JP2004186542A - 熱処理装置および熱処理方法 - Google Patents

熱処理装置および熱処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】熱処理時の基板の割れを防止することができる熱処理装置および熱処理方法を提供する。
【解決手段】光源5から閃光を照射する直前にサセプタ73を下降させて支持ピン70の上端部をサセプタ73の上面から突出させ、サセプタ73に保持された半導体ウェハーWをサセプタ73の上面から一旦浮上させる。そして、光源5から閃光を照射するときにはサセプタ73を再び上昇させて支持ピン70の上端部をサセプタ70の上面よりも低くし、サセプタ73の上面と半導体ウェハーWの下面との間に空気層が挟み込まれて半導体ウェハーWがサセプタ73の上面から浮遊した状態としている。したがって、閃光照射時には浮遊状態の半導体ウェハーWが自由に動くことができ、一瞬の閃光照射によってウェハー表面が急激に熱膨張しても半導体ウェハーWの割れを防止することができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体ウェハーやガラス基板等(以下、単に「基板」と称する)に閃光を照射することにより基板を熱処理する熱処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、イオン注入後の半導体ウェハーのイオン活性化工程においては、ハロゲンランプを使用したランプアニール装置等の熱処理装置が使用されている。このような熱処理装置においては、半導体ウェハーを、例えば、1000℃ないし1100℃程度の温度に加熱(アニール)することにより、半導体ウェハーのイオン活性化を実行している。そして、このような熱処理装置においては、ハロゲンランプより照射される光のエネルギーを利用することにより、毎秒数百度程度の速度で基板を昇温する構成となっている。
【0003】
しかしながら、毎秒数百度程度の速度で基板を昇温する熱処理装置を使用して半導体ウェハーのイオン活性化を実行した場合においても、半導体ウェハーに打ち込まれたイオンのプロファイルがなまる、すなわち、熱によりイオンが拡散してしまうという現象が生ずることが判明した。このような現象が発生した場合においては、半導体ウェハーの表面にイオンを高濃度で注入しても、注入後のイオンが拡散してしまうことから、イオンを必要以上に注入しなければならないという問題が生じていた。
【0004】
上述した問題を解決するため、キセノンフラッシュランプ等を使用して半導体ウェハーの表面に閃光を照射することにより、イオンが注入された半導体ウェハーの表面のみを極めて短時間(数ミリセカンド以下)に昇温させる技術が提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。キセノンフラッシュランプによる極短時間の昇温であれば、イオンが拡散するための十分な時間がないため、半導体ウェハーに打ち込まれたイオンのプロファイルをなまらせることなく、イオン活性化のみを実行することができるのである。
【0005】
【特許文献1】
特開昭59−169125号公報
【特許文献2】
特開昭63−166219号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、キセノンフラッシュランプは極めて高いエネルギーを有する光を瞬間的に半導体ウェハーに照射するため、一瞬で半導体ウェハーの表面温度が急速に上昇し、照射する光のエネルギーがある閾値を超えると急速な表面の熱膨張によって半導体ウェハーが高い確率で割れることとなる。このため、実際に熱処理を行うときには、上記閾値未満のある程度余裕(プロセスマージン)を持たせたエネルギーの光を照射するようにしている。
【0007】
しかしながら、サセプタに半導体ウェハーを保持させた状態にてキセノンフラッシュランプからの閃光照射によって該ウェハーを加熱したときには、上記閾値未満のエネルギーの閃光を照射したとしても、半導体ウェハーが割れることがあった。これは、一瞬の閃光照射によってウェハー表面が急激に熱膨張して半導体ウェハーが凸状に反ろうとしたときに、ウェハー端部がサセプタのポケット縁や位置決めピンに接触していたりすると、その接触部に大きな力が加わる一方で、そのような応力を緩和すべくウェハーがサセプタ上を滑って移動する時間的余裕がないためである。その結果、上記閾値未満のエネルギーの閃光を照射したときであっても、半導体ウェハーの端部が何かに接触していると瞬間的な熱膨張時にそこから受ける応力によってウェハーが割れることとなっていたのである。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、熱処理時の基板の割れを防止することができる熱処理装置および熱処理方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、基板に対して閃光を照射することによって該基板を加熱する熱処理装置において、フラッシュランプを有する光源と、前記光源の下方に設けられたチャンバーと、前記チャンバー内にて基板を略水平姿勢にて保持するサセプタと、前記サセプタに保持されている基板を前記サセプタの上面から浮上させる浮上機構と、前記光源から閃光を照射する前に前記浮上機構を作動させて前記サセプタに保持された基板を浮上させるとともに、前記光源から閃光を照射するときには前記浮上機構の動作を停止して前記サセプタの前記上面と前記基板との間に気体層が挟み込まれて前記基板が浮遊した状態となるように前記浮上機構を制御する浮上制御手段と、を備える。
