JP2004184911A - ハロゲン化銀カラー写真感光材料用漂白定着濃縮組成物、濃縮組成物包装体及び処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料用漂白定着濃縮組成物、濃縮組成物包装体及び処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】実際の使用条件下である長期保管後のランニング処理でのプリント白地や経時保存におけるステインといった写真品質の劣化を防止し、良好な処理性能が得られる感光材料用漂白定着濃縮組成物、濃縮組成物包装体及び処理方法を提供する。
【解決手段】少なくともアミノポリカルボン酸鉄錯体及びチオ硫酸塩を含有する1パート構成のハロゲン化銀カラー写真感光材料用漂白定着濃縮組成物において、該漂白定着濃縮組成物が、燐酸塩、ポリ燐酸塩、下記一般式(1)で示されるイミダゾール又はその誘導体から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有し、かつ前記鉄錯体の配位子としてのアミノポリカルボン酸の少なくとも80mol%がエチレンジアミン四酢酸であって、該鉄錯体のFe(II)価比率が50mol%以上であることを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料用漂白定着濃縮組成物である。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は1パート構成されたハロゲン化銀カラー写真感光材料用(以下、感光材料または感材とも略す。)の漂白定着濃縮組成物、包装体及び処理方法に関し、詳しくは実際の使用条件下である長期保管後のランニング処理におけるプリント白地や経時保存におけるステインといった写真品質の劣化を防止し、良好な処理性能が得られる感光材料用漂白定着濃縮組成物、濃縮組成物包装体及び処理方法に関する。
【0002】
【従来技術】
漂白定着組成物は感光材料の処理において、画像銀を除去するのに用いられる。一般に画像銀を除去する工程は、銀を酸化剤作用によって感光材料中に含まれる銀粒子を銀イオンに酸化する漂白工程と酸化体によって生成した銀イオンを感光材料から溶解除去する定着工程の2つの工程を含んでいる。このため、漂白定着処理剤は漂白剤と定着剤を含み、一般的に定着剤は還元性を有しており、両者は保恒剤が存在しない場合には、容易に反応して失活する事が知られている。通常保恒剤として亜硫酸塩などが用いられているが、保恒剤は経時で分解が進行し、また保恒剤が存在する場合でも高濃度に濃縮した場合には少なからず両者は反応し、本来の性能を損なう結果に至る事から、従来は漂白剤パートと定着剤パートの2パート構成として独立形態に設計されている。
【0003】
ところが、複数パートを取り扱う場合、ユーザーの煩雑さが増え、ましてや溶解時の誤操作により、目的の補充濃度が得られないといった問題が起こる。このため、ユーザーからは補充成分が1つのパート内に全て入っており、そのまま補充液として使用できる、いわゆるシングルパート(1パート)構成の補充液が望まれている。
【0004】
1パートであれば、煩雑さは解消され、従来の複数パートに比べて溶解ミスを起こす可能性は圧倒的に小さい。そのまま補充液として使用できる、いわゆる使用液タイプと、水と一定の割合で希釈してから補充液として使用する、いわゆる濃縮液タイプと呼ばれるものと、2種類のものが知られている。
【0005】
近年は、店舗面積の小さい、小規模の現像処理店、いわゆるミニラボ店が増加しているが、これらの店では補充液の保管スペースが非常に限られており、多大な保管スペースを必要とする使用液タイプのものよりも、小さな保管スペースで済む濃縮液タイプのものがより望まれている。
【0006】
漂白定着組成物の1パート濃縮組成物に関しては、漂白剤として鉄(III)・エチレンジアミンジ琥珀酸錯塩および鉄(III)・エチレンジアミンジグルタミン酸錯塩のいずれか、又は両方を主成分として含有し、充填物1リットル当たりの酸素供給速度が10ミリリットル/hr以下の容器に充填された1パート構成の濃縮された写真用漂白定着処理剤(例えば、特許文献1参照)、(a)少なくとも0.05モル/Lの一種以上の鉄−配位子錯体、(a)単一の写真定着剤としての、少なくとも0.15モル/Lの一種以上のチオ硫酸塩、および(a)任意の一種以上の亜硫酸塩を含み、pH4〜10を有する単品の写真漂白−定着先駆体組成物であって、かつ、該先駆体組成物中に存在する50モル%を超える鉄がFe(II)の形態である先駆体組成物(例えば、特許文献2参照)や、鉄(III)錯塩、チオ硫酸塩および亜硫酸塩、二亜硫酸塩またはスルフィン酸を含有するワンパート(one−part)写真漂白−定着濃縮物であって、それが燐酸塩、ポリ燐酸塩もしくはポリホスホン酸塩、または硝酸塩もしくは臭化物を含んでなる系からの少なくとも1種の化合物をさらに含有することを特徴とする濃縮物(例えば、特許文献3参照)が知られている。
【0007】
特許文献1では、高温での処理液の安定性、容器着色の改善効果及び保存後の漂白安定性について言及している。
特許文献2では、低温での析出性、高温での処理液安定性及びランニング処理での漂白安定性について言及している。
一方、特許文献3では、低温での析出性、高温での処理液安定性について言及している。
【0008】
しなしながら、1パートの漂白定着組成物では、上記した高温や低温といった保存後の処理液安定性や漂白安定性以外にも実際の使用条件下である長期保管後のランニング処理でのプリント白地や経時保存におけるステインといった写真品質の劣化を招くという問題が生じる事が判明した。
【0009】
【特許文献1】特開2000−98553
【特許文献2】特開2002−169253
【特許文献3】特開2002−1449
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の課題は、実際の使用条件下である長期保管後のランニング処理でのプリント白地や経時保存におけるステインといった写真品質の劣化を防止し、良好な処理性能が得られる感光材料用漂白定着濃縮組成物、濃縮組成物包装体及び処理方法を提供する事である。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記課題は、下記構成によって達成される。
1.少なくともアミノポリカルボン酸鉄錯体及びチオ硫酸塩を含有する1パート構成のハロゲン化銀カラー写真感光材料用漂白定着濃縮組成物において、該漂白定着濃縮組成物が、燐酸塩、ポリ燐酸塩、下記一般式(1)で示されるイミダゾール又はその誘導体から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有し、かつ前記鉄錯体の配位子としてのアミノポリカルボン酸の少なくとも80mol%がエチレンジアミン四酢酸であって、該鉄錯体のFe(II)価比率が50mol%以上であることを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料用漂白定着濃縮組成物。
【0012】
一般式(1) (R1)nA
【0013】
一般式(1)において、R1は水素原子、アミノ基または水酸基が置換してもよい炭素数1〜3のアルキル基、アルケニル基及びハロゲン原子を表し、R1が複数の場合は互いに同じでも異なってもよい。R1が表すアミノ基にはメチル基またはエチル基が1又は2個置換していてもよい。またアルキル基及びアルケニル基には炭素数1〜3のアルキル基が置換してもよい。nは1〜3の整数である。Aはイミダゾリル基を表す。
