JPH0952127A - 内面溝付伝熱管の製造方法及びその装置 - Google Patents

内面溝付伝熱管の製造方法及びその装置

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JPH0952127A
JPH0952127A JP20721295A JP20721295A JPH0952127A JP H0952127 A JPH0952127 A JP H0952127A JP 20721295 A JP20721295 A JP 20721295A JP 20721295 A JP20721295 A JP 20721295A JP H0952127 A JPH0952127 A JP H0952127A
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tube
grooved
groove
metal tube
rolling
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JP20721295A
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English (en)
Inventor
Mamoru Ishikawa
守 石川
Akihiko Ishibashi
明彦 石橋
Nobuaki Hinako
伸明 日名子
Masataka Noguchi
昌孝 野口
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 内面溝の成形性に優れ、管の破断の抑制と高
速用引抜き加工が可能で、金属管内部の残留油分を大巾
に低減する内面溝付伝熱管の製造方法を提供する。 【解決手段】 先ず、銅管等の金属管7を保持ダイス4
と保持プラグ5により、縮径加工する。次に、金属管7
の外面に転接する転圧ロール1と、金属管7の内部に設
けられた複数個の樽型溝加工チップ3により、金属管7
の内面に溝を形成する。溝加工チップ3の軸心は転圧ロ
ール1の圧下中心より引抜き方向側に配置されており、
金属管7は溝加工チップ3により拡管されるように、転
圧ロール1及び溝加工チップ3の曲率半径を調整してい
る。更に、別の1組の転圧ロール8及び溝加工チップ1
0を持つ溝加工プラグ9が、この転圧ロール8の対向方
向を転圧ロール1の対向方向に対して直交させて配置さ
れることにより、金属管の内面の全域に溝を加工するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はルームエアコン等の熱交
換器に使用され、内面溝の成形性が優れていると共に、
管の破断が抑制され、高速の引抜き加工をすることがで
き、金属管内部の残留油分が大幅に低減された内面溝付
伝熱管の製造方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、ルームエアコン等の熱交換器
に使用される伝熱管の内面には、溝又は突条が成形され
ている。このような、金属管内面における複数の連続す
る溝を成形する代表的な手段として、転造加工法が公知
である(特公昭61−59806号)。この転造加工法
は、複数の転造ロールが、金属管の外面に接しながら円
周方向に遊星回転することにより、金属管を外側から押
圧し、その内部に配設された溝加工プラグにより、金属
管内面に溝を成形しながら引抜くものである。前記転造
加工法において、金属管の円周方向に溝の加工を進め
て、管軸方向に螺旋状に連続する溝を成形するために
は、金属管外面を1つの転造ロールが押圧し、次の転造
ロールが押圧するときに、その押圧領域に隙間が生じな
いように金属管を引抜く必要がある。即ち、転造ロール
の公転数に対して、引抜き速度を一定の比率以下に保つ
必要がある。従って、転造加工法によって金属管を製造
すると、管の引抜き速度は転造ロールの公転数に制約さ
れるため、従来の平滑管の引抜加工と比較して、その生
産性は約1/10以下となる。
【0003】そこで、金属管の生産性を向上させるため
に、金属管の外部に孔型(カリバー)ロールを使用する
方法が報告されている(特開昭58−86923号公
報)。孔型ロールは、金属管の外面と整合する形状の凹
みを有するように、その半径がその軸方向の中央で最も
小さくなるように軸方向に変化したロールである。この
1対の孔型ロールがその軸を金属管の軸方向に垂直にし
て配置され、回転可能に設けられている。金属管はその
先端を油圧等を利用した引抜き装置に握持されて引抜か
