JP2003098640A - 写真現像液用液体調合処理剤 - Google Patents

写真現像液用液体調合処理剤

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JP2003098640A
JP2003098640A JP2001289052A JP2001289052A JP2003098640A JP 2003098640 A JP2003098640 A JP 2003098640A JP 2001289052 A JP2001289052 A JP 2001289052A JP 2001289052 A JP2001289052 A JP 2001289052A JP 2003098640 A JP2003098640 A JP 2003098640A
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developing
container
processing
acid
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JP2001289052A
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English (en)
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Hideaki Nomura
秀昭 野村
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 現像主薬を含むパートが生分解性の容器内に
収納されており、しかも長期間にわたる、とりわけ高温
多湿環境下の保存・保管中においても、減感を引き起こ
さないハロゲン化銀感光材料用の写真現像液用液体調合
処理剤を提供すること。 【解決手段】 現像主薬を含有するパートがポリエチレ
ンスクシネートを主成分とするプラスチックによって造
られた容器に収納されたハロゲン化銀写真用の現像液用
液体調合処理剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハロゲン化銀写真
感光材料(以下、単に感光材料と記すこともある)の写
真用調合処理剤(以後、単に処理剤と記すこともある)
に関するものであり、特に現像液用液体調合処理剤の容
器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、一般ユーザーへの迅速サービスや
写真店と現像所間の集配輸送の合理化のために写真店の
店頭に設置して写真感光材料の処理を行うミニラボと称
する自動現像処理機が急激に普及している。ミニラボ用
処理剤としては、主に液体濃縮物が供給されており、こ
の濃縮物は、メーカーが出荷してユーザーに引き渡され
るまでの流通過程は勿論ユーザーが保存する際にも、各
種容器に収納されている。このハロゲン化銀カラー写真
感光材料の処理剤用容器としては、酸化され易いカラー
現像液を収納する場合には、PET(ポリエチレン・テ
レフタート)や塩化ビニルあるいはガラス等の硬質の容
器が一般的で、とくにポリエチレン製の容器が多く用い
られている。
【0003】近年、地球規模での環境汚染が国際的な問
題となっており、その汚染の一因としてプラスチック廃
棄物などの都市ごみがクローズアップされている。そこ
で、使用済みのプラスチック容器は、リサイクル、再
生、又は環境に悪影響を及ぼすことなく廃棄可能である
ことが望まれる。
【0004】このため、非生分解性のポリエチレン容器
に代わる写真処理剤用の生分解性プラスチック容器とし
て、特開平4-249247号公報には、ICI社製
「Biopol」で造られた容器が、特開平8-339
062号広報には、ヒドロキシブチレート・ヒドロキシ
バリレートのポリマー材料の容器が、また、特開平9-
258392号公報には、脂肪族ポリエステル形の結晶
性プラスチック容器が、それぞれ開示されている。生分
解性プラスチック製の容器は、回収、リサイクルを行な
わないで、廃棄された場合でも、環境中の微生物で生分
解されるため、環境汚染を引き起すことはない。
【0005】一方、最近の店頭処理の普及から、迅速処
理や補充量の低減が益々重要となってきており、これら
を達成するために各処理液は益々活性の高いものが使用
されるようになって来た。また、キットの取り扱い性や
輸送コストの軽減からも濃縮、小容積の処理剤が望まれ
ている。そのために液体処理剤の濃度は、一層高濃度化
が進みつつある。
【0006】ところで、生分解性プラスチックで造られ
た容器に、現像主薬パートを収納した濃厚液体処理剤
は、容器に収納された形態で現像所などに長期間保管さ
れた後、それを用いてランニング(当業界では現像槽中
の現像液を新液に入れ換えることなく定常的に補充しな
がら処理を行なうことをランニングと呼んでいる)処理
を行なうと、処理された感光材料の感度が低下するとい
う重大な欠陥が見出された。とりわけ、現像主薬パート
の現像主薬が高度に濃厚化されている場合や、処理剤の
保管環境が、高温、高湿度であるとこの現像液劣化が顕
著に現れる。このような現像液(とくに高濃度現像液)
の生分解性プラスチック容器に起因する感度低下現象
は、上記したヒドロキシブチレート・ヒドロキシバリレ
ートポリマーの容器や、ポリ乳酸の容器などに著しく見
られ、ポリブチレンスクシネート容器では、その程度は
軽減されるが、なお不十分である。
【0007】高濃度化した現像処理剤を生分解性のプラ
スチック容器に収納した現像処理剤は、迅速・低補充処
理、取り扱い性、環境適性などの視点から利点の大きい
処理剤であるので、その弱点である経時安定性の不足、
とくに高温、高湿の環境下で長期間おかれたときの経時
減感を解決して実用価値を高めることが強く望まれてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑みてなされたものであり、その目的は、少なくとも現
像主薬を含むパートが生分解性の容器内に収納されてお
り、しかも長期間にわたる、とりわけ高温多湿環境下の
保存・保管中においても、減感を引き起こさないハロゲ
ン化銀感光材料用の写真現像液用液体調合処理剤を提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意研究の
結果、ポリエチレンスクシネートを主成分とするプラス
チック材料が成形可能であって、かつそれを用いた容器
が、上記の課題を解決できることを見出し、それに基づ
いて本発明に到達した。すなわち、本発明は下記のとお
りである。
【0010】1.ハロゲン化銀写真用の現像液用処理組
成物を容器に収納してなる写真現像液用液体調合処理剤
であって、現像主薬を含有するパートがポリエチレンス
クシネートを主成分とするプラスチックによって造られ
た容器に収納されていることを特徴とする写真現像液用
液体調合処理剤。
【0011】2.前記ポリエチレンスクシネートを主成
分とするプラスチックによって造られた容器が、ポリエ
チレンスクシネートを単一のプラスチックとして造られ
た容器であることを特徴とする上記1に記載の写真現像
液用液体調合処理剤。
【0012】3.前記現像主薬がp−フェニレンジアミ
ン誘導体又はその塩であることを特徴とする上記1又は
2に記載の写真現像液用液体調合処理剤。
【0013】4.前記現像主薬を含有するパートが置換
ヒドロキシルアミンをも含有していることを特徴とする
上記1〜3のいずれかに記載の写真現像液用液体調合処
理剤。
【0014】本発明の写真現像液用液体調合処理剤は、
少なくとも現像主薬を含有するパートをポリエチレンス
クシネートを主成分とするプラスチック容器に収納した
ことを特徴とする。ポリエチレンスクシネートを主成分
としたプラスチック容器は、発色現像主薬を含有するパ
ートを含む写真用現像処理剤の輸送中や、長期間にわた
る、とりわけ高温多湿環境下の保存・保管中において
も、現像感度の低下が抑止されている。また、この容器
材料は、成形が可能であり、通常の射出ブロー成形やブ
ロー成形によって、安価に製造することができる。しか
も、この容器材料は、生分解性でもあるので、あえて回
収・リサイクルをすることなく、廃棄することもでき
る。さらに、衝撃を吸収するある程度の柔軟性を具備さ
せることができるので、輸送適性も備えている。すなわ
ち、ポリエチレンスクシネートを主成分としたプラスチ
ック容器は、処理剤の保管に係る上記した本発明の課題
を解決するだけでなく、環境適性、取り扱い性、製造適
性などの面でも優れた特性を示している。
【0015】上記のポリエチレンスクシネートを主成分
としたプラスチック容器の中でも、ポリエチレンスクシ
ネートを単一のプラスチック材料として造られた容器
が、とくに現像主薬、とりわけ発色現像主薬、を含有す
るパートの保存・保管中の劣化を防止して、顕著な安定
化効果を発揮する。経時による処理剤の劣化は、感光材
料をランニング処理しているときに、写真性能の維持管
理上のトラブルとなるので、本発明の写真現像液用液体
調合処理剤が、現像補充用処理剤であるときにとくに発
明の効果が大きい。また、カラー現像液には、発色現像
主薬とともに置換ヒドロキシルアミンを保恒剤として含
有することが多いが、その場合に置換ヒドロキシルアミ
ンを発色現像主薬を含有するパートに含ませるときに、
とくに処理剤の経時による劣化が低減されて発明の効果
が顕著となる。本発明の写真現像液用液体調合処理剤
は、ハロゲン化銀カラー感光材料用の処理剤に適用する
場合に、効果がとくに大きいが、本発明はこれらのカラ
ー感光材料に限定されることなく、広く一般のハロゲン
化銀感光材料の現像液用液体調合処理剤に有効に適用さ
れる。以下に本発明をさらに詳細に説明する。
【0016】
【発明の実施の形態】写真用液体調合処理剤は、ユーザ
ーの使用の便宜のために、処理に使用する各処理液を薬
品処方にしたがって、予め調合して、液体の形態で供給
される処理剤である。この処理剤は、単薬構成のもの、
複数化合物の混合組成のものなどから構成されている
が、保管,輸送,使用などの便宜上、同一処理槽に用い
られる化合物を一つ又は複数のパートに構成した形態の
各工程用処理剤、同一処理に用いられる各工程用処理剤
を一まとめにしたキット形態のものを含んでいる。な
お、ここでいうパートとは、当業界で通常用いられ、か
つ国際規格(ISO5989)でも定義されているよう
に、処理組成物処方を構成する部分構成処理組成物を指
しており、一つの処理剤に組みこまれた各パートを一つ
の溶液に溶解することによって当該処理液が得られるよ
うに構成されている。現像液用液体調合処理剤は、現像
処理槽に用いられる化合物を一つ又は複数のパートに調
合した処理剤で、上記キットの構成要素として、あるい
は現像工程用の単独の現像処理剤として供給される。液
体調合処理剤は、1パート構成のものはそのまま、又は
水希釈して、複数パート構成のものは各パートを混合し
て水希釈することによって処理液が調製されるように調
合された液体組成物と、それを収納する容器から構成さ
れる。
【0017】本発明の写真現像液用液体調合処理剤は、
ポリエチレンスクシネートを主成分とするプラスチック
容器に現像主薬を含有する処理組成物パートが収納され
ていることを特徴としているので、以下、容器、処理組
成物及び処理、対象となる感光材料について順次説明す
る。
【0018】まず、容器から説明する。前記のように、
本発明は、現像主薬含有パートを収納するのに用いる容
器が、ポリエチレンスクシネートを主成分とするプラス
チックで造られていることを特徴としており、これによ
