JP2004188494A - 内面溝付管の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱交換器などに使用される内面溝付管を高品質に高速度で製造する。
【解決手段】 フローティングプラグ2と溝付プラグ3を用いた内面溝付管1aの製造方法において、(1)フローティングプラグ2と取付ピン頭部4bとの接触面の少なくとも一方を粗面とし、または/および溝付プラグ3と取付ピン頭部4bとの接触面の少なくとも一方を粗面とし、前記粗面に潤滑油を保持させる、(2)フローティングプラグ2と取付ピン頭部4bの間、または/および溝付プラグ3と取付ピン頭部4bの間にディスク6を介在させる、(3)ディスク6のスラスト面の少なくとも1面を粗面とし、前記粗面に潤滑油を保持させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱交換器などに使用される内面溝付管を高品質に高速度で製造する方法に関する。
近年の環境問題やエネルギー問題を背景に、熱交換器の小型化および高効率化が希求され、それに伴い熱交換器の中枢である内面溝付管の伝熱特性の向上が重要課題となり、内面溝の形状について種々の提案がなされてきた。螺旋溝の深さを深くし、かつフィン(螺旋溝間の凸部)頂角がシャープな内面溝付管の例がある(例えば特許文献1)。
特開平8−21696号公報
また、螺旋溝の軸方向角度を最大45°と大きくした内面溝付管の例がある(例えば特許文献2)。
特開平2001−241877号公報
一方、大型設備の回転部の接触摩擦抵抗をベアリングを用いて低減する例がある(例えば特許文献3、4参照)。
実公昭62−39856号公報 特開平10−288222号公報
内面溝付管の加工方法に関して、管外側から電磁石を用いて溝付プラグの位置を安定させ、フローティングダイス部を取り除くことにより、引抜荷重を低減して製造性を容易にする例がある(例えば特許文献5)。
特開昭54−39353号公報
一方、内面溝付管1aの製造は、図11(イ)に示すように、引抜加工する素管1の上流側内部に中空のフローティングプラグ2を配し、また素管1の下流側内部に中空の溝付プラグ3を配し、溝付プラグ3が位置する素管1の外面に自転し公転するボール10を押圧しつつ、素管1を下流方向(矢印方向)に引抜き、素管1の内面に溝付プラグ3外周面の螺旋溝3cを転造することにより行われている。
前記ボール10は、素管1の回りを公転する加工ヘッド11内に配され、前記ボール10の引抜方向への移動はストッパ12により防止されている。ストッパ12はベアリング13を介して支持されており、ボール10の回転がストッパ12により妨げられないようになっている。
ここで、前記フローティングプラグ2および溝付プラグ3は、プラグロッド5の両端にそれぞれ固定された取付ピン4の軸部4aに、それらの中空部2a、3aをそれぞれ外挿して回転自在に軸支され、かつ前記取付ピン4の頭部4bに接触してその抜け出しが防止されている。
前記フローティングプラグおよび溝付プラグには、引抜加工中に図11(ロ)に示す矢印方向に引張荷重Pが掛かる。そのため各プラグ2、3と各取付ピン頭部4bとが強く接触して、両プラグ2、3は回転が妨げられる。その結果、転造される内面溝の形状が悪化したり、場合によっては引抜加工中に素管1が破断したりする。
図11(ハ)は溝付プラグ部分の分解説明図であり、溝付プラグ3は、その中空部3aを取付ピン軸部4aに外挿され、取付ピン4の雄ねじ部分4eはプラグロッド5の雌ねじ部分5aに螺合される。
引抜加工時の溝付プラグ3の回転速度は、引抜速度が速いほど、螺旋溝3cの軸方向に対する傾斜角が大きいほど増加し、その結果、取付ピン頭部4bの影響を受け易くなる。このため前記特許文献2に開示された難加工性内面溝付管などは高速度で引抜加工することが困難であり生産性が劣るという問題があった。
また、回転部の接触摩擦抵抗を低減するためベアリングを内面溝付管の製造に用いる場合、ベアリング径は極めて小径のものとなり、各プラグと各取付ピン間にかかる40〜80kgfの荷重に耐えられず、従ってベアリングを用いる方法は本発明には適用できない。