【0014】
2.前記鉄錯体のFe(II)価比率が80mol%以上であることを特徴とする前記1に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料用漂白定着濃縮組成物。
【0015】
3.前記配位子としてのアミノポリカルボン酸が、実質的に100mol%がエチレンジアミン四酢酸からなる事を特徴とする前記1又は2に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料用漂白定着濃縮組成物。
【0016】
4.前記濃縮組成物中に含まれる前記配位子としてのアミノポリカルボン酸と鉄イオンとのmol比率が、1.01:1.00〜1.08:1.00の範囲であることを特徴とする前記1〜3のいずれかに記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料用漂白定着濃縮組成物。
【0017】
5.前記1〜4のいずれかに記載の濃縮組成物が酸素透過度50ml/(m・day・atm)以下の包装材料で包装されている事を特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料用漂白定着濃縮組成物包装体。
【0018】
6.前記1〜4のいずれかに記載の濃縮組成物を用いて処理する事を特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法。
【0019】
本発明に係る漂白定着濃縮組成物は、燐酸塩、ポリ燐酸塩、前記一般式(1)で示されるイミダゾール又はその誘導体から選ばれる少なくとも1種の化合物(以下、本発明の化合物という。)を含有する。
【0020】
【発明の実施の態様】
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明における、鉄イオンと有機錯塩を形成する、主なアミノポリカルボン酸としてはエチレンジアミン四酢酸のアルカリ金属塩(例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩)やアンモニウム塩である。キレート構造の安定、処理の迅速化からその他のアミノポリカルボン酸を含んでも良い。
【0021】
その他のアミノポリカルボン酸としては、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレンジアミン−N−(β−オキシエチル)−N,N′,N′−三酢酸、1,2−ジアミノプロパン四酢酸、1,3−ジアミノプロパン四酢酸、ニトリロ三酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、イミノ二酢酸、ジヒドロキシエチルグリシン、エチルエーテルジアミンテトラ酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、エチレンジアミン四プロピオン酸、フェニレンジアミン四酢酸、1,3−ジアミノプロパノール−N,N,N′,N′−四メチレンホスホン酸、エチレンジアミン−N,N,N′,N′−四メチレンホスホン酸、1,3−プロピレンジアミン−N,N,N′,N′−四メチレンホスホン酸、ニトリロ二酢酸モノプロピオン酸、ニトリロモノ酢酸ジプロピオン酸、2−(ビス−カルボキシメチル−アミノ)−プロピオン酸、2ーヒドロキシ−3−アミノプロピオン酸−N,N−二酢酸、セリン−N,N−二酢酸、2−メチル−セリン−N,N−二酢酸、2−ヒドロキシメチル−セリン−N,N−二酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、メチルイミノ二酢酸、N−(2−アセトアミド)−イミノ二酢酸、ニトリロトリプロピオン酸、エチレンジアミン二酢酸、エチレンジアミン二プロピオン酸、1,4−ジアミノブタン四酢酸、2−メチル−1,3−ジアミノプロパン四酢酸、2−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン四酢酸、クエン酸及びこれらのアルカリ金属塩(例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩)やアンモニウム塩などであるが、これらに限定されるものではない。また、その他のアミノポリカルボン酸を2種以上併用して用いてもよい。
【0022】
エチレンジアミン四酢酸の量としては、アミノポリカルボン酸全体の量に対して80mol%以上であり、この範囲において本発明の効果が得られる。また、好ましくは実質的に100mol%であり、エチレンジアミン四酢酸の量比率が高いほど、安定化工程の迅速化を行なう上で本発明の効果がよりよく発揮される点から好ましい。
【0023】
Fe(II)価比率を50mol%以上に達成する手段としてはアミノポリカルボン第2鉄錯体をアジチオン酸ナトリウム等の還元剤で還元しても良い。また無機鉄塩の第1鉄塩と第2鉄塩の比率を調整する事で、達成しても良い。好ましいFe(II)価比率としては80mol%以上であり、本発明の効果をよりよく発揮する。
【0024】
上記第1鉄塩としては、例えば硫酸第1鉄、塩化第1鉄、シュウ酸第1鉄、酸化鉄などが挙げられ、より具体的な化合物としては、硫酸第1鉄アンモニウム、硫酸第1鉄ナトリウム、硫酸第1鉄アンモニウム、硫酸第1鉄ナトリウム、塩化第1鉄、臭化第1鉄、硫酸第1鉄、酢酸第1鉄、シュウ酸第1鉄、酸化鉄などである。また、第2鉄塩としては、硝酸第2鉄、塩化第2鉄、臭化第2鉄、三硫酸鉄(III)三M1、硫酸鉄(III)M1(但し、M1はアンモニウム、カリウム、ナトリウム又は水素原子を表す)などが挙げられ、より具体的な化合物としては、硝酸第2鉄、塩化第2鉄、臭化第2鉄、三硫酸鉄(III)三アンモニウム、三硫酸鉄(III)三カリウム、三硫酸鉄(III)三ナトリウム、硫酸鉄(III)カリウム、硫酸鉄(III)ナトリウム、硫酸鉄(III)アンモニウム等で挙げる事ができる。
【0025】
また、本発明における配位子としてのアミノポリカルボン酸と鉄イオンとのmol比率はキレート構造の安定性及び1日あたりの処理量が少ない、いわゆる低処理条件では、本発明の効果がより良く発揮される点から、アミノポリカルボン酸:鉄イオンとのmol比率が1.01:1.00〜1.08:1.00で有ることが好ましく、より好ましくは1.02:1.00〜1.06:1.00である。また、漂白定着濃縮組成物1リットルあたりの鉄イオン量は、溶解性の点から0.5mol〜4.0molであり、好ましくは0.5mol〜3.0molである。また漂白剤として他のFe(III)キレート系漂白剤を添加しても良い。
【0026】
次に本発明の特徴である一般式(1)で示されるイミダゾール又はその誘導体について説明する。
一般式(1)(R1)n A
【0027】
一般式(1)において、R1は水素原子、アミノ基または水酸基が置換してもよい炭素数1〜3のアルキル基、アルケニル基及びハロゲン原子を表し、R1が複数の場合は互いに同じでも異なってもよい。R1が表すアミノ基にはメチル基またはエチル基が1又は2個置換していてもよい。またアルキル基及びアルケニル基には炭素数1〜3のアルキル基が置換してもよい。nは1〜3の整数である。Aはイミダゾリル基を表す。
