JP2006349382A - 位相シフト干渉計 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高速かつ高精度にワーク表面高さを測定する位相シフト干渉計を提供する。
【解決手段】 照明光学系200と、無干渉光束生成手段300と、位相シフト干渉縞取得部400と、を備える。無干渉光束生成手段300は、照明光学系200からの光をワーク表面への照射光とリファレンス面への入射光との二光束に分割する。さらに、無干渉光束生成手段300は、ワークWからの物体光とリファレンス面からの参照光とを無干渉状態で合波して無干渉光束とする。位相シフト干渉縞取得部400は、無干渉光束生成手段300からの無干渉光束を3以上の光束に分割する。さらに、位相シフト干渉縞取得部400は、分割された各無干渉光束に含まれる物体光と参照光とを分割された光束ごとに異なる位相で干渉させて異なる位相の干渉縞を得る。
【選択図】 図1
Description
本発明は、位相シフト干渉計に関し、位相が異なる複数の干渉縞に基づいてワークの高さ情報を得る位相シフト干渉計に関する。
ワークからの反射光である物体光と参照面からの反射光である参照光とが干渉して生成される干渉縞に基づいてワークの表面形状を測定する干渉計において、位相が異なる複数の干渉縞を得るとともにこれらの位相が異なる干渉縞に基づいてワークの表面形状を高分解能で測定する位相シフト干渉計が知られている。
図4に従来の位相シフト干渉計10の構成を示す。なお、この図4に示される位相シフト干渉計10は、いわゆるミロー型の干渉計である。
図4に従来の位相シフト干渉計10の構成を示す。なお、この図4に示される位相シフト干渉計10は、いわゆるミロー型の干渉計である。
図4の位相シフト干渉計10は、照明光学系20と、干渉縞生成部30と、干渉縞撮像部40と、ビームスプリッタ50と、を備えている。
照明光学系20は、光源21と、コリメートレンズ22と、を備え、光源からの光はコリメートレンズ22によって平行光束となった状態で、ビームスプリッタ50に入射する。
干渉縞生成部30は、ワークWに対する高さ位置が固定可能な固定部31と、この固定部31に対して変位可能な可動部32と、固定部31と可動部32との間に配設されて伸縮によって可動部32を固定部31に対して変位させる圧電素子37と、を備え、さらに可動部32内には対物レンズ33と、リファレンス面35と、ハーフミラー36と、が配設されている。
対物レンズ33、リファレンス面35およびハーフミラー36は、可動部32内において互いの位置は固定的である。
リファレンス面35は、光透過性板材34の一面に設けられた反射板であり、対物レンズ33とハーフミラー36との間に配設されている。
そして、リファレンス面35は対物レンズ33の焦点位置に配置されている。すなわち、対物レンズ33を通った光はハーフミラー36を透過する光とハーフミラー36で反射される光とに分割されるところ、ハーフミラー36からの反射光が焦点を結ぶ位置にリファレンス面35が配設される。
なお、平行リンク機構38によって可動部32の変位方向が固定部31から応力を受ける直線的な一方向に限定されている。
干渉縞撮像部40は、結像レンズ41と、CCDカメラ42と、を備えている。
ビームスプリッタ50は、照明光学系20からのレーザー光を干渉縞生成部30に向けて反射するとともに干渉縞生成部30からの干渉光を干渉縞撮像部40に向けて透過する。
照明光学系20は、光源21と、コリメートレンズ22と、を備え、光源からの光はコリメートレンズ22によって平行光束となった状態で、ビームスプリッタ50に入射する。
干渉縞生成部30は、ワークWに対する高さ位置が固定可能な固定部31と、この固定部31に対して変位可能な可動部32と、固定部31と可動部32との間に配設されて伸縮によって可動部32を固定部31に対して変位させる圧電素子37と、を備え、さらに可動部32内には対物レンズ33と、リファレンス面35と、ハーフミラー36と、が配設されている。
対物レンズ33、リファレンス面35およびハーフミラー36は、可動部32内において互いの位置は固定的である。
リファレンス面35は、光透過性板材34の一面に設けられた反射板であり、対物レンズ33とハーフミラー36との間に配設されている。
そして、リファレンス面35は対物レンズ33の焦点位置に配置されている。すなわち、対物レンズ33を通った光はハーフミラー36を透過する光とハーフミラー36で反射される光とに分割されるところ、ハーフミラー36からの反射光が焦点を結ぶ位置にリファレンス面35が配設される。
なお、平行リンク機構38によって可動部32の変位方向が固定部31から応力を受ける直線的な一方向に限定されている。
干渉縞撮像部40は、結像レンズ41と、CCDカメラ42と、を備えている。
ビームスプリッタ50は、照明光学系20からのレーザー光を干渉縞生成部30に向けて反射するとともに干渉縞生成部30からの干渉光を干渉縞撮像部40に向けて透過する。
このような構成において、光源21から発射された光L21は、コリメートレンズ22によって平行光束とされた状態でビームスプリッタ50に入射する。ビームスプリッタ50に入射した光の一部は、ワークWに向けて反射(L22)される。ビームスプリッタ50からワークWに向けて反射された光(L22)は、対物レンズ33から光透過性板材34を透過してハーフミラー36に入射する。ハーフミラー36に入射した光は、透過光(L23)と反射光(L24)とに分割され、透過光(L23)はワーク表面に照射され、反射光(L24)はリファレンス面35に入射する。
ワーク表面に照射された光はワーク表面にて反射され、物体光として再びハーフミラー36に再帰し、一部はハーフミラー36を透過する。一方、ハーフミラー36にて反射してリファレンス面35に入射した光は、リファレンス面35で反射され、参照光としてハーフミラー36に再帰し、一部はハーフミラー36にて反射される。
このとき、ワークWからの反射光である物体光とリファレンス面35からの反射光である参照光とが干渉する。
物体光と参照光との干渉光L25は対物レンズ33からビームスプリッタ50を介して結像レンズ41に入射する。
そして、結像レンズ41からの干渉縞の像(L26)がCCDカメラ42で撮像される。
このとき、ワークWからの反射光である物体光とリファレンス面35からの反射光である参照光とが干渉する。