れる。この場合に、孔型ロールが金属管の外面に転接
し、金属管を外側から押圧することにより、前記転造加
工法と同様に、金属管内部に配設された溝加工プラグに
より金属管内面に溝を成形しながら金属管が引抜かれ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この孔
型ロールを使用する方法では、転動回転する孔型ロール
により金属管を押圧しながら金属管を引抜くので、転造
加工法と比較して溝加工プラグと金属管内面との接触面
積が極めて大きくなる。このため、転造加工法によるも
のと同程度の溝を成形する場合には、孔型ロールの圧下
荷重を大きくする必要がある。そうすると、溝加工プラ
グと金属管内面との摩擦抵抗が更に大きくなり、金属管
の引抜力も増加し、管の破断が生じ易くなる。更に、孔
型ロールの圧下荷重が大きいため、金属管の引抜き方向
に溝加工プラグが引き込まれる力が強くなり、保持ダイ
ス部の面圧が増加する。その結果、金属管の引抜き方向
と逆向きに張力が増加して、管の破断を助長すると共
に、保持ダイス部における保持プラグの食い込みによる
破断が生じやすくなるという問題点がある。つまり、深
い溝の加工、薄肉管への溝の加工及び高速引抜きが困難
である。
【0005】また、この製造方法において、引抜き装置
による金属管の引抜力の増加を抑制するために、孔型ロ
ールを金属管の引抜き速度と同等以上の周速度で、転接
点における周面が引き抜き方向に移動するように孔型ロ
ールを強制的に回転させる方法も提案されている。しか
しながら、この方法のみでは、溝加工プラグの引き込み
力を軽減する効果は不十分であり、金属管の引抜力の増
加を抑制する効果も軽微であるため、深い溝を成形する
ことが困難となる問題点もある。
【0006】この孔型ロールを使用する方法に限らず、
前記3つの従来技術においては、表面に金属管に平行又
はねじれた溝が設けられた円筒形状の溝付プラグを使用
しており、その前記溝付プラグの軸心と金属管のパスラ
インとを同一に配置して使用している。このため、金属
管の内面と溝付プラグの表面とは摩擦抵抗が大きい滑り
摩擦となり、溝付プラグの引込み力が大きくなることに
より金属管の引抜き力が増加し、深い溝の成形と高速引
抜きを阻害している。
【0007】更に、摩擦抵抗を軽減するために、金属管
の内部には高粘度の潤滑油が使用されているが、これが
溝を加工した後の金属管の内面に油膜となって残留す
る。通常の金属管の内面の油膜は、溝を形成した後の熱
処理により蒸発又は熱分解するが、例えばコイル状に巻
いた長尺の金属管の場合には、蒸発又は熱分解した潤滑
油分が金属管内から十分に排出されないため、熱処理後
の冷却過程で最凝集されて残留油分となる。この残留油
分は、油との相溶性が小さい冷媒を使用する冷凍機等の
熱交換器において、冷媒と油により固形分を形成して、
配管内で目詰まり等が生じるという問題点がある。
【0008】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、内面の溝の成形性が優れていると共に、管
の破断が抑制され、高速の引抜き加工をすることがで
き、管内部の残留油分が大幅に低減された内面溝付伝熱
管の製造方法及びその装置を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る内面溝付伝
熱管の製造方法は、管内の保持プラグ及び管外の保持ダ
イスにより前記金属管を縮径加工する第1工程と、前記
金属管の内部に前記保持プラグに連結されて保持された
溝加工プラグに回転自在に設けられた複数個の溝加工チ
ップを配置し、前記金属管の外面に転接する複数の転圧
ロールを回転駆動して前記金属管を前記溝加工チップに
押圧して管内面に溝を形成する第2工程と、を有するこ
とを特徴とする 本発明に係る内面溝付伝熱管の製造装置は、金属管の外
面に接する保持ダイスと、前記金属管の内部に配置され
前記保持ダイスと共に前記金属管を縮径加工する保持プ
ラグと、前記保持プラグに連結軸を介して連結された溝
加工プラグと、この溝加工プラグに回転自在に設けられ
た複数個の溝加工チップと、前記金属管の外面に転接し
回転駆動されて前記金属管を前記溝加工チップに向けて
押圧する複数個の転圧ロールと、を有することを特徴と
する この溝加工チップの軸心は、転圧ロールの圧下中心より
も引抜き方向側に偏移して配置され、溝加工チップの軸
心及び転圧ロールの中心を結ぶ線と、金属管の軸心に垂
直の線とがなす角αは0乃至5°であることが好まし
い。
【0010】また、転圧後の金属管の外径L1 は、対向
