JP2005326452A - ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、発色現像液組成物の長期保存性に優れ、かつ少量処理時においても、漂白槽での沈殿物の生成が抑制され、漂白性能に優れ、処理汚れが低減したハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法を提供する。
【解決手段】 発色現像工程、漂白工程を経て現像処理するハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法において、該発色現像工程で用いる発色現像使用液がヒドロキシアルキル置換パラフェニレンジアミン現像主薬を含有し、かつヒドロキシルアミンの含有量が0.03mol/L以下であり、該漂白工程で用いる漂白液が少なくとも1,3−プロパンジアミン4酢酸第2鉄錯塩を含有し、かつ漂白補充液の補充量が140ml/m2以上であることを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、新規のハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法に関する。
発色現像組成物は、目的のカラー画像を提供するカラーフィルム及びカラーペーパーのようなハロゲン化銀カラー写真感光材料(以下、感光材料ともいう)を処理するのに用いられる。そのような組成物は、一般的に、ハロゲン化銀の還元剤として発色現像主薬、例えば、N−エチル−N−(ヒドロキシエチル)−メチル−4−アミノアニリンを含有し、色画像形成カプラーと反応して所望の色素を生成する。例えば、米国特許第4,892,804号、同第4,876,174号、同第5,354,646号及び同第5,660,974号の各明細書には、各種の発色現像組成物が記載されている。
発色現像処理においては、現像反応時に消費するか、もしくは処理される感光材料によって持ち出される処理液成分を補充するために、処理槽の発色現像液に「発色現像補充液」を添加することが一般的である。こうして、現像レベルと発色現像主薬の安定性が維持できるように設計されている。
発色現像液は、使用直前に混合される複数の「パート(part)」(もしくは、濃縮組成物)に分離した形で、現像所等のユーザーに供給される。通常、構成成分の化学活性度や溶解度を維持するため、複数のパートに分離して供給されることが多い。発色現像液を構成する各素材を、アルカリ性条件下で長時間それらを分離せず一緒に保存すると、劣化したり、相互に反応が生じてしまう。このため、あるパートは発色現像主薬を含有し、もう一つのパートはアルカリ性を保つための素材(アルカリ剤)を含有し、更に、別のパートには酸化防止剤等を含有するといった構成が採られている。通常、使用時にこれら全てのパートと水とを順次混合することにより、均質な発色現像液を得ることができる。
近年、写真業界では、発色現像液の調製、特に、発色現像補充液を調製するのに使用するパートの数を減らす要望がある。ready to useタイプの溶液、濃縮組成物もしくは粉剤混合物等が当該技術分野で市販されている。ready to useタイプの溶液は、使い勝手は良いものの、全ての成分を目的濃度にしているため多量の水を含み、製造、輸送及び貯蔵等のコストが高くなるという課題を抱えている。
そのために、写真業界では、製造者及びユーザーが、大量の水について、輸送もしくは貯蔵に費用をかける必要が無いように濃縮形態で写真処理組成物(発色現像組成物を含む)を提供し、より小さな容器で使用可能にすることが望まれている。更に、種々の成分を混合する必要が無く(それによって、混合ミスを減らす)、その容器から取り出して直ぐに使用できる(例えば、「自動補充」処理機として知られている)組成物が要望されている。
近年、上記の問題を克服した発色現像組成物として、シングルパート(1パート、単品調合物、1液キットともいう)が市販されているが、沈殿物(例えば、スラリー、スラッジ等)もしくは複数の溶媒相が存在するために、使用前に良く攪拌するか混合する必要がある。
従って、均質で、濃縮され且つ安定なシングルパート(単品調合物)の発色現像濃縮組成物のニーズが大きい。そのような濃縮組成物は、大量の水によって希釈された溶液を搬送し保存することによるコストを削減できるばかりでなく、複数パートを混合する、あるいは複数相組成物を攪拌する等の煩雑性や混合ミスを低減し、ユーザーに対し魅力的な製品を提供している。
しかしながら、シングルパートから構成された発色現像液組成物は、高温保存時に性能が劣化しやすく、発色現像主薬の残存率の低下やそれに伴う写真性能の劣化を引き起こしやすいため、通常は、短い有効期限の設定に留まっている。更に、シングルパートキットの重要な特性の1つとして、上述のごとくユーザーの取り扱い性や保管スペース、物流コスト低減の観点から、濃縮度を高める要望がなされてはいるが、長期保存安定性の点で、2〜5倍程度の濃縮度に留まっているのが現状である。
上記課題に対し、発色現像に用いられる発色現像液には、通常、その保恒性を増すために亜硫酸塩、または亜硫酸塩と硫酸ヒドロキシルアミン(以下、HASともいう)の水溶性塩が保恒剤(酸化防止剤)として添加されている。このうち前者のように、亜硫酸塩を単独に使用した場合、経時でかぶりの発生が著しいため、後者のように亜硫酸塩とHASの水溶性塩を併用することにより、現像液の保恒性を著しく増加させ、かつ経時した現像液によるかぶりの発生を低減させることが行なわれている。
しかしながら、上述のHASを保恒剤として用いたシングルパート構成の発色現像液においては、過酷な条件下で長期間にわたり保存した後、連続処理(以下、ランニング処理ともいう)を行った場合、漂白補充量の少ない条件下では、漂白槽の蒸発に伴う漂白液の濃縮が発生する。この漂白液の濃縮は、ハロゲン化銀カラー写真感光材料の1日当たりの処理量が少なくなればなるほど、漂白液の蒸発の影響が相対的に大きくなり、漂白液の濃縮が顕著となる。漂白液が濃縮してしまうと、ハロゲン化銀カラー写真感光材料への漂白液の浸透速度が低下するためと推測しているが、脱銀不良、復色不良といった不具合も引き起こし、更には、処理槽の液表面付近に析出物が発生しやすいといった不具合も発生する。これらの不具合を解消するため、漂白液の補充量を増やすことにより、蒸発の影響を小さくして濃縮を防止することができるが、上述のような不具合が解消される反面、漂白槽に沈殿物が発生するという問題が新たに発生した。
この沈殿物の生成に関し要因解析を進めた結果、その1つとして、HAS含むシングルパート構成の発色現像液を過酷な条件下で長期間にわたり保存した際に生成した成分が、現像処理時に発色現像槽から漂白槽にキャリーオーバーにより持ち込まれ、さらに漂白槽中で酸化が進行することにより沈殿物が生成することが判明した。特に、漂白槽における漂白補充液量が多い条件では、第2鉄錯塩の量が低下し、それに伴いpHの低下を引き起こし、その結果、漂白槽の酸化力が強くなり、沈殿物を生じやすいことが判明した。この漂白槽中での沈殿物の生成を防止するため、漂白液の酸化力を弱める方法が考えられるが、それにより漂白能が低下し、写真特性上の不具合、例えば、脱銀性の低下、復色不良を引き起こす結果となり、漂白補充液をより多く補充する処理方法においては、シングルパート構成の発色現像液の保存安定性、漂白液での沈殿物の生成及び漂白性能の全てを満足する方法が見出されていないのが現状である。
一方、保恒剤であるHASは、上述のように高温保存時に分解しやすく、写真処理性能への影響が大きいという課題を抱えている。このようなHASの課題に対し、特定の構造を有するヒドロキシルアミン誘導体を用いて、高温保存時の発色現像主薬の安定性、処理時の析出や汚れの低減を目的とした方法が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照。)。しかしながら、上記提案されているいずれの方法においても、上述のような漂白補充液をより多く補充する処理方法における漂白液での沈殿物の生成に関しては、何ら記載も示唆もなされてはいない。
