JP2004188834A - ノズルプレートの製造方法、ノズルプレート及びインクジェット記録ヘッド - Google Patents
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Abstract
【課題】ノズル出口側の加工精度が高く、安定した形状のノズル孔を形成することができるノズルプレートの製造方法を提供すること。
【解決手段】被加工部が75μm以上150μm以下の厚みを有するノズルプレート材料10に対してエキシマレーザーから発振されるレーザー光Lを照射することにより貫通孔を形成する工程を含むことを特徴とするノズルプレートの製造方法であり、これにより、ノズル出口側の加工精度が高く、安定した形状のノズル孔を形成することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】被加工部が75μm以上150μm以下の厚みを有するノズルプレート材料10に対してエキシマレーザーから発振されるレーザー光Lを照射することにより貫通孔を形成する工程を含むことを特徴とするノズルプレートの製造方法であり、これにより、ノズル出口側の加工精度が高く、安定した形状のノズル孔を形成することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はノズルプレートの製造方法、ノズルプレート及びインクジェット記録ヘッドに関し、詳しくは、ノズルとなる貫通孔をレーザーアブレーションにより形成するインクジェット記録ヘッドに用いられるノズルプレートの製造方法、ノズルプレート及びそれを有するインクジェット記録ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、インクジェット記録ヘッドのノズルプレートに高分子材料が使用されるようになってきた。このノズルプレートにノズルを形成する方法として、高分子材料の穿孔に適するエキシマレーザーによるアブレーション加工の検討が多くなされている。
【0003】
エキシマレーザーによるアブレーション加工は、常温、常圧、短時間で、サブミクロン〜ミクロンオーダーの精度で、熱歪みやバリのない孔や溝を形成でき、また、マスクを透過したエキシマレーザー光を、レンズで被加工物に結像させれば、マスクパターンを数分の1に縮小、転写して、任意の形状の孔や溝を一括して形成できる。即ち、焦点加工でなく、マスク加工ができる特徴がある。エキシマレーザーは短パルス(〜20ns)、高輝度(〜数十MW)の紫外光を出力できる。発振波長は、レーザーガスの種類により異なるが、アブレーションに良く使用されるのは、XeCl(波長308nm)、KrF(波長248nm)である。
【0004】
しかし、エキシマレーザーは、レーザー光が必ずしも一定の方向に出ず、パルス毎に方向が微妙に揺らいでいる。また、発光強度分布もパルス毎に揺らいでいる。本発明者らは、このエキシマレーザーの揺らぎについて更に検討したところ、この揺らぎがノズルプレート製造の際のノズル出口側の加工精度に影響を与えていることを突き止めた。
【0005】
すなわち、ノズルプレートの製造に際して、ノズルプレート材料に対して一度にn個のノズル孔をm回に分けて加工する場合、n個毎にノズル孔の軸が少しばらついた加工となることかわかった。厳密にいえば、n個の中でも精度は一定ではなく、このようなノズルプレートを有するインクジェット記録ヘッドにより画像記録を行うと、画像品質が悪くなる。
【0006】
これは以下の理由によるものと考えられる。つまり、エキシマレーザーにより加工された孔の断面を見ると、光のエネルギー密度が大きければ、レーザー光の入射側(ノズル入口)と抜け側(ノズル出口)の孔径は近くなり、逆の場合は、入射側に比べて抜け側の径は小さく、テーパー角としては大きな値となる。このとき、レーザー光の方向や強度分布が揺らぐと、加工毎に右側のテーパーが小さかったり、その逆であったりすることとなる。例えば右側のテーパーが小さければ、図7に示すように、結果として軸が右に倒れたことと同じとなり、ノズル出口側の加工精度を低下させ、射出されるインク滴の曲がりが発生して着弾精度が悪化する。
【0007】
エキシマレーザーは、1〜3mrad(=1m進むと1〜3mm広がる)程度の広がり角を持っており、図8に示すように平行光成分Pだけからなるわけではない。広がり角の大きい部分θに由来する光は、ノズルプレート材料に当たった後、ノズル孔を掘り進む際、右もしくは左側のテーパー角に非対称に影響し、その成分の揺らぎはすぐに実質的なノズル軸に影響する。
【0008】
θ成分は、対物レンズのより周囲を通過する部分を含むため、収差が大きく不均一になり易い。さらに平行光成分Pだけに比べ、使用されるレーザー光の範囲が図示AからBと広い範囲の影響を受けるため、変動し易くなる。レーザー光が平行光成分Pのみであれば、初期の光学的な調整がしっかりなされている限り角度のばらつきは小さいが、上述の通りエキシマレーザーには広がり角の大きい部分θの成分も含むため、これがノズル出口側の加工精度を低下させ、このノズルプレートを有するインクジェット記録ヘッドにより記録形成される画像の品質を低下させてしまうと考えられる。
【0009】