物体光と参照光との干渉光L25は対物レンズ33からビームスプリッタ50を介して結像レンズ41に入射する。
そして、結像レンズ41からの干渉縞の像(L26)がCCDカメラ42で撮像される。
ここで、ワーク表面の一点を測定するにあたり、圧電素子37を伸縮させて可動部32を変位させ、例えば、位相が異なる三つの干渉縞を生成する。
可動部32が変位した場合、ハーフミラー36とリファレンス面35との間の光路長は変化しないのに対し、ハーフミラー36とワーク表面との間の光路長が変化するので、可動部32が変位すると参照光と物体光との干渉で生成される干渉縞の位相が違ってくる。そこで、可動部32を例えば3段階で変位させて、位相が異なる干渉縞を3つ生成し、これらをCCDカメラ42で撮像する。
そしてCCDカメラ42で撮像される3つの干渉縞に基づき、ワーク表面の高さが高分解能で算出される。
可動部32が変位した場合、ハーフミラー36とリファレンス面35との間の光路長は変化しないのに対し、ハーフミラー36とワーク表面との間の光路長が変化するので、可動部32が変位すると参照光と物体光との干渉で生成される干渉縞の位相が違ってくる。そこで、可動部32を例えば3段階で変位させて、位相が異なる干渉縞を3つ生成し、これらをCCDカメラ42で撮像する。
そしてCCDカメラ42で撮像される3つの干渉縞に基づき、ワーク表面の高さが高分解能で算出される。
しかしながら、従来の位相シフト干渉計10では、異なる位相の複数の干渉縞を得るにあたって可動部32を変位させている。
複数の干渉縞に基づいてワーク表面高さを高精度に算出するには、干渉縞同士の位相シフト量が正確に分かっていなければならないので、可動部32を既知量ずつ変位させなければならないが、光の波長オーダーで可動部32を既知量だけ正確に変位させることには非常な困難がある。
また、ワーク表面の一点を測定するのに位相が異なる複数の干渉縞を得るにあたり、可動部32を複数段階で変位させなければならないので、一点を測定するのに非常に時間がかかる。
そのため、例えば、ワーク表面の形状が液体表面のように時間の経過とともに刻々と変化するような場合には、可動部32を変位させる間にワーク表面の形状が変わってしまうので、ワーク表面高さを測定することはできない。
複数の干渉縞に基づいてワーク表面高さを高精度に算出するには、干渉縞同士の位相シフト量が正確に分かっていなければならないので、可動部32を既知量ずつ変位させなければならないが、光の波長オーダーで可動部32を既知量だけ正確に変位させることには非常な困難がある。
また、ワーク表面の一点を測定するのに位相が異なる複数の干渉縞を得るにあたり、可動部32を複数段階で変位させなければならないので、一点を測定するのに非常に時間がかかる。
そのため、例えば、ワーク表面の形状が液体表面のように時間の経過とともに刻々と変化するような場合には、可動部32を変位させる間にワーク表面の形状が変わってしまうので、ワーク表面高さを測定することはできない。
本発明の目的は、高速かつ高精度にワーク表面高さを測定する位相シフト干渉計を提供することにある。
本発明の位相シフト干渉計は、光を発射する照明光学系と、前記照明光学系からの光をワーク表面への照射光とリファレンス面への入射光との二光束に分割するとともに、前記ワークからの反射光である物体光と前記リファレンス面からの反射光である参照光とを無干渉状態で合波して無干渉光束とする無干渉光束生成手段と、前記無干渉光束生成手段からの無干渉光束を3以上の光束に分割し、分割された各無干渉光束に含まれる物体光と参照光とを分割された光束ごとに異なる位相で干渉させて異なる位相の干渉縞を得る位相シフト干渉縞取得部と、を備えることを特徴とする。
このような構成において、照明光学系から発射された光は、無干渉光束生成手段により二光束に分割され、ワーク表面にて反射されてワーク表面の位相情報を有する物体光と、リファレンス面にて反射される参照光と、に分割される。さらに、この物体光と参照光とは無干渉状態で合波されて無干渉光束となるところ、この無干渉光束に含まれる物体光と参照光とは干渉せず、それぞれが位相情報を保存したままで合波される。無干渉光束生成手段からの無干渉光束は、位相シフト干渉縞取得部により、まず、3以上の光束に分割される。分割された光束ごとに物体光と参照光とが異なる位相で干渉することで異なる位相の干渉縞が生成される。そして、位相が異なる干渉縞からワーク表面の位相情報が得られ、ワーク表面の高さが解析される。
従来は、一の測定点を測定するにあたって、物体光あるいは参照光の光路長を複数段階で変化させて位相の変化を与えていたので一の測定点の測定のために光路長を何度も変化させる駆動時間を要し、一の測定点の測定に長い時間を要していた。
そのために、形状が刻々と変化するワークに対しては光路長を変化させている間にワーク形状が変化するので対応できなかった。
この点、本発明では、物体光と参照光とが無干渉状態で合波された光束を分割した後に、各分割光束に異なる位相シフトを与えて干渉させることにより、位相が異なる複数の干渉縞を同時に得ることができる。その結果、一の測定点を測定する時間が極めて短くなり、形状が刻々と変化するワーク表面形状であっても測定することができる。
そのために、形状が刻々と変化するワークに対しては光路長を変化させている間にワーク形状が変化するので対応できなかった。
この点、本発明では、物体光と参照光とが無干渉状態で合波された光束を分割した後に、各分割光束に異なる位相シフトを与えて干渉させることにより、位相が異なる複数の干渉縞を同時に得ることができる。その結果、一の測定点を測定する時間が極めて短くなり、形状が刻々と変化するワーク表面形状であっても測定することができる。
また、例えば、従来のごとく物体光あるいは参照光の光路長を変化させるためのメカニカルな動きを必要とせず、光学的に物体光と参照光との位相をシフトさせるので正確な既知量だけ位相シフトさせた干渉縞を得ることができ、結果として、ワーク表面の形状を高精度に測定することができる。
本発明では、前記無干渉光束生成手段は、前記照明光学系からの光をワーク表面に向けて照射する対物レンズと、前記対物レンズとワークとの間に配設され、かつ、前記照明光学系からの光を所定の偏光方向を有する第1偏光とこの前記第1偏光に直交する偏光方向を有する第2偏光とに分割する光束分割手段と、前記光束分割手段にて分割された第1偏光および第2偏光のいずれか一方が前記対物レンズによって結像する焦点位置に配設され、前記光束分割手段からの入射光を光束分割手段に向けて反射するリファレンス面と、を備えることが好ましい。