特開平8−234389号公報 特開平10−282618号公報 特開2003−295405号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、発色現像液組成物の長期保存性に優れ、かつ少量処理時においても、漂白槽での沈殿物の生成が抑制され、漂白性能に優れ、処理汚れが低減したハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法を提供する。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
(請求項1)
発色現像工程、漂白工程を経て現像処理するハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法において、該発色現像工程で用いる発色現像使用液がヒドロキシアルキル置換パラフェニレンジアミン現像主薬を含有し、かつヒドロキシルアミンの含有量が0.03mol/L以下であり、該漂白工程で用いる漂白液が少なくとも1,3−プロパンジアミン4酢酸第2鉄錯塩を含有し、かつ漂白補充液の補充量が140ml/m2以上であることを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法。
(請求項2)
前記発色現像工程で用いる発色現像補充液が、ヒドロキシルアミン含有量が下記で規定する範囲にあるシングルパート構成の発色現像液濃縮組成物を希釈して調製されたことを特徴とする請求項1に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法。
発色現像液濃縮組成物中のヒドロキシルアミン含有量(mol/L)/濃縮率≦0.03(mol/L)
なお、濃縮率は、(発色現像液濃縮組成物から希釈により調製された発色現像補充液の容量/発色現像液濃縮組成物の容量)で表す。
(請求項3)
前記漂白液中のアミノポリカルボン酸第2鉄錯塩に対する前記1,3−プロパンジアミン4酢酸第2鉄錯塩のmol比率(mol/mol)が、0.30以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法。
(請求項4)
前記漂白液中のアミノポリカルボン酸第2鉄錯塩に対する1,3−プロパンジアミン4酢酸第2鉄錯塩のmol比率(mol/mol)が、0.80以上であることを特徴とする請求項3に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法。
(請求項5)
前記発色現像使用液が、下記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法。
一般式(1)
HO−N−(X−A)2
〔式中、Xは置換されていても良いアルキレン基を表し、Aはカルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アミノ基、アンモニオ基、スルファモイル基またはアルキルスルホニル基を表す。これらは塩の形であっても良い。〕
(請求項6)
前記一般式(1)で表される化合物の少なくとも1種が、ビス(スルホエチル)ヒドロキシルアミンまたはその塩であることを特徴とする請求項5に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法。
(請求項7)
前記発色現像使用液及び発色現像補充液のヒドロキシルアミン含有量が、各々0.02mol/L以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法。
(請求項8)
前記発色現像使用液及び発色現像補充液が、ヒドロキシルアミンを含有しないことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法。
本発明によれば、発色現像液組成物の長期保存性に優れ、かつ多補充量の漂白工程において、漂白槽での沈殿物の生成が抑制され、漂白性能に優れ、処理汚れが低減したハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、発色現像工程、漂白工程を経て現像処理するハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法において、該発色現像工程で用いる発色現像使用液がヒドロキシアルキル置換パラフェニレンジアミン現像主薬を含有し、かつヒドロキシルアミンの含有量が0.03mol/L以下であり、該漂白工程で用いる漂白液が少なくとも1,3−プロパンジアミン4酢酸第2鉄錯塩を含有し、かつ漂白補充液の補充量が140ml/m2以上であるハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法により、発色現像液組成物の長期保存性に優れ、少量処理時においても、漂白槽での沈殿物の生成が抑制され、漂白性能に優れ、処理汚れが低減したハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法(以下、本発明の処理方法ともいう)を実現できることを見出し、本発明に至った次第である。
以下、本発明の詳細について説明する。
はじめに、本発明に係る発色現像工程で用いる発色現像液(発色現像使用液、発色現像補充液)について説明する。
本発明に係る発色現像使用液においては、ヒドロキシアルキル置換パラフェニレンジアミン現像主薬を含有し、かつヒドロキシルアミンの含有量が0.03mol/L以下であることを特徴とする。
本発明に係るヒドロキシアルキル置換パラフェニレンジアミン現像主薬について説明する。
本発明に係る発色現像使用液に用いられるヒドロキシアルキル置換パラフェニレンジアミン発色現像主薬は、公知のp−フェニレンジアミン誘導体であり、代表例を以下に示すがこれらに限定されるものではない。
Figure 2005326452
上記で例示したヒドロキシアルキル置換パラフェニレンジアミン発色現像主薬の中でも、(C−1)、(C−2)が特に好ましい。
上記のヒドロキシアルキル置換パラフェニレンジアミン発色現像主薬は、硫酸塩、塩酸塩、亜硫酸塩、ナフタレンジスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩などの塩の形、或いは上述のような遊離塩基型(以下、フリー体ともいう)である。上記ヒドロキシアルキル置換パラフェニレンジアミン発色現像主薬の発色現像液中の濃度では、1リットル当たり2ミリモル〜200ミリモルが好ましく、より好ましくは6ミリモル〜100ミリモル、更に好ましくは10ミリモル〜40ミリモルとなるように加えられる。また、後述する発色現像濃縮組成物中の濃度は1リットル当たり0.05モル〜1.0モルであることが好ましく、より好ましくは1リットル当たり0.07〜0.6モルである。発色現像補充液ないし発色現像使用液として感光材料の処理に使用する場合に十分な発色濃度が達成し、また、発色現像濃縮組成物の長期安定性を得る観点から、上記の濃度範囲が好ましい。
また、本発明に係る発色現像使用液においては、ヒドロキシルアミンの含有量を0.03mol/L以下とすることが特徴である。
本発明において、ヒドロキシルアミンとは、塩酸塩、硫酸塩、等の塩の形で含有されていてもよい。許容されるヒドロキシルアミンの添加量は、少なければ少ないほど好ましく、ヒドロキシルアミン含有量が0.02mol/L以下であることがより好ましく、特に好ましくはヒドロキシルアミンを全く含有しない発色現像使用液である。