する2個の転圧ロールの圧下点間の長さL0 に対して、
その長さ比(L1/L0)が1.0乃至1.05とするこ
とが好ましい。
【0011】これらの溝加工チップが設けられた溝加工
プラグ及び転圧ロールは、その複数組を金属管の引抜き
方向に直列に配置することができる。
【0012】
【作用】本発明においては、溝加工プラグに、樽型の溝
加工チップをこの溝加工チップの回転軸を管軸方向に垂
直にして回転可能に取付け、この溝加工チップにより金
属管の内面に溝を転写する。これにより、この溝加工チ
ップと金属管内面とは従来の滑り摩擦と比較して抵抗が
少ない転がり摩擦となるので、金属管の引抜力が大幅に
低減され、熱分解性が優れた低粘度の潤滑油を少量使用
するだけで溝を成形することができ、金属管内部の残留
油分を大幅に低減することができる。更に、溝加工チッ
プと金属管内面は、管の円周方向に線接触状態となり、
従来と比較してはるかに小さい接触面積となるため、高
い面圧力が得られて、小さいロール圧下力で溝を成形す
ることができる。その結果、金属管の引抜力が大幅に低
減され、薄肉管への溝の加工が容易になると共に、従来
と同様の引抜き荷重においても、より深い溝が形成でき
る。
【0013】本発明装置においては、溝加工チップの回
転軸心が転圧ロールの圧下中心よりも引き抜き方向側に
偏移して配置されていることが好ましい。これは、溝加
工チップの回転軸心が転圧ロールの圧下中心よりも引抜
き方向と反対側に配置されていると、溝加工チップには
転圧ロールの圧下反力で、引抜き方向と反対側に押し戻
される力が働くため、溝加工チップを一定の位置に保持
することが困難となり、金属管の内面が溝加工チップに
圧迫する力が低下して、溝の成形性が低下するからであ
る。
【0014】一方、溝加工チップの回転軸心が転圧ロー
ルの圧下中心よりも引抜き方向に配置されていると、溝
加工チップには転圧ロールの圧下反力で引抜き方向側に
押し出される力が働くが、溝加工チップが設けられてい
る溝加工プラグは連結軸を介して保持ダイスに連結され
ており、保持ダイスは保持プラグにより保持されている
ため、金属管内面が溝加工チップに圧迫する力は一定に
保たれて、溝の成形性が安定する。この溝加工チップの
軸心と転圧ロールの中心との相対位置は、溝加工チップ
の軸心及び転圧ロールの中心を結ぶ線と、金属管の軸心
に垂直の線とがなす角度αで表す。
【0015】図3は、横軸に前記角度αをとり、縦軸に
引抜力及びプラグ圧下力をとって、溝加工チップと転圧
ロールとの相対位置と引抜力及びプラグ圧下力との関係
を示すグラフ図である。図3に示すように、金属管の引
抜力は角度αが0のとき最小値を示し、αの値が大きく
なるにつれて引抜力も増加する。つまり、溝加工チップ
の軸心と転圧ロールの圧下中心とが金属管に対して一致
しているとき、転圧ロールの溝加工チップに対する圧下
反力は最小であり、溝加工チップの軸心が金属管の引抜
き方向側に配置されるにつれて、圧下反力が増加する。
【0016】一方、転圧ロールの溝加工プラグへの圧下
力は、角度αが0のとき最大値となり、溝加工チップの
軸心が転圧ロールの圧下中心から離れて配置されるにつ
れて、圧下力は低下する。このように、角度αが0乃至
5°であれば引抜力の増加が少なく、転圧ロールの溝加
工プラグへの圧下力の低下もほとんど生じないため、良
好な溝の成形性が得られる。αが5°を超えると、圧下
反力の増加が著しくなり、金属管の引抜力が増加すると
共に、保持ダイス部で金属管の肉厚が減少して、溝の成
形性が悪化する。
【0017】従って、溝加工チップの軸心は、転圧ロー
ルの中心よりも引抜き方向側に偏移して配置され、溝加
工チップの軸心及び転圧ロールの中心を結ぶ線と、金属
管の軸心に垂直の線とがなす角αは0乃至5°であると
好ましい。
【0018】また、溝加工チップの軸心が転圧ロールの
中心よりも引抜き方向側に配置されていると、溝加工チ
ップを一定の位置に安定させるためには、転圧後の金属
管の外径L1 は対向配置されている2個の転圧ロールの
圧下点間の長さL0 よりも大きくなるように、溝加工チ
ップの外表面曲率半径を適切に設定する必要がある。こ
のため、金属管は溝加工チップにより拡管されながら溝
が形成されるため、例えば転圧ロールの直径を大きくし
た場合には拡管率が大きくなり、金属管を拡管する仕事
が付加されることにより、金属管の引抜力が増加する。
【0019】図4は、横軸に拡管率をとり、縦軸に引抜
力をとって、金属管の溝加工チップによる拡管率に対す
る金属管の引抜力の関係を示すグラフ図である。この拡
管率は、転圧後の金属管の外径L1 の、対向する2個の