【0010】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明にかかる熱処理装置において、前記浮上機構に、前記サセプタに対して挿通自在とされ、上端部が前記サセプタの上面から突き出たときに基板を載置可能な支持ピンと、前記支持ピンの上端部が前記サセプタの上面よりも低くなる位置と、前記サセプタの上面よりも突き出て前記サセプタに保持された基板を支持する位置との間にて、前記支持ピンを前記サセプタに対して相対的に昇降させる昇降機構と、を含ませ、前記浮上制御手段に、前記光源から閃光を照射する前に前記支持ピンを前記サセプタの上面から突出させて前記サセプタに保持された基板を前記上面から浮上させるとともに、前記光源から閃光を照射するときには前記支持ピンを前記サセプタの上面よりも低くして前記上面と前記基板との間に気体層が挟み込まれて前記基板が浮遊した状態となるように前記昇降機構を制御させている。
【0011】
また、請求項3の発明は、請求項1の発明にかかる熱処理装置において、前記浮上機構に、前記サセプタの上面から前記サセプタに保持された基板の下面に向けて気体を噴出する気体噴出機構を含ませ、前記浮上制御手段に、前記光源から閃光を照射する前に前記サセプタに保持された基板の下面に向けて気体を噴出させて前記サセプタに保持された基板を前記上面から浮上させるとともに、前記光源から閃光を照射するときには気体の噴出を停止させて前記上面と前記基板との間に気体層が挟み込まれて前記基板が浮遊した状態となるように前記気体噴出機構を制御させている。
【0012】
また、請求項4の発明は、基板に対して閃光を照射することによって該基板を加熱する熱処理方法において、サセプタ上に基板を略水平姿勢にて保持する保持工程と、浮上機構を作動して前記サセプタに保持された基板を前記サセプタの上面から浮上させる浮上工程と、浮上機構の動作を停止して前記サセプタの前記上面と前記基板との間に気体層を挟み込ませて前記基板を浮遊させる浮遊工程と、フラッシュランプから浮遊状態の前記基板に向けて閃光を照射する照射工程と、を備える。
【0013】
また、請求項5の発明は、請求項4の発明にかかる熱処理方法において、前記浮上工程に、前記サセプタに対して挿通自在とされた支持ピンを前記サセプタの上面から突出させて前記サセプタに保持された基板を前記上面から浮上させる工程を含ませ、前記浮遊工程に、前記支持ピンを前記サセプタの上面よりも低くして前記上面と前記基板との間に気体層を挟み込ませて前記基板を浮遊させる工程を含ませている。
【0014】
また、請求項6の発明は、請求項4の発明にかかる熱処理方法において、前記浮上工程に、前記サセプタの上面から前記サセプタに保持された基板の下面に向けて気体を噴出させて前記サセプタに保持された基板を前記上面から浮上させる工程を含ませ、前記浮遊工程に、前記気体の噴出を停止して前記上面と前記基板との間に気体層を挟み込ませて前記基板を浮遊させる工程を含ませている。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0016】
<1.第1実施形態>
図1および図2は本発明にかかる熱処理装置の構成を示す側断面図である。この熱処理装置は、キセノンフラッシュランプからの閃光によって円形の半導体ウェハー等の基板の熱処理を行う装置である。
【0017】
この熱処理装置は、透光板61、底板62および一対の側板63、64からなり、その内部に半導体ウェハーWを収納して熱処理するためのチャンバー65を備える。チャンバー65の上部を構成する透光板61は、例えば、石英等の赤外線透過性を有する材料から構成されており、光源5から出射された光を透過してチャンバー65内に導くチャンバー窓として機能している。また、チャンバー65を構成する底板62には、後述するサセプタ73および加熱プレート74を貫通して半導体ウェハーWをその下面から支持するための支持ピン70が立設されている。
【0018】
また、チャンバー65を構成する側板64には、半導体ウェハーWの搬入および搬出を行うための開口部66が形成されている。開口部66は、軸67を中心に回動するゲートバルブ68により開閉可能となっている。半導体ウェハーWは、開口部66が解放された状態で、図示しない搬送ロボットによりチャンバー65内に搬入される。また、チャンバー65内にて半導体ウェハーWの熱処理が行われるときには、ゲートバルブ68により開口部66が閉鎖される。
【0019】