従来では、エキシマレーザーを用いて、インクジェット記録ヘッドのノズル孔を穿孔する様々な技術が数多く提案されているが(特許文献1〜3)、いずれも上述の問題点の解決には触れられていない。
【0010】
【特許文献1】特開平9−66606号公報
【特許文献2】特許第2985682号公報
【特許文献3】特開平5−318744号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、ノズル出口側の加工精度が高く、安定した形状のノズル孔を形成することができるノズルプレートの製造方法を提供することを課題とする。
【0012】
また、本発明は、ノズル出口側の加工精度が高く、安定した形状のノズル孔を有するノズルプレートを提供することを課題とする。
【0013】
更に、本発明は、射出されるインク滴の着弾精度が高く、高品質の画像を記録することのできるインクジェット記録ヘッドを提供することを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の各課題は以下の各発明によって解決される。
【0015】
即ち、請求項1記載の発明は、被加工部が75μm以上150μm以下の厚みを有するノズルプレート材料に対してエキシマレーザーから発振されるレーザー光を照射することにより貫通孔を形成する工程を含むことを特徴とするノズルプレートの製造方法である。
【0016】
請求項2記載の発明は、被加工部が75μm以上150μm以下の厚みを有するノズルプレート材料に対してそれぞれ開口を有する複数のマスクを重合配置させ、互いの開口の重なりによって形成される透過部にエキシマレーザーから発振されるレーザー光を透過させて前記ノズルプレート材料に照射することにより貫通孔を形成する工程と、前記マスクを前記透過部の面積が大きくなる方向に変化させながら、該透過部を透過させたレーザー光をノズルプレート材料に照射することにより、前記貫通孔に連続するテーパー部を形成する工程とを有することを特徴とするノズルプレートの製造方法である。
【0017】
請求項3記載の発明は、前記複数のマスクは2枚であることを特徴とする請求項2記載のノズルプレートの製造方法である。
【0018】
請求項4記載の発明は、前記複数のマスクの開口形状はそれぞれ長円形状であることを特徴とする請求項3記載のノズルプレートの製造方法である。
【0019】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法により製造されたことを特徴とするノズルプレートである。
【0020】
請求項6記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法により製造されたノズルプレートを有することを特徴とするインクジェット記録ヘッドである。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0022】
図1は、レーザー穿孔装置の一例を示す概略図であり、同図において、1はレーザー発振器、2は第1ミラー、3は第2ミラー、4は第3ミラー、5はCCDカメラ、6はCCDカメラ5への結像レンズ、7はフィールドレンズ、8はマスク、9は対物レンズ、10はノズルプレート材料、11はX−Yテーブルである。
【0023】
レーザー発振器1から出射したレーザー光Lは、第1ミラー2、第2ミラー3及び第3ミラー4を経て、フィールドレンズ7及び所望の開口を形成するマスク8を透過した後、対物レンズ9によりノズルプレート材料10表面の被加工部に結像される。ここでは一組の凸レンズであるフィールドレンズ7及び対物レンズ9によってテレセントリック光学系を構成しており、同時に多数の孔加工が可能となる。被加工部とは、レーザー光Lが照射されることにより加工が施されるノズルプレート材料10の部位である。この結像されたレーザー光Lによりノズルプレート材料10の被加工部に加工が施される。
【0024】
第3ミラー4はレーザー光Lについては全反射するが、可視光については高い透過率を持つため、CCDカメラ5による観察が可能である。このため、被加工部への結像位置はCCDカメラ5により確認され、X−Yテーブル11を移動調整することにより位置調整される。
【0025】
本発明において、ノズルプレートを作成するための材料であるノズルプレート材料10としては、レーザー光により容易にアブレーション可能な材料が用いられ、例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリサルフォン等の樹脂を好ましく用いることができる。
【0026】
ここで、本発明に係るノズルプレートの製造方法は、上記レーザー発振器1に用いられるレーザーがエキシマレーザーであり、また、上記ノズルプレート材料10の被加工部の厚みdが75μm以上150μm以下の厚みを有しており、かかるノズルプレート材料10に対してエキシマレーザーから発振されるレーザー光Lを照射することにより、厚みdを有する被加工部にインク吐出を行うノズル孔とするための貫通孔100を形成する工程を含んでいる(図2(b)参照)。
【0027】
