JP2004258584A - ハロゲン化銀カラー写真感光材料用漂白定着濃縮組成物及びこれを用いる処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】長期保管後の調薬直後における漂白定着性能で、特に希釈溶解しても性能上問題のない、良好な処理安定性能が得られる感光材料用漂白定着濃縮組成物及びこれを用いる処理方法を提供する。
【解決手段】少なくともアミノポリカルボン酸を含有するパートと鉄塩を含有するパートとの少なくとも2つのパートから構成されるハロゲン化銀カラー写真感光材料用漂白定着濃縮組成物において、漂白定着液又は漂白定着補充液として使用する際のpH値が5.5以下であることを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料用漂白定着濃縮組成物である。
【選択図】 なし
【解決手段】少なくともアミノポリカルボン酸を含有するパートと鉄塩を含有するパートとの少なくとも2つのパートから構成されるハロゲン化銀カラー写真感光材料用漂白定着濃縮組成物において、漂白定着液又は漂白定着補充液として使用する際のpH値が5.5以下であることを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料用漂白定着濃縮組成物である。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は2パート以上で構成されるハロゲン化銀カラー写真感光材料(以下、感光材料または感材とも略す。)用の漂白定着濃縮組成物及びこれを用いる処理方法に関し、詳しくは、長期高温保存した後に作成した直後の漂白性能における脱銀性の安定(希釈耐性がある)性における改良効果を有し、良好な処理性能が得られる感光材料用漂白定着濃縮組成物及びこれを用いる処理方法に関する。
【0002】
【従来技術】
感光材料の処理において、漂白定着組成物は画像銀を除去するのに用いられる。一般に画像銀を除去する工程は、酸化剤作用によって感光材料中に含まれる銀粒子を銀イオンに酸化する漂白工程と酸化体によって生成した銀イオンを感光材料から溶解除去する定着工程の2つの工程を含んでいる。このため、漂白定着処理剤は漂白剤と定着剤を含み、一般的に定着剤は還元性を有しており、両者を高濃縮状態で共存させると、容易に反応して失活し、使用時の写真性能に大きな影響を与えることが知られている。
【0003】
通常、保恒剤として亜硫酸塩などが用いられているが、保恒剤は経時で分解が進行し、また保恒剤が存在する場合でも高濃度に濃縮した場合には少なからず両者は反応し、本来の性能を損なう結果に至る事から、従来は漂白剤パートと定着剤パートの2パート構成として独立形態に設計されており、一方の漂白剤パートはアミノポリカルボン酸鉄錯体を含有することが一般的であり、他方の定着剤パートはチオ硫酸塩や亜硫酸塩を含有することが一般的である。
【0004】
近年は、店舗面積の小さい、小規模の現像処理店、いわゆるミニラボ店が増加しているが、これらの店では補充液ストックの保管スペースが限られており、多大な保管スペースを必要とする使用液タイプのものよりも、小さな保管スペースで済む濃縮タイプのものがより望まれている。
【0005】
また、昨今の処理液の低補充化や迅速処理、またデジタル露光処理適性の向上などから処理液の安定性に求められる品質は厳しくなる一方、ミニラボ店の乱立による1店舗当たりの処理量は減少し、処理液として用いるための組成物(ケミカル)が製造されてから使用される(使用液、補充液としての使用を含む。)までの保存期間は長くなる傾向にある。
【0006】
上記の漂白定着液の低補充化を達成するためには、処理液のpHを処理安定性領域に一定に保つためには低pH化することが望まれるようになっており、このため、濃縮組成物自体のpHも低pH化することが必要になる。ところが、上記の漂白剤パートも定着剤パートも低pH領域(pH5以下)では安定性が著しく劣化し、保存後の性能が問題となる。
【0007】
特に保存後にすぐ調製した使用液ないし補充液についての安定性能が求められている。茲で、安定性能とは基準溶解品の性能だけではなく、基準よりも濃度を下げた場合の性能でも問題ないことを意味している。特に上述したミニラボ店では人材の大半がパートタイマーやアルバイトであり、マニュアルの徹底等を行っても調薬錯誤等が発生することは避けられないのが現状である。
【0008】
つまり近年の需要としては、低補充化ケミカル用の低pH領域でも、例えば長期に保存した後であっても安定して使用できる濃縮液組成物キットが望まれている。
【0009】
これを解決するために、pH調整用の酸が入っているパートを追加して3パート構成にすることが知られているが、酸のみのパートは輸送上危険物として扱う必要があったり、酸自体が臭気の問題があったり、処理性能に影響を与える成分であることが多く、実用的ではない。
【0010】
また保存時の問題を解決するために濃縮率を上げない濃縮組成物の例もある。ただし、保管スペースの問題から好ましい解決方法ではないし、希釈しても保存性は完全には解決しない。
【0011】
さらに保管スペースや使い勝手を改良するための漂白定着組成物の1パート濃縮に関する技術に知られており、中でも、高温での処理液の安定性、容器着色性及び保存後の成分の安定性の改良技術(特許文献1参照。)や、低温での析出性、高温保存後の性能やランニング処理での漂白安定性についての改良技術(特許文献2参照。)が注目されている。
【0012】
しかし、これらの技術を以ってしても、長期間の保管後の調製直後の処理安定性、特に希釈溶解に対する安定性能についての解決策とはならなかった。
【0013】
【特許文献1】特開2000−98553
【特許文献2】特開2002−169253
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は、長期保管後の調薬直後における漂白定着性能で、特に希釈溶解しても性能上問題のない、良好な処理安定性能が得られる感光材料用漂白定着濃縮組成物及びこれを用いる処理方法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明は、下記構成を有する。
1.少なくともアミノポリカルボン酸を含有するパートと鉄塩を含有するパートとの少なくとも2つのパートから構成されるハロゲン化銀カラー写真感光材料用漂白定着濃縮組成物において、漂白定着液又は漂白定着補充液として使用する際のpH値が5.5以下であることを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料用漂白定着濃縮組成物。
【0015】
2.前記アミノポリカルボン酸を含有するパートのpHが6.0〜8.0であり、前記鉄塩を含有するパートのpHが5.0以下であり、かつ2つのパートのpH値の差が2.0以上であることを特徴とする前記1に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料用漂白定着濃縮組成物。
【0016】
3.前記アミノポリカルボン酸を含有するパート中のアミノポリカルボン酸のモル量と前記鉄塩を含有するパートの鉄塩のモル量の比が1.01:1.00〜1.10:1.00であることを特徴とする前記1又は2に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料用漂白定着濃縮組成物。
【0017】
4.前記アミノポリカルボン酸を含有するパートがチオ硫酸塩及び亜硫酸塩を含有することを特徴とする前記1〜3のいずれかに記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料用漂白定着濃縮組成物。
【0018】
5.前記ハロゲン化銀漂白定着濃縮組成物に含有されるアンモニウム塩比率が全カチオンに対して50モル%以下であることを特徴とする前記1〜4のいずれかに記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料用漂白定着濃縮組成物。
【0019】
6.ハロゲン化銀カラー写真感光材料を漂白定着処理を含む工程によって処理する方法において、該漂白定着処理に用いられる漂白定着液又は漂白定着補充液として、前記1〜5のいずれかに記載のハロゲン化銀写真感光材料用漂白定着濃縮組成物を用いることを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明におけるアミノポリカルボン酸としては、エチレンジアミン四酢酸のアルカリ金属塩(例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩)やアンモニウム塩が挙げられる。 キレート構造の安定、処理の迅速化からその他のアミノポリカルボン酸を含んでも良い。
【0021】
