JP2004184899A - ハロゲン化銀写真感光材料用漂白定着組成物およびこれを用いた処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】1パートの漂白定着キットで充分な保存性を有し、かつ残存銀量や復色不良といった漂白性能不良が見られない感光材料用漂白定着組成物及びこれを用いた処理方法を提供する。
【解決手段】特定構造のエチレンジアミン−N,N′−ジコハク酸化合物の複数種を含有すし、それらの一部または全部が鉄錯体を形成しており、該鉄錯体のうち50モル%以上が2価鉄であることを特徴とする1パート構成のハロゲン化銀写真感光材料用漂白定着組成物である。
【選択図】 なし
【解決手段】特定構造のエチレンジアミン−N,N′−ジコハク酸化合物の複数種を含有すし、それらの一部または全部が鉄錯体を形成しており、該鉄錯体のうち50モル%以上が2価鉄であることを特徴とする1パート構成のハロゲン化銀写真感光材料用漂白定着組成物である。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は1パート構成されたハロゲン化銀カラー写真感光材料用(以下、感光材料または感材とも略す。)の漂白定着組成物及びこれを用いた処理方法に関し、詳しくは良好な漂白性能が得られる感光材料用漂白定着組成物及びこれを用いた処理方法に関する。
【0002】
【従来技術】
漂白定着組成物は感光材料の処理において、画像銀を除去するのに用いられる。一般に画像銀を除去する工程は、銀を酸化剤作用によって感光材料中に含まれる銀粒子を銀イオンに酸化する漂白工程と酸化体によって生成した銀イオンを感光材料から溶解除去する定着工程の2つの工程を含んでいる。このため、漂白定着処理剤は漂白剤と定着剤を含み、一般的に定着剤は還元性を有しており、両者は保恒剤が存在しない場合には、容易に反応して失活する事が知られている。通常保恒剤として亜硫酸塩などが用いられているが、保恒剤は経時で分解が進行し、また保恒剤が存在する場合でも高濃度に濃縮した場合には少なからず両者は反応し、本来の性能を損なう結果に至る事から、従来は漂白剤パートと定着剤パートの2パート構成として独立形態に設計されている。
【0003】
ところが、複数パートを取り扱う場合、ユーザーの煩雑さが増え、ましてや溶解時の誤操作により、目的の補充濃度が得られないといった問題が起こる。このため、ユーザーからは補充成分が1つのパート内に全て入っており、そのまま補充液として使用できる、いわゆるシングルパート(1パート)構成の補充液が望まれている。
【0004】
1パートであれば、煩雑さは解消され、従来の複数パートに比べて溶解ミスを起こす可能性は圧倒的に小さい。そのまま補充液として使用できる、いわゆる使用液タイプと、水と一定の割合で希釈してから補充液として使用する、いわゆる濃縮液タイプと呼ばれるものと、2種類のものが知られている。
【0005】
近年は、店舗面積の小さい、小規模の現像処理店、いわゆるミニラボ店が増加しているが、これらの店では補充液の保管スペースが非常に限られており、多大な保管スペースを必要とする使用液タイプのものよりも、小さな保管スペースで済む濃縮液タイプのものがより望まれている。
【0006】
漂白定着組成物の1パート濃縮組成物に関しては、漂白剤として鉄(III)・エチレンジアミンジ琥珀酸錯塩および鉄(III)・エチレンジアミンジグルタミン酸錯塩のいずれか、又は両方を主成分として含有し、充填物1リットル当たりの酸素供給速度が10ミリリットル/hr以下の容器に充填された1パート構成の濃縮された写真用漂白定着処理剤(例えば、特許文献1参照。)や、(a1)少なくとも0.05モル/Lの一種以上の鉄−配位子錯体、(a2)単一の写真定着剤としての、少なくとも0.15モル/Lの一種以上のチオ硫酸塩、および(a3)任意の一種以上の亜硫酸塩を含み、pH4〜10を有する単品の写真漂白−定着先駆体組成物であって、かつ、該先駆体組成物中に存在する50モル%を超える鉄がFe(II)の形態である先駆体組成物(例えば、特許文献2参照。)が知られている。
【0007】
前者の技術は、高温での処理液の安定性、容器着色性及び保存後の漂白安定性の改良効果について言及している。一方、後者の技術では低温での析出性、高温での処理液安定性やランニング処理での漂白安定性について言及している。
【0008】
特に、後者の技術によれば、1パートの濃縮キットでも充分な保存性を有し、かつ使用時は、空気酸化または酸化剤の添加により鉄錯体を鉄(III)に変えて、良好な漂白性能が得られる。
【0009】
一方、環境保全の観点からEDTA(エチレンジアミンジ四酢酸)−Feに代わる漂白主剤として生分解性の良好なEDDS(エチレンジアミン−N,N´−ジコハク酸)−Feが提案されている(例えば、特許文献3参照。)。しかし、EDDS−FeはEDTA−Feに比べて空気酸化速度が遅く、処理量の多いラボの場合は、濃縮キットから補充液を作成してすぐ使うことになるが、このような使用法では、空気酸化が追いつかず良好な漂白性能が得られない問題が見出された。
【0010】
即ち、1パートの漂白定着組成物では上記した保存後の処理液安定性や漂白安定性以外にも、補充液作成直後に使用することによる残存銀量や復色不良といった漂白性能不良を招くといった問題が生じることが新たに判明した。
【0011】
【特許文献1】特開2000−98553
【特許文献2】特開2002−169253
【特許文献3】特開2002−268189
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の課題は、1パートの漂白定着キットで充分な保存性を有し、かつ残存銀量や復色不良といった漂白性能不良が見られない感光材料用漂白定着組成物及びこれを用いた処理方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記課題は、下記構成によって達成される。
1.一般式(1)で表される化合物の少なくとも1種と、一般式(2)又は(3)で表される化合物の少なくとも1種を含有し、それらの一部または全部が鉄錯体を形成しており、該鉄錯体のうち50モル%以上が2価鉄であることを特徴とする1パート構成のハロゲン化銀写真感光材料用漂白定着組成物。
【0014】
【化2】
【0015】
式中、A1、A2、A3およびA4は、各々−CH2OH、−PO3M1M2又は−COOM3を表し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。M1、M2およびM3は水素原子、アルカリ金属原子又はその他のカチオンを表す。Xは炭素数2〜6のアルキレン基又は−(B1O)n−B2−を表す。nは1〜8の整数を表し、またB1及びB2は同一であっても異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜5のアルキレン基を表す。
【0016】
2.前記鉄錯体とチオ硫酸塩が均一に溶解していることを特徴とする前記1に記載のハロゲン化銀写真感光材料用漂白定着組成物。
【0017】
3.補充液に対する濃縮率が1.2倍以上4.0倍以下の濃縮組成物である特徴とする前記1又は2に記載のハロゲン化銀写真感光材料用漂白定着組成物。
【0018】
4.前記鉄錯体のうち80モル%以上が2価鉄であることを特徴とする前記1〜3のいずれかに記載のハロゲン化銀写真感光材料用漂白定着組成物。
【0019】
5.前記一般式(1)で表される化合物の総モル数に対し、前記一般式(2)又は(3)で表される化合物の総モル数の比率が0.1%以上20%以下であることを特徴とする前記1〜4のいずれかに記載のハロゲン化銀写真感光材料用漂白定着組成物。
【0020】
6.前記1〜5のいずれかに記載の漂白定着組成物を用いて補充液を調製し、自動現像機により連続処理することを特徴とするハロゲン化写真感光材料の処理方法。
【0021】
本発明では、特定構造の生分解性の鉄錯体を用いながら、1パートキットでも使用時は酸化剤の添加をしなくても空気酸化により速やかに鉄(II)が鉄(III)に変換して、良好な漂白性能が得られる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳述する。
先ず、前記一般式(1)で示される化合物について説明する。
【0023】
一般式(1)式中、A1〜A4はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、−CH2OH、−PO3M1M2又は−COOM3を表す。M1、M2及びM3は水素原子、アルカリ金属原子(例えばナトリウム、カリウム)又はその他のカチオン(例えば、アンモニウムイオン、メチルアンモニウムイオン、トリメチルアンモニウムイオン等)を表す。Xは炭素数2〜6のアルキレン基(置換基も含む)又は−(B1O)n−B2−を表す。又、B1及びB2は同一であっても異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜5のアルキレン基(置換基も含む)を表す。Xで表されるアルキレン基としては、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン等が挙げられる。又、B1及びB2で表されるアルキレン基としては、メチレン、エチレン、トリメチレン等が挙げられる。X、B1又はB2が表すアルキレン基の置換基としては、水酸基、炭素数1〜3のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基等)等が挙げられる。nは1〜8の整数を表し、好ましくは1〜4である。特に好ましくは、1〜2である。
【0024】
以下に前記一般式(1)で示される化合物の好ましい具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
【0025】
【化3】
【0026】
【化4】
【0027】
前記一般式(1)で示される化合物は一般に知られる方法で合成することができる。これらの中でも、特に好ましい化合物は(1)−1、(1)−3、(1)−14である。また、これらの化合物は光学異性体が存在するが、(S,S)体が好ましく用いられる。
【0028】
次に、一般式(2)で示される化合物の具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
【0029】
【化5】
【0030】
【化6】
【0031】
以下に前記一般式(3)で示される化合物の好ましい具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0032】
【化7】
【0033】
前記一般式(2)および(3)で示される化合物は一般に知られる方法で合成することができる。また、光学異性体が存在するが、(S,S)体が本発明の目的を良好に奏する。
これらの中でも、特に好ましい化合物は(3)−1である。
【0034】
本発明においては、上記一般式(1)、(2)又は(3)で示される化合物の他、本発明の効果を損なわない範囲で、鉄イオンと有機錯塩を形成する、公知のアミノポリカルボン酸を用いることができ、エチレンジアミン四酢酸のアルカリ金属塩(例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩)やアンモニウム塩が含まれてもよい。更に、キレート構造の安定、処理の迅速化から本発明の効果を損なわない範囲で、その他のアミノポリカルボン酸またはアミノポリホスホン酸を含んでもよい。
【0035】
その他のアミノポリカルボン酸、アミノポリホスホン酸としては、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレンジアミン−N−(β−オキシエチル)−N,N′,N′−三酢酸、1,2−ジアミノプロパン四酢酸、1,3−ジアミノプロパン四酢酸、ニトリロ三酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、イミノ二酢酸、エチルエーテルジアミンテトラ酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、エチレンジアミン四プロピオン酸、フェニレンジアミン四酢酸、1,3−ジアミノプロパノール−N,N,N′,N′−四メチレンホスホン酸、エチレンジアミン−N,N,N′,N′−四メチレンホスホン酸、1,3−プロピレンジアミン−N,N,N′,N′−四メチレンホスホン酸、ニトリロ二酢酸モノプロピオン酸、ニトリロモノ酢酸ジプロピオン酸、2−(ビス−カルボキシメチル−アミノ)−プロピオン酸、2ーヒドロキシ−3−アミノプロピオン酸−N,N−二酢酸、セリン−N,N−二酢酸、2−メチル−セリン−N,N−二酢酸、2−ヒドロキシメチル−セリン−N,N−二酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、メチルイミノ二酢酸、N−(2−アセトアミド)−イミノ二酢酸、ニトリロトリプロピオン酸、エチレンジアミン二酢酸、エチレンジアミン二プロピオン酸、1,4−ジアミノブタン四酢酸、2−メチル−1,3−ジアミノプロパン四酢酸、2−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン四酢酸及びこれらのアルカリ金属塩(例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩)やアンモニウム塩などであるが、これらに限定されるものではない。また、その他のアミノポリカルボン酸を2種以上併用して用いてもよい。
【0036】
本発明においては、前記一般式(1)で表される化合物の少なくとも1種と、一般式(2)又は(3)で表される化合物の少なくとも1種を含有し、それらの一部または全部が鉄錯体を形成しており、該鉄錯体のうち50モル%以上が2価鉄であり、この範囲において本発明の効果が得られる。また、好ましくは実質的に80mol%以上であり、これが高いほど、本発明の効果をよりよく発揮する。
【0037】
Fe(II)価比率を50mol%以上に達成する手段としては鉄錯体をアジチオン酸ナトリウム等の還元剤で還元しても良い。また無機鉄塩の第1鉄塩と第2鉄塩の比率を調整する事で、達成しても良い。好ましいFe(II)価比率としては80mol%以上であり、本発明の効果をよりよく発揮する。
【0038】
上記第1鉄塩としては、例えば硫酸第1鉄、塩化第1鉄、シュウ酸第1鉄、酸化鉄などが挙げられ、より具体的な化合物としては、硫酸第1鉄アンモニウム、硫酸第1鉄ナトリウム、塩化第1鉄、臭化第1鉄、硫酸第1鉄、酢酸第1鉄、シュウ酸第1鉄、酸化鉄などである。また、第2鉄塩としては、硝酸第2鉄、塩化第2鉄、臭化第2鉄、三硫酸鉄(III)三M1、硫酸鉄(III)M1(但し、M1はアンモニウム、カリウム、ナトリウム又は水素原子を表す)などが挙げられ、より具体的な化合物としては、硝酸第2鉄、塩化第2鉄、臭化第2鉄、三硫酸鉄(III)三アンモニウム、三硫酸鉄(III)三カリウム、三硫酸鉄(III)三ナトリウム、硫酸鉄(III)カリウム、硫酸鉄(III)ナトリウム、硫酸鉄(III)アンモニウム等で挙げる事ができる。
【0039】
また、前記一般式(1)で表される化合物の総モル数に対し、前記一般式(2)又は(3)で表される化合物の総モル数の比率が0.1%以上20%以下であることが好ましく、これによって本発明の目的がより顕著に達成される。
【0040】
更に本発明においては、補充液に対する濃縮率が1.2倍以上4.0倍以下の濃縮組成物である事が好ましく、これによって本発明の目的がより顕著に達成される。
【0041】
本発明においては、下記一般式(4)で示されるイミダゾール又はその誘導体を含有することが好ましい。
【0042】
一般式(4)(R1)n A
【0043】
一般式(4)において、R1は水素原子、アミノ基または水酸基が置換してもよい炭素数1〜3のアルキル基、アルケニル基及びハロゲン原子を表し、R1が複数の場合は互いに同じでも異なってもよい。R1が表すアミノ基にはメチル基またはエチル基が1又は2個置換していてもよい。またアルキル基及びアルケニル基には炭素数1〜3のアルキル基が置換してもよい。nは1〜3の整数である。Aはイミダゾリル基を表す。
【0044】