本発明では、ノズルプレート材料10の被加工部の厚みdが75μm以上150μm以下であるため、ここに貫通孔100を形成すると、エキシマレーザーのレーザー光Lのうち、対物レンズ9の略中央部を通過して被加工部に対して略平行に入射する対称で比較的光量の安定したレーザー光L1の寄与が大きくなり、反面、対物レンズ9の収差の大きい部分を経由し、光量が不安定で斜めから入射するレーザー光L2は、貫通孔100の入口101付近で蹴られて出口102付近までは届きにくいため、貫通孔100先端の出口102部分の加工精度を高めることができる。その結果、この貫通孔100をノズル孔とするインクジェット記録ヘッドから射出されるインクの着弾精度を高めることができ、また、これにより記録形成される画像の品質を向上させることができる。
【0028】
ノズルプレート材料10の被加工部の厚みdが75μm未満であると、斜めから入射するレーザー光L2が貫通孔100の入口101で蹴られる割合が少なくなり、出口102側まで届き易くなるため、ノズル出口の加工精度が悪くなり、射出されるインク滴の曲がりが大きくなる。また、これにより記録形成される画像品質も低下する。また、150μmを越える厚さでは、加工時間が長くなると共に、厚さ方向でピントがぼけることによる形状劣化が発生するため、いずれも好ましくない。
【0029】
なお、ノズルプレート材料10にレーザー光を用いて貫通孔100を形成するに先立って、図2(a)に示すようにノズルプレート材料10の表面(インク滴が吐出される側)に撥インク膜12を被覆形成し、ノズルプレート材料10の表面に撥インク性を付与しておくことが好ましい。
【0030】
撥インク膜12としては、ノズルプレート材料10の表面に撥インク性を付与し得ると共に、上述したようにレーザー光により容易に除去されるものであれば任意であり、例えば含フッ素樹脂溶液をコーティングする方法、含フッ素樹脂分散液をコーティングした後、加熱溶融処理を施す方法等により形成することができる。撥インク膜12の膜厚は、0.1〜0.5μm程度が好ましい。
【0031】
かかる撥インク膜12の表面側には、更に保護部材13が貼付しておくことが、貫通孔100を形成する際の撥インク膜12の損傷を防止し、良好に加工する観点から好ましい。保護部材13としては、粘着テープ類が挙げられる。
【0032】
粘着テープ類としては、基材としてポリエチレンテレフタレート、ポリイミド等の樹脂を使用し、粘着剤としてゴム系粘着剤等を塗布したものを使用することができる。
【0033】
撥インク膜12及び保護部材13を有するノズルプレート材料10に貫通孔100を形成する場合、それら撥インク膜12及び保護部材13の形成側とは反対側からレーザー光Lを照射するが、この場合、図2(b)に示すように、ノズルプレート材料10及び撥インク膜12を貫通させるが、保護部材13を貫通させない程度の孔加工を行う。
【0034】
このようにしてノズルプレート材料10の被加工部に貫通孔100を形成する際、対物レンズ9の一次側に配置されるマスク8により形成される透過部の形状は、ノズルプレートのノズル出口の形状と同一形状とされる。従って、ノズル出口の形状を円形状とする場合は、マスク8により円形状の透過部を形成するが、ノズル出口の形状は円形状に限らず、矩形状、多角形状、星形状等任意である。
【0035】
ノズル入口側がテーパー部を有するノズル孔加工を行う場合、以上のようにして貫通孔100を形成したノズルプレート材料10に対して、マスク8により開口形状を可変させることによりテーパー部の加工を行うことができる。マスク8は、図1に示すように、複数枚のマスクを重合配置させ、互いの開口の重なりによって透過部を形成し、それぞれのマスクを移動させてそれらの重合度合いを変化させて透過部の形状を変化させることによって行うことができる。
【0036】
以下、このテーパー部を有するノズルプレートの製造方法について説明する。
【0037】
図3は、マスク8の移動機構の概略構成を示す平面図である。マスク8は、ここでは2枚のマスク8a、8bを重合させて構成しており、各マスク8a、8bには、例えば長さ600μm、幅130μmの長円形状を呈するそれぞれ複数の開口、ここでは2つの開口81a、82aと81b、82bとがそれぞれ形成されている。なお、この開口の数はノズルプレート材料10に対して一度に加工される数であり、その数は図示する2つに限定されるものではない。
【0038】
各マスク8a、8bの一端は、それぞれ支持枠83a、83bに取り付けられている。これら支持枠83a、83bは、図示しないモータによって回動する螺子杆84a、84bと螺合しており、モータの駆動によりそれぞれガイドレール85a、85bに沿って、図中の矢印で示すように開口81a、82a、81b、82bの長さ方向に沿って互いに接離する方向に相対的にスライド移動可能に構成され、これにより開口81a、82aと81b、82bとの重合によって形成される透過部80の面積を可変としている。
【0039】
テーパー部を形成するには、まず、透過部80の面積が貫通孔100の面積と対応するようにマスク8a、8bの重合度合いが調整されて貫通孔100が形成された後、マスク8a、8bをその重合度合いを大きくする方向に若干移動させることにより透過部80の面積を若干大きくし、貫通孔100が形成されているノズルプレート材料10の被加工部に対してレーザー光Lを照射する。これにより最初に形成された貫通孔100よりも若干大径の穴100aが形成される(図4(a))。
【0040】
