JP2004186633A - 平板状被処理物の処理装置および処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数のチャックピンを2組に分けて交互に基板の外周端から離すような基板の保持方法を具体的に簡単な構造で実現すること。
【解決手段】上下動可能なチャック開閉シャフト13と、水平方向に放射状に複数本設けられたチャックハンド20a〜20fと、このチャックハンド20a〜20fの各先端に設けられ、上端部に基板接触部22a〜22fを有するチャックピン21a〜21fと、前記チャック開閉シャフト13の上下動を前記チャックハンド20a〜20fの2種類の開閉動作に変換し、2組に分けられた前記チャックハンド20a〜20fの各組に伝達するチャック開閉プレート25とを具備し、チャック開閉プレート25は2種類の開閉動作を実現するため、屈曲状態が異なる2種類の長穴27a〜27fを上下方向に有する。
【選択図】 図1
【解決手段】上下動可能なチャック開閉シャフト13と、水平方向に放射状に複数本設けられたチャックハンド20a〜20fと、このチャックハンド20a〜20fの各先端に設けられ、上端部に基板接触部22a〜22fを有するチャックピン21a〜21fと、前記チャック開閉シャフト13の上下動を前記チャックハンド20a〜20fの2種類の開閉動作に変換し、2組に分けられた前記チャックハンド20a〜20fの各組に伝達するチャック開閉プレート25とを具備し、チャック開閉プレート25は2種類の開閉動作を実現するため、屈曲状態が異なる2種類の長穴27a〜27fを上下方向に有する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウェハ、液晶表示器用ガラス基板、記録媒体用ガラス基板、あるいはレンズなどの平板状の被処理物に対して薬液や純水等の液体を用いて加工処理あるいは洗浄処理を行い、さらには乾燥処理を施すような平板状被処理物の処理装置および処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開2001−321733号公報
【0003】
従来、この種の平板状被処理物の処理装置では、平板状被処理物(以下、基板と言う)の外周端複数個所を複数のピンで保持して前記基板を水平に保持している。
【0004】
しかしながら、このような基板保持方法では、ピンが邪魔となるので、基板の外周端のうちピンが当接する部分は良好に加工(エッチング)や洗浄ができず、乾燥も不充分となる問題点があった。
【0005】
この問題点を解決する方法として、特許文献1に開示されるような基板の保持方法がある。この保持方法は、基板の外周端複数個所を保持する複数のピンを2組に分けて、第1組のピンで基板の外周端を保持するときは、第2組のピンを基板の外周端から離し、第2組のピンで基板の外周端を保持するときは、第1組のピンを基板の外周端から離すというやり方である。
【0006】
このようにピンを2組に分けて交互に基板の外周端から離せば、ピンが離れているときにその部分の基板外周端を良好にエッチング、洗浄および乾燥できるから、エッチング工程、洗浄工程および乾燥工程を良好に行うことができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1は、上記のような方法を概略的に示すだけであり、上記のような方法を実現する具体的な装置の出現が待たれている。
【0008】
本発明は上記の点に鑑みなされたもので、複数のピンを2組に分けて交互に基板の外周端から離すような基板の保持方法を具体的に簡単な構造で実現した平板状被処理物の処理装置を提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明は、上記の平板状被処理物の処理装置を用いて、2組のピンを交互に基板の外周端から離すような基板の保持方法を実現してエッチングや洗浄、乾燥などの基板の処理を良好に行うことができる平板状被処理物の処理方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の平板状被処理物の処理装置は、上下方向に位置し、上下動可能なチャック開閉シャフトと、水平方向に放射状に複数本設けられ、外側および内側方向に移動可能(開閉可能)なチャックハンドと、このチャックハンドの各先端に上方に突出して設けられ、上端部には、被処理物の外周端を保持する被処理物接触部を備える複数のチャックピンと、前記チャック開閉シャフトの上下動を前記チャックハンドの2種類の開閉動作(外側および内側方向の動き)に変換して、2組に分けられた前記チャックハンドの各組に伝達するチャック開閉プレートとを具備することを特徴とする。
【0011】
より具体的な構成として、本発明の平板状被処理物の処理装置は、中空構造の回転軸を上下方向に備えたモータと、このモータの前記回転軸内に挿通されてモータの上下方向に突出し、上下動可能なチャック開閉シャフトと、このチャック開閉シャフトを上下動させるシャフト上下動機構と、前記チャック開閉シャフトの上端位置に設けられ、前記モータの回転軸に連結された支持体と、この支持体に保持されて水平方向に放射状に複数本設けられ、外側および内側方向に移動可能(開閉可能)なチャックハンドと、このチャックハンドの各先端に上方に突出して設けられ、上端部には、被処理物の外周端を保持する被処理物接触部を備える複数のチャックピンと、前記支持体内に設けられ、前記チャック開閉シャフトの上下動を前記チャックハンドの2種類の開閉動作(外側および内側方向の動き)に変換して、2組に分けられた前記チャックハンドの各組に伝達するチャック開閉プレートとを具備することを特徴とする。
【0012】