その他のアミノポリカルボン酸としては、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレンジアミン−N−(β−オキシエチル)−N,N′,N′−三酢酸、1,2−ジアミノプロパン四酢酸、1,3−ジアミノプロパン四酢酸、ニトリロ三酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、イミノ二酢酸、ジヒドロキシエチルグリシン、エチルエーテルジアミンテトラ酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、エチレンジアミン四プロピオン酸、フェニレンジアミン四酢酸、1,3−ジアミノプロパノール−N,N,N′,N′−四メチレンホスホン酸、エチレンジアミン−N,N,N′,N′−四メチレンホスホン酸、1,3−プロピレンジアミン−N,N,N′,N′−四メチレンホスホン酸、ニトリロ二酢酸モノプロピオン酸、ニトリロモノ酢酸ジプロピオン酸、2−(ビス−カルボキシメチル−アミノ)−プロピオン酸、2ーヒドロキシ−3−アミノプロピオン酸−N,N−二酢酸、セリン−N,N−二酢酸、2−メチル−セリン−N,N−二酢酸、2−ヒドロキシメチル−セリン−N,N−二酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、メチルイミノ二酢酸、N−(2−アセトアミド)−イミノ二酢酸、ニトリロトリプロピオン酸、エチレンジアミン二酢酸、エチレンジアミン二プロピオン酸、1,4−ジアミノブタン四酢酸、2−メチル−1,3−ジアミノプロパン四酢酸、2−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン四酢酸、エチレンジアミンジ琥珀酸(S,S体)、N−(2−カルボキシラートエチル)−L−アスパラギン酸、ベ−ターアラニンジ酢酸、プロピレンジアミン四酢酸及びこれらのアルカリ金属塩(例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩)やアンモニウム塩などであるが、これらに限定されるものではない。また、これらのアミノポリカルボン酸を2種以上併用して用いてもよい。
【0022】
本発明で用いられる鉄塩としては、例えば硫酸第1鉄、塩化第1鉄、シュウ酸第1鉄、酸化鉄などが挙げられ、より具体的な化合物としては、硫酸第1鉄アンモニウム、硫酸第1鉄ナトリウム、硫酸第1鉄アンモニウム、硫酸第1鉄ナトリウム、塩化第1鉄、臭化第1鉄、硫酸第1鉄、酢酸第1鉄、シュウ酸第1鉄、酸化鉄などが挙げられる。
【0023】
また、第2鉄塩としては、硝酸第2鉄、塩化第2鉄、臭化第2鉄、三硫酸鉄(III)三M1、硫酸鉄(III)M1(但し、M1はアンモニウム、カリウム、ナトリウム又は水素原子を表す)などが挙げられ、より具体的な化合物としては、硝酸第2鉄、塩化第2鉄、臭化第2鉄、三硫酸鉄(III)三アンモニウム、三硫酸鉄(III)三カリウム、三硫酸鉄(III)三ナトリウム、硫酸鉄(III)カリウム、硫酸鉄(III)ナトリウム、硫酸鉄(III)アンモニウム等を挙げる事ができる。
【0024】
本発明の構成要素としては、上記鉄塩を含有するパートとアミノポリカルボン酸を含有するパートは別であることが必須である。つまり、鉄塩を含有するパートへのアミノポリカルボン酸塩の含有は実質的にゼロであり、アミノポリカルボン酸塩を含有するパートへの鉄塩の含有も実質的にゼロであることが必要である。
【0025】
また、本発明におけるアミノポリカルボン酸と鉄塩とのmol比率は本発明の効果の観点から、1.01:1.00〜1.10:1.00である事が好ましく、より好ましくは1.02:1.00〜1.05:1.00である。
【0026】
本発明の鉄塩の添加量は漂白定着濃縮組成物1リットル当り、0.5mol〜4.0molであり、好ましくは0.5mol/L〜3.0mol/Lである。また、漂白剤として他のFe(III)キレート系漂白剤を添加してもよい。
【0027】
本発明の漂白定着濃縮組成物に使用される定着剤としては、公知の定着剤を特別の制限なく使用でき、例えば、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウムなどチオ硫酸塩のアルカリ金属塩およびアンモニウム塩である。チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸アンモニウムなどのチオシアン酸塩を併用しても良い。添加量としては漂白定着濃縮組成物1リットル当りの定着剤の量は、1.0〜10.0molが好ましく、更に好ましくは1.5〜8.0molの範囲である。
【0028】
漂白定着濃縮組成物には、保恒剤として亜硫酸塩(例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウムなど)、重亜硫酸塩(例えば、重亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウムなど)やメタ重亜硫酸塩(例えば、メタ重亜硫酸カリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸アンモニウムなど)等の亜硫酸イオン放出性化合物、p−トルエンスルフィン酸、m−カルボキシベンゼンスルフィン酸などのアリ−ルスルフィン酸、アスコルビン酸、カルボニル重亜硫酸付加物又はその他のカルボニル化合物等を少なくとも1種以上添加することが好ましい。
【0029】
保恒剤の添加量としては、漂白定着濃縮組成物1リットル当り0.3〜5.0molが好ましく、より好ましくは0.5〜3.0molの範囲である。
【0030】
上記チオ硫酸塩と亜硫酸塩は、本発明で用いる場合、アミノポリカルボン酸塩含有のパートに添加することで、より本発明の目的の効果を満足できるものとなる。
【0031】
漂白定着濃縮組成物には、定着促進などの目的で副次的に他のハロゲン化銀溶解剤を加えてもよい。副次的に添加できる適当なハロゲン化銀溶解剤は、エチレンビスチオグリコール酸、3,6−ジチア−1,8−オクタンジオールなどのチオエーテル化合物およびチオ尿素、エチレンチオ尿素などのチオ尿素類などの水溶性ハロゲン化銀溶解剤であり、これらを1種あるいは2種以上処理剤成分として添加して使用することができる。
【0032】
漂白定着濃縮組成物には、脱銀促進性を有する化合物を添加して、処理の迅速化と銀除去性能の向上を図ることができる。この目的に適した化合物には、特開平8−297356号及び特開平8−137070号の各公報に開示された1,2,4−トリアゾリウム−3−スルフィド型のメソイオン化合物(代表例、1,4,5−トリメチル−1,2,4−トリアゾリウム−3−スルフィドなど)、特開平8−292510号公報に開示されたRSO2M(Rはアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アラルキル、アリ−ル基を表し、Mは水素原子、アルカリ金属原子、アンモニウム基)型のスルフィン酸類(代表例、フェニルスルフィン酸)および特開平9−005964号公報に開示された3−メルカプト−1,2,4−トリアゾ−ル型のメルカプト化合物(代表例、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾ−ル−1−メチルスルホン酸など)であり、これらの1つ以上を0.001〜0.1モル/Lの濃度で添加することができる。
【0033】
また、漂白定着濃縮組成物には、銀スラッジの生成を防止するために、銀塩形成性の化合物を添加することができる。この目的に適した化合物には、特開平8−204980号公報に開示されたグアニジンのN−アミノ置換又はN−アルコキシ置換誘導体(そのほかにアルキル基などが置換してもよい)、(代表例、N−(ジ−n−ブチルアミノプロピル)グアニジン、N−(ジ−n−プロピルアミノエチル)グアニジンなど)、特開平9−211820号公報に開示された2−メルカプトアゾール誘導体及び2−メルカプトピリミジン誘導体(代表例、2−メルカプト−5−アセトアミドチアジアゾール、2−メルカプト−4−メチル−5−アミノ−ピリミジンなど)であり、これらの1つ以上を0.001〜0.1mol/Lの濃度で漂白定着組成物中に添加することができる。
【0034】
本発明に係わる漂白定着濃縮組成物を補充液として使用する時のpHは5.5以下であることが必要であり、好ましくは5.0以下である。
【0035】
アミノポリカルボン酸を含有するパートのpHは6.0〜8.0であり、かつ鉄塩を含有するパートのpHは、5.0以下であることが好ましい。この2つのパートのpH差が2.0以上である際に本発明の目的の効果がより顕著に発揮される。pHを調整するためには、必要に応じて塩酸、硫酸、硝酸、重炭酸塩、アンモニア、苛性カリ、苛性ソーダ、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等や各種緩衝剤を添加することができる。
【0036】
本発明の漂白定着濃縮組成物においては、全カチオンに対するアンモニウムイオンのモル比率が50%以下であることが好ましく、より好ましくは実質的にゼロ%であることが臭気防止の観点からも望ましい。
【0037】
また、漂白定着濃縮組成物には、その他各種の蛍光増白剤や消泡剤或いは界面活性剤、ポリビニルピロリドン、メタノール等の有機溶媒を含有させることができる。
【0038】
次に漂白定着濃縮組成物の濃縮率について述べる。濃厚液体処理組成物の濃厚化の度合いを示す実用的な尺度として「濃縮率」が通常用いられる。濃縮率は、処理組成物を水で希釈して目的とする処理液を調製したときに完成した処理液のもとの液体処理組成物に対する体積比によって表す。したがって、同一組成の濃縮型処理組成物であっても、その「濃縮率」は、厳密には使用液の濃度によって異なることになる。本明細書では、とくに断らない限り、「濃縮率」の基準となる使用液として、鉄イオンが0.2mol/L濃度になる漂白定着液を基準として用い、濃縮率は、この基準濃度の漂白定着液を調製するための希釈倍率で示している。また、本発明のにおける漂白定着濃縮組成物の好ましい濃縮率は少なくとも1以上10以下であり、より好ましくは2〜5の濃縮率である。
【0039】
本発明にかかわる漂白定着濃縮組成物を漂白定着補充液として使用する時の補充量は、処理する感光材料1m2当たり20ml〜250ml、好ましくは30ml〜200mlである。
【0040】
本発明に係わる漂白定着濃縮組成物を使用した処理方法において、漂白定着処理時間は、10秒から1分である。また、その際の処理温度は25℃〜60℃、好ましくは30℃〜50℃である。
【0041】