次いで、マスク8a、8bの重合度合いを更に大きくし、透過部80の面積を更に大きくし、同じくノズルプレート材料10の被加工部に対してレーザー光Lを照射する。これにより上記穴100aよりも若干大径の穴100bが形成される(図4(b))。
【0041】
これを同様に繰り返すことにより、貫通孔100に連続するテーパー部200が形成される。このテーパー部200の形成に際しては、既に貫通孔100が形成されているため、レーザーが同じ出力である限り、テーパー部200を加工する際のレーザー光Lが貫通孔100の出口102の加工精度に影響を及ぼすおそれはない。
【0042】
また、テーパー部200は、図示するように階段状に形成されるものに限らず、透過部80の面積の時間変化を一定にすることにより、断面が滑らかな漏斗状に形成することもできる。
【0043】
更に、本発明において、ノズルプレート材料10が十分な厚みを有している場合には、テーパー部200を形成する際、最初に、貫通孔100を形成するための被加工部の厚みdが75μm以上150μm以下となる厚みを残してテーパー部の一部201を形成し(図5(a))、その後、上記被加工部に貫通孔100を形成し(図5(b))、更にその後、残りのテーパー部を形成することによりテーパー部200を完成させる(図5(c))ようにしてもよい。
【0044】
以上のようにして貫通孔100(及びテーパー部200)が形成された後、保護部材13を剥離すると、貫通孔100がノズル孔aとされたノズルプレートAが作成される。
【0045】
作成されたノズルプレートAは、ノズル孔aに対応する複数のインク室bが形成されたアクチュエータ基板Bの前端面B1に接着され、これによりインクジェット記録ヘッドHが作成される(図6)。アクチュエータ基板Bは、ここではインク室bの側壁をせん断変形させることによりインク室b内の容積を変化させ、そのとき発生する圧力によってインク室b内のインクをインク滴としてノズル孔aから射出するものを例示しているが、インク室b内のインクをノズル孔aからインク滴として射出可能であればいかなる構造であってもよい。
【0046】
【実施例】
ノズルプレート材料として、表1に示すように厚さ200μm、150μm、125μm、100μm、75μm及び50μmの6枚のポリイミド樹脂シートを用意し、それぞれエキシマレーザー(λ=248nm)を用いて出口径23μmとなるように256個の貫通孔を形成し、これをノズル孔とするノズルプレートを作成した。
【0047】
なお、各ノズルプレート材料に対する加工条件は厚み以外すべて同一とした。
【0048】
得られたノズルプレートを256個のインク室を形成したPZTからなるアクチュエータ基板の前端面に接着剤を用いて接着し、インクジェット記録ヘッドを作成した。
【0049】
(評価方法)
各記録ヘッド(実施例1〜4及び比較例1、2)を用いて、同一の駆動条件で記録媒体(コニカ社製「QPペーパー」)上にベタ画像を形成し、その濃度ムラについて以下の基準に基づいて目視評価した。その結果を表1に示す。
【0050】
◎:全く濃度ムラは見られない
○:ほとんど濃度ムラは見られない
△:わずかに濃度ムラがあるが、画質上問題なし
×:濃度ムラが目立つ
【0051】
【表1】
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、ノズル出口側の加工精度が高く、安定した形状のノズル孔を形成することができるノズルプレートの製造方法を提供することができる。
【0053】
また、本発明によれば、ノズル出口側の加工精度が高く、安定した形状のノズル孔を有するノズルプレートを提供することができる。
【0054】
更に、本発明によれば、射出されるインク滴の着弾精度が高く、高品質の画像を記録することのできるインクジェット記録ヘッドを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】レーザー穿孔装置の一例を示す概略図
【図2】(a)貫通孔を形成する前のノズルプレー材料の断面図、(b)貫通孔を形成したノズルプレー材料の断面図
【図3】マスクの移動機構の概略構成を示す平面図
【図4】(a)〜(c)はテーパー部の製造方法の一例を示す工程説明図
【図5】(a)〜(c)はテーパー部の製造方法の他の例を示す工程説明図
【図6】インクジェット記録ヘッドの一例を示す分解斜視図
【図7】貫通孔を形成した従来のノズルプレートの断面図
【図8】エキシマレーザーによる加工状況を示す模式図
【符号の説明】
A:ノズルプレート
a:ノズル孔
B:アクチュエータ基板
B1:前端面
b:インク室
H:インクジェット記録ヘッド
8:マスク
80:透過部
10:ノズルプレート材料
100:貫通孔
200:テーパー部
【発明の属する技術分野】
本発明はノズルプレートの製造方法、ノズルプレート及びインクジェット記録ヘッドに関し、詳しくは、ノズルとなる貫通孔をレーザーアブレーションにより形成するインクジェット記録ヘッドに用いられるノズルプレートの製造方法、ノズルプレート及びそれを有するインクジェット記録ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、インクジェット記録ヘッドのノズルプレートに高分子材料が使用されるようになってきた。このノズルプレートにノズルを形成する方法として、高分子材料の穿孔に適するエキシマレーザーによるアブレーション加工の検討が多くなされている。