これら本発明の平板状被処理物の処理装置において、好ましい形態として、前記チャック開閉プレートは屈曲された長穴を上下方向に有し、この長穴に、チャックハンド後端のピンが係合され、チャック開閉シャフトの上下動に伴い屈曲された長穴が上下動することにより前記ピンを横方向に駆動し、一体にチャックハンドを開閉させ、長穴は、2組のチャックハンドの各々に対応して、屈曲状態が異なる2種類の長穴を有する。また、2組のチャックハンドは、チャック開閉シャフトの上下動に伴い、前記チャック開閉プレートの動作により、“開、開”、“開、閉”、“閉、開”、“閉、閉”の4通りの状態、あるいは、“開、開”、“開、閉”、“閉、開”の3通りの状態に操作される。さらに、チャックピン上端の前記被処理物接触部により外周端が保持されて水平に保持される平板状の被処理物の上面および下面に所定の処理液を噴出する噴出ノズルを更に設けて、前記被処理物に対して加工処理および洗浄処理を行い、さらには乾燥処理を施すようにする。さらに、チャックピン、チャックハンド、チャック開閉プレートおよびチャック開閉シャフトを導体で構成するとともに、チャック開閉シャフトに接触するブラシを設けてこのブラシを導体で構成し、被処理物接触部は絶縁体で構成し、さらに、この被処理物接触部と前記チャックピン、チャックハンド、チャック開閉プレート、チャック開閉シャフトおよびブラシを介して被処理物の電位を測定する電位計を備える。
【0013】
一方、本発明の平板状被処理物の処理方法は、上記のような平板状被処理物の処理装置を用いて、被処理物の処理中に、チャックハンドの一方の組みを開いて、この組みの被処理物接触部を被処理物の外周端から離し、次に前記一方の組みを閉じて、この組みの被処理物接触部で被処理物の外周端を保持したら、チャックハンドの他方の組みを開いて、この組みの被処理物接触部を被処理物の外周端から離すことを特徴とする。また、電位計を備えた上記平板状被処理物の処理装置を用いて、被処理物の処理中に前記電位計で被処理物の電位を測定することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に添付図面を参照して本発明による平板状被処理物の処理装置および処理方法の実施の形態を詳細に説明する。図1は図2のI−I線側断面図で、本発明による平板状被処理物の処理装置の実施の形態を示す側断面図である。図2は本発明による平板状被処理物の処理装置の実施の形態を上部から見た平面図である。図3は図1のIII−III線で断面した平面図である。図4はチャック開閉プレートの平面図である。図5は図4のV−V線側断面図である。図6は図4のVI−VI線側断面図である。図7は図4のVII−VII線断側面図である。図8(a)〜(d)は図1上部の動作を示す図である。
【0015】
これらの図、特に図1を参照して、11は固定台12上に固定されたモータで、中空構造の回転軸11aを上下方向に有する。その回転軸11aの中空部に挿通して、かつモータ11の上下方向に突出してチャック開閉シャフト13が設けられる。このチャック開閉シャフト13は、モータ11の回転軸11aの回転および停止に係わらず上下動させることができる。そして、チャック開閉シャフト13の下端は、このチャック開閉シャフト13を上下動させるシャフト上下動機構15にコネクタ14を介して連結される。コネクタ14は、連結以外に、チャック開閉シャフト13の回転をシャフト上下動機構15に伝達させない役目をする。また、チャック開閉シャフト13の下端部では、ブラシ16がチャック開閉シャフト13の下端部に接触する。そして、このブラシ16を介して電位計17にチャック開閉シャフト13の下端部が電気的に接続される。
【0016】
一方、チャック開閉シャフト13の上端位置には、中空状の支持体18が設けられる。この支持体18は、チャック開閉シャフト13外側の筒部19を介してモータ11の回転軸11aに固定される。そして、この支持体18の内部には、支持体18の下面部から貫通して前記チャック開閉シャフト13の上端側が上下動自在に挿入されている。
【0017】
支持体18の側面部には、複数本のチャックハンド20a〜20fが保持される。このチャックハンド20a〜20fは、図2および図3に示すように、水平方向に放射状に複数本(ここでは6本)一定間隔に設けられ、後端側が上述のように支持体18の側面部に保持される。このとき、チャックハンド20a〜20fは、外側方向および内側方向に移動可能に、すなわち開閉可能に、後端側が支持体18の側面部に保持されており、後端部は支持体18の内部に挿入される。一方、チャックハンド20a〜20fの各先端部には、上方に突出してチャックピン21a〜21fが固定され、このチャックピン21a〜21fの上端部には、基板24の外周端を保持する基板接触部(被処理物接触部)22a〜22fが設けられる。基板24は平板状被処理物であり、具体的には半導体ウェハや液晶表示器用ガラス基板などである。
【0018】
支持体18内には、該支持体18内に挿入されたチャック開閉シャフト13の上端に固定されて、このチャック開閉シャフト13と一体に上下動されるチャック開閉プレート25が設けられる。このチャック開閉プレート25には、図4ないし図7に示すように、各チャックハンド20a〜20fの後端側に対応して同数の垂直板26a〜26fが設けられる。そして、この垂直板26a〜26fには屈曲した長穴27a〜27fが上下方向に形成される。そして、図1、図3、図8に示すように、各長穴27a〜27fには、対応する各チャックハンド20a〜20fの後端部に設けられた各ピン23a〜23fが係合される。したがって、チャック開閉シャフト13と一体にチャック開閉プレート25が上下動し、一体に長穴27a〜27fが上下動すると、その長穴27a〜27fの屈曲状態に応じてピン23a〜23fが横方向に駆動され、一体にチャックハンド20a〜20f、チャックピン21a〜21fおよび基板接触部22a〜22fが外側方向および内側方向に移動される(すなわち、開閉される)。
【0019】
