JP2004184309A - 干渉計 - Google Patents
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Abstract
【課題】干渉計において、干渉縞のコントラストを高める。
【解決手段】干渉計は、回折格子21、コンデンサーレンズ22、透明板23、フィールドレンズ24および撮像素子25をこの順に配置させている。透明板23は、回折格子21によって形成される0次回折光L21および1次回折光L22の両焦点スポットがコンデンサーレンズ22により形成される光軸方向位置に配置されている。透明板23には、1次回折光L22の焦点スポットの中心位置を中心位置とする円形の遮光部23aが設けられている。遮光部23aの中央部には、1次回折光L22の焦点スポットの中心位置を中心位置とするピンホール23bが設けられている。
【選択図】 図1
【解決手段】干渉計は、回折格子21、コンデンサーレンズ22、透明板23、フィールドレンズ24および撮像素子25をこの順に配置させている。透明板23は、回折格子21によって形成される0次回折光L21および1次回折光L22の両焦点スポットがコンデンサーレンズ22により形成される光軸方向位置に配置されている。透明板23には、1次回折光L22の焦点スポットの中心位置を中心位置とする円形の遮光部23aが設けられている。遮光部23aの中央部には、1次回折光L22の焦点スポットの中心位置を中心位置とするピンホール23bが設けられている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種の光学機器、光学部品などから出射される光束自体、各種の光学機器、光学部品自体などの特性を検査するために適用され、光束の収差を計測する干渉計に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、光束の収差を計測する干渉計としては種々のものが知られているが、その一つが下記特許文献1に紹介されている。この特許文献1に紹介された干渉計は、図13に示すように、光源10、コリメーティングレンズ11、被検査対象である被検レンズ12および半透明板13を備え、光源10から放射された発散光がコリメーティングレンズ11によって平行光束に変換され、同変換された平行光束が被検レンズ12によって半透明板13上に焦点を結ぶようにしている。
【0003】
被検レンズ12と半透明板13との間には、半透明板13上に0次、1次、2次などの複数の回折光による複数の焦点スポットを形成するための回折格子14と、2次以上の回折光を遮断する遮光板15が配置されており、0次および1次の回折光による焦点スポットが半透明板13上に形成される。半透明板13上の1次回折光の焦点位置にはピンホール13aが設けられており、ピンホール13aを通過した1次回折光が生成する参照波面と、半透明板13を通過した0次回折光が生成する波面をフィールドレンズ16で重ね合わせることにより、干渉縞が撮像素子17に形成されるようにしている。
【0004】
【特許文献1】
特開昭57−64139号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来装置にあっては、参照波面を生成するピンホール13aが半透明板13に形成されているので、1次回折光のうちの一部はピンホール13aに参照波面を生成するが、一部は収差を含んだ波面のまま透過することになる。その結果、撮像素子17上で観察される干渉縞のコントラストが著しく低下して、この干渉計による波面測定精度が低下する。特に、半導体レーザのように光源の可干渉性が低い場合、干渉縞に十分なコントラストが得られない。
【0006】
【発明の概略】
本発明は上記問題に対処するためになされたもので、その目的は、撮像素子上で観察される干渉縞のコントラストを高めて、波面測定精度を向上させた干渉計を提供することにある。
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、入射光束を第1および第2の分割光束に分割する光束分割手段と、前記分割された第1および第2の分割光束をそれぞれ第1および第2の焦点スポットに集光するための第1のレンズと、第1のレンズに対向して第1および第2の焦点スポットが形成される光軸方向位置に配置され、第2の焦点スポットの中心位置を中心位置とするピンホールを中央部に設けた遮光部を、第2の焦点スポットが形成される位置近傍に形成した透明板と、第1の焦点スポットから発散する第1の発散光束を第1の平行光束に変換するとともに、ピンホールから発散する第2の発散光束を第2の平行光束に変換する第2のレンズと、第1の平行光束と第2の平行光束とが互いに干渉することによって生じる干渉縞を観察するための撮像素子とを備えたことにある。
【0008】
このように構成した本発明においては、ピンホールが第2の焦点スポットに集光された第2の分割光束の一部のみを透過し、ピンホールの外側に設けた遮光部がそれ以外の第2の分割光束の透過を阻止するので、透明板を透過した第2の分割光束は極めて小さな収差しか有さない(すなわち、実質的に収差を有さない)参照波面を構成する。したがって、この実質的に収差を有さない参照波面を構成する第2の分割光束と、透明板を透過した第1の分割光束との干渉により、撮像素子上で観察される干渉縞のコントラストが高められて、波面測定精度が向上する。また、第1および第2の分割光束は、共に透明板を透過するために大きな強度を有し、明瞭な干渉縞が撮像素子上に形成されるので、波面測定精度が向上する。特に、半導体レーザのように光源の可干渉性の低い場合でも、干渉縞に十分なコントラストが得られる。その結果、入射光束を被検査対象とすれば、同入射光束の波面収差を良好に検出できる。また、第1のレンズを被検査対象とすれば、同レンズの特性を良好に検出できる。
【0009】
この場合、前記透明板上に形成された遮光部を、円形に構成するとよい。また、前記第2の焦点スポットの直径を、前記ピンホールの直径よりも大きく、かつ前記遮光部の直径よりも小さく設定するとよい。特に、ピンホールの直径を小さくすることにより、ピンホールを透過して参照波面を構成する第2の分割光束をほとんど収差を有さないものにすることができ、波面測定の精度を向上させることができる。
【0010】
また、本発明の他の特徴は、入射光束を第1および第2の分割光束に分割する光束分割手段と、前記分割された第1および第2の分割光束をそれぞれほぼ直角方向に反射するとともに、同直角方向から入射した光束を透過するビームスプリッタと、ビームスプリッタによって反射された第1および第2の分割光束に対してほぼ垂直な反射面を有し、中央部に円形マイクロミラーを設けた透過部を反射面の一部に形成したミラーと、ビームスプリッタとミラーとの間に介装され、第1の分割光束を透過部の外側の反射面上に集光させて第1の焦点スポットを形成するとともに、第2の分割光束を円形マイクロミラーの反射面上に集光させて第2の焦点スポットを形成し、かつ第1および第2の焦点スポットから発散する第1および第2の発散光束を第1および第2の平行光束に変換してビームスプリッタに入射させるレンズと、ビームスプリッタを透過した第1および第2の平行光束を受光して同第1の平行光束と第2の平行光束とが互いに干渉することによって生じる干渉縞を観察するための撮像素子とを備えたことにある。
【0011】
このように構成した本発明の他の特徴においては、円形マイクロミラーが第2の焦点スポットに集光された第2の分割光束の一部のみを反射し、円形マイクロミラーの外側に設けた透過部がそれ以外の第2の分割光束を透過するので、円形マイクロミラーによって反射された第2の分割光束は極めて小さな収差しか有さない(すなわち、実質的に収差を有さない)参照波面を構成する。したがって、この実質的に収差を有さない参照波面を構成する第2の分割光束と、ミラーで反射された第1の分割光束との干渉により、撮像素子上で観察される干渉縞のコントラストが高められて、波面測定精度が向上する。また、第1および第2の分割光束は、共にミラーにて反射されるために大きな強度を有し、明瞭な干渉縞が撮像素子上に形成されるので、波面測定精度が向上する。そして、この場合も、半導体レーザのように光源の可干渉性が低くても、干渉縞に十分なコントラストが得られる。その結果、入射光束を被検査対象とすれば、同入射光束の波面収差を良好に検出できる。また、レンズを被検査対象とすれば、同レンズの特性を良好に検出できる。