って収納された現像主薬含有パートが長期間安定に保存
される。ポリエチレンスクシネートを主成分とするプラ
スチックは熱可塑性であって加熱溶融して容器本体を成
形して作ることができる。ポリエチレンスクシネートを
主成分とするプラスチック容器は、処理剤のキットやパ
ートの構成にしたがって、袋、ボトルなどの形態で用い
られる。
【0019】本発明に用いられる現像主薬含有パート用
の容器は、ポリエチレンスクシネートを主成分とする。
すなわち、ポリエチレンスクシネートのほか、ポリエチ
レンスクシネートとポリエチレンカーボネート及び/又
はポリエチレンアジペートとの共重合体も用いることが
できる。具体的には、ポリエチレンスクシネート、ポリ
エチレンスクシネートカーボネート、ポリエチレンスク
シネート/アジペートを挙げることができる。好ましい
容器材料は、ポリエチレンスクシネートを単一の構成プ
ラスチックとする容器である。共重合体の場合のエチレ
ンスクシネートの構造単位は、共重合体の少なくとも5
0モル%であり、好ましくは60モル%以上であり、よ
り好ましくは70モル%以上である。
【0020】ポリエチレンスクシネートは、ルナーレS
E(日本触媒(株))の商品名で市販されており、容器
も市中のプラスチックボトル製造業者に委託して入手す
ることができる。
【0021】ポリエチレンスクシネートの容器材料に
は、本発明の目的を損わない範囲で、耐熱安定剤、耐候
安定剤、改質剤、滑剤、着色剤、充填剤などを配合する
ことができる。それらの配合成分には、カーボンブラッ
クやチタンホワイト、カルシウムシリケート、シリカな
どアルカリ性現像組成物組成物に悪影響しない顔料、炭
酸カルシウム、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフ
ェノール(BHT)などの添加剤、ジセチルサルファイ
ド、トリス(ラウリルチオ)フォスファイト、その他ア
ミン系、チオエーテル系、フェノール系などの既知の酸
化防止剤、ステアリン酸又はその金属塩などのすべり
剤、2−ハイドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾ
フェノンを始めとするポリエチレンスクシネートに相溶
性のある既知の紫外線吸収剤、ポリエチレンスクシネー
トに相溶性のある既知の可塑剤などが挙げられる。これ
らの配合成分の総量は、容器材料の混和物の総量の50
%以下であることが望ましい。好ましくはポリエチレン
スクシネートの比率が85%以上で可塑剤を含まないも
のがよく、より好ましくはポリエチレンスクシネートの
比率が95%以上で可塑剤を含まないものがよい 。
【0022】本発明に用いる典型的な容器は、ある程度
の柔軟性と衝撃吸収性を有する容器本体とこの容器本体
から突出した硬質の口部とを有する。また、写真用処理
組成物組成物を封入するため、口部は、これに螺合する
キャップ(蓋部材)の着脱により上部開口部が開閉され
るように構成されている。本発明に係る容器は、上記し
た材料で造られたもので、容器の開口部から液体調合処
理組成物が流動性を持って排出されるものである限り、
形状は、問わないが、例えば従来から一般に用いられて
いる角形の広口容器(図1参照)あるいは丸形の広口容
器(図2参照)が含まれる。そのほかには、例えば特開
平2000-2973号及び2000-3014号の各公
報に開示されている自動現像機に装着されて自動開栓さ
れて自動調液が可能な使用形態の容器(図3参照)も含
まれる。また、インフレーション法や射出延伸成形法に
よって成形したフィルムを用いた袋状容器にも本発明が
適用できる。その代表例は、当業界で、キュビテナの名
で呼ばれて汎用されているカードボードで裏打ちした袋
状容器である。
【0023】ポリアルキレンスクシネートの容器の製造
は、熱溶融して、ブロー成形や射出ブロー成形あるいは
インフレーション成形によって行なわれる。また、キャ
ップは、射出成形によって作ることができる。
【0024】上記の自動現像機に装着可能に設計された
処理剤容器の典型的な一例を、図3にしたがって説明す
ると、処理組成物組成物を流出させる口部1300と、
前記口部を閉塞する蓋1310及びシール部材(130
8と1316の組み合わせ)と、口部と対向する側に設
けられた底部と、口部と底部に挟まれて処理組成物組成
物を実質的に収納する柱状部1302と、柱状部と口部
を結合する肩部1304と、からなる写真処理組成物組
成物用の容器であって、その柱状部の底面への投影面
は、長辺の長さが多くの場合40〜100mmでかつ長辺
に対する短辺の比が0.7〜1.0の長方形又は正方
形、若しくは内径が多くの場合40〜100mmの円形で
あり、柱状部の高さの上記長辺又は内径に対する比は、
2.0〜4.0倍であり、肩部の柱状部から口部へ向け
てなす傾斜角(底面となす角度)は15〜45°であ
り、密度が1.34のポリエチレンスクシネートを単一
の構成樹脂として作られたものであって、写真処理剤組
成物を充填したまま、口部を下にして自動現像機に装着
しされ、容器内の写真処理組成物組成物を補充液貯留槽
へ排出し、空になった容器内部を洗浄される。
【0025】口部1300は、略円筒状に形成され、そ
の肩部1304との境界部には、現像機装着部への固定
を安定化するために円形又は角形状のフランジ部を設け
ていることも好ましい。この口部1300は、ブロー成
形又は射出ブロー成形により容器本体柱状部1302と
一体的に形成されるのであるが、その際この口部130
0の部分は容器本体柱状部1302より径が小さいため
に容器本体12より厚肉となるように形成することがで
き、これがため、口部1300はある程度固くなるよう
に形成されている。ここで、口部1300及びこれらの
近傍を含む口元部の平均肉厚は、好ましくは0.5〜4
mm,より好ましくは0.5〜3mm,特に好ましくは
1.2mm〜2.5mmとなるように形成され、容器本
体12の平均肉厚は、好ましくは0.1mm〜1.5m
m,より好ましくは0.2mm〜0.7mm,特に好ま
しくは0.3mm〜0.5mmとなるように形成され、
両者の差が好ましくは0.2mm,より好ましくは0.
5mm程度になるようにされる。更に、口元部の平均肉
厚と本体部の平均肉厚との比は、2.0〜10.0程度
とすることが望ましい。このようすることにより、使用
性を損なうことなく、総重量を減少させることができ
る。
【0026】この口部1300の上端部の外周には、雄
ねじ部1306が形成されており、この雄ねじ部130
6に螺合する雌ねじ部がその内壁に形成された硬質の蓋
部材としてのキャップ1310が螺合され、口部130
0の上部開口が開閉されるようになっている。キャップ
1310は、ポリエチレンスクシネートを成形したもの
が好ましいが、容器本体の口部1300との螺合性(液
蜜性)をよくするために他のプラスチック材料、例え
ば、ポリプロピレン或いは高密度ポリエチレン(HDP
E)により形成してもよい。高密度ポリエチレンとして
は、例えば密度が0.940g/ccより大きいもの,
好ましくは0.940g/ccより大きく0.98g/
cc以下のものを用いることができる。
【0027】以上、自動開栓、自動調液付きのミニラボ
現像機に装着可能の容器について図3によって容器の形
状を説明したが,従来汎用の形状の図1及び図2容器の
容器も、キャップ1310が筒形ではなく、封口形であ
ってシール部材1308と1316が不要であること
と、各部材寸法が目的に応じて、上記よりも広く選択で
きることを除けば、図3について述べたことが、実質的
に当てはまる。
【0028】容器の酸素透過性は、0.003ml/m
2 ・s・MP(25℃、 65%RH)以下、好ましく
は、0.0015ml/m2 ・s・MP(25℃、 6
5%RH)以下であり、その下限は容器の取り扱い性、
経済性などの制約が許す範囲で決められる。尚、酸素透
過係数は「O2パーミエイション オブ プラスチック
コンティナー、モダーンパッキング(O2 permeation
of plastic container, Modern Packing; N.J. Calyan,
1968)の12月号第143〜145頁に記載の方法に
より測定することができる。
【0029】容器の水分(湿分)透過係数は、0.00
4ml/m2 ・s・MP(25℃、65%RH)以下、
好ましくは、0.002ml/m2 ・s・MP(25
℃、65%RH)以下であり、その下限は容器の取り扱
い性、経済性などの制約が許す範囲で決められる。水分
透過量は、カップ法で測定したものであり、実験的に求
めたものである。
【0030】しかしながら,本発明において、容器材料
の材料物性としての酸素透過性及び水分透過性が低いこ
とは必要条件ではなく、成形された容器そのものの酸素
透過性及び水分透過性が低いことが必要条件である。こ
れは、容器の強度、形状、成形性、結晶化度などから決
められる器壁の全面積にわたる平均酸素及び水分透過速
度が低いことが必要である。
【0031】なお、図1、図2及び図3では、容器本体
の軸直交断面形状が円形又は方形である場合を例示した
が、本発明はこれに限定されるものではなく、容器本体
の断面形状を、例えば楕円状に形成してもよい。このよ
うに容器本体の断面形状を楕円状にした場合には、同一
高さ寸法で楕円の短半径がその直径と同一となる円形の
容器と比べて大きな容量の液を充填することが可能とな
り、また、相当大きな容量(例えば2リットル〜5リッ
トル)の容器であっても手で掴むことができるようにな
る。また、写真用処理液の場合、いくつかの種類の容器
を組み合わせて同時に一つの箱に収納することが多い
が、このような場合にも、容器本体の軸直角断面形状が
円形より楕円形の容器の方がデッドスペースが少なくて
効率よい箱詰めが可能である。
【0032】容器本体の軸直交断面形状は、四角形状,
長方形状,六角形状,八角形状等の多角形にしても楕円
状にしてもよく、特に、軸直交断面形状を六角形状にし
た場合には、これを多数箱詰めにする等の場合には、い
わゆるハニカム状に配置することにより、四角形状,長
方形状と同様に効率のよい箱詰めが可能となる。
【0033】次ぎに現像液用の液体調合処理剤の使用形
態について、概略説明する。液体調合処理組成物の具体
的溶解方法としては、一旦補充タンク等に貯めた水に溶
解してから補充液を調製して、その補充液を処理タンク
に補充する方法と、処理タンクに補充水と共に直接投入
して溶解する方法等が挙げられる。前者の場合補充タン
クが処理タンクとは別に必要になってくるので、スペー
スをとることになる。後者の方がスペースをとらないの
でより好ましい。
【0034】現像液用の液体調合処理剤を自動現像機に
供給する好ましい一形態には、処理された感光材料の面
積を自動現像機の感光材料挿入口に付けた検出装置によ
り積算し、一定単位に達したら、補充液の所定量を現像
槽に添加するか(補充液調製方式の場合)、処理組成物
を所定量ずつ自動現像機の処理槽部に直接補給する(直
接添加方式の場合)方式がある。後者の場合は補充液濃
度に見合う希釈用の水も添加され、また、複数パートか
ら構成されている場合は各パートについて直接補給がな
される。処理される感光材料の面積検出装置は、一般に
従来から用いられているマイクロスイッチ方式、赤外線
方式、超音波方式のいずれでも良く、確実に処理される
感光材料を検出できればよい。
【0035】補充液あるいは液体調合処理組成物の補給
方法については、自動現像機処理槽部、例えば処理液タ
ンク、及び処理液循環系又は温度調節槽及び処理液濾過
フィルター部等に補充液を注加あるいは処理剤組成物を
直接補給する。