次に、カラー現像処理、処理液および工程について説明する。現像処理工程は、発色現像、脱銀、水洗又は安定化、および安定化の各工程からなる。発色現像工程には、発色現像処理組成物から現像補充液および現像液が調製されて用いられる。その中には、カラー現像主薬を含有するが、好ましい例は公知の芳香族第1級アミン発色現像主薬、とくにp−フェニレンジアミン誘導体であり、代表例を以下に示すがこれらに限定されるものではない。
【0042】
1)N,N−ジエチル−p−フェニレンジアミン
2)4−アミノ−N,N−ジエチル−3−メチルアニリン
3)4−アミノ−N−(β−ヒドロキシエチル)−N−メチルアニリン
4)4−アミノ−N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)アニリン
5)4−アミノ−N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)−3−メチルアニリン
6)4−アミノ−N−エチル−N−(3−ヒドロキシプロピル)−3−メチルアニリン
7)4−アミノ−N−エチル−N−(4−ヒドロキシブチル)−3−メチルアニリン
【0043】
8)4−アミノ−N−エチル−N−(β−メタンスルホンアミドエチル)−3−メチルアニリン
9)4−アミノ−N,N−ジエチル−3−(β−ヒドロキシエチル)アニリン
10)4−アミノ−N−エチル−N−(β−メトキシエチル)−3メチル−アニリン
11)4−アミノ−N−(β−エトキシエチル)−N−エチル−3−メチルアニリン
12)4−アミノ−N−(3−カルバモイルプロピル−N−n−プロピル−3−メチルアニリン
13)4−アミノ−N−(4−カルバモイルブチル−N−n−プロピル−3−メチルアニリン
【0044】
上記p−フェニレンジアミン誘導体のうち特に好ましい主薬としては、例示化合物5),6),7),8)及び12)があり、その中でも化合物5)と8)が多用される。また、これらのp−フェニレンジアミン誘導体は、固体素材の状態では、通常硫酸塩、塩酸塩、亜硫酸塩、ナフタレンジスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などの塩の形である。
【0045】
発色現像処理剤組成物は、使用に際して水と定められた比率で混合されて現像補充液(またはさらに希釈した現像液)の形の使用液にして用いるが、使用液中の該芳香族第1級アミン現像主薬の濃度は現像液1リットル当り好ましくは2mmol〜200mmol、より好ましくは12mmol〜200mmol、更に好ましくは12mmol〜150mmolである。
【0046】
発色現像液には、通常ヒドロキシルアミン誘導体又はその塩あるいは、N−アルキルヒドロキシルアミン又はその塩を加えることが多いが、保恒剤としては、アルカノールアミン類、ヒドロキシルアミン誘導体、ヒドロキサム酸類、ヒドラジド類、フェノール類、α−ヒドロキシケトン類、α−アミノケトン類、糖類、ポリエチレンイミン類、モノアミン類、ジアミン類、ポリアミン類、四級アンモニウム塩類、ニトロキシラジカル類、アルコール類、オキシム類、ジアミド化合物類、縮環式アミン類などが特に有効である。
【0047】
これらは、特開昭63−4235号、同63−30845号、同63−21647号、同63−44655号、同63−53551号、同63−43140号、同63−56654号、同63−58346号、同63−43138号、同63−146041号、同63−44657号、同63−44656号、米国特許第3,615,503 号、同2,494,903 号、特開昭52−143020号、特公昭48−30496号などの各公報又は明細書に開示されている。
【0048】
また、スチルベン系蛍光増白剤、とくにジ(トリアジルアミノ)スチルベン系や、4、4′−ジアミノ−2,2′−ジスルホスチルベン系の蛍光増白剤を発色現像液に添加しても構わない。発色現像液や現像補充液はpH9.5以上、より好ましくは10.0〜12.5で用いられる。pHを安定に保持するためには、各種緩衝剤を用いるのが好ましい。緩衝剤としては、上記の炭酸塩の外に、リン酸塩、ホウ酸塩、四ホウ酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、グリシル塩、N,N−ジメチルグリシン塩、ロイシン塩、ノルロイシン塩、グアニン塩、3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン塩、アラニン塩、アミノ酪酸塩、2−アミノ−2−メチル−1, 3−プロパンジオール塩、バリン塩、プロリン塩、トリスヒドロキシアミノメタン塩、リシン塩などを用いることができる。
【0049】
発色現像組成物には、その他の発色現像液成分、例えばカルシウムやマグネシウムの沈澱防止剤であり、あるいはカラー現像液の安定性向上剤でもある各種キレート剤を添加することもできる。例えば、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレンジアミン四酢酸、N,N,N−トリメチレンホスホン酸、エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラメチレンスルホン酸、エチレンジアミンN,N−ジ琥珀酸、N,N−ジ(カルボキシラート)−L−アスパラギン酸、β−アラニンジ琥珀酸、トランスシロヘキサンジアミン四酢酸、1,2−ジアミノプロパン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、エチレンジアミンオルトヒドロキシフェニル酢酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、N,N′−ビス(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N′−ジ酢酸、1,2−ジヒドロキシベンゼン−4,6−ジスルホン酸等が挙げられる。これらのキレート剤は必要に応じて2種以上併用しても良い。これらのキレート剤の量は発色現像液中の金属イオンを封鎖するのに充分な量であれば良い。発色現像液には、必要により任意の現像促進剤を添加できる。現像促進剤としては、数多くの公報に表わされる公知のチオエーテル系化合物、p−フェニレンジアミン系化合物、4級アンモニウム塩類、アミン系化合物、ポリアルキレンオキサイド、その他1−フェニル−3−ピラゾリドン類、イミダゾール類、等を必要に応じて添加することができる。また、発色現像液には、必要に応じて、任意のカブリ防止剤を添加できる。
【0050】
発色現像の処理温度は、30〜55℃であり、好ましくは35〜55℃であり、より好ましくは38〜45℃である。現像処理時間は、5〜90秒であり、好ましくは、15〜60秒である。補充量は少ない方が好ましいが、感光材料1m2当たり15〜600mlが適当であり、好ましくは30〜180mlである。
【0051】
漂白定着等の脱銀処理後、水洗又は水洗代替安定液処理、安定液処理あるいはその両方を行うのが一般的である。水洗又は水洗代替安定処理(以下まとめて水洗処理として述べる)工程での水洗水量は、感光材料の特性(例えばカプラー等使用素材による)や用途、水洗水温、水洗タンクの数(段数)、その他種々の条件によって広範囲に設定し得る。
【0052】
このうち、多段向流方式における水洗タンク数と水量の関係は、ジャーナル・オブ・ザ・ソサエティ・オブ・モーション・ピクチャー・アンド・テレヴィジョン・エンジニアズ(Journal of the Society of Motion Picture and Television Engineers)第64巻、p.248 〜253(1955 年5月号)に記載の方法で、求めることができる。通常多段向流方式における段数は3〜15が好ましく、特に3〜10が好ましい。多段向流方式によれば、水洗水量を大巾に減少でき、タンク内での水の滞留時間増加により、バクテリアが繁殖し、生成した浮遊物が感光材料に付着する等の問題が生じる。
【0053】
この様な問題の解決策として、特開昭62−288838号公報に記載のカルシウム、マグネシウムを低減させる方法を極めて有効に用いることができる。また、特開昭57−8542号公報に記載のイソチアゾロン化合物やサイアベンダゾール類、同61−120145号公報に記載の塩素化イソシアヌール酸ナトリウム等の塩素系殺菌剤、特開昭61−267761号公報に記載のベンゾトリアゾール、銅イオン、その他堀口博著「防菌防黴の化学」(1986年)三共出版、衛生技術会編、「微生物の減菌、殺菌、防黴技術」(1982年)工業技術会、日本防菌防黴学会編「防菌防黴剤事典」(1986年)に記載の殺菌剤を用いることもできる。
【0054】
更に、水洗水には、水切り剤として界面活性剤や、硬水軟化剤としてEDTAに代表されるキレート剤を用いることができる。以上の水洗工程に続くか、又は水洗工程を経ずに直接安定液で処理することも出来る。安定液には、色素安定化に適した膜pHに調製するための緩衝剤や、アンモニウム化合物があげられる。
【0055】
又、液中でのバクテリアの繁殖防止や処理後の感光材料に防黴性を付与するため、前記した各種殺菌剤や防黴剤を用いることができる。更に、界面活性剤、蛍光増白剤、硬膜剤を加えることもできる。
【0056】
本発明に係わる処理において、安定化が水洗工程を経ることなく直接行われる場合、特開昭57−8543号、同58−14834号、同60−220345号公報等に記載の公知の方法をすべて用いることができる。その他、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミン四メチレンホスホン酸等のキレート剤、マグネシウムやビスマス化合物を用いることも好ましい態様である。
【0057】