【0012】
さらに、本発明の他の特徴は、入射光束を第1および第2の分割光束に分割する光束分割手段と、前記分割された第1および第2の分割光束をそれぞれ透過するとともに、同透過方向から入射した光束を直角方向に反射するビームスプリッタと、ビームスプリッタを透過した第1および第2の分割光束に対してほぼ垂直な反射面を有し、中央部に円形マイクロミラーを設けた透過部を反射面の一部に形成したミラーと、ビームスプリッタとミラーとの間に介装され、第1の分割光束を透過部の外側の反射面上に集光させて第1の焦点スポットを形成するとともに、第2の分割光束を円形マイクロミラーの反射面上に集光させて第2の焦点スポットを形成し、かつ第1および第2の焦点スポットから発散する第1および第2の発散光束を第1および第2の平行光束に変換してビームスプリッタに入射させるレンズと、ビームスプリッタにて反射した第1および第2の平行光束を受光して同第1の平行光束と第2の平行光束とが互いに干渉することによって生じる干渉縞を観察するための撮像素子とを備えたことにある。
【0013】
これによっても、円形マイクロミラーが第2の焦点スポットに集光された第2の分割光束の一部のみを反射し、円形マイクロミラーの外側に設けた透過部がそれ以外の第2の分割光束を透過するので、円形マイクロミラーによって反射された第2の分割光束は極めて小さな収差しか有さない(すなわち、実質的に収差を有さない)参照波面を構成する。したがって、この場合も、前述した本発明の他の特徴による効果と同等な効果を期待できる。
【0014】
これらのミラーを用いた本発明においては、前記ミラー上に形成された透過部を、円形に構成するとよい。また、前記第2の焦点スポットの直径を、前記マイクロミラーの直径よりも大きく、かつ前記透過部の直径よりも小さく設定するとよい。特に、マイクロミラーの直径を小さくすることにより、マイクロミラーにて反射されて参照波面を構成する第2の分割光束をほとんど収差を有さないものにすることができ、波面測定の精度を向上させることができる。
【0015】
また、前記光束分割手段を、例えば回折格子で構成できる。この場合、前記回折格子の断面を、階段状に形成したり、鋸歯状に形成したりするとよい。このような回折格子においては、例えば、前記第1の分割光束は前記回折格子による0次回折光であり、かつ前記第2の分割光束は前記回折格子による正または負の1次回折光である。このように、回折格子の断面を、階段状に形成したり、鋸歯状に形成したりすることにより、0次回折光と、正または負の1次回折光とを効率的に生成することが可能になる。
【0016】
また、前記光束分割手段を、前記入射光束の一部を反射して前記第1の分割光束を生成する第1の面と、前記第1の面を透過した光束を反射して前記第2の分割光束を生成する第2の面とを有する楔型プリズムで構成してもよい。これによれば、簡単な構成の楔型プリズムで光束分割手段を構成できるので、装置全体の構成が簡単になる。
【0017】
さらに、このような干渉計においては、前記第1の分割光束に対する前記第2の分割光束の強度比を、1.1ないし5.0の範囲内に設定することが好ましい。これにより、明瞭な干渉縞を撮像素子上に形成させることができるので、波面測定精度が向上する。
【0018】
【実施の形態】
a.第1実施形態
以下、本発明の第1実施形態について図面を用いて説明すると、図1は、入射光束L1の特性を検査するための第1実施形態に係る干渉計を概略的に示している。この干渉計は、光束分割手段としての回折格子21と、第1のレンズとしてのコンデンサーレンズ22と、透明板23と、第2のレンズとしてのフィールドレンズ24と、撮像素子25とをこの順に配置させている。
【0019】
回折格子21は、図2の概略断面図にて示すように、矩形波断面を有しており、入射光束L1に対して0次回折光L21、正の1次回折光L22、負の1次回折光L23、正の3次回折光L24、負の三次回折光L25などを生じさせる。なお、この第1実施形態で利用される回折光は、0次回折光L21および正の1次回折光L22であり、その他の次数の回折光は不要である。この回折格子21は、その断面の凸部の高さをh、入射光束L1の波長をλ、回折格子21の肉厚部を構成する透明板の光学的屈性率をnとすると、同高さhがλ/2(n−1)の奇数倍であるとき、0次回折光L21の強度を「0」にするもので、この高さhを調整することにより、0次回折光L21に対する1次回折光L22の強度比を調整可能である。第1実施形態では、1次回折光L22は、後述する透明板23の遮光部23aによってその一部のみしかフィールドレンズ24に達しないので、前記強度比を1.1ないし5.0の範囲内に設定しておくことが好ましい。
【0020】
コンデンサーレンズ22は、入射光束L1に基づく0次回折光L21および1次回折光L22の各焦点スポットを透明板23に形成するためのものである。
【0021】
透明板23は、コンデンサーレンズ22に対向して前記0次回折光L21および1次回折光L22の両焦点スポットが形成される光軸方向位置に配置されている。そして、図3,4に示すように、透明板23には、1次回折光L22の焦点スポットの中心位置を中心位置とする円形の遮光部23aが設けられている。遮光部23aの中央部には、1次回折光L22よりも極めて小さな収差のみしか有さない(すなわち、実質的に収差を有さない)参照光L22’を生成するために、1次回折光L22の焦点スポットの中心位置を中心位置とするピンホール23bが設けられている。この場合、1次回折光L22による焦点スポットの直径は、ピンホール23bの直径よりも大きく、かつ遮光部23aの直径よりも小さい。
【0022】
フィールドレンズ24は、透明板23を透過して発散された0次回折光L21および参照光L22’を平行光束に変換して、撮像素子25に入射させる。撮像素子25は、0次回折光L21と参照光L22’とで形成される干渉縞を画像として表示する。
【0023】
上記のように構成した第1実施形態においては、被検査対象としての入射光束L1は、回折格子21により0次回折光L21と1次回折光L22とに分割されてコンデンサーレンズ22に入射し、コンデンサーレンズ22は前記分割された0次回折光L21および1次回折光L22の各焦点スポットが透明板23上に形成されるように、0次回折光L21および1次回折光L22を集光する。この場合、0次回折光L21の焦点スポットは、透明板23の遮光部23aの外側位置に形成され、1次回折光L22の焦点スポットは透明板23のピンホール23b位置に形成される。
【0024】
0次回折光L21は透明板23を透過後、発散されて波面を維持しながら被検査光束としてフィールドレンズ24に入射する。一方、1次回折光L22は前記ピンホール23bの透過時に極めて小さな収差のみしか有さない(すなわち、実質的に収差を有さない)参照波面として機能する参照光L22’に変換されるとともに、発散されてフィールドレンズ24に入射する。これらの0次回折光L21および参照光L22’は、フィールドレンズ24によって平行光束に変換されて、撮像素子25上に干渉縞を形成する。したがって、この干渉縞を観察することにより、被検査光束である入射光束L1の収差を計算することが可能となる。
【0025】
