JP6536197B2 - レーザー加工機、レーザー加工方法及びインクジェットヘッドの製造方法 - Google Patents

レーザー加工機、レーザー加工方法及びインクジェットヘッドの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、レーザー加工機、レーザー加工方法及びインクジェットヘッドの製造方法に関し、より詳しくは、ホモジナイザー光学系を有するマスク投影方式のレーザー加工機及びレーザー加工方法、並びにこれらを用いたインクジェットヘッドの製造方法に関する。
レーザー加工機に使用する光学系において、ホモジナイザー光学系は、加工面の光量分布を均一にする目的で使用され、精度良い加工を行うためには欠かせないものである。
ホモジナイザー光学系は、シリンドリカルレンズアレイによって空間的に分解されたレーザー光を、加工面上で重ね合わせることで光量の均一化を図っている。
次に、上述のホモジナイザー光学系について図14に基づいて説明する。
ホモジナイザー光学系400は、例えば、1対のシリンドリカルレンズアレイ401、402と、コンデンサレンズ403で構成され、フィールドレンズ500と組み合わせて使用することができる。
ここで光軸と垂直に交わる面においてガウシアン型光量分布を有する図14(a)に示すレーザー光βは、図14(b)、(c)、(d)に示すように、光路入射側に位置するシリンドリカルレンズアレイ401によって、空間的にレーザー光(β1、β2、β3)に分割される。
分割されたレーザー光(β1、β2、β3)は、光路下流側に位置するシリンドリカルレンズアレイ402、及びコンデンサレンズ403を透過し、更にフィールドレンズ500を透過して、フォトマスク600の位置において再度重ね合わされて光量分布の均一化が図られる。
そして、フォトマスク600の位置において光量分布の均一化が図られたレーザー光βは、更にアパーチャー700、対物レンズ800を透過して、ステージ900上の被加工物901上で再び光量分布が均一化されるように結像γさせる構成となっている。
なお、上述の図14に示すマスク投影方式のレーザー加工以外に、特許文献1、2に示すように、ホモジナイザー光学系を使用し、材料の加工、表面改質に使用されるレーザー光薄膜結晶化装置の例がある。
特許文献1には、対になるシリンドリカルレンズ間の距離を光路長が同じになるように場所ごとに変更して、より均一にレーザー光を重なり合わせることが記載されている。
また、特許文献2には、シリンドリカルレンズの一部分を遮蔽することで、意図的に光量分布に傾斜を持たせるようにビーム形状を整形し、これにより薄膜の結晶化に有利になることが記載されている。
特開2001−156016号公報 特開2001−148355号公報
1.フォトマスクの温度上昇を抑え、加工精度を維持
図14に示すマスク投影方式のレーザー加工では、レーザー光の光路にフォトマスクを設置して、該フォトマスクのマスクパターン形状を被加工物に縮小転写させて加工を行う。ここで、フォトマスクは、主に石英からなる基材上に、例えばクロムからなるパターン膜を生成し、マスクパターン形状を形成している。これにより、例えばインクジェットヘッド用のノズルプレートにノズルを形成するレーザー加工に利用することができる。
このレーザー加工では、微細加工ができる。特にKrFのエキシマレーザーでは、波長が248nmと短く、かつパルスあたりのエネルギー密度[W/cm]が非常に高いため、好ましい微細加工が可能である。これにより、被加工物を構成する樹脂等の結合を直接断ち切るアブレーションという作用が主要因となり、レーザー加工を行うことができる。これにより、例えばインクジェットヘッド用のノズルプレートに微細なノズルを形成することが可能となる。
前記レーザー加工機を構成するほとんどの光学レンズは、前記エキシマレーザーの光に対し吸収率の少ない石英ガラスを使用しているため、レーザー光をあまり吸収しない構成となっている。一方、フォトマスクの材料であるクロムは、レーザー光を吸収してしまう。
表1は、各種エキシマレーザー光をフォトマスクのパターン膜に照射したときの吸収率を示す。
Figure 0006536197
表1より、一般的に広く用いられているKrFのエキシマレーザー光で、約45%がパターン膜に吸収されることがわかる。
上述したように、エキシマレーザー光は、波長が短いため微細な加工に適したレーザー光であるが、同時にパターン膜に吸収され易く、フォトマスクの温度上昇を生じやすいレーザー光でもある。フォトマスクの温度が加工中に高くなると、フォトマスクの膨張、膜応力、屈折率変化等が発生し、被加工物への転写性が悪くなってしまう事態が生じる。
従って、フォトマスクの温度上昇を抑え、加工精度を維持することが必要である。以上はクロムマスクの場合で説明したが、他の材料の場合もマスクの温度上昇を抑えることは重要である。
2.レーザー加工の際のレーザー光のパワー密度低下を防止し、加工精度を維持
フォトマスクに照射される光量を調整し、フォトマスクの温度上昇を抑えることが考えられる。しかし、光量を調整するために光学系を調整することは、被加工物の加工精度等と密接に関連し、必ずしも簡単に行うことができない。
そこで、光学系自体を調整することなく、フォトマスクのクロム膜を有する部分への光量を制限することが必要となる。
ところが、図14に示すように、ホモジナイザー光学系が備えるレンズアレイを構成する各レンズにより分割されたレーザー光は、互いに交差する個別の光路を進行する。そのため、これらの光路を遮光しようとすると、結像位置(フォトマスク上及び加工面上における部位)において、重ね合わされるレーザー光が部分的に欠けて光量分布が不均一化し、パワー密度も低下させることになる。
従って、レーザー加工の際のレーザー光のパワー密度低下を防止し、加工精度を維持することが必要である。
そこで、本発明の課題は、マスク投影方式のレーザー加工において、フォトマスクの温度上昇を抑え、併せてレーザー加工の際のレーザー光のパワー密度を低下させることなく、加工精度も維持できるレーザー加工機、及びレーザー加工方法、並びにこれらを用いたインクジェットヘッドの製造方法を提供することにある。
また本発明の他の課題は、以下の記載によって明らかとなる。
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
1.