【0028】
以下に一般式(1)で表されるイミダゾール化合物の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
1−メチルイミダゾール
2−メチルイミダゾール
4−メチルイミダゾール
4−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾール
4−(2−アミノエチル)イミダゾール
2−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾール
2−エチルイミダゾール
2−ビニルイミダゾール
4−プロピルイミダゾール
2,4−ジメチルイミダゾール
2−クロロイミダゾール
4,5−ジ(2−ヒドロキシエチル)イミダゾール
イミダゾール
【0029】
次に燐酸塩及びポリ燐酸塩について説明する。
燐酸塩の具体的な化合物としては、例えば燐酸二水素アンモニウム、燐酸水素二アンモニウム、燐酸三アンモニウム、燐酸二水素カリウム、燐酸水素二カリウム、燐酸三カリウム、燐酸二水素ナトリウム、燐酸水素二ナトリウム、および燐酸三ナトリウム、または遊離燐酸を使用することができるが、これらに限定されるものでない。
【0030】
ポリ燐酸塩の具体的な化合物としては、ヘキサメタ燐酸ナトリウム、四燐酸ナトリウム、ヒドロキシエタンジホスホン酸、N(−2−カルボキシエチル)−1−アミノエタン−1,1−ジホスホン酸、N,N−ビス−(カルボキシメチレン)−1−アミノエタン−1,1−ジホスホン酸、モルホリノメタン−ジホスホン酸、ニトリロトリスメチレン−ホスホン酸、エチレンジアミン−テトラメチレンホスホン酸、ヘキサメチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、および2−カルボキシエタン−ホスホン酸、メチレンジホスホン酸又は遊離ポリ燐酸などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0031】
上記イミダゾール又はその誘導体、燐酸塩又はポリ燐酸塩から選ばれる本発明の化合物は単独で用いられてもよいし、2種類以上併用してもよい。この使用量は、本発明の効果をよりよく発揮するためには、漂白定着濃縮組成物1リットルあたり0.01mol〜2.5molであり、好ましくは0.05mol〜1.0molである。0.01mol以下では、本発明の効果が乏しく、2.5molを越えると高濃厚化しても発明の効果のさらなる向上は厳しく、経済的不利なども生じる。
【0032】
本発明の漂白定着濃縮組成物には、緩衝剤を添加するのも好ましい。緩衝剤は意図するpHにより選択されるが好ましい化合物としては、一般式(2)で表されるジカルボン酸、酢酸等の化合物が挙げられる。
【0033】
一般式(2) R(COOM)
【0034】
一般式(2)において、Rは単結合又は2価の基を表し、Mは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム基を表す。Rが表す好ましい2価の基は、アルキレン基、アルケニレン基、アルキレンオキシアルキレン基、アルキレンチオアルキレン基、シクロアルキレン基およびフェニレン基である。これらのアルキレン基およびアルケニレン基の炭素数は、1〜6で、水酸基又はカルボキシル基が置換してもよい。また、アルキレンオキシアルキレン基及びアルキレンチオアルキレン基を構成するアルキレン基は炭素数が1〜4で、さらに単素数1〜3のアルキル基が1〜2個置換してもよい。シクロアルキレン基およびフェニレン基には、単素数1〜3のアルキル基、水酸基、カルボキシル基が1〜2個置換していてもよく、そのシクロアルキレン基の炭素数は、1〜7である。
【0035】
一般式(2)で表されるジカルボン酸の具体例には、グリコール酸、クエン酸、酒石酸、マレイン酸、コハク酸等が挙げられるが、本発明に用いられる一般式(2)の化合物はこれらに限定されない。また、これらは2種以上の化合物を併用してもよい。緩衝剤の化合物の添加量は漂白定着濃縮組成物1リットルあたり0.005mol〜4.0molが好ましく、さらに好ましくは0.05mol〜1.5molである。
【0036】
本発明おける漂白定着濃縮組成物に使用される定着剤は、公知の定着剤、即ちチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウムなどチオ硫酸塩のアルカリ金属塩およびアンモニウム塩である。
【0037】
また、溶解性の点からチオ硫酸塩の中では、特にチオ硫酸アンモニウム塩の使用が好ましい。
【0038】
漂白定着濃縮組成物1リットルあたりの定着剤の量は、0.5〜4molが好ましく、更に好ましくは0.5〜3.0molの範囲である。
【0039】
漂白定着組成物には、定着促進などの目的で副次的に他のハロゲン化銀溶解剤を加えてもよい。副次的に添加できる適当なハロゲン化銀溶解剤は、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸アンモニウムなどのチオシアン酸塩、エチレンビスチオグリコール酸、3,6−ジチア−1,8−オクタンジオールなどのチオエーテル化合物およびチオ尿素、エチレンチオ尿素などのチオ尿素類などの水溶性のハロゲン化銀溶解剤であり、これらを1種あるいは2種以上処理剤成分として添加して使用することができる。また、特開昭55−155354号公報に記載された定着剤と多量の沃化カリウムの如きハロゲン化物などの組み合わせからなる特殊な漂白定着組成物も用いることができる。
【0040】
漂白定着濃縮組成物には、脱銀促進性を有する化合物を添加して、処理の迅速化と銀除去性能の向上を図ることができる。この目的に適した化合物には、特開平8−297356号及び特開平8−137070号の各公報に開示された1,2,4−トリアゾリウム−3−スルフィド型のメソイオン化合物(代表例、1,4,5−トリメチル−1,2,4−トリアゾリウム−3−スルフィド)、特開平8−292510号公報に開示されたRSOM(Rはアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アラルキル、アリ−ル基を表し、Mは水素原子、アルカリ金属原子、アンモニウム基)型のスルフィン酸類(代表例、フェニルスルフィン酸)および特開平9−5964号公報に開示された3−メルカプト−1,2,4−トリアゾ−ル型のメルカプト化合物(代表例、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾ−ル−1−メチルスルホン酸)であり、これらの1つ以上を0.001〜0.1モル/リットルの濃度で添加することができる。
【0041】
また、漂白定着濃縮組成物には、銀スラッジの生成を防止するために、銀塩形成性の化合物を添加することができる。この目的に適した化合物には、特開平8−204980号公報に開示されたグアニジンのN−アミノ置換又はN−アルコキシ置換誘導体(そのほかにアルキル基などが置換してもよい)、(代表例、N−(ジ−n−ブチルアミノプロピル)グアニジン、N−(ジ−n−プロピルアミノエチル)グアニジン)、特開平9−211820号公報に開示された2−メルカプトアゾール誘導体及び2−メルカプトピリミジン誘導体(代表例、2−メルカプト−5−アセトアミドチアジアゾール、2−メルカプト−4−メチル−5−アミノ−ピリミジン)であり、これらの1つ以上を0.001〜0.1mol/Lの濃度で漂白定着濃縮組成物中に添加することができる。