このように動作する上記第1実施形態においては、ピンホール23bに集光された1次回折光L22のみを透過し、遮光部23a上に集光されている1次回折光L22の透過を阻止する。したがって、透明板23を透過した参照光L22’は、極めて小さな収差のみしか有さない(実質的に収差を有さない)参照波面を構成する。したがって、この参照波面を構成する参照光L22’と、透明板23を透過した被検査光束としての0次回折光L21との干渉により、撮像素子25上で観察される干渉縞のコントラストが高められて、波面測定精度が向上する。また、0次回折光L21および参照光L22’は、共に透明板23を透過するために大きな強度を有したままであり、明瞭な干渉縞が撮像素子25上に形成されるので、波面測定精度が向上する。特に、半導体レーザのように光源の可干渉性の低い場合でも、干渉縞に十分なコントラストが得られる。その結果、入射光束L1の波面収差を良好に検出できる。
【0026】
b.第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態について図面を用いて説明すると、図5は、入射光束L1の特性を検査するための第2実施形態に係る干渉計を概略的に示している。この干渉計は、回折格子31、ビームスプリッタ32、ミラー33、レンズ34および撮像素子35を備えている。
【0027】
回折格子31は、上記第1実施形態の回折格子21と同様に構成されていて、同回折格子21と同様に機能する。なお、この第2実施形態で利用される回折光も、0次回折光L21および正の1次回折光L22であり、その他の次数の回折光は不要である。また、この第2実施形態においても、1次回折光L22は後述するミラー33の透過部33bによってその一部のみしか撮像素子35に達しないので、0次回折光L21に対する正の1次回折光L22の強度比を1.1ないし5.0の範囲内に設定しておくことが好ましい。
【0028】
また、ビームスプリッタ32は、回折格子31によって分割された0次回折光L21および正の1次回折光L22をそれぞれほぼ直角方向に反射するとともに、ミラー33によって反射されて同直角方向から入射した光束を透過する。ミラー33は、ビームスプリッタ32から前記0次回折光L21および正の1次回折光L22の反射方向に所定距離だけ離れて配置されており、ビームスプリッタ32によって反射された0次回折光L21および正の1次回折光L22に対してほぼ垂直な反射面33aを有する。この反射面33aには、図6,7に示すように、入射光を透過してしまって反射しない円形の透過部33bが設けられている。この透過部33bには、1次回折光L22よりも極めて小さな収差のみしか有さない(すなわち、実質的に収差を有さない)参照光L22’を生成するために、透過部33bの中心位置を中心位置とする円形マイクロミラー33c(円形の極めて小さなミラー)が設けられている。この場合、後述するレンズ34によって形成される1次回折光L22による焦点スポットの直径は、円形マイクロミラー33cの直径よりも大きく、かつ透過部33bの直径よりも小さい。
【0029】
レンズ34は、ビームスプリッタ32とミラー33との間に介装され、0次回折光L21をミラー33における透過部33bの外側の反射面33a上に集光させて第1の焦点スポットを形成するとともに、正の1次回折光L22を円形マイクロミラー33c上に集光させて第2の焦点スポットを形成する。また、レンズ34は、ミラー33によって第1および第2の焦点スポットから反射されるととおに発散された0次回折光L21および参照光L22’をそれぞれ平行光束に変換してビームスプリッタ32を介して撮像素子35に入射させる。撮像素子35は、上記第1実施形態の撮像素子25と同様に構成されている。
【0030】
上記のように構成した第2実施形態においては、被検査対象としての入射光束L1は、回折格子31により0次回折光L21と1次回折光L22とに分割されてビームスプリッタ32に入射され、同入射された0次回折光L21および1次回折光L22はビームスプリッタ32にて反射されてレンズ34に入射する。レンズ34は、前記入射された0次回折光L21および1次回折光L22の各焦点スポットがミラー33上に形成されるように、0次回折光L21および1次回折光L22を集光する。この場合、0次回折光L21の焦点スポットは、ミラー33の透過部33bの外側に位置する反射面33a上に形成され、1次回折光L22の焦点スポットはミラー33の円形マイクロミラー33c上に形成される。
【0031】
0次回折光L21は反射面33aにて反射されるとともに発散されて、波面を維持しながら被検査光束としてレンズ34に入射する。一方、1次回折光L22は、円形マイクロミラー33cによる反射時に極めて小さな収差のみしか有さない(すなわち、実質的に収差を有さない)参照波面として機能する参照光L22’に変換されるとともに発散されてレンズ34に入射する。これらの0次回折光L21および参照光L22’は、レンズ34によって平行光束に変換されて、撮像素子35上に干渉縞を形成する。したがって、この干渉縞を観察することにより、被検査光束である入射光束L1の収差を計算することが可能となる。
【0032】
このように動作する上記第2実施形態においては、円形マイクロミラー33cが第2の焦点スポットに集光された正の1次回折光L22の一部のみを反射し、円形マイクロミラー33cの外側に設けた透過部33bがそれ以外の正の1次回折光L22を透過するので、ミラー33すなわち円形マイクロミラー33cによって反射された参照光L22’は極めて小さな収差しか有さない(すなわち、実質的に収差を有さない)参照波面を構成する。したがって、この実質的に収差を有さない参照波面を構成する参照光L22’と、ミラー33で反射された0次回折光L21との干渉により、撮像素子35上で観察される干渉縞のコントラストが高められて、波面測定精度が向上する。また、0次回折光L21および参照光L22’は、共にミラー33にて反射されるために大きな強度を有し、明瞭な干渉縞が撮像素子35上に形成されるので、波面測定精度が向上する。そして、この場合も、半導体レーザのように光源の可干渉性が低くていも、干渉縞に十分なコントラストが得られる。その結果、入射光束L1を被検査対象とすれば、同入射光束L1の波面収差を良好に検出できる。
【0033】
c.第3実施形態
次に、本発明の第3実施形態について図面を用いて説明すると、図8は第3実施形態に係る干渉計の概略図である。この干渉計は、上記第2実施形態に係る干渉計のビームスプリッタ32に代えて、ビームスプリッタ32Aを採用したものである。このビームスプリッタ32Aは、回折格子31によって分割された0次回折光L21および正の1次回折光L22を透過してレンズ34に入射させるとともに、同レンズ34から入射した0次回折光L21および参照光L22‘を直角方向に反射して撮像素子35に入射させる。他の部分に関しては、上記第2実施形態と同様であるので、同第2実施形態と同一符号を付してその説明を省略する。
【0034】
上記のように構成した第3実施形態においても、被検査対象としての入射光束L1は、回折格子31によって0次回折光L21と1次回折光L22とに分割されて、ビームスプリッタ32Aに入射される。入射された0次回折光L21および1次回折光L22はビームスプリッタ32Aを透過し、レンズ34により、0次回折光L21による焦点スポットがミラー33の透過部33bの外側に位置する反射面33a上に形成されるとともに、1次回折光L22による焦点スポットがミラー33の円形マイクロミラー33c上に形成される。
【0035】
この場合も、ミラー33は上記第2実施形態と同様に機能し、ミラー33により発散された0次回折光L21および参照光L22’がレンズ34に入射する。そして、レンズ34によって平行光束に変換された0次回折光L21および参照光L22’は、ビームスプリッタ35によって直角方向に反射されて、撮像素子35上に干渉縞を形成する。したがって、この場合も、干渉縞を観察することにより、被検査光束である入射光束L1の収差を計算することが可能となる。
【0036】
このように動作する上記第3実施形態においても、ミラー33すなわち円形マイクロミラー33cによって反射された参照光L22’は極めて小さな収差しか有さない(すなわち、実質的に収差を有さない)参照波面を構成する。したがって、この第3実施形態に係る干渉計においても、上記第2実施形態に係る干渉計と同一の効果を期待できる。
【0037】