以下に一般式(4)で表されるイミダゾール化合物の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
1−メチルイミダゾール
2−メチルイミダゾール
4−メチルイミダゾール
4−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾール
4−(2−アミノエチル)イミダゾール
2−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾール
2−エチルイミダゾール
2−ビニルイミダゾール
4−プロピルイミダゾール
2,4−ジメチルイミダゾール
2−クロロイミダゾール
4,5−ジ(2−ヒドロキシエチル)イミダゾール
イミダゾール
【0045】
本発明においては、前記イミダゾール又はその他の誘導体と共に、又はこれに代えて燐酸塩及びポリ燐酸塩を含有してもよい。
【0046】
燐酸塩の具体的な化合物としては、酸塩としては、アルカリ塩および/またはアンモニウム塩、例えば燐酸二水素アンモニウム、燐酸水素二アンモニウム、燐酸三アンモニウム、燐酸二水素カリウム、燐酸水素二カリウム、燐酸三カリウム、燐酸二水素ナトリウム、燐酸水素二ナトリウム、および燐酸三ナトリウム、または遊離燐酸を使用することができるが、これらに限定されるものでない。
【0047】
ポリ燐酸塩の具体的な化合物としては、ヘキサメタ燐酸ナトリウム、四燐酸ナトリウム、ヒドロキシエタンジホスホン酸、N(−2−カルボキシエチル)−1−アミノエタン−1,1−ジホスホン酸、N,N−ビス−(カルボキシメチレン)−1−アミノエタン−1,1−ジホスホン酸、モルホリノメタン−ジホスホン酸、ニトリロトリスメチレン−ホスホン酸、エチレンジアミン−テトラメチレンホスホン酸、ヘキサメチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、および2−カルボキシエタン−ホスホン酸、メチレンジホスホン酸又は遊離ポリ燐酸などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0048】
上記イミダゾール又はその誘導体、燐酸塩又はポリ燐酸塩から選ばれる化合物は単独で用いられてもよいし、2種類以上併用してもよい。この使用量は、本発明の効果をよりよく発揮するためには、漂白定着濃縮組成物1リットルあたり0.01mol〜2.5molであり、好ましくは0.05mol〜1.0molである。0.01mol以下では、本発明の効果が乏しく、2.5molを越えると高濃厚化しても発明の効果のさらなる向上は厳しく、経済的不利なども生じる。
【0049】
本発明の漂白定着組成物には、緩衝剤を添加するのも好ましい。緩衝剤は意図するpHにより選択されるが好ましい化合物としては、酢酸、グリコール酸または一般式(5)で表されるジカルボン酸が挙げられる。
【0050】
一般式(5) R(COOM)2
【0051】
一般式(5)において、Rは2価の基を表し、Mは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム基を表す。Rが表す好ましい2価の基は、アルキレン基、アルケニレン基、アルキレンオキシアルキレン基、アルキレンチオアルキレン基、シクロアルキレン基およびフェニレン基である。これらのアルキレン基およびアルケニレン基の炭素数は、1〜6で、水酸基又はカルボキシル基が置換してもよい。また、アルキレンオキシアルキレン基及びアルキレンチオアルキレン基を構成するアルキレン基は炭素数が1〜4で、さらに単素数1〜3のアルキル基が1〜2個置換してもよい。シクロアルキレン基およびフェニレン基には、単素数1〜3のアルキル基、水酸基、カルボキシル基が1〜2個置換していてもよく、そのシクロアルキレン基の炭素数は、5〜7である。
【0052】
一般式(5)で表されるジカルボン酸の具体例には、グルタル酸、アジピン酸、クエン酸、酒石酸、マレイン酸、コハク酸等が挙げられるが、本発明に用いられる一般式(5)の化合物はこれらに限定されない。また、これらは2種以上の化合物を併用してもよい。緩衝剤の化合物の添加量は漂白定着組成物1リットルあたり0.005mol〜4.0molが好ましく、さらに好ましくは0.05mol〜1.5molである。
【0053】
漂白定着組成物に係わる定着剤としては、公知の定着剤、即ちチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウムなどチオ硫酸塩のアルカリ金属塩およびアンモニウム塩及びチオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸アンモニウムなどのチオシアン酸塩である。漂白定着組成物において、主な定着剤であるチオ硫酸塩とチオシアン酸塩の量は、チオ硫酸塩に対するチオシアン酸塩の比率が0mol%以上、50mol%以下が、本発明の効果がより良く発揮されることから好ましい。
【0054】
また、溶解性の点からチオ硫酸塩の中では、特にチオ硫酸アンモニウム塩、チオシアン酸塩の中ではチオシアン酸アンモニウムの使用が好ましい。
【0055】
漂白定着組成物1リットルあたりの定着剤の量は、0.5〜4molが好ましく、更に好ましくは0.5〜3.0molの範囲である。
【0056】
漂白定着組成物には、定着促進などの目的で副次的に他のハロゲン化銀溶解剤を加えてもよい。副次的に添加できる適当なハロゲン化銀溶解剤は、エチレンビスチオグリコール酸、3,6−ジチア−1,8−オクタンジオールなどのチオエーテル化合物およびチオ尿素、エチレンチオ尿素などのチオ尿素類などの水溶性ハロゲン化銀溶解剤であり、これらを1種あるいは2種以上処理剤成分として添加して使用することができる。
【0057】
漂白定着組成物には、脱銀促進性を有する化合物を添加して、処理の迅速化と銀除去性能の向上を図ることができる。この目的に適した化合物には、特開平8−297356号及び特開平8−137070号の各公報に開示された1,2,4−トリアゾリウム−3−スルフィド型のメソイオン化合物(代表例、1,4,5−トリメチル−1,2,4−トリアゾリウム−3−スルフィド)、特開平8−292510号公報に開示されたRSO2M(Rはアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アラルキル、アリ−ル基を表し、Mは水素原子、アルカリ金属原子、アンモニウム基)型のスルフィン酸類(代表例、フェニルスルフィン酸)および特開平9−5964号公報に開示された3−メルカプト−1,2,4−トリアゾ−ル型のメルカプト化合物(代表例、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾ−ル−1−メチルスルホン酸)であり、これらの1つ以上を0.001〜0.1モル/リットルの濃度で添加することができる。
【0058】
また、漂白定着組成物には、銀スラッジの生成を防止するために、銀塩形成性の化合物を添加することができる。この目的に適した化合物には、特開平8−204980号公報に開示されたグアニジンのN−アミノ置換又はN−アルコキシ置換誘導体(そのほかにアルキル基などが置換してもよい)、(代表例、N−(ジ−n−ブチルアミノプロピル)グアニジン、N−(ジ−n−プロピルアミノエチル)グアニジン)、特開平9−211820号公報に開示された2−メルカプトアゾール誘導体及び2−メルカプトピリミジン誘導体(代表例、2−メルカプト−5−アセトアミドチアジアゾール、2−メルカプト−4−メチル−5−アミノ−ピリミジン)であり、これらの1つ以上を0.001〜0.1mol/Lの濃度で漂白定着組成物中に添加することができる。
【0059】
次に漂白定着組成物の濃縮率について述べる。濃厚液体処理組成物の濃厚化の度合いを示す実用的な尺度として「濃縮率」が通常用いられる。濃縮率は、処理組成物を水で希釈して目的とする処理液を調製したときに完成した処理液のもとの液体処理組成物に対する体積比によって表す。したがって、同一組成の濃縮型処理組成物であっても、その「濃縮率」は、厳密には使用液の濃度によって異なることになる。
【0060】
本発明における漂白定着組成物の好ましい濃縮率は少なくとも1.0以上5.0以下であり、より好ましくは1.2〜4.0の濃縮率である。
【0061】
本発明に係わる漂白定着組成物のpHは3〜8が好ましく、4〜7がより好ましい。pHがこれより低いと漂白能は向上するが、液の劣化及びシアン色素のロイコ化が促進される。逆にpHがこれより高いと漂白が遅れる。
【0062】
pHを調整するためには、必要に応じて塩酸、硫酸、硝酸、重炭酸塩、アンモニア、苛性カリ、苛性ソーダ、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等を添加することができる。
【0063】
漂白定着組成物には、その他各種の蛍光増白剤や消泡剤或いは界面活性剤、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール等を含有させることができる。
【0064】
漂白定着組成物には、保恒剤として亜硫酸塩(例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウム、など)、重亜硫酸塩(例えば、重亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウム、など)やメタ重亜硫酸塩(例えば、メタ重亜硫酸カリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸アンモニウム、など)等の亜硫酸イオン放出性化合物、前記記載のp−トルエンスルフィン酸、m−カルボキシベンゼンスルフィン酸などのアリ−ルスルフィン酸などを含有させてもよい。その場合は、これらの化合物の添加量は亜硫酸イオンやスルフィン酸イオンに換算して約0.02〜0.8mol/Lであることが好ましい。漂白定着組成物の保恒剤としては、上記のほか、アスコルビン酸、カルボニル重亜硫酸付加物又はその他のカルボニル化合物等を添加しても良い。更には緩衝剤、キレート剤、消泡剤、防カビ剤等を必要に応じて添加しても良い。
【0065】
本発明に係る漂白定着組成物は、包材に充填して搬送され、使用に供される。本発明の漂白定着組成物は、好ましくは下記包材に収容されることによって本発明の漂白定着組成物包装体になる。
【0066】
包材の材質は紙、プラスチックなどいかなる材質のものでもよいが、酸素透過度が、20ml/(m2・day・atm)以下のプラスチック材料が好ましく用いられ、特に好ましくは5ml/(m2・day・atm)以下である。なお、ここでいう酸素透過度の測定は常法に従い、JIS1707により測定した。
【0067】
本発明に係る漂白定着組成物を充填する包材で好ましく用いられるプラスチック材料としては、例えば次の一群に示すものが挙げられる。
(一群)
A ポリオレフィン系樹脂
B ポリエチレンー酢酸ビニル共重合体系樹脂
C エチレンービニルアルコール共重合体系樹脂
D ポリアミド系樹脂
E セラミック
F アクリロニトリル系樹脂
G ポリエチレンテレフタレート系樹脂
H ポリハロゲン化ビニリデン系樹脂
I ポリハロゲン化ビニル系樹脂
【0068】
ポリオレフィン系樹脂層に用いられる樹脂としては、ポリエチレンが好ましく、低密度ポリエチレン(以下、LDPEと略して呼ぶ。)、中密度ポリエチレン(以下、MDPEと略して呼ぶ。)および高密度ポリエチレン(以下、HDPEと略して呼ぶ。)のいずれも使用することができる。本発明に好ましく使用されるHDPEは、密度が0.941〜0.969のものである。また、好ましいLDPEは、高圧重合法で合成され、その密度は、0.910〜0.925である。
【0069】
容器としては、上記の密度範囲のHDPEを用いるのがよいが、さらにそのHDPEのメルトインデックス(ASTM D1238に規定された方法で、温度190°Cで押し出し圧力2.16kgで測定)が、0.3〜7.0g/10min、好ましくは0.3〜5.0g/10minであるものが好ましい。この範囲にあると漂白定着組成物用の容器として安定である。
【0070】
好ましい容器の厚みは、材質によって異なるが、好ましくは0.1〜2.0mm、とくに好ましくは0.3〜1.5mm、より好ましくは0.4〜1.0mmである。
【0071】
ポリアミド系樹脂は突き刺し強度や耐ピンホール性からナイロンが好ましく用いられる、厚みは3〜50μmが好ましく、より好ましくは5〜30μmである。とりわけ延伸ナイロンが好ましい。セラミックは酸化珪素を主体とする無機質であり、ポリエチレンとかポリエチレンフタレートに真空中でコートしても良い。これらの具体的なものは凸版印刷社製のGLタイプ(セラミック蒸着フィルム)等が挙げられる。
【0072】
またエチレンービニルアルコール共重合体樹脂としては、クラレ社製のクラレ、エバーフィルム(EF−XL,EF−F、EF−K)等が挙げられる。
【0073】
ポリハロゲン化ビニリデン系樹脂及びポリハロゲン化ビニル系樹脂のハロゲンとしては塩素、フッ素、臭素等が挙げられる、具体的にはポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル等の樹脂が挙げられる。
【0074】
しかしながら、本発明においては、環境適正の観点から焼却処理時に有害ガスの発生が好ましくないため、前記一群の中でも、A〜Gが好ましく用いられ、特に好ましくはA〜Fのものである。
【0075】
本発明において用いられる各樹脂は、「プラスチックフィルム」(日刊工業新聞社発行、高橋儀作、昭和51年12月20日増補版)に記載のある中から上記好ましい条件を満足するものを用いることができる。
【0076】
これらの材料は、単一で成型して使用しても良いが、2種類以上の材料をフィルム状にして貼り会わせたいわゆる多層フィルムを使用しても良い。包材の形状も、瓶タイプ、ピロータイプ等あらゆる構成を取ることができる。
【0077】
包材の材料として多層フィルムを使用する場合、層構成としては例えば、下記に示す構成が挙げられる。
(1) LLDPE/Ny(ナイロン)PET(ポリエチレンテレフタレート)
(2) LLDPE/Ny/EVOH(エバール)/Ny/ONy(延伸ナイロン)
(3) LLDPE/EVA(ポリエチレン−酢酸ビニル共重合体)/Ny
(4) LLDPE/S・PE(サンドポリエチレン)/HDPE(高密度ポリエチレン)/NY/EVOH/NY/PET
(5) LLDPE/KOH(塩化ビニリデンコートナイロン)
(6) LLDPE/GLPET(セラミックコーティングポリエチレンテレフタレート)
(7) PE(ポリエチレン)/EVOH/OPP(延伸ポリプロピレン)
【0078】
(8) LDPE(低密度ポリエチレン)/EVOH/PET
(9) LDPE/EVOH/ONy
(10) PE/KPE(塩化ビニリデンポリエチレンポリエステル)
(11) PE/Ny
(12) PE/EVOH/Ny
(13) PE/EVOH/KPE
(14) PE/EVOH/KPET(塩化ビニリデンコートPET)
(15) LDPE/EVOH/KPET
【0079】
(16) EVA(ポリエチレン−酢酸ビニル共重合体)/Ny
(17) EVA/ONy
(18) EVA/EVOH/ONy
(19) LDPE/AN(アクリロニトリル)/Ny
(20) LLDPE/S・PE/LLDPE/Ny/EVOH/Ny/ONy
(21) LLDPE/S・PE/HDPE/S・PE/LLDPE/Ny/EVOH/Ny/PET
(22) LLDPE/S・PE/LLDPE/Ny/EVOH/Ny/ONy
(23) LLDPE/S・PE/LLDPE/Ny/EVOH/Ny/PET
【0080】
多層フィルムの製造は特に限定されないが、例えばフィルムとフィルムを接着剤で貼り合わせる方法や、フィルムとフィルムを溶融した樹脂で貼り合わせる方法、2種類以上の樹脂をスリットから一緒に押し出すいわゆる共押し出しといわれる方法、その他の一般的に用いられるフィルム積層法などを単独又は組み合わせて用いられる。
【0081】
本発明に係わる漂白定着組成物を用いて調整された漂白定着組成物(処理液)の補充量は、処理される感光材料1m2当たり20ml〜250mlが好ましく、より好ましくは30ml〜200mlである。処理される感光材料がカラ−ネガ、カラ−リバ−サルフィルムの場合の漂白定着時間は、通常10秒〜6分30秒、好ましくは30秒〜4分30秒であり、カラ−ペーパーの場合の漂白定着時間は、10秒から1分である。処理温度はカラ−ネガ、カラ−リバ−サルフィルム及びカラ−ペーパーともに25℃〜60℃、好ましくは30℃〜50℃である。