【0042】
次に漂白定着濃縮組成物の濃縮率について述べる。濃厚液体処理組成物の濃厚化の度合いを示す実用的な尺度として「濃縮率」が通常用いられる。濃縮率は、処理組成物を水で希釈して目的とする処理液を調製したときに完成した処理液のもとの液体処理組成物に対する体積比によって表す。したがって、同一組成の濃縮型処理組成物であっても、その「濃縮率」は、厳密には使用液の濃度によって異なることになる。
【0043】
本明細書では、とくに断らない限り、「濃縮率」の基準となる使用液として、漂白剤の鉄イオンが0.18mol/L濃度になる漂白定着液を基準として用い、濃縮率は、この基準濃度の漂白定着液を調製するための希釈倍率で示している。また、本発明のにおける漂白定着濃縮組成物の好ましい濃縮率は少なくとも1.0以上5.0以下であり、より好ましくは1.2〜3.0の濃縮率である。
【0044】
本発明に係わる漂白定着組成物のpHは3〜8が好ましく、4〜7がより好ましい。pHがこれより低いと漂白能は向上するが、液の劣化及びシアン色素のロイコ化が促進される。逆にpHがこれより高いと漂白が遅れる。
【0045】
pHを調整するためには、必要に応じて塩酸、硫酸、硝酸、重炭酸塩、アンモニア、苛性カリ、苛性ソーダ、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等を添加することができる。
【0046】
漂白定着濃縮組成物には、その他各種の蛍光増白剤や消泡剤或いは界面活性剤、ポリビニルピロリドン、メタノール等の有機溶媒を含有させることができる。
【0047】
漂白定着濃縮組成物には、保恒剤として亜硫酸塩(例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウム、など)、重亜硫酸塩(例えば、重亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウム、など)やメタ重亜硫酸塩(例えば、メタ重亜硫酸カリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸アンモニウム、など)等の亜硫酸イオン放出性化合物、前記記載のp−トルエンスルフィン酸、m−カルボキシベンゼンスルフィン酸などのアリ−ルスルフィン酸などを含有させてもよい。その場合は、これらの化合物の添加量は亜硫酸イオンやスルフィン酸イオンに換算して約0.02〜0.8mol/Lであることが好ましい。漂白定着濃縮組成物の保恒剤としては、上記のほか、アスコルビン酸、カルボニル重亜硫酸付加物又はその他のカルボニル化合物等を添加しても良い。更には緩衝剤、キレート剤、消泡剤、防カビ剤等を必要に応じて添加しても良い。
【0048】
次に漂白定着濃縮組成物を充填する包材について説明する。
本発明の漂白定着濃縮組成物は下記包材に収容されることによって本発明の漂白定着濃縮組成物包装体になる。
【0049】
包材は、50ml/(m・day・atm)以下である事が必須である。包材の材質は紙、プラスチックなどいかなる材質のものでもよいが、酸素透過度が、20ml/(m・day・atm)以下のプラスチック材料が好ましく用いられ、特に好ましくは5ml/(m・day・atm)以下である。なお、ここでいう酸素透過度の測定は常法に従い、JIS1707により測定した。
【0050】
本発明の包材で好ましく用いられるプラスチック材料としては、例えば次の一群に示すものが挙げられる。
【0051】
(一群)
A ポリオレフィン系樹脂
B ポリエチレンー酢酸ビニル共重合体系樹脂
C エチレンービニルアルコール共重合体系樹脂
D ポリアミド系樹脂
E セラミック
F アクリロニトリル系樹脂
G ポリエチレンテレフタレート系樹脂
H ポリハロゲン化ビニリデン系樹脂
I ポリハロゲン化ビニル系樹脂
【0052】
ポリオレフィン系樹脂層に用いられる樹脂としては、ポリエチレンが好ましく、低密度ポリエチレン(以下、LDPEと略して呼ぶ。)、中密度ポリエチレン(以下、MDPEと略して呼ぶ。)および高密度ポリエチレン(以下、HDPEと略して呼ぶ。)のいずれも使用することができる。本発明に好ましく使用されるHDPEは、密度が0.941〜0.969のものである。また、好ましいLDPEは、高圧重合法で合成され、その密度は、0.910〜0.925である。
【0053】
本発明に用いられる容器としては、上記の密度範囲のHDPEを用いるのがよいが、さらにそのHDPEのメルトインデックス(ASTM D1238に規定された方法で、温度190°Cで押し出し圧力2.16kgで測定)が、0.3〜7.0g/10min、好ましくは0.3〜5.0g/10minであるものが好ましい。この範囲にあると漂白定着濃縮組成物用の容器として安定である。
【0054】
本発明における好ましい容器の厚みは、材質によって異なるが、好ましくは0.1〜2.0mm、とくに好ましくは0.3〜1.5mm、より好ましくは0.4〜1.0mmである。
【0055】
ポリアミド系樹脂は突き刺し強度や耐ピンホール性からナイロンが好ましく用いられる、厚みは3〜50μmが好ましく、より好ましくは5〜30μmである。とりわけ延伸ナイロンが本発明の目的の効果から好ましい。セラミックは酸化珪素を主体とする無機質であり、ポリエチレンとかポリエチレンフタレートに真空中でコートしても良い。これらの具体的なものは凸版印刷社製のGLタイプ(セラミック蒸着フィルム)等が挙げられる。
【0056】
またエチレンービニルアルコール共重合体樹脂としては、クラレ社製のクラレ、エバーフィルム(EF−XL,EF−F、EF−K)等が挙げられる。
【0057】
ポリハロゲン化ビニリデン系樹脂及びポリハロゲン化ビニル系樹脂のハロゲンとしては塩素、フッ素、臭素等が挙げられる、具体的にはポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル等の樹脂が挙げられる。
【0058】
しかしながら、本発明においては、環境適正の観点から焼却処理時に有害ガスの発生が好ましくないため、前記一群の中でも、A〜Gが好ましく用いられ、特に好ましくはA〜Fのものである。
【0059】
本発明において用いられる各樹脂は、「プラスチックフィルム」(日刊工業新聞社発行、高橋儀作、昭和51年12月20日増補版)に記載のある中から本発明の条件を満足するものを用いることができる。
【0060】
これらの材料は、単一で成型して使用しても良いが、2種類以上の材料をフィルム状にして貼り会わせたいわゆる多層フィルムを使用しても良い。包材の形状も、瓶タイプ、ピロータイプ等あらゆる構成を取ることができる。
【0061】
本発明の包材の材料として多層フィルムを使用する場合、層構成としては例えば、下記に示す構成が挙げられる。
(1) LLDPE/Ny(ナイロン)PET(ポリエチレンテレフタレート)
(2) LLDPE/Ny/EVOH(エバール)/Ny/ONy(延伸ナイロン)
(3) LLDPE/EVA(ポリエチレン−酢酸ビニル共重合体)/Ny
(4) LLDPE/S・PE(サンドポリエチレン)/HDPE(高密度ポリエチレン)/NY/EVOH/NY/PET
(5) LLDPE/KOH(塩化ビニリデンコートナイロン)
(6) LLDPE/GLPET(セラミックコーティングポリエチレンテレフタレート)
(7) PE(ポリエチレン)/EVOH/OPP(延伸ポリプロピレン)