以上、本発明の第1ないし第3実施形態について詳しく説明したが、本発明の実施にあたっては、上記第1ないし第3実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変形も可能である。
【0038】
例えば、上記第1ないし第3実施形態においては、回折格子21,31の断面を矩形波状にした(図2参照)。しかし、上記第1ないし第3実施形態では、回折格子21からの出射光には、0次回折光L21および正の1次回折光L22が含まれるうえに、負の1次回折光L23、正の3次回折光L24および負の3次回折光L25も含まれるので、非効率である。これを解決するために、回折格子21,31に代えて、図9に示すような断面階段状の回折格子41を利用することもできる。これによれば、回折格子41からの出射光には、主に0次回折光L21および正の1次回折光L22(または、主に0次回折光L21および負の1次回折光L23)のみが含まれるようになり、回折光の利用効率が向上する。
【0039】
また、前記回折格子21,31に代えて、図10に示すような断面鋸歯状の回折格子42を利用することもできる。これによれば、回折格子42からの出射光には、0次回折光L21および正の1次回折光L22(または0次回折光L21および負の1次回折光L23)のみが含まれるようになり、回折光の利用効率が向上する。また、これらの回折格子41、42を用いる場合でも、階段状の凸部および鋸歯状の凸部の高さhを調整することにより、上記実施形態の場合と同様に、0次回折光L21に対する1次回折光L22の強度比を調整可能である。そして、これらの変形例においても、この高さhの調整により、0次回折光L21に対する1次回折光L22の強度比を、1.1ないし5.0の範囲内に設定しておくことが好ましい。
【0040】
また、これらの回折格子21,31に代えて、楔型反射プリズムを用いることもできる。図11は、上記第1実施形態の回折格子21に代えて楔型反射プリズム43を用いた例を示している。この楔型反射プリズム43は、その表面43aにて被検査光束である入射光束L1の一部を反射して第1の分割光束L31を生成する。また、この楔型反射プリズム43は、その裏面43b(ただし、内側裏面43b)にて入射光束L1の一部を反射して第2の分割光束L32を生成する。他の構成は上記実施形態と同様であり、コンデンサーレンズ22により、第1の分割光束L31の焦点スポットは透明板23の遮光部23aの外側部に形成され、第2の分割光束L32の焦点スポットは透明板23のピンホール23b位置に形成される。他の動作も、上記第1実施形態の場合と同様である。
【0041】
また、上記第2および第3実施形態の回折格子31に代えて楔型反射プリズムを用いた例については図示しないが、前記変形例の場合と同様に、図5および図8の回折格子31に代えて、前記楔型反射プリズム43を用いればよいだけである。したがって、これらの各変形例によっても、上記第1ないし第3実施形態と同様に、明瞭な干渉縞が撮像素子25、35上に形成されるので、波面測定精度が向上する。また、これらの変形例に係る干渉計においては、楔型反射プリズム43が比較的簡単に構成できるので、装置全体の構成が簡単になる。
【0042】
このような楔型反射プリズム43を用いた干渉計においても、第1の分割光束L31に対する第2の分割光束L32の強度比を、1.1ないし5.0の範囲内に設定しておくことが好ましい。この場合、楔型反射プリズム43の表面43aおよび裏面43bの外側に設ける反射用のコーティングの反射率を適宜選択および調整するようにすればよい。
【0043】
さらに、上記第1ないし第3実施形態、並びにそれらの各変形例においては、他の光学機器または光学部品から入射される入射光束L1を被検査対象としたが、光学機器または光学部品を被検査対象とすることもできる。例えば、上記第1実施形態のコンデンサーレンズ22を被検査対象とすることができるとともに、第2および第3実施形態のレンズ34を被検査対象とすることもできる。上記第1実施形態においてコンデンサーレンズ22を被検査対象とする場合、図12に示すように、他の光学機器または光学部品からの光束を入射光束L1とするのではなく、干渉計内に前記入射光束L1に相当し、かつ波面収差の極めて小さな(すなわち、実質的に波面収差を有さない)光束を出射する光源50を設けるようにする。他の構成は上記図1の実施形態と同様である。そして、撮像素子25に形成される干渉縞に基づいて、コンデンサーレンズ22の特性を検査するとよい。
【0044】
また、上記第2および第3実施形態においてレンズ34を被検査対象とする場合、他の光学機器または光学部品からの入射光束L1に代えて、前記変形例の光源50からの波面収差の極めて小さな(すなわち、実質的に波面収差を有さない)光束を図5および図8の回折格子31に入射させるようにすればよい。
【0045】
なお、このようなコンデンサーレンズ22およびレンズ34の特性を検査する干渉計においても、上記第1ないし第3実施形態の各種変形例と同様に、図9および図10に示すような変形例に係る回折格子41,42または図11に示す楔型反射プリズム43を用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る干渉計の概略図である。
【図2】図1の回折格子の概略断面図である。
【図3】図1の透明板の概略斜視図である。
【図4】図3の遮光部の拡大図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る干渉計の概略図である。
【図6】図5のミラーの概略斜視図である。
【図7】図6の透過部の拡大図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係る干渉計の概略図である。
【図9】前記第1ないし第3施形態の変形例に係る回折格子の概略断面図である。
【図10】前記第1ないし第3実施形態の他の変形例に係る回折格子の概略断面図である。
【図11】前記第1実施形態の変形例に係る干渉計の概略図である。
【図12】前記第1実施形態の他の変形例に係る干渉計の概略図である。
【図13】従来の干渉計の概略図である。
【符号の説明】
21,31,41,42…回折格子、22…コンデンサーレンズ(第1のレンズ)、23…透明板、23a…遮光部、23b…ピンホール、24…フィールドレンズ(第2のレンズ)、25,35…撮像素子、32,32A…ビームスプリッタ、33…ミラー、33a…反射面、33b…透過部、33c…円形マイクロミラー、34…レンズ、43…楔型反射プリズム、50…光源。
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種の光学機器、光学部品などから出射される光束自体、各種の光学機器、光学部品自体などの特性を検査するために適用され、光束の収差を計測する干渉計に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、光束の収差を計測する干渉計としては種々のものが知られているが、その一つが下記特許文献1に紹介されている。この特許文献1に紹介された干渉計は、図13に示すように、光源10、コリメーティングレンズ11、被検査対象である被検レンズ12および半透明板13を備え、光源10から放射された発散光がコリメーティングレンズ11によって平行光束に変換され、同変換された平行光束が被検レンズ12によって半透明板13上に焦点を結ぶようにしている。
【0003】
被検レンズ12と半透明板13との間には、半透明板13上に0次、1次、2次などの複数の回折光による複数の焦点スポットを形成するための回折格子14と、2次以上の回折光を遮断する遮光板15が配置されており、0次および1次の回折光による焦点スポットが半透明板13上に形成される。半透明板13上の1次回折光の焦点位置にはピンホール13aが設けられており、ピンホール13aを通過した1次回折光が生成する参照波面と、半透明板13を通過した0次回折光が生成する波面をフィールドレンズ16で重ね合わせることにより、干渉縞が撮像素子17に形成されるようにしている。