【0036】更に液体調合処理組成物の補給部は、自動
現像機の処理槽部や外気の温度及び処理される感光材料
による処理液の飛散したものが補給前に処理組成物と接
触しないように工夫されていることが更に好ましい。
【0037】以上で本発明の現像液用液体調合処理剤の
容器、包装形態及び使用形態について説明したので、つ
ぎに各処理剤の構成成分組成物について説明する。本発
明の液体調合処理剤は、カラー写真感光材料用、黒白写
真感光材料用のいずれの処理剤にも、あるいは撮影用、
プリント用の処理剤のいずれにも適用できる。
【0038】カラー現像組成物の構成成分について、説
明する。カラー現像主薬としては、好ましい例は公知の
芳香族第1級アミンカラー現像主薬、とくにp−フェニ
レンジアミン誘導体であり、代表例を以下に示すがこれ
らに限定されるものではない。
【0039】 1)N,N−ジエチル−p−フェニレンジアミン 2)4−アミノ−3−メチルーN,N−ジエチルアニリ
ン 3)4−アミノ−N−(β−ヒドロキシエチル)−N−
メチルアニリン 4)4−アミノ−N−エチル−N−(β−ヒドロキシエ
チル)アニリン 5)4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−
ヒドロキシエチル)アニリン 6)4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(3−
ヒドロキシプロピル)アニリン 7)4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(4−
ヒドロキシブチル)アニリン 8)4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−
メタンスルホンアミドエチルアニリン 9)4−アミノ−N,N−ジエチル−3−(β−ヒドロ
キシエチル)アニリン 10)4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β
−メトキシエチル)アニリン 11)4−アミノ−3−メチル−N−(β−エトキシエ
チル)−N−エチルアニリン 12)4−アミノ−3−メチル−N−(3−カルバモイ
ルプロピル−N−n−プロピル−アニリン 13)4−アミノ−N−(4−カルバモイルブチル−N
−n−プロピル−3−メチルアニリン 15)N−(4−アミノ−3−メチルフェニル)−3−
ヒドロキシピロリジン 16)N−(4−アミノ−3−メチルフェニル)−3−
(ヒドロキシメチル)ピロリジン 17)N−(4−アミノ−3−メチルフェニル)−3−
ピロリジンカルボキサミド
【0040】上記p−フェニレンジアミン誘導体のうち
特に好ましくは例示化合物5),6),7),8)及び
12)であり、その中でも化合物5)と8)が好まし
い。また、これらのp−フェニレンジアミン誘導体は、
固体素材の状態では、通常硫酸塩、塩酸塩、亜硫酸塩、
ナフタレンジスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩
などの塩の形である。現像液用調合処理組成物は、使用
に際して定められた比率で水と混合されて現像液又は現
像補充液(以後現像液と現像補充液を区別することが格
別の意味をまたない場合は、両者を併せて現像液とい
う。また、現像組成物と現像補充組成物についても同様
である)の形の使用液にして用いる。処理組成物中の芳
香族第1級アミン現像主薬含有量は、使用液中の該現像
主薬の濃度は現像液1リットル当たり2ミリモル〜20
0ミリモル、好ましくは6ミリモル〜100ミリモル、
より好ましくは10ミリモル〜40ミリモルとなるよう
に加えられる。
【0041】カラー現像組成物には、対象とする感光材
料の種類によって少量の亜硫酸イオンを含んだり、ある
いは実質的に含まない場合もあるが、本発明において
は、亜硫酸イオンを少量含むことが好ましい。亜硫酸イ
オンは顕著な保恒作用を持つ反面、過剰の場合にはカラ
ー現像の過程で写真的性能に好ましくない影響をあたえ
ることもある。また、ヒドロキシルアミンを少量含有し
てもよい。ヒドロキシルアミン(通常塩酸塩や硫酸塩の
形で用いるが、以下塩の形を省略する)を含んでいる
と、亜硫酸イオンと同様に現像液の保恒剤として作用す
るが、同時にヒドロキシルアミン自身の銀現像活性のた
めに写真特性に影響することもあるので、この添加量も
少量に留める必要がある。
【0042】カラー現像組成物には、保恒剤として前記
ヒドロキシルアミンや亜硫酸イオンのほかにも、有機保
恒剤を添加してもよい。有機保恒剤とは、感光材料の処
理液へ含ませることで、芳香族第一級アミンカラー現像
主薬の劣化速度を減じる有機化合物全般を指している。
即ち、カラー現像主薬の空気酸化などを防止する機能を
有する有機化合物類であるが、中でも、前記のヒドロキ
シルアミン誘導体をはじめ、ヒドロキサム酸類、ヒドラ
ジド類、フェノール類、α−ヒドロキシケトン類、α−
アミノケトン類、糖類、モノアミン類、ジアミン類、ポ
リアミン類、四級アンモニウム塩類、ニトロキシラジカ
ル類、アルコール類、オキシム類、ジアミド化合物類、
縮環式アミン類などが特に有効な有機保恒剤である。こ
れらは、特開昭63−4235号、同63-30845号、同63-21647
号、同63-44655号、同63-53551号、同63-43140号、同63
-56654号、同63-58346号、同63-43138号、同63−146041
号、同63-44657号、同63-44656号、米国特許第3,615,50
3 号、同2,494,903 号、特開昭52−143020号、特公昭48
-30496号などの各公報又は明細書に開示されている。
【0043】その他保恒剤として、特開昭57-44148号及
び同57-53749号公報に記載の各種金属類、特開昭59−18
0588号公報に記載のサリチル酸類、特開昭54−3532号公
報に記載のアルカノールアミン類、特開昭56-94349号公
報に記載のポリエチレンイミン類、米国特許第3,746,54
4 号明細書等に記載の芳香族ポリヒドロキシ化合物等を
必要に応じて含有しても良い。特に、例えばトリエタノ
ールアミンやトリイソプロパノールアミンのようなアル
カノールアミン類、ジスルホエチルヒドロキシルアミ
ン、ジエチルヒドロキシルアミンのような置換又は無置
換のジアルキルヒドロキシルアミン、あるいは芳香族ポ
リヒドロキシ化合物を添加してもよい。前記の有機保恒
剤のなかでも置換ヒドロキシルアミンの詳細について
は、特開平1-97953 号、同1-186939号、同1-186940号、
同1-187557号公報などに記載されている。とりわけ、置
換ヒドロキシルアミンとアミン類をともに添加すること
も、カラー現像液の安定性の向上、連続処理時の安定性
向上の点で効果的なこともある。前記のアミン類として
は、特開昭63−239447号公報に記載されたような環状ア
ミン類や特開昭63−128340号公報に記載されたようなア
ミン類やその他特開平1-186939号や同1-187557号公報に
記載されたようなアミン類が挙げられる。処理剤中の補
恒剤の含有量は、補恒剤の種類によって異なるが、一般
に使用液中の濃度が現像液1リットル当たり1ミリモル
〜200ミリモル、好ましくは10ミリモル〜100ミ
リモルとなるように加えられる。
【0044】カラー現像組成物には、例えばカラーペー
パー用の現像組成物は必要に応じて塩素イオンを添加し
てもよい。カラー現像液(とくにカラ−プリント材料用
現像剤)は、通常塩素イオンを3.5 ×10-2〜1.5 ×10-1
モル/リットル含有することが多いが、塩素イオンは、
通常現像の副生成物として現像液に放出されるので補充
用現像組成物には添加不要のことも多い。撮影用の感光
材料用の現像組成物では塩素イオンを含まなくてもよ
い。
【0045】臭素イオンに関しては、カラー現像液中の
臭素イオンは、撮影用材料の処理では1〜5x10-3
ル/リットル程度、また、プリント材料の処理では、
1.0×10-3モル/リットル以下であることが好ましい。
しかし、カラー現像組成物には、上記の塩素イオンと同
様必要がないことが多いが、添加する場合には臭素イオ
ン濃度が上記範囲になるように必要に応じて処理剤中に
臭素イオンを加えることもある。対象とする感光材料
が、カラーネガフィルムやカラーリバーサルフィルムな
どのヨウ臭化銀乳剤から得られるものである場合には、
ヨウ素イオンに関しても同じ状況であるが、通常は感光
材料からヨウ素イオンが放出されて現像液1リットル当
たり0.5〜10mg程度のヨウ素イオン濃度となるの
で、補充用処理組成物の中には含まない場合が普通であ
る。
【0046】ハライドを現像組成物や現像補充組成物中
の添加成分として用いる場合は、塩素イオン供給物質と
して、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウ
ム、塩化リチウム、塩化ニッケル、塩化マグネシウム、
塩化マンガン及び塩化カルシウムが挙げられるが、その
うち好ましいものは塩化ナトリウム及び塩化カリウムが
用いられる。臭素イオンの供給物質として、臭化ナトリ
ウム、臭化カリウム、臭化アンモニウム、臭化リチウ
ム、臭化カルシウム、臭化マグネシウム、臭化マンガ
ン、臭化ニッケル、臭化セリウム及び臭化タリウムが挙
げられるが、そのうち好ましいものは臭化カリウム及び
臭化ナトリウムが用いられる。ヨウ素イオンの供給物質
として、沃化ナトリウム及び沃化カリウムが用いられ
る。
【0047】本発明においては、現像液のpHが9.0
〜13.5、補充液のpHが9.0〜13.5になるよう
に添加されることが好ましく、したがって現像剤及び補
充剤には、そのpH値を維持できるようにアルカリ剤、
緩衝剤及び必要によっては酸剤を含ませることができ
る。アルカリとしては各種水酸化物を添加することがで
きる。例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸
化リチウム、燐酸水素3カリウムや燐酸水素3ナトリウ
ム及びそれらの水和物あるいはトリエタノールアミン、
ジエタノールアミン等をあげることができる。また、必
要に応じて添加される酸剤としては無機・有機の水溶性
の固体状の酸を用いることができる。例えば、琥珀酸、
酒石酸、プロピオン酸、アスコルビン酸が挙げられる。
【0048】処理液を調整したときに、上記pHを保持
するためには、各種緩衝剤を用いるのが好ましい。緩衝
剤としては、炭酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、四ホウ酸
塩、ヒドロキシ安息香酸塩、グリシル塩、N,N−ジメ
チルグリシン塩、ロイシン塩、ノルロイシン塩、グアニ
ン塩、3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン塩、アラ
ニン塩、アミノ酪酸塩、2−アミノ−2−メチル−1,
3−プロパンジオール塩、バリン塩、プロリン塩、トリ
スヒドロキシアミノメタン塩、リシン塩などを用いるこ
とができる。特に炭酸塩、リン酸塩、四ホウ酸塩、ヒド
ロキシ安息香酸塩は、pH 9.0以上の高pH領域での緩衝能
に優れ、カラー現像液に添加しても写真性能面への悪影
響(カブリなど)がなく、安価であるといった利点を有
し、これらの緩衝剤を用いることが特に好ましい。
【0049】これらの緩衝剤の具体例としては、炭酸ナ
トリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カ
リウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン
酸二ナトリウム、リン酸二カリウム、ホウ酸ナトリウ
ム、ホウ酸カリウム、四ホウ酸ナトリウム(ホウ砂)、
四ホウ酸カリウム、o−ヒドロキシ安息香酸ナトリウム
(サリチル酸ナトリウム)、o−ヒドロキシ安息香酸カ
リウム、5−スルホ−2−ヒドロキシ安息香酸ナトリウ
ム(5−スルホサリチル酸ナトリウム)、5−スルホ−
2−ヒドロキシ安息香酸カリウム(5−スルホサリチル
酸カリウム)などを挙げることができる。しかしながら
本発明は、これらの化合物に限定されるものではない。
緩衝剤は、反応・消費される成分ではないので、その濃
度は、処理剤から調製した現像液及び補充液ともに1リ
ットルあたり0.01〜2モル、好ましくは0.1〜
0.5モルになるように組成物中の添加量が決められ
る。
【0050】カラー現像組成物には、その他のカラー現
像液成分、例えばカルシウムやマグネシウムの沈澱防止
剤であり、あるいはカラー現像液の安定性向上剤でもあ
る各種キレート剤を添加することもできる。例えば、ニ
トリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレン
ジアミン四酢酸、N,N,N−トリメチレンホスホン
酸、エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラメ
チレンスルホン酸、トランスシロヘキサンジアミン四酢
酸、1,2−ジアミノプロパン四酢酸、グリコールエー
テルジアミン四酢酸、エチレンジアミンオルトヒドロキ
シフェニル酢酸、エチレンジアミンジ琥珀酸(SS
体)、N−(2−カルボキシラートエチル)−L−アス
パラギン酸、β−アラニンジ酢酸、2−ホスホノブタン
−1,2,4−トリカルボン酸、1−ヒドロキシエチリ
デン−1,1−ジホスホン酸、N,N′−ビス(2−ヒ
ドロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N′−ジ酢
酸、1,2−ジヒドロキシベンゼン−4,6−ジスルホ
ン酸等が挙げられる。これらのキレート剤は必要に応じ
て2種以上併用しても良い。これらのキレート剤の量
は、調製したカラー現像液中の金属イオンを封鎖するの
に充分な量であれば良い。例えば1リットル当り 0.1g
〜10g程度になるように添加する。
【0051】本発明に係るカラー現像組成物には、必要
により任意の現像促進剤を添加することもできる。現像
促進剤としては、特公昭37-16088号、同37−5987号、同
38−7826号、同44-12380号、同45−9019号及び米国特許
第3,813,247 号等の各公報又は明細書に表わされるチオ
エーテル系化合物、特開昭52-49829号及び同50-15554号
公報に表わされるp−フェニレンジアミン系化合物、特
開昭50−137726号、特公昭44-30074号、特開昭56−1568
26号及び同52-43429号公報等に表わされる4級アンモニ
ウム塩類、米国特許第2,494,903 号、同3,128,182 号、
同4,230,796 号、同3,253,919 号、特公昭41-11431号、
米国特許第2,482,546 号、同2,596,926号及び同3,582,3
46 号等の各公報又は明細書に記載のアミン系化合物、
特公昭37-16088号、同42-25201号、米国特許第3,128,18
3 号、特公昭41-11431号、同42-23883号及び米国特許第
3,532,501 号等の各公報又は明細書に表わされるポリア
ルキレンオキサイド、その他1−フェニル−3−ピラゾ
リドン類又はイミダゾール類を必要に応じて添加するこ
とができる。それらの濃度は、処理剤から調製した現像
液及び補充液ともに1リットルあたり0.001〜0.
2モル、好ましくは0.01〜0.05モルになるよう
に組成物中の添加量が決められる。
【0052】本発明にかかわるカラー現像組成物には、
必要に応じて、前記ハロゲンイオンのほかに、任意のカ
ブリ防止剤を添加できる。有機カブリ防止剤としては、
例えばベンゾトリアゾール、6−ニトロベンズイミダゾ
ール、5−ニトロイソインダゾール、5−メチルベンゾ
トリアゾール、5−ニトロベンゾトリアゾール、5−ク
ロロ−ベンゾトリアゾール、2−チアゾリル−ベンズイ
ミダゾール、2−チアゾリルメチル−ベンズイミダゾー
ル、インダゾール、ヒドロキシアザインドリジン、アデ
ニンの如き含窒素ヘテロ環化合物を代表例としてあげる
ことができる。又、カラー現像剤には必要に応じてアル
キルスルホン酸、アリールスルホン酸、脂肪族カルボン
酸、芳香族カルボン酸等の各種界面活性剤を添加しても
良い。それらの濃度は、処理組成物から調製した現像液
及び補充液ともに1リットルあたり0.0001〜0.
2モル、好ましくは0.001〜0.05モルになるよ
うに組成物中の添加量が決められる。
【0053】本発明において、必要に応じて、蛍光増白
剤を使用することができる。蛍光増白剤としては、ビス
(トリアジニルアミノ)スチルベンスルホン酸化合物が
好ましい。ビス(トリアジニルアミノ)スチルベンスル
ホン酸化合物としては、公知もしくは市販のニアミノス
チルベン系増白剤を用いることができる。公知のビス
(トリアジニルアミノ)スチルベンスルホン酸化合物と
しては、例えば、特開平6−329936号、同7−1
40625号、同10−140849号などの公報に記
載の化合物が好ましい。市販の化合物としては、例え
ば、「染色ノート」第9版(色染社),165〜168頁
に記載されており、その中に記載されている化合物の中
でも、Blankophor BSU liq.及びHakkol BRKが好まし
い。
【0054】本発明において、必要に応じて下記一般式
(U)で示されるビス(3,5−ジアミノー2,4,6
−トリアジニルアミノ)アリーレン化合物を使用するこ
とができる。
【0055】一般式(U)
【化1】
【0056】一般式(U)において、R11、R12
13、R14、R21、R22、R23およびR 24は水素原子、
アルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表わし、L
はフェニレン基またはナフチレン基を表わし、 R11
12と、及び/又は、R13とR14と、及び/又は、R21
22と、及び/又は、R23とR24とが互いに結合して環
を形成してもよい。但し、分子内に−SO3M、−CO2
Mまたは−OHで表わされる基を少なくとも1つ含有
し、ここでMは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類
金属、アンモニウムまたはピリジニウムを表わす。ま
た、 R11、R12、R13、R14、R21、R22、R23およ
びR24のうち3個以上がアリール基となることはなく、
また、R11、R12、R13及びR14の少なくとも一つと、
21、R22、R23及びR24の少なくとも一つが互いに結
合して環を形成することはない。 さらに上記の式の分
子内には、−N=N−で表わされる基を含有しない。
【0057】一般式(U)において、R11、R12
13、R14、R21、R22、R23およびR2 4 で表わされ
るアルキル基としては炭素数1〜20、好ましくは1〜
8、更に好ましくは1〜4の置換もしくは無置換のアル
キル基であり、例えばメチル基、エチル基、i−プロピ
ル基、n−プロピル基、n−オクチル基、スルホメチル
基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル
基、2−ヒドロキシプロピル基、2−スルホエチル基、
2−メトキシエチル基、2−(2−ヒドロキシエトキ
シ)エチル基、2−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)
エトキシ]エチル基、2−(2−[2−(2−ヒドロキシ
エトキシ)エトキシ]エトキシ)エチル基、2,3−ジ
ヒドロキシプロピル基、3,4−ジヒドロキシブチル
基、2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘキシル基
が挙げられる。
【0058】R11、R12、R13、R14、R21、R22、R
23およびR24 で表わされるアリール基としては 炭素
数6〜20、好ましくは6〜10、さらに好ましくは6
〜8の置換もしくは無置換のアリール基であり、例えば
フェニル基、ナフチル基、3−カルボキシフェニル基、
4−カルボキシフェニル基、3,5−ジカルボキシフェ
ニル基、4−メトキシフェニル基、2−スルホフェニル
基、4−スルホフェニル基が挙げられる。R11、R12
13、R14、R21、R22、R23およびR24 で表わされ
るヘテロ環基としては炭素数2〜20の、好ましくは炭
素数2〜10、さらに好ましくは炭素数3〜8の置換も
しくは無置換の、5または6員の芳香族もしくは非芳香
族のヘテロ環化合物から1個の水素原子を取り除いた1
価の基であり、例えば2−フリル基、2−チエニル基、
2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基が挙げら
れる。
【0059】R11、R12、R13、R14、R21、R22、R
23およびR24 は、好ましくは水素原子、アルキル基お
よびアリール基であり、さらに好ましくは水素原子、メ
チル基、エチル基、 n−プロピル基、 スルホメチル
基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル
基、2−ヒドロキシプロピル基、2−スルホエチル基、
2−メトキシエチル基、2−(2−ヒドロキシエトキ
シ)エチル基、2−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)
エトキシ]エチル基、2,3−ジヒドロキシプロピル
基、3,4−ジヒドロキシブチル基、フェニル基、3−
カルボキシフェニル基、4−カルボキシフェニル基、
3,5−ジカルボキシフェニル基、4−メトキシフェニ
ル基、2−スルホフェニル基、4−スルホフェニル基で
あり、更に好ましくは水素原子、メチル基、エチル基、
スルホメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−スル
ホエチル基、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル
基、2,3−ジヒドロキシプロピル基、フェニル基、3
−カルボキシフェニル基、4−カルボキシフェニル基、
2−スルホフェニル基、4−スルホフェニル基であり、
また更に好ましくは水素原子、メチル基、 スルホメチ
ル基、2−ヒドロキシエチル基、2−スルホエチル基、
2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル基、2,3−ジ
ヒドロキシプロピル基、フェニル基、4−スルホフェニ
ル基である。
【0060】Lで表わされるフェニレン基またはナフチ
レン基としては、炭素数6〜20、好ましくは6〜1
5、さらに好ましくは6〜11の置換または無置換のフ
ェニレン基またはナフチレン基であり、例えば1,4−
フェニレン、1,3−フェニレン、1,2−フェニレ
ン、1,5−ナフチレン、1,8−ナフチレン、4−カ
ルボキシ−1,2−フェニレン、5−カルボキシ−1,
3−フェニレン、3−スルホ−1,4−フェニレン、5
−スルホ−1,3−フェニレン、2,5−ジメトキシ
1,4−フェニレン、2,6−ジクロロー1,4−フェ
ニレンが挙げられる。
【0061】Lは、好ましくは1,4−フェニレン、
1,3−フェニレン、1,2−フェニレン、1,5−ナ