【0003】
エキシマレーザーによるアブレーション加工は、常温、常圧、短時間で、サブミクロン〜ミクロンオーダーの精度で、熱歪みやバリのない孔や溝を形成でき、また、マスクを透過したエキシマレーザー光を、レンズで被加工物に結像させれば、マスクパターンを数分の1に縮小、転写して、任意の形状の孔や溝を一括して形成できる。即ち、焦点加工でなく、マスク加工ができる特徴がある。エキシマレーザーは短パルス(〜20ns)、高輝度(〜数十MW)の紫外光を出力できる。発振波長は、レーザーガスの種類により異なるが、アブレーションに良く使用されるのは、XeCl(波長308nm)、KrF(波長248nm)である。
【0004】
しかし、エキシマレーザーは、レーザー光が必ずしも一定の方向に出ず、パルス毎に方向が微妙に揺らいでいる。また、発光強度分布もパルス毎に揺らいでいる。本発明者らは、このエキシマレーザーの揺らぎについて更に検討したところ、この揺らぎがノズルプレート製造の際のノズル出口側の加工精度に影響を与えていることを突き止めた。
【0005】
すなわち、ノズルプレートの製造に際して、ノズルプレート材料に対して一度にn個のノズル孔をm回に分けて加工する場合、n個毎にノズル孔の軸が少しばらついた加工となることかわかった。厳密にいえば、n個の中でも精度は一定ではなく、このようなノズルプレートを有するインクジェット記録ヘッドにより画像記録を行うと、画像品質が悪くなる。
【0006】
これは以下の理由によるものと考えられる。つまり、エキシマレーザーにより加工された孔の断面を見ると、光のエネルギー密度が大きければ、レーザー光の入射側(ノズル入口)と抜け側(ノズル出口)の孔径は近くなり、逆の場合は、入射側に比べて抜け側の径は小さく、テーパー角としては大きな値となる。このとき、レーザー光の方向や強度分布が揺らぐと、加工毎に右側のテーパーが小さかったり、その逆であったりすることとなる。例えば右側のテーパーが小さければ、図7に示すように、結果として軸が右に倒れたことと同じとなり、ノズル出口側の加工精度を低下させ、射出されるインク滴の曲がりが発生して着弾精度が悪化する。
【0007】
エキシマレーザーは、1〜3mrad(=1m進むと1〜3mm広がる)程度の広がり角を持っており、図8に示すように平行光成分Pだけからなるわけではない。広がり角の大きい部分θに由来する光は、ノズルプレート材料に当たった後、ノズル孔を掘り進む際、右もしくは左側のテーパー角に非対称に影響し、その成分の揺らぎはすぐに実質的なノズル軸に影響する。
【0008】
θ成分は、対物レンズのより周囲を通過する部分を含むため、収差が大きく不均一になり易い。さらに平行光成分Pだけに比べ、使用されるレーザー光の範囲が図示AからBと広い範囲の影響を受けるため、変動し易くなる。レーザー光が平行光成分Pのみであれば、初期の光学的な調整がしっかりなされている限り角度のばらつきは小さいが、上述の通りエキシマレーザーには広がり角の大きい部分θの成分も含むため、これがノズル出口側の加工精度を低下させ、このノズルプレートを有するインクジェット記録ヘッドにより記録形成される画像の品質を低下させてしまうと考えられる。
【0009】
従来では、エキシマレーザーを用いて、インクジェット記録ヘッドのノズル孔を穿孔する様々な技術が数多く提案されているが(特許文献1〜3)、いずれも上述の問題点の解決には触れられていない。
【0010】
【特許文献1】特開平9−66606号公報
【特許文献2】特許第2985682号公報
【特許文献3】特開平5−318744号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、ノズル出口側の加工精度が高く、安定した形状のノズル孔を形成することができるノズルプレートの製造方法を提供することを課題とする。
【0012】
また、本発明は、ノズル出口側の加工精度が高く、安定した形状のノズル孔を有するノズルプレートを提供することを課題とする。
【0013】
更に、本発明は、射出されるインク滴の着弾精度が高く、高品質の画像を記録することのできるインクジェット記録ヘッドを提供することを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の各課題は以下の各発明によって解決される。
【0015】
即ち、請求項1記載の発明は、被加工部が75μm以上150μm以下の厚みを有するノズルプレート材料に対してエキシマレーザーから発振されるレーザー光を照射することにより貫通孔を形成する工程を含むことを特徴とするノズルプレートの製造方法である。
【0016】
請求項2記載の発明は、被加工部が75μm以上150μm以下の厚みを有するノズルプレート材料に対してそれぞれ開口を有する複数のマスクを重合配置させ、互いの開口の重なりによって形成される透過部にエキシマレーザーから発振されるレーザー光を透過させて前記ノズルプレート材料に照射することにより貫通孔を形成する工程と、前記マスクを前記透過部の面積が大きくなる方向に変化させながら、該透過部を透過させたレーザー光をノズルプレート材料に照射することにより、前記貫通孔に連続するテーパー部を形成する工程とを有することを特徴とするノズルプレートの製造方法である。