【0004】
【特許文献1】
特開昭57−64139号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来装置にあっては、参照波面を生成するピンホール13aが半透明板13に形成されているので、1次回折光のうちの一部はピンホール13aに参照波面を生成するが、一部は収差を含んだ波面のまま透過することになる。その結果、撮像素子17上で観察される干渉縞のコントラストが著しく低下して、この干渉計による波面測定精度が低下する。特に、半導体レーザのように光源の可干渉性が低い場合、干渉縞に十分なコントラストが得られない。
【0006】
【発明の概略】
本発明は上記問題に対処するためになされたもので、その目的は、撮像素子上で観察される干渉縞のコントラストを高めて、波面測定精度を向上させた干渉計を提供することにある。
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、入射光束を第1および第2の分割光束に分割する光束分割手段と、前記分割された第1および第2の分割光束をそれぞれ第1および第2の焦点スポットに集光するための第1のレンズと、第1のレンズに対向して第1および第2の焦点スポットが形成される光軸方向位置に配置され、第2の焦点スポットの中心位置を中心位置とするピンホールを中央部に設けた遮光部を、第2の焦点スポットが形成される位置近傍に形成した透明板と、第1の焦点スポットから発散する第1の発散光束を第1の平行光束に変換するとともに、ピンホールから発散する第2の発散光束を第2の平行光束に変換する第2のレンズと、第1の平行光束と第2の平行光束とが互いに干渉することによって生じる干渉縞を観察するための撮像素子とを備えたことにある。
【0008】
このように構成した本発明においては、ピンホールが第2の焦点スポットに集光された第2の分割光束の一部のみを透過し、ピンホールの外側に設けた遮光部がそれ以外の第2の分割光束の透過を阻止するので、透明板を透過した第2の分割光束は極めて小さな収差しか有さない(すなわち、実質的に収差を有さない)参照波面を構成する。したがって、この実質的に収差を有さない参照波面を構成する第2の分割光束と、透明板を透過した第1の分割光束との干渉により、撮像素子上で観察される干渉縞のコントラストが高められて、波面測定精度が向上する。また、第1および第2の分割光束は、共に透明板を透過するために大きな強度を有し、明瞭な干渉縞が撮像素子上に形成されるので、波面測定精度が向上する。特に、半導体レーザのように光源の可干渉性の低い場合でも、干渉縞に十分なコントラストが得られる。その結果、入射光束を被検査対象とすれば、同入射光束の波面収差を良好に検出できる。また、第1のレンズを被検査対象とすれば、同レンズの特性を良好に検出できる。
【0009】
この場合、前記透明板上に形成された遮光部を、円形に構成するとよい。また、前記第2の焦点スポットの直径を、前記ピンホールの直径よりも大きく、かつ前記遮光部の直径よりも小さく設定するとよい。特に、ピンホールの直径を小さくすることにより、ピンホールを透過して参照波面を構成する第2の分割光束をほとんど収差を有さないものにすることができ、波面測定の精度を向上させることができる。
【0010】
また、本発明の他の特徴は、入射光束を第1および第2の分割光束に分割する光束分割手段と、前記分割された第1および第2の分割光束をそれぞれほぼ直角方向に反射するとともに、同直角方向から入射した光束を透過するビームスプリッタと、ビームスプリッタによって反射された第1および第2の分割光束に対してほぼ垂直な反射面を有し、中央部に円形マイクロミラーを設けた透過部を反射面の一部に形成したミラーと、ビームスプリッタとミラーとの間に介装され、第1の分割光束を透過部の外側の反射面上に集光させて第1の焦点スポットを形成するとともに、第2の分割光束を円形マイクロミラーの反射面上に集光させて第2の焦点スポットを形成し、かつ第1および第2の焦点スポットから発散する第1および第2の発散光束を第1および第2の平行光束に変換してビームスプリッタに入射させるレンズと、ビームスプリッタを透過した第1および第2の平行光束を受光して同第1の平行光束と第2の平行光束とが互いに干渉することによって生じる干渉縞を観察するための撮像素子とを備えたことにある。
【0011】
このように構成した本発明の他の特徴においては、円形マイクロミラーが第2の焦点スポットに集光された第2の分割光束の一部のみを反射し、円形マイクロミラーの外側に設けた透過部がそれ以外の第2の分割光束を透過するので、円形マイクロミラーによって反射された第2の分割光束は極めて小さな収差しか有さない(すなわち、実質的に収差を有さない)参照波面を構成する。したがって、この実質的に収差を有さない参照波面を構成する第2の分割光束と、ミラーで反射された第1の分割光束との干渉により、撮像素子上で観察される干渉縞のコントラストが高められて、波面測定精度が向上する。また、第1および第2の分割光束は、共にミラーにて反射されるために大きな強度を有し、明瞭な干渉縞が撮像素子上に形成されるので、波面測定精度が向上する。そして、この場合も、半導体レーザのように光源の可干渉性が低くても、干渉縞に十分なコントラストが得られる。その結果、入射光束を被検査対象とすれば、同入射光束の波面収差を良好に検出できる。また、レンズを被検査対象とすれば、同レンズの特性を良好に検出できる。
【0012】
さらに、本発明の他の特徴は、入射光束を第1および第2の分割光束に分割する光束分割手段と、前記分割された第1および第2の分割光束をそれぞれ透過するとともに、同透過方向から入射した光束を直角方向に反射するビームスプリッタと、ビームスプリッタを透過した第1および第2の分割光束に対してほぼ垂直な反射面を有し、中央部に円形マイクロミラーを設けた透過部を反射面の一部に形成したミラーと、ビームスプリッタとミラーとの間に介装され、第1の分割光束を透過部の外側の反射面上に集光させて第1の焦点スポットを形成するとともに、第2の分割光束を円形マイクロミラーの反射面上に集光させて第2の焦点スポットを形成し、かつ第1および第2の焦点スポットから発散する第1および第2の発散光束を第1および第2の平行光束に変換してビームスプリッタに入射させるレンズと、ビームスプリッタにて反射した第1および第2の平行光束を受光して同第1の平行光束と第2の平行光束とが互いに干渉することによって生じる干渉縞を観察するための撮像素子とを備えたことにある。
【0013】
これによっても、円形マイクロミラーが第2の焦点スポットに集光された第2の分割光束の一部のみを反射し、円形マイクロミラーの外側に設けた透過部がそれ以外の第2の分割光束を透過するので、円形マイクロミラーによって反射された第2の分割光束は極めて小さな収差しか有さない(すなわち、実質的に収差を有さない)参照波面を構成する。したがって、この場合も、前述した本発明の他の特徴による効果と同等な効果を期待できる。
【0014】
これらのミラーを用いた本発明においては、前記ミラー上に形成された透過部を、円形に構成するとよい。また、前記第2の焦点スポットの直径を、前記マイクロミラーの直径よりも大きく、かつ前記透過部の直径よりも小さく設定するとよい。特に、マイクロミラーの直径を小さくすることにより、マイクロミラーにて反射されて参照波面を構成する第2の分割光束をほとんど収差を有さないものにすることができ、波面測定の精度を向上させることができる。
【0015】
また、前記光束分割手段を、例えば回折格子で構成できる。この場合、前記回折格子の断面を、階段状に形成したり、鋸歯状に形成したりするとよい。このような回折格子においては、例えば、前記第1の分割光束は前記回折格子による0次回折光であり、かつ前記第2の分割光束は前記回折格子による正または負の1次回折光である。このように、回折格子の断面を、階段状に形成したり、鋸歯状に形成したりすることにより、0次回折光と、正または負の1次回折光とを効率的に生成することが可能になる。
【0016】