レーザー光を出射するレーザー発振器と、
前記レーザー発振器から出射されたレーザー光の光量を均一化するための複数のレンズからなるレンズアレイを備えたホモジナイザー光学系と、
前記ホモジナイザー光学系を透過したレーザー光をマスクするフォトマスクと、
前記フォトマスクを透過したレーザー光を被加工物に転写するための対物レンズと、を備えたレーザー加工機において、
前記フォトマスクに対するレーザー光の照射範囲を該フォトマスクのパターン形状に対応して調整するように、前記ホモジナイザー光学系を構成する前記レンズアレイの入射側に、前記レンズアレイのレンズ毎にレーザー光の一部を遮光する遮光部材を備えたことを特徴とするレーザー加工機。
2.
前記ホモジナイザー光学系を構成する前記レンズアレイの入射側に、前記レンズアレイに対応するスリット、又は透孔を有する板体よりなる遮光部材を備えたことを特徴とする前記1記載のレーザー加工機。
3.
レーザー光を出射するレーザー発振器と、
前記レーザー発振器から出射されたレーザー光の光量を均一化するための複数のレンズからなるレンズアレイを備えたホモジナイザー光学系と、
前記ホモジナイザー光学系を透過したレーザー光をマスクするフォトマスクと、
前記フォトマスクを透過したレーザー光を被加工物に転写するための対物レンズと、を備えたレーザー加工機において、
前記フォトマスクに対するレーザー光の照射範囲を該フォトマスクのパターン形状に対応して調整するように、前記ホモジナイザー光学系を構成する前記レンズアレイの入射側にレーザー光の一部を遮光する遮光部材を備え、
前記ホモジナイザー光学系を構成する前記レンズアレイの入射側に、前記レンズアレイに対応するスリット、又は透孔を有する板体よりなる遮光部材を備えたことを特徴とするレーザー加工機。
4.
前記遮光部材は、遮光性を有する板体に設けたスリットの幅、又は透孔の大きさを変更可能としたことを特徴とする前記2又は3記載のレーザー加工機。
5.
前記遮光部材は、前記レンズアレイの各光軸の中心部を開口することを特徴とする前記1〜の何れか記載のレーザー加工機。
6.
前記遮光部材は、前記レンズアレイの各光軸を中心に、同一位置をそれぞれ開口することを特徴とする前記1〜の何れかに記載のレーザー加工機。
7.
レーザー光を出射するレーザー発振器と、
前記レーザー発振器から出射されたレーザー光の光量を均一化するための複数のレンズからなるレンズアレイを備えたホモジナイザー光学系と、
前記ホモジナイザー光学系を透過したレーザー光をマスクするフォトマスクと、
前記フォトマスクを透過したレーザー光を被加工物に転写するための対物レンズと、を備えたレーザー加工機において、
前記フォトマスクに対するレーザー光の照射範囲を該フォトマスクのパターン形状に対応して調整するように、前記ホモジナイザー光学系を構成する前記レンズアレイの入射側にレーザー光の一部を遮光する遮光部材を備え、
前記遮光部材は、遮光性を有する板体に設けたスリットの幅、又は透孔の大きさを変更可能としたことを特徴とするレーザー加工機。
8.
レーザー光を出射するレーザー発振器と、
前記レーザー発振器から出射されたレーザー光の光量を均一化するための複数のレンズからなるレンズアレイを備えたホモジナイザー光学系と、
前記ホモジナイザー光学系を透過したレーザー光をマスクするフォトマスクと、
前記フォトマスクを透過したレーザー光を被加工物に転写するための対物レンズと、を備えたレーザー加工機において、
前記フォトマスクに対するレーザー光の照射範囲を該フォトマスクのパターン形状に対応して調整するように、前記ホモジナイザー光学系を構成する前記レンズアレイの入射側にレーザー光の一部を遮光する遮光部材を備え、
前記遮光部材は、前記レンズアレイの各光軸の中心部を開口することを特徴とするレーザー加工機。
9.
レーザー光を出射するレーザー発振器と、
前記レーザー発振器から出射されたレーザー光の光量を均一化するための複数のレンズからなるレンズアレイを備えたホモジナイザー光学系と、
前記ホモジナイザー光学系を透過したレーザー光をマスクするフォトマスクと、
前記フォトマスクを透過したレーザー光を被加工物に転写するための対物レンズと、を備えたレーザー加工機において、
前記フォトマスクに対するレーザー光の照射範囲を該フォトマスクのパターン形状に対応して調整するように、レーザー光の一部を遮光する遮光部材を、前記ホモジナイザー光学系を構成する前記各レンズアレイの入射側に一体的に備えたことを特徴とするレーザー加工機。
10.
前記遮光部材として、誘電体多層膜ミラーを使用し、レーザー光を反射させることで遮光させ、レーザー光の一部を遮光することを特徴とする前記1〜の何れか記載のレーザー加工機。
11.
レーザー光を出射するレーザー発振器と、
前記レーザー発振器から出射されたレーザー光の光量を均一化するための複数のレンズからなるレンズアレイを備えたホモジナイザー光学系と、
前記ホモジナイザー光学系を透過したレーザー光をマスクするフォトマスクと、
前記フォトマスクを透過したレーザー光を被加工物に転写するための対物レンズと、を備えたレーザー加工機において、
前記フォトマスクに対するレーザー光の照射範囲を該フォトマスクのパターン形状に対応して調整するように、前記ホモジナイザー光学系を構成する前記レンズアレイの入射側にレーザー光の一部を遮光する遮光部材を備え、
前記遮光部材として、誘電体多層膜ミラーを使用し、レーザー光を反射させることで遮光させ、レーザー光の一部を遮光することを特徴とするレーザー加工機。
12.