ここで、チャックハンド20a〜20fを1つ置きに2組に分ける。すなわち、図2および図3を参照して、第1、第3、第5のチャックハンド20a,20c,20eを第1組とし、第2、第4、第6のチャックハンド20b,20d,20fを第2組とする。そして、このようなチャックハンドの分け方に対応して、第1組のチャックハンド20a,20c,20eのピン23a,23c,23eが係合される長穴27a,27c,27eの屈曲状態と、第2組のチャックハンド20b,20d,20fのピン23b,23d,23fが係合される長穴27b,27d,27fの屈曲状態とが例えば図5ないし図7に示すように2種類に変えられる。図5ないし図7では、長穴27a,27c,27eが、上から下に向かって“外”、“内”、“外”、“内”に位置するように屈曲されるが、長穴27b,27d,27fは、上から下に向かって“外”、“内”に位置するだけに屈曲されている。
【0020】
このようにすると、長穴27a〜27fの屈曲状態が第1組のチャックハンド20a,20c,20eと第2組のチャックハンド20b,20d,20fで2種類に変えられたため、チャック開閉シャフト13が上下動し、一体にチャック開閉プレート25が上下動したときのチャックハンド20a〜20fの開閉状態が、第1組のチャックハンド20a,20c,20e(およびそれに設けられた第1組のチャックピン21a,21c,21eならびに基板接触部22a,22c,22f)と、第2組のチャックハンド20b,20d,20f(およびそれに設けられた第2組のチャックピン21b,21d,21fならびに基板接触部22b,22d,22f)とで異なるようになる。例えば長穴27a〜27fを図5に示すように屈曲させた場合、図8に示すように、チャック開閉シャフト13が上方向に動き、一体にチャック開閉プレート25が上方向(図8(d)から(a)方向)に動いたとき、第1組のチャックハンド20a,20c,20e(およびそれに設けられた第1組のチャックピン21a,21c,21eならびに基板接触部22a,22c,22e)は“開”→“閉”→“開”→“閉”と操作され、第2組のチャックハンド20b,20d,20f(およびそれに設けられた第2組のチャックピン21b,21d,21fならびに基板接触部22b,22d,22f)は“開”→“開”→“閉”→“閉”と操作される。すなわち、チャック開閉シャフト13およびチャック開閉プレート25の上下動に伴い、第1組のチャックハンド20a,20c,20e(およびそれに設けられた第1組のチャックピン21a,21c,21eならびに基板接触部22a,22c,22e)と、第2組のチャックハンド20b,20d,20f(およびそれに設けられた第2組のチャックピン21b,21d,21fならびに基板接触部22b,22d,22f)は、“開、開”、“閉、開”、“開、閉”、“閉、閉”の4通りに操作される。
【0021】
図1および図2に示す装置は、チャックピン21a〜21f上端の基板接触部22a〜22fで外周端が保持された基板24に対して加工処理、洗浄処理、および乾燥処理を施す装置である。そこで、図1に示すように、保持された基板24の上面および下面に所定の処理液を噴出する噴出ノズル28a,28bが更に上下斜め方向に設けられている。
【0022】
以上のような装置によって基板24に対して加工処理、洗浄処理、および乾燥処理を施す場合について次に説明する。その場合は、まず、シャフト上下動機構15でチャック開閉シャフト13を下降させ、一体にチャック開閉プレート25を図8(d)に示すように下降させることにより、チャックハンド20a〜20f、チャックピン21a〜21fおよび基板接触部22a〜22fを開状態(外側に移動した状態)とする。そして、その状態で、基板接触部22a〜22fの内側に基板24を位置決めする。その後、シャフト上下動機構15でチャック開閉シャフト13を上昇させ、一体にチャック開閉プレート25を図8(a)に示すように上昇させることにより、チャックハンド20a〜20fおよびチャックピン21a〜21fを閉状態(内側に移動した状態)とする。すると、チャックピン21a〜21f上端の基板接触部22a〜22fで基板24の外周端が保持されて、基板24が水平に保持される。この状態でモータ11を動作させる。すると、モータ11の回転軸11aと一体にチャック開閉シャフト13、筒部19、支持体18、チャックハンド20a〜20f、チャックピン21a〜21fおよび基板24が回転する。そして、基板24が回転している状態で、まず上方の噴出ノズル28aから基板24の上面にエッチング液を噴出させることにより、基板24のエッチング処理(加工処理)を行う。続いて、上下の噴出ノズル28a,28bから基板24の上下面に洗浄液を噴出させることにより、基板24の洗浄処理を行う。その後、噴出ノズル28a,28bからの洗浄液の噴出を停止して基板24を回転させることにより、基板24の乾燥処理を行う。このとき、基板24の上下面にホットエアーなどを吹きかけて乾燥効果を高めることもできる。
【0023】
このようにしてエッチング処理、洗浄処理、および乾燥処理が行われるが、各処理の最中に基板24の保持状態がさらに次のように制御される。すなわち、シャフト上下動機構15でチャック開閉シャフト13の上下動を制御して、チャック開閉プレート25の上下位置を交互に図8(b)、図8(c)の状態とする。すると、図8(b)の状態では、第2組のチャックハンド20b,20d,20fおよびそれに設けられた第2組のチャックピン21b,21d,21fが閉状態となって、第2組のチャックピン21b,21d,21f上端の基板接触部22b,22d,22fにより基板24の外周端が保持される一方、第1組のチャックハンド20a,20c,20eおよびそれに設けられた第1組のチャックピン21a,21c,21eが開状態になって、第1組のチャックピン21a,21c,21e上端の基板接触部22a,22c,22eが基板24の外周端から離れる。したがって、このとき、第1組の基板接触部22a,22c,22eが接触していた基板外周端部分を良好にエッチング、洗浄、および乾燥処理することができる。次に、図8(c)の状態になると、第1組のチャックハンド20a,20c,20eおよびそれに設けられた第1組のチャックピン21a,21c,21eが閉状態となって、第1組のチャックピン21a,21c,21e上端の基板接触部22a,22c,22eにより基板24の外周端が保持される一方、第2組のチャックハンド20b,20d,20fおよびそれに設けられた第2組のチャックピン21b,21d,21fが開状態になって、第2組のチャックピン21b,21d,21f上端の基板接触部22b,22d,22fが基板24の外周端から離れる。したがって、このとき、第2組の基板接触部22b,22d,22fが接触していた基板外周端部分を良好にエッチング、洗浄、および乾燥処理することができる。
