制板45aまたは45bのいずれかは、図5に示すように、プリンタ1内部に設けられたスライドボリュームセンサ46に接続されており、スライドボリュームセンサ46は、規制板45aおよび45bが互いに最も離れた位置からのスライド距離dに対応する検出抵抗値を出力する。したがって、スライドボリュームセンサ46から出力される検出抵抗値から規制板45aおよび45bのスライド距離dを算出し、そのスライド距離dからロールシートの幅Wを求めることができる。具体的には、規制板45a−45b間が最も離れた位置での距離をAとすると、W=A−2dで求めることができる。
【0028】
図6は、プリンタ1の制御系の構成を示す図である。
【0029】
12は装置全体の制御をつかさどるCPU、13は主記憶装置として機能するRAM、14は制御プログラム等を格納するROMである。これらのCPU12、RAM13、ROM14は実際には基板160上に実装される。この制御系にはさらに、上記した操作パネル35、規制板のスライド距離を検出するためのスライドボリュームセンサ46も接続されている。これによりCPU12は上記の方法でロールシートの幅Wを計算することができる。もっとも、上記したその他の各センサも接続されてこの制御系にセンサ出力を供給することになるが、ここではそれらの図示を省略した。
【0030】
また、19は外部装置であるホストコンピュータと接続して通信を行うためのインタフェース(I/F)である。ホストコンピュータが接続されると、ホストコンピュータからプリントデータを受信するとともにプリンタ1の印刷状況をホストコンピュータに送信することができる。
【0031】
図7は、実施形態におけるカッタ9の清掃や交換の報知制御処理を示すフローチャートである。このフローチャートに対応するプログラムは、ROM14に格納された制御プログラムに含まれ、電源投入後にCPU12によって実行されるものである。
【0032】
図4に示したような一様に粘着剤が塗布されたタイプのロールシートを使用した場合には、切断を繰り返すたびに粘着剤がカッタ9に付着し、これが切れ味を悪くする原因となることは先述したとおりである。また、ロールシートに使われている粘着剤は種別により異なり、カッタ9への粘着剤の付き具合も異なる。この制御処理は、このような点を考慮して行うものである。
【0033】
まず、接続されているホストコンピュータからの指示、もしくはユーザによる操作パネル35からの指示に基づきロールシートの種別情報を入力する(ステップS1)。あるいは、例えば、ロールシートの裏面にはあらかじめ種別コードが記録されており、それを光学的に読み取ることでロールシートの種別を入力するようにしてもよい。
【0034】
次に、カッタ9の清掃時期を判断するための第1の延べ切断回数Nおよび、カッタ9の交換時期を判断するための第2の延べ切断回数Mをそれぞれ0にセットする(ステップS2)。その後、ステップS3で、交換時期判断用のしきい値T0をステップS1で入力したロールシートの種別に応じた値に設定し(ステップS3)、清掃時期判断用のしきい値L0をステップS1で入力したロールシートの種別に応じた値に設定する(ステップS4)。具体的には、例えば図8に示すような構造の、ロールシートの種別、交換時期判断用のしきい値T0、および清掃時期判断用のしきい値L0の対応関係を記述したテーブルをROM14に記憶しておく。それぞれのしきい値は、粘着剤は使用されていないロールシートに対しては、それぞれのしきい値は比較的低い値が割り当てられ、粘着剤が塗布されたロールシートに対しては、それぞれのしきい値は比較的高い値が割り当てられることになる。また、粘着剤を使用したロールシートでも、カッタ9に付着しやすい粘着剤を使用しているものほど、それぞれのしきい値が高くなる。このようなテーブルを参照することで、ステップS3で、ロールシートの種別に対応した交換時期判断用のしきい値T0が設定され、ステップS4で、ロールシートの種別に対応した清掃時期判断用のしきい値L0が設定される。
【0035】
あるいは、あらかじめ標準的な交換時期判断用のしきい値T0および清掃時期判断用のしきい値L0が規定されていて、これらの標準しきい値それぞれに、ステップS1で入力したロールシートの種別に応じた重み付け係数を掛け合わせることで補正したしきい値T0,L0を設定するようにしてもよいであろう。この場合には、ROM14は、図8のようなテーブルのかわりに、図9に示すようなロールシートの種別と重み付け係数との対応関係を記述したテーブルを記憶しておき、これを参照することで設定が行われる。
【0036】
次のステップS5は、カッタ9によるロールシートの切断が行われたか否かを判断するステップで、ロールシートの切断が行われるとステップS6に進む。ステップS6では、カッタ9の清掃時期を判断するための第1の延べ切断回数Nに1を加えるとともに、カッタ9の交換時期を判断するための第2の延べ切断回数Mにも1を加える。シートの切断が行われるたびに、このステップS6で、第1および第2の延べ切断回数がカウントアップされていく。