脱銀処理後に用いられる水洗液又は安定液としていわゆるリンス液も同様に用いられる。水洗水又は安定液の好ましいpHは4〜10であり、更に好ましくは5〜8である。温度は感光材料の用途・特性等で種々設定し得るが、一般には20℃〜50℃、好ましくは25℃〜45℃である。水洗又は安定液処理の工程に続いて乾燥が行われる。
【0058】
画像膜への水分の持込み量を減じる観点から水洗浴から出た後すぐにスクイズローラや布などで水を吸収することで乾燥を早めることも可能である。乾燥機側からの改善手段としては、当然のことではあるが、温度を高くすることや吹きつけノズルの形状を変更し乾燥風を強くすることなどで乾燥を早めることが可能である。更に、特開平3−157650号公報に記載されているように、乾燥風の感光材料への送風角度の調整や、排出風の除去方法によっても乾燥を早めることができる。
【0059】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
漂白定着濃縮組成物の作成:
表1に示す構成となるように漂白定着濃縮組成物を作製し、プラスチック容器に密封し、50℃の恒温槽に2ヶ月間放置した。その後取り出して、開栓後1時間以内に現像処理を行い、脱銀性能を評価した。現像処理する際には基準濃度と基準に対して濃度が80%になるように調製した液でも行った。2つの液での結果で脱銀性能に問題がなければ安定性があることを示す。
【0060】
漂白定着濃縮組成物の調製(pHの調製はアンモニア水又は硫酸を使用)
パートA−1
亜硫酸アンモニウム(40wt/vol%) 0.58mol
チオ硫酸アンモニウム(75wt/vol%) 1.1mol
pH 表1記載
【0061】
パートB−1
アミノポリカルボン酸鉄錯体(表1記載) 0.8mol
pH 表1記載
【0062】
パートA−S(シングルパート)
亜硫酸アンモニウム(40wt/vol%) 0.29mol
チオ硫酸アンモニウム(75wt/vol%) 0.55mol
アミノポリカルボン酸塩(表1記載) 0.41mol
硫酸第一鉄塩 0.2mol
硫酸第2鉄塩 0.2mol
pH 表1記載
【0063】
パートA−2
亜硫酸アンモニウム(40wt/vol%) 0.58mol
チオ硫酸アンモニウム(75wt/vol%) 1.1mol
アミノポリカルボン酸塩(表1記載) 0.82mol
pH 表1記載
【0064】
パートB−2
鉄塩(表1記載) 0.8mol
pH 表1記載
現像処理は以下の条件で行った。
【0065】
・感光材料及び露光
現像処理のカラーペーパー感光材料には、コニカカラーQAペーパータイプA7(コニカ社製)を用い、ウエッジ状に像様像露光したものを使用した。
【0066】
【0067】
発色現像及び安定化のタンク液処方及び補充液処方について以下に示す。
水を加えて1Lとし、pHは水酸化カリウムまたは50%硫酸を用いて調整した。
【0068】
漂白定着液(基準品)
A−1 250ml + B−1 250ml + 水 500ml
A−S 500ml + 水 500ml
A−2 250ml + B−2 250ml + 水 500ml
漂白定着液(80%濃度品)
A−1 200ml + B−1 200ml + 水 600ml
A−S 400ml + 水 600ml
A−2 200ml + B−2 200ml + 水 600ml
【0069】
水を加えて1Lとし、pHはKOH水溶液または50%硫酸を用いて調整した。
【0070】
評価
脱銀性能
現像済みの感材の最高濃度部分について残存する銀量を蛍光X線分析装置によって測定した。通常脱銀性が問題ないレベルとは0.05g/m2以下である。
【0071】
ムラ性能
現像済みの感材において濃度0.8付近の現像ムラ性能を以下の基準で判断した。判断材料としては20枚感材を使用した。
【0072】
全くなし ◎
1、2枚発生 ○
3〜4枚発生 △
5〜9枚発生 ×
10枚以上発生 ××
【0073】
【表1】
【0074】
EDTA:エチレンジアミン四酢酸
DTPA:ジエチレントリアミン五酢酸
EDDS:s,s−エチレンジアミンジコハク酸
【0075】
表1から明らかなように、pH6.0以上の補充液を作成するキット構成では脱銀性能は問題ないが、現像ムラの発生において問題が生じる。本発明の構成要素であるpH5.5以下の補充液を作成することで従来のキット構成では脱銀性又は現像ムラ安定性において問題があるが、本発明の組み合わせにすることで完結できることが確認できる。また、この効果は補充液pHが5.0以下になることでより一層明確になることがわかる。
【0076】
実施例2
実施例1の実験No.1−8において表2記載のpHの組み合わせにした時の脱銀性の評価を行った。評価は保存期間を3ヶ月に変更して行った以外は同様な実験を行った。
結果を表2に示す。
【0077】
【表2】
【0078】
表2の結果からわかるように、本発明の効果をより良くする組み合わせとしてはアミノポリカルボン酸含有パートのpHが6.0〜8.0の範囲にあり、鉄塩を含有するパートのpHが5.0以下にあり、かつこの2つのpH差が2.0以上ある時である。
【0079】
実施例3
実施例2の実験No.2−7において表3記載のアミノポリカルボン酸と鉄塩のモル比率に変更した時の脱銀性の評価を行った。評価は保存期間を3ヶ月に変更して行った以外は同様な実験を行った。
結果を表3に示す。
【0080】
【表3】
【0081】
表3から明らかなように、アミノポリカルボン酸塩:鉄塩のモル構成比は1.01〜1.1の範囲が好ましく、より好ましくは1.02〜1.05の範囲である。
【0082】
実施例4
実施例1の実験No.1−8において表4記載のカチオン構成に変更した時の脱銀性の評価を行った。評価は保存期間を3ヶ月に変更して行った以外は同様な実験を行った。
結果を表4に示す。
【0083】
【表4】
【0084】
表4から明らかなように、アンモニウム塩比率を50モル%以下にすることで脱銀性能と合わせて臭気の問題を解決でき、さらにアンモニアフリー(0%)にすることで全く臭気がなくなる。
【0085】
実施例5
図1記載の自動現像機を用い、以下の処理条件でランニング処理を行った。ランニング量としては、コニカカラーQAペーパーを1日当たりL判(89mm×127mm)を4000枚処理して行い、発色現像液の補充量が処理タンクの3倍補充されるまで行った。
【0086】
図1は、自現機Aと写真焼付機Bとを一体的に構成したプリンタープロセッサーの概略図である。
【0087】
図1において写真焼付装置Bの左下部には、未露光の感光材料である印画紙をロール状に収納したマガジンMがセットされる。マガジンから引き出された印画紙は、送りローラR及びカッター部Cを介して所定のサイズに切断され、シート状印画紙となる。このシート状印画紙は、ベルト搬送手段Bによって搬送され、露光部Eにおいて原画Oの画像を露光される。露光されたシート状印画紙はさらに複数対の送りローラRにより搬送され、自現機A内に導入される。自現機Aでは、シート状印画紙は、処理槽である夫々発色現像槽1A、漂白定着槽1B、安定槽1C,1D,1E内(実質的に3槽構成の)をローラ搬送手段(参照記号ナシ)により順次搬送され、それぞれ、発色現像処理、漂白定着処理、安定化処理がなされる。前記各処理がなされたシート状印画紙は、乾燥部35において乾燥されて機外に排出される。
【0088】
なお、図中の一点鎖線は、感光材料の搬送経路を示す。また、実施例においては、感光材料はカットされた状態で自現機A内に導かれるものであるが、帯状で自現機内に導かれるものであってもよい。
【0089】
【表5】
【0090】
発色現像補充液
コニカ社製K−22P1R−01.Lを通常の方法で溶解した物を使用した。
【0091】
発色現像使用液
上記補充液11.27Lにコニカ社製K−22P1S−01.Lを1127ml添加して16.1Lに仕上げたものを使用した。
【0092】
漂白定着補充液=漂白定着使用液
実験No.1−8で作製した液を30℃で12ヶ月保存したものを使用した。
【0093】
漂白定着液(基準品)
A−1 250ml + B−1 250ml + 水 500ml
漂白定着液(80%濃度品)
A−1 200ml + B−1 200ml + 水 600ml
【0094】
安定補充液=安定使用液
コニカ社製K−P3R−01を通常の方法で溶解した物を使用した。
【0095】
ランニング評価は、漂白定着液の安定性を評価する意味で、基準溶解品と80%濃度溶解品の2種類でそれぞれ漂白定着液の処理タンクの2倍補充されるまで行った。
【0096】
その結果、基準品でランニングした時のランニング前後での脱銀性評価では0.01と0.02であり問題なく、さらに80%濃度でのランニング前後での結果も0.02と0.03であり、現像ムラについても全く観察されず、良好な性能を示すことから保存しても十分な処理安定性能が得られることが判明した。
【0097】
【発明の効果】
本発明によれば、長期保管後の調薬直後における漂白定着性能で、特に希釈溶解しても性能上問題のない、良好な処理安定性能が得られる感光材料用漂白定着濃縮組成物及びこれを用いる処理方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動現像機と写真焼付機とを一体に構成したプリンタープロセッサーの概略構成図。
【符号の説明】
1 処理槽
1A〜1E 処理槽
35 乾燥部
【発明の属する技術分野】
本発明は2パート以上で構成されるハロゲン化銀カラー写真感光材料(以下、感光材料または感材とも略す。)用の漂白定着濃縮組成物及びこれを用いる処理方法に関し、詳しくは、長期高温保存した後に作成した直後の漂白性能における脱銀性の安定(希釈耐性がある)性における改良効果を有し、良好な処理性能が得られる感光材料用漂白定着濃縮組成物及びこれを用いる処理方法に関する。