レーザー発振器から出射されたレーザー光の光量を、複数のレンズからなるレンズアレイを備えたホモジナイザー光学系により均一化し、
前記ホモジナイザー光学系を透過したレーザー光をフォトマスクによりマスクし、
前記フォトマスクを透過したレーザー光を対物レンズにより被加工物に転写するレーザー加工方法において、
前記1〜11の何れかに記載のレーザー加工機を用いて、前記ホモジナイザー光学系を構成する前記レンズアレイに入射するレーザー光の一部を遮光することで前記フォトマスクに照射するレーザー光の照射範囲を調整することを特徴とするレーザー加工方法。
13.
インク滴を射出するための少なくとも1つのノズルを有するノズルプレートを備えたインクジェットヘッドの製造方法において、
前記1〜11の何れかに記載のレーザー加工機を用いて前記被加工物であるノズルプレートにレーザー光を転写して少なくとも1つのノズルを貫通形成する工程を有することを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
14.
インク滴を射出するための少なくとも1つのノズルを有するノズルプレートを備えたインクジェットヘッドの製造方法において、
前記12記載のレーザー加工方法を用いて前記被加工物であるノズルプレートにレーザー光を転写して少なくとも1つのノズルを貫通形成する工程を有することを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
本発明によれば、マスク投影方式のレーザー加工において、フォトマスクの温度上昇を抑え、併せてレーザー加工の際のレーザー光のパワー密度の低下を防止し、加工精度を維持できるレーザー加工機、及びレーザー加工方法、並びにこれらを用いたインクジェットヘッドの製造方法を提供することができる。
フォトマスクを備えたレーザー加工機の基本構成を示す説明図 ホモジナイザー光学系のレーザー光の照射範囲を示すもので、(a)は、遮光部材を設けた状態を示す説明図、(b)は、遮光部材を設けない状態を示す説明図 第1の実施形態におけるシリンドリカルレンズアレイ用の遮光部材を示す説明図 遮光部材のスリットの開口状態を示す説明図 フォトマスク転写状況を示す説明図 レーザー光の照射範囲を示す説明図で、(a)は、遮光部材を設けた状態を示す説明図、(b)は、遮光部材を設けない状態を示す説明図 第1の実施形態におけるフライアイレンズ用の遮光部材を示す説明図 第2の実施形態におけるシリンドリカルレンズアレイ用の遮光部材を示す説明図 第2の実施形態におけるフライアイレンズ用の遮光部材を示す説明図 シリンドリカルレンズアレイのレンズ部を遮光部材で接続した実施の形態を示す断面図 インクジェットヘッドの一例を示す説明図 KrFのエキシマレーザーを使用したときのフォトマスクの温度上昇を測定した説明図 レーザー加工されたノズルプレートの状態を示す説明図 レーザー加工機に使用する光学系において、ホモジナイザー光学系の光束の分布を示す説明図
以下に、本発明を実施するための形態について詳しく説明する。
本発明のレーザー加工機は、マスク投影方式のレーザー加工を行うために用いることができる。レーザー加工機は、レーザー光を出射するレーザー発振器と、前記レーザー発振器から出射されたレーザー光の光量を均一化するための複数のレンズからなるレンズアレイを備えたホモジナイザー光学系と、前記ホモジナイザー光学系を透過したレーザー光をマスクするフォトマスクと、前記フォトマスクを透過したレーザー光を被加工物に転写するための対物レンズと、により構成することができる。
本発明のレーザー加工機は、ホモジナイザー光学系と組み合わせて遮光部材を用いることを一つの特徴とする。第1の実施形態において、レーザー加工機は、前記フォトマスクに対するレーザー光の照射範囲を該フォトマスクのパターン形状に対応して調整するように、前記ホモジナイザー光学系を構成する前記レンズアレイの入射側にレーザー光の一部を遮光する遮光部材を備える。また、第2の実施形態において、レーザー加工機は、前記フォトマスクに対するレーザー光の照射範囲を該フォトマスクのパターン形状に対応して調整するように、レーザー光の一部を遮光する遮光部材を、前記ホモジナイザー光学系を構成する前記各レンズアレイの入射側に一体的に備える。「該フォトマスクのパターン形状に対応して調整する」とは、フォトマスクに対するレーザー光の照射範囲を、遮光部材が無い状態でレーザー光を出射する場合の照射範囲と比較して小さくするように調整することを指す。
上記の構成を備えることで、マスク投影方式のレーザー加工において、フォトマスクの温度上昇を抑え、併せてレーザー加工の際のレーザー光のパワー密度の低下を防止し、加工精度を維持できる効果が得られる。
(第1の実施形態)
まず、図1〜図6を参照して、第1の実施形態について詳しく説明する。第1の実施形態において、レーザー加工機は、前記フォトマスクに対するレーザー光の照射範囲を該フォトマスクのパターン形状に対応して調整するように、前記ホモジナイザー光学系を構成する前記レンズアレイの入射側にレーザー光の一部を遮光する遮光部材を備える。
図1及び図2(a)に示すように、第1の実施形態に係るレーザー加工機は、レーザー光源2で生成したレーザー光を、遮光部材3、ホモジナイザー光学系4、フィールドレンズ5を介しフォトマスク6に照射するように構成されている。また、フォトマスク6を透過したレーザー光を、アパーチャー7、対物レンズ8を介してステージ9上の被加工物であるノズルプレート91上に結像させるように構成されている。
レーザー光源2は、レーザー光を出射するレーザー発振器20と、レーザー光のビーム強度を補正するアッテネーター21と、レーザー光のビーム形状を補正するテレスコープ22とを備えている。