【0024】
そして、乾燥後、シャフト上下動機構15によりチャック開閉シャフト13を下降させ、一体にチャック開閉プレート25を図8(d)に示すように下降させれば、第1組および第2組のチャックハンド20a〜20fおよびそれに設けられた第1組および第2組のチャックピン21a〜21fが全て開状態となり、全ての基板接触部22a〜22fが基板外周端から離れるため、基板24を取り出すことができる。
【0025】
このように、上記の本発明の装置によれば、2組に分けられたチャックピン21a〜21fおよびその上端の基板接触部22a〜22fを交互に基板外周端から離して基板全体を良好にエッチング、洗浄および乾燥処理できる。また、2組に分けられたチャックピン21a〜21fおよびその上端の基板接触部22a〜22fを交互に基板外周端から離すような基板の保持方法を具体的に簡単な構造で実現できる。
【0026】
また、上記の装置において、基板接触部22a〜22fは絶縁体で構成され、チャックピン21a〜21f、チャックハンド20a〜20f、チャック開閉プレート25、チャック開閉シャフト13およびブラシ16は導体で構成される。したがって、基板24の電位を基板接触部22a〜22f、チャックピン21a〜21f、チャックハンド20a〜20f、チャック開閉プレート25、チャック開閉シャフト13およびブラシ16を介して電位計17で測定できる。すなわち、この種の処理装置では、基板と処理液との摩擦により基板が帯電し、処理後の基板に雰囲気中の異物が付着しやすいという問題点がある。これに対して、上記の装置のように処理中の基板電位を測定可能となれば、例えば処理条件の最適化作業が容易になるとともに、処理中の基板帯電監視制御を構築することもできる。なお、基板接触部22a〜22fは、基板の電位を放電させずに容量結合的に取り出すために絶縁体が使用されている。
【0027】
以上で本発明の処理装置および処理方法の実施の形態が詳細に説明された。この実施の形態では、チャック開閉シャフト13およびチャック開閉プレート25の上下動に伴い、第1組のチャックハンド20a,20c,20e(およびそれに設けられた第1組のチャックピン21a,21c,21eならびに基板接触部22a,22c,22e)と、第2組のチャックハンド20b,20d,20f(およびそれに設けられた第2組のチャックピン21b,21d,21fならびに基板接触部22b,22d,22f)が、“開、開”、“閉、開”、“開、閉”、“閉、閉”の4通りに操作されたが、長穴27a〜27fの屈曲状態を変えて、最低限必要な“開、開”、“閉、開”、“開、閉”の3通りに操作されるようにしてもよい。また、基板は一度には少なくとも3点で支持すればよいので、チャックピンを2組に分ける場合は、チャックピンは6本以上設けるようにすればよい。
【0028】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の平板状被処理物の処理装置および処理方法によれば、複数のピンを2組に分けて交互に基板の外周端から離すような基板の保持方法を具体的に簡単な構造で実現することができ、しかもそのような保持方法によって平板状被処理物の全体を良好に処理することができる。また、処理中の基板電位を測定することができるので、処理条件の最適化作業が容易になるとともに、処理中の基板帯電監視制御を構築することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2のI−I線側断面図で、本発明による平板状被処理物の処理装置の実施の形態を示す側断面図。
【図2】本発明による平板状被処理物の処理装置の実施の形態を上部から見た平面図。
【図3】図1のIII−III線で断面した平面図。
【図4】チャック開閉プレートの平面図。
【図5】図4のV−V線側断面図。
【図6】図4のVI−VI線側断面図。
【図7】図4のVII−VII線断側面図。
【図8】図1上部の動作を示す図である。
【符号の説明】
11 モータ
11a 回転軸
13 チャック開閉シャフト
15 シャフト上下動機構
16 ブラシ
17 電位計
18 支持体
20a〜20f チャックハンド
21a〜21f チャックピン
22a〜22f 基板接触部
23a〜23f ピン
24 基板
25 チャック開閉プレート
27a〜27f 長穴
28a,28b 噴出ノズル
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウェハ、液晶表示器用ガラス基板、記録媒体用ガラス基板、あるいはレンズなどの平板状の被処理物に対して薬液や純水等の液体を用いて加工処理あるいは洗浄処理を行い、さらには乾燥処理を施すような平板状被処理物の処理装置および処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開2001−321733号公報
【0003】
従来、この種の平板状被処理物の処理装置では、平板状被処理物(以下、基板と言う)の外周端複数個所を複数のピンで保持して前記基板を水平に保持している。
【0004】
しかしながら、このような基板保持方法では、ピンが邪魔となるので、基板の外周端のうちピンが当接する部分は良好に加工(エッチング)や洗浄ができず、乾燥も不充分となる問題点があった。
【0005】
この問題点を解決する方法として、特許文献1に開示されるような基板の保持方法がある。この保持方法は、基板の外周端複数個所を保持する複数のピンを2組に分けて、第1組のピンで基板の外周端を保持するときは、第2組のピンを基板の外周端から離し、第2組のピンで基板の外周端を保持するときは、第1組のピンを基板の外周端から離すというやり方である。
【0006】