このような構成において、照明光学系からの光は、対物レンズに入射した後、光束分割手段によって第1偏光と第2偏光とに分割される。このとき、第1偏光と第2偏光とは互いに直交する偏光方向を有する偏光である。
光束分割手段で分割された第1偏光と第2偏光とのいずれか一方はリファレンス面で反射されて参照光として光束分割手段に再帰される。また、光束分割手段で分割された第1偏光と第2偏光とのいずれか他方はワーク表面に照射され、ワーク表面にて反射されて物体光として光束分割手段に再帰される。リファレンス面からの参照光とワークからの物体光とがともに光束分割手段に再帰して合波されるところ、参照光と物体光とは互いに直交する偏光方向の光であるので干渉せずに合波される。そして、参照光と物体光とが無干渉の状態で合波された無干渉光が位相シフト干渉縞取得部にて複数に分割されたのち、分割光束ごとに異なる位相で位相シフトされた干渉縞が取得される。
光束分割手段で分割された第1偏光と第2偏光とのいずれか一方はリファレンス面で反射されて参照光として光束分割手段に再帰される。また、光束分割手段で分割された第1偏光と第2偏光とのいずれか他方はワーク表面に照射され、ワーク表面にて反射されて物体光として光束分割手段に再帰される。リファレンス面からの参照光とワークからの物体光とがともに光束分割手段に再帰して合波されるところ、参照光と物体光とは互いに直交する偏光方向の光であるので干渉せずに合波される。そして、参照光と物体光とが無干渉の状態で合波された無干渉光が位相シフト干渉縞取得部にて複数に分割されたのち、分割光束ごとに異なる位相で位相シフトされた干渉縞が取得される。
このような構成によれば、光束分割手段は光を第1偏光と第2偏光とで互いに直交する偏光方向を有する光に分割するので、参照光と物体光とが合波されたときに互いが干渉することなく、それぞれがリファレンス面あるいはワーク表面の位相情報を保持したままで合波する。
したがって、参照光と物体光とが無干渉で合波した無干渉光の状態で共通の光路により位相シフト干渉縞取得部に無干渉光を入射させることができる。
そして、位相シフト干渉縞取得部において無干渉光を複数に分割したうえで、分割光束ごとに物体光と参照光とを異なる位相で干渉させることにより異なる位相で位相シフトされた干渉縞を同時に複数得ることができる。
したがって、参照光と物体光とが無干渉で合波した無干渉光の状態で共通の光路により位相シフト干渉縞取得部に無干渉光を入射させることができる。
そして、位相シフト干渉縞取得部において無干渉光を複数に分割したうえで、分割光束ごとに物体光と参照光とを異なる位相で干渉させることにより異なる位相で位相シフトされた干渉縞を同時に複数得ることができる。
本発明では、前記光束分割手段は、互いに平行に配列された複数のワイヤーを有しこのワイヤーに平行な成分を反射するとともにワイヤーに垂直な成分を透過させるワイヤーグリッド型偏光板であり、前記リファレンス面は、前記対物レンズと前記ワイヤーグリッド型偏光板との間に配設され、前記ワイヤーグリッド型偏光板にて反射された光の焦点位置において光を前記ワイヤーグリッドに向けて反射することが好ましい。
本発明では、前記光束分割手段は、透過光である第1偏光に対して略直交する方向に向けて反射光である第2偏光を反射する偏光ビームスプリッタであることが好ましい。
このような構成において、光束分割手段としてワイヤーグリッド型偏光板を使用するとミロー型の位相シフト干渉計とすることができ、また、第1偏光に対して略直交する方向に向けて第2偏光を反射する偏光ビームスプリッタを使用するとマイケルソン型の位相シフト干渉計とすることができる。
さらに、ワイヤーグリッド型偏光板は、光透過性板材に平行にワイヤーを配列するだけの簡便な構成であり、例えば、複屈折性の媒質に比べると部材コストを格段に安価にすることができる。また、ワイヤーグリッド型偏光板は、複屈折性の媒質に比べて面積を大きくすることができ、測定に使用する光束の幅を大きくすることができる。
さらに、ワイヤーグリッド型偏光板は、光透過性板材に平行にワイヤーを配列するだけの簡便な構成であり、例えば、複屈折性の媒質に比べると部材コストを格段に安価にすることができる。また、ワイヤーグリッド型偏光板は、複屈折性の媒質に比べて面積を大きくすることができ、測定に使用する光束の幅を大きくすることができる。
本発明では、前記位相シフト干渉縞取得部は、前記無干渉光束生成手段からの無干渉光束に含まれる互いに直交方向の偏光である物体光と参照光とをそれぞれ回転方向が異なる円偏光とする1/4波長板と、前記1/4波長板を通過した無干渉光束の光路中に配設されて、内部の複数の半透過面にて無干渉光束を3以上の光束に分割する無干渉光束分割手段と、前記無干渉光束分割手段にて分割された各光束の光路上に配置され、透過軸角度が所定角度ずつ異なる偏光板と、を備えることが好ましい。
このような構成において、位相シフト干渉縞取得部によって無干渉光束から複数の異なる位相の干渉縞を得るところ、無干渉光束生成手段からの無干渉光束はまず1/4波長板に入射する。すると、無干渉光束に含まれる物体光と参照光とが互いに回転方向が異なる円偏光となる。さらに、1/4波長板を通過した無干渉光束が無干渉光束分割手段によって複数の光束に分割される。そして、分割された各光束は透過軸角度が異なる各偏光板を通過する。この偏光板を通過するときに、各偏光板の透過軸角度が異なっているために、無干渉光に含まれる物体光と参照光とが分割光束ごとに異なる位相で干渉し、異なる位相の干渉縞が得られる。
このような構成によれば、偏光板の透過軸角度を異ならせることで干渉縞の位相を位相シフトさせることができるので、同時に複数の位相が異なる干渉縞を得ることができる。
このような構成によれば、偏光板の透過軸角度を異ならせることで干渉縞の位相を位相シフトさせることができるので、同時に複数の位相が異なる干渉縞を得ることができる。
本発明では、前記位相シフト干渉縞取得部は、前記無干渉光束生成手段からの無干渉光束の光路中に配設された複数のハーフミラーを有する無干渉光束分割手段と、前記無干渉光束分割手段にて分割された各光束の光路中に配設されて各光束に所定の位相遅れを与える複屈折性媒質と、分割された各無干渉光束に含まれる物体光と参照光とを干渉させる偏光板と、を備えることが好ましい。