【0002】
【従来技術】
感光材料の処理において、漂白定着組成物は画像銀を除去するのに用いられる。一般に画像銀を除去する工程は、酸化剤作用によって感光材料中に含まれる銀粒子を銀イオンに酸化する漂白工程と酸化体によって生成した銀イオンを感光材料から溶解除去する定着工程の2つの工程を含んでいる。このため、漂白定着処理剤は漂白剤と定着剤を含み、一般的に定着剤は還元性を有しており、両者を高濃縮状態で共存させると、容易に反応して失活し、使用時の写真性能に大きな影響を与えることが知られている。
【0003】
通常、保恒剤として亜硫酸塩などが用いられているが、保恒剤は経時で分解が進行し、また保恒剤が存在する場合でも高濃度に濃縮した場合には少なからず両者は反応し、本来の性能を損なう結果に至る事から、従来は漂白剤パートと定着剤パートの2パート構成として独立形態に設計されており、一方の漂白剤パートはアミノポリカルボン酸鉄錯体を含有することが一般的であり、他方の定着剤パートはチオ硫酸塩や亜硫酸塩を含有することが一般的である。
【0004】
近年は、店舗面積の小さい、小規模の現像処理店、いわゆるミニラボ店が増加しているが、これらの店では補充液ストックの保管スペースが限られており、多大な保管スペースを必要とする使用液タイプのものよりも、小さな保管スペースで済む濃縮タイプのものがより望まれている。
【0005】
また、昨今の処理液の低補充化や迅速処理、またデジタル露光処理適性の向上などから処理液の安定性に求められる品質は厳しくなる一方、ミニラボ店の乱立による1店舗当たりの処理量は減少し、処理液として用いるための組成物(ケミカル)が製造されてから使用される(使用液、補充液としての使用を含む。)までの保存期間は長くなる傾向にある。
【0006】
上記の漂白定着液の低補充化を達成するためには、処理液のpHを処理安定性領域に一定に保つためには低pH化することが望まれるようになっており、このため、濃縮組成物自体のpHも低pH化することが必要になる。ところが、上記の漂白剤パートも定着剤パートも低pH領域(pH5以下)では安定性が著しく劣化し、保存後の性能が問題となる。
【0007】
特に保存後にすぐ調製した使用液ないし補充液についての安定性能が求められている。茲で、安定性能とは基準溶解品の性能だけではなく、基準よりも濃度を下げた場合の性能でも問題ないことを意味している。特に上述したミニラボ店では人材の大半がパートタイマーやアルバイトであり、マニュアルの徹底等を行っても調薬錯誤等が発生することは避けられないのが現状である。
【0008】
つまり近年の需要としては、低補充化ケミカル用の低pH領域でも、例えば長期に保存した後であっても安定して使用できる濃縮液組成物キットが望まれている。
【0009】
これを解決するために、pH調整用の酸が入っているパートを追加して3パート構成にすることが知られているが、酸のみのパートは輸送上危険物として扱う必要があったり、酸自体が臭気の問題があったり、処理性能に影響を与える成分であることが多く、実用的ではない。
【0010】
また保存時の問題を解決するために濃縮率を上げない濃縮組成物の例もある。ただし、保管スペースの問題から好ましい解決方法ではないし、希釈しても保存性は完全には解決しない。
【0011】
さらに保管スペースや使い勝手を改良するための漂白定着組成物の1パート濃縮に関する技術に知られており、中でも、高温での処理液の安定性、容器着色性及び保存後の成分の安定性の改良技術(特許文献1参照。)や、低温での析出性、高温保存後の性能やランニング処理での漂白安定性についての改良技術(特許文献2参照。)が注目されている。
【0012】
しかし、これらの技術を以ってしても、長期間の保管後の調製直後の処理安定性、特に希釈溶解に対する安定性能についての解決策とはならなかった。
【0013】
【特許文献1】特開2000−98553
【特許文献2】特開2002−169253
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は、長期保管後の調薬直後における漂白定着性能で、特に希釈溶解しても性能上問題のない、良好な処理安定性能が得られる感光材料用漂白定着濃縮組成物及びこれを用いる処理方法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明は、下記構成を有する。
1.少なくともアミノポリカルボン酸を含有するパートと鉄塩を含有するパートとの少なくとも2つのパートから構成されるハロゲン化銀カラー写真感光材料用漂白定着濃縮組成物において、漂白定着液又は漂白定着補充液として使用する際のpH値が5.5以下であることを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料用漂白定着濃縮組成物。
【0015】
2.前記アミノポリカルボン酸を含有するパートのpHが6.0〜8.0であり、前記鉄塩を含有するパートのpHが5.0以下であり、かつ2つのパートのpH値の差が2.0以上であることを特徴とする前記1に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料用漂白定着濃縮組成物。
【0016】
3.前記アミノポリカルボン酸を含有するパート中のアミノポリカルボン酸のモル量と前記鉄塩を含有するパートの鉄塩のモル量の比が1.01:1.00〜1.10:1.00であることを特徴とする前記1又は2に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料用漂白定着濃縮組成物。
【0017】
4.前記アミノポリカルボン酸を含有するパートがチオ硫酸塩及び亜硫酸塩を含有することを特徴とする前記1〜3のいずれかに記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料用漂白定着濃縮組成物。
【0018】
5.前記ハロゲン化銀漂白定着濃縮組成物に含有されるアンモニウム塩比率が全カチオンに対して50モル%以下であることを特徴とする前記1〜4のいずれかに記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料用漂白定着濃縮組成物。
【0019】
6.ハロゲン化銀カラー写真感光材料を漂白定着処理を含む工程によって処理する方法において、該漂白定着処理に用いられる漂白定着液又は漂白定着補充液として、前記1〜5のいずれかに記載のハロゲン化銀写真感光材料用漂白定着濃縮組成物を用いることを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明におけるアミノポリカルボン酸としては、エチレンジアミン四酢酸のアルカリ金属塩(例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩)やアンモニウム塩が挙げられる。 キレート構造の安定、処理の迅速化からその他のアミノポリカルボン酸を含んでも良い。
【0021】
その他のアミノポリカルボン酸としては、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレンジアミン−N−(β−オキシエチル)−N,N′,N′−三酢酸、1,2−ジアミノプロパン四酢酸、1,3−ジアミノプロパン四酢酸、ニトリロ三酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、イミノ二酢酸、ジヒドロキシエチルグリシン、エチルエーテルジアミンテトラ酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、エチレンジアミン四プロピオン酸、フェニレンジアミン四酢酸、1,3−ジアミノプロパノール−N,N,N′,N′−四メチレンホスホン酸、エチレンジアミン−N,N,N′,N′−四メチレンホスホン酸、1,3−プロピレンジアミン−N,N,N′,N′−四メチレンホスホン酸、ニトリロ二酢酸モノプロピオン酸、ニトリロモノ酢酸ジプロピオン酸、2−(ビス−カルボキシメチル−アミノ)−プロピオン酸、2ーヒドロキシ−3−アミノプロピオン酸−N,N−二酢酸、セリン−N,N−二酢酸、2−メチル−セリン−N,N−二酢酸、2−ヒドロキシメチル−セリン−N,N−二酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、メチルイミノ二酢酸、N−(2−アセトアミド)−イミノ二酢酸、ニトリロトリプロピオン酸、エチレンジアミン二酢酸、エチレンジアミン二プロピオン酸、1,4−ジアミノブタン四酢酸、2−メチル−1,3−ジアミノプロパン四酢酸、2−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン四酢酸、エチレンジアミンジ琥珀酸(S,S体)、N−(2−カルボキシラートエチル)−L−アスパラギン酸、ベ−ターアラニンジ酢酸、プロピレンジアミン四酢酸及びこれらのアルカリ金属塩(例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩)やアンモニウム塩などであるが、これらに限定されるものではない。また、これらのアミノポリカルボン酸を2種以上併用して用いてもよい。
【0022】
本発明で用いられる鉄塩としては、例えば硫酸第1鉄、塩化第1鉄、シュウ酸第1鉄、酸化鉄などが挙げられ、より具体的な化合物としては、硫酸第1鉄アンモニウム、硫酸第1鉄ナトリウム、硫酸第1鉄アンモニウム、硫酸第1鉄ナトリウム、塩化第1鉄、臭化第1鉄、硫酸第1鉄、酢酸第1鉄、シュウ酸第1鉄、酸化鉄などが挙げられる。
【0023】
