JP2004186296A - 極薄ウエハへのフィルム状接着剤の貼り付け方法 - Google Patents

極薄ウエハへのフィルム状接着剤の貼り付け方法 Download PDF

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Hitoshi Kinoshita
仁 木下
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Abstract

【課題】ウエハの反りを矯正しながら、極薄ウエハへのダイアタッチフィルム(セパレータ付きフィルム状接着剤)の加熱貼り付けを可能にする方法を提供する。
【解決手段】極薄ウエハへのフィルム状接着剤の貼り付け方法は、厚み100μm以下の裏面研磨した極薄ウエハの裏面にセパレータ付きフィルム状接着剤を加熱圧着して貼りつける工程において、ウエハ表面の裏面研磨用表面保護テープをウエハに貼り付けた状態で、該フィルム状接着剤のセパレータの材質および厚みを裏面研磨用表面保護テープの基材層と同じにして加熱圧着することを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、極薄ウエハへのフィルム状接着剤の貼り付け方法に関し、さらに詳しくは、半導体集積回路を含む半導体装置の組み立て工程おいてダイアタッチフィルムダイアタッチフィルムと呼ばれるフィルム状接着剤の裏面研磨した極薄ウエハへの貼り付け方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ダイアタッチフィルム貼りつけ工程は、半導体装置製造工程の中で、回路や保護膜形成後のウエハを、所定の厚みまで薄く研磨した後に位置する。ダイアタッチフィルム貼りつけ後は、ダイシング工程、ピックアップ、基板、リードフレームなどへのチップマウント、ワイヤボンディング、樹脂封止、表面実装型半導体パッケージにおいてはハンダボール付けをへて半導体パッケージが完成される。おもにチップ積層型半導体パッケージにおいて、限られた厚みの中に複数のチップを積層するために、ウエハの極薄化が進んでいる。
【0003】
ウエハにフィルム状接着剤を接着し、その後ダイシング工程を経て、接着剤付きチップを作るという工法については、特公平6−101486号公報などに開示されている。しかし、この工程では、フィルム状接着剤セパレータの熱収縮により半導体ウエハが反ってしまい、ウエハがウエハケースに収まらなくなり搬送工程で問題が生じるという指摘がされ、そのため特開平11−219962号公報では、セパレータなしで単層フィルム状接着剤をウエハに貼りつける工法が提案されている。
【0004】
近年、積層型半導体パッケージなどの高密度化要求に伴ない、半導体ウエハの厚みは100μm以下、さらには50μm以下へと薄くなる傾向があり、将来的には25μm以下のものが求められている。このように薄いウエハは、反りやすく、割れやすい。反る原因はウエハ表面の回路やポリイミドバッファーコート膜などと半導体ウエハの線膨張率が異なるためであり、ウエハが厚い場合はウエハがそれによる内部応力に打ち勝って反らないが、100μm以下に薄くなると反りが顕著になる。
【0005】
一方、極薄ウエハは割れやすいため、ウエハ支持体としての裏面研磨用表面保護テープ(以下、BGテープという。)を貼り付けた状態のままダイアタッチフィルムを貼り付け、続いてダイシングテープおよびリングフレームにダイアタッチフィルム面を貼り付け固定してから、BGテープを剥離し、ダイシングするという工程はすでに開発されている(特開2002−246345号公報)。なお、BGテープとは、ウエハ裏面を研磨して厚みを薄くする工程で、ウエハ回路表面の保護を目的に使用される粘着テープである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
BGテープつきでダイアタッチフィルムを貼り付ける方法では、ウエハの破損に対しては改善できたが、反りの問題は十分に解決できず、搬送やウエハカートリッジへの収納時に問題が生じた。この場合の反りには、前記ウエハ表面の回路構成膜を原因とする反り以外に、BGテープに起因する反りも加わる。すなわち、BGテープの構成成分(粘着層および基材層)が、ダイアタッチフィルム貼り付けプロセスの加熱、加圧を引きがねとして収縮することによりウエハが反ることが多い。さらに前記バッファーコート膜の熱収縮の影響が加わることもある。