【0062】
(8) LDPE(低密度ポリエチレン)/EVOH/PET
(9) LDPE/EVOH/ONy
(10) PE/KPE(塩化ビニリデンポリエチレンポリエステル)
(11) PE/Ny
(12) PE/EVOH/Ny
(13) PE/EVOH/KPE
(14) PE/EVOH/KPET(塩化ビニリデンコートPET)
(15) LDPE/EVOH/KPET
【0063】
(16) EVA(ポリエチレン−酢酸ビニル共重合体)/Ny
(17) EVA/ONy
(18) EVA/EVOH/ONy
(19) LDPE/AN(アクリロニトリル)/Ny
(20) LLDPE/S・PE/LLDPE/Ny/EVOH/Ny/ONy
(21) LLDPE/S・PE/HDPE/S・PE/LLDPE/Ny/EVOH/Ny/PET
(22) LLDPE/S・PE/LLDPE/Ny/EVOH/Ny/ONy
(23) LLDPE/S・PE/LLDPE/Ny/EVOH/Ny/PET
【0064】
多層フィルムの製造は特に限定されないが、例えばフィルムとフィルムを接着剤で貼り合わせる方法や、フィルムとフィルムを溶融した樹脂で貼り合わせる方法、2種類以上の樹脂をスリットから一緒に押し出すいわゆる共押し出しといわれる方法、その他の一般的に用いられるフィルム積層法などを単独又は組み合わせて用いられる。
【0065】
本発明に係わる漂白定着濃縮組成物を用いて調整された漂白定着組成物(処理液)の補充量は、処理される感光材料1m当たり20ml〜250mlが好ましく、より好ましくは30ml〜200mlである。処理される感光材料がカラ−ネガ、カラ−リバ−サルフィルムの場合の漂白定着時間は、通常10秒〜6分30秒、好ましくは30秒〜4分30秒であり、カラ−ペーパーの場合の漂白定着時間は、10秒から1分である。処理温度はカラ−ネガ、カラ−リバ−サルフィルム及びカラ−ペーパーともに25℃〜60℃、好ましくは30℃〜50℃である。
【0066】
次に、カラー現像処理、処理液および工程について説明する。現像処理工程は、発色現像、脱銀、水洗又は安定化、および安定化の各工程からなる。発色現像工程には、発色現像処理組成物から現像補充液および現像液が調製されて用いられる。その中には、カラー現像主薬を含有するが、好ましい例は公知の芳香族第1級アミン発色現像主薬、とくにp−フェニレンジアミン誘導体であり、代表例を以下に示すがこれらに限定されるものではない。
【0067】
1)N,N−ジエチル−p−フェニレンジアミン
2)4−アミノ−N,N−ジエチル−3−メチルアニリン
3)4−アミノ−N−(β−ヒドロキシエチル)−N−メチルアニリン
4)4−アミノ−N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)アニリン
5)4−アミノ−N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)−3−メチルアニリン
6)4−アミノ−N−エチル−N−(3−ヒドロキシプロピル)−3−メチルアニリン
7)4−アミノ−N−エチル−N−(4−ヒドロキシブチル)−3−メチルアニリン
【0068】
8)4−アミノ−N−エチル−N−(β−メタンスルホンアミドエチル)−3−メチルアニリン
9)4−アミノ−N,N−ジエチル−3−(β−ヒドロキシエチル)アニリン
10)4−アミノ−N−エチル−N−(β−メトキシエチル)−3メチル−アニリン
11)4−アミノ−N−(β−エトキシエチル)−N−エチル−3−メチルアニリン
12)4−アミノ−N−(3−カルバモイルプロピル−N−n−プロピル−3−メチルアニリン
13)4−アミノ−N−(4−カルバモイルブチル−N−n−プロピル−3−メチルアニリン
【0069】
上記p−フェニレンジアミン誘導体のうち特に好ましい主薬としては例示化合物5),6),7),8)及び12)であり、その中でも化合物5)と8)が多用される。
【0070】
また、これらのp−フェニレンジアミン誘導体は、固体素材の状態では、通常硫酸塩、塩酸塩、亜硫酸塩、ナフタレンジスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などの塩の形である。発色現像処理剤組成物は、使用に際して水と定められた比率で混合されて現像補充液(またはさらに希釈した現像液)の形の使用液にして用いるが、使用液中の該芳香族第1級アミン現像主薬の濃度は現像液1リットル当たり好ましくは2mmol〜200mmol、より好ましくは12mmol〜200mmol、更に好ましくは12mmol〜150mmolである。
【0071】
発色現像液には、通常ヒドロキシルアミン誘導体又はその塩あるいは、N−アルキルヒドロキシルアミン又はその塩を加えることが多いが、保恒剤としては、アルカノールアミン類、ヒドロキシルアミン誘導体、ヒドロキサム酸類、ヒドラジド類、フェノール類、α−ヒドロキシケトン類、α−アミノケトン類、糖類、ポリエチレンイミン類、モノアミン類、ジアミン類、ポリアミン類、四級アンモニウム塩類、ニトロキシラジカル類、アルコール類、オキシム類、ジアミド化合物類、縮環式アミン類などが特に有効である。これらは、特開昭63−4235号、同63−30845号、同63−21647号、同63−44655号、同63−53551号、同63−43140号、同63−56654号、同63−58346号、同63−43138号、同63−146041号、同63−44657号、同63−44656号、米国特許第3,615,503 号、同2,494,903 号、特開昭52−143020号、特公昭48−30496号などの各公報又は明細書に開示されている。処理剤組成物を構成する場合に、これらの保恒剤は主薬とは別のパートとして構成するのが好都合のことが多い。
【0072】
発色現像液は、通常塩素イオンを3.5×10−2〜1.5×10−1mol/L含有することが多いが、塩素イオンは、通常現像の副生成物として現像液に放出されるので補充液には添加不要のことが多い。臭素イオンの含有に関しても塩素イオンの場合と同じ事情にある。発色現像液中の臭素イオンは、撮影用材料の処理では1〜5×10−3mol/L程度、プリント材料の処理では、1×10−3mol/L以下である。
【0073】
現像処理される感光材料がカラ−印画紙の場合は、画面の背景の白地が白いことが重要な画質特性なので、スチルベン系蛍光増白剤、とくにジ(トリアジルアミノ)スチルベン系や、4、4′−ジアミノ−2,2′−ジスルホスチルベン系の蛍光増白剤を発色現像液に添加することもある。
【0074】
このスチルベン系蛍光増白剤は、発色現像液のほか、脱銀液あるいは感光材料のいずれにも添加できる。発色現像液中に含ませる場合は、その好適濃度は1×10−4〜5×10−2mol/Lであり、より好ましくは2×10−4〜1×10−2mol/Lである。
【0075】
発色現像液や現像補充液はpH9.5以上、より好ましくは10.0〜12.5で用いられる。pHを安定に保持するためには、各種緩衝剤を用いるのが好ましい。緩衝剤としては、炭酸塩の外に、リン酸塩、ホウ酸塩、四ホウ酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、グリシル塩、N,N−ジメチルグリシン塩、ロイシン塩、ノルロイシン塩、グアニン塩、3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン塩、アラニン塩、アミノ酪酸塩、2−アミノ−2−メチル−1, 3−プロパンジオール塩、バリン塩、プロリン塩、トリスヒドロキシアミノメタン塩、リシン塩などを用いることができる。該緩衝剤の量は、希釈調製した発色現像補充液中の濃度が、0.01〜2mol/L以上、特に0.1mol/L〜0.5mol/Lとなるように組成物中に添加される。