フチレン、5−カルボキシ−1,3−フェニレン、5−
スルホ−1,3−フェニレンであり、さらに好ましくは
1,4−フェニレン、1,3−フェニレンである。
【0062】R11とR12、R13とR14、R21とR22、お
よびR23とR24が互いに結合して形成する環は、5員環
または6員環であることが好ましい。環の例としてはピ
ロリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環およびモルホ
リン環が含まれる。
【0063】Mで表わされるアルカリ金属、アルカリ土
類金属のなかで特に好ましいのはNaおよびKである。
アンモニウム基としては、例えばアンモニウム基、トリ
エチルアンモニウム基、テトラブチルアンモニウム基が
挙げられる。Mとしては最も好ましいものはNaおよび
Kである。
【0064】以上に述べたカラー現像薬品を溶解して液
体組成物として容器に収納して現像液用液体調合処理剤
を構成させるには、適用対象に応じて、例えば、全構成
薬品を単一の水溶液にして1個の容器に収納した一液
形、これを現像主薬を含有するパートと現像主薬を含有
しないパートに分けてそれぞれを別の容器に収納する2
液構成(2パート構成)とする形態、現像主薬を含まな
いパートをさらに分割して別個の容器に収納する3液以
上のパートからなる多液構成の形態、さらには、液剤パ
ートのほかに一部の構成薬品を固体のまま容器に装填し
た形態のものも含まれる。本発明に置いては、現像主薬
を含有するパートがポリエチレンスクシネートを主成分
とするプラスチック容器に収納されている。現像主薬パ
ートは、現像主薬のみを含有する液剤パートであって
も、現像主薬と共存可能の構成薬品をも含有させた液剤
パートであってもよい。現像主薬含有パートが現像主薬
と共に置換ヒドロキシルアミンを含有している場合は、
前記したように現像処理剤の経時劣化が抑制されるの
で、本発明のとくに好ましい態様である。
【0065】現像主薬含有パートの溶媒は、水性溶媒で
あって、好ましくは、水を主体としてジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、エチレングリコールな
ど現像主薬の溶解性を増大させる水混和性有機溶剤を1
〜20質量%含ませた混合溶媒、さらには溶解度と安定
性が両立する例えば1〜12、好ましくは1〜3(酸性
安定領域)又は8〜11(アルカリ性安定領域)のpH
を選択するのが好ましい。現像主薬含有パートの現像主
薬濃度は、現像補充液の補充形態に応じて、濃縮倍率
1.1〜10倍、好ましくは2〜5倍である。さらに、
現像主薬含有パートには、無機保恒剤として亜硫酸塩又
は重亜硫酸塩を現像主薬の0.1〜1モル%含有させる
こともある。
【0066】つぎに黒白現像組成物の構成について説明
する。黒白現像組成物には、従来知られている現像主薬
を用いることができる。現像主薬としては、ジヒドロキ
シベンゼン類(たとえばハイドロキノン、ハイドロキノ
ンモノスルホネート、カテコール)、3−ピラゾリドン
類(たとえば1−フェニル−3−ピラゾリドン、1−フ
ェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラ
ゾリドン、1−フェニル−4,4−ジヒドロキシメチル
−3−ピラゾリドン)、アミノフェノール類(たとえば
N−メチル−p−アミノフェノール、N−メチル−3−
メチル−p−アミノフェノール、N−メチル−2−スル
ホアミノアミノフェノール)、アスコルビン酸やエリソ
ルビン酸及びその異性体や誘導体、後述するカラー現像
主薬にも用いるp−フェニレンジアミン類などを、単独
もしくは組合せて用いることができる。これらの現像主
薬は塩の形で用いる場合は、対塩としては硫酸塩、塩酸
塩、燐酸塩、p−トルエンスルホン酸塩などの形が用い
られる。これらの現像主薬の添加量は、調製した現像液
1リットル当り1×10-5〜2 mol/リットルが好ましい。
【0067】黒白現像組成物には、必要により保恒剤を
用いることができる。保恒剤としては亜硫酸塩や重亜硫
酸塩が一般的に用いられる。これらの添加量は、調製し
た現像液中の濃度が0.01〜1 mol/リットル、好ましく
は0.1〜0.5 mol/リットル、また、アスコルビン酸も
有効な保恒剤であり、好ましい添加量は、調製液中の濃
度が0.01 mol/リットル〜0.5 mol/リットルとなる量で
ある。その他、ヒドロキシルアミン類、糖類、o−ヒド
ロキシケトン類、ヒドラジン類等も用いることができ
る。その場合の添加量は調製液中の濃度が0.002〜
1.0mol/リットルとなる量である。
【0068】黒白現像液のpHは8〜13が好ましく,
最も好ましくはpH9〜12である。pHを維持するた
めに各種アルカリ剤、緩衡剤及び必要であれば酸剤が現
像処理剤に添加される。好ましいアルカリ剤、緩衡剤及
び酸剤は、カラー現像剤の項で前記した化合物であり、
そのほかの緩衝剤としてヒドロキシ安息香酸塩、グリシ
ン塩、N,N−ジメチルグリシン塩、ロイシン塩、ノル
ロイシン塩、グアニン塩、3,4−ジヒドロキシフェニ
ルアラニン塩、アラニン塩、アミノ酪酸塩、バリン塩、
リシン塩等をあげることができる。これらの緩衝剤は、
対塩としてNa、Kなどのアルカリ金属やアンモニウム
塩の形で用いられる。これらの緩衡剤は単独で使用して
も良く、複数を併用してもよい。
【0069】黒白現像組成物にも、現像促進剤としてハ
ロゲン化銀溶剤を含有させてもよい。その場合は、例え
ば、チオシアン塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、2−メチル
イミダゾール、各種4級アミン類、ポリエチレンオキサ
イド類、1−フェニル−3−ピラゾリドン類、1級アミ
ン類、N,N,N’,N’−テトラメチル−p−フェニ
レンジアミン、特開昭57−63580号記載のチオエ
ーテル系化合物等のほかカラー現像組成物の項で前記し
た促進剤が用いられる。これらの化合物は、調製した現
像液(現像補充液)中の濃度が0.005〜0.5モル
/リットル程であるのが好ましい。
【0070】本発明に係る液体調合黒白現像組成物にも
現像カブリを防止する目的でカラー現像剤の項で前記し
た種々のカブリ防止剤を添加してもよい。
【0071】更に、黒白現像液には、膨潤抑制剤(例え
ば硫酸ナトリウム、硫酸カリウム等の無機塩)や、硬水
軟化剤を含有させることができる。又、必要に応じてカ
ラー現像組成物の項で前記した各種硬水軟化剤、界面活
性剤を前記と同じ濃度レベルで添加しても良い。
【0072】黒白写真用液体調合現像剤のパートの構成
の形態、その中の現像主薬含有パートの組成について
は、対象となる現像主薬が異なり、かつ置換ヒドロキシ
ルアミンが通常用いられないことを除けば、カラー写真
用液体調合現像剤について前記したことが当てはまる。
現像主薬含有パートの現像主薬濃度は、現像補充液の補
充形態に応じて濃縮倍率1.1〜10倍、好ましくは2
〜5倍である。
【0073】以上で、本発明のポリエチレンスクシネー
トを主成分とするプラスチック容器に現像主薬パートを
収納した写真現像液用液体調合処理剤について、説明し
たので、つぎにこの現像処理剤に合わせて用いられる現
像工程以外の処理および処理剤について述べる。
【0074】つぎに脱銀過程の処理組成物について説明
する。はじめにカラー現像処理における漂白液用及び漂
白定着液用の漂白剤について説明する。漂白液又は漂白
定着液において用いられる漂白剤としては、公知の漂白
剤も用いることができるが、特に鉄(III) の有機錯塩
(例えばアミノポリカルボン酸類の錯塩)もしくはクエ
ン酸、酒石酸、リンゴ酸などの有機酸、過硫酸塩、過酸
化水素などが好ましい。
【0075】これらのうち、鉄(III) の有機錯塩は迅速
処理と環境汚染防止の観点から特に好ましい。鉄(III)
の有機錯塩を形成するために有用なアミノポリカルボン
酸、またはそれらの塩を挙げると、生分解性のあるエチ
レンジアミンジ琥珀酸(SS体)、N−(2−カルボキ
シラートエチル)−L−アスパラギン酸、ベ−ターアラ
ニンジ酢酸、メチルイミノジ酢酸をはじめ、エチレンジ
アミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、1,3−
ジアミノプロパン四酢酸、プロピレンジアミン四酢酸、
ニトリロ三酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、イミ
ノ二酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、などを
挙げることができる。これらの化合物はナトリウム、カ
リウム、チリウム又はアンモニウム塩のいずれでもよ
い。これらの化合物の中で、エチレンジアミンジ琥珀酸
(SS体)、N−(2−カルボキシラートエチル)−L
−アスパラギン酸、βーアラニンジ酢酸、エチレンジア
ミン四酢酸、1,3−ジアミノプロパン四酢酸、メチル
イミノ二酢酸はその鉄(III)錯塩が写真性の良好なこと
から好ましい。これらの第2鉄イオン錯塩は錯塩の形で
使用してもよいし、第2鉄塩、例えば硫酸第2鉄、塩化
第2鉄、硝酸第2鉄、硫酸第2鉄アンモニウム、燐酸第
2鉄などとアミノポリカルボン酸などのキレート剤とを
用いて溶液中で第2鉄イオン錯塩を形成させてもよい。
また、キレート剤を第2鉄イオン錯塩を形成する以上に
過剰に用いてもよい。鉄錯体のなかでもアミノポリカル
ボン酸鉄錯体が好ましい。
【0076】漂白処理組成物の添加量は、調製した処理
液の濃度が0.01〜1.0モル/リットル、好ましく
は0.03〜0.80モル/リットル、更に好ましくは
0.05〜0.70モル/リットル、更に好ましくは
0.07〜0.50モル/リットルとなるように定めら
れる。
【0077】漂白処理組成物、漂白定着処理組成物ある
いは定着処理組成物には、種々の公知の有機酸(例えば
グリコール酸、琥珀酸、マレイン酸、マロン酸、クエン
酸、スルホ琥珀酸など)、有機塩基(例えばイミダゾー
ル、ジメチルイミダゾールなど)あるいは、2−ピコリ
ン酸を始めとする特開平9−211819号公報に記載
の一般式(A−a)で表される化合物やコージ酸を始め
とする同公報に記載の一般式(B−b)で表される化合
物を含有することが好ましい。これら化合物の添加量
は、調製した処理液の濃度が1リットル当たり0.00
5〜3.0モルが好ましく、さらに好ましくは0.05
〜1.5モルとなるように定められる。
【0078】カラー及び黒白処理用の定着処理組成物
(カラー用漂白定着処理組成物の定着組成物も含む)に
ついてまとめて説明する。こられ漂白定着処理組成物又
は定着処理組成物に使用される化合物は、公知の定着組
成物、即ちチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウム
などのチオ硫酸塩、チオシアン酸ナトリウム、チオシア
ン酸アンモニウムなどのチオシアン酸塩、エチレンビス
チオグリコール酸、3,6−ジチア−1,8−オクタン
ジオールなどのチオエーテル化合物およびチオ尿素類な
どの水溶性のハロゲン化銀溶解剤であり、これらを1種
あるいは2種以上混合して使用することができる。ま
た、特開昭55−155354号公報に記載された定着剤と多量
の沃化カリウムの如きハロゲン化物などの組み合わせか
らなる特殊な漂白定着液等も用いることができる。本発
明においては、チオ硫酸塩特にチオ硫酸アンモニウム塩
の使用が好ましい。処理組成物から調製した定着液及び
漂白定着液中の定着組成物の濃度は、調合液1リットル
あたり0.3〜3モルが好ましく、更に好ましくは0.