また、前記光束分割手段を、前記入射光束の一部を反射して前記第1の分割光束を生成する第1の面と、前記第1の面を透過した光束を反射して前記第2の分割光束を生成する第2の面とを有する楔型プリズムで構成してもよい。これによれば、簡単な構成の楔型プリズムで光束分割手段を構成できるので、装置全体の構成が簡単になる。
【0017】
さらに、このような干渉計においては、前記第1の分割光束に対する前記第2の分割光束の強度比を、1.1ないし5.0の範囲内に設定することが好ましい。これにより、明瞭な干渉縞を撮像素子上に形成させることができるので、波面測定精度が向上する。
【0018】
【実施の形態】
a.第1実施形態
以下、本発明の第1実施形態について図面を用いて説明すると、図1は、入射光束L1の特性を検査するための第1実施形態に係る干渉計を概略的に示している。この干渉計は、光束分割手段としての回折格子21と、第1のレンズとしてのコンデンサーレンズ22と、透明板23と、第2のレンズとしてのフィールドレンズ24と、撮像素子25とをこの順に配置させている。
【0019】
回折格子21は、図2の概略断面図にて示すように、矩形波断面を有しており、入射光束L1に対して0次回折光L21、正の1次回折光L22、負の1次回折光L23、正の3次回折光L24、負の三次回折光L25などを生じさせる。なお、この第1実施形態で利用される回折光は、0次回折光L21および正の1次回折光L22であり、その他の次数の回折光は不要である。この回折格子21は、その断面の凸部の高さをh、入射光束L1の波長をλ、回折格子21の肉厚部を構成する透明板の光学的屈性率をnとすると、同高さhがλ/2(n−1)の奇数倍であるとき、0次回折光L21の強度を「0」にするもので、この高さhを調整することにより、0次回折光L21に対する1次回折光L22の強度比を調整可能である。第1実施形態では、1次回折光L22は、後述する透明板23の遮光部23aによってその一部のみしかフィールドレンズ24に達しないので、前記強度比を1.1ないし5.0の範囲内に設定しておくことが好ましい。
【0020】
コンデンサーレンズ22は、入射光束L1に基づく0次回折光L21および1次回折光L22の各焦点スポットを透明板23に形成するためのものである。
【0021】
透明板23は、コンデンサーレンズ22に対向して前記0次回折光L21および1次回折光L22の両焦点スポットが形成される光軸方向位置に配置されている。そして、図3,4に示すように、透明板23には、1次回折光L22の焦点スポットの中心位置を中心位置とする円形の遮光部23aが設けられている。遮光部23aの中央部には、1次回折光L22よりも極めて小さな収差のみしか有さない(すなわち、実質的に収差を有さない)参照光L22’を生成するために、1次回折光L22の焦点スポットの中心位置を中心位置とするピンホール23bが設けられている。この場合、1次回折光L22による焦点スポットの直径は、ピンホール23bの直径よりも大きく、かつ遮光部23aの直径よりも小さい。
【0022】
フィールドレンズ24は、透明板23を透過して発散された0次回折光L21および参照光L22’を平行光束に変換して、撮像素子25に入射させる。撮像素子25は、0次回折光L21と参照光L22’とで形成される干渉縞を画像として表示する。
【0023】
上記のように構成した第1実施形態においては、被検査対象としての入射光束L1は、回折格子21により0次回折光L21と1次回折光L22とに分割されてコンデンサーレンズ22に入射し、コンデンサーレンズ22は前記分割された0次回折光L21および1次回折光L22の各焦点スポットが透明板23上に形成されるように、0次回折光L21および1次回折光L22を集光する。この場合、0次回折光L21の焦点スポットは、透明板23の遮光部23aの外側位置に形成され、1次回折光L22の焦点スポットは透明板23のピンホール23b位置に形成される。
【0024】
0次回折光L21は透明板23を透過後、発散されて波面を維持しながら被検査光束としてフィールドレンズ24に入射する。一方、1次回折光L22は前記ピンホール23bの透過時に極めて小さな収差のみしか有さない(すなわち、実質的に収差を有さない)参照波面として機能する参照光L22’に変換されるとともに、発散されてフィールドレンズ24に入射する。これらの0次回折光L21および参照光L22’は、フィールドレンズ24によって平行光束に変換されて、撮像素子25上に干渉縞を形成する。したがって、この干渉縞を観察することにより、被検査光束である入射光束L1の収差を計算することが可能となる。
【0025】
このように動作する上記第1実施形態においては、ピンホール23bに集光された1次回折光L22のみを透過し、遮光部23a上に集光されている1次回折光L22の透過を阻止する。したがって、透明板23を透過した参照光L22’は、極めて小さな収差のみしか有さない(実質的に収差を有さない)参照波面を構成する。したがって、この参照波面を構成する参照光L22’と、透明板23を透過した被検査光束としての0次回折光L21との干渉により、撮像素子25上で観察される干渉縞のコントラストが高められて、波面測定精度が向上する。また、0次回折光L21および参照光L22’は、共に透明板23を透過するために大きな強度を有したままであり、明瞭な干渉縞が撮像素子25上に形成されるので、波面測定精度が向上する。特に、半導体レーザのように光源の可干渉性の低い場合でも、干渉縞に十分なコントラストが得られる。その結果、入射光束L1の波面収差を良好に検出できる。
【0026】
b.第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態について図面を用いて説明すると、図5は、入射光束L1の特性を検査するための第2実施形態に係る干渉計を概略的に示している。この干渉計は、回折格子31、ビームスプリッタ32、ミラー33、レンズ34および撮像素子35を備えている。
【0027】
回折格子31は、上記第1実施形態の回折格子21と同様に構成されていて、同回折格子21と同様に機能する。なお、この第2実施形態で利用される回折光も、0次回折光L21および正の1次回折光L22であり、その他の次数の回折光は不要である。また、この第2実施形態においても、1次回折光L22は後述するミラー33の透過部33bによってその一部のみしか撮像素子35に達しないので、0次回折光L21に対する正の1次回折光L22の強度比を1.1ないし5.0の範囲内に設定しておくことが好ましい。
【0028】
また、ビームスプリッタ32は、回折格子31によって分割された0次回折光L21および正の1次回折光L22をそれぞれほぼ直角方向に反射するとともに、ミラー33によって反射されて同直角方向から入射した光束を透過する。ミラー33は、ビームスプリッタ32から前記0次回折光L21および正の1次回折光L22の反射方向に所定距離だけ離れて配置されており、ビームスプリッタ32によって反射された0次回折光L21および正の1次回折光L22に対してほぼ垂直な反射面33aを有する。この反射面33aには、図6,7に示すように、入射光を透過してしまって反射しない円形の透過部33bが設けられている。この透過部33bには、1次回折光L22よりも極めて小さな収差のみしか有さない(すなわち、実質的に収差を有さない)参照光L22’を生成するために、透過部33bの中心位置を中心位置とする円形マイクロミラー33c(円形の極めて小さなミラー)が設けられている。この場合、後述するレンズ34によって形成される1次回折光L22による焦点スポットの直径は、円形マイクロミラー33cの直径よりも大きく、かつ透過部33bの直径よりも小さい。
【0029】
レンズ34は、ビームスプリッタ32とミラー33との間に介装され、0次回折光L21をミラー33における透過部33bの外側の反射面33a上に集光させて第1の焦点スポットを形成するとともに、正の1次回折光L22を円形マイクロミラー33c上に集光させて第2の焦点スポットを形成する。また、レンズ34は、ミラー33によって第1および第2の焦点スポットから反射されるととおに発散された0次回折光L21および参照光L22’をそれぞれ平行光束に変換してビームスプリッタ32を介して撮像素子35に入射させる。撮像素子35は、上記第1実施形態の撮像素子25と同様に構成されている。