このようにピンを2組に分けて交互に基板の外周端から離せば、ピンが離れているときにその部分の基板外周端を良好にエッチング、洗浄および乾燥できるから、エッチング工程、洗浄工程および乾燥工程を良好に行うことができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1は、上記のような方法を概略的に示すだけであり、上記のような方法を実現する具体的な装置の出現が待たれている。
【0008】
本発明は上記の点に鑑みなされたもので、複数のピンを2組に分けて交互に基板の外周端から離すような基板の保持方法を具体的に簡単な構造で実現した平板状被処理物の処理装置を提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明は、上記の平板状被処理物の処理装置を用いて、2組のピンを交互に基板の外周端から離すような基板の保持方法を実現してエッチングや洗浄、乾燥などの基板の処理を良好に行うことができる平板状被処理物の処理方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の平板状被処理物の処理装置は、上下方向に位置し、上下動可能なチャック開閉シャフトと、水平方向に放射状に複数本設けられ、外側および内側方向に移動可能(開閉可能)なチャックハンドと、このチャックハンドの各先端に上方に突出して設けられ、上端部には、被処理物の外周端を保持する被処理物接触部を備える複数のチャックピンと、前記チャック開閉シャフトの上下動を前記チャックハンドの2種類の開閉動作(外側および内側方向の動き)に変換して、2組に分けられた前記チャックハンドの各組に伝達するチャック開閉プレートとを具備することを特徴とする。
【0011】
より具体的な構成として、本発明の平板状被処理物の処理装置は、中空構造の回転軸を上下方向に備えたモータと、このモータの前記回転軸内に挿通されてモータの上下方向に突出し、上下動可能なチャック開閉シャフトと、このチャック開閉シャフトを上下動させるシャフト上下動機構と、前記チャック開閉シャフトの上端位置に設けられ、前記モータの回転軸に連結された支持体と、この支持体に保持されて水平方向に放射状に複数本設けられ、外側および内側方向に移動可能(開閉可能)なチャックハンドと、このチャックハンドの各先端に上方に突出して設けられ、上端部には、被処理物の外周端を保持する被処理物接触部を備える複数のチャックピンと、前記支持体内に設けられ、前記チャック開閉シャフトの上下動を前記チャックハンドの2種類の開閉動作(外側および内側方向の動き)に変換して、2組に分けられた前記チャックハンドの各組に伝達するチャック開閉プレートとを具備することを特徴とする。
【0012】
これら本発明の平板状被処理物の処理装置において、好ましい形態として、前記チャック開閉プレートは屈曲された長穴を上下方向に有し、この長穴に、チャックハンド後端のピンが係合され、チャック開閉シャフトの上下動に伴い屈曲された長穴が上下動することにより前記ピンを横方向に駆動し、一体にチャックハンドを開閉させ、長穴は、2組のチャックハンドの各々に対応して、屈曲状態が異なる2種類の長穴を有する。また、2組のチャックハンドは、チャック開閉シャフトの上下動に伴い、前記チャック開閉プレートの動作により、“開、開”、“開、閉”、“閉、開”、“閉、閉”の4通りの状態、あるいは、“開、開”、“開、閉”、“閉、開”の3通りの状態に操作される。さらに、チャックピン上端の前記被処理物接触部により外周端が保持されて水平に保持される平板状の被処理物の上面および下面に所定の処理液を噴出する噴出ノズルを更に設けて、前記被処理物に対して加工処理および洗浄処理を行い、さらには乾燥処理を施すようにする。さらに、チャックピン、チャックハンド、チャック開閉プレートおよびチャック開閉シャフトを導体で構成するとともに、チャック開閉シャフトに接触するブラシを設けてこのブラシを導体で構成し、被処理物接触部は絶縁体で構成し、さらに、この被処理物接触部と前記チャックピン、チャックハンド、チャック開閉プレート、チャック開閉シャフトおよびブラシを介して被処理物の電位を測定する電位計を備える。
【0013】
一方、本発明の平板状被処理物の処理方法は、上記のような平板状被処理物の処理装置を用いて、被処理物の処理中に、チャックハンドの一方の組みを開いて、この組みの被処理物接触部を被処理物の外周端から離し、次に前記一方の組みを閉じて、この組みの被処理物接触部で被処理物の外周端を保持したら、チャックハンドの他方の組みを開いて、この組みの被処理物接触部を被処理物の外周端から離すことを特徴とする。また、電位計を備えた上記平板状被処理物の処理装置を用いて、被処理物の処理中に前記電位計で被処理物の電位を測定することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に添付図面を参照して本発明による平板状被処理物の処理装置および処理方法の実施の形態を詳細に説明する。図1は図2のI−I線側断面図で、本発明による平板状被処理物の処理装置の実施の形態を示す側断面図である。図2は本発明による平板状被処理物の処理装置の実施の形態を上部から見た平面図である。図3は図1のIII−III線で断面した平面図である。図4はチャック開閉プレートの平面図である。図5は図4のV−V線側断面図である。図6は図4のVI−VI線側断面図である。図7は図4のVII−VII線断側面図である。図8(a)〜(d)は図1上部の動作を示す図である。
【0015】
これらの図、特に図1を参照して、11は固定台12上に固定されたモータで、中空構造の回転軸11aを上下方向に有する。その回転軸11aの中空部に挿通して、かつモータ11の上下方向に突出してチャック開閉シャフト13が設けられる。このチャック開閉シャフト13は、モータ11の回転軸11aの回転および停止に係わらず上下動させることができる。そして、チャック開閉シャフト13の下端は、このチャック開閉シャフト13を上下動させるシャフト上下動機構15にコネクタ14を介して連結される。コネクタ14は、連結以外に、チャック開閉シャフト13の回転をシャフト上下動機構15に伝達させない役目をする。また、チャック開閉シャフト13の下端部では、ブラシ16がチャック開閉シャフト13の下端部に接触する。そして、このブラシ16を介して電位計17にチャック開閉シャフト13の下端部が電気的に接続される。
