JP2004188494A - 内面溝付管の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 フローティングプラグ2と溝付プラグ3を用いた内面溝付管1aの製造方法において、(1)フローティングプラグ2と取付ピン頭部4bとの接触面の少なくとも一方を粗面とし、または/および溝付プラグ3と取付ピン頭部4bとの接触面の少なくとも一方を粗面とし、前記粗面に潤滑油を保持させる、(2)フローティングプラグ2と取付ピン頭部4bの間、または/および溝付プラグ3と取付ピン頭部4bの間にディスク6を介在させる、(3)ディスク6のスラスト面の少なくとも1面を粗面とし、前記粗面に潤滑油を保持させる。
【選択図】図1
Description
図11(ハ)は溝付プラグ部分の分解説明図であり、溝付プラグ3は、その中空部3aを取付ピン軸部4aに外挿され、取付ピン4の雄ねじ部分4eはプラグロッド5の雌ねじ部分5aに螺合される。
なお、本発明を説明するための全図において、同一部材には同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
即ち、本発明の内面溝付管の製造方法は、引抜加工する素管1の上流側内部に中空のフローティングプラグ2を配し、また素管1の下流側内部に中空の溝付プラグ3を配し、前記溝付プラグ3が位置する素管1の外面に自転し公転するボール10を押圧しつつ、素管1を下流方向(矢印方向)に引抜き、素管1内面に溝付プラグ3外周面の螺旋溝3cを転造して行われる。
溝付プラグ3の中空部3aを取付ピン4の軸部4aに外挿し、取付ピン4端部の雄ねじ部分4eをプラグロッド5の雌ねじ部分5aに螺合して溝付プラグ3を取付ピン4に回転自在に取付ける。溝付プラグ3は取付ピン頭部4bにより抜け出しが防止される。
潤滑油は取付ピン頭部4bに設けた貫通孔4dから供給される。
潤滑油を保持する溝の形状は屈曲溝8aや湾曲溝などの方が直線溝より潤滑油を多く保持できて望ましい。
取付ピン頭部4bのスラスト面4cに微小な凹部8cが多数形成されている。この凹部8cに潤滑油を保持させることにより溝付プラグ3と取付ピン頭部4b間の接触摩擦抵抗が低減し、溝付プラグ3は引抜加工時に良好に回転する。
図1、2では溝付プラグ側について説明したが、フローティングプラグ側に前記手段を講じても同様の効果が得られる。
プラグロッド5の一端に取付けられたフローティングプラグ2と取付ピン頭部4b間、およびプラグロッド5の他端に取付けられた溝付プラグ3と取付ピン頭部4b間にディスク6をそれぞれ1枚ずつ介在させて各プラグ2、3と各取付ピン頭部4bとの間の接触摩擦抵抗を低減させている。
図3(イ)ではフローティングプラグ側と溝付プラグ側の両側にディスクを介在させているが、どちらか一方にのみディスクを介在させても、接触摩擦抵抗を低減する効果は得られる。
図3(ロ)は溝付プラグ3部分の分解説明図で、ディスク6には取付ピン軸部4aを挿通するための穴6aが設けられている。
図3(ロ)では溝付プラグ側について説明したが、フローティングプラグ側も前記同様の手段を講じることができる。
各プラグ2、3と各取付ピン頭部4b間にディスク6をそれぞれ2枚ずつ介在させて、ディスク6の前記効果を高めたものである。それ以外は前記第3の実施形態(図3イ)と同じである。
この実施形態は、ディスク6のスラスト面6aに扇状に広がる凹部8dを設け、この凹部8dに潤滑油を保持させることにより、図3、4に示した各プラグ2、3と各取付ピン頭部4b間の接触摩擦抵抗を低減させたものである。
この実施形態は、ディスク6のスラスト面6bに湾曲溝8bを設け、この湾曲溝8bに潤滑油を保持させることにより、図3、4に示した各プラグ2、3と各取付ピン頭部4b間の接触摩擦抵抗を低減させたものである。
なお、図5、6で用いるディスクはスラスト面を粗面とし、そこに潤滑油を保持させるので、表面潤滑性でなくても良い。
この実施形態は、フローティングプラグ2の中空部2aを外挿する取付ピン軸部4aの表面に引抜方向に平行な直線溝8eを多数設け、この直線溝8eに潤滑油を保持させることにより、フローティングプラグ2と取付ピン4間の接触摩擦抵抗を低減させたものである。図7で4dは潤滑油を供給するための取付ピン頭部4bに設けた貫通孔である。