【0076】
発色現像組成物には、その他の発色現像液成分、例えばカルシウムやマグネシウムの沈澱防止剤であり、あるいはカラー現像液の安定性向上剤でもある各種キレート剤を添加することもできる。例えば、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレンジアミン四酢酸、N,N,N−トリメチレンホスホン酸、エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラメチレンスルホン酸、エチレンジアミンN,N−ジ琥珀酸、N,N−ジ(カルボキシラート)−L−アスパラギン酸、β−アラニンジ琥珀酸、トランスシロヘキサンジアミン四酢酸、1,2−ジアミノプロパン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、エチレンジアミンオルトヒドロキシフェニル酢酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、N,N′−ビス(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N′−ジ酢酸、1,2−ジヒドロキシベンゼン−4,6−ジスルホン酸等が挙げられる。これらのキレート剤は必要に応じて2種以上併用しても良い。
【0077】
これらのキレート剤の量は発色現像液中の金属イオンを封鎖するのに充分な量であれば良い。例えば1リットル当り0.1g〜10g程度になるように添加する。発色現像液には、必要により任意の現像促進剤を添加できる。
【0078】
現像促進剤としては、数多くの公報に表わされる公知のチオエーテル系化合物、p−フェニレンジアミン系化合物、4級アンモニウム塩類、アミン系化合物、ポリアルキレンオキサイド、その他1−フェニル−3−ピラゾリドン類、イミダゾール類、等を必要に応じて添加することができる。
【0079】
また、発色現像液には、必要に応じて、任意のカブリ防止剤を添加できる。カブリ防止剤としては、アルカリ金属ハロゲン化物及び有機カブリ防止剤が使用できる。
【0080】
有機カブリ防止剤としては、例えばベンゾトリアゾール、6−ニトロベンズイミダゾール、5−ニトロイソインダゾール、5−メチルベンゾトリアゾール、5−ニトロベンゾトリアゾール、5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−チアゾリル−ベンズイミダゾール、2−チアゾリルメチル−ベンズイミダゾール、インダゾール、ヒドロキシアザインドリジン、アデニンの如き含窒素ヘテロ環化合物を代表例としてあげることができる。
【0081】
又、ポリアルキレングリコール類、アルキルスルホン酸、アリールスルホン酸、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸等の各種界面活性剤を添加しても良い。
【0082】
以上、本発明の漂白定着濃縮組成物と組み合わせて用いられる発色現像組成物及びそれから調製される発色現像補充液又は現像液について説明した。
【0083】
発色現像の処理温度は、現像処理される感光材料がカラーペーパーの場合は、30〜55℃であり、好ましくは35〜55℃であり、より好ましくは38〜45℃である。現像処理時間は、5〜90秒であり、好ましくは15〜60秒である。補充量は少ない方が好ましいが、感光材料1m当たり15〜600mlが適当であり、好ましくは30〜180mlである。
【0084】
一方、カラ−ネガの発色現像処理の場合は、現像温度は20〜55であり、好ましくは30〜55℃であり、より好ましくは38〜45℃である。現像処理時間は、20秒〜6分であり、好ましくは、30〜200秒である。補充量は少ない方が好ましいが、感光材料1m当たり100〜800mlが適当であり、好ましくは200〜500mlである。
【0085】
また、本発明の漂白定着処理組成物は、カラー現像処理の脱銀工程に用いられるが、脱銀工程の構成は、つぎに示すように色々な形態を取ることが可能である。本発明の漂白定着処理組成物は、漂白定着補充液に調製されて漂白定着槽に添加され、通常この工程のみで脱銀工程が構成されるが、下記に示すように漂白あるいは定着工程が付加されることもある。
【0086】
代表的なカラー現像処理の脱銀工程の構成
(工程1) 漂白定着
(工程2) 漂白−漂白定着
(工程3) 漂白−漂白定着−定着
(工程4) 定着−漂白定着
(工程5) 漂白定着−定着
【0087】
また、これらの漂白、漂白定着、定着工程の個々の工程は、必要により複数浴に仕切られて、カスケード方式を採用することもある。漂白定着濃縮組成物およびそれから得られる処理液の組成、漂白定着工程の温度、処理時間などの条件についてはすでに説明したが、この工程について若干の補足を行う。
【0088】
本発明に用いられる漂白定着液(処理液)は、長時間、連続的な処理を行う場合は、エアレーションを実施することが写真性能を安定に保持するので好ましい。エアレーションには当業界で公知の手段が使用でき、空気の吹き込みやエゼクターを利用した空気の吸収などが実施できる。空気の吹き込みに際しては、微細なポアを有する散気管を通じて、液中に空気を放出させることが好ましい。このような散気管は、活性汚泥処理における曝気槽等に、広く使用されている。しかし、過度のエアレーションは、処理液成分の無用な酸化をもたらすので避ける必要がある。エアレーションに関しては、イーストマン・コダック社発行のZ−121、ユージング・プロセス・C−41第3版(1982年)、BL−1〜BL−2頁に記載の事項を利用できる。
【0089】
漂白定着液を用いた処理に於いては、攪拌がされていることが好ましく、その実施には特開平3−33847号公報の第8頁、右上欄、第6行〜左下欄、第2行に記載の内容が、そのまま利用できる。
【0090】
脱銀工程においては、攪拌ができるだけ強化されていることが好ましい。攪拌強化の具体的な方法としては、特開昭62−183460号に記載の感光材料の乳剤面に処理液の噴流を衝突させる方法や、特開昭62−183461号の回転手段を用いて攪拌効果を上げる方法、更には液中に設けられたワイパーブレードと乳剤面を接触させながら感光材料を移動させ、乳剤表面を乱流化することによってより攪拌効果を向上させる方法、処理液全体の循環流量を増加させる方法が挙げられる。このような攪拌向上手段は、漂白液、漂白定着液、定着液のいずれにおいても有効である。攪拌の向上は乳剤膜中への漂白剤、定着剤の供給を速め、結果として脱銀速度を高めるものと考えられる。また、前記の攪拌向上手段は、漂白促進剤を使用した場合により有効であり、促進効果を著しく増加させたり漂白促進剤による定着阻害作用を解消させることができる。
【0091】
本発明に用いられる自動現像機は、特開昭60−191257号、同60−191258号、同60−191259号に記載の感光材料搬送手段を有していることが好ましい。前記の特開昭60−191257号に記載のとおり、このような搬送手段は前浴から後浴への処理液の持込みを著しく削減でき、処理液の性能劣化を防止する効果が高い。このような効果は各工程における処理時間の短縮や、処理液補充量の低減に特に有効である。