転圧ロールの圧下点間の長さL0 に対する長さ比(L1
/L0)で表す。本発明方法において、拡管率(L1
0 )が5%、つまり、L1/L0が1.05以下の場合
は金属管の引抜力の増加が少なく、拡管率が5%を超え
ると引抜力の増加が顕著となり、溝の成形性が悪化す
る。
【0020】従って、転圧後の金属管の外径L1 は、対
向する2個の転圧ロールの圧下点間の長さL0 に対し
て、その長さ比(L1/L0)が1.0乃至1.05であ
ることが好ましい。
【0021】このように、本発明方法においては、溝加
工チップを使用することにより、引抜力を大幅に低減す
ることができるので、複数組の転圧ロール及び溝付プラ
グを引抜き方向側に直列に配置して、溝を成形すること
ができる。その結果、熱分解性が優れた低粘度の潤滑油
を少量使用するだけで金属管の内面の全域に深い溝が成
形でき、更に、溝加工チップの溝の形状を変化させるこ
とによって、複数種の交差した溝を有する伝熱管も製造
することができる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例について、添付の図面
を参照して具体的に説明する。
【0023】図1は、本発明の実施例に係る内面溝付伝
熱管の製造装置を示す正面断面図である。また、図2は
本実施例に係る内面溝付伝熱管の製造装置の一部を拡大
して示す模式図であり、(a)は正面断面図、(b)は
転圧ロールの側面図である。先ず、この内面溝付伝熱管
の製造装置の構成について説明する。図1に示すよう
に、加工される金属管(原管)7の外面に接するように
保持ダイス4が配置されており、この保持ダイス4と整
合する位置の金属管7の内部には、保持ダイス4と共に
金属管7を縮径加工する保持プラグ5が配置されてい
る。保持ダイス4の内面及び保持プラグ5の前部外面は
管引き抜き方向に縮径されており、保持プラグ5の後部
直径は保持ダイス4の最小内径より大きい。そして、こ
の保持プラグ5には連結軸6を介して溝加工プラグ2が
連結されており、この溝加工プラグ2に整合する金属管
7の外面位置には、転圧ロール1が配設されている。
【0024】図2(a)に示すように、転圧ロール1
は、例えば2個の転圧ロール1を上下にその圧下中心1
bが同一になるように対向配置されたものであり、溝加
工プラグ2には、樽型の溝加工チップ3がその回転軸を
管軸方向に垂直にして回転可能に設けられている。この
溝加工チップ3の回転軸心3aの位置は、転圧ロール1
の圧下中心1bよりも引抜き方向側に配置されている。
従って、これらの相対位置は、溝加工チップ3の軸心3
a及び転圧ロール1の中心1aを結ぶ線と、銅管の軸心
に垂直の線とがなす角度αを基準に定めることができ
る。また、金属管7は溝加工チップ3によって拡管され
ながらその内面に溝が形成されるため、転圧後の外径を
1 、対向する2個の転圧ロールの圧下点間の長さをL
0 とすると、その長さ比(L1/L0)を拡管率とするこ
とができる。
【0025】そして、図2(b)に示すように、転圧ロ
ール1は、金属管7の外面と整合するU字状の溝が加工
されたカリバーロールである。また、溝加工チップ3に
はその周面に金属管内面に転写すべき形状の溝が加工さ
れている。転圧ロール1は適宜の駆動手段により回転駆
動され、金属管7の外面に転接して金属管7に圧下力を
付与し、金属管7を若干縮径加工しつつ金属管7を溝加
工チップ3に向けて押圧する。これにより、金属管7の
内面には溝加工チップ3の溝形状が転写される。
【0026】更に、図1に示すように、金属管7の引抜
き方向の転圧ロール1の下流側には、溝加工チップ10
が設けられた溝加工プラグ9と2個の転圧ロール8と
が、この転圧ロール8の対向方向を転圧ロール1の対向
方向に対して直交させて配置されている。この転圧ロー
ル8と溝加工プラグ9とにより金属管7の内面におい
て、溝加工チップ3では形成できなかった部分にも溝加
工チップ10の溝形状が転写される。
【0027】次に、前記内面溝付伝熱管の製造装置の動
作について図1を参照して説明する。先ず、銅管等の金
属管(原管)7は、保持ダイス4と、この保持ダイス4
の中心部に配置された保持プラグ5により、縮径加工さ
れる。次いで、金属管7は回転駆動された転圧ロール1
により縮径加工されると共に、この転圧ロール1による
圧下力を受けて金属管7の内部の溝加工プラグ2に設け
られている溝加工チップ3に向けて押圧される。この溝
加工チップ3の回転軸心は転圧ロール1の圧下中心より
引抜き方向側に配置されているため、溝加工プラグ2は
転圧ロール1からの圧下反力で引抜き方向側に押し出さ