この実施形態は、フローティングプラグ2の中空部2a内面に引抜方向に平行
な直線溝8eを設け、そこに潤滑油を保持させることにより、フローティングプラグ2と取付ピン4間の接触摩擦抵抗を低減させたものである。
この実施形態は、フローティングプラグ中空部2aと取付ピン軸部4a間にカラー7を遊嵌させて、フローティングプラグ中空部2aと取付ピン軸部4a間の接触摩擦抵抗を低減させたものである。
この実施形態では、前記カラー7の外面および内面に直線溝8eを設け、この直線溝8eに潤滑油を保持させることにより、フローティングプラグ中空部2aと取付ピン軸部4a間の接触摩擦抵抗を低減させたものである。
引抜加工速度は20、40mm/min.の2通りに設定した。
溝付プラグには、外径8mm、溝数50、溝の軸方向に対する傾斜角度が45度、溝深さ0.26mm、フィン(溝間の凸部)頂角14度のものを用いた。
取付ピンには軸部直径が3mm、頭部直径が7mmのものを用いた。
溝付プラグの外面には直径10mmのボールを4個等間隔に配した。
磁石は住友特殊金属製のNEOMAX磁石を用いた。
(比較例1)
表1に引抜条件を、表2に結果を示す。
これに対し、従来方法では、各プラグと取付ピン間の接触摩擦抵抗が高く、20m/min.の比較的低い引抜速度でも素管が破断した。
また本発明によれば、難加工性溝付管以外の通常の内面溝付管の製造に用いても高品質化、引抜加工の高速化、引抜荷重の低減などが図れる。
1a 内面溝付管
2 フローティングプラグ
2a フローティングプラグの中空部
2b フローティングプラグのスラスト面
3 溝付プラグ
3a 溝付プラグの中空部
3b 溝付プラグのスラスト面
3c 溝付プラグに形成された螺旋溝
4 取付ピン
4a 取付ピンの軸部
4b 取付ピンの頭部
4c 取付ピン頭部のスラスト面
4d 取付ピン頭部に設けた潤滑油供給用貫通孔
4e 取付ピンの雄ねじ部分
5 プラグロッド
5a プラグロッドの雌ねじ部分
6 ディスク
6a 取付ピン軸部を挿通するための穴
6b ディスクのスラスト面
7 カラー
8a 潤滑油を保持するための屈曲溝
8b 潤滑油を保持するための湾曲溝
8c 潤滑油を保持するための微小な凹部
8d 潤滑油を保持するための扇状に広がる凹部
8e 潤滑油を保持するための軸方向に並行な直線溝
9 ダイス
10 ボール
11 加工ヘッド
12 ストッパ
13 ベアリング
Claims (9)
- 引抜加工する素管の上流側内部に中空のフローティングプラグを配し、前記フローティングプラグはプラグロッドの一端に固定された取付ピンの軸部にその中空部を外挿して回転自在に軸支され、かつ前記取付ピンの頭部に接触してその抜け出しが防止されており、前記フローティングプラグが位置する素管外方にダイスを配して、前記フローティングプラグとの間で素管を減面加工するとともに前記プラグロッドの引抜方向の位置を固定し、また前記素管の下流側内部に中空の溝付プラグを配し、前記溝付プラグは前記プラグロッドの他端に固定された取付ピンの軸部にその中空部を外挿して回転自在に軸支され、かつ前記頭部に接触してその抜け出しが防止されており、前記溝付プラグが位置する素管の外面に自転し公転するボールを押圧しつつ、前記素管を下流方向に引抜いて前記素管内面に溝を形成する内面溝付管の製造方法において、前記フローティングプラグと取付ピン頭部との接触面の少なくとも一方を粗面とし、または/および前記溝付プラグと取付ピン頭部との接触面の少なくとも一方を粗面とし、前記粗面に潤滑油を保持させることを特徴とする内面溝付管の製造方法。