【0017】
請求項3記載の発明は、前記複数のマスクは2枚であることを特徴とする請求項2記載のノズルプレートの製造方法である。
【0018】
請求項4記載の発明は、前記複数のマスクの開口形状はそれぞれ長円形状であることを特徴とする請求項3記載のノズルプレートの製造方法である。
【0019】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法により製造されたことを特徴とするノズルプレートである。
【0020】
請求項6記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法により製造されたノズルプレートを有することを特徴とするインクジェット記録ヘッドである。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0022】
図1は、レーザー穿孔装置の一例を示す概略図であり、同図において、1はレーザー発振器、2は第1ミラー、3は第2ミラー、4は第3ミラー、5はCCDカメラ、6はCCDカメラ5への結像レンズ、7はフィールドレンズ、8はマスク、9は対物レンズ、10はノズルプレート材料、11はX−Yテーブルである。
【0023】
レーザー発振器1から出射したレーザー光Lは、第1ミラー2、第2ミラー3及び第3ミラー4を経て、フィールドレンズ7及び所望の開口を形成するマスク8を透過した後、対物レンズ9によりノズルプレート材料10表面の被加工部に結像される。ここでは一組の凸レンズであるフィールドレンズ7及び対物レンズ9によってテレセントリック光学系を構成しており、同時に多数の孔加工が可能となる。被加工部とは、レーザー光Lが照射されることにより加工が施されるノズルプレート材料10の部位である。この結像されたレーザー光Lによりノズルプレート材料10の被加工部に加工が施される。
【0024】
第3ミラー4はレーザー光Lについては全反射するが、可視光については高い透過率を持つため、CCDカメラ5による観察が可能である。このため、被加工部への結像位置はCCDカメラ5により確認され、X−Yテーブル11を移動調整することにより位置調整される。
【0025】
本発明において、ノズルプレートを作成するための材料であるノズルプレート材料10としては、レーザー光により容易にアブレーション可能な材料が用いられ、例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリサルフォン等の樹脂を好ましく用いることができる。
【0026】
ここで、本発明に係るノズルプレートの製造方法は、上記レーザー発振器1に用いられるレーザーがエキシマレーザーであり、また、上記ノズルプレート材料10の被加工部の厚みdが75μm以上150μm以下の厚みを有しており、かかるノズルプレート材料10に対してエキシマレーザーから発振されるレーザー光Lを照射することにより、厚みdを有する被加工部にインク吐出を行うノズル孔とするための貫通孔100を形成する工程を含んでいる(図2(b)参照)。
【0027】
本発明では、ノズルプレート材料10の被加工部の厚みdが75μm以上150μm以下であるため、ここに貫通孔100を形成すると、エキシマレーザーのレーザー光Lのうち、対物レンズ9の略中央部を通過して被加工部に対して略平行に入射する対称で比較的光量の安定したレーザー光L1の寄与が大きくなり、反面、対物レンズ9の収差の大きい部分を経由し、光量が不安定で斜めから入射するレーザー光L2は、貫通孔100の入口101付近で蹴られて出口102付近までは届きにくいため、貫通孔100先端の出口102部分の加工精度を高めることができる。その結果、この貫通孔100をノズル孔とするインクジェット記録ヘッドから射出されるインクの着弾精度を高めることができ、また、これにより記録形成される画像の品質を向上させることができる。
【0028】
ノズルプレート材料10の被加工部の厚みdが75μm未満であると、斜めから入射するレーザー光L2が貫通孔100の入口101で蹴られる割合が少なくなり、出口102側まで届き易くなるため、ノズル出口の加工精度が悪くなり、射出されるインク滴の曲がりが大きくなる。また、これにより記録形成される画像品質も低下する。また、150μmを越える厚さでは、加工時間が長くなると共に、厚さ方向でピントがぼけることによる形状劣化が発生するため、いずれも好ましくない。
【0029】
なお、ノズルプレート材料10にレーザー光を用いて貫通孔100を形成するに先立って、図2(a)に示すようにノズルプレート材料10の表面(インク滴が吐出される側)に撥インク膜12を被覆形成し、ノズルプレート材料10の表面に撥インク性を付与しておくことが好ましい。
【0030】
撥インク膜12としては、ノズルプレート材料10の表面に撥インク性を付与し得ると共に、上述したようにレーザー光により容易に除去されるものであれば任意であり、例えば含フッ素樹脂溶液をコーティングする方法、含フッ素樹脂分散液をコーティングした後、加熱溶融処理を施す方法等により形成することができる。撥インク膜12の膜厚は、0.1〜0.5μm程度が好ましい。
【0031】