【0030】
上記のように構成した第2実施形態においては、被検査対象としての入射光束L1は、回折格子31により0次回折光L21と1次回折光L22とに分割されてビームスプリッタ32に入射され、同入射された0次回折光L21および1次回折光L22はビームスプリッタ32にて反射されてレンズ34に入射する。レンズ34は、前記入射された0次回折光L21および1次回折光L22の各焦点スポットがミラー33上に形成されるように、0次回折光L21および1次回折光L22を集光する。この場合、0次回折光L21の焦点スポットは、ミラー33の透過部33bの外側に位置する反射面33a上に形成され、1次回折光L22の焦点スポットはミラー33の円形マイクロミラー33c上に形成される。
【0031】
0次回折光L21は反射面33aにて反射されるとともに発散されて、波面を維持しながら被検査光束としてレンズ34に入射する。一方、1次回折光L22は、円形マイクロミラー33cによる反射時に極めて小さな収差のみしか有さない(すなわち、実質的に収差を有さない)参照波面として機能する参照光L22’に変換されるとともに発散されてレンズ34に入射する。これらの0次回折光L21および参照光L22’は、レンズ34によって平行光束に変換されて、撮像素子35上に干渉縞を形成する。したがって、この干渉縞を観察することにより、被検査光束である入射光束L1の収差を計算することが可能となる。
【0032】
このように動作する上記第2実施形態においては、円形マイクロミラー33cが第2の焦点スポットに集光された正の1次回折光L22の一部のみを反射し、円形マイクロミラー33cの外側に設けた透過部33bがそれ以外の正の1次回折光L22を透過するので、ミラー33すなわち円形マイクロミラー33cによって反射された参照光L22’は極めて小さな収差しか有さない(すなわち、実質的に収差を有さない)参照波面を構成する。したがって、この実質的に収差を有さない参照波面を構成する参照光L22’と、ミラー33で反射された0次回折光L21との干渉により、撮像素子35上で観察される干渉縞のコントラストが高められて、波面測定精度が向上する。また、0次回折光L21および参照光L22’は、共にミラー33にて反射されるために大きな強度を有し、明瞭な干渉縞が撮像素子35上に形成されるので、波面測定精度が向上する。そして、この場合も、半導体レーザのように光源の可干渉性が低くていも、干渉縞に十分なコントラストが得られる。その結果、入射光束L1を被検査対象とすれば、同入射光束L1の波面収差を良好に検出できる。
【0033】
c.第3実施形態
次に、本発明の第3実施形態について図面を用いて説明すると、図8は第3実施形態に係る干渉計の概略図である。この干渉計は、上記第2実施形態に係る干渉計のビームスプリッタ32に代えて、ビームスプリッタ32Aを採用したものである。このビームスプリッタ32Aは、回折格子31によって分割された0次回折光L21および正の1次回折光L22を透過してレンズ34に入射させるとともに、同レンズ34から入射した0次回折光L21および参照光L22‘を直角方向に反射して撮像素子35に入射させる。他の部分に関しては、上記第2実施形態と同様であるので、同第2実施形態と同一符号を付してその説明を省略する。
【0034】
上記のように構成した第3実施形態においても、被検査対象としての入射光束L1は、回折格子31によって0次回折光L21と1次回折光L22とに分割されて、ビームスプリッタ32Aに入射される。入射された0次回折光L21および1次回折光L22はビームスプリッタ32Aを透過し、レンズ34により、0次回折光L21による焦点スポットがミラー33の透過部33bの外側に位置する反射面33a上に形成されるとともに、1次回折光L22による焦点スポットがミラー33の円形マイクロミラー33c上に形成される。
【0035】
この場合も、ミラー33は上記第2実施形態と同様に機能し、ミラー33により発散された0次回折光L21および参照光L22’がレンズ34に入射する。そして、レンズ34によって平行光束に変換された0次回折光L21および参照光L22’は、ビームスプリッタ35によって直角方向に反射されて、撮像素子35上に干渉縞を形成する。したがって、この場合も、干渉縞を観察することにより、被検査光束である入射光束L1の収差を計算することが可能となる。
【0036】
このように動作する上記第3実施形態においても、ミラー33すなわち円形マイクロミラー33cによって反射された参照光L22’は極めて小さな収差しか有さない(すなわち、実質的に収差を有さない)参照波面を構成する。したがって、この第3実施形態に係る干渉計においても、上記第2実施形態に係る干渉計と同一の効果を期待できる。
【0037】
以上、本発明の第1ないし第3実施形態について詳しく説明したが、本発明の実施にあたっては、上記第1ないし第3実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変形も可能である。
【0038】
例えば、上記第1ないし第3実施形態においては、回折格子21,31の断面を矩形波状にした(図2参照)。しかし、上記第1ないし第3実施形態では、回折格子21からの出射光には、0次回折光L21および正の1次回折光L22が含まれるうえに、負の1次回折光L23、正の3次回折光L24および負の3次回折光L25も含まれるので、非効率である。これを解決するために、回折格子21,31に代えて、図9に示すような断面階段状の回折格子41を利用することもできる。これによれば、回折格子41からの出射光には、主に0次回折光L21および正の1次回折光L22(または、主に0次回折光L21および負の1次回折光L23)のみが含まれるようになり、回折光の利用効率が向上する。
【0039】
また、前記回折格子21,31に代えて、図10に示すような断面鋸歯状の回折格子42を利用することもできる。これによれば、回折格子42からの出射光には、0次回折光L21および正の1次回折光L22(または0次回折光L21および負の1次回折光L23)のみが含まれるようになり、回折光の利用効率が向上する。また、これらの回折格子41、42を用いる場合でも、階段状の凸部および鋸歯状の凸部の高さhを調整することにより、上記実施形態の場合と同様に、0次回折光L21に対する1次回折光L22の強度比を調整可能である。そして、これらの変形例においても、この高さhの調整により、0次回折光L21に対する1次回折光L22の強度比を、1.1ないし5.0の範囲内に設定しておくことが好ましい。
【0040】
また、これらの回折格子21,31に代えて、楔型反射プリズムを用いることもできる。図11は、上記第1実施形態の回折格子21に代えて楔型反射プリズム43を用いた例を示している。この楔型反射プリズム43は、その表面43aにて被検査光束である入射光束L1の一部を反射して第1の分割光束L31を生成する。また、この楔型反射プリズム43は、その裏面43b(ただし、内側裏面43b)にて入射光束L1の一部を反射して第2の分割光束L32を生成する。他の構成は上記実施形態と同様であり、コンデンサーレンズ22により、第1の分割光束L31の焦点スポットは透明板23の遮光部23aの外側部に形成され、第2の分割光束L32の焦点スポットは透明板23のピンホール23b位置に形成される。他の動作も、上記第1実施形態の場合と同様である。
【0041】
また、上記第2および第3実施形態の回折格子31に代えて楔型反射プリズムを用いた例については図示しないが、前記変形例の場合と同様に、図5および図8の回折格子31に代えて、前記楔型反射プリズム43を用いればよいだけである。したがって、これらの各変形例によっても、上記第1ないし第3実施形態と同様に、明瞭な干渉縞が撮像素子25、35上に形成されるので、波面測定精度が向上する。また、これらの変形例に係る干渉計においては、楔型反射プリズム43が比較的簡単に構成できるので、装置全体の構成が簡単になる。