5〜2.0モルの範囲である。
【0079】漂白定着組成物及び定着処理組成物の溶解
時pH領域は、3〜8が好ましく、更には4〜8が特に好
ましい。pHがこれより低いと脱銀性は向上するが、液
の劣化及びシアン色素のロイコ化が促進される。逆にp
Hがこれより高いと脱銀が遅れ、かつステインが発生し
易くなる。本発明の顆粒剤から作られる漂白液のpH領
域は8以下であり、2〜7が好ましく、2〜6が特に好
ましい。pHがこれより低いと液の劣化及びシアン色素
のロイコ化が促進され、逆にpHがこれより高いと脱銀
が遅れ、ステインが発生し易くなる。pHを調整するた
めには、必要に応じて前記した固体状の酸、及び前記し
た固体アルカリである水酸化カリウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化リチウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、
炭酸カリウム及び酸性又はアルカリ性緩衝剤等を添加す
ることができる。
【0080】また、漂白定着処理組成物には、その他各
種の蛍光増白剤や消泡剤或いは界面活性剤、ポリビニル
ピロリドン等を含有させることができる。なお、蛍光増
白剤は、前記したカラー現像処理組成物に調製した現像
液中の濃度が0.02〜1.0 モル/リットルになるように含
ませることもできる。漂白定着組成物や定着処理組成物
は、保恒剤として亜硫酸塩(例えば、亜硫酸ナトリウ
ム、亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウム、など)、重
亜硫酸塩(例えば、重亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸ナ
トリウム、重亜硫酸カリウム、など)、メタ重亜硫酸塩
(例えば、メタ重亜硫酸カリウム、メタ重亜硫酸ナトリ
ウム、メタ重亜硫酸アンモニウム、など)等の亜硫酸イ
オン放出化合物や、p−トルエンスルフィン酸、m−カ
ルボキシベンゼンスルフィン酸などのアリ−ルスルフィ
ン酸などを含有するのが好ましい。これらの化合物は亜
硫酸イオンやスルフィン酸イオンに換算して約0.02〜1.
0 モル/リットル含有させることが好ましい。
【0081】保恒剤としては、上記のほか、アスコルビ
ン酸やカルボニル重亜硫酸付加物、あるいはカルボニル
化合物等を添加しても良い。
【0082】定着又は漂白定着を終了したのち水洗代替
安定浴や画像安定化用安定浴が用いられることが多い
が、これらの浴は、低濃度であって処理剤の効用は大き
くはないが、必要があれば処理組成物を製造することが
できる。安定浴処理剤には、特開昭62−288838号公報に
記載のカルシウム、マグネシウムを低減させる方法を極
めて有効に用いることができる。また、特開昭57−8542
号公報に記載のイソチアゾロン化合物やサイアベンダゾ
ール類、同61−120145号公報に記載の塩素化イソシアヌ
ール酸ナトリウム等の塩素系殺菌剤、特開昭61−267761
号公報に記載のベンゾトリアゾール、銅イオン、その他
堀口博著「防菌防黴の化学」(1986年)三共出版、衛生
技術会編、「微生物の減菌、殺菌、防黴技術」(1982
年)工業技術会、日本防菌防黴学会編「防菌防黴剤事
典」(1986年)に記載の殺菌剤を用いることもできる。
【0083】また、残存するマゼンタカプラーを不活性
化して色素の褪色やステインの生成を防止するホルムア
ルデヒド、アセトアルデヒド、ピルビンアルデヒドなど
のアルセヒド類、米国特許第4786583号に記載の
メチロール化合物やヘキサメチレンテトラミン、特開平
2−153348号に記載のヘキサヒドロトリアジン
類、米国特許第4921779号に記載のホルムアルデ
ヒド重亜硫酸付加物、押収特許公開公報第504609
号、同519190号などに記載のアゾリルメチルアミ
ン類などを添加してもよい。更に、水切り剤として界面
活性剤や、硬水軟化剤としてEDTAに代表されるキレ
ート剤を用いることもできる。
【0084】次に、本発明の現像液用液体調合処理剤を
用いる処理工程について述べる。本発明の液体調合処理
剤が適用される処理は、カラー写真感光材料の処理の場
合は、カラー現像工程、脱銀工程、水洗又は安定浴工程
及び乾燥工程からなり、本発明の写真用液体調合処理剤
は、その現像工程に用いられる。各工程間にはリンス工
程、中間水洗工程、中和工程などの補助的な工程を挿入
することもできる。脱銀工程は漂白定着液による一工程
処理又は漂白工程と定着工程から成る二工程処理によっ
て行われる。また、水洗工程に代わる水洗代替安定浴の
ほかに画像安定化を目的とする画像安定浴を水洗又は安
定浴工程と乾燥工程の間に設けることもできる。黒白写
真感光材料の処理の場合は、現像工程、定着工程、水洗
工程及び乾燥工程からなり本発明の写真用液体調合処理
剤は、その現像工程に用いられる。各工程間にはリンス
を含む中間水洗工程、中和工程などの補助的な工程を挿
入することもできる。本発明にかかわる処理方法は、迅
速現像型、低補充型及び国際的に互換性のある標準型の
処理方法のいずれでもよい。
【0085】カラー及び黒白現像工程は、感光材料を現
像液に浸漬する浸浴処理工程であり、現像液は構成成分
を溶解状態で含んだアルカリ性の連続相の液体である。
現像槽には現像液が、補充槽には現像補充液がそれぞれ
調製されて用いられる。
【0086】現像処理される感光材料がカラーネガやカ
ラーリバーサルフィルムなどのカラー撮影材料の場合、
その処理温度は一般的には、30〜40°Cであるが、
迅速処理では、38〜65°Cであり、好ましくは40
〜55°Cである。その現像処理時間は、一般的な処理
では1〜8分であるが、迅速処理では、15〜195秒
であり、好ましくは20〜150秒で行う。補充量は、
感光材料1m2当たり標準現像では600ミリリットル
であるが、低補充の処理では、30〜390ミリリット
ルであり、好ましくは50〜300ミリリットル、さら
には80〜200ミリリットルで行うこともある。現像
処理される感光材料がカラー印画紙などのカラープリン
ト用材料の場合、その処理温度は一般的には、30〜4
0°Cであるが、迅速処理では、38〜65°Cであ
る。その現像処理時間は、一般的な処理では30秒〜3
分であるが、迅速処理では、5〜45秒であり、好まし
くは5〜20秒で行う。補充量は、感光材料1m2当た
り標準現像では161ミリリットルであるが、低補充の
処理では、10〜150ミリリットルであり、好ましく
は20〜100ミリリットル、さらには25〜80ミリ
リットルで行うこともある。黒白撮影材料及びプリント
材料の現像工程の温度や処理時間は、上記のカラー現像
と同じ範囲で行われる。
【0087】カラー現像処理では現像工程に続いて脱銀
処理工程に入り、漂白液及び漂白定着液による処理がな
される。漂白時間は、通常10秒〜6分30秒、好まし
くは10秒〜4分30秒、とくに好ましくは、15秒か
ら2分である。本発明に係る漂白定着処理又は定着処理
は、処理時間5〜240秒、好ましくは10〜60秒で
ある。処理温度は25℃〜60℃、好ましくは30℃〜
50℃である。また、補充量は感光材料1m2当たり1
0ml〜250ml、好ましくは10ml〜100m
l、特に好ましくは15ml〜60mlである。黒白現
像処理では現像工程に続いて定着液による処理がなされ
る。定着処理は処理時間5〜240秒、好ましくは10
〜60秒である。処理温度は25℃〜60℃、好ましく
は30℃〜50℃である。また、補充量は感光材料1m
2当たり20ml〜250ml、好ましくは30ml〜
100ml、特に好ましくは15ml〜60mlであ
る。
【0088】カラー写真感光材料では脱銀処理後に水洗
又は安定浴処理を、また黒白写真感光材料では定着処理
後、水洗処理をするのが一般的である。水洗工程での水
洗水量は、感光材料の特性(例えばカプラー等使用素材
による)や用途、水洗水温、水洗タンクの数(段数)、
その他種々の条件によって広範囲に設定し得る。このう
ち、多段向流方式における水洗タンク数と水量の関係
は、ジャーナル・オブ・ザ・ソサエティ・オブ・モーシ
ョン・ピクチャー・アンド・テレヴィジョン・エンジニ
アズ (Journal of the Society of Motion Pictureand
Television Engineers)第64巻、p.248 〜253 (1955 年
5月号)に記載の方法で、求めることができる。通常多
段向流方式における段数は3〜15が好ましく、特に3
〜10が好ましい。
【0089】多段向流方式によれば、水洗水量を大巾に
減少でき、タンク内での水の滞留時間増加により、バク
テリアが繁殖し、生成した浮遊物が感光材料に付着する
等の問題が生じるので、その解決策として、前記したよ
うに防菌防黴剤を含有する安定浴が好ましい。
【0090】水洗工程又は安定化工程の好ましいpHは
4〜10であり、更に好ましくは5〜8である。温度は
感光材料の用途・特性等で種々設定し得るが、一般には
20℃〜50℃、好ましくは25℃〜45℃である。水
洗及び/又は安定化工程に続いて乾燥が行われる。画像
膜への水分の持込み量を減じる観点から水洗浴から出た
後すぐにスクイズローラや布などで水を吸収することで
乾燥を早めることも可能である。乾燥機側からの改善手
段としては、当然のことではあるが、温度を高くするこ
とや吹きつけノズルの形状を変更し乾燥風を強くするこ
となどで乾燥を早めることが可能である。更に、特開平
3−157650号公報に記載されているように、乾燥
風の感光材料への送風角度の調整や、排出風の除去方法
によっても乾燥を早めることができる。
【0091】本発明にかかわる上記した現像処理は、自
動現像機を用いて行われる。以下に本発明に好ましく用