かかる撥インク膜12の表面側には、更に保護部材13が貼付しておくことが、貫通孔100を形成する際の撥インク膜12の損傷を防止し、良好に加工する観点から好ましい。保護部材13としては、粘着テープ類が挙げられる。
【0032】
粘着テープ類としては、基材としてポリエチレンテレフタレート、ポリイミド等の樹脂を使用し、粘着剤としてゴム系粘着剤等を塗布したものを使用することができる。
【0033】
撥インク膜12及び保護部材13を有するノズルプレート材料10に貫通孔100を形成する場合、それら撥インク膜12及び保護部材13の形成側とは反対側からレーザー光Lを照射するが、この場合、図2(b)に示すように、ノズルプレート材料10及び撥インク膜12を貫通させるが、保護部材13を貫通させない程度の孔加工を行う。
【0034】
このようにしてノズルプレート材料10の被加工部に貫通孔100を形成する際、対物レンズ9の一次側に配置されるマスク8により形成される透過部の形状は、ノズルプレートのノズル出口の形状と同一形状とされる。従って、ノズル出口の形状を円形状とする場合は、マスク8により円形状の透過部を形成するが、ノズル出口の形状は円形状に限らず、矩形状、多角形状、星形状等任意である。
【0035】
ノズル入口側がテーパー部を有するノズル孔加工を行う場合、以上のようにして貫通孔100を形成したノズルプレート材料10に対して、マスク8により開口形状を可変させることによりテーパー部の加工を行うことができる。マスク8は、図1に示すように、複数枚のマスクを重合配置させ、互いの開口の重なりによって透過部を形成し、それぞれのマスクを移動させてそれらの重合度合いを変化させて透過部の形状を変化させることによって行うことができる。
【0036】
以下、このテーパー部を有するノズルプレートの製造方法について説明する。
【0037】
図3は、マスク8の移動機構の概略構成を示す平面図である。マスク8は、ここでは2枚のマスク8a、8bを重合させて構成しており、各マスク8a、8bには、例えば長さ600μm、幅130μmの長円形状を呈するそれぞれ複数の開口、ここでは2つの開口81a、82aと81b、82bとがそれぞれ形成されている。なお、この開口の数はノズルプレート材料10に対して一度に加工される数であり、その数は図示する2つに限定されるものではない。
【0038】
各マスク8a、8bの一端は、それぞれ支持枠83a、83bに取り付けられている。これら支持枠83a、83bは、図示しないモータによって回動する螺子杆84a、84bと螺合しており、モータの駆動によりそれぞれガイドレール85a、85bに沿って、図中の矢印で示すように開口81a、82a、81b、82bの長さ方向に沿って互いに接離する方向に相対的にスライド移動可能に構成され、これにより開口81a、82aと81b、82bとの重合によって形成される透過部80の面積を可変としている。
【0039】
テーパー部を形成するには、まず、透過部80の面積が貫通孔100の面積と対応するようにマスク8a、8bの重合度合いが調整されて貫通孔100が形成された後、マスク8a、8bをその重合度合いを大きくする方向に若干移動させることにより透過部80の面積を若干大きくし、貫通孔100が形成されているノズルプレート材料10の被加工部に対してレーザー光Lを照射する。これにより最初に形成された貫通孔100よりも若干大径の穴100aが形成される(図4(a))。
【0040】
次いで、マスク8a、8bの重合度合いを更に大きくし、透過部80の面積を更に大きくし、同じくノズルプレート材料10の被加工部に対してレーザー光Lを照射する。これにより上記穴100aよりも若干大径の穴100bが形成される(図4(b))。
【0041】
これを同様に繰り返すことにより、貫通孔100に連続するテーパー部200が形成される。このテーパー部200の形成に際しては、既に貫通孔100が形成されているため、レーザーが同じ出力である限り、テーパー部200を加工する際のレーザー光Lが貫通孔100の出口102の加工精度に影響を及ぼすおそれはない。
【0042】
また、テーパー部200は、図示するように階段状に形成されるものに限らず、透過部80の面積の時間変化を一定にすることにより、断面が滑らかな漏斗状に形成することもできる。
【0043】
更に、本発明において、ノズルプレート材料10が十分な厚みを有している場合には、テーパー部200を形成する際、最初に、貫通孔100を形成するための被加工部の厚みdが75μm以上150μm以下となる厚みを残してテーパー部の一部201を形成し(図5(a))、その後、上記被加工部に貫通孔100を形成し(図5(b))、更にその後、残りのテーパー部を形成することによりテーパー部200を完成させる(図5(c))ようにしてもよい。
【0044】
以上のようにして貫通孔100(及びテーパー部200)が形成された後、保護部材13を剥離すると、貫通孔100がノズル孔aとされたノズルプレートAが作成される。
【0045】
作成されたノズルプレートAは、ノズル孔aに対応する複数のインク室bが形成されたアクチュエータ基板Bの前端面B1に接着され、これによりインクジェット記録ヘッドHが作成される(図6)。アクチュエータ基板Bは、ここではインク室bの側壁をせん断変形させることによりインク室b内の容積を変化させ、そのとき発生する圧力によってインク室b内のインクをインク滴としてノズル孔aから射出するものを例示しているが、インク室b内のインクをノズル孔aからインク滴として射出可能であればいかなる構造であってもよい。