一方、管外側から電磁石を用いて溝付プラグの位置を安定させようとする場合、溝付プラグが管の軸方向に応力を受けため位置を安定させることができない。そのため溝付プラグが管の軸方向に振動することになり、所望の内面溝が精度良く加工できないという問題があった。
本発明は、難加工性の内面溝付管を高品質にかつ高速度で製造することを目的とする。
請求項1記載発明は、引抜加工する素管の上流側内部に中空のフローティングプラグを配し、前記フローティングプラグはプラグロッドの一端に固定された取付ピンの軸部にその中空部を外挿して回転自在に軸支され、かつ前記取付ピンの頭部に接触してその抜け出しが防止されており、前記フローティングプラグが位置する素管外方にダイスを配して、前記フローティングプラグとの間で素管を減面加工するとともに前記プラグロッドの引抜方向の位置を固定し、また前記素管の下流側内部に中空の溝付プラグを配し、前記溝付プラグは前記プラグロッドの他端に固定された取付ピンの軸部にその中空部を外挿して回転自在に軸支され、かつ前記頭部に接触してその抜け出しが防止されており、前記溝付プラグが位置する素管の外面に自転し公転するボールを押圧しつつ、前記素管を下流方向に引抜いて前記素管内面に溝を形成する内面溝付管の製造方法において、前記フローティングプラグと取付ピン頭部との接触面の少なくとも一方を粗面とし、または/および前記溝付プラグと取付ピン頭部との接触面の少なくとも一方を粗面とし、前記粗面に潤滑油を保持させることを特徴とする内面溝付管の製造方法である。
請求項2記載発明は、引抜加工する素管の上流側内部に中空のフローティングプラグを配し、前記フローティングプラグはプラグロッドの一端に固定された取付ピンの軸部にその中空部を外挿して回転自在に軸支され、かつ前記取付ピンの頭部に接触してその抜け出しが防止されており、前記フローティングプラグが位置する素管外方にダイスを配して、前記フローティングプラグとの間で素管を減面加工するとともに前記プラグロッドの引抜方向の位置を固定し、また前記素管の下流側内部に中空の溝付プラグを配し、前記溝付プラグは前記プラグロッドの他端に固定された取付ピンの軸部にその中空部を外挿して回転自在に軸支され、かつ前記頭部に接触してその抜け出しが防止されており、前記溝付プラグが位置する素管の外面に自転し公転するボールを押圧しつつ、前記素管を下流方向に引抜いて前記素管内面に溝を形成する内面溝付管の製造方法において、前記フローティングプラグと取付ピン頭部の間、または/および前記溝付プラグと取付ピン頭部の間にディスクを介在させることを特徴とする内面溝付管の製造方法である。
請求項3記載発明は、前記フローティングプラグと取付ピン頭部の間、または/および前記溝付プラグと取付ピン頭部の間に磁石からなるディスクを2枚介在させて、前記磁石の同極の面を向かい合わせに配置することを特徴とする請求項2記載の内面溝付管の製造方法である。
請求項4記載発明は、引抜加工する素管の上流側内部に中空のフローティングプラグを配し、前記フローティングプラグはプラグロッドの一端に固定された取付ピンの軸部にその中空部を外挿して回転自在に軸支され、かつ前記取付ピンの頭部に接触してその抜け出しが防止されており、前記フローティングプラグが位置する素管外方にダイスを配して、前記フローティングプラグとの間で素管を減面加工するとともに前記プラグロッドの引抜方向の位置を固定し、また前記素管の下流側内部に中空の溝付プラグを配し、前記溝付プラグは前記プラグロッドの他端に固定された取付ピンの軸部にその中空部を外挿して回転自在に軸支され、かつ前記頭部に接触してその抜け出しが防止されており、前記溝付プラグが位置する素管の外面に自転し公転するボールを押圧しつつ、前記素管を下流方向に引抜いて前記素管内面に溝を形成する内面溝付管の製造方法において、前記フローティングプラグと取付ピン頭部の間、または/および前記溝付プラグと取付ピン頭部の間にディスクを介在させ、前記ディスクのスラスト面の少なくとも一面を粗面とし、前記粗面に潤滑油を保持させることを特徴とする内面溝付管の製造方法である。