【0092】
定着又は漂白定着等の脱銀処理後、水洗又は水洗代替安定液処理、安定液処理あるいはその両方を行うのが一般的である。水洗又は水洗代替安定処理(以下まとめて水洗処理として述べる。)工程での水洗水量は、感光材料の特性(例えばカプラー等使用素材による)や用途、水洗水温、水洗タンクの数(段数)、その他種々の条件によって広範囲に設定し得る。
【0093】
このうち、多段向流方式における水洗タンク数と水量の関係は、ジャーナル・オブ・ザ・ソサエティ・オブ・モーション・ピクチャー・アンド・テレヴィジョン・エンジニアズ(Journal of the Society of Motion Picture and TelevisionEngineers)第64巻、p.248〜253(1955年5月号)に記載の方法で、求めることができる。
【0094】
通常多段向流方式における段数は3〜15が好ましく、特に3〜10が好ましい。多段向流方式によれば、水洗水量を大巾に減少でき、タンク内での水の滞留時間増加により、バクテリアが繁殖し、生成した浮遊物が感光材料に付着する等の問題が生じる。
【0095】
この様な問題の解決策として、特開昭62−288838号公報に記載のカルシウム、マグネシウムを低減させる方法を極めて有効に用いることができる。また、特開昭57−8542号公報に記載のイソチアゾロン化合物やサイアベンダゾール類、同61−120145号公報に記載の塩素化イソシアヌール酸ナトリウム等の塩素系殺菌剤、特開昭61−267761号公報に記載のベンゾトリアゾール、銅イオン、その他堀口博著「防菌防黴の化学」(1986年)三共出版、衛生技術会編、「微生物の減菌、殺菌、防黴技術」(1982年)工業技術会、日本防菌防黴学会編「防菌防黴剤事典」(1986年)に記載の殺菌剤を用いることもできる。
【0096】
更に、水洗処理における水洗水には、水切り剤として界面活性剤や、硬水軟化剤としてEDTAに代表されるキレート剤を用いることができる。以上の水洗工程に続くか、又は水洗工程を経ずに直接安定液で処理することも出来る。
【0097】
安定液には、画像安定化機能を有する化合物が添加され、例えばホルマリンに代表されるアルデヒド化合物や、色素安定化に適した膜pHに調製するための緩衝剤や、アンモニウム化合物があげられる。
【0098】
また、残存するマゼンタカプラーを不活性化して色素の褪色やステインの生成を防止するホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ピルビンアルデヒドなどのアルデヒド類、米国特許第4786583号に記載のメチロール化合物やヘキサメチレンテトラミン、特開平2−153348号に記載のヘキサヒドロトリアジン類、米国特許第4921779号に記載のホルムアルデヒド重亜硫酸付加物、欧州特許公開公報第504609号、同519190号などに記載のアゾリルメチルアミン類などが添加される。
【0099】
又、液中でのバクテリアの繁殖防止や処理後の感光材料に防黴性を付与するため、前記した各種殺菌剤や防黴剤を用いることができる。更に、界面活性剤、蛍光増白剤、硬膜剤を加えることもできる。本発明に係わる処理において、安定化が水洗工程を経ることなく直接行われる場合、特開昭57−8543号、同58−14834号、同60−220345号公報等に記載の公知の方法をすべて用いることができる。その他、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミン四メチレンホスホン酸等のキレート剤、マグネシウムやビスマス化合物を用いることも好ましい態様である。
【0100】
脱銀処理後に用いられる水洗処理における水洗液又は安定液としていわゆるリンス液も同様に用いられる。水洗水又は安定液の好ましいpHは4〜10であり、更に好ましくは5〜8である。処理時間は120秒以下であることが好ましいが、より好ましくは5秒〜70秒であり、最も好ましくは10秒〜55秒である。温度は感光材料の用途・特性等で種々設定し得るが、一般には20℃〜50℃、好ましくは25℃〜45℃である。
【0101】
水洗又は安定液処理の工程に続いて乾燥が行われる。画像膜への水分の持込み量を減じる観点から水洗浴から出た後すぐにスクイズローラや布などで水を吸収することで乾燥を早めることも可能である。乾燥機側からの改善手段としては、当然のことではあるが、温度を高くすることや吹きつけノズルの形状を変更し乾燥風を強くすることなどで乾燥を早めることが可能である。更に、特開平3−157650号公報に記載されているように、乾燥風の感光材料への送風角度の調整や、排出風の除去方法によっても乾燥を早めることができる。
【0102】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0103】
実施例1
・1パート(シングルパート)漂白定着濃縮組成物の作成:充填量1000ml以下に示す漂白定着組成物を調整し、表1に示す酸素透過率の異なる素材で構成された包材に濃縮漂白定着組成物を空隙率20%で充填し、シングルパート漂白定着濃縮包装体(キット)を作成した。
【0104】
漂白定着濃縮組成物の調整
亜硫酸アンモニウム(40wt/vol%) 0.58mol
チオ硫酸アンモニウム(75wt/vol%) 1.1mol
アミノポリカルボン酸鉄(III)錯塩 表2に記載
アミノポリカルボン酸鉄(II)錯塩 表2に記載
添加物 表2に記載
pH 5.5
水を加えて1Lとし、pHはアンモニア水溶液又は50%硫酸を用いて調整した。
【0105】
【表1】
Figure 2004184911
【0106】
上記、アミノポリカルボン酸鉄(II)錯塩は硫酸第1鉄・7水和物と硫酸第1鉄に対して1.05倍molのアミノポリカルボン酸を添加して溶解させ、撹拌することで作成した。
【0107】
これらの漂白定着濃縮包装体(キット)を、室温(18〜22℃)で10ヶ月間保管し、保管後の漂白定着濃縮包装体(キット)を水で2.0倍に希釈して漂白定着液補充液を作成した。さらに、これらの補充液を用いて実際のカラーペーパー感光材料でのランニング処理を行った。また、この漂白定着液補充液をタンク液にも使用した。
【0108】
・露光及び現像処理
現像処理のカラーペーパー感光材料には、コニカカラーQAペーパータイプA7(コニカ社製)を用い、ネガフィルムから像様像露光して使用した。
【0109】
現像処理は、上記露光済み試料を下記に示す工程で処理した。また、現像処理機はコニカ社製自動現像機NPS−808GOLDを使用した。処理としては1日あたり0.2Rづつ、2Rになるまでランニング処理を行い、以下について評価した。2Rとは漂白定着液タンク容量分の漂白定着補充液が2倍量補充されることを意味する。
【0110】
Figure 2004184911
【0111】
安定化は(3)→(2)→(1)への向流方式である
発色現像及び安定化のタンク液処方及び補充液処方について以下に示す。
【0112】
Figure 2004184911
水を加えて1Lとし、pHは水酸化カリウムまたは50%硫酸を用いて調整した。
【0113】
安定化液:1L当たり タンク液=補充液
1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸3ナトリウム 3.0g