れる力が働くが、溝加工プラグ2は連結軸6を介して保
持プラグ5に連結されており、保持プラグ5は金属管7
の引抜きによる摩擦力と、保持プラグ4からの反力とに
より保持ダイス4の位置に静止しているので、溝加工プ
ラグ2も転圧ロール1に整合する位置に止まっている。
従って、回転駆動された転圧ロール1と溝加工チップ3
との共働作用により、金属管7の内面に溝が形成され
る。その後同様に、金属管7は、溝加工チップ3及び転
圧ロール1に対して夫々の対向方向が直交するように配
置されている溝加工チップ10を有する溝加工プラグ9
と転圧ロール8とにより、その内面全域に溝が形成され
る。
【0028】本実施例に係る内面溝付伝熱管の製造方法
においては、溝加工プラグ2及び9に複数個の樽型溝加
工チップ3及び10が回転自在に設けられているので、
金属管7の引抜き荷重が低減され、熱分解性が優れた低
粘度の潤滑油を少量使用するだけで深い溝を成形するこ
とができ、金属管内部の残留油分が大幅に低減できる。
【0029】次に、本実施例方法によって、下記表1に
示す加工条件により、外径が9.52mmで、その内面
に、深さが0.15mmの60本の管の長手方向に延び
る溝が形成された内面溝付伝熱管を製造して、その加工
性を評価した。加工性の評価方法は、本実施例方法によ
り製造した伝熱管及び従来の円筒形の溝加工プラグを有
する伝熱管について、使用する潤滑油の粘度を変化させ
て、引抜き加工中における溝の成形性、引抜き荷重及び
引抜き破断を評価すると共に、熱処理後の金属管内の残
留油分を測定したものである。
【0030】金属管(原管)7は外径が12.7mm、
肉厚が0.4mmの素材寸法である銅管を使用し、伝熱
管の製造装置は外表面の曲率半径が4.48mmで、1
5本の管の長手方向に延びる溝が形成された樽型の溝加
工チップ2個を1個の溝加工プラグ2に設け、転圧ロー
ル1は外径が80mmで、その外周面に曲率半径が4.
76mmのU字状の溝を有するものを使用した。そし
て、溝加工チップ3を設けた溝加工プラグ2及び転圧ロ
ール1と同様の形状の溝加工プラグ9及び転圧ロール8
を、夫々の対向方向が直交するように配置した。各溝加
工チップと転圧ロールとの相対位置は、角度αが2°で
あり、転圧ロール1による転圧後の金属管の外径L1
9.56mmであり、対向する2個の転圧ロール1の圧
下点間の長さL0 は9.52mmであるので、金属管7
の溝加工チップ3による拡管率は、1.005となっ
た。その後、同様に、金属管7は、溝加工チップ10を
有する溝加工プラグ9と転圧ロール8とにより、その内
面全域に溝が形成され、最後に縮径加工することにより
金属管7の外径を9.52mmとした。
【0031】比較例としては、本実施例と同一の転圧ロ
ール及び同一素材を使用して、溝加工プラグは円筒形状
で、その表面には深さが0.15mmの60本の管の長
手方向に延びる溝が形成されたものを使用し、実施例と
同様に評価した。これらの内面溝付伝熱管の評価結果を
下記表1に併せて示す。また、転圧ロールの回転速度
は、周速300m/minとした。
【0032】
【表1】
【0033】上記表1に示すように、実施例1及び2
は、潤滑油の粘度に関係なく優れた溝が形成できると共
に、その製造時において銅管に破断を生じることなく引
抜き加工を行うことができ、低粘度の潤滑油を使用した
実施例2においては、残留油分が少ない内面溝付伝熱管
を製造することができた。一方、比較例3及び4は、溝
の成形性が悪く、引抜き破断が生じやすい結果となっ
た。
【0034】次に、溝加工チップと転圧ロールとの相対
位置及び金属管の溝加工チップによる拡管率に対する加
工性を表1と同様の方法で評価した。この条件及び結果
を下記表2に示す。
【0035】
【表2】
【0036】上記表2に示すように、角度αが−5°、
即ち、溝加工チップの軸心が金属管の引抜き方向と反対
側に偏移して配置された比較例12においては、小さい
引抜き荷重で溝を成形することができるが、この溝の成
形性は劣るものであった。また、比較例12及び13
は、溝加工チップの軸心が金属管の引抜き方向側に偏移
して配置されているが、その相対位置が離れている。こ
のように、角度αが本発明の範囲から外れていると、引
抜き荷重が増加するか、又は溝の成形性が悪くなり、引
抜き破断が生じた。
【0037】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明方法によれ
ば、溝加工プラグに、複数の溝加工チップがその回転軸
を管軸方向に垂直にして回転可能に取り付けられている
ので、内面の溝の成形性が優れていると共に、管の破断