請求項5記載発明は、前記フローティングプラグと取付ピン頭部の間、または/および前記溝付プラグと取付ピン頭部の間に磁石からなるディスクを2枚介在させて、前記磁石の同極の面を向かい合わせに配置することを特徴とする請求項4記載の内面溝付管の製造方である。
請求項6記載発明は、引抜加工する素管の上流側内部に中空のフローティングプラグを配し、前記フローティングプラグはプラグロッドの一端に固定された取付ピンの軸部にその中空部を外挿して回転自在に軸支され、かつ前記取付ピンの頭部に接触してその抜け出しが防止されており、前記フローティングプラグが位置する素管外方にダイスを配して、前記フローティングプラグとの間で素管を減面加工するとともに前記プラグロッドの引抜方向の位置を固定し、また前記素管の下流側内部に中空の溝付プラグを配し、前記溝付プラグは前記プラグロッドの他端に固定された取付ピンの軸部にその中空部を外挿して回転自在に軸支され、かつ前記頭部に接触してその抜け出しが防止されており、前記溝付プラグが位置する素管の外面に自転し公転するボールを押圧しつつ、前記素管を下流方向に引抜いて前記素管内面に溝を形成する内面溝付管の製造方法において、前記フローティングプラグ中空部内面と取付ピン軸部表面の少なくとも一方を粗面とし、または/および前記溝付プラグ中空部内面と取付ピン軸部表面の少なくとも一方を粗面とし、前記粗面に潤滑油を保持させることを特徴とする内面溝付管の製造方法である。
請求項7記載発明は、前記フローティングプラグ中空部と取付ピン軸部の間、または/および前記溝付プラグ中空部と取付ピン軸部の間にカラーを遊嵌させることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の内面溝付管の製造方法である。
請求項8記載発明は、前記カラーの内面または/および外面を粗面とし、前記粗面に潤滑油を保持させることを特徴とする請求項7記載の内面溝付管の製造方法である。
請求項9記載発明は、前記粗面が、溝、凹凸または貫通穴を設けて形成されていることを特徴とする請求項1、4、5、6、8のいずれかに記載の内面溝付管の製造方法である。
本発明は、フローティングプラグと溝付プラグを用いる内面溝付管の製造方法において、前記各プラグと前記各プラグを取付けるための取付ピンとの間の接触摩擦抵抗を低減して前記各プラグが良好に回転するようにし、以て難加工性の内面溝付管を高品質にかつ高速度で製造できるようにしたものである。
以下に、本発明を図を参照して具体的に説明する。
なお、本発明を説明するための全図において、同一部材には同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
図1(イ)は本発明の第1の実施形態を示す全体説明図である。
即ち、本発明の内面溝付管の製造方法は、引抜加工する素管1の上流側内部に中空のフローティングプラグ2を配し、また素管1の下流側内部に中空の溝付プラグ3を配し、前記溝付プラグ3が位置する素管1の外面に自転し公転するボール10を押圧しつつ、素管1を下流方向(矢印方向)に引抜き、素管1内面に溝付プラグ3外周面の螺旋溝3cを転造して行われる。
ここで、前記フローティングプラグ2は、プラグロッド5の一端に固定された取付ピン4の軸部4aにその中空部2aを外挿して回転自在に軸支され、かつ取付ピン4の頭部4bに接触してその抜け出しが防止されており、フローティングプラグ2が位置する素管1外方にダイス9を配して、フローティングプラグ2との間で素管1を減面加工するとともにプラグロッド5の引抜方向の位置を固定する。また溝付プラグ3はプラグロッド5の他端に固定された取付ピン4の軸部4aにその中空部3aを外挿して回転自在に軸支される。
図1(ロ)は溝付プラグ部分の分解説明図である。
溝付プラグ3の中空部3aを取付ピン4の軸部4aに外挿し、取付ピン4端部の雄ねじ部分4eをプラグロッド5の雌ねじ部分5aに螺合して溝付プラグ3を取付ピン4に回転自在に取付ける。溝付プラグ3は取付ピン頭部4bにより抜け出しが防止される。