- 引抜加工する素管の上流側内部に中空のフローティングプラグを配し、前記フローティングプラグはプラグロッドの一端に固定された取付ピンの軸部にその中空部を外挿して回転自在に軸支され、かつ前記取付ピンの頭部に接触してその抜け出しが防止されており、前記フローティングプラグが位置する素管外方にダイスを配して、前記フローティングプラグとの間で素管を減面加工するとともに前記プラグロッドの引抜方向の位置を固定し、また前記素管の下流側内部に中空の溝付プラグを配し、前記溝付プラグは前記プラグロッドの他端に固定された取付ピンの軸部にその中空部を外挿して回転自在に軸支され、かつ前記頭部に接触してその抜け出しが防止されており、前記溝付プラグが位置する素管の外面に自転し公転するボールを押圧しつつ、前記素管を下流方向に引抜いて前記素管内面に溝を形成する内面溝付管の製造方法において、前記フローティングプラグと取付ピン頭部の間、または/および前記溝付プラグと取付ピン頭部の間にディスクを介在させることを特徴とする内面溝付管の製造方法。
- 前記フローティングプラグと取付ピン頭部の間、または/および前記溝付プラグと取付ピン頭部の間に磁石からなるディスクを2枚介在させて、前記磁石の同極の面を向かい合わせに配置することを特徴とする請求項2記載の内面溝付管の製造方法。
- 引抜加工する素管の上流側内部に中空のフローティングプラグを配し、前記フローティングプラグはプラグロッドの一端に固定された取付ピンの軸部にその中空部を外挿して回転自在に軸支され、かつ前記取付ピンの頭部に接触してその抜け出しが防止されており、前記フローティングプラグが位置する素管外方にダイスを配して、前記フローティングプラグとの間で素管を減面加工するとともに前記プラグロッドの引抜方向の位置を固定し、また前記素管の下流側内部に中空の溝付プラグを配し、前記溝付プラグは前記プラグロッドの他端に固定された取付ピンの軸部にその中空部を外挿して回転自在に軸支され、かつ前記頭部に接触してその抜け出しが防止されており、前記溝付プラグが位置する素管の外面に自転し公転するボールを押圧しつつ、前記素管を下流方向に引抜いて前記素管内面に溝を形成する内面溝付管の製造方法において、前記フローティングプラグと取付ピン頭部の間、または/および前記溝付プラグと取付ピン頭部の間にディスクを介在させ、前記ディスクのスラスト面の少なくとも一面を粗面とし、前記粗面に潤滑油を保持させることを特徴とする内面溝付管の製造方法。
- 前記フローティングプラグと取付ピン頭部の間、または/および前記溝付プラグと取付ピン頭部の間に磁石からなるディスクを2枚介在させて、前記磁石の同極の面を向かい合わせに配置することを特徴とする請求項4記載の内面溝付管の製造方法。
- 引抜加工する素管の上流側内部に中空のフローティングプラグを配し、前記フローティングプラグはプラグロッドの一端に固定された取付ピンの軸部にその中空部を外挿して回転自在に軸支され、かつ前記取付ピンの頭部に接触してその抜け出しが防止されており、前記フローティングプラグが位置する素管外方にダイスを配して、前記フローティングプラグとの間で素管を減面加工するとともに前記プラグロッドの引抜方向の位置を固定し、また前記素管の下流側内部に中空の溝付プラグを配し、前記溝付プラグは前記プラグロッドの他端に固定された取付ピンの軸部にその中空部を外挿して回転自在に軸支され、かつ前記頭部に接触してその抜け出しが防止されており、前記溝付プラグが位置する素管の外面に自転し公転するボールを押圧しつつ、前記素管を下流方向に引抜いて前記素管内面に溝を形成する内面溝付管の製造方法において、前記フローティングプラグ中空部内面と取付ピン軸部表面の少なくとも一方を粗面とし、または/および前記溝付プラグ中空部内面と取付ピン軸部表面の少なくとも一方を粗面とし、前記粗面に潤滑油を保持させることを特徴とする内面溝付管の製造方法。
- 前記フローティングプラグ中空部と取付ピン軸部の間、または/および前記溝付プラグ中空部と取付ピン軸部の間にカラーを遊嵌させることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の内面溝付管の製造方法。
- 前記カラーの内面または/および外面を粗面とし、前記粗面に潤滑油を保持させることを特徴とする請求項7記載の内面溝付管の製造方法。
- 前記粗面が、溝、凹凸または貫通穴を設けて形成されていることを特徴とする請求項1、4、5、6、8のいずれかに記載の内面溝付管の製造方法。
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