ここで、レーザー発振器20により発生させるレーザー光としては、例えばエキシマレーザー光等を好ましく例示できる。エキシマレーザー光は、波長が短く、好ましい微細加工が可能であるからである。エキシマレーザー光の波長は190nm〜355nmの範囲であり、具体的には、例えばArF(波長193nm)、KrF(248nm)、XeCl(波長308nm)、XeF(波長351nm)等を好ましく挙げられる。
なお、エキシマレーザー光は、上述のように波長が短く、エネルギーが非常に高いため、エキシマレーザー光を、例えばポリイミド等の樹脂からなる被加工物に照射することで、ノズル等を貫通形成する加工作業を好適に行うことができる。
遮光部材3は、ホモジナイザー光学系と組み合わせて用いられる。第1の実施形態において、遮光部材3は、ホモジナイザー光学系4を構成するレンズアレイの入射側にレーザー光の一部を遮光するように設けられる。ここで、遮光部材3は、前記レンズアレイとは別体に設けられている。
具体的には、ホモジナイザー光学系4は、横方向調整用の1対のシリンドリカルレンズアレイ41、42と、縦方向調整用の1対のシリンドリカルレンズアレイ43、44と、コンデンサレンズ47とにより構成されている。横方向調整用の1対のシリンドリカルレンズアレイ41、42によって横方向の光量分布の均一化を図ることができ、縦方向調整用の1対のシリンドリカルレンズアレイ43、44によって縦方向の光量分布を均一化することができる。
そして、横方向調整用の1対のシリンドリカルレンズアレイ41、42のうち、光路上流側に配されたシリンドリカルレンズアレイ41の入射側に遮光部材3が設けられ、縦方向調整用の1対のシリンドリカルレンズアレイ43、44のうち、光路上流側に配されたシリンドリカルレンズアレイ43の入射側に遮光部材3’が設けられている。
図3に示すように、遮光部材3、3’は、それぞれ遮光性を有する遮光板30、30’にスリット31、31’を設けて構成されている。
遮光板30、30’の材質は、レーザー光を遮光できるものであればよく、例えばステンレス、アルミニウム等の適宜材料を用いることができ、放熱性の良好なものであれば、遮光部材3、3’自体の温度上昇を防止でき、遮光部材3、3’の膨張を抑えることができるため、更に好ましい。
遮光板30、30’のスリット31、31’は、レーザー光を選択的に透過させるために設けられている。スリット31、31’は、該遮光部材3、3’と組み合わせて用いられるシリンドリカルレンズアレイ41、43のレンズ形状、及びフォトマスク6のパターン形状に対応して、該フォトマスク6に対するレーザー光の照射範囲を調整するために設けられている。
横方向調整用のシリンドリカルレンズアレイ41と組み合わせて用いる遮光部材3は、フォトマスク6に対するレーザー光の照射範囲を横方向に調整する際に好適に用いることができる。縦方向調整用のシリンドリカルレンズアレイ43と組み合わせて用いる遮光部材3’は、フォトマスク6に対するレーザー光の照射範囲を縦方向に調整する際に好適に用いることができる。従って、遮光部材3、3’を設けることで、フォトマスク6に照射されるレーザー光の照射範囲を縦横両方向に好適に調整することができる。
遮光部材3における各スリット31の開口位置は、シリンドリカルレンズアレイ41を構成する各レンズの光軸を中心として同一位置をそれぞれ開口する形式とすることが好ましい。このとき、図4(a)に示すごとく、開口位置にシリンドリカルレンズアレイ41を構成する各レンズの頂部を含まない形式としても良いし、また図4(b)に示すごとく、開口位置にシリンドリカルレンズアレイ41を構成する各レンズの頂部を含む形式としても良い。いずれにしても、レンズを通過するレーザー光の一部を遮蔽し、フォトマスク6に到達するレーザー光のパワー密度を低下させること無く照射範囲を調整できるスリット31であれば好ましく用いることができる。ここで遮光部材3についてした説明は、遮光部材3’にも援用することができる。
遮光部材3、3’には、該遮光部材3、3’を冷却する不図示の空冷ファン等の冷却部材を設けることが好ましい。これにより、レーザー光が遮光部材自体に吸収されることによる温度上昇を防止でき、遮光部材3、3’の膨張を抑えることができる。
遮光部材3によって一部が遮光されたレーザー光は、横方向調整用の1対のシリンドリカルレンズアレイ41、42によって横方向に空間的に分割され、更に遮光部材3’によって一部が遮光されたレーザー光は、縦方向調整用の1対のシリンドリカルレンズアレイ43、44によって縦方向に空間的に分割される。分割されたレーザー光は、コンデンサレンズ47を透過し、更にフィールドレンズ5によってフォトマスク6上に照射される。分割されたレーザー光は、結像位置であるフォトマスク6上において再度重ね合わせられ、光量分布の均一化が図られる。
フォトマスク6は、図5に示すようにレーザー光αを透過する基材61と、該基材61の表面に設けられたパターン膜62とにより構成されている。パターン膜62は、レーザー光αを遮光する所定のマスクパターンを有している。レーザー光αは、基材61を透過し、パターン膜62が形成されていない透光部63では、そのまま透過する。フォトマスク6を透過したレーザー光αには、所定のマスクパターンに基づくマスク像が付与される。
なお、基材61は、レーザー光を透過できるものであればよく、例えば石英等により構成することができる。石英としては合成石英を好ましく用いることができる。
また、パターン膜62は、レーザー光αを遮光できるものであればよく、例えばクロム膜等により構成することができる。パターン膜62の膜厚は格別限定されないが、エキシマ光を透過させない膜厚であることが好ましい。
フォトマスク6を透過した所定パターンのレーザー光αは、図5に示すようにアパーチャー7、対物レンズ8を透過して、ステージ9上の被加工物であるノズルプレート91上に縮小転写される。このようにしてマスク投影方式のレーザー加工を行うことができる。ここでは、ノズルプレート91に複数のノズル92を貫通形成する様子を示している。