【0007】
従って、本発明の課題は、以上の問題点を解決するため、ウエハの反りを矯正しながら、極薄ウエハへのダイアタッチフィルム(セパレータ付きフィルム状接着剤)の加熱貼り付けを可能にする方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る極薄ウエハへのフィルム状接着剤の貼り付け方法は、
厚み100μm以下の裏面研磨した極薄ウエハの裏面にセパレータ付きフィルム状接着剤を加熱圧着して貼りつける工程において、ウエハ表面の裏面研磨用表面保護テープをウエハに貼り付けた状態で、該フィルム状接着剤のセパレータの材質および厚みを裏面研磨用表面保護テープの基材層と同じにして加熱圧着することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明は、ダイアタッチフィルムの加熱貼付け時に、BGテープだけでは矯正できない極薄ウエハの反りを、ダイアタッチフィルムにウエハの反りを矯正できるフィルムを採用することで解決した。
【0010】
すなわち、本発明においては、ダイアタッチフィルムに、BGテープの基材層と同じ材質で、厚みも同じにしたセパレータ付きのフィルム状接着剤を用いる。これによりウエハの両側に貼られたフィルムの熱膨張が同じになるため、ウエハの反りが矯正される。BGテープの基材層としては、ポリエステル、ポリオレフィン系コポリマーなどの多層フィルムが多く使われており、ダイアタッチフィルムのセパレータにも同じものが採用できる。また、ダイアタッチフィルムのフィルム状接着剤には、低Tg(ガラス転移温度)ポリイミドとエポキシ樹脂、硬化剤、フィラーなどからなる接着性樹脂が多く使われている。
【0011】
貼り付け方法は、図1に示すように、加熱テーブル(F)上にBGテープ(粘着層(d)と基材層(e))つき裏面研磨した極薄ウエハ(c)をセットし、セパレータ付きフィルム状接着剤のダイアタッチフィルム(セパレータ(a)とフィルム状接着剤(b))を加圧ロール(g)を使い加熱圧着して貼り付けることからなる。
【0012】
その後、ダイアタッチフィルムをセパレータごとウエハ外周に沿ってカットし、必要に応じさらに別のホットステージ上で加熱し、接着力を改善する。続いてダイシングテープ、リングフレームにウエハのダイアタッチフィルムセパレータ面側で接着固定し、BGテープを剥離する。次いでダイシングして、個片化したダイアタッチフィルムつきチップをピックアップして(同時にダイアタッチフィルムのフィルム状接着剤とセパレータ間を剥離して)、支持体にマウントする。
【0013】
ダイアタッチフィルム貼り付け後のダイシングは公知の方法(特開平09−266183号公報参照)に類似の方法で行える。
【0014】
上記の方法を実施するためには、ダイアタッチフィルムのセパレータとフィルム状接着剤とが、BGテープ剥離時に剥離しないことが必要であり、また、ダイシング時にチップが飛ばない程度の強度で接着していることが要求される。さらに、ピックアップ時に、極薄ウエハが破損しない程度の弱い力でピックアップ(フィルム状接着剤とセパレータ間が剥離)できることが要求される。このような剥離特性は、セパレータ表面の改質で調整可能であり、公知のシリコーン処理などで実現できる。すなわちシリコーン処理の程度により、剥離強度の異なる表面状態を実現できる公知技術が利用可能である。
【0015】
【発明の効果】
本発明の方法により、ウエハ反りを防止し、極薄ウエハの搬送、収納を可能することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る極薄ウエハへのフィルム状接着剤を貼り付け方法を説明する概略図である。
【符号の説明】
(a) セパレータ
(b) フィルム状接着剤
(c) 極薄ウエハ
(d) 粘着層
(e) 基材層
(F) 加熱テーブル
(g) 加圧ロール

Claims (1)

  1. 厚み100μm以下の裏面研磨した極薄ウエハの裏面にセパレータ付きフィルム状接着剤を加熱圧着して貼りつける工程において、ウエハ表面の裏面研磨用表面保護テープをウエハに貼り付けた状態で、該フィルム状接着剤のセパレータの材質および厚みを裏面研磨用表面保護テープの基材層と同じにして加熱圧着することを特徴とする極薄ウエハへのフィルム状接着剤の貼り付け方法。
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