また、本発明の処理方法においては、発色現像工程で用いる発色現像補充液として、ヒドロキシルアミン含有量が、{発色現像液濃縮組成物中のヒドロキシルアミン含有量(mol/L)/濃縮率≦0.03(mol/L)}であるシングルパート構成の発色現像液濃縮組成物を希釈して調製されたものであることが好ましい。
なお、本発明でいう濃縮率とは、(発色現像液濃縮組成物から希釈により調製された発色現像補充液の容量/発色現像液濃縮組成物の容量)で表す。
本発明でいうシングルパート構成とは、発色現像処理液に必要な成分(例えば、アルカリ、現像主薬、保恒剤等)を全て含んでいるキット、すなわち、従来広く用いられていた発色現像主薬を含有するパート、アルカリ性を保つための素材(アルカリ剤)を含有するパート、更に、酸化防止剤等を含有するパートといったそれぞれの目的機能にあわせて、個別のパートで構成されている多構成パートに対し、本発明でいうシングルパート構成とは、上記の様な各発色現像組成物を、全て1つのパートで構成したものである。
高濃縮した本発明に係るシングルパート構成の発色現像濃縮組成物は、水等により1.2倍以上、10倍以下に希釈した発色現像使用液(ワーカー液)あるいは発色現像補充液を調製して、像様露光したハロゲン化銀カラー感光材料を発色現像処理し、次いで脱銀処理を施す。従って、本発明に係るシングルパート構成からなる発色現像濃縮組成物においては、その濃縮率が1.2倍以上、10倍以下であることが好ましい。更に、濃縮率が2.0倍以上であれば、保管スペースや輸送上の観点及び本発明の効果の点からより好ましく、上限としては、濃縮状態での安定性や溶解性などの点から5倍以下であることがより好ましい。
本発明の上記構成からなる発色現像液を用いた処理方法においては、上述の複数のパートから構成されている発色現像濃縮組成物であっても、シングルパートの発色現像濃縮組成物のいずれにおいても、目的とする効果を得ることができるが、発色現像濃縮組成物が高温で長期に保管された後に使用されたときの効果を考慮すると、シングルパートの発色現像濃縮組成物の場合に、特に高温環境下での長期保存保存時に劣化を起こしやすくなり、その結果、漂白液中の沈殿発生も大きいことから、本発明で規定する構成からなる発色現像液が、シングルパートの発色現像濃縮組成物である場合に、本発明の効果をより良好に奏する。
また、本発明の処理方法においては、発色現像使用液が、前記一般式(1)で表される化合物を含有することが好ましい。
前記一般式(1)において、Xは置換されていても良いアルキレン基を表し、Aはカルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アミノ基、アンモニオ基、スルファモイル基またはアルキルスルホニル基を表す。これらは塩の形であっても良い。
前記一般式(1)において、Xは炭素数1〜10の直鎖または分岐鎖の置換してもよいアルキレン基が好ましく、炭素数1〜5が更に好ましい。具体的には、メチレン、エチレン、トリメチレン、プロピレン等の基が好ましい例として挙げられる。置換基としては、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基、ホスフィン基、ヒドロキシル基、アルキル置換してもよいアンモニオ基を表し、カルボキシル基、スルホ基、ホスフィン基、ヒドロキシル基が好ましい例として挙げられる。Aはカルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基、ホスフィン酸基、ヒドロキシル基、または、それぞれアルキル置換してもよいアミノ基、アンモニオ基、カルバモイル基またはスルファモイル基を表し、カルボキシル基、スルホ基、ヒドロキシル基、ホスホノ基、アルキル置換してもよいカルバモイル基が好ましい例として挙げられる。−L−Aの例として、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、カルボキシプロピル基、スルホエチル基、スルホプロピル基、スルホブチル基、ホスホノメチル基、ホスホノエチル基、ヒドロキシエチル基を好ましい例として挙げることができ、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、スルホエチル基、スルホプロピル基、ホスホノメチル基、ホスホノエチル基が特に好ましい例として挙げることができる。
以下に、一般式(1)で表される化合物のうち、その代表的な化合物例を示すが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
Figure 2005326452
Figure 2005326452
上記の一般式(1)で表される化合物のうち、特に好ましくは、ビス(スルホエチル)ヒドロキシルアミン及びその塩であり、例えば、例示化合物1−18が挙げられる。
次いで、本発明に係る発色現像液のその他の構成要素について説明する。
本発明に係る発色現像液においては、保恒剤として亜硫酸塩を含有することができ、好ましくは0.05〜1.0mol/Lである。本発明で用いることのできる亜硫酸塩としては、例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウムなどを挙げることができる。
発色現像液には、上記説明した本発明に係る保恒剤の他に、下記に示す保恒剤の使用を制限するものではない。保恒剤とは、感光材料の処理液へ含ませることで、芳香族第一級アミン発色現像主薬の劣化速度を減じる化合物全般を指している。即ち、発色現像主薬の空気酸化などを防止する機能を有する有機化合物類であり、ヒドロキサム酸類、ヒドラジド類、フェノール類、α−ヒドロキシケトン類、α−アミノケトン類、糖類、モノアミン類、ジアミン類、ポリアミン類、四級アンモニウム塩類、ニトロキシラジカル類、アルコール類、オキシム類、ジアミド化合物類、縮環式アミン類などを挙げることができる。これらは、特開昭63−4235号、同63−30845号、同63−21647号、同63−44655号、同63−53551号、同63−43140号、同63−56654号、同63−58346号、同63−43138号、同63−146041号、同63−44657号、同63−44656号、米国特許第3,615,503号、同2,494,903号、特開昭52−143020号、特公昭4830496号などの各公報または明細書に開示されている。
その他、特開昭57−44148号及び同57−53749号公報に記載の各種金属類、特開昭59−180588号公報に記載のサリチル酸類、トリエタノールアミンやトリイソパノールアミンの如き特開昭54−3532号公報に記載のアルカノールアミン類、米国特許第3,746,544号明細書等に記載の芳香族ポリヒドロキシ化合物等を必要に応じて含有しても良い。
発色現像液のpHは9.0〜13.5が好ましく、その補充液のpHは9.0〜13.5が好ましい。このため、発色現像液及びその補充液には、そのpH値を維持できるようにアルカリ剤、緩衝剤及び必要によっては酸を含ませることができる。
発色現像処理液を調整したときに、上記pHを保持する観点からは、下記に示す緩衝剤を用いるのが好ましい。緩衝剤としては、炭酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、四ホウ酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、グリシル塩、N,N−ジメチルグリシン塩、ロイシン塩、ノルロイシン塩、グアニン塩、3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン塩、アラニン塩、アミノ酪酸塩、2−アミノ−2−メチル−1、3−プロバンジオール塩、バリン塩、プロリン塩、トリスヒドロキンアミノメタン塩、リシン塩などを用いることができる。特に炭酸塩、リン酸塩、四ホウ酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩は、pH9.0以上の高pH領域での緩衝能に優れ、発色現像液に添加しても写真性能面への悪影響(カプリなど)がなく、安価であるといった観点から好ましい緩衝剤である。