【0082】
次に、カラー現像処理、処理液および工程について説明する。現像処理工程は、発色現像、脱銀、水洗又は安定化、および安定化の各工程からなる。発色現像工程には、発色現像処理組成物から現像補充液および現像液が調製されて用いられる。その中には、カラー現像主薬を含有するが、好ましい例は公知の芳香族第1級アミン発色現像主薬、とくにp−フェニレンジアミン誘導体であり、代表例を以下に示すがこれらに限定されるものではない。
【0083】
1)N,N−ジエチル−p−フェニレンジアミン
2)4−アミノ−N,N−ジエチル−3−メチルアニリン
3)4−アミノ−N−(β−ヒドロキシエチル)−N−メチルアニリン
4)4−アミノ−N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)アニリン
5)4−アミノ−N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)−3−メチルアニリン
6)4−アミノ−N−エチル−N−(3−ヒドロキシプロピル)−3−メチルアニリン
7)4−アミノ−N−エチル−N−(4−ヒドロキシブチル)−3−メチルアニリン
【0084】
8)4−アミノ−N−エチル−N−(β−メタンスルホンアミドエチル)−3−メチルアニリン
9)4−アミノ−N,N−ジエチル−3−(β−ヒドロキシエチル)アニリン
10)4−アミノ−N−エチル−N−(β−メトキシエチル)−3メチル−アニリン
11)4−アミノ−N−(β−エトキシエチル)−N−エチル−3−メチルアニリン
12)4−アミノ−N−(3−カルバモイルプロピル−N−n−プロピル−3−メチルアニリン
13)4−アミノ−N−(4−カルバモイルブチル−N−n−プロピル−3−メチルアニリン
【0085】
上記p−フェニレンジアミン誘導体のうち特に好ましい主薬としては例示化合物5),6),7),8)及び12)であり、その中でも化合物5)と8)が多用される。
【0086】
また、これらのp−フェニレンジアミン誘導体は、固体素材の状態では、通常硫酸塩、塩酸塩、亜硫酸塩、ナフタレンジスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などの塩の形である。発色現像処理剤組成物は、使用に際して水と定められた比率で混合されて現像補充液(またはさらに希釈した現像液)の形の使用液にして用いるが、使用液中の該芳香族第1級アミン現像主薬の濃度は現像液1リットル当たり好ましくは2mmol〜200mmol、より好ましくは12mmol〜200mmol、更に好ましくは12mmol〜150mmolである。
【0087】
発色現像液には、通常ヒドロキシルアミン誘導体又はその塩あるいは、N−アルキルヒドロキシルアミン又はその塩を加えることが多いが、保恒剤としては、アルカノールアミン類、ヒドロキシルアミン誘導体、ヒドロキサム酸類、ヒドラジド類、フェノール類、α−ヒドロキシケトン類、α−アミノケトン類、糖類、ポリエチレンイミン類、モノアミン類、ジアミン類、ポリアミン類、四級アンモニウム塩類、ニトロキシラジカル類、アルコール類、オキシム類、ジアミド化合物類、縮環式アミン類などが特に有効である。これらは、特開昭63−4235号、同63−30845号、同63−21647号、同63−44655号、同63−53551号、同63−43140号、同63−56654号、同63−58346号、同63−43138号、同63−146041号、同63−44657号、同63−44656号、米国特許第3,615,503 号、同2,494,903 号、特開昭52−143020号、特公昭48−30496号などの各公報又は明細書に開示されている。処理剤組成物を構成する場合に、これらの保恒剤は主薬とは別のパートとして構成するのが好都合のことが多い。
【0088】
発色現像液は、通常塩素イオンを3.5×10−2〜1.5×10−1mol/L含有することが多いが、塩素イオンは、通常現像の副生成物として現像液に放出されるので補充液には添加不要のことが多い。臭素イオンの含有に関しても塩素イオンの場合と同じ事情にある。発色現像液中の臭素イオンは、撮影用材料の処理では1〜5×10−3mol/L程度、プリント材料の処理では、1×10−3mol/L以下である。
【0089】
現像処理される感光材料がカラ−印画紙の場合は、画面の背景の白地が白いことが重要な画質特性なので、スチルベン系蛍光増白剤、とくにジ(トリアジルアミノ)スチルベン系や、4、4′−ジアミノ−2,2′−ジスルホスチルベン系の蛍光増白剤を発色現像液に添加することもある。
【0090】
このスチルベン系蛍光増白剤は、発色現像液のほか、脱銀液あるいは感光材料のいずれにも添加できる。発色現像液中に含ませる場合は、その好適濃度は1×10−4〜5×10−2mol/Lであり、より好ましくは2×10−4〜1×10−2mol/Lである。
【0091】
発色現像液や現像補充液はpH9.5以上、より好ましくは10.0〜12.5で用いられる。pHを安定に保持するためには、各種緩衝剤を用いるのが好ましい。緩衝剤としては、炭酸塩の外に、リン酸塩、ホウ酸塩、四ホウ酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、グリシル塩、N,N−ジメチルグリシン塩、ロイシン塩、ノルロイシン塩、グアニン塩、3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン塩、アラニン塩、アミノ酪酸塩、2−アミノ−2−メチル−1, 3−プロパンジオール塩、バリン塩、プロリン塩、トリスヒドロキシアミノメタン塩、リシン塩などを用いることができる。該緩衝剤の量は、希釈調製した発色現像補充液中の濃度が、0.01〜2mol/L以上、特に0.1mol/L〜0.5mol/Lとなるように組成物中に添加される事が好ましい。
【0092】
発色現像組成物には、その他の発色現像液成分、例えばカルシウムやマグネシウムの沈澱防止剤であり、あるいはカラー現像液の安定性向上剤でもある各種キレート剤を添加することもできる。例えば、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレンジアミン四酢酸、N,N,N−トリメチレンホスホン酸、エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラメチレンスルホン酸、エチレンジアミンN,N−ジ琥珀酸、N,N−ジ(カルボキシラート)−L−アスパラギン酸、β−アラニンジ琥珀酸、トランスシロヘキサンジアミン四酢酸、1,2−ジアミノプロパン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、エチレンジアミンオルトヒドロキシフェニル酢酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、N,N′−ビス(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N′−ジ酢酸、1,2−ジヒドロキシベンゼン−4,6−ジスルホン酸等が挙げられる。これらのキレート剤は必要に応じて2種以上併用しても良い。
【0093】
これらのキレート剤の量は発色現像液中の金属イオンを封鎖するのに充分な量であれば良い。例えば1リットル当り0.1g〜10g程度になるように添加する。発色現像液には、必要により任意の現像促進剤を添加できる。
【0094】
現像促進剤としては、数多くの公報に表わされる公知のチオエーテル系化合物、p−フェニレンジアミン系化合物、4級アンモニウム塩類、アミン系化合物、ポリアルキレンオキサイド、その他1−フェニル−3−ピラゾリドン類、イミダゾール類、等を必要に応じて添加することができる。
【0095】
また、発色現像液には、必要に応じて、任意のカブリ防止剤を添加できる。カブリ防止剤としては、アルカリ金属ハロゲン化物及び有機カブリ防止剤が使用できる。
【0096】
有機カブリ防止剤としては、例えばベンゾトリアゾール、6−ニトロベンズイミダゾール、5−ニトロイソインダゾール、5−メチルベンゾトリアゾール、5−ニトロベンゾトリアゾール、5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−チアゾリル−ベンズイミダゾール、2−チアゾリルメチル−ベンズイミダゾール、インダゾール、ヒドロキシアザインドリジン、アデニンの如き含窒素ヘテロ環化合物を代表例としてあげることができる。
【0097】
又、ポリアルキレングリコール類、アルキルスルホン酸、アリールスルホン酸、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸等の各種界面活性剤を添加しても良い。
【0098】
以上、本発明の漂白定着組成物と組み合わせて用いられる発色現像組成物及びそれから調製される発色現像補充液又は現像液について説明した。
【0099】
発色現像の処理温度は、現像処理される感光材料がカラーペーパーの場合は、30〜55℃であり、好ましくは35〜55℃であり、より好ましくは38〜45℃である。現像処理時間は、5〜90秒であり、好ましくは15〜60秒である。補充量は少ない方が好ましいが、感光材料1m2当たり15〜600mlが適当であり、好ましくは30〜180mlである。
【0100】
一方、カラ−ネガの発色現像処理の場合は、現像温度は20〜55であり、好ましくは30〜55℃であり、より好ましくは38〜45℃である。現像処理時間は、20秒〜6分であり、好ましくは、30〜200秒である。補充量は少ない方が好ましいが、感光材料1m2当たり100〜800mlが適当であり、好ましくは200〜500mlである。
【0101】
また、本発明の漂白定着処理組成物は、カラー現像処理の脱銀工程に用いられるが、脱銀工程の構成は、つぎに示すように色々な形態を取ることが可能である。本発明の漂白定着処理組成物は、漂白定着補充液に調製されて漂白定着槽に添加され、通常この工程のみで脱銀工程が構成されるが、下記に示すように漂白あるいは定着工程が付加されることもある。
【0102】
代表的なカラー現像処理の脱銀工程の構成
(工程1) 漂白定着
(工程2) 漂白−漂白定着
(工程3) 漂白−漂白定着−定着
(工程4) 定着−漂白定着
(工程5) 漂白定着−定着
【0103】
また、これらの漂白、漂白定着、定着工程の個々の工程は、必要により複数浴に仕切られて、カスケード方式を採用することもある。漂白定着組成物およびそれから得られる処理液の組成、漂白定着工程の温度、処理時間などの条件についてはすでに説明したが、この工程について若干の補足を行う。
【0104】
漂白定着液を用いた処理に於いては、攪拌がされていることが好ましく、その実施には特開平3−33847号公報の第8頁、右上欄、第6行〜左下欄、第2行に記載の内容が、そのまま利用できる。
【0105】
脱銀工程においては、攪拌ができるだけ強化されていることが好ましい。攪拌強化の具体的な方法としては、特開昭62−183460号に記載の感光材料の乳剤面に処理液の噴流を衝突させる方法や、特開昭62−183461号の回転手段を用いて攪拌効果を上げる方法、更には液中に設けられたワイパーブレードと乳剤面を接触させながら感光材料を移動させ、乳剤表面を乱流化することによってより攪拌効果を向上させる方法、処理液全体の循環流量を増加させる方法が挙げられる。このような攪拌向上手段は、漂白液、漂白定着液、定着液のいずれにおいても有効である。攪拌の向上は乳剤膜中への漂白剤、定着剤の供給を速め、結果として脱銀速度を高めるものと考えられる。また、前記の攪拌向上手段は、漂白促進剤を使用した場合により有効であり、促進効果を著しく増加させたり漂白促進剤による定着阻害作用を解消させることができる。
【0106】
本発明に用いられる自動現像機は、特開昭60−191257号、同60−191258号、同60−191259号に記載の感光材料搬送手段を有していることが好ましい。前記の特開昭60−191257号に記載のとおり、このような搬送手段は前浴から後浴への処理液の持込みを著しく削減でき、処理液の性能劣化を防止する効果が高い。このような効果は各工程における処理時間の短縮や、処理液補充量の低減に特に有効である。
【0107】
定着又は漂白定着等の脱銀処理後、水洗又は水洗代替安定液処理、安定液処理あるいはその両方を行うのが一般的である。水洗又は水洗代替安定処理(以下まとめて水洗処理として述べる。)工程での水洗水量は、感光材料の特性(例えばカプラー等使用素材による)や用途、水洗水温、水洗タンクの数(段数)、その他種々の条件によって広範囲に設定し得る。
【0108】
このうち、多段向流方式における水洗タンク数と水量の関係は、ジャーナル・オブ・ザ・ソサエティ・オブ・モーション・ピクチャー・アンド・テレヴィジョン・エンジニアズ(Journal of the Society of Motion Picture and TelevisionEngineers)第64巻、p.248〜253(1955年5月号)に記載の方法で、求めることができる。
【0109】
通常多段向流方式における段数は3〜15が好ましく、特に3〜10が好ましい。多段向流方式によれば、水洗水量を大巾に減少でき、タンク内での水の滞留時間増加により、バクテリアが繁殖し、生成した浮遊物が感光材料に付着する等の問題が生じる。
【0110】
この様な問題の解決策として、特開昭62−288838号公報に記載のカルシウム、マグネシウムを低減させる方法を極めて有効に用いることができる。また、特開昭57−8542号公報に記載のイソチアゾロン化合物やサイアベンダゾール類、同61−120145号公報に記載の塩素化イソシアヌール酸ナトリウム等の塩素系殺菌剤、特開昭61−267761号公報に記載のベンゾトリアゾール、銅イオン、その他堀口博著「防菌防黴の化学」(1986年)三共出版、衛生技術会編、「微生物の減菌、殺菌、防黴技術」(1982年)工業技術会、日本防菌防黴学会編「防菌防黴剤事典」(1986年)に記載の殺菌剤を用いることもできる。
【0111】
更に、水洗処理における水洗水には、水切り剤として界面活性剤や、硬水軟化剤としてEDTAに代表されるキレート剤を用いることができる。以上の水洗工程に続くか、又は水洗工程を経ずに直接安定液で処理することも出来る。
【0112】
安定液には、画像安定化機能を有する化合物が添加され、例えばホルマリンに代表されるアルデヒド化合物や、色素安定化に適した膜pHに調製するための緩衝剤や、アンモニウム化合物があげられる。
【0113】
また、残存するマゼンタカプラーを不活性化して色素の褪色やステインの生成を防止するホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ピルビンアルデヒドなどのアルデヒド類、米国特許第4786583号に記載のメチロール化合物やヘキサメチレンテトラミン、特開平2−153348号に記載のヘキサヒドロトリアジン類、米国特許第4921779号に記載のホルムアルデヒド重亜硫酸付加物、欧州特許公開公報第504609号、同519190号などに記載のアゾリルメチルアミン類などが添加される。
【0114】
又、液中でのバクテリアの繁殖防止や処理後の感光材料に防黴性を付与するため、前記した各種殺菌剤や防黴剤を用いることができる。更に、界面活性剤、蛍光増白剤、硬膜剤を加えることもできる。本発明に係わる処理において、安定化が水洗工程を経ることなく直接行われる場合、特開昭57−8543号、同58−14834号、同60−220345号公報等に記載の公知の方法をすべて用いることができる。その他、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミン四メチレンホスホン酸等のキレート剤、マグネシウムやビスマス化合物を用いることも好ましい態様である。
【0115】
脱銀処理後に用いられる水洗処理における水洗液又は安定液としていわゆるリンス液も同様に用いられる。水洗水又は安定液の好ましいpHは4〜10であり、更に好ましくは5〜8である。温度は感光材料の用途・特性等で種々設定し得るが、一般には20℃〜50℃、好ましくは25℃〜45℃である。