図1(ハ)は溝付プラグ3の取付ピン頭部4bと接触する面(スラスト荷重を受ける摩擦面:以下スラスト面と略記)3bの正面図で、このスラスト面3bには屈曲溝8aが等間隔に4本形成されている。この屈曲溝8aに潤滑油を保持させることにより溝付プラグ3と取付ピン頭部4b間の接触摩擦抵抗が低減し、溝付プラグ3は引抜加工時に良好に回転する。
潤滑油は取付ピン頭部4bに設けた貫通孔4dから供給される。
潤滑油を保持する溝の形状は屈曲溝8aや湾曲溝などの方が直線溝より潤滑油を多く保持できて望ましい。
図2は本発明の第2の実施形態を示す取付ピン頭部の溝付プラグと接触するスラスト面の正面図である。
取付ピン頭部4bのスラスト面4cに微小な凹部8cが多数形成されている。この凹部8cに潤滑油を保持させることにより溝付プラグ3と取付ピン頭部4b間の接触摩擦抵抗が低減し、溝付プラグ3は引抜加工時に良好に回転する。
図1、2では溝付プラグ側について説明したが、フローティングプラグ側に前記手段を講じても同様の効果が得られる。
図3(イ)は本発明の第3の実施形態を示す各プラグ部分の側面図である。
プラグロッド5の一端に取付けられたフローティングプラグ2と取付ピン頭部4b間、およびプラグロッド5の他端に取付けられた溝付プラグ3と取付ピン頭部4b間にディスク6をそれぞれ1枚ずつ介在させて各プラグ2、3と各取付ピン頭部4bとの間の接触摩擦抵抗を低減させている。
図3(イ)ではフローティングプラグ側と溝付プラグ側の両側にディスクを介在させているが、どちらか一方にのみディスクを介在させても、接触摩擦抵抗を低減する効果は得られる。
図3(ロ)は溝付プラグ3部分の分解説明図で、ディスク6には取付ピン軸部4aを挿通するための穴6aが設けられている。
図3(ロ)では溝付プラグ側について説明したが、フローティングプラグ側も前記同様の手段を講じることができる。
図4は本発明の第4の実施形態を示す各プラグ部分の側面図である。
各プラグ2、3と各取付ピン頭部4b間にディスク6をそれぞれ2枚ずつ介在させて、ディスク6の前記効果を高めたものである。それ以外は前記第3の実施形態(図3イ)と同じである。
前記ディスク6はTiN、TiC、TiCN、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)などのセラミック製とするのが、耐摩耗性、潤滑性の点で望ましい。金属製ディスクの外面に前記セラミックスをコーティングしたものでも良い。
また、前記2枚のディスク6同士を磁石製とするのが、接触摩擦抵抗を低減する上で好ましい。これは磁石からなるディスクを、前記磁石の同極の面を向かい合わせに配置し、磁石の反発力にを利用することで、スラスト面の接触摩擦抵抗を低減することができる。磁石の反発力は強ければ強いほど摩擦を低減できる。また前記反発力を長時間得るために永久磁石を使用することが好ましい。
前記2枚のディスク6同士の接触面縁部に面取り加工或いはR加工を施しておくと、前記縁部に潤滑油が溜り、2枚のディスク6、6間へ潤滑油が供給され、両ディスク6、6の効果が増大する。
図4ではフローティングプラグ側と溝付プラグ側の両側に2枚ずつディスクを介在させているが、どちらか一方にのみ2枚のディスクを介在させ、もう一方はディスクを介在しないかあるいは1枚のディスクを介在させても、接触摩擦抵抗を低減する効果は得られる。
図5(イ)は本発明の第5の実施形態を示すディスクのスラスト面の正面図、(ロ)は(イ)のA−A断面図である。
この実施形態は、ディスク6のスラスト面6aに扇状に広がる凹部8dを設け、この凹部8dに潤滑油を保持させることにより、図3、4に示した各プラグ2、3と各取付ピン頭部4b間の接触摩擦抵抗を低減させたものである。
図6は本発明の第6の実施形態を示すディスクのスラスト面の正面図である。
この実施形態は、ディスク6のスラスト面6bに湾曲溝8bを設け、この湾曲溝8bに潤滑油を保持させることにより、図3、4に示した各プラグ2、3と各取付ピン頭部4b間の接触摩擦抵抗を低減させたものである。
なお、図5、6で用いるディスクはスラスト面を粗面とし、そこに潤滑油を保持させるので、表面潤滑性でなくても良い。