また、第2鉄塩としては、硝酸第2鉄、塩化第2鉄、臭化第2鉄、三硫酸鉄(III)三M1、硫酸鉄(III)M1(但し、M1はアンモニウム、カリウム、ナトリウム又は水素原子を表す)などが挙げられ、より具体的な化合物としては、硝酸第2鉄、塩化第2鉄、臭化第2鉄、三硫酸鉄(III)三アンモニウム、三硫酸鉄(III)三カリウム、三硫酸鉄(III)三ナトリウム、硫酸鉄(III)カリウム、硫酸鉄(III)ナトリウム、硫酸鉄(III)アンモニウム等を挙げる事ができる。
【0024】
本発明の構成要素としては、上記鉄塩を含有するパートとアミノポリカルボン酸を含有するパートは別であることが必須である。つまり、鉄塩を含有するパートへのアミノポリカルボン酸塩の含有は実質的にゼロであり、アミノポリカルボン酸塩を含有するパートへの鉄塩の含有も実質的にゼロであることが必要である。
【0025】
また、本発明におけるアミノポリカルボン酸と鉄塩とのmol比率は本発明の効果の観点から、1.01:1.00〜1.10:1.00である事が好ましく、より好ましくは1.02:1.00〜1.05:1.00である。
【0026】
本発明の鉄塩の添加量は漂白定着濃縮組成物1リットル当り、0.5mol〜4.0molであり、好ましくは0.5mol/L〜3.0mol/Lである。また、漂白剤として他のFe(III)キレート系漂白剤を添加してもよい。
【0027】
本発明の漂白定着濃縮組成物に使用される定着剤としては、公知の定着剤を特別の制限なく使用でき、例えば、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウムなどチオ硫酸塩のアルカリ金属塩およびアンモニウム塩である。チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸アンモニウムなどのチオシアン酸塩を併用しても良い。添加量としては漂白定着濃縮組成物1リットル当りの定着剤の量は、1.0〜10.0molが好ましく、更に好ましくは1.5〜8.0molの範囲である。
【0028】
漂白定着濃縮組成物には、保恒剤として亜硫酸塩(例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウムなど)、重亜硫酸塩(例えば、重亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウムなど)やメタ重亜硫酸塩(例えば、メタ重亜硫酸カリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸アンモニウムなど)等の亜硫酸イオン放出性化合物、p−トルエンスルフィン酸、m−カルボキシベンゼンスルフィン酸などのアリ−ルスルフィン酸、アスコルビン酸、カルボニル重亜硫酸付加物又はその他のカルボニル化合物等を少なくとも1種以上添加することが好ましい。
【0029】
保恒剤の添加量としては、漂白定着濃縮組成物1リットル当り0.3〜5.0molが好ましく、より好ましくは0.5〜3.0molの範囲である。
【0030】
上記チオ硫酸塩と亜硫酸塩は、本発明で用いる場合、アミノポリカルボン酸塩含有のパートに添加することで、より本発明の目的の効果を満足できるものとなる。
【0031】
漂白定着濃縮組成物には、定着促進などの目的で副次的に他のハロゲン化銀溶解剤を加えてもよい。副次的に添加できる適当なハロゲン化銀溶解剤は、エチレンビスチオグリコール酸、3,6−ジチア−1,8−オクタンジオールなどのチオエーテル化合物およびチオ尿素、エチレンチオ尿素などのチオ尿素類などの水溶性ハロゲン化銀溶解剤であり、これらを1種あるいは2種以上処理剤成分として添加して使用することができる。
【0032】
漂白定着濃縮組成物には、脱銀促進性を有する化合物を添加して、処理の迅速化と銀除去性能の向上を図ることができる。この目的に適した化合物には、特開平8−297356号及び特開平8−137070号の各公報に開示された1,2,4−トリアゾリウム−3−スルフィド型のメソイオン化合物(代表例、1,4,5−トリメチル−1,2,4−トリアゾリウム−3−スルフィドなど)、特開平8−292510号公報に開示されたRSO2M(Rはアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アラルキル、アリ−ル基を表し、Mは水素原子、アルカリ金属原子、アンモニウム基)型のスルフィン酸類(代表例、フェニルスルフィン酸)および特開平9−005964号公報に開示された3−メルカプト−1,2,4−トリアゾ−ル型のメルカプト化合物(代表例、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾ−ル−1−メチルスルホン酸など)であり、これらの1つ以上を0.001〜0.1モル/Lの濃度で添加することができる。
【0033】
また、漂白定着濃縮組成物には、銀スラッジの生成を防止するために、銀塩形成性の化合物を添加することができる。この目的に適した化合物には、特開平8−204980号公報に開示されたグアニジンのN−アミノ置換又はN−アルコキシ置換誘導体(そのほかにアルキル基などが置換してもよい)、(代表例、N−(ジ−n−ブチルアミノプロピル)グアニジン、N−(ジ−n−プロピルアミノエチル)グアニジンなど)、特開平9−211820号公報に開示された2−メルカプトアゾール誘導体及び2−メルカプトピリミジン誘導体(代表例、2−メルカプト−5−アセトアミドチアジアゾール、2−メルカプト−4−メチル−5−アミノ−ピリミジンなど)であり、これらの1つ以上を0.001〜0.1mol/Lの濃度で漂白定着組成物中に添加することができる。
【0034】
本発明に係わる漂白定着濃縮組成物を補充液として使用する時のpHは5.5以下であることが必要であり、好ましくは5.0以下である。
【0035】
アミノポリカルボン酸を含有するパートのpHは6.0〜8.0であり、かつ鉄塩を含有するパートのpHは、5.0以下であることが好ましい。この2つのパートのpH差が2.0以上である際に本発明の目的の効果がより顕著に発揮される。pHを調整するためには、必要に応じて塩酸、硫酸、硝酸、重炭酸塩、アンモニア、苛性カリ、苛性ソーダ、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等や各種緩衝剤を添加することができる。
【0036】
本発明の漂白定着濃縮組成物においては、全カチオンに対するアンモニウムイオンのモル比率が50%以下であることが好ましく、より好ましくは実質的にゼロ%であることが臭気防止の観点からも望ましい。
【0037】
また、漂白定着濃縮組成物には、その他各種の蛍光増白剤や消泡剤或いは界面活性剤、ポリビニルピロリドン、メタノール等の有機溶媒を含有させることができる。
【0038】
次に漂白定着濃縮組成物の濃縮率について述べる。濃厚液体処理組成物の濃厚化の度合いを示す実用的な尺度として「濃縮率」が通常用いられる。濃縮率は、処理組成物を水で希釈して目的とする処理液を調製したときに完成した処理液のもとの液体処理組成物に対する体積比によって表す。したがって、同一組成の濃縮型処理組成物であっても、その「濃縮率」は、厳密には使用液の濃度によって異なることになる。本明細書では、とくに断らない限り、「濃縮率」の基準となる使用液として、鉄イオンが0.2mol/L濃度になる漂白定着液を基準として用い、濃縮率は、この基準濃度の漂白定着液を調製するための希釈倍率で示している。また、本発明のにおける漂白定着濃縮組成物の好ましい濃縮率は少なくとも1以上10以下であり、より好ましくは2〜5の濃縮率である。
【0039】
本発明にかかわる漂白定着濃縮組成物を漂白定着補充液として使用する時の補充量は、処理する感光材料1m2当たり20ml〜250ml、好ましくは30ml〜200mlである。
【0040】
本発明に係わる漂白定着濃縮組成物を使用した処理方法において、漂白定着処理時間は、10秒から1分である。また、その際の処理温度は25℃〜60℃、好ましくは30℃〜50℃である。
【0041】
次に、カラー現像処理、処理液および工程について説明する。現像処理工程は、発色現像、脱銀、水洗又は安定化、および安定化の各工程からなる。発色現像工程には、発色現像処理組成物から現像補充液および現像液が調製されて用いられる。その中には、カラー現像主薬を含有するが、好ましい例は公知の芳香族第1級アミン発色現像主薬、とくにp−フェニレンジアミン誘導体であり、代表例を以下に示すがこれらに限定されるものではない。
【0042】
1)N,N−ジエチル−p−フェニレンジアミン
2)4−アミノ−N,N−ジエチル−3−メチルアニリン
3)4−アミノ−N−(β−ヒドロキシエチル)−N−メチルアニリン
4)4−アミノ−N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)アニリン
5)4−アミノ−N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)−3−メチルアニリン
6)4−アミノ−N−エチル−N−(3−ヒドロキシプロピル)−3−メチルアニリン
7)4−アミノ−N−エチル−N−(4−ヒドロキシブチル)−3−メチルアニリン
【0043】
8)4−アミノ−N−エチル−N−(β−メタンスルホンアミドエチル)−3−メチルアニリン
9)4−アミノ−N,N−ジエチル−3−(β−ヒドロキシエチル)アニリン
10)4−アミノ−N−エチル−N−(β−メトキシエチル)−3メチル−アニリン
11)4−アミノ−N−(β−エトキシエチル)−N−エチル−3−メチルアニリン
12)4−アミノ−N−(3−カルバモイルプロピル−N−n−プロピル−3−メチルアニリン
13)4−アミノ−N−(4−カルバモイルブチル−N−n−プロピル−3−メチルアニリン
【0044】