【0116】
水洗又は安定液処理の工程に続いて乾燥が行われる。画像膜への水分の持込み量を減じる観点から水洗浴から出た後すぐにスクイズローラや布などで水を吸収することで乾燥を早めることも可能である。乾燥機側からの改善手段としては、当然のことではあるが、温度を高くすることや吹きつけノズルの形状を変更し乾燥風を強くすることなどで乾燥を早めることが可能である。更に、特開平3−157650号公報に記載されているように、乾燥風の感光材料への送風角度の調整や、排出風の除去方法によっても乾燥を早めることができる。
【0117】
【実施例】
次に、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0118】
実施例1
ハロゲン化銀カラー写真感光材料(カラーペーパー)の作製
〈白色原紙〉
写真グレード印画紙用硫酸塩法晒広葉樹パルプ(LBKP)50重量%と硫酸塩法晒針葉樹パルプ(NBSP)50重量%からなる坪量170g/m2、厚み175μmの白色原紙を用意した。
【0119】
まず、積層裏樹脂層を形成させるために、クリアポリプロピレンを300℃にて溶融押出した後、フラットフィルム法逐次2軸延伸装置を用いて、厚み30μmの2軸延伸ポリプロピレン樹脂シートを作製した後、5μmの厚さで溶融押出したポリエチレンを上記白色原紙と該シートの間に積層させた後ニップして積層裏樹脂層を形成させた。
【0120】
続いて積層表樹脂層を形成するために、5μmの厚さで溶融押し出したポリエチレンで、上記の裏樹脂層を設けた面とは反対の面に樹脂層を形成させた。
【0121】
別途ポリプロピレン95重量%、アナターゼ型酸化チタン5重量%を混練した後に300℃にて溶融押出した後、フラットフィルム法逐次2軸延伸装置を用いて、厚み30μmの2軸延伸ポリプロピレン樹脂シートを作製した。この2軸延伸ポリプロピレン樹脂シートを、前記ポリエチレン樹脂層を設けた表面側にニップして積層樹脂層を形成させ、紙支持体を作製した。
【0122】
前記支持体の表面樹脂層側にコロナ放電処理(出力電流値2アンペアー)を施したのち、ゼラチン下塗層をゼラチン付き量40mg/m2になるように塗布乾燥した。
【0123】
このようにして作製した紙支持体上に以下に示す構成の各層を塗設し、多層ハロゲン化銀カラー写真感光材料を作製した。塗布液は下記のごとく調製した。
【0124】
第1層塗布液イエローカプラー(Y−1)26.7g、色素画像安定化剤(ST−1)100g、(ST−2)6.67g、添加剤(HQ−1)0.67gを高沸点溶剤(DNP)6.67gに酢酸エチル60mlを加え溶解し、この溶液を20%界面活性剤(SU−1)7mlを含有する10%ゼラチン水溶液220mlに超音波ホモジナイザーを用いて乳化分散させてイエローカプラー分散液を作製した。この分散液を下記条件にて作製した青感性ハロゲン化銀乳剤(銀10g含有)と混合し第1層塗布液を調製した。
【0125】
第2層〜第7層塗布液も上記第1層塗布液と同様に調製した。
【0126】
又、硬膜剤として第2層及び第4層に(H−1)を、第7層に(H−2)を添加した。塗布助剤としては、界面活性剤(SU−2)、(SU−3)を添加し、表面張力を調整した。
【0127】
【表1】
【0128】
【化8】
【0129】
【化9】
【0130】
【化10】
【0131】
【化11】
【0132】
〈青感性ハロゲン化銀乳剤の調製方法〉
40℃に保温した2%ゼラチン水溶液1000ml中に下記(A液)及び(B液)をpAg=6.5、pH=3.0に制御しつつ30分かけて同時添加し、更に下記(C液)及び(D液)をpAg=7.3、pH=5.5に制御しつつ180分かけて同時添加した。
【0133】
このとき、pAgの制御は特開昭59−45437号記載の方法により行い、pHの制御は硫酸又は水酸化ナトリウムの水溶液を用いて行った。
(A液)
塩化ナトリウム 3.42g
臭化カリウム 0.03g
水を加えて 200ml
(B液)
硝酸銀 10g
水を加えて 200ml
【0134】
(C液)
塩化ナトリウム 102.7g
臭化カリウム 1.0g
水を加えて 600ml
(D液)
硝酸銀 300g
水を加えて 600ml
【0135】
添加終了後、花王アトラス社製デモールNの5%水溶液と硫酸マグネシウムの20%水溶液を用いて脱塩を行った後、ゼラチン水溶液と混合して平均粒径0.85μm、粒径分布の変動係数7%、塩化銀含有率99.5モル%の単分散立方体乳剤EMP−1を得た。
【0136】
上記乳剤EMP−1に対し、下記化合物を用い50℃にて90分化学熟成を行い、青感性ハロゲン化銀乳剤(Em−A)を得た。
【0137】
チオ硫酸ナトリウム 0.8mg/モルAgX
塩化金酸 0.5mg/モルAgX
安定剤(STAB−1) 6×10−4モル/モルAgX
増感色素(BS−1) 4×10−4モル/モルAgX
増感色素(BS−2) 1×10−4モル/モルAgX
【0138】
〈緑感性ハロゲン化銀乳剤の調製方法〉
(A液)と(B液)の添加時間及び(C液)と(D液)の添加時間を変更する以外はEMP−1と同様にして、平均粒径0.43μm、粒径分布の変動係数8%、塩化銀含有率99.5モル%の単分散立方体乳剤EMP−2を得た。
【0139】
EMP−2に対し、下記化合物を用いて55℃で120分化学熟成を行い、緑感性ハロゲン化銀乳剤(Em−B)を得た。
【0140】
チオ硫酸ナトリウム 1.5mg/モルAgX
塩化金酸 1.0mg/モルAgX
安定剤(STAB−1) 6×10−4モル/モルAgX
増感色素(GS−1) 4×10−4モル/モルAgX
【0141】
〈赤感性ハロゲン化銀乳剤の調製方法〉
(A液)と(B液)の添加時間及び(C液)と(D液)の添加時間を変更する以外はEMP−1と同様にして、平均粒径0.50μm、粒径分布の変動係数8%、塩化銀含有率99.5モル%の単分散立方体乳剤EMP−3を得た。
【0142】
EMP−3に対し、下記化合物を用いて60℃で90分化学熟成を行い、赤感性ハロゲン化銀乳剤(Em−C)を得た。
【0143】
チオ硫酸ナトリウム 1.8mg/モルAgX
塩化金酸 2.0mg/モルAgX
安定剤(STAB−1) 6×10−4モル/モルAgX
増感色素(RS−1) 4×10−4モル/モルAgX
【0144】
【化12】
【0145】
この試料を常法に従って露光後、次の処理工程と処理液を使用して処理を行った。
【0146】
【0147】
発色現像液
トリエタノールアミン 20g
ジエチレングリコール 6g
N,N−ジスルホエチルヒドロキシルアミン 5.0g
p−トルエンスルホン酸ナトリウム 15.0g
臭化カリウム 20mg
塩化カリウム 2.5g
ジエチレントリアミン五酢酸 5g
亜硫酸カリウム 5.0×10−4モル
発色現像主薬(3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−(β−
メタンスルホンアミドエチル)−アニリン硫酸塩) 8.0g
炭酸カリウム 25g
炭酸水素カリウム 5g
水を加えて全量を1Lとし、水酸化カリウム又は硫酸でpH10.20に調整する。
【0148】
発色現像補充液
トリエタノールアミン 20.0g
ジエチレングリコール 8.0g
N,N−ジスルホエチルヒドロキシルアミン 8.0g
p−トルエンスルホン酸ナトリウム 15.0g
臭化カリウム 8mg
塩化カリウム 0.1g
ジエチレントリアミン五酢酸 7.5g
亜硫酸カリウム 7.0×10−4モル
発色現像主薬(3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−(β−
メタンスルホンアミドエチル)−アニリン硫酸塩) 12g
炭酸カリウム 30g
炭酸水素カリウム 1g
水を加えて全量を1Lとし、水酸化カリウム又は硫酸でpH11.5に調整する。
【0149】
漂白定着液
キレート剤A(表2記載) 0.20モル
硝酸第2鉄9水和物 0.19モル
亜硫酸アンモニウム(40%水溶液) 0.18モル
チオ硫酸アンモニウム(75%水溶液) 0.55モル
アンモニア水または希硫酸でpH6.5に調製し、水で1Lに仕上げる。
【0150】
漂白定着補充液
キレート剤A(表2記載) 0.30モル
キレート剤B(表2記載) 0.02モル
硫酸第1鉄7水和物 0.29モル
亜硫酸アンモニウム(40%水溶液) 0.30モル
チオ硫酸アンモニウム(75%水溶液) 0.85モル
アンモニア水または希硫酸でpH5.0に調製し、水で1Lに仕上げる。
【0151】
漂白定着濃縮液
上記漂白定着補充液の組成を水で500mLに仕上げる(2倍濃縮液)。
【0152】
安定液及び補充液
オルトフェニルフェノール 0.1g
ユビテックスMST(チバガイギー社製) 1.0g
ZnSO4・7H2O 0.1g
亜硫酸アンモニウム(40%溶液) 5.0ml
1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(60%溶液)3.0g
エチレンジアミン四酢酸 1.5g
アンモニア水又は硫酸でpH7.8とすると共に水で1Lとする。
【0153】
作製したカラーペーパー及び処理液を用いて、ランニング処理を行った。
ランニング処理は、コニカ社製プリンタープロセッサーNPS878SQAを前記処理工程の条件を満たすよう改造して行った。各処理液を処理タンクに満たし、前記カラーペーパー試料を処理するとともに、前記補充液を定量ポンプで補充した。ランニング処理は漂白定着タンク液中に補充された漂白定着補充液の量が該タンク液量(12L)の2倍(2ラウンド)になるまで、1日あたり0.5ラウンドの連続処理を行った。なお、漂白定着補充液は、あらかじめ作成した漂白定着濃縮液を酸素透過度が5ml/(m2・day・atm)のポリボトルに入れ、空気を遮断して密閉保管しておき、1日1回6L分を補充タンク内で調製した(3Lの濃縮液を水で6Lに仕上げる)。
【0154】
ランニングテスト終了時、処理したカラーペーパー試料の最大濃度部における残存銀量を蛍光X線で測定した。また復色不良は、最大濃度部のRed濃度をあらかじめX−riteで測定した後、前記の漂白定着液(新液)で再処理して水洗乾燥し、濃度差を求めた。
(復色不良)=(再処理前の最大濃度部Red濃度)−(再処理後の最大濃度部Red濃度)結果を表2に記す。
【0155】
【表2】
【0156】
表2より、一般式(1)で表される化合物と一般式(2)または(3)で表される化合物を共に含有する場合に、連続大量処理時でも良好な写真性能が得られることが判る。
【0157】
実施例2
以下の漂白定着濃縮組成物を作成した。
キレート剤A(表3記載) 0.60モル
キレート剤B(表3記載) 0.06モル
硝酸第2鉄9水和物 鉄塩の2価モル比率が表3記載の数値に
硫酸第1鉄7水和物 なるよう適宜調整、合計0.58モル
亜硫酸アンモニウム(40%水溶液) 0.60モル
チオ硫酸アンモニウム(75%水溶液) 1.70モル
アンモニア水または希硫酸でpH5.0に調製し、水で1Lに仕上げる。
【0158】
作成した漂白定着濃縮組成物を1Lのポリボトル(前記酸素透過度のもの)に充填して密閉し、50℃と40℃で3週間保存した時の沈殿発生(硫化)の有無を比較した。
【0159】
【表3】
【0160】
(凡例)○=沈殿なし、△=やや濁りあり、×=沈殿あり
表3より、全鉄塩に対する2価鉄塩の比率が50モル%以上の場合に良好な保存安定性を有し、80モル%以上の場合に特に良好であることが判る。
【0161】
実施例3
(操作1)
硫酸第1鉄7水和物を市販のミルを用いて解砕し平均粒径100〜200μmの粒子とした。この硫酸第1鉄7水和物400gと粉末状の例示化合物1−1 440gおよび例示化合物2−1 13gをパウレック社製流動層造粒機LAB−1に入れ、PEG#6000の10%水溶液を噴霧しながら造粒、乾燥、コーティングを行った。PEGは固体量として全体重量の5%に達するまで噴霧した。出来上がった顆粒を以下の溶液に懸濁させて、漂白定着濃縮組成物を作成した。
【0162】
亜硫酸アンモニウム(40%水溶液) 0.60モル
チオ硫酸アンモニウム(75%水溶液) 1.70モル
顆粒 374g
水で1Lに仕上げる。
【0163】
(操作2)
PEG#6000を除き、各成分が操作1で作成した濃縮組成物と同じ組成比になるように溶解し、均一溶解した漂白定着濃縮組成物を作成した。
【0164】
操作1および操作2で得られた濃縮組成物を1Lのポリボトルに充填して密閉し、50℃で3週間保存したところ、両者とも特に外観上の変化はなく、良好な保存安定性が得られた。次に、保存した濃縮組成物を各々水で3倍に希釈し、操作2で作成した組成物には、操作1で作成した組成物と同じ濃度になるようにPEG#6000を添加した。さらにPEGが完全に溶解するように1−オクタンスルホン酸ナトリウムを双方の組成物に1Lあたり0.3g添加し、一定時間同じ条件で攪拌した。その後、全鉄イオンに対する2価鉄イオンの割合を測定したところ、操作2で作成した均一濃縮組成物から調製した漂白定着液の方が操作1で作成した濃縮組成物からの漂白定着液より速やかに空気酸化が進行し、漂白定着性能も優れていることが判った。
【0165】
実施例4
漂白定着補充液
キレート剤A(表2記載) 2.5モル
キレート剤B(表2記載) 0.1モル
硫酸第1鉄7水和物 2.4モル
亜硫酸アンモニウム(40%水溶液) 2.2モル
チオ硫酸アンモニウム(75%水溶液) 7.0モル
水で10Lに仕上げた時にpH5.2となるようアンモニア水または希硫酸を加える。
【0166】
漂白定着濃縮液
上記漂白定着補充液の組成を水で各々(1)9.0L、(2)8.0L、(3)7.0L、(4)5.0L、(5)3.5L、(6)2.5Lに仕上げて表4記載の濃縮率となる漂白定着濃縮液を作成した。補充液を含めこれら濃縮液を各々適切な大きさのポリボトル(前記酸素透過度を有する)に密閉して常温で2週間保管した。次いで各々の濃縮液に水道水を加えて10Lに仕上げて、直ちに全鉄イオンに対する2価鉄イオンのモル比率を測定した。結果を表4に記す。
【0167】
【表4】
【0168】
表4より、漂白定着組成物の濃縮率が1.2倍以上4.0倍以下の場合に、補充液を調製した際の空気酸化が速やかに進行し、鉄2価比率が少ないことが判る。また、これらの補充液を用いて、実施例1と同様なランニング処理を行ったところ、濃縮率が1.2倍以上4.0倍以下の場合に、特に良好な漂白定着性能が得られた。なお、濃縮率が4倍を超えると、保管中に変質したり沈殿物を生ずるなどして好ましくない。
【0169】
実施例5
実施例1の発色現像液、下記により調製した漂白定着液および実施例1の安定液を用いてカラーペーパー試料の現像処理を行った。処理した試料の評価は、実施例1と同じ方法で行った。
【0170】
処理工程 処理温度 処理時間
発色現像 40.0±0.3℃ 20秒
漂白定着 38.0±0.5℃ 20秒
安定(3槽) 38.0±1.0℃ 45秒
乾燥 60〜70℃ 30秒以上
【0171】
漂白定着液組成
例示1−1とキレート剤B(表5記載の割合) 0.20モル
硫酸第1鉄7水和物 0.19モル
亜硫酸アンモニウム(40%水溶液) 0.15モル
チオ硫酸アンモニウム(75%水溶液) 0.55モル
アンモニア水または希硫酸でpH6.0に調製し、水で1Lに仕上げる。
【0172】
漂白定着濃縮液
上記漂白定着液の組成を水で500mLに仕上げる(2倍濃縮液)。
上記漂白定着濃縮液に水を加えて1Lに仕上げ、1Lのビーカーに入れて開放系で24時間放置した後、現像処理に用いた。結果を表5に記す。
【0173】
【表5】
【0174】
表5に示すように、一般式(1)で表される化合物の総モル数に対し、一般式(2)および(3)で表される化合物の総モル数の比率が0.1%以上20%以下である場合に特に良好な漂白定着性能が得られた。
【0175】
【発明の効果】
本発明によれば、1パートの漂白定着キットで充分な保存性を有し、かつ残存銀量や復色不良といった漂白性能不良が見られない感光材料用漂白定着組成物及びこれを用いた処理方法を提供できる。
【発明の属する技術分野】
本発明は1パート構成されたハロゲン化銀カラー写真感光材料用(以下、感光材料または感材とも略す。)の漂白定着組成物及びこれを用いた処理方法に関し、詳しくは良好な漂白性能が得られる感光材料用漂白定着組成物及びこれを用いた処理方法に関する。
【0002】
【従来技術】