が抑制され、高速の引抜き加工をすることができ、高性
能で歩留まりが向上した内面溝付伝熱管を製造すること
ができる。この製造工程において、低粘度の潤滑油を使
用することができるので、洗浄工程が簡略化でき、金属
管内部の残留油分が大幅に低減する。また、溝加工チッ
プの位置及び拡管率を適切に調整し、これらの溝加工チ
ップと溝加工プラグとを複数組配置すると、更に一層溝
の加工性が良好となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る内面溝付伝熱管の製造装
置を示す正面断面図である。
【図2】本実施例に係る内面溝付伝熱管の製造装置の一
部を拡大して示す模式図である。
【図3】横軸に角度αをとり、縦軸に引抜力及びプラグ
圧下力をとって、溝加工チップと転圧ロールとの相対位
置と引抜力及びプラグ圧下力との関係を示すグラフ図で
ある。
【図4】横軸に拡管率をとり、縦軸に引抜力をとって、
金属管の溝加工チップによる拡管率と金属管の引抜力と
の関係を示すグラフ図である。
【符号の説明】
1、8;転圧ロール 1b;転圧ロールの圧下中心 2、9;溝加工プラグ 3、10;溝加工チップ 3a;溝加工チップの軸心 4;保持ダイス 5;保持プラグ 6;連結軸 7;金属管
フロントページの続き (72)発明者 野口 昌孝 神奈川県秦野市平沢65番地 株式会社神戸 製鋼所秦野工場内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属管の内面に溝を形成する内面溝付伝
    熱管の製造方法において、管内の保持プラグ及び管外の
    保持ダイスにより前記金属管を縮径加工する第1工程
    と、前記金属管の内部に前記保持プラグに連結されて保
    持された溝加工プラグに回転自在に設けられた複数個の
    溝加工チップを配置し、前記金属管の外面に転接する複
    数の転圧ロールを回転駆動して前記金属管を前記溝加工
    チップに押圧して管内面に溝を形成する第2工程と、を
    有することを特徴とする内面溝付伝熱管の製造方法。
  2. 【請求項2】 金属管の内面に溝を形成する内面溝付伝
    熱管の製造装置において、前記金属管の外面に接する保
    持ダイスと、前記金属管の内部に配置され前記保持ダイ
    スと共に前記金属管を縮径加工する保持プラグと、前記
    保持プラグに連結軸を介して連結された溝加工プラグ
    と、この溝加工プラグに回転自在に設けられた複数個の
    溝加工チップと、前記金属管の外面に転接し回転駆動さ
    れて前記金属管を前記溝加工チップに向けて押圧する複
    数個の転圧ロールと、を有することを特徴とする内面溝
    付伝熱管の製造装置。
  3. 【請求項3】 前記溝加工チップの軸心は、前記転圧ロ
    ールの圧下中心より引抜き方向側に偏移して配置され、
    前記溝加工チップの軸心及び前記転圧ロールの中心を結
    ぶ線と、前記金属管の軸心に垂直の線とがなす角αは0
    乃至5°であることを特徴とする請求項2に記載の内面
    溝付伝熱管の製造装置。
  4. 【請求項4】 転圧加工後の前記金属管の外径L1 は、
    対向する2個の転圧ロールの圧下点間の長さL0 に対し
    て、その長さ比(L1/L0)が1.0乃至1.05であ
    ることを特徴とする請求項2又は3に記載の内面溝付伝
    熱管の製造装置。
  5. 【請求項5】 前記溝加工チップが設けられた溝加工プ
    ラグ及び前記転圧ロールは、その複数組を金属管の引抜
    き方向に直列に配置することを特徴とする請求項2乃至
    4のいずれか1項に記載の内面溝付伝熱管の製造装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6834523B2 (en) * 2002-03-28 2004-12-28 Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho Method for producing seamless tube with grooved inner surface
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KR101235230B1 (ko) * 2011-06-07 2013-02-20 주식회사 씨엠테크 세미심리스 튜브의 제조방법
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