ここで、アパーチャー7は、レーザー光αを整形するために設けられる。対物レンズ8は、フォトマスク6を透過したレーザー光αをマスク像としてステージ9上に載置された被加工物であるノズルプレート91上に結像させるために用いる。図中10はレーザー光αを反射する反射ミラーである。
遮光部材3によってフォトマスク6に対するレーザー光の照射範囲が調整されていることにより、フォトマスク6のパターン膜62部分に照射されるレーザー光の入熱量を制限することができる。更に、遮光部材3をレンズアレイの入射側に配置したことにより、透光部63を透過したレーザー光は、結像位置におけるパワー密度を安定に維持することができる。これにより、マスク投影方式のレーザー加工において、フォトマスクの温度上昇を抑え、併せてレーザー加工のレーザー光のパワー密度の低下を防止し、加工精度を維持できる効果が得られる。
次に、再び図2を参照して、レーザー加工機及びレーザー加工方法において、遮光部材3、3’の有無によるレーザー光αの光路、結像状況について更に詳しく説明する。図2(a)は、遮光部材3、3’を設けた場合について示しており、図2(b)は、遮光部材3、3’を設けていない場合について示している。
図2では、ホモジナイザー光学系4を構成する横方向調整用の1対のシリンドリカルレンズアレイ41、42により空間的に分割されたレーザー光の光路を主として示している。縦方向調整用の1対のシリンドリカルレンズアレイ43、44も、縦横の違いはあるが、横方向調整用の1対のシリンドリカルレンズアレイ41、42と同様の光路、結像状況を形成する。
図2(a)の例では、上述したように、横方向調整用のシリンドリカルレンズアレイ41の前に遮光部材3を設け、縦方向調整用のシリンドリカルレンズアレイ43の前に遮光部材3’を設けている。ここで遮光部材3、3’は、それぞれシリンドリカルレンズアレイ41、43の各レンズの中心位置に対向するように、各レンズの幅よりも狭い幅のスリット31、31’が設けられている。
なお、遮光部材3’のスリット31’は遮光部材3のスリット31に対して直角方向に配置された横長のスリットとなっており、図2に示す縦方向の調整過程を示す光路や結像に影響は及ぼさない。
遮光部材3のスリット31によって幅を制限されたレーザー光αは、それぞれコンデンサレンズ47、フィールドレンズ5を経由しフォトマスク6のパターン膜62上で結像され照射範囲α1の幅となる。そして、このレーザー光αは、アパーチャー7を経由し、対物レンズ8を介して、ステージ9上の被加工物であるノズルプレート91上で再び結像される。
これに対して、遮光部材3を設けない図2(b)では、図2(a)の例のように遮光部材3によって幅を制限されないレーザー光αの幅は、フォトマスク6上で照射範囲α1’の幅となる。
このように、遮光部材3を設けることで、フォトマスク6上におけるレーザー光αの光束の幅をα1’からα1に狭くすることができる。
ここで、遮光部材3を設けない図2(b)では、レーザー光αは、シリンドリカルレンズを構成する各レンズに対して各レンズ幅に相等する幅で入射され、分割された後、結像位置において互いに重ねあわされて結像される。これに対して、遮光部材3を設けた図2(a)の例では、レーザー光αは、シリンドリカルレンズを構成する各レンズに対して各レンズ幅よりも狭い幅で入射され、分割された後、結像位置において互いに重ねあわされて結像される。結像されるレーザー光の幅は、各レンズに入射するレーザー光の幅に対応して変化する。従って、各レンズへ入射されるレーザー光の幅を遮光部材3により変更することで、結像されるレーザー光の幅を様々な照射範囲に調整することができる。
ここでは、遮光部材3によって照射範囲を横方向に調整する場合について主に示したが、同様にして、遮光部材3’によって照射範囲を縦方向に調整することができる。
このようにして、フォトマスク6に照射されるレーザー光の照射範囲をマスクパターンに合った適切な範囲に調整することができ、加工中におけるフォトマスク6の温度上昇を可能な限り抑えることができ、加工精度を維持することができる。
例えば図6(a)に示すように、フォトマスク6の透光部63の大中小の形成範囲に対応して、該フォトマスク6上に照射されるレーザー光の照射範囲をα1、α1−1、α1−2に調整することができる。これに対して、照射範囲を調整しない比較例では、フォトマスク6の透光部63の形成範囲にかかわらず照射範囲α1’は一定で図6(b)となる。
照射範囲を調整しない場合の照射範囲α1’は、フォトマスク6の透光部63の形成範囲にかかわらず、一定の範囲である。従って、透光部63の面積が小さくなると、相対的にパターン膜62に照射される面積が増すことになる。即ち、パターン膜62に対する照射量が大きくなる。
これに比べ、遮光部材3を設けることで、照射範囲を小さく調整し、透光部63の形成範囲が小さくなっても、パターン膜62に照射される面積が増すことを防止することができる。即ち、パターン膜62に対する照射量が大きくなることを防止することができる。照射範囲は、透光部63の形成範囲を含み、且つパターン膜62への照射面積が小さくなるように調整されることが好ましい。
なお、図14を参照して上述したように、ホモジナイザーが備えるレンズアレイを構成する各レンズにより分割されたレーザー光は、互いに交差する個別の光路を進行する。そのため、ホモジナイザーの後方の各部において、これらの光路を遮光しようとすると、結像位置において、重ね合わされるレーザー光が部分的に欠けて光量分布が不均一化し、パワー密度を低下させることになる。これに対して、遮光部材3をホモジナイザーのレンズアレイの入射側に設けることで、レーザー光の光量分布の不均一化を防止でき、パワー密度の低下も防止できる。これにより、パワー密度を最大限に有効利用することができる。
更に、本発明では、光学系に照射される照射範囲を必要最低限に抑えることができるので、フォトマスク6の基材61を初めとする光学部品の劣化を抑えることができ、それらの寿命を長くすることもできる。