いられる自動現像機について記述する。本発明におい
て、自動現像機の搬送の線速度が5000mm/分以下で
あることが好ましい。より好ましくは200mm/分〜4
500mm/分、特に好ましくは500〜3000mm/分
である。本発明に関する処理液は、処理槽及び補充液槽
で、液が空気と接触する面積(開口面積)はできるだけ
小さい方が好ましい。例えば、開口面積(cm2)を槽中
の液体槽(cm3)で割った値を開口率とすると、開口率
は0.01(cm-1)以下が好ましく、0.005以下が
より好ましく、特に0.001以下が最も好ましい。
【0092】また、空気との接触する面積を小さくする
為に、処理槽および補充槽では液面に浮かぶ固体または
液体の空気非接触手段を設けることが好ましい。具体的
には、プラスチック製などの浮きを液面に浮かべる方法
や、処理液と混ざらず、また化学反応を起こさない液体
で覆うことが好ましい。液体の例としては、流動パラフ
ィン、液状飽和炭化水素などが好ましい。
【0093】本発明においては、迅速に処理を行うため
に、各処理液間を感光材料が移動する際の空中時間、即
ちクロスオーバー時間は短い程良く、好ましくは10秒
以下、より好ましくは7秒以下、更に好ましくは5秒以
下である。上記の様な短時間のクロスオーバーを達成す
るため、本発明はシネ型の自動現像機を用いるのが好ま
しく、特にリーダー搬送方式が好ましい。このような方
式は、富士写真フイルム(株)製自動現像機FP−56
0Bに用いられている。リーダーや感光材料の搬送手段
としては、特開昭60−191257号、同60−19
1258号、同60−191259号に記載のベルト搬
送方式が好ましい。また、クロスオーバー時間を短縮
し、かつ処理液の混入を防止するために、混入防止板を
取り付けたクロスオーバーラックの構造が好ましい。
【0094】本発明にかかわる各処理液には、処理液の
蒸発分に相当する水を供給する、いわゆる蒸発補正を行
うことが好ましい。特に、カラー現像液や漂白液あるい
は漂白定着液において好ましい。このような水の補充を
行う具体的方法としては、特に制限はないが、中でも特
開平1−254959号や同1−254960号公報記
載の漂白槽とは別のモニター水槽を設置し、モニター水
槽内の水の蒸発量を求め、この水の蒸発量から漂白槽に
おける水の蒸発量を算出し、この蒸発量に比例して漂白
槽に水を補充する方法や液レベルセンサーやオーバーフ
ローセンサーを用いた蒸発補正方法が好ましい。最も好
ましい蒸発補正方法は、蒸発分に相当する水を予想して
加えるもので、日本発明協会公開技報94−49925
号1頁右欄26行目〜同3頁左欄28行目に記載されて
いるように自動現像機の運転時間、停止時間及び温調時
間の情報に基づいて予め求められた係数により計算され
た加水量を添加するものである。
【0095】また、蒸発量を減少させる工夫も必要であ
り、開口面積を少なくしたり、排気ファンの風量を調節
することが要求される。例えば、カラー現像液の好まし
い開口率は前記した通りであるが、他の処理液において
も同様に開口面積を低下させることが好ましい。蒸発量
を減少させる手段として、特開平6−110171号記
載の「処理槽の上部空間の湿度を80%RH以上に保持
する」ことが特に好ましく、上記公報の図1、2記載の
蒸発防止ラック及びローラー自動洗浄機構を有すること
が特に好ましい。温調時の結露防止のために排気ファン
が通常取付けられている。
【0096】感光材料の乾燥条件も処理液の蒸発に影響
する。乾燥方式としては、セラミック温風ヒーターを用
いるのが好ましく、供給風量としては毎分4m3〜20m3
が好ましく、特に6m3〜10m3が好ましい。セラミック
温風ヒーターの加熱防止用サーモスタットは、伝熱によ
って動作させる方式が好ましく、取付け位置は、放熱フ
ィンや伝熱部を通じて風下または風上に取りつけるのが
好ましい。乾燥温度は、処理される感光材料の含水量に
よって調整することが好ましく、APSフォーマット及
び35mm幅のフィルムでは45〜55℃、ブローニーフ
ィルムでは55〜65℃が最適である。処理液の補充に
際しては補充ポンプが用いられるが、ベローズ式の補充
ポンプが好ましい。また、補充精度を向上させる方法と
しては、ポンプ停止時の逆流を防止するため、補充ノズ
ルへの送液チューブの径を細くしておくことが有効であ
る。乾燥時間は5秒〜2分が好ましく、特に5秒〜60
秒がより好ましい。
【0097】つぎに、本発明の液体調合処理剤が適用さ
れる感光材料について説明する。本発明の液体調合処理
剤を用いる感光材料は、発明の目的と背景に関連して前
記したように写真市場で汎用されている撮影用カラー写
真感光材料、カラー印画紙、撮影用黒白感光材料及び黒
白印画紙であり、この感光材料は支持体上に少なくとも
1層の感光性層が設けられている。典型的な例として
は、支持体上に、実質的に感色性は同じであるが感光度
の異なる複数のハロゲン化銀乳剤層から成る感光性層を
少なくとも1つ有するハロゲン化銀写真感光材料であ
る。
【0098】ハロゲン化銀カラー感光材料の層構成、膜
厚、ハロゲン化銀乳剤については特開平3−15056
3号公報の第11頁〜第14頁に具体的に記載されてい
る。また、カラー感光材料に使用できる写真用添加剤も
RDに記載されており、下記の表に関連する記載箇所を
示した。
【0099】 添加剤の種類 RD17643 RD18716 RD307105 1.化学増感剤 23頁 648 頁右欄 866頁 2.感度上昇剤 648 頁右欄 3.分光増感剤、 23〜24頁 648 頁右欄 866 〜868 頁 強色増感剤 〜649 頁右欄 4.増 白 剤 24頁 647 頁右欄 868頁 5.光吸収剤、 25 〜26頁 649 頁右欄 873頁 フィルター 〜650 頁左欄 染料、紫外 線吸収剤 6.バインダー 26頁 651 頁左 873 〜874 頁 7.可塑剤、 27頁 650 頁右欄 876頁 潤滑剤 8.塗布助剤、 26 〜27頁 650 頁右欄 875 〜876 頁 表面活性剤 9.スタチツク 27頁 650 頁右欄 876 〜877 頁 防止剤 10.マツト剤 878 〜879 頁。
【0100】また、各種カプラー及び溶媒については、
特開平3−150563号公報及びここに引用された特
許等に具体的に記載されている。
【0101】本発明の処理剤が適用されるカラー感光材
料に適当な支持体は、例えば、前述のRD.No.17643 の
28頁、同No.18716の 647頁右欄から 648頁左欄、および
同No.307105 の 879頁に記載されている。
【0102】本発明の処理剤が適用されるカラー感光材
料は、乳剤層を有する側の反対側に、乾燥膜厚の総和が
2μm 〜20μm の親水性コロイド層(バック層と称す)
を設けることが好ましい。このバック層には、前述の光
吸収剤、フィルター染料、紫外線吸収剤、スタチック防
止剤、硬膜剤、バインダー、可塑剤、潤滑剤、塗布助
剤、表面活性剤を含有させることが好ましい。このバッ
ク層の膨潤率は150 〜500 %が好ましい。
【0103】本発明の処理剤が適用されるカラー感光材
料は、磁気記録層を有していることが多い。磁気記録層
とは、磁性体粒子をバインダー中に分散した水性もしく
は有機溶媒系塗布液を支持体上に塗設したものである。
【0104】撮影用のカラー感光材料には、セルロース
トリアセテート及びポリエステル支持体が用いられる
が、その詳細については、公開技報、公技番号94-6023
(発明協会;1994.3.15.)に記載されている。ポリエステ
ルはジオールと芳香族ジカルボン酸を必須成分として形
成され、芳香族ジカルボン酸として2,6−、1,5
−、1,4−、及び2,7−ナフタレンジカルボン酸、
テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ジオールとし
てジエチレングリコール、トリエチレングリコール、シ
クロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、ビスフ
ェノールが挙げられる。この重合ポリマーとしては、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレー
ト、ポリシクロヘキサンジメタノールテレフタレート等
のホモポリマーを挙げることができる。特に好ましいの
は2,6−ナフタレンジカルボン酸を50モル%〜 100モ
ル%含むポリエステルである。中でも特に好ましいのは
ポリエチレン 2,6−ナフタレートである。平均分子
量の範囲は約 5,000ないし 200,000である。本発明のポ
リエステルのTgは50℃以上であり、さらに90℃以上が好
ましい。このポリエステルには紫外線吸収剤を練り込ん
でも良い。又ライトパイピング防止のため、三菱化成製
のDiaresin、日本化薬製のKayaset 等ポリエステル用と
して市販されている染料または顔料を練り込むことによ
り目的を達成することが可能である。
【0105】本発明の処理剤を用いる感光材料は、支持
体と感材構成層を接着させるために、下塗り層を施した
のち、あるいは直接に表面処理することが好ましい。組
成物処理、機械的処理、コロナ放電処理、火焔処理、紫
外線処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ
処理、レーザー処理、混酸処理、オゾン酸化処理、など
の表面活性化処理が挙げられる。表面処理の中でも好ま
しいのは、紫外線照射処理、火焔処理、コロナ処理、グ
ロー処理である。
【0106】また感光材料を処理するには、特開平2−
207250号公報の第26頁右下欄1行目〜34頁右
上欄9行目、及び特開平4−97355号公報の第5頁