【0016】
一方、チャック開閉シャフト13の上端位置には、中空状の支持体18が設けられる。この支持体18は、チャック開閉シャフト13外側の筒部19を介してモータ11の回転軸11aに固定される。そして、この支持体18の内部には、支持体18の下面部から貫通して前記チャック開閉シャフト13の上端側が上下動自在に挿入されている。
【0017】
支持体18の側面部には、複数本のチャックハンド20a〜20fが保持される。このチャックハンド20a〜20fは、図2および図3に示すように、水平方向に放射状に複数本(ここでは6本)一定間隔に設けられ、後端側が上述のように支持体18の側面部に保持される。このとき、チャックハンド20a〜20fは、外側方向および内側方向に移動可能に、すなわち開閉可能に、後端側が支持体18の側面部に保持されており、後端部は支持体18の内部に挿入される。一方、チャックハンド20a〜20fの各先端部には、上方に突出してチャックピン21a〜21fが固定され、このチャックピン21a〜21fの上端部には、基板24の外周端を保持する基板接触部(被処理物接触部)22a〜22fが設けられる。基板24は平板状被処理物であり、具体的には半導体ウェハや液晶表示器用ガラス基板などである。
【0018】
支持体18内には、該支持体18内に挿入されたチャック開閉シャフト13の上端に固定されて、このチャック開閉シャフト13と一体に上下動されるチャック開閉プレート25が設けられる。このチャック開閉プレート25には、図4ないし図7に示すように、各チャックハンド20a〜20fの後端側に対応して同数の垂直板26a〜26fが設けられる。そして、この垂直板26a〜26fには屈曲した長穴27a〜27fが上下方向に形成される。そして、図1、図3、図8に示すように、各長穴27a〜27fには、対応する各チャックハンド20a〜20fの後端部に設けられた各ピン23a〜23fが係合される。したがって、チャック開閉シャフト13と一体にチャック開閉プレート25が上下動し、一体に長穴27a〜27fが上下動すると、その長穴27a〜27fの屈曲状態に応じてピン23a〜23fが横方向に駆動され、一体にチャックハンド20a〜20f、チャックピン21a〜21fおよび基板接触部22a〜22fが外側方向および内側方向に移動される(すなわち、開閉される)。
【0019】
ここで、チャックハンド20a〜20fを1つ置きに2組に分ける。すなわち、図2および図3を参照して、第1、第3、第5のチャックハンド20a,20c,20eを第1組とし、第2、第4、第6のチャックハンド20b,20d,20fを第2組とする。そして、このようなチャックハンドの分け方に対応して、第1組のチャックハンド20a,20c,20eのピン23a,23c,23eが係合される長穴27a,27c,27eの屈曲状態と、第2組のチャックハンド20b,20d,20fのピン23b,23d,23fが係合される長穴27b,27d,27fの屈曲状態とが例えば図5ないし図7に示すように2種類に変えられる。図5ないし図7では、長穴27a,27c,27eが、上から下に向かって“外”、“内”、“外”、“内”に位置するように屈曲されるが、長穴27b,27d,27fは、上から下に向かって“外”、“内”に位置するだけに屈曲されている。
【0020】
このようにすると、長穴27a〜27fの屈曲状態が第1組のチャックハンド20a,20c,20eと第2組のチャックハンド20b,20d,20fで2種類に変えられたため、チャック開閉シャフト13が上下動し、一体にチャック開閉プレート25が上下動したときのチャックハンド20a〜20fの開閉状態が、第1組のチャックハンド20a,20c,20e(およびそれに設けられた第1組のチャックピン21a,21c,21eならびに基板接触部22a,22c,22f)と、第2組のチャックハンド20b,20d,20f(およびそれに設けられた第2組のチャックピン21b,21d,21fならびに基板接触部22b,22d,22f)とで異なるようになる。例えば長穴27a〜27fを図5に示すように屈曲させた場合、図8に示すように、チャック開閉シャフト13が上方向に動き、一体にチャック開閉プレート25が上方向(図8(d)から(a)方向)に動いたとき、第1組のチャックハンド20a,20c,20e(およびそれに設けられた第1組のチャックピン21a,21c,21eならびに基板接触部22a,22c,22e)は“開”→“閉”→“開”→“閉”と操作され、第2組のチャックハンド20b,20d,20f(およびそれに設けられた第2組のチャックピン21b,21d,21fならびに基板接触部22b,22d,22f)は“開”→“開”→“閉”→“閉”と操作される。すなわち、チャック開閉シャフト13およびチャック開閉プレート25の上下動に伴い、第1組のチャックハンド20a,20c,20e(およびそれに設けられた第1組のチャックピン21a,21c,21eならびに基板接触部22a,22c,22e)と、第2組のチャックハンド20b,20d,20f(およびそれに設けられた第2組のチャックピン21b,21d,21fならびに基板接触部22b,22d,22f)は、“開、開”、“閉、開”、“開、閉”、“閉、閉”の4通りに操作される。
【0021】
図1および図2に示す装置は、チャックピン21a〜21f上端の基板接触部22a〜22fで外周端が保持された基板24に対して加工処理、洗浄処理、および乾燥処理を施す装置である。そこで、図1に示すように、保持された基板24の上面および下面に所定の処理液を噴出する噴出ノズル28a,28bが更に上下斜め方向に設けられている。
【0022】