上記緩衝剤の例示化合物としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸二カリウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、四ホウ酸ナトリウム(ホウ砂)、四ホウ酸カリウム、o−ヒドロキシ安息香酸ナトリウム(サリチル酸ナトリウム)、o−ヒドロキシ安息香酸カリウム、5−スルホ−2−ヒドロキシ安息香酸ナトリウム(5−スルホサリチル酸ナトリウム)、5−スルホ−2−ヒドロキシ安息香酸カリウム(5−スルホサリチル酸カリウム)などを挙げることができる。
緩衝剤は、反応・消費される成分ではないので、その濃度は、発色現像処理液及びその補充液ともに1リットルあたり0.01〜2モル、好ましくは0.1〜0.5モルになるように発色現像組成物または発色現像濃縮組成物中の添加量が決められる。
発色現像処理液には、その他の成分として、例えば、カルシウムやマグネシウムの沈澱防止剤や、安定性向上剤でもある各種キレート剤を添加することもできる。例えば、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレンジアミン四酢酸、N,N,N−トリメチレンホスホン酸、エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラメチレンスルホン酸、トランスシロヘキサシジアミン四酢酸、1,2−ジアミノプロバン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、エチレンジアミンオルトヒドロキシフェニル酢酸、エチレンジアミンジ琥珀酸(SS体)、N−(2−カルボキシラートエチル)−L−アスパラギン酸、β−アラニンジ酢酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、N,N′−ビス(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N′−ジ酢酸、1,2−ジヒドロキシベンゼン−4,6−ジスルホン酸等が挙げられる。これらのキレート剤は必要に応じて2種以上併用しても良い。また、これらのキレート剤の量は、発色現像液処理中の金属イオンを封鎖するのに充分な量であれば良い。例えば、1リットル当り0.lg〜10g程度になるように添加する。
発色現像処理液には、必要により任意の現像促進剤を添加することもできる。現像促進剤としては、特公昭37−16088号、同37−5987号、同38−7826号、同44−12380号、同45−9019号及び米国特許第3,813,247号等の各公報または明細書に表されるネオエーテル系化合物、特開昭52−49829号及び同50−15554号公報に表わされるp−フェニレンジアミン系化合物、特開昭50−137726号、特公昭44−30074号、特開昭56−156826号及び同52−43429号公報等に表される4級アンモニウム塩類、米国特許第2,494,903号、同3,128,182号、同4,230,796号、同3,253,919号、特公昭41−11431号、米国特許第2,482,546号、同2,596,926号及び同3,582,346号等の各公報または明細書に記載のアミン系化合物、特公昭37−16088号、同42−25201号、米国特許第3,128,183号、特公昭41−11431号、同42−23883号及び米国特許第3,532,501号等の各公報または明細書に表されるポリアルキレンオキサイド、その他1−フェニル−3−ビラゾリトン類またはイミダゾール類を必要に応じて添加することができる。それらの濃度は、発色現像処理液及びその補充液ともに1リットルあたり0.001〜0.2モル、好ましくは0.01〜0.05モルになるように発色現像組成物または発色現像濃縮組成物中の添加量を決めることが好ましい。
発色現像処理液には、必要に応じて、前記ハロゲンイオンのほかに、任意のカブリ防止剤を添加できる。有機カブリ防止剤としては、例えばベンゾトリアゾール、6−ニトロベンズイミダゾール、5−ニトロイソインダゾール、5−メチルベンゾトリアゾール、5−ニトロベンゾトリアゾール、5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−チアゾリル−ベンズイミダゾール、2−チアゾリルメチル−ベンズイミダゾール、インダゾール、ヒドロキシアザインドリジン、アデニンの如き含窒素ヘテロ環化合物を代表例として挙げられる。
また発色現像液には、必要に応じて、蛍光増白剤を使用することができる。蛍光増白剤としては、ビス(トリアジニルアミノ)スチルベンスルホン酸化合物が好ましい。ビス(トリアジニルアミノ)スチルベンスルホン酸化合物としては、公知もしくは市販のジアミノスチルベン系増自剤を用いることができる。公知のビス(トリアジニルアミノ)スチルベンスルホン酸化合物としては、例えば、特開平6−329936号、同7−140625号、同10−140849号などの公報に記載の化合物が好ましい。市販の化合物としては、例えば、「染色ノート」第9版(色染社),165〜168頁に記載されており、その中に記載されている化合物の中でも、Blankophor BSU liq.及びHakkol BRKが好ましい。
また、その他のビス(トリアジニルアミノ)スチルベンスルホン酸化合物としては特開2001−281823号公報の段落番号〔0038〕〜同〔0049〕に記載の化合物I−1〜I−48及び特開2001−281823号公報の段落番号〔0050〕〜同〔0052〕に記載の化合物II−1〜II−16を挙げることもできる。上記した蛍光増白剤の添加量としては、発色現像処理液及びその補充液ともに1リットルあたり0.1ミリモル〜0.1モルとなるように組成物または濃縮組成物中の添加量を決ることが好ましい。
また、本発明の発色現像濃縮組成物は、発色現像主薬を高濃度に含有させるためにpHは高く設定してあり、通常11.0〜13.5の範囲にあり、好ましくは12.0〜13.5の範囲にあり、より好ましくは12.5〜13.5の範囲である。それから調製される発色現像液や発色現像補充液はpH9.5以上、より好ましくは10.0〜12.5で用いられる。
また、カラーネガフィルム用の発色現像処理液では、通常臭素イオンを0.2×10-2〜15.0×10-2モル/リットル、好ましくは0.5×10-2〜5.0×10-2モル/リットル含有することが多いが、臭素イオンは、通常現像の副生成物として発色現像処理現像液に放出されるので補充液には添加不要のことが多い。また、沃素イオンを0.2×10-3〜15.0×10-3モル/リットル、好ましくは0.5×10-3〜5.0×10-3モル/リットル含有することが多いが、沃素イオンは、通常現像の副生成物として現像液に放出されることもあり、逆に未現像ハロゲン化銀に吸着して消費されることもあるので、発色現像処理液中の沃素イオン濃度を維持するために補充液には添加不要のこともあり、または補充液にも添加することもある。
また、本発明の処理方法で適用されうる発色現像の処理温度は、カラ−ネガの発色現像処理の場合は、現像温度は20〜55℃が好ましく、より好ましくは30〜55℃であり、更に好ましくは38〜45℃である。発色現像処理時間は、20秒〜6分が好ましく、より好ましくは30〜200秒である。補充量は少ない方が好ましいが、感光材料1m2当たり100〜800mlが適当であり、好ましくは200〜500ml、特に好ましくは250〜400mlである。なお、本発明でいう発色現像時間とは、感光材料が発色現像液中に入ってから次の処理工程の漂白液に入るまでの時間をいう。例えば、自動現像機などで処理される場合には、感光材料が発色現像液中に浸漬されている時間(いわゆる液中時間)と、感光材料が発色現像液を離れ、次の処理工程に向けて液外を搬送される時間(いわゆるクロスオーバータイム)との両者の合計を発色現像時間という。また、クロスオーバータイムは10秒以下が好ましく、より好ましくは5秒以下である。