漂白定着組成物は感光材料の処理において、画像銀を除去するのに用いられる。一般に画像銀を除去する工程は、銀を酸化剤作用によって感光材料中に含まれる銀粒子を銀イオンに酸化する漂白工程と酸化体によって生成した銀イオンを感光材料から溶解除去する定着工程の2つの工程を含んでいる。このため、漂白定着処理剤は漂白剤と定着剤を含み、一般的に定着剤は還元性を有しており、両者は保恒剤が存在しない場合には、容易に反応して失活する事が知られている。通常保恒剤として亜硫酸塩などが用いられているが、保恒剤は経時で分解が進行し、また保恒剤が存在する場合でも高濃度に濃縮した場合には少なからず両者は反応し、本来の性能を損なう結果に至る事から、従来は漂白剤パートと定着剤パートの2パート構成として独立形態に設計されている。
【0003】
ところが、複数パートを取り扱う場合、ユーザーの煩雑さが増え、ましてや溶解時の誤操作により、目的の補充濃度が得られないといった問題が起こる。このため、ユーザーからは補充成分が1つのパート内に全て入っており、そのまま補充液として使用できる、いわゆるシングルパート(1パート)構成の補充液が望まれている。
【0004】
1パートであれば、煩雑さは解消され、従来の複数パートに比べて溶解ミスを起こす可能性は圧倒的に小さい。そのまま補充液として使用できる、いわゆる使用液タイプと、水と一定の割合で希釈してから補充液として使用する、いわゆる濃縮液タイプと呼ばれるものと、2種類のものが知られている。
【0005】
近年は、店舗面積の小さい、小規模の現像処理店、いわゆるミニラボ店が増加しているが、これらの店では補充液の保管スペースが非常に限られており、多大な保管スペースを必要とする使用液タイプのものよりも、小さな保管スペースで済む濃縮液タイプのものがより望まれている。
【0006】
漂白定着組成物の1パート濃縮組成物に関しては、漂白剤として鉄(III)・エチレンジアミンジ琥珀酸錯塩および鉄(III)・エチレンジアミンジグルタミン酸錯塩のいずれか、又は両方を主成分として含有し、充填物1リットル当たりの酸素供給速度が10ミリリットル/hr以下の容器に充填された1パート構成の濃縮された写真用漂白定着処理剤(例えば、特許文献1参照。)や、(a1)少なくとも0.05モル/Lの一種以上の鉄−配位子錯体、(a2)単一の写真定着剤としての、少なくとも0.15モル/Lの一種以上のチオ硫酸塩、および(a3)任意の一種以上の亜硫酸塩を含み、pH4〜10を有する単品の写真漂白−定着先駆体組成物であって、かつ、該先駆体組成物中に存在する50モル%を超える鉄がFe(II)の形態である先駆体組成物(例えば、特許文献2参照。)が知られている。
【0007】
前者の技術は、高温での処理液の安定性、容器着色性及び保存後の漂白安定性の改良効果について言及している。一方、後者の技術では低温での析出性、高温での処理液安定性やランニング処理での漂白安定性について言及している。
【0008】
特に、後者の技術によれば、1パートの濃縮キットでも充分な保存性を有し、かつ使用時は、空気酸化または酸化剤の添加により鉄錯体を鉄(III)に変えて、良好な漂白性能が得られる。
【0009】
一方、環境保全の観点からEDTA(エチレンジアミンジ四酢酸)−Feに代わる漂白主剤として生分解性の良好なEDDS(エチレンジアミン−N,N´−ジコハク酸)−Feが提案されている(例えば、特許文献3参照。)。しかし、EDDS−FeはEDTA−Feに比べて空気酸化速度が遅く、処理量の多いラボの場合は、濃縮キットから補充液を作成してすぐ使うことになるが、このような使用法では、空気酸化が追いつかず良好な漂白性能が得られない問題が見出された。
【0010】
即ち、1パートの漂白定着組成物では上記した保存後の処理液安定性や漂白安定性以外にも、補充液作成直後に使用することによる残存銀量や復色不良といった漂白性能不良を招くといった問題が生じることが新たに判明した。
【0011】
【特許文献1】特開2000−98553
【特許文献2】特開2002−169253
【特許文献3】特開2002−268189
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の課題は、1パートの漂白定着キットで充分な保存性を有し、かつ残存銀量や復色不良といった漂白性能不良が見られない感光材料用漂白定着組成物及びこれを用いた処理方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記課題は、下記構成によって達成される。
1.一般式(1)で表される化合物の少なくとも1種と、一般式(2)又は(3)で表される化合物の少なくとも1種を含有し、それらの一部または全部が鉄錯体を形成しており、該鉄錯体のうち50モル%以上が2価鉄であることを特徴とする1パート構成のハロゲン化銀写真感光材料用漂白定着組成物。
【0014】
【化2】
【0015】
式中、A1、A2、A3およびA4は、各々−CH2OH、−PO3M1M2又は−COOM3を表し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。M1、M2およびM3は水素原子、アルカリ金属原子又はその他のカチオンを表す。Xは炭素数2〜6のアルキレン基又は−(B1O)n−B2−を表す。nは1〜8の整数を表し、またB1及びB2は同一であっても異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜5のアルキレン基を表す。
【0016】
2.前記鉄錯体とチオ硫酸塩が均一に溶解していることを特徴とする前記1に記載のハロゲン化銀写真感光材料用漂白定着組成物。
【0017】
3.補充液に対する濃縮率が1.2倍以上4.0倍以下の濃縮組成物である特徴とする前記1又は2に記載のハロゲン化銀写真感光材料用漂白定着組成物。
【0018】
4.前記鉄錯体のうち80モル%以上が2価鉄であることを特徴とする前記1〜3のいずれかに記載のハロゲン化銀写真感光材料用漂白定着組成物。
【0019】
5.前記一般式(1)で表される化合物の総モル数に対し、前記一般式(2)又は(3)で表される化合物の総モル数の比率が0.1%以上20%以下であることを特徴とする前記1〜4のいずれかに記載のハロゲン化銀写真感光材料用漂白定着組成物。
【0020】
6.前記1〜5のいずれかに記載の漂白定着組成物を用いて補充液を調製し、自動現像機により連続処理することを特徴とするハロゲン化写真感光材料の処理方法。
【0021】
本発明では、特定構造の生分解性の鉄錯体を用いながら、1パートキットでも使用時は酸化剤の添加をしなくても空気酸化により速やかに鉄(II)が鉄(III)に変換して、良好な漂白性能が得られる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳述する。
先ず、前記一般式(1)で示される化合物について説明する。
【0023】
一般式(1)式中、A1〜A4はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、−CH2OH、−PO3M1M2又は−COOM3を表す。M1、M2及びM3は水素原子、アルカリ金属原子(例えばナトリウム、カリウム)又はその他のカチオン(例えば、アンモニウムイオン、メチルアンモニウムイオン、トリメチルアンモニウムイオン等)を表す。Xは炭素数2〜6のアルキレン基(置換基も含む)又は−(B1O)n−B2−を表す。又、B1及びB2は同一であっても異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜5のアルキレン基(置換基も含む)を表す。Xで表されるアルキレン基としては、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン等が挙げられる。又、B1及びB2で表されるアルキレン基としては、メチレン、エチレン、トリメチレン等が挙げられる。X、B1又はB2が表すアルキレン基の置換基としては、水酸基、炭素数1〜3のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基等)等が挙げられる。nは1〜8の整数を表し、好ましくは1〜4である。特に好ましくは、1〜2である。
【0024】
以下に前記一般式(1)で示される化合物の好ましい具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
【0025】
【化3】
【0026】
【化4】
【0027】
前記一般式(1)で示される化合物は一般に知られる方法で合成することができる。これらの中でも、特に好ましい化合物は(1)−1、(1)−3、(1)−14である。また、これらの化合物は光学異性体が存在するが、(S,S)体が好ましく用いられる。
【0028】
次に、一般式(2)で示される化合物の具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
【0029】
【化5】
【0030】
【化6】
【0031】
以下に前記一般式(3)で示される化合物の好ましい具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0032】
【化7】
【0033】
前記一般式(2)および(3)で示される化合物は一般に知られる方法で合成することができる。また、光学異性体が存在するが、(S,S)体が本発明の目的を良好に奏する。
これらの中でも、特に好ましい化合物は(3)−1である。
【0034】
本発明においては、上記一般式(1)、(2)又は(3)で示される化合物の他、本発明の効果を損なわない範囲で、鉄イオンと有機錯塩を形成する、公知のアミノポリカルボン酸を用いることができ、エチレンジアミン四酢酸のアルカリ金属塩(例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩)やアンモニウム塩が含まれてもよい。更に、キレート構造の安定、処理の迅速化から本発明の効果を損なわない範囲で、その他のアミノポリカルボン酸またはアミノポリホスホン酸を含んでもよい。
【0035】
その他のアミノポリカルボン酸、アミノポリホスホン酸としては、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレンジアミン−N−(β−オキシエチル)−N,N′,N′−三酢酸、1,2−ジアミノプロパン四酢酸、1,3−ジアミノプロパン四酢酸、ニトリロ三酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、イミノ二酢酸、エチルエーテルジアミンテトラ酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、エチレンジアミン四プロピオン酸、フェニレンジアミン四酢酸、1,3−ジアミノプロパノール−N,N,N′,N′−四メチレンホスホン酸、エチレンジアミン−N,N,N′,N′−四メチレンホスホン酸、1,3−プロピレンジアミン−N,N,N′,N′−四メチレンホスホン酸、ニトリロ二酢酸モノプロピオン酸、ニトリロモノ酢酸ジプロピオン酸、2−(ビス−カルボキシメチル−アミノ)−プロピオン酸、2ーヒドロキシ−3−アミノプロピオン酸−N,N−二酢酸、セリン−N,N−二酢酸、2−メチル−セリン−N,N−二酢酸、2−ヒドロキシメチル−セリン−N,N−二酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、メチルイミノ二酢酸、N−(2−アセトアミド)−イミノ二酢酸、ニトリロトリプロピオン酸、エチレンジアミン二酢酸、エチレンジアミン二プロピオン酸、1,4−ジアミノブタン四酢酸、2−メチル−1,3−ジアミノプロパン四酢酸、2−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン四酢酸及びこれらのアルカリ金属塩(例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩)やアンモニウム塩などであるが、これらに限定されるものではない。また、その他のアミノポリカルボン酸を2種以上併用して用いてもよい。
【0036】
本発明においては、前記一般式(1)で表される化合物の少なくとも1種と、一般式(2)又は(3)で表される化合物の少なくとも1種を含有し、それらの一部または全部が鉄錯体を形成しており、該鉄錯体のうち50モル%以上が2価鉄であり、この範囲において本発明の効果が得られる。また、好ましくは実質的に80mol%以上であり、これが高いほど、本発明の効果をよりよく発揮する。
【0037】
Fe(II)価比率を50mol%以上に達成する手段としては鉄錯体をアジチオン酸ナトリウム等の還元剤で還元しても良い。また無機鉄塩の第1鉄塩と第2鉄塩の比率を調整する事で、達成しても良い。好ましいFe(II)価比率としては80mol%以上であり、本発明の効果をよりよく発揮する。
【0038】
上記第1鉄塩としては、例えば硫酸第1鉄、塩化第1鉄、シュウ酸第1鉄、酸化鉄などが挙げられ、より具体的な化合物としては、硫酸第1鉄アンモニウム、硫酸第1鉄ナトリウム、塩化第1鉄、臭化第1鉄、硫酸第1鉄、酢酸第1鉄、シュウ酸第1鉄、酸化鉄などである。また、第2鉄塩としては、硝酸第2鉄、塩化第2鉄、臭化第2鉄、三硫酸鉄(III)三M1、硫酸鉄(III)M1(但し、M1はアンモニウム、カリウム、ナトリウム又は水素原子を表す)などが挙げられ、より具体的な化合物としては、硝酸第2鉄、塩化第2鉄、臭化第2鉄、三硫酸鉄(III)三アンモニウム、三硫酸鉄(III)三カリウム、三硫酸鉄(III)三ナトリウム、硫酸鉄(III)カリウム、硫酸鉄(III)ナトリウム、硫酸鉄(III)アンモニウム等で挙げる事ができる。
【0039】
また、前記一般式(1)で表される化合物の総モル数に対し、前記一般式(2)又は(3)で表される化合物の総モル数の比率が0.1%以上20%以下であることが好ましく、これによって本発明の目的がより顕著に達成される。
【0040】
更に本発明においては、補充液に対する濃縮率が1.2倍以上4.0倍以下の濃縮組成物である事が好ましく、これによって本発明の目的がより顕著に達成される。
【0041】
本発明においては、下記一般式(4)で示されるイミダゾール又はその誘導体を含有することが好ましい。
【0042】
一般式(4)(R1)n A
【0043】
一般式(4)において、R1は水素原子、アミノ基または水酸基が置換してもよい炭素数1〜3のアルキル基、アルケニル基及びハロゲン原子を表し、R1が複数の場合は互いに同じでも異なってもよい。R1が表すアミノ基にはメチル基またはエチル基が1又は2個置換していてもよい。またアルキル基及びアルケニル基には炭素数1〜3のアルキル基が置換してもよい。nは1〜3の整数である。Aはイミダゾリル基を表す。
【0044】
以下に一般式(4)で表されるイミダゾール化合物の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
1−メチルイミダゾール
2−メチルイミダゾール
4−メチルイミダゾール
4−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾール
4−(2−アミノエチル)イミダゾール
2−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾール
2−エチルイミダゾール
2−ビニルイミダゾール
4−プロピルイミダゾール
2,4−ジメチルイミダゾール
2−クロロイミダゾール
4,5−ジ(2−ヒドロキシエチル)イミダゾール
イミダゾール
【0045】
本発明においては、前記イミダゾール又はその他の誘導体と共に、又はこれに代えて燐酸塩及びポリ燐酸塩を含有してもよい。
【0046】
燐酸塩の具体的な化合物としては、酸塩としては、アルカリ塩および/またはアンモニウム塩、例えば燐酸二水素アンモニウム、燐酸水素二アンモニウム、燐酸三アンモニウム、燐酸二水素カリウム、燐酸水素二カリウム、燐酸三カリウム、燐酸二水素ナトリウム、燐酸水素二ナトリウム、および燐酸三ナトリウム、または遊離燐酸を使用することができるが、これらに限定されるものでない。
【0047】