以上のような装置によって基板24に対して加工処理、洗浄処理、および乾燥処理を施す場合について次に説明する。その場合は、まず、シャフト上下動機構15でチャック開閉シャフト13を下降させ、一体にチャック開閉プレート25を図8(d)に示すように下降させることにより、チャックハンド20a〜20f、チャックピン21a〜21fおよび基板接触部22a〜22fを開状態(外側に移動した状態)とする。そして、その状態で、基板接触部22a〜22fの内側に基板24を位置決めする。その後、シャフト上下動機構15でチャック開閉シャフト13を上昇させ、一体にチャック開閉プレート25を図8(a)に示すように上昇させることにより、チャックハンド20a〜20fおよびチャックピン21a〜21fを閉状態(内側に移動した状態)とする。すると、チャックピン21a〜21f上端の基板接触部22a〜22fで基板24の外周端が保持されて、基板24が水平に保持される。この状態でモータ11を動作させる。すると、モータ11の回転軸11aと一体にチャック開閉シャフト13、筒部19、支持体18、チャックハンド20a〜20f、チャックピン21a〜21fおよび基板24が回転する。そして、基板24が回転している状態で、まず上方の噴出ノズル28aから基板24の上面にエッチング液を噴出させることにより、基板24のエッチング処理(加工処理)を行う。続いて、上下の噴出ノズル28a,28bから基板24の上下面に洗浄液を噴出させることにより、基板24の洗浄処理を行う。その後、噴出ノズル28a,28bからの洗浄液の噴出を停止して基板24を回転させることにより、基板24の乾燥処理を行う。このとき、基板24の上下面にホットエアーなどを吹きかけて乾燥効果を高めることもできる。
【0023】
このようにしてエッチング処理、洗浄処理、および乾燥処理が行われるが、各処理の最中に基板24の保持状態がさらに次のように制御される。すなわち、シャフト上下動機構15でチャック開閉シャフト13の上下動を制御して、チャック開閉プレート25の上下位置を交互に図8(b)、図8(c)の状態とする。すると、図8(b)の状態では、第2組のチャックハンド20b,20d,20fおよびそれに設けられた第2組のチャックピン21b,21d,21fが閉状態となって、第2組のチャックピン21b,21d,21f上端の基板接触部22b,22d,22fにより基板24の外周端が保持される一方、第1組のチャックハンド20a,20c,20eおよびそれに設けられた第1組のチャックピン21a,21c,21eが開状態になって、第1組のチャックピン21a,21c,21e上端の基板接触部22a,22c,22eが基板24の外周端から離れる。したがって、このとき、第1組の基板接触部22a,22c,22eが接触していた基板外周端部分を良好にエッチング、洗浄、および乾燥処理することができる。次に、図8(c)の状態になると、第1組のチャックハンド20a,20c,20eおよびそれに設けられた第1組のチャックピン21a,21c,21eが閉状態となって、第1組のチャックピン21a,21c,21e上端の基板接触部22a,22c,22eにより基板24の外周端が保持される一方、第2組のチャックハンド20b,20d,20fおよびそれに設けられた第2組のチャックピン21b,21d,21fが開状態になって、第2組のチャックピン21b,21d,21f上端の基板接触部22b,22d,22fが基板24の外周端から離れる。したがって、このとき、第2組の基板接触部22b,22d,22fが接触していた基板外周端部分を良好にエッチング、洗浄、および乾燥処理することができる。
【0024】
そして、乾燥後、シャフト上下動機構15によりチャック開閉シャフト13を下降させ、一体にチャック開閉プレート25を図8(d)に示すように下降させれば、第1組および第2組のチャックハンド20a〜20fおよびそれに設けられた第1組および第2組のチャックピン21a〜21fが全て開状態となり、全ての基板接触部22a〜22fが基板外周端から離れるため、基板24を取り出すことができる。
【0025】
このように、上記の本発明の装置によれば、2組に分けられたチャックピン21a〜21fおよびその上端の基板接触部22a〜22fを交互に基板外周端から離して基板全体を良好にエッチング、洗浄および乾燥処理できる。また、2組に分けられたチャックピン21a〜21fおよびその上端の基板接触部22a〜22fを交互に基板外周端から離すような基板の保持方法を具体的に簡単な構造で実現できる。
【0026】
また、上記の装置において、基板接触部22a〜22fは絶縁体で構成され、チャックピン21a〜21f、チャックハンド20a〜20f、チャック開閉プレート25、チャック開閉シャフト13およびブラシ16は導体で構成される。したがって、基板24の電位を基板接触部22a〜22f、チャックピン21a〜21f、チャックハンド20a〜20f、チャック開閉プレート25、チャック開閉シャフト13およびブラシ16を介して電位計17で測定できる。すなわち、この種の処理装置では、基板と処理液との摩擦により基板が帯電し、処理後の基板に雰囲気中の異物が付着しやすいという問題点がある。これに対して、上記の装置のように処理中の基板電位を測定可能となれば、例えば処理条件の最適化作業が容易になるとともに、処理中の基板帯電監視制御を構築することもできる。なお、基板接触部22a〜22fは、基板の電位を放電させずに容量結合的に取り出すために絶縁体が使用されている。
【0027】
以上で本発明の処理装置および処理方法の実施の形態が詳細に説明された。この実施の形態では、チャック開閉シャフト13およびチャック開閉プレート25の上下動に伴い、第1組のチャックハンド20a,20c,20e(およびそれに設けられた第1組のチャックピン21a,21c,21eならびに基板接触部22a,22c,22e)と、第2組のチャックハンド20b,20d,20f(およびそれに設けられた第2組のチャックピン21b,21d,21fならびに基板接触部22b,22d,22f)が、“開、開”、“閉、開”、“開、閉”、“閉、閉”の4通りに操作されたが、長穴27a〜27fの屈曲状態を変えて、最低限必要な“開、開”、“閉、開”、“開、閉”の3通りに操作されるようにしてもよい。また、基板は一度には少なくとも3点で支持すればよいので、チャックピンを2組に分ける場合は、チャックピンは6本以上設けるようにすればよい。