左上欄17行目〜18頁右下欄20行目に記載の処理素
材や処理方法が好ましく適用できる。
【0107】
〔カラー現像補充液用処理組成物〕
蛍光増白剤FL−1 25mmol トリイソプロパノールアミン 40.0g p−トルエンスルホン酸ナトリウム 75.0g エチレンジアミン四酢酸 15.0g 亜硫酸ナトリウム 0.8g 4,5−ジヒドロキシベンゼンー1,3−ジスルホン酸ナトリウム 2.0g ジナトリウム−N,N−ビス(スルホナートエチル)ヒドロキシルアミン 60.0g 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−メタンスルホンアミドエチ ル)アニリン・3/2硫酸・1水塩 88.0g 水酸化カリウム 34.5g 水酸化ナトリウム 25.0g 炭酸カリウム 100.0g 水を加えて 1000ミリリットル pH(25℃/水酸化カリウム及び硫酸にて調整) 10.35
【0108】FL−1
【化2】
【0109】(2)感光材料試料 フジカラーペーパー「EVER−BEAUTY PAP
ER for LASER」を使用した。 (3)現像処理 上記感光材料試料を127mmのロール状に加工し、処
理時間と処理温度が変えられるように富士写真フイルム
(株)製ミニラボプリンタープロセッサー フロンティ
ア330を改造した実験用処理装置を用いて、感光材料
試料に平均濃度0.7で標準的なカラーバランスの現像
済みカラーネガフィルムから像様焼付け露光を行ない、
下記処理工程にて現像処理をおこなった。現像処理は、
現像槽に下記処方の現像液を満たし、補充液は上記した
処理剤組成物を後述のように処理剤製品形態にして加速
経時させたのち希釈調製を行なって得た補充液を下記記
載の補充速度で補充しながら行なった。使用したカラー
現像補充液量がカラー現像槽の容量の3.0倍(3ラウ
ンド)となるまで連続処理(ランニング処理)を行なっ
た。
【0110】 <現像処理> 処理工程 温 度 時 間 補充量 カラー現像 45.0℃ 15秒 45mL 漂白定着 40.0℃ 15秒 35mL リンス(1) 40.0℃ 8秒 − リンス(2) 40.0℃ 8秒 − リンス(3) 40.0℃ 8秒 − リンス(4) 40.0℃ 8秒 121mL 乾 燥 80℃ 15秒 注)* 補充量は感光材料1m2当たりの補充量であ
る。 **リンスは、富士写真フイルム(株)製リンスクリー
ニングシステムRC50Dをリンス(3)に装着して、
リンス(3)からリンス液を取り出して、ポンプにより
逆浸透モジュールRC50Dへ送る。その透過水は、リ
ンス(4)に供給し、濃縮水はリンス(3)に戻した。
逆浸透モジュールへの透過水量は50〜300mL/分
を維持するようにポンプ圧を調整し、1日10時間温度
調節して循環させた。リンスは(4)→(3)→(2)
→(1)の4タンク向流方式とした。 各処理液の組成は以下の通りである。
【0111】 〔カラー現像液〕 タンク液、 800ミリリットル 800ミリリットル 蛍光増白剤FL−1 (前記) 4mmol トリイソプロパノールアミン 8.8g p−トルエンスルホン酸ナトリウム 20.0g エチレンジアミン四酢酸 4.0g 亜硫酸ナトリウム 0.1g 塩化カリウム 10.0g 4,5−ジヒドロキシベンゼンー 1,3−ジスルホン酸ナトリウム 0.5g ジナトリウム−N,N−ビス(スルホ ナートエチル)ヒドロキシルアミン 8.5g 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−メタンスルホンアミドエチ ル)アニリン・3/2硫酸・1水塩 10.0g 炭酸カリウム 26.3g 水を加えて 1000ミリリットル pH(25℃/水酸化カリウム及び硫酸にて調整) 10.35
【0112】 〔漂白定着液〕 タンク液 補充液 水 800ミリリットル 800ミリリットル チオ硫酸アンモニウム(750g/リットル)107ミリリットル 214ミリリットル エチレンジアミン四酢酸鉄(III)アンモニウム 47.0g 94.0g エチレンジアミン四酢酸 1.4g 2.8g 琥珀酸 29.5g 59.0g 硝酸(67%) 17.5g 35.0g イミダゾール 14.6g 29.2g 亜硫酸アンモニウム 16.0g 32.0g メタ重亜硫酸カリウム 23.1g 46.2g 水を加えて 1000ミリリットル 1000ミリリットル pH(25℃/硝酸及びアンモニア水にて調整) 6.0 6.0
【0113】 〔リンス液〕 タンク液 補充液 塩素化イソシアヌール酸ナトリウム 0.02g 0.02g 脱イオン水(導電率5μs/cm以下) 1000ミリリットル 1000ミリリットル pH 6.5 6.5
【0114】(4)容器 下記のプラスチック原料を用いて射出ブロー成形によっ
て本発明に関わる処理組成物組成物容器A並びに比較用
容器B、C,D,E及びFを作製した。各容器とも、図
1に示した形状の柱状部と口部を持つ本体及びキャップ
からなり、キャップ部と口部の螺合状態は、図3の記載
に順じているが、キャップは、図1の容器に勘合する封
口形キャップであって、密栓される。内容量は1.4リ
ットル、柱状部の肉厚みは、いずれも1mmである。
【0115】 容器 原 料 備 考 注(商品名など) A ポリエチレンサクシネート 本発明 ルナーレSE(日本触媒) B HDPE 比較例 比重0.941 C 修飾澱粉系プラスチック 比較例 コーンホ゛ール(日本コーンスターチ) D β-ヒト゛ロキシ酪酸系フ゜ラスチック 比較例 バイオポール(ICI) E ポリブチレンサクシネート 比較例 ビオノーレ(昭和高分子) F ポリ乳酸 比較例 ラクティ(島津製作所)
【0116】(5)処理組成物の充填と処理剤評価 処理組成物の充填 上記A〜Fの各々の容器に前記カラー現像補充液用処理組
成物をそれぞれ1.32L(補充液5L分)ずつ秤量充
填し、液体調合処理剤の製品形態とし、それぞれを50
℃で相対湿度80%の環境の下に4ヶ月経時させた。経
時させたのち、各処理剤試料に収納されている組成物を
容器から取り出して全量5Lとなるように溶解してカラ
ー現像補充液を調製し、この経時処理剤試料から調製し
た補充液を、上記のランニング処理に使用した。 (評価)ランニング処理の終了時に、上記カラーペーパ
ーにセンシトメトリー用の標準光源と中性光楔を用いて
露光を与えた試料を現像して、処理済み試料の濃度測定
を行ない、感度を求めた。感度は、中性階段露光部の濃
度0.5の部分の露光量の逆対数を尺度とした。結果を
経時させなかった新調製の補充液を用いてランニングし
て得られた感度に対する相対値で表1に示した。表1に
おいて、負の数値は減感していることを意味する。ま
た、表1における生分解性は、本発明者による各試料を
同一条件下で同時に行なったコンポスティング速度の比
較テストの結果を相対的に示したものである。
【0117】
【表1】
【0118】表1の結果から、本発明に係る容器Aにて
経時させた処理剤は、高温、高湿度の保存環境に経時さ
せた後にランニングを行なっても、感度低下が認められ
ない(すなわち新補充液でランニング処理したときと同
じ)であるのに対して比較例B〜Fはいずれも感度低下
が認められた。しかも容器Aの材料(ポリエチレンスク
シネート)は生分解性の点でも優れていることも比較試
験で確かめられた。
【0119】
【発明の効果】少なくとも現像主薬含有パートをポリエ
チレンスクシネートを主成分とするプラスチックによっ
て造られた容器に収納したことを特徴とする本発明の現
像液用液体調合処理剤は、長期にわたるランニング処理
や、長期間にわたる高温多湿環境下の保存・保管中にお
いても、感度低下が防止され、安定なランニング及び/
又は保存・保管が可能である。その上、この容器は、生
分解性であって、使用済み容器を廃棄する際にも環境負
荷が少ない。しかも、この容器の形状は、特に制約はな
く、容器製造上や取り扱いの上から実際的な形状でよ
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る容器の1具体例の概略斜視図であ
る。
【図2】本発明に係る容器の別の具体例の概略斜視図で
ある。
【図3】本発明に係る容器のさらに別の具体例の概略斜
視図である。
【符号の説明】
1300 口部 1302 柱状部 1304 肩部 1306 ねじ部 1308 シール部材A 1310 蓋(キャップ) 1316 シール部材B

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハロゲン化銀写真用の現像液用処理組成
    物を容器に収納してなる写真現像液用液体調合処理剤で
    あって、現像主薬を含有するパートがポリエチレンスク
    シネートを主成分とするプラスチックによって造られた
    容器に収納されていることを特徴とする写真現像液用液
    体調合処理剤。
  2. 【請求項2】 前記ポリエチレンスクシネートを主成分
    とするプラスチックによって造られた容器が、ポリエチ
    レンスクシネートを単一のプラスチックとして造られた
    容器であることを特徴とする請求項1に記載の写真現像
    液用液体調合処理剤。
  3. 【請求項3】 前記現像主薬がp−フェニレンジアミン
    誘導体又はその塩であることを特徴とする請求項1又は
    2に記載の写真現像液用液体調合処理剤。
  4. 【請求項4】 前記現像主薬を含有するパートが置換ヒ
    ドロキシルアミンをも含有していることを特徴とする請
    求項1〜3のいずれかに記載の写真現像液用液体調合処
    理剤。
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