以上の説明では、横方向調整用の1対のシリンドリカルレンズアレイ41、42の光路下流側に縦方向調整用の1対のシリンドリカルレンズアレイ43、44を設ける場合について示したが、縦方向調整用の1対のシリンドリカルレンズの光路下流側に横方向調整用の1対のシリンドリカルレンズを設けてもよい。
以上の説明では、遮光部材3、3’を用いて、フォトマスク6に対するレーザー光の照射範囲を縦横両方向に調整する場合について主に示したが、照射範囲の調整を横方向のみとする場合は遮光部材3’を省略することができ、縦方向のみとする場合は遮光部材3を省略することができる。
(ホモジナイザー光学系の他の実施形態)
以上の説明では、ホモジナイザー光学系4に用いるレンズアレイとしてシリンドリカルレンズを用いる場合について示したが、これに限定されるものではない。種々のレンズアレイに対して、該レンズアレイを構成する各レンズを透過するレーザー光の幅を狭くするように遮光部材を組み合わせることができる。レンズアレイとして例えばフライアイレンズを用いることも好ましいことである。フライアイレンズを構成する各レンズは、レーザー光を縦横両方向に分割可能である。そのため、上述したシリンドリカルレンズアレイの場合のように縦方向調整用、横方向調整用のものを個別に用意する必要がない。以下に、図7を参照して、ホモジナイザー光学系4のレンズアレイとしてフライアイレンズを用いる実施形態について詳しく説明する。
図7に示すように、1対のフライアイレンズ45、46のうち光路上流側に配置されるフライアイレンズ45の入射側に、遮光部材3を設ける。遮光部材3には、上述したシリンドリカルレンズアレイの各レンズに対応するスリットに代えて、フライアイレンズの各レンズに対応する透孔32が設けられている。
遮光部材3に設けられる透孔32の大きさ、配置については、前記したスリット31と同様に、前記フォトマスク6のパターン形状に対応して形成することで、フォトマスク6に到達するレーザー光を適切な照射範囲に調整することができる。透孔32の幅、開口位置等については、スリット31についてした説明を援用することができる。
(第2の実施形態)
次に、図8〜図10を参照して、第2の実施形態について詳しく説明する。第2の実施形態において、レーザー加工機は、前記フォトマスクに対するレーザー光の照射範囲を該フォトマスクのパターン形状に対応して調整するように、レーザー光の一部を遮光する遮光部材を、前記ホモジナイザー光学系を構成する前記各レンズアレイの入射側に一体的に備える。
図8はレンズアレイとしてシリンドリカルレンズアレイを使用する場合、図9はレンズアレイとしてフライアイレンズを使用する場合をそれぞれ示している。
図8及び図9において、シリンドリカルレンズアレイ41、43、及びフライアイレンズ45は、レンズ自体に遮光部材を設けるものである。即ち、各レンズの一部を被覆するように遮光部材として誘電体多層膜ミラー33、34を設けている。
具体的には図示のごとく横方向調整用のシリンドリカルレンズ41の縦方向のレンズ長手方向端部、縦方向調整用のシリンドリカルレンズ43の横方向の長手方向端部のそれぞれに誘電体多層膜ミラー33を蒸着等適宜手段で形成している。
また、フライアイレンズ45のレンズ自体の凸レンズ端部から誘電体多層膜ミラー34を形成している。
この誘電体多層膜ミラーが形成された部分は、レーザー光を実質的に全反射して透過させることがないため、遮光部材として機能させることができる。従って、レーザー光の照射範囲を狭くすることができる。
この誘電体多層膜ミラーで遮光部材を形成した場合には、レーザー光は実質的に全反射されるため、レンズアレイ自体の発熱を防止でき、前述の冷却機構が不要となる。
また、例えば第1の実施形態で示したようにレンズアレイとは別体として遮光部材を設ける場合においても、該遮光部材に誘電体多層膜ミラーを形成しても良いことは言うまでも無い。
以上に説明したレンズアレイは、一般的なレンズアレイをそのまま用いているが、これに限るものではない。例えば、図10に示すように、シリンドリカルレンズアレイのレンズ部48を部分的に切断除去した後、除去された部分と同じ幅の遮光部材(遮光接続体)35を介してレンズ部48を接続して一体化する構成としても良い。このように構成することで、レンズアレイの入射側に一体的に遮光部材3を形成することができる。
(その他の実施形態)
フォトマスクに対するレーザー光の照射範囲の調整は、遮光部材3を設けていないレーザー加工機に対して遮光部材3を設けることによって行うことができる。更に、フォトマスクに対するレーザー光の照射範囲の調整は、レーザー加工機に設けられた遮光部材3のスリット又は透孔の形成位置や幅を変更することによって行うことができる。また更に、フォトマスクに対するレーザー光の照射範囲の調整は、スリット又は透孔の形成位置や幅が異なる複数の遮光部材3を複数種用意しておき、これらを交換することによって行うことができる。
フォトマスクに対するレーザー光の照射範囲の調整に際して、特に上述した第1の実施形態では、例えば、遮光部材のみを調整または交換し、レンズアレイを継続して使用する方法を好適に用いることができる。また、特に上述した第2の実施形態では、例えば、遮光部材と共にレンズアレイを交換する方法を好適に用いることができる。
フォトマスクに対するレーザー光の照射範囲は、使用するフォトマスクに併せて調整することができる。フォトマスクをマスクパターンが異なる他のものに交換する際に、新たなフォトマスクに併せてレーザー光の照射範囲を調整することが好ましい。
以上に説明したレーザー加工機において、レーザー発振器、遮光部材、ホモジナイザー光学系、フォトマスク、対物レンズ以外の構成は、適宜省略してもよい。また、以上の説明では、ホモジナイザー光学系がコンデンサレンズを備える場合について示したが、該光学系を構成するレンズアレイがコンデンサレンズの機能を併せ持つ場合などは、コンデンサレンズは適宜省略してもよい。
(インクジェットヘッドの製造方法)