上記の他にpHの調整の観点からアルカリ金属の水酸化物等を含有しても構わない。
本発明に係る発色現像組成物あるいは発色現像濃縮組成物の収納に適用できる容器の形態としては、特に制限はなく、ボトル容器形態、ピロー形態、スタンディングパウチ形態等、気密性が維持された任意の形態からなる容器を用いることができ、容器の材質としては、紙、ガラス、プラスティック等いかなる材質でもよいが、酸素透過係数が50ml/(m2・day・atm)以下であることが好ましく、より好ましくは20ml/(m2・atm・day)以下の包装材料である。酸素透過度の下限は、ゼロでも良いが、実際的な容器の密閉性を踏まえた下限は0.1ml/(m2・day・atm)程度である。本発明でいう酸素透過係数の測定は、常法に従い、JIS 1707で規定されている方法に準じて求めることができる。
次いで、本発明の処理方法で用いる漂白液、漂白補充液について説明する。
本発明に係る漂白液は、少なくとも1,3−プロパンジアミン4酢酸第2鉄錯塩を含有することを特徴とする。1,3−プロパンジアミン4酢酸第2鉄錯塩は、アミノポリカルボン酸第2鉄錯塩の中でも酸化力が強い化合物であり、本発明が解決すべき課題である漂白液中の沈殿物の発生は、このような酸化力の強い漂白剤を含有する漂白液において特に発生するため、本発明で規定した構成からなる処理方法をとることが特に有効となる。
本発明の処理方法において、漂白液中の1,3−プロパンジアミン4酢酸第2鉄錯塩の含有比(モル比)としては、漂白液中のアミノポリカルボン酸第2鉄錯塩に対し、0.30(mol/mol)以上であることが、本発明の目的効果をいかんなく発揮させる観点から好ましく、更に好ましくは0.80〜1.00(mol/mol)である。
本発明に係る漂白液において、1,3−プロパンジアミン4酢酸第2鉄錯塩と併用できるアミノポリカルボン酸第2鉄錯塩としては、鉄イオンとアミノポリカルボン酸が有機錯塩を形成する化合物である。主なアミノポリカルボン酸としては、例えば、エチレンジアミン4酢酸、ジエチレントリアミン5酢酸、エチレンジアミン−N−(β−オキシエチル)−N,N′,N′−3酢酸、1,2−ジアミノプロパン4酢酸、1,3−プロパンジアミン4酢酸、ニトリロ3酢酸、シクロヘキサンジアミン4酢酸、イミノ二酢酸、ジヒドロキシエチルグリシン、エチルエーテルジアミンテトラ酢酸、グリコールエーテルジアミン4酢酸、エチレンジアミン4プロピオン酸、フェニレンジアミン4酢酸、1,3−ジアミノプロパノール−N,N,N′,N′−4メチレンホスホン酸、エチレンジアミン−N,N,N′,N′−4メチレンホスホン酸、1,3−プロパンジアミン−N,N,N′,N′−4メチレンホスホン酸、ニトリロ2酢酸モノプロピオン酸、ニトリロモノ酢酸ジプロピオン酸、2−(ビス−カルボキシメチル−アミノ)−プロピオン酸、2−ヒドロキシ−3−アミノプロピオン酸−N,N−2酢酸、セリン−N,N−2酢酸、2−メチル−セリン−N,N−2酢酸、2−ヒドロキシメチル−セリン−N,N−2酢酸、ヒドロキシエチルイミノ2酢酸、メチルイミノ2酢酸、N−(2−アセトアミド)−イミノ2酢酸、ニトリロトリプロピオン酸、エチレンジアミン2酢酸、エチレンジアミン2プロピオン酸、1,4−ジアミノブタン4酢酸、2−メチル−1,3−ジアミノプロパン4酢酸、2−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン4酢酸、s,s−エチレンジアミンジコハク酸、クエン酸及びこれらのアルカリ金属塩(例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩)やアンモニウム塩などであるが、これらに限定されるものではない。
本発明では、迅速処理時における脱銀性の観点から、少なくとも1,3−プロパンジアミン4酢酸第2鉄錯塩を用いるが、それ以外に1種以上の化合物を併用しても良い。併用する化合物としては、エチレンジアミン4酢酸、ジエチレントリアミン5酢酸、s,s−エチレンジアミンジコハク酸の第2鉄錯塩が好ましい。
本発明の処理方法においては、特に連続処理を行う際に、漂白補充液の補充量が、ハロゲン化銀カラー感光材料1m2当たり140ml以上という多補充で行うことを特徴の1つとし、好ましくは140〜500mlであり、更に好ましくは140〜300mlである。
従来、発色現像液にヒドロキシルアミンを含有し、例えば、エチレンジアミン4酢酸第2鉄錯塩を用いた漂白液においては、補充量が多い処理が存在したが、エチレンジアミン4酢酸第2鉄錯塩自体の酸化力が弱いため、本発明で規定するハロゲン化銀カラー感光材料1m2当たり140ml以上という補充量で処理を行っても、漂白液中での沈殿物の生成という問題の発生はなかった。しかしながら、エチレンジアミン4酢酸第2鉄錯塩等を用いた漂白液では、近年の迅速化処理においては、十分な漂白能を維持することが難しいという課題を抱えていた。
本発明では、漂白能に優れた1,3−プロパンジアミン4酢酸第2鉄錯塩を含む漂白液を用い、かつ漂白槽の蒸発による濃縮化を防止するため、140ml/m2以上という多補充条件であっても、発色現像液として上述の本発明に係る構成からなる発色現像液とも組み合わせにより、漂白槽での沈殿物の生成が抑制され、漂白性能に優れ、処理汚れが低減したハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法を実現できた。
次いで、漂白液のその他の構成要素について説明する。
漂白液には、漂白促進剤として種々の化合物を用いることができる。例えば、リサーチディスクロージャー17129号(1978年7月号)に記載のメルカプト基またはジスルフイド結合を有する化合物や、チオ尿素系化合物、あるいは沃素、臭素イオン等のハロゲン化物が漂白力に優れる点で好ましい。
その他、漂白液には、臭化物(例えば、臭化カリウム)または塩化物(例えば、塩化カリウム)または沃化物(例えば、沃化アンモニウム)等の再ハロゲン化剤を含むことができる。必要に応じ硼砂、メタ硼酸ナトリウム、酢酸、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、酒石酸などのpH緩衝能を有する一種類以上の無機酸、有機酸およびこれらのアルカリ金属またはアンモニウム塩または、硝酸アンモニウム、グアニジンなどの腐蝕防止剤などを添加することができる。
本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法においては、露光を施したハロゲン化銀カラー写真感光材料を、本発明に係る発色現像処理液あるいは発色現像処理液濃縮液を用いた発色処理工程(発色現像液)に続いて、漂白工程(漂白液)、定着工程(定着液)、安定化工程(安定化液)を経て、乾燥する。
定着工程で用いる定着液に使用される定着剤は、公知の定着剤、即ちチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウムなどのチオ硫酸塩;チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸アンモニウムなどのチオシアン酸塩;エチレンビスチオグリコール酸、3,6−ジチア−1,8−オクタンジオールなどのチオエーテル化合物およびチオ尿素類などの水溶性のハロゲン化銀溶解剤であり、これらを一種あるいは二種以上混合して使用することができる。本発明においては、チオ硫酸、特にチオ硫酸アンモニウム塩の使用が好ましい。1リットルあたりの定着剤の量は、0.1〜5.0モルが好ましく、更に好ましくは0.3〜2.0モルの範囲である。定着液のpH領域は、3〜10が好ましく、更には5〜9が特に好ましい。