このような構成において、無干渉光束生成手段からの無干渉光束が複数のハーフミラーを通過する際にその一部が反射されることにより、無干渉光束が複数の光束に分割される。そして、各分割光束が複屈折性媒質を通過することにより各光束に含まれる物体光と参照光との位相が相対的にシフトされる。このように位相シフトされた後に各光束が偏光板を通過することにより参照光と物体光とが干渉し、異なる位相の干渉縞が得られる。
このような構成によれば、複屈折性媒質の屈折率を異ならせることで干渉縞の位相を位相シフトさせることができるので、同時に複数の位相が異なる干渉縞を得ることができる。
このような構成によれば、複屈折性媒質の屈折率を異ならせることで干渉縞の位相を位相シフトさせることができるので、同時に複数の位相が異なる干渉縞を得ることができる。
本発明では、前記照明光学系は、光源と、この光源からの光を偏光にする偏光板と、半波長板と、を備え、前記半波長板を回転させることにより照明光学系からの光の偏光方向を前記光束分割手段の透過軸角度に対して相対的に調整可能であることが好ましい。
このような構成において、半波長板を回転させて半波長板の主軸の角度を調整する。すると、半波長板によって偏光の偏光方向が所定角度回転され、光束分割手段の光軸に対する偏光の偏光方向が変わる。これにより、光束分割手段による光束の分割によって生成される第1偏光と第2偏光との相対強度を調整することができる。
例えば、反射率の低いワークを測定対象とする場合には、物体光が弱すぎて望ましい干渉縞が得られないおそれもあるが、分割される第1偏光と第2偏光との強度を調整してワークからの反射光である物体光の強度とリファレンス面からの反射光である参照光の強度とを略等しくすることで干渉縞を明瞭にすることができる。
例えば、反射率の低いワークを測定対象とする場合には、物体光が弱すぎて望ましい干渉縞が得られないおそれもあるが、分割される第1偏光と第2偏光との強度を調整してワークからの反射光である物体光の強度とリファレンス面からの反射光である参照光の強度とを略等しくすることで干渉縞を明瞭にすることができる。
以下、本発明の実施の形態を図示するとともに図中の各要素に付した符号を参照して説明する。
(第1実施形態)
本発明の位相シフト干渉計に係る第1実施形態について説明する。
図1は、この位相シフト干渉計100の構成を示す図である。
位相シフト干渉計100は、光L1を発射する照明光学系200と、物体光と参照光とを無干渉状態で合波して無干渉光とする無干渉光束生成部300と、無干渉光束を3つの光束に分割するとともにそれぞれ異なる位相で干渉させて異なる位相の複数の干渉縞を取得する位相シフト干渉縞取得部400と、照明光学系200からの光を無干渉光束生成部300に向けて反射するとともに無干渉光束生成部300からの無干渉光束を位相シフト干渉縞取得部400に向けて透過させるビームスプリッタ500を備える。
(第1実施形態)
本発明の位相シフト干渉計に係る第1実施形態について説明する。
図1は、この位相シフト干渉計100の構成を示す図である。
位相シフト干渉計100は、光L1を発射する照明光学系200と、物体光と参照光とを無干渉状態で合波して無干渉光とする無干渉光束生成部300と、無干渉光束を3つの光束に分割するとともにそれぞれ異なる位相で干渉させて異なる位相の複数の干渉縞を取得する位相シフト干渉縞取得部400と、照明光学系200からの光を無干渉光束生成部300に向けて反射するとともに無干渉光束生成部300からの無干渉光束を位相シフト干渉縞取得部400に向けて透過させるビームスプリッタ500を備える。
照明光学系200は、光源210と、コリメートレンズ220と、偏光板230と、半波長板240と、を備える。
半波長板240は、回転可能に設けられている。そして、照明光学系200からの光は、ビームスプリッタ500に入射し、ビームスプリッタ500に入射した光の一部が直角に反射されて、無干渉光束生成部300およびワークWに向かう。
半波長板240は、回転可能に設けられている。そして、照明光学系200からの光は、ビームスプリッタ500に入射し、ビームスプリッタ500に入射した光の一部が直角に反射されて、無干渉光束生成部300およびワークWに向かう。
無干渉光束生成部300は、対物レンズ310と、ワイヤーグリッド320と、リファレンス面331と、を備えている。
ワイヤーグリッド320は、光透過性板材321と、この光透過性板材321の一面において互いに平行に配列された複数のワイヤー322と、を有している。ワイヤー322の線幅は例えば60nm程度であり、ワイヤー同士の間隔は例えば140nm程度である。そして、ワイヤーグリッド320に入射する光のうち、ワイヤー322に平行な成分はワイヤーグリッド320にて反射され、ワイヤー322に垂直な成分はワイヤーグリッド320を透過する。
ワイヤーグリッド320は、光透過性板材321と、この光透過性板材321の一面において互いに平行に配列された複数のワイヤー322と、を有している。ワイヤー322の線幅は例えば60nm程度であり、ワイヤー同士の間隔は例えば140nm程度である。そして、ワイヤーグリッド320に入射する光のうち、ワイヤー322に平行な成分はワイヤーグリッド320にて反射され、ワイヤー322に垂直な成分はワイヤーグリッド320を透過する。
リファレンス面331は、光透過性板材330の一面に設けられた反射板であり、対物レンズ310とワイヤーグリッド320との間に配設されている。そして、リファレンス面331は対物レンズ310の焦点位置に配置されている。すなわち、対物レンズ310を通った光はワイヤーグリッド320を透過する光とワイヤーグリッド320で反射される光とに分割されるところ、ワイヤーグリッド320からの反射光が焦点を結ぶ位置にリファレンス面331は配設されている。
位相シフト干渉縞取得部400は、1/4波長板410と、結像レンズ420と、無干渉光束分割プリズム430と、第1から第3の偏光板441〜443と、第1から第3のCCDカメラ451〜453と、を備えている。
無干渉光束分割プリズム430は、第1の三角プリズム431と、第2の三角プリズム432と、台形型プリズム433と、が貼り合わされて構成されている。
この無干渉光束分割プリズム430によって無干渉光は3つの光束に分割される。