以上に説明した本発明は、インクジェットヘッド用のノズルプレートを加工する際に特に好適に用いることができる。本発明のインクジェットヘッドの製造方法は、被加工物であるノズルプレート91にレーザー光を転写して、少なくとも1つのノズル、好ましくは図5に示したように複数のノズル92を貫通形成する工程を有する。
ノズルプレート91の材質は、レーザー光により容易にアブレーション可能なものが好ましく用いられ、例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリサルフォン等の樹脂を好ましく用いることができる。
図11に示すように、複数のノズル92が形成されたノズルプレート91は、各ノズル92に対応する複数のインク室102が形成されたアクチュエータ基板101の前端面101aに接着され、これによりインクジェットヘッド103が製造される。アクチュエータ基板101は、ここではインク室102の側壁をせん断変形させることによりインク室102内の容積を変化させ、そのとき発生する圧力によってインク室102内のインクをインク滴としてノズル92から吐出するものを例示しているが、インク室102内のインクをノズル92からインク滴として射出可能であればいかなる構造であってもよい。
本発明によれば、ノズルプレート91のノズル形成部位に選択的にレーザー光を照射するように該レーザー光にマスクパターンを付与するフォトマスクの温度上昇を抑え、併せてレーザー加工の際のレーザー光のパワー密度を低下させることなく、加工精度も維持できる。そのため、得られるインクジェットヘッドにおけるノズルからのインク滴の射出精度を向上できる効果が得られる。更に、複数のノズルを均一の条件で形成できるため、複数のノズルの射出角度曲りの標準偏差を小さくできる効果も得られる。
以上の説明では、被加工物としてノズルプレートを例示したが、被加工物はこれに限定されない。本発明は、マスク投影方式により被加工物に微細レーザー加工を行う際に好ましく適用することができる。
以上説明した各々の形態は、本発明の思想を阻害しない範囲で、組み合わせが可能である。
以下に、本発明の実施例について述べるが、本発明はかかる実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
KrFのエキシマレーザーを使用し、ポリイミド樹脂からなるノズルプレート91に複数のノズル92を形成するレーザー加工において、遮光部材3の有無によるフォトマスクの温度上昇を測定した結果を図12に示す。
この図12からわかるように、遮光部材3がある場合は、遮光部材3がない場合に比べ大幅に温度上昇を抑えることができた。
なお、図12において、遮光部材無しは約30℃、遮光部材有りは約10℃の幅で細かい温度変動を生じている。これは、複数のノズルプレート91の加工を断続的に連続して処理を行ったときに、レーザー光の照射が断続するからで、この断続時の前後でフォトマスクの温度の上下が生じるからである。
また、上述により製作したノズルプレート91を使用して図13に示すごとく、ノズル92からインク滴a1を射出させる射出実験を行った。
このとき、ノズル92の中心軸からインク滴a1の飛翔方向を射出角度b1として測定し、ノズル中心軸からの曲がりを測定し、標準偏差を求めた。ここでいう標準偏差は、まず1ヘッド毎に設けられた1000のノズルの各射出角度b1の標準偏差を算出し、その算出した値を3000ヘッドで単純平均した値である。
遮光部材無しの場合に比べ、遮光部材有りの本発明により、加工製品であるノズルプレートに形成されたノズルの射出角度曲りの標準偏差が10%小さくなり、射出角度曲がりの発生が抑制された。このことから、加工精度が改善されたことがわかる。
2:レーザー光源
20:レーザー発振器
21:アッテネーター
22:テレスコープ
3、3’:遮光部材
30、30’:遮光板
31、31’:スリット
32:透孔
33、34:誘電体多層膜ミラー
35:遮光部材(遮光接続体)
4:ホモジナイザー光学系
41、42:横方向調整用のシリンドリカルレンズアレイ
43、44:縦方向調整用のシリンドリカルレンズアレイ
45、46:フライアイレンズ
47:コンデンサレンズ
48:レンズ部
5:フィールドレンズ
6:フォトマスク
61:基材
62:パターン膜
63:透光部
7:アパーチャー
8:対物レンズ
9:ステージ
91:ノズルプレート
92:ノズル
101:アクチュエータ基板
102:インク室
103:インクジェットヘッド

Claims (14)

  1. レーザー光を出射するレーザー発振器と、
    前記レーザー発振器から出射されたレーザー光の光量を均一化するための複数のレンズからなるレンズアレイを備えたホモジナイザー光学系と、
    前記ホモジナイザー光学系を透過したレーザー光をマスクするフォトマスクと、
    前記フォトマスクを透過したレーザー光を被加工物に転写するための対物レンズと、を備えたレーザー加工機において、
    前記フォトマスクに対するレーザー光の照射範囲を該フォトマスクのパターン形状に対応して調整するように、前記ホモジナイザー光学系を構成する前記レンズアレイの入射側に、前記レンズアレイのレンズ毎にレーザー光の一部を遮光する遮光部材を備えたことを特徴とするレーザー加工機。
  2. 前記ホモジナイザー光学系を構成する前記レンズアレイの入射側に、前記レンズアレイに対応するスリット、又は透孔を有する板体よりなる遮光部材を備えたことを特徴とする請求項1記載のレーザー加工機。
  3. レーザー光を出射するレーザー発振器と、
    前記レーザー発振器から出射されたレーザー光の光量を均一化するための複数のレンズからなるレンズアレイを備えたホモジナイザー光学系と、
    前記ホモジナイザー光学系を透過したレーザー光をマスクするフォトマスクと、
    前記フォトマスクを透過したレーザー光を被加工物に転写するための対物レンズと、を備えたレーザー加工機において、
    前記フォトマスクに対するレーザー光の照射範囲を該フォトマスクのパターン形状に対応して調整するように、前記ホモジナイザー光学系を構成する前記レンズアレイの入射側にレーザー光の一部を遮光する遮光部材を備え、