【0028】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の平板状被処理物の処理装置および処理方法によれば、複数のピンを2組に分けて交互に基板の外周端から離すような基板の保持方法を具体的に簡単な構造で実現することができ、しかもそのような保持方法によって平板状被処理物の全体を良好に処理することができる。また、処理中の基板電位を測定することができるので、処理条件の最適化作業が容易になるとともに、処理中の基板帯電監視制御を構築することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2のI−I線側断面図で、本発明による平板状被処理物の処理装置の実施の形態を示す側断面図。
【図2】本発明による平板状被処理物の処理装置の実施の形態を上部から見た平面図。
【図3】図1のIII−III線で断面した平面図。
【図4】チャック開閉プレートの平面図。
【図5】図4のV−V線側断面図。
【図6】図4のVI−VI線側断面図。
【図7】図4のVII−VII線断側面図。
【図8】図1上部の動作を示す図である。
【符号の説明】
11 モータ
11a 回転軸
13 チャック開閉シャフト
15 シャフト上下動機構
16 ブラシ
17 電位計
18 支持体
20a〜20f チャックハンド
21a〜21f チャックピン
22a〜22f 基板接触部
23a〜23f ピン
24 基板
25 チャック開閉プレート
27a〜27f 長穴
28a,28b 噴出ノズル
Claims (9)
- 上下方向に位置し、上下動可能なチャック開閉シャフトと、水平方向に放射状に複数本設けられ、外側および内側方向に移動可能(開閉可能)なチャックハンドと、
このチャックハンドの各先端に上方に突出して設けられ、上端部には、被処理物の外周端を保持する被処理物接触部を備える複数のチャックピンと、
前記チャック開閉シャフトの上下動を前記チャックハンドの2種類の開閉動作(外側および内側方向の動き)に変換して、2組に分けられた前記チャックハンドの各組に伝達するチャック開閉プレートと
を具備することを特徴とする平板状被処理物の処理装置。 - 中空構造の回転軸を上下方向に備えたモータと、
このモータの前記回転軸内に挿通されてモータの上下方向に突出し、上下動可能なチャック開閉シャフトと、
このチャック開閉シャフトを上下動させるシャフト上下動機構と、
前記チャック開閉シャフトの上端位置に設けられ、前記モータの回転軸に連結された支持体と、
この支持体に保持されて水平方向に放射状に複数本設けられ、外側および内側方向に移動可能(開閉可能)なチャックハンドと、
このチャックハンドの各先端に上方に突出して設けられ、上端部には、被処理物の外周端を保持する被処理物接触部を備える複数のチャックピンと、
前記支持体内に設けられ、前記チャック開閉シャフトの上下動を前記チャックハンドの2種類の開閉動作(外側および内側方向の動き)に変換して、2組に分けられた前記チャックハンドの各組に伝達するチャック開閉プレートと
を具備することを特徴とする平板状被処理物の処理装置。 - 前記チャック開閉プレートは屈曲された長穴を上下方向に有し、この長穴に、チャックハンド後端のピンが係合され、チャック開閉シャフトの上下動に伴い屈曲された長穴が上下動することにより前記ピンを横方向に駆動し、一体にチャックハンドを開閉させ、長穴は、2組のチャックハンドの各々に対応して、屈曲状態が異なる2種類の長穴を有することを特徴とする請求項1または2に記載の平板状被処理物の処理装置。
- 2組のチャックハンドは、チャック開閉シャフトの上下動に伴い、前記チャック開閉プレートの動作により、“開、開”、“開、閉”、“閉、開”、“閉、閉”の4通りの状態に操作されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の平板状被処理物の処理装置。
- 2組のチャックハンドは、チャック開閉シャフトの上下動に伴い、前記チャック開閉プレートの動作により、“開、開”、“開、閉”、“閉、開”の3通りの状態に操作されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の平板状被処理物の処理装置
- チャックピン上端の前記被処理物接触部により外周端が保持されて水平に保持される平板状の被処理物の上面および下面に所定の処理液を噴出する噴出ノズルを更に設けて、前記被処理物に対して加工処理および洗浄処理を行い、さらには乾燥処理を施すことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の平板状被処理物の処理装置。
- チャックピン、チャックハンド、チャック開閉プレートおよびチャック開閉シャフトを導体で構成するとともに、チャック開閉シャフトに接触するブラシを設けてこのブラシを導体で構成し、被処理物接触部は絶縁体で構成し、さらに、この被処理物接触部と前記チャックピン、チャックハンド、チャック開閉プレート、チャック開閉シャフトおよびブラシを介して被処理物の電位を測定する電位計を備えたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の平板状被処理物の処理装置。
- 請求項1ないし7のいずれかに記載の平板状被処理物の処理装置を用いて、被処理物の処理中に、チャックハンドの一方の組みを開いて、この組みの被処理物接触部を被処理物の外周端から離し、次に前記一方の組みを閉じて、この組みの被処理物接触部で被処理物の外周端を保持したら、チャックハンドの他方の組みを開いて、この組みの被処理物接触部を被処理物の外周端から離すことを特徴とする平板状被処理物の処理方法。
- 請求項7に記載の平板状被処理物の処理装置を用いて、被処理物の処理中に前記電位計で被処理物の電位を測定することを特徴とする平板状被処理物の処理方法。
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