ここで、プリズム431〜433同士の貼り合わせ面が半透過面となっている。
無干渉光束分割プリズム430は、第1の三角プリズム431と、第2の三角プリズム432と、台形型プリズム433と、が貼り合わされて構成されている。
この無干渉光束分割プリズム430によって無干渉光は3つの光束に分割される。
ここで、プリズム431〜433同士の貼り合わせ面が半透過面となっている。
第1から第3の偏光板441〜443は、無干渉光束分割プリズム430から射出される各光束の光路中に挿入されている。第1から第3の偏光板441〜443の透過軸角度は60度ずつ異なり、第1偏光板441の透過軸角度を0度とすると、第2偏光板442の透過軸角度は60度であり、第3偏光板443の透過軸角度は120度である。
無干渉光束分割プリズム430による光束分割にて生成された第1から第3の光束がそれぞれ第1から第3の偏光板441〜443を通過することにより、それぞれの光束において物体光と参照光とが異なる位相で干渉し、異なる位相の干渉縞が生成される。
第1から第3のCCDカメラ451〜453は、各偏光板441〜443を透過した各干渉縞を撮像する位置に配設されている。
無干渉光束分割プリズム430による光束分割にて生成された第1から第3の光束がそれぞれ第1から第3の偏光板441〜443を通過することにより、それぞれの光束において物体光と参照光とが異なる位相で干渉し、異なる位相の干渉縞が生成される。
第1から第3のCCDカメラ451〜453は、各偏光板441〜443を透過した各干渉縞を撮像する位置に配設されている。
このような構成を備える第1実施形態において光源210からの光がCCDカメラ451〜453に到達するまでの光路について説明する。
光源210から発射された光L1は、コリメートレンズ220によって平行光束とされて、さらに、偏光板230によって所定の偏光方向を有する偏光となる。そして、半波長板240によって偏光方向が所定角度で回転された状態でビームスプリッタ500に入射する。ビームスプリッタ500に入射した光の一部は無干渉光束生成部300に向けて反射(L2)される。なお、ビームスプリッタ500は無偏光のビームスプリッタである。
光源210から発射された光L1は、コリメートレンズ220によって平行光束とされて、さらに、偏光板230によって所定の偏光方向を有する偏光となる。そして、半波長板240によって偏光方向が所定角度で回転された状態でビームスプリッタ500に入射する。ビームスプリッタ500に入射した光の一部は無干渉光束生成部300に向けて反射(L2)される。なお、ビームスプリッタ500は無偏光のビームスプリッタである。
ビームスプリッタ500で反射された光(L2)は、対物レンズ310から光透過性板材330を透過してワイヤーグリッド320に入射する。すると、ワイヤーグリッド320に入射した光のうち、ワイヤーグリッド320のワイヤー322に直交する成分はワイヤーグリッド320を透過(L3)する。
ここで、ワイヤーグリッド320を透過する方向の偏光をS波とする。ワイヤーグリッド320を透過したS波はワーク表面に照射された後、ワーク表面で反射されて物体光としてワイヤーグリッド320に再帰し、ワイヤーグリッド320を透過する。
ここで、ワイヤーグリッド320を透過する方向の偏光をS波とする。ワイヤーグリッド320を透過したS波はワーク表面に照射された後、ワーク表面で反射されて物体光としてワイヤーグリッド320に再帰し、ワイヤーグリッド320を透過する。
また、対物レンズ310からワイヤーグリッド320に入射した光のうち、ワイヤーグリッド320のワイヤー322に平行な成分はワイヤーグリッド320にて反射(L4)される。
ここで、ワイヤーグリッド320にて反射される方向の偏光をP波とする。
ワイヤーグリッド320にて反射されたP波はリファレンス面331に入射した後、リファレンス面331で反射されて参照光としてワイヤーグリッド320に再帰し、再びワイヤーグリッド320で反射される。
ここで、ワイヤーグリッド320にて反射される方向の偏光をP波とする。
ワイヤーグリッド320にて反射されたP波はリファレンス面331に入射した後、リファレンス面331で反射されて参照光としてワイヤーグリッド320に再帰し、再びワイヤーグリッド320で反射される。
ここで、ワークWからの反射光である物体光(S波)とリファレンス面331からの反射光である参照光(P波)とは互いの偏光方向が直交しているので干渉せずに合波され、無干渉光束(L5)として対物レンズ310を透過してビームスプリッタ500に入射する。
ビームスプリッタ500に入射した光(無干渉光束L5)のうちの一部はビームスプリッタ500を透過して位相シフト干渉縞取得部400に入射(L6)する。
ビームスプリッタ500に入射した光(無干渉光束L5)のうちの一部はビームスプリッタ500を透過して位相シフト干渉縞取得部400に入射(L6)する。
ビームスプリッタ500を透過した光(無干渉光束L6)は、1/4波長板410に入射する。すると、無干渉光束(L6)に含まれる互いに直交する偏光である物体光(S波)と参照光(P波)とがそれぞれ回転方向の異なる円偏光となる。1/4波長板410を透過した光は、結像レンズ420を通って無干渉光束分割プリズム430に入射(L7)する。
無干渉光束分割プリズム430に入射した光は、第1三角プリズム431内の内部反射により第1射出面431Aから射出される第1光束(L8)と、台形型プリズム433を透過して第2射出面433Aから射出される第2光束(L9)と、第2三角プリズム432内の内部反射により第3射出面432Aから射出される第3光束(L10)と、に分割される。
続いて、第1光束(L8)が第1偏光板441を通過することにより、第1光束(L8)に含まれる物体光と参照光とが干渉し、この干渉にて生成される第1干渉縞が第1CCDカメラ451にて撮像される。
同様に、第2光束が第2偏光板442を通過して第2光束(L9)に含まれる物体光と参照光とが干渉して、第2干渉縞が第2CCDカメラ452にて撮像され、第3光束(L10)が第3偏光板443を通過して第3光束(L10)に含まれる物体光と参照光とが干渉して、第3干渉縞が第3CCDカメラ453にて撮像される。
続いて、第1光束(L8)が第1偏光板441を通過することにより、第1光束(L8)に含まれる物体光と参照光とが干渉し、この干渉にて生成される第1干渉縞が第1CCDカメラ451にて撮像される。