チャンバー65は光源5の下方に設けられている。光源5は、複数(本実施形態においては27本)のキセノンフラッシュランプ69(以下、単に「フラッシュランプ69」とも称する)と、リフレクタ71とを備える。複数のフラッシュランプ69は、それぞれが長尺の円筒形状を有する棒状ランプであり、それぞれの長手方向が水平方向に沿うようにして互いに平行に列設されている。リフレクタ71は、複数のフラッシュランプ69の上方にそれらの全体を被うように配設されている。
【0020】
このキセノンフラッシュランプ69は、その内部にキセノンガスが封入されその両端部にコンデンサーに接続された陽極および陰極が配設されたガラス管と、該ガラス管の外局部に巻回されたトリガー電極とを備える。キセノンガスは電気的には絶縁体であることから、通常の状態ではガラス管内に電気は流れない。しかしながら、トリガー電極に高電圧を印加して絶縁を破壊した場合には、コンデンサーに蓄えられた電気がガラス管内に瞬時に流れ、そのときのジュール熱でキセノンガスが加熱されて光が放出される。このキセノンフラッシュランプ69においては、予め蓄えられていた静電エネルギーが0.1ミリセカンドないし10ミリセカンドという極めて短い光パルスに変換されることから、連続点灯の光源に比べて極めて強い光を照射し得るという特徴を有する。
【0021】
光源5と透光板61との間には、光拡散板72が配設されている。この光拡散板72は、赤外線透過材料としての石英ガラスの表面に光拡散加工を施したものが使用される。
【0022】
フラッシュランプ69から放射された光の一部は直接に光拡散板72および透光板61を透過してチャンバー65内へと向かう。また、フラッシュランプ69から放射された光の他の一部は一旦リフレクタ71によって反射されてから光拡散板72および透光板61を透過してチャンバー65内へと向かう。
【0023】
チャンバー65内には、加熱プレート74とサセプタ73とが設けられている。サセプタ73は加熱プレート74の上面に貼着されている。また、サセプタ73の表面には、半導体ウェハーWの位置ずれ防止ピン75が付設されている。チャンバー65内にて半導体ウェハーWは直接にはサセプタ73によって略水平姿勢にて保持される。
【0024】
加熱プレート74は、半導体ウェハーWを予備加熱(アシスト加熱)するためのものである。この加熱プレート74は、窒化アルミニウムにて構成され、その内部にヒータと該ヒータを制御するためのセンサとを収納した構成を有する。一方、サセプタ73は、半導体ウェハーWを位置決めして保持するとともに、加熱プレート74からの熱エネルギーを拡散して半導体ウェハーWを均一に予備加熱するためのものである。このサセプタ73の材質としては、窒化アルミニウムや石英等の比較的熱伝導率が小さいものが採用される。
【0025】
サセプタ73および加熱プレート74は、モータ40の駆動により、図1に示す半導体ウェハーWの搬入・搬出位置と図2に示す半導体ウェハーWの熱処理位置との間を昇降する構成となっている。
【0026】
すなわち、加熱プレート74は、筒状体41を介して移動板42に連結されている。この移動板42は、チャンバー65の底板62に釣支されたガイド部材43により案内されて昇降可能となっている。また、ガイド部材43の下端部には、固定板44が固定されており、この固定板44の中央部にはボールネジ45を回転駆動するモータ40が配設されている。そして、このボールネジ45は、移動板42と連結部材46、47を介して連結されたナット48と螺合している。このため、サセプタ73および加熱プレート74は、モータ40の駆動により、図1に示す半導体ウェハーWの搬入・搬出位置と図2に示す半導体ウェハーWの熱処理位置との間を昇降することができる。
【0027】
図1に示す半導体ウェハーWの搬入・搬出位置は、図示しない搬送ロボットを使用して開口部66から搬入した半導体ウェハーWを支持ピン70上に載置し、あるいは、支持ピン70上に載置された半導体ウェハーWを開口部66から搬出することができるように、サセプタ73および加熱プレート74が下降した位置である。すなわち、昇降自在のサセプタ73および加熱プレート74には貫通孔が形成されており、底板62に固定して立設された支持ピン70がサセプタ73および加熱プレート74に対して挿通自在とされている。そして、サセプタ73および加熱プレート74が上記搬入・搬出位置まで下降すると、図1に示す如く支持ピン70の上端部がサセプタ73の上面から突き出て半導体ウェハーWを載置することができる状態となる。
【0028】
一方、図2に示す半導体ウェハーWの熱処理位置は、半導体ウェハーWに対して熱処理を行うために、サセプタ73および加熱プレート74が支持ピン70の上端より上方に上昇した位置である。サセプタ73および加熱プレート74が上記熱処理位置まで上昇すると、図2に示す如く支持ピン70の上端部がサセプタ73の上面よりも低くなり、支持ピン70に載置されていた半導体ウェハーWはサセプタ73に受け取られる。すなわち、モータ40は、支持ピン70の上端部がサセプタ73の上面よりも低くなる位置と、サセプタ73の上面よりも突き出てサセプタ73に保持された半導体ウェハーWを支持する位置との間にて、支持ピン70をサセプタ73に対して相対的に昇降させているのである。