図7は本発明の第7の実施形態を示すフローティングプラグ部分の分解説明図である。
この実施形態は、フローティングプラグ2の中空部2aを外挿する取付ピン軸部4aの表面に引抜方向に平行な直線溝8eを多数設け、この直線溝8eに潤滑油を保持させることにより、フローティングプラグ2と取付ピン4間の接触摩擦抵抗を低減させたものである。図7で4dは潤滑油を供給するための取付ピン頭部4bに設けた貫通孔である。
図8は本発明の第8の実施形態を示すフローティングプラグ部分の分解説明図である。
この実施形態は、フローティングプラグ2の中空部2a内面に引抜方向に平行
な直線溝8eを設け、そこに潤滑油を保持させることにより、フローティングプラグ2と取付ピン4間の接触摩擦抵抗を低減させたものである。
図9(イ)は本発明の第9の実施形態を示すフローティングプラグ部分の斜視分解説明図、(ロ)はその組立図である。
この実施形態は、フローティングプラグ中空部2aと取付ピン軸部4a間にカラー7を遊嵌させて、フローティングプラグ中空部2aと取付ピン軸部4a間の接触摩擦抵抗を低減させたものである。
前記カラーは、TiN、TiC、TiCN、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)などのセラミック製とするのが、耐摩耗性、潤滑性の点で望ましい。金属製カラーに前記セラミックスをコーティングしても同様の効果が得られる。
図10は本発明の第10の実施形態を示すフローティングプラグ部分の斜視分解説明図である。
この実施形態では、前記カラー7の外面および内面に直線溝8eを設け、この直線溝8eに潤滑油を保持させることにより、フローティングプラグ中空部2aと取付ピン軸部4a間の接触摩擦抵抗を低減させたものである。
第7〜10の実施形態(図7〜10)ではフローティングプラグ2側について説明したが、溝付プラグ3側に前記手段を講じても同様の効果が得られる。
本発明において、各プラグ2、3と各取付ピン頭部4b間の接触摩擦抵抗を低減する手段に、各プラグ2、3と各取付ピン軸部4a間の接触摩擦抵抗を低減する手段を組合わせることにより、より良好な効果が得られる。
外径10mm、肉厚0.4mmのリン脱酸銅素管を第1〜11の実施形態(図1〜10)で示した方法により引抜加工して、内面溝の傾斜角度が45度の難加工性の内面溝付管を製造した。
引抜加工速度は20、40mm/min.の2通りに設定した。
溝付プラグには、外径8mm、溝数50、溝の軸方向に対する傾斜角度が45度、溝深さ0.26mm、フィン(溝間の凸部)頂角14度のものを用いた。
取付ピンには軸部直径が3mm、頭部直径が7mmのものを用いた。
溝付プラグの外面には直径10mmのボールを4個等間隔に配した。
磁石は住友特殊金属製のNEOMAX磁石を用いた。
前記第1の実施形態に第10の実施形態を組合わせた他は、実施例1と同じ方法により内面溝の傾斜角度が45度の難加工性の内面溝付管を製造した。
(比較例1)
図11(イ)、(ロ)に示した従来法により引抜加工した他は、実施例1と同じ方法により難加工性内面溝付管を製造した。
実施例1、2および比較例1における素管の引抜加工状況および引抜荷重を調べた。また得られた内面溝付管について溝形状を調べた。
表1に引抜条件を、表2に結果を示す。
Figure 2004188494
Figure 2004188494
表2から明らかなように、実施例1(No.1〜11)では、各プラグと取付ピン頭部間または各プラグと取付ピン軸部間の接触摩擦抵抗が低減したので、引抜加工時に各プラグが良好に回転し、内面溝付管は破断することなく高品質に高速度で製造された。実施例2(No.12)では各プラグと、取付ピンの頭部間および軸部間の両方において接触摩擦抵抗が低減したので、極めて低い荷重で引抜加工ができた。
これに対し、従来方法では、各プラグと取付ピン間の接触摩擦抵抗が高く、20m/min.の比較的低い引抜速度でも素管が破断した。
前記実施例では、フローティングプラグと溝付プラグの両方に接触摩擦抵抗を低減させる手段を講じたが、どちらか一方に講じただけても効果が得られる。