また、漂白液、定着液には、その他各種の蛍光増白剤や消泡剤あるいは界面活性剤、ポリビニルピロリドン、メタノール等の有機溶媒を含有させることができる。
漂白液、定着液には、保恒剤として亜硫酸塩、例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウム、などの添加が一般的であるが、その他、アスコルビン酸や、カルボニル重亜硫酸付加物、あるいは、カルボニル化合物等を添加してもよい。
更には緩衝剤、蛍光増白剤、キレート剤、消泡剤、防カビ剤等を必要に応じて添加してもよい。また、漂白液、定着液のアンモニウムカチオン濃度は作業性の点からは全カチオンに対して50mol%以下であること好ましいが、処理性の点からはアンモニウムカチオン濃度が50mol%以上であること好ましい。
また、本発明の処理方法に適用されうる、漂白工程の処理時間の合計は、15秒〜90秒であることが好ましい。ここでいう漂白工程に要する時間とは、該工程が複数槽を有する場合は、第1槽に感光材料が浸漬してから最終槽を出るまでの時間を指し、1槽の場合は、例えば後続するリンスまたは安定化液へ感光材料が浸漬するまでの時間を指し、その間のクロスオーバータイムを含むものとする。クロスオーバータイムは10秒以下が好ましく、より好ましくは5秒以下である。また、処理温度は25℃〜50℃であることが好ましい。
定着処理液の補充量は、600ml/m2以下が好ましく、より好ましくは20ml/m2〜500ml/m2である。また、定着工程の処理時間の合計は、15秒〜90秒であることが好ましい。ここでいう定着工程に要する時間とは、該工程が複数槽を有する場合は、第1槽に感光材料が浸漬してから最終槽を出るまでの時間を指し、1槽の場合は、例えば後続するリンスまたは安定化液へ感光材料が浸漬するまでの時間を指し、その間のクロスオーバータイムを含むものとする。クロスオーバータイムは10秒以下が好ましく、より好ましくは5秒以下である。また、処理温度は25℃〜50℃であることが好ましい。
本発明の処理方法に適用できるハロゲン化銀カラー写真感光材料としては、支持体上にハロゲン化銀感光性層を有する多種多様の写真要素、例えば、カラーネガフィルム、カラーリバーサルフィルム、カラーペーパー、並びにカラー映画フィルム等を挙げることができる。
本発明に係るハロゲン化銀カラー写真感光材料は、主に、支持体上に、イエロー色素形成カプラー含有青感光性ハロゲン化銀乳剤層、マゼンタ色素形成カプラー含有緑感光性含有ハロゲン化銀乳剤層、シアン色素形成カプラー含有赤感光性ハロゲン化銀乳剤層および非感光性親水性コロイド層のそれぞれ少なくとも一層ずつからなる写真構成層を有する。前記イエロー色素形成カプラーを含有するハロゲン化銀乳剤層はイエロー発色層として、前記マゼンタ色素形成カプラーを含有するハロゲン化銀乳剤層はマゼンタ発色層として、及び前記シアン色素形成カプラーを含有するハロゲン化銀乳剤層はシアン発色層として機能する。前記イエロー発色層、マゼンタ発色層及びシアン発色層に各々含有されるハロゲン化銀乳剤は、相互に異なる波長領域の光(例えば、青色領域、緑色領域及び赤色領域の光)に対して、感光性を有しているのが好ましい。感光材料は、イエロー発色層、マゼンタ発色層及びシアン発色層以外にも、所望により後述する非感光性親水性コロイド層として、アンチハレーション層、中間層及び着色層を有していてもよい。
以下、ハロゲン化銀カラー写真感光材料の代表的構成要素を説明する。
ハロゲン化銀カラー写真感光材料の代表的構成要素は、例えば、下記のリサーチ・ディスクロージャー(以下、RDと略す)にその詳細が記載されており、参考にすることができる。
ハロゲン化銀乳剤は、例えば、RDNo.17643、22〜23頁(1979年12月)の「1.乳剤製造法(Emulsion preparation and types)」、及びRDNo.18716、648頁、グラキデ著「写真の物理と化学」ポールモンテル社刊(P.Glkides,Chimie et Physique Photographique,Paul Montel,1967)、ダフィン著「写真乳剤化学」、フォーカルプレス社刊(G.F.Dauffin,Photographic Emulsion Chemistry Focal Press 1966)、ゼリクマン等著「写真乳剤の製造と塗布」、フォーカルプレス社刊(V.L.Zelikman etal,Making and coating Photographic Emulsion, Focal Press 1964)などに記載された方法を用いて調製することができる。乳剤は、米国特許3,574,628号、同3,665,394号及び英国特許1,413,748号などに記載された単分散乳剤も好ましい。
ハロゲン化銀乳剤には物理熟成、化学熟成及び分光増感を行うことができる。このような工程で使用される添加剤は、RDNo.17643、RDNo.18716及びRDNo.308119(それぞれ、以下、RD17643、RD18716及びRD308119と略す。)に記載されている。下記にその記載箇所を示す。なお、下記に記載の各数値は、記載されている頁を表す。
〔項目〕 〔RD308119の頁〕 〔RD17643〕〔RD18716〕
化学増感剤 996 III−A項 23 648
分光増感剤 996 IV−A−A、
B、C、D、 23〜24 648〜649
H、I、J項
強色増感剤 996 IV−A−E、J項
23〜24 648〜649
カブリ防止剤 998 VI 24〜25 649
安定剤 998 VI 24〜25 649
本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料に使用できる公知の写真用添加剤も、上記RDに記載されている。以下に関連のある記載箇所を示す。
〔項目〕 〔RD308119の頁〕〔RD17643〕〔RD18716〕
色濁り防止剤 1002VII−I項 25 650
色素画像安定剤 1001VII−J項 25
増白剤 998V 24
紫外線吸収剤 1003VIII−I項、
XIII−C項 25〜26
光吸収剤 1003VIII 25〜26
光散乱剤 1003VIII
フィルター染料 1003VIII 25〜26
バインダー 1003IX 26 651
スタチック防止剤1006XIII 27 650
硬膜剤 1004X 26 651
可塑剤 1006XII 27 650
潤滑剤 1006XII 27 650
活性剤・塗布助剤1005XI 26〜27 650
マット剤 1007XVI
現像剤(ハロゲン化銀カラー写真感光材料に含有)
1001XXB項
本発明に係る感光性層には、種々のカプラーを使用することが出来、その具体例は、上記RDに記載されている。以下に関連のある記載箇所を示す。
〔項目〕 〔RD308119の頁〕 〔RD17643〕
イエローカプラー 1001VII−D項 VIIC〜G項
マゼンタカプラー 1001VII−D項 VIIC〜G項
シアンカプラー 1001VII−D項 VIIC〜G項
カラードカプラー 1002VII−G項 VIIG項
DIRカプラー 1001VII−F項 VIIF項
BARカプラー 1002VII−F項
その他の有用残基放出 1001VII−F項
カプラー
アルカリ可溶カプラー 1001VII−E項
上記各添加剤は、RD308119XIVに記載されている分散法などにより、添加することが出来る。
本発明に係るハロゲン化銀カラー写真感光材料には、前述RD308119VII−K項に記載されているフィルター層や中間層等の補助層を設けることも出来る。
本発明に係るハロゲン化銀カラー写真感光材料は、前述RD308119VII−K項に記載されている順層、逆層、ユニット構成等の様々な層構成をとることが出来る。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