【0029】
サセプタ73および加熱プレート74が図2の熱処理位置から図1の搬入・搬出位置に下降する過程においては、サセプタ73に支持された半導体ウェハーWは支持ピン70に受け渡される。つまり、サセプタ73および加熱プレート74が熱処理位置から搬入・搬出位置に下降することによって、サセプタ73に保持されている半導体ウェハーWをサセプタ73の上面から浮上させることとなるのである。
【0030】
逆に、サセプタ73および加熱プレート74が図1の搬入・搬出位置から図2の熱処理位置に上昇する過程においては、支持ピン70に載置された半導体ウェハーWがサセプタ73によって受け取られ、その下面をサセプタ73の表面に支持されて上昇し、チャンバー65内の透光板61に近接した位置に水平姿勢にて保持される。このときに、支持ピン70からサセプタ73に半導体ウェハーWが渡された直後は、図5に示すように、サセプタ73の上面と半導体ウェハーWの下面との間に空気層が挟み込まれて半導体ウェハーWがサセプタ73の上面から浮遊した状態となる。このような浮遊状態は、サセプタ73の上面と半導体ウェハーWの下面との間から空気が完全に流出して両者が接触するまで続き、半導体ウェハーWの径やサセプタ73の表面性状にも依存するが通常は3〜5秒程度持続する。つまり、サセプタ73および加熱プレート74が搬入・搬出位置から熱処理位置に上昇することによって、半導体ウェハーWをサセプタ73の上面から浮遊した状態に数秒間おくことができるのである。
【0031】
半導体ウェハーWを支持するサセプタ73および加熱プレート74が熱処理位置に上昇した状態においては、それらに保持された半導体ウェハーWと光源5との間に透光板61が位置することとなる。なお、このときのサセプタ73と光源5との間の距離についてはモータ40の回転量を制御することにより任意の値に調整することが可能である。
【0032】
また、チャンバー65の底板62と移動板42との間には筒状体41の周囲を取り囲むようにしてチャンバー65を気密状体に維持するための伸縮自在の蛇腹77が配設されている。サセプタ73および加熱プレート74が熱処理位置まで上昇したときには蛇腹77が収縮し、サセプタ73および加熱プレート74が搬入・搬出位置まで下降したときには蛇腹77が伸長してチャンバー65内の雰囲気と外部雰囲気とを遮断する。
【0033】
チャンバー65における開口部66と反対側の側板63には、開閉弁80に連通接続された導入路78が形成されている。この導入路78は、チャンバー65内に処理に必要なガス、例えば不活性な窒素ガスを導入するためのものである。一方、側板64における開口部66には、開閉弁81に連通接続された排出路79が形成されている。この排出路79は、チャンバー65内の気体を排出するためのものであり、開閉弁81を介して図示しない排気手段と接続されている。
【0034】
また、上記熱処理装置は、モータ40等の各機構部を制御するためのコントローラ10を備えている。図3は、コントローラ10の構成を示すブロック図である。コントローラ10のハードウェアとしての構成は一般的なコンピュータと同様である。すなわち、コントローラ10は、各種演算処理を行うCPU11、基本プログラムを記憶する読み出し専用のメモリであるROM12、各種情報を記憶する読み書き自在のメモリであるRAM13および制御用ソフトウェアやデータなどを記憶しておく磁気ディスク14をバスライン19に接続して構成されている。
【0035】
また、バスライン19には、熱処理装置のモータ40や図示を省略するフラッシュランプ69への電力供給回路が電気的に接続されている。コントローラ10のCPU11は、磁気ディスク14に格納された制御用ソフトウェアを実行することにより、フラッシュランプ69の点灯タイミングを制御するとともに、モータ40を制御してサセプタ73および加熱プレート74の高さ位置を調整する。
【0036】
さらに、バスライン19には、表示部21および入力部22が電気的に接続されている。表示部21は、例えば液晶ディスプレイ等を用いて構成されており、処理結果やレシピ内容等の種々の情報を表示する。入力部22は、例えばキーボードやマウス等を用いて構成されており、コマンドやパラメータ等の入力を受け付ける。装置のオペレータは、表示部21に表示された内容を確認しつつ入力部22からコマンドやパラメータ等の入力を行うことができる。なお、表示部21と入力部22とを一体化してタッチパネルとして構成するようにしても良い。
【0037】
次に、本発明にかかる熱処理装置による半導体ウェハーWの熱処理動作について説明する。図4は、本発明にかかる熱処理装置による熱処理動作の処理手順を示すフローチャートである。この熱処理装置において処理対象となる半導体ウェハーWは、イオン注入後の半導体ウェハーである。また、以下の処理はコントローラ10の指示に従ってモータ40等の各機構部が駆動することにより実行されるものである。
【0038】