また本発明によれば、難加工性溝付管以外の通常の内面溝付管の製造に用いても高品質化、引抜加工の高速化、引抜荷重の低減などが図れる。
本発明の内面溝付管の製造方法の第1の実施形態を示す(イ)は全体説明図、(ロ)は溝付プラグ部分の分解説明図、(ハ)は溝付プラグのスラスト面の正面図である。 本発明の第2の実施形態を示すピン頭部のスラスト面の正面図である。 本発明の第3の実施形態を示す(イ)は各プラグ部分にディスクを取付けた状態の側面説明図、(ロ)は溝付プラグ部分の分解説明図である。 本発明の第4の実施形態を示す、フローティングプラグ部分と溝付プラグ部分にディスクを取付けた側面説明図である。 本発明の第5の実施形態を示す(イ)はディスクのスラスト面の正面図、(ロ)は(イ)のA−A断面図である。 本発明の第6の実施形態を示すディスクのスラスト面の正面図である。 本発明の第7の実施形態を示すフローティングプラグ部分の斜視分解説明図である。 本発明の第8の実施形態を示すフローティングプラグ部分の斜視分解説明図である。 本発明の第9の実施形態を示す(イ)はフローティングプラグ部分の斜視分解説明図、(ロ)はその組立図である。 本発明の第10の実施形態を示すフローティングプラグ部分の斜視分解説明図である。 従来の内面溝付管の製造方法を示す(イ)は全体説明図、(ロ)は各プラグ部分の説明図、(ハ)は溝付プラグ部分の分解説明図である。
符号の説明
1 素管
1a 内面溝付管
2 フローティングプラグ
2a フローティングプラグの中空部
2b フローティングプラグのスラスト面
3 溝付プラグ
3a 溝付プラグの中空部
3b 溝付プラグのスラスト面
3c 溝付プラグに形成された螺旋溝
4 取付ピン
4a 取付ピンの軸部
4b 取付ピンの頭部
4c 取付ピン頭部のスラスト面
4d 取付ピン頭部に設けた潤滑油供給用貫通孔
4e 取付ピンの雄ねじ部分
5 プラグロッド
5a プラグロッドの雌ねじ部分
6 ディスク
6a 取付ピン軸部を挿通するための穴
6b ディスクのスラスト面
7 カラー
8a 潤滑油を保持するための屈曲溝
8b 潤滑油を保持するための湾曲溝
8c 潤滑油を保持するための微小な凹部
8d 潤滑油を保持するための扇状に広がる凹部
8e 潤滑油を保持するための軸方向に並行な直線溝
9 ダイス
10 ボール
11 加工ヘッド
12 ストッパ
13 ベアリング

Claims (9)

  1. 引抜加工する素管の上流側内部に中空のフローティングプラグを配し、前記フローティングプラグはプラグロッドの一端に固定された取付ピンの軸部にその中空部を外挿して回転自在に軸支され、かつ前記取付ピンの頭部に接触してその抜け出しが防止されており、前記フローティングプラグが位置する素管外方にダイスを配して、前記フローティングプラグとの間で素管を減面加工するとともに前記プラグロッドの引抜方向の位置を固定し、また前記素管の下流側内部に中空の溝付プラグを配し、前記溝付プラグは前記プラグロッドの他端に固定された取付ピンの軸部にその中空部を外挿して回転自在に軸支され、かつ前記頭部に接触してその抜け出しが防止されており、前記溝付プラグが位置する素管の外面に自転し公転するボールを押圧しつつ、前記素管を下流方向に引抜いて前記素管内面に溝を形成する内面溝付管の製造方法において、前記フローティングプラグと取付ピン頭部との接触面の少なくとも一方を粗面とし、または/および前記溝付プラグと取付ピン頭部との接触面の少なくとも一方を粗面とし、前記粗面に潤滑油を保持させることを特徴とする内面溝付管の製造方法。
  2. 引抜加工する素管の上流側内部に中空のフローティングプラグを配し、前記フローティングプラグはプラグロッドの一端に固定された取付ピンの軸部にその中空部を外挿して回転自在に軸支され、かつ前記取付ピンの頭部に接触してその抜け出しが防止されており、前記フローティングプラグが位置する素管外方にダイスを配して、前記フローティングプラグとの間で素管を減面加工するとともに前記プラグロッドの引抜方向の位置を固定し、また前記素管の下流側内部に中空の溝付プラグを配し、前記溝付プラグは前記プラグロッドの他端に固定された取付ピンの軸部にその中空部を外挿して回転自在に軸支され、かつ前記頭部に接触してその抜け出しが防止されており、前記溝付プラグが位置する素管の外面に自転し公転するボールを押圧しつつ、前記素管を下流方向に引抜いて前記素管内面に溝を形成する内面溝付管の製造方法において、前記フローティングプラグと取付ピン頭部の間、または/および前記溝付プラグと取付ピン頭部の間にディスクを介在させることを特徴とする内面溝付管の製造方法。