【0037】
次に、第2の延べ切断回数Mがあらかじめ定められた値T0以上となったかどうかを判断する(ステップS7)。ここで、第2の延べ切断回数MがT0以上に達していたら、例えば操作パネル35に交換メッセージを表示して、ユーザにカッタ9の交換時期が来たことを報知する(ステップS8)。
【0038】
ユーザは、カッタ9の交換を完了すると、交換したことを操作パネル35より入力する。ステップS9では、この入力に基づいてカッタ9の交換が行われたか否かを判断する。カッタ9の交換が行われたら、第1および第2の延べ切断回数N,Mをそれぞれ0にクリアするとともに、操作パネル35に表示した交換メッセージを消し(ステップS10)、次のステップS11に進む。
【0039】
上記ステップS7で、第2の延べ切断回数MがまだT0に達していない場合、および、ステップS9で、カッタ9の交換がまだ行われていないと判断される場合は、そのままステップS11に進む。
【0040】
ステップS11では、第1の延べ切断回数Nがあらかじめ定められた値L0以上となったかどうかを判断する。ここで、第1の延べ切断回数NがL0以上に達していたら、例えば操作パネル35に清掃メッセージを表示して、ユーザにカッタ9の清掃を促す(ステップS12)。
【0041】
ユーザは、カッタ9の清掃を行うと、清掃を行ったことを操作パネル35より入力する。ステップS13では、この入力に基づいてカッタ9の清掃が行われたか否かを判断する。カッタ9の清掃が行われたら、第1の延べ切断回数Nを0にクリアするとともに、操作パネル35に表示した清掃メッセージを消して、本制御処理を終了する。一方、ステップS13でカッタ9の清掃がまだ行われていないと判断される場合は、そのまま本制御処理を終了する。
【0042】
なお、ユーザにカッタ9の清掃タイミングが来たことや交換タイミングが来たことを知らせる手段としては、上記のとおり操作パネル35にメッセージを表示する他、LEDを点灯あるいは点滅させたり、ビープ音を鳴らすなどにより報知することが考えられる。また、プリンタ1がホストコンピュータと接続されている場合は、そのホストコンピュータのディスプレイ上にメッセージを表示したり、ビープ音を鳴らすなどで報知してもよいであろう。
【0043】
また、ステップS1では、セットされているロールシートが図4に示したような一様に粘着剤が塗布されたロールシートであるか、図3のようなダイカットラベルであるかをも判別できることが好ましい。セットされたロールシートがダイカットラベルのときは、カット時に台紙(剥離紙)のみをカットするためカッタ9に粘着剤は付かない。要するに、カッタ9で切断する位置に粘着剤が塗布されているかいないかが判別できると好都合である。カッタ9で切断する位置に粘着剤が塗布されていなければ、カッタ9に粘着剤が付着することはないので、清掃時期を判断するための第1の延べ切断回数Nへの加算(ステップS6)を行わないようにしてもよい。
【0044】
以上説明した実施形態によれば、カッタ9による延べ切断回数をカウントし、そのカウント値に基づきカッタ9の交換もしくは清掃時期を判断する場合に、使用する記録媒体としてのロールシートの種別に応じた交換もしくは清掃時期判断用のしきい値が設定されるので、より適切な時期にカッタ9の清掃や交換時期をユーザに報知することができる。
【0045】
なお、上述の実施形態は、カッタ9による延べ切断回数をカウントし、そのカウント値に基づきカッタ9の交換もしくは清掃時期を判断するものであったが、延べ切断回数は、カッタ9の交換もしくは清掃時期を判断するための計測値の一例にすぎない。カッタ9の交換もしくは清掃時期を判断するための計測値としては、延べ切断回数のかわりに、カッタ9による延べ切断距離を用いることもできる。その場合には、上記ステップS1では、シート種別を入力するとともに、例えば上記したようにスライドボリュームセンサ46から出力に基づいて、セットされたロールシートの幅Wを検出する処理も行うことになる。もちろん、この処理は、このようにロールシートの幅Wを検出するのではなく、操作パネル35から幅の値を入力するようにしてもよいし、プリンタ1に接続されたホストコンピュータから幅の値を入力するようにしてもよい。そして、ステップS6では、カッタ9の清掃時期を判断するための第1の延べ切断距離Nにシート幅Wを加えるとともに、カッタ9の交換時期を判断するための第2の延べ切断回数Mにもシート幅Wを加えることで、それぞれの延べ切断距離を更新することになる。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、印刷済みの記録媒体を切り離すためのカッタの清掃や交換を、より適切な時期に報知することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態におけるプリンタの正面図である。
【図2】実施形態におけるプリンタの側面断面図である。
【図3】実施形態におけるプリンタで使用するロールシートの例を示す図である。