この熱処理装置においては、サセプタ73および加熱プレート74が図1に示す半導体ウェハーWの搬入・搬出位置に配置された状態にて、図示しない搬送ロボットにより開口部66を介して半導体ウェハーWが搬入され、支持ピン70上に載置される(ステップS1)。半導体ウェハーWの搬入が完了すれば、開口部66がゲートバルブ68により閉鎖される。しかる後、サセプタ73および加熱プレート74がモータ40の駆動により図2に示す半導体ウェハーWの熱処理位置まで上昇し、半導体ウェハーWを水平姿勢にて保持する(ステップS2)。また、開閉弁80および開閉弁81を開いてチャンバー65内に窒素ガスの気流を形成する。
【0039】
サセプタ73および加熱プレート74は、加熱プレート74に内蔵されたヒータの作用により予め所定温度に加熱されている。このため、サセプタ73および加熱プレート74が半導体ウェハーWの熱処理位置まで上昇した状態においては、半導体ウェハーWが加熱状態にあるサセプタ73と接触することにより予備加熱され、半導体ウェハーWの温度が次第に上昇する。
【0040】
この状態においては、半導体ウェハーWはサセプタ73により継続して加熱される。そして、半導体ウェハーWの温度上昇時には、図示しない温度センサにより、半導体ウェハーWの表面温度が予備加熱温度T1に到達したか否かを常に監視する(ステップS3)。
【0041】
なお、この予備加熱温度T1は、例えば200℃ないし600℃程度の温度である。半導体ウェハーWをこの程度の予備加熱温度T1まで加熱したとしても、半導体ウェハーWに打ち込まれたイオンが拡散してしまうことはない。
【0042】
やがて、半導体ウェハーWの表面温度が予備加熱温度T1に到達するとステップS4に進み、コントローラ10がモータ40を駆動させて一旦サセプタ73および加熱プレート74を下降させ、サセプタ73に保持された半導体ウェハーWを支持ピン70に受け渡す。つまり、光源5から閃光を照射する前にサセプタ73に保持されている半導体ウェハーWをサセプタ73の上面から浮上させる。なお、このときにはサセプタ73および加熱プレート74を図1に示す半導体ウェハーWの搬入・搬出位置まで下降させる必要はなく、半導体ウェハーWがサセプタ73の上面から1〜2mm浮上する程度にまで下降させれば十分である。
【0043】
その後、直ぐにステップS5に進み、サセプタ73および加熱プレート74がモータ40の駆動によって再び上昇し、支持ピン70に載置された半導体ウェハーWがサセプタ73によって受け取られる。このときに、上述したように、支持ピン70からサセプタ73に半導体ウェハーWが渡された直後数秒間は、サセプタ73の上面と半導体ウェハーWの下面との間に空気層が挟み込まれて半導体ウェハーWがサセプタ73の上面から浮遊した状態となる。
【0044】
そして、半導体ウェハーWがサセプタ73の上面から浮遊している間にフラッシュランプ69を点灯してフラッシュ加熱を行う(ステップS6)。このフラッシュ加熱工程におけるフラッシュランプ69の点灯時間は、0.1ミリセカンドないし10ミリセカンド程度の時間である。このように、フラッシュランプ69においては、予め蓄えられていた静電エネルギーがこのように極めて短い光パルスに変換されることから、極めて強い閃光が照射されることになる。
【0045】
このようなフラッシュ加熱により、半導体ウェハーWの表面温度は瞬間的に温度T2に到達する。この温度T2は、1000℃ないし1100℃程度の半導体ウェハーWのイオン活性化処理に必要な温度である。半導体ウェハーWの表面がこのような処理温度T2にまで昇温されることにより、半導体ウェハーW中に打ち込まれたイオンが活性化される。
【0046】
このとき、半導体ウェハーWの表面温度が0.1ミリセカンドないし10ミリセカンド程度の極めて短い時間で処理温度T2まで昇温されることから、半導体ウェハーW中のイオン活性化は短時間で完了する。従って、半導体ウェハーWに打ち込まれたイオンが拡散することはなく、半導体ウェハーWに打ち込まれたイオンのプロファイルがなまるという現象の発生を防止することが可能となる。なお、イオン活性化に必要な時間はイオンの拡散に必要な時間に比較して極めて短いため、0.1ミリセカンドないし10ミリセカンド程度の拡散が生じない短時間であってもイオン活性化は完了する。
【0047】
また、フラッシュランプ69を点灯して半導体ウェハーWを加熱する前に、加熱プレート74を使用して半導体ウェハーWの表面温度を200℃ないし600℃程度の予備加熱温度T1まで加熱していることから、フラッシュランプ69により半導体ウェハーWを1000℃ないし1100℃程度の処理温度T2まで速やかに昇温させることが可能となる。
【0048】
フラッシュ加熱工程が終了した後に、サセプタ73および加熱プレート74がモータ40の駆動により図1に示す半導体ウェハーWの搬入・搬出位置まで下降するとともに、ゲートバルブ68により閉鎖されていた開口部66が解放される。サセプタ73および加熱プレート74が下降することにより、サセプタ73から支持ピン70に半導体ウェハーWが受け渡される。そして、支持ピン70上に載置された半導体ウェハーWが図示しない搬送ロボットにより搬出される。以上のようにして、一連の熱処理動作が完了する。