ポリ燐酸塩の具体的な化合物としては、ヘキサメタ燐酸ナトリウム、四燐酸ナトリウム、ヒドロキシエタンジホスホン酸、N(−2−カルボキシエチル)−1−アミノエタン−1,1−ジホスホン酸、N,N−ビス−(カルボキシメチレン)−1−アミノエタン−1,1−ジホスホン酸、モルホリノメタン−ジホスホン酸、ニトリロトリスメチレン−ホスホン酸、エチレンジアミン−テトラメチレンホスホン酸、ヘキサメチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、および2−カルボキシエタン−ホスホン酸、メチレンジホスホン酸又は遊離ポリ燐酸などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0048】
上記イミダゾール又はその誘導体、燐酸塩又はポリ燐酸塩から選ばれる化合物は単独で用いられてもよいし、2種類以上併用してもよい。この使用量は、本発明の効果をよりよく発揮するためには、漂白定着濃縮組成物1リットルあたり0.01mol〜2.5molであり、好ましくは0.05mol〜1.0molである。0.01mol以下では、本発明の効果が乏しく、2.5molを越えると高濃厚化しても発明の効果のさらなる向上は厳しく、経済的不利なども生じる。
【0049】
本発明の漂白定着組成物には、緩衝剤を添加するのも好ましい。緩衝剤は意図するpHにより選択されるが好ましい化合物としては、酢酸、グリコール酸または一般式(5)で表されるジカルボン酸が挙げられる。
【0050】
一般式(5) R(COOM)2
【0051】
一般式(5)において、Rは2価の基を表し、Mは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム基を表す。Rが表す好ましい2価の基は、アルキレン基、アルケニレン基、アルキレンオキシアルキレン基、アルキレンチオアルキレン基、シクロアルキレン基およびフェニレン基である。これらのアルキレン基およびアルケニレン基の炭素数は、1〜6で、水酸基又はカルボキシル基が置換してもよい。また、アルキレンオキシアルキレン基及びアルキレンチオアルキレン基を構成するアルキレン基は炭素数が1〜4で、さらに単素数1〜3のアルキル基が1〜2個置換してもよい。シクロアルキレン基およびフェニレン基には、単素数1〜3のアルキル基、水酸基、カルボキシル基が1〜2個置換していてもよく、そのシクロアルキレン基の炭素数は、5〜7である。
【0052】
一般式(5)で表されるジカルボン酸の具体例には、グルタル酸、アジピン酸、クエン酸、酒石酸、マレイン酸、コハク酸等が挙げられるが、本発明に用いられる一般式(5)の化合物はこれらに限定されない。また、これらは2種以上の化合物を併用してもよい。緩衝剤の化合物の添加量は漂白定着組成物1リットルあたり0.005mol〜4.0molが好ましく、さらに好ましくは0.05mol〜1.5molである。
【0053】
漂白定着組成物に係わる定着剤としては、公知の定着剤、即ちチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウムなどチオ硫酸塩のアルカリ金属塩およびアンモニウム塩及びチオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸アンモニウムなどのチオシアン酸塩である。漂白定着組成物において、主な定着剤であるチオ硫酸塩とチオシアン酸塩の量は、チオ硫酸塩に対するチオシアン酸塩の比率が0mol%以上、50mol%以下が、本発明の効果がより良く発揮されることから好ましい。
【0054】
また、溶解性の点からチオ硫酸塩の中では、特にチオ硫酸アンモニウム塩、チオシアン酸塩の中ではチオシアン酸アンモニウムの使用が好ましい。
【0055】
漂白定着組成物1リットルあたりの定着剤の量は、0.5〜4molが好ましく、更に好ましくは0.5〜3.0molの範囲である。
【0056】
漂白定着組成物には、定着促進などの目的で副次的に他のハロゲン化銀溶解剤を加えてもよい。副次的に添加できる適当なハロゲン化銀溶解剤は、エチレンビスチオグリコール酸、3,6−ジチア−1,8−オクタンジオールなどのチオエーテル化合物およびチオ尿素、エチレンチオ尿素などのチオ尿素類などの水溶性ハロゲン化銀溶解剤であり、これらを1種あるいは2種以上処理剤成分として添加して使用することができる。
【0057】
漂白定着組成物には、脱銀促進性を有する化合物を添加して、処理の迅速化と銀除去性能の向上を図ることができる。この目的に適した化合物には、特開平8−297356号及び特開平8−137070号の各公報に開示された1,2,4−トリアゾリウム−3−スルフィド型のメソイオン化合物(代表例、1,4,5−トリメチル−1,2,4−トリアゾリウム−3−スルフィド)、特開平8−292510号公報に開示されたRSO2M(Rはアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アラルキル、アリ−ル基を表し、Mは水素原子、アルカリ金属原子、アンモニウム基)型のスルフィン酸類(代表例、フェニルスルフィン酸)および特開平9−5964号公報に開示された3−メルカプト−1,2,4−トリアゾ−ル型のメルカプト化合物(代表例、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾ−ル−1−メチルスルホン酸)であり、これらの1つ以上を0.001〜0.1モル/リットルの濃度で添加することができる。
【0058】
また、漂白定着組成物には、銀スラッジの生成を防止するために、銀塩形成性の化合物を添加することができる。この目的に適した化合物には、特開平8−204980号公報に開示されたグアニジンのN−アミノ置換又はN−アルコキシ置換誘導体(そのほかにアルキル基などが置換してもよい)、(代表例、N−(ジ−n−ブチルアミノプロピル)グアニジン、N−(ジ−n−プロピルアミノエチル)グアニジン)、特開平9−211820号公報に開示された2−メルカプトアゾール誘導体及び2−メルカプトピリミジン誘導体(代表例、2−メルカプト−5−アセトアミドチアジアゾール、2−メルカプト−4−メチル−5−アミノ−ピリミジン)であり、これらの1つ以上を0.001〜0.1mol/Lの濃度で漂白定着組成物中に添加することができる。
【0059】
次に漂白定着組成物の濃縮率について述べる。濃厚液体処理組成物の濃厚化の度合いを示す実用的な尺度として「濃縮率」が通常用いられる。濃縮率は、処理組成物を水で希釈して目的とする処理液を調製したときに完成した処理液のもとの液体処理組成物に対する体積比によって表す。したがって、同一組成の濃縮型処理組成物であっても、その「濃縮率」は、厳密には使用液の濃度によって異なることになる。
【0060】
本発明における漂白定着組成物の好ましい濃縮率は少なくとも1.0以上5.0以下であり、より好ましくは1.2〜4.0の濃縮率である。
【0061】
本発明に係わる漂白定着組成物のpHは3〜8が好ましく、4〜7がより好ましい。pHがこれより低いと漂白能は向上するが、液の劣化及びシアン色素のロイコ化が促進される。逆にpHがこれより高いと漂白が遅れる。
【0062】
pHを調整するためには、必要に応じて塩酸、硫酸、硝酸、重炭酸塩、アンモニア、苛性カリ、苛性ソーダ、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等を添加することができる。
【0063】
漂白定着組成物には、その他各種の蛍光増白剤や消泡剤或いは界面活性剤、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール等を含有させることができる。
【0064】
漂白定着組成物には、保恒剤として亜硫酸塩(例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウム、など)、重亜硫酸塩(例えば、重亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウム、など)やメタ重亜硫酸塩(例えば、メタ重亜硫酸カリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸アンモニウム、など)等の亜硫酸イオン放出性化合物、前記記載のp−トルエンスルフィン酸、m−カルボキシベンゼンスルフィン酸などのアリ−ルスルフィン酸などを含有させてもよい。その場合は、これらの化合物の添加量は亜硫酸イオンやスルフィン酸イオンに換算して約0.02〜0.8mol/Lであることが好ましい。漂白定着組成物の保恒剤としては、上記のほか、アスコルビン酸、カルボニル重亜硫酸付加物又はその他のカルボニル化合物等を添加しても良い。更には緩衝剤、キレート剤、消泡剤、防カビ剤等を必要に応じて添加しても良い。
【0065】
本発明に係る漂白定着組成物は、包材に充填して搬送され、使用に供される。本発明の漂白定着組成物は、好ましくは下記包材に収容されることによって本発明の漂白定着組成物包装体になる。
【0066】
包材の材質は紙、プラスチックなどいかなる材質のものでもよいが、酸素透過度が、20ml/(m2・day・atm)以下のプラスチック材料が好ましく用いられ、特に好ましくは5ml/(m2・day・atm)以下である。なお、ここでいう酸素透過度の測定は常法に従い、JIS1707により測定した。
【0067】
本発明に係る漂白定着組成物を充填する包材で好ましく用いられるプラスチック材料としては、例えば次の一群に示すものが挙げられる。
(一群)
A ポリオレフィン系樹脂
B ポリエチレンー酢酸ビニル共重合体系樹脂
C エチレンービニルアルコール共重合体系樹脂
D ポリアミド系樹脂
E セラミック
F アクリロニトリル系樹脂
G ポリエチレンテレフタレート系樹脂
H ポリハロゲン化ビニリデン系樹脂
I ポリハロゲン化ビニル系樹脂
【0068】
ポリオレフィン系樹脂層に用いられる樹脂としては、ポリエチレンが好ましく、低密度ポリエチレン(以下、LDPEと略して呼ぶ。)、中密度ポリエチレン(以下、MDPEと略して呼ぶ。)および高密度ポリエチレン(以下、HDPEと略して呼ぶ。)のいずれも使用することができる。本発明に好ましく使用されるHDPEは、密度が0.941〜0.969のものである。また、好ましいLDPEは、高圧重合法で合成され、その密度は、0.910〜0.925である。
【0069】
容器としては、上記の密度範囲のHDPEを用いるのがよいが、さらにそのHDPEのメルトインデックス(ASTM D1238に規定された方法で、温度190°Cで押し出し圧力2.16kgで測定)が、0.3〜7.0g/10min、好ましくは0.3〜5.0g/10minであるものが好ましい。この範囲にあると漂白定着組成物用の容器として安定である。
【0070】
好ましい容器の厚みは、材質によって異なるが、好ましくは0.1〜2.0mm、とくに好ましくは0.3〜1.5mm、より好ましくは0.4〜1.0mmである。
【0071】
ポリアミド系樹脂は突き刺し強度や耐ピンホール性からナイロンが好ましく用いられる、厚みは3〜50μmが好ましく、より好ましくは5〜30μmである。とりわけ延伸ナイロンが好ましい。セラミックは酸化珪素を主体とする無機質であり、ポリエチレンとかポリエチレンフタレートに真空中でコートしても良い。これらの具体的なものは凸版印刷社製のGLタイプ(セラミック蒸着フィルム)等が挙げられる。
【0072】
またエチレンービニルアルコール共重合体樹脂としては、クラレ社製のクラレ、エバーフィルム(EF−XL,EF−F、EF−K)等が挙げられる。
【0073】
ポリハロゲン化ビニリデン系樹脂及びポリハロゲン化ビニル系樹脂のハロゲンとしては塩素、フッ素、臭素等が挙げられる、具体的にはポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル等の樹脂が挙げられる。
【0074】
しかしながら、本発明においては、環境適正の観点から焼却処理時に有害ガスの発生が好ましくないため、前記一群の中でも、A〜Gが好ましく用いられ、特に好ましくはA〜Fのものである。
【0075】
本発明において用いられる各樹脂は、「プラスチックフィルム」(日刊工業新聞社発行、高橋儀作、昭和51年12月20日増補版)に記載のある中から上記好ましい条件を満足するものを用いることができる。
【0076】
これらの材料は、単一で成型して使用しても良いが、2種類以上の材料をフィルム状にして貼り会わせたいわゆる多層フィルムを使用しても良い。包材の形状も、瓶タイプ、ピロータイプ等あらゆる構成を取ることができる。
【0077】
包材の材料として多層フィルムを使用する場合、層構成としては例えば、下記に示す構成が挙げられる。
(1) LLDPE/Ny(ナイロン)PET(ポリエチレンテレフタレート)
(2) LLDPE/Ny/EVOH(エバール)/Ny/ONy(延伸ナイロン)
(3) LLDPE/EVA(ポリエチレン−酢酸ビニル共重合体)/Ny
(4) LLDPE/S・PE(サンドポリエチレン)/HDPE(高密度ポリエチレン)/NY/EVOH/NY/PET
(5) LLDPE/KOH(塩化ビニリデンコートナイロン)
(6) LLDPE/GLPET(セラミックコーティングポリエチレンテレフタレート)
(7) PE(ポリエチレン)/EVOH/OPP(延伸ポリプロピレン)
【0078】
(8) LDPE(低密度ポリエチレン)/EVOH/PET
(9) LDPE/EVOH/ONy
(10) PE/KPE(塩化ビニリデンポリエチレンポリエステル)
(11) PE/Ny
(12) PE/EVOH/Ny
(13) PE/EVOH/KPE
(14) PE/EVOH/KPET(塩化ビニリデンコートPET)
(15) LDPE/EVOH/KPET
【0079】
(16) EVA(ポリエチレン−酢酸ビニル共重合体)/Ny
(17) EVA/ONy
(18) EVA/EVOH/ONy
(19) LDPE/AN(アクリロニトリル)/Ny
(20) LLDPE/S・PE/LLDPE/Ny/EVOH/Ny/ONy
(21) LLDPE/S・PE/HDPE/S・PE/LLDPE/Ny/EVOH/Ny/PET
(22) LLDPE/S・PE/LLDPE/Ny/EVOH/Ny/ONy
(23) LLDPE/S・PE/LLDPE/Ny/EVOH/Ny/PET
【0080】
多層フィルムの製造は特に限定されないが、例えばフィルムとフィルムを接着剤で貼り合わせる方法や、フィルムとフィルムを溶融した樹脂で貼り合わせる方法、2種類以上の樹脂をスリットから一緒に押し出すいわゆる共押し出しといわれる方法、その他の一般的に用いられるフィルム積層法などを単独又は組み合わせて用いられる。
【0081】
本発明に係わる漂白定着組成物を用いて調整された漂白定着組成物(処理液)の補充量は、処理される感光材料1m2当たり20ml〜250mlが好ましく、より好ましくは30ml〜200mlである。処理される感光材料がカラ−ネガ、カラ−リバ−サルフィルムの場合の漂白定着時間は、通常10秒〜6分30秒、好ましくは30秒〜4分30秒であり、カラ−ペーパーの場合の漂白定着時間は、10秒から1分である。処理温度はカラ−ネガ、カラ−リバ−サルフィルム及びカラ−ペーパーともに25℃〜60℃、好ましくは30℃〜50℃である。
【0082】
次に、カラー現像処理、処理液および工程について説明する。現像処理工程は、発色現像、脱銀、水洗又は安定化、および安定化の各工程からなる。発色現像工程には、発色現像処理組成物から現像補充液および現像液が調製されて用いられる。その中には、カラー現像主薬を含有するが、好ましい例は公知の芳香族第1級アミン発色現像主薬、とくにp−フェニレンジアミン誘導体であり、代表例を以下に示すがこれらに限定されるものではない。
【0083】
1)N,N−ジエチル−p−フェニレンジアミン
2)4−アミノ−N,N−ジエチル−3−メチルアニリン
3)4−アミノ−N−(β−ヒドロキシエチル)−N−メチルアニリン
4)4−アミノ−N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)アニリン
5)4−アミノ−N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)−3−メチルアニリン
6)4−アミノ−N−エチル−N−(3−ヒドロキシプロピル)−3−メチルアニリン
7)4−アミノ−N−エチル−N−(4−ヒドロキシブチル)−3−メチルアニリン
【0084】