上記p−フェニレンジアミン誘導体のうち特に好ましい主薬としては、例示化合物5),6),7),8)及び12)があり、その中でも化合物5)と8)が多用される。また、これらのp−フェニレンジアミン誘導体は、固体素材の状態では、通常硫酸塩、塩酸塩、亜硫酸塩、ナフタレンジスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などの塩の形である。
【0045】
発色現像処理剤組成物は、使用に際して水と定められた比率で混合されて現像補充液(またはさらに希釈した現像液)の形の使用液にして用いるが、使用液中の該芳香族第1級アミン現像主薬の濃度は現像液1リットル当り好ましくは2mmol〜200mmol、より好ましくは12mmol〜200mmol、更に好ましくは12mmol〜150mmolである。
【0046】
発色現像液には、通常ヒドロキシルアミン誘導体又はその塩あるいは、N−アルキルヒドロキシルアミン又はその塩を加えることが多いが、保恒剤としては、アルカノールアミン類、ヒドロキシルアミン誘導体、ヒドロキサム酸類、ヒドラジド類、フェノール類、α−ヒドロキシケトン類、α−アミノケトン類、糖類、ポリエチレンイミン類、モノアミン類、ジアミン類、ポリアミン類、四級アンモニウム塩類、ニトロキシラジカル類、アルコール類、オキシム類、ジアミド化合物類、縮環式アミン類などが特に有効である。
【0047】
これらは、特開昭63−4235号、同63−30845号、同63−21647号、同63−44655号、同63−53551号、同63−43140号、同63−56654号、同63−58346号、同63−43138号、同63−146041号、同63−44657号、同63−44656号、米国特許第3,615,503 号、同2,494,903 号、特開昭52−143020号、特公昭48−30496号などの各公報又は明細書に開示されている。
【0048】
また、スチルベン系蛍光増白剤、とくにジ(トリアジルアミノ)スチルベン系や、4、4′−ジアミノ−2,2′−ジスルホスチルベン系の蛍光増白剤を発色現像液に添加しても構わない。発色現像液や現像補充液はpH9.5以上、より好ましくは10.0〜12.5で用いられる。pHを安定に保持するためには、各種緩衝剤を用いるのが好ましい。緩衝剤としては、上記の炭酸塩の外に、リン酸塩、ホウ酸塩、四ホウ酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、グリシル塩、N,N−ジメチルグリシン塩、ロイシン塩、ノルロイシン塩、グアニン塩、3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン塩、アラニン塩、アミノ酪酸塩、2−アミノ−2−メチル−1, 3−プロパンジオール塩、バリン塩、プロリン塩、トリスヒドロキシアミノメタン塩、リシン塩などを用いることができる。
【0049】
発色現像組成物には、その他の発色現像液成分、例えばカルシウムやマグネシウムの沈澱防止剤であり、あるいはカラー現像液の安定性向上剤でもある各種キレート剤を添加することもできる。例えば、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレンジアミン四酢酸、N,N,N−トリメチレンホスホン酸、エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラメチレンスルホン酸、エチレンジアミンN,N−ジ琥珀酸、N,N−ジ(カルボキシラート)−L−アスパラギン酸、β−アラニンジ琥珀酸、トランスシロヘキサンジアミン四酢酸、1,2−ジアミノプロパン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、エチレンジアミンオルトヒドロキシフェニル酢酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、N,N′−ビス(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N′−ジ酢酸、1,2−ジヒドロキシベンゼン−4,6−ジスルホン酸等が挙げられる。これらのキレート剤は必要に応じて2種以上併用しても良い。これらのキレート剤の量は発色現像液中の金属イオンを封鎖するのに充分な量であれば良い。発色現像液には、必要により任意の現像促進剤を添加できる。現像促進剤としては、数多くの公報に表わされる公知のチオエーテル系化合物、p−フェニレンジアミン系化合物、4級アンモニウム塩類、アミン系化合物、ポリアルキレンオキサイド、その他1−フェニル−3−ピラゾリドン類、イミダゾール類、等を必要に応じて添加することができる。また、発色現像液には、必要に応じて、任意のカブリ防止剤を添加できる。
【0050】
発色現像の処理温度は、30〜55℃であり、好ましくは35〜55℃であり、より好ましくは38〜45℃である。現像処理時間は、5〜90秒であり、好ましくは、15〜60秒である。補充量は少ない方が好ましいが、感光材料1m2当たり15〜600mlが適当であり、好ましくは30〜180mlである。
【0051】
漂白定着等の脱銀処理後、水洗又は水洗代替安定液処理、安定液処理あるいはその両方を行うのが一般的である。水洗又は水洗代替安定処理(以下まとめて水洗処理として述べる)工程での水洗水量は、感光材料の特性(例えばカプラー等使用素材による)や用途、水洗水温、水洗タンクの数(段数)、その他種々の条件によって広範囲に設定し得る。
【0052】
このうち、多段向流方式における水洗タンク数と水量の関係は、ジャーナル・オブ・ザ・ソサエティ・オブ・モーション・ピクチャー・アンド・テレヴィジョン・エンジニアズ(Journal of the Society of Motion Picture and Television Engineers)第64巻、p.248 〜253(1955 年5月号)に記載の方法で、求めることができる。通常多段向流方式における段数は3〜15が好ましく、特に3〜10が好ましい。多段向流方式によれば、水洗水量を大巾に減少でき、タンク内での水の滞留時間増加により、バクテリアが繁殖し、生成した浮遊物が感光材料に付着する等の問題が生じる。
【0053】
この様な問題の解決策として、特開昭62−288838号公報に記載のカルシウム、マグネシウムを低減させる方法を極めて有効に用いることができる。また、特開昭57−8542号公報に記載のイソチアゾロン化合物やサイアベンダゾール類、同61−120145号公報に記載の塩素化イソシアヌール酸ナトリウム等の塩素系殺菌剤、特開昭61−267761号公報に記載のベンゾトリアゾール、銅イオン、その他堀口博著「防菌防黴の化学」(1986年)三共出版、衛生技術会編、「微生物の減菌、殺菌、防黴技術」(1982年)工業技術会、日本防菌防黴学会編「防菌防黴剤事典」(1986年)に記載の殺菌剤を用いることもできる。
【0054】
更に、水洗水には、水切り剤として界面活性剤や、硬水軟化剤としてEDTAに代表されるキレート剤を用いることができる。以上の水洗工程に続くか、又は水洗工程を経ずに直接安定液で処理することも出来る。安定液には、色素安定化に適した膜pHに調製するための緩衝剤や、アンモニウム化合物があげられる。
【0055】
又、液中でのバクテリアの繁殖防止や処理後の感光材料に防黴性を付与するため、前記した各種殺菌剤や防黴剤を用いることができる。更に、界面活性剤、蛍光増白剤、硬膜剤を加えることもできる。
【0056】
本発明に係わる処理において、安定化が水洗工程を経ることなく直接行われる場合、特開昭57−8543号、同58−14834号、同60−220345号公報等に記載の公知の方法をすべて用いることができる。その他、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミン四メチレンホスホン酸等のキレート剤、マグネシウムやビスマス化合物を用いることも好ましい態様である。
【0057】
脱銀処理後に用いられる水洗液又は安定液としていわゆるリンス液も同様に用いられる。水洗水又は安定液の好ましいpHは4〜10であり、更に好ましくは5〜8である。温度は感光材料の用途・特性等で種々設定し得るが、一般には20℃〜50℃、好ましくは25℃〜45℃である。水洗又は安定液処理の工程に続いて乾燥が行われる。
【0058】
画像膜への水分の持込み量を減じる観点から水洗浴から出た後すぐにスクイズローラや布などで水を吸収することで乾燥を早めることも可能である。乾燥機側からの改善手段としては、当然のことではあるが、温度を高くすることや吹きつけノズルの形状を変更し乾燥風を強くすることなどで乾燥を早めることが可能である。更に、特開平3−157650号公報に記載されているように、乾燥風の感光材料への送風角度の調整や、排出風の除去方法によっても乾燥を早めることができる。
【0059】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
漂白定着濃縮組成物の作成:
表1に示す構成となるように漂白定着濃縮組成物を作製し、プラスチック容器に密封し、50℃の恒温槽に2ヶ月間放置した。その後取り出して、開栓後1時間以内に現像処理を行い、脱銀性能を評価した。現像処理する際には基準濃度と基準に対して濃度が80%になるように調製した液でも行った。2つの液での結果で脱銀性能に問題がなければ安定性があることを示す。
【0060】
漂白定着濃縮組成物の調製(pHの調製はアンモニア水又は硫酸を使用)
パートA−1
亜硫酸アンモニウム(40wt/vol%) 0.58mol
チオ硫酸アンモニウム(75wt/vol%) 1.1mol
pH 表1記載
【0061】
パートB−1
アミノポリカルボン酸鉄錯体(表1記載) 0.8mol
pH 表1記載
【0062】
パートA−S(シングルパート)