【0046】
【実施例】
ノズルプレート材料として、表1に示すように厚さ200μm、150μm、125μm、100μm、75μm及び50μmの6枚のポリイミド樹脂シートを用意し、それぞれエキシマレーザー(λ=248nm)を用いて出口径23μmとなるように256個の貫通孔を形成し、これをノズル孔とするノズルプレートを作成した。
【0047】
なお、各ノズルプレート材料に対する加工条件は厚み以外すべて同一とした。
【0048】
得られたノズルプレートを256個のインク室を形成したPZTからなるアクチュエータ基板の前端面に接着剤を用いて接着し、インクジェット記録ヘッドを作成した。
【0049】
(評価方法)
各記録ヘッド(実施例1〜4及び比較例1、2)を用いて、同一の駆動条件で記録媒体(コニカ社製「QPペーパー」)上にベタ画像を形成し、その濃度ムラについて以下の基準に基づいて目視評価した。その結果を表1に示す。
【0050】
◎:全く濃度ムラは見られない
○:ほとんど濃度ムラは見られない
△:わずかに濃度ムラがあるが、画質上問題なし
×:濃度ムラが目立つ
【0051】
【表1】
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、ノズル出口側の加工精度が高く、安定した形状のノズル孔を形成することができるノズルプレートの製造方法を提供することができる。
【0053】
また、本発明によれば、ノズル出口側の加工精度が高く、安定した形状のノズル孔を有するノズルプレートを提供することができる。
【0054】
更に、本発明によれば、射出されるインク滴の着弾精度が高く、高品質の画像を記録することのできるインクジェット記録ヘッドを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】レーザー穿孔装置の一例を示す概略図
【図2】(a)貫通孔を形成する前のノズルプレー材料の断面図、(b)貫通孔を形成したノズルプレー材料の断面図
【図3】マスクの移動機構の概略構成を示す平面図
【図4】(a)〜(c)はテーパー部の製造方法の一例を示す工程説明図
【図5】(a)〜(c)はテーパー部の製造方法の他の例を示す工程説明図
【図6】インクジェット記録ヘッドの一例を示す分解斜視図
【図7】貫通孔を形成した従来のノズルプレートの断面図
【図8】エキシマレーザーによる加工状況を示す模式図
【符号の説明】
A:ノズルプレート
a:ノズル孔
B:アクチュエータ基板
B1:前端面
b:インク室
H:インクジェット記録ヘッド
8:マスク
80:透過部
10:ノズルプレート材料
100:貫通孔
200:テーパー部
Claims (6)
- 被加工部が75μm以上150μm以下の厚みを有するノズルプレート材料に対してエキシマレーザーから発振されるレーザー光を照射することにより貫通孔を形成する工程を含むことを特徴とするノズルプレートの製造方法。
- 被加工部が75μm以上150μm以下の厚みを有するノズルプレート材料に対してそれぞれ開口を有する複数のマスクを重合配置させ、互いの開口の重なりによって形成される透過部にエキシマレーザーから発振されるレーザー光を透過させて前記ノズルプレート材料に照射することにより貫通孔を形成する工程と、
前記マスクを前記透過部の面積が大きくなる方向に変化させながら、該透過部を透過させたレーザー光をノズルプレート材料に照射することにより、前記貫通孔に連続するテーパー部を形成する工程とを有することを特徴とするノズルプレートの製造方法。 - 前記複数のマスクは2枚であることを特徴とする請求項2記載のノズルプレートの製造方法。
- 前記複数のマスクの開口形状はそれぞれ長円形状であることを特徴とする請求項3記載のノズルプレートの製造方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法により製造されたことを特徴とするノズルプレート。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法により製造されたノズルプレートを有することを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
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JP2002360448A JP2004188834A (ja) | 2002-12-12 | 2002-12-12 | ノズルプレートの製造方法、ノズルプレート及びインクジェット記録ヘッド |
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CN113365958A (zh) * | 2019-04-23 | 2021-09-07 | 日本电气硝子株式会社 | 玻璃板的制造方法、玻璃板以及玻璃板集合体 |
-
2002
- 2002-12-12 JP JP2002360448A patent/JP2004188834A/ja active Pending
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