【0049】
ところで、フラッシュランプ69を点灯して半導体ウェハーWを加熱する際には、一瞬の閃光照射によってウェハー表面が急激に熱膨張して半導体ウェハーWが凸状に反ろうとする。そして、このときに、半導体ウェハーWの端部が位置決めピン等に接触していると瞬間的な熱膨張時にそこから受ける応力によって半導体ウェハーWが割れるおそれのあることは既述した通りである。
【0050】
本実施形態においては、光源5から閃光を照射する直前(約1秒前)にサセプタ73を下降させて支持ピン70の上端部をサセプタ73の上面から突出させ、サセプタ73に保持された半導体ウェハーWをサセプタ73の上面から一旦浮上させている。そして、光源5から閃光を照射するときにはサセプタ73を再び上昇させて支持ピン70の上端部をサセプタ70の上面よりも低くし、サセプタ73の上面と半導体ウェハーWの下面との間に空気層が挟み込まれて半導体ウェハーWがサセプタ73の上面から浮遊した状態としている。
【0051】
したがって、閃光照射時においては、半導体ウェハーWとサセプタ73との間に摩擦力がなく、半導体ウェハーWが自由に動くことができるのである。その結果、一瞬の閃光照射によってウェハー表面が急激に熱膨張しても半導体ウェハーWに大きな応力が作用することはなくなり、閃光照射時の半導体ウェハーWの割れを防止することができる。但し、半導体ウェハーWが長時間サセプタ73から離間すると予備加熱温度T1からの温度低下が生じ、しかも半導体ウェハーWがサセプタ73の上面から浮遊した状態は3〜5秒程度しか持続しないため、サセプタ73を下降させた後直ぐに再上昇させるとともに、その後短時間の内にフラッシュランプ69を点灯するようにコントローラ10が制御を行う必要がある。
【0052】
<2.第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態の熱処理装置の構成はサセプタ73の上面から半導体ウェハーWの下面に向けて窒素ガスを噴出する機構を付加している点を除いては第1実施形態の熱処理装置と同じである。図6は、第2実施形態の熱処理装置の構成を示す側断面図である。
【0053】
第2実施形態の熱処理装置においては、サセプタ73および加熱プレート74にガス供給管90が垂設されている。ガス供給管90の上端部はサセプタ73および加熱プレート74に挿設されてサセプタ73の上面に噴出口93を形成している。噴出口93は、サセプタ73に保持された半導体ウェハーWの下面に向けられている。
【0054】
ガス供給管90の基端部はガス配管91に連通接続されている。ガス配管91は図示を省略する窒素ガス供給源と接続され、その経路途中には開閉弁92が設けられている。なお、サセプタ73および加熱プレート74の昇降動作に伴ってガス供給管90も上下動するため、ガス配管91とガス供給管90とは可撓性を有するチューブ等にて接続している。
【0055】
開閉弁92を開放することによって噴出口93からサセプタ73に保持された半導体ウェハーWの下面に窒素ガスを噴出することができる。なお、開閉弁92の開閉動作もコントローラ10によって制御されるものである。
【0056】
上記以外の残余の構成については第1実施形態と同じであり、図1と同一の符号を付して詳説を省略する。第2実施形態の熱処理装置による半導体ウェハーWの熱処理動作についても第1実施形態と概ね同じであるが(図4参照)、半導体ウェハーWを浮上させる手法のみが異なる。
【0057】
すなわち、第1実施形態では図4のステップS4にて支持ピン70をサセプタ73の上面から突出させることによってサセプタ73に保持された半導体ウェハーWをサセプタ73の上面から浮上させていたが、第2実施形態では光源5から閃光を照射する直前(約1秒前)にサセプタ73に保持された半導体ウェハーWの下面に向けて噴出口93から窒素ガスを噴出させ、サセプタ73に保持された半導体ウェハーWをサセプタ73の上面から一旦浮上させている。そして、光源5から閃光を照射するときには噴出口93からの窒素ガス噴出を停止して、サセプタ73の上面と半導体ウェハーWの下面との間に気体層が挟み込まれて半導体ウェハーWがサセプタ73の上面から浮遊した状態としている。
【0058】
したがって、第1実施形態と同様に、閃光照射時においては、半導体ウェハーWとサセプタ73との間に摩擦力がなく、半導体ウェハーWが自由に動くことができ、その結果、一瞬の閃光照射によってウェハー表面が急激に熱膨張しても半導体ウェハーWに大きな応力が作用することはなくなり、閃光照射時の半導体ウェハーWの割れを防止することができる。但し、半導体ウェハーWが長時間サセプタ73から離間すると予備加熱温度T1からの温度低下が生じ、しかも半導体ウェハーWがサセプタ73の上面から浮遊した状態は3〜5秒程度しか持続しないため、半導体ウェハーWを浮上させた後直ぐに窒素ガス噴出を停止するとともに、その後短時間の内にフラッシュランプ69を点灯するようにコントローラ10が制御を行う必要がある。