  3. 前記フローティングプラグと取付ピン頭部の間、または/および前記溝付プラグと取付ピン頭部の間に磁石からなるディスクを2枚介在させて、前記磁石の同極の面を向かい合わせに配置することを特徴とする請求項2記載の内面溝付管の製造方法。
  4. 引抜加工する素管の上流側内部に中空のフローティングプラグを配し、前記フローティングプラグはプラグロッドの一端に固定された取付ピンの軸部にその中空部を外挿して回転自在に軸支され、かつ前記取付ピンの頭部に接触してその抜け出しが防止されており、前記フローティングプラグが位置する素管外方にダイスを配して、前記フローティングプラグとの間で素管を減面加工するとともに前記プラグロッドの引抜方向の位置を固定し、また前記素管の下流側内部に中空の溝付プラグを配し、前記溝付プラグは前記プラグロッドの他端に固定された取付ピンの軸部にその中空部を外挿して回転自在に軸支され、かつ前記頭部に接触してその抜け出しが防止されており、前記溝付プラグが位置する素管の外面に自転し公転するボールを押圧しつつ、前記素管を下流方向に引抜いて前記素管内面に溝を形成する内面溝付管の製造方法において、前記フローティングプラグと取付ピン頭部の間、または/および前記溝付プラグと取付ピン頭部の間にディスクを介在させ、前記ディスクのスラスト面の少なくとも一面を粗面とし、前記粗面に潤滑油を保持させることを特徴とする内面溝付管の製造方法。
  5. 前記フローティングプラグと取付ピン頭部の間、または/および前記溝付プラグと取付ピン頭部の間に磁石からなるディスクを2枚介在させて、前記磁石の同極の面を向かい合わせに配置することを特徴とする請求項4記載の内面溝付管の製造方法。
  6. 引抜加工する素管の上流側内部に中空のフローティングプラグを配し、前記フローティングプラグはプラグロッドの一端に固定された取付ピンの軸部にその中空部を外挿して回転自在に軸支され、かつ前記取付ピンの頭部に接触してその抜け出しが防止されており、前記フローティングプラグが位置する素管外方にダイスを配して、前記フローティングプラグとの間で素管を減面加工するとともに前記プラグロッドの引抜方向の位置を固定し、また前記素管の下流側内部に中空の溝付プラグを配し、前記溝付プラグは前記プラグロッドの他端に固定された取付ピンの軸部にその中空部を外挿して回転自在に軸支され、かつ前記頭部に接触してその抜け出しが防止されており、前記溝付プラグが位置する素管の外面に自転し公転するボールを押圧しつつ、前記素管を下流方向に引抜いて前記素管内面に溝を形成する内面溝付管の製造方法において、前記フローティングプラグ中空部内面と取付ピン軸部表面の少なくとも一方を粗面とし、または/および前記溝付プラグ中空部内面と取付ピン軸部表面の少なくとも一方を粗面とし、前記粗面に潤滑油を保持させることを特徴とする内面溝付管の製造方法。
  7. 前記フローティングプラグ中空部と取付ピン軸部の間、または/および前記溝付プラグ中空部と取付ピン軸部の間にカラーを遊嵌させることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の内面溝付管の製造方法。
  8. 前記カラーの内面または/および外面を粗面とし、前記粗面に潤滑油を保持させることを特徴とする請求項7記載の内面溝付管の製造方法。
  9. 前記粗面が、溝、凹凸または貫通穴を設けて形成されていることを特徴とする請求項1、4、5、6、8のいずれかに記載の内面溝付管の製造方法。
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