亜硫酸アンモニウム(40wt/vol%) 0.29mol
チオ硫酸アンモニウム(75wt/vol%) 0.55mol
アミノポリカルボン酸塩(表1記載) 0.41mol
硫酸第一鉄塩 0.2mol
硫酸第2鉄塩 0.2mol
pH 表1記載
【0063】
パートA−2
亜硫酸アンモニウム(40wt/vol%) 0.58mol
チオ硫酸アンモニウム(75wt/vol%) 1.1mol
アミノポリカルボン酸塩(表1記載) 0.82mol
pH 表1記載
【0064】
パートB−2
鉄塩(表1記載) 0.8mol
pH 表1記載
現像処理は以下の条件で行った。
【0065】
・感光材料及び露光
現像処理のカラーペーパー感光材料には、コニカカラーQAペーパータイプA7(コニカ社製)を用い、ウエッジ状に像様像露光したものを使用した。
【0066】
【0067】
発色現像及び安定化のタンク液処方及び補充液処方について以下に示す。
水を加えて1Lとし、pHは水酸化カリウムまたは50%硫酸を用いて調整した。
【0068】
漂白定着液(基準品)
A−1 250ml + B−1 250ml + 水 500ml
A−S 500ml + 水 500ml
A−2 250ml + B−2 250ml + 水 500ml
漂白定着液(80%濃度品)
A−1 200ml + B−1 200ml + 水 600ml
A−S 400ml + 水 600ml
A−2 200ml + B−2 200ml + 水 600ml
【0069】
水を加えて1Lとし、pHはKOH水溶液または50%硫酸を用いて調整した。
【0070】
評価
脱銀性能
現像済みの感材の最高濃度部分について残存する銀量を蛍光X線分析装置によって測定した。通常脱銀性が問題ないレベルとは0.05g/m2以下である。
【0071】
ムラ性能
現像済みの感材において濃度0.8付近の現像ムラ性能を以下の基準で判断した。判断材料としては20枚感材を使用した。
【0072】
全くなし ◎
1、2枚発生 ○
3〜4枚発生 △
5〜9枚発生 ×
10枚以上発生 ××
【0073】
【表1】
【0074】
EDTA:エチレンジアミン四酢酸
DTPA:ジエチレントリアミン五酢酸
EDDS:s,s−エチレンジアミンジコハク酸
【0075】
表1から明らかなように、pH6.0以上の補充液を作成するキット構成では脱銀性能は問題ないが、現像ムラの発生において問題が生じる。本発明の構成要素であるpH5.5以下の補充液を作成することで従来のキット構成では脱銀性又は現像ムラ安定性において問題があるが、本発明の組み合わせにすることで完結できることが確認できる。また、この効果は補充液pHが5.0以下になることでより一層明確になることがわかる。
【0076】
実施例2
実施例1の実験No.1−8において表2記載のpHの組み合わせにした時の脱銀性の評価を行った。評価は保存期間を3ヶ月に変更して行った以外は同様な実験を行った。
結果を表2に示す。
【0077】
【表2】
【0078】
表2の結果からわかるように、本発明の効果をより良くする組み合わせとしてはアミノポリカルボン酸含有パートのpHが6.0〜8.0の範囲にあり、鉄塩を含有するパートのpHが5.0以下にあり、かつこの2つのpH差が2.0以上ある時である。
【0079】
実施例3
実施例2の実験No.2−7において表3記載のアミノポリカルボン酸と鉄塩のモル比率に変更した時の脱銀性の評価を行った。評価は保存期間を3ヶ月に変更して行った以外は同様な実験を行った。
結果を表3に示す。
【0080】
【表3】
【0081】
表3から明らかなように、アミノポリカルボン酸塩:鉄塩のモル構成比は1.01〜1.1の範囲が好ましく、より好ましくは1.02〜1.05の範囲である。
【0082】
実施例4
実施例1の実験No.1−8において表4記載のカチオン構成に変更した時の脱銀性の評価を行った。評価は保存期間を3ヶ月に変更して行った以外は同様な実験を行った。
結果を表4に示す。
【0083】
【表4】
【0084】
表4から明らかなように、アンモニウム塩比率を50モル%以下にすることで脱銀性能と合わせて臭気の問題を解決でき、さらにアンモニアフリー(0%)にすることで全く臭気がなくなる。
【0085】
実施例5
図1記載の自動現像機を用い、以下の処理条件でランニング処理を行った。ランニング量としては、コニカカラーQAペーパーを1日当たりL判(89mm×127mm)を4000枚処理して行い、発色現像液の補充量が処理タンクの3倍補充されるまで行った。
【0086】
図1は、自現機Aと写真焼付機Bとを一体的に構成したプリンタープロセッサーの概略図である。
【0087】
図1において写真焼付装置Bの左下部には、未露光の感光材料である印画紙をロール状に収納したマガジンMがセットされる。マガジンから引き出された印画紙は、送りローラR及びカッター部Cを介して所定のサイズに切断され、シート状印画紙となる。このシート状印画紙は、ベルト搬送手段Bによって搬送され、露光部Eにおいて原画Oの画像を露光される。露光されたシート状印画紙はさらに複数対の送りローラRにより搬送され、自現機A内に導入される。自現機Aでは、シート状印画紙は、処理槽である夫々発色現像槽1A、漂白定着槽1B、安定槽1C,1D,1E内(実質的に3槽構成の)をローラ搬送手段(参照記号ナシ)により順次搬送され、それぞれ、発色現像処理、漂白定着処理、安定化処理がなされる。前記各処理がなされたシート状印画紙は、乾燥部35において乾燥されて機外に排出される。
【0088】
なお、図中の一点鎖線は、感光材料の搬送経路を示す。また、実施例においては、感光材料はカットされた状態で自現機A内に導かれるものであるが、帯状で自現機内に導かれるものであってもよい。
【0089】
【表5】
【0090】
発色現像補充液
コニカ社製K−22P1R−01.Lを通常の方法で溶解した物を使用した。
【0091】
発色現像使用液
上記補充液11.27Lにコニカ社製K−22P1S−01.Lを1127ml添加して16.1Lに仕上げたものを使用した。
【0092】
漂白定着補充液=漂白定着使用液
実験No.1−8で作製した液を30℃で12ヶ月保存したものを使用した。
【0093】
漂白定着液(基準品)
A−1 250ml + B−1 250ml + 水 500ml
漂白定着液(80%濃度品)
A−1 200ml + B−1 200ml + 水 600ml
【0094】
安定補充液=安定使用液
コニカ社製K−P3R−01を通常の方法で溶解した物を使用した。
【0095】
ランニング評価は、漂白定着液の安定性を評価する意味で、基準溶解品と80%濃度溶解品の2種類でそれぞれ漂白定着液の処理タンクの2倍補充されるまで行った。
【0096】
その結果、基準品でランニングした時のランニング前後での脱銀性評価では0.01と0.02であり問題なく、さらに80%濃度でのランニング前後での結果も0.02と0.03であり、現像ムラについても全く観察されず、良好な性能を示すことから保存しても十分な処理安定性能が得られることが判明した。
【0097】
【発明の効果】
本発明によれば、長期保管後の調薬直後における漂白定着性能で、特に希釈溶解しても性能上問題のない、良好な処理安定性能が得られる感光材料用漂白定着濃縮組成物及びこれを用いる処理方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動現像機と写真焼付機とを一体に構成したプリンタープロセッサーの概略構成図。
【符号の説明】
1 処理槽
1A〜1E 処理槽
35 乾燥部
Claims (6)
- 少なくともアミノポリカルボン酸を含有するパートと鉄塩を含有するパートとの少なくとも2つのパートから構成されるハロゲン化銀カラー写真感光材料用漂白定着濃縮組成物において、漂白定着液又は漂白定着補充液として使用する際のpH値が5.5以下であることを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料用漂白定着濃縮組成物。
- 前記アミノポリカルボン酸を含有するパートのpHが6.0〜8.0であり、前記鉄塩を含有するパートのpHが5.0以下であり、かつ2つのパートのpH値の差が2.0以上であることを特徴とする請求項1に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料用漂白定着濃縮組成物。
- 前記アミノポリカルボン酸を含有するパート中のアミノポリカルボン酸のモル量と前記鉄塩を含有するパートの鉄塩のモル量の比が1.01:1.00〜1.10:1.00であることを特徴とする請求項1又は2に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料用漂白定着濃縮組成物。
- 前記アミノポリカルボン酸を含有するパートがチオ硫酸塩及び亜硫酸塩を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料用漂白定着濃縮組成物。
- 前記ハロゲン化銀漂白定着濃縮組成物に含有されるアンモニウム塩比率が全カチオンに対して50モル%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料用漂白定着濃縮組成物。
- ハロゲン化銀カラー写真感光材料を漂白定着処理を含む工程によって処理する方法において、該漂白定着処理に用いられる漂白定着液又は漂白定着補充液として、請求項1〜5のいずれかに記載のハロゲン化銀写真感光材料用漂白定着濃縮組成物を用いることを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法。
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