《現像処理》
〔発色現像補充液1〜6:1L当たり〕
亜硫酸ナトリウム 6.0g
炭酸カリウム 40.0g
ジエチレントリアミン5酢酸5ナトリウム 5.0g
臭化カリウム 0.26g
ヒドロキシルアミン硫酸塩(表1には、HASと略記する)
表1に記載の量(mol)
N−エチル−N−(ヒドロキシエチル)−3−メチル−4−アミノアニリン硫酸塩
6.5g
pH 10.70
水で1Lに仕上げ、50%硫酸または水酸化カリウムでpHを調整した。
〔発色現像開始液1〜6:1L当たり〕
亜硫酸ナトリウム 2.0g
炭酸カリウム 40.0g
ジエチレントリアミン5酢酸5ナトリウム 4.0g
臭化カリウム 1.5g
沃化カリウム 2.0mg
ヒドロキシルアミン硫酸塩(表には、HASと略記する)
表1に記載の量(mol)
N−エチル−N−(ヒドロキシエチル)−3−メチル−4−アミノアニリン硫酸塩
4.5g
pH 10.00
水で1Lに仕上げ、50%硫酸または水酸化カリウムでpHを調整した。
〔漂白液1〜7:1L当たり〕
開始液 補充液
1,3−プロパンジアミン4酢酸第2鉄アンモニウム(表には、PDTAと略記)
表1記載の濃度
エチレンジアミン4酢酸第2鉄アンモニウム(表には、EDTAと略記)
表1記載の濃度
1,3−プロパンジアミン4酢酸 5g 7g
臭化アンモニウム 60g 90g
マレイン酸 40g 60g
pH 4.5 3.5
水で1Lに仕上げ、pHはアンモニア水または50%硫酸で調整した。
〔定着液:1L当たり〕
開始液と補充液は同一組成
チオ硫酸アンモニウム 200g
亜硫酸ナトリウム 15g
エチレンジアミン4酢酸2ナトリウム 2g
pH 7.0
水を加えて全量1Lとし、50%硫酸またはアンモニア水でpHを調整した。
〔安定液:1L当たり〕
開始液と補充液は同一組成
m−ヒドロキシベンズアルデヒド 1.0g
エチレンジアミン4酢酸2ナトリウム 0.6g
β−シクロデキストリン 0.2g
炭酸カリウム 0.2g
pH 8.5
水を加えて全量1Lとし、50%硫酸またはアンモニア水でpHを調整した。
〔現像処理条件〕
上記調製した発色現像補充液及び発色現像開始液1〜6と漂白液1〜7を表1記載の組み合わせとし、下記の条件に従って、現像処理1−1〜1−19を行った。
〈処理工程〉 〈処理時間〉 〈処理温度〉 〈補充量〉
発色現像 3分15秒 38.5℃ 500ml/m2
漂白 45秒 38.0℃ 表1に記載の補充量
定着−1 45秒 38.0℃
定着−2 45秒 38.0℃ 600ml/m2
安定−1 30秒 38.0℃
安定−2 30秒 38.0℃
安定−3 30秒 38.0℃ 1000ml/m2
乾燥 1分00秒 55.0℃
〔露光及び現像処理〕
ランニング処理は、コニカミノルタフォトイメージング社製の自動現像機KP−46QAを用い、上記の構成からなる現像処理1−1〜1−17により、ハロゲン化銀カラー感光材料は、コニカカラーセンチュリアスーパー800、センチュリアスーパー400、センチュリアスーパー100(以上、コニカミノルタフォトイメージング社製)の35ミリサイズ24枚撮りのフィルムを、一眼レフカメラを用いて標準的な屋外デーライトシーンを撮影したものを、50:25:25の比率として、1日当たり10本づつ処理し、発色現像液の補充が処理タンク容量の3倍量の補充がなされるまで行った。
《各特性の評価》
(残留銀量の測定)
ランニング処理後のセンチュリアスーパー800の最大露光部を、分光光度計を用いて、波長1000nmにおける透過吸光度を測定した。この透過吸光度は、脱銀が不充分であると、残留した銀が1000nmの光を吸収するため、高い数値を示し、脱銀が充分であると、低い値を示す。
(漂白槽の沈殿物耐性の評価)
ランニング処理後の漂白タンク液の沈殿物の発生状況を目視観察し、下記の基準に従って沈殿物耐性の評価を行った。
◎:沈殿発生は全くなく、漂白液は澄明で、タンク壁面への汚れ付着も認められない
○:僅かにタンクが汚れているが、沈殿物はなく、漂白液は澄明である
△:沈殿の発生は認められないが、タンク内部に汚れがあり、液が僅かに濁っているが実用上許容の範囲にある
×:沈殿物が、タンクの底部に付着し、液も濁っており、実用上問題となる
××:沈殿物の堆積量が多く、かつ液もひどく濁っており、実用に耐えない
(汚れ付着耐性の評価)
ランニング処理後の各フィルムの表面への汚れの付着の有無について目視観察を行い、下記の基準に従って汚れ付着耐性の評価を行った。
◎:フィルム表面への汚れの付着が全く認められない
○:フィルム表面への汚れの付着がほぼ認められない
△:フィルム表面への汚れの付着が僅かに認められるが、プリント品質への影響はない
×:フィルム表面への汚れの付着が明らかに認められ、プリントにより画像ムラが認められる
××:フィルム表面への激しい汚れ付着が認められ、プリントすると強い画像ムラが認められる
以上により得られた結果を、表1に示す。
Figure 2005326452
表1に記載の結果より明らかなように、発色現像使用液がヒドロキシアルキル置換パラフェニレンジアミン現像主薬を含有し、かつヒドロキシルアミンの含有量が0.03mol/L以下で、かつ漂白液が1,3−プロパンジアミン4酢酸第2鉄錯塩を含有し、漂白補充液の補充量が140ml/m2以上である本発明の処理方法は、比較例に対し、連続処理を行っても、漂白能(脱銀性)と漂白槽中での沈殿物耐性の両立が図られ、かつ処理後のハロゲン化銀カラー感光材料への汚れ付着が少ないことが分かる。
これに対し、発色現像使用液がヒドロキシアルキル置換パラフェニレンジアミン現像主薬を含有し、かつヒドロキシルアミンの含有量が0.03mol/L以上で、かつ漂白液が1,3−プロパンジアミン4酢酸第2鉄錯塩を含有し、漂白補充液の補充量が140ml/m2未満の条件では、沈殿物の発生や汚れ付着の問題が顕在化していなかったが、補充量を140ml/m2以上の多補充にすることにより、それらの特性が劣化し、問題が発生することが分かる。
実施例2
《シングルパート発色現像濃縮キットの調製》
以下に示す発色現像濃縮組成物7〜12を調製し、これをスタンディングパウチに密封して、シングルパート発色現像濃縮キット7〜12を作製した。
〔発色現像濃縮組成物:1L当たり〕
亜硫酸ナトリウム 15g
炭酸カリウム 100g
ジエチレントリアミン5酢酸5ナトリウム 12.5g
ビス(スルホエチル)ヒドロキシルアミンジナトリウム 0.025mol
臭化カリウム 0.65g
ヒドロキシルアミン硫酸塩(表には、HASと略記する)
表2に記載のmolとなる量
N−エチル−N−(ヒドロキシエチル)−3−メチル−4−アミノアニリン硫酸塩
16.25g
pH 10.70
水で1Lに仕上げ、50%硫酸または水酸化カリウムでpHを調整した。
〔シングルパート発色現像濃縮キットの強制劣化処理及び発色現像補充液の調製〕
上記調製した各シングルパート発色現像濃縮キットを、50℃の恒温槽中で2ヶ月間保存したのち、水で2.5倍に希釈して、発色現像補充液7〜12を調製した。
《現像処理》
上記強制劣化処理を施したシングルパート発色現像濃縮キットより調製した各発色現像補充液を用いた以外は、実施例1に記載の方法と同様にして、現像処理2−1〜2−10を行った。なお、漂白補充液及び漂白開始液のアミノポリカルボン酸第2鉄錯塩の濃度、漂白補充量は、表2に記載の通りとした。
《各特性の評価》
上記調製した処理液により、実施例1に記載の方法に従ってランニング処理を行った後、実施例1に記載の方法と同様にして、残留銀量の測定、漂白槽の沈殿物耐性の評価及び汚れ付着耐性の評価を行い、得られた結果を表2に示す。
Figure 2005326452