【0059】
<3.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記の例に限定されるものではない。例えば、上記実施形態においては光源5に27本のフラッシュランプ69を備えるようにしていたが、これに限定されずフラッシュランプ69の本数は任意のものとすることができる。
【0060】
また、第1実施形態においては、支持ピン70を固定するとともにサセプタ73および加熱プレート74自体をを昇降させることによってそれらの間で半導体ウェハーWの受け渡しを行うようにしていたが、サセプタ73および加熱プレート74に対して支持ピン70を上下動させることによってそれらの間で半導体ウェハーWの受け渡しを行うようにしても良い。具体的には、支持ピン70を底板62に固設するのではなく、エアシリンダ等の昇降機構によって昇降自在とする。そして、閃光照射直前に支持ピン70を上昇させてサセプタ73の上面から突出させ、サセプタ73に保持された半導体ウェハーWをサセプタ73の上面から1〜2mm程度浮上させるとともに、閃光照射時には支持ピン70を下降させて支持ピン70の上端部をサセプタ70の上面よりも低くし、サセプタ73の上面と半導体ウェハーWの下面との間に空気層が挟み込まれて半導体ウェハーWがサセプタ73の上面から浮遊した状態とする。すなわち、サセプタ73と支持ピン70とを相対的に昇降させるように構成する形態であれば良い。
【0061】
また、第2実施形態においては、半導体ウェハーWの下面に向けて窒素ガスを噴出することによりその半導体ウェハーWを浮上させていたが、窒素ガスに代えて他の気体(例えば空気)を噴出して半導体ウェハーWを浮上させるようにしても良い。もっとも、予備加熱温度T1にまで加熱された半導体ウェハーWに吹き付けるため、不活性かつ清浄な窒素ガスが好ましい。
【0062】
また、第2実施形態において、複数箇所から窒素ガスを噴出するようにしても良く、例えば複数の支持ピン70のそれぞれに貫通孔を設け、そこから窒素ガスを噴出するようにしても良い。
【0063】
また、上記実施形態においては、半導体ウェハーに光を照射してイオン活性化処理を行うようにしていたが、本発明にかかる熱処理装置による処理対象となる基板は半導体ウェハーに限定されるものではない。例えば、窒化シリコン膜や多結晶シリコン膜等の種々のシリコン膜が形成されたガラス基板に対して本発明にかかる熱処理装置による処理を行っても良い。
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、光源から閃光を照射する前に支持ピンをサセプタの上面から突出させてサセプタに保持された基板をその上面から浮上させるとともに、光源から閃光を照射するときには支持ピンをサセプタの上面よりも低くしてその上面と基板との間に気体層が挟み込まれて基板が浮遊した状態となるようにしているため、閃光照射時には浮遊状態の基板が自由に動くことができ、その結果、一瞬の閃光照射によって基板表面が急激に熱膨張しても基板に大きな応力が作用することはなくなり、熱処理時の基板の割れを防止することができる。
【0065】
また、請求項2の発明によれば、光源から閃光を照射する前に支持ピンをサセプタの上面から突出させてサセプタに保持された基板をその上面から浮上させるとともに、光源から閃光を照射するときには支持ピンをサセプタの上面よりも低くしてその上面と基板との間に気体層が挟み込まれて基板が浮遊した状態となるようにしているため、閃光照射時には基板を確実に浮遊状態として熱処理時の基板の割れを防止することができる。
【0066】
また、請求項3の発明によれば、光源から閃光を照射する前にサセプタに保持された基板の下面に向けて気体を噴出させてサセプタに保持された基板をその上面から浮上させるとともに、光源から閃光を照射するときには気体の噴出を停止させて該上面と基板との間に気体層が挟み込まれて基板が浮遊した状態となるようにしているため、閃光照射時には基板を確実に浮遊状態として熱処理時の基板の割れを防止することができる。
【0067】
また、請求項4の発明によれば、サセプタの上面と基板との間に気体層を挟み込ませて基板を浮遊させ、フラッシュランプからその浮遊状態の基板に向けて閃光を照射するため、閃光照射時には浮遊状態の基板が自由に動くことができ、その結果、一瞬の閃光照射によって基板表面が急激に熱膨張しても基板に大きな応力が作用することはなくなり、熱処理時の基板の割れを防止することができる。
【0068】
また、請求項5の発明によれば、サセプタに対して挿通自在とされた支持ピンをサセプタの上面から突出させてサセプタに保持された基板をその上面から浮上させるとともに、支持ピンをサセプタの上面よりも低くしてその上面と基板との間に気体層を挟み込ませて基板を浮遊させるため、閃光照射時には基板を確実に浮遊状態として熱処理時の基板の割れを防止することができる。
【0069】