【0042】
このような楔型反射プリズム43を用いた干渉計においても、第1の分割光束L31に対する第2の分割光束L32の強度比を、1.1ないし5.0の範囲内に設定しておくことが好ましい。この場合、楔型反射プリズム43の表面43aおよび裏面43bの外側に設ける反射用のコーティングの反射率を適宜選択および調整するようにすればよい。
【0043】
さらに、上記第1ないし第3実施形態、並びにそれらの各変形例においては、他の光学機器または光学部品から入射される入射光束L1を被検査対象としたが、光学機器または光学部品を被検査対象とすることもできる。例えば、上記第1実施形態のコンデンサーレンズ22を被検査対象とすることができるとともに、第2および第3実施形態のレンズ34を被検査対象とすることもできる。上記第1実施形態においてコンデンサーレンズ22を被検査対象とする場合、図12に示すように、他の光学機器または光学部品からの光束を入射光束L1とするのではなく、干渉計内に前記入射光束L1に相当し、かつ波面収差の極めて小さな(すなわち、実質的に波面収差を有さない)光束を出射する光源50を設けるようにする。他の構成は上記図1の実施形態と同様である。そして、撮像素子25に形成される干渉縞に基づいて、コンデンサーレンズ22の特性を検査するとよい。
【0044】
また、上記第2および第3実施形態においてレンズ34を被検査対象とする場合、他の光学機器または光学部品からの入射光束L1に代えて、前記変形例の光源50からの波面収差の極めて小さな(すなわち、実質的に波面収差を有さない)光束を図5および図8の回折格子31に入射させるようにすればよい。
【0045】
なお、このようなコンデンサーレンズ22およびレンズ34の特性を検査する干渉計においても、上記第1ないし第3実施形態の各種変形例と同様に、図9および図10に示すような変形例に係る回折格子41,42または図11に示す楔型反射プリズム43を用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る干渉計の概略図である。
【図2】図1の回折格子の概略断面図である。
【図3】図1の透明板の概略斜視図である。
【図4】図3の遮光部の拡大図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る干渉計の概略図である。
【図6】図5のミラーの概略斜視図である。
【図7】図6の透過部の拡大図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係る干渉計の概略図である。
【図9】前記第1ないし第3施形態の変形例に係る回折格子の概略断面図である。
【図10】前記第1ないし第3実施形態の他の変形例に係る回折格子の概略断面図である。
【図11】前記第1実施形態の変形例に係る干渉計の概略図である。
【図12】前記第1実施形態の他の変形例に係る干渉計の概略図である。
【図13】従来の干渉計の概略図である。
【符号の説明】
21,31,41,42…回折格子、22…コンデンサーレンズ(第1のレンズ)、23…透明板、23a…遮光部、23b…ピンホール、24…フィールドレンズ(第2のレンズ)、25,35…撮像素子、32,32A…ビームスプリッタ、33…ミラー、33a…反射面、33b…透過部、33c…円形マイクロミラー、34…レンズ、43…楔型反射プリズム、50…光源。
Claims (13)
- 入射光束を第1および第2の分割光束に分割する光束分割手段と、
前記分割された第1および第2の分割光束をそれぞれ第1および第2の焦点スポットに集光するための第1のレンズと、
前記第1のレンズに対向して前記第1および第2の焦点スポットが形成される光軸方向位置に配置され、前記第2の焦点スポットの中心位置を中心位置とするピンホールを中央部に設けた遮光部を、前記第2の焦点スポットが形成される位置近傍に形成した透明板と、
前記第1の焦点スポットから発散する第1の発散光束を第1の平行光束に変換するとともに、前記ピンホールから発散する第2の発散光束を第2の平行光束に変換する第2のレンズと、
前記第1の平行光束と第2の平行光束とが互いに干渉することによって生じる干渉縞を観察するための撮像素子とを備えた干渉計。 - 前記透明板上に形成された遮光部は、円形である請求項1に記載した干渉計。
- 前記第2の焦点スポットの直径は、前記ピンホールの直径よりも大きく、かつ前記遮光部の直径よりも小さい請求項2に記載した干渉計。
- 入射光束を第1および第2の分割光束に分割する光束分割手段と、
前記分割された第1および第2の分割光束をそれぞれほぼ直角方向に反射するとともに、同直角方向から入射した光束を透過するビームスプリッタと、
前記ビームスプリッタによって反射された第1および第2の分割光束に対してほぼ垂直な反射面を有し、中央部に円形マイクロミラーを設けた透過部を前記反射面の一部に形成したミラーと、
前記ビームスプリッタと前記ミラーとの間に介装され、前記第1の分割光束を前記透過部の外側の反射面上に集光させて第1の焦点スポットを形成するとともに、前記第2の分割光束を前記円形マイクロミラーの反射面上に集光させて第2の焦点スポットを形成し、かつ前記第1および第2の焦点スポットから発散する第1および第2の発散光束を第1および第2の平行光束に変換して前記ビームスプリッタに入射させるレンズと、
前記ビームスプリッタを透過した前記第1および第2の平行光束を受光して同第1の平行光束と第2の平行光束とが互いに干渉することによって生じる干渉縞を観察するための撮像素子とを備えた干渉計。 - 入射光束を第1および第2の分割光束に分割する光束分割手段と、
前記分割された第1および第2の分割光束をそれぞれ透過するとともに、同透過方向から入射した光束を直角方向に反射するビームスプリッタと、
前記ビームスプリッタを透過した第1および第2の分割光束に対してほぼ垂直な反射面を有し、中央部に円形マイクロミラーを設けた透過部を前記反射面の一部に形成したミラーと、
前記ビームスプリッタと前記ミラーとの間に介装され、前記第1の分割光束を前記透過部の外側の反射面上に集光させて第1の焦点スポットを形成するとともに、前記第2の分割光束を前記円形マイクロミラーの反射面上に集光させて第2の焦点スポットを形成し、かつ前記第1および第2の焦点スポットから発散する第1および第2の発散光束を第1および第2の平行光束に変換して前記ビームスプリッタに入射させるレンズと、
前記ビームスプリッタにて反射した前記第1および第2の平行光束を受光して同第1の平行光束と第2の平行光束とが互いに干渉することによって生じる干渉縞を観察するための撮像素子とを備えた干渉計。 - 前記ミラー上に形成された透過部は、円形である請求項4または5に記載した干渉計。
- 前記第2の焦点スポットの直径は、前記マイクロミラーの直径よりも大きく、かつ前記透過部の直径よりも小さい請求項6に記載した干渉計。
- 前記光束分割手段を回折格子で構成した請求項1ないし7のうちのいずれか一つに記載した干渉計。
- 前記回折格子は、その断面が階段状に形成されている請求項8に記載した干渉計。
- 前記回折格子は、その断面が鋸歯状に形成されている請求項8に記載した干渉計。
- 前記第1の分割光束は前記回折格子による0次回折光であり、かつ前記第2の分割光束は前記回折格子による正または負の1次回折光である請求項8ないし10のうちのいずれか一つに記載した干渉計。
- 前記光束分割手段を、前記入射光束の一部を反射して前記第1の分割光束を生成する第1の面と、前記第1の面を透過した光束を反射して前記第2の分割光束を生成する第2の面とを有する楔型プリズムで構成した請求項1ないし7のうちのいずれか一つに記載した干渉計。
- 前記第1の分割光束に対する前記第2の分割光束の強度比が、1.1ないし5.0の範囲内にある請求項1ないし12のうちのいずれか一つに記載した干渉計。
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