表2に記載の結果より明らかなように、発色現像使用液がヒドロキシアルキル置換パラフェニレンジアミン現像主薬を含有し、かつヒドロキシルアミンの含有量が本発明で規定する量を含有するシングルパート発色現像濃縮キットを強制劣化処理して調製した発色現像補充液を用い、かつ漂白液が少なくとも1,3−プロパンジアミン4酢酸第2鉄錯塩を含有し、漂白補充液の補充量が140ml/m2以上である本発明の処理方法は、比較例に対し、連続処理を行っても、漂白能(脱銀性)と漂白槽中での沈殿物耐性の両立が図られ、かつ処理後のハロゲン化銀カラー感光材料への汚れ付着が少ないことが分かる。
実施例3
《現像処理》
〔発色現像補充液13〜18:1L当たり〕
亜硫酸ナトリウム 6.0g
炭酸カリウム 40.0g
ジエチレントリアミン5酢酸5ナトリウム 5.0g
臭化カリウム 0.26g
ヒドロキシルアミン硫酸塩(表には、HASと略記する) 0.03mol
一般式(1)で表される化合物 0.05mol
N−エチル−N−(ヒドロキシエチル)−3−メチル−4−アミノアニリン硫酸塩
6.5g
pH 10.70
水で1Lに仕上げ、50%硫酸または水酸化カリウムでpHを調整した。
〔発色現像開始液13〜18:1L当たり〕
亜硫酸ナトリウム 2.0g
炭酸カリウム 40.0g
ジエチレントリアミン5酢酸5ナトリウム 4.0g
臭化カリウム 1.5g
沃化カリウム 2.0mg
ヒドロキシルアミン硫酸塩(表には、HASと略記する) 0.03mol
一般式(1)で表される化合物 0.05g
N−エチル−N−(ヒドロキシエチル)−3−メチル−4−アミノアニリン硫酸塩
4.5g
pH 10.00
水で1Lに仕上げ、50%硫酸または水酸化カリウムでpHを調整した。
〔漂白液〕
実施例1で調製した漂白液開始液1、漂白液補充液1を使用。
〔定着液〕
実施例1に記載の定着液を使用。
〔安定液〕
実施例1に記載の安定液を使用。
〔現像処理条件〕
上記調製した各発色現像補充液及び発色現像開始液13〜18と、漂白液、定着液及び安定液を用いて、実施例1に記載の処理工程に従って、現像処理3−1〜3−6を行った。なお、漂白補充液の補充量は、140ml/m2で行った。
《各特性の評価》
上記調製した処理液により、実施例1に記載の方法に従ってランニング処理を行った後、実施例1に記載の方法と同様にして、残留銀量の測定、漂白槽の沈殿物耐性の評価及び汚れ付着耐性の評価を行い、得られた結果を表3に示す。
Figure 2005326452
表3に記載の結果より明らかなように、本発明で規定する構成からなる処理方法において、更に一般式(1)で表される化合物を添加することにより、連続処理をよる漂白能(脱銀性)、漂白槽中での沈殿物耐性、汚れ付着耐性がより一層向上していることが分かる。
実施例4
《シングルパート発色現像濃縮キットの調製》
以下に示す発色現像濃縮組成物19〜24を調製し、これをスタンディングパウチに密封して、シングルパート発色現像濃縮キット19〜24を作製した。
〔発色現像濃縮組成物:1L当たり〕
亜硫酸ナトリウム 15g
炭酸カリウム 100g
ジエチレントリアミン5酢酸5ナトリウム 12.5g
臭化カリウム 0.65g
ヒドロキシルアミン硫酸塩(表には、HASと略記する) 0.075mol
一般式(1)で表される化合物 0.125mol
N−エチル−N−(ヒドロキシエチル)−3−メチル−4−アミノアニリン硫酸塩
16.25g
pH 10.70
水で1Lに仕上げ、50%硫酸または水酸化カリウムでpHを調整した。
〔シングルパート発色現像濃縮キットの強制劣化処理及び発色現像補充液の調製〕
上記調製した各シングルパート発色現像濃縮キットを、50℃の恒温槽中で2ヶ月間保存したのち、水で2.5倍に希釈して、発色現像補充液19〜27を調製した。
《現像処理》
上記強制劣化処理を施したシングルパート発色現像濃縮キットより調製した各発色現像補充液を用いた以外は、実施例3に記載の方法と同様にして、現像処理4−1〜4−6を行った。
《各特性の評価》
上記調製した処理液により、実施例1に記載の方法に従ってランニング処理を行った後、実施例1に記載の方法と同様にして、残留銀量の測定、漂白槽の沈殿物耐性の評価及び汚れ付着耐性の評価を行い、得られた結果を表4に示す。
Figure 2005326452
表4に記載の結果より明らかなように、発色現像使用液がヒドロキシアルキル置換パラフェニレンジアミン現像主薬を含有し、かつ規定量のヒドロキシルアミンの含有するシングルパート発色現像濃縮キットを強制劣化処理して調製した発色現像補充液が、更に一般式(1)で表される化合物を含有することにより、連続処理をよる漂白能(脱銀性)、漂白槽中での沈殿物耐性、汚れ付着耐性がより一層向上していることが分かる。

Claims (8)

  1. 発色現像工程、漂白工程を経て現像処理するハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法において、該発色現像工程で用いる発色現像使用液がヒドロキシアルキル置換パラフェニレンジアミン現像主薬を含有し、かつヒドロキシルアミンの含有量が0.03mol/L以下であり、該漂白工程で用いる漂白液が少なくとも1,3−プロパンジアミン4酢酸第2鉄錯塩を含有し、かつ漂白補充液の補充量が140ml/m2以上であることを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法。
  2. 前記発色現像工程で用いる発色現像補充液が、ヒドロキシルアミン含有量が下記で規定する範囲にあるシングルパート構成の発色現像液濃縮組成物を希釈して調製されたことを特徴とする請求項1に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法。
    発色現像液濃縮組成物中のヒドロキシルアミン含有量(mol/L)/濃縮率≦0.03(mol/L)
    なお、濃縮率は、(発色現像液濃縮組成物から希釈により調製された発色現像補充液の容量/発色現像液濃縮組成物の容量)で表す。
  3. 前記漂白液中のアミノポリカルボン酸第2鉄錯塩に対する前記1,3−プロパンジアミン4酢酸第2鉄錯塩のmol比率(mol/mol)が、0.30以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法。
  4. 前記漂白液中のアミノポリカルボン酸第2鉄錯塩に対する1,3−プロパンジアミン4酢酸第2鉄錯塩のmol比率(mol/mol)が、0.80以上であることを特徴とする請求項3に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法。
  5. 前記発色現像使用液が、下記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法。
    一般式(1)
    HO−N−(X−A)2
    〔式中、Xは置換されていても良いアルキレン基を表し、Aはカルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アミノ基、アンモニオ基、スルファモイル基またはアルキルスルホニル基を表す。これらは塩の形であっても良い。〕
  6. 前記一般式(1)で表される化合物の少なくとも1種が、ビス(スルホエチル)ヒドロキシルアミンまたはその塩であることを特徴とする請求項5に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法。
  7. 前記発色現像使用液及び発色現像補充液のヒドロキシルアミン含有量が、各々0.02mol/L以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法。
  8. 前記発色現像使用液及び発色現像補充液が、ヒドロキシルアミンを含有しないことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法。
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