また、請求項6の発明によれば、サセプタの上面からサセプタに保持された基板の下面に向けて気体を噴出させてサセプタに保持された基板をその上面から浮上させるとともに、気体の噴出を停止して該上面と基板との間に気体層を挟み込ませて基板を浮遊させるため、閃光照射時には基板を確実に浮遊状態として熱処理時の基板の割れを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる熱処理装置の構成を示す側断面図である。
【図2】本発明にかかる熱処理装置の構成を示す側断面図である。
【図3】図1の熱処理装置のコントローラの構成を示すブロック図である。
【図4】図1の熱処理装置による熱処理動作の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】半導体ウェハーがサセプタから浮遊した状態を示す図である。
【図6】第2実施形態の熱処理装置の構成を示す側断面図である。
【符号の説明】
5 光源
10 コントローラ
11 CPU
40 モータ
61 透光板
65 チャンバー
69 フラッシュランプ
70 支持ピン
71 リフレクタ
73 サセプタ
90 ガス供給管
93 噴出口
W 半導体ウェハー

Claims (6)

  1. 基板に対して閃光を照射することによって該基板を加熱する熱処理装置であって、
    フラッシュランプを有する光源と、
    前記光源の下方に設けられたチャンバーと、
    前記チャンバー内にて基板を略水平姿勢にて保持するサセプタと、
    前記サセプタに保持されている基板を前記サセプタの上面から浮上させる浮上機構と、
    前記光源から閃光を照射する前に前記浮上機構を作動させて前記サセプタに保持された基板を浮上させるとともに、前記光源から閃光を照射するときには前記浮上機構の動作を停止して前記サセプタの前記上面と前記基板との間に気体層が挟み込まれて前記基板が浮遊した状態となるように前記浮上機構を制御する浮上制御手段と、
    を備えることを特徴とする熱処理装置。
  2. 請求項1記載の熱処理装置において、
    前記浮上機構は、
    前記サセプタに対して挿通自在とされ、上端部が前記サセプタの上面から突き出たときに基板を載置可能な支持ピンと、
    前記支持ピンの上端部が前記サセプタの上面よりも低くなる位置と、前記サセプタの上面よりも突き出て前記サセプタに保持された基板を支持する位置との間にて、前記支持ピンを前記サセプタに対して相対的に昇降させる昇降機構と、
    を含み、
    前記浮上制御手段は、前記光源から閃光を照射する前に前記支持ピンを前記サセプタの上面から突出させて前記サセプタに保持された基板を前記上面から浮上させるとともに、前記光源から閃光を照射するときには前記支持ピンを前記サセプタの上面よりも低くして前記上面と前記基板との間に気体層が挟み込まれて前記基板が浮遊した状態となるように前記昇降機構を制御することを特徴とする熱処理装置。
  3. 請求項1記載の熱処理装置において、
    前記浮上機構は、前記サセプタの上面から前記サセプタに保持された基板の下面に向けて気体を噴出する気体噴出機構を含み、
    前記浮上制御手段は、前記光源から閃光を照射する前に前記サセプタに保持された基板の下面に向けて気体を噴出させて前記サセプタに保持された基板を前記上面から浮上させるとともに、前記光源から閃光を照射するときには気体の噴出を停止させて前記上面と前記基板との間に気体層が挟み込まれて前記基板が浮遊した状態となるように前記気体噴出機構を制御することを特徴とする熱処理装置。
  4. 基板に対して閃光を照射することによって該基板を加熱する熱処理方法であって、
    サセプタ上に基板を略水平姿勢にて保持する保持工程と、
    浮上機構を作動して前記サセプタに保持された基板を前記サセプタの上面から浮上させる浮上工程と、
    浮上機構の動作を停止して前記サセプタの前記上面と前記基板との間に気体層を挟み込ませて前記基板を浮遊させる浮遊工程と、
    フラッシュランプから浮遊状態の前記基板に向けて閃光を照射する照射工程と、
    を備えることを特徴とする熱処理方法。
  5. 請求項4記載の熱処理方法において、
    前記浮上工程は、前記サセプタに対して挿通自在とされた支持ピンを前記サセプタの上面から突出させて前記サセプタに保持された基板を前記上面から浮上させる工程を含み、
    前記浮遊工程は、前記支持ピンを前記サセプタの上面よりも低くして前記上面と前記基板との間に気体層を挟み込ませて前記基板を浮遊させる工程を含むことを特徴とする熱処理方法。
  6. 請求項4記載の熱処理方法において、
    前記浮上工程は、前記サセプタの上面から前記サセプタに保持された基板の下面に向けて気体を噴出させて前記サセプタに保持された基板を前記上面から浮上させる工程を含み、
    前記浮遊工程は、前記気体の噴出を停止して前記上面と前記基板との間に気体層を挟み込ませて前記基板を浮遊させる工程を含むことを特徴とする熱処理方法。
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