8)4−アミノ−N−エチル−N−(β−メタンスルホンアミドエチル)−3−メチルアニリン
9)4−アミノ−N,N−ジエチル−3−(β−ヒドロキシエチル)アニリン
10)4−アミノ−N−エチル−N−(β−メトキシエチル)−3メチル−アニリン
11)4−アミノ−N−(β−エトキシエチル)−N−エチル−3−メチルアニリン
12)4−アミノ−N−(3−カルバモイルプロピル−N−n−プロピル−3−メチルアニリン
13)4−アミノ−N−(4−カルバモイルブチル−N−n−プロピル−3−メチルアニリン
【0085】
上記p−フェニレンジアミン誘導体のうち特に好ましい主薬としては例示化合物5),6),7),8)及び12)であり、その中でも化合物5)と8)が多用される。
【0086】
また、これらのp−フェニレンジアミン誘導体は、固体素材の状態では、通常硫酸塩、塩酸塩、亜硫酸塩、ナフタレンジスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などの塩の形である。発色現像処理剤組成物は、使用に際して水と定められた比率で混合されて現像補充液(またはさらに希釈した現像液)の形の使用液にして用いるが、使用液中の該芳香族第1級アミン現像主薬の濃度は現像液1リットル当たり好ましくは2mmol〜200mmol、より好ましくは12mmol〜200mmol、更に好ましくは12mmol〜150mmolである。
【0087】
発色現像液には、通常ヒドロキシルアミン誘導体又はその塩あるいは、N−アルキルヒドロキシルアミン又はその塩を加えることが多いが、保恒剤としては、アルカノールアミン類、ヒドロキシルアミン誘導体、ヒドロキサム酸類、ヒドラジド類、フェノール類、α−ヒドロキシケトン類、α−アミノケトン類、糖類、ポリエチレンイミン類、モノアミン類、ジアミン類、ポリアミン類、四級アンモニウム塩類、ニトロキシラジカル類、アルコール類、オキシム類、ジアミド化合物類、縮環式アミン類などが特に有効である。これらは、特開昭63−4235号、同63−30845号、同63−21647号、同63−44655号、同63−53551号、同63−43140号、同63−56654号、同63−58346号、同63−43138号、同63−146041号、同63−44657号、同63−44656号、米国特許第3,615,503 号、同2,494,903 号、特開昭52−143020号、特公昭48−30496号などの各公報又は明細書に開示されている。処理剤組成物を構成する場合に、これらの保恒剤は主薬とは別のパートとして構成するのが好都合のことが多い。
【0088】
発色現像液は、通常塩素イオンを3.5×10−2〜1.5×10−1mol/L含有することが多いが、塩素イオンは、通常現像の副生成物として現像液に放出されるので補充液には添加不要のことが多い。臭素イオンの含有に関しても塩素イオンの場合と同じ事情にある。発色現像液中の臭素イオンは、撮影用材料の処理では1〜5×10−3mol/L程度、プリント材料の処理では、1×10−3mol/L以下である。
【0089】
現像処理される感光材料がカラ−印画紙の場合は、画面の背景の白地が白いことが重要な画質特性なので、スチルベン系蛍光増白剤、とくにジ(トリアジルアミノ)スチルベン系や、4、4′−ジアミノ−2,2′−ジスルホスチルベン系の蛍光増白剤を発色現像液に添加することもある。
【0090】
このスチルベン系蛍光増白剤は、発色現像液のほか、脱銀液あるいは感光材料のいずれにも添加できる。発色現像液中に含ませる場合は、その好適濃度は1×10−4〜5×10−2mol/Lであり、より好ましくは2×10−4〜1×10−2mol/Lである。
【0091】
発色現像液や現像補充液はpH9.5以上、より好ましくは10.0〜12.5で用いられる。pHを安定に保持するためには、各種緩衝剤を用いるのが好ましい。緩衝剤としては、炭酸塩の外に、リン酸塩、ホウ酸塩、四ホウ酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、グリシル塩、N,N−ジメチルグリシン塩、ロイシン塩、ノルロイシン塩、グアニン塩、3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン塩、アラニン塩、アミノ酪酸塩、2−アミノ−2−メチル−1, 3−プロパンジオール塩、バリン塩、プロリン塩、トリスヒドロキシアミノメタン塩、リシン塩などを用いることができる。該緩衝剤の量は、希釈調製した発色現像補充液中の濃度が、0.01〜2mol/L以上、特に0.1mol/L〜0.5mol/Lとなるように組成物中に添加される事が好ましい。
【0092】
発色現像組成物には、その他の発色現像液成分、例えばカルシウムやマグネシウムの沈澱防止剤であり、あるいはカラー現像液の安定性向上剤でもある各種キレート剤を添加することもできる。例えば、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレンジアミン四酢酸、N,N,N−トリメチレンホスホン酸、エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラメチレンスルホン酸、エチレンジアミンN,N−ジ琥珀酸、N,N−ジ(カルボキシラート)−L−アスパラギン酸、β−アラニンジ琥珀酸、トランスシロヘキサンジアミン四酢酸、1,2−ジアミノプロパン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、エチレンジアミンオルトヒドロキシフェニル酢酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、N,N′−ビス(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N′−ジ酢酸、1,2−ジヒドロキシベンゼン−4,6−ジスルホン酸等が挙げられる。これらのキレート剤は必要に応じて2種以上併用しても良い。
【0093】
これらのキレート剤の量は発色現像液中の金属イオンを封鎖するのに充分な量であれば良い。例えば1リットル当り0.1g〜10g程度になるように添加する。発色現像液には、必要により任意の現像促進剤を添加できる。
【0094】
現像促進剤としては、数多くの公報に表わされる公知のチオエーテル系化合物、p−フェニレンジアミン系化合物、4級アンモニウム塩類、アミン系化合物、ポリアルキレンオキサイド、その他1−フェニル−3−ピラゾリドン類、イミダゾール類、等を必要に応じて添加することができる。
【0095】
また、発色現像液には、必要に応じて、任意のカブリ防止剤を添加できる。カブリ防止剤としては、アルカリ金属ハロゲン化物及び有機カブリ防止剤が使用できる。
【0096】
有機カブリ防止剤としては、例えばベンゾトリアゾール、6−ニトロベンズイミダゾール、5−ニトロイソインダゾール、5−メチルベンゾトリアゾール、5−ニトロベンゾトリアゾール、5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−チアゾリル−ベンズイミダゾール、2−チアゾリルメチル−ベンズイミダゾール、インダゾール、ヒドロキシアザインドリジン、アデニンの如き含窒素ヘテロ環化合物を代表例としてあげることができる。
【0097】
又、ポリアルキレングリコール類、アルキルスルホン酸、アリールスルホン酸、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸等の各種界面活性剤を添加しても良い。
【0098】
以上、本発明の漂白定着組成物と組み合わせて用いられる発色現像組成物及びそれから調製される発色現像補充液又は現像液について説明した。
【0099】
発色現像の処理温度は、現像処理される感光材料がカラーペーパーの場合は、30〜55℃であり、好ましくは35〜55℃であり、より好ましくは38〜45℃である。現像処理時間は、5〜90秒であり、好ましくは15〜60秒である。補充量は少ない方が好ましいが、感光材料1m2当たり15〜600mlが適当であり、好ましくは30〜180mlである。
【0100】
一方、カラ−ネガの発色現像処理の場合は、現像温度は20〜55であり、好ましくは30〜55℃であり、より好ましくは38〜45℃である。現像処理時間は、20秒〜6分であり、好ましくは、30〜200秒である。補充量は少ない方が好ましいが、感光材料1m2当たり100〜800mlが適当であり、好ましくは200〜500mlである。
【0101】
また、本発明の漂白定着処理組成物は、カラー現像処理の脱銀工程に用いられるが、脱銀工程の構成は、つぎに示すように色々な形態を取ることが可能である。本発明の漂白定着処理組成物は、漂白定着補充液に調製されて漂白定着槽に添加され、通常この工程のみで脱銀工程が構成されるが、下記に示すように漂白あるいは定着工程が付加されることもある。
【0102】
代表的なカラー現像処理の脱銀工程の構成
(工程1) 漂白定着
(工程2) 漂白−漂白定着
(工程3) 漂白−漂白定着−定着
(工程4) 定着−漂白定着
(工程5) 漂白定着−定着
【0103】
また、これらの漂白、漂白定着、定着工程の個々の工程は、必要により複数浴に仕切られて、カスケード方式を採用することもある。漂白定着組成物およびそれから得られる処理液の組成、漂白定着工程の温度、処理時間などの条件についてはすでに説明したが、この工程について若干の補足を行う。
【0104】
漂白定着液を用いた処理に於いては、攪拌がされていることが好ましく、その実施には特開平3−33847号公報の第8頁、右上欄、第6行〜左下欄、第2行に記載の内容が、そのまま利用できる。
【0105】
脱銀工程においては、攪拌ができるだけ強化されていることが好ましい。攪拌強化の具体的な方法としては、特開昭62−183460号に記載の感光材料の乳剤面に処理液の噴流を衝突させる方法や、特開昭62−183461号の回転手段を用いて攪拌効果を上げる方法、更には液中に設けられたワイパーブレードと乳剤面を接触させながら感光材料を移動させ、乳剤表面を乱流化することによってより攪拌効果を向上させる方法、処理液全体の循環流量を増加させる方法が挙げられる。このような攪拌向上手段は、漂白液、漂白定着液、定着液のいずれにおいても有効である。攪拌の向上は乳剤膜中への漂白剤、定着剤の供給を速め、結果として脱銀速度を高めるものと考えられる。また、前記の攪拌向上手段は、漂白促進剤を使用した場合により有効であり、促進効果を著しく増加させたり漂白促進剤による定着阻害作用を解消させることができる。
【0106】
本発明に用いられる自動現像機は、特開昭60−191257号、同60−191258号、同60−191259号に記載の感光材料搬送手段を有していることが好ましい。前記の特開昭60−191257号に記載のとおり、このような搬送手段は前浴から後浴への処理液の持込みを著しく削減でき、処理液の性能劣化を防止する効果が高い。このような効果は各工程における処理時間の短縮や、処理液補充量の低減に特に有効である。
【0107】
定着又は漂白定着等の脱銀処理後、水洗又は水洗代替安定液処理、安定液処理あるいはその両方を行うのが一般的である。水洗又は水洗代替安定処理(以下まとめて水洗処理として述べる。)工程での水洗水量は、感光材料の特性(例えばカプラー等使用素材による)や用途、水洗水温、水洗タンクの数(段数)、その他種々の条件によって広範囲に設定し得る。
【0108】
このうち、多段向流方式における水洗タンク数と水量の関係は、ジャーナル・オブ・ザ・ソサエティ・オブ・モーション・ピクチャー・アンド・テレヴィジョン・エンジニアズ(Journal of the Society of Motion Picture and TelevisionEngineers)第64巻、p.248〜253(1955年5月号)に記載の方法で、求めることができる。
【0109】
通常多段向流方式における段数は3〜15が好ましく、特に3〜10が好ましい。多段向流方式によれば、水洗水量を大巾に減少でき、タンク内での水の滞留時間増加により、バクテリアが繁殖し、生成した浮遊物が感光材料に付着する等の問題が生じる。
【0110】
この様な問題の解決策として、特開昭62−288838号公報に記載のカルシウム、マグネシウムを低減させる方法を極めて有効に用いることができる。また、特開昭57−8542号公報に記載のイソチアゾロン化合物やサイアベンダゾール類、同61−120145号公報に記載の塩素化イソシアヌール酸ナトリウム等の塩素系殺菌剤、特開昭61−267761号公報に記載のベンゾトリアゾール、銅イオン、その他堀口博著「防菌防黴の化学」(1986年)三共出版、衛生技術会編、「微生物の減菌、殺菌、防黴技術」(1982年)工業技術会、日本防菌防黴学会編「防菌防黴剤事典」(1986年)に記載の殺菌剤を用いることもできる。
【0111】
更に、水洗処理における水洗水には、水切り剤として界面活性剤や、硬水軟化剤としてEDTAに代表されるキレート剤を用いることができる。以上の水洗工程に続くか、又は水洗工程を経ずに直接安定液で処理することも出来る。
【0112】
安定液には、画像安定化機能を有する化合物が添加され、例えばホルマリンに代表されるアルデヒド化合物や、色素安定化に適した膜pHに調製するための緩衝剤や、アンモニウム化合物があげられる。
【0113】
また、残存するマゼンタカプラーを不活性化して色素の褪色やステインの生成を防止するホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ピルビンアルデヒドなどのアルデヒド類、米国特許第4786583号に記載のメチロール化合物やヘキサメチレンテトラミン、特開平2−153348号に記載のヘキサヒドロトリアジン類、米国特許第4921779号に記載のホルムアルデヒド重亜硫酸付加物、欧州特許公開公報第504609号、同519190号などに記載のアゾリルメチルアミン類などが添加される。
【0114】
又、液中でのバクテリアの繁殖防止や処理後の感光材料に防黴性を付与するため、前記した各種殺菌剤や防黴剤を用いることができる。更に、界面活性剤、蛍光増白剤、硬膜剤を加えることもできる。本発明に係わる処理において、安定化が水洗工程を経ることなく直接行われる場合、特開昭57−8543号、同58−14834号、同60−220345号公報等に記載の公知の方法をすべて用いることができる。その他、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミン四メチレンホスホン酸等のキレート剤、マグネシウムやビスマス化合物を用いることも好ましい態様である。
【0115】
脱銀処理後に用いられる水洗処理における水洗液又は安定液としていわゆるリンス液も同様に用いられる。水洗水又は安定液の好ましいpHは4〜10であり、更に好ましくは5〜8である。温度は感光材料の用途・特性等で種々設定し得るが、一般には20℃〜50℃、好ましくは25℃〜45℃である。
【0116】
水洗又は安定液処理の工程に続いて乾燥が行われる。画像膜への水分の持込み量を減じる観点から水洗浴から出た後すぐにスクイズローラや布などで水を吸収することで乾燥を早めることも可能である。乾燥機側からの改善手段としては、当然のことではあるが、温度を高くすることや吹きつけノズルの形状を変更し乾燥風を強くすることなどで乾燥を早めることが可能である。更に、特開平3−157650号公報に記載されているように、乾燥風の感光材料への送風角度の調整や、排出風の除去方法によっても乾燥を早めることができる。
【0117】
【実施例】
次に、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0118】
実施例1
ハロゲン化銀カラー写真感光材料(カラーペーパー)の作製
〈白色原紙〉
写真グレード印画紙用硫酸塩法晒広葉樹パルプ(LBKP)50重量%と硫酸塩法晒針葉樹パルプ(NBSP)50重量%からなる坪量170g/m2、厚み175μmの白色原紙を用意した。
【0119】
まず、積層裏樹脂層を形成させるために、クリアポリプロピレンを300℃にて溶融押出した後、フラットフィルム法逐次2軸延伸装置を用いて、厚み30μmの2軸延伸ポリプロピレン樹脂シートを作製した後、5μmの厚さで溶融押出したポリエチレンを上記白色原紙と該シートの間に積層させた後ニップして積層裏樹脂層を形成させた。
【0120】