    前記ホモジナイザー光学系を構成する前記レンズアレイの入射側に、前記レンズアレイに対応するスリット、又は透孔を有する板体よりなる遮光部材を備えたことを特徴とするレーザー加工機。
  4. 前記遮光部材は、遮光性を有する板体に設けたスリットの幅、又は透孔の大きさを変更可能としたことを特徴とする請求項2又は3記載のレーザー加工機。
  5. 前記遮光部材は、前記レンズアレイの各光軸の中心部を開口することを特徴とする請求項1〜の何れか記載のレーザー加工機。
  6. 前記遮光部材は、前記レンズアレイの各光軸を中心に、同一位置をそれぞれ開口することを特徴とする請求項1〜の何れかに記載のレーザー加工機。
  7. レーザー光を出射するレーザー発振器と、
    前記レーザー発振器から出射されたレーザー光の光量を均一化するための複数のレンズからなるレンズアレイを備えたホモジナイザー光学系と、
    前記ホモジナイザー光学系を透過したレーザー光をマスクするフォトマスクと、
    前記フォトマスクを透過したレーザー光を被加工物に転写するための対物レンズと、を備えたレーザー加工機において、
    前記フォトマスクに対するレーザー光の照射範囲を該フォトマスクのパターン形状に対応して調整するように、前記ホモジナイザー光学系を構成する前記レンズアレイの入射側にレーザー光の一部を遮光する遮光部材を備え、
    前記遮光部材は、遮光性を有する板体に設けたスリットの幅、又は透孔の大きさを変更可能としたことを特徴とするレーザー加工機。
  8. レーザー光を出射するレーザー発振器と、
    前記レーザー発振器から出射されたレーザー光の光量を均一化するための複数のレンズからなるレンズアレイを備えたホモジナイザー光学系と、
    前記ホモジナイザー光学系を透過したレーザー光をマスクするフォトマスクと、
    前記フォトマスクを透過したレーザー光を被加工物に転写するための対物レンズと、を備えたレーザー加工機において、
    前記フォトマスクに対するレーザー光の照射範囲を該フォトマスクのパターン形状に対応して調整するように、前記ホモジナイザー光学系を構成する前記レンズアレイの入射側にレーザー光の一部を遮光する遮光部材を備え、
    前記遮光部材は、前記レンズアレイの各光軸の中心部を開口することを特徴とするレーザー加工機。
  9. レーザー光を出射するレーザー発振器と、
    前記レーザー発振器から出射されたレーザー光の光量を均一化するための複数のレンズからなるレンズアレイを備えたホモジナイザー光学系と、
    前記ホモジナイザー光学系を透過したレーザー光をマスクするフォトマスクと、
    前記フォトマスクを透過したレーザー光を被加工物に転写するための対物レンズと、を備えたレーザー加工機において、
    前記フォトマスクに対するレーザー光の照射範囲を該フォトマスクのパターン形状に対応して調整するように、レーザー光の一部を遮光する遮光部材を、前記ホモジナイザー光学系を構成する前記各レンズアレイの入射側に一体的に備えたことを特徴とするレーザー加工機。
  10. 前記遮光部材として、誘電体多層膜ミラーを使用し、レーザー光を反射させることで遮光させ、レーザー光の一部を遮光することを特徴とする請求項1〜の何れか記載のレーザー加工機。
  11. レーザー光を出射するレーザー発振器と、
    前記レーザー発振器から出射されたレーザー光の光量を均一化するための複数のレンズからなるレンズアレイを備えたホモジナイザー光学系と、
    前記ホモジナイザー光学系を透過したレーザー光をマスクするフォトマスクと、
    前記フォトマスクを透過したレーザー光を被加工物に転写するための対物レンズと、を備えたレーザー加工機において、
    前記フォトマスクに対するレーザー光の照射範囲を該フォトマスクのパターン形状に対応して調整するように、前記ホモジナイザー光学系を構成する前記レンズアレイの入射側にレーザー光の一部を遮光する遮光部材を備え、
    前記遮光部材として、誘電体多層膜ミラーを使用し、レーザー光を反射させることで遮光させ、レーザー光の一部を遮光することを特徴とするレーザー加工機。
  12. レーザー発振器から出射されたレーザー光の光量を、複数のレンズからなるレンズアレイを備えたホモジナイザー光学系により均一化し、
    前記ホモジナイザー光学系を透過したレーザー光をフォトマスクによりマスクし、
    前記フォトマスクを透過したレーザー光を対物レンズにより被加工物に転写するレーザー加工方法において、
    請求項1〜11の何れかに記載のレーザー加工機を用いて、前記ホモジナイザー光学系を構成する前記レンズアレイに入射するレーザー光の一部を遮光することで前記フォトマスクに照射するレーザー光の照射範囲を調整することを特徴とするレーザー加工方法。
  13. インク滴を射出するための少なくとも1つのノズルを有するノズルプレートを備えたインクジェットヘッドの製造方法において、
    請求項1〜11の何れかに記載のレーザー加工機を用いて前記被加工物であるノズルプレートにレーザー光を転写して少なくとも1つのノズルを貫通形成する工程を有することを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  14. インク滴を射出するための少なくとも1つのノズルを有するノズルプレートを備えたインクジェットヘッドの製造方法において、
    請求項12記載のレーザー加工方法を用いて前記被加工物であるノズルプレートにレーザー光を転写して少なくとも1つのノズルを貫通形成する工程を有することを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
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