【図4】実施形態におけるプリンタで使用するロールシートの別の例を示す図である。
【図5】実施形態におけるロールシートの幅を求める方法を説明するための図である。
【図6】実施形態におけるプリンタの制御系の構成を示す図である。
【図7】実施形態におけるカッタの清掃や交換の報知制御処理を示すフローチャートである。
【図8】実施形態におけるロールシートの種別、交換時期判断用のしきい値T0、および清掃時期判断用のしきい値L0の対応関係を記述したテーブルの構造例を示す図である。
【図9】実施形態におけるロールシートの種別と重み付け係数との対応関係を記述したテーブルの構造例を示す図である。
Claims (8)
- 印刷済みの記録媒体を切り離すための切断手段を備えたプリンタであって、
使用する記録媒体の種別を入力する入力手段と、
前記切断手段の交換もしくは清掃時期を判断するための計測を行う計測手段と、
前記種別に応じて、前記切断手段の交換もしくは清掃時期を判断するためのしきい値を設定する設定手段と、
前記計測手段による計測結果と前記しきい値との比較結果に基づき、前記切断手段の清掃もしくは交換をユーザに促すための報知を行う報知手段と、
を有することを特徴とするプリンタ。 - 前記計測手段は、前記切断手段による延べ切断回数をカウントすることを特徴とする請求項1に記載のプリンタ。
- 前記計測手段は、前記切断手段による延べ切断距離をカウントすることを特徴とする請求項1に記載のプリンタ。
- 前記計測手段は、
前記切断手段の清掃時期を判断するための第1の延べ切断回数をカウントする第1のカウント手段と、
前記切断手段の交換時期を判断するための第2の延べ切断回数をカウントする第2のカウント手段と、
を含み、
前記報知手段は、
前記第1の延べ切断回数に応じて前記切断手段の清掃をユーザに促すための第1の報知手段と、
前記第2の延べ切断回数に応じて前記切断手段の交換をユーザに促すための第2の報知手段と、
を含むことを特徴とする請求項2に記載のプリンタ。 - 前記計測手段は、
前記切断手段の清掃時期を判断するための第1の延べ切断距離をカウントする第1のカウント手段と、
前記切断手段の交換時期を判断するための第2の延べ切断距離をカウントする第2のカウント手段と、
を含み、
前記報知手段は、
前記第1の延べ切断距離に応じて前記切断手段の清掃をユーザに促すための第1の報知手段と、
前記第2の延べ切断距離に応じて前記切断手段の交換をユーザに促すための第2の報知手段と、
を含むことを特徴とする請求項3に記載のプリンタ。 - 前記設定手段は、粘着剤が塗布された記録媒体に対する前記しきい値を、粘着剤が塗布されていない記録媒体に対するしきい値に比べて大きな値に設定することを特徴とする請求項1に記載のプリンタ。
- 前記種別が、前記切断手段が切断する位置に粘着剤が塗布されていないものであるときは、前記第1のカウント手段によるカウントを行わないことを特徴とする請求項4または5に記載のプリンタ。
- 印刷済みの記録媒体を切り離すための切断手段を備えたプリンタの制御方法であって、
使用する記録媒体の種別を入力する入力ステップと、
前記切断手段の交換もしくは清掃時期を判断するための計測を行う計測ステップと、
前記種別に応じて、前記切断手段の交換もしくは清掃時期を判断するためのしきい値を設定する設定ステップと、
前記計測ステップによる計測結果と前記しきい値との比較結果に基づき、前記切断手段の清掃もしくは交換をユーザに促すための報知を行う報知ステップと、
を有することを特徴とするプリンタの制御方法。
Priority Applications (1)
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010264626A (ja) * | 2009-05-13 | 2010-11-25 | Nec Infrontia Corp | 印刷装置、通知方法およびプログラム |
JP2012143987A (ja) * | 2011-01-13 | 2012-08-02 | Sato Knowledge & Intellectual Property Institute | プリンタ |
JP2015009514A (ja) * | 2013-06-28 | 2015-01-19 | 株式会社寺岡精工 | 台紙レスラベル発行装置 |
JP2015150778A (ja) * | 2014-02-14 | 2015-08-24 | 東芝テック株式会社 | プリンタおよびプログラム |
WO2016006291A1 (ja) * | 2014-07-10 | 2016-01-14 | サトーホールディングス株式会社 | プリンタ |
-
2002
- 2002-12-13 JP JP2002362955A patent/JP2004188935A/ja not_active Withdrawn
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