同様に、第2光束が第2偏光板442を通過して第2光束(L9)に含まれる物体光と参照光とが干渉して、第2干渉縞が第2CCDカメラ452にて撮像され、第3光束(L10)が第3偏光板443を通過して第3光束(L10)に含まれる物体光と参照光とが干渉して、第3干渉縞が第3CCDカメラ453にて撮像される。
ここで、各光束(L8、L9、L10)が各偏光板441〜443を通過することにより、各偏光板441〜443の透過軸角度に対してその2倍の位相シフトされた干渉縞が得られる。
すなわち、第1干渉縞、第2干渉縞および第3干渉縞では、120度ずつ位相が異なる干渉縞となる。
すなわち、第1干渉縞、第2干渉縞および第3干渉縞では、120度ずつ位相が異なる干渉縞となる。
そして、所定の解析手段に各干渉縞の画像を入力して、干渉縞上の各点における画像強度を3つの干渉縞で対比することにより、ワーク表面の位相情報が得られる。
これにより、ワーク表面の高さを求めることができる。
これにより、ワーク表面の高さを求めることができる。
なお、干渉縞を得るにあたっては、参照光(P波)と物体光(S波)との強度が略等しいことが好ましいところ、ワーク表面とリファレンス面331とで反射率が違う場合に、ワーク表面とリファレンス面331とに同じ強度の光を照射していてはワークWからの反射光である物体光とリファレンス面331からの反射光である参照光とで強度が異なることになる。特に、反射率の低いワークWを測定対象とする場合には、物体光が弱すぎて望ましい干渉縞が得られないこともある。
このような場合、半波長板240を回転させて半波長板240の主軸の角度を調整する。
すなわち、半波長板240によって偏光の偏光方向を回転させ、例えば、ワイヤーグリッド320における光の分割において透過光(S波)の成分が多く、反射光(P波)の成分が少なくなるようにする。このようにワイヤーグリッド320における光の分割においてS波とP波との割合を調整して、ワークWからの反射光である物体光の強度とリファレンス面331からの反射光である参照光の強度とを略等しくすることで干渉縞を明瞭にする。
すなわち、半波長板240によって偏光の偏光方向を回転させ、例えば、ワイヤーグリッド320における光の分割において透過光(S波)の成分が多く、反射光(P波)の成分が少なくなるようにする。このようにワイヤーグリッド320における光の分割においてS波とP波との割合を調整して、ワークWからの反射光である物体光の強度とリファレンス面331からの反射光である参照光の強度とを略等しくすることで干渉縞を明瞭にする。
このような第1実施形態によれば、次の効果を奏することができる。
(1)物体光(S波)と参照光(P波)とが無干渉状態で合波された光束を無干渉光束分割プリズム430にて分割した後に、各分割光束に異なる位相シフトを与えて干渉させることにより、位相が異なる複数の干渉縞を同時に得ることができる。その結果、一の測定点を測定する時間が極めて短くなり、形状が刻々と変化するワーク表面形状であっても測定することができる。
(1)物体光(S波)と参照光(P波)とが無干渉状態で合波された光束を無干渉光束分割プリズム430にて分割した後に、各分割光束に異なる位相シフトを与えて干渉させることにより、位相が異なる複数の干渉縞を同時に得ることができる。その結果、一の測定点を測定する時間が極めて短くなり、形状が刻々と変化するワーク表面形状であっても測定することができる。
(2)従来のごとく物体光あるいは参照光の光路長を変化させるためのメカニカルな動きを必要とせず、位相シフト干渉縞取得部400において各光束を透過軸角度が異なる偏光板441〜443を通過させることにより各光束で異なる位相の干渉縞を同時に生成する。すなわち、光学的な手段によって正確な既知量だけ位相シフトさせた複数の干渉縞を同時に得ることができる。その結果、これらの干渉縞に基づいてワーク表面の形状を高精度に測定することができる。
(3)ワイヤーグリッド320は光を互いに直交する偏光方向を有する光(P波とS波)に分割するので、参照光(P波)と物体光(S波)とが合波されたときに互いが干渉することなく、それぞれがリファレンス面331あるいはワーク表面の位相情報を保持したままで合波する。
したがって、参照光(P波)と物体光(S波)とが無干渉で合波した無干渉光の状態で共通の光路により位相シフト干渉縞取得部400に無干渉光を入射させることができる。
そして、位相シフト干渉縞取得部400において無干渉光を複数に分割したうえで、分割光束ごとに物体光と参照光とを異なる位相で干渉させることにより異なる位相で位相シフトされた干渉縞を同時に複数得ることができる。
したがって、参照光(P波)と物体光(S波)とが無干渉で合波した無干渉光の状態で共通の光路により位相シフト干渉縞取得部400に無干渉光を入射させることができる。
そして、位相シフト干渉縞取得部400において無干渉光を複数に分割したうえで、分割光束ごとに物体光と参照光とを異なる位相で干渉させることにより異なる位相で位相シフトされた干渉縞を同時に複数得ることができる。
(4)ワイヤーグリッド320は、光透過性板材321に平行にワイヤー322を配列するだけの簡便な構成であり、例えば、複屈折性の媒質に比べると部材コストを格段に安価にすることができる。また、ワイヤーグリッド320は、複屈折性の媒質に比べて面積を大きくすることができ、測定に使用する光束の幅を大きくすることができる。
(5)半波長板240を回転させて半波長板240の主軸の角度を調整することにより照明光学系200からの光(L2)の偏光方向を調整することができるので、ワイヤーグリッド320による光束の分割によって生成されるP波(L4)とS波(L3)との相対強度を調整することができる。
例えば、反射率の低いワークWを測定対象とする場合には、物体光が弱すぎて望ましい干渉縞が得られないおそれもあるが、P波(L4)とS波(L3)との強度を調整してワークWからの反射光である物体光の強度とリファレンス面331からの反射光である参照光の強度とを略等しくすることで干渉縞を明瞭にすることができる。