エチレンジアミン四酢酸 1.5g
o−フェニルフェノール 0.1g
チノパールSFP 0.5g
亜硫酸ナトリウム 0.5g
pH 8.0
水を加えて1Lとし、pHはアンモニア水溶液または50%硫酸を用いて調整した。
【0114】
評価
・プリント白地評価
ランニング処理のスタート時にウェッジ露光したコニカカラーQAペーパータイプA7ペーパーを処理し、未露光部のブルー濃度(Dmini−Blue)をX−rite濃度計により測定した。さらに、ランニングの終了後に、ランニングスタート時と同様のウェッジ露光した感光材料を再度処理し、未露光部のブルー濃度を、スタート時同様、X−rite濃度計により測定を行い、ランニングによる変化量(ΔDmini−Blue)を評価した。
【0115】
プリント白地=(ランニング後のDmini−Blue値)−(スタート時のDmini−Blue値)
【0116】
・ステイン
また、ランニング終了時のウェッジ露光したコニカカラーQAペーパータイプA7を70℃・90%RHの高温高湿条件に7日間強制保存させたのち、未露光部のブルー濃度をX−rite濃度計により測定し、保存後の測定値から保存前の測定値を差分し、経時保存におけるステインを評価した。プリント白地及びステインの評価結果を表2に示す
【0117】
ステイン=(保存前のDmini−Blue値)−(保存後のDmini−Blue値)
【0118】
【表2】
Figure 2004184911
【0119】
EDTA−Fe・NH:エチレンジアミン四酢酸鉄(III)アンモニウム
DTPA−Fe・NH:ジエチレントリアミン五酢酸鉄(III)アンモニウム
s,s−EDDS−Fe・NH:エチレンジアミンジコハク酸鉄(III)アンモニウム
EDTA−Fe:エチレンジアミン四酢酸鉄(II)塩
の事である。
【0120】
また、s,s−EDDS−Fe・NHは光学異性体のs,s体を使用した。表2から明らかなように、本発明の構成を用いることで、ランニング処理におけるプリント白地の劣化及び経時保存におけるステインのいずれに於いても優れていることが確認できる。また、本発明の組み合わせの中でも、酸素透過率が50ml/(m・day・atm)以下の包装材料で包装すること或いはFe(II)価比率を80mol%以上とすることで効果がより良く発揮されている事が判る。
【0121】
実施例2
実施例1の実験No.I−7の漂白定着濃縮組成物のアミノポリカルボン鉄(III)錯塩酸を表3記載の如く変化させて漂白定着濃縮組成物を調整し、実施例1と同様に1パート漂白定着濃縮キットを作成した。これらの漂白定着濃縮キットを、実施例1と同様に保管し、保管後のキットを水で2.0倍に希釈して漂白定着液補充液を作成した。現像処理機はコニカ社製自動現像機NPS−808GOLDを改造して安定化工程の処理時間を17秒(3槽の合計処理時間51秒)にした以外は、実施例1と同様にしてランニング処理を行い評価した。結果を表3に記載する。
【0122】
【表3】
Figure 2004184911
【0123】
表3から判るように、実質的に100mol%がエチレンジアミン四酢酸の構成では、安定化工程の処理の迅速化において効果がよりよく奏するため、特に好ましい事が分かる。
【0124】
実施例3
実施例1の実験No.I−6の漂白定着濃縮組成物のアミノポリカルボン酸鉄(II)錯塩の作成においてエチレンジアミン四酢酸の添加量を表4記載の如く変化させて、漂白定着濃縮組成物を調整し、実施例1と同様に1パート漂白定着濃縮キットを作成した。これらの漂白定着濃縮キットを、実施例1と同様の条件で12ヶ月間保管し、保管後のキットを水で2.0倍に希釈して漂白定着液補充液を作成した。次に、1日あたりの処理量を0.05Rに変更した以外は実施例1と同様にしてランニング処理を行い評価した。結果を表4に記載する。
【0125】
【表4】
Figure 2004184911
【0126】
表4から判るように、エチレンジアミン四酢酸の如きアミノポリカルボン酸と鉄イオンのmol比率を1.01:1.00〜1.08:1.00することで、1日あたりの処理量が少ない、いわゆる低処理条件では、本発明の効果がよりよく奏するため特に好ましいことが分かる。
【発明の効果】
本発明によれば、実際の使用条件下である長期保管後のランニング処理でのプリント白地や経時保存におけるステインといった写真品質の劣化を防止し、良好な処理性能が得られる感光材料用漂白定着濃縮組成物、濃縮組成物包装体及び処理方法を提供できる。

Claims (6)

  1. 少なくともアミノポリカルボン酸鉄錯体及びチオ硫酸塩を含有する1パート構成のハロゲン化銀カラー写真感光材料用漂白定着濃縮組成物において、該漂白定着濃縮組成物が、燐酸塩、ポリ燐酸塩、下記一般式(1)で示されるイミダゾール又はその誘導体から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有し、かつ前記鉄錯体の配位子としてのアミノポリカルボン酸の少なくとも80mol%がエチレンジアミン四酢酸であって、該鉄錯体のFe(II)価比率が50mol%以上であることを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料用漂白定着濃縮組成物。
    一般式(1) (R1)nA
    一般式(1)において、R1は水素原子、アミノ基または水酸基が置換してもよい炭素数1〜3のアルキル基、アルケニル基及びハロゲン原子を表し、R1が複数の場合は互いに同じでも異なってもよい。R1が表すアミノ基にはメチル基またはエチル基が1又は2個置換していてもよい。またアルキル基及びアルケニル基には炭素数1〜3のアルキル基が置換してもよい。nは1〜3の整数である。Aはイミダゾリル基を表す。
  2. 前記鉄錯体のFe(II)価比率が80mol%以上であることを特徴とする請求項1に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料用漂白定着濃縮組成物。
  3. 前記配位子としてのアミノポリカルボン酸が、実質的に100mol%がエチレンジアミン四酢酸からなる事を特徴とする請求項1又は2に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料用漂白定着濃縮組成物。
  4. 前記濃縮組成物中に含まれる前記配位子としてのアミノポリカルボン酸と鉄イオンとのmol比率が、1.01:1.00〜1.08:1.00の範囲であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料用漂白定着濃縮組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の濃縮組成物が酸素透過度50ml/(m・day・atm)以下の包装材料で包装されている事を特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料用漂白定着濃縮組成物包装体。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の濃縮組成物を用いて処理する事を特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法。
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