続いて積層表樹脂層を形成するために、5μmの厚さで溶融押し出したポリエチレンで、上記の裏樹脂層を設けた面とは反対の面に樹脂層を形成させた。
【0121】
別途ポリプロピレン95重量%、アナターゼ型酸化チタン5重量%を混練した後に300℃にて溶融押出した後、フラットフィルム法逐次2軸延伸装置を用いて、厚み30μmの2軸延伸ポリプロピレン樹脂シートを作製した。この2軸延伸ポリプロピレン樹脂シートを、前記ポリエチレン樹脂層を設けた表面側にニップして積層樹脂層を形成させ、紙支持体を作製した。
【0122】
前記支持体の表面樹脂層側にコロナ放電処理(出力電流値2アンペアー)を施したのち、ゼラチン下塗層をゼラチン付き量40mg/m2になるように塗布乾燥した。
【0123】
このようにして作製した紙支持体上に以下に示す構成の各層を塗設し、多層ハロゲン化銀カラー写真感光材料を作製した。塗布液は下記のごとく調製した。
【0124】
第1層塗布液イエローカプラー(Y−1)26.7g、色素画像安定化剤(ST−1)100g、(ST−2)6.67g、添加剤(HQ−1)0.67gを高沸点溶剤(DNP)6.67gに酢酸エチル60mlを加え溶解し、この溶液を20%界面活性剤(SU−1)7mlを含有する10%ゼラチン水溶液220mlに超音波ホモジナイザーを用いて乳化分散させてイエローカプラー分散液を作製した。この分散液を下記条件にて作製した青感性ハロゲン化銀乳剤(銀10g含有)と混合し第1層塗布液を調製した。
【0125】
第2層〜第7層塗布液も上記第1層塗布液と同様に調製した。
【0126】
又、硬膜剤として第2層及び第4層に(H−1)を、第7層に(H−2)を添加した。塗布助剤としては、界面活性剤(SU−2)、(SU−3)を添加し、表面張力を調整した。
【0127】
【表1】
【0128】
【化8】
【0129】
【化9】
【0130】
【化10】
【0131】
【化11】
【0132】
〈青感性ハロゲン化銀乳剤の調製方法〉
40℃に保温した2%ゼラチン水溶液1000ml中に下記(A液)及び(B液)をpAg=6.5、pH=3.0に制御しつつ30分かけて同時添加し、更に下記(C液)及び(D液)をpAg=7.3、pH=5.5に制御しつつ180分かけて同時添加した。
【0133】
このとき、pAgの制御は特開昭59−45437号記載の方法により行い、pHの制御は硫酸又は水酸化ナトリウムの水溶液を用いて行った。
(A液)
塩化ナトリウム 3.42g
臭化カリウム 0.03g
水を加えて 200ml
(B液)
硝酸銀 10g
水を加えて 200ml
【0134】
(C液)
塩化ナトリウム 102.7g
臭化カリウム 1.0g
水を加えて 600ml
(D液)
硝酸銀 300g
水を加えて 600ml
【0135】
添加終了後、花王アトラス社製デモールNの5%水溶液と硫酸マグネシウムの20%水溶液を用いて脱塩を行った後、ゼラチン水溶液と混合して平均粒径0.85μm、粒径分布の変動係数7%、塩化銀含有率99.5モル%の単分散立方体乳剤EMP−1を得た。
【0136】
上記乳剤EMP−1に対し、下記化合物を用い50℃にて90分化学熟成を行い、青感性ハロゲン化銀乳剤(Em−A)を得た。
【0137】
チオ硫酸ナトリウム 0.8mg/モルAgX
塩化金酸 0.5mg/モルAgX
安定剤(STAB−1) 6×10−4モル/モルAgX
増感色素(BS−1) 4×10−4モル/モルAgX
増感色素(BS−2) 1×10−4モル/モルAgX
【0138】
〈緑感性ハロゲン化銀乳剤の調製方法〉
(A液)と(B液)の添加時間及び(C液)と(D液)の添加時間を変更する以外はEMP−1と同様にして、平均粒径0.43μm、粒径分布の変動係数8%、塩化銀含有率99.5モル%の単分散立方体乳剤EMP−2を得た。
【0139】
EMP−2に対し、下記化合物を用いて55℃で120分化学熟成を行い、緑感性ハロゲン化銀乳剤(Em−B)を得た。
【0140】
チオ硫酸ナトリウム 1.5mg/モルAgX
塩化金酸 1.0mg/モルAgX
安定剤(STAB−1) 6×10−4モル/モルAgX
増感色素(GS−1) 4×10−4モル/モルAgX
【0141】
〈赤感性ハロゲン化銀乳剤の調製方法〉
(A液)と(B液)の添加時間及び(C液)と(D液)の添加時間を変更する以外はEMP−1と同様にして、平均粒径0.50μm、粒径分布の変動係数8%、塩化銀含有率99.5モル%の単分散立方体乳剤EMP−3を得た。
【0142】
EMP−3に対し、下記化合物を用いて60℃で90分化学熟成を行い、赤感性ハロゲン化銀乳剤(Em−C)を得た。
【0143】
チオ硫酸ナトリウム 1.8mg/モルAgX
塩化金酸 2.0mg/モルAgX
安定剤(STAB−1) 6×10−4モル/モルAgX
増感色素(RS−1) 4×10−4モル/モルAgX
【0144】
【化12】
【0145】
この試料を常法に従って露光後、次の処理工程と処理液を使用して処理を行った。
【0146】
【0147】
発色現像液
トリエタノールアミン 20g
ジエチレングリコール 6g
N,N−ジスルホエチルヒドロキシルアミン 5.0g
p−トルエンスルホン酸ナトリウム 15.0g
臭化カリウム 20mg
塩化カリウム 2.5g
ジエチレントリアミン五酢酸 5g
亜硫酸カリウム 5.0×10−4モル
発色現像主薬(3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−(β−
メタンスルホンアミドエチル)−アニリン硫酸塩) 8.0g
炭酸カリウム 25g
炭酸水素カリウム 5g
水を加えて全量を1Lとし、水酸化カリウム又は硫酸でpH10.20に調整する。
【0148】
発色現像補充液
トリエタノールアミン 20.0g
ジエチレングリコール 8.0g
N,N−ジスルホエチルヒドロキシルアミン 8.0g
p−トルエンスルホン酸ナトリウム 15.0g
臭化カリウム 8mg
塩化カリウム 0.1g
ジエチレントリアミン五酢酸 7.5g
亜硫酸カリウム 7.0×10−4モル
発色現像主薬(3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−(β−
メタンスルホンアミドエチル)−アニリン硫酸塩) 12g
炭酸カリウム 30g
炭酸水素カリウム 1g
水を加えて全量を1Lとし、水酸化カリウム又は硫酸でpH11.5に調整する。
【0149】
漂白定着液
キレート剤A(表2記載) 0.20モル
硝酸第2鉄9水和物 0.19モル
亜硫酸アンモニウム(40%水溶液) 0.18モル
チオ硫酸アンモニウム(75%水溶液) 0.55モル
アンモニア水または希硫酸でpH6.5に調製し、水で1Lに仕上げる。
【0150】
漂白定着補充液
キレート剤A(表2記載) 0.30モル
キレート剤B(表2記載) 0.02モル
硫酸第1鉄7水和物 0.29モル
亜硫酸アンモニウム(40%水溶液) 0.30モル
チオ硫酸アンモニウム(75%水溶液) 0.85モル
アンモニア水または希硫酸でpH5.0に調製し、水で1Lに仕上げる。
【0151】
漂白定着濃縮液
上記漂白定着補充液の組成を水で500mLに仕上げる(2倍濃縮液)。
【0152】
安定液及び補充液
オルトフェニルフェノール 0.1g
ユビテックスMST(チバガイギー社製) 1.0g
ZnSO4・7H2O 0.1g
亜硫酸アンモニウム(40%溶液) 5.0ml
1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(60%溶液)3.0g
エチレンジアミン四酢酸 1.5g
アンモニア水又は硫酸でpH7.8とすると共に水で1Lとする。
【0153】
作製したカラーペーパー及び処理液を用いて、ランニング処理を行った。
ランニング処理は、コニカ社製プリンタープロセッサーNPS878SQAを前記処理工程の条件を満たすよう改造して行った。各処理液を処理タンクに満たし、前記カラーペーパー試料を処理するとともに、前記補充液を定量ポンプで補充した。ランニング処理は漂白定着タンク液中に補充された漂白定着補充液の量が該タンク液量(12L)の2倍(2ラウンド)になるまで、1日あたり0.5ラウンドの連続処理を行った。なお、漂白定着補充液は、あらかじめ作成した漂白定着濃縮液を酸素透過度が5ml/(m2・day・atm)のポリボトルに入れ、空気を遮断して密閉保管しておき、1日1回6L分を補充タンク内で調製した(3Lの濃縮液を水で6Lに仕上げる)。
【0154】
ランニングテスト終了時、処理したカラーペーパー試料の最大濃度部における残存銀量を蛍光X線で測定した。また復色不良は、最大濃度部のRed濃度をあらかじめX−riteで測定した後、前記の漂白定着液(新液)で再処理して水洗乾燥し、濃度差を求めた。
(復色不良)=(再処理前の最大濃度部Red濃度)−(再処理後の最大濃度部Red濃度)結果を表2に記す。
【0155】
【表2】
【0156】
表2より、一般式(1)で表される化合物と一般式(2)または(3)で表される化合物を共に含有する場合に、連続大量処理時でも良好な写真性能が得られることが判る。
【0157】
実施例2
以下の漂白定着濃縮組成物を作成した。
キレート剤A(表3記載) 0.60モル
キレート剤B(表3記載) 0.06モル
硝酸第2鉄9水和物 鉄塩の2価モル比率が表3記載の数値に
硫酸第1鉄7水和物 なるよう適宜調整、合計0.58モル
亜硫酸アンモニウム(40%水溶液) 0.60モル
チオ硫酸アンモニウム(75%水溶液) 1.70モル
アンモニア水または希硫酸でpH5.0に調製し、水で1Lに仕上げる。
【0158】
作成した漂白定着濃縮組成物を1Lのポリボトル(前記酸素透過度のもの)に充填して密閉し、50℃と40℃で3週間保存した時の沈殿発生(硫化)の有無を比較した。
【0159】
【表3】
【0160】
(凡例)○=沈殿なし、△=やや濁りあり、×=沈殿あり
表3より、全鉄塩に対する2価鉄塩の比率が50モル%以上の場合に良好な保存安定性を有し、80モル%以上の場合に特に良好であることが判る。
【0161】
実施例3
(操作1)
硫酸第1鉄7水和物を市販のミルを用いて解砕し平均粒径100〜200μmの粒子とした。この硫酸第1鉄7水和物400gと粉末状の例示化合物1−1 440gおよび例示化合物2−1 13gをパウレック社製流動層造粒機LAB−1に入れ、PEG#6000の10%水溶液を噴霧しながら造粒、乾燥、コーティングを行った。PEGは固体量として全体重量の5%に達するまで噴霧した。出来上がった顆粒を以下の溶液に懸濁させて、漂白定着濃縮組成物を作成した。
【0162】
亜硫酸アンモニウム(40%水溶液) 0.60モル
チオ硫酸アンモニウム(75%水溶液) 1.70モル
顆粒 374g
水で1Lに仕上げる。
【0163】
(操作2)
PEG#6000を除き、各成分が操作1で作成した濃縮組成物と同じ組成比になるように溶解し、均一溶解した漂白定着濃縮組成物を作成した。
【0164】
操作1および操作2で得られた濃縮組成物を1Lのポリボトルに充填して密閉し、50℃で3週間保存したところ、両者とも特に外観上の変化はなく、良好な保存安定性が得られた。次に、保存した濃縮組成物を各々水で3倍に希釈し、操作2で作成した組成物には、操作1で作成した組成物と同じ濃度になるようにPEG#6000を添加した。さらにPEGが完全に溶解するように1−オクタンスルホン酸ナトリウムを双方の組成物に1Lあたり0.3g添加し、一定時間同じ条件で攪拌した。その後、全鉄イオンに対する2価鉄イオンの割合を測定したところ、操作2で作成した均一濃縮組成物から調製した漂白定着液の方が操作1で作成した濃縮組成物からの漂白定着液より速やかに空気酸化が進行し、漂白定着性能も優れていることが判った。
【0165】
実施例4
漂白定着補充液
キレート剤A(表2記載) 2.5モル
キレート剤B(表2記載) 0.1モル
硫酸第1鉄7水和物 2.4モル
亜硫酸アンモニウム(40%水溶液) 2.2モル
チオ硫酸アンモニウム(75%水溶液) 7.0モル
水で10Lに仕上げた時にpH5.2となるようアンモニア水または希硫酸を加える。
【0166】
漂白定着濃縮液
上記漂白定着補充液の組成を水で各々(1)9.0L、(2)8.0L、(3)7.0L、(4)5.0L、(5)3.5L、(6)2.5Lに仕上げて表4記載の濃縮率となる漂白定着濃縮液を作成した。補充液を含めこれら濃縮液を各々適切な大きさのポリボトル(前記酸素透過度を有する)に密閉して常温で2週間保管した。次いで各々の濃縮液に水道水を加えて10Lに仕上げて、直ちに全鉄イオンに対する2価鉄イオンのモル比率を測定した。結果を表4に記す。
【0167】
【表4】
【0168】
表4より、漂白定着組成物の濃縮率が1.2倍以上4.0倍以下の場合に、補充液を調製した際の空気酸化が速やかに進行し、鉄2価比率が少ないことが判る。また、これらの補充液を用いて、実施例1と同様なランニング処理を行ったところ、濃縮率が1.2倍以上4.0倍以下の場合に、特に良好な漂白定着性能が得られた。なお、濃縮率が4倍を超えると、保管中に変質したり沈殿物を生ずるなどして好ましくない。
【0169】
実施例5
実施例1の発色現像液、下記により調製した漂白定着液および実施例1の安定液を用いてカラーペーパー試料の現像処理を行った。処理した試料の評価は、実施例1と同じ方法で行った。
【0170】
処理工程 処理温度 処理時間
発色現像 40.0±0.3℃ 20秒
漂白定着 38.0±0.5℃ 20秒
安定(3槽) 38.0±1.0℃ 45秒
乾燥 60〜70℃ 30秒以上
【0171】
漂白定着液組成
例示1−1とキレート剤B(表5記載の割合) 0.20モル
硫酸第1鉄7水和物 0.19モル
亜硫酸アンモニウム(40%水溶液) 0.15モル
チオ硫酸アンモニウム(75%水溶液) 0.55モル
アンモニア水または希硫酸でpH6.0に調製し、水で1Lに仕上げる。
【0172】
漂白定着濃縮液
上記漂白定着液の組成を水で500mLに仕上げる(2倍濃縮液)。
上記漂白定着濃縮液に水を加えて1Lに仕上げ、1Lのビーカーに入れて開放系で24時間放置した後、現像処理に用いた。結果を表5に記す。
【0173】
【表5】
【0174】
表5に示すように、一般式(1)で表される化合物の総モル数に対し、一般式(2)および(3)で表される化合物の総モル数の比率が0.1%以上20%以下である場合に特に良好な漂白定着性能が得られた。
【0175】
【発明の効果】
本発明によれば、1パートの漂白定着キットで充分な保存性を有し、かつ残存銀量や復色不良といった漂白性能不良が見られない感光材料用漂白定着組成物及びこれを用いた処理方法を提供できる。
Claims (6)
- 一般式(1)で表される化合物の少なくとも1種と、一般式(2)又は(3)で表される化合物の少なくとも1種を含有し、それらの一部または全部が鉄錯体を形成しており、該鉄錯体のうち50モル%以上が2価鉄であることを特徴とする1パート構成のハロゲン化銀写真感光材料用漂白定着組成物。
- 前記鉄錯体とチオ硫酸塩が均一に溶解していることを特徴とする請求項1に記載のハロゲン化銀写真感光材料用漂白定着組成物。
- 補充液に対する濃縮率が1.2倍以上4.0倍以下の濃縮組成物である特徴とする請求項1又は2に記載のハロゲン化銀写真感光材料用漂白定着組成物。
- 前記鉄錯体のうち80モル%以上が2価鉄であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のハロゲン化銀写真感光材料用漂白定着組成物。
- 前記一般式(1)で表される化合物の総モル数に対し、前記一般式(2)又は(3)で表される化合物の総モル数の比率が0.1%以上20%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のハロゲン化銀写真感光材料用漂白定着組成物。
- 前記請求項1〜5のいずれかに記載の漂白定着組成物を用いて補充液を調製し、自動現像機により連続処理することを特徴とするハロゲン化写真感光材料の処理方法。
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- 2002-12-06 JP JP2002354576A patent/JP2004184899A/ja not_active Withdrawn
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