例えば、反射率の低いワークWを測定対象とする場合には、物体光が弱すぎて望ましい干渉縞が得られないおそれもあるが、P波(L4)とS波(L3)との強度を調整してワークWからの反射光である物体光の強度とリファレンス面331からの反射光である参照光の強度とを略等しくすることで干渉縞を明瞭にすることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図2を参照して説明する。
第2実施形態の基本的構成は、第1実施形態に同様であるが、第1実施形態がミロー型の干渉計であったのに対して、第2実施形態はマイケルソン型干渉計である点に特徴を有する。
次に、本発明の第2実施形態について図2を参照して説明する。
第2実施形態の基本的構成は、第1実施形態に同様であるが、第1実施形態がミロー型の干渉計であったのに対して、第2実施形態はマイケルソン型干渉計である点に特徴を有する。
すなわち、図2において、無干渉光束生成部600は、対物レンズ610と、偏光ビームスプリッタ620と、リファレンス面630と、を備える。
ここで、偏光ビームスプリッタ620はキューブ型であって、光を二光束に分割するところ、ワークWに向けて透過する透過光(S波)とこの透過光に直交する方向に向けて反射する反射光(P波)とに光を分割する。そして、偏光ビームスプリッタ620を透過した光(S波)は、ワークWに照射され、物体光としてワークWから反射される。また、偏光ビームスプリッタ620で反射された光(P波)は、リファレンス面630に入射し、参照光としてリファレンス面630にて反射される。
ここで、偏光ビームスプリッタ620はキューブ型であって、光を二光束に分割するところ、ワークWに向けて透過する透過光(S波)とこの透過光に直交する方向に向けて反射する反射光(P波)とに光を分割する。そして、偏光ビームスプリッタ620を透過した光(S波)は、ワークWに照射され、物体光としてワークWから反射される。また、偏光ビームスプリッタ620で反射された光(P波)は、リファレンス面630に入射し、参照光としてリファレンス面630にて反射される。
ワークWからの反射光である物体光と、リファレンス面630からの反射光である参照光と、がそれぞれ偏光ビームスプリッタ620に再帰し、偏光ビームスプリッタ620にて合波される。このとき、物体光(S波)と参照光(P波)との偏光方向が互いに直交しているので、物体光(S波)と参照光(P波)とは干渉することがなく、無干渉光束としてビームスプリッタ500および位相シフト干渉縞取得部400に入射する。そして、位相シフト干渉縞取得部400にて無干渉光束が3つに分割されたのち、分割光束ごとに異なる位相の干渉縞が取得される。
このような第2実施形態によれば、上記の効果(1)(2)(5)を奏することができる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について図3を参照して説明する。
第3実施形態の基本的構成は、第1実施形態に同様であるが、位相シフト干渉縞取得部700の構成に特徴を有する。
図3において、位相シフト干渉縞取得部700は、反射ミラー710と、第1分光光束系720と、第2分光光束系730と、第3分光光束系740と、を備えている。
本発明の第3実施形態について図3を参照して説明する。
第3実施形態の基本的構成は、第1実施形態に同様であるが、位相シフト干渉縞取得部700の構成に特徴を有する。
図3において、位相シフト干渉縞取得部700は、反射ミラー710と、第1分光光束系720と、第2分光光束系730と、第3分光光束系740と、を備えている。
第1分光光束系720は、反射ミラー710にて反射された反射光の光路上に配設された第1無偏光半透鏡721と、第1無偏光半透鏡721からの反射光を受光して撮像するCCDカメラ722と、第1無偏光半透鏡721とCCDカメラ722との間に配設された偏光板723と、を備える。
第2分光光束系730は、反射ミラー710にて反射された反射光の光路上に配設された第2無偏光半透鏡731と、第2無偏光半透鏡731からの反射光を受光して撮像するCCDカメラ732と、第2無偏光半透鏡731とCCDカメラ732との間に配設された複屈折性媒質733および偏光板734と、を備える。
第3分光光束系740は、反射ミラー710にて反射された反射光を反射する反射ミラー741と、反射ミラー741からの反射光を受光して撮像するCCDカメラ742と、反射ミラー741とCCDカメラ742との間に配設された複屈折性媒質743および偏光板744と、を備える。
第2分光光束系730は、反射ミラー710にて反射された反射光の光路上に配設された第2無偏光半透鏡731と、第2無偏光半透鏡731からの反射光を受光して撮像するCCDカメラ732と、第2無偏光半透鏡731とCCDカメラ732との間に配設された複屈折性媒質733および偏光板734と、を備える。
第3分光光束系740は、反射ミラー710にて反射された反射光を反射する反射ミラー741と、反射ミラー741からの反射光を受光して撮像するCCDカメラ742と、反射ミラー741とCCDカメラ742との間に配設された複屈折性媒質743および偏光板744と、を備える。
なお、第2分光光束系730に配設された複屈折性媒質733と第3分光光束系740に配設された複屈折性媒質743との屈折率は、互いに異なる。
具体的には、第1分光光束系720、第2分光光束系730、第3分光光束系740の各カメラ722、732、742により、π/2ずつ位相が異なる干渉縞画像が撮像されるように、複屈折性媒質733、743が適宜選択される。
また、第1無偏光半透鏡721および第2無偏光半透鏡731により無干渉光束分割手段が構成されている。
具体的には、第1分光光束系720、第2分光光束系730、第3分光光束系740の各カメラ722、732、742により、π/2ずつ位相が異なる干渉縞画像が撮像されるように、複屈折性媒質733、743が適宜選択される。
また、第1無偏光半透鏡721および第2無偏光半透鏡731により無干渉光束分割手段が構成されている。
このような構成において、無干渉光束生成部600からの無干渉光束は反射ミラーで反射された後、第1分光光束系720、第2分光光束系730および第3分光光束系740においてπ/2ずつ異なる位相で位相シフトされる。そして、このように位相シフトされたそれぞれの干渉縞画像が各分光光束系720、730、740の各カメラ722、732、742により撮像される
このような第3実施形態によれば、上記の効果(1)から(5)を奏することができる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されず、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
位相シフト干渉縞取得部の構成は、上記実施形態に示した構成に限らず、無干渉光束生成部にて生成された無干渉光束を複数の光束に分割して、分割光束ごとに異なる位相の干渉縞を得ることができればよい。また、無干渉光束を3つに分割して位相の異なる3つの干渉縞を得る場合を例にして説明したが、3つ以上であれば、4つでも5つでもよい。
位相シフト干渉縞取得部の構成は、上記実施形態に示した構成に限らず、無干渉光束生成部にて生成された無干渉光束を複数の光束に分割して、分割光束ごとに異なる位相の干渉縞を得ることができればよい。また、無干渉光束を3つに分割して位相の異なる3つの干渉縞を得る場合を例にして説明したが、3つ以上であれば、4つでも5つでもよい。
本発明は、位相シフト干渉計に利用できる。
10…位相シフト干渉計、20…照明光学系、21…光源、22…コリメートレンズ、30…干渉縞生成部、31…固定部、32…可動部、33…対物レンズ、34…光透過性板材、35…リファレンス面、36…ハーフミラー、37…圧電素子、38…平行リンク機構、40…干渉縞撮像部、41…結像レンズ、42…CCDカメラ、50…ビームスプリッタ、100…位相シフト干渉計、200…照明光学系、210…光源、220…コリメートレンズ、230…偏光板、240…半波長板、300…無干渉光束生成部、310…対物レンズ、320…ワイヤーグリッド、321…光透過性板材、322…ワイヤー、330…光透過性板材、331…リファレンス面、400…位相シフト干渉縞取得部、410…1/4波長板、420…結像レンズ、430…無干渉光束分割プリズム、431…第1三角プリズム、431A…第1射出面、432…第2三角プリズム、432A…第3射出面、433A…第2射出面、433…台形型プリズム、441…第1偏光板、442…第2偏光板、443…第3偏光板、451…第1CCDカメラ、452…第2CCDカメラ、453…第3CCDカメラ、500…ビームスプリッタ、600…無干渉光束生成部、610…対物レンズ、620…偏光ビームスプリッタ、630…リファレンス面、700…位相シフト干渉縞取得部、710…反射ミラー、720…第1分光光束系、721…無偏光半透鏡、722…CCDカメラ、723…偏光板、730…第2分光光束系、731…無偏光半透鏡、732…CCDカメラ、733…複屈折性媒質、734…偏光板、740…第3分光光束系、741…反射ミラー、742…CCDカメラ、743…複屈折性媒質、744…偏光板。
Claims (7)
- 光を発射する照明光学系と、
前記照明光学系からの光をワーク表面への照射光とリファレンス面への入射光との二光束に分割するとともに、前記ワークからの反射光である物体光と前記リファレンス面からの反射光である参照光とを無干渉状態で合波して無干渉光束とする無干渉光束生成手段と、
前記無干渉光束生成手段からの無干渉光束を3以上の光束に分割し、分割された各無干渉光束に含まれる物体光と参照光とを分割された光束ごとに異なる位相で干渉させて異なる位相の干渉縞を得る位相シフト干渉縞取得部と、を備える
ことを特徴とする位相シフト干渉計。 - 請求項1に記載の位相シフト干渉計において、
前記無干渉光束生成手段は、
前記照明光学系からの光をワーク表面に向けて照射する対物レンズと、
前記対物レンズとワークとの間に配設され、かつ、前記照明光学系からの光を所定の偏光方向を有する第1偏光とこの前記第1偏光に直交する偏光方向を有する第2偏光とに分割する光束分割手段と、
前記光束分割手段にて分割された第1偏光および第2偏光のいずれか一方が前記対物レンズによって結像する焦点位置に配設され、前記光束分割手段からの入射光を光束分割手段に向けて反射するリファレンス面と、を備える
ことを特徴とする位相シフト干渉計。 - 請求項2に記載の位相シフト干渉計において、
前記光束分割手段は、互いに平行に配列された複数のワイヤーを有しこのワイヤーに平行な成分を反射するとともにワイヤーに垂直な成分を透過させるワイヤーグリッド型偏光板であり、
前記リファレンス面は、前記対物レンズと前記ワイヤーグリッド型偏光板との間に配設され、前記ワイヤーグリッド型偏光板にて反射された光の焦点位置において光を前記ワイヤーグリッドに向けて反射する
ことを特徴とする位相シフト干渉計。 - 請求項2に記載の位相シフト干渉計において、
前記光束分割手段は、透過光である第1偏光に対して略直交する方向に向けて反射光である第2偏光を反射する偏光ビームスプリッタである
ことを特徴とする位相シフト干渉計。 - 請求項2から4のいずれかに記載の位相シフト干渉計において、
前記位相シフト干渉縞取得部は、
前記無干渉光束生成手段からの無干渉光束に含まれる互いに直交方向の偏光である物体光と参照光とをそれぞれ回転方向が異なる円偏光とする1/4波長板と、
前記1/4波長板を通過した無干渉光束の光路中に配設されて、内部の複数の半透過面にて無干渉光束を3以上の光束に分割する無干渉光束分割手段と、
前記無干渉光束分割手段にて分割された各光束の光路上に配置され、透過軸角度が所定角度ずつ異なる偏光板と、を備える
ことを特徴とする位相シフト干渉計。 - 請求項2から4のいずれかに記載の位相シフト干渉計において、
前記位相シフト干渉縞取得部は、
前記無干渉光束生成手段からの無干渉光束の光路中に配設された複数のハーフミラーを有する無干渉光束分割手段と、
前記無干渉光束分割手段にて分割された各光束の光路中に配設されて各光束に所定の位相遅れを与える複屈折性媒質と、
分割された各無干渉光束に含まれる物体光と参照光とを干渉させる偏光板と、を備える
ことを特徴とする位相シフト干渉計。 - 請求項2から請求項6のいずれかに記載の位相シフト干渉計において、
前記照明光学系は、光源と、この光源からの光を偏光にする偏光板と、半波長板と、を備え、
前記半波長板を回転させることにより照明光学系からの光の偏光方向を前記光束分割手段の透過軸角度に対して相対的に調整可能である
ことを特徴とする位相シフト干渉計。
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2005
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